JP2018201813A - 不整脈判定装置、不整脈判定方法および不整脈判定処理プログラム - Google Patents

不整脈判定装置、不整脈判定方法および不整脈判定処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被験者の不整脈を適切に判定する。【解決手段】一実施形態における不整脈判定装置は、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出する手段と、抽出された、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出する手段と、抽出された、隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、算出手段により算出された瞬時心拍が正常であるか否かを評価する計測状態評価手段と、正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含み、かつ心臓の脱分極を反映する波形が、正常であるか否かを評価する手段と、正常であると評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、上室性不整脈を判定する手段と、正常でないと評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、心室性不整脈を判定する手段とを有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、不整脈判定装置、不整脈判定方法および不整脈判定処理プログラムに関する。
(心臓の活動について)
心臓は、心臓そのもの(全体)で1つのリズムを有している訳ではなく、心臓の各部が固有のリズムを有する。心臓の状態が正常であれば、心臓の各部分は、洞調律と呼ばれる洞結節のリズム(60〜100回/分)にしたがって動く。
心臓の正常なリズムは、「洞結節→房室結節→His束→左右の脚→プルキンエ繊維」の順番に伝わり、この過程で心房筋や心室筋が刺激されて規則的な収縮を引き起こす。心電図は、洞結節が属する心房の興奮および心室の収縮を可視化することができる。
心電図で見られる波形には、P波、QRS群、T波、U波が挙げられる。このうち、P波は心房の興奮を反映する。心室収縮では、一回の収縮で脱分極と再分極の2種類の現象が順に観測される。この脱分極を反映する波形がQRS群であり、T波は再分極を反映する。
心電図の波形のうち、最も簡便に特徴を捉えやすい波形は、心臓の脱分極活動を反映するQRS群である。QRS群の正常値は、持続時間が0.10[sec]以下かつ、電位が3.5[mV]ないし4.0[mV]以下である。
QRS群を構成する波形のうち、Q波、S波は陰性波であり、R波のみが陽性波である。図6は、瞬時心拍(R-R Interval:RRI)の一例を示す図である。R波はQ波、S波よりも視認が容易な波形であることから、図6に示すような、時系列で隣接する(以下、単に隣接すると称することがある)2つのR波の間隔であるRRIが瞬時心拍の算出に用いられる事が多い。
(不整脈について)
正常な脈とは、(1)P−QRS−Tのパターンが同じ形で揃っており、(2)このパターンの間隔がおおよそ規則的であり、かつ、(3)心拍数が60〜100回/分である状態の脈を指す。この3つの特徴のいずれかを失った脈が不整脈と呼ばれる。
不整脈には様々な種類が存在するが、上室性の不整脈と心室性の不整脈とに大別される。
図7は、正常なQRS群の一例を示す図である。図8は、正常でないQRS群の一例を示す図である。
上室性の不整脈では、心室の伝導収縮がほぼ正常であり、心室は正常時とほぼ同様の脱分極を行うため、図7に示すように、正常時に生じるQRS群に近いQRS群が出現する。
一方、心室性の不整脈では、心室に異常があることから、脱分極を反映するQRS群が幅広く、図8に示すように異常な形をとる。また、心室が自身のリズムで動くことが多いため、心房の興奮を反映するP波が観測できない場合が多い。
(脚ブロックについて)
心室性不整脈で観察されるQRS群とよく似たQRS群が観察される代表的な例として脚ブロックがある。この脚ブロックでは、房室接合部から右心室や左心室にいたる脚(右脚および左脚)で伝導障害が発生するため、QRS群が心室性不整脈と同じように幅広く観測される。
しかし、心室性不整脈とは異なり、脚ブロックでは、上記の「洞結節→房室結節→His束→左右の脚→プルキンエ繊維」の順に生じる興奮伝達は正常であり、上記の伝導障害は、単に左右の脚の興奮伝達に時間がかかっていることに起因して発生するので、脚ブロックの発生時は、心房の興奮を反映するP波は正常時と同じように観測される。また、心臓で生じている異常が脚ブロックのみであれば、この脚ブロックの生起間隔は洞調律の範囲内となる。
(ウェアラブル心電図計測について)
心電を計測する手段の1つとして、ホルター(Holter)心電計などのウェアラブルなデバイスがある。これらのデバイスを用いて取得される心電図は、電極の変形やズレをはじめとする電極異常、あるいは、体動、発汗、静電気など様々な要因によって計測異常が生じる。図9は、心電図における計測異常の一例を示す図である。この計測異常は、心電図では、図9に示すようなノイズ(W1)やアーチファクト(W2)(異常計測状態)という形で確認できる。
