JP2018517434A - 筋関連障害及び生物学的プロセスのためのハイスループット且つ機能的なスクリーニング方法 - Google Patents

筋関連障害及び生物学的プロセスのためのハイスループット且つ機能的なスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、筋生理学的プロセス及び筋病態生理学的プロセスに関連したアプリケーションパネルにおいて化合物の有効性を予測するために、骨格筋細胞の収縮、形態、及び代謝を評価する複数の自動細胞ベースアッセイを用いて、該化合物をハイスループットスクリーニングする方法であって、該方法は、(i)細胞培養デバイスに筋障害を再現する細胞株等を付着させること、及び細胞を所定の時間培養すること、である方法によって得たインビトロの筋管培養物を準備するステップと、(ii)培養物に化合物を添加するステップと、(iii)化合物とともに筋管を所定時間インキュベーションした後、筋管の構造的及び/又は機能的情報の読み取りを行って、筋管における化合物の効果を測定するステップと、(iV)測定された効果に基づいて、健康な筋肉の特性を向上する化合物の能力を予測し、該特性は、筋収縮、筋形態又は筋代謝と関連するものであるステップとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、機能的運動成熟性を示す「筋管」と称される単一収縮筋サブユニット相当物の自動インビトロ培養を可能にする方法、インビトロで筋衰弱を再現する方法、並びに、ヒト筋管の形態、構造、収縮、及び代謝を評価する構造的及び機能的情報の読み取りを介して標的の表現型を可能にすることで、選択された生物学及び生理病理学分野の筋衰弱における潜在的効果を予測するために、化合物をスクリーニングすることによるハイスループットの創薬に特化した方法、に関する。
筋「衰弱」は筋力の欠如として定義され、「疲労」から識別される必要がある。筋衰弱は、筋肉の「喪失」と「使用されないこと」とをそれぞれ意味する2つの用語である、筋肉の「消耗」及び「不使用」の主要症状である。
病理学的な面において、骨格筋量の減少は、遺伝性ミオパチーや神経筋接合部(neuromuscular junction、NMJ)疾患などの神経筋障害に直接的に起因し得る。
筋ジストロフィーは、筋線維、収縮筋サブユニットの進行性変性を引き起こし、筋量の喪失をもたらす大きな群のミオパチーを示す。筋ジストロフィーを引き起こす、30以上の遺伝子の突然変異が同定されている。これらの病理は、ジストロフィン異常症(デュシェンヌ及びベッカー型筋ジストロフィー)、肢帯型ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、遠位型ミオパチー、及びエメリ・ドレフュス型筋ジストロフィーである群に臨床的に分類される(参考文献1)。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy、DMD)は、ジストロフィン、αシントロフィン及びジストログリカンからなる天然のジストログリカン複合体の欠如に起因する、劣性のX連鎖性ジストロフィン異常症である(参考文献2)。NF−κBシグナル経路の誤調節(参考文献3)、乳酸デヒドロゲナーゼ活性(参考文献4)を特徴とする。
NMJ障害は、筋肉随意運動の制御に影響する広範な群の疾患に相当する。これらの疾患は、遺伝子突然変異(筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症及び先天性筋無力症候群)、自己免疫疾患(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、ギラン・バレー症候群)、並びに毒性プロセス(ボツリヌス中毒症、中毒)である3クラスの異種性障害を実質的に含み、これらは共通してNMJにおいて神経伝達の混乱がある。症状は、筋力の低下による進行性の衰弱を特徴とする(参考文献5)。
飢餓につながる精神障害である神経性無食欲症も、筋萎縮と関連している(参考文献6)。
さらに、筋肉喪失は、入院時に歩行運動が減少すること又は病床についているため、患者が使用しないことから間接的に起こり得る。結果として起こる萎縮は、「悪液質」と呼ばれ、一般的な疾患の同時罹患因子である。悪液質症候群の発症率は、様々な由来(胃、膵臓、肺、前立腺、結腸、乳、白血病)のがんにおいて非常に高いが(参考文献7)、AIDS、閉塞性肺疾患、腎不全、心不全、リウマチ関節炎、敗血症にも由来し得る(参考文献3、8)。欠乏性及び糖尿病性の筋肉における代謝の適応は、急性病態で起こる筋肉喪失及び萎縮を引き起こすエネルギー消耗症候群の特徴として認識されている(参考文献3)。処置による副作用も筋衰弱を引き起こし得る。例えば、スタチンは、アテローム性動脈硬化症の主要な危険因子である高コレステロール血症の処置のための最も有効な薬剤であると考えられる分子である。スタチン療法の最も重篤な有害作用は、ミオパチー、筋痛、筋炎及び横紋筋融解症をもたらす筋毒性である(参考文献9)。
最後に、健康なヒト個体群において、筋肉喪失は加齢とともに生理学的に起こり、フレイル症候群の構成要素となる。「サルコペニア」と名付けられたこの退化性の喪失は、直接的な筋萎縮と、続く衰弱とにつながる(参考文献10)。サルコペニアに起因するシナプスの構造的及び機能的変化もまた、シナプス後膜でアセチルコリン受容体(AChR)の断片化を誘導し(参考文献11)、結果的に筋肉の完全性を損なって、運動組織の喪失を引き起こすことでNMJに影響を与える。年齢に関連した運動能力の低下もまた、しわを引き起こす筋力の調節不全の原因である(参考文献12)。
