JP2018516732A - 軟組織を固定するためのシステム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】軟組織を固定するためのシステム及び方法の実施形態が本明細書中に開示される。幾つかの実施形態において、軟組織は、軟組織中に螺旋縫合糸を設けるステップであって、軟組織が長手方向軸を有し、該長手方向軸に沿って軟組織が通常の生理学的条件下で張力を受け、軟組織内の螺旋縫合糸の長手方向軸が軟組織の長手方向軸と平行に向けられるステップと、螺旋縫合糸を取り付け面に固定するステップとによって取り付け面(骨、他の軟組織、他のインプラント、或いは、同種移植片材料又は異種移植片材料など)に固定されてもよい。
【選択図】図9

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2015年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/166,521号の先の出願日の優先権を主張し、参照によりその全体が具体的に本明細書中に組み込まれる。
本開示は、一般に軟組織修復に関し、特に、軟組織を取り付け面に固定するためのシステム及び方法に関する。
軟組織の修復に対する従来の手法は、個々の縫合糸を意図された固定点付近の損傷組織に通すことを含む。現在の技術は、(例えば、その組織を骨又は他の取り付け面に固定するために)修復されるべき軟組織に縫合糸が通されるたびに縫合糸材料の別個の通過を必要とする。これらの修復の実行は複雑で時間がかかり、頻繁に失敗する。
実施形態は、添付図面と関連する以下の詳細な説明によって容易に理解される。この説明を容易にするために、同じ参照数字が同様の構造要素を示す。実施形態は、限定的ではなく一例として添付図面に示される。
回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる典型的な回旋腱板修復において軟組織を骨に固定するための従来の縫合装置の図である。 回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる典型的な回旋腱板修復において軟組織を骨に固定するための従来の縫合装置の図である。 回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる典型的な回旋腱板修復において軟組織を骨に固定するための従来の縫合装置の図である。
修復/再建下で螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る螺旋縫合糸の図である。 修復/再建下で螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る螺旋縫合糸の図である。
様々な実施形態に係る、回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる回旋腱板修復における図4〜図5の螺旋縫合糸を含む縫合装置の図である。 様々な実施形態に係る、回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる回旋腱板修復における図4〜図5の螺旋縫合糸を含む縫合装置の図である。 様々な実施形態に係る、回旋腱板裂傷に関して肩部で行われる回旋腱板修復における図4〜図5の螺旋縫合糸を含む縫合装置の図である。
様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。
様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、図4〜図5の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。
様々な実施形態に係るトグルを有する縫合糸材料を示す。
様々な実施形態に係る、トグルを有する縫合糸材料から形成される螺旋縫合糸の断面図である。
様々な実施形態に係る、軟組織を取り付け面に固定するための例示的な方法のフロー図である。
様々な実施形態に係る螺旋縫合糸を使用する軟組織対軟組織修復の図である。 様々な実施形態に係る螺旋縫合糸を使用する軟組織対軟組織修復の図である。
様々な実施形態に係る、図14〜図19の挿入器具の把持機構の動作の断側面図である。 様々な実施形態に係る、図14〜図19の挿入器具の把持機構の動作の断側面図である。
様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための挿入器具の図である。
様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。 様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための他の挿入器具の図である。
螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る二重螺旋縫合糸の図である。 螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る二重螺旋縫合糸の図である。 螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る二重螺旋縫合糸の図である。 螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る二重螺旋縫合糸の図である。 螺旋縫合糸が軟組織内に位置する際の様々な実施形態に係る二重螺旋縫合糸の図である。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照し、図面中の同様の数字は全体にわたって同様の部分を示し、また、図面中には、実施することができる例示的な実施形態が示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、また、構造的又は論理的な変更がなされてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
様々な動作は、特許請求の範囲に記載される主題を理解するのに最も有用な態様で、複数の別個の行為又は動作として記載される場合がある。しかしながら、記載の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを意味すると解釈されるべきでない。特に、これらの動作は、提示の順序で行われなくてもよい。記載された動作は、記載された実施形態とは異なる順序で行われてもよい。様々な付加的な動作が行われてもよく、及び/又は、付加的な実施形態では記載された動作が省かれてもよい。
本開示の目的のために、表現「A及び/又はB」は、(A)、(B)、又は、(A及びB)を意味する。本開示の目的のため、表現「(A)、(B)及び/又は、(C)」は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は、(A、B及びC)を意味する。
この説明は、それぞれが同じ又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指す場合がある「一実施形態において」又は「複数の実施形態において」という表現を使用する。更に、本開示の実施形態に関して使用される用語「備える」、「含む」、「有する」等は同義語である。
本明細書中で開示されるのは、再発性組織収縮に対抗する新たな方法を導入する方法、システム、及び、装置である。本発明者等は、個々の糸結び目及び多数の器具を用いてアンカーを埋め込んで予め組み込まれた縫合糸を通過させるのではなく、組織の剪断を排除して代わりに保持力を法線方向及び接線方向の両方に分配するように縫合糸を通過させるべく単一の器具を使用できる方法、システム、及び、装置を開発してきた。
本明細書中には、軟組織を取り付け面に固定するためのシステム、装置、及び、方法の実施形態が開示される。例えば、幾つかの実施形態では、回転又はねじれが反対の2つの螺旋縫合糸などの1つ以上の螺旋縫合糸を軟組織中に設けることにより、軟組織が取り付け面に固定されてもよい。実施形態では、軟組織が長手方向軸を有し、この長手方向軸に沿って軟組織が通常の生理学的条件下で張力を受け、また、軟組織中の螺旋縫合糸の長手方向軸は、縫合糸の螺旋の長手方向軸が張力の線と平行に向けられるように、軟組織の長手方向軸すなわち負荷軸と平行に向けられる。
本明細書中に開示されるシステム、装置、及び、方法は、従来の技術に優る顕著な利点を与えることができる。前述のように、縫合糸が組織を通過するたびに別個の操作が必要とされるため、軟組織の修復に対する従来の手法は複雑で時間がかかる。結果として、軟組織における大部分の縫合糸修復/再建は、組織の縁付近では、修復されるべき組織を通じた縫合糸の1回(単純縫合)又は2回(マットレス縫合)の通過に制限される。各縫合糸におけるこれらの制限される固定点は、縫合糸が組織を通じて1回又は2回通過している修復された/再建された組織縁で高い応力集中をもたらす。これらの高い応力集中は、軟組織が張力下で負荷に晒される場合には、縫合糸−組織界面での修復/再建の失敗率を高くする。
本明細書中に開示されるシステム、装置、及び、方法は、張力下での軟組織の修復又は再建が行われる任意のタイプの外科的処置(例えば、腱が骨に修復されるようになっている整形外科的処置、低侵襲的スポーツ医術、及び、軟組織の修復設定)で適用され得る有用な医療機器及び技術を提供する。より一般的には、本明細書中に開示されるシステム及び方法は、修復される/再建される組織中の応力が従来達成し得るよりも広く均一に分配されることにより(例えば縫合糸裁断による)縫合糸−軟組織界面での修復/再建の失敗の危険が減少するように軟組織が修復され又は再建されるようになっている任意の分野又はタイプの外科手術において有用に適用され得る。
