JP2018509550A - エミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと組み合わされた、ガスタービンエンジンの拡張された自動的ターンダウン - Google Patents

エミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと組み合わされた、ガスタービンエンジンの拡張された自動的ターンダウン Download PDF

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Abstract

GTエンジンの燃焼振動およびエミッションを測定し、所定の上限との関係においてチューニングするための自動チューニング制御器、および前記自動チューニング制御器によって実施されるチューニング方法を開示する。まずチューニング方法は、複数の燃焼器の燃焼振動およびエミッションを複数の状態についてモニタリングすることを含む。複数の条件のうち1つまたは複数が所定の上限を超えたとの判定に応じて、エンジンの全ての燃焼器の燃料回路への燃料流分配を、予め決まった量だけ調整する。制御システムは燃焼振動をモニタリングし、燃焼振動および/またはエミッションがGTエンジンの規定領域内において動作するまで、燃料流分配を所定の量ずつ繰り返し調整することを継続する。さらに、最小負荷を発見するためのGTエンジンの拡張された自動的なターンダウンの方法も開示する。

Description

本発明は一般的には、ガスタービンエンジンの自動チューニングに関する。具体的には、ガスタービンエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタル調整と組み合わせて、1つの燃焼器内における1つまたは複数の燃料流分配のインクリメンタル調整、ガス燃料温度のインクリメンタル調整、および/またはガスタービンエンジンへ供給される負荷のインクリメンタル減少を行うことにより、ガスタービンエンジンを自動チューニングするための制御システムを実現するための方法およびシステムを特定する。
ガスタービンエンジンは、機械的仕事または機械的推力を生成するように動作する。特に、陸上型ガスタービンエンジンは典型的には、発電のために当該ガスタービンエンジンに結合された発電機を備えている。ガスタービンエンジンの軸は発電機に結合されている。軸の機械的エネルギーを使用して発電機が駆動されることにより、少なくとも電力グリッドへ電気が供給される。発電機は、主遮断器を介して電力グリッドの1つまたは複数の要素とやりとりする。主遮断器が閉成している場合には、電気の需要があった場合に発電機から電流が電力グリッドへ流れることができる。発電機からの電流のかかる引込みによって、ガスタービンに負荷がかかる。この負荷は基本的には、発電機の電気出力を維持するためにガスタービンが克服しなければならない、当該発電機に加わる抵抗である。
ガスタービンエンジンの動作を調整するために、制御システムが使用されることが多くなっている。動作中、制御システムは、ガスタービンエンジンの圧力、温度、燃料流量およびエンジン周波数を含めた現在の動作状態を伝達する複数のインジケーションを受け取る。制御システムはこれに応答して、ガスタービンエンジンの入力に調整を行うことにより、当該複数のインジケーションに基づき、当該制御システムのメモリに符号化されたルックアップテーブルに照らして、ガスタービンエンジンの性能を変化させる。時間の経過に従い、ガスタービンエンジンの機械的劣化に起因して、または周囲温度または燃料成分等の動作状態の変化に起因して、この性能は好適な動作域から逸脱し得る。たとえばガスタービンエンジンは、規制エミッション限界を超えて動作を開始することがある。このように、制御システムを更新するために複数の手動チューニングが必要である。手動チューニングは実験室に集中しており、事業に関わる非効率性を引き起こし得るものであり、たとえばガスタービンエンジンのダウン時間の延長や、チューニング過程中のオペレータのエラー等を引き起こし得る。さらに、手動チューニングを行うことはできないが(たとえば高振動現象)ハードウェアに及ぼされる可能性のある損傷を防止するためにはチューニング作業を行うことが有利である特定の期間が存在するので、かかる期間中に自動チューニングを行うことにより、手動チューニングを使用した場合に典型的には失われてしまう利点を捉えることができる。
本発明の種々の実施形態の主題は、法上の要件を満たすべく本願開示の特定性を具備するよう記載されている。しかし、本願開示は特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。むしろ、権利請求されている主題は、本願明細書において記載されたものに類する種々の構成、部品、要素、組み合わせおよびステップを包含する種々の他の態様で、他の現存する技術および将来の技術と共に実施することができる。記載されているステップ順序が明示的に要求されていない限りは、用語は、本願にて開示されている種々のステップの特定の順序を黙示していると解すべきものではない。添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、図示されている種々の構成要素の数多くの異なる配置、および図示されていない構成要素の用法が可能である。さらに、本概要は、権利請求している主題の重要な構成または本質的な構成を特定することを意図したものではなく、また、権利請求している主題の範囲の判断を助けるものとして分離して使用されることを意図したものでもない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって特定される。
本発明では、ガスタービンエンジンの動作状態をモニタリングして、所定の上限を超える状態に応答する、新規の手法を開示する。さらに、ガスタービン(GT)エンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと組み合わせて負荷をインクリメンタルで減少させることによりGTエンジンの拡張された自動的ターンダウン(AET) を行う新規の手法も開示する。最初に、複数の異なるエンジン動作状態および基準をモニタリングすることができる。たとえばこの動作状態には、エミッション、希薄吹き消え(LBO)、コールドトーン(CT)、ホットトーン(HT)およびスクリーチ音等の燃焼器振動モードが含まれ得るが、これらは限定列挙ではない。モニタリングされている動作状態が1つまたは複数の所定の上限を超えた場合、当該状態をこの上限内に収めるように調整するためにエンジンパラメータを変化させることができ、これによりGTエンジンをチューニングすることができる。
具体的には、GTエンジンの各燃焼器内の圧力変動(「燃焼振動」とも称される)を (たとえば圧力トランスデューサを用いて)検出することができる。 次に、圧力信号にフーリエ変換を施して、圧力信号を振幅対周波数の形式に変換することができる。所定の時間枠内における所定の周波数帯での最大振幅を、所定の圧力上限または警報レベル上限と比較することができる。比較に伴い、圧力上限を最大振幅が超えることが確認された場合、適切な修正措置をとる。一部の事例では、この適切な措置は手動で行われる。他の一事例では、適切な措置は制御システムによって実施される。たとえば制御システムは、燃焼器の燃料回路内における1つまたは複数の燃料流分配を変化するプロセスを開始し、またはインクリメンタルチューニングとの組み合わせで負荷のインクリメンタル減少を開始することができる。一実施形態では、一度に1つの燃料流分配が、1つの予め決まった増分だけ変化する。ここでいう「予め決まった増分」とは、制限的と解すべき意味ではなく、燃料流分配の広範な範囲の調整も含むことができる。一事例では、予め決まった増分は、燃料流分配のうち1つまたは複数に一貫して適用される画一的な調整量である。他の一事例ではこの予め決まった量は、複数の燃料流分配にわたって変化する変動的な調整量、または特定の燃料流分配に対する個別の調整において変化する変動的な調整量である。このように燃料流分配を変化させることにより、燃焼器内における燃料空気混合が変化し、これにより燃焼シグネチャに影響が及ぼされる。この燃焼シグネチャに影響が及ぼされると、圧力変動が変化する。
調整後の燃料流分配がその振幅を許容範囲内に移動したか否かを検証するためには、上述の変化した燃焼振動振幅を、安定化した後に所定の上限と再度比較する。振幅が所定の上限を上回ったままである場合には、予め決まった増分だけ燃料流分配を再度調整し、必要に応じてこのプロセスを再帰的に繰り返す。有利には、一貫して、かつ画一的に、同一の予め決まった増分で燃料流分配を変化させる。このことにより、所定の上限を超えるたびにカスタマイズされた増分値を計算するための処理時間が削減される。
これに対応して、自動チューニング方法の一実施例では、GTエンジンをモニタリングおよび制御するための制御システムを開示し、この制御システムは一般的に、燃焼器の自動チューニングに関するプロセスの大部分を管理し、「自動チューニング制御器」と称することができる。最初に本方法は、燃焼器の燃焼振動およびエミッションを複数の状態についてモニタリングすることを含む。これら複数の条件のうち1つまたは複数が所定の上限を超えたとの判定に応じて、燃料回路への燃料流分配を、予め決まった量だけ調整する。制御システムまたは自動チューニング制御器は、燃焼振動が所定の上限を下回るまで燃焼振動のモニタリングと燃料流分配の所定の量だけの動的調整とを継続する。
また、自動チューニング方法の他の代替的な一実施形態では、GTエンジンをモニタリングし、モニタリングから回収されたデータに基づいてGTエンジンを自動調整する。一般的にこの自動調整は、燃焼振動およびエミッションを好適な動作域内または限界より上/下に維持するために燃料流分配を上方向または下方向に増分することを含む。特に、この代替的な方法は最初に、モニタリングのステップ中に燃焼器内の圧力信号を検出することを含む。モニタリングのステップの次に、またはモニタリングのステップと同時に、検出された圧力信号にアルゴリズムを適用する。一事例ではアルゴリズムの適用は、圧力信号にフーリエ変換を行うことによって圧力信号を周波数ベースのデータまたはスペクトルに変換することを含む。周波数ベースのデータの振幅は、複数の異なる条件について、所定の上限(振幅)と比較される。周波数ベースのデータの振幅が各自の所定の上限を超えていると判定された場合には、燃料流分配においてインクリメンタル調整を行う。一事例ではインクリメンタル調整は、固定量または予め決まった量で行われる燃料流分配の変化である。かかるインクリメンタル調整は、検査対象の周波数帯および/または調整対象の燃料回路の種類に依存して燃料流分配を増加または減少させることができる。代替的な本方法は、GTエンジンが提案された領域内で動作していることを周波数ベースのデータが示すまで再帰的に繰り返される。
一事例では、上述の代替的なプロセスが再帰的に繰り返された回数が、特定の燃料回路に係る燃料流分配が最大許容値に達する回数になった場合、第2の燃料回路に影響を及ぼす第2の燃料流分配を、予め決まった固定量だけ調整することができる。測定された周波数ベースのデータが、GTエンジンが提案された範囲内で動作していることを示唆している場合には、当該代替的なプロセスを終了させる。そうでない場合には、周波数ベースのデータの振幅が許容レベルに移動するか、または第2の燃料流分配の最大許容値に達するまで、同一の予め決まった固定量だけ第2の燃料流分配を再帰的に調整する。実施形態では上述の予め決まった固定量は、どの燃料流分配をモニタリングしているか、特定の燃料流分配に施された調整の増分の数、または燃料流分配の調整に影響を及ぼす他の状態もしくはパラメータに基づいて変わり得る。