これらの障害を再現する多くの動物モデルが、異なる種で作製されている。しかし、多くの場合、これらのモデルは、神経筋系の遺伝的及び生理学的な違いのため、ヒト疾患の十分な表現型模写ではない。例えば、ヒトゲノムは2つのSMN遺伝子(SMN1及びSMN2)を含むが、脊髄性筋萎縮をモデル化するために使用されるすべての種は、SMN1と同等である1つのSMN遺伝子を有する。ヒトを除くすべての生物体において、SMNの喪失は胚性致死をもたらし、これが複雑な遺伝子モデルの構築を招いた。さらに、トランスジェニックマウスは、病理解析において混乱を招く可能性もあるヒト突然変異を再現するのではなく、既知の場合に原因遺伝子が削除されるように改変されている。動物モデルにおける補償メカニズムの存在は、ヒトの病理への関連性を限定するものである。さらに、動物モデルの使用は、創薬における大規模なキャペーンに対応しにくく、動物モデルにおける化合物試験の現行の制限に沿ったものではない。これは、過去10年間に治療法の開発に向けて進歩が見られたが、多くの神経筋疾患の根治的治療は未だ存在しないことを説明し得るものである(参考文献13)。
これについて、代替法は、標的のヒト病理を再現するインビトロモデルを作製することである。マウス及びヒトを由来として摘出された筋肉外植片が、神経筋疾患を研究するためにインビトロで広く使用されていた(参考文献14)。しかしながら、動物から摘出された組織の使用は、実質的に異なる種間の生理病理の違いのため、上述と同様のヒトへの限定的な関連性を示すものである。さらに、ヒトの病理組織が希少であることや倫理的認識が不十分であることから、これらのモデルは、創薬のための大規模な細胞ベースアッセイやスクリーニング手法に適合しない。
患者生検から単離されたヒト初代筋芽細胞は、その天然のゲノム環境における様々なヒト遺伝子突然変異を評価するための最も適切な実験モデルを提供するものである。インビトロモデルはインビボ環境を完全に再現するわけではないが、そのような細胞培養系は迅速でハイスループットの分子スクリーニングを可能にする。加えて、費用と時間がかかるプロセスである動物モデルで検証する前に、新しい戦略を簡単に試験することができる。筋肉生検由来のヒト細胞のインビトロ初代培養物を使用する主な難点は、衰弱した患者から組織を摘出する倫理的認識、一部の病理組織の希少性、抽出細胞の純度、その限定的増殖能力、及び、表現型が細胞増幅時に漸進的に起こる細胞老化による改変によって混同され得るので、インビトロで増幅されるときの表現型のばらつきである(参考文献15)。現在まで、非常に大規模なパネルの細胞モデルが前述の障害及び病理を模倣しているが、それらの多くは、筋芽細胞前駆体に着目するのみであり、収縮筋サブユニットである「筋線維」、又はそのインビトロ相当物である「筋管」と呼ばれるものを再現していない。また、D.J.Glassのグループが、近年、健康なヒト骨格筋芽細胞から分化した筋管を用いてサルコペニアを模倣したモデルを構築した(参考文献16)。このグループは、他のグループのように、従来の画像処理技術によって、培養された筋管の直径を測定することができた(参考文献17)が、得られたモデルは、自動化と頑健性の欠如から、細胞ベースアッセイ又はハイコンテントスクリーニングに特化していない。さらに、これらの測定は、収縮性についての機能的情報の読み取りと多重化されることはできない。別のグループは、三次元のハイドロゲルにおいて分化されたヒト筋管群の引っぱり力測定に特化したハイコンテントスクリーニングプラットフォームを開発した(参考文献18、19)。しかしながら、このデバイスは、ハイドロゲル内に包埋された筋管を個別化することが不可能であるという点に関して、個々の筋管の測定に適合していない。加えて、このデバイスを使用することによって、薬剤処置に対する応答性は、筋管束(myotube bundle)から全体的なものとなり、インビボの「筋肉束(musclefascicle)」ユニットに対応せず、これは2つの構造間の大きな構造的、機能的違いによるものである(参考文献20)。その結果、このモデルは、筋肉束(muscle fascicle)及び筋線維サブユニットの両方における化合物の効果を説明することができない。
本発明は、筋生理学的プロセス及び筋病態生理学的プロセスに関連したアプリケーションパネルにおいて化合物の有効性を予測するために、骨格筋細胞の収縮、形態、及び代謝を評価する複数の自動細胞ベースアッセイを用いて、化合物をハイスループットスクリーニングする方法を提供し、該方法は、
(i)筋芽細胞又は筋管細胞の培養が可能な細胞培養デバイスを準備すること、
培養デバイスにおいて、細胞培養の空間的な制御を可能にする方法を用いて、健康な若しくは筋関連障害に罹患したヒトドナー若しくはヒトドナー群由来の筋芽細胞又は筋管細胞、又は筋障害を再現する初代細胞、細胞株、アイソジェニック細胞株若しくは分化幹細胞由来の筋芽細胞又は筋管細胞を付着させること、及び
空間的に制御された筋管培養を促進するように、細胞を所定のインキュベーション時間培養すること、である方法によって得たインビトロの筋管培養物を準備するステップと、
(ii)培養物に少なくとも1つの化合物を添加するステップと、
(iii)化合物とともに筋管を所定時間インキュベーションした後、筋管の構造的及び/又は機能的情報の読み取りを行って、筋管における化合物の効果を測定するステップと、
(iV)測定された効果に基づいて、健康な筋肉の特性を向上若しくは改変させる、又は筋障害を処置、レスキュー、若しくは治癒する化合物の能力を予測し、該特性又は該障害は、筋収縮、筋形態、又は筋代謝と関連するものであるステップとを含む。
一実施形態では、該方法は、筋消耗、筋不使用、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、培養物に、少なくとも1つの筋萎縮誘導剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うこと、を含む。
一実施形態では、該方法は、神経筋疾患、中毒、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、培養物に、少なくとも1つの筋収縮阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うこと、を含む。
