JP2018186959A - 心電電気生理手技シュミレーションシステム、心電電気生理手技シュミレーションプログラム - Google Patents

心電電気生理手技シュミレーションシステム、心電電気生理手技シュミレーションプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】生体心臓を使用することなく、電気生理学検査用の心臓電気刺激装置の電気刺激に対する生体の心臓の反応やカテーテルアブレーションの効果を模擬する心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する【解決手段】心内心電信号データを生成する心内心電信号データ生成処理部と、心内心電信号データを経時的に出力する心内心電信号出力部と、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置が生成し得る診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション装置が生成し得るアブレーション情報の入力を受け付ける、操作受付処理部と、操作受付処理部によって受け付けられた、診断用電気刺激情報、および/または、アブレーション情報に基づいて、心内心電信号データの変化応答を演算して、心内心電信号データを更新する応答演算処理部を備えることを特徴とする心電電気生理手技シュミレーションシステム。【選択図】図1

Description

本発明は、心臓に対するカテーテルアブレーション治療の手技や、心臓電気生理学検査用の診断用心臓電気刺激装置の手技を支援する心電電気生理手技シュミレーションシステム、および、心電電気生理手技シュミレーションプログラムに関する。
健常な成人の脈拍は、一分間あたりおおよそ60〜100回程度である。しかし拍動のリズムが不規則であったり、拍動のペースが多すぎたり、逆に少なすぎたりすることがあり、これを一般に不整脈という。また見かけの脈拍が正常であっても、心電図に異常が現れるものは臨床上、不整脈に含まれる。不整脈は多くの場合無害であるが、突然死を引き起こす重大な疾患が原因である場合もある。
心臓は、心臓内にある刺激伝導系という電気的な興奮を伝える経路を使って電気刺激を心臓全体に伝達し、心臓を拍動させる。この刺激伝導系の異常により不整脈が生じる場合がある。例えば脈拍数が異常に増加して、動悸を感じるような「頻脈性不整脈」は、刺激伝導系に本来無いはずの電気信号の発生源や、伝達経路ができてしまうことが主な原因であり、逆に脈拍数が少なくなり虚血障害を引き起こす「徐脈性不整脈」は、刺激伝導系の働きが悪くなることが原因であることが多い。
不整脈の原因を詳細に調べるための方法の一つに、電気生理学的検査(EPS:Electrophysiology Study)と呼ばれる方法がある。これは血管を介して心臓に電極の付いた細い管(電極カテーテル)を挿入し、心臓内部の電位、すなわち心内電位を記録し、心臓の内側から電気刺激を与えることで生じる心内電位の変化から不整脈の原因を特定する方法である。不整脈の原因については、通常の体表心電図から有用な情報が得られることもあるが、確定診断のためには電気生理学的検査が極めて重要である。
図12は心臓の電気生理学的検査の概念を説明する説明図である。検査をする医療従事者は、血管を介して心臓の内部に挿入された電極カテーテル80により、診断用心臓電気刺激装置(スティムレータ)5が生成する電気刺激を、生体心臓90に与える。このとき例えば電極カテーテル80は、右心房(RA)92や、右心室(RV)94に挿入される。診断用心臓電気刺激装置5は、心臓内壁における各部位の電位変化の測定をおこなう心内電位記録装置と一体になっている。
不整脈、特に「頻脈性不整脈」の根治療法としてはカテーテルアブレーションと呼ばれる手技が現在、実施されている。これは心臓内の不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮の発生箇所等を除去する方法である。治療のために除去すべき心筋の部位の特定のためにも、上述した電気生理学的検査が極めて重要である。現在カテーテルアブレーションとしては、除去したい心筋の部位に高周波電流を通電して焼灼する経皮的カテーテル心筋焼灼術が一般的に行われているが、摂氏マイナス40度〜50度といった低温にしたワイヤを押し当てることで、除去したい心筋の部位の機能を無くす、いわゆるクライオアブレーション(冷凍焼灼術)も臨床の現場で実施されている。また近年、PDT(Photodynamic Therapy:光線力学的治療)の応用として、除去したい心筋の部位にレーザーを照射し、異常電気伝導路をブロックするレーザーアブレーションと呼ばれる治療法も研究されている。
図13は、カテーテルアブレーションについての説明図である。例えば治療対象の疾患がAVNRT(房室結節リエントリー頻拍)である場合には、洞房結節93と房室結節95の間の刺激伝導系における房室結節の付近に、ファーストパスウェイFPとスローパスウェイSPという二重伝導路が形成されることが多い。洞房結節93とは、心臓の右心房にあり拍動のため心筋に与える電気パルスを生成する部位であり、房室結節95とは、洞房結節93から電気パルスを受け取って心室に伝達して心室の収縮を引き起こす部位である。カテーテルアブレーションでは、このスローパスウェイの経路にあたる除去部位97に、例えば高周波電流を通電することで焼灼し、頻拍の原因である二重伝導を根治する。しかし誤ってファーストパスウェイFPや房室結節95を焼灼してしまうと、完全房室ブロック、すなわち心室に電気刺激が伝わらなくなってしまうという重大な結果を招いてしまう。
特許文献1では、心臓への電極カテーテルの挿入について、X線透視装置等で、カテーテルの正確な位置を把握しながら手技のトレーニングを行うためのシミュレート技術が開示されている。しかし、心内心電図等が断用心臓電気刺激装置を操作することで、どのような変化をするか等は模擬されず、臨床においておこなう手技の一部しか練習できない。
特許文献2においては、カテーテルアブレーションのシミュレーションをおこなう技術が開示されている。しかしカテーテルアブレーションや電気生理学的検査を模擬するために、電気生理学的なデータを含めた3次元心臓モデルを用いた計算をすると書かれているだけで具体的な計算方法は示されていない。また電気的刺激情報に基づいた模擬心電図の生成方法についても全く示されていない。診断用心臓電気刺激装置についても、コンピュータ上のシミュレーションで仮想的に実現しているだけなので、実際に医療機器として現場で使う診断用心臓電気刺激装置の使い勝手とは異なるため、手術前の練習のためには不十分である。
特許第4681242号公報 特許第4968739号公報
電気生理学的検査において医療従事者は、診断用心臓電気刺激装置から、どの程度の大きさの電気刺激を、心臓内のどの部位に、どの程度の周期で与えると頻拍(突然脈拍が速くなる減少)が生じるか等から、必要の無い伝導路や異常な電気興奮の発生箇所の場所を特定する。またカテーテルアブレーションでは、原則として心筋の一部を焼灼し、機能の除去をするという不可逆な行為を行うことから、手技に熟練した医療従事者で構成されたチームでおこなうことが必要である。しかし従来は、臨床での手技終了後のデータ解析や、擬似的に診断用心臓電気刺激装置の操作を繰り返しながら生体反応を想像することでしか、トレーニングを行うことができず、またカテーテルアブレーションの効果自体も担当する医師等の経験から推定する他には、方法がなかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、生体心臓を使用することなく、電気生理学検査用の心臓電気刺激装置の電気刺激に対する生体の心臓の反応やカテーテルアブレーションの効果を模擬することで、カテーテルアブレーション手技の支援をする心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供することを目的とする。
(1)本発明は、電子計算機を含んで構成され、前記電子計算機は、患者の心電信号のデータである心電信号データを記憶する心電信号データ記憶領域と、患者の心臓に与える電気刺激についての情報である電気刺激情報を受け付ける電気刺激受付処理部と、前記電気刺激情報に基づき、患者の心臓を模擬して、前記心電信号データの変化応答を演算し、前記心電信号データを更新する応答演算処理部と、前記心電信号データを経時的に出力する心電信号出力部と、を備えることを特徴とする心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(1)に記載する発明によれば、患者から取得される生体心臓の心電信号データを利用して、電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、例えば診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
(2)本発明は、前記電気刺激により仮想的に電気刺激される生体心臓内の部位と、前記電気刺激のタイミングと、前記電気刺激の周期と、前記電気刺激のパルス幅と、前記電気刺激の電圧値と、前記電気刺激の電流値とをパラメータとして含む、前記電気刺激に関するパラメータの集合を、パラメータ群と定義するとき、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から前記電気刺激の有効性を判定する診断用電気刺激判定部と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定部と、電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、前記電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定部とを更に備えることを特徴とする上記(1)に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(2)に記載の発明によれば、実際の臨床の現場において不整脈の原因を特定する際に用いる診断用心臓電気刺激装置の生成する電気刺激について、電気生理学に従った条件を用いてその電気刺激の効果を判定することができるので、生体心臓の応答を正確に模擬することができるという顕著な効果を奏し得る。
