JP2018204350A - 地山の改良評価試験装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入材による地山の改良評価試験において、実際の施工時になるべく近い浸透形態を作り出すことで、改良評価の信頼度を高める。【解決手段】試験容器10内に注入管20を配置し、その外周を筒状の拡散空間画成部材22で囲み、注入管20の外周面と拡散空間画成部材22との間に拡散空間25を形成する。拡散空間画成部材22には、注入材3の透過を許容し模擬地山30の通過を制限する多数の透孔22cが分散して形成されている。注入材3は、注入管20の注入穴20cから吐出され、拡散空間25内に広がった後、拡散空間画成部材22を透過して、模擬地山30に浸み込む。【選択図】図1

Description

本発明は、地山の改良評価試験装置及び方法に関し、特に注入材による地山の改良効果を評価する試験装置及び試験方法に関する。
例えばトンネルや建物等の構造物を構築する場合、先受け工によって、脆弱な地山や緩んだ地山に注入材を注入することで、地盤改良することが知られている。
地山の性状は施工現場ごとに違うため、現場の地山に合った注入材を選定する必要がある。そこで、次のような評価試験が行なわれている。
まず、ドラム缶などの試験容器を用意する。試験容器の軸線に沿って注入管を配置する。注入管は、先受け工の先受け鋼管に相当するものであり、その管壁には軸方向及び周方向に分散して複数の注入穴が形成されている。注入管の上端は、試験容器の上方へ突出させておく。
次に、試験容器の内部に、地山に見立てた模擬地山を充填し、注入管を模擬地山内に埋める。模擬地山としては、例えば、適用現場の地山と同等の透水性の硅砂等を用いる。
次いで、注入管に注入材を供給する。注入材としては例えばウレタン系注入材やセメント系注入材等を用いる。注入材は、注入穴から吐出され、模擬地山の内部に浸み込んでいく。
注入材が硬化するまで養生した後、試験容器を割って、模擬地山を取り出す。そして、注入材で改良された部分の大きさ、形状、硬さ、その他の物性から所望の改良効果が得られるかどうかを評価する。
特開平06−287557号公報
従来の試験装置においては、注入材が、注入管の注入穴から模擬地山内に吐出された後、前記注入穴を中心にして放射状に延び広がるように浸透して行く。このため、浸透領域が注入穴の近くに偏って形成され、注入管の管軸方向及び周方向に浸透ムラが出来る。
一方、実際のトンネル構築現場における先受け工法等では、通常、掘削ビットが先受け鋼管より少し大径になっている。このため、先受け鋼管よりも少し大径の掘削孔が形成される。先受け鋼管の注入穴から吐出された注入材は、一旦、掘削孔の内周面と先受け鋼管の外周面との間に充填された後、地山の内部に浸み込む。このため、浸透ムラが出来にくい。
したがって、試験装置で作り出される浸透形態が、実際の施工時の浸透形態と異なっている。
本発明は、かかる事情に鑑み、注入材による地山の改良評価試験において、浸透ムラを低減して、実際の施工時になるべく近い浸透形態を作り出すことで、改良評価の信頼度を高めることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明装置は、注入材による地山の改良効果を評価する試験装置であって、
前記地山を模した模擬地山が収容される試験容器と、
前記注入材を吐出する注入穴を有し、前記試験容器内に配置された注入管と、
前記注入管の外周面との間に環状の拡散空間を画成するようにして前記注入管を囲む筒状の拡散空間画成部材と、
を備え、前記拡散空間画成部材には、前記注入材の透過を許容し前記模擬地山の通過を制限する多数の透孔が分散して形成されていることを特徴とする。
前記模擬地山としては、改良対象の地山と同様の透水性その他の物性ないしは性状を有する土砂を用いることが好ましい。
試験容器内に模擬地山を収容することで、注入管及び拡散空間画成部材が模擬地山内に埋まる。模擬地山が透孔から拡散空間内に入り込むのが制限されることで、拡散空間を残置できる。
