JP2018205226A - 近赤外分光分析を用いたフライ用油脂組成物の分析 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、フライ用の油脂組成物を簡便かつ迅速に分析する技術を提供することである。【解決手段】本発明によって、フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する方法が提供される。本発明は、フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する工程、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する工程、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外分光分析を用いたフライ用油脂組成物の分析技術に関する。特に本発明は、近赤外分光分析を用いたフライ用油脂組成物の酸価測定法およびフライ用油脂組成物の管理方法に関する。
食用油脂の一つとして、油ちょうに用いられるフライ用油脂組成物(フライ油)が知られている。フライ油は、熱や酸素による酸化反応と、油ちょうによる水分と熱による加水分解反応とが複合的に重なり合うため、劣化が速く進行し、揚げ物の風味や外観に悪影響を及ぼす。そのため、フライ油の状態をきちんと管理し、適切な時期にフライ油を交換することが重要である。一般にフライ油の劣化は、油ちょうの際の水分によって遊離脂肪酸(FFA)が増加したり、油脂重合物や芳香化合物が増加したりすることが原因とされており、フライ油の酸価や色、油脂重合物の量などによってフライ油の劣化度合いが評価される。
フライ油の劣化度を評価する指標として用いられる酸価(1gの油脂に含まれる酸を中和するのに必要な水酸化カリウム量)はアルカリ滴定法によって測定されるが、アルカリ滴定法は実験手順が煩雑であり、試薬等を使用するため、調理加工の現場などにおいて簡便に酸価を測定することは難しい。フライ油の酸価を簡便に測定する方法として、酸価試験紙を使用する方法が知られているが、この方法は簡便であるものの、試験紙を油に浸けてその色の変化で酸価を判定するものであり、測定精度が高いとはいえない。
その他に、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーを利用して油脂の劣化を評価したり、酵素を用いた比色分析やフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)によって油脂の劣化を評価したりすることが知られているが、事前に油脂の抽出工程が必要となるなど、迅速分析法として運用することは難しかった。
近年、迅速な非破壊分析法として近赤外分光法(NIR法)が食品分野においても利用されている。近赤外分光法は試料に近赤外光を照射して得られた散乱光や透過光のスペクトルから試料の物理的または化学的性質についての情報を得る手法であり、試料中の特定成分含量を、試料を破壊することなく、極めて短時間で予測することが可能である。例えば、特許文献1には、米油に含まれる遊離の脂肪酸を定量するために近赤外分光分析を用いることが記載されている。また、非特許文献1には、近赤外分光分析によってパーム油の酸価を測定することが記載されており、最も良い波長の組み合わせは1882nm、2010nm、2040nmで(波数:約5313cm−1、約4975cm−1、約4902cm−1)あるとされている。さらに、非特許文献2には、油脂の劣化度を評価するために近赤外光(波長:800〜2500nm、波数:4000〜12500cm−1)の透過スペクトルを利用することが記載されている。
特許第5748897号公報
Y.B.C. Man, M.M. Moh, J. Am. Oil Chem. Soc., 75, 557 (1998). Tamada et al., Evaluation of oil deterioration during deep-fat frying by near infrared spectroscopy, "Proceeding of the Japan-Thailand Joint Symposium on Nondestructive Evaluation Technology, " pp. 244-245 (2004)
上述したように、近赤外分光法は、近年、食品分野においても利用されるようになっているが、フライ油のような複雑な系を迅速かつ正確に分析する技術に関しては具体的な報告はない。近赤外分光法による分析は、評価指標の化学分析値とNIRスペクトルとの相関関係に基づいて検量モデル(検量線)を構築しておく必要があり、フライ油のように複雑な系の劣化を近赤外分光法によって分析することについては、これまでに十分な検討はなされていない。
