JP2018202302A - 水循環装置及び洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置スペースを低減することが可能な水循環装置を提供すること。【解決手段】水を供給しながら回収する水循環装置100は、循環水の温度を調節する温度調節部15と、水活性化部50と、循環水に含まれる異物を除去するフィルタユニット30を備える。フィルタユニット30は、プリーツ状に折り加工された濾材で構成された円筒体を有し、円筒体の外周面側から中空部側に循環水を通過させることによって循環水に含まれる異物を低減するフィルタ本体と、フィルタ本体の両端面において中空部の開口を取り囲むように配置される、エッジ状の先端を有する第1及び第2のシール部と、第1のシール部の上に設けられる弾性部と、第2のシール部に接続されるとともに先端部が中空部に挿入されてフィルタ本体を支持する支持部と、フィルタ本体、第1及び第2のシール部、弾性部及び支持部を収容する収容部を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、水循環装置及び洗浄方法に関する。
オフセット印刷において高品質の印刷を行うためには、インキの温度を目標とする温度範囲内に維持する必要がある。例えば、インキの温度が高くなり過ぎるとインキの粘度が下がり、印刷物の絵柄の網点が肥大化したり、絵柄の光沢が下がったりして、印刷品質が低下してしまう。
インキつぼから版胴までのインキの供給は、インキ元ローラ、インキ伝達ローラ、インキ練りローラ及びインキ往復ローラ等のインキローラを順次移転して行われる。これらの各インキローラの表面には熱が発生して蓄積される。蓄積する熱を低減するためにインキローラには冷却水を供給する必要がある。このような冷却水は、環境負荷を低減する観点から循環利用されている。
特許文献1では、インキローラに循環水を供給する処理装置が提案されている。この処理装置は、ゼータ電位の吸着作用を利用した電気吸着フィルタと、誘電体からなる管体の外周面に導電体が配置され、管体内に流通させる冷却水を活性化する水活性化装置を備えている。
特開2011−194678号公報
印刷機が設置される建屋は、通常、印刷機器のみならず、他の機器及び副資材等を保管するスペースも必要となるため、インキローラの内部に循環水を供給する水循環装置の設置スペースには制約があることが多い。また、印刷機以外の分野においても水循環装置の設置スペースを低減することは有効である。そこで、本発明は、一つの側面において、設置スペースを低減することが可能な水循環装置を提供することを目的とする。本発明は、別の側面において、水循環装置の内部の洗浄を簡便に行うことが可能な洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の水循環装置は、一つの側面において、水を供給しながら回収する水循環装置であって、循環水の温度を調節する温度調節部と、誘電体からなる管体の外側に電極が配置され、管体内を流通する循環水を活性化する水活性化部と、循環水に含まれる異物を除去するフィルタユニットと、を備える。
フィルタユニットは、プリーツ状に折り加工された濾材で構成された円筒体を有し、円筒体の外周面側から中空部側に循環水を通過させることによって循環水に含まれる異物を低減するフィルタ本体と、
フィルタ本体の両端面において中空部の開口を取り囲むように配置される、エッジ状の先端を有する第1及び第2のシール部と、
第1のシール部の上に設けられる弾性部と、
第2のシール部に接続されるとともに先端部が中空部に挿入されてフィルタ本体を支持する支持部と、
フィルタ本体の外周面に循環水を供給する供給口と、中空部を流通する循環水を排出する排出口とが設けられ、当該排出口に支持部の後端部を挿入するとともに、フィルタ本体の両端面において第1及び第2のシール部の先端がフィルタ本体の両端面にそれぞれ食い込むように弾性部で付勢した状態で、フィルタ本体、第1及び第2のシール部、支持部及び弾性部を収容する収容部とを備える。
上記フィルタ本体は、プリーツ状に折り加工された濾材で構成された円筒体を有することから、濾過面積を維持しつつ小型化することができる。このためフィルタ本体を収容する収容部の小型化も図ることができる。また、フィルタ本体は、排出口に支持部の後端部を挿入するとともに、第1及び第2のシール部の先端がフィルタ本体の両端面に食い込むように弾性部で付勢した状態で、収容部に収容される。このように、収容部内にフィルタ本体をコンパクトな構造で収容することができる。したがって、水循環装置の設置スペースを低減することができる。
なお、上述のフィルタユニットは、フィルタ本体をバイパスして外周面側から中空部側に循環水がリークすることを十分に抑制することができる。すなわち、フィルタ本体の外周面側の循環水が、フィルタ本体を通過することなく中空部を流通する循環水に混入することを十分に抑制することができる。このため、循環水がフィルタ本体をより確実に通過することとなり、循環水に含まれる異物をフィルタ本体で十分に捕捉することができる。したがって、循環水中の異物を低減し、異物に起因する回転機器等のメカニカルシール部のリーク等の不具合を抑制することができる。
上述の水循環装置は、インキローラの内部に循環水を供給するものであることが好ましい。インキローラは、通常、屋内に設置されることから、設置スペースを低減できる上記水循環装置は特に有用である。
上記第1のシール部は、弾性部であるコイルばね、円錐ばね、又は皿ばねが取り付けられる突起と、中空部に挿入される突起と、を有することが好ましい。これによって、収容部内における、第1のシール部、フィルタ本体及び弾性部の位置精度を向上することができる。
上記水循環装置は、循環水と接触する内壁の少なくとも一部にFeを含む皮膜を有することが好ましい。このような皮膜を有することによって、内壁の腐食の進行が抑制され、循環水中の異物を一層低減することができる。したがって、フィルタ本体の交換頻度を低減することができる。
上述のフィルタ本体の濾過精度は0.5μm以下であることが好ましい。これによって、循環水中に溶存する気泡(空気)が低減され、内壁の腐食の進行を一層抑制することができる。
