JP2018520815A - 方位トラッキング・デバイス - Google Patents
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Abstract
方位トラッキング・デバイスは、選択された主座標系における磁気イメージング・スキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データおよびかかる主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データを含むデータを保存するメモリを含む。方位トラッキング・デバイスはまた、加速度計、磁気計および通信モジュールを含む。プロセッサは、加速度計、磁気計および通信モジュールに接続され、方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値を磁気計から受けるように適用される。プロセッサはさらに、方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受け、プロセッサは加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、主座標系に関するデバイスの方位を決定する。
【選択図】図5
【選択図】図5
Description
本出願は、特に磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging、MRI)・スキャナと共に使用するための方位トラッキング・デバイスに関する。
MRIスキャナは、患者をスキャンするために医療環境で非常に頻繁に使用されている。しかしながら、スキャニング・プロセス(または走査プロセス、scanning process)中に患者が動くと、結果として生じるスキャンが不正確になる。
単に患者の呼吸のため、またはより長いスキャンにおいて患者が静止状態を保持することは困難であるため、患者が動きを避けることが困難であることが理解されよう。さらに、患者は、身体的に静止状態を保持することが困難であるパーキンソン病のような病気を患っている場合がある。
サブミリメートルの解像度のイメージング(または画像化、imaging)が可能な現存するMRIスキャナでは、不随意運動は、得られる画像の明瞭さを制限する要因となっている。
これらの動きを検出してスキャニング・プロセスにおいて補整できる方法が必要である。本発明は、これに対処するためのデバイスおよび方法を供する。
一態様によれば、方位トラッキング・デバイス(または向き追跡デバイス、orientation tracking device)が供され、このデバイスは、
選択された主座標系(または主座標フレーム、principle co-ordinate frame)における磁気イメージング・スキャナ(magnetic imaging scanner)の静磁場の方向に関する磁気参照データ(または磁気基準データ、もしくは磁気リファレンス・データ、magnetic reference data)およびかかる主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データ(earth gravitational reference data)を含むデータを保存するメモリ、
加速度計(accelerometer)、
磁気計(magnetometer)、
通信モジュール(communication module)、ならびに
加速度計、磁気計および通信モジュールに接続されたプロセッサ(processor)
を含み、
かかるプロセッサが、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値(または測定、measurement)を磁気計から受けるようになっており(または適用され、adapted for)、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けるようになっており、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、主座標系に関するデバイスの方位を決定するようになっている、
デバイスである。
選択された主座標系(または主座標フレーム、principle co-ordinate frame)における磁気イメージング・スキャナ(magnetic imaging scanner)の静磁場の方向に関する磁気参照データ(または磁気基準データ、もしくは磁気リファレンス・データ、magnetic reference data)およびかかる主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データ(earth gravitational reference data)を含むデータを保存するメモリ、
加速度計(accelerometer)、
磁気計(magnetometer)、
通信モジュール(communication module)、ならびに
加速度計、磁気計および通信モジュールに接続されたプロセッサ(processor)
を含み、
かかるプロセッサが、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値(または測定、measurement)を磁気計から受けるようになっており(または適用され、adapted for)、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けるようになっており、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、主座標系に関するデバイスの方位を決定するようになっている、