図9に示した通り、アーチファクトとして観測される波形はR波と類似しており、1つ以上連続して観測される。このため、心電図を解析してR波を抽出するアルゴリズムが、アーチファクトをR波と誤判断して不必要に抽出してしまう場合がある。以降では、このような誤判断により抽出されたR波を計測異常R波と呼び、この計測異常R波を1つ以上含むRRIを計測異常RRIと呼ぶ。
計測異常の1つであるアーチファクトをR波と誤判断された波形は、この発生機序からして心臓の脱分極活動を一切反映しない。このため、解析対象となる瞬時心拍を構成するR波のうち、少なくとも1つの波形がアーチファクトをR波と誤判断した波形である場合、このR波のRRIの持続時間が洞調律よりも短かったとしても、不整脈であるとは言えない。
上室性不整脈の1つである心房細動を検出する手法として、Apple Watch(登録商標)などの携帯型の脈拍計測器で測定した脈拍数を用いる手法がある。この手法では、心拍変動解析のピーク周波数が0.003〜0.04、0.04〜0.15、0.15〜0.4[Hz]として出現することに基づき、上記の計測器で計測した脈拍数を周波数解析して得られるピーク周波数と、健常者のピーク周波数とを比較して心房細動の患者を特定する(非特許文献1参照)。
Insight Data, "Detecting heart arrhythmias using machine learning and Apple Watch data,"https://blog.insightdatascience.com/detecting-heart-arrhythmias-using-machine-learning-and-apple-watch-data-84bc97f30d3e
期外収縮の場合や頻拍の場合、心電図では心室の脱分極を捉えられるが、脈波では心室の脱分極を捉えられない場合がある。このような場合は、脈波から求めた脈拍と、心電図から求めた心拍とが一致しないため、脈拍から心臓の異常を推定することは原理的に不可能である。
従来の手法では、脈拍数に基づいて不整脈の判定を行なっており、QRS群の形状変化には着目していない。したがって、ウェアラブル心電計で計測した心電図に従来の手法を適用したとしても、心室頻拍をはじめとする心室性不整脈と、心房細動をはじめとする上室性不整脈とを厳密に区別できない。
また、従来の手法では、計測器の異常が考慮されていない。すなわち、計測異常R波を解析対象から除外できないため、この計測異常R波が不整脈とみなされる頻度で生じている状態と、被験者で不整脈が生じている状態とを区別することは不可能である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被験者の不整脈を適切に判定することができる不整脈判定装置、不整脈判定方法および不整脈判定処理プログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一実施形態における不整脈判定装置の第1の態様は、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出する算出手段と、前記抽出手段により抽出された、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、前記算出手段により算出された瞬時心拍が正常であるか否かを評価する計測状態評価手段と、前記計測状態評価手段により正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含み、かつ心臓の脱分極を反映する波形が、正常であるか否かを評価する波形評価手段と、前記波形評価手段により正常であると評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、上室性不整脈を判定する上室性不整脈判定手段と、前記波形評価手段により正常でないと評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、心室性不整脈を判定する心室性不整脈判定手段とを有する装置を提供する。
上記構成の不整脈判定装置の第2の態様は、第1の態様において、前記波形評価手段は、前記計測状態評価手段により正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含みかつ心臓の脱分極を反映する波形の持続時間に基づいて、前記心電が正常であるか否かを評価する装置を提供する。
上記構成の不整脈判定装置の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記上室性不整脈判定手段は、前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たし、かつ前記瞬時心拍の変動が規則的であるときに、前記対象とする瞬時心拍が発作性上室性頻拍であると判定し、前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たし、かつ前記瞬時心拍の変動が規則的でないときに、前記対象とする瞬時心拍が頻脈性の心房細動であると判定する装置を提供する。