注入材は、注入管の注入穴から吐出された後、拡散空間内に広がる。その後、拡散空間画成部材の透孔を透過して、模擬地山の内部に浸み込んでいく。これによって、注入材が注入穴の近くの模擬地山だけに偏って浸み込むのを防止でき、浸透ムラを低減できる。したがって、実際の地山での浸透形態に近づけることができ、改良評価の信頼性を高めることができる。
前記模擬地山に浸み込んだ注入材が硬化することで、模擬地山の改良体が得られる。該改良体の大きさ、形状、硬さ等から、前記注入材によって所望の改良効果が得られるかどうかを確認する。これによって、適用対象の地山に対する注入材の適合性を評価できる。
前記透孔は、前記拡散空間画成部材の全域に分布して形成されていることが好ましい。
前記拡散空間画成部材が、網によって構成されていることが好ましい。これによって、浸透ムラを確実に低減できる。また、材料コストを安価にできる。
前記試験容器内における前記模擬地山の下側又は上側には、前記注入材の拡散抵抗が模擬地山よりも高い緩衝層が設けられていることが好ましい。
これによって、注入材が、模擬地山の下端部又は上端部まで拡散して緩衝層と接した後、模擬地山と緩衝層の界面に沿って注入材が急速に拡散するのを抑制できる。この結果、前記拡散空間画成部材による浸透ムラ低減効果と相俟って、評価に好適な改良体を確実に得ることができる。
本発明方法は、注入材による地山の改良効果を評価する試験方法であって、
前記の試験装置を用意し、
前記試験容器内に模擬地山を収容し、
前記注入材を、前記注入管に供給して前記注入穴から吐出させ、前記拡散空間画成部材を透して前記模擬地山に浸み込ませることを特徴とする。
本発明によれば、注入材による地山の改良評価試験において、浸透ムラを低減して、実際の地山への施工時と近い浸透形態を作り出すことができ、改良評価の信頼度を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る改良評価試験装置の正面断面図である。 図2は、図1の円部IIを拡大して示す正面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿う平面断面図である。 図4は、前記改良評価試験装置における注入材の注入及び発泡段階を仮想線にして示す正面断面図である。 図5は、注入材の注入段階を示す、図4の円部Vの拡大正面図である。 図6は、図5のVI−VI線に沿う平面断面図である。 図7は、前記改良評価試験装置によって得られた改良体の正面断面図である。 図8は、実施例1によって得られた改良体の写真である。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
本発明形態は、例えば、トンネル施工における長尺鋼管フォアパイリングないしはフォアポーリング等の先受け工の注入材選定に適用される。先受け工においては、トンネル前方の地山に、中空ボルト等の先受け鋼管を打ち込み、該先受け鋼管の注入孔から注入材を地山に注入することで、地山を安定させる。当該地山に適合する注入材を選定するために、事前に改良評価試験を行なう。
図1は、本実施形態の改良評価試験装置1を示したものである。改良評価試験装置1は、試験容器10と、注入管20と、模擬地山30を備えている。
試験容器10は、例えば鋼製のドラム缶によって構成され、円筒状の周壁11と、底板12と、蓋板13を有している。周壁11には、複数の通気穴11dが形成されている。これら通気穴11dは、周壁11の周方向及び軸方向(上下)に互いに分散して配置されている。通気穴11dの数には特に限定が無く、1つだけであってもよい。
周壁11の内周面には、フィルタ16が設けられている。フィルタ16によって、通気穴11dが覆われている。フィルタ16は、気体及び液体の透過を許容し、固体の透過を阻止する。フィルタ16として、例えば不織布が用いられている。フィルタ16の試験容器10への貼り付け手段としては、粘着テープや接着剤が用いられている。
