JP2018199193A - フレネルレンズ形状を形成する方法、成形型及びフレネルレンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を形成するフレネルレンズ形状を形成する方法の提供。
【解決手段】凸角部(T1a)がピン角であるバイト(T1)を用いる。当該方法は、バイト(T1)の第1及び第2の刃面(T1b、T1c)のうち一方を用いて基材(20)を切削し、断面三角形プリズムのフレネル面(21)及びライズ面(22)のうち一方を基材(20)に形成する工程1と、工程1の後、第1及び第2の刃面(T1b、T1c)のうち他方を用いて基材(20)を切削し、フレネル面(21)及びライズ面(22)のうち他方を基材(20)に形成する工程2とを備える。工程2では、工程1において形成されたフレネル面(21)とライズ面(22)とが交差してなす凹角部(23)はピン角をなし、且つ、凹角部(23)が、断面三角形プリズムの底部となるように、基材(20)を切削する。
【選択図】図5C
【解決手段】凸角部(T1a)がピン角であるバイト(T1)を用いる。当該方法は、バイト(T1)の第1及び第2の刃面(T1b、T1c)のうち一方を用いて基材(20)を切削し、断面三角形プリズムのフレネル面(21)及びライズ面(22)のうち一方を基材(20)に形成する工程1と、工程1の後、第1及び第2の刃面(T1b、T1c)のうち他方を用いて基材(20)を切削し、フレネル面(21)及びライズ面(22)のうち他方を基材(20)に形成する工程2とを備える。工程2では、工程1において形成されたフレネル面(21)とライズ面(22)とが交差してなす凹角部(23)はピン角をなし、且つ、凹角部(23)が、断面三角形プリズムの底部となるように、基材(20)を切削する。
【選択図】図5C
Description
本発明はフレネルレンズ形状を形成する方法、成形型及びフレネルレンズの製造方法に関する。
フレネルレンズ成形用金型の製造工程では、鏡面性が高いフレネル面を形成するため、単結晶ダイヤモンド製バイト工具を使用することが多い。彫刻手段としては、フレネルレンズ中心からの半径位置の制御軸(X軸)、フレネル構造の深さ(切込み量)の制御軸(Z軸)、フレネル面の角度(フレネル面角α)とライズ面の角度(ライズ面角β)の制御軸(C軸)の計3つの制御軸を有する高精度な旋盤装置がよく用いられる。また、彫刻用金属材料部材として、黄銅板、無電解ニッケルメッキによるニッケル層等、快切削性金属材料からなる部材がよく利用される。
特許文献1には、C軸回転テーブルのバイトホルダに保持されたバイト工具を旋回させて、バイト工具の刃先を被加工物における斜め下方の部位に切り込む切削方法が開示されている。この切削方法によって、被加工物を彫刻し、所定の角度であるフレネル面角αで傾斜するフレネル面と、所定の角度であるライズ面角βで傾斜するライズ面とを備えるフレネルレンズ成形用金型を形成することができる。この切削方法のメリットは、フレネル面とライズ面との形成を同一の工程において行い、バイト寿命に影響する切削距離、及び彫刻時間を短縮することである。この結果、得られたフレネルレンズ成形用金型は、トップエッジ(凸角部とも称する。)が同一の主面内にある凹面鏡フレネル面となる。
しかしながら、フレネル中心部では切削速度が0に限り無く近づくため、バイトの振動、いわゆるビビリ現象によってバイト工具の先端部が折損するおそれがある。このような折損を回避するため、バイト工具の先端部は先丸加工、例えば、半径R略3μmで丸み面取り、又は45°面取によるフラット化、例えば、寸法数値C2〜3μmで45°面取りが通常必須となる。従って、得られたフレネルレンズ成形用金型の各フレネル構造において、ライズ面とフレネル面とが交差してなす凹角部は、ピン角ではなく、丸み、又は平坦形状を有する。なお、この凹角部は、フレネル構造のボトムエッジとも称する。
関連する技術におけるバイトや、当該バイトを用いてフレネルレンズ形状を形成する方法について説明する。
図6に示すバイトT2や、図7に示すバイトT3がある。図6に示すように、バイトT2は、丸み面取りされた先端部T2aを備え、先端部T2aは、所定の半径R1で曲がる曲面形状を有する。図7に示すように、バイトT3は、所定の寸法数値C1で45°面取りされた先端部T3aを備え、先端部T3aは、平坦部T3bと、平坦面T3cとを備える。平坦部T3bと平坦面T3cとが交差してなす角部は、突き出るように角張っている。
バイトT2(図6参照)を用いて、フレネルレンズ形状を形成する方法がある。まず、図8Aに示すように、バイトT2を所定の姿勢に保ちつつワーク920に押し当てることによって、ワーク920の切削を開始する。具体的には、バイトT2は、一方のバイトT2の刃面T2cが形成予定のフレネル面に略平行となるよう、又は沿うよう姿勢をとる。続いて、図8Bに示すように、バイトT2を所定の姿勢に保ちつつワーク920の内部に向かって進行させる。具体的には、バイトT2は、バイトT2の先端部T2aの軌跡が形成予定のライズ面922に沿うように、進行する。図8Cに示すように、引き続き、バイトT2を所定の姿勢に保ちつつワーク920の内部に向かって進行させ、一方のバイトT2の刃面T2cを、形成予定のフレネル面921に到達させる。図8Dに示すように、ライズ面922と、フレネル面921とが交差する角部は、バイトT2の先端部T2aの形状を転写されるため、丸みを備える。