一実施形態では、該方法は、代謝性疾患、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、培養物に、少なくとも1つの筋代謝阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うこと、を含む。
細胞培養の空間的な制御を可能にする方法は、バイオプリンティングを含むとよい。
一実施形態では、細胞培養デバイスは、基材及び少なくとも1つの細胞接着パターンを含み、健康な又は代表的な筋障害に罹患したヒトドナー又はヒトドナー群由来の筋芽細胞、又は筋障害を再現する細胞株、アイソジェニック細胞株、又は分化幹細胞由来の筋芽細胞を、少なくとも1つの細胞接着パターンに付着させ、該筋芽細胞は、筋管への細胞分化を促進するように、所定のインキュベーション時間、分化培地で培養される。
基材は、
硬質基材、及び
基材のヤング率が5kPa〜15kPaを含む軟質基材、から選択されるとよい。
一実施形態では、該方法は、筋管の画像分析を行って、骨格筋細胞、特に筋管又は筋芽細胞の形態的変化を測定することを含み、測定された形態的変化は、化合物とともにインキュベーションした後の筋管の面積及び最大幅を含み、画像分析は、筋管画像2値化、筋管の距離マップの計算、及び距離マップからの各筋管の最大幅の計算を含む。
一実施形態では、機能的情報の読み取りには、ミオシン重鎖、トロポニンT、ジストロフィン、α−シントロフィン、ジストログリカン、アセチルコリン受容体、Smad2/3、及び/又はNF−κBの発現及び局在化を介した、筋管成熟のバイオマーカーを含む。
一実施形態では、機能的情報の読み取りには、筋管のはく離及び筋管の少なくとも1つの末端の折りたたみに相当するスポット数の定量化を介した、ハイスループットアッセイにおけるカルシウム放出、及び結果としての筋管の短縮を含む。
一実施形態では、機能的情報の読み取りには、ハイスループットアッセイにおける、グルコース摂取、ミトコンドリア電位、及び/又は乳酸脱水素酵素の定量化を介した筋管代謝を含む。
創薬の分野において、該方法は、
骨格筋細胞の萎縮又は肥大に作用する治療用化合物を同定し、画像分析は、萎縮又は肥大特性について該化合物の効果を測定するために行われること、
骨格筋細胞の成熟に作用する治療用化合物を同定し、自動分析は、特定のバイオマーカー発現及び/又は局在化について該化合物の効果を測定するために行われること、
筋管収縮誘導を誘導又は阻害する治療用化合物を同定し、分析はカルシウム放出について該化合物の効果を測定するために行われること、
筋管収縮誘導を誘導又は阻害する治療用化合物を同定し、画像分析は筋管短縮及び/又は収縮について該化合物の効果を測定するために行われること、
骨格筋細胞の代謝に作用する治療用化合物を同定し、分析は、グルコース摂取、ミトコンドリア電位、及び/又は乳酸脱水素酵素の酵素活性について該化合物の効果を測定するために行われること、のために実施されることができる。
本発明のさらなる特徴及び有利性は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1は、筋管の収縮、形態、及び代謝を評価する、専用細胞モデル及びハイスループット細胞ベースアッセイの大規模なパネルによって、筋衰弱に関連した障害における化合物の有効性の予測を可能にするスクリーニングプラットフォームとして本発明を示す。 図2において、図2A〜図2Cは、筋管収縮における化合物の効果を予測することに特化したハイスループット細胞ベースアッセイを示す。(A)は、4−クロロ−m−クレゾール誘導後の筋管短縮を示す。4−クロロ−m−クレゾール処理による収縮誘導の有り無しで、本発明の方法を用いて5日間培養した健康なドナーから分化された筋管のトロポニンT免疫染色の顕微鏡写真を示す。(B)は、主に筋管短縮を評価するために使用される読み取りを示す。(C)は、筋管短縮アッセイの代表的な結果を示す。***、p<0.001、ホルム・シダック比較を伴うスチューデントのt検定による。n=12ウェル。 図3において、図3A〜図3Eは、収縮細胞ベースアッセイのための筋管内における同定カルシウム放出誘導剤の例である。健康なドナーから分化された筋管を5日間培養し、カルシウム感受性プローブFluo−4で染色する。アセチルコリン(20μM)、4−クロロ−m−クレゾール(400μM)、カフェイン(10mM)、KCl(20mM)及びIGF−1(37nM)処理をそれぞれ示す。矢印は、カルシウム放出誘導剤が筋管培養物に添加されたときを示す。n=3ウェル。 図4において、図4A〜図4Cは、5日間培養し、Fluo−4プローブを用いて染色した健康なドナー由来の筋管をアセチルコリン(20μM)処理することにより収縮誘導した後のカルシウム放出阻害剤を示す時間経過実験の結果の例を示す。ベラパミル(40μM)、ニフェジピン(40μM)及びニカルジピン(40μM)処理の結果を示す。n=3ウェル。 図5において、図5A〜図5Dは、アセチルコリン受容体特異的阻害を介してNMJ中毒化合物を評価する時間経過実験からのヒット検証結果の例である。NMJ阻害剤で前処理後5日間培養した健康なドナー由来の筋管内でアセチルコリン(20μM)又は4−クロロ−m−クレゾール(400μM)によりカルシウム放出を誘導した。ツボクラリン(100μM)及びスクシニルコリン(25μM)処理の結果を示す。n=3ウェル。 図6は、形態アッセイの検出範囲を示す。TGF−β、IGF−1、ミオスタチン及びトリコスタチンA処理を、健康なドナーから分化し、5日間培養された筋管において、用量反応で行う。筋管形態における化合物効果を本発明の実施形態に従って測定する。「管の総面積」及び「核の数」の読み取りを定量化し、100%に設定したコントロール未処理条件と比較する。n=3ウェル。 図7は、筋肉の不使用又は消耗のレスキューにおける化合物の効果を推定するアッセイを示す。(A)は筋肉の不使用又は消耗を模倣する筋管形態におけるデキサメタゾン(100μM)、ミオスタチン(4.8nM)、IL1−β(1.16nM)及びTNF−α(115pM)参考化合物の有効性をまとめたヒストグラムである。