本明細書中に開示されるシステム、装置、及び、方法の用途としては、軟組織対骨、軟組織対軟組織、軟組織対同種移植片/異種移植片材料、又は、軟組織対合成材料における修復及び再建を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、本明細書中で言及される「取り付け面」は、骨、軟組織、同種移植片/異種移植片材料、合成材料、その他の適した材料、又は、これらの組み合わせを含んでもよい。骨が取り付け面の例示的な例として使用されてもよいが、本明細書中で開示されるシステム及び方法は、任意の適した取り付け面に適用されてもよい。
本明細書中に開示されるのは、被検者の軟組織を取り付け面、例えば骨に固定するための方法である。実施形態において、方法は、長手方向軸を有する1つ以上の螺旋縫合糸を被検者の軟組織中に設ける及び/又は挿入するステップを含む。本明細書中において、長手方向軸とは、螺旋の中心を通る螺旋縫合糸の軸、すなわち、螺旋がその周りで回転する軸及び/又は螺旋が進行するにつれて下方へ並進する軸を意味する。軟組織は長手方向軸及び/又は負荷軸を有してもよく、また、1つ以上の縫合糸は、軟組織中の螺旋縫合糸の長手方向軸が軟組織の長手方向軸、例えば引張応力を受けている軸と平行又は略平行な状態で方向付けられる。軟組織を固定するために、螺旋縫合糸は、例えば取り付け面に近位の螺旋縫合糸の自由端を取り付け面に固定することによって取り付け面に取り付けられる。開示される方法は、通常の生理学的条件下で、組織の長手方向軸、例えば腱に沿って張力を受ける軟組織を固定するのに特に適している。幾つかの実施形態では、取り付け面が上腕骨などの骨を含む。幾つかの実施形態において、取り付け面は、軟組織、同種移植片材料、異種移植片材料、又は、合成材料、或いは、これらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸を取り付け面に固定するステップは、取り付け面に対して又は取り付け面中に固定されるアンカー、例えば骨ねじ又は骨に埋め込まれる又は締結される他の装置に螺旋縫合糸を固定するステップを含む。
幾つかの実施形態において、この方法は、第1の螺旋縫合糸及び第2の螺旋縫合糸などの少なくとも2つの螺旋縫合糸を設けるステップを含む。そのような方法では、第2の螺旋縫合糸の長手方向軸が第1の螺旋縫合糸の長手方向軸と略平行に向けられるように軟組織中の第1及び第2の螺旋縫合糸が設けられる又は挿入される。この第2の螺旋縫合糸は、例えば、取り付け面に固定される同じ又は異なるアンカーを用いて、取り付け面に固定され得る。幾つかの実施形態では、第1の螺旋縫合糸及び第2の螺旋縫合糸が反対の(又は同じ)回転方向を有する。これについては例えば図37A〜図39を参照されたい。反対の回転方向を伴う2つの螺旋縫合糸を使用する1つの利点は、縫合糸のトルクが効果的に相殺されることである。特定の実施形態において、第1の螺旋縫合糸及び第2の螺旋縫合糸は、例えばそれらが反対の回転方向を有するときに重なり合う。これについては例えば図39を参照されたい。
幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸を軟組織中に設ける又は挿入するステップは、螺旋形状針を軟組織中に挿入するステップと、螺旋形状針を回転させて、螺旋形状針の先端が軟組織から突出するまで軟組織中に螺旋チャネルを設けるステップとを含む。縫合糸材料は螺旋形状針の先端に固定され、また、螺旋形状針の回転方向は、螺旋縫合糸を軟組織中に保持するために逆転される。特定の実施形態では、螺旋形状針が腱などの軟組織中に突き刺され、また、完全展開時に、針先端がアイレットの機械的手段によって自由縫合糸を把持する。その後、螺旋形状針は、螺旋形状針の回転方向を逆転させることによって、螺旋形状針の経路における腱の側方開口へ縫合糸を逆行させる。特定の実施形態では、反対の回転方向を伴う第2の螺旋形状針を使用して、第1の螺旋縫合糸と鏡像関係を成す第2の螺旋縫合糸をもたらす。2つの螺旋が互いに重なり合って二重螺旋を形成してもよい。2つの螺旋は、例えば所望の把持方向に応じて異なる角度を成して離間されてもよい。このプロセスを必要に応じて繰り返すことができる。実施形態では、2つの螺旋縫合糸が同じ縫合糸材料片から形成される。幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸は、1〜10個の螺旋巻回部、例えば縫合糸材料の少なくとも2つの巻回部を含む。
特定の実施形態において、軟組織中に螺旋縫合糸を設けるステップは、螺旋形状針を軟組織中に挿入するステップであって、縫合糸材料が螺旋形状針に固定されるステップと、螺旋形状針を回転させて螺旋縫合糸を軟組織中に保持するステップとを含む。そのような実施形態では、縫合糸材料が螺旋形状針によって軟組織に引っ張り通される。
実施形態において、螺旋形状針を回転させるステップは、螺旋形状針を含む挿入器具を人の術者の手で把持するステップと、手で挿入器具を回転させるステップとを含んでもよい。実施形態において、螺旋形状針を回転させるステップは、螺旋形状針を含む挿入器具のスライド構成要素を直線的に並進させるステップを含み、この場合、スライド構成要素の直線的な並進は、螺旋形状針の回転を引き起こす又はもたらす。特定の実施形態において、スライド構成要素を直線的に並進させるステップは、トリガーレバーを軟質組織から離れるように又は軟組織へ向けて直線的に並進させるステップを含む。幾つかの実施形態において、軟組織中に螺旋縫合糸を設けるステップは、螺旋形状針を含む挿入器具の把持部を用いて軟組織を把持するステップと、螺旋形状針が軟組織及び/又は挿入器具の把持部に対して回転する間に把持部を用いて軟組織を螺旋形状針へ向けて該針を越えて引き寄せるステップとを含む。この方法の幾つかの実施形態において、挿入器具は、螺旋形状針の長手方向軸から垂直に延びるトリガーレバーを含み、この場合、螺旋形状針の長手方向軸の周りでトリガーレバーを回転させることによって把持部が軟組織を把持し、また、螺旋形状針の長手方向軸に沿ってトリガーレバーを軟質組織から離れるように又は軟組織へ向けて直線的に並進させることによって螺旋形状針が回転する。幾つかの実施形態では、挿入器具が電気的に駆動される。幾つかの実施形態では、螺旋形状針がリアハンドルを有する挿入器具に含まれ、また、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるために螺旋形状針が回転されるときに螺旋形状針はリアハンドルに関して並進しない。
図1〜図3は、回旋腱板裂傷のために肩部で行われる典型的な回旋腱板修復において軟組織102を骨180に固定するための従来の縫合装置100の様々な図である。特に、図1は縫合装置100の側断面図であり、図2は縫合装置100の平面図であり、また、図3は縫合装置100の正面断面図である。
縫合装置100では、1つ以上のアンカー106が骨180にねじ込まれ或いはその他の方法で骨180に固定されてもよく、また、軟組織102を骨180に取り付けるために1つ以上の縫合糸110が軟組織102及びアンカー106の両方に取り付けられてもよい。アンカー106は例えば金属又は生体吸収性アンカーであってもよい。縫合糸110は、一般に、図1及び図3に示される軸108と略平行に向けられる。軸108は軟組織102の長手方向軸104に対して垂直である(軟組織102が骨180に取り付けられる通常の生理学的条件下で軟組織102により受けられる引張力の大部分が長手方向軸104に沿って及ぼされる)。一般に、アンカー106は1つ以上の縫合糸110とともに予め組み込まれる。アンカー106は、軟組織102中の縫合糸110を骨180に「連結する」ための装置の一例であるが、そのような目的を達成するためのその他の装置を使用が使用されてもよい。
図4及び図5は、本明細書中に開示される様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸400が適用後に軟組織中で置かれるであろう螺旋縫合糸400の様々な図である。特に、図4は螺旋縫合糸400の斜視図であり、図5は螺旋縫合糸400の側面図である。螺旋縫合糸400は、螺旋縫合糸400の長手方向軸410に沿う長さ402を有してもよい。長さ402は、任意の適切な値をとってもよい。幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸400の長さ402は、約10〜約30ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。例えば、螺旋縫合糸の長さ402は、約20ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。螺旋縫合糸400は、例えば縫合糸材料に適した任意の値をとり得る直径404を有してもよい。幾つかの実施形態では、螺旋縫合糸400の直径404が約3〜約8ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。例えば、直径404が約5.5ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。
螺旋縫合糸400は、多くの従来例が存在する任意の適した縫合糸材料から形成されてもよい。例えば、縫合糸材料は、「編組」外層を伴う中実内側ポリマーコアを有する#2(0.6ミリメートル直径)編組フィラメントであってもよい。外層は一般にかなり薄いポリマーである。適した縫合糸材料は、直径が0.6ミリメートルより小さくても広くてもよく、また、適したサイズ及び材料は、修復のタイプに依存する場合がある。