上記水循環装置は、井戸水、工業用水及び処理水の少なくとも一つを含む水を補給する補給部を有していてもよい。このように、水道水以外の水を補給する補給部を有していても、循環水中の異物を十分に低減して、内壁の腐食及び閉塞等を抑制することができる。
上記水循環装置は、ナフタレンを含む殺藻剤を保持し、循環水と殺藻剤とを接触させる処理部を備えていてもよい。これによって、循環水中に藻類が増殖することを抑制することができる。この処理部は、循環水として、藻類が特に発生しやすい井戸水又は工業用水を用いる場合に特に有用である。
本発明は、別の側面において、上述の水循環装置の洗浄方法であって、過酸化水素を含む循環水を循環させながら水循環装置の内部を洗浄する洗浄工程を有する、洗浄方法を提供する。
上記洗浄方法では、水循環装置の内部の洗浄に、過酸化水素を含む循環水を用いている。このため、水循環装置の内壁に付着するスケールを簡便に且つ効果的に除去することができる。
本発明は一つの側面において、設置スペースを低減することが可能な水循環装置を提供することができる。本発明は、別の側面において、水循環装置の内部の洗浄を簡便に行うことが可能な洗浄方法を提供することができる。
水循環装置の概要を示す図である。 フィルタユニットの縦断面図である。 フィルタ本体の径方向断面図である。 フィルタ構造体の分解図である。 収容部に収容されるフィルタ構造体を斜め下方から見たときの図である。 蓋部を取り外して、収容部を上から見たときの図である。 収容部に収容されるフィルタ構造体を斜め上方から見たときの図である。 第1のシール部の斜視図である。 フィルタユニットにおいて、蓋部が胴体部の上端から離れている状態を示している。 水活性化部とその内部構造の一部を透視して示す模式図である。 実施例4及び比較例4の結果を示す写真である。 実施例4及び比較例4の結果を示す写真である。 洗浄中及び洗浄後の温度調節部における制御水槽の水面を撮影した写真である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の実施形態を以下に説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る水循環装置の概要を示す図である。図1の水循環装置100は、インキローラ10の内部に水を循環して供給する水循環装置100が示されている。水循環装置100は、循環水の温度を調節する温度調節部15と、循環水に含まれる異物を除去するフィルタユニット30(濾過部)と、誘電体からなる管体の外側に電極が配置され、管体内を流通する循環水を活性化する水活性化部と、薬剤を注入する薬剤注入部60と、循環水と殺藻剤とを接触させる処理部70と、を備える。また、水循環装置100は、上述の各種機器同士を接続し、循環水の循環流路を構成する配管81,83,85,86,88を備える。さらに、水循環装置100は、温度調節部15の下流側に、圧力を測定する圧力センサ62と、圧力センサ62で測定した圧力の信号が入力され、当該圧力が所定値を超えている場合に警報を発報する制御部64と、を備える。
温度調節部15は、オフセット印刷機のインキローラ10の内部を流通してきた循環水の温度を所定の範囲(例えば、22〜26℃)に調節する。このように温度調節された循環水をインキローラ10の内部に供給することによって、インキの粘度の変動が抑制され、印刷精度が向上する。
温度調節部15は、循環水を滞留させ、循環水の温度を制御する制御水槽22と、循環水の温度を冷却する冷却器16と、制御水槽22から循環水を送り出すためのポンプ24と、を備える。また、温度調節部15は、制御水槽22から冷却器16に循環水を送る配管17、冷却器16から制御水槽22に循環水を送る配管18、及び、制御水槽22からポンプ24に循環水を供給する配管82を備える。
制御水槽22には、補給水を供給するための配管65(補給部)が連結されている。例えば、制御水槽22の水位が下限値を下回ったときに、配管65を介して補給水が供給される。補給水としては水道水であってもよいし、水道水以外の井戸水、工業用水及び処理水の少なくとも一つを含んでいてもよい。処理水としては、下水処理場で処理された処理水等が挙げられる。井戸水、工業用水及び処理水は、水道水よりも異物が多い傾向があるが、本実施形態の水循環装置100であれば、井戸水、工業用水及び処理水を用いた場合であっても異物を十分に低減し、腐食を抑制することができる。したがって、運転コストを十分に低減することができる。
制御水槽22は、循環水を加熱するヒータを備えていてもよい。これによって、冷却器16によって過度に冷却された循環水を加熱して、循環水を所定の温度範囲に制御することができる。このように、温度調節部15は、循環水の冷却だけでなく加熱も行うことができることから、恒温装置として機能する。冷却器及びヒータは公知のものを用いることができる。制御水槽22は、制御水槽22内の循環水の温度を測定する温度センサを有していてもよい。この温度センサの測定値に基づいて、冷却器16に供給する循環水の流量調節、或いは、冷却器16又はヒータの出力の調節を行ってもよい。
ポンプ24は市販の回転ポンプを用いることができる。本実施形態の水循環装置では循環水の異物を十分に低減できることから、ポンプ24におけるメカニカルシール部からの循環水のリークを十分に低減することができる。
ポンプ24から吐出された循環水は、配管83を流通してフィルタユニット30に供給される。フィルタユニット30では、循環水に含まれる異物が捕捉される。これによって、循環水に含まれる異物を低減することができる。異物としては、水循環装置100内の配管及び各種機器の腐食に起因する赤錆、並びに、補給水に起因するシリカ及び藻等の固形物が挙げられる。
配管83には、圧力センサ62が設けられている。圧力センサ62は、配管83内の圧力値を検出し、その検出信号を制御部64に出力する。制御部64は警報手段として例えば警告ランプを備えている。制御部64は圧力センサ62によって検出された圧力値が所定値を超えたときに、警告ランプを点灯する。このとき、循環水の流路を図示しないバイパス配管に切り替えて、フィルタユニット30をバイパスするように循環流路を構成してもよい。