スクリーニング結果の一例として、萎縮モデルにおけるIGF−1(18.75nM)、トリコスタチンA(300nM)及びフォリスタチン(63.5μM)効果が提示される。(B)及び(C)はそれぞれ、デキサメタゾン(100μM)処理によって媒介される萎縮におけるIGF−1及びトリコスタチンAレスキュー効果の詳細な用量反応性を示す。***、p<0.001、**、p<0.01、2要因の分散分析とテューキーの多重比較による。n=3ウェル。 図8において、図8Aは、コントロール及びIGF−1(37nM)の条件で培養された健康なドナー及びDMDドナーの筋管を識別するいくつかの関連する形態パラメーターの定量化である。図8Bは、健康なドナーから分化した筋管と比較したレスキューのレベルを推定するために、2つのDMD治療用化合物、プレドニゾン(500nM)及びデフラザコート(50nM)を用いたスクリーニング結果の例である。***、p<0.001、*、p<0.05、2要因の分散分析とテューキーの多重比較による。n=5ウェル。 図9は、本発明の実施形態による代謝アッセイの例示的定量化であり、本発明による健康なドナーの筋芽細胞から分化された筋管におけるグルコース代謝である。インスリン(10μM)及びベラパミル(125μM)参考化合物での処理、並びにIGF−1(37nM)の非特異的処理の結果を示す。n=3ウェル。 図10は、本発明によるコントロール及びインスリン(10μM)条件で培養された健康なドナー及びI型糖尿病ドナー由来の筋管の管の数、融合指数、管の面積及び管の幅としてのいくつかの関連する形態パラメーターの定量化である。n=10ウェル。
本発明は、筋衰弱をもたらす障害において化合物の有効性の可能性を予測するために、ハイスループットプラットフォームを介して薬剤候補ライブラリをスクリーニングする創薬の方法を提供する。図1に示されるように、ライブラリの各化合物は、収縮障害、線維形態における異常、及び代謝調節不全である筋衰弱の異なるサブクラスを再現する専用細胞モデルを用いて、アッセイパネルを介して試験される。
本発明の一有利性は、このスクリーニング方法の結果が、通常の方法で筋衰弱モデルにおける薬剤候補の有効性の可能性を推定するだけでなく、筋衰弱のサブクラスにおける化合物の作用様式の詳細な特性評価を可能にすることである。
別の有利性は、本発明によるスクリーニング方法が、試験モデルから該サブクラスの関連障害へと化合物の有効性を推定することを可能にすることである。
スクリーニング方法は、インビトロで行われる以下のステップを通常含む。
筋芽細胞を含む筋原性細胞は、健康なヒトドナー若しくは標的の筋障害に罹患したドナーから、又は標的の病理を再現する細胞株、アイソジェニック細胞株若しくは分化幹細胞(IP、ESを含む)から得ることができる。筋芽細胞を得ることは、本発明には含まれない予備ステップである。
筋原性細胞は、パターニング又はバイオプリント技術を含む、細胞培養の空間的制限を確実にするデバイスに播種されるとよい。
当該技術分野において既知であるように、ハイスループットスクリーニングに適合するデバイスは、複数のウェル、通常は96又は384ウェルを備えたマイクロプレートである。
筋管の形態的特性は、それらが成長するパターン形状によって強く作用され、この技術は細胞に対する物理的拘束のガイダンスを確保するものであり、専用設計により、形態パラメーターを正規化することで培養筋管を規格化することができる。
パターニングプロセスに関して、パターンの有利な実施形態は、本出願人名義である国際特許出願第PCT/EP2014/078129号の図2A〜2Dに関して記載されている。
バイオプリンティングプロセスは、バイオプリンターを使用して、細胞と細胞外マトリックスタンパク質との混合物からなるバイオインクからインビトロ培養物をつくるものである。バイオプリンティングプロセスは、複数ウエルフォーマット内でマイクロスケールの組織を作製するように調整されることができ、得られた培養物は、バイオインクによって与えられる細胞外沈着物内に閉じ込めることができる。
筋原性細胞は、筋管への分化を促進するために分化培地で培養される。
所与の時間で、少なくとも1つの化合物又は化合物の混合物が細胞培養物に添加される。化合物の添加は、筋芽細胞培養の開始時、筋芽細胞のインキュベーション時、又は筋管が成熟したときに行われることができる。当業者は、アッセイに応じて化合物の適切な添加時間を選択することができる。
化合物を伴う筋管の所定のインキュベーション時間の後、筋管の画像処理及び/又は生化学分析が行われて、筋管における化合物の効果を測定する。インキュベーション時間は、実験プロトコール及び細胞型に応じたものである。このインキュベーション時間は、通常、ヒト筋管では2〜15日間、好ましくは2〜6日間である。
[収縮アッセイ]
第1の実施形態では、本発明は、筋収縮障害に作用する薬剤の検出を可能にする細胞ベースのアッセイを用いて化合物をスクリーニングする方法を提供する。
この方法では、神経筋疾患、中毒、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管培養ステップにおいて、少なくとも1つの筋収縮阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことを含むことができる。
とりわけ、特に健康なドナー由来の筋管の収縮に作用する化合物は、テタニー関連障害の新規処置として、手術用筋弛緩剤、鎮痙剤、及び抗しわ剤として、候補となると予測される。
ハイスループットの細胞ベースアッセイは、筋管の短縮とカルシウム放出とを推定することによって筋収縮における化合物の効果を評価するように設計される。
「筋管短縮」とは、化合物処置によって面積がより小さくなった筋管を意味する。
「カルシウム放出」とは、化合物処置によって筋管細胞質内にカルシウムイオンが侵入することを意味する。