他の一事例では、上述の代替的なプロセスが再帰的に繰り返された回数が、特定の燃料回路に係る燃料流分配が最大許容値に達する回数になった場合、燃料流分配のインクリメンタル調整を中断する。インクリメンタル調整の中断に応答して、GTエンジンの動作を特定の性能領域内に収めるため、ガス温度の調整を呼び出すことができる。ガス温度の調整がGTエンジンを適切にチューニングすることに失敗した場合、オペレータに対して警報インジケーションを伝達する。この警報インジケーションは、コンソール、ページャ、モバイル装置、または電子メッセージを受信してオペレータへ通知を中継するために適した他の技術装置へ伝送することができる。オペレータは、燃料ガス温度の増分またはエンジン燃焼温度の増分の選択肢を与えられる。この選択肢を選択した場合、自動チューニング制御器はこれらのパラメータのうちいずれかをインクリメンタルで調整し、ユニットが規制内になるまで、または最大限界に達するまで、当該プロセスを繰り返す。このプロセスが成功しなかった場合には、自動チューニングがガスタービンエンジンの動作を提案された領域内に収めることに失敗したこと、およびチューニングの完了前に燃焼器または制御システムに手動調整を行うことが推奨されることを、警報インジケーションがオペレータに対して警告することができる。
GTエンジンをチューニングするために燃料流分配を調整する他、インクリメンタルチューニングと組み合わされたAETを使用して、GTエンジンの最適な負荷を発見することもできる。AETにより、基準のモニタリングおよびインクリメンタルチューニングによって燃焼振動およびエミッションを好適な動作域内に維持しながら、GTエンジンにおける負荷のインクリメンタル低下を行うことができ、これにより、動作状態および基準の所与のセットについてGTエンジンにおける負荷を最適化することができる。AETにより、GTエンジンのオペレータはいかなる時においても自動チューニングを開始させることができ、たとえば、環境条件が変化したとき、または他の理由によりチューニングが好適であるが手動のチューニングが不可能または非実際的であるときに、自動チューニングを開始させることができる。規則的なターニングにより、選択されたパラメータを所望の領域内に維持しながらGTエンジンを負荷動作限界(LOL)のより近くで一貫して動作させることができ、これにより、GTエンジンによる出力をより効率的にすることができる。また、手動チューニングを行う必要もなくなり、これにより、スケジューリングされたチューニング中断なしでGTエンジンを動作させることができ、かつ保守コストも低くなる。AETを燃料流分配調整と組み合わせて使用して、動作状態の所与のセットについて、タービン性能が最適な新規のより低い動作負荷と、これに対応する新規のタービン参照温度(TTRF)と、を求めることができる。
AETの一実施形態では、新規の最小TTRFを発見するためにインクリメンタルチューニングと組み合わされた負荷低下方法を開示する。GTエンジンに供給される負荷は、延長された期間にわたってGTエンジンが予混合燃料モードで運転できるGTエンジンの動作温度である動作TTRFに相当する。TTRFは、GTエンジンに供給される負荷の手動チューニングによって伝統的に行われる負荷較正によって設定される。上記にて説明したように、手動チューニングは、欠点を最小限にするため、間隔をおいた規則的な期間に行われる。GTエンジンの動作フレキシビリティを最大限にするためには、全ての制御パラメータを満足する最小動作負荷と、これに対応する最小TTRFと、を較正して、GTエンジンの動作中に可能な限り一貫して使用する必要がある。インクリメンタルチューニングを伴うAETによって、GTエンジンの動作フレキシビリティを最大限にするために動作条件を合致させるために希望される頻度で、オペレータは新規の負荷と、これに対応する新規のTTRFと、を較正およびチューニングすることができる。
高レベルでは、GTエンジンまたは対応する自動チューニング制御器に、AETを開始するための入力が供給された場合、AETは開始する。複数の動作基準(具体的には、上記にて説明したエミッションおよびダイナミクスに関するパラメータを含めたパラメータ)を検査し、これらの基準を満たす場合、GTエンジンにおける負荷を、予め決まった増分だけ低下させる。負荷が低下するごとに、GTエンジンのパラメータおよび基準をモニタリングして、これらがコンフィギュレーション設定限界内に留まっているか否か、GTエンジンを「チューニングされた状態」に維持しているかを判定する。1つまたは複数のモニタリング対象のターンダウン基準を満たさない点まで(たとえば、許容限界またはコンフィギュレーション設定限界を超える点まで)負荷が低下した場合には、負荷をそのレベルに維持して、インクリメンタルチューニングプロセスを開始する。この段階におけるインクリメンタルチューニングは、チューニングマージンを調整するためにオペレータによってチューニングノブを使用して手動で制御することができ、または自動チューニング制御器によって自動的に制御することができる。一例としては、燃料分配を調整することによりチューニングを実施することができる。1回または複数回のチューニング試行(ユーザ設定)後にチューニングによってモニタリング対象の基準が許容範囲まで回復した場合には、プロセスを継続するために追加の予め決まった増分だけ負荷を低下させて、インクリメンタルの負荷低下を継続させる。
チューニングによってモニタリング対象のパラメータが許容範囲またはコンフィギュレーション設定限界まで回復しない場合には、最初にパラメータがチューニング外れになったか、またはそれより後の低下ステップでチューニング外れになったかにかかわらず、オペレータまたは自動チューニング制御器は、選択された回数(たとえば3回)だけ負荷のチューニングを試行することにより、GTエンジンをチューニングされた状態に戻して各モニタリング対象の基準をコンフィギュレーション設定限界内に戻すのに十分な程度に、負荷を調整することができる。チューニング外れの1つまたは複数のパラメータまたは基準が、選択された回数後もコンフィギュレーション設定限界内にならない場合、またはチューニングマージン(たとえばPM1燃料分配マージン)を使い果たした場合には、全ての基準およびパラメータが満たされていた事前に特定された負荷まで、負荷を上昇させる。これはGTエンジンにおける新規の最小負荷となり、これに対応するTTRFは、所与の圧縮器入口温度(CTIM)に係る新規の最小負荷ターンダウンTTRFとなる。この最小負荷ターンダウンTTRFは、新規の負荷および対応するTTRFを較正すべきと判定されるまで、GTエンジンによって使用することができる。
ターンダウン中にはしばしば、GTエンジン用の制御システムに、GTエンジンの幾つかの失火防止措置が組み込まれることが多い。この防止措置には、
チューニングノブ限界の制限、
過渡的負荷状態中に使用できる過渡的チューニングアルゴリズム、
GTエンジンによる予混合燃料モードのトランスファアウトが起こりそうである旨を示すオペレータ警報、
新規のCTIM範囲に入る旨を示すオペレータ警報、または
最小負荷バッファレベル
が含まれ得る。最小負荷バッファレベルに関しては、新規の最小TTRFを使用して複数の異なるTTRF動作レベルを算出することができる。最小TTRFによって、GTエンジンが予混合燃料モードにおいて動作するために許容される最小TTRFであって、当該最小TTRFを下回ると希薄信号が設定限界を超えるTTRFが提供される。この場合、燃料モードを変更しないと、動作パラメータを超過してGTエンジンの失火が生じる。このことにより、警報状態またはセーフティ状態がトリガされ、動作中に燃料切換えまたは失火を回避することが好適となる。予混合燃料モードのトランスファアウトが生じる前にTTRFが最小TTRFに達しないようにトランスファアウト点を提供するためには、より高温のTTRFを較正および記憶することが多い。このより高温のTTRFは、「トランスファアウトTTRF」と称される。トランスファアウトTTRFは、当該最小TTRFより高いトランスファアウトTTRFを得るために動作条件の所与のセットについての最小TTRFをとり、第1の選択された温度マージンを加算することによって、算出することができる。このトランスファアウトTTRFは、最小TTRFより下回る前に燃料モードの切換えをトリガして、失火または他の警報もしくはセーフティ状態を回避する。最小TTRFを使用して算出されるトランスファアウトTTRFを採用することにより、GTエンジンの動作安定性を高くすることができる。
さらに、動作TTRFを算出することもできる。動作TTRFは、延長された期間にわたってGTエンジンが予混合燃料モードにおいて安全かつ有効的に運転できる最小負荷に相当する。動作TTRFは、通常動作中に動作状態の所与のセットについてGTエンジンが最も効率的に運転するTTRFである。正確な動作TTRFが得られるように負荷をチューニングすることが有利である。というのも、このようにすると、GTエンジンをLOLのより近くで動作させることができるからである。インクリメンタル負荷低下を、燃料流分配の調整によるインクリメンタルチューニングと組み合わせて使用することにより、GTエンジン負荷を所望の通りにチューニングおよび最適化することができる。
本発明の他の利点および構成については、下記にてその一部を記載しており、他の一部については、当業者が以下の説明を参酌すれば明らかであり、または本発明の実施により知ることができる。以下、添付の図面を具体的に参照して本発明を説明する。
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
本発明の実施形態にて使用されるのに適したチューニング環境例のブロック図である。 本発明の一実施形態の燃料濃厚状態において推奨される燃料流分配調整を例示する図である。 本発明の一実施形態の2つの噴射ポートを備えた燃焼器において推奨される燃料流分配調整を例示する図である。 本発明の一実施形態の、燃焼器から測定結果を収集して当該測定結果に基づき燃料流分配を変更することを含むチューニングプロセスを実施するために自動チューニング制御器を使用する全体方法のフローチャートである。 本発明の一側面の、エミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンを行う第1の全体方法のフローチャートである。 本発明の一側面の、ガスタービンエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンを行うためのチューニング環境例のブロック図である。 本発明の一側面の、GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンを行う第2の全体方法のフローチャートである。 本発明の一側面の、GTエンジンの選択された最小TTRF、トランスファアウトTTRFおよび動作負荷TTRFを、モニタリング対象の動作基準を含めて示すグラフである。 本発明の一側面の、GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に行われる、拡張された自動的ターンダウンを、モニタリング対象の動作基準を含めて示すグラフである。
ここで本発明の主題について、法上の要件を満たすべく特定性を具備するよう記載されているが、当該記載自体は、当該特許権の範囲を限定することを意図したものではない。むしろ本願発明者が意図していることは、権利請求されている主題は、本願明細書において記載されたものに類する別の構成要素、構成要素の組み合わせ、ステップ、またはステップの組み合わせを包含する他の態様で、他の現存する技術および将来の技術と共に実施し得ることである。
当業者に明らかであるように、本発明の実施形態は、特にメソッド、システムまたはコンピュータプログラム製品として具現化することができる。よってこれらの実施形態は、ハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施形態をとることができる。一実施形態では本発明は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ使用可能な命令を含むコンピュータプログラム製品の形態をとる。
コンピュータ可読媒体は、揮発性ならびに不揮発性の双方の媒体、リムーバブルならびにノンリムーバブルの双方の媒体を含み、また、データベース、スイッチおよび種々の他のネットワークデバイスにより読取り可能な媒体を想定している。ネットワークスイッチ、ルータおよび関連の構成要素は、これと通信する手段としての本質としては従来通りである。たとえば、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含むが、これらは限定列挙ではない。