例えば、制御部64からの制御信号によって3方電磁弁を作動させて、循環水の流路をフィルタユニット30からバイパス配管に切り替えてもよい。これによって、フィルタユニットの圧力が上限値を超えることを回避することができる。循環水がバイパス配管を流通している間に、フィルタユニット30に備えられるフィルタ本体を取り出して交換又は洗浄してもよい。また例えば、フィルタユニット30を複数設けて、一方の圧力値が所定値を超えた場合に、循環水の流路を他方のフィルタユニット30に切り替えてもよい。他方のフィルタユニット30を循環水が流通している間に、一方のフィルタユニット30のフィルタ本体の交換作業をすることができる。
図2は、フィルタユニット30の縦断面図である。フィルタユニット30は、フィルタ本体40と、フィルタ本体40の両端部に第1のシール部42及び第2のシール部43と、第2のシール部43に接続されるとともに先端部44aがフィルタ本体40の中空部40dに挿入される支持部44と、を有するフィルタ構造体90を備える。
図3は、フィルタ本体40の径方向断面図である。図2及び図3に示されるように、フィルタ本体40は、プリーツ状に折り加工された濾材F(図3)で構成された円筒体40bと、当該円筒体40bの周囲を覆い、円筒体40bを補強するとともに濾材Fを保護する外殻体40aと、を有する。円筒体40bは、プリーツタイプのフィルタであることから濾過面積を大きくしつつ、小型化を図ることができる。したがって、収容部31を小さくすることができる。
濾材Fとしては、例えば、合成繊維の不織布又は織布が挙げられる。合成繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、脂肪族ポリアミド、及びポリアクリロニトリル等が挙げられる。これらの一種を単独で、又は二種以上を組み合わせてもよい。これらのうち、ポリプロピレンが好ましい。濾材Fは、繊維径の異なる数種類の不織布を一緒にプリーツ加工することによって濾過精度に勾配を設けてもよい。
外殻体40aは、循環水が通過可能なように例えば網状又はメッシュ状に形成される。外殻体40aは、ポリオレフィン又はポリエステル等の合成樹脂製のものが挙げられる。フィルタ本体40は、その内壁で形成される中空部40dを有する。循環水は、フィルタ本体40における円筒体40bを、外周面40c側から中空部40d側に向かって通過する。通過する際に、循環水に含まれる異物は円筒体40bを形成する濾材Fに捕捉され低減される。
フィルタ本体40の濾過精度を十分に小さくすれば、循環水に含まれる異物の含有量を十分に低減することができる。フィルタ本体40の濾過精度は、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.45μm以下である。このような濾過精度を有するフィルタ本体を用いることによって、異物のみならず、循環水中の溶存酸素を取り除くことができる。このような溶存酸素は、例えば配管65から補給される補給水によって持ち込まれる。循環水中の溶存酸素を取り除くことによって、水循環装置100及びインキローラ10の内壁の腐食の進行を一層抑制することができる。
図2に示すように、フィルタ本体40は、収容部31に収容されている。収容部31は、円柱状の空間であり、円筒状の胴体部32と、胴体部32の上端側に設けられて胴体部32の上側の開口を覆う蓋部34と、胴体部32の下端側に設けられて胴体部32の下側の開口を塞ぐ底部36とによって形成される。
図4は、フィルタ構造体90の分解図である。フィルタ本体40は、一方の端面40Aに中空部40dの開口41Aを有し、他方の端面40Bに中空部40dの開口41Bを有する。フィルタ本体40の端面40Aにおいて、開口41Aを取り囲むように第1のシール部42が配置される。第1のシール部42のフィルタ本体40側とは反対側に弾性部45が配置される。
フィルタ本体40の端面40Bにおいて、開口41Bを取り囲むように第2のシール部43が配置される。第2のシール部43は、環状であり、中央部の貫通孔43aに棒状の支持部44が挿入される。図3では、第2のシール部43と支持部44は別個の部材として示されているが、これらはカシメ又は溶接等の手段によって互いに結合していてもよい。略三角柱状を有する支持部44は、フィルタ本体40を支持するものであり、循環水の流通を円滑にするために中央部が空洞になっている。また、支持部44の両端は、凸形状に加工されている。これによって、中空部40d、及び、排出口38Aへの支持部44の挿入作業を円滑にすることができる。
支持部44の先端部44aは、フィルタ本体40の中空部40dに挿入される。支持部44の先端部44aは、第1のシール部42と離れて設けられる。支持部44の中空部40dへの挿入長さは、中空部40dの長さと同じであってもよいし、中空部40dの長さを基準(100)として40〜95であってもよい。一方、支持部44の後端部44bは、中空部40dの開口41Bから突出させる。支持部44の突出部分の長さは、支持部44の長さを基準(100)として10〜30であってもよい。
第1のシール部42、第2のシール部43、及び支持部44の材質は、強度を高くする観点及び加工の容易性の観点から金属製であることが好ましい。循環水中の異物を低減するとともに、メンテナンス頻度を低減する観点から、例えばステンレス又はアルミニウムであってもよいし、鋳鉄にメッキを施したものであってもよい。
図2に示されるように、フィルタ本体40の端面40Bにおける開口41Bから突出する支持部44の後端部44bは、収容部31を形成する底部36に設けられる排出口38Aに挿入されている。第2のシール部43は、排出口38Aの周囲に形成される略漏斗形状の位置決め部39Bに当接する。第2のシール部43が位置決め部39Bに当接することによって、収容部31におけるフィルタ構造体90(フィルタ本体40)の位置決めがなされる。これによって、フィルタ構造体90の設置作業を簡略化するとともに、設置後もフィルタ構造体90のぐらつき等を抑制することができる。
底部36には、フィルタ本体40の外周面40cに循環水を供給する供給口33Aが設けられている。循環水は、底部36の側面に設けられた流入口33Bから導入され、供給流路33を流通して供給口33Aから収容部31内に導入される。循環水は、フィルタ本体40の外周面40cから中空部40dに向かって流通する。