(3)本発明は、前記心電信号データが、多電極の電気生理学的検査カテーテルで患者から測定される実心内心電信号データであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(3)に記載する発明によれば、診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置に対する生体心臓の応答として、患者から実際に取得する実心内心電信号を利用して、心内心電信号を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、臨床における術前に十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
(4)本発明は、前記心電信号データは、多電極の電気生理学的検査カテーテルで様々な疾患の不整脈の患者から予め測定された典型的な心内心電信号データである典型心内心電信号データ、及び/又は、様々な疾患の不整脈に係る心電信号を模擬する心電シミュレータからの出力である模擬心電信号データであることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(4)に記載する発明によれば、様々な心臓疾患について患者から取得した心内心電信号のデータや、心電シミュレータが模擬して生成した心電信号のデータを利用して、電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬できるので、操作者は疾患に応じた電気生理学的に的確な応答を観察しながら、手技のトレーニングを行うことができるという優れた効果を奏する。
(5)本発明は、前記電気刺激が、回復可能で一時的影響を心臓に与える検査刺激、及び/又は、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(5)に記載する発明によれば、診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置による電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬できるので、生体心臓を用いなくても、診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置による手技をシミュレートすることができるという優れた効果を奏する。
(6)本発明は、前記電気刺激情報を模擬して生成する電気刺激模擬部を更に備え、該電気刺激模擬部が生成する模擬電気刺激情報は、電気刺激の強度を示す刺激強度情報を含み、該刺激強度情報は、回復可能で一時的影響を与える電気検査刺激の強度に相当する情報から、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激の強度に相当する情報まで、可変に調整されることを特徴とする上記(5)に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(6)に記載する発明によれば、様々な強度の電気刺激を模擬することができるので、電気生理学的検査に使用する診断用電気刺激装置、すなわち、いわゆるスティムレータから、高周波により心筋を凝固させて必要の無い伝導路を遮断するカテーテルアブレーション装置まで模擬することのできる心電電気生理手技シュミレーションシステムを実現できるという優れた効果を奏する。
(7)本発明は、前記電気刺激情報に基づいて、前記心電信号データを解析することで、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度と、焼灼後の心電信号データを求める解析部を更に備え、最適な手技手順を案内する心電電気生理手技ガイダンス手段を有することを特徴とする上記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(7)に記載する発明によれば、患者の生体心臓を使用せずに、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度を推定でき、最適な手技手順の案内がされるので、事前に手技シミュレーションを行うことにより、最終的には臨床上のアブレーション手技を安全に効率化することができるという顕著な効果を奏する。
(8)本発明は、操作者がおこなう入力操作により、模擬される所定の疾患が複数の疾患から選択されるディスプレイと、前記ディスプレイに表示される表示画像情報を生成する画像生成部をさらに有し、前記画像生成部が生成する前記表示画像情報には、前記模擬される所定の疾患を前記複数の疾患から選択する選択情報が表示される選択情報表示区域と、前記心電信号データに基づく心電図が表示される心電図表示区域と、
を含むことを特徴とする上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(8)に記載する発明によれば、画面上で、模擬対象となる疾患を選択可能なので、診断用心臓電気刺激装置に不慣れな経験の浅い医療従事者でも、簡単に疾患を選んで、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対して生体心臓が発生することが期待される応答を模擬した心電図を、画像情報として容易に得ることができ、トレーニング効果を高めることができるという優れた効果を奏する。
(9)本発明は、前記画像生成部が生成する前記表示画像情報には、前記心内心電図表示区域に表示される前記模擬心内心電信号が、どのような疾患に関わる信号であるかという回答を操作者が入力するための回答表示区域と、前記回答の正否を表示するトレーニング結果表示区域とを含むことを特徴とする上記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(9)に記載する発明によれば、現実の臨床データ等を用いて、擬似的に電気刺激に対する生体心臓の応答である心電信号が得られるので、生体を使わずに安全にトレーニングが可能になり、診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーションに不慣れな経験の浅い医療従事者が操作方法を取得しやすくなり、また電気生理学検査を素早く理解できるようになるという極めて優れた効果を奏する。
(10)本発明は、上記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを用いて、当該システムに記憶されている難治性頻脈性不整脈のうち、治療候補患者の病態に近い不整脈の心電信号データから、操作者の心内心電の解読技術を向上させ、治療すべき病変部の位置と、焼灼条件と、焼灼方法を習得させ、誤焼灼すると後戻りできない治療のリスクを極小化させる、難治性頻脈性不整脈処置トレーニング方法を提供する。
上記(10)に記載する発明によれば、診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーションに不慣れな経験の浅い医療従事者が的確な操作方法を取得しやすくなるという優れた効果を奏する。
本発明に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムによれば、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対する生体の心臓の反応が、電気生理学に従って模擬されるので、生体心臓を用いなくても臨床データに基づいた心電信号が模擬的に得られる。そのため安全、且つ、容易に、アブレーション装置や診断用心臓電気刺激装置の操作トレーニング、及び、電気生理学的検査結果の分析のトレーニングが可能になるという極めて優れた効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムの説明図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの構成図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの機能ブロック図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの詳細構成図である。 本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムの構成図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの機能ブロック図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの詳細構成図である。 心電電気生理手技シュミレーションシステムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第三実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムの詳細構成図である。 ディスプレイに表示される心内心電図の説明図である。 本発明の第三実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムの動作を説明するフローチャートである。 電極カテーテルによる電気生理学的検査の説明図である。 アブレーション装置による治療の説明図である。
以下、本考案の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図11は発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。なお、各図において一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
