JP2018500380A - アグリコシル化治療用抗体の製剤 - Google Patents

アグリコシル化治療用抗体の製剤 Download PDF

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Abstract

少なくとも20mg/mLの濃度で治療用抗体を含む抗体製剤、そのような抗体製剤を最適化し、製造する方法、及びそのような抗体製剤を使用する方法が本明細書に記載される。少なくとも約20mg/mLの濃度で治療用抗体を含む抗体製剤が本明細書に記載される。例えば、アグリコシル化抗体の高濃度溶液及び製剤、そのような製剤を製造する方法、及びそのような製剤を使用する方法が記載される。溶液の場合、記載される製剤は、低下した粘度及び良好な安定性を示す。【選択図】図1

Description

治療用生物製剤として改変された抗体の1つの制限は、濃縮抗体の安定した溶液を製剤化することの難しさである。より高い濃度では、抗体分子は凝集して溶液から脱落する傾向がある。アグリコシル化は、分子間の反発力を低減し、抗体を互いにより接近させる。その結果、アグリコシル化は、安定性の低下及び凝集の増加をもたらす。しかし、アグリコシル化は、インビボで多くの治療的及び薬理学的利点を提供する。アグリコシル化抗体はまた、典型的には、製造が容易である。これらの及び他の理由から、アグリコシル化抗体は、治療用抗体の好ましい形態である。
治療用抗体製剤の大部分は、高濃度製剤を必要としない静脈内適用におけるグリコシル化抗体の使用のために開発されている。アグリコシル化抗体のインビボでの有用性は、治療的使用に適した安定な高濃度アグリコシル化抗体製剤を同定する必要性を生み出す。
概要
少なくとも約20mg/mLの濃度の治療用抗体を含む抗体製剤が、本明細書に記載される。例えば、アグリコシル化抗体の高濃度溶液及び製剤、そのような製剤の作製方法、及びそのような製剤の使用方法が記載される。記載される製剤は、溶液の場合、低下した粘度及び良好な安定性を示す。これらの高濃度製剤は、取り扱いが容易であり、例えば、皮下及び硝子体内(IVT)投与に適している。これらの製剤は、例えば、眼障害の治療のための治療用抗体のIVT投与、並びに急性若しくは慢性全身性状態のための皮下投与のために適している。また、任意のアグリコシル化抗体の濃縮溶液の粘度を低下させる方法も本明細書に記載される。
したがって、一実施形態では、本発明は、少なくとも約20mg/mLの濃度の治療用抗体又はその断片を含む高濃度抗体製剤を特徴とする。特定の実施形態では、治療用抗体濃度は、少なくとも約100mg/mL〜約250mg/mL又はそれを超える、例えば約160mg/mLである。特定の実施形態では、製剤は、約60センチポアズ(cP)未満、例えば約20cP〜約50cPの粘度を有する溶液である。特定の実施形態では、溶液は、約20cPの粘度を有する。特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、ヒスチジン緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液及びリン酸塩緩衝液からなる群から選択される緩衝液をさらに含み、例えば、ヒスチジン塩化物及びアルギニン塩化物;ヒスチジン酢酸塩及びアルギニン酢酸塩;ヒスチジンリン酸塩及びアルギニンリン酸塩;ヒスチジン硫酸塩及びアルギニン硫酸塩;並びにヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩からなる群から選択される組み合わせを含むヒスチジン緩衝液が挙げられる。
特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン及びプロリンからなる群から選択される粘度低下剤をさらに含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、抗体凝集を防止する薬剤をさらに含み、該薬剤は、アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン及びプロリンからなる群から選択される。
特定の実施形態では、製剤のpHは約5.0〜約6.5である。
特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、約0.005%〜約0.10%の濃度、例えば約0.01%〜約0.04%の濃度のPS-80をさらに含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、塩化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩酸アルギニン、塩化亜鉛及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される塩をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、約20mM〜約150mM又は約150mM〜約250mMの濃度の塩化ナトリウムをさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、凍結保護剤をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール及びイソマルツロースからなる群から選択される糖をさらに含む。糖は、例えば、約0.5%〜約5%の量で存在することができる。
特定の実施形態では、本明細書に記載される製剤は、界面活性剤をさらに含み、例えば、界面活性剤は、ポリソルベート20;ポリソルベート80(PS-80);ポロキサマー;ポロキサマー188;トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、及びステアリルスルホベタイン;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-及びステアリルサルコシン;リノレイル-、ミリスチル-及びセチルベタイン;ラウロアミドプロピル(lauroamidopropyl)-、コカミドプロピル(cocamidopropyl)-、リノレアミドプロピル(linoleamidopropyl)-、ミリスタミドプロピル(myristamidopropyl)-、パルミドプロピル(palmidopropyl)-、及びイソステアラミドプロピル(isostearamidopropyl)ベタイン;ラウロアミドプロピル;ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、及びイソステアラミドプロピルジメチルアミン;ココイルメチルタウリン酸ナトリウム及びオレイルメチルタウリン酸二ナトリウム(disodium methyl oleyl taurate);MONAQUAT(商標)シリーズ;ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、及びエチレンとプロピレングリコールとのコポリマー;並びにPluronic(登録商標)ブロックポリマーからなる群から選択される。
