JP2018515486A - ニコチンアミドリボシドを用いた皮膚外観の改善方法及びそのための組成物 - Google Patents
ニコチンアミドリボシドを用いた皮膚外観の改善方法及びそのための組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018515486A JP2018515486A JP2017557205A JP2017557205A JP2018515486A JP 2018515486 A JP2018515486 A JP 2018515486A JP 2017557205 A JP2017557205 A JP 2017557205A JP 2017557205 A JP2017557205 A JP 2017557205A JP 2018515486 A JP2018515486 A JP 2018515486A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- skin
- nicotinamide riboside
- hmgb1
- cosmetic composition
- cosmetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/60—Sugars; Derivatives thereof
- A61K8/602—Glycosides, e.g. rutin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
- A61Q19/02—Preparations for care of the skin for chemically bleaching or whitening the skin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0216—Solid or semisolid forms
- A61K8/022—Powders; Compacted Powders
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0241—Containing particulates characterized by their shape and/or structure
- A61K8/025—Explicitly spheroidal or spherical shape
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/04—Dispersions; Emulsions
- A61K8/06—Emulsions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/49—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing heterocyclic compounds
- A61K8/4906—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing heterocyclic compounds with one nitrogen as the only hetero atom
- A61K8/4926—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing heterocyclic compounds with one nitrogen as the only hetero atom having six membered rings
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/67—Vitamins
- A61K8/673—Vitamin B group
- A61K8/675—Vitamin B3 or vitamin B3 active, e.g. nicotinamide, nicotinic acid, nicotinyl aldehyde
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K2800/00—Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
- A61K2800/40—Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of particular ingredients
- A61K2800/59—Mixtures
- A61K2800/592—Mixtures of compounds complementing their respective functions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K2800/00—Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
- A61K2800/74—Biological properties of particular ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q17/00—Barrier preparations; Preparations brought into direct contact with the skin for affording protection against external influences, e.g. sunlight, X-rays or other harmful rays, corrosive materials, bacteria or insect stings
- A61Q17/04—Topical preparations for affording protection against sunlight or other radiation; Topical sun tanning preparations
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Birds (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Abstract
ケラチノサイトから放出される高移動群タンパク質B1のレベルを低減するための化粧方法。この方法は、HMGB1レベルの低下が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、処置期間中にこの皮膚の標的部分に、ニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物を局所的に塗布することと、を含み、この処置期間は、ケラチノサイトから放出されるHMGB1レベルを低下させるのに十分な期間である。HMGB1タンパク質レベルを低下させることにより、メラノサイトの樹状突起形成度が低減され得、これによって、ケラチノサイトに取り込まれるメラニンが少なくなる。メラニン移動の低減により、色素沈着シミなどの皮膚色素異常を治療する方法が提供され得る。
Description
本開示は全般に、皮膚美白のための方法及び組成物に関する。より具体的には、本開示は、皮膚美白効果を提供するための方法及びニコチンアミドリボシドを含むそのための組成物を目的とする。
皮膚色素の不規則さ(例えば皮膚色調の均質さ)、及び/又は色素沈着シミの外観は、民族及び人種グループを越えて共通であり、一般的に美容上の欠点として受け取られている。皮膚色素異常と、皮膚色調の幅広い美容上概念は、複数かつ重なり合う原因を伴う、非常に複雑な症状である。皮膚色素の産生と分布の異常は、紫外線曝露の強度と時間、生活習慣、経年的老化、内分泌機能、及び疾病状態の相関関係として起こり、より高年齢の集団に広く見られる。これらの症状は、個人の素因との相関関係として現れ得るものであるため、処置には大きな課題が立ちはだかる。そのため、これらの消費者の懸念に対処するための化粧組成物及び方法は、引き続き高い関心を集める分野である。
正常なヒト皮膚の色は主に、メラニン、ヘモグロビン、及びカロチノイドの量と分布の変化によるものである。これらの色素のうち、メラニン、及び特にユーメラニンが、美容的皮膚処置プロトコルに主要な意味を有する。ユーメラニンは皮膚に対して茶色又は黒色の色調を付与する原因となり、フェオメラニンは赤色〜ピンク色の色相を付与する。メラニンは、メラノサイトと呼ばれる皮膚中の特殊細胞によって、一連の複雑な化学反応及び酵素反応(主に銅含有酵素のチロシナーゼが関与する)を介して、産生される。メラニンの顆粒は、いったん合成されると、メラノソーム内に収容され、細胞の樹状突起に沿って、周囲のケラチノサイト(表皮中で最も豊富に存在する細胞種)へと移動する。表皮中には、メラノサイト1つ当たり約36個のケラチノサイトがあるため、メラノサイトは、これらの樹状構造に依存して、隣接するケラチノサイトに「到達して」メラノソームを移動させる。ケラチノサイトを運ぶメラノソームはその後、上方へと皮膚表面へ向かって移動し、これにより皮膚の色を暗くする。
ユーメラニン産生の生化学的経路は、比較的十分に解明されている。まとめると、酵素チロシナーゼの存在下でアミノ酸チロシンが関与する一連の酸化反応によって、ユーメラニンが形成される。チロシナーゼはチロシンをジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)に変換し、更にドーパキノンへと変換する。次に、自己酸化によりドーパキノンがドーパクロムへと変換され、最終的にジヒドロキシインドール又はジヒドロキシインドール−2−カルボン酸(DHICA)へと変換され、これが重合してユーメラニンを形成する。しかしながら、細胞シグナル伝達、メラノサイト内でのメラノソームの輸送、ケラチノサイトへのメラノソームの移動に関与する多くの調節要素が存在する。経路によっては比較的十分に解明されているものもあるが、そうではないものもある。これらの経路のうち1つ又は2つ以上に影響を与える化粧剤は、皮膚の美白に有用となる可能性があり、具体的には、色素沈着した皮膚及び/又はその他の皮膚色素異常の外観を改善するのに有用となる可能性がある。
ビタミンB3化合物(例えばナイアシン及びその誘導体)は、皮膚美白剤としての用途が知られている。米国特許第4,096,240号(「Mathur」)は、ナイアシンの皮膚美白効果に言及している。この材料は、表皮へのメラニン分散又は分配を遅らせることにより作用すると仮定されている。ナイアシンでは望ましくない皮膚紅潮が起こるため、Mathurはナイアシンアミドの使用を開示している。ナイアシンアミドは、場合により代わりにニコチンアミドとも呼ばれる。ナイアシンアミド系の組成物は効果的であり得るが、より改善された皮膚美白効果をもたらす化粧組成物の配合に使用可能な、その他の好適なスキンケア活性物質を特定するニーズが依然として存在する。
米国特許第8,106,184号(「Sauve」)は、細胞及び組織中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(「NAD+」)の細胞内濃度を増加させるための、ニコチノイルリボシド及びニコチンアミドリボシドを使用する組成物及び方法を目的としている。Sauveは、細胞内NAD+濃度を増加させるニコチノイルリボシド又は誘導体化合物で、皮膚又は表皮細胞を処置することにより、皮膚を加齢(例えば、しわの形成、弾力の喪失など)に対して保護することができることを開示している。Sauveはまた、その方法により処置可能な例示的な皮膚トラブル又は皮膚状態には、炎症、日光による損傷、又は自然な加齢に関連するか又はこれらによって起こる疾患や疾病が含まれることを開示している。しかしながら、SauveはNAD+代謝経路に対するニコチノイルリボシドの影響のみについて記述しており、その他の生物学的経路については除外している。皮膚の色素沈着に関するすべての生物学的経路が十分に解明されているわけではなく、Sauveは、NAD+経路の調節がどのようにして色素沈着した皮膚の外観を改善し得るのかについては開示していない。よって、これらの異常を処置する改善された方法を提供するために、皮膚色素沈着に関連する他の生物学的経路を解明するニーズが依然として存在する。
米国特許出願公開第2005/0267023号(「Sinclair」)は、細胞内のNAD+再利用経路を通るフラックスを調節する工程を含む、細胞の寿命又はその対ストレス耐性を調節するための方法及び組成物を目的とし、これは、NPT1、PNC1、NMA1及びNMA2からなる群から選択されるタンパク質のレベル又は活性を増加させることを含み得る。Sinclairは、ニコチンアミドの量及び/又は活性が低減される一実施形態を開示している。Sinclairは更に、細胞にニコチンアミドリボシド又はその生物学的に活性な類似体及び/若しくはプロドラッグを接触させることによって、細胞中のNAD+再利用経路が刺激される、一実施形態を開示している。細胞の寿命又はその対ストレス耐性を増加させることは、全体的な細胞及び/又は組織健康状態にとって重要であるが、依然として、皮膚色素異常の処置を必要とする人のために、皮膚色素異常を処置する効果的な方法を特定するニーズが存在する。