上記したように、各フレネル構造の凹角部は、バイトの先丸形状が転写された場合、成型品におけるフレネル構造のトップエッジ(凸角部とも称する)に対応する部位は、バイトの先丸形状とほぼ同等な丸みを有する。そのため、散乱等によるゴーストの発生や、集光性能等で性能低下を招くおそれがある。特に、太陽光集光レンズ用途として、集光ロスが増えるおそれがある。
本発明に係るフレネルレンズ形状を形成する方法は、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を形成するものとする。
本発明に係るフレネルレンズ形状を形成する方法は、
同心円状又は同心円弧状の複数の断面三角形プリズムよりなるフレネルレンズ形状を形成する方法であって、
ライズ面を切削する第1の刃面と、フレネル面を切削する第2の刃面と、前記第1の刃面と前記第2の刃面とが交差してなす凸角部と、を備え、且つ、前記凸角部がピン角であるバイトを用いて、
前記第1及び前記第2の刃面のうち一方を用いて基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち一方を前記基材に形成する工程1と、
前記工程1の後、前記第1及び前記第2の刃面のうち他方を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち他方を前記基材に形成する工程2と、を備え、
前記工程1と前記工程2とを繰り返すことによって、前記フレネルレンズ形状を形成し、
前記工程2では、
前記工程1において形成された前記フレネル面と前記ライズ面とが交差してなす凹角部はピン角をなし、且つ、前記凹角部が、前記断面三角形プリズムの底部となるように、前記基材を切削する。
このような構成によれば、ピン角である凸角部を有するバイトを用いても、ビビリ現象を抑えて、フレネルレンズ形状を基材に彫刻することができる。これによって、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を基材に形成することができる。
同心円状又は同心円弧状の複数の断面三角形プリズムよりなるフレネルレンズ形状を形成する方法であって、
ライズ面を切削する第1の刃面と、フレネル面を切削する第2の刃面と、前記第1の刃面と前記第2の刃面とが交差してなす凸角部と、を備え、且つ、前記凸角部がピン角であるバイトを用いて、
前記第1及び前記第2の刃面のうち一方を用いて基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち一方を前記基材に形成する工程1と、
前記工程1の後、前記第1及び前記第2の刃面のうち他方を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち他方を前記基材に形成する工程2と、を備え、
前記工程1と前記工程2とを繰り返すことによって、前記フレネルレンズ形状を形成し、
前記工程2では、
前記工程1において形成された前記フレネル面と前記ライズ面とが交差してなす凹角部はピン角をなし、且つ、前記凹角部が、前記断面三角形プリズムの底部となるように、前記基材を切削する。
このような構成によれば、ピン角である凸角部を有するバイトを用いても、ビビリ現象を抑えて、フレネルレンズ形状を基材に彫刻することができる。これによって、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を基材に形成することができる。
また、前記工程2では、前記工程1で形成した前記フレネル面及び前記ライズ面のうち一方の一端と、前記工程2で形成する前記フレネル面及び前記ライズ面のうち他方の一端とが一致するように、前記基材を切削することを特徴としてもよい。
また、前記工程1では、前記第1の刃面を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記ライズ面を前記基材に形成し、前記工程2では、前記第2の刃面を用いて基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面を前記基材に形成することを特徴としてもよい。
また、前記バイトが単結晶ダイヤモンド製であることを特徴としてもよい。
また、切削形成された前記フレネル面及び前記ライズ面が鏡面であることを特徴としてもよい。
また、前記ライズ面とフレネルレンズの法線とがなすライズ面角βは、1°≦β≦3°の範囲内であることを特徴としてもよい。
また、前記工程1では、前記第1の刃面を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記ライズ面を前記基材に形成し、前記工程2では、前記第2の刃面を用いて基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面を前記基材に形成することを特徴としてもよい。