試験容器10の内部に注入管20が挿入配置されている。注入管20は、鋼管によって構成され、試験容器10の軸線に沿って上下に延びている。好ましくは、注入管20は、前記先受け工の先受け鋼管そのものか、それと同等の構造の管によって構成されている。
注入管20の上端部は、試験容器10の上方へ延び出ている。注入管20の下端部は、試験容器10の底部まで達し、かつ塞がっている。
注入管20の管壁には複数の注入穴20cが形成されている。各注入穴20cは、注入管20の内周面から外周面に貫通している。複数の注入穴20cは、注入管20の周方向及び軸方向(上下)に互いに分散して配置されている。
図4に示すように、注入管20の上端部には、注入材3の供給管21A,21Bが接続されている。ここでは、注入材3として、ウレタン系注入材が用いられている。ウレタン系注入材の原料は、ポリオール等のA液と、ポリイソシアネート等のB液を含む。供給管21AにA液の供給源3Aが接続され、供給管21BにB液の供給源3Bが接続されている。
図1に示すように、注入管20における、試験容器10内の部分の外周には、拡散空間画成部材22が設けられている。拡散空間画成部材22は、注入管20を囲む長い筒状になっている。図3に示すように、拡散空間画成部材22と注入管20の外周面との間には、環状の拡散空間25が形成されている。
拡散空間画成部材22の直径は、注入管20の直径の1倍〜5倍程度が好ましい。
図1に示すように、拡散空間画成部材22の上端部は、試験容器10内の上側部分に配置されている。拡散空間画成部材22の下端部は、注入管20の下端部付近まで達し、ひいては試験容器10の底部まで達している。
図2に示すように、拡散空間画成部材22は、透液性を有している。詳しくは、拡散空間画成部材22は、多数(複数)の透孔を有する多孔部材によって構成されている。好ましくは、拡散空間画成部材22は、網によって構成されている。多数(複数)の網目22c(透孔)が、拡散空間画成部材22の軸方向(上下)及び周方向の全域に分散して形成されている。網目22cを通して、拡散空間25が拡散空間画成部材22の外部と連通している。網目22cは、液状の注入材3の透過を許容する一方、模擬地山30の通過を制限する。
拡散空間画成部材22を構成する網線材22aは、金属であってもよく、樹脂であってもよい。好ましくは、拡散空間画成部材22は、模擬地山30の土圧を受けても拡散空間25を確保し得る強度を有している。
網線材22aの太さ(直径)は、0.05mm〜2mm程度が好ましい。
網目22cの大きさは、空隙率で10〜90%程度が好ましい。ここで、空隙率とは、拡散空間画成部材22の見かけの面積に対する網目22cすなわち空間部分の合計面積の割合を言う。
拡散空間画成部材22が、1枚の網を注入管20の周りに複数回巻き重ねた構造であってもよい。拡散空間画成部材22が、複数の筒状の網を含み、これら筒状の網を入れ子状に重ねた構造になっていてもよい。そうすることで、網目22cを細かくすることができる。
網目22cは、必ずしも模擬地山30の硅砂粒径より小さい必要はなく、模擬地山30の通過をある程度制限できる限り、網目22cの大きさが模擬地山30の硅砂粒径より多少大きくてもよい。模擬地山30の硅砂は、網目22cより粒径が小さくても、互いの摩擦等によって網目22cを通過するのが制限される。
前述したように、拡散空間画成部材22を網の巻重ね構造や入れ子構造にすることによって、実質的に網目22cが模擬地山30の硅砂粒径より小さくなるようにしてもよい。
図1に示すように、拡散空間画成部材22の上端部と注入管20の外周面との間には、環状のシール部材23が設けられている。シール部材23の材質は、例えば発泡樹脂であるが、これに限定されるものではなく、ゴムや非発泡樹脂であってもよい。拡散空間25の上端部が、シール部材23によって液密に封止されている。
試験容器10の内部には、下側から緩衝層31、模擬地山30、緩衝層32、押し蓋層33の順に積層されている。
模擬地山30は、地山を模したものであり、好ましくは施工現場の地山と物性や性状が近い土砂が用いられている。より好ましくは、模擬地山30として、施工現場の地山と同等の透水性を有する硅砂が用いられている。模擬地山30の厚さは、他の層31,32,33の厚さよりも十分に大きい。試験容器10内の大部分が模擬地山30によって占められている。
