JP2018204980A - 試験方法 - Google Patents

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桃乃 斎藤
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直人 中里
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Abstract

【課題】板状体の一方側の試験対象の面の孔食電位を正確に測定することができる試験方法を提供する。
【解決手段】試験方法は、金属製の板状体14を電気絶縁性の筒状の保持部12に挿入し、板状体14の側部14Cの外周を保持部12の内周に密着させる挿入工程と、板状体14の一方の面14Aの側の保持部12の内部に、脱気された液状の電気絶縁性の樹脂18を流し込む流込み工程と、樹脂18を硬化させることで、板状供試材10を得るる硬化工程と、板状供試材10を測定装置に取り付け、板状供試材10の他方の面14Bに腐食が発生する電位を測定する測定工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、試験方法に関する。
下記特許文献1には、腐食性溶液中に浸漬された棒状の試験片の孔食電位を測定する孔食電位測定装置が開示されている。
特開平7−92131号公報
上記特許文献1に記載の孔食電位測定装置では、腐食性溶液中に棒状の試験片が浸漬されており、棒状の試験片の表面の孔食電位が測定される。この特許文献1には、板状体の一方側の面の孔食電位を測定する方法については、言及されていない。
板状体の一方側の面の孔食電位を測定する場合には、板状体の一方側の面以外の部分を被覆材で被覆して孔食試験を行う必要がある。この被覆材と板状体との間にすき間が発生すると、板状体表面の被覆材との間ですき間腐食が発生する。すき間腐食は孔食よりも低い電位で発生することが分かっており、すき間腐食が発生すると、板状体の一方側の面の正確な孔食電位を測定することができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、板状体の一方側の試験対象の面の孔食電位を正確に測定することができる試験方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る試験方法は、金属製の板状体を電気絶縁性の筒状の保持部に挿入し、前記板状体の側部の外周を前記保持部の内周に密着させる挿入工程と、前記板状体の一方の面の側の前記保持部の内部に、脱気された液状の電気絶縁性の樹脂を流し込む流込み工程と、前記樹脂を硬化させることで、板状供試材を得る硬化工程と、前記板状供試材を測定装置に取り付け、前記板状供試材の他方の面に腐食が発生する電位を測定する測定工程と、を有する。
請求項1に記載の発明によれば、挿入工程にて、金属製の板状体を電気絶縁性の筒状の保持部に挿入し、板状体の側部の外周を保持部の内周に密着させる。次いで、流込み工程にて、板状体の一方の面の側の保持部の内部に、脱気された液状の電気絶縁性の樹脂を流し込む。さらに、硬化工程にて、樹脂を硬化させることで、板状供試材を得る。そして、測定工程にて、板状供試材を測定装置に取り付け、板状供試材の他方の面に腐食が発生する電位を測定する。上記板状供試材では、板状体の他方の面(一方側の測定対象の面)以外の部分である板状体の側部の外周が、保持部の内周に密着している。さらに、上記板状供試材では、板状体の他方の面(一方側の測定対象の面)以外の部分である板状体の一方の面が樹脂で覆われると共に、保持部の内部の樹脂の長さ分(樹脂の厚み分)が保持部の内周に密着している。これにより、板状体の他方の面(一方側の測定対象の面)以外の部分と、保持部及び樹脂と、がシールされる。このため、板状供試材の他方の面(一方側の測定対象の面)以外の部分と保持部及び樹脂との間に、試験液が浸入可能なすき間が発生することが防止又は抑制され、すき間腐食が発生しにくい。このため、板状供試材の他方の面(一方側の測定対象の面)の孔食電位を正確に測定することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の試験方法において、前記板状体の側部に周方向に沿って形成されると共に前記板状体の厚み方向に隣り合う複数の溝を備える。