また、前記バイトが単結晶ダイヤモンド製であることを特徴としてもよい。
また、切削形成された前記フレネル面及び前記ライズ面が鏡面であることを特徴としてもよい。
また、前記ライズ面とフレネルレンズの法線とがなすライズ面角βは、1°≦β≦3°の範囲内であることを特徴としてもよい。
他方、本発明に係る成形型の製造方法は、
上記したフレネルレンズ形状を形成する方法を含み、前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材がフレネルレンズ成形用金型である。
このような構成によれば、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を備えるフレネルレンズ成形用金型を形成することができる。
上記したフレネルレンズ形状を形成する方法を含み、前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材がフレネルレンズ成形用金型である。
このような構成によれば、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を備えるフレネルレンズ成形用金型を形成することができる。
他方、本発明に係るフレネルレンズの製造方法は、
上記したフレネルレンズ形状を形成する方法を含み、前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材が透明樹脂である。
このような構成によれば、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を透明樹脂に形成することができる。
上記したフレネルレンズ形状を形成する方法を含み、前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材が透明樹脂である。
このような構成によれば、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を透明樹脂に形成することができる。
本発明に係るフレネルレンズ形状を形成する方法は、凹角部がピン角であるフレネルレンズ形状を形成することができる。
図1、図2、図3A、図3B、図4、図5A〜図5Fを参照して、実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法について説明する。図1は、フレネルレンズ成形用金型の側断面を示す模式図である。図2は、フレネルレンズ成形用金型とフレネルレンズを示す模式図である。図3Aは、フレネルレンズの底面を示す模式図である。図3Bは、フレネルレンズの側断面を示す模式図である。図4は、バイトの要部を示す模式図である。図5A〜図5Fは、実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法の一工程を示す図である。なお、各図では、適宜、ハッチングを省略している。
(フレネルレンズ成形用金型)
本フレネルレンズ形状を形成する方法を用いると、フレネルレンズ成形用金型20を製造することができる。図1に示すように、フレネルレンズ成形用金型20は、その主面上に、同心円状又は同心円弧状の複数の断面三角形プリズム状の溝(フレネル構造とも称する。)を有し、当該溝は、フレネル面21と、ライズ面22とを備える。図2に示すように、フレネルレンズ成形用金型20は、フレネル面21とライズ面22とが交差してなす凹角部23、凸角部24を備える。凹角部23は、ピン角であり、丸みを有しないし、45°面取りされてもいない。凸角部24は、突き出る方向に角張っている。フレネル面21は、フレネルレンズ成形用金型20の主面に対してフレネル面角αだけ傾斜する。ライズ面22は、フレネルレンズ成形用金型20の法線に対してライズ面角βだけ傾斜する。隣り合う溝に含まれる凹角部23同士は、ピッチPだけ離れた位置に配置されている。また、隣り合う溝に含まれる凸角部24同士は、ピッチPだけ離れた位置に配置されている。フレネル面21及びライズ面22は、鏡面であると好ましい。フレネル面21及びライズ面22が鏡面であると、フレネルレンズ成形用金型20を用いてフレネルレンズを成形したとき、成形したフレネルレンズをフレネルレンズ成形用金型20から容易に外したり、成形したフレネルレンズのライズ面及びフレネル面を鏡面化したりすることができる。
本フレネルレンズ形状を形成する方法を用いると、フレネルレンズ成形用金型20を製造することができる。図1に示すように、フレネルレンズ成形用金型20は、その主面上に、同心円状又は同心円弧状の複数の断面三角形プリズム状の溝(フレネル構造とも称する。)を有し、当該溝は、フレネル面21と、ライズ面22とを備える。図2に示すように、フレネルレンズ成形用金型20は、フレネル面21とライズ面22とが交差してなす凹角部23、凸角部24を備える。凹角部23は、ピン角であり、丸みを有しないし、45°面取りされてもいない。凸角部24は、突き出る方向に角張っている。フレネル面21は、フレネルレンズ成形用金型20の主面に対してフレネル面角αだけ傾斜する。ライズ面22は、フレネルレンズ成形用金型20の法線に対してライズ面角βだけ傾斜する。隣り合う溝に含まれる凹角部23同士は、ピッチPだけ離れた位置に配置されている。また、隣り合う溝に含まれる凸角部24同士は、ピッチPだけ離れた位置に配置されている。フレネル面21及びライズ面22は、鏡面であると好ましい。フレネル面21及びライズ面22が鏡面であると、フレネルレンズ成形用金型20を用いてフレネルレンズを成形したとき、成形したフレネルレンズをフレネルレンズ成形用金型20から容易に外したり、成形したフレネルレンズのライズ面及びフレネル面を鏡面化したりすることができる。