デバイスである。
プロセッサは、典型的には、加速度計および磁気計からのさらなる測定値を受け、これらを使用してデバイスの方位を決定し、プロセッサは、デバイスの決定された方位と、かかるデバイスの先に(または予め、previously)決定された方位とを比較して、使用中にてデバイスが取り付けられているMRIスキャナ内の剛体の方位の変化を定量化する。
好ましい例示的態様では、プロセッサが、フィルタリング法(またはフィルタリング技術、filtering techniques)をさらに適用して、誤った読取り(spurious readings)の影響を軽減する。
デバイスは、プロセッサに接続された少なくとも1つのジャイロスコープ(gyroscope)を含んでもよく、プロセッサが、デバイスの方位を決定すべくジャイロスコープから受けた測定値を付加的に使用する。
さらに、通信モジュールは、デバイスの今後の状態(future states)を見積もる(または推定する、estimate)ように使用するために、スキャナに加速度および/またはジャイロスコープの測定値をさらにフィードバックする。
デバイスは、典型的には、デバイスの他の構成要素に電力(またはパワー、power)を供するバッテリを含み、バッテリは、電圧レギュレータ(または電圧調整機、voltage regulator)を介してプロセッサに接続される。
別の例示的な態様によれば、方位をトラッキングする(または追跡する、tracking)ために方位トラッキング・デバイスを使用する方法が供され、この方法は、
選択された主座標系における磁気イメージング・スキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データおよびかかる主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データを含むデータを保存すること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値を磁気計から受けること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けること、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、主座標系に関するデバイスの方位を決定することを含む、
方法である。
選択された主座標系における磁気イメージング・スキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データおよびかかる主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データを含むデータを保存すること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値を磁気計から受けること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けること、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、主座標系に関するデバイスの方位を決定することを含む、
方法である。
典型的には、測定値を定期的に受け、デバイスの方位を決定すべく使用し、デバイスの決定された方位と、デバイスの先に決定された方位とを比較して、使用中にてデバイスが取り付けられているMRIスキャナ内の剛体(または剛性対象物、rigid object)の方位の変化を定量化する。
フィルタリング法をさらに適用して、誤った読取りの影響を軽減する(または緩和する、mitigate)ことが好ましい。
本方法は、少なくとも1つのジャイロスコープからの測定値を受けることおよび前記デバイスの方位を決定すべくジャイロスコープから受けた測定値を付加的に使用することをさらに含んでもよい。
さらに、デバイスの今後の状態の見積りに使用するために、スキャナに加速度および/またはジャイロスコープの測定値をフィードバックすることを含んでもよい。
好ましい態様では、主座標系は、MRIスキャナの座標系である。
さらに、参照データが、MRIスキャナ構造の知識に基づいて統合され(または合成され、synthesised)てもよい。
さらに、デバイスが使用中に接続されている剛体の方位の変化を用いて、かかる剛体の並進運動(または移動、translation)を予測することができる。
特に磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナと共に使用するための方位トラッキング・デバイスを以下に記載する。
MRIスキャナは、超伝導マグネット(super conducting magnet)、高周波コイル(radio frequency coils)および勾配磁場コイル(または勾配コイル、gradient coils)を含んで成る。勾配磁場コイルは、スキャナ・ボア内の3つの直交する方向に物理的空間を空間的に符号化することができる3つの別個のコイルを含んで成る。MRIスキャナのアイソセンター(iso-center)では、勾配磁場コイルは磁場の大きさに影響を及ぼさない。このポイントは修正または変更することができず、特定のMRIスキャナに対して固定されている。それ故、勾配アイソセンター以外の物理的空間における、あらゆるポイントの周りで磁場の符号化された大きさを回転させることは物理的に不可能である。並進運動シフト(または移動シフト、translational shifts)は、静磁場の一定の大きさにおける物理的なシフトを通してではなく、MR信号の解釈(interpretation)を修正することによって達成される。