特定の実施形態では、治療用抗体は、凍結乾燥形態から再構成され、例えば、ここで、再構成された製剤中の抗体濃度が、凍結乾燥前の抗体のタンパク質濃度より約2〜40倍大きい。
特定の実施形態では、抗体は、アグリコシル化抗体、IgG1/IgG2のハイブリッド抗体、ハイブリッド抗体IgG2/IgG4、IgG1抗体、IgG2抗体並びにそれらの組み合わせ若しくは断片からなる群から選択される。一実施形態では、抗体は、アグリコシル化抗体である。
特定の実施形態では、抗体は、抗プロパージン抗体、抗B因子抗体、抗C3抗体、抗D因子抗体、抗C5因子抗体、及び抗C5b-9抗体からなる群から選択される。特定の実施形態では、製剤は、pH約6.5で、25mMヒスチジン、2%スクロース、110mM NaCl及び0.01%Tweenを含む。
一実施形態では、本開示は、治療有効量の本明細書に記載される製剤を投与することを含む、治療用抗体をその必要がある患者に投与する方法に向けられている。特定の実施形態では、製剤は、皮下、硝子体内又は静脈内投与される。
図1は、賦形剤と緩衝液との種々の組み合わせにおける、そして様々な異なるpHレベルでの、高分子量(HMW)タンパク質の出現を示す。データは、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて、40℃での製剤を用いて収集した。pHと緩衝液のそれぞれの組み合わせについて5つのデータバーがある。各群内で左から右に、データバーは、以下の賦形剤を加えた製剤を表す:無し(対照)、150mM NaCl、5%スクロース、200mMソルビトール、5%PEG-200(ポリエチレングリコール200)、250mMアルギニン硫酸塩。 図2は、賦形剤と緩衝液との種々の組み合わせにおける、そして様々なpHレベルでの、HMWタンパク質の出現を示す。データは、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて、5℃での製剤を用いて収集した。pHと緩衝液のそれぞれの組み合わせについて5つのデータバーがある。各群内で左から右に、データバーは、以下の賦形剤を加えた製剤を表す:無し(対照)、150mM NaCl、5%スクロース、200mMソルビトール、5%PEG-200、250mM ArgSO4 図3は、異なる賦形剤及び緩衝液を使用する製剤で測定した抗体の平均分子直径を測定する動的光散乱データを示す。 図4は、クエン酸塩又はヒスチジン緩衝液を用いた異なる製剤のpHに対する種々の濃度のNaClの効果の評価を示す。 図5は、クエン酸塩又はヒスチジン緩衝液を用いた異なる製剤に対する種々の濃度のNaClの効果のSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)評価を示す。 図6は、ベース製剤中のアグリコシル化抗体の安定性が、0.01〜0.02%PS-80の添加により実質的に改善され得ることを示す。 図7は、ポリソルベートを添加しない、20mMヒスチジン、150mM NaCl、pH6.0における粘度と抗体濃度との間の関係を示す。約200mg/mLの濃度では、溶液の粘度はほぼ50cpである。粘度を下げるためにアルギニンを添加することができる。50mg/mLの製剤の場合、粘度値は、ポリソルベートの添加なしでほぼ2cPであると予想される。様々な濃度の試験抗体の製剤を用いてデータを作成した。試験抗体は、抗補体因子抗体、例えば抗プロパージン抗体であった。 図8は、本明細書に記載される高濃度抗体製剤における粘度低下剤の使用の結果を示す。粘度対剪断速度を示す結果は、試験抗体の抗体濃度が209mg/mLである50mMヒスチジン緩衝液、及び抗体濃度が219mg/mLである100mMヒスチジン緩衝液について示されている。測定は22℃で行った。 図9は、種々の高濃度抗体製剤についての粘度対剪断速度データを示す。試験抗体濃度は、各製剤について200mg/mL〜219mg/mLの範囲でかなり一致した。データは22℃で得られた。 図10Aは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図10Bは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図11Aは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図11Bは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図11Cは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図11Dは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図11Eは、粘度と温度との関係を示す(試験抗体濃度は162mg/mL(20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH=6.0)であった)。 図12Aは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。 図12Bは、様々な高濃度抗体製剤について22℃で測定した粘度対剪断速度データを示す。
高濃度抗体製剤、並びにそのような製剤を製造及び使用する方法が本明細書に記載される。そのような高濃度抗体製剤としては、例えば、アグリコシル化抗体又は他のその改変抗体若しくは断片が挙げられる。本明細書に記載される高濃度製剤は、例えば、その必要がある被験体への抗体の治療的送達に有用である。