循環水は、円筒体40bによって濾過され異物が低減される。異物が低減された循環水は、中空部40dを流通して排出口38Aから排出流路38に排出される。この循環水は、排出流路38を流通して流出口38Bから流出する。供給流路33及び排出流路38は、それぞれエルボ状に形成されている。流入口33B及び流出口38Bは、それぞれ、図1の配管83及び配管85に接続されている。このような構造によって、循環水はフィルタユニット30に連続的に供給され濾過されるようになっている。
本実施形態では、収容部31が円柱形状を有しているが、これに限定されない。別の実施形態では、収容部は、四角柱形状等の別の形状を有していてもよい。
図5は、収容部31に収容されるフィルタ構造体90を斜め下方から見たときの図である。支持部44は、フィルタ本体40の一方の端面40Bからその後端部44bが突出するように配置される。支持部44は、一側面に、後端部44bから先端部44aに亘って溝部44Aが形成されている。溝部44Aは、支持部44の後端部44bに形成される開口部44Bに繋がっている。溝部44Aは、図示されていない支持部44の先端部44aに形成される開口部にも繋がっている。支持部44が、中空状の空洞を有するとともに、当該空洞が溝部44A及び両端部における開口部44Bによって開放されていることから、支持部44が循環水の流動の抵抗となることを十分に抑制することができる。
第2のシール部43は中央部に貫通孔43aを有しており、貫通孔43aにおいて支持部44に接している。第2のシール部43は、例えば溶接又はカシメ金具等によって支持部44と接続されていてもよい。第2のシール部43は支持部44の後端部44bに向かって小さくなるようにテーパー状に形成されている。テーパー状の表面43bが図2の位置決め部39Bに当接し、フィルタ構造体90が収容部31において位置決めされる。
第2のシール部43は、その先端43cがフィルタ本体40の中空部40dの開口を取り囲むように配置される。第2のシール部43の先端43cは、エッジ状になっており、第2のシール部43の先端43c以外の部分よりも厚みが薄くなっている。このため、第2のシール部43の先端43cは、弾性部45で付勢されフィルタ本体40の端面40Bに食い込んでいる。したがって、循環水がフィルタ本体40の外周面40c側から、フィルタ本体40の中空部40d側にバイパスすることが十分に抑制され、フィルタ本体40において異物を十分に低減することができる。また、フィルタ本体40と第2のシール部43の位置ずれを抑制することができる。
図6は、蓋部34を取り外して、収容部31を上から見たときの図である。底部36には、一つの供給口33Aと、3つの排出口38Aが設けられている。底部36の中心部には、鉛直方向に延在するように固定軸37が取り付けられている。3つの排出口38Aのそれぞれにフィルタ構造体90を取り付けることができる。なお、収容部31に設けられるフィルタ構造体90及び排出口38Aの数は特に限定されず、別の実施形態では、1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。供給口33Aも1つに限定されず、2つ以上であってもよい。
排出口38Aの周囲には、中心側から略漏斗形状の位置決め部39Bと、凹部39Aが同心となるように設けられている。略漏斗形状の位置決め部39Bを凹部39Aに取り付けることによって、位置決め部39Bを底部36に安定的に固定することができる。フィルタ構造体90は、第2のシール部43の表面43bと位置決め部39Bとが当接するように収容部31内に配置される。支持部44と第2のシール部43が互いに固定されていれば、フィルタ構造体90の交換作業を容易にすることができる。
図7は、収容部31に収容されるフィルタ構造体90を斜め上方から見たときの図である。第1のシール部42は、図5に示される第2のシール部43と同様に、その先端42cがフィルタ本体40の中空部40dの開口を取り囲むように配置される。なお、第1のシール部42は、フィルタ本体40の中空部40dの開口を塞ぐように設けられている点で、第2のシール部43と異なっている。フィルタ構造体90は、フィルタ本体40の端面40Aにおける中空部40dの開口41A(図4)を覆うように第1のシール部42を有することから、中空部40d内を流通する循環水が、端面40A側の中空部40dの開口41Aから流出することを抑制することができる。このため、中空部40d内の循環水の全量を、端面40B側の開口41Bから流出させることができる。
第1のシール部42の先端42cは、エッジ状になっており、第1のシール部42の先端42c以外の部分よりも厚みが薄くなっている。このため、第1のシール部42の先端42cは、弾性部45で付勢されフィルタ本体40の端面40Aに食い込んでいる。したがって、循環水がフィルタ本体40の外周面40c側から、フィルタ本体40の中空部40d側にバイパスすることが十分に抑制され、フィルタ本体40において異物を十分に低減することができる。また、フィルタ本体40と第1のシール部42の位置ずれを抑制することができる。
弾性部45は、本実施形態ではコイルばね(押しばね)を用いているが、これに限定されない。弾性部を第1のシール部42の上に安定的に保持する観点から、好ましい弾性部としては、円錐ばね、及び皿ばね等が挙げられる。
図8は、第1のシール部42の斜視図である。図8(A)は、第1のシール部42を上側(弾性部45側)から見たときの斜視図であり、図8(B)は、第1のシール部42を下側(フィルタ本体40側)から見たときの斜視図である。図7及び図8(A)に示されるように、第1のシール部42は、弾性部45と直接接触して弾性部45によって付勢される皿状の本体部42bを有する。本体部42bの中央部には弾性部45を係止するための突起部42aが形成されている。弾性部45の係止部として機能する突起部42aを有することによって、第1のシール部42と弾性部45の位置ずれを抑制することができる。