図2Aは、4−クロロ−m−クレゾール処理による筋管短縮誘導後の代表的な筋管を示す。ヒト初代筋芽細胞(HSMM、Lonza)を、増殖培地(Lonza、SkGM-2細胞培養キット)内のフィブロネクチンコーティング表面上で24時間培養する。次いで、細胞を分化培地(DMEM/F12、2%ウマ血清、0.5%P/S)内で5日間培養する。化合物(4-クロロ-m-クレゾール、1.5mM)を筋管に3分間添加する。細胞を固定し、免疫染色をトロポニンT及び核に対して実施する。Operettaハイコンテントイメージングシステム(PerkinElmer)を用いて画像を取得する。自動画像分割及び分析方法は、Acapellaソフトウェアライブラリ(PerkinElmer)を用いて、発明者らにより開発された。次いで、対象物を分析して、筋管数、核数、筋管形態(それらの長さ、幅、面積を含む)、融合指数(筋管内に包埋された核のパーセンテージによる)などの基本パラメーターを抽出する。しかし、筋管短縮の主な記述子はスポットの数の定量化であり、該スポットは培養装置からの筋管はく離、及びそれに続く筋管の少なくとも1つの末端の折りたたみによって得られた対象物である(図2B、右)。これらパラメーターを考慮して、異常な筋管を除く。発展記述子を、470μmよりも短い長さを含む筋管の数として、追加的に測定する。図2Cは、画像処理の代表的な結果を示す。4−クロロ−m−クレゾールでの筋管処理が、管面積の25%の減少および染色強度の読み取り値の50%の増加を誘導するので、スポット数定量化の使用は、変化を減少させつつアッセイウィンドウを大幅に増加させ(1000%)、化合物スクリーニングに対するアッセイの完全な適合性を確保するものである(0.7を超えるZ’因子)。
筋管の短縮はまた、化合物の毒性を由来とし得るので、筋管収縮の生理学的手がかりを検証する必要がある。ヒット検証は、筋管細胞質へのカルシウム放出のレベルを推定する二次アッセイを用いて行われる。ドナーから分化した筋管を5日間培養し、専用バッファー(145mM NaCl、5mM KCl、1mMCaCl2、1mM MgCl2、5.6mMグルコース、10mM Hepes、pH 7.4)内においてカルシウム感受性蛍光プローブFluo−4(2μM)で染色する。培養した筋管に単独の化合物を添加し、毎秒画像を撮ることでタイムラプス捕捉を30秒間行って(Eclipse-Ti、Nikon)、細胞質へのカルシウム侵入によるプローブの蛍光強度の増加を観察する。蛍光バックグラウンド除去後、相対蛍光強度は、各時点について筋管全体で計算され、100%に設定された第1の値に対して正規化される。図3A〜図3Eは、それぞれアセチルコリン、4−クロロ−m−クレゾール、カフェイン、KCl及びIGF−1処理の結果を示す。相対蛍光強度を20%増加させるのみであり、カルシウム放出を誘発することができない肥大性化合物(IGF-1)とは対照的に、筋収縮のための真の正の参考化合物は、単一の典型的なカルシウムピークをもたらし、これは定常状態レベルと比較して55%(カフェイン)から305%(アセチルコリン)まで上昇するものである(参考文献21、22)。カルシウム放出アッセイで筋管短縮ヒットを検証することにより、筋収縮の真の化合物誘導剤を同定することができる。
別の可能なアプリケーションは、神経筋接合部(NMJ)障害に罹患したドナーから、筋管収縮を調節する化合物を同定することである。構造的に損傷したNMJ、すなわち筋肉特異的なNMJ病態である先天性筋無力症候群を有するドナーの筋管をバイパスすることによって神経伝達を回復する化合物の効果は、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮、重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、ギラン・バレー症候群、NMJ毒性(ボツリヌス中毒症)、NMJ中毒(毒液)などの他の関連障害を治癒する新しい候補として予測されることができる。
筋収縮阻害剤及び筋弛緩分子は、筋管短縮及びカルシウム放出について前述されたものと同様の手法を用いることによって特性評価される。筋芽細胞を培養液内で5日間分化した後、可能性のある阻害剤をアセチルコリン処理の15分前にカルシウム緩衝液に添加する。図4A〜図4Cは、参考化合物によるカルシウム放出阻害の例を示す(参考文献23)。ベラパミル、ニフェジピン及びニカルジピン処理は、アセチルコリン誘導後の相対蛍光強度を、用量依存的に、それぞれ90%、65%及び91%減少させ、カルシウム放出におけるこれらの阻害効果を示す。さらに、作用様式の特性評価は、アセチルコリン誘導及び4−クロロ−m−クレゾール誘導の両方における化合物効果を比較することによって最適化されることができる。図5A〜図5Dは、アセチルコリン誘導及び4−クロロ−m−クレゾール誘導におけるツボクラリン及びスクシニルコリンの効果の結果を示す。ツボクラリン及びスクシニルコリンは、4−クロロ−m−クレゾール1誘導に明らかに作用することなく(それぞれ0%及び−30%)、アセチルコリン誘導をそれぞれ96%及び94%減少させる。アセチルコリンは、特定の膜受容体と相互作用することでカルシウム放出を引き起こすことが知られ、4−クロロ−m−クレゾールはリアノジン感受性Ca2+放出チャネルの活性化因子であるので、ツボクラリン及びスクシニルコリンによるアセチルコリンの特異的阻害により、これらの2つの阻害物質をNMJ毒として予測することができる(参考文献24)。本明細書で従来の広視野顕微鏡を用いてタイムラプス法を記載しているが、本発明のこの実施形態は、Hamamatsu FDSSを含む、自動カルシウム流測定を可能にするカイネティクプレートリーダーシステムに完全に適合する。
[形態アッセイ]
第2の実施形態では、本発明は、筋管形態に作用する薬剤の検出を可能にする細胞ベースのアッセイを用いて化合物をスクリーニングする方法を提供する。