PCT特許公開第WO 2014/163896号(「Shah」)は、3,3’チオジプロピオン酸(「TDPA」)とニコチンアミド(別名ナイアシンアミド)とを組み合わせて含む化粧組成物を目的とし、これは、付加的又は相乗的な皮膚美白効果を提供するとされている。Shahによれば、TDPAはチロシナーゼ活性を阻害し、よってメラニン形成を阻害する一方、ニコチンアミドはメラノソームがメラノサイトからケラチノサイトへと取り込まれるのを阻害する。しかしながら、皮膚の色素沈着に直接的に影響する具体的な生物学的経路を特定し、更に、これらの経路を介して皮膚美白効果を提供する化粧剤を特定するニーズが、依然として存在する。
PCT特許公開第WO 2015/066382号(「Deren−Lewis」)は、細胞及び組織生存を改善するために、ニコチンアミドリボシドを使用して細胞及び組織中のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の細胞内の量の増加を促進する方法に関する。Deren−Lewisは、NAD+経路を調節することによって様々な皮膚状態を処置するための、ニコチンアミドリボシド局所適用組成物の使用を開示している。しかしながら、皮膚の色素沈着に影響を与える生物学的経路を解明し、更に、これらの経路を介して皮膚美白効果を提供する化粧剤を特定するニーズが、依然として存在する。
したがって、HMGB1レベル及び/又は活性を阻害する方法及び組成物を提供することが望ましい。更に、HMGB1レベル及び/又は活性を阻害するニコチンアミドリボシドの有効量を含む組成物、及びそのような組成物を使用して皮膚美白効果をもたらす方法を提供することが望ましい。
ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるための化粧方法が提供される。一態様において、この方法は、HMGB1レベルの低下が望まれる及び/又は必要な、皮膚の標的部分を特定することと、その皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、を含み、この化粧組成物は、有効量のニコチンアミドリボシドを含み、この処置期間は、ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるのに十分な期間である。別の一態様において、この方法は、処置期間中に皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することによる皮膚の美白を目的とし、この化粧組成物は、約0.005重量%〜約20重量%のニコチンアミドリボシドが配合され、かつこの処置期間は、標的皮膚部分を美白するのに十分な期間である。更に別の一態様において、この方法は、処置期間中に、少なくとも色素沈着シミ部分に化粧組成物を局所的に塗布することにより、色素沈着シミの外観を改善することを目的とし、この化粧組成物は、約0.005重量%〜約20重量%のニコチンアミドリボシドが配合され、この処置期間は、色素沈着シミの寸法を低減するのに十分な期間である。
ナイアシンアミド及びニコチンアミドリボシド(両方ともNAD+前駆体)は、一般的に加齢に伴う症状のいくつかに関して細胞を処置するために、NAD+経路を調節するのに使用できることが知られている。更にナイアシンアミドは、ケラチノサイトによるメラノサイトからのメラノソームの取り込みを阻害することが知られている。けれども、NAD+経路が、メラノサイトからケラチノサイトへのメラノソームの取り込みに影響を与えるかどうかは明らかでないため、ニコチンアミドリボシドが同様の効果を提供し得るかどうかについては不明であった。驚くべきことに、メラノサイトかケラチノサイトへのメラノソームの取り込みを阻害する能力について、ニコチンアミドリボシドを試験したところ、有意な影響は観察されなかった。このことは、ニコチンアミドリボシドは皮膚色調剤として使用するには好適でない可能性があることを示唆している。しかしながら、更なる研究によりこのたび、急性ストレスモデルにおいて、ニコチンアミドリボシドは、ケラチノサイトから放出されるHMGB1の量を低下させることが見出され、よって、皮膚色調剤として使用するのに好適であり得ることが見出された。
本明細書中での「実施形態(単数又は複数)」等への参照は、その実施形態と関連づけて説明される、特定の材料、特徴、構造及び/又は特性が、少なくとも1つの実施形態、必要に応じていくつかの実施形態に含まれていることを意味するが、全ての実施形態が説明された材料、特徴、構造、及び/又は特性を組み入れることを意味するものではない。更に、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、異なる実施形態にわたって、任意の好適な方法で組み合わせられてもよく、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、説明されるものから除外されてもよいし、代用されてもよい。したがって、本明細書に記載されている実施形態及び態様は、別段明記しない限り又は不適合性が明示されてされない限り、組み合わせて明示的に例示されていなくても、他の実施態様及び/又は態様の要素又は構成成分を含むか又はこれらと組み合わされることが可能である。
特に明記しない限り、全ての成分百分率は、対応する組成物の重量によるものである。特に明記しない限り、全ての比は重量比である。全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。有効桁の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別段の指示がない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。特に指示がない限り、全ての測定は、およそ25℃において周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%における条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲限界は互換可能であり、明示的に区切られていない更なる範囲を作る。
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得ることを意味するが、ただし、追加成分が請求項に係る組成物又は方法の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数形も含むものとする。
用語の定義
組成物に関連して使用される「塗布する」又は「塗布」は、本発明の組成物をヒト皮膚表面上に塗布する又広げることを意味する。
組成物に関連して使用される「塗布する」又は「塗布」は、本発明の組成物をヒト皮膚表面上に塗布する又広げることを意味する。
「化粧」とは、人体の領域に所望の視覚的効果を提供することを意味する。視覚的な化粧効果は、一時的、半永久的、又は永久的なものであり得る。
「化粧剤」とは、化粧効果をもたらすために哺乳動物の体又はその任意の部分に擦り込まれる、注がれる、振りかけられる、噴霧される、導入される、又は別の方法で塗布することが意図されている、任意の物質、同様にその任意の構成成分を意味する。化粧剤は、米国食品医薬品局により「一般に安全と認められる」(GRAS)物質、及び食品添加物を含み得る。本明細書の組成物は所望により、有効量のニコチンアミドリボシドに加え、1つ又は2つ以上の化粧剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、化粧剤は、皮膚への局所塗布に好適な皮膚科学的に許容可能な担体を含む、化粧組成物に組み込まれてよい。
「樹状突起形成度」とは、1つ又は2つ以上のメラノサイトで測定された樹状突起の全長を意味する。樹状突起形成度は、Essen Bioscience(Ann Arbor,MI.)から入手可能なIncucyte ZOOM(登録商標)生細胞イメージングシステムによって測定してもよい。「低減した樹状突起形成度」とは、樹状突起の全長が低減されていることを意味する。メラノサイトの樹状突起形成度を決定する好適な方法は、米国特許出願第14/847,036号(Hakozakiら、2015年9月8日出願)、発明の名称「Compositions and Methods for Inhibiting HMGB1 Activation of Melanocytes」に開示されている。
「樹状突起」とは、メラノサイトの細胞体から隣接するケラチノサイトへとメラノソームを移動させるように働くメラノサイトの樹枝状突起物を意味する。
「配置される」とは、ある要素が別の要素に対して特定の場所に位置付けられることを意味する。
「有効量」とは、処置期間にわたって皮膚美白効果(例えば、色素沈着シミの外観の改善)をもたらすのに十分な、ニコチンアミドリボシドの量を意味する。
「色素沈着」及び「色素沈着したシミ」は、比較的高いメラニン含量を有する皮膚の局所的な部分を意味する。色素沈着した皮膚の例としては、限定するものではないが、加齢によるシミ、メラニン沈着、褐色斑、そばかす、炎症後色素沈着、日光による色素沈着などが挙げられる。
「外観の改善」とは、皮膚色調の外観及び/又は色素沈着シミの外観において、測定可能な望ましい変化又はメリットを提供することを意味し、これは、シミ面積率の減少、及び/又はL*値の増加によって定量化することができる。これらの値を決定するための例示的な方法については、以下でより詳細に説明する。
「L*a*b*」は、国際照明委員会(「CIE」)によって規定された一般に認められている色空間を指す。3つの座標は、(i)色の明るさ(すなわち、L*=0で黒を生じ、L*=100は白の拡散を示す)、(ii)マゼンタと緑との間の色の位置(すなわち、負のa*値は緑を示し、正a*の値はマゼンタを示す)、及び(iii)黄と青との間の色の位置(すなわち、負のb*値は青を示し、正のb*値は黄を示す)、を表している。
「安全かつ有効な量」とは、深刻な副作用(健全な医学的判断の範囲内)を避けるのに十分低い、ニコチンアミドリボシドの有効量を意味する。
「皮膚色調」は、一過性ではなく全体的なメラニン合成に起因する皮膚におけるメラニンの全体的な外観を指す。皮膚色調は一般に、身体の比較的広い範囲にわたり特徴付けられる。(例えば、顔、腕、胸、肩、腹部、又はこれらのうち1つ若しくは2つ以上のうちかなりの部分)。皮膚色調を評価するための例示的な面積は、約100mm2以上である。皮膚色調は、好適な画像分析技法を用いて決定することができる。例えば、全体的な明るさは、L*a*b*色空間内のL*座標を使用することによって決定することができる(International Commission on Illumination)。メラニンマッピング等の発色団マッピング及びメラニン濃度も、全体的な皮膚色調の指標として使用することができる。
「皮膚色調剤」とは、皮膚色調及び/又は皮膚色素沈着における変化を実現する目的のために皮膚に塗布される化粧剤を意味する。
「皮膚美白」とは、皮膚色調の全体的な美白、シミ面積の低減及び/又は色素沈着領域(加齢によるシミ、メラニン沈着、褐色斑、そばかす、炎症後色素沈着、又は日光による色素沈着などが挙げられる)の美白化のうち、1つ又は2つ以上を意味する。皮膚美白の変化は、肉眼による評価付けによって、及び/又は、関心領域におけるL*値の変化を測定することによって(例えば、分光光度計などを用いて)、決定することができる。
本明細書で使用される「処置期間」とは、材料又は組成物が標的皮膚表面に適用される時間の長さ及び/又は頻度を意味する。
美容組成物
様々な化粧組成物、より具体的には、皮膚への局所的塗布用の化粧組成物が提供される。これらの化粧組成物は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを含む。本明細書の化粧組成物は、液剤、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、トナー、スティック、スプレー、エアロゾル、軟膏、クレンジングリキッド洗浄液、及び固形バー、ペースト、フォーム、ムース、シェービングクリーム、拭き取り用品、ストリップ、パッチ、電気駆動パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、顔面及び皮膚マスク(不溶性シートを伴うもの及び伴わないもの)、ファンデーション、アイライナー及びアイシャドウ等のメークアップ等が挙げられるがこれらに制限されない、様々な製品形態で提供され得る。組成物中に担体が存在する場合、化粧組成物の形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に従い得る。本明細書の化粧組成物は、化粧組成物を製造する従来の方法を用いて製造され得る。組成物中に担体が存在する場合、化粧組成物の形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に従い得る。