これは、MR信号に対する方位のリアルタイムのフィードバックの影響が並進運動シフトよりも複雑であるため、そのフィードバックが非常に重要であることに起因する。方位の補正は直ちにフィードバックする必要があるが、並進する動作は、正確に定量化されている限り、遡及的に補正することができる。
添付図面を参照すると、方位トラッキング・デバイス10は、磁気イメージング・スキャナの静磁場に関する磁気参照データおよび地球の重力場に関する地球重力参照データを含むデータを保存するメモリ12を含む。これらの参照データは、最初の主座標系を規定する。
これに関して、磁気共鳴イメージングは、画像取得のために非常に均一な磁場に依存する。この磁場における小さな変動でさえ、水素原子の歳差運動(precession)の周波数をずらし(または偏位させる、offset)、画像中にアーチファクト(または不自然な結果、artefacts)を引き起こす。画像空間符号化に使用される勾配磁場(gradient fields)は、3テスラスキャナ(Tesla scanner)の場合、40mT/mの領域にある。約1mmのサイズの身体構造上の特徴を符号化するためには、スキャナ内の磁場は、0.04mT(典型的に、具体的には百万分の1)以内で安定する必要がある。これは静的場よりも数桁小さいため、この場が画像再構成のためにどれほど安定している必要があるかを示している。
ベクトル観測(vector observations)が行われる限り、方向推定のためにはMRIスキャナ内の静的場(〜B0場)は完全に近い。これは、動きから高度に独立しており、画像空間において完全に規定されている。
画像空間を符号化する比較的小さな規模の勾配磁場であっても、同じ方向を指す磁場ベクトルを有する(理論的には〜B0場の方向に影響を与えない)。MRIスキャナの構成では、符号化効果を最大にするために勾配磁場コイルを静磁場に整列させることが有益である。これらの特性により、スキャナのイメージング参照系(imaging reference frame)内の静磁場の参照方向の統合を比較的高い精度(MRIスキャナの例では1度未満)にすることが可能になる。これは、予期される動き補正の用途に有用である(ここでは、MRIスキャナの座標系に関して方位推定が必要とされる)。
MRIスキャナ・ボア内の方位を完全に規定するためには、別のベクトル観測が必要である。第2ベクトルは、第1ベクトルと並行または反並行ではない。むしろ、第2ベクトルが第1ベクトルに直交するほど、ノイズに対する脆弱性が低くなり、方向推定が行われる。
構造的および快適性の理由から、ほとんどのMRIスキャナは患者を背臥位で画像化する。したがって、MRIスキャナ・ボアの軸は、患者を横たわった状態で収めるように床と平行に位置する。撮影台で予期される通りに画像が表示されるように、患者のベッドおよびイメージング系が確実に位置合わせされることが重要である。重力レベルがスキャナ構成の参照として使用されることも理解することができる。したがって、イメージング系の垂直軸と平行になるように重力の参照方向を統合することができる。
このレイアウトでは、地球の重力場ベクトルは、スキャナの静磁場に完全に直角に近い(MRIスキャナの1の測定例で0.1度以内)。
図1は、お互いにほぼ完全に直交する、患者ベッドに垂直に置かれた重力(〜g)およびスキャナ・ボアに沿って軸方向に走る静磁場(〜B0)における、従来のMRIスキャナのレイアウトを示す。
この研究で使用されている3T Skyraに指定されているように、主磁石の設置の一部として、振子(pendulum)はスキャナのYZ平面を重力に合わせるために使用される。
デバイス(センサー)座標系(x’ y’ z’)はスキャナ座標系(X Y Z)に対して示され、大きな点線円はMRIのスキャナ・ボアを示す。
地面はスキャナのXZ平面に平行である。
描かれたベクトルは、ポイントPでデバイスによって観測可能な場を表す。
デバイス系における2つのベクトル観測の使用は、ベクトル方向が既知である任意の参照系に対する方向の瞬間的な測定を可能にし、参照ベクトルにおける直交性の重要性を示す直感的な方法であることが理解されよう。
2つのベクトルは、所与の変換のための解を過大に制限する(over-constrain)。これは、上記のように参照データセットを統合する(synthesising the reference dataset)際の自由度を増すことを可能とする。例えば、ほとんどの場合、磁気計の推定値は、システムの動力学とは独立しているため、加速度計の測定値よりも正確である。この場合、加速度計から得られた重力のベクトル観測を、静磁場の軸の周りの出力方位にのみ影響するように制限することができる。別の例では、重力の方向に関するデータをより容易に得ることができ、磁気計の出力を適切に制限することができる。
上記の統合参照データセットは、統合された推定値がアプリケーションに対して十分な精度がある(標準的な臨床スキャナ3T Skyra,Siemensのプロトタイプ・デバイスで見出された)場合、スキャナ固有のキャリブレーション(または校正、calibration)が必要とされないため、デバイスの使い易さの点で有益であることが理解されよう。しかしながら、スキャナの構成がこれらの推定から大きく外れている場合、または高い精度(スキャナの構成で指定された許容誤差よりも高い精度)が要求される場合、参照ベクトル(重力および静磁場)の方向を測定するために、スキャナのイメージング座標系内においてキャリブレーションを1回のみで実施することができる。デバイス自体でこれらのベクトルの方向を測定する必要がないことに留意する必要があり、スキャナ固有の参照データセットはそれ故、方位トラッキング・デバイスに基づくあらゆるベクトルで有効である。重力場およびMRIスキャナの静磁場ベクトル方向の両方が、スキャナの寿命が過ぎるまでの期間に逸脱する可能性は低いので、このデータセットは同等に長期間にわたって有効であることが予期される。