この方法では、筋消耗、筋不使用、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、培養物に、少なくとも1つの筋萎縮誘導剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことを含むことができる。
特に、健康なドナーの筋管形態に作用する化合物は、筋毒性化合物であると予測される。
筋毒性とは、本明細書において、筋芽細胞分化、筋管成熟、筋管肥大、筋管萎縮、細胞生存性、又はクレアチンキナーゼ放出における化合物の効果を意味する。
筋管成熟とは、筋管内の核の数、アライメントされた核を有する筋管の割合、成熟マーカー(SERCA1、RyR1、トリアジン、トロポニンT、α-アクチニン、ミオシン重鎖)の発現、インビボの成人組織に相当するバイオマーカーのそれぞれの局在性を備えた筋管の割合(すなわち、バイオマーカー横紋)を意味する。
これについて、本発明は、骨格筋細胞、特に筋管又は筋芽細胞の萎縮又は肥大に作用する治療用化合物を同定する方法を提供する。
図6は、本発明を用いて萎縮性及び肥大性参考化合物(それぞれTGF-β、IGF-1、ミオスタチン、トリコスタチンA)の用量増加処理をした後の、筋管面積の代表的な測定値を示す。健康なドナー由来のヒト初代筋芽細胞(HSMM、Lonza)を、増殖培地(LonzaSkGM-2細胞培養キット)内のフィブロネクチンコーティング表面上で24時間培養する。次いで、細胞を分化培地(DMEM/F12、2%ウマ血清、0.5%P/S)内で24時間培養する。化合物を形成筋管に96時間添加する。細胞を固定し、免疫染色をトロポニンT及び核に対して実施する。Operettaハイコンテントイメージングシステム(PerkinElmer)を用いて画像を取得する。
筋管モデル(筋芽細胞分化、筋管成熟、筋管肥大、筋管萎縮、又は細胞生存性を含む)における化合物の作用様式を特性評価するために、自動画像分割及び分析方法が、Acapellaソフトウェアライブラリ(PerkinElmer)を用いて、発明者等によって開発された。
まず、筋管及び核のカスタマイズ分割を行う。
次に、対象物を分析して、筋管数、核数、筋管形態(それらの長さ、幅、面積、及び配向を含む)、融合指数(筋管内の核のパーセンテージによる)などの基本パラメーターを抽出する。これらパラメーターを考慮して、異常な筋管を除く。
図6は画像処理の代表的な結果である。TGF−β及びIGF−1処理によってそれぞれ示されるように、萎縮性及び肥大性参考化合物は、未処理のコントロール条件と比較して核数の変化なしに筋管面積の減少及び増大によって検出される。また、細胞死の特徴である高濃度でのミオスタチン処理後の核数の減少に関して、細胞毒性によって媒介される萎縮を筋管面積の真の減少と区別することができる。最後に、萎縮・肥大の二相性効果は、用量に応じて、トリコスタチンA処理によって示されるように検出され得る。Z’因子が0.3までであるので、本発明のこの部分はスクリーニングと完全に適合する。
別の可能なアプリケーションは、健康なドナーの筋管において萎縮を化学的に誘導することで筋消耗障害(悪液質、サルコペニア)を模倣し、次いで萎縮表現型をレスキューする可能性のある化合物をスクリーニングすることである。患者が筋肉量の大きな減少に苦しむとき、倫理的理由から初代筋芽細胞試料又は筋線維は採取できず、人工的なインビトロの方法が必要である。しかしながら、悪液質及びサルコペニアに作用するシグナル経路は、グルココルチコイド、Smad2/3及びNF−κB経路の3つの主要なカスケードに関連する文献に十分に記載されている(参考文献25、26、27)。したがって、これらの分子機構を再現することが知られている分子は、病態筋管をシミュレートするために使用されることができる。例えば、グルココルチコイド経路はデキサメタゾン処理、Smad2/3経路はミオスタチン及びTGF−β処理、並びにNF−κB経路はIL1−β及びTNF−α処置によって模倣することができる。
そうするために、健康なドナー由来のヒト初代筋芽細胞(HSMM、Lonza)を、増殖培地(LonzaSkGM-2細胞培養キット)内のフィブロネクチンコーティング表面上で24時間培養する。次いで、細胞を分化培地(DMEM/F12、2%ウマ血清、0.5%P/S)内で24時間培養する。レスキュー効果を有する可能性のある候補を、萎縮誘発剤の15分前に形成筋管に添加する。次に、筋管を96時間培養する。細胞を固定し、免疫染色をトロポニンT及び核に対して実施する。Operettaハイコンテントイメージングシステム(PerkinElmer)を用いて画像を取得する。自動画像処理は、Acapellaソフトウェアライブラリ(PerkinElmer)を使用して、発明者によって開発されたものである。
図7Aは、前述されたシグナル経路の参考化合物によって媒介される萎縮と、IGF−1、トリコスタチンA及びフォリスタチンによるレスキューの代表的な結果とを示す。参考化合物による萎縮誘導後、筋管面積はデキサメタゾンで60%、ミオスタチンで30%、IL1−βで35%、TNF−αで55%減少する。IGF−1及びトリコスタチンA処理を用いてレスキューを得た。IGF−1は、デキサメタゾン、ミオスタチン、IL1−β及びTNF−αによって誘導された萎縮をそれぞれ275%、71%、85%及び89%レスキューする一方で、トリコスタチンA処理は、デキサメタゾン、ミオスタチン、IL1−β及びTNF−αによって媒介される萎縮をそれぞれ175%、71%、54%及び100%レスキューする。例として、図7B及び図7Cは、デキサメタゾン媒介萎縮後のIGF−1及びトリコスタチンAによる萎縮レスキューの用量反応を開示する。萎縮及び萎縮レスキューのZ’因子は0.2までであるので、本発明のこの実施形態は、ハイコンテントスクリーニングに完全に適合する。