例えば、上述の先行技術文献に係る技術はいずれも単一の油脂を分析するものであり(特許文献1:米油、非特許文献1:パーム油、非特許文献2:植物油)、分析対象がシンプルで評価しやすいものである。フライ油は複数種類の油脂や乳化剤、抗酸化剤等がブレンドされていることが多いため、系が複雑であるだけでなく、油ちょうの際の揚げ種も複数種類となり、水分や熱などによる劣化のメカニズムも複雑である。さらに、調理加工の現場などにおける実用性を考慮すると、近赤外光の広い波数領域での測定が必要であると分析装置の小型化が難しいため、狭い波数領域の測定のみでフライ油の分析が可能な技術が望ましい。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、フライ用油脂組成物を簡便かつ迅速に、高精度で分析する技術を開発することである。特に本発明は、フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを簡便かつ迅速に、高精度で測定する技術を提供することを課題とする。
これに限定されるものではないが、本発明は下記の態様を包含する。
(1) フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する方法であって、フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する工程、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する工程、を含む、上記方法。
(2) 前記フライ用油脂組成物が、2種以上の油脂を含んでなる、(1)に記載の方法。
(3) 透過法によって近赤外分光スペクトルを測定する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記検量モデルが、油脂組成の異なる複数のフライ用油脂組成物について、劣化度合いの異なる複数のサンプルの近赤外分光スペクトルを4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域において測定するとともに、同じサンプルについて理化学的に酸価を定量した上で、測定した近赤外分光スペクトルデータと定量した酸価とから作成されるものである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 4600〜4800cm−1の全部または一部の波数領域において近赤外分光スペクトルを測定する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 劣化度合いを評価するフライ用油脂組成物から揚げかすを除いてから近赤外分光スペクトルを測定する、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する装置であって、フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する分光分析部、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する計算部、を備えた、上記装置。
本発明によれば、フライ用油脂組成物の劣化度合いを簡便かつ迅速に、高精度で分析することができる。特に本発明によれば、フライ用油脂組成物の酸価などを簡便かつ迅速に測定できるため、フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価することができる。本発明によれば測定装置を小型化し、短時間でフライ用油脂組成物を分析できるため、調理加工の現場であっても、簡便かつ迅速に良好な精度で、使用中、または使用された油脂組成物の酸価などの指標を測定し、フライ用油脂組成物の適正管理ができる。
図1は、実験1に係る各種フライ用油脂組成物に関して、本発明によって予測した酸価と理化学的に分析した酸価との関係を示すグラフである(縦軸:本発明によって予測した酸価、横軸:理化学的に分析した酸価)。 図2は、実験1に係る各種フライ用油脂組成物について測定した近赤外スペクトルについて、波数が4700cm−1近辺のデータを重ね合わせたグラフである(縦軸:透過率、横軸:波数)。 図3は、実験1に係る各種フライ用油脂組成物の酸価に関して、波数と回帰係数の関係を示すグラフである(縦軸:回帰係数、横軸:波数)。 図4は、実験2に係る各種フライ用油脂組成物に関して、本発明によって予測した酸価と理化学的に分析した酸価との関係を示すグラフである(縦軸:本発明によって予測した酸価、横軸:理化学的に分析した酸価)。
本発明は、一つの態様において、フライ用油脂組成物の劣化度合いを評価する方法に関する。本発明は、フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する工程、あらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物の酸価を算出する工程、を含む。