第1のシール部42は、図8(B)に示されるように、弾性部45と接する側とは反対側に、フィルタ本体40の中空部40dに挿入される挿入部42dを有する。第1のシール部42は、弾性部45で付勢されることによって先端42cがフィルタ本体40の端面40Aに食い込むとともに、挿入部42dが中空部40dに挿入されることから、フィルタ本体40に対する第1のシール部42及び弾性部45の位置ずれの発生を十分に抑制することができる。このため、位置ずれに伴って循環水が開口41Aから中空部40dに流入することを十分に抑制することができる。
図2に戻り、蓋部34の中心部には固定軸37が挿入される貫通孔34bが設けられている。蓋部34は、固定軸37に対して上下方向に移動可能に固定軸37に取り付けられる。固定軸37と貫通孔34bの接触部分には、図示しないねじ山が形成されており、互いに螺合している。固定軸37は、底部36の中心から胴体部32の中央を通って蓋部34を貫通して延びている。固定軸37の上端は、蓋部34の上側においてT型のハンドル部35の中心軸35aに連結されている。ハンドル部35の中心軸35aと固定軸37は、中心軸35aをメス側、固定軸37をオス側としてねじ結合されている。
図9は、フィルタユニット30において、蓋部34が胴体部32の上端から離れている場合を示している。この場合、弾性部45は弾性変形しておらず、その上端が胴体部32の上端よりも上方に位置している。ここで、図2に示す固定軸37に対してハンドル部35を時計回り(又は反時計回り)に回すと、中心軸35aの先端35bが蓋部34の貫通孔34bの周縁34aに当接して蓋部34が胴体部32側に移動する。蓋部34と胴体部32の上端とが接触するまで蓋部34を胴体部32側に移動させれば、胴体部32の上側の開口が蓋部34で閉止され、収容部31を閉鎖することができる。このとき、蓋部34の胴体部32側への移動に伴って、フィルタ本体40の上方に配置された弾性部45は蓋部34に当接して押圧され弾性変形する。
蓋部34には、貫通孔34bとは別に、ガス抜き孔34cが設けられている。蓋部34を閉止して、フィルタユニット30への循環水の供給を開始する際に、ガス抜き孔34cを開放して収容部31内のガスを抜くことで、フィルタユニット30による循環水の濾過の開始を円滑に行うことができる。
図2に示すように弾性部45が弾性変形すると、弾性部45とフィルタ本体40の間に配置される第1のシール部42は、フィルタ本体40の上側の端面40Aに向かうように付勢される。これとともに、フィルタ本体40と排出口38Aとの間に設けられる第2のシール部43は、フィルタ本体40の下側の端面40Bに向かうように付勢される。このように、第1のシール部42及び第2のシール部43は、弾性部45の弾性変形によってフィルタ本体40の端面40A及び端面40Bにそれぞれ付勢された状態で収容部31に収容される。
第1及び第2のシール部42,43は、弾性部45の弾性変形によって付勢されることから、フィルタ本体40の両端面40A,40Bに強固に固定される。また、第2のシール部43は、位置決め部39Bに当接するため、位置決め部39Bに対するフィルタ構造体90の位置ずれを抑制することができる。フィルタ構造体90を収容部31から取り出す場合には、固定軸37に対してハンドル部35を反時計回り(又は時計回り)に回して、蓋部34を胴体部32側とは反対側に移動させる。これによって、図9に示すように収容部31が開放され、フィルタ構造体90を交換することができる。このように、ハンドル部35を操作することによって、蓋部34と胴体部32と間の距離が調節され、収容部31の開閉状態を変えることができる。したがって、フィルタ本体40(フィルタ構造体90)の交換作業を容易に行うことができる。
フィルタユニット30は、上述の構造に限定されない。例えば、別の実施形態では、蓋部34及び胴体部32を一体的な構造とし、底部36に対して蓋部34及び胴体部32を上下方向に移動して、収容部31の開放及び閉鎖を行い、フィルタ構造体の90の設置又は交換を行ってもよい。胴体部32と底部36、又は胴体部32と蓋部34は、溶接によって接続されていてもよいし、一体的に鋳造されていてもよい。
フィルタ本体40は、両端部にO−リング、ガスケット又はパッキンを有していてもよい。この場合、フィルタ本体40の端面40A及び40Bは、O−リング、ガスケット又はパッキンで構成される。第1のシール部42及び第2のシール部43は、両端面をなすO−リング、ガスケット又はパッキンに食い込むように弾性部45で付勢される。
図1に示す配管83を流通してフィルタユニット30に供給される循環水は、図2に示す流入口33Bから供給流路33を流通して供給口33Aより収容部31内に供給される。収容部31内に供給された循環水は、収容部31内に収容されているフィルタ本体40の濾材で構成される円筒体40bを、外周面40c側から中空部40d側に向かって通過する。このときに、円筒体40bによって循環水に含まれる異物が低減される。異物が低減された循環水は、中空部40dを流通して排出口38Aから排出される。排出された循環水は排出流路38を流通して流出口38Bから流出する。異物が低減された循環水は、流出口38Bに接続される配管85を流通して、図1に示すとおり、循環水を活性化する水活性化部50に導入される。
図10は、水活性化部とその内部構造の一部を透視して示す模式図である。水活性化部50は、電子還元現象によって、循環水の水質を赤錆が発生し難い水質に変えることができる。水活性化部50は、二重管構造として、水活性化部50は、外側に例えば真鍮等の導電体で構成されるケーシング52と、内側に誘電体(例えば、PC(ポリカーボネート)又はエポキシFRP(繊維強化プラスチック)等の強化プラスチック)で構成される管体54とを有する。循環水は、管体54内を流通する。管体54の外周面にはリング状の複合電極56が設けられている。ケーシング52の外周面にはアース端子58が設けられている。配管85,86がプラスチック製等、導電性を有しないもので構成される場合、アース端子58を接地することによって静電気を逃がすことができる。配管85又は配管86が金属製である場合、接地は不要である。
複合電極56は、電気化学的電位が異なる2種以上の導電体で構成することができる。例えば、リング状のアルミニウム電極と炭素電極とを組み合わせて用いることができる。水活性化部50は、ケーシング52を有することから、複合電極56を、管体54の外周面と、ケーシング52の内周面との間に密封することができる。