請求項2に記載の発明によれば、板状体の側部に周方向に沿って形成されると共に板状体の厚み方向に隣り合う複数の溝を備えている。これにより、板状体を保持部に挿入したときに、板状体の側部の最大外径の部分が保持部の内面に高い接触圧で接触する。複数の溝が板状体の厚み方向に隣り合うことで、板状体の側部の最大外径の部分と保持部の内周とは、例えば線接触となるため、単位体積あたりの押さえ圧が大きくなり、測定工程で試験液の浸入を防ぐことができる。このため、板状体のすき間腐食がより効果的に抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の試験方法において、前記板状体の少なくとも一方側の面の縁部にテーパ部が形成されており、前記挿入工程で、前記板状体を前記テーパ部の側から前記保持部に挿入する。
請求項3に記載の発明によれば、板状体の少なくとも一方側の面の縁部にテーパ部が形成されており、挿入工程で、板状体をテーパ形状の側から保持部に挿入する。このため、外径が絶縁性の筒状の保持部の内径と同等とされた板状体を、保持部に挿入しやすい。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の試験方法において、前記流込み工程の前に、前記板状体の前記一方の面の側にリード線の端部を接合する。
請求項4に記載の発明によれば、流込み工程の前に、板状体の一方の面の側にリード線の端部を接合する。このため、板状体の試験対象となる他方の面の側にリード線の接続部を設ける必要がない。
本発明によれば、板状体の一方側の試験対象の面の孔食電位を正確に測定することができる。
本発明の一実施形態に係る試験方法に用いられる板状供試材を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る試験方法に用いられる板状供試材の孔食電位の測定装置の一例を示す概略構成図である。 金属材料の耐食性(耐孔食性)の評価手法を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態に係る試験方法において、板状体を保持部に挿入する挿入工程を示す側断面図である。 (A)は、本発明の一実施形態に係る試験方法に用いられる板状体の平面図、正面図、及び底面図であり、(B)は、本発明の一実施形態に係る試験方法に用いられる保持部の平面図及び正面図である。 本発明の一実施形態に係る試験方法に用いられる板状体の側部を拡大した拡大正面図である。 本発明の一実施形態に係る試験方法の挿入工程により、板状体が保持部に挿入された状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る試験方法の流込み工程により、保持部の内部における板状体の一方の面側に液状の樹脂を流し込んだ状態を示す断面図である。 (A)は、本発明の一実施形態に係る試験方法において、樹脂が保持部の板状体の一方の面側に充填されて硬化した状態を示す斜視図であり、(B)は、液状の樹脂が保持部の板状体の一方の面側に充填されて硬化した状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る試験方法の測定工程において、板状体の側部及び保持部を拡大した状態で示す断面図である。 (A)は、第1比較例の試験方法で用いられる板状供試材を(B)中のA−A線に沿った断面で示す断面図であり、(B)は、第1比較例の試験方法で用いられる板状供試材を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面において、適宜示される矢印UPは、上下方向における上方側を示している。
図1〜図10を用いて、本発明の一実施形態である試験方法について説明する。
図1には、本発明の一実施形態である試験方法に用いられる板状供試材が示されている。図1に示されるように、板状供試材10は、略円筒状の保持部12と、保持部12の内部に配置された金属製の板状体14と、板状体14の一方の面14A側に接合されたリード線16と、を備えている。また、板状供試材10は、保持部12の内部の板状体14の一方の面14A側に充填された状態で硬化した樹脂18を備えている。
保持部12は、略円筒状の筒状部12Aの中央部に、平面視にて略円形状の開口部12Bを備えている(図5(B)参照)。保持部12は、電気絶縁性の材料で形成されており、例えば、樹脂で形成されている。電気絶縁性とは、電気を通しにくい性質を持つ物質の総称であり、例えば、体積抵抗率が、1.0×10Ω・m以上の物質をいう。また、保持部12は、耐熱性を備えている。
保持部12を形成する樹脂材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂を選択してもよい。本実施形態では、保持部12は、例えば、塩化ビニル樹脂の線膨張係数と同等以下の線膨張係数の樹脂部材により構成されている。塩化ビニル樹脂の線膨張係数は、60〜80×10−6/Kであり、アクリロニトリルスチレン樹脂の線膨張係数は、29×10−6/Kであり、ユリア樹脂の線膨張係数は、27×10−6/Kである。本実施形態では、保持部12の内径は、例えば、23mmとされている。