上記構成の不整脈判定装置の第4の態様は、第3の態様において、前記上室性不整脈判定手段は、前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍が前記前後の瞬時心拍に対して洞調律の範囲内であるときは、前記対象とする瞬時心拍が心房粗動であると判定し、前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍が前記前後の瞬時心拍に対して洞調律の範囲内でないときは、前記対象とする瞬時心拍が上室性期外収縮であると判定し、前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常でないときは、前記対象とする瞬時心拍が頻脈性でない心房細動であると判定する装置を提供する。
上記構成の不整脈判定装置の第5の態様は、第1または第2の態様において、前記心室性不整脈判定手段は、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍と前記前後の瞬時心拍との両方が洞調律の範囲内であるとの条件を満たすときは、前記対象とする瞬時心拍が脚ブロックであると判定し、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍と前記前後の瞬時心拍との両方が洞調律の範囲内あるとの条件を満たさないときは、前記対象とする瞬時心拍が心室性期外収縮であると判定する装置を提供する。
上記構成の不整脈判定装置の第6の態様は、第5の態様において、前記心室性不整脈判定手段は、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常でなく、かつ前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たすときは、前記対象とする瞬時心拍が心室頻拍であると判定する装置を提供する。
本発明の一実施形態における不整脈判定方法の態様は、不整脈判定装置が行う方法であって、被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出し、前記抽出された、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出し、前記抽出された、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、前記算出された瞬時心拍が正常であるか否かを評価し、正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含み、かつ心臓の脱分極を反映する波形が、正常であるか否かを評価し、正常であると評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、上室性不整脈を判定し、正常でないと評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、心室性不整脈を判定する方法を提供する。
本発明の一実施形態における不整脈判定処理プログラムの態様は、第1乃至第6態様のいずれか1つにおける不整脈判定装置の前記各手段としてプロセッサを機能させるプログラムを提供する。
本発明によれば、被験者の不整脈を適切に判定することが可能になる。
本発明の一実施形態における不整脈判定システムの機能構成例を示す図。 本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる処理手順の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる上室性不整脈の判定処理手順の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる心室性不整脈の判定処理手順の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる瞬時心拍再計算の一例を示す図。 瞬時心拍(RRI)の一例を示す図。 正常なQRS群の一例を示す図。 正常でないQRS群の一例を示す図。 心電図における計測異常の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、この発明に係わる一実施形態を説明する。
一実施形態では、心電図の計測状態を判定した上で、心電のQRS群の波形形状を評価し、この評価の結果とRRIならびに心電波形特徴量とに基づいて、上室性不整脈ならびに心室性不整脈の種類を判定する。
(構成)
図1は、本発明の一実施形態における不整脈判定システムの機能構成例を示す図である。図1に示す不整脈判定システム10は、心電図計測部11および不整脈判定装置12を備える。一例として、不整脈判定システム10は、心電図計測部11を被験者(ユーザ)に装着可能なウェアラブルデバイスとし、不整脈判定装置12をスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータデバイスとした装置により実現される。例えば、コンピュータデバイスは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、プロセッサに接続されるメモリと、心電図計測部11と(例えば無線で)通信するための通信インタフェースと、を備える。なお、不整脈判定システム10の実現形態は、この例に限定されるものではない。例えば、不整脈判定システム10は1つのデバイスとして実現されてもよい。また、心電図計測部11は不整脈判定システム10の外部に設けられてもよい。言い換えると、不整脈判定システム10は、心電図計測部11に相当する外部の心電計測装置から被験者の心電を計測した結果を取得してもよい。