様々な化粧組成物、より具体的には、皮膚への局所的塗布用の化粧組成物が提供される。これらの化粧組成物は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを含む。本明細書の化粧組成物は、液剤、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、トナー、スティック、スプレー、エアロゾル、軟膏、クレンジングリキッド洗浄液、及び固形バー、ペースト、フォーム、ムース、シェービングクリーム、拭き取り用品、ストリップ、パッチ、電気駆動パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、顔面及び皮膚マスク(不溶性シートを伴うもの及び伴わないもの)、ファンデーション、アイライナー及びアイシャドウ等のメークアップ等が挙げられるがこれらに制限されない、様々な製品形態で提供され得る。組成物中に担体が存在する場合、化粧組成物の形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に従い得る。本明細書の化粧組成物は、化粧組成物を製造する従来の方法を用いて製造され得る。組成物中に担体が存在する場合、化粧組成物の形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に従い得る。
本明細書の化粧組成物は、このような組成物を製造する従来の方法を用いて製造され得る。例えば、有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物は、ニコチンアミドリボシドと、組成物の0.05重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%又は5重量%から、20重量%、15重量%、10重量%、8重量%又は6重量%までの皮膚科学的に許容可能な担体とを混合することによって製造することができる。ニコチンアミドリボシドは水性環境中で、温度及び溶液中にある時間に依存して、加水分解を起こし得ることが知られている。このことは化粧組成物にとっては特に問題となり得る。化粧組成物は、比較的長期間にわたって(例えば1〜3週間、更には1〜6か月間)、様々な温度で、(例えば倉庫内、輸送中、又は店舗陳列棚で)保管され得るからである。化粧組成物の典型的な保管温度は5℃〜45℃の範囲であり得る。よって、使用時点で有効量のニコチンアミドリボシドが水性のスキンケア組成物(すなわち、水を含む組成物)に確実に提供されるようにするために、製造時に組成物に添加されるニコチンアミドリボシドの量は、ニコチンアミドリボシドと水の既知の反応速度論基づいて調整すべきである。ニコチンアミドリボシドと水の反応速度論についての議論は、Ferrazらの論文「Kinetic α−Deuterium Isotope Effects for Enzymatic and Nonenzymatic Hydrolysis of Nicotinamide−β−Riboside」(Archives of Biochemistry and Biophysics Vol.191,No.2,December,pp.431〜436,1978)に見出すことができる。
ニコチンアミドリボシド
本明細書の方法及び局所的化粧組成物は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを含む。ニコチンアミドリボシド(CAS番号1341−23−7)は次の式を有する。
本明細書の方法及び局所的化粧組成物は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを含む。ニコチンアミドリボシド(CAS番号1341−23−7)は次の式を有する。
ニコチンアミドリボシドのいくつかの例及びその製造方法は、米国特許第8,106,184号に記述されている。本明細書で使用するとき、用語「ニコチンアミドリボシド」は、ニコチンアミドリボシドの塩(例えば、ニコチンアミドリボシドクロリド)を含む。
本明細書の化粧組成物は、化粧組成物の0.05重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%又は5重量%から、約20重量%、15重量%、10重量%、8重量%又は6重量%までの、ニコチンアミドリボシドを含み得る。本組成物中のニコチンアミドリボシドの量は、どの程度のHMGB1低減が望ましいかに応じて変化し得ることが理解されよう。上記の量は、望まれる効果の望ましいレベルに応じて、製造時に添加される及び/又は使用時に存在することができる。例えば、製造時に添加される及び/又は使用時に存在するニコチンアミドリボシドの量は、HMGB1を少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は更には100%低減するのに十分な量であり得る。ストレスを受けたケラチノサイト(すなわち、紫外線照射などのストレス源に曝露したケラチノサイト)における、HMGB1タンパク質のレベル及び/又は活性を低減して、ストレス前のレベル以下に下げる(これは100%を超える低減をもたらし得る)ための、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドが特に望ましい可能性がある。HMGB1レベルは、従来のHMGB1 ELISAキット(例えば、High Mobility Group Box 1 Protein(HMGB1)ELISA Kit、IBL Internationalから参照番号ST51011として入手可能)を、メーカーの指示に従って使用することにより、決定することができる。
HMGB1レベルを低減し、これにより、HMGB1から生じる樹状突起刺激を低減することにより、色素沈着シミの外観及び/又は全体的な皮膚色調を改善することができる。いくつかの例において、この改善は、ニコチンアミドリボシドが処置期間中に適用されたときのL*値の正の変化(すなわち、0よりも大きいが典型的に100よりも小さいΔL*値)に対応し得る。いくつかの例において、ΔL*値は0.1〜10、0.2〜5、又は更には0.3〜3であり得る。付加的に又は代替的に、外観の改善は、少なくとも2%(例えば、2%〜100%、5%〜70%、10%〜40%、15%〜25%)のシミ面積率の低減に対応し得る。
HMGB1レベルの低減は、この用語がナイアシンアミドに伴うと考えられる作用機序を指す場合に使用されるため、「メラニン取り込みの阻害」とは見なされないことが理解されよう。いくつかの例において、メラニン取り込みを阻害(又は促進)しないような、ニコチンアミドリボシドの有効量を選択することが望ましい可能性がある。このようにして、様々な生物学的経路を介して機能する皮膚色調剤(例えば、ナイアシンアミド及びニコチンアミドリボシド)を含む組成物を配合することにより、改善された皮膚外観効果を提供することが可能になり得る。
皮膚科学的に許容可能な担体
また、本明細書における組成物は、皮膚科学的に許容可能な担体(「担体」と称する場合もある)を含んでよい。「皮膚科学的に許容可能な担体」という句は、担体がケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、組成物中の活性物質と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる不当な問題も起こさないことを意味する。一実施形態において、担体は、組成物の約50重量%〜約99重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約80重量%〜約95重量%の濃度で存在する。
また、本明細書における組成物は、皮膚科学的に許容可能な担体(「担体」と称する場合もある)を含んでよい。「皮膚科学的に許容可能な担体」という句は、担体がケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、組成物中の活性物質と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる不当な問題も起こさないことを意味する。一実施形態において、担体は、組成物の約50重量%〜約99重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約80重量%〜約95重量%の濃度で存在する。
担体は、多種多様な形態であってもよい。場合によっては、それら成分(例えば、抽出物、日焼け止め活性物質、追加成分)の溶解性又は分散性によって担体の形態及び特徴が決定され得る。非限定的な例としては、単純な溶液(例えば、水性又は無水)、分散液、エマルション、及び固体形態(例えば、ゲル、スティック、流動性固体、又は非晶質材料)が挙げられる。特定の実施形態では、皮膚科学的に許容可能な担体は、エマルションの形態である。エマルションは、連続水相(例えば、水中油型及び水中油中水型)、又は連続油相(例えば、油中水型又は水中油型)を有するとして概ね分類され得る。本発明の油相は、シリコーン油、非シリコーン油(炭化水素油、エステル、エーテル等)、及びこれらの混合物を含んでよい。水性相は、典型的には、水及び水溶性成分(例えば、水溶性保湿剤、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他のスキンケア活性成分)を含む。しかしながら、場合によっては、水相は、水溶性保湿剤、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他の水溶性スキンケア活性物質が挙げられるが、これらに限定されない、水以外の構成成分を含み得る。場合によっては、組成物の非水構成成分は、グリセリン及び/又は他のポリオール等の湿潤剤を含む。エマルションは、担体の重量に基づいて、約1%〜約10%、又は約2%〜約5%の乳化剤を更に含有してもよい。乳化剤は、非イオン性であっても、アニオン性であっても、カチオン性であってもよい。乳化剤のいくつかの非限定的な例は、米国特許第3,755,560号(Dickertら)、同第4,421,769号(Dixonら)、及びMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,p.317〜324(1986)に開示されている。
担体は、1つ又は2つ以上の皮膚科学的に許容可能な親水性希釈剤を含有してよい。本発明で使用するとき、「希釈剤」は、ニコチンアミドリボシドを、分散する、溶解する、ないしは別の方法で組み込むことができる物質を含む。親水性希釈剤には、水と、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600g/モル)、ポリプロピレングリコール(例えば、分子量425〜2025g/モル)、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1、2、6−ヘキサントリオール、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールエステル、ブタンジオール、エーテルプロパノール、エトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル、及びこれらの組み合わせ等の、低級一価アルコール(例えば、C1〜C4)並びに低分子量グリコール及びポリオール等の有機親水性希釈剤と、が挙げられる。
任意成分。
本組成物は、追加成分が不所望に本発明の組成物によって提供される美白効果を変えない限りにおいて、任意追加的に、化粧組成物に一般的に使用される1つ又は2つ以上の追加成分(例えば、着色剤、皮膚色調剤、皮膚抗老化剤、抗炎症剤、日焼け止め剤、これらの組み合わせなど)を含んでもよい。場合によっては、両方の薬剤の有効性を低減させるかもしれないので、活性物質が互いに干渉しないように異なる生物学的経路によって機能する皮膚色調剤を選択することが望ましい場合がある。存在する場合、任意成分は、組成物の0.0001重量%〜50重量%、0.001重量%〜20重量%、又は更に0.01重量%〜10重量%(例えば、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、又は0.1重量%)の量で含まれていてよい。組成物中に配合される場合、追加成分は、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトの皮膚組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。本明細書での使用に好適であり得る追加成分のいくつかの非限定的な例は、米国特許出願公開第2002/0022040号、同第2003/0049212号、同第2004/0175347号、同第2006/0275237号、同第2007/0196344号、同第2008/0181956号、同第2010/00092408号、同第2008/0206373号、同第2010/0239510号、同第2010/0189669号、同第2011/0262025号、同第2011/0097286号、同第2012/0197016号、同第2012/0128683号、同第2012/0148515号、同第2012/0156146号、及び同第2013/0022557号、並びに米国特許第5,939,082号、同第5,872,112号、同第6,492,326号、同第6,696,049号、同第6,524,598号、同第5,972,359号、及び同第6,174,533号に記述されている。本組成物における使用に特に好適であり得る追加成分の更なるいくつかの非限定的な例が、下記に提供される。