板状体14は、面方向と直交する方向に所定の厚みを有する部材であり、本実施形態では、略円板状とされている(図5(A)参照)。板状体14は、例えば、水道管又は給湯管などに用いられるパイプを構成する金属材料と同じ金属材料で形成されている。本実施形態では、板状体14は、ステンレス(例えば、SUS304)製であるが、銅、アルミニウム等の他の金属材料により形成されているものでもよい。
なお、SUS304(オーステナイト系)の線膨張係数は、17.3×10−6/Kであり、SUS316L(オーステナイト系)の線膨張係数は、16.0×10−6/Kであり、SUS410(フェライト系)の線膨張係数は、9.9×10−6/Kである。
また、板状体14の他方の面14Bの縁部には、テーパ部22が周方向のほぼ全周に形成されている(図5(A)参照)。これにより、板状体14が、テーパ部22の側から保持部12の開口部12Bに押込みにより挿入(圧入)可能とされている。板状体14の側部(外周)14Cは、保持部12で覆われており、板状体14の側部(外周)14Cが保持部12の内壁(内周)に密着している。板状体14の一方の面14Aは、樹脂18で覆われている。すなわち、板状体14の一方の面14Aは、樹脂18に密着している。板状体14の他方の面14Bは、保持部12及び樹脂18で覆われておらず、板状体14の他方の面14Bが孔食電位の測定対象とされている。
板状体14の一方の面14Aには、凹部24が形成されている。凹部24は、底面視にて略円形状とされている(図5(A)参照)。リード線16の端部16Aは、板状体14の一方の面14Aの凹部24に、例えば半田付け等により接合されることで、板状体14と電気的に接続されている。リード線16の他端側は、樹脂18の外部に延びている。
図6に示されるように、板状体14の側部14Cには、周方向に沿って複数の溝26が形成されている。本実施形態では、複数の溝26は、同心円状の溝形状であり、板状体14の厚み方向に隣り合って形成されている。言い換えると、複数の溝26は、板状体14の厚み方向に並べて配置されている。本実施形態では、溝26は、側断面視にて略三角形状の溝であり、複数の溝26の間の最大外径の部分27は、半径方向外側に尖った略三角形状とされている。
一例として、溝26の幅は、0.1mmであり、溝26の深さは、0.1mmである。本実施形態では、複数の溝26は、切削により形成されている。
図5(A)、(B)に示されるように、板状体14の最大外径D1は、保持部12の内径D2と同等とされている(図4参照)。本実施形態では、板状体14の最大外径は、例えば、23mmであり、公差は−0.05mmとされている。保持部12の内径D2が、板状体14の最大外径D1より若干小さい構成でもよい。板状体14の最大外径D1と保持部12の内径D2とは、板状体14が保持部12の開口部12Bに挿入された状態で、締り嵌めによる密着が得られる寸法に設定されている。
樹脂18は、硬化前の液状の樹脂を保持部12の内部における板状体14の一方の面14A側に充填した状態で硬化したものである。樹脂18は、上述のように板状体14の一方の面14Aに密着すると共に、保持部12の内部の樹脂18の長さ分(樹脂18の厚み分)が、保持部12の内周に密着している。
樹脂18は、電気絶縁性及び耐熱性を有している。電気絶縁性とは、電気を通しにくい性質を持つ物質の総称であり、例えば、体積抵抗率が、1.0×10Ω・m以上の物質をいう。また、樹脂18の耐熱温度は、例えば、80〜90℃以上とされている。また、樹脂18は、線膨張係数については、特に制限はないが、例えば、保持部12の線膨張係数に近い線膨張係数の樹脂材料で構成されるようにしてもよい。
本実施形態では、樹脂18は、例えば、液状の二液が混合することで硬化する二液混合型のエポキシ樹脂で構成されている。なお、樹脂18は、二液混合型以外の他の樹脂を用いてもよい。
図2には、本発明の一実施形態である試験方法に用いられる孔食電位の測定装置が示されている。また、図3には、金属材料の耐食性(耐孔食性)の評価手法を説明するためのグラフが示されている。
金属材料(例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等)については、Esp(定常腐食電位)が、Vc(孔食電位)を下回っていれば、孔食が発生しないことが分かっている。そこで、金属材料の電気化学的な耐食性(耐孔食性)の評価手法として、図3に示されるように、Esp(定常腐食電位)とVc(孔食電位)を測定し、VcがEspよりも大きい水質範囲(すなわち、Esp<Vcとなる使用可能な水質範囲)を明確化するという手法がある。この場合、Esp(定常腐食電位)とVc(孔食電位)を測定する必要がある。すなわち、Esp(定常腐食電位)とVc(孔食電位)を測定することで、使用可能な水質範囲が分かる。
