JP2018515117A - クロレラ・プロトセコイデス(chlorella protothecoides)のバイオマスを脱色するための発酵方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、発酵により生産されるクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)属の微細藻類のタンパク質に富むバイオマスを脱色する方法であって:従属栄養条件下および連続発酵条件下で微細藻類バイオマスを生産することを選択することと;増殖速度比μ/μmaxをモニターすることにより前記バイオマスの発色を変化させることと;を含むことを特徴とする、方法に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、微細藻類、より詳細には、クロレラ(Chlorella)属の微細藻類、さらに詳細には、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)種のバイオマスを脱色するための発酵方法に関する。
大型藻類および微細藻類は特定の物質を豊富に含むが、その大部分は未開拓のままである。これらのうち、飲食物用途、化学用途またはバイオエネルギー用途に利用されているものは今もごく僅かである。しかし、これらは非常に価値の高い成分を含んでいる。
実際、微細藻類は、ビタミン類、脂質、タンパク質、糖類、色素および抗酸化成分の供給源となる。
したがって、藻類および微細藻類は、これらを栄養補助食品、機能性食品、化粧品および医薬品の製造または水産養殖に使用する各産業分野から注目されている。
動物性タンパク質の世界的な需要増加(FAOの報告による)に対応するための代替源を模索する中で、微細藻類バイオマス(主としてそのタンパク質)の食品としての利用が益々盛んに検討されるようになっている。
さらに、欧州連合はもう何年もの間、植物性タンパク質の構造的欠損に悩まされている。近年ではその量が大豆換算で2千万トンを超えており、現在はその分を南アメリカから輸入している。
したがって、この「タンパク質不足」を減らすことが可能な方法として、特定のタンパク質に富む微細藻類の大量生産が考えられている。
広範な分析および栄養学的研究を行った結果、このような藻類タンパク質は従来の植物性タンパク質に匹敵するか、あるいはそれを上回る品質ですらあることが示されている。
それにもかかわらず、微細藻類由来の物質を官能的に許容される食品調製物に組み込むには高い製造コストと技術的困難性があるため、微細藻類タンパク質を広く普及させる取り組みは始まったばかりである。
実際、例えば、野外池で、またはフォトバイオリアクターを用いて光合成により培養した藻類から製造された藻体粉末が市販されてはいるが、これらはクロロフィルに由来する暗緑色を呈し、強力な不快味を有している。
これらの藻体粉末は、食品中または栄養補助食品として配合されていても、これらの藻体粉末は常に食品または栄養補助食品にこの視覚的に魅力的でない緑色を与え、不快な魚独特の臭みや海藻の味を与える。
したがって、より多くの多様な食品への使用を可能にする、適切な官能特性を有するクロレラ属の微細藻類バイオマスの組成物に対する要求は依然として不十分である。
提案された第1の解決策は、クロロフィル色素の含有量が低いかまたは存在しないクロ
レラ変異株(Chlorella variant)を選抜することであった。したがって、従来、プロトテカ(Prototheca)は無色のクロレラとして記載されている。
レラ変異株(Chlorella variant)を選抜することであった。したがって、従来、プロトテカ(Prototheca)は無色のクロレラとして記載されている。
第2の解決策は、脱色された突然変異株を選抜するために、親株にX線もしくは紫外線を照射するか、または化学的薬剤(NTG)もしくは物理的作用(熱処理)で処理することから構成される。
これらの突然変異株の培養は、淘汰圧を維持するために、好ましくは従属栄養条件下(暗所、グルコース等の炭素系栄養源の存在下)で実施される。
しかしながら、上述の技術的解決策は、これらの脱色された変異体の安定性や、バイオマスの他の注目成分の品質、豊富さおよび/または多様性を無条件に保証するものではない。
したがって、適切な官能特性と、タンパク質等の注目成分を依然として同程度に豊富に含み、より多くの多様な食品への使用が可能な、クロレラ属の微細藻類バイオマスの組成物に対する要求は未だ満たされていない。
本発明は、タンパク質に富むクロレラ属の微細藻類のバイオマスを脱色する方法であって:
従属栄養条件下および連続発酵条件下に微細藻類バイオマスを生産することと、
増殖速度比μ/μmaxを増加させることによって前記バイオマスの発色を抑えることと、