管体54は、その流路内を流通する循環水との摩擦によって静電気を発生させる。水活性化部50では、外部電源を用いることなく電位差が生じ、循環水を管体54内に流通させることによって、循環水を介して正極の炭素と負極のアルミニウムとの導電結合が生じる。すなわち、管体54の外側にマイナス静電気が発生し、一次静電場が形成される。正極である炭素電極は、この静電場より自由電子を吸収し、マイナスに荷電される。一方、負極であるアルミニウム電極は、マイナス静電場で自由電子を放出してプラスに荷電される。
どちらの電極も瞬時に飽和され、正極から自由電子が循環水中に放電される。そして、自由電子を失った負極には循環水中の自由電子が飛び込み、いずれの電極も元の中性に戻る。この充放電の繰り返しが、循環水中に静電子の薄膜を形成し、働きのない水分子集団を、イオン形成能力を持つ本来の水分子に戻すので、循環水及びその溶解成分がイオン化される。水活性化部50としては、例えば、株式会社サンワード製のスピリオン(型式:JS−38F,EH−38F,JS−12F,EH12F)を用いることができる。
水活性化部50を設けることによって、インキローラ10及び水循環装置100の内壁の腐食が抑制され、赤錆等のスケールの発生を抑制することができる。また、インキローラ10及び水循環装置100において、循環水との接触部分に、後述するFeを含む皮膜を形成することを促進できると推察される。
水活性化部50で活性化された循環水は、配管86を流通し、処理部70に導入される。処理部70において、循環水は殺藻剤と接触する。水循環装置100は処理部70を有することによって、循環水中に藻類が増殖することを抑制できる。したがって、藻類の含有量が水道水よりも高い水を用いる場合に、処理部70を設けることによって、インキローラ、循環流路、温度調節部、水活性化部、及び、フィルタユニットの循環水と接触する内壁に藻類が付着することを抑制できる。これによって、水循環装置100のメンテナンス頻度を低減することができる。このような効果は、補給水として、藻類の含有量が比較的高い傾向にある工業用水又は井戸水を用いる場合に特に有用である。殺藻剤としては、例えばナフタレンを含むものが挙げられる。
殺藻剤が固体である場合、所定形状を有する金属製のメッシュに殺藻剤を入れておけば、循環水が処理部70を通過する際に、循環水と殺藻剤を連続的に接触させることができる。殺藻剤が液体である場合、所定量の殺藻剤を継続的又は断続的に循環水中に注入してもよい。
処理部70で殺藻剤と接触した循環水は、配管88を流通してインキローラ10の中心軸12に導入される。中心軸12に導入された循環水は、インキローラ10の内管を流通する。内管を流通する循環水によって、インキローラ10の表面は所定の温度範囲に維持される。インキローラ10は、通常、一般構造用の圧延鋼材(SS材)で構成される。このため、溶存酸素が多い循環水の場合、インキローラ10の内管には赤錆が発生しやすい傾向にある。そこで、フィルタユニット30において、濾過精度が十分に小さい(例えば0.5μm以下)であるフィルタ本体40を用いることによって、溶存酸素が低減され、インキローラ10の内管及び水循環装置100において循環水の流路を構成する内壁における赤錆の発生を抑制することができる。また、循環水に含まれる錆等の異物が低減されていることから、インキローラ10のシール部分からの循環水のリークも十分に抑制することができる。
インキローラ10の内管を流通した循環水は、配管81を流通して温度調節部15に導入される。このようにして、循環水は、インキローラ10及び水循環装置100の内部を循環して使用される。
本実施形態の水循環装置100は、フィルタユニット30を小型化できるため、設置スペースを低減することができる。また、フィルタユニット30では循環水中のスケール等の異物を十分に低減できることから、インキローラ10及び各種機器の内壁における異物の付着を抑制することができる。したがって、水循環装置100及びインキローラ10のメンテナンス頻度及び水の交換頻度が低減される。このため、メンテナンスコスト及びランニングコストを低減することができる。また、インキローラ10の温度調節の精度が向上するため、インキ粘度の変動が抑制される。このため、オフセット印刷の印刷精度を向上することができる。
水循環装置100は、インキローラ10、循環流路(配管81,83,85,86,88)、温度調節部15、フィルタユニット30、水活性化部50、処理部70、循環水と接触する内壁の少なくとも一部に、Feを含む皮膜を有することが好ましい。このような皮膜を有することによって、内壁での赤錆発生が抑制され、赤錆等の異物の発生を抑制することができる。これによって、メンテナンス頻度を低減するとともに、インキローラ10の温度調節の精度が上がり、その結果、印刷精度を向上することができる。
水循環装置100は、配管86を流通する循環水に薬剤を注入する薬剤注入部60を備える。薬剤としては、スライム防止剤、スライム剥離剤、スライムコントロール剤、抗菌剤、殺菌剤、金属腐食防止剤及びスケール防止剤等が挙げられる。薬剤注入部60から、所定量の薬剤を、連続的又は断続的に循環水に注入して、水質改善を図ってもよい。ただし、水循環装置100は、水活性化部50及びフィルタユニット30を備えることから、薬剤を用いなくても、循環水の水質を十分良好に維持することができる。
循環水が流通する配管が亜鉛製の場合、スケール防止剤等に含まれる亜硝酸によって腐食される傾向にある。このため、配管の材質によっては薬剤注入を行わない方が好ましい。
水循環装置100は、過酸化水素を含む水を用いて洗浄する洗浄工程を有する洗浄方法によって洗浄することができる。水循環装置100を用いた場合であっても、補給水として、工業用水又は井戸水等の不純物の多いものを用いた場合、インキローラ10及び水循環装置100の内部(循環水の流路)に相応のスケール及び藻類等が付着して堆積する。また、梱草菌等の細菌の作用によってもスケールが発生する。本実施形態の洗浄方法では、過酸化水素を循環水に注入することによって、簡便にインキローラ10及び水循環装置100の内部を洗浄することができる。なお、補給水が水道水であっても、本実施形態の洗浄方法を行ってもよいことはいうまでもない。