図3では、〔R−Cl〕が残存塩素濃度であり、Espが定常腐食電位であり、Vcが孔食電位である。図3に示されるように、矢印に示す範囲100は、流す水中の残留塩素濃度が1.0ppmのときの孔食を起こさない〔Cl〕の範囲であり、矢印に示す範囲102は、流す水中の残留塩素濃度が0.5ppmのときの孔食を起こさない〔Cl〕の範囲である。すなわち、流す水中の残留塩素濃度が高くなると、Esp(定常腐食電位)が高くなり、それに伴って孔食が発生する範囲が拡大し、孔食が発生しやすくなる。
本実施形態の試験方法は、Vcの測定方法に関するものであるため、次に、Vcの測定方法に使用する測定装置について説明する。なお、Esp(定常腐食電位)は、半年以上の通水試験で測定する。
図2に示されるように、測定装置30は、NaCl溶液からなる試験液34が収容される容器32と、容器32の外側を囲むマントルヒータ36と、を備えている。また、測定装置30は、容器32内の試験液34中に、サンプル(試験片)としての板状供試材10と、板状供試材10と対向して配置されるPt製の対極38と、を備えている。さらに、測定装置30は、ポテンショスタット40を備えている。板状供試材10は、リード線16を介してポテンショスタット40に電気的に接続されている。対極38は、リード線42を介してポテンショスタット40に電気的に接続されている。ポテンショスタット40には、配線44を介して参照電極46が電気的に接続されている。また、マントルヒータ36は、温調器48に電気的に接続されている。温調器48には、試験液34中に配置される熱電対50が設けられており、熱電対50によって検出された試験液34の温度に基づき、マントルヒータ36の出力が制御されるようになっている。
参照電極46は、電極部54と、電極部54から板状供試材10側に延びた断面略円筒状の橋体56と、橋体56の先端に設けられた液絡チップ58と、を備えている。正面視にて橋体56は、電極部54から板状供試材10側に向かって略L字状に湾曲した形状とされており、液絡チップ58が板状供試材10と対向して配置されている。より具体的には、板状供試材10は、板状体14の面方向が上下方向となるように配置されており、板状体14の測定対象となる他方の面14Bが液絡チップ58と対向して配置されている。
測定装置30では、マントルヒータ36により容器32内の試験液34が所定の温度(例えば、約80℃)まで加熱された後に、ポテンショスタット40により所定の電位に保持する。ポテンショスタット40は、板状供試材10の板状体14と参照電極46との間の電位を一定の走査速度で上昇又は下降させる。測定装置30では、電流密度が所定値を超えて定常時に増加する電位を孔食電位として測定する。そして、定電位制御直前の浸漬電位と孔食電位の比較により、使用可能な水質範囲が分かる。これにより、板状供試材10の板状体14の他方の面14Bの耐孔食性を評価することができる。
次に、本実施形態の試験方法について、より具体的に説明する。
まず、本実施形態の試験方法に適用される板状供試材10の製造方法について説明する。図4(A)に示されるように、保持部12の開口部12Bに、板状体14をテーパ部22の側から押込みにより挿入する(挿入工程)。樹脂製の保持部12は、金属製の板状体14よりも柔らかいので、保持部12の内径D2と板状体14の最大外径D1(図5参照)が同じであっても、板状体14を保持部12の開口部12Bに押し込むことができる。これにより、保持部12の開口部12Bに板状体14が配置される(図7参照)。また、保持部12の内径D2と板状体14の最大外径D1(図5参照)が同じなので、密着性が良くすき間が生じない。この状態では、板状体14の側部14Cの複数の溝26以外の部分27(最大外径部分)が保持部12の開口部12Bの内周に線状に接触する(図10参照)。これにより、板状体14の側部14Cの最大外径の部分27が保持部12の開口部12Bの内周に高い接触圧で接触する。
さらに、図7に示されるように、板状体14の一方の面14Aの凹部24に、リード線16の端部16Aの半田付けを行う。
また、後述する流込み工程の前に、液状の樹脂18を予め脱気する。図示を省略するが、液状の樹脂18を密閉容器に収容し、密閉容器内の空気を導出管を介して吸引することで、密閉容器内を減圧状態又は真空状態とする。これにより、液状の樹脂18中に含まれる気泡を分離・除去する。