を特徴とする、方法に関する。
従属栄養条件下および連続発酵条件下に微細藻類バイオマスを生産することと、
増殖速度比μ/μmaxを増加させることによって前記バイオマスの発色を抑えることと、
を特徴とする、方法に関する。
好ましくは、微細藻類バイオマスは、連続発酵の実施をパラメータ化し、増殖速度比μ/μmaxが0.90以上、好ましくは0.95以上となるような方法で脱色される。
好ましくは、連続発酵はケモスタットで行われる。
好ましくは、タンパク質に富む微細藻類バイオマスのタンパク質含有量(N6.25で表した)は50%を超える。好ましくは、クロレラ属の微細藻類は、クロレラ・プロトセコイデスである。
したがって本発明は、バイオマスの発色を制御することによる、タンパク質に富むクロレラ(Chlorella)属微細藻類のバイオマスを製造する方法であって:
微細藻類バイオマスが従属栄養条件下および連続発酵条件下で生産されるように選択することと、
増殖速度比μ/μmaxを制御することにより前記バイオマスの発色を変化させることと、
を特徴とする、方法に関する。
微細藻類バイオマスが従属栄養条件下および連続発酵条件下で生産されるように選択することと、
増殖速度比μ/μmaxを制御することにより前記バイオマスの発色を変化させることと、
を特徴とする、方法に関する。
本発明における「タンパク質に富むバイオマス」という用語は、N6.25で表すタンパク質含有量が50%超、好ましくは53%超、さらに好ましくは55%超であるバイオマスを意味することを意図している。
好ましくは、クロレラ属の微細藻類は、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)およびクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)からなる群から選択され、より詳細には、クロレラ・プロトセコイデスである。特定の一実施形態において、株は、クロレラ・プロトセコイデス(UTEX 250株−米国テキサス大学オースティン校藻類カルチャーコレクション(The Culture Collection of Algae at the University
of Texas at Austin−USA))である。他の特定の実施形態において、株は、クロレラ・ソロキニアナ(UTEX 1663株−米国テキサス大学オースティン校藻類カルチャーコレクション)である。
of Texas at Austin−USA))である。他の特定の実施形態において、株は、クロレラ・ソロキニアナ(UTEX 1663株−米国テキサス大学オースティン校藻類カルチャーコレクション)である。
全く驚くべきことに、本発明者らは、発色が増殖速度比μ/μmaxと反比例することに気づいた。増殖速度比μ/μmaxが増加すると発色は弱くなり、増殖速度比μ/μmaxが低下すると発色は強くなる。
本発明のタンパク質に富むクロレラ属のバイオマスは、顕著な緑色で知られており、これは天然のクロロフィル含有量と関連している。
本発明において、「バイオマスの脱色」とは、緑色から黄色までの全ての色調を通過することにより、基調となる緑色を黄色に変化させることを意味することを意図している。
緑色または黄色の測定は、当業者に知られている任意の測色モデルを用いて実施することができる。
人間の知覚に基づくことから知覚モデルと称される、HSL(色相、彩度、輝度の頭字語)モデルを選択することができる。
HSLを決定する3基準は、色相、彩度、そして最後が輝度である。彩度は鮮やかな色から灰色まで変化するため、色の直感的な概念をよく反映している。輝度は黒(明るさゼロ、すなわち輝度値0)および白(明るさ最大、すなわち輝度値1)の間で測定される。
HSLモデルの主な利点は、輝度成分と有色成分とを明確に分離することである。色相および彩度は、目の色彩感覚に対応させた同一平面上にあり、一方、輝度は垂直軸上に配置される。
また、国際照明委員会(Commission Internationale de
l’Eclairage)[International Commission on Lumination]により制定された三次元デカルト座標系(L,a,b)からなるLab系を使用することも可能である。ここで、「L」軸は明度を表し、「a」軸は赤色〜緑色の間の色合いを表し、「b」軸は黄色〜緑色の間の色合いを表す。
l’Eclairage)[International Commission on Lumination]により制定された三次元デカルト座標系(L,a,b)からなるLab系を使用することも可能である。ここで、「L」軸は明度を表し、「a」軸は赤色〜緑色の間の色合いを表し、「b」軸は黄色〜緑色の間の色合いを表す。