(フレネルレンズ)
フレネルレンズ成形用金型20を用いて、透光性又は透明性を有する樹脂を硬化させると、フレネルレンズ10を製造することができる。図2に示すように、樹脂をフレネルレンズ成形用金型20に射出するなどして、樹脂を硬化させ、フレネルレンズ成形用金型20から離間させると、フレネルレンズ10が形成される。フレネルレンズ成形用金型20のフレネル面21とライズ面22との形状をフレネルレンズ10に転写し、フレネル面11とライズ面12とをフレネルレンズ10に形成する。フレネルレンズ10のフレネル面11とライズ面12とは、それぞれ、フレネル面21とライズ面22とに対応し、サイズ、角度等が一致する。図3A及び図3Bに示すフレネルレンズ10の一具体例は、一辺の長さWである正方形板状体であり、その正方形板状体の主面には、中心から同心円状又は同心円弧状の断面三角形プリズム状の溝が配置されている。この同心円状の溝の最大半径は半径R1であり、この同心円弧状の溝の最大半径は半径Rmaxである。フレネルレンズ10を太陽光集光用レンズとして用いた場合、ライズ面22が鏡面であると、入射光線がライズ面22で全反射した後に、フレネル面21から抜けて出射される光線の一部が有効光にできるため、好ましい。
フレネルレンズ成形用金型20を用いて、透光性又は透明性を有する樹脂を硬化させると、フレネルレンズ10を製造することができる。図2に示すように、樹脂をフレネルレンズ成形用金型20に射出するなどして、樹脂を硬化させ、フレネルレンズ成形用金型20から離間させると、フレネルレンズ10が形成される。フレネルレンズ成形用金型20のフレネル面21とライズ面22との形状をフレネルレンズ10に転写し、フレネル面11とライズ面12とをフレネルレンズ10に形成する。フレネルレンズ10のフレネル面11とライズ面12とは、それぞれ、フレネル面21とライズ面22とに対応し、サイズ、角度等が一致する。図3A及び図3Bに示すフレネルレンズ10の一具体例は、一辺の長さWである正方形板状体であり、その正方形板状体の主面には、中心から同心円状又は同心円弧状の断面三角形プリズム状の溝が配置されている。この同心円状の溝の最大半径は半径R1であり、この同心円弧状の溝の最大半径は半径Rmaxである。フレネルレンズ10を太陽光集光用レンズとして用いた場合、ライズ面22が鏡面であると、入射光線がライズ面22で全反射した後に、フレネル面21から抜けて出射される光線の一部が有効光にできるため、好ましい。
本フレネルレンズ形状を形成する方法では、図4に示すバイトT1を用いることができる。バイトT1は、2つの刃面T1b、T1cを備える。刃面T1bと刃面T1c同士とが交差してなす凸角部T1aは、ピン角である。凸角部T1aは、丸みを有しないし、45°面取りされていない。
まず、図5Aに示すように、バイトT1を所定の姿勢を保ちつつ、ワーク20に押し当て、ワーク20内側に進行させる(切削開始工程S1)。具体的には、バイトT1は、バイトT1の刃面T1cがワーク20の主面(ここでは、xy平面に略平行な平面)に関して略垂直な鉛直線(ここでは、z軸)からライズ面角βを傾けるよう姿勢をとる。ワーク20は、フレネルレンズ形状が形成される被加工対象物であり、例えば、フレネルレンズ成形用金型用の基材である。ワーク20を所定の加工を施すと、フレネルレンズ成形用金型20を形成することができる。バイトT1は、凸角部T1aが、ワーク20の所定の箇所に突き当たるように、ワーク20に押し当てられる。このワーク20の所定の箇所は、その前に形成した凹角部123からピッチPだけ離れた箇所である。
図5Bに示すように、バイトT1をワーク20の主面に対して略垂直な方向に押し込み、ワーク20を切削する(ライズ面形成工程S2)。具体的には、バイトT1の刃面T1cがワーク20の主面に関して略垂直な鉛直線からライズ面角β[°]を傾けたまま、バイトT1の凸角部T1a、刃面T1c、T1bがワーク20の内側へ進入しつつ、ワーク20を切削する。ここで、ライズ面角βは、ワーク20の切削抵抗が上限を下回ればよいため、刃面T1cがワーク20の主面に関して略垂直に近い角度に傾く。凸角部T1aが所定の深さの位置まで到達したら、バイトT1の押し込みを停止する。所定の深さの位置は、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図3参照)に相当する。ワーク20を切削する間、ビビリ振動がワーク20に発生し難くなる。このような一因として、バイトT1の刃面T1b、T1cの両面がワーク20に接しており、ワーク20に保持されることが挙げられる。また、他の一因として、バイトT1の刃面T1cがワーク20の主面に関して略垂直な鉛直線からライズ面角βを傾けており、ワーク20の主面に関して略垂直に近い角度だけ傾いている。そのため、バイトT1は、ワーク20の主面に沿う方向(ここでは、X軸方向)において、動かないように拘束されることが挙げられる。よって、フレネル中心近傍において切削速度が限り無く「0(ゼロ)」に近づいても、バイトT1のビビリ振動の発生を抑える。これによって、ピン角である凸角部T1aを有するバイトT1の折損を抑制することができる。