したがって、デバイス10は、選択された主座標系においてMRIスキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データを出発点として使用する。
第2ベクトル軸として使用され、メモリ12に保存される主座標系における地球の重力場の方向は、選択された主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データである。
デバイス10はまた、3軸加速度計14、3軸磁気計16および3軸角速度ジャイロ18を含む。これらの機能については、以下により詳細に記載する。
通信モジュール20は、MRIスキャナと通信する。
通信モジュール20の主な用途は、対象物の動きに関してデータをMRIスキャナに転送することであるが、MRIスキャナの制御コンピュータが、イベントをデバイスと同期させる手段、またはパルスシーケンスの一部分が働いてデバイスに送る手段としても機能する。パルスシーケンスと同期する能力により、デジタル制御機は、フィルタ・パラメータを最適化し、測定におけるノイズを低減することができる。
通信モジュール20はまた、デバイスの今後の状態を推定するために、加速度計および/またはジャイロスコープからの測定値をスキャナにフィードバックする。
加速度信号の積分は、速度/位置推定をもたらすことができる。高い時間軸分解度の状態推定値(high temporal resolution state estimates)は、よりロバストな(または堅牢な、robust)並進運動推定値を考慮するフィルタによって、スキャナまたは再計算ソフトウェアで計算されたより低い時間軸分解度の並進運動推定値(lower temporal resolution translation estimates)と組み合わせることができる。
プロセッサ22は、加速度計14、磁気計16、ジャイロ18および通信モジュール20に接続されている。
プロセッサ22は、加速度計14、磁気計16およびジャイロ18からの測定値を受け、処理して、MRIスキャナのボア内のデバイス10の方位を計算するように、デバイス10の動作を制御する。これについては、以下により詳細に記載する。
図示された態様では、プロセッサ22および他の構成要素は、スキャンされる患者の身体に接続される単一のハウジング内に収まることが理解されよう。この好ましい態様では、結果がデバイス10から送信される前に、様々な測定モジュールからの測定値が、プロセッサ22によって受信され、局所的に処理される。
したがって、デバイス10の方位は、デバイスにおいて局所的に計算される。
しかしながら、別の態様では、加速度計14、磁気計16およびジャイロ18からの信号を、通信モジュールを使用してスキャナ・ボアの外側に遠隔に配置されたプロセッサに送ることによって、遠隔でデバイス10の方位を計算することが可能である。
この態様では、デバイスの方位を計算することに関して示されたプロセッサ22の機能性は、以下に記載するように、組み合わせて信号のフィルタリングおよびより高いレベルの計算能を実装する他のプロセッサにシフトされる。
いずれにしても、好ましい態様では、プロセッサ22は、MRIスキャナの静磁場の参照データおよび地球重力場の参照データを使用して、上記の参照軸の第1セットを規定し、これにより、デバイスが選択された参照座標系におけるデータを出力することを可能とする。
ベクトル場、重力および〜B0は共に、スキャナのイメージング領域内の任意の位置から観測可能であることが理解されよう。また、すべての観測可能な方位がベクトル観測によって規定されるため、測定範囲に制限がない。使用において、デバイス10は、接触ポイントがスキャニング・プロセス中に対象の身体構造に対して容易に動かないように好ましくは選択された、任意の方位または位置で、患者に固定される(strap)か、または(ECGパッドと同様に)粘着される(stuck)。誤った読取りの一般的な原因は、皮下の筋肉が相対運動を誘発し得る皮膚の動きであり、脳イメージングの場合、耳の後ろの乳様突起(mastoid process)はセンサー取り付けのための魅力的な部位となる。これは、視線が必要とされる光学ベースの動きトラッキングでは不可能である。
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内のデバイス(センサー)の座標系における磁場ベクトルの測定値を磁気計16から受け、またデバイス(センサー)の座標系における地球の重力場ベクトルの方向を示す加速度ベクトルの測定値を加速度計14から受けると、プロセッサ22は、受けた磁場測定値および加速度測定値を使用して、先に決定された主座標系に関するデバイスの方位を計算する。
上記処理について、プロセッサ22は、測定された磁場ベクトルを磁気イメージング・スキャナの保存された静磁場と比較し、また測定された加速度ベクトルを保存された測定値が選択された主座標系で表される保存された地球の重力場と比較することによって行う。一例では、選択された主座標系がMRIスキャナの座標系であるように、これらのベクトルは上記のように統合することができる。
デバイス10からの瞬間での測定は、各センサー更新時にシステムが選択された参照座標系に関するその方位を認識する(know)ため、初期の方位測定値として保存することができることが理解されよう。患者に固定されたときの任意の方位の変化は、デバイスによってトラッキングされる対象の方位の等しい変化を表す。
したがって、プロセッサ22は定期的に(periodically)測定値を受け、これらを使用してデバイスの方位を決定し、決定されたデバイスの方位をデバイスの先に決定された方位(イメージング・スキャンの場合には、スキャン開始時のデバイスの方位)と比較し、方位が変化したかどうかを決定し、選択された主座標系(予期される動きの補正のアプリケーションにおいて有益であるMRIスキャナのイメージング座標系として選択し得る系)に関する方位の変化を定量化する。