フライ用油脂組成物(フライ油)
本発明においてフライ用油脂組成物(フライ油)とは、油ちょう(フライ)に用いられる油脂組成物である。本発明に係るフライ用油脂組成物は、1または複数の食用油脂を含んでなり、食用油脂は、特に限定されるものではなく、植物由来であるか、動物由来であるか、また、合成品であるかも問わない。本発明によれば、1種類の油脂からなるフライ用油脂組成物はもちろん、複数の油脂を含んでなるフライ用油脂組成物であっても精度よく迅速に分析することが可能である。食用油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、キャノーラ油、コーン油、ひまわり油、紅花油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、オリーブ油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、豚脂、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ脂、藻類油などを単独または組み合わせて使用することができる。好ましい食用油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油、オリーブ油、ごま油などの植物油を挙げることができる。また、水素添加油脂、グリセリンと脂肪酸のエステル化油、エステル交換油、分別油脂なども適宜使用することができる。さらに、遺伝子組換えの技術を用いて品種改良した植物から抽出したものであってもよい。
本発明に係る油脂組成物は、必要に応じて通常用いられる添加剤を添加することができる。前記添加剤としては、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温下での結晶抑制等を目的としたものであって、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート等の乳化剤、トコフェロール、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、茶抽出物、コエンザイムQ、オリザノール等の抗酸化剤、β−カロテン等の色素、香料、シリコーンなどが挙げられる。本発明の油脂組成物は、乳化剤等の添加剤が添加されていてもよく、乳化剤等の添加剤が無添加でもよい。
本発明においてフライ用油脂組成物は、好ましくは濾過などの前処理を施した後、近赤外分光分析(NIR)に供される。フライ用油脂組成物の前処理としては、例えば、固液分離、希釈/抽出、冷却/加熱などの処理が挙げられる。固液分離については、例えば、濾紙やフィルターなどを用いて油脂組成物から固形物を濾別したり静置によって固形物と分離させたりするものであり、希釈および抽出については、各種溶媒を用いて油脂組成物を処理するものである。分析対象であるフライ用油脂組成物に異物や水分が多く含まれる場合、これらをあらかじめ除去して試料を均質な状態にしておくことによって分析の精度を高めることができる。冷却および加熱は、分析に適した温度に油脂組成物を調整するものである。
本発明に係るフライ用油脂組成物とは、油ちょうに用いられる油脂組成物であるが、油ちょうは、食用油脂を用いる調理法の一つで、日常的に幅広く用いられるものである。油ちょう製品とは、天ぷら、から揚げ、とんかつ、コロッケ、さつま揚げ、即席麺、揚げせんべい、かりんとう、フライドポテト、ドーナツなど多くのものがあり、油ちょうを実施する場所も、一般家庭はもちろん、スーパーなどの店舗のバックヤード、飲食店などの厨房、大規模な食品工場など、多くの場所が挙げられる。
一般に、フライ用油脂組成物は、特にスーパーなどの店舗のバックヤード、飲食店などの厨房、食品工場などにおいては連続して使用されることが多く、フライ作業終了後に、揚げ種に吸収されて減少した分の油を継ぎ足しながら使用される(この操作を「差し油」、「足し油」などという)。一般にフライ用油脂組成物は、酸価が2.5程度に達するまで、油を継ぎ足しながら連続して使用されるため、フライ用油脂組成物の劣化度合いを管理することが重要になる。フライ用油脂組成物の管理は、測定された劣化指標から、フライ用油脂組成物の劣化度合いを判定することにより行われる。フライ用油脂組成物の劣化度合いは、数値で表示してもよいし、数値以外の方法で表示してもよい。例えば、色(赤、黄、青など)や形状やマーク(○、△、×など)などにより、劣化度合いをわかり易く表示して管理することもできる。また、フライ用油脂組成物の管理は、個々の測定装置に劣化度合いを表示して個別に行うこともできるし、得られた測定データをパソコンなどへ送ることによってフライヤーごとや店舗ごとなど、多量のデータを一括管理することも可能である。