コンピュータ記憶媒体または機械可読媒体は、情報を記憶するための任意の手法または技術で具現化された媒体を含む。記憶される情報例には、コンピュータ使用可能な命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータ表現が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD‐ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ホログラフィ媒体または他の光学ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置および他の磁気記憶装置が含まれるが、これらは限定列挙ではない。これらの記憶要素は、データを一瞬のみ、一時的に、または永続的に記憶することができる。
通信媒体は典型的には、被変調データ信号にコンピュータ使用可能な命令(データ構造およびプログラムモジュールを含む)を記憶する。「被変調データ信号」との用語は、当該信号中に情報を符号化するように設定または変化した、当該信号の特性のうち1つまたは複数を含む、伝播される信号をいう。被変調データ信号例として、搬送波または他の搬送メカニズムが含まれる。通信媒体には、あらゆる情報伝達媒体が含まれる。たとえば通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および音響技術、赤外線技術、無線技術、マイクロ波技術、拡散スペクトラム技術および他の無線媒体技術等の無線媒体が含まれるが、これらは限定列挙ではない。上掲の媒体の組み合わせは、コンピュータ可読媒体の範囲に包含される。
上記のように、本発明の実施形態は一般的に、GTエンジンの自動チューニングに関するものである。図1を参照すると、複数の燃焼器115を備えているGTエンジン110が示されている。全般的に説明のため、GTエンジン110は任意の低エミッション燃焼器を備えることができる。一事例ではこれらの低エミッション燃焼器は、GTエンジン110まわりにカニュラー構成で配置することができる。一形式のGTエンジン(たとえばヘビーデューティGTエンジン)には典型的には、それぞれ燃焼器内筒、エンドカバーおよびケーシングに嵌められた6〜18個の個別燃焼器を設けることができるが、これに限定されない。他の一形式のGTエンジン(たとえばライトデューティGTエンジン)に設ける燃焼器は、より少なくすることができる。よって、GTエンジンの形式に基づいて、当該GTエンジン110を動作させるために使用される複数の異なる燃料回路を設けることができる。さらに、GTエンジン110に取り付けられる複数の各燃焼器115にそれぞれ対応した個別の燃料回路を設けることも可能である。このように、自動チューニング制御器150、およびこれにより実行されるチューニングプロセス(図4の符号400を参照のこと)を任意の数の構成のGTエンジンに適用することができること、また、以下記されているGTエンジンの形式は、本発明の範囲を限定するものと解すべきものではないことは明らかであり、またそのように解すべきである。
上記のように、複数の燃焼器115(たとえば低エミッション燃焼器)は、燃焼器内筒内における圧力変動のレベルの上昇を生じやすくなり得る。かかる圧力変動は、「燃焼振動」と称される。燃焼振動は単独でも、複数の燃焼器115の完全性および寿命に著しい影響を与え得るものであり、場合によっては深刻な故障の原因にもなる。かかる燃焼振動は、複数の燃焼器115内部の複数のノズル群間での燃焼器ガス流の燃料流分配の調整によって緩和することができる。一般的には、複数の各燃焼器115について燃料流分配を調整することにより、個別のバーナレベルでチューニングするのとは逆に、燃焼器(バーナ)を同様にチューニングするのが普通である。これらの異なる「燃料流分配」は、燃焼振動を許容レベル(通常は低レベル)に維持しながら、同時に許容エミッションレベルが促進されることを保証するために、時々チューニングされる。許容エミッションレベルは、GTエンジン110によって発生する汚染量に関連するものである。燃料回路ごとに燃料流分配を調整するスケジュールは、典型的には、GTエンジン110の制御システム(図示されていない)にハードコーディングされている。一事例では、かかるスケジュールは参照量の関数であり、この参照量は特に、タービン入口参照温度(TIRF)またはGTエンジン110における負荷とすることができる。
時間の経過と共に、複数のパラメータが燃焼振動に影響を及ぼすことになる。特に周囲状態の変化および/またはガス組成の変動および/または通常摩耗が、GTエンジンの動作を劣化させ得る。かかる劣化が生じることにより、燃焼振動およびエミッションを許容限界内に維持するための燃焼器の定期的な「再チューニング」が行われることになる。ここで説明するように、自動的チューニング制御システムまたは図1の自動チューニング制御器150は、GTエンジン110および複数の燃焼器115の状態を、たとえば燃焼振動、空気流、燃料流、エミッションおよび圧力分布等のパラメータについて推定するために使用される。これらのパラメータに基づいて、圧力パルスの振幅が所定の上限を超えたとの判断に応答して設定された警報が解除されるまで、燃料流分配をインクリメンタルで調整することにより、適切な燃料流分配が達成される。よって本発明の実施形態は、燃料流分配の小さくて一貫性のあるインクリメンタル変化を用いることにより燃焼振動およびエミッションの自動的チューニングを行うことができる自動チューニング制御器150と、これに関連するチューニングプロセスとに関する。
自動チューニング制御器150によって実施される全体のチューニングプロセスは、以下にて直ちに説明するステップのうち1つまたは複数を含むことができる。最初に、複数の燃焼器115の圧力信号の種々の形態をモニタリングおよび記録する。この記録された圧力信号はフーリエ変換に通され、圧力信号は振幅対周波数データ形式またはスペクトルに変換される。その後、振幅および周波数をモニタリングして、所定の周波数帯ごとに振幅と所定の上限とを比較する。この所定の上限は一般的には、所定の周波数帯ごとにポンド毎平方インチ(psi)で定義される。しかし他の事例では、燃焼器115の性能を測定するために他の形式の装置を使用する場合(たとえば加速度計)、所定の上限を他の表記または単位で表現することも可能である。周波数ベースの振幅のうち1つまたは複数が、所定の周波数帯ごとに各自の所定の上限を上回っているとの判定がなされた場合には、自動チューニング制御器150はまず、どの燃料流分配を調整すべきかを決定し、次に、特定の周波数帯に対応付けられた燃料流分配を変化させる。燃料流分配になされるこの調整は、予め決まった量で行われる。
上述の燃料流分配調整が行われた後、そのプロセスを繰り返す。具体的には、所定の複数の周波数帯について振幅をモニタリングして、所定の上限と比較するステップと、振動圧力振幅が当該所定の上限を超える場合、予め決まっている燃料流分配を調整するステップと、を繰り返す、ということである。特に、振動圧力振幅が、所定の上限を超えて外れていると判断されるときは、燃料流分配に同一の所定の調整を行う。チューニングプロセスは、振動圧力振幅が、所定の上限を下回るまで、または燃料流分配をこれ以上調整できなくなるまで、必要に応じて繰り返される。
第1の燃料流分配をこれ以上調整できなくなった場合には、第2の燃料流分配を第2の所定の率だけ調整して、チューニングプロセスを繰り返すか、またはオペレータに対して警報インジケーションを発する。この第2の燃料流分配の調整に関しては、チューニングプロセスは、振動圧力振幅が、所定の上限を下回るまで、または第2の燃料流分配をこれ以上調整できなくなるまで繰り返される。第2の燃料流分配をこれ以上調整できなくなった場合は、第3の燃料流分配または更なる燃料流分配を調整する。
直前の記載では、複数の燃料流分配を順次反復して調整するパターンについて説明したが、当該分野における通常の知識を有する者であれば、燃料流分配を調整する他の形式の適切なパターンを使用できること、および本発明の実施形態は、一度に対象とする燃料流分配が1つである上述のパターンに限定されないことを理解することができ、かつ明らかである。たとえば一実施形態のチューニングパターンは、振動圧力振幅が、所定の上限を下回るまで、または特定の反復回数に達するまで、どちらが先に発生したかにかかわらず、予め決まった増分だけ第1の燃料流分配を反復して調整することができる。上述の特定の反復回数に達した場合には、チューニングパターンは、振動圧力振幅が、所定の上限を下回るまで、または他の特定の反復回数に達するまで、どちらが先に発生したかにかかわらず、他の予め決まった増分だけ第2の燃料流分配の反復的な調整をさせる。当該他の特定の反復回数に達した場合、チューニングパターンは第1の燃料流分配に戻る。特にチューニングパターンは、振動圧力振幅が、所定の上限を下回るまで、または第3の特定の反復回数に達するまで、どちらが先に発生したかにかかわらず、予め決まった増分だけ第1の燃料流分配の反復的な調整を再びさせる。その後、チューニングパターンは第2の燃料流分配に戻ることができ、または調整のために第3の燃料流分配へ転換することができる。
本発明の一側面では、燃料流分配調整の他にさらに、 最小負荷を発見するために、GTエンジンの燃焼器について、エミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと組み合わせてAETを実施する方法も開示する。AETは、新規の最小TTRF、新規のトランスファアウトTTRFおよび新規の動作TTRFを較正するために用いることができる。これは、「最小負荷を発見」と表記したボタンまたは作動部のオペレータ選択とすることができる。ターンダウンステップは再帰的に繰り返すことができ、また、新規の最小TTRF、新規のトランスファアウトTTRFおよび新規の動作TTRFが較正されるまで継続することができる。本方法は、GTエンジンについてAETを行うための入力を受け取ることを含むことができる。入力を受け取った後、GTエンジンの1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定することができる。1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすとの判定がなされた場合において、現在のTTRFとトランスファアウトTTRFとの差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合、トランスファアウトTTRFを一時的に低下させることができる。GTエンジンにおける負荷を指定量だけ低下させるための信号を送信することができる。この指定量は、ユーザ定義されるもの、またはインクリメンタルベースとすることができる。負荷を低下させる間および低下させた後、GTエンジンの当該1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定する。ターンダウン基準が全て満たされている場合、負荷を上記の指定量だけ再び減少させることができる。
負荷を低減し、かつターンダウン基準のうち1つまたは複数を満たさないと判定される場合、負荷のチューニングを開始することができる。このチューニングは、上述のような燃料流分配の調整、または他のチューニング手法を含むことができる。チューニングによってターンダウン基準の全てを再度満たすこととなった場合、AETは進行し、追加のステップで負荷を低下させることができる。チューニングを開始した後においてターンダウン基準のうち1つまたは複数を満たさないと判定された場合、チューニングマージンが使い果たされるまで、またはチューニングが失敗した回数が選択された回数になるまで、反復的なチューニングを試行することができる。チューニング後にモニタリング対象の基準の全てを満たさないと判定された後は、当該ターンダウン基準全てを満たした負荷であって以前特定された負荷に対応するTTRFを、GTエンジンの選択されたCTIMについての新規の最小TTRFとして記憶することができる。
負荷を増加または低減させ、所望の動作基準をモニタリングすることにより、全ての動作基準を満たしかつチューニングマージンに可能な限り近い最小TTRFを達成する負荷を較正して、必要に応じた回数でチューニングプロセスを再帰的に繰り返すことができる。AET中は、負荷を、繰り返しの各ステップにおいて同一のコンフィギュレーション設定量、または手動で変化されるコンフィギュレーション設定量で低減することができる。たとえば、各負荷低減ステップにおいて負荷を5MWずつ、またはオペレータにより選択された別の量で、または自動チューニングシステムにプログラミングされた量で低減させることができる。システムは、オペレータがプロセスをオーバーライドして、要望に応じて負荷低減の大きさを増加または低減できるように構成することができる。