本明細書で使用される場合、「製剤」は、例えば希釈剤、緩衝液及び他の化合物の組み合わせを使用する組成物、例えば溶液のための特定の処方を指す。本明細書に記載される製剤はまた、例えば、増量剤、賦形剤、界面活性剤、保存剤又は安定剤の1つ以上を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、活性成分、例えば、抗体又はその断片の濃度を標準化するための化合物を指す。本明細書に記載される製剤に使用するのに適した希釈剤には、例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、フルクトース、グルコースデキストロース又は他の糖、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、エチルセルロース、セルロース誘導体、カオリン、マンニトール、ラクチトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、又は他の糖アルコール、乾燥デンプン、サッカリド、デキストリン、マルトデキストリン又は他の多糖、イノシトール又はそれらの混合物などの薬学的に許容される不活性充填剤がある。希釈剤は、例えば、水溶性希釈剤であり得る。希釈剤の例には、例えば、微結晶性セルロース、例えばAvicel(登録商標)PH112、Avicel(登録商標)PH101及びAvicel(登録商標)PH102;ラクトース、例えばラクトース一水和物、ラクトース無水物、及びPharmatose(登録商標)DCL 21;第二リン酸カルシウム(例えば、Emcompress(登録商標));マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;及びグルコースがある。希釈剤は、処置製剤の約2重量%〜約80重量%、約20重量%〜約50重量%、又は約25重量%の量で使用することができる。
本明細書で使用される場合、「緩衝液」は、少量の添加酸又は塩基を中和して、溶液のpHを比較的安定に維持することによって、酸性又は塩基性成分の添加時のpH変化に抵抗する溶液である。pH範囲を効果的に維持するために、緩衝液は、弱い共役酸-塩基対(弱酸及びその共役塩基、又は弱塩基及びその共役酸)を含む。
本明細書で使用される場合、「増量剤」は、凍結乾燥混合物に質量を加え、凍結乾燥ケーキの物理的構造に寄与する(例えば、開孔構造を維持する本質的に均一な凍結乾燥ケーキの製造を容易にする)化合物を指す。例示的な増量剤としては、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコール及びソルビトールが挙げられる。本明細書に記載される液体製剤は、例えば、そのような増量剤を含む凍結乾燥製剤の再構成によって調製することができる。
本明細書に記載される製剤の活性成分(例えば、抗体又は抗体断片)は、例えば、薬学的に許容され、活性成分と適合する賦形剤と、本明細書に記載される治療方法における使用に適した量で、混合され得る。用語「賦形剤」は、溶液の品質及び/又は安定性に何らかの利益をもたらすために調製物又は製剤に添加され得る物質を指す。例えば、賦形剤は、安定剤として作用するために、所望のコンシステンシー(consistency)を達成する(例えば、バルク特性を変更する)ために、及び/又はオスモル濃度を調節するために、治療用抗体の溶液に添加され得る。賦形剤の例としては、以下に限定されないが、安定剤、糖、ポリオール、アミノ酸、界面活性剤、キレート剤、及びポリマーが挙げられる。種々の賦形剤は、当業者に知られているように、本開示の活性剤と均一に混合することができる。活性剤は、例えば、以下に限定されないが、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ラクトース、デンプン、ソルビトール、シクロデキストリン及びこれらの組み合わせなどの賦形剤と混合する又は組み合わせることができる。
本明細書に記載される製剤及び方法において使用することができる他の薬剤としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。用語「界面活性剤」は、表面活性剤(surface-active agent)、好ましくは非イオン性界面活性剤を指す。界面活性剤の例としては、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80);ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188);トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、又はステアリルスルホベタイン;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-又はステアリルサルコシン;リノレイル-、ミリスチル-又はセチルベタイン;ラウロアミドプロピル(lauroamidopropyl)-、コカミドプロピル(cocamidopropyl)-、リノレアミドプロピル(linoleamidopropyl)-、ミリスタミドプロピル(myristamidopropyl)-、パルミドプロピル(palmidopropyl)-、又はイソステアラミドプロピル(isostearamidopropyl)ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、又はイソステアラミドプロピルジメチルアミン;ココイルメチルタウリン酸ナトリウム又はオレイルメチルタウリン酸二ナトリウム(disodium methyl oleyl taurate);並びにMONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries, Inc., Paterson, New Jersey);ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、及びエチレンとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、Pluronic(登録商標)ブロックコポリマー、PF68等)等が挙げられる。これらの薬剤は、酸の塩、例えばクエン酸を有するクエン酸ナトリウム、と組み合わせて、緩衝系を生成することもできる。溶解時に微小環境のpHを変えるために使用することができる他の薬剤としては、無機酸の塩及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「保存剤」は、例えば、細菌、真菌又は他の望ましくない生物増殖の影響を低減することによって、抗体の経時安定性を維持するのに役立つために、抗体製剤に添加することができる化合物を指す。保存剤の添加はまた、複数回使用(複数回投与)製剤の製造を容易にし得る。潜在的な保存剤の例としては、以下に限定されないが、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドの混合物)及び塩化ベンゼトニウムが挙げられる。