JP2018194510A - 水田水位測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水田の水位測定、制御をリアルタイムに迅速且つ正確に行うと共に、簡便且つ低コストな水位計を提案し、この水位計を用いて圃場内貯留水の水位管理の制御のための水位データを測定する水田水位測定方法を提供する。【解決手段】 周囲を畔に囲まれた圃場内貯留水の水位を測定する水田水位測定方法であって、圃場内貯留水の水位測定が圃場内に設置される水位計測部と信号処理部とを備える水田用水位計により行われ、その水位計の圃場への設置が、畔の高さより高い位置に水位計の大気開放口が配置されるように水位計を設置し、且つ、圃場への給水を制御する給水装置からの給電可能位置に設置される水田水位測定方法。【選択図】 図7

Description

本発明は、圃場用給排水システムに関し、特に、圃場内の水田に張られる水の水位制御は耕作物の生育を左右するものであり、その水位制御の基礎となる水位測定には、迅速且つ正確な測定が要求されている。本発明では、このような要求に対応可能な水位計を用いた水田水位測定方法に関する。
現地での手作業で行われることが多い圃場内水管理については、その遠隔操作化または自動化が望まれている。また、水管理による節水も期待されている。この水管理を適切に行うためには、圃場への給排水の両方の制御を行う必要があり、その制御の基礎となる水位の測定は不可欠である。
さらに、圃場の水田における耕作では、その耕作物の生育過程において必要とされる水分量を耕作物に供給するために、水田に張られる水の水位制御を迅速、正確、且つ細やかに行う必要があり、その基礎となる水位計を用いた水位測定が提案されている。
水田のような貯留水の水位測定には、水位計を用いた水位測定が一般的であり、種々の水位計とその測定方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、差圧計を水中で使用する際に、低圧側に大気圧を液密に導入する管を設け、周囲温度の影響を受けにくいレベル差式の水位計が開示されている。
その詳細は、高圧側ダイヤフラム及び低圧側ダイヤフラムを介して内部圧力センサを収納し、低圧側ダイヤフラムに対向して液密空間を設けた差圧検出部と、その液密空間に連結された配管とを備え、差圧検出部を水中に設置した際、液密空間内が大気圧となるよう配管を水面上まで延長し、大気圧を導入可能とした水位計である。
また、特許文献2では、水田のような汚れやすい環境においても水位の連続変化を計測できる安価で保守性の良い水位計を開示し、その水位計は、底部に開口部を有し、且つ上端を閉じた筒状の容器であって、水位を空気の圧力に変換する水位・圧力変換容器(以下、「変換容器」)と、この変換容器の上部に設置され、この変換容器内の空気の圧力を大気圧との差圧として計測する圧力計測手段と、この圧力計測手段によって計測された差圧から水位を計算する水位計算手段とを有することを特徴とし、水位を変換容器内に閉じ込められた空気の静的な圧力に変換することによって水位を計測するので、圧力計測手段を直接水や泥に触れさせることが無い水位計である。
また、特許文献3には、水圧測定用圧力センサと大気圧センサの2個のセンサを使用することで、単純な構成を持つ汎用電線やその汎用電線の外側に薄肉の樹脂チューブを被せた程度の簡単なケーブルが使用可能で施工性にも優れてコスト的に優位で、所定の水位を正確に測定可能な投込圧力式水位計が開示されている。
その開示された水位計は、ケーブルの一端部に連設されて水中に投げ込み可能とされた水位計本体と、この水位計本体の底部に設けられて、空気や窒素ガスなどの気体を密閉空間に封入することによって得られる封入流体による基準圧と水圧との差圧を計測する差圧計測部(水圧測定センサ)と、その水位計本体とは別個に設けられた大気圧センサと、差圧計測部で計測された差圧と大気圧センサにより検出された大気圧との差圧を求め、その差圧を電気値に変換して出力する出力部とを備えるもので、水位計本体を水中に投げ込み可能とするケーブルに、導体の外周を耐蝕性、耐候性、電気絶縁性のある樹脂層で被覆してなる汎用電線を単独に使用してもよく、また、その電線に薄肉の樹脂チューブを外嵌させたものであってもよい特徴を有する水位計である。