螺旋縫合糸400は、任意の所望の数の巻回部406又はその一部を有してもよい(図5の巻回部406によって例示されるように、巻回部は、本明細書では、360度にわたって旋回するコイルの部分として規定される)。幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸400は、約1巻回部、約2巻回部、約3巻回部、約4巻回部、約5巻回部、約6巻回部、又は、ある場合には6を超える巻回部など、1〜6個の巻回部又はその部分増分を有してもよい。例えば、螺旋縫合糸400は、縫合糸材料の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は、少なくとも5つの巻回部を含んでもよい。
螺旋縫合糸400は、任意の所望の巻回角408を有してもよい(この場合、巻回角は、本明細書中では、図5の巻回角408によって例示されるように、長手方向軸410に対して垂直な基準線に対して規定される)。幾つかの実施形態では、巻回角408が約20度〜約70度(例えば、±5度)であってもよい。例えば、巻回角408が約45度(例えば、±5度)であってもよい。巻回角408は螺旋縫合糸400に沿って一定である必要はなく、代わりに、幾つかの実施形態では、巻回角408が螺旋縫合糸400に沿って変化してもよい。更に、以下で論じられるように、螺旋縫合糸400の巻回角408は、下側にある軟組織102が様々な力(例えば、軟組織の引張り、収縮、又は、移動)を受けるにつれて変化してもよい。したがって、巻回角408とは、螺旋縫合糸400が最初に軟組織102中に設けられるときに、設けた後に下側にある軟組織102が変形するにつれて巻回角408が変化し得る場合であっても、螺旋縫合糸400に対して与えられる巻回角を指してもよい。螺旋縫合糸400を形成するために必要な縫合糸材料の長さは、長さ402、直径404、巻回部406の数、及び/又は、巻回角408などの螺旋縫合糸400の望ましい幾何学的形態に依存する。
典型的な螺旋縫合糸は、マッシブカフステッチ(massive cuff stitch)(これは、回転腱板腱組織中で最も強い伝統的なステッチ形態のうちの1つであると考えられる)に対して試験が行われた。これらの試験は、1000ニュートン(N)のロードセルを有する一軸試験機に取り付けられたこれらの2つの縫合糸形態間の最終的な破壊荷重を比較するウシ腱組織で行われた。試験プロトコルは既に公開された多くの方法に従った。すなわち、10ニュートンの予荷重の後に180(N)まで段階的な繰り返し荷重を加えるプロトコルが行われ、その後、完全な構造破壊が生じるまで0.25Hzの割合で350(N)が加えられた(最大荷重として規定される)。この生体力学的試験では、総力増大(最大荷重)の観点から、コイルがマッシブカフステッチよりも−370%強い(3.7倍)ことが判明した。コイルの平均最大荷重は336.8Nであったのに対し、マッシブカフステッチに関しては63.7Nであった。
螺旋縫合糸に関する関連パラメータは、埋め込まれる縫合糸の全長、両方により囲まれる総面積、及び、最大破壊荷重を含めて与えられる。
次元/変数
T=3;構造体における巻回部の数
D=5;直径(ミリメートル)
H=12;構造体の全体の高さ(この場合は深さ)
r=2.5;構造体の半径
円弧長のための式
長さ=2*(T*sqrt((π*D)^2+(H/T)^2)) (2)
r−コイルにより囲まれる面積
面積=2*((2*π*r*H)+(2*π*r^2)) (1)
長さ=97.2556mm
面積=455.5309mm^2
図6〜図8は、様々な実施形態に係る、回旋腱板裂傷のために肩部で行われる回旋腱板修復における図4〜図5の螺旋縫合糸400を含む縫合装置600の様々な図である。特に、図6は縫合装置600の側断面図であり、図7は縫合装置600の平面図であり、また、図8は縫合装置600の正面断面図である。
縫合装置600では、(図1〜図3の縫合装置100に関連して前述したように)1つ以上のアンカー106が骨180にねじ込まれ又はその他の方法で固定されてもよい。このシナリオは、1つ以上のアンカー106が上腕骨頭の外側面上の腱フットプリントの内側縁に埋め込まれてもよい回転腱板修復(臨床応用例)のための方法を概説する。1つ以上の螺旋縫合糸400は、軟組織102を骨180に取り付けるために軟組織102及びアンカー106の両方に取り付けられてもよい。特に、螺旋縫合糸400は、螺旋縫合糸400の長手方向軸410(図4)が軟組織102の長手方向軸104に対して平行に向けられるように軟組織102中で方向付けられてもよい。したがって、軟組織102が1つ又は2つの小さい有限の点でのみ縫合糸110により固定される図1〜図3の従来の縫合糸110とは異なり、螺旋縫合糸400の縫合糸材料の大部分は、軟組織102の長手方向軸104(通常の生理学的条件下で張力が一般に軟組織102によって受けられる方向)に沿って配される。
図7及び図8に示されるように、縫合装置600は、2つ以上の螺旋縫合糸400(例えば、図7及び図8に示される2つの縫合糸400)を含んでもよい。他の実施形態では、単一の螺旋縫合糸400が使用されてもよく、又は、2つ以上、例えば3つ以上の螺旋縫合糸400が使用されてもよい。多螺旋縫合装置に含まれる全ての螺旋縫合糸400は、略平行に方向付けられ(例えば、それらの長手方向軸410が軟組織102の長手方向軸104と略平行にされ)てもよく、又は、互いに対して任意の所望の方向に向けられてもよい。後述するように、図37A〜図39に関して、縫合糸材料の単一のストランドを使用して、2つ以上の螺旋縫合糸を形成することができる。例えば、同じ又は反対の螺旋回転を有する縫合糸を形成することができる。
幾つかの実施形態では、軟組織102が腱であってもよい。幾つかの実施形態では、骨108が上腕骨であってもよい。本明細書中に開示されるシステム及び方法が適用され得る骨に対する軟組織修復の他の例としては、膝蓋骨(ひざ覆い)に対する大腿四頭筋及び膝蓋腱修復、アキレス腱修復、二頭筋腱修復、上腕骨に対する大胸筋腱修復、及び、肘/遠位上腕骨における側尺骨寛骨靭帯の修復を含むがこれに限定されない靭帯修復を挙げることができるが、これらに限定されない。また、中間物質靭帯裂又は中間物質腱裂などの任意の中間物質軟組織破断は、螺旋縫合形態(例えば、1つ以上の螺旋縫合糸400を含む構成)が裂傷の両側に配置されるシステム及び方法にも適しており、また、欠陥の修復は、裂傷のそれぞれの側から縫合糸の自由端を一緒に締め付けて縛ることによって達成される。外科的適用の非腱又は非靱帯の例としては、腹部ヘルニア修復が挙げられる。
図6〜図8に示されるように、螺旋縫合糸400は、軟組織102を通る縫合糸材料の複数のループをもたらし、この場合、軟組織102を通る縫合糸材料の主要な分布パターンは、軟組織102における張力/負荷の主方向と平行に延びる螺旋を成して方向付けられる。螺旋縫合糸400は、このように使用されると、図1〜図3に関連して前述した従来の縫合糸110よりも広範に且つ均一に応力を軟組織102を通じて分配し得る。これは、例えば、従来の手法を使用すると縫合糸−組織界面における張力の過負荷(修復された組織を通じた縫合糸切断をもたらす)に起因して起こり得る修復失敗の可能性を低減し得る。
特に、(例えば、単純なステッチ、マットレスステッチ、修正されたMason−Allenステッチ、又は、マッシブカフステッチを使用する)従来の縫合糸は、それぞれの縫合糸ごとに単一点固定を用いる。そのような縫合糸は、軟組織を1回だけ通過する又は最大4回通過するが、これらは全て、腱が取り付け面に「スポット溶着」される小さな領域で行われる。これらの修復部が手術後に応力(特に張力)に晒されるにつれて、縫合糸は、しばしば、チーズワイヤーがチーズブロックを切断するのと同様な態様で腱を切断する。その結果、腱固定が失われ、修復が失敗する。これは、組織中の応力が腱−骨固定の部位を直接に覆って腱の側縁に拘束される組織の小さすぎる領域にわたって集中されるからである。回旋腱板修復術後に完全な修復不全が生じない場合でさえ従来の修復の大部分が少なくとも部分的に失敗する(縫合糸が少なくとも部分的に腱を通じて滑るという点において)ことが示唆される。部分修復不全及び完全修復不全のいずれも、患者にとって持続的な痛み及び障害、及び/又は、更なる外科的介入の必要性をもたらす。更に、従来の縫合糸を軟組織に通すとともに、縫合糸を縛って組織をその取り付けポイントに保持することは、常にうまく実行されるとは限らない複雑で時間のかかる手続きである。
本明細書中に開示される螺旋縫合糸400の使用は、軟組織の縫合糸切断の発生を減少させることによって軟組織修復外科手術(例えば、回旋腱板修復)後の修復不全の発生を減らすことができる。本明細書中で開示される螺旋縫合糸の様々な実施形態は、修復された組織内のより広範な(例えば、広がった)及びより均一な応力分布を1つ以上の方法でもたらし得る。例えば、螺旋縫合糸400は、従来の縫合糸と比べて縫合−軟組織界面のポイントの数を大幅に増大させ、それにより、軟組織中でより広範囲に力を分配させることができる。螺旋縫合糸400をそれが軟組織内へと内側に延びるように位置決めすることにより、螺旋縫合糸400により受けられる力は、修復されるべき組織の最も外側の部分に完全に集中される(従来の結果)のではなく、内側組織によって分配されて散逸され得る。加えて、軟組織が引張力によって変形し、結果として螺旋縫合糸400が「伸びる」と、螺旋縫合糸400は、張力を法線方向(その組織を圧縮するために螺旋縫合糸400の「内側の」組織へと向かう方向)及び接線方向(螺旋縫合糸400に接する方向)の両方向に方向付ける。この力の分配は、軟組織が張力を受けるときに軟組織上の螺旋縫合糸400の「把持」を改善でき、それにより、修復不全の可能性が減る。