心電図計測部11は、被験者の心電を計測し、その計測結果を不整脈判定装置12に送る。心電は、循環器系の生体信号であり、例えば、心室の収縮と同期した周期的な信号を含む。心電図計測部11は、少なくとも2極の電極によって心電の計測を行う。計測結果は、心電図におけるR波相当の心電を抽出可能なデータを含む。例えば、計測結果は心電図のデータを含む。心電図計測部11は、R波相当の心電波形を計測することができればよく、その実現形態は問わない。例えば、心電図計測部11はホルター心電計からなる。
不整脈判定装置12は、心電図計測部11から計測結果、つまり心電図計測部11から出力される信号を受け取り、受け取った計測結果に基づいて被験者の不整脈を判定する。例えば、不整脈判定装置12は、R波抽出部121、R波関連情報記録部122、瞬時心拍算出部123、瞬時心拍記録部124、計測状態評価部125、瞬時心拍再計算部125a、QRS群評価部(波形評価手段)126、上室性不整脈判定部127、および心室性不整脈判定部128を備える。
R波抽出部121、R波関連情報記録部122、瞬時心拍算出部123、瞬時心拍記録部124、計測状態評価部125、瞬時心拍再計算部125a、QRS群評価部126、上室性不整脈判定部127、および心室性不整脈判定部128の各機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、これらの機能の一部または全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの回路によって実現されてもよい。
本実施形態の主機能にあたるQRS群評価部126、ならびに後続処理である上室性不整脈判定部127、および心室性不整脈判定部128の具体的な処理については、別途後述する。なお、R波抽出部121をはじめとする他の機能については、既存の別の技術を用いて実現されても良い。
R波抽出部121は、心電図計測部11から受け取った計測結果を解析し、R波を抽出する。心電図計測部11の機能の実現手法については、本実施形態では具体的に指定しない。また、R波抽出部121は、抽出されたR波の情報をR波関連情報記録部122に記録する。
R波関連情報記録部122は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含む。後続処理である計測状態評価部125においてRRIの計測状態を算出する場合、R波関連情報記録部122は、この記憶媒体に対し、R波抽出部121で抽出されたR波の情報を記録する。これ以外の情報についてはR波関連情報記録部122への記録対象として特に指定しないが、R波関連情報記録部122で別途保持していても良い。例えば、抽出されたR波が出現した時間の情報をR波関連情報記録部122への記録対象としても良い。また、具体的な記録形式については特に指定しない。
瞬時心拍算出部123は、R波抽出部121で抽出されたR波に基づき、隣接するR波間の間隔である瞬時心拍を算出する。瞬時心拍算出部123は、算出した上記瞬時心拍の情報を瞬時心拍記録部124に記録する。
瞬時心拍記録部124は、不揮発性メモリなどの記憶媒体を含む。計測状態評価部125で瞬時心拍の長さに基づいた評価を行う場合、瞬時心拍記録部124は、この記憶媒体に対し、瞬時心拍算出部123で算出された瞬時心拍の情報を記録する。瞬時心拍記録部124への具体的な記録形式については特に指定しないが、例えば、(1)瞬時心拍の行列や、(2)瞬時心拍を構成する1つ目のR波の時刻情報と瞬時心拍との2つから構成されるデータ行列、が挙げられる。
なお、瞬時心拍記録部124の機能は本実施形態において必須の機能ではない。この機能は、R波の電位情報に加え、瞬時心拍の時間情報も考慮して瞬時心拍を評価する場合のみに必要となる。
計測状態評価部125は、心電図計測部11により計測されて、R波関連情報記録部122および瞬時心拍記録部124に記録された情報を基に、心電図の計測状態を評価する。計測状態評価部125の機能は、アーチファクトを含まない正常に計測できている箇所と、アーチファクトをはじめとする計測異常とが判定できる機能であればよく、この機能の実現手法については本実施形態では具体的に指定しない。
瞬時心拍再計算部125aは、計測状態評価部125による評価の結果に基づき、計測異常R波を含む瞬時心拍を再計算する。瞬時心拍再計算部125aによる具体的な処理については、後述する動作例で述べる。
なお、瞬時心拍再計算部125aの機能は本実施形態において必須の機能ではない。この機能は、計測異常R波を含む複数の瞬時心拍が存在する状況であって、後続処理で使用可能な瞬時心拍を可能な限り多く担保する必要がある場合に必要となる。
QRS群評価部126は、計測状態評価部125において、上記のようにアーチファクトを含まない正常に計測できていると評価した箇所のみを対象として、心電のQRS群の評価を行ない、この評価の結果に基づいて上室性不整脈判定部127と心室性不整脈判定部128とのいずれかを後段の処理として選択する。計測状態評価部125の処理は、(1)図6に記載の正常なQRS群と、(2)図7に記載の正常でないQRS群とが判定できる手法であれば、処理の実現手法は問わない。計測状態評価部125の処理の具体例については後述する。