注入管20及び拡散空間画成部材22が、模擬地山30の中央部を上下に貫通している。更に、拡散空間25が、模擬地山30内を上下に貫通するように形成されている。
模擬地山30の下側及び上側にそれぞれ緩衝層31,32が設けられている。
緩衝層31,32の材料としては、注入材3の拡散抵抗が模擬地山30よりも高い土砂が用いられており、好ましくは注入材3の浸透度が十分に低い極低浸透性土砂が用いられている。より好ましくは、緩衝層31,32は、模擬地山30より粒度が小さい硅砂又は粘土によって構成されている。
下側緩衝層31は、試験容器10の底板12(底部)と模擬地山30との間に介在されている。下側緩衝層31の上面が模擬地山30の下端部と接している。模擬地山30と下側緩衝層31の境においては、模擬地山30の下端部を構成する硅砂と、下側緩衝層31を構成する微細硅砂又は粘土とが混ざり合っていてもよい。模擬地山30と下側緩衝層31の界面が凸凹ないしは三次元状に入り組んでいてもよい。
注入管20の下端部が、下側緩衝層31内に埋まっている。拡散空間25の下端部が、下側緩衝層31によって塞がれている。
図1に示すように、模擬地山30の上端部には、上側緩衝層32の下面が接している。模擬地山30と上側緩衝層32の境においては、模擬地山30の上端部を構成する硅砂と、上側緩衝層32を構成する微細硅砂又は粘土とが混ざり合っていてもよい。模擬地山30と上側緩衝層32の界面が凸凹ないしは三次元状に入り組んでいてもよい。
模擬地山30の上方には、緩衝層32を介してモルタルからなる押し蓋層33が設けられている。押し蓋層33の上側に試験容器10の蓋板13が被さっている。
注入管20が、蓋板13、押し蓋層33、及び緩衝層32を貫通して、模擬地山30の内部に埋まっている。注入管20の下端部は、模擬地山30の中間高さに配置されている。
シール部材23は、模擬地山30から緩衝層32を挟んで押し蓋層33へ跨っている。
改良評価試験は、次のようにして行う。
<改良評価試験装置1の作製工程>
図4に示すように、試験容器10には、通気穴11dを形成し、かつフィルタ16を貼り付けて通気穴11dを塞いでおく。
試験容器10の軸線に沿って注入管20を配置する。注入管20の周りには、拡散空間画成部材22を設けておく。
試験容器10の底部に緩衝層31を設ける。
緩衝層31の上側に模擬地山30を積層する。これによって、模擬地山30内に注入管20及び拡散空間画成部材22を埋め込む。模擬地山30は、網目22cを通過するのが制限される。したがって、拡散空間25が模擬地山30で埋まることなく空間として残される。
実際の地山は通常、水分を含んでいるため、模擬地山30に水を浸み込ませることで、実際の地山の状態に近づけることが好ましい。
模擬地山30の上側には、緩衝層32を積層する。
さらに緩衝層32の上側に押し蓋層33を積層する。
さらに、蓋板13を設置する。
<注入材3の注入工程>
図4に示すように、ウレタン原料のA液及びB液をそれぞれ供給管21A,21Bから注入管20に供給する。
これらA液及びB液が混合されてウレタン系注入材3となり、各注入穴20cから吐出される。
図5及び図6において太線矢印にて示すように、注入材3は、注入管20の外周面に沿って拡散空間25の全域に広がる。また、シール部材23(図4)によって、注入材3が、拡散空間25の上端部から漏れるのを防止できる。
その後、注入材3は、拡散空間25の全域から網目22cを通して、模擬地山30の内部に浸み込んでいく。これによって、注入材3を、模擬地山30の上下方向及び周方向に偏りなく均等に浸み込ませることができる。つまり、注入材3が注入穴20cの近くの模擬地山30だけに浸み込むのを防止でき、浸透ムラが出来るのを防止できる。したがって、実際のトンネル施工現場での地山への浸透形態に近づけることができる。