また、特許文献4には、従来の水温変化による水の密度補正を加えた従来の水位計では、補正し切れなかった誤差を解消した測定精度を向上させた水圧式水位計が開示されている。その詳細は、水中の所定位置の水圧と大気圧との差圧を測定し、水温値に基づく水温補正をすることにより水位を検出する水圧式水位計において、標高値に基づく気柱補正を行う気柱補正回路の具備、さらに濁度センサを具備して濁度センサの検出値に基づく濁度による水の密度変化の補正を行う濁度補正回路の具備による先の水温補正を加えた測定値に、標高値に基づく気柱補正を加えた水圧式水位計、又は気柱補正及び水の密度変化の補正を加えた水圧式水位計である。
しかしながら、特許文献1に開示される水位計とその測定方法では、液密空間を備えた差圧検出部を水中に設置した際、その液密空間内が大気圧となるよう配管を水面上まで延長するこことで、大気圧の導入を可能としているが、その液密空間に大気圧を導入する配管を起因とする液密空間内の大気圧変動の影響が測定データから排除できず、その正確性、応答性に問題を生じ易い。
一方、特許文献2に開示される水位計では、その構造上、容器内に水が入らないと正確な水位測定が困難であり、水位の低い場合の測定データの有効性に問題を抱えている。また、変換容器内に閉じこめられた空気の温度変化の影響を受けやすい問題がある。
また、特許文献3に開示される水位計においては、その構造上、水圧測定用と大気圧測定用の2個の圧力センサーを備えているため、水田の貯留水の水位制御のための水位測定のように、多くの箇所の水位を同時に測定しなくてはならない場合には、水位計に係るコストも無視できず、また、2つの圧力計を備えることによるメンテナンス性、圧力計の同期性や故障頻度などの取り扱い上の問題点を抱えている。
さらに、特許文献4に開示された水位計は、標高値に基づく気柱補正及び水の密度変化の補正を加えた水位測定方法を採用し、応答性、測定精度共に優れた水圧式水位計であるが、圃場のように複数の水位計を備えて水位を測定する方法では、特許文献3の水位計と同様に、気柱補正や水の密度変化の補正を行う装置を備えることによる各装置のメンテナンスの煩雑さの増大や故障頻度、水位計コスト高などの問題を抱えている。
特開2003−004504号公報 特開平09−292272号公報 特開平09−026348号公報 特開平11−014429号公報
本発明は、上記状況に鑑み、水田の水位測定、制御をリアルタイムに迅速且つ正確に行うと共に、簡便且つ低コストな水位計を提案し、この水位計を用いて圃場内貯留水の水位管理の制御のための水位データを測定する水田水位測定システムを提供するものである。
本発明の第1の発明は、周囲を畔に囲まれた圃場への給排水を制御するための圃場内貯留水の水位を測定する水田水位測定方法であって、圃場内貯留水の水位測定が、圃場内に設置される水位計により行われ、その水位計が、水位計測部と信号処理部と計測部を収納する筐体から構成され、水位計測部が開口部を有するダイヤフラムを備える差圧測定圧力センサーと、センサーが計測した測定値を信号処理部に伝達する信号ケーブルからなり、筐体が、一端に前記センサーを水密構造で収納する中空筐体で、大気開放口を中空筐体の他端側に備え、信号処理部が、圧力−水位変換装置と水位データ転送装置を備え、水位計の圃場への設置が、畔の高さより高い位置に前記水位計の大気開放口が配置されるように前記水位計を設置し、且つ、圃場への給水を制御する給水装置からの給電可能位置に設置され、さらに本発明の第2の発明は、大気開放口の大きさがダイヤフラムの開口部大きさ以上の大きさを有する水田水位測定方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における水位計の水位計測部が温度センサーを備え、信号処理部が水温検知装置を備え、水温の変動による水圧変化を補償した水位を測定する水田水位測定方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における水位計の中空筐体が樹脂製で、信号処理部が中空筐体内に設置される水田水位測定方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における水位計が、自立部材を装着した自立型の水位計である水田水位測定方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における圃場への水位計の設置が、圃場への給排水を制御する給排水装置からの給電可能位置、畔近傍及び圃場内に、複数個配置され、圃場内貯留水の水位測定を行う水田水位測定方法である。
本発明の第7の発明は、第6の発明における圃場内の水位計の設置が、圃場内貯留水の給排水時において現出する水流路に沿って配置され、圃場内貯留水の水位測定を行う水田水位測定方法である。