定期的な間隔で、プロセッサ22は磁気計および加速度計からのさらなる測定値を受け、デバイスの瞬間的な方位を決定する。1つの例示的な態様では、定期的な間隔はミリ秒である。
したがって、プロセッサ22は、加速度計14および磁気計16からのさらなる測定値を受け、これらを使用してデバイスの方位を決定し、またプロセッサ22は、デバイスの決定された方位を、先に決定され、保存されたデバイスの方位と比較し、使用中にてデバイスが取り付けられているMRIスキャナ内の剛体の方位の変化を定量化することが理解されよう。
プロセッサ22は、センサーデータの時間発展を使用し、フィルタリング法を適用して、スキャナ制御ユニットへの方向推定フィードバックに対する誤った読取りの影響を軽減する。
信頼性が低く、誤った結果を招く可能性があるため、単なる加速度の測定値は、地球の重力場ベクトルの観測値と同等ではないことが理解されよう(たとえ患者が大きな連続加速を受けることが予期されないとしても)。
これに対処するために、上記の測定値は、角速度ジャイロで補完され、線形加速期間(periods of linear acceleration)中の方位を正確に決定することができる。得られたセンサー・アレイは、MARG検出方式(磁気計、加速度計およびレートジャイロ)として既知である。このセンサーのアレイは、ロボット工学および航空機の方位推定に一般的に使用されている。提案されたデバイスは、動きから独立しているMRIスキャナの非常に強い静磁場を有する制御された環境で使用されるという点で異なる。結果として、加速時にジャイロのバイアスを正確にトラッキングし、同様に構成された方位計測デバイスの従来のアプリケーションをはるかに超える精度を達成することができる。
したがって、ジャイロスコープは、デバイスの方位状態の発展がより明確に規定される、よりロバストなフィルタリング法を可能にする。
デバイス10はまた、好ましくは、デバイスの他の構成要素に電力を供するためのバッテリ24を含む。バッテリは、電圧レギュレータ(図示せず)を介して能動部品に接続してもよい。
上記の構成要素の全ては、プリント回路基板に組み込まれる。
これに関して、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナの高出力勾配磁場コイル(high power gradient coils)は、伝導性材に電流を誘導し得る。これらの電流は、スキャナ内の場と相互作用し、望ましくない影響を引き起こす可能性がある。スキャナ・ボア内の長い導体は、無線周波数(RF)場に同調し、深刻な画像アーチファクトを引き起こす可能性がある。これらの影響のほとんどは、伝導領域を最小限に抑え、共振を防止するために考慮したプリント基板レイアウトによって軽減することができる。例えば、全ての重要な信号トラッキングは、できるだけ短く保たれる。
また、PCBの外層を接地板(またはグラウンド・プレーン、ground planes)にして、内層内でのみ感度の高い信号トラッキングを実行することによって、信号トラッキングをシールドすることもできる。これは、高出力の過渡磁場(transient magnetic fields)からの信号トラッキングを保護するだけでなく、デバイス自体がMRI画像上にアーチファクトとして現れ得るRFエネルギーを放出するのを防ぐ。
電磁放射をさらに低減するために、プロセッサ22は、特定のスキャナのラーモア周波数から適切に離れた周波数でクロックされる低電力マイクロ制御機として実装される。
高強度静磁場は、磁化率の急激な変化によって引き起こされる不均質性の影響を受け易い。これらの影響が最小限に抑えられるように、すべての構成要素はMRIと互換性があるように特定されている。デバイスは可能な限りコンパクトに保たれ、その電源を支持する。バッテリの使用により、シールドや特別な保護が必要な長い導体からデバイスが解放される。
デバイスによって得られた方位推定値は、(MRIスキャナの歳差運動周波数から適切に離れた電磁波の形態において)光学的または無線通信技術のいずれかを使用してスキャナから通信モジュールによって送られ、長い導体の必要性を排除する。
現代のデジタルセンサーを使用することにより、集積回路(IC)の内部構造の微細なサイズに起因して、センサーのアナログ信号が無線周波数フラックス(flux)の影響を受けにくくなる。これらの信号は、集積回路のシリカ構造内でのローパスフィルタ処理後すぐにデジタル化され、過渡磁場(transient magnetic fields)への信号カップリングの機会を低減する。
高出力勾配磁場コイルによって引き起こされる誘導電流の影響を低減するように、アナログ電源およびデジタル電源が分離され、センサーICの電源ピンに近接してローパスフィルタが使用される。
所望のフィルタ出力を得るために2つの別個のアルゴリズムが提案されている。
第1に、身体トラッキングおよび小型航空機用の方位推定に実装される一般的なフィルタを、デバイスの使用に適合させることができる。このフィルタは、マホニーによって最初に記載された補完フィルタ(complementary filter)のバージョンに基づく軽量四元数(light weight quaternion)である。このフィルタは、計算コストがはるかに少ないカルマンフィルタと同等の性能を備えている。マホニーによって提案された明示的補完フィルタの実施例を図4に示す。右上の補整ブロック(compensation block)は、磁界補整のためにマドグウィックによって最初に導入された手法の改変バージョンである。この場合、補整ブロックは、静磁場と同じ方向における誤った加速の影響を軽減するために使用される。地球の重力場の方向の先験的な推定がベクトル参照として使用される場合、制約が軽減される。これは、加速度ベクトルがMRIスキャナの静磁場の軸の周りの方位に影響を及ぼすことのみに制限されるためである。