最小TTRFを記憶したCTIM、または最小TTRFに対応するCTIMは、動作状態および動作環境と、実際のCTIMに対する最小TTRFの所望の精度とに依存して、1つまたは複数のCTIM範囲に相当することができる。たとえば、第1のCTIM範囲は25°F未満の温度に相当することができ、第2のCTIM範囲は25°F〜50°Fの間の温度に相当することができ、第3のCTIM範囲は50°F〜75°Fの間の温度に相当することができ、第4のCTIM範囲は75°F超の温度に相当することができる。これらのCTIM範囲はGTエンジンの入口の温度に相当し、これは年間を通じて変動する。これらの範囲は、実際のCTIMの変動の下で周波数チューニングによって、より良好な性能を発揮するためにGTエンジンをどのようにして、よりLOLに近づけて動作させることができるかを示すものである。その結果として、周波数ごとにAETを使用することによって、(手動チューニングと比較して)GTエンジンの動作フレキシビリティを拡大することができ、負荷および所望の基準をCTIMに、より一致整合させることができる。
GTエンジンの動作中にモニタリングされる複数の異なるターンダウン基準およびパラメータは、上述のように、1つまたは複数の圧力トランスデューサを使用して測定される状態、エミッション試験装置を使用して測定される状態、加速度計を使用して測定される状態、およびGTエンジンの動作をモニタリングできる他の物を使用して測定される状態とすることができる。限定列挙ではないモニタリング対象となるターンダウン基準の例には、希薄吹き消え(LBO)、コールドトーン(CT)、ホットトーン(HT)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、および燃料分配弁の位置(たとえばPM1)、または上掲の全てのターンダウン基準の最小値、最大値もしくは平均値が含まれ得る。GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスに関する追加のパラメータもモニタリングすることができる。チューニングが十分であるか否かを示して、適切な最小TTRFのインジケーションを与えるため、これらのパラメータ、またはGTエンジンの動作に関する他のパラメータを使用することができる。
AETを使用して新規の最小負荷ターンダウンTTRFを算出する他、新規のトランスファアウトTTRFを得るために、この最小負荷ターンダウンTTRFに第1の選択された温度マージンを加算することによって、最小負荷ターンダウンTTRFから新規のトランスファアウトTTRFを算出することができる。このトランスファアウトTTRFの算出は、AETが完了した後に行うことができ、トランスファアウトTTRFの一時的な変更は取り除かれる。上記にて説明したように、トランスファアウトTTRFは、 燃料切替え、失火または警報作動状態を防止するための所望の動作安全性レベルに相当することができる。たとえば、トランスファアウトTTRFが最小負荷ターンダウンTTRFより15度高くなるように、1つの第1の選択された温度マージンを15度とすることができる。選択された温度マージンは、GTエンジンの動作に係る所望の安全マージンレベルに基づいて増加または減少させることができる。
新規の最小負荷ターンダウンTTRFおよびトランスファアウトTTRFを算出する他、最小負荷ターンダウンTTRFから新規のターンダウン動作TTRFを算出することもできる。このターンダウン動作TTRFは、GTエンジンが予混合燃料モードで延長された期間にわたって運転できるTTRFである。新規のターンダウン動作TTRFを得るため、最小負荷ターンダウンTTRFに第2の選択された温度マージンを加算することによって、ターンダウン動作TTRFを算出することができる。第2の選択された温度マージンは、第1の選択された温度マージンより高い。たとえば、ターンダウン動作TTRFが新規の最小負荷ターンダウンTTRFより30度高くなるように、かつ新規のトランスファアウトTTRFより15度高くなるように、第2の選択された温度マージンを30度とすることができる。プロセッサは、GTエンジンの各対応するTTRFの新規の設定値を提供するため、新規の最小負荷ターンダウンTTRFと、新規のトランスファアウトTTRFと、新規の動作TTRFと、第1のマージン情報と、第2のマージン情報と、を制御器またはGTエンジンへ送信するように構成することができる。
負荷低下の後において1つまたは複数のターンダウン基準を満たさないと判定される場合、プロセッサは、ユーザ設定に合わせて電力負荷をチューニングするために使用されるチューニングノブの制限を検査することができる。過剰チューニングによって、またはチューニングパラメータ(たとえばPM1燃料分配)の許容限界を超えることによって引き起こされるエラーまたは警報を防止するため、チューニングノブを動かすこと、または使用可能なチューニングマージンを制限することができる。チューニングのために適切な範囲が使用可能であることを保証するため、プロセッサまたはオペレータに対し、AET中にチューニングの前にチューニングノブの制限を検査するように要求することができる。同様の観点から、負荷を調整するときに最大チューニングマージンより小さいマージンが使用されるようにノブを制限して、実際のTTRFを最小TTRFに過度に近づけることを防止することができる。実際のTTRFが最小TTRFに過度に近づくことは、上述のように失火の原因となり得る。AETを行わないときは、他のチューニングプロセスのためにマージン全部を使用できるようにするため、チューニングノブを無制限にすることができる。
最小負荷ターンダウンTTRFが較正されると、GTエンジンのトランスファアウトTTRF不感帯および動作TTRF不感帯が更新される。チューニング中に使用されたあらゆる適用可能なチューニングノブに課された制限、たとえば燃料分配を制御するノブ等に課された制限は排除され、オペレータに通知するために新規の最小負荷ターンダウンTTRFをスクリーン上に表示することができ、または他のディスプレイ部品へ送信することができる。種々のインジケーションおよびオペレータ警報が、最小TTRFを再較正すべきことをオペレータに指示するように構成することができる。さらに、GTエンジンが、選択されたトランスファアウトTTRFより低いTTRFに達した場合に、オペレータ警報がオペレータに警告するように構成することもできる。さらに、AETを行わないときにおいてGTエンジンが新規のCTIMにさらされる場合、AETを使用して最小TTRFを再較正するための新規の負荷を発見するように指示する警報またはインジケーションをオペレータまたはチューニングシステムに提示することもできる。
AETの方法を開示する他、本発明の一実施形態において、AETのためのシステムも開示する。当該システムは、1つまたは複数の燃焼器を有するGTエンジンを備えることができ、各燃焼器にはそれぞれ、第1の最小TTRF、第1のトランスファアウトTTRFおよび動作TTRFが与えられている。また、AETおよびインクリメンタルチューニングを実施するための負荷制御器および自動チューニング制御器も設けることができる。ユーザ入力を自動チューニング制御器へ送信するためのユーザまたはユーザ入力装置を設けることができ、また、自動チューニング制御器からオペレータへ情報およびフィードバックを供給するためのユーザ出力装置またはディスプレイ装置を設けることもできる。自動チューニング制御器は、GTエンジンに供給される負荷を増加または低減させるようにとの命令を負荷制御器へ供給するように構成することができる。自動チューニング制御器または他のタービン動作制御器が、GTエンジンの第1の最小TTRF、第1のトランスファアウトTTRFおよび動作TTRFを設定するため、GTエンジンまたは負荷制御器へ信号を送信するように構成することができる。チューニング基準を測定するための複数の構成要素を設けることも可能であり、当該測定構成要素は必要に応じて、AETまたはチューニングプロセスを実施してオペレータへ適切なフィードバックを供給するため、データ、信号および/または測定結果を他の構成要素へ、たとえば自動チューニング制御器またはユーザ出力部またはディスプレイへ送信するように構成されている。
自動チューニング制御器またはユーザ入力装置は、AETを実施するためのインジケーションを取得するための入力取得要素、たとえばボタンまたはスイッチ等を備えることができる。システムはさらに、たとえば新規のCTIM範囲が入力された場合等、設定された時期においてAETを実施するようにオペレータに対して警告するように構成された装置を備えることもできる。自動チューニング制御器はまた、ユーザがチューニングプロセス中に負荷を手動または選択的に調整するための、またはAETプロセス中に実施される負荷低下の所望のステップ低下を設定するための、1つまたは複数のチューニングノブを備えることもできる。
一実施形態ではAETチューニングプロセスは、より高い最小TTRFが必要であるか否かを判断し、より高い最小TTRFが必要であるとの判定がなされた場合、GTエンジンにおける負荷をインクリメンタルで増加させることにより、より高い新規の最小TTRFを求めるように構成することができる。かかる実施形態ではAETのプロセスは、オペレータが新規の最小負荷を発見するためのボタンを押した場合に開始することができる。負荷調整が開始されると、自動チューニング制御器は、ターンダウン基準を検査することによってシステムが適正に動作しているか否かを確認するために検査することができる。ターンダウン基準には、
警報限界に達したか否かの判定、
チューニング限界に達したか否かの検査、
AETが行われないようにする他の限界(たとえば最小平均TTRF、CO限界、最小燃料分配弁限界、等)に達したか否かの検査、および
上記基準について警報がトリガされない場合、チューニングまたは負荷調整を進行させること
が含まれ得る。エラーが発生した場合、システムはチューニングループを終了するように構成することができ、または最小TTRFが過度に低いことを示す自動チューニングエラーが生じた場合、システムは、負荷を1ステップずつ、もしくは選択された1つの出力調整量だけ増加させるように、GTエンジンにおけるインクリメンタル負荷調整を開始して、チューニング基準が満たされたか否かをモニタリングすることができる。チューニング基準を再度満たす負荷に達した場合、そのTTRFを新規の増加した最小TTRFとして保存することができる。その後、これに対応する新規のトランスファアウトTTRFおよび動作TTRFを上述のように算出することができる。このようにしてチューニングアルゴリズムにより、新規のより高い最小TTRFを求めるために負荷を増加させることができる。AETが必要である場合、AETは上述のように、現在のTTRFより低い新規の最小TTRFを発見するため、負荷を減少することを開始できる。これについては、動作負荷と、GTエンジンを許容パラメータ内で動作させ続ける、対応するTTRFとを発見するため、GTエンジンにかかる負荷を上方向または下方向に調整することができる。さらに、GTエンジンの動作フレキシビリティおよび出力を最適化して、GTエンジンがLOLのより近くで動作できるようにすることができる。