更に、本明細書中に開示される螺旋縫合糸400の様々なものの使用は、手術中に糸結び又は重要な縫合糸管理の必要性を排除又は低減でき、及び、従来達成できるよりもかなり強力な修復構造体をもたらすことができる。
螺旋縫合糸400は、任意の適した技術を用いて軟組織102に設けられてもよい。例えば、螺旋縫合糸400は、全開する又は低侵襲的な(例えば、関節鏡視下又は腹腔鏡視下)外科技術を用いて軟組織102に設けられてもよい。例えば、回旋腱板修復は、4〜10センチメートルの1つの皮膚切開部を通じて、又は、関節鏡視下で4〜8個の小さな0.5センチメートルの皮膚切開部を通じて行われてもよい。回旋腱板修復は、2つの縫合糸アンカー及び付随する螺旋縫合糸400を含んでもよいが、軟組織102の品質が悪いとき又は裂傷がより大きいときには、より多くの縫合糸アンカー及び螺旋縫合糸が埋め込まれてもよい。
幾つかの実施形態において、螺旋縫合糸400は、螺旋縫合糸400を迅速且つ正確に設けるように設計された挿入器具を用いて軟組織102に設けられてもよい。例えば、図9〜図13は、様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸400を軟組織102中に設けるための挿入器具900の様々な図である(後述する図27〜図39は、様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸を軟組織中に設けるための別の挿入器具の様々な図である)。特に、図9は挿入器具900の斜視図であり、図10は(図9の円Aにより示される)螺旋形状針902の詳細図であり、図11は挿入器具900の側面図であり、図12は(図11の円Bにより示される)螺旋形状針902の詳細な側面図であり、図13は(図12の円Cにより示される)螺旋形状針902の端部914の詳細な側面図である。
挿入器具900は、挿入器具900の長手方向軸908を実質的に規定する延在本体924を有してもよい。挿入器具900は、プラスチック及び/又は金属(例えば、医療グレードのチタン又はアルミニウム)などの1つ以上の材料から形成されてもよい。また、挿入器具900は、本体924の一端922に螺旋形状針902を含んでもよい。螺旋形状針902は、挿入器具900の長手方向軸908と平行である(例えば、長手方向軸908と同一の広がりをもつ)長手方向軸920を有してもよい。螺旋形状針902は、軟組織に切り込むための切断先端を有してもよく、或いは、図20〜図21に関連して後述するように、螺旋形状針902には、切断先端を伴うトグルを有する縫合糸材料が装填されてもよい。
挿入器具900の本体924は、任意の適した値であってもよい長さ906を有することができる。幾つかの実施形態において、長さ906は、約100〜約180ミリメートル(例えば、±10ミリメートル)であってもよい。例えば、長さ906は、約140ミリメートル(例えば、±10ミリメートル)であってもよい。
螺旋形状針902の寸法は、(後述するように)挿入器具900の使用によって与えられる螺旋縫合糸400の寸法を実質的に決定するので、螺旋形状針902の寸法は、螺旋縫合糸400の所望の寸法を達成するように選択されてもよい。例えば、螺旋形状針902は、任意の適した値であってもよい長さ910を有することができる。幾つかの実施形態において、長さ910は、約10〜約30ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。例えば、長さ910は、約20ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。螺旋形状針902は、任意の適した値であってもよい直径912を有することができる。例えば、幾つかの実施形態において、直径912は、約3〜約8ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。幾つかの実施形態では、直径912が約5.5ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。
縫合糸材料は、螺旋形状針902が軟組織102を通じて移動されるにつれて縫合糸材料が螺旋形状針902の経路を辿って螺旋縫合糸400を形成するように螺旋形状針902に固定されてもよい。図10、図12、及び、図13に示されるように、螺旋形状針902は、縫合糸材(図示せず)が配置される凹部904を有してもよい。凹部904の寸法は、螺旋形状針902が通過するようになっている軟組織の特性及び/又は凹部904の内側に配置されるべき縫合糸材料の寸法に基づいて選択されてもよい。幾つかの実施形態において、凹部904の内径936は、約0.1〜約0.4ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。例えば、内径936は約0.26ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。螺旋形状針902の外径918は、螺旋形状針902が通過するようになっている軟組織の特性、凹部904の内側に配置されるべき縫合糸材料の寸法、及び/又は、(例えば、より弱い材料に適したより厚い「壁」を有する)螺旋形状針902を形成する材料の特性に基づいて選択されてもよい。幾つかの実施形態において、螺旋形状針902の外径918は、約0.2〜約0.4ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。例えば、螺旋形状針902の外径918は約0.3ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。他の例において、約0.3ミリメートルの内径及び約0.35ミリメートルの外径を有する螺旋形状針902は、#2縫合糸材料を収容するのに適し得る。
螺旋形状針902の端部914は、縫合糸材料を用いて螺旋縫合糸400を形成するために挿入器具900の使用中に縫合糸材料を挿入して凹部904内に保持できる開口916を有してもよい。図20及び図21に関連して後述するように、縫合糸材料は、縫合糸材料が挿入器具900の凹部904内に配置されるときに螺旋形状針902の先端として役立ち得る先端を有してもよい。また、縫合糸材料の先端は、螺旋縫合糸400が形成されて挿入器具900が除去された後に軟組織102内の所定の位置に螺旋縫合糸400を保持するためのトグルとしての機能を果たしてもよい。
挿入器具900は、人の術者に自分の手で本体924を把持させて、(縫合糸材料が螺旋形状針902に固定された状態で)螺旋形状針902を軟組織102内へ挿入させるとともに、軟組織102を通じて螺旋形状針902及び縫合糸材料を移動させて螺旋縫合糸400を形成するべく螺旋形状針902を回転させることによって螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるべく使用されてもよい。挿入が完了すると、螺旋形状針902の端部914に近接する縫合糸材料の端部は、(例えば、関節鏡的縫合糸把持器を用いて端部を把持することによって、又は、図20及び図21に関連して後述するように)軟組織102の内部又は外部に固定されてもよく、また、挿入器具900は、挿入器具900を逆方向に回転させて螺旋縫合糸400を置き去りにすることによって挿入器具900が除去されてもよい。軟組織102からの挿入器具900の除去は、螺旋縫合糸400を「ピンと張った状態で」引張り、それにより、螺旋縫合糸400の各巻回部に均一で正確な大きさの張力を与えてもよい。幾つかの例において、縫合糸は、螺旋縫合糸が組織中で締め付けられるように、負荷、例えば約5N〜約20Nの負荷を軟組織から延びる縫合糸材料に加えることによって人の術者によりピンと張った状態で引張られる。張力が過度に加えられないように、張力計、例えば適切な張力の視覚的又は聴覚的な指標を与える張力計を使用して、張力を測定することができる。そのような張力計は、本明細書中に開示される装置のいずれかに結合され得る。
図27〜図31は、様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸400を軟組織102中に設けるための別の挿入器具2700の様々な図である。図27は挿入器具2700の側面図であり、図28は(図27の円Bにより示される)螺旋形状針2702の詳細な側面図であり、図29〜図31は(図28の円Cにより示される)螺旋形状針2702の端2714の詳細な斜視図である。後述するように、挿入器具900と挿入器具2700との間の違いは、組織への縫合糸の通し方である。
挿入器具2700は、挿入器具2700の長手方向軸2708を実質的に規定する延在本体2724を有してもよい。挿入器具2700は、プラスチック及び/又は金属(例えば、医療グレードのチタン又はアルミニウム)などの1つ以上の材料から形成されてもよい。また、挿入器具2700は、湾曲部2726によって接続される本体2706の一端に螺旋形状針2702を含んでもよい。螺旋形状針2702は、挿入器具2700の長手方向軸2708と平行である(例えば、長手方向軸2708と同一の広がりをもつ)長手方向軸を有してもよい。螺旋形状針2702は、軟組織を切断するための切断先端2750を有してもよい。
挿入器具2700の本体2724は、任意の適した値であってもよい長さ2706を有することができる。幾つかの実施形態において、長さ2706は、約100〜約180ミリメートル(例えば、±10ミリメートル)であってもよい。例えば、長さ2706は約140ミリメートル(例えば、±10ミリメートル)であってもよい。