上室性不整脈判定部127は、QRS群評価部126において、心電のQRS群が正常であると判定された場合にのみ、このQRS群に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として上室性不整脈の判定処理を行なう。上室性不整脈判定部127の処理は、上室性の各種不整脈が判定できる処理であれば、処理の実現手法は問わない。上室性不整脈判定部127の具体的な処理については後述する。
心室性不整脈判定部128は、QRS群評価部126において、心電のQRS群が正常でないと判定された場合にのみ、このQRS群に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として心室性不整脈の判定処理を行なう。心室性不整脈判定部128の処理は、心室性の各種不整脈が判定できる処理であれば、処理の実現手法は問わない。心室性不整脈判定部128の具体的な処理については後述する。
(動作例)
次に、一実施形態の動作例について説明する。本実施形態では、以下の表1に示す各種の不整脈や異常を判定対象とする場合について説明する。
本実施形態では、R波抽出部121で抽出されたR波のうち、電圧値が4.0[mV]以上の波形をアーチファクトとみなす場合について説明する。
なお、本実施形態では、あらかじめ心電図計測部11で計測した心電を対象として、以降で述べる処理をオフラインで実行する場合を例として説明するが、これ以外の手法で実行しても良い。例えば、以降で述べる処理をすべてオンラインで順次処理しても良いし、以降の処理の一部のみをオンラインで処理して、その他の処理をオフラインで処理しても良いものとする。
具体的な処理手順を以下に示す。図2は、本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる処理手順の一例を示すフローチャートである。
心電図計測部11は、最低でも2極の電極によって心電の計測を行う(S1)。
R波抽出部121は、心電図計測部11で計測した心電、つまり心電図計測部11から出力される信号からR波を抽出する(S2)。R波抽出部121は、抽出された各R波の電位情報をR波関連情報記録部122に保存する。
瞬時心拍算出部123は、R波抽出部121で抽出されたR波に基づき、隣接する2つのR波から瞬時心拍を算出する(S3)。本実施形態では、期外収縮をはじめとする瞬時心拍の時間情報が必要となる不整脈を判定対象に含めるため、瞬時心拍算出部123は、算出した瞬時心拍に関する情報を瞬時心拍記録部124に記録する。
計測状態評価部125は、対象となる心電図の計測状態を評価する(S4)。
具体的には、本実施形態では、評価基準に基づき、計測状態評価部125は、対象となるR波がアーチファクトであるかどうかを判定し、アーチファクトでないと判定されたR波を正常計測状態のR波とみなす。
また、計測状態評価部125は、各R波について判定した計測状態に基づき、隣接する2つのR波から構成される瞬時心拍を評価する(S5)。正常計測状態、アーチファクトの2種を考慮する場合、瞬時心拍を構成するR波の計測状態の組み合わせは、(1)「瞬時心拍クラス#1:正常−正常(隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態の判別結果がともに正常計測状態である)」、(2)「瞬時心拍クラス#2:正常−アーチファクト(隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態で、2つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトである)」、(3)「瞬時心拍クラス#3:アーチファクト−正常(隣接する1つ目のR波の計測状態の判別結果がアーチファクトで、2つ目のR波の計測状態の判別結果が正常状態である)」、(4)「瞬時心拍クラス#4:アーチファクト−アーチファクト(隣接する1つ目および2つ目のR波の計測状態がともにアーチファクトである)」のいずれかとなる。本実施形態では、計測状態評価部125は、各R波の計測状態が上記の(1)「正常−正常」の瞬時心拍のみを正常な瞬時心拍として評価し、これをQRS群評価部126による評価対象として送出する。
なお、この評価はあくまでも一例であり、アーチファクト、つまり計測異常R波を含むRRIで示されるQRS群をQRS群評価部126による評価対象から最終的に除外できるのであれば、上記の(2)「正常−アーチファクト」や(3)「アーチファクト−正常」の瞬時心拍を上記の送出の対象に含めても良い。
QRS群評価部126は、計測状態評価部125から送出された瞬時心拍で示されるQRS群が正常なQRS群か、正常でないQRS群かを判定することでQRS群を評価する(S6)。具体的には、QRS群評価部126は、図6に示した正常なQRS群と、図7などに示す、図6とは異なる正常でないQRS群とを判定できれば良い。
本実施形態では、QRS群評価部126は、R波抽出部121で抽出されたR波におけるQ波およびS波を算出し、これらR波、Q波、S波でなるQRS群の持続時間が正常値の範囲内に収まる波形を正常なQRS群とみなし、上記の持続時間が正常な範囲に収まらない波形を、正常でないQRS群とみなす。
なお、この評価方法はあくまでも一例であり、図6や図7などに示す正常または正常でないQRS群が判定できれば別の評価方法でも良い。
上室性不整脈判定部127は、S6のQRS群評価部126で正常なQRS群と判定されたQRS群に含まれるR波で構成されるRRIを対象として、上室性不整脈の判定を行う(S7)。上室性不整脈判定部127の処理は、上室性の各種不整脈が判定できる処理であれば実現手法は問わない。