ウレタン系注入材3は、注入穴20cから吐出された後、しばらくは液状になっている。図4において三点鎖線にて示すように、液状(未発泡)の注入材3’は、模擬地山30内を下方へ拡散していく。その一部は、模擬地山30の下端部に達し、下側緩衝層31と接し得る。該液状注入材3’は、僅かではあるが下側緩衝層31に浸み込み得る。また、模擬地山30と下側緩衝層31との境は少なからず凸凹に入り組んでいる。これによって、模擬地山30の下端面における液状注入材3’の拡散抵抗が高まり、注入材3’が模擬地山30の下端面に沿って急速に拡散するのを抑制できる。
ウレタン系注入材3は、吐出後しばらくして発泡を開始する。
図4において二点鎖線にて示すように、発泡中の注入材3”は、模擬地山30内を上方へ向けて拡散していく。その一部は、模擬地山30の上端部に達し、上側緩衝層32と接し得る。該発泡中の注入材3”は、僅かではあるが上側緩衝層32に浸み込み得る。また、模擬地山30と上側緩衝層32との境は少なからず凸凹に入り組んでいる。これによって、模擬地山30の上端面における注入材3”の拡散抵抗が高まり、注入材3”が模擬地山30の上端面に沿って急速に拡散するのを抑制できる。
この結果、模擬地山30の下端部及び上端部において注入材3の注入圧力が逃げるのを防止でき、模擬地山30の中間部に注入材3が十分に浸透するようにできる。
注入材3の注入に伴って、試験容器10内の空気が、フィルタ16を透過し、通気穴11dから排出される。また、模擬地山30内の余剰の水分についても、フィルタ16を透過させて通気穴11dから押し出すことができる。これによって、注入材3を円滑に注入できる。
一方、模擬地山30の硅砂は、フィルタ16によって阻まれ、通気穴11dから漏れるのを防止できる。
<養生工程>
注入工程後、注入材3が硬化するまで養生する。これによって、模擬地山30における注入材3の浸透部分が硬化し、改良体30X(図7)となる。模擬地山30の中間部に注入材3を十分に浸透させることで、評価に適した改良体30Xを得ることができる。
<取り出し工程>
その後、図7に示すように、試験容器10を解体して、改良体30Xを取り出す。
前記拡散空間画成部材22による浸透ムラ低減効果と、緩衝層31,32による拡散抑制効果とが相俟って、評価に適した、きれいな状態の改良体30Xを得ることができる。
<評価工程>
そして、改良体30Xの大きさ、形状、硬さ、その他の物性から、注入材3によって所望の改良効果が得られるかどうかを評価する。すなわち、適用対象の地山に対する注入材3の適合性を評価する。
改良評価試験装置1によれば、評価に適した改良体30Xが得られるために、評価を容易に行なうことができる。特に、注入材3の浸透形態を実際の現場での浸透形態に近づけることができるから、改良評価の信頼性を高めることができる。
複数の改良評価試験装置1を用意し、互いに組成等が異なる注入材3を注入して、各改良体30Xを評価することで、適用対象の地山に合った注入材3を選定できる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、拡散空間画成部材22は、網に限られず、筒状の多孔板などによって構成してもよい。
注入材は、前記ウレタン系注入材に限られず、シリカレジン系注入材、セメント系注入材等を用いてもよい。シリカレジン系注入材は、特殊珪酸ソーダ(A液)と変性ポリイソシアネート(B液)を原料とする変性ポリウレタンである。
下側緩衝層31と上側緩衝層32との組成や成分(硅砂の粒径等)が互いに異なっていてもよい。
セメント系注入材は、模擬地山30内を主に下方へ拡散されるから、模擬地山30の少なくとも下側に緩衝層31を設けるとよい。上側の緩衝層32を省略してもよい。
前記ウレタン系注入材やシリカレジン系注入材等の発泡性注入材が、注入管20から吐出後、すぐに発泡して上方へ拡散される等の場合は、上側の緩衝層32だけを設け、下側の緩衝層31を省略してもよい。両側の緩衝層31,32を省略してもよい。
本発明は、切羽の上半アーチ外周から前方へ長尺先受け鋼管を打設する長尺先受け工法の注入材選定の他、切羽鏡部に鏡ボルトを打設する鏡ボルト工法の注入材選定などにも適用できる。