また、フライ用油脂組成物による調理は、少なくとも100℃以上に加熱したフライ用油脂組成物に揚げ種(原料)を入れて行われ、揚げ種中の水分は油から蒸発熱を受けて水蒸気となって蒸発する。油ちょうにおいては、熱や酸素による酸化反応と、油ちょうによる水分と熱による加水分解反応とが複合的に重なり合い、劣化が複雑に進行する。揚げ種の一部は、本体から離れて細かい粒子となり、長く油中に留まって揚げかすとして存在するが、これもフライ用油脂組成物の分析が難しくなる要因の一つである。
近赤外スペクトルの測定と劣化度合いの評価
本発明においては、フライ用油脂組成物に必要に応じて前処理を施した上で、NIRスペクトルを測定する。NIRスペクトルの測定方法は特に限定されないが、透過反射法または透過法によって測定することが好ましく、試料によって使い分ければよい。一般に近赤外分光法では、粉体や固体の分析に適した拡散反射法、液体の分析に適した透過反射法または透過法があるが、本発明に係るフライ用油脂組成物は液体状態で測定するため、透過反射法または透過法によることが好ましい。試料が比較的透明であれば透過法、着色が強く、光を透過しにくい液体試料の場合は透過反射光によって測定することが多い。フライ用油脂組成物は、油ちょうによって油脂が着色したり、光散乱成分が混入したりするため、透過反射法を選択することが考えられるが、省スペース化を図るために透過法を選択することも好ましい。
本発明においてNIRスペクトルを測定する際の測定セルは特に限定されない。測定試料や測定法、測定するシチュエーションに応じて使い分ければよいが、オフライン(off line)分析だけではなく、アットライン(at line)、オンライン(on line)、インライン(in line)などの形で実施してもよい。NIRスペクトルの測定は、試料を採取し分析室の近赤外分析計で測定することもできるが、調理加工の現場に近赤外分析計を持ち込みその場で測定することもできる。また油ちょう製品の製造ラインに近赤外分析計を組み込むことにより連続的に試料のNIRスペクトルを測定することも可能である。
NIRスペクトルの測定には、市販の近赤外分光分析計を用いることができるが、透過光と拡散反射光を測定できるものが好ましく、液体測定モジュールを備えたものを好適に利用できる。また、測定セルの温度調節機能を備えたものがより好ましい。得られるスペクトルは、フーリエ変換スペクトルであることが好ましい。
温度によって試料の透明度が変化するような場合もあるため、NIRスペクトルの測定は一定の温度で行うことが好ましい。試料の粘度が高い場合には試料を入れた測定セルを加温して試料粘度を下げることが好ましい。本発明においては、5〜60℃においてNIRスペクトルを測定することが好ましく、10〜55℃においてNIRスペクトルを測定することがより好ましく、15〜55℃においてNIRスペクトルを測定することがさらに好ましく、20〜50℃においてNIRスペクトルを測定することが最も好ましい。また、迅速に測定することを考慮すると、測定セルの厚さは薄いものが好ましく、例えば、0.5〜30mmであってよく、0.8〜20mmや1.0〜10mmが好ましい。
本発明においては、4500〜4900cm−1の波数領域の全部または一部について近赤外分光スペクトルが測定される。本発明においては、4500〜4900cm−1の波数領域において少なくとも50cm−1以上の連続した波数領域のスペクトルを測定することが好ましく、100cm−1以上の連続した波数領域のスペクトルを測定することがより好ましい。また、本発明においては、4500〜4900cm−1の波数領域において300cm−1以下の連続した波数領域のスペクトルを測定することが好ましく、250cm−1以下の連続した波数領域のスペクトルを測定することがより好ましい。測定する波数領域は、4500〜4900cm−1の波数領域内に1つのみを設定してもよく、複数設定してもよい。測定する波数領域の数を少なくしたり、波数領域を狭くした方が分光分析装置を小型化することができるため好ましく、例えば、好ましい態様において、4600〜4800cm−1の波数領域の全部または一部について近赤外分光スペクトルを測定してもよい。
近赤外スペクトルデータは、原スペクトルデータでもよいが、原スペクトルデータを加工したものを使用することが好ましい。データ加工の方法としては、例えば、1次微分、2次微分、3次微分などの多次微分、平滑化、スペクトルの減算、正規化、MSC補正、標準化(SNV補正)などが挙げられる。これらの加工方法は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。中でも好ましい加工方法として、多次微分、平滑化、標準化を挙げることができる。