螺旋形状針2702の寸法は、(後述するように)挿入器具2700の使用によって与えられる螺旋縫合糸400の寸法を実質的に決定するので、螺旋形状針2702の寸法は、螺旋縫合糸400の所望の寸法を達成するように選択されてもよい。例えば、螺旋形状針2702は、任意の適した値であってもよい長さ2710を有することができる。幾つかの実施形態では、長さ2710が約10〜約30ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。例えば、長さ2710は約20ミリメートル(例えば、±2ミリメートル)であってもよい。螺旋形状針2702は、任意の適した値であってもよい直径2712を有することができる。例えば、幾つかの実施形態では、直径2712が約3〜約8ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。幾つかの実施形態では、直径2712が約5.5ミリメートル(例えば、±1ミリメートル)であってもよい。
螺旋形状針2702が軟組織102を通って移動されるにつれて、軟組織102にチャネルが形成される。切断先端2750が軟組織102の外面を穿孔した時点で、フック2764上にわたって縫合糸材料を巻き付けるか或いはその他の方法で固定することによって適切な縫合糸材料が凹部2760内で切断先端2750に結合される。螺旋形状針2702が軟組織102から退避して戻されると、縫合糸材料は、螺旋縫合糸400を形成するためにチャネル内の螺旋状の針2702の経路を辿る。図29〜図31に示されるように、螺旋形状針2702は、縫合糸材(図示せず)が配置され得る凹部2760を有してもよい。凹部2760の寸法は、凹部2760の内側に配置されるべき縫合糸材料の特性及び/又は寸法に基づいて選択されてもよい。幾つかの実施形態では、凹部2760の深さが約0.1〜約0.4ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。螺旋形状針2702の外径は、螺旋形状針2702が通過するようになっている軟組織の特性、凹部2760の内側に配置されるべき縫合糸材料の寸法、及び/又は、螺旋形状針2702を形成する材料の特性に基づいて選択されてもよい。幾つかの実施形態において、螺旋形状針2702の外径は、約0.2〜約0.4ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。例えば、螺旋形状針2702の外径は約0.3ミリメートル(例えば、±0.03ミリメートル)であってもよい。凹部2760は、好ましくは、縫合糸材料を把持又は保持するためのフック状構造体2764を有する。
螺旋形状針2702の切断先端2750は任意の適した切断形状を有してもよいが、2つの平面2751及び2752を伴う形状が切断稜線2754によって二等分されて示される。
挿入器具2700は、人の術者に自分の手で本体2724を把持させて、(縫合糸材料が螺旋形状針902に固定された状態で)螺旋形状針2702を軟組織102内へ挿入させるとともに、軟組織102を通じて螺旋形状針2702を移動させて螺旋縫合糸400を形成するべく螺旋形状針2702を回転させることによって螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるべく使用されてもよい。挿入が完了すると、軟組織102を通じて突出する切断先端2750は、凹部2760のフック2764を用いて適切な縫合材料を固定し、また、挿入器具2700を逆方向に回転させて螺旋縫合糸400を置き去りにすることによって挿入器具2700が除去されてもよい。軟組織102からの挿入器具900の除去は、螺旋縫合糸400を「ピンと張った状態で」引張り、それにより、螺旋縫合糸400の各巻回部に均一で正確な大きさの張力を与えてもよい。幾つかの例において、縫合糸は、螺旋縫合糸が組織中で締め付けられるように、負荷、例えば約5N〜約20Nの負荷を軟組織から延びる縫合糸材料に加えることによって人の術者によりピンと張った状態で引張られる。張力が過度に加えられないように、張力計、例えば適切な張力の視覚的又は聴覚的な指標を与える張力計を使用して、張力を測定することができる。そのような張力計は、本明細書中に開示される装置のいずれかに結合され得る。
図14〜図19は、様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸400を軟組織102中に設けるための他の挿入器具1400の様々な図である。特に、図14は挿入器具1400の側断面図であり、図15は挿入器具1400の針チャンバ1416内の針アセンブリ1430の一部の詳細な側断面図であり、図16は挿入器具1400の側面図であり、図17は挿入器具1400の平面図であり、図18は挿入器具1400の正面図であり、図19は挿入器具1400の背面図である。
挿入器具1400は、挿入器具900(図9〜図13)又は挿入器具2700に関連して前述した実施形態のうちの任意の適切な実施形態の形態をとってもよい針アセンブリ1430を含んでもよい。特に、針アセンブリ1430は、本体1406(本体924の実施形態のうちの任意の適した実施形態の形態をとってもよい)及び螺旋形状針1408(螺旋形状針902又は2702の実施形態のうちの任意の適した実施形態の形態をとってもよい)を含んでもよい。針アセンブリ1430は、(例えば、図14及び図15に示すように)一部が針チャンバ1416内に配置されて一部がスライド構成要素1410内に配置されてもよい。特に、螺旋形状針1408は、挿入器具900の螺旋形状針902の長手方向軸920(図9)又は挿入器具2700の螺旋形状針2702の長手方向軸2720(図27)に関連して前述したと同様に規定される長手方向軸1460を有してもよい。
挿入器具1400のスライド構成要素1410は、矢印1450により示される方向でのスライド構成要素1410の直線的な並進時に針アセンブリ1430を回転させるように構成されてもよい。特に、スライド構成要素1410は、螺旋ベアリングと、針アセンブリ1430の本体1406の一部と、スライド構成要素1410が矢印1450により示される方向に並進して針アセンブリ1430の回転を引き起こす際に螺旋ベアリングと関節結合する螺旋溝付き側壁とを収容してもよい。スライド構成要素1410は、トリガーレバー1404がリアハンドル1402へ向けて(例えば、矢印1450により示される方向に)及び軟組織102(図示しないが、螺旋形状針1408に近接して位置される)から離れるように移動するにつれてスライド構成要素1410も矢印1450により示される方向に並進することにより針アセンブリ1430が回転するようにトリガーレバー1404に結合されてもよく、反対方向の移動は、針アセンブリを他方向に回転させて、反対の回転方向を有する螺旋形状針のために使用され得る。スライド構成要素1410の並進時の針アセンブリ1430の回転方向は、挿入器具1400が軟組織102に適切に適用されるときに螺旋形状針1408が軟組織102内へ押し込まれるようになっている。トリガーレバー1404は、リコイルスプリングチャンバ1428内のリコイルスプリングによってリアハンドル1402へ向かう移動から離れるように付勢されてもよい。リコイルスプリングは、約590ニュートン/メートル(例えば±20ニュートン/メートル)などの任意の適したバネ定数を有してもよい。
挿入器具1400は把持部1414を含んでもよい。把持部1414は把持咬合器1412に結合されてもよく、把持咬合器1412は、チャネル1480を介してトリガーレバー1404に結合されてもよい。トリガーレバー1404、把持咬合器1412、及び、把持部1414は、トリガーレバー1404が螺旋形状針902又は2702の長手方向軸1460から垂直に延びるように、及び、トリガーレバー1404を長手方向軸1460の周りで回転させることによって把持部1414が針チャンバ1416に当て付いて配置される軟組織102を閉じ込めて把持するように配置されてもよい。特に、トリガーレバー1404の回転は、チャネル1480による同心運動を強制し、それにより、把持部1414のプッシュロッドが把持部1414の歯を開閉する。トリガーレバー1404の内側に固定位置を伴う「歯」は、チャネル1480に対する雄型部品として作用する。トリガーレバー1404、したがって歯は、長手方向軸1460に対して固定されるが、把持咬合器1412は固定されない(例えば、ある量の遊び、例えば約10ミリメートルの遊びを有する)ため、トリガーレバー1404が長手方向軸1460に対して垂直に回転されるにつれて、歯がチャネル1480の壁に力を及ぼす。歯が長手方向軸1460に沿って固定されないため、歯は、トリガーレバー1404の回転方向に応じて前方又は後方にスライドする。これは、把持咬合器1412の遠位端が把持歯の平坦な側面に固定される際に把持部1414の把持歯を開閉する。図25及び図26に関連して後述するように、把持歯の近位端は、並進を伴うことなく回転軸として作用する十字ピンによって針チャンバ1416に固定される。把持咬合器1412のプッシュロッドが延出するにつれて、プッシュロッドが把持歯の中点に力を及ぼし、これにより、固定軸周りの回転が引き起こされる。図18は、長手方向軸1460周りの僅かな回転後のトリガーレバー1404を描き、把持機構の一実施形態については図25〜図26を参照して以下で更に詳しく説明する。