他のタイプの保存剤としては、芳香族アルコール、例えばフェノール、ブチル及びベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチル又はプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール及びm-クレゾールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「安定剤」は、溶解性、粘度、pH、純度又は他のそのような安定性の尺度に関して医薬製剤を安定化させるように作用する化合物である。本明細書の例示的な安定剤は、サッカリド、界面活性剤及びアミノ酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書に記載される製剤は、例えば、臨床的な環境で使用される市販の薬物製品を含む溶液である。本明細書に記載される製剤は、特定の適用及び/又は投与経路に特異的であり得る。治療用抗体薬物製品の製剤は、各抗体に特異的であり、薬物製品の活性及び安定性にとって極めて重要である。
開示された方法には、主に一般的な投与経路、例えば、皮下又は硝子体内(IVT)注射を介した投与が必要な場合に可能となるように、濃縮抗体製剤の粘度を低下させる方法が含まれる。モノクローナルIgG抗体のグリコシル化型上に存在する炭水化物残基/鎖は、抗体の溶解性において重要な役割を果たす。これは特に、溶液濃度が高い場合に当てはまる。結果的に、アグリコシル化抗体は、グリコシル化された対応物よりも溶解性が低く、凝集しやすい。低減された粘度及び/又は低減された凝集傾向を有するアグリコシル化モノクローナル治療用抗体の製剤に関する本明細書に記載の方法は、以下のステップの1つ以上を含む:
(1)塩及び/又は他の緩衝成分の添加により、製剤の総イオン強度を増加させるステップ;又は
(2)生物学的活性を損なうことなく、製剤のpHを所定の範囲内に変化させるステップ;又は
(3)最終製剤中約0.01%〜約0.4%の範囲の濃度で界面活性剤を添加するステップ;又は
(4)製剤化された溶液の粘度を低下させる及び/又は安定性を増加させる1つ以上のアミノ酸を添加するステップ。これらのステップは、緩衝液、塩、界面活性剤及び/又はアミノ酸をアグリコシル化抗体の溶液に添加することによって達成することができる。
治療用抗体製剤は、抗体溶液の粘度を低下させる及び/又はそうでなければ溶液中の抗体の溶解性を増加させ、それにより凝集を防止する、様々な異なる緩衝液、賦形剤、塩、糖及び他の添加物のいずれかを利用し得る。安定で比較的低粘度の溶液における高濃度アグリコシル化抗体に適した新規でユニークな抗体製剤、及びそのような製剤の製造方法が本明細書に記載される。アグリコシル化抗体は、最大200mg/mL又はそれを超える濃度で、本明細書に記載される製剤中で調製することができる。これらの製剤及び方法は、例えば、22℃でわずか20cPの粘度で、160mg/mLの濃度のアグリコシル化抗体の製剤を生成する(図7)。先行技術は、アグリコシル化抗体の低濃度製剤を製造するための限られた数の方法を提供し、低い(又は低下した)粘度での高濃度製剤のための方法を提供しない。
高濃度製剤は、例えば眼障害の治療のためのIVT投与による治療用抗体の効果的な使用に必要とされる。単回IVT注射の典型的な容量は、約50μLに制限されている。IVT注射によって有効量の薬物を投与するため、高濃度製剤が通常は必要とされる。開示される製剤は、例えば、抗体がIVT注射によって投与される眼障害の治療に使用することができる。開示される製剤はまた、全身性障害の治療のために意図され、その治療は、皮下注射又は静脈内注射による反復投与を必要とし得る。高濃度の製剤が入手できなければ、皮下注射による全身投与は可能でないか、又は実際的でない可能性がある。
本明細書で使用される場合、「粘度」は、「動粘度」又は「絶対粘度」を指す。「動粘度」は、重力の影響下での流体の抵抗性の流れの尺度である。絶対粘度=動粘度×密度。粘度は濃度に依存する。前述のいくつかの製剤は、抗体の到達可能な最高濃度を、溶液の粘度が20cPに達する濃度と考える。本明細書に記載の方法を用いて、本明細書に記載される製剤の粘度は、160mg/mLの抗体濃度で20cPに達する。治療用IgG抗体の製剤は、典型的には、はるかに低い濃度、通常100mg/mL未満で20cPの粘度に達する。20cPの粘度でのこの製剤の高濃度は、本明細書に記載される製剤の1つのユニークかつ有利な特性である。
本明細書に記載される製剤及び方法は、高濃度の抗体製剤、例えば、溶液、例えば、高濃度アグリコシル化抗体製剤を提供する。抗体濃度は、例えば、約100mg/mL〜約200mg/mL又はそれを超える範囲に及び、例えば、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、約150mg/mL、約160mg/mL、約170mg/mL、約180mg/mL、約190mg/mL及び約200mg/mL又はそれを超える。
IVT注射との関連で、160mg/mLで製剤化された治療用抗体は、50μLのIVT注射によって投与され、1つの眼あたり最大8mgの抗体を送達することができる。皮下(SC)投与の場合、1.5mL以下の容量は、単回注射で最大240mgを提供する。各投与でさらに多くの用量を提供するために、さらに高濃度の製剤が必要とされる。本明細書に記載の方法を用いて、160mg/mLを超える濃度のアグリコシル化抗体のための製剤を作製することができる。
様々なタイプの疾患及び最も多様なヒト個体の治療のための潜在的な適用(及び投与経路)の最も広い範囲をカバーするために、開示された方法及び製剤は、例えば20mg/mL、50mg/mL、160mg/mL及び200mg/mLの濃度で治療用アグリコシル化抗体を提供する。本明細書に記載される方法及び製剤は、任意のアグリコシル化抗体、任意のハイブリッド抗体、及び/又は一般に融合タンパク質として分類される任意の及びすべてのFab-Fc抗体構築物に使用することができる。治療的適用のために、本明細書に記載される方法及び製剤の適用は、粘度の低下、低微粒子形成〜無微粒子形成、低分子量(LMW)不純物及び/又は分解生成物無し、及び高分子量(HMW)分子(凝集体)無しを示す、アグリコシル化抗体(又はその機能的誘導体)の溶液を生成する。さらに、本明細書に記載される方法を用いて製剤化されたアグリコシル化抗体は、長期安定性を示す。