図5Cに示すように、バイトT1をワーク20から鉛直方向に離間させる。バイトT1の凸角部T1aは、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図3参照)から鉛直線上を移動することになる。ここで、ライズ面22がワーク20に形成されている。ライズ面22は、鏡面であり、その表面性状は、例えば、算術平均粗さRa<0.1μmである。バイトT1は、ピン角である凸角部T1aを有するため、切込み量を所定の範囲、例えば、0.1μm/rev以下の微小な切込み量とする必要が無い。その結果、彫刻加工が長時間に及ぶことが少ないし、この長時間化による高コストのおそれも抑制することができる。
なお、ライズ面の鏡面を得るには、先丸加工の単結晶ダイヤモンド製バイトを用いた場合、切込み量を0.1μm/rev以下の微小な切込み量としなければならないことがあった。その結果、彫刻加工が極めて長時間に及び、コストも嵩むこととなることも多かった。
図5Cに示すように、バイトT1をワーク20から鉛直方向に離間させる。バイトT1の凸角部T1aは、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図3参照)から鉛直線上を移動することになる。ここで、ライズ面22がワーク20に形成されている。ライズ面22は、鏡面であり、その表面性状は、例えば、算術平均粗さRa<0.1μmである。バイトT1は、ピン角である凸角部T1aを有するため、切込み量を所定の範囲、例えば、0.1μm/rev以下の微小な切込み量とする必要が無い。その結果、彫刻加工が長時間に及ぶことが少ないし、この長時間化による高コストのおそれも抑制することができる。
なお、ライズ面の鏡面を得るには、先丸加工の単結晶ダイヤモンド製バイトを用いた場合、切込み量を0.1μm/rev以下の微小な切込み量としなければならないことがあった。その結果、彫刻加工が極めて長時間に及び、コストも嵩むこととなることも多かった。
図5Dに示すように、バイトT1を凸角部T1a先端を軸として回転させて、その姿勢を変え、その姿勢のまま再びワーク20に押し当てる(バイト姿勢変更工程S3)。この軸は、図5D中のy軸と略平行である。具体的には、バイトT1は、バイトT1の刃面T1bがワーク20の主面からフレネル面角αだけ傾けるよう姿勢をとる。バイトT1は、凸角部T1aが、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図2参照)へ移動するように、ワーク20を押し当てる。
図5Eに示すように、バイトT1をワーク20の主面に対して略垂直な方向に押し込み、ワーク20を切削する(フレネル面形成工程S4)。具体的には、バイトT1の刃面T1bがワーク20の主面に関してフレネル面角α[°]だけ傾けたまま、バイトT1の刃面T1bがワーク20の内側へ進入しつつ、ワーク20を切削する。ここで、バイトT1の刃面T1cは、ワーク20のライズ面22を切削していない。また、フレネル面角αとライズ面角βとには、以下の関係式1が成り立つ。
β<90−α (…関係式1)
そのため、バイトT1の刃面T1cはワーク20の主面に関して略垂直な鉛直線からライズ面角βより大きな角度を傾けている。
凸角部T1aが所定の深さの位置まで到達したら、バイトT1の押し込みを停止する。所定の深さの位置は、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図2参照)に相当する。図5Fに示すように、バイトT1をワーク20から離間させる。ここで、フレネル面21、凹角部23、及び凸角部24をワーク20に形成する。フレネル面21の一端は、ライズ面22の一端と一致する。フレネル面21、ライズ面22、凹角部23、及び凸角部24が、同心円状又は同心円弧状の断面三角プリズム状の溝の1つを構成する。凹角部23は、断面三角プリズムの溝の底部に相当し、凸角部24は、断面三角プリズムの凸角部に相当する。
β<90−α (…関係式1)
そのため、バイトT1の刃面T1cはワーク20の主面に関して略垂直な鉛直線からライズ面角βより大きな角度を傾けている。
凸角部T1aが所定の深さの位置まで到達したら、バイトT1の押し込みを停止する。所定の深さの位置は、フレネルレンズ成形用金型20の凹角部23(図2参照)に相当する。図5Fに示すように、バイトT1をワーク20から離間させる。ここで、フレネル面21、凹角部23、及び凸角部24をワーク20に形成する。フレネル面21の一端は、ライズ面22の一端と一致する。フレネル面21、ライズ面22、凹角部23、及び凸角部24が、同心円状又は同心円弧状の断面三角プリズム状の溝の1つを構成する。凹角部23は、断面三角プリズムの溝の底部に相当し、凸角部24は、断面三角プリズムの凸角部に相当する。