以下、図1および図4を参照してチューニングプロセスの一実施例について詳細に説明する。最初に図1は、本発明の実施形態にて使用されるのに適した一例のチューニング環境100のブロックを示す。この一例のチューニング環境100は、自動チューニング制御器150と、計算装置140と、GTエンジン110と、を備えている。自動チューニング制御器150は、データ記憶部135と処理ユニット130とを備えており、処理ユニット130は、取得要素131、処理要素132および調整要素133の実行を支援する。一般的に処理ユニット130は、当該処理ユニット130上にて実行される(1つまたは複数の)要素131,132および133の動作を支援する何らかの形態の計算ユニット(たとえば中央処理ユニット、マイクロプロセッサ等)として実現される。ここで使用されている「処理ユニット」との文言は、一般的に、処理能力および記憶メモリを備えた専用の計算装置であって、オペレーティングソフトウェアをサポートし、当該計算装置上におけるソフトウェア、アプリケーションおよびコンピュータプログラムの実行の基礎となる計算装置をいう。一事例では処理ユニット130は、コンピュータと一体である有形のハードウェア要素もしくは機械、またはコンピュータに動作可能に結合されている有形のハードウェア要素もしくは機械によって構成されている。他の一事例では、処理ユニットは、(上記にて説明した)コンピュータ可読媒体に結合されたプロセッサ(図示されていない)を備えることができる。一般的にコンピュータ可読媒体は、プロセッサにより実行可能な複数のコンピュータソフトウェアコンポーネントを少なくとも一時的に記憶する。ここでいう「プロセッサ」との用語は限定的という意味ではなく、処理ユニットの、計算能力で動作するあらゆる要素を含むことができる。かかる能力ではプロセッサは、命令を処理する有形の物品として構成することができる。一実施例では処理は、命令のフェッチ、復号化/解釈、実行および書き込み戻しを含むことができる(たとえば、動きパターンのアニメーションを提示することにより物理的ジェスチャの再構成)。
さらに、自動チューニング制御器150にはデータ記憶部135が設けられている。一般的にデータ記憶部135は、GTエンジン110のモニタリングに基づいて生成されたデータ、またはチューニングプロセスに関する情報を記憶するように構成されている。複数の実施形態ではかかる情報は、GTエンジン110に結合されたセンサ120により供給された測定データ(たとえば測定結果121,122,123および124)を含むことができるが、これに限定されない。さらにデータ記憶部135は、記憶した情報の適切なアクセスを行うために探索可能であるように構成することもできる。たとえばデータ記憶部135は、測定された振動圧力振幅と、対応する所定の上限との比較に基づいてどの燃料流分配を増分すべきかを決定するために、スケジュールを探索できるものとすることができる。データ記憶部135に記憶された情報はコンフィギュラブルとなることができ、また、チューニングプロセス関連のあらゆる情報を含むことができることは明らかであり、また想到可能である。かかる情報の内容およびボリュームは、本発明の実施形態の範囲を何ら制限するものではない。
実施形態では自動チューニング制御器150は、(たとえば図1のデータ記憶部135を使用して)ルックアップテーブルを記録する。このルックアップテーブルは、GTエンジンおよびこれに取り付けられた燃焼器の動作状態に関する種々の情報を含むことができる。たとえばルックアップテーブルは、効率的な動作の外側限界を規定する、提案された誤差帯域を含む動作曲線を有することができる。GTエンジンの自動的チューニングプロセスの実施に基づき、動作曲線にチューニングプロセスの各観点を記録するように、自動チューニング制御器を自動的に再プログラミングすることができる。具体的には、チューニングプロセス中の現象、およびチューニングプロセスによる結果を反映するように、ルックアップテーブルの動作曲線を変更する。有利には、次のチューニング手順中に、上述の変更された動作曲線にアクセスすることができ、これにより、それぞれ次のチューニングをより効率的にすることができる(たとえば、状態を所定の上限未満にするために必要な燃料流調整増分の数を低減することができる)。このようにして、一度に1つのパラメータの増分調整によって、ルックアップテーブル(たとえば演算行列)を自動的に開発することができる。この増分調整は動作曲線に記憶されるので、自動チューニング制御器は、いかなる特定のオペレーティングシステムについても、最適なチューニング性能を学習することができる。このことによって、必要なチューニング量が大幅に削減され、この大幅削減は、安定点が頻発しない自動グリッド制御(AGC)上のユニット、または燃料性質もしくは周囲状態の急激な周期変動が生じるユニットに対して、有利となる。
一部の実施形態では、燃料流分配の調整によるチューニングによってエミッションまたは振動警報が解消されない場合、上記の部分により特定される最適規制外分配チューニング点から燃料温度を調整するために増分バイアスを供給することができる。しかし、‐燃料温度の操作能力がないか、または制限されていることにより‐燃料温度に増分バイアスを加えることが選択肢になく、かつユニットが警報モードにある場合、GT装置の燃焼曲線の調整を許可するように要求を発することができる。このオペレータの要求が認められた場合、上記にて記載した最適規制外点において既存のユニット燃焼曲線に、増分燃焼温度バイアスを供給する。
以下、続けて自動チューニング制御器150に記憶されたルックアップテーブルを参照して、ルックアップテーブル構成の変形態様について説明する。一事例では、TIRFまたは負荷に対する分配を示す複数のルックアップテーブルを設ける。これらの各ルックアップテーブルはそれぞれ、複数の周囲温度とガスパラメータとの組み合わせに関するものである。「ガスパラメータ」とは、ガス組成およびガス性質を表すものであり、公称初期値と比較したときの相対値とすることができる。チューニング調整は、定常的なTIRFまたは負荷で行われる。警報レベルまたはエミッションレベルを超えたために増分バイアス調整が必要であるときには常に、アルゴリズムはまず、ユニットがどの周囲温度およびどのガスパラメータファミリで動作しているかを特定し、その後、どの燃料流分配をどの方向に変化すべきかを特定する。第2に、所望のバイアス増分(上方向または下方向)と現在のTIRFまたは負荷を記録する。アルゴリズムはその後、記録された周囲温度およびガスパラメータに依存してどのテーブルを変化すべきかを特定する。規定後、アルゴリズムは、分配対TIRFグラフにおけるどの点がTIRFの現在の値を包括しているかを特定する。かかる2つの点の特定に基づき、これら2点のバイアス値をインクリメンタルで変化させ(上方向または下方向)、その増分を適正なルックアップテーブルに記憶する。
さらに、一例のチューニング環境100は計算装置140を備えており、計算装置140は、GTエンジン110の自動チューニングに失敗したことをオペレータに警告するユーザインタフェース(UI)表示155を表示するための提示装置145に動作可能に結合されている。図1に示された計算装置140は、計算装置の種々の形式の態様をとることができる。単なる例としては、計算装置140はパーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、手持ち式装置、コンシューマエレクトロニクス装置(たとえばページャ)、手持ち式装置(たとえばパーソナルデジタルアシスタント)および種々のサーバ等とすることができ、これらは限定列挙ではない。しかし、本発明はかかる計算装置への実装に限定されるものではなく、本発明の実施形態の範囲に属する幅広い種々の形式の任意の計算装置に実装できることに留意すべきである。
以下、図4を参照して、図1の一例のチューニング環境100におけるチューニングプロセス200について説明する。一般的に図4は、本発明の一実施形態の、複数の燃焼器115から測定結果を収集して当該測定結果に基づき燃料流分配を変更することを含むチューニングプロセスを実施するために図1の自動チューニング制御器150を使用する全体方法400のフローチャートである。最初に全体方法400は、GTエンジン110の燃焼振動を表すデータをモニタリングすることを含む(ステップ420)。一実施形態では、複数の各燃焼器115について、センサ120(たとえば圧力トランスデューサ)を用いて燃焼振動122を測定し、この測定データを取得要素131へ伝送する。他の一実施形態では、センサ120は、GTエンジン110から検出されたエミッション121を伝送する。さらに他の実施形態では、GTエンジン110から収集される測定データは、GTパラメータ123およびガス流路系圧力124を含むことができるが、これらは限定列挙ではない。
一部の事例では、GTエンジン110から収集されたデータを正規化する。たとえばセンサ120は、複数の各燃焼器115における圧力変動を検出して当該変動を燃焼振動122として報告する圧力トランスデューサとして構成することができる。この変動を所定の期間にわたって測定し、圧力変動の移動平均の形態で取得要素131へ送信することができる。
全体方法400のステップ430は、(図1の処理要素132を使用して)測定されたデータを振幅対周波数形式に変換するため、当該データをフーリエ変換または他の適切なアルゴリズムに通すことに関するものである。この振幅対周波数形式は種々の形態、たとえばグラフ、線図または行列等をとることができ、以下「スペクトル」と称する。一事例では、振幅対周波数形式が行列の形態をとる場合、この行列は以下のカテゴリの値を含むことができる:
燃焼器識別子、
周波数、および
振幅。
実施形態では、スペクトルを周波数領域によって分割し、または各自の所定の振幅上限を有する複数の周波数帯に、スペクトルを離散化することができる。スペクトルは、任意の数の周波数帯に離散化することができる。一事例ではスペクトルは、チューニング対象のGTエンジン110の形式に基づき、4〜6の周波数帯または周波数窓に離散化される。これらの各周波数帯は、それぞれ異なるパラメータを表すものである。動作中、特定の周波数帯について所定の上限(すなわち警報レベル限界)を超えた場合、スケジュールは自動チューニング制御器150に対し、調整を行うためにどの燃料流分配をどの方向(上方向または下方向)に変化させるべきかを指示する。典型的には、処理対象の測定データの種類(たとえば燃焼器振動またはエミッションレベル)と、処理対象の測定データの特性(たとえば燃焼器振動トーン、NOxまたはCO等のエミッションの種類)に基づき、変更に適した燃料流分配および調整の適した態様を選択する。
ステップ440において、各周波数帯において最大振動圧力振幅を特定する。この最大振動圧力振幅は、複数の周波数帯のうち1つまたは複数において、測定されたデータ(燃焼振動122)の各クラスについて最大振動圧力振幅を選択することにより求めることができる。所定の上限(たとえば警報限界レベル)と、各周波数帯から導出される最大振動圧力振幅とは双方とも、ポンド毎平方インチ(psi)で測定される。
ステップ450において示されているように、特定された最大振動圧力振幅は、所定の適切な上限と比較される。(アウトライヤ最大周波数の比較または対処については、特に優先順位はない。)この所定の上限は、評価対象の測定データの種類および/またはチューニング対象の燃料回路に基づくことができる。比較に基づき、ステップ460において示されているように、最大振動圧力振幅が所定の上限を超えるか否かの判定を行う。最大振動圧力振幅が所定の上限を超えずに、GTエンジン110が特定の測定データに関して提案された領域内で動作している場合、チューニングプロセスは他の状態に移る。具体的にはチューニングプロセスは、ステップ470において示されているように、測定データの他の一セットをモニタリングおよび評価する。分かりやすくするため、複数の周波数区間では振動圧力振幅のみをモニタリングする。他のパラメータは周波数区間の関数ではないが、これらも最大チューニング限界に従う。
しかし、最大振動圧力振幅が所定の上限を超えない場合、調整を行う燃料流分配を選択する。このことは、図4のステップ480において示されている。上記にて説明したように、適切な燃料流分配はスケジュールによって選択される。これについては以下、図2および図3を参照して、より完全に説明する。ステップ490において示されているように、この選択された燃料流分配を、予め決まった量だけインクリメンタルで調整していく。燃料流分配のインクリメンタルの調整は、GTエンジン110に取り付けられた複数の燃焼器115のうち少なくとも1つへ図1の調整要素133が増分バイアス調整160を送信することにより行うことができる。一実施形態では、入力された増分バイアス調整160の認識に応答して、燃焼器115に設けられた自動弁が、対象の燃料回路の燃料量分配を調整する。
この予め決まった量は典型的には、試験実験および燃焼器識別子(たとえば行列によって設けられる)に基づく。一事例では、インクリメンタル調整の予め決まった量は、各噴射ポート間における燃料流分配の0.25%調整量である。よって、上方向または下方向に予め決まった量だけ燃料流分配を増分させることにより、複数の噴射点による燃料流分布のパターンが変化する。しかし、燃料流分配が変化しても、燃料回路への総燃料流は一般的には一定に維持される。