次に、ステップS7の詳細について説明する。図3は、本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる上室性不整脈の判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
上室性不整脈判定部127は、まず評価対象となるRRI(正常なQRS群と判定されたQRS群に含まれるR波で構成されるRRI)が頻拍の基準に達しているか否かを評価する(S7a)。本実施形態では、指標に基づき、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIがBPM180(心拍数が180[bpm])以上に相当するか、すなわちRRI≦333であるか否かを判定する。
評価対象となるRRIがBPM180以上に相当する場合、つまり頻拍の基準を満たすとき(S7aのYES)、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIの変動の規則性を評価する(S7b)。本実施形態では、この規則性の基準については具体的には規定しないが、例えば、評価対象となるRRIの変動が平均±n×標準偏差の範囲内に収まるか否かを評価することなどが考えられる。評価対象となるRRIが2つ以上のRRIを含む場合について、これらのRRIの変動が規則的である場合(S7bのYES)、上室性不整脈判定部127は、評価対象のRRIを表1に示した上室性不整脈の一種であるPSVT(発作性上室性頻拍)と判定する(S7c)。
一方、評価対象となるRRIの変動が不規則であった(規則的でない)場合には(S7bのNO)、上室性不整脈判定部127は、評価対象のRRIを表1に示した上室性不整脈の一種である頻脈性AF(心房細動)と判定する(S7d)。
また、評価対象となるRRIがBPM180未満に相当する場合、つまり頻拍の基準を満たさないとき(S7aのNO)、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIの前後のRRIの変動の規則性を評価する(S7e)。本実施形態では、この規則性の基準については具体的には規定しないが、例えば、評価対象となるRRIの前後のRRIの変動が平均±n×標準偏差の範囲内に収まるか否かを評価することなどが考えられる。
上記の前後のRRIの変動が規則的である場合、上室性不整脈判定部127は、評価対象のRRIの前後の調律が正常である(S7eのYES)と判定する。この場合、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIの変動が、この前後のRRIに対して洞調律の範囲内にあるか否かを評価する(S7f)。
評価対象となるRRIの変動が、この前後のRRIに対して洞調律の範囲内にあると判定した場合(S7fのYES)、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIを表1に示した上室性不整脈の一種であるAFL(心房粗動)と判定する(S7g)。なお、本実施形態では、上記の変動が洞調律の範囲内にあるかの評価基準については具体的には規定しないが、例えば、上記の変動が平均±n×標準偏差の範囲内に収まるか否かを評価することなどが考えられる。
評価対象となるRRIの変動が、この前後のRRIに対して洞調律の範囲内にないと判定した場合(S7fのNO)、上室性不整脈判定部127は評価対象となるRRIを表1に示した上室性不整脈の一種である上室性期外収縮(例えばPAC、房室接合部性期外収縮)と判定する(S7h)。ここで、評価対象となるRRIの変動が、平均+n×標準偏差を超過している場合については、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIを、上室性期外収縮ではなく、計測異常RRIと判定しても良い。
一方、評価対象のRRIの前後の調律が正常でないと判定した場合(S7eのNO)、上室性不整脈判定部127は、評価対象となるRRIを表1に示した上室性不整脈の一種である、頻脈性でないAFと判定する(S7i)。ステップS7c、S7d、S7g、S7h、S7iのいずれか1つの判定がなされるとステップS7の処理が終了する。
心室性不整脈判定部128は、QRS群評価部126で正常でないQRS群と判定されたQRS群に含まれるR波で構成されるRRIを対象として、心室性不整脈の判定を行う(S8)。この処理は、心室性の各種不整脈が判定できる手法であれば実現手法は問わない。
次に、ステップS8の詳細について説明する。図4は、本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる心室性不整脈の判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
心室性不整脈判定部128は、まず、評価対象となるRRIの前後のRRIのQRS群が正常であるか否かを、R波関連情報記録部122に記録された情報を基に判定する(S8a)。
評価対象となるRRIの前後のRRIのQRS群が正常であった場合(S8aのYES)、心室性不整脈判定部128は、評価対象となるRRIの前後のRRIと、評価対象となるRRIとの両方が洞調律の範囲内にあるとの条件を満たすか否かを評価する(S8b)。