図1は、心電電気生理手技シュミレーションシステム1の説明図である。被検査者(患者)の生体心臓90内に電極カテーテル(多電極の電気生理学的検査カテーテル)80(図12参照)が挿入され、電気生理学的検査が行われる場面を想定する。心電電気生理手技シュミレーションシステム1は不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20を備える。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、アブレーション装置10と、診断用心臓電気刺激装置15に接続される。アブレーション装置10は、例えば高周波電流を、所望の心筋部位に与えて焼灼する経皮的カテーテル心筋焼灼術をおこなうための、いわゆるRFアブレーションカテーテルである。また診断用心臓電気刺激装置15は、心臓内に留置した電極カテーテルによって、心臓内壁における各部位の電位変化の測定をおこなう心内電位記録装置を備える。心電電気生理手技シュミレーションシステム1と、アブレーション装置10や、診断用心臓電気刺激装置15は、通常の手技で用いられるアナログケーブルで接続される。診断用心臓電気刺激装置15の出力端子は、実診断用電気刺激受信端子62と接続される。実診断用電気刺激受信端子62は、通常の電気生理学的検査の手技において用いられる、例えば0〜20Vの電圧、0〜30mVの電流、パルス幅0.5〜10msecの電気パルス信号を入力される。また、心電電気生理手技シュミレーションシステム1の実診断用電気刺激応答端子72は、診断用心臓電気刺激装置15の入力端子が接続される。実診断用電気刺激応答端子72は、後述する心電信号データに係るアナログ信号を出力する。
不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20は、高速大容量のデータ通信をおこなうために、例えばLAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)ケーブルで接続される。
なおアブレーション装置10は、いわゆる冷凍焼灼術をおこなうためのクライオアブレーション装置であっても良い。
図2は、本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1の構成図である。心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20を備え、不整脈シミュレータ5は電子計算機を含んで構成され、記憶部40と、心電電気生理手技シュミレーションシステム1について全体の制御をする制御部25と、診断用心臓電気刺激装置15からの電気刺激信号を入力してデータとするための診断用心臓電気刺激装置用入力I/F(インターフェース)30と、診断用心臓電気刺激装置15への出力をするための診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置10からの電気刺激信号を入力してデータとするためのアブレーション装置用入力I/F35がバス50に接続される。
制御部25は、CPU26、RAM27およびROM28などから構成され、各種制御を実行する。CPU26はいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAM27はCPU26の作業領域、記憶領域として使用され、ROM28はCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
なお本実施形態において記憶部40は不整脈シミュレータ5内に設けたが、パーソナルコンピュータ20内の記憶装置、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)であっても良い。
記憶部40は、各種プログラム等を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクやSSDである。記憶部40は、記憶領域として、患者の心電信号のデータである心電信号データを記憶する心電信号データ記憶領域240と、プログラム等を記憶するプログラム等記憶領域250を有する。
パーソナルコンピュータ20は、ディスプレイ60を備え、心電信号データに係る心電図を表示する。
本第一実施形態における心電信号は、主として電極カテーテル80によって測定される心臓内の電位である心内心電についての心内心電信号データであるが、体表心電信号についてのデータである体表心電信号データが含まれていても良い。
図3は、心電電気生理手技シュミレーションシステム1において制御部25やパーソナルコンピュータ20の制御部(図示省略)によって実現される機能についての機能ブロック図である。心電電気生理手技シュミレーションシステム1の制御部25によって実現されるのは、次に挙げる機能である。
電気刺激受付処理機能260は、患者の心臓に与える電気刺激についての情報である電気刺激情報を受け付ける機能である。心電信号出力機能270は、心電信号データを経時的に出力する機能である。応答演算処理機能280は、電気刺激情報に基づき、患者の心臓を模擬して、心電信号データの変化応答を演算し、心電信号データを更新する機能である。また、診断用心臓電気刺激装置15により、仮想的に電気刺激される心臓内の部位と、電気刺激のタイミングと、電気刺激の周期と、電気刺激のパルス幅と、電気刺激の電圧値と、電気刺激の電流値をパラメータとして含む電気刺激に関するパラメータの集合を、パラメータ群と定義するとき、パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から診断用電気刺激の有効性を判定する診断用電気刺激判定機能と、パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定機能と、診断用電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の診断用電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定機能を、制御部25はさらに実現する。
なお診断用電気刺激とは、回復可能で一時的影響を心臓に与える検査刺激である。
電気刺激模擬機能290は、電気刺激情報を模擬して生成する。電気刺激模擬機能が生成する模擬電気刺激情報は、電気刺激の強度を示す刺激強度情報を含み、刺激強度情報は、回復可能で一時的影響を与える電気検査刺激の強度に相当する情報から、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激の強度に相当する情報まで、可変に調整される。
解析機能300は、電気刺激情報に基づいて、心電信号データを解析することで、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度と、焼灼後の心電信号データを求める機能である。心電電気生理手技ガイダンス機能310は、最適な心電電気生理手技手順を案内する機能である。画像生成機能320は、操作者がおこなう入力操作により、模擬される所定の疾患が複数の疾患から選択されるディスプレイに表示される表示画像情報を生成する機能であり、表示画像情報には、模擬される所定の疾患を複数の疾患から選択する選択情報が表示される選択情報表示区域と、心電信号データに基づく心電図が表示される心電図表示区域を含む。
なお上記の機能は、記録装置40のプログラム等記憶領域250に記憶されたプログラムを制御部25が実行し、ハードウェアが協働することで、それぞれ後述する、電気刺激受付処理部265と、心電信号出力部275と、応答演算処理部285と、診断用電気刺激判定部286と、興奮伝導経路判定部287と、伝導ブロック判定部288と、電気刺激模擬機能290と、電気刺激模擬部295と、解析部305と、心電電気生理手技ガイダンス機能310と、画像生成部325を実現される(図4参照)。
図4には、心電電気生理手技シュミレーションシステム1の詳細構成図を示す。心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、電子計算機を含んで構成され、患者の心電信号のデータである心電信号データを記憶する心電信号データ記憶領域(図2参照)と、患者の心臓に与える電気刺激についての情報である電気刺激情報を受け付ける電気刺激受付処理部265と、電気刺激情報に基づき、患者の心臓を模擬して、心電信号データの変化応答を演算し、心電信号データを更新する応答演算処理部286と、心電信号データを経時的に出力する心電信号出力部275を備える。ここで心電信号データは、多電極の電気生理学的検査カテーテルで患者から測定される実際の心内心電信号のデータである実心内心電信号データである。心電信号データは、多電極の電気生理学的検査カテーテルで様々な疾患の不整脈の患者から予め測定された典型的な心内心電信号データである典型心内心電信号データ、及び/又は、様々な疾患の不整脈に係る心電信号を模擬する心電シミュレータからの出力である模擬心電信号データであってもよい。電気刺激とは、回復可能で一時的影響を心臓に与える検査刺激、及び/又は、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激である。
診断用心臓電気刺激装置15により、仮想的に電気刺激される心臓内の部位と、電気刺激のタイミングと、電気刺激の周期と、電気刺激のパルス幅と、電気刺激の電圧値と、電気刺激の電流値をパラメータとして含む電気刺激に関するパラメータの集合を、パラメータ群と定義するとき、パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から診断用電気刺激の有効性を判定する診断用電気刺激判定部286と、パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定部287と、診断用電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の診断用電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定部288を、不整脈シミュレータ5は、更に備える。
また電気刺激情報を模擬して生成する電気刺激模擬部295を備え、電気刺激模擬部295が生成する模擬電気刺激情報は、電気刺激の強度を示す刺激強度情報を含み、刺激強度情報は、回復可能で一時的影響を与える電気検査刺激の強度に相当する情報から、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激の強度に相当する情報まで、可変に調整される。