過酸化水素は、水溶液として、配管65を用いて制御水槽22に加えてもよいし、薬剤注入部60から薬剤として循環水に注入してもよい。洗浄工程は、フィルタユニット30からフィルタ構造体90を取り外した状態で、水循環装置100の通常の運転状態と同様に循環水を循環させることによって行ってもよいし、フィルタユニット30及び/又は水活性化部50をバイパスして行ってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。上述の実施形態では、インキローラの内部に循環水を供給しながら回収する水循環装置であったが、循環水を供給する機器はインキローラに限定されず、循環水を用いる各種機器に適用することができる。当該機器は、例えば、各種生産機器の温調器であってもよいし、溶接ロボット及び塗装ロボット等の油圧器であってもよい。また、飲料等の各種液体及び半導体接着剤等のジャケットタンクであってもよい。上述の実施形態におけるインキローラを上述の各種機器に置き換えることによって実施することができる。
水循環装置は、循環水の温度を測定する温度センサと、循環水の温度を所定の範囲に制御する制御部とを備えていてもよい。当該制御部は、冷却器16で冷却する循環水の量を調節したり、制御水槽22に設けられるヒータの出力を制御したりすることによって循環水の温度を調節してもよい。水循環装置は、制御水槽の水位を測定する水位計と、当該水位を制御する制御部とを備えていてもよい。この水位は、補給水の補給量を調節することによって制御してもよい。水循環装置100は、薬剤注入部60、圧力センサ62、制御部64及び処理部70を備えているが、これらのうち少なくとも一つはなくてもよい。また例えば、水循環装置は、循環水に紫外線を照射する紫外線照射部を有していてもよい。
実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(比較例1、実施例1)
図1に示すような水循環装置を導入する前と導入した後における循環水の水質比較を行った。すなわち、比較例1は、フィルタユニット30及び水活性化部50を備えていない水循環装置を用いた。実施例1では、比較例1の水循環装置に対して、フィルタユニット30及び水活性化部50を増設したものを用いた。実施例1のフィルタユニットのフィルタ本体としては、フィルテック株式会社製のプリーツタイプのフィルタ(製品名:ポリクリアーカートリッジ、型式:SPP0.45−A−2−01,濾過精度0.45μm(nom.))を用いた。また、実施例1の水活性化部としては、株式会社サンワード製の小型スピリオン(型式:EH−12F)を用いた。
フィルタユニット30及び水活性化部50はコンパクトであることから、設置スペースを殆ど拡大することなくフィルタユニット30及び水活性化部50を増設することができた。比較例1及び実施例1ともに、補給水は、水道水を用いた。実施例1では、フィルタユニット30及び水活性化部50を増設してから定期的に循環水のサンプルを採取し、経時変化を調べた。結果を表1に示す。表1中、「−」は未測定であること示す。また、JRA冷水基準とは、日本冷凍空調工業会が定める冷凍空調機器用水質ガイドラインに示される冷水系(循環水)の基準値を示している。なお、色度及び濁度は、飲料水の基準値を示している。
比較例1に比べて、実施例1では、シリカ及び全鉄の濃度を低減することができた。特に、シリカは、経時的に減少させることができた。また、実施例1では比較例1よりも色度及び濁度も良好な値にすることができた。
(比較例2、実施例2)
比較例1及び実施例1で用いたインキローラとは異なるインキローラを用いたこと以外は、比較例1及び実施例1と同様にしてフィルタユニット30及び水活性化部50の増設の効果を調べた。すなわち、比較例2は、フィルタユニット30及び水活性化部50を備えていない水循環装置を用いた。実施例2では、比較例2の水循環装置にフィルタユニット30及び水活性化部50を増設して運転を行った。実施例2で増設したフィルタユニットのフィルタ本体、及び水活性化部は、実施例1と同一である。比較例2及び実施例2ともに、補給水は水道水を用いた。増設前の循環水(比較例2)と、増設して2ヶ月経過後の循環水(実施例2)の水質比較を行った。結果を表2に示す。
実施例2も、フィルタユニット30及び水活性化部50はコンパクトであることから、設置スペースを殆ど拡大することなくフィルタユニット30及び水活性化部50を増設することができた。そして、比較例2に比べて、実施例2では、シリカ及び全鉄の濃度を低減することができた。また、実施例2では比較例2よりも色度及び濁度も良好な値にすることができた。
(比較例3、実施例3)
比較例1,2及び実施例1,2で用いたインキローラとは異なるインキローラを用いたこと以外は、比較例1及び実施例1と同様にしてフィルタユニット30及び水活性化部50の増設の効果を調べた。比較例3は、フィルタユニット30及び水活性化部50を備えていない一方で、薬剤注入を行っていた。実施例3では、比較例3の水循環装置にフィルタユニット30及び水活性化部50を増設するとともに、薬剤注入を停止して運転を行った。実施例3で増設したフィルタユニットのフィルタ本体、及び水活性化部は、実施例1と同一である。比較例3及び実施例3ともに、補給水は水道水を用いた。増設前の循環水(比較例3)と、増設して8.5ヶ月経過後の循環水(実施例3)の水質比較を行った。
結果を表3に示す。
実施例3も、フィルタユニット30及び水活性化部50はコンパクトであることから、設置スペースを殆ど拡大することなくフィルタユニット30及び水活性化部50を増設することができた。また、薬剤注入を停止することでコスト低減をすることができた。表3中、「分析障害」は、検出限界を超えたため測定できなかったことを示す。比較例3では、薬剤注入を行っていたものの水質が悪く、不純物が高い濃度で検出された。一方、実施例3では、シリカ、全鉄及びその他の不純物を大幅に低減することができた。なお、実施例3では、有機物が残存しているが、これは、比較例3で注入していた薬剤が循環系内に残存していることに起因するものと考えられる。