軟組織102が把持部1414によって把持された時点で、トリガーレバー1404を軟組織102から離れるように(例えば、矢印1450により示される方向に)長手方向軸1460に沿って並進させることにより、螺旋形状針1408が回転することができ、一方、把持部1414も軟組織102を矢印1450により示される方向に引き寄せる。これらの実質的に同時の動作の結果、軟組織102が螺旋形状針1408上へ螺旋形状針1408に沿って引き寄せられるため、螺旋形状針1408が回転して軟組織102に入り込む。幾つかの実施形態において、螺旋形状針1408は、螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるための挿入器具1400の使用中にリアハンドル1402に関して並進していなくてもよい。代わりに、把持部1414によって軟組織102がリアハンドル1402へ向けて引き寄せられ、その間、螺旋形状針1408は回転するが並進しない。他の実施形態(図示せず)において、螺旋形状針1408は、矢印1450とは反対の方向に並進して、螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるように回転してもよく、その間、把持部1414はリアハンドル1402に関して並進しなくてもよい。
挿入器具1400は、人の術者にリアハンドル1402及びトリガーレバー1404を把持させて、針チャンバ1416を軟組織102に当て付けて位置させるとともに、把持部1414に軟組織102を把持させるべく螺旋形状針1408の長手方向軸1460の周りでトリガーレバー1404を回転させ、トリガーレバー1404を(リコイルスプリングチャンバ1428内のリコイルスプリングによって与えられるバネ力に抗して)リアハンドル1402の方へ握り込ませることで把持部1414に螺旋形状針1408上にわたって軟組織102を引き寄せさせると同時に螺旋形状針1408を回転させて軟組織102中に入り込ませる(それにより、螺旋形状針1408に結合される縫合糸材料を軟組織102を通じて移動させて、螺旋縫合糸400を形成する)にことによって螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるべく使用されてもよい。挿入が完了すると、螺旋形状針1408の遠位端に近接する縫合糸材料の端部は、(例えば、関節鏡的縫合糸把持器を用いて端部を把持することによって、又は、図20及び図21に関連して後述するように)軟組織102の内部又は外部に固定されてもよく、また、挿入器具1400は、前述した動作を逆に行うことによって除去されてもよい。また、軟組織102からの挿入器具1400の除去は、螺旋縫合糸400を「ピンと張った状態で」引張り、それにより、螺旋縫合糸400の各巻回部に均一で正確な大きさの張力を与えてもよい。幾つかの例において、縫合糸は、螺旋縫合糸が組織中で締め付けられるように、負荷、例えば約5N〜約20Nの負荷を軟組織から延びる縫合糸材料に加えることによって人の術者によりピンと張った状態で引張られる。張力が過度に加えられないように、張力計、例えば適切な張力の視覚的又は聴覚的な指標を与える張力計を使用して、張力を測定することができる。そのような張力計は、本明細書中に開示される装置のいずれかに結合され得る。
図32〜図36は、様々な実施形態に係る、螺旋縫合糸400を軟組織102中に設けるための他の挿入器具3200の様々な図である。特に、図32及び図33は、挿入器具3200の斜視図である。図35及び36は、挿入器具3200のスライド要素の一部の斜視図である。図36は、挿入器具1400の側面断面図である。
挿入器具3200は、挿入器具900(図9〜図13)又は挿入器具2700(図27〜図31)に関連して前述した実施形態のうちの任意の適切な実施形態の形態をとってもよい針アセンブリ3230を含んでもよい。特に、針アセンブリ3230は、本体3206(本体924又は2724の実施形態のうちの任意の適した実施形態の形態をとってもよい)及び螺旋形状針3208(螺旋形状針902又は2702の実施形態のうちの任意の適した実施形態の形態をとってもよい)を含んでもよい。針アセンブリ3230は、(例えば、図32に示すように)一部が針チャンバ3216内に配置されて一部がスライド構成要素3210内に配置されてもよい。特に、螺旋形状針3208は、挿入器具900の螺旋形状針902の長手方向軸920(図9)又は挿入器具2700の螺旋形状針2702の長手方向軸2720(図27)に関連して前述したと同様に規定される長手方向軸3260を有してもよい。
挿入器具3200のスライド構成要素3210は、矢印3250により示される方向でのスライド構成要素3210の直線的な並進時に針アセンブリ3230を回転させるように構成されてもよい。特に、スライド構成要素3210は、螺旋ベアリングと、針アセンブリ3230の本体3206の一部と、スライド構成要素3210が矢印3250により示される方向に並進して針アセンブリ3230の回転を引き起こす際に螺旋ベアリング3220と関節結合する螺旋溝付き側壁とを収容してもよい。スライド構成要素3210は、トリガーレバー3204がリアハンドル3202へ向けて(例えば、矢印3250により示される方向に)及び軟組織102(図示しないが、螺旋形状針3208に近接して位置される)から離れるように移動するにつれてスライド構成要素3210も矢印3250により示される方向に並進することにより針アセンブリ3230が回転するようにトリガーレバー3204に結合されてもよく、反対方向の移動は、針アセンブリを他方向に回転させて、反対の回転方向を有する螺旋形状針のために使用され得る。スライド構成要素3210の並進時の針アセンブリ3230の回転方向は、挿入器具3200が軟組織102に適切に適用されるときに螺旋形状針3208が軟組織102内へ押し込まれるようになっている。トリガーレバー3204は、リコイルスプリングチャンバ3228内のリコイルスプリングによってリアハンドル3202へ向かう移動から離れるように付勢されてもよい。リコイルスプリングは、約590ニュートン/メートル(例えば±20ニュートン/メートル)などの任意の適したバネ定数を有してもよい。
挿入器具3200は把持部3214を含んでもよい。把持部3214は把持咬合器3212に結合されてもよく、把持咬合器3212は、チャネル3280を介してトリガーレバー3204に結合されてもよい。トリガーレバー3204、把持咬合器3212、及び、把持部3214は、トリガーレバー3204が螺旋形状針902の長手方向軸3260から垂直に延びるように、及び、トリガーレバー3204を長手方向軸3260の周りで回転させることによって把持部3214が針チャンバ3216に当て付いて配置される軟組織102を閉じ込めて把持するように配置されてもよい。特に、トリガーレバー3204の回転は、チャネル3280による同心運動を強制し、それにより、把持部3214のプッシュロッドが把持部3214の歯を開閉する。トリガーレバー3204の内側に固定位置を伴う「歯」は、チャネル3280に対する雄型部品として作用する。トリガーレバー3204、したがって歯は、長手方向軸3260に対して固定されるが、把持咬合器3212は固定されない(例えば、ある量の遊び、例えば約10ミリメートルの遊びを有する)ため、トリガーレバー3204が長手方向軸3260に対して垂直に回転されるにつれて、歯がチャネル3280の壁に力を及ぼす。歯が長手方向軸3260に沿って固定されないため、歯は、トリガーレバー3204の回転方向に応じて前方又は後方にスライドする。これは、把持咬合器3212の遠位端が把持歯の平坦な側面に固定される際に把持部3214の把持歯を開閉する。図25及び図26に関連して後述するように、把持歯の近位端は、並進を伴うことなく回転軸として作用する十字ピンによって針チャンバ3216に固定される。把持咬合器3212のプッシュロッドが延出するにつれて、プッシュロッドが把持歯の中点に力を及ぼし、これにより、固定軸周りの回転が引き起こされる。図18は、長手方向軸3260周りの僅かな回転後のトリガーレバー3204を描く
軟組織102が把持部3214によって把持された時点で、トリガーレバー3204を軟組織102から離れるように(例えば、矢印3250により示される方向に)長手方向軸3260に沿って並進させることにより、螺旋形状針3208が回転することができ、一方、把持部3214も軟組織102を矢印3250により示される方向に引き寄せる。これらの実質的に同時の動作の結果、軟組織102が螺旋形状針3208上へ螺旋形状針3208に沿って引き寄せられるため、螺旋形状針3208が回転して軟組織102に入り込む。幾つかの実施形態において、螺旋形状針3208は、螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるための挿入器具3200の使用中にリアハンドル3202に関して並進していなくてもよい。代わりに、把持部3214によって軟組織102がリアハンドル3202へ向けて引き寄せられ、その間、螺旋形状針3208は回転するが並進しない。他の実施形態(図33及び図34参照)において、螺旋形状針3208は、矢印3250とは反対の方向に並進して、螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるように回転してもよく、その間、把持部3214はリアハンドル3202に関して並進しなくてもよい。
挿入器具3200は、人の術者にリアハンドル3202及びトリガーレバー3204を把持させて、針チャンバ3216を軟組織102に当て付けて位置させるとともに、把持部3214に軟組織102を把持させるべく螺旋形状針3208の長手方向軸3260の周りでトリガーレバー3204を回転させ、トリガーレバー3204を(リコイルスプリングチャンバ3228内のリコイルスプリングによって与えられるバネ力に抗して)リアハンドル3202の方へ握り込ませることで把持部3214に螺旋形状針3208上にわたって軟組織102を引き寄せさせると同時に螺旋形状針3208を回転させて軟組織102中に入り込ませる(それにより、螺旋形状針3208に結合される縫合糸材料を軟組織102を通じて移動させて、螺旋縫合糸400を形成する)にことによって螺旋縫合糸400を軟組織102に設けるべく使用されてもよい。また、軟組織102からの挿入器具3200の除去は、螺旋縫合糸400を「ピンと張った状態で」引張り、それにより、螺旋縫合糸400の各巻回部に均一で正確な大きさの張力を与えてもよい。