本発明によれば、水田用水位計として取り扱い易く、応答性の速さとデータの正確性にも優れ、且つコスト的にも低廉な水田用水位計を用いることで、圃場、特に水田全体における水田に張られた貯留水の1点または多点水位測定と、その測定データを基にする制御をリアルタイムに迅速且つ正確に行うことが実現でき、耕作物の生育を良好に至らしめる産業上顕著な効果を奏するものである。
本発明で使用する水位計の実施例の一例を示す図解図である。 差圧測定圧力センサーの概略構造を示す模式断面図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の水田設置時の形態を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水位計の実施例の他の例を示す図解図である。 本発明で使用する水温補償を備えた水位計の実施例を示す図解図である。 本発明に係る水田水位測定方法において、水田用水位計の設置状態の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)a−a線における断面図である。 本発明に係る水田水位測定方法の説明図で、水田水位計の水田への設置の特徴を示す図である。 本発明に係る水田水位測定方法の説明図で、水田水位計の水田への設置の特徴2を示す図で、(a)はスタンド型自立水位計、(b)はソケット型自立水位計の概略図である。
図1〜図13を参照して、本発明の水田水位測定方法を以下に説明する。
本発明では、応答性が良く、正確に水田に張られた貯留水の水位を測定する水位計が不可欠であり、その水位計の概要を説明した後、水位測定方法を説明する。
[水位計]
図1、図2に本発明で用いる水田用水位計の概要を示し、図3〜図6において他の実施例を示す。
図1、図3〜図10は水位計の図解図、図2は、水位計で用いられる差圧測定圧力センサーの概略構造を示す模式構造図で、10、10a〜10hは水田用水位計、1は差圧測定圧力センサー、1aはセンサー筐体、1bはセンサー大気圧口、1cは封入液、1dはセンサー水圧口、2はダイヤフラム、2aはダイヤフラム開口部、3は中空筐体部、3aは大気開放口、3bは信号ケーブル取出口、4は信号ケーブル、5、5aはフィルター、6は温度センサー、30は大気開放口(一体型)、100は圧力−水位変換装置、101は水位データ転送装置、102は水温検知装置、φは大気開放口の大きさ、φはダイヤフラム開口部の大きさ、φはセンサー水圧口の大きさ、SCはセンサー素子、黒矢印は大気圧、白抜き矢印は水圧を示すものである。
大気開放口3aは、図1に示すように地面に向ける。または、図3に示すように地面に対して水平の横方向のいずれかに据え付ける。一方、信号ケーブル取出口3bは、図1、図3に示すように地面に向ける、または図4に示すように地面に対して水平の横方向および図5に示すように天頂方向のいずれかに据え付ける。また、図6に示すように水田の土壌に透水性があるため、センサー部を地表にわずかに埋設しても、地下水位が水圧として伝わるため問題とならない。
本発明で用いられる水田用水位計の構造上の特徴を、代表的な図1に示す水田用水位計10、及びその水位計に使用された差圧測定圧力センサー1の概略構造を示す図2を用いて以下に説明する。
本発明に係る水位計は、少なくとも水圧と大気圧の差圧を測定する差圧測定圧力センサーを備える水位計測部と、そのセンサーで得た測定データを「圧力−水位変換装置」、「水位データ転送装置」を介して外部に送信する信号処理部と、それらを収納する中空筐体から構成されている。
水田用水位計10は、センサー水圧口の大きさと同等かそれ以上の大きさの開口部(図2、符号2a参照)を有するダイヤフラム(図2、符号2も参照)を備え、大気圧と被測定物(貯留水)からの圧力(水圧)との圧力差を計測可能な差圧測定圧力センサー1と、一端(A側)にセンサー1を水密構造で収納し、他端(B側)に大気開放口3aと、センサー1からの測定信号を伝達する信号ケーブル4を外部に引き出す信号ケーブル取出口3bを備える中空筐体部3、及び水位計内部に水、湿気、泥、動植物等の障害物の侵入を防止するフィルター5とから構成されている。
さらに、大きな特徴としては、大気開放口3aの大きさφと、圧力センサー1のダイヤフラム開口部2aの開口部の大きさφ(図2参照)とが、φ/φ≧1.0の関係を有していることである。