本組成物は、追加成分が不所望に本発明の組成物によって提供される美白効果を変えない限りにおいて、任意追加的に、化粧組成物に一般的に使用される1つ又は2つ以上の追加成分(例えば、着色剤、皮膚色調剤、皮膚抗老化剤、抗炎症剤、日焼け止め剤、これらの組み合わせなど)を含んでもよい。場合によっては、両方の薬剤の有効性を低減させるかもしれないので、活性物質が互いに干渉しないように異なる生物学的経路によって機能する皮膚色調剤を選択することが望ましい場合がある。存在する場合、任意成分は、組成物の0.0001重量%〜50重量%、0.001重量%〜20重量%、又は更に0.01重量%〜10重量%(例えば、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、又は0.1重量%)の量で含まれていてよい。組成物中に配合される場合、追加成分は、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトの皮膚組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。本明細書での使用に好適であり得る追加成分のいくつかの非限定的な例は、米国特許出願公開第2002/0022040号、同第2003/0049212号、同第2004/0175347号、同第2006/0275237号、同第2007/0196344号、同第2008/0181956号、同第2010/00092408号、同第2008/0206373号、同第2010/0239510号、同第2010/0189669号、同第2011/0262025号、同第2011/0097286号、同第2012/0197016号、同第2012/0128683号、同第2012/0148515号、同第2012/0156146号、及び同第2013/0022557号、並びに米国特許第5,939,082号、同第5,872,112号、同第6,492,326号、同第6,696,049号、同第6,524,598号、同第5,972,359号、及び同第6,174,533号に記述されている。本組成物における使用に特に好適であり得る追加成分の更なるいくつかの非限定的な例が、下記に提供される。
いくつかの例において、本明細書の組成物は、即時的な外観及び/又は感触の効果を提供するために、0.001%〜40%(例えば、1%〜30%、又は2%〜20%)の、1つ又は2つ以上の粒子材料及び/又は化粧料用粉末を含み得る。これらの粒子は、例えば、小板形状、球状、細長形状若しくは針状、又は不規則形状であってよく、表面がコーティングされていてもされていなくてもよく(例えば、疎水性コーティング)、多孔質又は非多孔質であってよく、荷電又は非荷電であってよく、更に、粉末として又は前分散体として本組成物に加えることができる。例えば、顔料グレードの金属酸化物粒子(例えば、100nmを超える、又は100nm〜500nmの平均一次粒径を有するもの)が、外観の効果を提供するために所望により含まれ得る。本明細書で使用するための粒子材料のいくつかの非限定的な例は、米国特許出願公開第2012/0021027号、同第2010/0074928号、同第2010/0003205号、同第2010/0003293号、及び同第2013/0243835号に記述されている。
別の一例において、本方法に従って使用される組成物は、球状粒子の形態の粉末を含んでよく、これは即時的な外観及び/又は感触の効果を提供する。球状粒子は、製品が皮膚に吸収されるように見える速度を改善する傾向があり、これによって、製品塗布に対する制御性を改善するのに役立つ。本明細書の球状粒子粉末は、2μm〜40μm(例えば、3μm〜25μm、又は更には5μm〜15μm)の中央粒径を有する。球状粒子粉末は更に、皮膚上の製品薄膜の滑らかな感触を高めることができる。したがって、べとつきを有さず、(JIS K6253で定義されるデュロメータAで測定される)ゴム硬度が、10〜90(例えば20〜80又は更には25〜75)の範囲である球状粒子を提供することが望ましいことがある。特に好適な一例において、この組成物は2%〜20%(例えば、4%〜12%)の球状シリコーンエラストマー粒子又は球状デンプン粒子を含む。組成物中のシリコーンエラストマー粉末の量は、整った(すなわち、溶剤中で膨張していない)形態の粒子材料に基づいて決定される。球状粒子粉末のいくつかの非限定的な例は、同時係属中の米国特許出願第14/596,360号及び同第14/596,374号(Jansenら、2015年1月14日出願)に記述されている。
使用方法
本明細書の方法は、処置を必要とする皮膚の標的部分(例えば、額、口周囲、顎、眼窩、鼻、及び/若しくは頬などの顔の皮膚表面)を特定することと、並びに/又は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを、その皮膚の標的部分に適用することと、を含む。ニコチンアミドリボシドは、化粧組成物を製造するための従来方法を用いて、好適な化粧組成物に組み込むことができる。理論に束縛されるものではないが、有効量のニコチンアミドリボシドを皮膚に塗布することによって、HMGB1レベル及び/又は活性が低下し、これによってメラノサイトの樹状突起形成度が低減されると考えられる。このようにして、皮膚の美白効果が皮膚の標的部分に提供され得る。場合によっては、皮膚の標的部分は、皮膚色素異常を呈していないかもしれないが、使用者(例えば、比較的若い使用者)は、それが典型的には皮膚色素異常を中年期以降に発現する部分であれば(例えば、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに首及び胸の皮膚表面等の、典型的に衣類によって覆われていない皮膚表面)、そのような皮膚領域を標的にしたいと望む可能性がある。このようにして、本方法及び本組成物は、予防的手段として使用され得る。いくつかの例において、皮膚の標的部分におけるHMGB1のレベル及び/又は活性は、測定され、処置が必要及び/又は望ましいかどうかを決定する参照量に対して比較される。有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物は、処置期間中、標的皮膚部分に対し、及び所望される場合は周囲の皮膚に対し、少なくとも1日1回、1日2回、又は1日3回以上の頻度で塗布され得る。1日2回塗布する場合、1回目と2回目の塗布の間に、少なくとも1〜12時間の間隔を空ける。組成物は典型的に、朝及び/又は夜就寝前に塗布される。
本明細書の方法は、処置を必要とする皮膚の標的部分(例えば、額、口周囲、顎、眼窩、鼻、及び/若しくは頬などの顔の皮膚表面)を特定することと、並びに/又は、安全かつ有効量のニコチンアミドリボシドを、その皮膚の標的部分に適用することと、を含む。ニコチンアミドリボシドは、化粧組成物を製造するための従来方法を用いて、好適な化粧組成物に組み込むことができる。理論に束縛されるものではないが、有効量のニコチンアミドリボシドを皮膚に塗布することによって、HMGB1レベル及び/又は活性が低下し、これによってメラノサイトの樹状突起形成度が低減されると考えられる。このようにして、皮膚の美白効果が皮膚の標的部分に提供され得る。場合によっては、皮膚の標的部分は、皮膚色素異常を呈していないかもしれないが、使用者(例えば、比較的若い使用者)は、それが典型的には皮膚色素異常を中年期以降に発現する部分であれば(例えば、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに首及び胸の皮膚表面等の、典型的に衣類によって覆われていない皮膚表面)、そのような皮膚領域を標的にしたいと望む可能性がある。このようにして、本方法及び本組成物は、予防的手段として使用され得る。いくつかの例において、皮膚の標的部分におけるHMGB1のレベル及び/又は活性は、測定され、処置が必要及び/又は望ましいかどうかを決定する参照量に対して比較される。有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物は、処置期間中、標的皮膚部分に対し、及び所望される場合は周囲の皮膚に対し、少なくとも1日1回、1日2回、又は1日3回以上の頻度で塗布され得る。1日2回塗布する場合、1回目と2回目の塗布の間に、少なくとも1〜12時間の間隔を空ける。組成物は典型的に、朝及び/又は夜就寝前に塗布される。
処置期間は理想的には、ニコチンアミドリボシドを含む組成物が皮膚の標的部分の外観を改善するのに十分な期間であり、外観の改善は、色素沈着シミの大きさの低減及び/又は色の明るさの増加に対応し得る。処置期間は、少なくとも1週間(例えば、約2週間、4週間、8週間、又は12週間)持続し得る。場合によっては、処置期間は、数ヶ月(すなわち3〜12ヶ月)又は数年にわたってもよい。場合によっては、少なくとも2週間、4週間、8週間、又は12週間の処置期間中に、週の大半の日数(例えば、少なくとも週に4日間、5日間又は6日間)にわたって、少なくとも1日に1回、又は更には1日に2回、有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物を塗布し得る。
本明細書の化粧組成物は、局所的又は全体的に塗布することができる。組成物の塗布に関する用語「局所的な」、「局所」、又は「局所的に」とは、処置を望まない皮膚表面への送達を最小限に抑えながら、組成物を標的領域(例えば、色素沈着したシミ又はその一部)に送達することを意味する。本組成物は、ある皮膚区域に塗布し、軽くマッサージしながら擦り込むことができる。組成物又は皮膚科学的に許容可能な担体の形態は、局所的塗布が容易となるように選択する必要がある。本明細書におけるある実施形態は、組成物をある区域に局所的に塗布することを想到しているが、当然のことながら、本明細書における組成物は1つ又は2つ以上の皮膚表面に対し、更に広く又は広範に塗布され得る。ある実施形態において、本明細書における組成物は、多段階式美容法の一部として使用される場合もあり、この多段階式美容法では、本組成物は、1種又は2種以上の他の組成物の前及び/又は後に塗布されてもよい。
試験方法
画像化方法
本方法は、L*a*b*値及びシミ面積率を判定するための再現可能で分析可能な画像を捕捉するための手段を提供する。本方法に記載されているものと同等の、任意の好適な画像捕捉装置並びに画像化ソフトウェア及び他の付随する付属装置(例えば、コンピュータ及びライト)を使用することができることを理解されたい。この方法の画像化システムには、6メガピクセルの非圧縮画像(BMP)及び原画像ファイル(RAF)を配信するFUJI−S2ProブランドのCCD SLRデジタルカメラが組み込まれている。写真を撮る前に、被験者は、交差軸方向の2つの直線偏光子を通してJTL 1000Wフラッシュで照射される。マンセル表色系のニュートラルN2−N9.5を含むチャートは、標準化と色補正の目的で全ての画像に捕捉される。
画像化方法
本方法は、L*a*b*値及びシミ面積率を判定するための再現可能で分析可能な画像を捕捉するための手段を提供する。本方法に記載されているものと同等の、任意の好適な画像捕捉装置並びに画像化ソフトウェア及び他の付随する付属装置(例えば、コンピュータ及びライト)を使用することができることを理解されたい。この方法の画像化システムには、6メガピクセルの非圧縮画像(BMP)及び原画像ファイル(RAF)を配信するFUJI−S2ProブランドのCCD SLRデジタルカメラが組み込まれている。写真を撮る前に、被験者は、交差軸方向の2つの直線偏光子を通してJTL 1000Wフラッシュで照射される。マンセル表色系のニュートラルN2−N9.5を含むチャートは、標準化と色補正の目的で全ての画像に捕捉される。
画像を捕捉するための準備として、被験者は顔を洗い、顔を乾燥させるために少なくとも15分間待つことを求められる。被験者の毛髪をヘアネットで覆い、被験者の頭と肩を黒い布で覆う。関心対象の画像領域において見ることができる全ての宝石類は取り除かれる。被験者は20〜25℃、相対湿度40〜60%の管理室で30分間平衡化される。次に、各被験者がカメラの正面に好適に配置され、顔の各側の1つ又は2つ以上の画像が捕捉される。捕捉された画像(単数又は複数)は、原画像を.jpgファイル形式に変換することによって処理される。