分析サンプルのNIRスペクトルデータに対して、先に得られた検量モデルを適用することにより、酸価をはじめとする油脂組成物の劣化度合いを示す指標について予測値を算出することができる。ここでのスペクトルデータの解析と予測値(定量値)の算出は、市販のソフトウェアを使用して行うことができる。
本発明においては、上述のようにして得られた検量モデルに基づいて、特定の波数領域における分析サンプルのNIRスペクトルデータからフライ用油脂組成物の劣化度合いを評価する。本発明によってフライ用油脂組成物の酸価を測定する場合、試料の酸価は0.01〜8.0の範囲であることが好ましく、0.01〜5.0の範囲であってもよい。
なお、本発明に係る方法は、他の分析法と併せて実施することも可能である。併せて実施する分析としては、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)などの液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)などの赤外分光分析(IR)、フーリエ変換核磁気共鳴分析(FT−NMR)などの核磁気共鳴分析(NMR)などが挙げられる。
また、一つの態様において、本発明は、フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する装置に関する。本発明に係る装置は、分光分析部と計算部を少なくとも備えており、分光分析部において、フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定し、計算部において、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する。本発明においては、近赤外光のうち、4500〜4900cm−1という比較的狭い波数領域の分光スペクトルによって分析できるため、装置を小型化することが可能である。
本発明に係る装置は、評価結果を表示するための表示部や各種データを入力するための入力部など、一般的な分析装置が備えるような部位を有してよい。例えば、フライ用油脂組成物の劣化度合いを表示する場合、数値で表示してもよいし、数値以外の方法で表示してもよい。例えば、色(赤、黄、青など)や形状やマーク(○、△、×など)などにより、劣化度合いをわかり易く表示して管理することもできる。また、フライ用油脂組成物の管理は、個々の測定装置に劣化度合いを表示して個別に行うこともできるし、本発明に係る装置で得られたデータをパソコンなどへ送って、多量のデータを一括管理することも可能である。
検量モデルの作成
本発明においては、フライ用油脂組成物に関するNIRスペクトルデータを基に多変量解析を行って、フライ用油脂組成物の劣化度合いを評価するための検量モデル(検量線)が作成される。多変量解析としては、ケモメトリクスに通常用いられる解析ツールを使用することができ、例えば、主成分分析(PCA:principal component analysis)、階層クラスター分析(HCA:hierarchical cluster analysis)、PLS回帰分析(partial least squares regression)、判別分析(discriminate analysis)などの種々の多変量ツールを好適に使用できる。PLS回帰分析では、部分最小二乗によって2群の変量間の関係が分析される。必要に応じて、スペクトルフィルタリング法、例えば、妨害成分を取り除くための直交シグナル補正と組み合わせて多変量解析を行ってもよい。これらの解析ツールは市販されており、任意のものが入手可能である。なお、多変量解析は、得られた全データではなく、品質予測に重要な一定の範囲のデータを選択して行ってもよい。例えば、NIRスペクトルのうち、一部の波数領域のデータのみを用いて分析することも可能である。
本発明においてはPLS回帰分析によって検量モデルを作成することが好ましいが、PLS回帰分析は、変数(例えば、波数、波長)間に相関を有するスペクトルデータからの検量線作成に有効な手法である。一般に、変数間に相関があると、用いる変数の組み合わせによっては回帰精度が著しく低下するが、これを避けるためにPLS回帰分析では変数を互いに無相関な変数(潜在変数)に変換し、この潜在変数を用いて回帰を行う。すなわち、PLS回帰分析とはデータの変数を直交変換し、その新たな変数を用いて重回帰分析を行う解析手法である。
検量モデルを得るためにNIRスペクトルデータを取得する場合、分析サンプルのNIRスペクトルデータを得る場合と同様にして取得することができる。すなわち、市販の近赤外分光分析計を用いてNIRスペクトルを測定しスペクトルデータ、好ましくはフーリエ変換スペクトルデータを取得すればよい。スペクトルデータは、原スペクトルデータでもよいが、原スペクトルデータを加工したものを使用することが好ましい。なお、本発明は、フライ用油脂組成物に関するデータの蓄積により検量モデルが改善され、予測精度が上昇し得るものである。