なお、図2は差圧測定圧力センサー1の概略構造の断面模式図で、1は差圧測定圧力センサー、1aはセンサー筐体、1bはセンサー大気圧口、1cはシリコンオイルおよびフッ素オイル等の封入液、1dはセンサー水圧口、2はダイヤフラム、2aはダイヤフラム開口部と称し、被測定物(貯留水)と接する側のダイヤフラム面の接触有効範囲を指している。ダイヤフラム開口部2aにおいても、センサーの保護のため封入液を用いる場合もある。SCはセンサー素子、φはダイヤフラム開口部の大きさで先の接触有効範囲の尺度を示し、ダイヤフラム開口部の形状が円形や対称形(対称軸を有する図形)の場合には、直径、対称軸長さ、或いは面積で示されるもので、非対称形の場合には面積を以ってあてる。なお、この「大きさ」の尺度は、大気開放口3aの大きさ、中空筐体部3の大きさ、センサー水圧口1dの大きさにも適用する。
図1、図3〜図10に示す構造の水田用水位計10、10a〜10hは、大気開放口3a又は30を有し、且つその大気開放口の大きさφを、差圧測定圧力センサー1において、水圧を導入するダイヤフラム2の開口部2aの大きさφに対して、φ/φ≧1.0の関係、即ち大気開放口3aの大きさが、ダイヤフラム2の開口部2aの大きさ以上の開口とした場合には、大気圧の応答性をより高めることになり、水田水位を求める差圧測定時に、水圧測定時と大気圧測定時との同期性を高めることができ、その結果として差圧測定の誤差を小さくする効果をもたらすものである。また、リアルタイム測定の精度を高める働きも有する。
上記関係「φ/φ≧1.0」は、大気開放口3aの大きさが、ダイヤフラム2の開口部2aの大きさ以上であることを意味し、この値が1.0より小さくなると、ダイヤフラム2への大気圧変動の伝達力、即ち応答性は低下するが、強風、強雨、開放口へのゴミ詰まり等の外乱因子に対しては良好な効果を示すため、水田用水位計を設置する環境によって適切な開放口を備える水位計を選択すると良い。その上限は、中空筐体部3の大きさとダイヤフラム開口部2aの大きさとの割合より以下が望ましい。
ここで、この「φ/φ」の関係を種々に変えて水位が上昇、又は下降した際に、水位計が、その現象を示すのに要する時間、即ち、応答時間を調査した結果、10cm水位を上昇させた場合、水位を下降させた場合の「φ/φ」関係の応答時間への影響度は、表1に示す結果が得られている。なお、試験条件は、大気開放口の大きさのみを変化させて行っている。
Figure 2018194510
さらに、大気圧開放口3aの大きさφは、差圧測定圧力センサー1のセンサー水圧口1dの大きさφとは、「φ/φ≧1.0」の関係を有することも差圧測定精度の寄与するものである。
また、大気開放口3aと圧力センサー1との配置位置の関係から生じる温度差がもたらす結露の防止にも役立っている。さらに、信号ケーブル4を介して、100または101の装置内部から漏れ出す圧力の影響を排除可能であることからも正確な測定を可能とするものである。
このように、本発明に係る水田水位計は、水田特有の泥土、植物群、水田水位などを考慮した結果、発明に至ったもので、水田の水位測定に特化することで、コンパクトにまとめ上げることができ、水田の水位測定の正確さはもとより、その設置や取り外し等の取り回しが容易な水位計である。以下、図を用いて水田水位計の詳細をさらに説明する。
図3〜図10の符号10a〜10hに示す本発明で用いられる水田用水位計の他の実施例を以下で説明する。
図3〜図5は、図1に示す水位計10とは大気開放口3a、信号ケーブル取出口3bの配置が異なる例を示している。
図3の水位計10aでは図1の水位計10とは大気開放口3aの向きが異なり、水平方向に大気開放口が開口している。
図4の水位計10bでは、ケーブル開放口3bが水平方向に開口されている形である。
図5の水位計10cでは、ケーブル開放口3bがセンサー1aの直上方向に開口されている形である。
図6に示す水田用水位計10dは、図1に示す水位計における水田配置時の形態を示す図解図で、水田の田面下に水位計先端部を埋設するために水位計の先端部にやじり9と、水位計が水田に自立し、田面より水位計が沈降しないように浮きの役目を果たす円盤状や方盤形状の自立支持具8を備え、やじり9の上部に測水口7aを備えた形態となっている。なお、センサー1はわずかに地中に埋設される形になるが、水田の土壌に透水性があるため、センサー1が地表からわずかに地中に埋設されても、地下水位が水圧として伝わるため水位測定には問題とならない。
図7は、大気開放口と信号ケーブル取出口の両者を一体とした一体型大気開放口30を設けた水田用水位計10eを示す図解図である。
本形式の一体型大気開放口30では、信号ケーブルの取り出しと大気圧の応答性の改善の両者を図ると共に、水位計内部(中空筐体部内)に水、泥、動植物等の異物侵入を防止するフィルター5aが設けられるが、このフィルター5aは、さらに通気性を持たせたものであることが望ましい。