また心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、電気刺激情報に基づいて、前記心電信号データを解析することで、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度と、焼灼後の心電信号データを求める解析部305を更に備え、最適な心電電気生理手技手順を案内する心電電気生理手技ガイダンス部を有する。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、さらに、診断用心臓電気刺激装置15の出力端子と電気的に接続されて、診断用心臓電気刺激装置15から、実際の手技時と同等の診断用電気刺激を受け付ける実診断用電気刺激受信端子と、実診断用電気刺激受信端子によって受け付けた診断用電気刺激をデジタル情報に変換して練習時診断用電気刺激情報を生成し、電気刺激受付処理部265に送信するアナログデジタル変換装置を備える。すなわち診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30は、実診断用電気刺激受信端子と、アナログデジタル変換装置を備える。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、心電信号データを、生体心臓90が実際に出力する電気的応答に相当するアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換装置と、診断用心臓電気刺激装置15の入力端子と電気的に接続されて、診断用心臓電気刺激装置15に対して、電気的応答を出力する実診断用電気刺激応答端子を備える。すなわち診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32は、デジタルアナログ変換装置と、実診断用電気刺激応答端子を備える。
なお図示は省略するが、アブレーション装置10と、診断用心臓電気刺激装置15は、装置によって入出力の規格が異なるため、装置に合わせた入出力が可能なように、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35は、それぞれ入出力を規格化し調整する機能を有する。また画像生成部325は、心電信号データ記憶領域(図2参照)に記憶された多電極の電気生理学的検査カテーテルで様々な疾患の不整脈の患者から予め測定された典型的な心内心電信号データである典型心内心電信号データをデータ合成部(図示省略)が合成して作成したデータを用いて、実際の心電信号に近い波形画像を生成することが望ましい。
パーソナルコンピュータ20は、操作者がおこなう入力操作により、模擬される所定の疾患が複数の疾患から選択されるディスプレイ60と、ディスプレイ60に表示される表示画像情報を生成する画像生成部325をさらに有し、画像生成部325が生成する表示画像情報には、模擬される所定の疾患を前記複数の疾患から選択する選択情報が表示される選択情報表示区域と、心電信号データに基づく心電図が表示される心電図表示区域を含む。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、患者から取得される生体心臓の心電信号データを利用して、電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、例えば診断用心臓電気刺激装置15やアブレーション装置10が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、診断用心臓電気刺激装置15やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置10に対する生体心臓の応答として、患者から実際に取得する実心内心電信号を利用して、心内心電信号を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、診断用心臓電気刺激装置15やアブレーション装置10が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、臨床における術前に十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、実際の臨床の現場において不整脈の原因を特定する際に用いる診断用心臓電気刺激装置の生成する電気刺激について、電気生理学に従った条件を用いてその電気刺激の効果を判定することができるので、生体心臓の応答を正確に模擬することができるという顕著な効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、様々な心臓疾患について患者から取得した心内心電信号のデータや、心電シミュレータが模擬して生成した心電信号のデータを利用して、電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬できるので、操作者は疾患に応じた電気生理学的に的確な応答を観察しながら、手技のトレーニングを行うことができるという優れた効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、診断用心臓電気刺激装置15やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置10による電気刺激に対する生体心臓の応答を模擬できるので、生体心臓を用いなくても、診断用心臓電気刺激装置15やアブレーション装置10による手技をシミュレートすることができるという優れた効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、様々な強度の電気刺激を模擬することができるので、電気生理学的検査に使用する診断用電気刺激装置15、すなわち、いわゆるスティムレータから、高周波により心筋を凝固させて必要の無い伝導路を遮断するカテーテルアブレーション装置10まで模擬することのできる心電電気生理手技シュミレーションシステムを実現できるという優れた効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、患者の生体心臓を使用せずに、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度を推定でき、最適な手技手順の案内がされるので、事前に手技シミュレーションを行うことにより、最終的には臨床上のアブレーション手技を安全に効率化することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、画面上で、模擬対象となる疾患を選択可能なので、診断用心臓電気刺激装置15に不慣れな経験の浅い医療従事者でも、簡単に疾患を選んで、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対して生体心臓が発生することが期待される応答を模擬した心電図を、画像情報として容易に得ることができ、トレーニング効果を高めることができるという優れた効果を奏する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1の構成図である。心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、不整脈シミュレータ5と、パーソナルコンピュータ20を備え、不整脈シミュレータ5は、制御部25と、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35と、記憶部40を備え、バス50を通じてそれぞれの装置が接続される。心電電気生理手技シュミレーションシステム1と診断用心臓電気刺激装置15は診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30、及び、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32を介して接続され、心電電気生理手技シュミレーションシステム1とアブレーション装置10はアブレーション装置用入力I/F35を介して接続される。
制御部25は、CPU26、RAM27およびROM28などから構成され、各種制御を実行する。CPU26はいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAM27はCPU26の作業領域、記憶領域として使用され、ROM28はCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
なお本実施形態において記憶部40は不整脈シミュレータ5内に設けたが、パーソナルコンピュータ20内の記憶装置、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)であっても良い。
記憶部40は、各種プログラム等を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクやSSDである。記憶部40は、記憶領域として、実心内心電信号記憶領域42と、練習履歴記憶領域44と、典型データ記憶領域46と、プログラム等記憶領域48を備える。実心内心電信号記憶領域42は、電極カテーテル80により患者から取得される生体心臓90の実際の心内心電信号データである実心内心電信号データを格納する。練習履歴記憶領域44は、後述する練習操作受付処理部が受け付けた、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置15が生成し得る練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置10が生成し得る練習時アブレーション情報を格納する。典型データ記憶領域46は、生体における複数の疾患について、それぞれの疾患で生じる典型的な心内心電信号の情報である典型的実心内心電信号データ、および、過去の臨床例に基づいて典型的実心内心電信号データに紐付けられたパラメータ群のうち少なくとも一つのパラメータについての条件を記憶、格納する。そしてプログラム等記憶領域48は、心電電気生理手技シュミレーションシステム1全体の制御に係るプログラム等を格納する。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35を備える。アブレーション装置10と、診断用心臓電気刺激装置15は、装置によって入出力の規格が異なるため、装置に合わせた入出力が可能なように、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35は、それぞれ入出力を規格化し調整する機能を有する。