本明細書中に開示される挿入器具(例えば、挿入器具900又は2700或いは挿入器具1400又は3200)を使用することにより、速さ及び正確度を伴って螺旋縫合糸400を軟組織102に設けることができる。例えば、挿入器具1400又は2700を使用することにより、術者は、1回の移動で螺旋縫合糸400の複数の巻回部を形成することができる。
幾つかの実施形態において、挿入器具1400又は挿入器具3200は、巻回部が完成した時期を示す螺旋縫合糸400が形成される際に聴き取れる「クリック」音又は他の音を形成してもよい。「可聴クリック」の目的は、視覚的に低下した状況(例えば、外科医が針の展開状態を見ることができない場合)においてコイルの位置に関する触覚的及び聴覚的なフィードバックを与えることである。各クリックは、本質的に、縫合糸ループの1つの完全な巻回を示し、したがって、(例えば、巻回角に基づく)所定量の縫合深さを示す。可聴クリックをもたらす機械的特徴は、リコイルスプリングチャンバ1428内又はリコイルスプリングチャンバ3228内の長手方向軸1460又は長手方向軸3260に沿う一連の切り欠きを含んでもよく、トリガーレバー1404の対向する切り欠き上にわたって、トリガーレバー3204は、それが長手方向軸1460又は長手方向軸3260に沿って係合されるように「移動する」。
使用中、針アセンブリ1430又は3230は、滅菌包装されて縫合糸材料が予め装填されてもよい。包装は、手術中に装填されて、挿入器具1400の針チャンバ1416内又は挿入器具3200の針チャンバ3216内に装填されてもよい。挿入器具1400又は3200を用いて螺旋縫合糸400を形成した後、針アセンブリ1430又は3230が廃棄されてもよく、また、挿入器具1400又は3200の残りの部分に別の針アセンブリ1430又は3230を再装填して、別の螺旋縫合糸400を形成してもよく、或いは、挿入器具1400又は3200の残りの部分を別の処置のために洗浄(例えば、オートクレーブ処理)してもよい。このようにして、挿入器具1400又は3200の残りの部分は、再使用可能であり、恒久的な器具として保持されてもよい。幾つかの例では、針アセンブリ1430又は3230を同じ外科処置内で複数回使用することができる。幾つかの例では、挿入器具900及び/又は2700が縫合糸を1回通す装置であってもよい。幾つかの例では、挿入器具900及び/又は2700が縫合糸を複数回通すようになっている。手術ごとに1本の針が使用されるが、外科処置中に必要に応じて何回でも針を使用できる。
図6〜図8に示される螺旋縫合糸400の実施形態は、螺旋縫合糸400の両端に縫合糸材料の2つの「自由」端を有するように描かれる。これらの自由端は、螺旋縫合糸400が力を受ける際に螺旋縫合糸400がほどけないように結び目がつけられ或いはその他の方法で固定されてもよい。螺旋縫合糸400の他の実施形態において、螺旋縫合糸400は、螺旋縫合糸400の一端を軟組織102の外側で「ロック」して螺旋縫合糸400の端部が軟組織102内へ後退しないようにする役目を果たすトグルを一端に有してもよい。
図20は、様々な実施形態に係るトグル2004を有する縫合糸材料2000を示す。トグル2004は、縫合糸本体2002の一端に取り外し不能に取り付けられてもよい。縫合糸本体2002は、前述したように、任意の適した縫合糸材料から形成されてもよい。また、トグル2004は、螺旋縫合糸400が通常の生理学的力を受けるときに変形又は破損を起こさない任意の適した材料から形成されてもよい。様々な実施形態で使用され得る材料の例としては、プラスチック、及び、金属、例えば医療グレードのタングステン又はアルミニウム、タンタル合金、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、並びに、反応ポリマー及びバイオプラスチックなどの生分解性及び非生分解性の合成物が挙げられる。幾つかの実施形態において、トグル2004は、縫合糸本体2002の端部に取り外し不能に取り付けられるタングステンアークチップであってもよい。
トグル2004は、挿入器具(例えば、挿入器具900又は挿入器具1400)に装填されると、螺旋形状針(例えば、螺旋形状針902又は螺旋形状針1408)の先端としての機能を果たしてもよい。特に、縫合糸本体2002は、螺旋形状針の凹部(例えば凹部904)内へ装填され、また、トグル2004は、螺旋形状針の遠位端(例えば端部914)に位置してもよい。幾つかの実施形態において、トグル2004は、螺旋形状針の端部の外形寸法とほぼ同じ外形寸法(例えば、螺旋形状針902の端部914の同じ外径918)をもつベースを有するように寸法付けられてもよい。
縫合糸本体2002は、トグル2004が縫合糸本体2002に対して回転できるようにする態様でトグル2004に結合されてもよい。図20の例図(A)は、「針先」方向(例えば、縫合糸材料2000が挿入器具内に装填されるときの縫合糸材料2000の向き)でトグル2004を描き、一方、図20の例図(B)は、回転された「ロック」方向(例えば、縫合糸材料2000が螺旋縫合糸400を形成するために使用された縫合糸材料2000の向きであって、トグル2004が軟組織102の外面に位置されるときの縫合糸材料2000の向き)でトグル2004を描く。図21は、縫合糸材料2000から形成される螺旋縫合糸400(軟組織102内)の断面図であり、この場合、トグル2004は、トグル2004に結合される縫合糸本体2002の端部が軟組織102中へ引き戻されないように縫合糸本体2002に対しての「ロック」方向に位置される。
図22は、様々な実施形態に係る、軟組織を取り付け面に固定するための例示的な方法2200のフロー図である。方法2200の動作は、螺旋縫合糸400に関連して後述されるが、方法2200は、任意の所望の螺旋縫合糸を使用して軟組織を取り付け面に固定するべく行われてもよい。
2202では、螺旋縫合糸が軟組織に設けられてもよい。軟組織が長手方向軸を有してもよく、該長手方向軸に沿って軟組織が通常の生理学的条件下で張力を受け、また、軟組織中の螺旋縫合糸の長手方向軸は、軟組織の長手方向軸と平行に向けられてもよい。例えば、図6〜図8に示されるように、螺旋縫合糸400が軟組織102に設けられてもよい。軟組織102は長手方向軸104を有してもよく、該長手方向軸104に沿って軟組織102が通常の生理学的条件下で張力を受ける。軟組織102中の螺旋縫合糸400の長手方向軸410は、軟組織102の長手方向軸104と平行に向けられてもよい。軟組織は例えば腱であってもよい。幾つかの実施形態では、螺旋縫合糸が縫合糸材料の少なくとも2つの巻回部を含んでもよい。幾つかの実施形態では、螺旋縫合糸が20度〜60度(例えば45度)の巻回角を有してもよい。
2204では、螺旋縫合糸が取り付け面に固定されてもよい。取り付け表面は、例えば、骨、他の軟組織、又は、本明細書中で論じられるその他の例示的取り付け面であってもよい。例えば、図6〜図8に示されるように、螺旋縫合糸400が骨180のアンカー106に固定されてもよい。
様々な実施形態では、他の動作が方法2200に含まれてもよい。例えば、方法2200は、第2の螺旋縫合糸を軟組織中に設けるステップを更に含んでもよく、この場合、第2の螺旋縫合糸の長手方向軸は、第1の螺旋縫合糸の長手方向軸と平行に向けられる。また、方法2200は、第2の螺旋縫合糸を取り付け面に固定するステップを含んでもよい。そのような実施形態が例えば図6〜図8に示される。
動作2202は、多くの方法のいずれかで行われてもよい。幾つかの実施形態において、軟組織中に螺旋縫合糸を設けるステップは、螺旋形状針を軟組織中に挿入するステップであって、縫合糸材料が針に固定されるステップと、螺旋形状針を回転させて螺旋縫合糸を軟組織に設けるステップとを含んでもよい。例えば、螺旋形状針902又は1408は、軟組織102中へ配備されて、螺旋形状針に固定される縫合糸材料(例えば縫合糸材料2000)から螺旋縫合糸400を形成するように回転されてもよい。幾つかの実施形態において、螺旋形状針は、(例えば、挿入器具900に関連して前述されたように)軟組織内で手動回転されてもよく、又は、(例えば、挿入器具1400に関連して前述されたように)機械的な器具によって回転されてもよい。
本明細書中に開示される挿入器具(例えば、挿入器具900及び挿入器具1400)は、使い捨て可能又は再使用可能であってもよく、及び/又は、使い捨て可能又は再使用可能な構成要素を有してもよい。例えば、挿入器具1400の針アセンブリ1430が使い捨て可能であってもよく、一方、挿入器具1400の残りの部分が再使用可能であってもよい。
前述したように、本明細書中に開示される螺旋縫合糸400並びに関連する装置及び技術は、軟組織を任意の適した取り付け面に固定するために有利に適用されてもよい。例えば、図23〜図24は、様々な実施形態に係る螺旋縫合糸400を使用する軟組織対軟組織修復の図である。特に、図23は、裂傷又は他の損傷によって分離された軟組織102の2つの部分を示し、この場合、それぞれの部分上には螺旋縫合装置2300が配置される。螺旋縫合装置2300は、(例えば、図6〜図8に関連して前述したように)螺旋縫合糸400の長手方向軸が軟組織102の長手方向軸と平行となるように(例えば、本明細書中に開示される装置又は技術のいずれかを用いて)軟組織102の一部に設けられる1つ以上の螺旋縫合糸400を含んでもよい。螺旋縫合装置2300における螺旋縫合糸400のパターンは、各螺旋縫合糸400が軟組織102の他の部分に対応する螺旋縫合糸400を有するように軟組織102の各部分に反映されてもよい。縫合糸材料の自由端2302が螺旋縫合糸400から延びてもよい。