解析に用いる波数領域のスペクトルデータと化学的に決定した指標(酸価などの実測値)とを多変量解析法に供することにより回帰式を得ることができる。スペクトルデータに内在するフライ用油脂組成物の劣化度合いと相関の高い因子について、この因子の回帰係数を用いてスペクトルデータからフライ用油脂組成物の劣化度合いを予測するための回帰式を作成する。近赤外分光法では、回帰式を作成後、回帰式を得るための試料以外の試料(評価用試料)を用いて、作成された回帰式の測定精度を評価する。回帰式の測定精度は評価用試料の実測値と作成した回帰式によって算出された予測値による分析値との差(測定誤差)の標準偏差や平均値によって評価することができる。
具体的な実験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、以下の実験例は本発明の一例を示したものであり、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。また、特に記載しない限り、本明細書において、濃度や%は質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1.フライ用油脂組成物の分析(その1)
複数種の油脂を含むフライ用油脂組成物について、近赤外スペクトルのデータからフライ用油脂組成物の劣化度合いを予測する技術について検討した。
(1−1)測定サンプル
下表に示す複数種の油脂を含む混合油にシリコーンを3ppm添加したものを、数日間連続して油ちょうに使用した。具体的には、混合油を1日10時間、180±5℃に加熱し、1時間あたり5個のコロッケを油ちょうした(フライ時間はコロッケ1つあたり約5分間)。フライに使用した混合油を1日ごとに100ml採取し、静置して揚げかす等を除いたものを測定サンプルとした。混合油A〜Cは検量線作成用のサンプルであり、混合油Dは本発明に係る分析法を評価するためのサンプルである。
上記サンプルについて、下記の理化学的方法によって、酸価、色相、油脂重合物を測定した。
・酸価(acid value):基準油脂分析試験法(日本油化学会、2013年版)に基づいて中和滴定法によってサンプルの酸価を測定した。下表に示すように、測定サンプルの酸価は0.05〜3程度であった。
・色相:基準油脂分析試験法(日本油化学会、2013年版)に基づいてロビボンド比色計を用い、1インチセルにてサンプルの色を分析した(R値:赤、Y値:黄、B値:青)。その分析値を「Y値+10×R値」として数値化し、評価した。
・油脂重合物:基準油脂分析試験法(日本油化学会、2013年版)に基づいてゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いてサンプルの油脂重合物を評価した。ここでいう油脂重合物とは、GPC法でトリアシルグリセリンよりも早く溶出するピークに係るものである。
(1−2)近赤外スペクトル(NIRスペクトル)の測定
測定セル(ガラスセル、厚さ:2mm)をサンプルで数回共洗いした後に、測定セルに測定サンプルを注ぎ入れた。下記の測定装置のNIR測定部位に測定セルを挿入し、温度を35℃に維持して、4000〜10000cm−1における近赤外スペクトルを透過法により取得した。
(測定装置)
・卓上型近赤外分析計(Buchi社、NIRFlex N-500 液体測定モジュール)
・光源:ハロゲンランプ
・干渉計:TeO偏光干渉計
・検出器:InGaAs(ペルチェ温調)
・分解能:8cm−1
・制御可能温度:10〜65℃
得られたスペクトルデータに対して、コンピュータを用いて前処理として「2次微分」「標準化(SNV補正)」「平滑化」を行った。
・2次微分:スペクトルのピーク強度変化に基づいてベースラインを補正するもの。
・標準化(SNV補正):各波数のスペクトル強度の平均値を基準とし、その基準との強度差でスペクトルの縦軸を表現するもの。標準化によって、スペクトル間のベースラインによる変動を補正することができる。
・平滑化:スムージング(9点平滑化)処理を行うもの。測定装置の性能などに由来するランダムなノイズの影響を抑制することができる。
(1−3)検量モデルの作成と酸価の算出
混合油A〜Cについて得られたスペクトルデータを用いて種々の検量モデルを作成し、酸価を高精度で予測する方法について検討した。具体的には、検量モデル作成に用いる波数領域を変化させてNIRスペクトルから酸価を算出し、どのような波数領域のデータを用いると酸価を高精度で予測できるのかをコンピュータを用いて調べた。