図4に示された実施例では、静磁場ベクトルがスキャナ座標系Z軸(横断面に垂直)と完全に平行であると仮定され、また重力ベクトル場がスキャナ系のYZ面(矢状面)上に位置すると仮定される、先験的な参照ベクトルセットが使用される(記載は、上記の標準的なMRIスキャナのレイアウトにおいて、頭部の背臥位での患者に対するものである)。したがって、提案されたフィルタは、MRIスキャナの座標系における方位を出力する。
角速度ジャイロ測定値が存在しない態様に適用可能な第2フィルタ解法は、宇宙船の方位推定のために設計されたアルゴリズムの使用を提案し、ワフバの問題に対する効率的な以下の最小二乗法である。
式中の記号は以下に示される。
ai=ベクトル重み付け係数(最尤推定の分散に関連付けることができる係数)
bi=患者の系内のi番目のベクトル観測値
ri=参照系内のi番目のベクトル観測値
R=最適な回転
ai=ベクトル重み付け係数(最尤推定の分散に関連付けることができる係数)
bi=患者の系内のi番目のベクトル観測値
ri=参照系内のi番目のベクトル観測値
R=最適な回転
上記の方程式を解くために実装されたアルゴリズムは、最適な四元数の推定量(EStimator of Optimal Quaternion、ESOQ2)として既知であり、マークレイによって提案された。上記の技術は、イメージング系内における重力方向および静磁場方向の両方に利用可能な参照データがある場合に有益である。つまり、方位解が過度に拘束されている場合に有益である。この場合、フィルタは、2つのセンサー推定値を最適に組み合わせることになる。このベクトル観測の小さい変化および動きの独立性に起因して、磁気計の観測値は、この場合にはより重み付けされることが予期される。磁気計の測定によって、静磁場の軸に関する方位についての情報が得られず、また加速度計の測定によって、地球の重力場の軸に関する方位についての情報が得られないため、このフィルタは、各ベクトルの線形独立成分(linearly independent components)の性能を改善しない。したがって、患者の加速度は、スキャナの静磁場の軸の周りの方位出力に関して直接視認することができる。
第1態様は、線形加速度にほとんど依存せず、方位推定のための角速度ジャイロの積分値に依存する。したがって、第1方法は、MRIスキャナ磁場の加速度センサーへの影響を処理するためにより適している。第2方法は、入力としての加速度ベクトルおよび磁場ベクトルのみに依存しており、それ故本質的により脆弱である。
両方のアルゴリズムは、〜B0場の軸について0.01度以内の安定したデータ、および〜B0場に垂直な平面にある直交軸の対について0.006度以内のデータを出力した。予期されるように、角速度データを含む態様は、スキャナ・ベッドの振動が加速度計の出力にノイズを導入する勾配集中型スキャン(例えば、拡散テンソル・イメージング)中に、より良好な性能を達成する。
いずれにせよ、ベクトル観測値を角速度測定値と効率的に組み合わせることは、デバイスによって計算された方位推定値の信頼性にとって有利であることが理解されよう。いずれの方法でも方位を計算するプロセスは比較的軽量であり、動きパラメータの短い待ち時間での伝達(32MHzで動作する低電力マイクロ制御機に関する現在のプロトタイプでは1ms未満)が可能である。ベクトルと方位との間の密接な関係性は、提示されたデバイスを使用する場合、方位データがMRIにおける外部動き補正(external motion correction)のための(発明者の知る限りでの)従来技術の大部分よりもリアルタイムで患者の動きをより正確に表すことを示す。
図5は、上記した方位トラッキング・デバイスを含むユーザー・ウェアラブルデバイスの例示的な一態様を示す。
デバイスは、加速度計14、磁気計16およびジャイロ18を取り付けることができるセンサー取付けアタッチメント26を含む。
アタッチメント26は、非常に小さくすることができ、対象の身体構造にしっかりと拘束される部分である。
非常にフレキシブルなケーブル28が電力を運ぶために使用され、デジタル通信リンクを供する。
プロセッサ22、通信モジュール20およびバッテリ24は、センサー取付けアタッチメント26から離れて位置付けられる。
このレイアウトの利点は、レイアウトのサイズが小さく、さらに、非感知構成要素がセンサーから物理的に離れており、それによってセンサーに干渉しないことである。また、患者の不快感のリスクを低減することが望ましい。
いずれにしても、提案された技術はスキャナ・ボア内のベクトルを測定することができるMRI適合デバイスであることは理解されよう。
デバイスはまた、MRIスキャナを用いて通信モジュールを介してデータを送受信することができる。提案されたベクトル観測は、方位推定には理想的に適するが、これに限定されない。
試行では、プロトタイプの技術は、従来の方向観測技術の多くの欠点を克服してきた。
現在のプロトタイプは、MRIパルスシーケンスとは独立して、高い時間分解能(毎ms)および高い精度(10分の1度以内)で、MRIのスキャナ・ボア内の対象の方位を正確に推定することができる。この技術は、特定のパルスシーケンスに制限または限定されるものではなく、それ故非常に汎用性がある。
プロトタイプ・デバイスでは、心臓および呼吸サイクルなどの不随意運動を観測するために被験体の方位の十分な分解能が達成されたことも見出した。