図24は、軟組織102の2つの部分を結合して軟組織102のこれらの部分の対応する螺旋縫合糸400の自由端2302を結び目の状態へと結ぶ(或いはその他の方法で対応する螺旋状の縫合糸400の自由端2302を互いに固定する)ことによって軟組織102の修復を達成するための螺旋縫合装置2400を描く。したがって、螺旋縫合装置800は、螺旋縫合糸400を用いた軟組織対軟組織修復の一例であり、また、本明細書中に開示されるシステム及び方法は、任意の同様の又は他の適切な設定で使用されてもよい。
図25〜図26は、様々な実施形態に係る、図14〜図19の挿入器具1400及び図32〜図36の挿入器具3200の把持機構の動作の断側面図である。特に、図25は、開放形態2500の把持部1414の把持歯2508を描き、また、図26は、閉鎖形態又は把持形態2600の把持歯2508を描く。把持部1414は、プッシュロッド2502であって、矢印2504により示される方向に並進されるときに把持歯2508を十字ピン軸2506の周りで回転させて「開放させる」針チャンバ1416内のプッシュロッド2502を含む。プッシュロッド2502が矢印2604により示される方向に並進すると、把持歯2508は、十字ピン軸2506を中心に反対方向に回転し、把持歯が互いに「閉じて」把持歯間で軟組織を把持する。
前述したように、軟組織が引張力によって変形し、その結果として螺旋縫合糸400が「伸びる」と、螺旋縫合糸400は、張力を法線方向(その組織を圧縮するために螺旋縫合糸400の「内側の」組織へと向かう方向)及び接線方向(螺旋縫合糸400に接する方向)の両方向に方向付ける。この力の分配は、軟組織が張力を受けるときに軟組織上の螺旋縫合糸400の「把持」を改善でき、それにより、修復不全の可能性が減る。これにより、力の望ましい再分配が達成され、また、張力下で力のこの再分配を達成する任意の編組縫合糸形状又は他の縫合糸形状がこの開示の範囲内に入り得る。
図37A〜図39は、902又は2702などの2つの螺旋形状針を使用して軟組織102中に配置される螺旋縫合糸400の様々な図であり、この場合、2つの螺旋形状針の螺旋の回転方向は反対である。図37A及び図37Bは、縫合糸材料425によって架橋された2つの平行な縫合糸420,430を示す。図37A及び図37Bは、縫合糸材料425によって架橋された2つの平行な重なり合う縫合糸420,430を示す。図39は、軟組織102の上及び下を通過する縫合糸400を示す。2つの縫合糸ストランド420,430は単一の縫合糸フィラメント上に構成される。回転方向を有する一方の螺旋形状針は、第1のストランド、ストランド420を軟組織102中に固定するために使用され、その後、第2の螺旋形状針は、残りの縫合糸材料を拾い上げてそれを軟組織を通じてストランド430に案内して戻すために使用される。この形態は、軟組織の修復を必要とする腱の側縁を除いて縫合糸の緩んだ端部を残さない。

Claims (32)

  1. 被検者の軟組織を取り付け面に固定するための方法であって、
    長手方向軸を有する螺旋縫合糸を前記被検者の前記軟組織内に挿入するステップであって、前記軟組織が長手方向を有し、前記軟組織中の前記螺旋縫合糸の前記長手方向軸が前記軟組織の前記長手方向軸と平行に向けられるステップと、
    前記螺旋縫合糸を前記取り付け面に固定するステップと、
    を備える方法。
  2. 前記軟組織は、通常の生理学的条件下で、前記軟組織の前記長手方向軸に沿って張力を受ける請求項1に記載の方法。
  3. 前記軟組織が腱を備える請求項1に記載の方法。
  4. 前記取り付け面が骨を備える請求項1に記載の方法。
  5. 前記取り付け面が上腕骨を備える請求項4に記載の方法。
  6. 前記螺旋縫合糸が縫合糸材料の少なくとも2つの巻回部を備える請求項1に記載の方法。
  7. 前記螺旋縫合糸を前記取り付け面に固定する前記ステップは、前記取り付け面に固定されるアンカーに対して前記螺旋縫合糸を固定するステップを備える請求項1に記載の方法。
  8. 前記取り付け面は、軟組織、同種移植片材料、異種移植片材料、又は、合成材料を備える請求項1に記載の方法。
  9. 前記螺旋縫合糸が20度〜70度の巻回角を備える請求項1に記載の方法。
  10. 前記螺旋縫合糸が約45度の巻回角を備える請求項1に記載の方法。
  11. 前記螺旋縫合糸が第1の螺旋縫合糸であり、前記方法は、
    第2の螺旋縫合糸を前記軟組織内に挿入するステップであって、前記第2の螺旋縫合糸の長手方向軸が前記第1の螺旋縫合糸の前記長手方向軸と略平行に向けられるステップと、
    前記第2の螺旋縫合糸を前記取り付け面に固定するステップと、
    を更に備える請求項1に記載の方法。
  12. 前記第1の螺旋縫合糸及び前記第2の螺旋縫合糸が反対の回転方向を有する請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の螺旋縫合糸及び前記第2の螺旋縫合糸が同じ回転方向を有する請求項11に記載の方法。
  14. 前記第1の螺旋縫合糸と前記第2の螺旋縫合糸とが重なり合う請求項11に記載の方法。
  15. 前記螺旋縫合糸を前記軟組織内に挿入する前記ステップは、
    先端を有する螺旋形状針を前記軟組織内に挿入するステップと、
    前記螺旋形状針を回転させて前記軟組織内に螺旋チャネルをもたらすステップと、
    前記螺旋形状針の前記先端に縫合糸材料を固定するステップと、
    前記螺旋形状針の回転方向を逆にして、それにより、前記螺旋縫合糸を前記軟組織内に挿入するステップと、
    を備える請求項1に記載の方法。
  16. 前記螺旋形状針を回転させる前記ステップは、
    人の術者の手により、前記螺旋形状針を備える挿入器具を把持するステップと、
    前記挿入器具を手で回転させるステップと、
    を備える請求項16に記載の方法。
  17. 前記螺旋形状針を回転させる前記ステップは、
    前記螺旋形状針を備える挿入器具のスライド構成要素を直線的に並進させるステップであって、前記スライド構成要素の直線的な並進が前記螺旋形状針の回転を引き起こすステップを備える請求項16に記載の方法。
  18. 前記スライド構成要素を直線的に並進させる前記ステップは、前記螺旋形状針の前記長手方向軸に沿ってトリガーレバーを直線的に並進させるステップを備える請求項16に記載の方法。
  19. 螺旋形状針を備える挿入器具の把持部を用いて前記軟組織を把持するステップと、
    前記螺旋形状針が回転する間に、前記把持部を用いて、前記軟組織を前記螺旋形状針へ向けて前記螺旋形状針上にわたって引き寄せるステップと、
    を更に備える請求項15に記載の方法。
  20. 前記挿入器具は、前記螺旋形状針の長手方向軸から垂直に延びるトリガーレバーを備え、前記螺旋形状針の前記長手方向軸の周りで前記トリガーレバーを回転させることによって前記把持部が前記軟組織を把持し、前記螺旋形状針の前記長手方向軸及び前記螺旋形状針の前記長手方向軸に沿って前記トリガーレバーを並進させることによって前記螺旋形状針が回転する請求項19に記載の方法。
  21. 前記螺旋形状針がリアハンドルを有する挿入器具に含まれ、前記螺旋縫合糸を前記軟組織中に設けるために前記螺旋形状針が回転されるときに前記螺旋形状針が前記リアハンドルに関して並進しない請求項15に記載の方法。
  22. 前記螺旋縫合糸を前記軟組織内に挿入する前記ステップは、
    螺旋形状針を該螺旋形状針に縫合糸材料を固定させて前記軟組織内に挿入するステップと、
    前記螺旋形状針を回転させ、それにより、前記螺旋縫合糸を前記軟組織内に挿入するステップと、
    を備える請求項1に記載の方法。
  23. 螺旋形状針と本体とを有する針アセンブリと、
    前記螺旋形状針の前記本体が少なくとも部分的に内部に配置されるスライド構成要素と、
    前記スライド構成要素に結合されるトリガーレバーと、
    リアハンドルであって、前記トリガーレバーを前記リアハンドルへ向けて直線的に並進させることにより前記螺旋形状針が回転する、リアハンドルと、
    を備える挿入器具。
  24. 前記螺旋形状針が少なくとも2つの巻回部を備える請求項23に記載の挿入器具。
  25. 前記螺旋形状針は、先端と、前記螺旋形状針の前記先端に縫合糸材料を固定するためのフックとを備える請求項23に記載の挿入器具。
  26. 前記螺旋形状針は、前記螺旋形状針の長さに沿って位置される凹部を備える請求項23に記載の挿入器具。
  27. 前記凹部内に配置される縫合糸を更に備える請求項26に記載の挿入器具。
  28. 前記螺旋形状針が20度〜60度の間の巻回角を有する請求項23に記載の挿入器具。
  29. 前記螺旋形状針が約45度の巻回角を有する請求項28に記載の挿入器具。
  30. 前記トリガーレバーに結合される把持部を更に備え、前記トリガーレバーを前記螺旋形状針の長手方向軸の周りで回転させることにより前記把持部が閉じる請求項23に記載の挿入器具。
  31. 前記トリガーレバーを前記リアハンドルへ向けて直線的に並進させることにより、前記把持部が前記リアハンドルへ向けて直線的に並進する請求項30に記載の挿入器具。
  32. 前記螺旋形状針が回転されるときに前記螺旋形状針が前記リアハンドルに関して並進しない請求項30に記載の挿入器具。
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