用語「抗体断片」、「抗原結合断片」又は類似の用語は、当該分野で公知であり、例えば、標的抗原の活性を阻害するために、例えば、標的抗原に結合する能力を保持する抗体の断片を指す。そのような断片には、例えば、一本鎖抗体、一本鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab'断片又はF(ab')2断片が含まれる。scFv断片は、scFvが由来する抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の両方を含む、単一のポリペプチド鎖である。さらに、イントラボディー、ミニボディー、トリアボディー、及びダイアボディーもまた、抗体の定義に含まれ、本明細書に記載される方法及び製剤での使用に適合する(Todorovska, A. et al., J. Immunol. Methods, 248:47-66, 2001; Hudson, P. & Kortt, J., J. Immunol. Methods, 231:177-89, 1999; Poljak, R., Structure, 2:1121-3, 1994; Rondon, I. & Marasco, W., Annu. Rev. Microbiol., 51:257-83, 1997)。抗原結合断片はまた、重鎖ポリペプチドの可変領域及び軽鎖ポリペプチドの可変領域を含み得る。したがって、抗原結合断片は、抗体の軽鎖及び重鎖ポリペプチドのCDRを含み得る。用語「抗体断片」はまた、例えば、ラクダ化単一ドメイン抗体などの単一ドメイン抗体を含み得る(Muyldermans, S. et al., Trends Biochem. Sci., 26:230-5, 2001; Nuttall, S. et al., Curr. Pharm. Biotech., 1:253-63, 2000; Reichmann, L. & Muyldermas, S., J. Immunol. Meth., 231:25-38, 1999; PCT公開第WO 94/04678号及び第WO 94/25591号; 並びに米国特許第6,005,079号、これらのそれぞれの全体は参照により本明細書に組み込まれる)。用語「抗体断片」はまた、単一ドメイン抗体が形成されるような修飾を有する2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を含む。
アミノ酸、緩衝液、賦形剤、糖、界面活性剤及びpH値調整の評価は、抗体製剤の開発において操作及び制御することができる因子である。1つ以上のアミノ酸の添加は、一般に、分子間相互作用を減少させる効果を有し、これは一般に、高濃度で凝集を減少させるのに役立つ。界面活性剤は、抗体の溶解性を増加させる。賦形剤は、抗体の分子直径に影響を与える傾向があり、これはまた、凝集及び溶解性にも影響する。緩衝液、塩及び/又は糖の添加、並びに溶液pHの操作はすべて、溶液粘度、及び溶液が凝集抗体分子を形成する傾向に様々な影響を及ぼす。小さな粒子を含まない低粘度の安定な溶液は、抗体凝集体を形成しにくい。そのような溶液は、一般に、良好な製剤の結果であると考えられる。そのような溶液特性は、高濃度(及び特に100mg/mLを超える濃度)での抗体製剤にとって重要である。
緩衝液の選択
可能性のある緩衝液としては、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジン又はリン酸塩が挙げられる。本明細書に記載される製剤に使用するために含まれるさらなる緩衝液組成物は、ヒスチジン-アルギニン緩衝液である。ヒスチジン緩衝液の例としては、ヒスチジン塩化物及びアルギニン塩化物、ヒスチジン酢酸塩及びアルギニン酢酸塩、ヒスチジンリン酸塩及びアルギニンリン酸塩、ヒスチジン硫酸塩及びアルギニン硫酸塩、ヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩などが挙げられる。本明細書に提供される実施例のいくつかにおいて特定された具体的な緩衝液は、ヒスチジン酢酸塩及びアルギニン酢酸塩である。
ヒスチジン-アルギニン緩衝液は、L-ヒスチジン(遊離塩基、固体)を酢酸(液体)で滴定し、L-アルギニン(遊離塩基、固体)を酢酸(液体)で滴定することによって、調製される。種々の実施形態において、ヒスチジン-アルギニン緩衝液は、4.5〜6.5の範囲内の任意のpHで調製される。一実施形態では、ヒスチジン-アルギニン緩衝液は、5.5のpHを有する。ヒスチジン-アルギニン緩衝液は、ヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩であり得る。ヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩緩衝液は、4.5〜6.5の間のpH値の範囲に沿って、0.1の増分で得られる任意のpHで調製され得る。1つの特定の実施形態において、ヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩緩衝液は、5.5のpHを有する。別の実施形態では、緩衝液は6.0のpHを有する。
賦形剤としての塩の選択
塩は、治療用抗体の製剤中の賦形剤として作用することができる。本明細書に記載される製剤において、本明細書に開示される低濃度又は高濃度の製剤のいずれかで使用される塩は、塩化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛及び酢酸ナトリウムの群からの任意の1つであり得る。少なくとも150mMのNaClの添加は、抗体の分子直径を最小限に保つのに役立つ。
界面活性剤の選択
製剤及び抗体の具体的な必要性に応じて、製剤化の方法は、抗体の溶解性を増加させるために必要であれば、界面活性剤の添加を含み得る。界面活性剤の例としては、0.01%〜5%で添加されるポリソルベート-80(PS-80)が挙げられるが、これに限定されない。スクロース、トレハロース及びマンニトールなどの糖も使用することができ、約0.05%〜5%の範囲の量で存在し得る。
低pH値対高pH値の製剤
50〜約200mg/mLの範囲の濃度で低下した粘度を有する高濃度抗体溶液の安定な製剤について、製剤及び製剤を製造する方法が記載される。実施例に記載されているように、より低いpHで、かつ適切な添加剤を用いて、最高濃度約200mg/mLの製剤では、溶液粘度を50cp以下に低下させることができる。一実施形態では、pHを≦5.5に低下させるか又は>6に上昇させるように変えることによって、約200mg/mLで溶液の粘度を低下させる方法が本明細書に記載され、ここで、動粘度は約100cPから約50cP又はそれ未満に低下する。特定の態様において、pHは、適用可能なpH範囲内の任意の10分の1のpH値である。例えば、より低いpHの製剤を調製するためには、具体的なpH値は、4.0、4.1、4.2などから5.5からなる値のいずれかから選択することができる。より高いpH範囲では、値の例は、0.1の増分で、6.1から12までの範囲である。