次に、.jpg形式画像は、好適な画像解析ソフトウェアを備えたコンピュータによって分析される。場合によっては、画像の一部分(すなわち関心領域(「ROI」))のみを分析することが望ましい場合がある。ROIは、例えば図2に示すように、Photoshop(登録商標)又はImage J(登録商標)ブランドソフトウェアなどの画像編集ソフトウェアを使用して「マスクする」ことができる。次いで、マスクされた領域(例えば図2の頬100)を分離し、別個の画像として分析することができる。好適な分析のために画像を必ずしもマスクする必要はなく、場合によっては、画像全体を分析してもよいことを理解されたい。いくつかの例では、シャドーイングが生じる可能性がある画像の外縁の周りの数ピクセル(例えば、5〜15ピクセル)だけ、画像、マスク、及び/又は関心領域のサイズを低減することが望ましい場合がある。
例えば、どの機器及び/又は画像システムが使用されるかによって色が相対的であると知覚されることがあるので、好適な色補正技術を用いて各被験者について画像又は関心領域を色補正することが重要であり得(例えば、国際色彩コンソーシアムの規格及び実務による)、これはシステムによる色の判定を計器特有でなくするのに役立つ。デバイスに依存する捕捉された画像のRGB値は、L*a*b*値に変換される。L*a*b*値は、好適なRGB変換ツール(例えば、コンピュータにインストールされたソフトウェア又はオンラインで見つけた好適な変換ツール)を使用して計算することができる。RGB値からL*a*b*値への変換は、画像全体、ROI、又は1つ若しくは2つ以上の個々のピクセルで実行することができる。得られたL*a*b*値は、画像又は関心領域の平均値を得るために平均されてもよい。
シミ面積は、所望のROIで検出されたシミの総面積(ピクセル単位)である。シミは、RGB色空間の所望のチャネルにおける高グレイ濃度背景からの低グレイ濃度対象物の局所的検出の比較によって検出される。検出された対象物は、形状及びサイズによって更に分類される。
シミ面積率は、以下の式で表される。
SAFの変化(「ΔSAF」)は、処置期間の後のシミ面積(ROIに対して正規化されている)と、処置の直前のシミ面積(ROIに対して正規化されている)との差である(例えば、SAF最終−SAFベースライン)。季節的な変化が結果に影響を与える可能性があるため、対照集団に対する相対的な変化(「ΔΔSAF」)が有用である。これは、処置期間のΔSAFと、同期間の対照集団との間の差である(例えば、ΔSAF試験組成物−ΔSAFビヒクル対照)。より低いパーセンテージは、シミ面積の低減を反映する。処置期間のΔSAFは、処置前のベースラインSAF値に対して正規化することができ、ベースラインに対するパーセンテージ変化を得ることができる(例えば、ΔSAFベースライン=ΔSAF/SAFベースライン)。同様に、処置期間のΔΔSAFは、処置前のベースラインSAF値に対して正規化することができ、対照集団及びベースラインに対するパーセンテージ変化を得ることができる(例えば、ΔΔSAFベースライン=ΔΔSAF/SAFベースライン)。
実施例1−例示的化粧組成物
表1は、本明細書の方法で使用するのに好適な化粧組成物の例を提供する。この組成物は、A相成分を好適なミキサー(例えば、Tekmar RW20DZM)で混合し、温度70〜80℃に加熱し、攪拌しながらその温度を維持することによって製造される。別に、B相成分を好適なミキサーで混合し、70〜75℃に加熱し、混合しながら温度を維持する。よく混合しながらB相をA相に加え、乳化させる。このエマルションを次に、好適な粉砕機(例えば、Tekmar T−25)で5分間粉砕する。エマルションが60℃のときに、混合を続けながらC相を加える。40℃で、D相及びE相の成分をエマルションに加える。このエマルションを次に、好適な粉砕機(Tekmar T−25)で5分間粉砕し、均質な生成物を得る。
表1は、本明細書の方法で使用するのに好適な化粧組成物の例を提供する。この組成物は、A相成分を好適なミキサー(例えば、Tekmar RW20DZM)で混合し、温度70〜80℃に加熱し、攪拌しながらその温度を維持することによって製造される。別に、B相成分を好適なミキサーで混合し、70〜75℃に加熱し、混合しながら温度を維持する。よく混合しながらB相をA相に加え、乳化させる。このエマルションを次に、好適な粉砕機(例えば、Tekmar T−25)で5分間粉砕する。エマルションが60℃のときに、混合を続けながらC相を加える。40℃で、D相及びE相の成分をエマルションに加える。このエマルションを次に、好適な粉砕機(Tekmar T−25)で5分間粉砕し、均質な生成物を得る。
実施例2−メラノソーム取り込みの阻害
この実施例は、ニコチンアミドリボシド(「NR」)及びナイアシンアミドがケラチノサイトへのメラノソーム取り込みを阻害する能力を、ビヒクル対照(すなわち、ナイアシンアミド又はニコチンアミドリボシドを含んでいないこと以外、試験組成物(NR)及び陽性対照(ナイアシンアミド)と同一の組成物)と比較する。
この実施例は、ニコチンアミドリボシド(「NR」)及びナイアシンアミドがケラチノサイトへのメラノソーム取り込みを阻害する能力を、ビヒクル対照(すなわち、ナイアシンアミド又はニコチンアミドリボシドを含んでいないこと以外、試験組成物(NR)及び陽性対照(ナイアシンアミド)と同一の組成物)と比較する。
メラノソーム取り込みアッセイ
メラノソーム取り込みは、下記の通り決定された。カルボキシフルオレスセイン二酢酸(「CFDA」)(Sigma(St.Louis,MO)から入手可能)で標識付けしたメラノソームを調製した。これは、THERMO SCIENTIFIC FORMAブランドCO2インキュベーター(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手可能)を用いて、CFDA染料をSKMEL−188培養細胞(Sloan Kettering Instituteから入手可能)中で2日間37℃でインキュベーションすることにより調製された。試験3日目に、段階密度遠心分離により、異なる密度で層状になったショ糖溶液を用いて(この方法は当該技術分野において既知である)、SKMEL−188細胞からメラノソームを分離した。メラノソームは、1.6M〜2.0Mのショ糖層から採取された。分離されたメラノソームを、ヒト新生児ケラチノサイト(Thermoから入手可能)と共に、6ウェルプレートの各ウェルに入れた(ウェル当たり約50,000個のケラチノサイト)。2mLの適切な培地(すなわち、試験組成物、陽性対照、又はビヒクル対照)を各ウェルに加えて、3つの試験ウェルを作製した(すなわち、試験を行う3種類の組成物それぞれについて3つの複製)。試験組成物は、ニコチンアミドリボシドクロリド粉末(Chromadex(Irvine,CA)から入手可能)を、EPILIFEブランドのケラチノサイト培地に加えて、0.0025w/v%のニコチンアミドリボシド溶液を作製することによって調製した。陽性対照は、ナイアシンアミドをEPILIFEブランドのケラチノサイト培地に加えて、0.0025w/v%のナイアシンアミド溶液を作製することによって調製した。変更を加えていないケラチノサイト培地をビヒクル対照として使用した。
メラノソーム取り込みは、下記の通り決定された。カルボキシフルオレスセイン二酢酸(「CFDA」)(Sigma(St.Louis,MO)から入手可能)で標識付けしたメラノソームを調製した。これは、THERMO SCIENTIFIC FORMAブランドCO2インキュベーター(Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手可能)を用いて、CFDA染料をSKMEL−188培養細胞(Sloan Kettering Instituteから入手可能)中で2日間37℃でインキュベーションすることにより調製された。試験3日目に、段階密度遠心分離により、異なる密度で層状になったショ糖溶液を用いて(この方法は当該技術分野において既知である)、SKMEL−188細胞からメラノソームを分離した。メラノソームは、1.6M〜2.0Mのショ糖層から採取された。分離されたメラノソームを、ヒト新生児ケラチノサイト(Thermoから入手可能)と共に、6ウェルプレートの各ウェルに入れた(ウェル当たり約50,000個のケラチノサイト)。2mLの適切な培地(すなわち、試験組成物、陽性対照、又はビヒクル対照)を各ウェルに加えて、3つの試験ウェルを作製した(すなわち、試験を行う3種類の組成物それぞれについて3つの複製)。試験組成物は、ニコチンアミドリボシドクロリド粉末(Chromadex(Irvine,CA)から入手可能)を、EPILIFEブランドのケラチノサイト培地に加えて、0.0025w/v%のニコチンアミドリボシド溶液を作製することによって調製した。陽性対照は、ナイアシンアミドをEPILIFEブランドのケラチノサイト培地に加えて、0.0025w/v%のナイアシンアミド溶液を作製することによって調製した。変更を加えていないケラチノサイト培地をビヒクル対照として使用した。
結果として得られる試験プレートを2日間、EPILIFEブランドのケラチノサイト培地中でインキュベーションした。試験6日目に、トリプシンを用いてケラチノサイトをプレートから剥がし、LSRFortessaブランドのフローサイトメーター(Becton Dickinson(NJ)から入手可能)を用いて、フローサイトメトリーで蛍光標識計数を行った。蛍光(CFDA標識由来)を有する細胞の割合を基準として用いて、メラノソーム取り込みを決定した。フローサイトメーターを通過した全ケラチノサイト中の割合として、検出可能レベルのCFDAを含むケラチノサイトが計数された(表2に%取り込みとして示されている)。パーセンテージが高いほど、ケラチノサイトへのメラノソーム取り込みのレベルが高いことに対応する。
表2は、この試験の結果を示す。表2に示すように、陽性対照は、ビヒクル対照に比べて、メラノソーム取り込み率を阻害していると見られ、これは予測通りであった。驚くべきことに、ニコチンアミドリボシドはビヒクル対照に比べて、メラノソーム取り込み率を増加させていると見られる。これは予測に反しており、このことはまず、次のことを示唆し得る:1)ニコチンアミドリボシドは色素シミの外観を悪化させる可能性がある、及び/又は2)ニコチンアミドリボシドは、ナイアシンアミドの類似体ではあるが、特にケラチノサイトによるメラノソーム取り込みに関して、ナイアシンアミドと全く同じ作用機序を有するわけではない。
実施例3−インビトロUVストレス試験
この実施例は、紫外線(「UV」)照射によるストレスを受けたケラチノサイトから放出されるHMGB1タンパク質の量を低減する、ニコチンアミドリボシドとナイアシンアミドの能力を比較する。
この実施例は、紫外線(「UV」)照射によるストレスを受けたケラチノサイトから放出されるHMGB1タンパク質の量を低減する、ニコチンアミドリボシドとナイアシンアミドの能力を比較する。
ヒト新生児のケラチノサイト(Thermoから入手可能)を4枚の12ウェルプレートの各ウェルに入れた。各ウェルには更に、EPILIFEブランドのケラチノサイト培地2mLが入れられた。細胞のコンフルエント状態が70%に達するまで、プレートをCO2インキュベーターで37℃でインキュベーションした。この時点で、細胞は、陰性対照を除き、BIO−SUNブランドのUV照射システム(Vilber Lourmat(France)から入手可能)内で、15mJ/cm2のUVB(すなわち、波長が315〜280nmの紫外線)に曝された。UVB曝露の後、各ウェルのケラチノサイト培地を、適切な培地(すなわち、ナイアシンアミド培地、ニコチンアミドリボシド培地、又は対照培地)に置き換え、試験プレートを作製した。試験プレートを、CO2インキュベーター内で37℃で24時間インキュベーションした後、各セルの培地を除去し、従来型のHMGB1 ELISAキット(参照番号ST51011、IBL International(Canada)から入手可能)を使用して、メーカーの指示に従い、HMGB1レベルを測定した。
この試験培地は、ナイアシンアミド又はニコチンアミドリボシドのいずれかをEPILIFEブランドのケラチノサイト培地に加えて0.001w/v%溶液を作製することによって調製された。対照培地は、変更を加えていないケラチノサイト培地であった。
表3及び図1は、この試験の結果を示す。表3及び図1に示すように、UVB照射に曝された未処理のケラチノサイトは、UVBに曝されていない未処理の細胞に比べて、より多くのHMGB1タンパク質を放出しており、これは予測通りである。ケラチノサイトをナイアシンアミドで処理することは、未処理のUVB曝露細胞と比較して、UVB照射に曝されたケラチノサイトから放出されるHMGB1タンパク質の量に対して有意な影響は与えなかったと見られる。驚くべきことに、UVBに曝露した、ニコチンアミドリボシド処理のケラチノサイトは、未処理のUVB曝露ケラチノサイトよりも、放出したHMGB1タンパク質が少なかった。表3に示すp値は、スチューデントのt検定(両側、等分散)である。p値が0.05未満のものは、統計学的に有意であると見なされる。
実施例4−臨床研究
この実施例は、有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物が、ベースライン値又は対照と比較して、色素沈着シミの外観を改善し皮膚を美白する能力を示すものである。この研究では、表1の組成物No.3が試験された。組成物が製造された時点から試験された時点までの間に、約4ヶ月が経過していた。この間、組成物はほぼ室温(すなわち、約25℃)で保管された。