切削開始工程S1〜フレネル面形成工程S4を複数回繰り返すことによって、同心円状又は同心円弧状の断面三角プリズム状の溝をワーク20に複数形成し、フレネルレンズ成形用金型20(図1及び図2参照)を形成することができる。各溝は、フレネル中心側から最外周部側に向かって順番に形成してもよいし、その逆方向に順番に形成してもよい。各フレネル構造のライズ面のみを先行して彫刻後に、フレネル面を順次彫刻してもよい。
上記したフレネルレンズ形状を形成する方法によれば、製造したフレネルレンズ成形用金型20の凹角部23がピン角であるため、フレネルレンズ10の凹角部13は凹角部23の形状を転写されて、ピン角となる。そのため、フレネルレンズ10は、散乱等によるゴースト発生や、集光性能等の性能低下を抑制する。特に、フレネルレンズ10を太陽光集光レンズとして用いた場合、集光ロスの増大を抑制することがきる。
さらに、離型性の向上を意図して、ライズ面の鏡面(例えば、算術平均粗さRa<0.1μm)を得るため、先丸加工の単結晶ダイヤモンド製バイトを必要しないし、且つ、切込み量を0.1μm/rev以下の微小な切込み量とする必要もない。その結果、彫刻加工の長時間化を抑制するため、これに起因するコストの増大を抑制することができる。
また、上記したフレネルレンズ形状を形成する方法は、例えば、光硬化性樹脂を用いた形状賦形、溶融樹脂のバンク成形による形状賦形、又は熱プレス、射出成型により形状賦形を行うフレネルレンズ成形用金型と該製作技術等にも利用することができる。また、ライズ面を形成した後、バイトの第1の刃面を基材の主面に対して略鉛直線からライズ面角だけ傾けたまま押し込むことによって、ライズ面を基材に形成する。その後、バイトの第2の刃面を基材の主面に対して略鉛直線からライズ面角よりも大きな角度を傾けたまま押し込むことによって、フレネル面を基材に形成する。これによって、バイトのビビリ振動が生じ難くなり、バイトの折損を抑制する。
次に、上記した実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法による所定のフレネルレンズ成形用金型について、集光ロス等の諸項目を計算した実施例について説明する。
実施例では、所定の金型設計に基づいて、上記した実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法を用いて、所定のフレネルレンズ成形用金型を製造したとし、集光ロス等の諸項目を計算した。所定の金型設計条件は、フレネルレンズ成形用金型によって形成されるフレネルレンズの各条件、すなわち、レンズ基材p-MMA(polymethyl methacrylate)(屈折率nd=1.492)、単眼サイズ200mm、F値1.237、焦点距離f350mm(±0.003mm:単一焦点)を共通仕様とした。
なお、比較例でも、実施例と同様の金型設計に基づいて、関連する技術であるフレネルレンズ形状を形成する方法(図6、図8A〜図8D参照)を用いて、所定のフレネルレンズ成形用金型を製造したとし、集光ロス等の諸項目を計算した。所定の金型設計条件は、実施例と同じ条件である。
ここで、xyz3次元座標系を規定する。x座標がフレネルレンズ主面の半径方向における位置を示し、z座標がフレネルレンズ主面の溝深さ方向における位置を示し、y座標は、x軸、z軸と直交する軸方向における位置を示す。xyz3次元座標系の中心は、フレネルレンズ主面の中心である。なお、規定したxyz3次元座標系は、図5A〜図5Fと同じxyz3次元座標系である。各フレネル構造のフレネル面角αは、x座標における任意位置Xの関数として導かれる。
tan(α)=dZ/dX …(数式1)
dZ/dX=A・X+B・X3+C・X5+D・X7+E・X9 …(数式2)
A= 5.807157E-3
B=-7.183148E-8
C= 1.012648E-12
D=-1.334521E-17
E= 1.101364E-22
フレネル面角α、x座標における位置Xは、上記数式1〜2によって、定義される。x座標における任意の位置Xでのフレネル面角αは、下記の数式(3)を用いて求められる。
α=tan-1(dZ/dX) …(数式3)
なお、単眼フレネルレンズの四隅に位置する最外周半径位置でのフレネル面角αmaxは、33.555°である。
tan(α)=dZ/dX …(数式1)
dZ/dX=A・X+B・X3+C・X5+D・X7+E・X9 …(数式2)
A= 5.807157E-3
B=-7.183148E-8
C= 1.012648E-12
D=-1.334521E-17
E= 1.101364E-22
フレネル面角α、x座標における位置Xは、上記数式1〜2によって、定義される。x座標における任意の位置Xでのフレネル面角αは、下記の数式(3)を用いて求められる。
α=tan-1(dZ/dX) …(数式3)
なお、単眼フレネルレンズの四隅に位置する最外周半径位置でのフレネル面角αmaxは、33.555°である。