パーソナルコンピュータ20は、ディスプレイ60を備え、後述する練習用心内心電信号データに係る心内心電図を表示する。
図6は、心電電気生理手技シュミレーションシステム1において制御部25やパーソナルコンピュータ20の制御部(図示省略)によって実現される機能についての機能ブロック図である。心電電気生理手技シュミレーションシステム1の制御部25によって実現されるのは、次に挙げる機能である。練習用心内心電信号データ生成処理機能130は、
電極カテーテル80により患者から取得される生体心臓90の実心内心電信号データを利用して、練習用心内心電信号データを生成する。練習操作受付処理機能135は、患者の実際の生体心臓80を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置15が生成し得る練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置10が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける。応答演算処理機能140は、練習操作受付処理機能135によって受け付けられた、練習時診断用電気刺激情報、および/または、練習時アブレーション情報に基づいて、練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、練習用心内心電信号データを更新する。心電信号出力部である練習用心内心電信号出力機能142は、練習用心内心電信号データを経時的に出力する。後述する練習時診断用電気刺激判定機能145は、練習時診断用電気刺激の有効性を判定する。後述する興奮伝導経路判定機能150は、興奮伝導経路を選択する。伝導ブロック判定機能155は、電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、練習時診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する。生体における複数の疾患について、それぞれの疾患で生じる典型的な心内心電信号の情報である典型的実心内心電信号データと定義するとき、データ合成機能160は、練習用心内心電信号データを典型的実心内心電信号データから合成する。画像生成機能165は、ディスプレイ60に表示される表示画像情報を生成する。練習手技良否判定処理機能170は、応答演算処理機能140によって更新される練習用心内心電信号データが、適正か否かを判定する。
上記の機能は、記録装置40のプログラム等記録領域48に記憶されたプログラム
を制御部25が実行し、ハードウェアが協働することで、それぞれ後述する、練習用心内心電信号データ生成処理部66と、練習操作受付処理部74と、応答演算処理機能部76と、練習用心内心電信号出力部68と、練習時診断用電気刺激判定部82と、興奮伝導経路判定部84と、伝導ブロック判定部86と、データ合成部75と、画像生成部79と、練習手技良否判定処理部78を実現する(図7および図9参照)。
図7は、心電電気生理手技シュミレーションシステム1の詳細構成図である。心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20を備える。不整脈シミュレータ5は、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35と、練習操作受付処理部74と、応答演算処理部76と、練習時診断用電気刺激判定部82(図示省略)と、興奮伝導経路判定部84(図示省略)と、伝導ブロック判定部86(図示省略)、記憶部40(図示省略)と、練習用心内心電信号データ生成処理部66と、データ合成部75と、応答演算処理部76と、練習手技良否判定処理部78と、練習用心内心電信号出力部68を有する。記憶部40は、実心内心電信号記憶領域42(図示省略)と、練習履歴記憶領域44(図示省略)と、典型データ記憶領域46(図示省略)と、プログラム等記憶領域48(図示省略)を有する。
すなわち、心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、電子計算機を含んで構成され、電子計算機は、電極カテーテル80により患者から取得される生体心臓90の実心内心電信号データを格納する実心内心電信号記憶領域42と、実心内心電信号データを利用して、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理部66と、練習用心内心電信号データを経時的に出力する練習用心内心電信号出力部68と、患者の実際の生体心臓90を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置15が生成し得る練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置10が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける、練習操作受付処理部74と、練習操作受付処理部74によって受け付けられた、練習時診断用電気刺激情報、および/または、練習時アブレーション情報に基づいて、練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理部76を備える。
なお本第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、前述の第一実施形態に記載した診断用電気刺激判定機能282と、興奮伝導経路判定機能283と、伝導ブロック判定機能284を備えることが望ましい。
また生体における複数の疾患について、それぞれの疾患で生じる典型的な心内心電信号の情報である典型的実心内心電信号データと定義するとき、データ合成部75は、練習用心内心電信号データを典型的実心内心電信号データから合成する。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、さらに、診断用心臓電気刺激装置15の出力端子と電気的に接続されて、診断用心臓電気刺激装置15から、実際の手技時と同等の診断用電気刺激を受け付ける実診断用電気刺激受信端子と、実診断用電気刺激受信端子によって受け付けた診断用電気刺激をデジタル情報に変換して練習時診断用電気刺激情報を生成し、練習用操作受付処理部74に送信するアナログデジタル変換装置を備える。すなわち診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30は、実診断用電気刺激受信端子と、アナログデジタル変換装置を備える。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、練習用心内心電信号データを、生体心臓90が実際に出力する電気的応答に相当するアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換装置と、診断用心臓電気刺激装置15の入力端子と電気的に接続されて、診断用心臓電気刺激装置15に対して、電気的応答を出力する実診断用電気刺激応答端子を備える。すなわち診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32は、デジタルアナログ変換装置と、実診断用電気刺激応答端子を備える。
なお図示は省略するが、アブレーション装置10と、診断用心臓電気刺激装置15は、装置によって入出力の規格が異なるため、装置に合わせた入出力が可能なように、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30と、診断用心臓電気刺激装置用出力I/F32と、アブレーション装置用入力I/F35は、それぞれ入出力を規格化し調整する機能を有する。
また心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、パーソナルコンピュータ20は画像生成部79と、ディスプレイ60を備える。
心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、応答演算処理部76によって更新される練習用心内心電信号データが、適正か否かを判定する、練習手技良否判定処理部78を備える。また練習操作受付処理部74が受け付けた練習時診断用電気刺激情報、および/または、練習時アブレーション情報を格納する練習履歴記憶領域44を備える。さらに練習履歴記憶領域44に格納された練習時診断用電気刺激情報、および/または、練習時アブレーション情報を、臨床時の操作案内情報としてディスプレイ60に表示する出力装置(図示省略)を備える。
次に、上記した本第二実施形態の動作を説明する。
図8に、心電電気生理手技シュミレーションシステム1の動作を説明するフローチャートを示す。
まず画像生成部79は、電極カテーテル80により患者から取得される生体心臓90の実心内心電信号データを用いてディスプレイ60の心内心電図表示区域100に心内心電図を表示する(ステップS1)。次に操作者が診断用心臓電気刺激装置15を操作することで、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30から練習時診断用電気刺激を入力する(ステップS2)。すなわち、回復可能で一時的影響を与える電気刺激である検査刺激を模擬心臓に与える。次に心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、模擬した疾患の心内心電信号データについての情報、例えば模擬した疾患由来の頻拍を起こす条件を、練習時診断用電気刺激が満たすかどうか等について応答演算処理部76が判定して、練習用心内心電信号データを更新し、心内心電表示区域100に表示する(ステップS3)。例えば、練習時診断用電気刺激が頻拍の条件を満たすならば、操作者は、疾患の原因が特定できるのでアブレーション装置10を操作して、アブレーション装置用入力I/F35から練習時アブレーション電流を臨床上適切と考えられる部位に与える処置を模擬して入力する(ステップS4)。そして練習手技良否判定処理部78が、練習手技良否判定処理をおこなう(ステップS5)。練習手技が良好であれば、心内心電図表示区域100に正常洞調律時の心内心電図を表示する(ステップS6)。練習手技が良好でない、例えば、焼灼のために必要な電流が、適切な部位に与えられ得なかった場合には、応答演算処理部76が判定して、練習用心内心電信号データを更新し、心内心電表示区域100に表示する(ステップS3)。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1は次のような効果を奏する。