次いで、図8に示されるように、保持部12の板状体14の一方の面14Aを上側に向けて配置する。そして、保持部12の内部における板状体14の一方の面14A側に、脱気した液状の樹脂18を流し込む(流込み工程)。本実施形態では、樹脂18は、保持部12の端面とほぼ面一になるように流し込む。そして、図9(A)、(B)に示されるように、樹脂18を硬化させることで、板状供試材10が製作される(硬化工程)。
本実施形態では、樹脂18は、液状の二液が混合することで硬化する二液混合型のエポキシ樹脂で構成されており、液状の樹脂18を脱気する直前に、液状の二液を混合する。そして、保持部12の内部における板状体14の一方の面14A側に硬化前の液状の樹脂18を流し込む(図8参照)。この状態で、所定の時間(例えば、数時間)を経過することで樹脂18が硬化する。
その後、図2に示されるように、板状供試材10を測定装置30にサンプルとして取り付ける。そして、測定装置30を用いて、板状供試材10の板状体14の他方の面14Bに孔食が発生する電位を測定する(測定工程)。
上記のような試験方法では、板状供試材10の板状体14の他方の面14B以外の部分である板状体14の側部14Cの外周が、保持部12の内周に密着している。さらに、板状体14の他方の面14B以外の部分である板状体14の一方の面14Aが、脱気された状態で硬化した樹脂18で覆われると共に、保持部12の内部の樹脂18の長さ分(樹脂18の厚み分)が保持部12の内周に密着している。これにより、板状体14の側部14Cと保持部12の内周とがシールされると共に、板状体14の一方の面14Aと樹脂18、及び保持部12の内周と樹脂18とがシールされる。このため、板状供試材10では、板状体14の他方の面14B以外の部分と保持部12及び樹脂18との間に、試験液34が浸入可能なすき間が発生することが防止又は抑制され、すき間腐食が発生しにくい。したがって、板状供試材10の板状体14の他方の面14Bの孔食電位を正確に測定することができる。
また、上記の試験方法では、板状供試材10の板状体14の側部14Cに周方向に沿って形成されると共に板状体14の厚み方向に隣り合う複数の溝26を備えている。これにより、板状体14を保持部12に挿入したときに、板状体14の側部14Cの最大外径の部分27が保持部12の内面に高い接触圧で接触する。図10に示されるように、複数の溝26が板状体14の厚み方向に隣り合うことで、板状体14の側部14Cの最大外径の部分27と保持部12の内周とは、線接触となるため、単位体積あたりの押さえ圧が大きくなり、測定工程で試験液34の浸入を防ぐことができる。このため、板状体14のすき間腐食がより効果的に抑制される。
また、上記の試験方法では、板状体14の他方の面14Bの縁部にテーパ部22が形成されており、挿入工程で、板状体14をテーパ部22の側から保持部12に挿入する。このため、外径が保持部12の内径と同等とされた板状体14を、保持部12に挿入しやすい。
また、上記の試験方法では、流込み工程の前に、板状体14の一方の面14A側にリード線16の端部16Aを接合する。このため、板状体14の試験対象となる他方の面14Bにリード線16の接続部を設ける必要がない。
さらに、上記の試験方法では、保持部12が、塩化ビニル樹脂、又は、塩化ビニル樹脂の線膨張係数よりも線膨張係数が小さいアクリロニトリルスチレン樹脂やユリア樹脂により構成されることで、金属製の板状体14の線膨張係数と保持部12の線膨張係数との差をより小さくすることができる。このため、測定工程で試験温度が常温よりも高くても、板状体14と保持部12との間にすき間が発生しにくい。
図11(A)、(B)には、第1比較例の板状供試材200が示されている。板状供試材200を作製するときは、図11に示されるように、板状体202の全面を不動態化処理して不動態皮膜204を形成し、その後で絶縁塗料を塗布して絶縁塗膜層206を設ける。板状体202には、予めステンレス鋼線208を接合しておく。絶縁塗膜層206には、板状体202の試験を行う面と対応する部分に、開口部206Aを形成する。その後、板状体202の試験を行う面のみ不動態皮膜204を除去して開口部204Aを形成する。この板状供試材200では、不動態化処理して不動態皮膜204を形成した部分は、腐食が発生しにくいことを利用している。
しかし、第1比較例の板状供試材200では、実験によれば、板状体202の不動態化処理を行っても、腐食環境が厳しい場合は、すき間腐食が発生してしまう。また、板状供試材200の製作に手間がかかる。例えば、板状供試材200の製作に2日間かかる。
また、図示を省略するが、第2比較例の板状供試材では、Avestaセル(ASTM G150で規定されたセル)を用い、すき間部分に腐食性のない蒸留水を循環させることで、すき間腐食を抑制している。