増分バイアス調整160が適用されると、自動チューニング制御器150は、GTエンジン110から取り出されたデータを取得および処理する前に所定の期間待機する。 このことは、図4のステップ500において示されている。所定の期間待機することにより、燃料流分配の調整がGTエンジン110をチューニングするために十分であったか否かを検査して判定する前にGTエンジン110が安定化することが保証される。実施形態では、各調整間において待機する期間は、処理対象のパラメータまたは測定データの種類に基づいて変化することができる。たとえば、燃焼振動を安定化するために必要とされる期間は、エミッションを安定化するために必要な期間より短くなり得る。
ステップ510において、増分の最大数に達したか否かを確認するための判定を行う。燃料流分配を調整できる増分の最大数に達していない場合、プロセスを繰り返すことを許可する。これにより、さらにインクリメンタル増分が必要であることが比較ステップ450によって示唆された場合に、燃料流分配をさらに少なくとも1回以上調整することができる。しかし、燃料流分配を調整できる増分の最大数に達していない場合には、他の1つの燃料流分配を(スケジュールによって定められたように)調整することができ、またはオペレータに対して警告を発する。このことはステップ520において示されている。一実施形態では、処理要素132によって警報インジケータ180が計算装置140へ送信される。その警告に応答して、オペレータはGTエンジン110を手動でチューニングするための措置をとることができ、またはGTエンジン110を担当する技術者に連絡することができる。
一部の実施形態では、オペレータへ警告を発することは、スケジュールによって指示される、最初にとられる措置である。具体的には、特定のパラメータについて測定されたデータが、フーリエ変換によるデータの処理に基づき、所定の上限を超えた場合、最初にとる措置は、燃料流分配をインクリメンタルで調整するのではなく、オペレータに対してその逸脱を通知することである。
他の一実施形態では、オペレータが自動チューニング制御器150に対し、規制動作を達成するために燃料ガス温度および/または燃焼温度をインクリメンタルで調整することを許可することができる。
ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態の燃料濃厚状態において推奨される燃料流分配調整を示す図200またはスケジュールの一例が提示されている。図示のように、図200は、チューニング対象のGTエンジンによって使用される燃料の種類の表示210を含む。さらに、同図は、モニタリングされている状態を列挙した行220を含む。本例の図200では、モニタリング対象となっている状態は4つであり、これらはパラメータA〜Dである。本事例では4つの状態をモニタリングしているが、モニタリング対象の状態の数は限定的であると解すべきではなく、GTエンジンを自動チューニングするために任意の数の状態を観察することができる。一般的にパラメータA〜Dは、圧力トランスデューサを使用して測定される特定の状態、エミッション試験装置を使用して測定される特定の状態、加速度計を使用して測定される特定の状態、およびGTエンジンの動作をモニタリングできる他の物を使用して測定される特定の状態とすることができる。たとえば、パラメータAは希薄吹き消え(LBO)とすることができ、パラメータB 221はコールドトーン(CT)とすることができ、パラメータCはホットトーン(HT)とすることができ、パラメータDは窒素酸化物(NOx)とすることができる。よって、本実施例ではパラメータA〜Cは圧力データに関するものであり、それに対してパラメータDはガス組成に関するものである。典型的にはガス組成は、エミッションの濃度レベル(たとえばCOおよびNOx)をモニタリングすることにより求められる。インクリメンタル調整によるチューニングプロセスは、上記のチューニングプロセスと同様に、エミッションに関与する状態との関連で使用することができる。
チューニングプロセス中は、各パラメータA〜Dをそれぞれ自動的にモニタリングする。さらに、チューニングプロセス中にモニタリングされたデータはフーリエ変換によって処理されて、状態ごとに最大振幅を求める。これらの状態に係るいずれかの最大振幅が、各パラメータA〜Dそれぞれに割り当てられた、所定の個別の限界を上回り、または下回る場合、措置230を実行する。
たとえば、パラメータB 211(たとえばCT状態)についての最大振幅が、当該パラメータB 221に割り当てられた、個別の所定の上限を超える場合、順序250に基づき、措置231,232および233を実行する。とりわけ、パラメータB 221についての最大振動圧力振幅が、所定の上限を超える場合には、順序250によって示されているように、最初に分配2 232を増分量だけ増加させる。その後、燃料流分配の調整が最大回数に達するまで分配2 232を増分量ずつ再帰的に増加させることにより、分配1 231は減少する。 次に、分配1 231の調整が効果を示さない場合、分配3 233を調整する。最後に、分配3 233の調整が、所定の上限より最大周波数振幅を低減させるために効果的でない場合、オペレータに対して警報を発する。関連のフィールドにおいて認識できるように、上述の例の方法は、たとえば7FAエンジン等の特定のエンジンを自動チューニングするプロセスの単なる一例であり、他のエンジンの自動チューニングについては、モニタリング対象のパラメータが異なり、かつ燃料流分配が変化する、複数の異なる手法が存在する。
所定の上限を超えることに鑑みてどの措置をとるべきかを選択するためのスケジュール(たとえば図200)の1つの構成について説明したが、当該分野における通常の知識を有する者であれば、編成された階層構造の措置を提示する他の形式の適切なスケジュールを使用することができること、および本発明の実施形態は、ここで記載されているスケジュールの状態および措置に限定されないことを理解することができ、かつ明らかである。さらに、自動チューニング制御器は種々の燃焼システムと共に使用できることにも留意すべきである。よって本発明は、3つのみの燃料分配調整に限定されない。燃料ノズルおよび燃料流分配の具体的な数は、燃焼器構成と、チューニング対象のGTエンジンの形式とに依存して変わり得る。よって、別の燃焼システムについては、本発明の本質から逸脱せずに、調整点の数を本願明細書に記載された数より多くし、または少なくすることができる。
さらに図200は、複数の異なるモニタリング対象の状態に係る複数の周波数帯に応じた燃料流分配の調整を示している。複数の周波数が各自の所定の上限を超える場合、どの周波数を最初に対処すべきかを特定するために自動チューニング制御器によって優位性または優先順位はなされない。しかし他の事例では、図1の自動チューニング制御器150によって優先ガイドラインが使用されて、どのような順序で周波数に対処していくかについての決定を行う。
図3を参照すると、本発明の一実施形態の2つの噴射ポートを備えた燃焼器において推奨される燃料流分配調整320の一例の図300を示している。2つの噴射ポートのみが設けられているので、これら設けられている噴射ポート間で燃料を分配するために調整できる燃料流分配は1つのみ存在する。さらに、本事例では、チューニング対象のGTエンジンの2つの状態310を測定する。これらの状態310は、パラメータAおよびパラメータBによって表示されている。パラメータAまたはBのいずれかが、対応する所定の上限を超えた場合、スケジュールは、燃料流分配調整320のうちどれを採用すべきかを指示する。事前規定された燃料流分配の、推奨される最大回数の調整を行っても、GTエンジンが通常の動作域内にならない場合、次のステップがオペレータに対して警報を発するか、または技術者を自動的に呼び出す。
ここで図5を参照すると、本発明の一実施形態の、GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンを行う一例の方法500を示している。最初のステップ502において、GTエンジンにAETを実施するための入力を受け取る。この入力は、ボタン「最小負荷を発見」を押したオペレータから受け取ることができる。ここでは、GTエンジンはAGCにおいて稼働しているので、ターンダウンアルゴリズムは自動的には作動されない。第2のステップ504において、GTエンジンの1つまたは複数のターンダウン基準、たとえば本願にて記載されているターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定する。これについては、GTエンジンの動作基準をモニタリングして、悪影響を及ぼす問題、停止させる問題、またはAETの中止を要する問題が存在しているか否か、たとえばターンダウン基準のうちいずれか1つを超えるかを判定することができる。最小TTRFが過度に低いと判定される場合、たとえば、AETの開始前にターンダウン基準のうちいずれか1つが内在的に満たされない場合、最小TTRFを上昇させるためのプロセスを開始することができる。そうでない場合には、第3のステップ506において、1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすとの判定がなされた場合、トランスファアウトTTRFを一時的に変更する(たとえばこのことは、現在のTTRFとトランスファアウトTTRFとの差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合に生じ得る)。第4のステップ508において、GTエンジンにおける負荷を指定量だけ(たとえば5MW)低下させるための信号を送信する。第5のステップ510において、負荷を低下させる間および低下させた後、当該1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定する。ターンダウン基準が全て満たされている場合、負荷を上記の指定量だけ、または他の量だけ再び低減して、AETを継続することができる。第6のステップ512において、負荷を低減した後において1つまたは複数のターンダウン基準のうち少なくとも1つが満たされていないとの判定がなされた場合、少なくとも1つのターンダウン基準が、選択された回数で満たされなくなるまで、当該選択された回数だけ負荷をチューニングする。第7のステップ514において、少なくとも1つのターンダウン基準を満たさない回数が、選択された回数であることに基づき、選択されたCTIMについて全てのターンダウン基準が満たされた最小負荷ターンダウンTTRFを記憶する。記憶される最小負荷ターンダウンTTRFは、選択された回数だけチューニングが失敗した負荷レベルの直前の負荷レベル、または他の負荷レベルとすることができる。次に、上述のように最小負荷ターンダウンTTRFから、トランスファアウトTTRFおよび動作TTRFを算出することができる。
図6を参照すると、本発明の一実施形態の、GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンのシステム600を示している。システム600は、ユーザ入力装置602と、ユーザディスプレイ装置604と、自動チューニング制御器606と、を備えており、ユーザ入力装置602は、オペレータから(たとえばボタンまたはチューニングノブ等を介して)コマンドまたは命令を受け取るように構成することができ、ユーザディスプレイ装置604は、自動チューニング制御器606または他の構成要素から情報を受け取って表示するように構成することができ、また、ユーザディスプレイ装置604はヒューマンマシンインタフェース(「HMI」)スクリーンとすることができ、自動チューニング制御器606は、GTエンジンにおけるインクリメンタル負荷低減を制御し、チューニングプロセスを制御し、特に1つまたは複数のモニタリング対象の基準に関する情報を受け取るように構成することができる。システムはさらに負荷制御器608も備えており、この負荷制御器608は、自動チューニング制御器606からGTエンジン610における負荷を増加または低減する旨のインジケーションを受け取るように構成することができる。GTエンジン610は、第1の燃焼器612および第2の燃焼器614を備えている。