すなわち、本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、患者から取得される生体心臓90の実心内心電信号データを利用して、模擬心内心電信号である練習用心内心電信号データを生成することができ、さらに診断用心臓電気刺激装置15やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置10に対する生体心臓90の応答を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓90を用いること無しに、患者固有の情報から診断用心臓電気刺激装置15やアブレーション装置10が生体心臓90に及ぼし得る効果を、術前に推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、医療従事者が本システムを用いてトレーニングとしておこなった診断用心臓電気刺激装置15やアブレーション装置10の操作が、適切なものであったかどうか、練習用心内心電信号データの結果を見て判定する練習手技良否判定処理部78を備えるので、トレーニング効果を向上させることができ、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、
練習時におこなった操作を制御部25の練習履歴記憶領域44に記憶することができるので、医療従事者が練習時に行った間違った操作や、優れた手順を振り返ることができるため、トレーニング効果を向上させ、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、練習時におこなった操作を臨床時の操作案内情報としてディスプレイ60に表示して、実際の手技をおこなうときに参考にすることができるので、医療従事者が練習時に行った優れた手順を踏襲可能となり、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、実際に臨床で使用される診断用心臓電気刺激装置15とアブレーション装置10を操作しながら、電気生理学に基づいて適切に模擬された心内心電信号である練習用心内心電信号データを参照できるので、患者の生体心臓を扱うことなく、診断用心臓電気刺激装置15の操作、および、アブレーション装置10の手技のトレーニングをすることができるという顕著な効果を奏し得る。
本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、実際に臨床で使用される診断用心臓電気刺激装置15に、電気生理学に従って適切に生体心臓を模擬した練習用心内心電信号データを、生体心臓90が実際に出力する電気的応答に相当するアナログ信号に変換して送ることができるので、診断用心臓電気刺激装置15のディスプレイ(図示省略)上にも、実際の手技のときに参照する心内心電図を模擬できる。したがって患者の生体心臓90を扱うことなく、記診断用心臓電気刺激装置15の操作、および、アブレーション装置10の手技のトレーニングを的確に行うことができるという顕著な効果を奏し得る。
すなわち、本発明の第二実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1によれば、健常者、代表的不整脈患者の電気生理学的検査により取得される心内心電情報を用いて、患者の生体心臓を使用すること無く、診断用心臓電気刺激装置15による検査と、アブレーション装置10によるカテーテルアブレーション(例えば焼灼)の模擬操作が可能になるため、これまでにないトレーニングシステム、シミュレーティングシステムが実現するという極めて顕著な効果を奏し得る。
なお、本第二実施形態においては、不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20は別体として表現したが、一体であっても良い。すなわち不整脈シミュレータ5が、画像生成部79とディスプレイ60を備えて良い。また記憶部40についても、不整脈シミュレータ5が備えても、パーソナルコンピュータ20が有しても良い。
図9に、本発明の第三実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1の詳細構成図を示す。第二実施形態との違いは、アブレーション装置10との接続が想定されていない点である。すなわち、本発明の第三実施形態に係る心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、電子計算機を含んで構成され、電子計算機は、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理部66と、練習用心内心電信号データを経時的に出力する練習用心内心電信号出力部68と、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、疾患を特定するための診断用心臓電気刺激装置15が生成し得る練習時診断用電気刺激情報の入力を受け付ける練習操作受付処理部74と、練習操作受付処理部74によって受け付けられた、練習時診断用電気刺激情報74の変化応答を演算して、練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理部76を備える。他の構成は第二実施形態と同様なので説明を省略する。
図10には、AVNRT(SF)(房室結節リエントリー頻拍Slow―Fast型)を操作者が選択情報表示区域110で選択した際の画像を示す。選択された疾患の表示区域112に、模擬されている疾患名が表示される。操作者が診断用心臓電気刺激装置15を操作して診断用電気刺激を発生させると、その電気刺激の性質(パラメータ)に基づいて、不整脈シミュレータ5が、選択された疾患を有する心臓の応答を模擬し、データ合成部75で練習用心内心電信号データを合成する。そして練習用心内心電信号データから、画像生成部79により画像が生成され、心内心電図表示区域100に表示される、診断用電気刺激に基づく練習用心内心電信号データを経時的に表した図、すなわち心内心電図を生成する。もちろんディスプレイ60は、心内心電図だけでなく、体表心電図を含めて表示しても良い・
本実施形態において心電電気生理手技シュミレーションシステム1は、不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20によって構成されるが、不整脈シミュレータ5とパーソナルコンピュータ20は一体のものであっても良い。画像生成部79をパーソナルコンピュータ20内に置いたが、不整脈シミュレータ5内としても良い。不整脈シミュレータ5とディスプレイ60は、VGAケーブルやHDMI(登録商標)ケーブル等で接続しても良い。応答演算処理部76を不整脈シミュレータ5内としたが、パーソナルコンピュータ20内に置いても良い。また心内心電図の表示を、パーソナルコンピュータ20のディスプレイ60の他、診断用心臓電気刺激装置15の表示部(図示省略)でも行うために、不整脈シミュレータ5の練習用心内心電信号出力部68からの出力は、診断用心臓電気刺激装置15に接続したが、いわゆるポリグラフシステム等の生体モニターへ出力してもよい。もちろん診断用心臓電気刺激装置15と不整脈シミュレーティングシステム5が一体であっても良いことは言うまでもない。
次に、上記した本第三実施形態の動作を説明する。
図11に心電電気生理手技シュミレーションシステム1の動作を説明するフローチャートを示す。
まず心電電気生理手技シュミレーションシステム1の画像生成部60は、記憶部40の典型データ記憶領域46から、例えば正常洞調律時の心内心電信号の波形を読み出し、ディスプレイ60の心内心電図表示区域100に正常洞調律時の心内心電図を表示する(ステップT1)。次に操作者がディスプレイ60に表示された選択情報表示区域110で選択された模擬すべき疾患の典型波形についての情報を典型データ記憶領域46から読み込む(ステップT2)。そしてデータ合成部75が練習用心内心電信号データを合成する(ステップT3)。練習操作受付処理部74が、診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30から入力された練習用電気刺激から練習用電気刺激情報を受け付ける(ステップT4)。
そして応答演算処理部76と、練習時診断用電気刺激判定部82と、興奮伝導経路判定部84と、伝導ブロック判定部86が、練習時診断用電気刺激が、模擬すべき疾患由来の頻拍を起こす条件を、入力された練習用電気刺激情報が満たすかどうか判定し、応答演算処理部76等が練習用心内心電信号データを更新する(ステップT5)。頻拍の条件を満たさないならば、ディスプレイ60には、心内心電図表示区域100に正常洞調律時の心内心電図を表示し続け、新たに診断用電気刺激が診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30から入力されるのを待つ(ステップT4に戻る)。例えば頻拍の条件を満たすならば、データ合成部75は、典型データ記憶領域46から読み込んだ典型波形から頻拍を表す練習用心内心電信号を合成し、さらに合成された練習用心内心電信号データを用いて画像生成部79が、表示画像情報を生成し、ディスプレイ60に表示される心内心電図表示区域100に模擬された疾患に伴う頻拍を含むさらに合成された練習用心内心電信号データを用いて画像生成部79が、表示画像情報を生成し、ディスプレイ60に表示される心内心電図表示区域100に模擬された疾患に伴う典型波形を含む模擬心内心電図を表示する(ステップT7)。診断用心臓電気刺激装置用入力I/F30から入力する診断用電気刺激の条件をさらに変化させる場合には、練習用心内心電信号データを合成するステップ(ステップT2)に戻り、変化させない場合には終了する(ステップT8のNOの場合)。
上記、第二実施形態と第三実施形態の特徴をまとめると次の通りである。