例示のため、次に示す表に、本発明によるバイオマスを従来法で測定した場合の色の連続の端にある緑色および黄色の2色について、HSLモデルおよびLab系に従い測定値を示す(測定は3回実施した)。
以下に例示するように、本出願人会社は、生成したバイオマスの色を表すためにHSLモデルを用いることを選択した。Labモデルはむしろ、白色〜黄色の粉末の比色変化を測定するのに適している(黄色のバランス、「b」軸または「黄色度指数」を測定)。
本明細書における連続発酵方法は、より詳細には、1つの同一の発酵サイクル内で滅菌培地を添加すると同時に除去しながら発酵を実施することを意味すると理解されたい。
ただし、本明細書においてこの連続発酵方法の使用は、バイオマス生産性の高めるのではなく、生産されるバイオマスの色を制御することを意図している。
事実、驚くべきことに、かつ予期せぬことに、本出願人会社は、増殖速度比μ/μmaxを制御することによってバイオマスの発色を変化させることが可能であることを見出した。
この結果を説明するために、本出願人会社は、この連続発酵をケモスタットで実施することを推奨する。その場合、新鮮培地を一定の流速(F)で供給し、次いで等しい流速で発酵槽から除去し、一定の培養液量(V)を維持する。
この安定状態では、培養物の増殖速度「μ」は希釈率「D」に等しく、Dは、D=F/Vという関係で定義される。
バイオマスの濃度および他のパラメータは、発酵の動力学に応じた値で安定化する。
基本的に、当業者は、ケモスタット培養を用いることにより、増殖速度(μ)を最大増殖速度(μmax)と呼ばれる最大値を下回る値に制御することが可能になる。
これは、バイオマスの濃度および環境条件(pHや栄養素の濃度等の点で)が、(限られた)発酵時間を通して大きく変化し、当業者による増殖速度の制御が行われない、回分方式による培養とは対照的である。
ケモスタットにおいて細胞集団の増殖速度を決定する因子は、希釈率、すなわち制限栄養素の供給速度である。
本発明の方法において、これはグルコースである。
低希釈率で作動するケモスタットでは、グルコースは定常状態では非常に低い濃度で存在する。
その結果として、栄養成分の大部分が細胞内で変換され、バイオマス濃度は高くなる(同等の回分培養を行った場合の対数増殖期終了時の細胞濃度に近い)。
希釈率が増加するとグルコース利用性が高くなる。しかし発酵槽からの細胞の除去速度も高くなるため、バイオマス濃度は低下する。
Dがμmaxに近い値になると、培養液中の利用可能な栄養素を利用する細胞数が少な過ぎるため、栄養制限が消滅する。
発酵槽内に残存している細胞は、この制限栄養素が過剰に存在するため、その最大増殖速度で増殖する。
最終的にDがμmaxを超えると、もはや平衡状態を維持することができず、新たな細胞が生成する速度は、新たな培地の添加による希釈を回避するには不十分であり、その結果として発酵槽から細胞が流れ出してしまうため、発酵槽内の細胞数は減少し始める。
これらの情報から、生産性を高めるためにケモスタットで残留グルコースをゼロとして発酵を行うことが推奨される一方、当業者は、バイオマスを最大濃度で得るためにDがμmax未満となるようにケモスタットを作動することを選択する理由を説明することができる。
一方、本出願人会社は、μが増加してμmaxに近づくほど、生産性が増加するたけでなく、生産されるバイオマスが強力に脱色されることを見出した。
以下に例示するように、この連続発酵で使用されるパラメータを次に示す(これは以下
に例示する条件に依存する):
pH=5.2(10%(v/v)アンモニア水で調整)
pO2=30%(振盪しながら段階的に調整)
通気:1vvm(1.5L/分)。
平衡状態において:
供給流速=排出流速=0.120L/h〜0.180L/h
希釈率=μ=0.02h−1〜0.12h−1
バイオマス濃度=50g/L〜100g/L
グルコース濃度=100g/L〜200g/L。
に例示する条件に依存する):
pH=5.2(10%(v/v)アンモニア水で調整)
pO2=30%(振盪しながら段階的に調整)
通気:1vvm(1.5L/分)。
平衡状態において:
供給流速=排出流速=0.120L/h〜0.180L/h
希釈率=μ=0.02h−1〜0.12h−1
バイオマス濃度=50g/L〜100g/L
グルコース濃度=100g/L〜200g/L。
一例において、ケモスタットは、5回の交換(D=0.08h−1の場合62.5時間)中に平衡化する。5回分を交換した後、およびさらに7時間後に、ケモスタットの平衡状態を確認するために試料を採取した。
このようにしてμを0.08h−1から0.1h−1に増加させると、基本的な緑色のクロレラ・プロトセコイデスバイオマスは黄色に向かって徐々に脱色されることが見出された。