実施例について、ライズ面角β[°]と、集光ロスLoss%[%]とについて計算した計算結果を表1に示す。ライズ面角βは、1〜5°の範囲において、1°刻みで各条件値を設定した。集光ロスLoss%は、単眼サイズW2に対するライズ面からXY平面への投影面積ΣΔSの割合[%]であり、これは幾何学的関係から、公知の計算方法を用いて導出される。ライズ面のXY平面への投影面積ΣΔSは、フレネル構造数nには依存することなく、ライズ面角βの関数となる。この数値計算結果は自明であるので、ここでは記載を省略する。
表1に示すように、ライズ面角βは、1°から5°に増大させると、集光ロスLoss%は、0.70%から3.41%にまで増大する。
比較例について、フレネル構造数nと、ライズ面角βと、ピッチPと、ライズ面からXY平面への投影面積ΣΔSと、集光ロスLoss%との値又は計算結果を、表2に示す。用いたバイトの先端部は、図6に示すバイトT2の先端部T2aに相当し、半径3μmで曲がる曲面形状を有する。同様に、集光ロスLoss%、つまり、単眼サイズW2に対するライズ面からXY平面への投影面積ΣΔSの割合は、フレネル構造数nに依存する。ライズ面角βが1°(一定、共通)の場合、フレネル構造数nが200溝であると、集光ロスLoss%は、1.63%であり、フレネル構造数nが1,000溝に増大すると、集光ロスLoss%は、5.34%と増大する。
なお、現時点において、製造上の、単結晶ダイヤモンド製バイトの先端先丸加工の半径の下限は、半径2μmから3μmまでの範囲にある。言い換えると、単結晶ダイヤモンド製バイトの先端部の曲面形状を、半径2μm以下にすることは困難であることが知られている。よって、さらに半径R1の小さい先端部を備える単結晶ダイヤモンド製バイトを使用することによって、集光ロスLoss%を下げることには容易でない。
実施例及び比較例について、フレネル構造数nが600溝である場合、ライズ面角βと、ピッチPと、ライズ面からXY平面への投影面積ΣΔSと、集光ロスLoss%との値又は計算結果を、表3に示す。
実施例5と比較例1とに着目すると、集光ロスLoss%がそれぞれ3.41%、3.48%と殆ど同等の値であり、ライズ面角βがそれぞれ、5°、1°と全く異なる値である。換言すれば、実施例5では、集光ロスLoss%が比較例1と殆ど同等である一方、ライズ面角βは比較例1のそれよりも大きい角度を採用することできる。即ち、実施例5では、集光ロスLoss%が比較例の値と同等であっても、離型性は、比較例のそれよりも大幅に向上する。
ここで、ライズ面角βは、1°以上3°以下の範囲内にあると好ましい。ライズ面角βは、上記したように、3°以以下であれば、集光ロスLoss%が所定の範囲内に収まり、良好である。ライズ面角βは、1°以上であれば、光硬化性樹脂、溶融樹脂のバンク成形、或は熱プレス、射出成型と言った各種形状賦形を行うフレネルレンズ成形用金型として必要な離型性を得ることができる。
以上、本発明によれば、フレネル構造の凸角部がピン角であるフレネルレンズ成形用金型が容易に得ることができる。さらに、ライズ面とフレネル面が共に高い鏡面性を有するフレネルレンズ成形用金型が容易に得ることができる。また、種々の光学性能の低下の主要因となるライズ面角βを離型に必要な最小限の角度に抑えることができる。
また、成形で得られるフレネルレンズシート・フィルム状物は、各種光学用途に供することができ、特に、太陽光集光レンズ用途向けのフレネルレンズ成形用金型に好適である。
なお、比較例は、バイトの先端部が丸みを有する場合の解析結果であるが、当該先端部がC面取りしたバイトを用いて彫刻した参考例も想定される。参考例の一具体例が、図7に示すバイトT2である。参考例、エッジ、即ちフレネルレンズの成型用金型の凸角部やフレネルレンズ凹角部等の光学的性質は、上記した比較例と同様と考えられる。したがって、実施例は、参考例と比較して、上記した光学的な優位性を有すると考えられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記した実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法を用いて、透明な樹脂板等の樹脂部材を直接彫刻してフレネルレンズ形状を形成することによって、フレネルレンズを製作してもよい。また、上記した実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法では、ライズ面22をフレネル面21よりも先に形成したが、フレネル面21をライズ面22よりも先に形成してもよい。このようにフレネル面21をライズ面22よりも先に形成した場合でも、実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法と同様に、製造したフレネルレンズ成形用金型20の凹角部23がピン角であるため、フレネルレンズ10の凹角部13は凹角部23の形状を転写されて、ピン角となる。また、実施の形態1に係るフレネルレンズ形状を形成する方法は、上記したフレネル面21をライズ面22よりも先に形成する方法と比較して、ビビリ振動がバイトT1に生じ難くなり、バイトT1の折損を抑制することができる。このような一因として、ライズ面22を先に形成することから、バイトT1の両刃面T1b、T1cがワーク20に接し、保持されていることが挙げられる。また、別の一因として、ライズ面22を先に形成することから、バイトT1の刃面T1cが、ワーク20の主面に関して略垂直に近い角度で傾いたままワーク20の内側に押し込まれ、ワーク20の主面に沿う方向において、動きを拘束されやすいことが挙げられる。また、別の一因として、ライズ面22を形成した後に、フレネル面21を形成することから、フレネル面21を形成する際に切削されるワーク20の体積の最大量が小さく、切削抵抗が減じることが挙げられる。