評価対象となるRRIの前後のRRIと、評価対象となるRRIとの両方が洞調律の範囲内にあるとの条件を満たす場合(S8bのYES)、心室性不整脈判定部128は、評価対象となるRRIを表1に示した脚ブロックと判定する(S8c)。
なお、本実施形態では、洞調律の範囲内にあるかの評価基準については具体的には規定しないが、例えば、評価対象となるRRIの前後のRRIや、評価対象となるRRIの変動が平均±n×標準偏差の範囲内に収まるか否かを評価することなどが考えられる。
評価対象となるRRIが洞調律の範囲内にない場合、つまり、評価対象となるRRIの前後のRRIと、評価対象となるRRIとの両方が洞調律の範囲内あるとの範囲内にあるとの条件を満たさない場合(S8bのNO)、心室性不整脈判定部128は、評価対象となるRRIを表1に示した心室性不整脈の一種であるPVC(心室性期外収縮)と判定する(S8d)。ここで、評価対象となるRRIの変動が平均+n×標準偏差を超過している場合については、心室性不整脈判定部128は、評価対象となるRRIを、PVCではなく、計測異常RRIと判定しても良い。
評価対象となるRRIの前後のRRIのQRS群が正常でない場合(S8aのNO)、心室性不整脈判定部128は、評価対象となる瞬時心拍(正常なQRS群と判定されたQRS群に含まれるR波で構成されるRRI)が頻拍の基準に達しているか否かを評価する(S8e)。本実施形態では、指標に基づき、評価対象となるRRIがBPM140〜180(心拍数が140〜180[bpm])の範囲に相当するか否かを評価する。
評価対象となるRRIがBPM140〜180の範囲に相当する場合、つまり頻拍の基準を満たすとき(S8eのYES)、心室性不整脈判定部128は評価対象となるRRIを表1に示した心室性不整脈の一種であるVT(心室頻拍)と判定する(S8f)。
評価対象となるRRIがBPM140〜180の範囲に相当する場合(S8eのNO、心室性不整脈判定部128は評価対象となるRRIが心室性不整脈に該当しないと判定する。ステップS8c、S8d、S8fのいずれか1つの判定がなされたとき、またはステップS8eでNOと判定された場合はステップS8の処理が終了する。
以上が基本的な処理であるが、S5において、以下の処理を含めても良い。
具体的には、瞬時心拍再計算部125aは、計測状態評価部125による評価の結果に基づいて瞬時心拍の再計算を行う。図5は、本発明の一実施形態における不整脈判定システムによる瞬時心拍再計算の一例を示す図である。
具体的には、瞬時心拍再計算部125aは、上記の瞬時心拍クラス#2(1つ目が正常計測状態で2つ目がアーチファクト)、#3(1つ目がアーチファクトで2つ目が正常計測状態)および#4(2つともアーチファクト)のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍を構成する、隣接する2つのR波における、アーチファクトとして判別されたR波を棄却し、残りの正常計測状態と判別されたR波のみを用いて、隣接する2つのR波である瞬時心拍を構成する。
図5に示した例では、再計算前のR波は、時系列に沿って、R波番号「1」、「2」の「R(正常計測状態)」、R波番号「3」の「A(アーチファクト)」、R波番号「4」の「R」、R波番号「5」、「6」、「7」の「A」、R波番号「8」、「9」の「R」と判別されたR波である。
これに対し、瞬時心拍再計算部125aは、R波番号「3」、「5」、「6」、「7」の「A」と判別されたR波を棄却し、残りのR波番号「1」、「2」、「4」、「8」、「9」の「R」と判別されたR波を用いて、1つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「1」、「2」に対応する2つのR波で構成)、2つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「2」、「4」に対応する2つのR波で構成)、3つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「4」、「8」に対応する2つのR波で構成)、4つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「8」、「9」に対応する2つのR波で構成)を構成する。
これら再計算後の、計測状態評価部125による、瞬時心拍の計測状態の評価は、上記の瞬時心拍クラス#1(2つとも正常計測状態)」のみとなる。
(本発明によって生じる効果)
本発明では、計測状態評価部125によって、計測異常R波を含むRRIをQRS群評価部126による評価対象から除外することで、ウェアラブル心電計で取得した心電図を対象とした不整脈・異常の評価を可能とする。
また、QRS群評価部126による評価の結果に基づいて、上室性不整脈判定部127の処理と、心室性不整脈判定部128の処理とを切り替え、ウェアラブル心電計でも観測できる各種不整脈の判定基準を踏まえた評価を行うことで、各種不整脈・異常の判定を可能とする。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
また、各実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
10…不整脈判定システム、11…心電図計測部、12…不整脈判定装置、121…R波抽出部、122…R波関連情報記録部、123…瞬時心拍算出部、124…瞬時心拍記録部、125…計測状態評価部、125a…瞬時心拍再計算部、126…QRS群評価部、127…上室性不整脈判定部、128…心室性不整脈判定部。