この実施例は、有効量のニコチンアミドリボシドを含む化粧組成物が、ベースライン値又は対照と比較して、色素沈着シミの外観を改善し皮膚を美白する能力を示すものである。この研究では、表1の組成物No.3が試験された。組成物が製造された時点から試験された時点までの間に、約4ヶ月が経過していた。この間、組成物はほぼ室温(すなわち、約25℃)で保管された。
この実施例の臨床研究は9週間の無作為化二重盲検ハーフサイド比較持回り試験であり、1週間の正規化期間と8週間の試験製品使用期間が含まれた。臨床研究で試験を行った化粧組成物には、表5に示すように、5%ニコチンアミドリボシドを含む試験組成物と対照組成物が含まれた。対照組成物は、従来型の保湿ローション/クリームに類似の水中油エマルションであり、そのような組成物を製造するための当該技術分野において既知の従来方法を用いて製造された。
25〜55歳で、比較的濃い皮膚色調(クロマメーターCR400でL*<60)と、好適な数の色素沈着シミとを有するアジア系女性が選択され、本研究に参加した。被験者は、試験組成物又は対照組成物の塗布の前に、OLAY DEEP PURIFY CLEANSERブランドの洗顔料で顔を洗った。この実施例では、洗顔後に、試験製品(すなわち、表1の組成物No.3)を被験者の顔の片側に塗布し、ビヒクル対照を被験者の顔の反対側に塗布した。これは試験期間中、1日に2回(朝/晩)行った。用量は顔半分当たり0.5gであった(額から顎ラインまで約4mg/cm2)。試験期間の開始時(ベースライン)、並びに2、4、及び8週間の処置後に、測定を行った。デジタル画像を撮影し、上記の画像化方法に従って、L*及びSAFの変化を分析した。データは、被験者の効果をランダムとしてフィッティングし、他の効果(処置、側(左又は右)、週、週数の交互作用、年齢、ベースライン)を固定としてフィッティングして、反復測定のための既知の混合模型(例えば、SAS Institute(Cary、NC,USA)から入手可能)で統計的に分析された。p値が0.05以下の場合に、値は統計的に有意であるとみなされる。
臨床研究の結果を表5及び表6に示す。表5は、試験組成物及びビヒクル対照について、2、4、及び8週目の時点での、対照値及びベースライン値に対する試験組成物の明るさ値(ΔL*)の変化を示す。全被験者のベースライン値が0日目に測定され、これを平均して、試験に使用する共通ベースラインとした。表5に示すように、試験組成物による処置は、8週目の時点でベースライン値に対して、及び2、4及び8週目の時点で対照に対して、皮膚の色を明るくした(正のΔL*値)。
表6は、試験組成物とビヒクル対照に関する、2、4、及び8週目の時点で観察されたSAFの変化を示す。表6に示すように、試験組成物による処置は、ベースライン及び対照組成物に比べて、2、4及び8週目の時点でシミ面積率を一貫して減少させた。これに対して、ビヒクル対照はSAFの有意な低減をもたらさなかったと見られる。ΔSAFは、各時点で測定されたSAFからベースラインSAFを差し引くことにより決定された。ΔΔSAFは、各時点での試験組成物のΔSAFから対照組成物のΔSAFを差し引くことにより決定された。SAFの%変化も、表6に示されている。
組み合わせ/実施例
1.ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるための化粧方法であって、
(i)HMGB1のレベル低下が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii)処置期間中に皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、有効量のニコチンアミドリボシドを含み、処置期間は、ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるのに十分な期間である、方法。
2.HMGB1レベルが少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、及びより好ましくは少なくとも20%低下する、段落Aに記載の方法。
3.皮膚の標的部分が皮膚色素異常を含む、段落A又はBに記載の方法。
4.化粧組成物は、約0.005%〜約20%、好ましくは約0.05%〜約10%、及びより好ましくは約0.5%〜約6%のニコチンアミドリボシドが配合されている、段落A〜Cのいずれか1つに記載の方法。
5.処置期間が少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、及びより好ましくは少なくとも8週間である、段落A〜Dのいずれか1つに記載の方法。
6.HMGB1タンパク質レベル低下が、皮膚の標的部分における、メラノサイトの樹状突起形成度の低減をもたらす、段落A〜Eのいずれか1つに記載の方法。
7.化粧組成物が、皮膚科学的に許容可能な担体を含む、段落A〜Fのいずれか1つに記載の方法。
8.化粧組成物が、皮膚色調剤及び親水性希釈剤から選択される追加成分を含む、段落Gに記載の方法。
9.化粧組成物がナイアシンアミドを更に含む、段落Hに記載の方法。
10.皮膚の美白方法であって、
(i).皮膚の美白が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).処置期間中に皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、約0.005重量%〜約20重量%のニコチンアミドリボシドが配合され、処置期間は、標的皮膚部分を美白するのに十分な期間である、方法。
11.皮膚の美白が、L*値の正の変化に対応する、段落Jに記載の方法。
12.L*値の正の変化が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、及びより好ましくは少なくとも0.3である、段落Kに記載の方法。
13.化粧組成物がエマルションである、段落J〜Lのいずれか1つに記載の方法。
14.化粧組成物が、約2%〜約20%の球状粒子粉末を含む、段落J〜Mのいずれか1つに記載の方法。
15.色素沈着シミの外観を改善する方法であって、
(i).色素沈着シミを含む皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).処置期間中に色素沈着シミの少なくとも一部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、約0.005%〜約20%のニコチンアミドリボシドが配合され、処置期間は、色素沈着シミのシミ面積率(SAF)を低減するのに十分な期間である、方法。
16.シミ面積SAFの低減が、少なくとも2%、好ましくは3%、より好ましくは5%、及び最も好ましくは10%である、段落Oに記載の方法。
17.化粧組成物が、色素沈着シミに対してL*値の正の変化をもたらす、段落O又はPに記載の方法。
18.L*値の正の変化が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、及びより好ましくは少なくとも0.3である、段落Qに記載の方法。
19.化粧組成物が、少なくとも1つの追加の皮膚色調剤を含む、段落O〜Rのいずれか1つに記載の方法。
20.皮膚美白効果を提供する方法であって、
(i).皮膚の美白が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).皮膚美白効果を提供するのに十分な処置期間中に、有効量のニコチンアミドリボシド及び水を含む化粧組成物を、皮膚の標的部分に局所的に塗布することと、を含む方法。
21.皮膚美白効果が、L*値の正の変化及びSAFの低減のうちの少なくとも一方である、段落Tに記載の方法。
22.皮膚美白効果を提供するための水性化粧組成物の製造方法であって、
(i).有効量のニコチンアミドリボシドと、皮膚科学的に許容可能な担体とを混合する工程であって、皮膚科学的に許容可能な担体は水を含み、かつニコチンアミドリボシドの有効量は、温度5℃〜45℃でのニコチンアミドリボシドと水との反応速度論に基づいて決定される、工程と、
(ii).化粧組成物を少なくとも1週間保管する工程と、
を含む、方法。
23.ニコチンアミドリボシドの有効量が、L*値の正の変化、SAFの低減、及びHMGB1レベルの低下のうちの少なくとも1つを提供する、段落Vに記載の方法。
1.ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるための化粧方法であって、
(i)HMGB1のレベル低下が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii)処置期間中に皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、有効量のニコチンアミドリボシドを含み、処置期間は、ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるのに十分な期間である、方法。
2.HMGB1レベルが少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、及びより好ましくは少なくとも20%低下する、段落Aに記載の方法。
3.皮膚の標的部分が皮膚色素異常を含む、段落A又はBに記載の方法。
4.化粧組成物は、約0.005%〜約20%、好ましくは約0.05%〜約10%、及びより好ましくは約0.5%〜約6%のニコチンアミドリボシドが配合されている、段落A〜Cのいずれか1つに記載の方法。
5.処置期間が少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、及びより好ましくは少なくとも8週間である、段落A〜Dのいずれか1つに記載の方法。
6.HMGB1タンパク質レベル低下が、皮膚の標的部分における、メラノサイトの樹状突起形成度の低減をもたらす、段落A〜Eのいずれか1つに記載の方法。
7.化粧組成物が、皮膚科学的に許容可能な担体を含む、段落A〜Fのいずれか1つに記載の方法。
8.化粧組成物が、皮膚色調剤及び親水性希釈剤から選択される追加成分を含む、段落Gに記載の方法。
9.化粧組成物がナイアシンアミドを更に含む、段落Hに記載の方法。
10.皮膚の美白方法であって、
(i).皮膚の美白が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).処置期間中に皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、約0.005重量%〜約20重量%のニコチンアミドリボシドが配合され、処置期間は、標的皮膚部分を美白するのに十分な期間である、方法。
11.皮膚の美白が、L*値の正の変化に対応する、段落Jに記載の方法。
12.L*値の正の変化が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、及びより好ましくは少なくとも0.3である、段落Kに記載の方法。
13.化粧組成物がエマルションである、段落J〜Lのいずれか1つに記載の方法。
14.化粧組成物が、約2%〜約20%の球状粒子粉末を含む、段落J〜Mのいずれか1つに記載の方法。
15.色素沈着シミの外観を改善する方法であって、
(i).色素沈着シミを含む皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).処置期間中に色素沈着シミの少なくとも一部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、
を含み、化粧組成物は、約0.005%〜約20%のニコチンアミドリボシドが配合され、処置期間は、色素沈着シミのシミ面積率(SAF)を低減するのに十分な期間である、方法。
16.シミ面積SAFの低減が、少なくとも2%、好ましくは3%、より好ましくは5%、及び最も好ましくは10%である、段落Oに記載の方法。
17.化粧組成物が、色素沈着シミに対してL*値の正の変化をもたらす、段落O又はPに記載の方法。
18.L*値の正の変化が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、及びより好ましくは少なくとも0.3である、段落Qに記載の方法。
19.化粧組成物が、少なくとも1つの追加の皮膚色調剤を含む、段落O〜Rのいずれか1つに記載の方法。
20.皮膚美白効果を提供する方法であって、
(i).皮膚の美白が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii).皮膚美白効果を提供するのに十分な処置期間中に、有効量のニコチンアミドリボシド及び水を含む化粧組成物を、皮膚の標的部分に局所的に塗布することと、を含む方法。
21.皮膚美白効果が、L*値の正の変化及びSAFの低減のうちの少なくとも一方である、段落Tに記載の方法。
22.皮膚美白効果を提供するための水性化粧組成物の製造方法であって、