アミノ酸の添加
特定の態様において、アミノ酸は、アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン及びプロリンからなる群から選択される。アミノ酸ヒスチジン及びアルギニンは、アグリコシル化抗体の製剤に使用することができる。アルギニンの添加は、粘度を低下させることが見出された。メチオニンの添加は、メチオニン酸化を減少させることが見出され、これは製剤に安定性を提供する。
再構成製剤
凍結保護剤、例えば糖も添加される、再構成された製剤が本明細書に記載される。特定の態様において、凍結保護剤である糖は、例えば、スクロース又はトレハロースであってよく、60〜300mMの範囲の量で存在し得る。一実施形態では、製剤は、緩衝液又は塩を含有する希釈剤で再構成することができる。再構成された製剤中のタンパク質濃度は、典型的には、凍結乾燥前濃度の2〜40倍の範囲である。
カスタマイズ
製剤は、抗体の具体的なタイプに対して、又は具体的な抗体配列に対してさえ、カスタマイズされ得る。しかしながら、いくつかの製剤は、より広範な有用性があり、低又は高タンパク質濃度で調製された溶液について、いくつかの異なる抗体の任意の1つのために使用することができる。本明細書中に開示される製剤化方法は、アグリコシル化治療用抗体のために設計された。しかしながら、これらの方法は、治療的使用のために製剤化された他の大きな生物学的タンパク質(>100kD)にも使用され得る。
公知の緩衝液、賦形剤、安定剤、及び他の添加剤並びに条件の多くの潜在的な組み合わせの広範な試験に続いて、以下の例示的製剤が開発された:
(1)50mMヒスチジン、110mM NaCl、2%スクロース及び0.01%PS-80、pH6.5中の20mg/mL;
(2)20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH6.0中の50mg/mL;
(3)20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH6.0中の160mg/mL;及び
(4)20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH6.0中の200mg/mL。
20mg/mLでの第1の製剤は、好ましくはIV投与用である。3つの高濃度製剤(上記2〜4)について、NaClの最適濃度は、0.01%〜0.02%ポリソルベート(PS-80)で約110〜約150mMであると決定された。様々な賦形剤及び他の緩衝液の組み合わせの添加は、溶液製剤の粘度を低下させなかった。これらの製剤は、本質的に粒子を含まず、低粘度であり、生理食塩水中で希釈しても均質な溶液を提供した。アルギニン及びメチオニンの添加は、高濃度製剤の粘度をさらに低下させることが予想される。pH6.0が、IVT及び皮下(SC)投与の両方のための製剤の好ましい環境であると決定された。50〜200mg/mLの範囲の濃度のアグリコシル化抗体が、本明細書に記載される高濃度製剤化方法で達成された。典型的には、治療用抗体製剤は、約50cp以下の粘度で皮下投与に実行可能(「注射可能」)と考えられる。50mg/mLでは、評価されたアグリコシル化抗体の粘度は約2cPであったが、200mg/mLでの溶液の粘度は50cPであることが見出された。
本明細書に記載の方法によるアグリコシル化抗体の製剤化のための緩衝液は、一般に、約4.0及び約8.0の内のpH範囲内で緩衝化される溶液を生成する。例えば、使用される緩衝液は、約5.0〜約7.0のpH範囲で溶液を維持し得る。pHを5.8〜6.2に維持するために、ヒスチジン緩衝液を使用することができる。適切な範囲でpHを制御する緩衝液の例としては、酢酸塩、コハク酸塩、グルコン酸塩、ヒスチジン、クエン酸塩、グリシルグリシン、及び他の有機酸緩衝液が挙げられる。ヒスチジン緩衝液は、ヒスチジン酢酸塩又はヒスチジンHClであり得る。別の実施形態では、ヒスチジン緩衝液は、pH5.5〜6.5に維持される。
アミノ酸を安定剤として使用することができる。使用されるアミノ酸は、L型であってもよい。本明細書の調製物及び/又は製剤中の安定剤として含まれ得るアミノ酸の例としては、ヒスチジン、アルギニン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アスパラギン及び/又はアラニンが挙げられる。
記載される製剤に有用な保存剤の例は、ベンジルアルコールである。
界面活性剤はまた、本明細書に記載される製剤において使用することができる。界面活性剤は、例えば、ポリソルベート20又はポリソルベート80であり得る。調製物及び/又は製剤におけるモノクローナル抗体の凝集又は変性を防止又は低減するために、他の界面活性剤が含まれ得る。
例示的な希釈剤としては、滅菌水、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンガー溶液又はデキストロース溶液が挙げられる。代替の実施形態において、希釈剤は、塩及び/又は緩衝液の水溶液を含み得る。
低濃度でのIV投与のためには、サッカリドを製剤に添加してもよい。使用され得るサッカリドの例としては、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルツロースなどが挙げられる。本明細書に記載される製剤は、トレハロース又はスクロースなどの非還元性二糖類を含むことができる。糖アルコールとしては、以下に限定されないが、モノグリコシド、マルトース、ラクツロース及びマルツロースが挙げられる。グリコシド側基は、グルコシド又はガラクトシドのいずれかであり得る。凍結保護剤は、非還元糖トレハロース又はスクロースであり得る。
本明細書に記載される製剤は、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内(intracerobrospinal)、皮下、関節内、滑膜内、髄腔内、経口、局所又は吸入経路による、ボーラス又はある期間にわたる連続注入による投与に適している。本明細書に記載される製剤はまた、硝子体内投与による投与を可能にする。製剤は、皮下(すなわち、皮膚の下の)注射によって投与することができる。そのような注射には、例えば、自己投与されるものが含まれる。それらはまた、予め充填された注射器、使い捨て注射器、及び皮下注射のための様々な方法を提供する他の製品を含む。本明細書で提供される製剤と共に使用され得る他のデバイスとしては、Inject-ease(商標)及びGenject(商標)デバイス、インジェクタペン(GenPen(商標)など)、針なしデバイス(例えばMediJector(商標)及びBioJector(商標))、及び皮下パッチ送達システムが挙げられる。