図6を参照すると、すべての3つの軸の生データは、被験体がMRIスキャナ内で静止している間に得られた4チャネルの心電図(electro-cardiogram、ECG)信号と強い関係性を示した。
方位測定は、スキャナの静磁場および地球の重力場に関連して行われる。これらの場は、従来のMRIスキャナ・レイアウトではほぼ完全に直交しているため、この測定技術に関して方位推定におけるノイズを低減し、MRI環境を理想的なものにしている。MRIスキャナが構築される方法に起因して、現在のプロトタイプは、使用される例示的なスキャナにおいて、スキャナ固有の校正なしに、MRIにおける予期される動き補正(prospective motion correction)のための十分な精度を示している。
この技術は、剛体の回転を検出して定量化し、リアルタイムでMRIスキャナにそれらをフィードバックして、画質への動きの影響を低減する機能を供する。この測定は、現在のナビゲーター技術を最適化するために使用することができ、または完全な剛体動き補正のための現在の外部3D並進運動トラッキング技術と合わせて実施することさえできる。
神経/脳イメージングのアプリケーションにおいて、デバイスの方位出力は、並進運動の量が方位の変化と密接に相関するので、並進運動を予測するために使用することができる。図7は、並進運動を予測するデバイスを使用するアプリケーションのデータセットの例を、同じ動きにおけるナビゲーターに基づくデータと比較して示す。このモデルの結果を適用することによって、並進運動(図7の激しい動作の場合)の画質への影響を大幅に低減することができる。
図8は、提示される単純化されたモデルにおける方位への並進運動を関連付けるために使用されるベクトルを示す。図示する予期される並進運動は単に、軸角ベクトルおよび勾配アイソセンターと患者の頭部がスキャナ・ベッドと接触するポイントとの間の初期位置ベクトル推定値のベクトル外積の結果である。
式中の記号は以下に示される。
P→は、イメージング系の予測される並進運動である。
θは、回転した角度の大きさである。
e→は、単位大きさの回転軸(unit magnitude axis of rotation)である。
L→は、スキャナ・ベッドと接触する患者の初期のポイントおよび視野の原点から向かっている初期のオフセットベクトルである。
P→は、イメージング系の予測される並進運動である。
θは、回転した角度の大きさである。
e→は、単位大きさの回転軸(unit magnitude axis of rotation)である。
L→は、スキャナ・ベッドと接触する患者の初期のポイントおよび視野の原点から向かっている初期のオフセットベクトルである。
上記方程式は、回転運動および小さい角度の仮定に関する非常に単純化されたモデルの結果である。したがって、患者の頭部とスキャナ・ベッドとの間にすべりが生じなければ、最も正確である。ベクトルL→(初期変位)は、一般的に一定の垂直成分を有し、異なる患者に関して不変であると予期される。
いずれにせよ、デバイスは、小さい角度にわたって頭蓋骨の幾何学的形状または患者固有の特性に依存しない並進運動を予測するためのモデルを用いて、高い時間分解能で完全な剛体動き補正を実行するために使用できることが理解されよう。
別のアプリケーションでは、上記のモデルからの並進運動測定値を、別のソース(ナビゲーター、アクティブマーカなど)からの並進運動測定値と比較して、センサーの分離が起こったかどうかを予測することができる。センサーの分離は、対象の身体構造へのデバイスの取付けが妨げられ、実質的な画像のアーチファクトを引き起こす可能性がある。モデルの出力および並進運動測定値が強い不連続性を有する場合、対象の身体構造に対してデバイスが動いたことが予期できる。イベントの検出時に、デバイスは新しい参照を保存し、新しい参照に対して動きトラッキングを続けることができる。新しい参照に対する方位の変化は、古い参照で測定された最後の有効な方位に関連して適用される。記載されたデバイスの取付けには汎用性があるため、センサーの分離は起こりにくいが、これは、外部動きトラッキング方法における既知の課題の影響を最小限に抑える有効な方法である。
この技術は、MRIスキャナにおける最適なリアルタイムの動き補正へのゲートウェイとみなされ、信頼性の高い方位推定の知識により動き検出の複雑さを軽減する。他の用途には、呼吸ゲーティング、心臓ゲーティングおよび渦電流検出が含まれる。
デバイスは、患者または医師に動きを警告し、患者の調整または再スキャンを促すために使用することができる。しかしながら、主な用途は、デバイスによって生成された方位情報をMRIスキャナに供して、患者の動きによって引き起こされるスキャン誤差をリアルタイムで補正することができることである。これにより、最終的に生成される画質が改善され、再スキャンに要する無駄な時間の発生を最小化または防止する。
本技術の最終的な態様として、スキャン時間を短縮し、臨床MRIスキャナの効率を改善し、病院および患者の金銭を節約することができる。本技術は、被験者の「スキャンが難しい」被験箇所におけるアーチフェクトを減らし、病気、高齢および非常に若い人のスキャン時間を短縮するために使用できる。動き補正は、機能的MRIや拡散イメージングなどの特殊なコントラスト・モジュールでは特に重要であり、研究結果の統計的有意性を向上させることができる。
方位検出のための3つの位置推定を必要とする磁気共鳴イメージングにおける他の既知の外部動き補正技術とは対照的に、開示される発明は、空間における単一点からのベクトル観測を使用する。結果として、デバイスの小型化は、現在の半導体技術の微細化によってのみ制限される。これは、患者の快適性、高感度静磁場との相互作用の低減および回路設計で使用される伝導性材の誘起トルクの最終的な最小化にとって有利である。