図8は、図7の水田水位計と同様の形式の水位計に、樹脂製の中空筐体部3を用いることで、測定データを無線で外部に転送するデータ転送装置101を、中空筐体部3の内部に配置した水田用水位計10fで、「圧力−水位変換装置101」を同梱したもので、よりコンパクトな水位計が得られる利点を有している。
図9は、中空筐体部3を中空フレキシブル管、若しくは蛇腹管に替え、図9に示すような逆S字状の形状として設置して使用する水田用水位計10gを示すものである。
このように中空フレキシブル管若しくは蛇腹管を用いると、別体の自立治具を用意せずとも自立型水位計が得られる利点を有している。
図10は、図1の水田用水位計10に、差圧測定時の水温による水圧変動を補償するための水温検出用の温度センサー6を、差圧測定圧力センサー1の近接位置に設けた水田用水位計10hを示す図解図である。
差圧測定圧力センサー1に近接して設置した温度センサー6により測定された温度データは、水温検知装置102に送られ、水位データ転送装置101から外部に発信される。
このタイプの水田用水位計10hに用いられる差圧測定圧力センサー1では、そのセンサー筐体1aが熱伝導性の良い材料で構成されている場合、水温を水位計内の温度センサー6に伝達する役目を担わせ、温度測定の応答性を向上させることが可能である。材質としては金属が好ましく、アルミニウム又は、耐久性を考慮するとステンレスが望ましい。また、センサー筐体の温度と水温は、時間が立つとほぼ一定の温度になることから、この温度センサーにより、センサー筐体を通じて水温を計測できる利点を有している。なお、この方法は、一定となる温度に時間差が生じるが、センサー筐体が樹脂製でも問題とならない程度である。
次に、本発明に係る水田用水位計の使用方法の例を以下に示す。
図11は、本発明に係る水田用水位計の設置状態の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)a−a線における断面図である。
幹線水路25から圃場23内に用水を供給する給水設備20、その給水設備から供給された用水を、圃場内から用水路26等の外部に排出する落水口21aを備える排水設備21を有する畦畔22で囲まれた圃場(水田)23に対し、水田の水位を測定する水田用水位計10は、電動で動作する給排水設備からの給電可能位置P1、畦畔22の近傍P2及び圃場内P3の必要位置に、単独または複数個を配置して逐次水位測定を行い、圃場内の水位挙動の制御データとして使用される。
また、圃場内の水位計の設置位置は、圃場内貯留水の給排水時において現出する水流路(黒矢印)に沿って適宜な数配置され、圃場内貯留水の水位測定が行われても良く、その際には、圃場内に設置する水田用水位計は、常設以外は設置及び撤去が容易な自立型の水位計を用いることもできる。
図12は、本発明に係る水田用水位計の水田への個々の設置方法を示す図である。図12において、10は水田用水位計、1は差圧測定圧力センサー、2はダイヤフラム、3aは大気開放口、黒矢印は大気圧、白抜き矢印は水圧である。
水田水位計10は、図12に示すように大気開放口3aが、水田を取り囲む畦畔、或いは水田への給排水を担う水田に沿った用水路の堤部の頂部よりh[m]高い位置(以下設置高さhと称す)に設置される。
この設置高さhは、大気開放口3aが畦畔や用水路の頂部より上方になるように設けられることで、畔や用水路壁による巻き込み風による影響を排除でき、大気圧及びその変動を応答性良く、正確に伝達することを可能とする。
この伝達された大気圧と、差圧測定圧力センサー1のダイヤフラム2をダイヤフラムの開口部2aで感受した水田水位から得られる水圧との差圧によりダイヤフラムが変位し、そのダイヤフラム2上のセンサー素子SCが差圧信号を、圧力−水位変換装置100に送り、水位データとなり、さらに水位データ転送装置101に得られた水位データが送られ外部送信される。
よって、設置高さhは、大気開放口の大きさと共に、差圧を応答性と精度よく測定するのに大きな影響を与えている。
その高さhとしての範囲は、田面の不陸が±5cm程度であることを考慮して、0〜10cmが望ましく、下限未満では、畦畔や用水路堤の影響を受けやすく、応答性や精度が低下する傾向を有し、上限を超えると圃場上を吹き抜ける風の影響を大きく受けることになり応答性や精度に問題を生じることになるので望ましくない。
さらに、水位計の圧力センサー側は、水田貯留水が溜まっている場合には、その水中に、或いは貯留水を持たない時期では、上記設置高さhを満足する位置に大気開放口3aが配されるように設けられる。