さらにシステム600は、GTエンジン610のエミッションまたはダイナミクスに関する情報を受け取るように構成された複数のモニタリング要素616,618,620も備えている。本例のシステム600では、第1のモニタリング要素616は、GTエンジン610からのCOに関する情報を提供し、第2のモニタリング要素618は、GTエンジンの燃料分配に関する情報を提供し(これは、GTエンジンのチューニングに関するものとなり得る)、第3のモニタリング要素620は、GTエンジンから排出されたNOx、エミッションに関する情報を提供する。モニタリング要素616,618,620がユーザ出力装置604またはタービン制御または処理ユニット(図示されていない)へ情報を直接送信するシステム600の複数の構成が可能である。さらに、自動チューニング制御器606および/またはユーザディスプレイ装置604を介してオペレータへフィードバックを供給するように構成された追加的または別のモニタリング要素によって、任意の数の異なる動作基準をモニタリングすることもできる。特定された構成要素のうちいずれかへ、またはいずれかから、またはいずれかを介して情報またはコマンドを送信するように、システム600の各構成要素を接続できる態様は、種々存在する。
図7を参照して、本発明の一実施形態の、GTエンジンのエミッションおよびダイナミクスを維持するためのインクリメンタルチューニングと共に、拡張された自動的ターンダウンを行う一例の方法700を開示する。ステップ702において、GTエンジンの1つまたは複数のターンダウン基準、たとえば本願にて記載されているターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定する。このターンダウン基準は、上記のようにGTエンジンのエミッションおよびダイナミクスに関するものとすることができ、また、使用可能なチューニング能力を測定するために燃料流分配も含むことができる。ステップ704において、1つまたは複数のターンダウン基準を満たすとの判定がなされた場合において、現在のTTRFとトランスファアウトTTRFとの差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合、新規の最小TTRFを算出するために負荷を低下させるときにGTエンジンの予混合燃料モードのトランスファアウトを回避するため、トランスファアウトTTRFを一時的に低下させることができる。ステップ706において、GTエンジンにおける負荷を指定量だけ低下させるための信号を送信する。ステップ708において、負荷を低下させる間および低下させた後、GTエンジンの当該1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、当該1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定する。ステップ710において、負荷を低減した後において1つまたは複数のターンダウン基準のうちいずれかが満たされていないとの判定がなされた場合、満たされなかった当該ターンダウン基準が、選択された回数だけ満たされなくなるまで、当該選択された回数だけ負荷をチューニングする。チューニングの選択された回数は、チューニングプロセスにおける所望の確かさレベルに基づいて選択することができる(たとえば、最小確かさに対しては1回、増大した確かさに対しては3回)。さらに、チューニングプロセスによって、満たされなかった1つまたは複数の基準が充足状態に回復して、モニタリング対象の基準全てが満たされるようになった場合には、負荷をさらに1ステップ低減してAETを継続することができる。ステップ712において、満たされなかったターンダウン基準が満たされない回数が、選択された回数になったとの判定がなされた場合、選択されたCTIMについて1つまたは複数の全てのターンダウン基準が満たされたTTRFである新規の最小負荷ターンダウンTTRFを記憶する。
図8を参照して、本発明の一側面の、設けられたGTエンジンの選択された最小TTRF、トランスファアウトTTRF、低動作負荷TTRFおよびモニタリング対象の動作基準を示すグラフ表示の図800を開示する。図8中、X軸802はタービン参照温度(TTRF)を示しており、Y軸804は百万分率のエミッションを示している。同グラフ上には、種々のエミッションおよび振動のパラメータまたは基準が示されている。これらの基準は、GTエンジンのエミッションおよび振動をモニタリングするためにモニタリングされる。これらの基準は限定列挙ではなく、他のエミッションまたは振動の基準を検討または包含することもできる。同図上には、3つの異なるTTRF設定値806,808,810が縦線として示されている。最小TTRF806はTTRF設定値の最低温度であり、燃料トランスファモード、失火および他の警報状態に関して述べた理由に基づいて設定されるものである。トランスファアウトTTRF808は、本願にて説明したように、最小TTRF806より大きい、選択されるマージンである。動作TTRF810は、ここで説明しているように、TTRF設定値の中で最も高いものである。動作TTRF810は、GTエンジンが予混合燃料モードで延長された期間にわたって運転するために最も適した温度である。AETプロセスを実行し、かつGTエンジンにおける負荷を低減するときには、トランスファアウトTTRF808が一時的に低減し(すなわち左側に移動し)、動作状態をモニタリングするときに動作TTRF810が順次低下していく。このように、上述の方法を用いて最小負荷ターンダウンTTRFを求めるときには、これら全ての線が左側に移動して、新規のTTRF設定値に一致する。
図9を参照して、本発明の一側面の、GTエンジンにおいて実施される一例のインクリメンタルチューニングを伴うAETを、モニタリング対象の動作基準を含めてグラフ表示する図900を開示する。図9では、チューニングX軸904は時間を示しており、左側のY軸902はGTエンジンTTRFを示しており、右側のY軸903は、GTエンジンに関連するエミッションのレベルを単位ppmで示している。X=0の開始点において、TTRF906は約2330°Fとなっている。GTエンジンにおいてインクリメンタルの負荷低下を行うにつれて、ステップごとに負荷が設定量908ずつ低下していく。負荷が低下するときに、種々の基準をモニタリングして、これらの基準が許容限界内に収まったか否かを判定する。本実施例では、この基準は平均NOx926、平均CO924およびPM1バイアス922である。これらの基準が指定された範囲内に維持されている限りは、AETを継続して、インクリメンタルの負荷低下908を行う。TTRFがインクリメンタルで低下していき、基準が許容限界外に外れる点910に達すると、TTRFをこの点910に保持しながらPM1バイアス(燃料流分配)を調整することによってインクリメンタルチューニング912を行う。本事例では、モニタリング対象のこの基準をPM1バイアスのインクリメンタルチューニング912によってチューニングされた状態に戻し、これによりAETを継続することができる。負荷を再度低下させるときにおいて、TTRFが、パラメータがコンフィギュレーション設定限界外に外れる点914に達した場合、PM1バイアス915を再度調整することによりGTエンジンをチューニングする。本事例では、選択された回数の試行後に選択された負荷をチューニングするため、PM1チューニングバイアス915の能力を利用し尽くす。次に、チューニング基準が全て満たされてGTエンジンがチューニングされた状態であった最後のTTRF916まで、負荷を上昇させる。これが、GTエンジンの新規の最小負荷ターンダウンTTRF916となる。第1の選択されたチューニングマージンをこの最小負荷ターンダウンTTRF916に加算することによって新規のトランスファアウトTTRF918を較正し、第2の選択されたチューニングマージンを最小負荷ターンダウンTTRF916に加算することによって新規の動作TTRF920を較正する。X=600においてGTエンジンはチューニングされた状態となり、新規の最小負荷ターンダウンTTRF916が確立される。
上掲の方法および各ステップを実施するために、特定のマルチステップターンダウンロジックを使用することができる。新規の最小負荷を発見するためには、GTエンジンはオフAGCとする必要があり、オペレータはターンダウンプロセスを作動しなければならない。ダイナミクスがチューニング外れである場合、システムを休止させることができる。ターンダウン基準が全て許容範囲内であるか否かを判定するため、コールチェックを開始することができる。このターンダウン基準は、
(1)システムが適正に動作しているか否かの確認、
(2)警報限界に達したか否かの確認、
(3)チューニング限界に達したか否かの検査、
(4)他の限界に達したか否かの検査、および
(5)いずれの基準もエラーでない場合、全てがチューニングされた状態である旨の表示
を含むことができる。ターンダウンエラーが生じた場合には、ターンダウンを中止/終了させることができ、ターンダウンエラーは生じないがエミッションおよびダイナミクスを維持するために負荷上昇を要する場合には、負荷を1ステップ上昇させることができ、その後にプロセスを再開し、ターンダウン基準の再検査を開始する。チューニングを要する場合において、チューニングノブを動かせる場合には、チューニングを3回行う。チューニングを3回行った場合、またはノブを動かせず、かつGTエンジンが依然としてチューニング外れである場合、負荷を1ステップ上昇させて、プロセスを再開する。ノブを動かすことによってチューニング外れ観点が解消される場合には、プロセスを再開して、負荷の上昇または低下を要するか否かを判定する。チューニング限界に達した場合、負荷を1ステップ上昇させることができる。
上記プロセス後に全てがチューニングされた状態になった場合、続けて2つのオプションのうち1つを実施することができる。先行のステップにおいて最小平均TTRFに達した場合、チューニングは完了する。最小平均TTRFに達しない場合には、平均TTRFを低下させる。この点については、現在の平均TTRFとトランスファアウトTTRFとの差が30°F未満(ユーザ設定)である場合、負荷低下時に予混合燃料モードのトランスファアウトを回避するため、トランスファアウト不感帯を一時的に変更させる。その後、負荷を1ステップ低下させる。プロセスをターンダウン基準検査点から開始して繰り返す。 かかる再帰的ループの後において、ターンダウンエラーが存在しない場合、最小平均TTRFを設定しなければならない。
上記ステップの後にターンダウンエラーが発生した場合、記憶されている最小TTRFとの対比において最小平均TTRFを検査する。この場合において、最小平均TTRFが、記憶されている最小TTRFより小さい場合、最小平均TTRFを更新する。チューニング外れTTRFが、記憶されている最小TTRFより大きい場合には、最小TTRFはチューニング外れTTRF+5度(または他の選択されたマージン)となる。全てのターンダウン基準に合格した最小TTRFは、上記のように所与のCTIMについての最小TTRFとして記憶される。所望の安全マージンをこの最小TTRFに加算することによってトランスファアウトTTRFを変更し、第1の安全マージンより大きい第2の所望の安全マージンを最小TTRFに加算することによって動作TTRFを変更する。その後、平均TTRFと動作TTRFとの差が最小許容量になるまで、GTエンジンにおける負荷を上昇させる。最小伝達負荷は平均ターンダウンTTRFに相当し、トランスファアウト不感帯は上述のように更新される。新規の最小負荷はHMIスクリーン上に表示され、チューニングが完了する。新規の最小負荷が発見されるまで、ターンダウンロジックを再帰的に繰り返すことができる。各点において、ターンダウンプロセスを終了または中止させるエラーが発生しない場合、ターンダウン基準を検査する点から、プロセスを再帰的に繰り返すことができる。