10 フレネルレンズ
11 フレネル面 12 ライズ面
13 凹角部
20 ワーク(フレネルレンズ成形用金型)
21 フレネル面 22 ライズ面
23、123 凹角部 24 凸角部
n フレネル構造数 nd 屈折率
P ピッチ R、R1、Rmax 半径
T1 バイト
T1a 凸角部 T1b、T1c 刃面
α、αmax フレネル面角 β ライズ面角
11 フレネル面 12 ライズ面
13 凹角部
20 ワーク(フレネルレンズ成形用金型)
21 フレネル面 22 ライズ面
23、123 凹角部 24 凸角部
n フレネル構造数 nd 屈折率
P ピッチ R、R1、Rmax 半径
T1 バイト
T1a 凸角部 T1b、T1c 刃面
α、αmax フレネル面角 β ライズ面角
Claims (8)
- 同心円状又は同心円弧状の複数の断面三角形プリズムよりなるフレネルレンズ形状を形成する方法であって、
ライズ面を切削する第1の刃面と、フレネル面を切削する第2の刃面と、前記第1の刃面と前記第2の刃面とが交差してなす凸角部と、を備え、且つ、前記凸角部がピン角であるバイトを用いて、
前記第1及び前記第2の刃面のうち一方を用いて基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち一方を前記基材に形成する工程1と、
前記工程1の後、前記第1及び前記第2の刃面のうち他方を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面及び前記ライズ面のうち他方を前記基材に形成する工程2と、を備え、
前記工程1と前記工程2とを繰り返すことによって、前記フレネルレンズ形状を形成し、
前記工程2では、
前記工程1において形成された前記フレネル面と前記ライズ面とが交差してなす凹角部はピン角をなし、且つ、前記凹角部が、前記断面三角形プリズムの底部となるように、前記基材を切削する、
フレネルレンズ形状を形成する方法。 - 前記工程2では、
前記工程1で形成した前記フレネル面及び前記ライズ面のうち一方の一端と、前記工程2で形成する前記フレネル面及び前記ライズ面のうち他方の一端とが一致するように、前記基材を切削する、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法。 - 前記工程1では、前記第1の刃面を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記ライズ面を前記基材に形成し、
前記工程2では、前記第2の刃面を用いて前記基材を切削し、前記断面三角形プリズムの前記フレネル面を前記基材に形成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法。 - 前記バイトが単結晶ダイヤモンド製である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法。 - 切削形成された前記フレネル面及び前記ライズ面が鏡面である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法。 - 前記ライズ面とフレネルレンズの法線とがなすライズ面角βは、
1°≦β≦3°の範囲内である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法。 - 前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材がフレネルレンズ成形用金型である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法を含む成形型の製造方法。 - 前記フレネルレンズ形状が形成された前記基材が透明樹脂である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレネルレンズ形状を形成する方法を含むフレネルレンズの製造方法。
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JP2017105478A JP2018199193A (ja) | 2017-05-29 | 2017-05-29 | フレネルレンズ形状を形成する方法、成形型及びフレネルレンズの製造方法 |
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