現在のプロトタイプから得られた結果は、従来の半導体技術と過酷なMRI環境との互換性(または両立性、compatibility)を証明している。結果は正確であるだけでなく、ロバストでもある。このデバイスは、コスト、サイズ、精度および最も重要な使いやすさなどの現在の技術に関連する多くの問題に対処することによって、MRIスキャナ内の動き補正の問題を単純化する。
Claims (17)
- 方位トラッキング・デバイスであって、
選択された主座標系における磁気イメージング・スキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データおよび該主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データを含むデータを保存するメモリ、
加速度計、
磁気計、
通信モジュール、ならびに
加速度計、磁気計および通信モジュールに接続されたプロセッサ
を含み、
前記プロセッサが、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、該方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値を磁気計から受けるようになっており、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、該方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けるようになっており、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、前記主座標系に関するデバイスの方位を決定するようになっている、
方位トラッキング・デバイス。 - 前記プロセッサが、加速度計および磁気計からのさらなる測定値を受け、これらを使用して方位トラッキング・デバイスの方位を決定する、請求項1に記載の方位トラッキング・デバイス。
- 前記プロセッサが、方位トラッキング・デバイスの決定された方位と、該デバイスの先に決定された方位とを比較して、使用中にて該デバイスが取り付けられたMRIスキャナ内の剛体の方位の変化を定量化する、請求項2に記載の方位トラッキング・デバイス。
- 前記プロセッサが、フィルタリング法をさらに適用して、誤った読取りの影響を軽減する、請求項1〜3のいずれかに記載の方位トラッキング・デバイス。
- 方位トラッキング・デバイスが、前記プロセッサに接続された少なくとも1つのジャイロスコープを含み、該プロセッサが、該デバイスの方位を決定すべくジャイロスコープから受けた測定値を付加的に使用する、請求項1〜4のいずれかに記載の方位トラッキング・デバイス。
- 通信モジュールが、方位トラッキング・デバイスの今後の状態の見積りに使用するために、前記スキャナに加速度および/またはジャイロスコープの測定値をさらにフィードバックする、請求項5に記載の方位トラッキング・デバイス。
- 方位トラッキング・デバイスが、該デバイスの他の構成要素に電力を供するバッテリを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方位トラッキング・デバイス。
- 前記バッテリが、電圧レギュレータを介して前記プロセッサに接続される、請求項7に記載の方位トラッキング・デバイス。
- 方位をトラッキングすべく方位トラッキング・デバイスを使用する方法であって、
選択された主座標系における磁気イメージング・スキャナの静磁場の方向に関する磁気参照データおよび該主座標系における地球の重力場の方向に関する地球重力参照データを含むデータを保存すること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、該方位トラッキング・デバイスの座標系において磁場ベクトルの測定値を磁気計から受けること、
方位トラッキング・デバイスが使用中に位置付けられる磁気イメージング・スキャナ内で、該方位トラッキング・デバイスの座標系において加速度ベクトルの測定値を加速度計から受けること、ならびに
加速度計および磁気計からの測定されたベクトルと、保存された重力参照データおよび磁気参照データとをそれぞれ比較することによって、前記主座標系に関するデバイスの方位を決定することを含む、
方法。 - 方位トラッキング・デバイスの方位を決定すべく、測定値を定期的に受け、使用する、請求項9に記載の方法。
- 方位トラッキング・デバイスの決定された方位と、該デバイスの先に決定された方位とを比較して、使用中にて該デバイスが取り付けられているMRIスキャナ内の剛体の方位の変化を定量化する、請求項10に記載の方法。
- フィルタリング法をさらに適用して、誤った読取りの影響を軽減する、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
- 方位トラッキング・デバイスの方位を決定すべく、少なくとも1つのジャイロスコープからの測定値を受けることおよびジャイロスコープから受けた測定値を付加的に使用することをさらに含む、請求項9または12に記載の方法。
- 方位トラッキング・デバイスの今後の状態の見積りに使用するために、前記スキャナに加速度および/またはジャイロスコープの測定値をフィードバックすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記主座標系が、MRIスキャナの座標系である、請求項9に記載の方法。
- 前記参照データが、MRIスキャナ構造の知識に基づいて統合される、請求項15に記載の方法。
- 方位トラッキング・デバイスが使用中に接続されている剛体の方位の変化を用いて、該剛体の並進運動を予測する、請求項9〜14のいずれかに記載の方法。
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