自動チューニングターンダウンロジックは、失火回避ロジックを含むこともできる。失火回避ロジックの代表的な例として、PM1チューニングマージンを3%に設定し、PM1チューニング予備を.5%に設定し、最小PM1チューニング許容量を5%とすることができ、これに−4%のPM1バイアスが加わる。TTRFが、ユーザ定義された最大ターンダウンTTRFと最小TTRFとの間にある場合、ターンダウンロジックは作動する。GTエンジンがチューニング外れであり、かつPM1バイアスが0%〜−2.5%の間である場合、GTエンジンの標準動作が進行する。GTエンジンがチューニング外れであり、かつPM1バイアスが−2.5%〜−3%の間である場合には、自動チューニングが予備のチューニングマージンを使用していることを示すオペレータ警報がトリガされ、これによって、オペレータは機械をAGCオフとし、「最小負荷を発見」を作動させるべきことが示唆される。GTエンジンがチューニング外れであり、かつPM1バイアスが−3%〜−4%の間である場合、より低い動作負荷最小PM1弁位置に相当する拡大されたPM1バイアスで、GTエンジンをチューニングする必要がある。ユーザはこの値を、低い動作負荷とトランスファアウト点との間で必要とされるマージンおよび実際の最小PM1弁位置の既知情報から、手動チューニングの経験に基づいて設定することができる。
総燃料比を増加させることによる自動的な失火回避ロジックの代表例としては、GTエンジンがチューニング外れであり、かつPM1バイアスが−4%未満である場合、「自動チューニングが予備のチューニングマージンを使い果たしたので、回避モードを開始し、機械をAGCオフとし、「より低い動作負荷を再確立するために、より低い動作負荷を発見」を直ちに押すべきである」旨の動作警報をトリガしなければならない。GTエンジンがチューニング外れであり、かつ等温線が増大した場合、自動チューニングは最小負荷を再確立するためにターンダウンアルゴリズムを自動的に呼び出す。その際には、オペレータに対して「直ちに動作負荷低下回避、自動チューニングが負荷を上昇させており、より低い動作負荷点を再確立している」との警報が供給される。
自動チューニングと現在のチューニングプロセスとを比較すると、自動チューニングにより奏される種々の利点を認識することができる。つまり、本発明のチューニングプロセスは自動的に実行できるので、手動チューニングの欠点が解消される。たとえば、自動チューニングは迅速かつ高頻度で行うことができ、このことによって、手動チューニング前に生じ得る劣化を大幅に回避することができる。さらに、高頻度でチューニングを行うことにより、エンジン寿命を改善しながら過剰な汚染を低減し/エミッション減少を促進することができる。
特定の実施形態との関連において本発明について説明したが、これらの実施形態はあらゆる観点において、限定ではなく例示を意図したものである。本発明の関連分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、他の代替的な実施形態が明らかである。
上記事項から、本発明は、システムおよび方法に自明かつ固有の他の利点と共に、上記にて記載されている結果および課題の全てを達成するために非常に適したものであることが明らかである。特定の特徴およびサブコンビネーションが有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを用いなくても使用できることを理解することができる。このことは、特許請求の範囲によって、かつ特許請求の範囲に属する範囲で達成される。

Claims (21)

  1. ガスタービンエンジン(GTエンジン)の燃焼器の拡張された自動的なターンダウンのための、処理ユニットにより実施されるコンピュータ化された方法であって、前記方法は、
    前記GTエンジンにおいて拡張された自動的なターンダウンを実施するための入力を受け取るステップと、
    前記GTエンジンの1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定するステップと、
    前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすとの判定がなされた場合において、前記GTエンジンの現在のタービン参照温度(TTRF)とトランスファアウトタービン参照温度(TTRF)との差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合、前記トランスファアウトTTRFを一時的に低下させるステップと、
    前記GTエンジンにおける負荷を指定量だけ低下させるための信号を送信するステップと、
    前記負荷を低下させる間および低下させた後、前記1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定するステップと、
    前記負荷を低下した後において前記1つまたは複数のターンダウン基準のうち少なくとも1つが満たされていないとの判定がなされた場合、前記少なくとも1つのターンダウン基準が、選択された回数で満たされなくなるまで、前記選択された回数だけ前記負荷をチューニングするステップと、
    前記少なくとも1つのターンダウン基準を満たさない回数が前記選択された回数である場合、選択された圧縮器入口温度(CTIM)について全てのターンダウン基準が満たされた最小負荷ターンダウンTTRFを記憶するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかが満たされているか否かの判定に基づき、前記負荷を前記指定量だけ、または、変更された指定量だけ再度低下させる、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記選択されたCTIMは、1つまたは複数のCTIM範囲を含む、
    請求項1記載の方法。
  4. 前記方法はさらに、第1の選択された温度マージンを前記最小負荷ターンダウンTTRFに加算することにより算出されるトランスファアウトTTRFを算出するステップを含む、
    請求項1記載の方法。
  5. 前記第1の選択された温度マージンを、安全マージンに基づいて選択する、
    請求項4記載の方法。
  6. 前記方法はさらに、第2の選択された温度マージンを前記最小負荷ターンダウンTTRFに加算することにより算出される動作TTRFを算出するステップを含む、
    請求項1記載の方法。
  7. 前記第2の選択された温度マージンは、前記第1の選択された温度マージンより高い、
    請求項6記載の方法。
  8. 前記処理ユニットは、前記最小負荷ターンダウンTTRFを送信するように構成されている、
    請求項1記載の方法。
  9. 前記処理ユニットは、ユーザ設定へのチューニングノブの制限を検査するように構成されている、
    請求項6記載の方法。
  10. 前記選択された回数は、チューニングマージンの使い果たしを含む、
    請求項1記載の方法。
  11. 前記処理ユニットは、前記CTIMが第1のCTIM範囲から第2のCTIM範囲に変化した場合、前記最小負荷ターンダウンTTRFを再検査するために警報を生成するように構成されている、
    請求項6記載の方法。
  12. 前記ターンダウン基準は、窒素酸化物(NOx)レベル、燃焼器振動モード、平均一酸化炭素(CO)レベルまたは燃料回路分配の少なくとも1つを含む、
    請求項1記載の方法。
  13. 拡張された自動的なターンダウンのためのシステムであって、
    第1の最小TTRF、第1のトランスファアウトTTRFおよび第1の動作TTRFがそれぞれ与えられる1つまたは複数の燃焼器を備えたGTエンジンと、
    拡張された自動的なターンダウンプロセスを実施するための自動チューニング制御器と、
    を備えており、
    前記拡張された自動的なターンダウンプロセスは、
    前記拡張された自動的なターンダウンプロセスを実施するための入力を受け取るステップと、
    1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定するステップと、
    前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすとの判定がなされた場合において、現在のTTRFと前記第1のトランスファアウトTTRFとの差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合、前記第1のトランスファアウトTTRFを第2のトランスファアウトTTRFに一時的に低下させるステップと、
    前記GTエンジンにおける負荷を指定量だけ低下させるための信号を送信するステップと、
    前記負荷を低下させる間および低下させた後、前記GTエンジンの前記1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定するステップと、
    前記負荷を低下している間または低下した後において前記1つまたは複数のターンダウン基準のうちいずれかが満たされていないとの判定がなされた場合、満たされなかった前記ターンダウン基準が、選択された回数だけ満たされなくなるまで、前記選択された回数だけ前記負荷をチューニングするステップと、
    前記ターンダウン基準を満たさない回数が、前記選択された回数である場合、選択されたCTIMについて全てのターンダウン基準が満たされた第2の最小TTRFを記憶するステップと、
    を含むシステム。
  14. 前記システムはさらに、ユーザ入力装置を備えている、
    請求項13記載のシステム。
  15. 前記システムはさらに、モニタリング対象の基準に関する情報を受け取って表示するように構成されたユーザディスプレイ装置を備えている、
    請求項14記載のシステム。
  16. 前記システムはさらに、前記自動チューニング制御器から、前記GTエンジンにおける負荷を上昇または低下させるためのコマンドを受け取るように構成された負荷制御器を備えている、
    請求項13記載のシステム。
  17. 前記第2の最小TTRFに第1の選択された温度マージンを加算することによって新規のトランスファアウトTTRFを算出するステップをさらに含む、
    請求項13記載のシステム。
  18. 前記第2の最小TTRFに第2の選択された温度マージンを加算することによって新規の動作TTRFを算出するステップをさらに含む、
    請求項13記載のシステム。
  19. チューニング限界に達したか否かを判定するためにターンダウン基準を検査するステップと、
    より高い新規の最小TTRFを求めるステップと、
    をさらに含む、
    請求項13記載のシステム。
  20. 前記ターンダウン基準は、窒素酸化物(NOx)レベル、燃焼器振動モード、平均一酸化炭素(CO)レベル、または、燃料回路分配の少なくとも1つを含む、
    請求項13記載のシステム。
  21. コンピュータ実行可能な命令によって呼び出された場合に、ガスタービンエンジンの拡張された自動的なターンダウンのための方法を実施する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
    前記GTエンジンの1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすか否かを判定するステップと、
    前記1つまたは複数のターンダウン基準全てを満たすとの判定がなされた場合において、現在のTTRFとトランスファアウトTTRFとの差がコンフィギュレーション設定量より小さい場合、前記トランスファアウトTTRFを一時的に低下させるステップと、
    前記GTエンジンにおける負荷を指定量だけ低下させるための信号を送信するステップと、
    前記負荷を低下させる間および低下させた後、前記1つまたは複数のターンダウン基準をモニタリングして、前記1つまたは複数のターンダウン基準のいずれかを満たさないか否かを判定するステップと、
    前記負荷を低下した後において前記1つまたは複数のターンダウン基準のうちいずれかが満たされていないとの判定がなされた場合、満たされなかった前記ターンダウン基準が、選択された回数だけ満たされなくなるまで、前記選択された回数だけ前記負荷をチューニングするステップと、
    満たされなかった前記ターンダウン基準を満たさない回数が前記選択された回数である場合、選択された圧縮器入口温度(CTIM)について前記1つまたは複数のターンダウン基準全てが満たされた最小負荷ターンダウンTTRFを記憶するステップと、
    を含むコンピュータ可読媒体。
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