(i).有効量のニコチンアミドリボシドと、皮膚科学的に許容可能な担体とを混合する工程であって、皮膚科学的に許容可能な担体は水を含み、かつニコチンアミドリボシドの有効量は、温度5℃〜45℃でのニコチンアミドリボシドと水との反応速度論に基づいて決定される、工程と、
(ii).化粧組成物を少なくとも1週間保管する工程と、
を含む、方法。
23.ニコチンアミドリボシドの有効量が、L*値の正の変化、SAFの低減、及びHMGB1レベルの低下のうちの少なくとも1つを提供する、段落Vに記載の方法。
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
Claims (14)
- ケラチノサイトから放出されるHMGB1のレベルを低下させるための化粧方法であって、
(i)HMGB1のレベル低下が望まれる皮膚の標的部分を特定することと、
(ii)処置期間中に前記皮膚の標的部分に化粧組成物を局所的に塗布することと、を含み、前記化粧組成物は、有効量のニコチンアミドリボシドを含み、前記処置期間は、ケラチノサイトから放出される前記HMGB1のレベルを低下させるのに十分な期間である、方法。 - 前記HMGB1レベルが少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、及びより好ましくは少なくとも20%低下する、請求項1に記載の方法。
- 前記処置期間が少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、及びより好ましくは少なくとも8週間である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記HMGB1タンパク質レベル低下が、前記皮膚の標的部分における、メラノサイトの樹状突起形成度の低減をもたらす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化粧組成物が、皮膚科学的に許容可能な担体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化粧組成物が、皮膚色調剤及び親水性希釈剤から選択される追加成分を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記化粧組成物は、約0.005%〜約20%、好ましくは約0.05%〜約10%、及びより好ましくは約0.5%〜約6%のニコチンアミドリボシドが配合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ニコチンアミドリボシドが更に、L*値の正の変化に対応する皮膚美白効果を提供する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記L*値の正の変化が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、及びより好ましくは少なくとも0.3である、請求項8に記載の方法。
- 前記皮膚の標的部分が色素沈着シミを含み、前記方法が、前記色素沈着シミのシミ面積率(SAF)が前記処置期間中に低減されるように、前記色素沈着シミの少なくとも一部に前記化粧組成物を局所的に塗布することを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シミ面積SAFの低減が、少なくとも2%、好ましくは3%、より好ましくは5%、及び最も好ましくは10%である、請求項10に記載の方法。
- 前記化粧組成物が、前記色素沈着シミに対してL*値の正の変化をもたらす、請求項10又は11に記載の方法。
- 請求項1〜12のいずれか一項において使用するための水性化粧組成物の製造方法であって、
(i)有効量のニコチンアミドリボシドと、皮膚科学的に許容可能な担体とを混合する工程であって、前記皮膚科学的に許容可能な担体は水を含み、前記ニコチンアミドリボシドの有効量は、温度5℃〜45℃でのニコチンアミドリボシドと水との反応速度論に基づいて決定される、工程と、
(ii)ユーザーが使用する前に、前記化粧組成物を少なくとも1週間保管する工程と、を含む、方法。 - 前記ニコチンアミドリボシドの有効量が、L*値の正の変化、SAFの低減、及びHMGB1レベルの低下のうちの少なくとも1つを提供する、請求項13に記載の方法。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201562155712P | 2015-05-01 | 2015-05-01 | |
US62/155,712 | 2015-05-01 | ||
US201562162054P | 2015-05-15 | 2015-05-15 | |
US62/162,054 | 2015-05-15 | ||
PCT/US2016/029943 WO2016178944A1 (en) | 2015-05-01 | 2016-04-29 | Method of improving the appearance of skin and compositions therefor using nicotinamide riboside |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018515486A true JP2018515486A (ja) | 2018-06-14 |
Family
ID=55919912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017557205A Withdrawn JP2018515486A (ja) | 2015-05-01 | 2016-04-29 | ニコチンアミドリボシドを用いた皮膚外観の改善方法及びそのための組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20160317418A1 (ja) |
EP (1) | EP3288529A1 (ja) |
JP (1) | JP2018515486A (ja) |
WO (1) | WO2016178944A1 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016040246A1 (en) * | 2014-09-12 | 2016-03-17 | The Procter & Gamble Company | Method of making a skin care composition |
WO2017004102A1 (en) | 2015-06-29 | 2017-01-05 | The Procter & Gamble Company | Multi-component skin care product comprising nicoinamide riboside in a multi-chambered container |
CN108430449B (zh) | 2016-01-11 | 2023-01-24 | 宝洁公司 | 处理皮肤状况的方法以及用于其的组合物 |
EA201991185A1 (ru) | 2016-12-21 | 2020-01-13 | Юнилевер Н.В. | Композиции для личной гигиены, содержащие цистин |
CN110099672B (zh) * | 2016-12-21 | 2022-05-24 | 联合利华知识产权控股有限公司 | 具有氨基酸和烟酰胺化合物的局部皮肤增亮添加剂和组合物 |
EP3558256B1 (en) * | 2016-12-21 | 2023-03-29 | Unilever IP Holdings B.V. | Personal care compositions with glutathione precursor comprising nicotinamide and amino acids |
CN114788791A (zh) | 2017-06-23 | 2022-07-26 | 宝洁公司 | 用于改善皮肤外观的组合物和方法 |
CA3102288A1 (en) | 2018-07-03 | 2020-01-09 | The Procter & Gamble Company | Method of treating a skin condition |
EP4157206A1 (en) | 2020-06-01 | 2023-04-05 | The Procter & Gamble Company | Method of improving penetration of a vitamin b3 compound into skin |
US10959933B1 (en) | 2020-06-01 | 2021-03-30 | The Procter & Gamble Company | Low pH skin care composition and methods of using the same |
Family Cites Families (41)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3755560A (en) | 1971-06-30 | 1973-08-28 | Dow Chemical Co | Nongreasy cosmetic lotions |
GB1533119A (en) | 1975-04-10 | 1978-11-22 | Unilever Ltd | Skin lightening compositions |
US4421769A (en) | 1981-09-29 | 1983-12-20 | The Procter & Gamble Company | Skin conditioning composition |
CA2122271C (en) | 1991-11-25 | 1998-06-23 | Roy L. Blank | Use of salicylic acid for regulating skin wrinkles and/or skin atrophy |
US5939082A (en) | 1995-11-06 | 1999-08-17 | The Procter & Gamble Company | Methods of regulating skin appearance with vitamin B3 compound |
US6174533B1 (en) | 1997-05-23 | 2001-01-16 | The Procter & Gamble Company | Skin care compositions and method of improving skin appearance |
US5972359A (en) | 1997-05-23 | 1999-10-26 | The Procter & Gamble Company | Skin care compositions and method of improving skin appearance |
US6492326B1 (en) | 1999-04-19 | 2002-12-10 | The Procter & Gamble Company | Skin care compositions containing combination of skin care actives |
US20020022040A1 (en) | 2000-07-10 | 2002-02-21 | The Proctor & Gamble Company | Methods of enhancing delivery of oil-soluble skin care actives |
US6524598B2 (en) | 2000-07-10 | 2003-02-25 | The Procter & Gamble Company | Cosmetic compositions |
US6696049B2 (en) | 2000-07-10 | 2004-02-24 | The Procter & Gamble Company | Cosmetic compositions |
US7977049B2 (en) | 2002-08-09 | 2011-07-12 | President And Fellows Of Harvard College | Methods and compositions for extending the life span and increasing the stress resistance of cells and organisms |
US20040175347A1 (en) | 2003-03-04 | 2004-09-09 | The Procter & Gamble Company | Regulation of mammalian keratinous tissue using hexamidine compositions |