(実施例4、比較例4)
実施例1〜3で用いた水循環装置と同様の水循環装置で得られた循環水(インキチラー水、薬剤注入未実施、実施例4)と、水道水(比較例4)を用いて、鉄板の腐食試験を行った。具体的には、室温にて一ヶ月間、鉄板を循環水又は水道水に浸漬し、目視にて錆の発生の有無及び水質を調べた。図11(A)は、浸漬直後の写真であり、図11(B)は1日経過後の写真である。図12(A)は、4日経過後の写真であり、図12(B)は一ヶ月経過後の写真である。
図11,図12に示すとおり、実施例4では、赤錆も循環水の濁りも殆ど発生しなかった。また、実施例4の鉄板の表面には黒錆が生成していた。これに対し、比較例4では、赤錆は発生して水道水はかなり濁ることが確認された。この結果は、循環水は、通常の水道水よりも赤錆の発生を抑制する作用があること、そして少量の黒錆(Fe)を生成する作用があることを示している。この原因は必ずしも明らかではないが、水活性化部とフィルタユニットを組み合わせたことによる効果であると推察される。
(実施例5)
補給水として井戸水を用いていた水循環装置及びインキローラを洗浄する洗浄工程を行った。この洗浄工程では、数ヶ月間継続して使用したインキローラ及び水循環装置の循環流路(配管)に、過酸化水素を注入し、数時間循環運転を継続した。このとき、フィルタユニットのフィルタ本体は取り外して循環運転を行った。その結果、インキローラの内管及び洗浄装置の循環流路の内壁に付着している藻類及びスケール等を十分に除去することができた。図13(A)は、洗浄後の温度調節部における制御水槽の水面を撮影した写真であり、図13(B)は、洗浄工程中における温度調節部における制御水槽の水面を撮影した写真である。洗浄後は循環水が清澄になっていた。この結果から、過酸化水素を含む循環水を用いることによって、水循環装置及びインキローラの内部を十分に洗浄できることが確認された。
本開示によれば、設置スペースを低減することが可能な水循環装置が提供される。また、水循環装置の内部の洗浄を簡便に行うことが可能な洗浄方法が提供される。
10…インキローラ、12…中心軸、15…温度調節部、16…冷却器、17,18…配管、22…制御水槽、24…ポンプ、30…フィルタユニット、31…収容部、32…胴体部、33…供給流路、33A…供給口、33B…流入口、34…蓋部、34a…周縁、34b…貫通孔、34c…ガス抜き孔、35…ハンドル部、36…底部、35a…中心軸、35b…先端、37…固定軸、38A…排出口、38…排出流路、38B…流出口、39A…凹部、位置決め部…39B、40…フィルタ本体、40A,40B…端面、40a…外殻体、40b…円筒体、40c…外周面、40d…中空部、41A,41B…開口、42…第1のシール部、42a…突起部、42b…本体部、42c…先端、42d…挿入部、43…第2のシール部、43a…貫通孔、43b…表面、43c…先端、44…支持部、44A…溝部、44B…開口部、44a…先端部、44b…後端部、45…弾性部、50…水活性化部、52…ケーシング、54…管体、56…複合電極、58…アース端子、60…薬剤注入部、62…圧力センサ、64…制御部、70…処理部、90…フィルタ構造体、100…水循環装置。

Claims (8)

  1. 水を供給しながら回収する水循環装置であって、
    循環水の温度を調節する温度調節部と、誘電体からなる管体の外側に電極が配置され、前記管体内を流通する前記循環水を活性化する水活性化部と、前記循環水に含まれる異物を除去するフィルタユニットと、を備え、
    前記フィルタユニットは、
    プリーツ状に折り加工された濾材で構成された円筒体を有し、前記円筒体の外周面側から中空部側に前記循環水を通過させることによって前記循環水に含まれる異物を低減するフィルタ本体と、
    前記フィルタ本体の両端面において前記中空部の開口を取り囲むように配置される、エッジ状の先端を有する第1及び第2のシール部と、
    前記第1のシール部の上に設けられる弾性部と、
    前記第2のシール部に接続されるとともに先端部が前記中空部に挿入されて前記フィルタ本体を支持する支持部と、
    前記フィルタ本体の外周面に前記循環水を供給する供給口と、前記中空部を流通する循環水を排出する排出口とが設けられ、当該排出口に前記支持部の後端部を挿入するとともに、前記第1及び第2のシール部の先端が前記フィルタ本体の両端面にそれぞれ食い込むように前記弾性部で付勢した状態で、前記フィルタ本体、前記第1及び第2のシール部、前記弾性部及び前記支持部を収容する収容部と、を備える、水循環装置。
  2. インキローラの内部に前記循環水を供給しながら回収する、請求項1に記載の水循環装置。
  3. 前記第1のシール部は、前記弾性部であるコイルばね、円錐ばね、又は皿ばねが取り付けられる突起と、前記中空部に挿入される突起と、を有する、請求項1又は2に記載の水循環装置。
  4. 前記循環水と接触する内壁の少なくとも一部にFeを含む皮膜を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水循環装置。
  5. 前記フィルタ本体の濾過精度が0.5μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水循環装置。
  6. 井戸水、工業用水及び処理水の少なくとも一つを含む水を補給する補給部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水循環装置。
  7. ナフタレンを含む殺藻剤を保持し、前記循環水と前記殺藻剤とを接触させる処理部を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水循環装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の水循環装置の洗浄方法であって、
    過酸化水素を含む前記循環水を循環させながら前記水循環装置の内部を洗浄する洗浄工程を有する、洗浄方法。
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