検量モデル作成に用いた波数領域は以下のとおりである。なお、(f)は非特許文献1(Y.B.C. Man, M.M. Moh, J. Am. Oil Chem. Soc., 75, 557, 1998)、(g)は非特許文献2(Tamada et al., Proceeding of the Japan-Thailand Joint Symposium on Nondestructive Evaluation Technology, pp. 244-245, 2004)にそれぞれ記載されていた波数領域であり、3つの波数領域におけるNIRスペクトルデータから検量モデルを作成して酸価を算出した。
(a) 4000〜10000cm−1
(b) 4000〜8000cm−1
(c) 4000〜6000cm−1
(d) 4500〜4900cm−1
(e) 4600〜4800cm−1
(f) 4882〜4922cm−1、4955〜4995cm−1、5293〜5333cm−1
(g) 4546〜4586cm−1、4646〜4686cm−1、8455〜8495cm−1
混合油A〜CのデータからPLS回帰分析によって定量モデルを構築して酸価の検量モデルを作成し、作成した検量モデルに基づいて、混合油Dに関して測定したNIRスペクトルから酸価を算出した。検量モデルを用いて算出した酸価(検量モデルによる算出値)と理化学的分析により実測した酸価(理化学的分析値)から算出される予測標準誤差(SEP)を以下に示す。
なお、予測標準誤差(SEP)は、下式で与えられるものであり、各評価用サンプルの検量モデルによる算出値と理化学的分析値の差(絶対値)の合計が小さいほど予測標準誤差(SEP)は小さくなる。
[Σ{(検量モデルによる算出値)−(理化学的分析値)}/(サンプル数)]1/2
下表に示すように、4500〜4900cm−1や4600〜4800cm−1の波数領域を選択した場合に測定精度が極めて高くなることが確認された。すなわち、広い範囲のNIRスペクトルデータから検量モデルを作成した場合(実験a:4000〜10000cm−1、実験b:4000〜8000cm−1、実験c:4000〜6000cm−1)と比較して、本発明によれば、狭い範囲のNIRスペクトルデータから、使用済みのフライ用油脂組成物の酸価を高い精度で測定できることが明らかになった(実験dの予測標準誤差:0.12、実験eの予測標準誤差:0.11)。4600〜4800cm−1の波数領域のデータを用いた場合(実験e)について、その結果を表4および図1に示すが、検量線の相関係数が高く(R=0.987)、予測の精度が極めて優れていた(予測標準誤差:0.11)。
実験fや実験gのように複数の波数領域のデータを用いる場合と比較しても、本発明によれば、狭い範囲のNIRスペクトルをピンポイントで測定するだけでフライ用油脂組成物の酸価を極めて高い精度で算出することができた。特に本発明は、広い波数領域のデータを測定したり、複数の波数領域のデータを測定したりする必要がないため、本発明によれば、簡便かつ迅速にフライ用油脂組成物の酸価を測定することができる。
一般に、油脂の酸度を調理現場などにおいて簡便に測定する方法として酸価試験紙を用いる方法が知られているが、酸価試験紙では、酸度を0.5〜1.0程度の精度でしか評価することができないため、測定精度は本発明の方が格段に優れているといえる。特に、複数種の油脂や添加剤が配合されたフライ用油脂組成物に対しても、本発明によれば、近赤外分光法を用いて高精度かつ簡便に油脂の劣化度合いを評価することができた。
(1−4)油ちょうによるフライ用油脂組成物の劣化とNIRスペクトルの関係
油ちょうによるフライ用油脂組成物の劣化とNIRスペクトルの関係について検討した。図2に示すように、フライ試験に用いたフライ用油脂組成物のスペクトルデータ(透過率)を比較したところ、油ちょうによって、4600〜4800cm−1の波数領域において、フライ用油脂組成物のスペクトルが特に大きく変化することがわかった。この波数領域は、C=C、O−H、C−Hの結合音に起因するスペクトルが観察される波数領域であり、油脂の劣化によって遊離脂肪酸量や油脂重合物量が変化したことがスペクトル変化として現れたものと考えられる。
また、前処理を施したスペクトルデータを用いて多変量解析を行った。具体的には、PLS回帰分析に基づいて、主成分分析により得られる主成分を説明変数として選定し、目的変数(酸価)を参照して判断した。通常の主成分回帰分析(PCR:principal components regression)と比較して高い予測精度が得られ、PLS回帰分析の際に算出される回帰係数も検量モデル作成時の考察に有効なためである。ここで、回帰係数とは説明変数として選定された主成分から目的変数を計算するための係数であり、回帰係数の絶対値が大きいほど波数成分の寄与が大きいことを示す。
PLS回帰分析によってNIRスペクトルと酸価の関係を解析したところ、4600〜4800cm−1の波数領域において回帰係数の絶対値が高くなることが分かった。すなわち、油脂の劣化の指標として用いられる酸価が、4600〜4800cm−1の波数領域のスペクトル変化と深く関わっていることが確認された(図3)。