WO2006105440A2 (en) * | 2005-03-30 | 2006-10-05 | Sirtris Pharmaceuticals, Inc. | Nicotinamide riboside and analogues thereof |
US20060275237A1 (en) | 2005-05-09 | 2006-12-07 | Bissett Donald L | Skin care compositions containing idebenone |
WO2007011606A2 (en) * | 2005-07-18 | 2007-01-25 | Critical Therapeutics, Inc. | USE OF HMGBl ANTAGONISTS FOR THE TREATMENT OF INFLAMMATORY SKIN CONDITIONS |
CN101360421B (zh) | 2005-11-18 | 2014-06-18 | 康乃尔研究基金会有限公司 | 烟酰核苷组合物及其使用方法 |
US20070196344A1 (en) | 2006-01-20 | 2007-08-23 | The Procter & Gamble Company | Methods for identifying materials that can help regulate the condition of mammalian keratinous tissue |
US20080181956A1 (en) | 2007-01-31 | 2008-07-31 | The Procter & Gamble Company | Oil-in-water personal care composition |
CN101621987B (zh) | 2007-02-28 | 2013-08-21 | 宝洁公司 | 包含孟加拉榕树植物提取物的个人护理组合物 |
EP2140855A1 (en) | 2008-07-01 | 2010-01-06 | The Procter and Gamble Company | Cosmetic Composition |
DE602008004329D1 (de) | 2008-07-01 | 2011-02-17 | Procter & Gamble | Verfahren zur Reduzierung des Auftretens von kränklicher oder blasser Haut |
EP2140854A1 (en) | 2008-07-01 | 2010-01-06 | The Procter & Gamble | Cosmetic Composition |
US20100092408A1 (en) | 2008-10-14 | 2010-04-15 | Laurie Ellen Breyfogle | Resilient personal care composition comprising polyalkyl ether containing siloxane elastomers |
WO2010085532A2 (en) | 2009-01-22 | 2010-07-29 | The Procter & Gamble Company | Skin-care composition comprising dill extract |
US9676696B2 (en) | 2009-01-29 | 2017-06-13 | The Procter & Gamble Company | Regulation of mammalian keratinous tissue using skin and/or hair care actives |
US20110097286A1 (en) | 2009-01-29 | 2011-04-28 | Cheri Lynn Swanson | Compositions and methods for inhibiting par2 activation of keratinocytes |
US8329149B2 (en) * | 2009-12-30 | 2012-12-11 | Avon Products, Inc. | Topical lightening composition and uses thereof |
US20110262025A1 (en) | 2010-02-05 | 2011-10-27 | Bradley Bryan Jarrold | Cosmetic Compositions and Methods for Maintaining and Improving Barrier Function of the Stratum Corneum and to Reduce the Visible Signs of Aging in Skin |
US9132290B2 (en) | 2010-07-23 | 2015-09-15 | The Procter & Gamble Company | Cosmetic composition |
US10267796B2 (en) | 2010-10-25 | 2019-04-23 | The Procter & Gamble Company | Screening methods of modulating adrenergic receptor gene expressions implicated in melanogenesis |
WO2012068361A2 (en) | 2010-11-19 | 2012-05-24 | The Procter & Gamble Company | Compositions and methods for improving the appearance of facial texture |
EP2640346B1 (en) | 2010-11-19 | 2016-02-10 | The Procter and Gamble Company | Cosmetic compositions and methods for inhibiting or reducing trypsin activity based on cyclohexane-1,2,3,4,5,6-hexol and a n-acyl amino acid compound |
US20130022557A1 (en) | 2011-07-22 | 2013-01-24 | Cheri Lynn Swanson | Methods For Improving the Appearance of Hyperpigmented Spot(s) Using an Extract of Laminaria Saccharina |
US20120128683A1 (en) | 2011-11-22 | 2012-05-24 | Shantha Totada R | Autism treatment |
US20130243835A1 (en) | 2012-03-19 | 2013-09-19 | The Procter & Gamble Company | Superabsorbent polymers and silicone elastomer for use in skin care compositions |
US20140127332A1 (en) * | 2012-11-08 | 2014-05-08 | Catherine M. Bitler | Extracts |
US10117821B2 (en) | 2013-03-12 | 2018-11-06 | Avon Products, Inc. | Topical lightening composition and methods of use thereof |
NZ719328A (en) | 2013-10-30 | 2022-04-29 | Chromadex Inc | Nicotinamide riboside compositions for topical use in treating skin conditions |
MX2016016071A (es) * | 2014-06-06 | 2017-07-11 | Glaxosmithkline Intellectual Property (No 2) Ltd | Analogos de ribosido de nicotinamida y composiciones farmaceuticas y usos de los mismos. |
WO2016040246A1 (en) * | 2014-09-12 | 2016-03-17 | The Procter & Gamble Company | Method of making a skin care composition |
-
2016
- 2016-04-29 EP EP16721043.4A patent/EP3288529A1/en not_active Withdrawn
- 2016-04-29 JP JP2017557205A patent/JP2018515486A/ja not_active Withdrawn
- 2016-04-29 US US15/141,976 patent/US20160317418A1/en not_active Abandoned
- 2016-04-29 WO PCT/US2016/029943 patent/WO2016178944A1/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2016178944A1 (en) | 2016-11-10 |
US20160317418A1 (en) | 2016-11-03 |
EP3288529A1 (en) | 2018-03-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2018515486A (ja) | ニコチンアミドリボシドを用いた皮膚外観の改善方法及びそのための組成物 | |
CN101496799B (zh) | 芳香皮肤活性成份在制备用于抗皮肤衰老的组合物中的用途 | |
US20160317420A1 (en) | Method of improving the appearance of skin and compositions therefor | |
JP2018505130A (ja) | 皮膚状態を処置する方法及びそのための組成物 | |
AU2020203174A1 (en) | Topical compositions comprising a resorcinol and powders | |
CA3011834C (en) | Skin cosmetic composition comprising saccharin, maltol, and theobromine | |
CN105168008A (zh) | 抗皱用组合物和皮肤外用组合物 | |
EP3442662B1 (en) | Method of improving the appearance of periorbital dyschromia | |
Antoniou et al. | Cosmetic camouflage | |
KR102174798B1 (ko) | 안와주위 이상변색을 개선하기 위한 비시아 파바를 포함하는 화장 조성물 | |
CN104105473B (zh) | 皮肤美白组合物 | |
JP2023510930A (ja) | スキンケア組成物 | |
EP3442664A1 (en) | Method of improving the appearance of periorbital dyschromia | |
US20170296459A1 (en) | Method of improving the appearance of periorbital dyschromia | |
Srinivas et al. | Camouflage in vitiligo | |
Hettwer et al. | A New Class of Tyrosinase Inhibitors for Skin Luminosity | |
WO2023061962A1 (en) | A personal care composition comprising vitamin k2 and hydroxystearic acid | |
CN103153274A (zh) | 皮肤浅化组合物 | |
Mustafa et al. | Depigmenting efficacy of commercially available skin-lightening creams: Comparative analysis and in vivo evaluation | |
Donat | Innovative development in even skin tone: ingredients | |
KR20170049158A (ko) | 옥타펩타이드를 주성분으로 하는 피부 주름개선용 화장료 조성물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20180723 |