別のアプリケーションは、筋ジストロフィーに罹患したドナーの筋管形態を調節する化合物の同定である。病理に起因する構造的損傷、すなわち代表的なデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy、DMD)を有するドナーの筋管をバイパスすることによって健康なドナーに相当する筋管形態を回復する化合物の効果を、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯型ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、遠位型ミオパチー、及びエメリ・ドレフュス型筋ジストロフィーなどの他の関連障害について推定することができる。
DMD患者から単離された初代筋芽細胞、DMD又はベッカー型病理を再現する細胞株、アイソジェニック細胞株、幹細胞由来筋芽細胞(IP由来細胞、ES細胞を含む)は、例えば、DMDに罹患した患者から採取された筋芽細胞において肥大させる化合物、又はジストロフィン若しくはユートロフィン発現を増加させる化合物など、最終的には、標的の病理に治癒的効果又は緩和的効果を有する新しい薬剤の創製につながる候補を同定するために本方法で使用されることができる。
「治癒的効果」とは、健康な表現型を回復する又は部分的に回復する化合物処置を意味する。
「緩和的効果」とは、例えば、筋肉を補強及び安定化させること、炎症を低下させること、手術の必要性を低下させることで、患者のクオリティオブライフを向上させる化合物を意味する。
前述のプロトコールを用いて、ヒト初代筋芽細胞を増殖培地内のフィブロネクチンコーティング表面上で24時間培養する。次いで、細胞を分化培地(DMEM/F12、2%ウマ血清、0.5%P/S)内で24時間培養する。治療薬候補を添加し、筋管を96時間培養する。細胞を固定し、免疫染色をトロポニンT及び核に対して実施する。Operettaハイコンテントイメージングシステム(PerkinElmer)を用いて画像を取得する。自動画像処理は、Acapellaソフトウェアライブラリ(PerkinElmer)を用いて、発明者らによって開発されたものである。
図8Aは、管の数、融合指数、及び管の幅について、IGF−1処理の有無で、健康なドナーとDMDドナーとの筋管形成を比較する画像処理の代表的な結果を示す。健康な筋管と比較したDMD筋管において、管の数は50%、融合指数は88%、管の幅は52%減少する。DMD処置に使用される化合物であるIGF−1は、これらの読み取り値をそれぞれ109%、204%及び15%レスキューすることを示す。細胞ベースアッセイの化合物スクリーニングに対する本発明の適合性を評価するために、各読み取りについてZ’因子を計算した。DMD筋管におけるIGF−1の効果は、未処理の条件と比較して、管の数の読みとりについて0.2のZ’因子を示す。これは、DMD病理の処置に有効な化合物を検出するために、HCS創薬に適合するとして本発明を実証するものである。図8Bは、本発明を用いてスクリーニングから可能性のある治療用化合物を検出する能力を強化する臨床開発の薬剤(プレドニゾン及びデフラザコート)のさらなる例を示す。プレドニゾン及びデフラザコートは、管の数のそれぞれ20%及び54%の増加を示す。同様に、融合指数もそれぞれ28%及び59%増加した。20%の閾値は、化合物によるレスキューを検証するために発明者らによって設定されるものである。したがって、プレドニゾン及びデフラザコートは、本発明によれば、DMDを治療し、且つ他のジストロフィーに対するこれらの化合物の潜在的効果を予測する、可能性のある候補として分類される。
[代謝アッセイ]
第3の実施形態では、本発明は、筋代謝障害に作用する薬剤の検出を可能にする細胞ベースのアッセイを用いて化合物をスクリーニングする方法を提供する。
この方法では、代謝疾患又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、培養物に、少なくとも1つの筋代謝阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことを含むことができる。
特に、健康なドナー又はI型糖尿病のドナーの筋管代謝を亢進する化合物は、糖尿病の治癒剤であり、例えば神経性無食欲症又は深刻な飢餓に起因するエネルギー消耗症候群を抑えると予測される。
健康なドナー又はI型糖尿病ドナー由来のヒト初代筋芽細胞を、増殖培地内のフィブロネクチンコーティング表面上で24時間培養する。次いで、細胞を分化培地(DMEM/F12、2%ウマ血清、0.5%P/S)内で24時間培養する。治療薬候補を加え、筋管を96時間培養する。グルコース代謝における化合物効果は、製造者によって提供された指示によって分析される(グルコース摂取比色分析アッセイキット、Sigma)。
図9は、本発明によるグルコース代謝における参考化合物の効果の結果を示す。インスリンはグルコース代謝を67%増加させ、ベラパミルはグルコース代謝を37%減少させる。IGF−1はグルコース摂取に作用せず、筋肉代謝に作用するのみである化合物検出の特異性を実証する。
図10は、本発明によるコントロール及びインスリン(10μM)条件で培養された健康なドナー及びI型糖尿病ドナー由来の筋管の管の数、融合指数、管の面積、管の幅としてのいくつかの関連する形態パラメーターの定量化である。これらのヒストグラムは、病理により代謝に作用を受けたI型糖尿病ドナーから分化された筋管が、健康なドナーの筋管と比較して類似の形態を有することを示す。さらに、グルコース代謝を亢進するインスリンは、筋管の形態を変化させない。これは、化合物検出における代謝アッセイの特異性と、代謝障を特異的にレスキューする新しい薬剤を検出する手法の補完性とを示す。
これらの結果は、健康なドナー及びDMDドナーから筋管肥大を誘導し、細胞毒性をもたらさずに誘導筋消耗をレスキューするIGF−1の有効性、並びにIGF−1は筋管収縮を誘発させること及び代謝を直接制御することができないことについて、IGF−1は、本発明を用いて、筋消耗障害(悪液質、サルコペニア)及びジストロフィーを処置するためにのみ治癒剤として有効に使用されると予測される。
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Claims (16)