(1)電子計算機を含んで構成され、前記電子計算機は、電極カテーテルにより患者から取得される生体心臓の実心内心電信号データを格納する実心内心電信号記憶領域と、前記実心内心電信号データを利用して、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理部と、前記練習用心内心電信号データを経時的に出力する心電信号出力部である練習用心内心電信号出力部と、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、疾患を診断するための診断用心臓電気刺激装置が生成し得る練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける、練習操作受付処理部と、前記練習操作受付処理部によって受け付けられた、前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報に基づいて、前記練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、前記練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理部と、を備えることを特徴とする心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(1)に記載する発明によれば、患者から取得される生体心臓の実心内心電信号データを利用して、模擬心内心電信号である練習用心内心電信号データを生成することができ、さらに診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置に対する生体心臓の応答を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、患者固有の情報から診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
(2)電子計算機を含んで構成され、前記電子計算機は、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理部と、前記練習用心内心電信号データを経時的に出力する練習用心内心電信号出力部と、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置が生成し得る練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける、練習操作受付処理部と、前記練習操作受付処理部によって受け付けられた、前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報に基づいて、前記練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、前記練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理部と、を備えることを特徴とする心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(2)に記載する発明によれば、模擬心内心電信号である練習用心内心電信号データを生成することができ、さらに診断用心臓電気刺激装置やカテーテルアブレーション用のアブレーション装置に対する生体心臓の応答を模擬することができる。したがって患者の実際の生体心臓を用いること無しに、診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置が生体心臓に及ぼし得る効果を、推定することができる。医療従事者としては、患者に危害を及ぼさずに、臨床における術前に十分なトレーニングをおこなえるようになるため、手技のレベルが上がって安全になり、且つ、確実な治療効果をあげることができるようになるという極めて顕著な効果を奏し得る。
(3)前記応答演算処理部によって更新される前記練習用心内心電信号データが、適正か否かを判定する、練習手技良否判定処理部を備える事を特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(3)に記載する発明によれば、医療従事者が本システムを用いてトレーニングとしておこなった診断用心臓電気刺激装置やアブレーション装置の操作が、適切なものであったかどうか、練習用心内心電信号データの結果を見て判定する練習手技良否判定処理部を備えるので、トレーニング効果を向上させることができ、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
(4)前記練習操作受付処理部が受け付けた前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報を格納する練習履歴記憶領域を備えることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(4)に記載する発明によれば、練習時におこなった操作を記憶することができるので、医療従事者が練習時に行った間違った操作や、優れた手順を振り返ることができるため、トレーニング効果を向上させ、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
(5)前記練習履歴記憶領域に格納された前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報を、臨床時の操作案内情報としてディスプレイに表示する出力装置を備えることを特徴とする上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(5)に記載する発明によれば、練習時におこなった操作を臨床時の操作案内情報としてディスプレイに表示して、実際の手技をおこなうときに参考にすることができるので、医療従事者が練習時に行った優れた手順を踏襲可能となり、結果として医療従事者の実際の手技の安全性を高める効果を奏し得る。
(6)診断用心臓電気刺激装置の出力端子と電気的に接続されて、前記診断用心臓電気刺激装置から、実際の手技時と同等の診断用電気刺激を受け付ける実診断用電気刺激受信端子と、前記実診断用電気刺激受信端子によって受け付けた前記診断用電気刺激をデジタル情報に変換して前記練習時診断用電気刺激情報を生成し、前記練習用操作受付処理部に送信するアナログデジタル変換装置と、を備えることを特徴とする上記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(6)に記載する発明によれば、実際に臨床で使用される診断用心臓電気刺激装置を操作して、電気生理学に基づいて適切に模擬された心内心電信号である練習用心内心電信号データを参照できるので、患者の生体心臓を扱うことなく、診断用心臓電気刺激装置の操作、および、アブレーション装置の手技のトレーニングをすることができるという顕著な効果を奏し得る。
(7)前記練習用心内心電信号データを、生体心臓が実際に出力する電気的応答に相当するアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換装置と、診断用心臓電気刺激装置の入力端子と電気的に接続されて、前記診断用心臓電気刺激装置に対して、前記電気的応答を出力する実診断用電気刺激応答端子とを備えることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを提供する。
上記(7)に記載する発明によれば、実際に臨床で使用される診断用心臓電気刺激装置に、電気生理学に従って適切に生体心臓を模擬した練習用心内心電信号データを、生体心臓が実際に出力する電気的応答に相当するアナログ信号に変換して送ることができるので、診断用心臓電気刺激装置のディスプレイ上に、実際の手技のときに参照する心内心電図を模擬できる。したがって患者の生体心臓を扱うことなく、診断用心臓電気刺激装置の操作、および、アブレーション装置の手技のトレーニングを的確に行うことができるという顕著な効果を奏し得る。
(8)練習時診断用電気刺激により、仮想的に電気刺激される生体心臓内の部位と、前記練習時診断用電気刺激のタイミングと、前記練習時診断用電気刺激の周期と、前記練習時診断用電気刺激のパルス幅と、前記練習時診断用電気刺激の電圧値と、前記練習時診断用電気刺激の電流値をパラメータとして含む、前記練習時診断用電気刺激に関するパラメータの集合を、パラメータ群と定義するとき、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から前記練習時診断用電気刺激の有効性を判定する練習時診断用電気刺激判定部と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定部と、電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、前記練習時診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定部とを備えることを特徴とする上記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(8)に記載する発明によれば、実際の臨床の現場において不整脈の原因を特定する際に用いる診断用心臓電気刺激装置の生成する電気刺激について、電気生理学に従った条件を用いてその電気刺激の効果を判定することができるので、生体心臓の応答を正確に模擬することができるという顕著な効果を奏し得る。
(9)生体における複数の疾患について、それぞれの疾患で生じる典型的な心内心電信号の情報である典型的実心内心電信号データ、および、過去の臨床例に基づいて該典型的実心内心電信号データに紐付けられた前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件を記憶する典型データ記憶領域と、前記練習用心内心電信号データを前記典型的実心内心電信号データから合成するデータ合成部とを、さらに備えることを特徴とする上記(8)に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(9)に記載する発明によれば、生体における複数の疾患について、過去の臨床例から得られた心内心電信号の情報と、診断用心臓電気刺激装置が発生する電気刺激のパラメータについて、過去の臨床例から得られた心内心電信号の情報に紐付けられた条件を用いることができ、また臨床の現場で得られたそれぞれの疾患で生じる典型的実心内心電信号データから練習用心内心電信号データを合成できるので、実際の生体の応答と類似した模擬心内心電信号を観察しながら医療従事者が術前トレーニングをすることができるという極めて優れた効果を奏する。