その大気開放口3aの内部には、泥や藻などの障害物の侵入を防ぐため、通気性を持つフィルターを設けると良い。
水田の水位測定方法においては、本発明に係る水田用水位計は自立用治具を用いることで、水田のどのような場所にも、いつでも設置可能である特徴を備えている。
図13に、その自立型の水位計の形態を示す。(a)はスタンド型自立水位計の例を示す概略図で、(b)はソケット型自立水位計の例を示す概略図である。図13において、7Aはスタンド型自立用治具、7Bはソケット型自立用治具、7aは測水口、7bは支持棒、7cは水位計把持アーム、8は水位計を自立させるための自立支持具、9は田面に水位計を埋設し易くするやじりである。なお、自立型水位計では、電源にバッテリーの使用や太陽電池などの自給電源を用いたものは取扱い易く、容易に水位計網の形成が可能である。
使い方は、水田地中に埋設部を食い込ませ固定するものであるが、予め設置個所を決めておき、その箇所に自立用治具7A、7Bを設置し、必要な個所に水位計を設置しても良い。
予め決められた設置個所とは、水田内へ給排水した時の水田の地表面の傾斜や凸凹などによる水流路変化を見極めて設置個所を選定する。
1 差圧測定圧力センサー
1a センサー筐体
1b センサー大気圧口
1c 封入液
1d センサー水圧口
2 ダイヤフラム
2a ダイヤフラム開口部
3 中空筐体部
3a 大気開放口
3b 信号ケーブル取出口
4 信号ケーブル
5、5a フィルター
6 温度センサー
7A スタンド型自立用治具
7B ソケット型自立用治具
7a 測水口
7b 支持棒
7c 水位計把持アーム
8 自立支持具
9 やじり
10、10a〜10h 水田用水位計
20 給水設備
21 排水設備
21a 落水口
22 畦畔
23 圃場(水田)
24 耕作物(稲)
25 幹線水路
26 用水路
30 大気開放口(一体型)
100 圧力−水位変換装置
101 水位データ転送装置
102 水温検知装置
φ 大気開放口の大きさ
φ ダイヤフラム開口部の大きさ
φ センサー水圧口の大きさ
SC センサー素子
h (大気開放口の畦畔からの)設置高さ
P1 水田用水位計設置個所(給排水設備給電可能範囲)
P2 水田用水位計設置個所(畦畔、用水路近傍)
P3 水田用水位計設置個所(圃場内)

Claims (7)

  1. 周囲を畔に囲まれた圃場への給排水を制御するための圃場内貯留水の水位を測定する水田水位測定方法であって、
    前記圃場内貯留水の水位測定が、圃場内に設置される水位計により行われ、
    前記水位計が、水位計測部と信号処理部と前記計測部を収納する筐体から構成され、
    前記水位計測部が、開口部を有するダイヤフラムを備える差圧測定圧力センサーと、前記センサーが計測した測定値を信号処理部に伝達する信号ケーブルからなり、
    前記筐体が、一端に前記センサーを水密構造で収納する中空筐体で、大気開放口を前記中空筐体の他端側に備え、前記信号処理部が、圧力−水位変換装置と水位データ転送装置を備え、
    前記水位計の圃場への設置が、前記畔の高さより高い位置に前記水位計の大気開放口が配置されるように前記水位計を設置し、
    且つ、前記圃場への給水を制御する給水装置からの給電可能位置に設置される水田水位測定方法。
  2. 前記大気開放口の大きさが、前記ダイヤフラムの開口部の大きさ以上の大きさを有する請求項1に記載の水田水位測定方法。
  3. 前記水位計の水位計測部が温度センサーを備え、前記信号処理部が水温検知装置を備え、水温の変動による水圧変化を補償した水位を測定する請求項1又は2に記載の水田水位測定方法。
  4. 前記水位計の中空筐体が樹脂製で、前記信号処理部が前記中空筐体内に設置される請求項1から3のいずれか1項に記載の水田水位測定方法。
  5. 前記水位計が、自立部材を装着した自立型の水位計である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水田水位測定方法。
  6. 前記圃場への水位計の設置が、前記圃場への給排水を制御する給排水装置からの給電可能位置、畔近傍及び圃場内に、複数個配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の水田水位測定方法。
  7. 圃場内の水位計の設置が、圃場内貯留水の給排水時において現出する水流路に沿って配置され、圃場内貯留水の水位測定を行う請求項6に記載の水田水位測定方法。
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