  1. 筋生理学的プロセス及び筋病態生理学的プロセスに関連したアプリケーションパネルにおいて化合物の有効性を予測するために、骨格筋細胞の収縮、形態、及び代謝を評価する複数の自動細胞ベースアッセイを用いて、該化合物をハイスループットスクリーニングする方法であって、該方法は、
    (i)筋芽細胞又は筋管細胞の培養が可能な細胞培養デバイスを準備すること、
    前記培養デバイスにおいて、細胞培養の空間的な制御を可能にする方法を用いて、健康な若しくは筋関連障害に罹患したヒトドナー若しくはヒトドナー群由来の前記筋芽細胞若しくは筋管細胞、又は筋障害を再現する初代細胞、細胞株、アイソジェニック細胞株若しくは分化幹細胞由来の筋芽細胞若しくは筋管細胞を付着させること、及び
    空間的に制御された筋管培養を促進するように、前記細胞を所定のインキュベーション時間培養すること、である方法によって得たインビトロの筋管培養物を準備するステップと、
    (ii)前記培養物に少なくとも1つの化合物を添加するステップと、
    (iii)前記化合物とともに前記筋管を所定時間インキュベーションした後、前記筋管の構造的及び/又は機能的情報の読み取りを行って、前記筋管における前記化合物の効果を測定するステップと、
    (iV)測定された前記効果に基づいて、健康な筋肉の特性を向上若しくは改変させる、又は筋障害を処置、レスキュー、若しくは治癒する前記化合物の能力を予測し、前記特性又は前記障害は、筋収縮、筋形態、又は筋代謝と関連するものであるステップと、を含む方法。
  2. 筋消耗、筋不使用、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、前記培養物に、少なくとも1つの筋萎縮誘導剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 神経筋疾患、中毒、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、前記培養物に、少なくとも1つの筋収縮阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 代謝性疾患、又は遺伝性筋疾患を模倣するために、筋管の培養ステップにおいて、前記培養物に、少なくとも1つの筋代謝阻害剤を添加すること、又は遺伝子改変を行うことさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記細胞培養の空間的な制御を可能にする方法はバイオプリンティングを含む、請求項1〜4のうちの1つに記載の方法。
  6. 前記細胞培養デバイスは、基材及び少なくとも1つの細胞接着パターンを含み、前記少なくとも1つの細胞接着パターンに、健康な若しくは代表的な筋障害に罹患したヒトドナー若しくはヒトドナー群由来の筋芽細胞、又は筋障害を再現する細胞株、アイソジェニック細胞株若しくは分化幹細胞由来の筋芽細胞を付着させ、前記筋芽細胞は、筋管への細胞分化を促進するように、分化培地で所定のインキュベーション時間培養される、請求項1〜5のうちの1つに記載の方法。
  7. 前記基材は、
    硬質基材、及び
    前記基材のヤング率が5kPa〜15kPaを含む軟質基材、から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記筋管の画像分析を行って、骨格筋細胞、特に筋管又は筋芽細胞の形態的変化を測定することをさらに含み、測定された前記形態的変化は、前記化合物とともにインキュベーションした後の前記筋管の面積及び最大幅を含み、画像分析は、筋管の画像2値化、前記筋管の距離マップの計算、及び前記距離マップからの各筋管の最大幅の計算を含む、請求項1〜7のうちの1つに記載の方法。
  9. 前記機能的情報の読み取りには、ミオシン重鎖、トロポニンT、ジストロフィン、α−シントロフィン、ジストログリカン、アセチルコリン受容体、Smad2/3、及び/又はNF−κBの発現及び局在化による、筋管成熟のバイオマーカーを含む、請求項1〜7のうちの1つに記載の方法。
  10. 前記機能的情報の読み取りには、ハイスループットアッセイにおける、前記筋管のはく離及び前記筋管の少なくとも1つの末端の折りたたみに相当するスポット数の定量化による、カルシウム放出及び結果としての筋管の短縮を含む、請求項1〜7のうちの1つに記載の方法。
  11. 前記機能的読み取りには、ハイスループットアッセイにおける、グルコース摂取、ミトコンドリア電位、及び/又は乳酸脱水素酵素の定量化による筋管代謝を含む、請求項1〜7のうちの1つに記載の方法。
  12. 創薬の分野において、骨格筋細胞の萎縮又は肥大に作用する治療用化合物を同定するための方法であって、前記画像分析が、萎縮特性又は肥大特性について前記化合物の効果を測定するために行われる、請求項8に記載の方法。
  13. 創薬の分野において、骨格筋細胞の成熟に作用する治療用化合物を同定するための方法であって、自動分析が、特定の前記バイオマーカーの発現及び/又は局在化について前記化合物の効果を測定するために行われる、請求項9に記載の方法。
  14. 創薬の分野において、筋管収縮誘導を誘導又は阻害する治療用化合物を同定するための方法であって、前記分析がカルシウム放出について前記化合物の効果を測定するために行われる、請求項10に記載の方法。
  15. 創薬の分野において、筋管収縮誘導を誘導又は阻害する治療用化合物を同定するための方法であって、前記画像分析が筋管短縮及び/又は収縮について前記化合物の効果を測定するために行われる、請求項10に記載の方法。
  16. 創薬の分野において、骨格筋細胞の代謝に作用する治療用化合物を同定するための方法であって、前記分析が、グルコース摂取、ミトコンドリア電位、及び/又は乳酸脱水素酵素の酵素活性について前記化合物の効果を測定するために行われる、請求項11に記載の方法。

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