安定性試験
モノクローナル抗体製剤の安定性及び品質は、抗体のサイズ分布(多分散性)、光学密度280(OD280)でのモノマータンパク質の%面積(サイズ排除クロマトグラフィー)、又は粒子サイズ分布、凝集、及び/又は断片化によって評価され得る。加速安定性は、40℃の温度で実施する。サイズ分布は、例えばサイズ排除クロマトグラフィー-高速液体クロマトグラフィー(SEC-HPLC)を用いて評価することができる。経時的なモノマー損失割合(SEC-HPLCで測定される)は、40℃の加速温度で測定される。
製品
製品は、抗体溶液を保存するための容器、ボトル、バイアル(例えば、二重チャンバーバイアル)、シリンジ(例えば、二重チャンバーシリンジ)、チューブ、及び液体懸濁液中に薬物を貯蔵及び投与するために一般に使用される他のデバイス及び材料を含む。抗体溶液を保持する容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成することができる。製剤を保持する容器は、高濃度製剤の反復投与(例えば、2〜6回の投与)を可能にする複数回使用バイアルであってもよい。製品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明書を含む添付文書を含む、商業的及びユーザーの観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
[実施例1]
種々の緩衝液系における賦形剤スクリーニング
試験抗体の製剤を用いて、それぞれ20mMの酢酸塩(pH5.0)、クエン酸塩(pH5.0、5.5、及び6.0)、コハク酸塩(pH5.5及び6.0)、ヒスチジン(pH6.0及び6.5)及びリン酸塩(pH7.0及び7.5)の緩衝液を、以下の賦形剤のそれぞれと組み合わせて評価した:150mM NaCl、5%スクロース、200mMソルビトール、250mMアルギニン硫酸塩、及び5%ポリエチレングリコール(PEG 200)。対照、150mM NaCl、ソルビトール、及びPEGについて、単分散サイズ分布を観察した。スクロース及びアルギニンについて多分散性を観察した。結果を図3に示す。
[実施例2]
緩衝液スクリーニング
5℃でのベースラインの生物物理学的スクリーニングの下で、酢酸塩(pH5.0)、ヒスチジン(pH6.0)及びヒスチジン(pH6.5)は、クエン酸塩(pH5.0、5.5及び6.0)、コハク酸塩(pH5.5及び6.0)、及びリン酸塩(pH7.0及び7.5)などの他の緩衝液(モノマーピークは98%であり、追加のピークはほぼ1.9%であった)と比較して、99%を超えるモノマーピークを示した。したがって、99%のピーク面積を有する製剤を考慮に入れた。結果を図1及び2に示す。
[実施例3]
種々の濃度のPS-80を有する製剤の評価
種々の濃度のPS-80(0、0.01、0.02、及び0.04%)を有する試験抗体の製剤をストレス下で評価した。データは、0.01〜0.02%のPS-80の添加が、製剤化された試験抗体にさらなる安定性を提供することを実証する。結果を図5及び6に示す。
[実施例4]
NaClの添加によるpH変化の評価
0〜150mMの範囲のNaCl濃度を、クエン酸塩緩衝液及びヒスチジン緩衝液の両方で評価した。図4に示される結果は、評価されたNaClのすべてのレベルにおいて、クエン酸塩又はヒスチジン緩衝液を使用した試験製剤が、6.0〜6.2の範囲でpHを維持したことを示す。
[実施例5]
NaClの添加によるモノマーピーク面積のSEC評価
0〜150mMの範囲のNaCl濃度を、クエン酸塩緩衝液及びヒスチジン緩衝液の両方で評価した。サイズ排除クロマトグラフィーを用いて評価すると、150mMのNaClを添加した場合、モノマーピーク面積が最も高いことが分かった。緩衝液の組み合わせの大部分は、97.5〜97.9を超える面積を与えた。結果を図5に示す。
[実施例6]
クエン酸塩緩衝液対ヒスチジン緩衝剤を有する高濃度製剤
150mMのNaClをそれぞれ含む試験抗体(225mg/mL及び230mg/mL)の2つの高濃度製剤を直接比較した。225mg/mL製剤は20mMクエン酸塩を使用し、230mg/mL製剤は20mMヒスチジンを使用した。結果を図8に示す。
[実施例7]
IV投与のための製剤
50mMヒスチジン、110mM NaCl、2%スクロース、及び0.01%PS-80、pH6.5中の20mg/mLの試験抗体、又は50mMヒスチジン、110mM NaCl、2%スクロース、及び0.01%PS-80、pH6.5中の50mg/mLの試験抗体。
[実施例8]
硝子体内又は皮下注射による投与のための高濃度製剤
20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH6.0中の160mg/mLの試験抗体、又は20mMヒスチジン、150mM NaCl、0.02%PS-80、pH6.0並びにアルギニン及びメチオニン中の200mg/mLの試験抗体。
[実施例9]
試験抗体濃度の、22℃での平均粘度に及ぼす影響
50、75、100、125、150、175、及び200mg/mLでの試験抗体の濃度を、22℃でpH6.0にて20mMヒスチジン、150mM塩化ナトリウム中で評価した。平均粘度は、濃度の増加とともに増加した。粘度は、200mg/mLで約52cPであり、160mg/mLで約20cPであった。アルギニン及びメチオニンの添加により、粘度はさらに低下する。結果を図7に示す。
[実施例10]
高濃度抗体製剤及び粘度特性
高濃度抗体製剤を、安定性及び粘度について試験した。製剤は、以下の表に示すような抗体濃度を含んでいた。図8〜12についてのデータを、以下の表に提供する。
他の実施形態
実施形態は詳細な説明と共に記載されているが、前述の説明は例示を意図したものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲を限定するものではないことを理解されたい。材料、方法、及び実施例は例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に引用して記載した全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。他の態様、利点及び改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (29)