実験2.フライ用油脂組成物の分析(その2)
複数種の油脂を含むフライ用油脂組成物について、近赤外スペクトルのデータからフライ用油脂組成物の劣化度合いを予測する技術について検討した。この実験では、多種の揚げ物を油ちょうしたフライ用油脂組成物であって、実験1よりも劣化度合いの大きいフライ用油脂組成物について、近赤外スペクトルを用いた分析を検討した。
(2−1)測定サンプル
実験1で用いた混合油A〜Cに加えて、多種の揚げ物を油ちょうしたフライ用油脂組成物(混合油E〜F)を用いて検量モデルを作成した。具体的には、下表に示す複数種の油脂を含む混合油にシリコーンを3ppm添加したものを、数日間連続して油ちょうに使用して、多種の揚げ物(天ぷら、から揚げ、とんかつ、コロッケ、野菜の素揚げなど)を製造した。混合油E〜Fは、いずれも検量線作成用のサンプルであり、混合油Eは約7日間、混合油Fは約4日間油ちょうに使用したサンプルである。一方、混合油G〜Hは、本発明に係る分析法を評価するためのサンプルであり、約4日間、多種の揚げ物(天ぷら、から揚げ、とんかつ、コロッケ、野菜の素揚げなど)を油ちょうした後のサンプルである。なお、本実験においても、実験1と同様に、静置して揚げかす等を除いたものを測定サンプルとした。
ここで、混合油E〜Hについて、実験1に記載した方法によって、理化学分析による酸価と色相を測定した結果を下表に示す。下表に示すように、サンプルの酸価は7程度までであった。
(2−2)近赤外スペクトルの測定と検量モデルの作成
実験1と同様にして、混合油E〜Hについて近赤外スペクトルを透過法により測定した。次いで、混合油A〜Cおよび混合油E〜Fのデータから、実験1と同様にして、4600〜4800cm−1の波数領域のスペクトルに基づいて酸価の検量モデルを作成した。
(2−3)検量モデルに基づく酸価の算出
作成した検量モデルに基づいて、混合油G〜Hに関して測定したNIRスペクトルから酸価を算出した。結果を下表に示すが、NIRスペクトルから算出した酸価の予測値と理化学分析値の差は0.2%以内であり、本発明によって酸価を高精度に測定できることが分かった(図4、相関係数R=0.990)。

Claims (7)

  1. フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する方法であって、
    フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する工程、
    4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する工程、
    を含む、上記方法。
  2. 前記フライ用油脂組成物が、2種以上の油脂を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 透過法によって近赤外分光スペクトルを測定する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記検量モデルが、油脂組成の異なる複数のフライ用油脂組成物について、劣化度合いの異なる複数のサンプルの近赤外分光スペクトルを4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域において測定するとともに、同じサンプルについて理化学的に酸価を定量した上で、測定した近赤外分光スペクトルデータと定量した酸価とから作成されるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 4600〜4800cm−1の全部または一部の波数領域において近赤外分光スペクトルを測定する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 劣化度合いを評価するフライ用油脂組成物から揚げかすを除いてから近赤外分光スペクトルを測定する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. フライ用油脂組成物の油ちょうによる劣化度合いを評価する装置であって、
    フライ用油脂組成物のサンプルについて、4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを測定する分光分析部、
    4500〜4900cm−1の全部または一部の波数領域における近赤外分光スペクトルを用いてあらかじめ作成しておいた検量モデルに基づいて、測定した近赤外分光スペクトルからフライ用油脂組成物サンプルの酸価を算出する計算部、
    を備えた、上記装置。
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