また、図示を省略するが、第3比較例の板状供試材では、フォルダを備えた電極(JIS G150で規定された電極)を用い、すき間部分に腐食性のない蒸留水を循環させることで、すき間腐食を抑制している。
しかし、第2比較例の板状供試材では、専用のセルを購入する必要がある。第3比較例の板状供試材では、専用のフォルダを製作する必要があるため、コストがかかる。また、測定装置に上記の板状供試材を設置する手間や、蒸留水を常時循環させる手間がかかり、さらに、上記の板状供試材の材質の違いや微細な形状の相違に応じた調整が必要となる。
これに対し、本実施形態の試験方法では、板状供試材10の板状体14の側部14Cの外周が、保持部12の内周に密着している。さらに、板状体14の一方の面14Aが、樹脂18で覆われると共に、保持部12の内部の樹脂18の長さ分(樹脂18の厚み分)が保持部12の内周に密着している。このため、板状供試材10の板状体14の他方の面14B以外の部分と保持部12及び樹脂18との間に、試験液34が浸入可能なすき間が発生することが防止又は抑制され、すき間腐食が発生しにくい。したがって、板状供試材10の板状体14の他方の面14Bの孔食電位を正確に測定することができ、板状供試材10の板状体14の他方の面14Bの耐孔食性を正確に評価することができる。
また、本実施形態の試験方法では、セル等の専用の装置を購入する必要がなく、安価に試験を行うことができる。また、板状供試材10の製作のための手間も少なく、例えば、板状供試材10を1日で製作できる。このため、本実施形態の試験方法では、すきま腐食の防止のために講じる手間も少なくなり、迅速に試験を行うことができる。
本実施形態の試験方法では、100個の板状供試材10の試験を行った結果、すべてのサンプルですき間腐食は発生しなかった。
なお、上記実施形態では、保持部12は略円筒状であり、板状体14は略円板状であるが、保持部の形状とこれに対応する板状体の形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではなく、変更が可能である。例えば、平面視にて略矩形の筒状の保持部を用いると共に、保持部の形状に合わせて、平面視にて略矩形状の板状体を用いてもよい。
また、上記実施形態では、板状体14の他方の面14Bの縁部にテーパ部22が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、板状体の一方の面の縁部にテーパ部を形成してもよいし、板状体の一方の面と他方の面の両方の縁部にそれぞれテーパ部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、板状体14の他方の面14Bの孔食が発生する電位を測定する測定装置30が用いられていたが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、本発明は、板状体の他方の面(試験対象の面)の腐食が発生する電位など、耐腐食性を評価する試験方法に適用してもよい。
なお、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10…板状供試材、12…保持部、14…板状体、14A…一方の面、14B…他方の面、14C…側部、16…リード線、16A…端部、18…樹脂、22…テーパ部、26…溝、30…測定装置

Claims (4)

  1. 金属製の板状体を電気絶縁性の筒状の保持部に挿入し、前記板状体の側部の外周を前記保持部の内周に密着させる挿入工程と、
    前記板状体の一方の面の側の前記保持部の内部に、脱気された液状の電気絶縁性の樹脂を流し込む流込み工程と、
    前記樹脂を硬化させることで、板状供試材を得る硬化工程と、
    前記板状供試材を測定装置に取り付け、前記板状供試材の他方の面に腐食が発生する電位を測定する測定工程と、
    を有する試験方法。
  2. 前記板状体の側部に周方向に沿って形成されると共に前記板状体の厚み方向に隣り合う複数の溝を備える請求項1に記載の試験方法。
  3. 前記板状体の少なくとも一方側の面の縁部にテーパ部が形成されており、
    前記挿入工程で、前記板状体を前記テーパ部の側から前記保持部に挿入する請求項1又は請求項2に記載の試験方法。
  4. 前記流込み工程の前に、前記板状体の前記一方の面の側にリード線の端部を接合する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の試験方法。
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