  1. 少なくとも約20mg/mLの濃度で治療用抗体を含む、抗体製剤。
  2. 治療用抗体濃度が、少なくとも約100mg/mL〜約250mg/mL又はそれを超える、請求項1に記載の製剤。
  3. 治療用抗体濃度が、約160mg/mLである、請求項2に記載の製剤。
  4. 製剤が、約60cP未満の粘度を有する溶液である、請求項1に記載の製剤。
  5. 溶液が、約20cP〜約50cPの間の粘度を有する、請求項4に記載の製剤。
  6. 溶液が、約20cPの粘度を有する、請求項4に記載の製剤。
  7. ヒスチジン緩衝液、クエン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液、及びリン酸塩緩衝液からなる群から選択される緩衝液をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  8. 緩衝液が、ヒスチジン塩化物及びアルギニン塩化物;ヒスチジン酢酸塩及びアルギニン酢酸塩;ヒスチジンリン酸塩及びアルギニンリン酸塩;ヒスチジン硫酸塩及びアルギニン硫酸塩;並びにヒスチジンコハク酸塩及びアルギニンコハク酸塩からなる群から選択される組み合わせを含むヒスチジン緩衝液である、請求項7に記載の製剤。
  9. アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン及びプロリンからなる群から選択される粘度低下剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  10. 抗体凝集を防止する薬剤をさらに含み、該薬剤は、アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン及びプロリンからなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
  11. 製剤のpHが約5.0〜約6.5である、請求項1に記載の製剤。
  12. 約0.005%〜約0.10%の濃度のポリソルベート80(PS-80)をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  13. 前記PS-80が、約0.01%〜約0.04%の濃度である、請求項12に記載の製剤。
  14. 塩化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩酸アルギニン、塩化亜鉛及び酢酸ナトリウムからなる群から選択される塩をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  15. 約20mM〜約150mMの濃度の塩化ナトリウムを含む、請求項14に記載の製剤。
  16. 約150mM〜約250mMの濃度の塩化ナトリウムを含む、請求項14に記載の製剤。
  17. 凍結保護剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  18. グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール及びイソマルツロースからなる群から選択される糖をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  19. 糖が、約0.5%〜約5%の量で存在する、請求項18に記載の製剤。
  20. 界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
  21. 界面活性剤が、ポリソルベート20;ポリソルベート80;ポロキサマー;ポロキサマー188;トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、及びステアリルスルホベタイン;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-及びステアリルサルコシン;リノレイル-、ミリスチル-及びセチルベタイン;ラウロアミドプロピル(lauroamidopropyl)-、コカミドプロピル(cocamidopropyl)-、リノレアミドプロピル(linoleamidopropyl)-、ミリスタミドプロピル(myristamidopropyl)-、パルミドプロピル(palmidopropyl)-、及びイソステアラミドプロピル(isostearamidopropyl)ベタイン;ラウロアミドプロピル;ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、及びイソステアラミドプロピルジメチルアミン;ココイルメチルタウリン酸ナトリウム及びオレイルメチルタウリン酸二ナトリウム(disodium methyl oleyl-taurate);MONAQUAT(商標)シリーズ;ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、及びエチレンとプロピレングリコールとのコポリマー;並びにPluronic(登録商標)ブロックポリマーからなる群から選択される、請求項20に記載の製剤。
  22. 治療用抗体が、凍結乾燥形態から再構成される、請求項1に記載の製剤。
  23. 再構成された製剤中の抗体濃度が、凍結乾燥前の抗体のタンパク質濃度より約2〜40倍大きい、請求項22に記載の製剤。
  24. 抗体が、アグリコシル化抗体、IgG1/IgG2のハイブリッド抗体、ハイブリッド抗体IgG2/IgG4、IgG1抗体、IgG2抗体及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
  25. 抗体が、アグリコシル化抗体である、請求項24に記載の製剤。
  26. 抗体が、抗プロパージン抗体、抗B因子抗体、抗C3抗体、抗D因子抗体、抗C5因子抗体、及び抗C5b-9抗体からなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
  27. pH約6.5で、25mMヒスチジン、2%スクロース、110mM NaCl及び0.01%Tweenを含む、請求項1に記載の製剤。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の、治療有効量の製剤を投与することを含む、治療用抗体をその必要がある患者に投与する方法。
  29. 製剤が、皮下、硝子体内又は静脈内投与される、請求項28に記載の方法。
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