逆に、μが0.08h−1から0.06h−1に低下すると、バイオマスは緑の色合いが強くなる方向に発色する。
さらに、本発明による方法に必須のことであるが、発酵をケモスタットでこのように実施しても、生産されるバイオマスの組成が変化することはない。
以下に例示するように、増殖速度が遅くても(0.06h−1)、速くても(0.1h−1)、生産されたクロレラ・プロトセコイデスバイオマスの組成に有意な影響は認められなかった。
主な違いはむしろ生産速度にあり、これは全体として、μが高くなると向上する。
一例として、クロレラ・プロトセコイデスの場合、得られた最良の結果は、生産性が9.5gバイオマス/L/hを達成すると同時に、N6.25(%)で表されるタンパク質含有量を55%を超える値に維持することを可能にする。
繰り返しになるが、μの変動が生産されるバイオマスの色に大きな影響を与えることに気づいたことは一層驚くべきことである。
特定の理論に束縛されるものではないが、本出願人会社は、得られた結果(バイオマスの各測定結果をHSLモデルで表現した場合の、輝度Lに応じた色相Hに基づく)に関し:
・色相の変化は他の色素(カロテノイド)を隠すクロロフィルの産生が徐々に低下することに対応させることができ、
・さらに、輝度に関しては、色素の全濃度低下に対応させることができる、
と考えている。
・色相の変化は他の色素(カロテノイド)を隠すクロロフィルの産生が徐々に低下することに対応させることができ、
・さらに、輝度に関しては、色素の全濃度低下に対応させることができる、
と考えている。
以下に例示するように、「適正」な色と見なされる基準は(30〜60の範囲の色相と50〜230の範囲の輝度に関し):
・色相値が40未満であること
・輝度値が135超、好ましくは150超、さらに好ましくは170以上であること
である。
・色相値が40未満であること
・輝度値が135超、好ましくは150超、さらに好ましくは170以上であること
である。
以下に示す、例示的かつ非限定的な実施例によって、本発明がより明確に理解されるであろう。
実施例1:アクセレロスタットにおけるμmax値の決定およびμ/μmax比に応じたバイオマスの色変化
クロレラ・プロトセコイデスUTEX 250株(米国テキサス大学オースティン校藻類カルチャーコレクション)を使用した。
クロレラ・プロトセコイデスUTEX 250株(米国テキサス大学オースティン校藻類カルチャーコレクション)を使用した。
発酵をアクセレロスタットで実施した。これはケモスタットの変形であり、発酵槽が定常的な動的平衡に達することがない。実際、Dは低い値から開始して直線的に増加する。
この技術の利点は、幅広い希釈率に関し調査が行えることに加えて、実施した条件下における対象株のμmaxに速やかかつ正確に到達することにある。
バイオマスを100g/Lで生産するための発酵条件を次に示す:
供給培地
グルコース:200g/L
(NH4)2SO4:1g/L
NH4H2PO4:8g/L
MgSO4・7H2O:4.8g/L
FeSO4・7H2O:0.020g/L
CaCl2・7H2O:0.050g/L
ZnSO4・7H2O:0.025g/L
MnSO4・1H2O:0.020g/L
CuSO4・5H2O:0.001g/L
チアミン・HCl:0.020g/L
ビオチン:0.001g/L
ピリドキシン:0.010g/L
発酵の実施:
10%(w/v)NH4OHでpH5.2に調整した
培養温度:28℃
接種菌量:2Lの発酵槽(添加前は攪拌していない培地1.5L)に三角フラスコで前培養したOD750nm=15の前培養液0.5L Sigma S208消泡剤50%エタノール(v/v)を1時間当たり1秒の割合
振盪:開始時に300rpm 通気:空気1.5L/分
pO2調整:30%
供給培地
グルコース:200g/L
(NH4)2SO4:1g/L
NH4H2PO4:8g/L
MgSO4・7H2O:4.8g/L
FeSO4・7H2O:0.020g/L
CaCl2・7H2O:0.050g/L
ZnSO4・7H2O:0.025g/L
MnSO4・1H2O:0.020g/L
CuSO4・5H2O:0.001g/L
チアミン・HCl:0.020g/L
ビオチン:0.001g/L
ピリドキシン:0.010g/L
発酵の実施:
10%(w/v)NH4OHでpH5.2に調整した
培養温度:28℃
接種菌量:2Lの発酵槽(添加前は攪拌していない培地1.5L)に三角フラスコで前培養したOD750nm=15の前培養液0.5L Sigma S208消泡剤50%エタノール(v/v)を1時間当たり1秒の割合
振盪:開始時に300rpm 通気:空気1.5L/分
pO2調整:30%
ガス(O2/CO2)分析、750nmの吸光度、グルコース濃度および細胞重量は、μmaxの値を決定するために測定されるパラメータである。