Claims (8)

  1. 被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出する算出手段と、
    前記抽出手段により抽出された、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、前記算出手段により算出された瞬時心拍が正常であるか否かを評価する計測状態評価手段と、
    前記計測状態評価手段により正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含み、かつ心臓の脱分極を反映する波形が、正常であるか否かを評価する波形評価手段と、
    前記波形評価手段により正常であると評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、上室性不整脈を判定する上室性不整脈判定手段と、
    前記波形評価手段により正常でないと評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、心室性不整脈を判定する心室性不整脈判定手段と
    を備える不整脈判定装置。
  2. 前記波形評価手段は、
    前記計測状態評価手段により正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含みかつ心臓の脱分極を反映する波形の持続時間に基づいて、前記心電が正常であるか否かを評価する
    請求項1に記載の不整脈判定装置。
  3. 前記上室性不整脈判定手段は、
    前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たし、かつ前記瞬時心拍の変動が規則的であるときに、前記対象とする瞬時心拍が発作性上室性頻拍であると判定し、
    前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たし、かつ前記瞬時心拍の変動が規則的でないときに、前記対象とする瞬時心拍が頻脈性の心房細動であると判定する
    請求項1または2に記載の不整脈判定装置。
  4. 前記上室性不整脈判定手段は、
    前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍が前記前後の瞬時心拍に対して洞調律の範囲内であるときは、前記対象とする瞬時心拍が心房粗動であると判定し、
    前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍が前記前後の瞬時心拍に対して洞調律の範囲内でないときは、前記対象とする瞬時心拍が上室性期外収縮であると判定し、
    前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たさずに、前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍の調律が正常でないときは、前記対象とする瞬時心拍が頻脈性でない心房細動であると判定する
    請求項3に記載の不整脈判定装置。
  5. 前記心室性不整脈判定手段は、
    前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍と前記前後の瞬時心拍との両方が洞調律の範囲内であるとの条件を満たすときは、前記対象とする瞬時心拍が脚ブロックであると判定し、
    前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常であり、かつ前記対象とする瞬時心拍と前記前後の瞬時心拍との両方が洞調律の範囲内あるとの条件を満たさないときは、前記対象とする瞬時心拍が心室性期外収縮であると判定する
    請求項1または2に記載の不整脈判定装置。
  6. 前記心室性不整脈判定手段は、
    前記対象とする瞬時心拍の前後の瞬時心拍を構成するR波を含み、心臓の脱分極を反映する波形が正常でなく、かつ前記対象とする瞬時心拍が頻拍の基準を満たすときは、前記対象とする瞬時心拍が心室頻拍であると判定する
    請求項5に記載の不整脈判定装置。
  7. 不整脈判定装置が行う不整脈判定方法であって、
    被験者の心電を計測する心電計測手段から出力される信号に基づいて心電のR波を抽出し、
    前記抽出された、時系列で隣接する2つのR波の間隔である瞬時心拍を算出し、
    前記抽出された、前記隣接する2つのR波のそれぞれの計測状態が正常であるか否かに応じて、前記算出された瞬時心拍が正常であるか否かを評価し、
    正常であると評価された瞬時心拍を構成するR波を含み、かつ心臓の脱分極を反映する波形が、正常であるか否かを評価し、
    正常であると評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、上室性不整脈を判定し、
    正常でないと評価された波形に含まれるR波で構成される瞬時心拍を対象として、心室性不整脈を判定する不整脈判定方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の不整脈判定装置の前記各手段としてプロセッサを機能させる不整脈判定処理プログラム。
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