本発明は、トンネル構築時の地山への注入材の選定に限られず、他の地中構造物やビル等の建築構造物を構築する際の地盤改良材としての注入材の選定等にも適用できる。
実施例を説明する。ただし、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
図1と実質同等の改良評価試験装置1を作製した。
試験容器10としてドラム缶を用いた。試験容器10の高さは850mm、内径は570mmであった。
注入管20として、直径27.2mmの中空ボルトを用いた。
1枚の金網を注入管20の周りに数回巻き重ねることで、拡散空間画成部材22を形成した。拡散空間画成部材22の直径は、30〜35mm程度であった。
網線材22aの直径は、約0.2mmであった。
網目22cの大きさは、目開きが約1.2mmであり、18メッシュ程度であった。
模擬地山30として、2号硅砂(粒径2〜4mm、透水係数10〜10cm/s)を用いた。模擬地山30の高さ(厚み)は、650mmであった。
下側緩衝層31として、8号硅砂(粘土)を用いた。下側緩衝層31の厚みは、30mmであった。
上側緩衝層32として、8号硅砂(粘土)を用いた。上側緩衝層32の厚みは、30mmであった。
押し蓋層33は、モルタルであり、その厚みは、140mmであった。
注入材3として、旭有機材株式会社製ウレタン系注入材を用いた。注入材3の注入量は6.6kg、注入圧力は1〜2kg/min、想定発泡倍率は3.6倍であった。
注入材3の硬化度、試験容器10を解体して、改良体30Xを取り出した。該改良体30Xの写真を図8に示す。
改良長(改良体30Xの高さ)は、約600mmであった。改良幅(改良体30Xの直径)は平均して334.5mmであった。
本発明は、例えばトンネル地山の地盤改良材の選定に適用できる。
1 改良評価試験装置
3 注入材
3A A液供給源
3B B液供給源
10 試験容器
11 周壁
11d 通気穴
12 底板
13 蓋板
16 フィルタ
20 注入管
20c 注入穴
21A 供給管
21B 供給管
22 拡散空間画成部材
22a 網線材
22c 網目(透孔)
23 シール部材
25 拡散空間
30 模擬地山
30X 改良体
31 緩衝層
32 緩衝層
33 押し蓋層

Claims (4)

  1. 注入材による地山の改良効果を評価する試験装置であって、
    前記地山を模した模擬地山が収容される試験容器と、
    前記注入材を吐出する注入穴を有し、前記試験容器内に配置された注入管と、
    前記注入管の外周面との間に環状の拡散空間を画成するようにして前記注入管を囲む筒状の拡散空間画成部材と、
    を備え、前記拡散空間画成部材には、前記注入材の透過を許容し前記模擬地山の通過を制限する多数の透孔が分散して形成されていることを特徴とする改良評価試験装置。
  2. 前記拡散空間画成部材が、網によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の改良評価試験装置。
  3. 前記試験容器内における前記模擬地山の下側又は上側には、前記注入材の拡散抵抗が模擬地山よりも高い緩衝層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の改良評価試験装置。
  4. 注入材による地山の改良効果を評価する試験方法であって、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の試験装置を用意し、
    前記試験容器内に模擬地山を収容し、
    前記注入材を、前記注入管に供給して前記注入穴から吐出させ、前記拡散空間画成部材を透して前記模擬地山に浸み込ませることを特徴とする改良評価試験方法。
JP2017112260A 2017-06-07 2017-06-07 地山の改良評価試験装置及び方法 Active JP6905875B2 (ja)

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