図1に、課された希釈率に応じたO2消費量およびCO2産生量の変化を示す。
O2およびCO2は0.05h−1まで徐々に変化した後、急激に曲線が逆転するようである。
ガス測定と並行して、吸光度、グルコース含有量およびバイオマス含有量の動力学的変化をモニターする。
図2に得られた結果を示す。
繰り返しになるが、0.05h−1から始まり:
・残留グルコースの蓄積開始
・バイオマス曲線の屈曲(最初は細胞乾物75g/Lで安定)
が見られる。これは、ケモスタットが浸出段階に入り始めたこと、すなわち、課された条件下でのμが株のμmaxを上回ったことを示唆している。
・残留グルコースの蓄積開始
・バイオマス曲線の屈曲(最初は細胞乾物75g/Lで安定)
が見られる。これは、ケモスタットが浸出段階に入り始めたこと、すなわち、課された条件下でのμが株のμmaxを上回ったことを示唆している。
このように、この系では、再生するよりも速く細胞を除去し、それによって反応器内の細胞負荷の低減を引き起こし、消費されたO2は再び増加せず消費、CO2産生量は減少する。
吸光度の低下も同様に、μが0.05h−1から始まるバイオマス含有量の減少を反映している。
これらの全ての分析から、この選択された発酵条件下において、Dmax=μmax=0.05h−1であることがわかる。
産生されたバイオマスの色の測定は、HSLモデルに従って実施される。
図3に、希釈率に応じた色(色相および輝度)の変化を示す。
色相曲線および輝度曲線の変化はμmaxに直接依存する。
グラフ形式の3種の表現により、μ/μmax比に応じた色の変化、すなわち:
・μ/μmax比に応じた色相の変化(図4)
・μ/μmax比に応じた輝度の変化(図5)
を図示することが可能になる。
・μ/μmax比に応じた色相の変化(図4)
・μ/μmax比に応じた輝度の変化(図5)
を図示することが可能になる。
これらから、次のことが推測される:
・アクセレロスタットにおいて、色は時間と共に(すなわち、D値に応じて)非常に大きく変化する
・選択された作動条件下においてμがμmaxに近づく傾向にあるときに、最も黄色に近い、強く脱色されたバイオマスが得られる。
・アクセレロスタットにおいて、色は時間と共に(すなわち、D値に応じて)非常に大きく変化する
・選択された作動条件下においてμがμmaxに近づく傾向にあるときに、最も黄色に近い、強く脱色されたバイオマスが得られる。
実施例2:ケモスタットにおける平衡点の希釈率(したがってμ値)に応じたバイオマスの色の変化
平衡状態のバイオマス濃度が50g/Lとなるように培地の濃度を2分の1とすることを除いて、実施例1と同一条件下でケモスタットを実施する。この培地のμmaxは0.104h−1である。
平衡状態のバイオマス濃度が50g/Lとなるように培地の濃度を2分の1とすることを除いて、実施例1と同一条件下でケモスタットを実施する。この培地のμmaxは0.104h−1である。
平衡に達したら(5回交換)、様々な希釈率において次に示す測定を実施した。それにより、μ/μmax比が発色に与える効果が確認された:
これとは逆に、次に示すように、タンパク質含有量(N6.25および全アミノ酸)、全脂肪酸および全糖で表されるバイオマスの組成は有意に変化しない。
Claims (6)
- タンパク質に富むクロレラ(Chlorella)属の微細藻類のバイオマスを脱色する方法であって:
前記微細藻類バイオマスは、従属栄養条件下および連続発酵条件下で生産され、かつ
前記バイオマスの発色は、増殖速度比μ/μmaxを増加させることにより低下する、ことを特徴とする、方法。 - 前記微細藻類バイオマスは、連続発酵の実施をパラメータ化し、前記増殖速度比μ/μmaxが0.90以上になるような方法で脱色されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記微細藻類バイオマスは、連続発酵の実施をパラメータ化し、前記増殖速度比μ/μmaxが0.95以上になるような方法で脱色されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記連続発酵はケモスタットで実施されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- タンパク質に富む前記微細藻類バイオマスのN6.25で表したタンパク質含有量は、50%を超えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記クロレラ属の微細藻類は、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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