(10)操作者がおこなう入力操作により、模擬される所定の疾患が前記複数の疾患から選択されるディスプレイと、前記ディスプレイに表示される表示画像情報を生成する画像生成部をさらに有し、前記画像生成部が生成する前記表示画像情報には、前記模擬される所定の疾患を前記複数の疾患から選択する選択情報が表示される選択情報表示区域と、前記データ合成部で合成された前記練習用心内心電信号データに基づく練習時心内心電図が表示される心内心電図表示区域を含むことを特徴とする請求項9に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
上記(10)に記載する発明によれば、画面上で、模擬対象となる疾患を選択可能なので、診断用心臓電気刺激装置に不慣れな経験の浅い医療従事者でも、簡単に疾患を選んで、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対して生体心臓が発生することが期待される応答を模擬した心内心電図を、画像情報として容易に得ることができ、トレーニング効果を高めるという優れた効果を奏する。
(11)練習時診断用電気刺激により、仮想的に電気刺激をする生体心臓内の部位と、練習時診断用電気刺激のタイミングと、練習時診断用電気刺激の周期と、練習時診断用電気刺激の電圧値と、練習時診断用電気刺激の電流値をパラメータとして含むパラメータの集合を、練習時診断用電気刺激のパラメータ群と定義するとき、電極カテーテルにより患者から取得される生体心臓の実心内心電信号データを格納する実心内心電信号記憶機能と、前記実心内心電信号データを利用して、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理機能と、前記練習用心内心電信号データを経時的に出力する練習用心内心電信号出力機能と、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置が生成し得る練習時診断用電気刺激の情報である練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける、練習操作受付処理機能と、前記練習操作受付処理部によって受け付けられた、前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報に基づいて、前記練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、前記練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理機能と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から前記練習時診断用電気刺激の有効性を判定する練習時診断用電気刺激判機能と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定機能と、電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、前記練習時診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定機能と、をコンピュータに実行させるための心電電気生理手技シュミレーションプログラム。
上記(11)に記載する発明によれば、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対する生体の心臓の応答を、患者の心内心電データも用いて、電気生理学的に正確に模擬することができるという、著しく優れた効果を奏する。
(12)本発明は、練習時診断用電気刺激により、仮想的に電気刺激をする生体心臓内の部位と、練習時診断用電気刺激のタイミングと、練習時診断用電気刺激の周期と、練習時診断用電気刺激の電圧値と、練習時診断用電気刺激の電流値をパラメータとして含むパラメータの集合を、練習時診断用電気刺激のパラメータ群と定義するとき、練習用心内心電信号データを生成する練習用心内心電信号データ生成処理機能と、前記練習用心内心電信号データを経時的に出力する練習用心内心電信号出力機能と、患者の実際の生体心臓を用いること無しに、アブレーション部位を特定するための診断用心臓電気刺激装置が生成し得る練習時診断用電気刺激の情報である練習時診断用電気刺激情報、および/または、カテーテルアブレーション用のアブレーション装置が生成し得る練習時アブレーション情報の入力を受け付ける、練習操作受付処理機能と、前記練習操作受付処理部によって受け付けられた、前記練習時診断用電気刺激情報、および/または、前記練習時アブレーション情報に基づいて、前記練習用心内心電信号データの変化応答を演算して、前記練習用心内心電信号データを更新する応答演算処理機能と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から前記練習時診断用電気刺激の有効性を判定する練習時診断用電気刺激判機能と、前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定機能と、電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、前記練習時診断用電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定機能をコンピュータに実行させるための心電電気生理手技シュミレーションプログラム。
上記(12)に記載する発明によれば、診断用心臓電気刺激装置が生成する電気刺激に対する生体の心臓の応答を、電気生理学的に正確に模擬することができるという、著しく優れた効果を奏する。
尚、本発明に係る心電電気生理手技シュミレーションシステムと心電電気生理手技シュミレーションプログラムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 心電電気生理手技シュミレーションシステム
5 不整脈シミュレータ
10 アブレーション装置
15 診断用心臓電気刺激装置
20 パーソナルコンピュータ
25 制御部
26 CPU
27 RAM
28 ROM
30 診断用心臓電気刺激装置用入力I/F
32 診断用心臓電気刺激装置用出力I/F
35 アブレーション装置用入力I/F
40 記憶部
42 実心内心電信号記憶領域
44 練習履歴記憶領域
46 典型データ記憶領域
48 プログラム等記憶領域
50 バス
60 ディスプレイ
62 実診断用電気刺激受信端子
64 アナログデジタル変換装置
66 練習用心内心電信号データ生成処理部
68 練習用心内心電信号出力部
70 デジタルアナログ変換装置
72 実診断用電気刺激応答端子
74 練習操作受付処理部
75 データ合成部
76 応答演算処理部
78 練習手技良否判定処理部
79 画像生成部
80 電極カテーテル
82 練習時診断用電気刺激判定部
84 興奮伝導経路判定部
86 伝導ブロック判定部
90 生体心臓
92 右心房
93 洞房結節
94 右心室
95 房室結節
97 除去部位
100 心内心電表示区域
110 選択情報表示区域
112 選択された疾患名
120 練習用心内心電図
240 心電信号データ記憶領域
250 プログラム等記憶領域
260 電気刺激受付処理機能
265 電気刺激受付処理部
270 心電信号出力機能
275 心電信号出力部
280 応答演算処理機能
285 応答演算処理部
286 診断用電気刺激判定部
287 興奮伝導経路判定部
288 伝導ブロック判定部
290 電気刺激模擬機能
295 電気刺激模擬部
300 解析機能
305 解析部
310 心電電気生理手技ガイダンス機能
315 心電電気生理手技ガイダンス部
320 画像生成機能
325 画像生成部

Claims (10)

  1. 電子計算機を含んで構成され、
    前記電子計算機は、
    患者の心電信号のデータである心電信号データを記憶する心電信号データ記憶領域と、
    患者の心臓に与える電気刺激についての情報である電気刺激情報を受け付ける電気刺激受付処理部と、
    前記電気刺激情報に基づき、患者の心臓を模擬して、前記心電信号データの変化応答を演算し、前記心電信号データを更新する応答演算処理部と、
    前記心電信号データを経時的に出力する心電信号出力部と、
    を備えることを特徴とする心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  2. 前記電気刺激により仮想的に電気刺激される生体心臓内の部位と、
    前記電気刺激のタイミングと、
    前記電気刺激の周期と、
    前記電気刺激のパルス幅と、
    前記電気刺激の電圧値と、
    前記電気刺激の電流値と
    をパラメータとして含む、前記電気刺激に関するパラメータの集合を、パラメータ群と定義するとき、
    前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から前記電気刺激の有効性を判定する診断用電気刺激判定部と、
    前記パラメータ群のうち、少なくとも一つのパラメータについての条件から興奮伝導経路を選択する興奮伝導経路判定部と、
    電気刺激後の所定の期間であって、さらなる別の電気刺激があっても反応をしない期間である不応期が存在することで生じる伝導ブロックが、前記電気刺激によって生じるか否かを判定する伝導ブロック判定部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  3. 前記心電信号データは、多電極の電気生理学的検査カテーテルで患者から測定される実心内心電信号データであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  4. 前記心電信号データは、多電極の電気生理学的検査カテーテルで様々な疾患の不整脈の患者から予め測定された典型的な心内心電信号データである典型心内心電信号データ、及び/又は、様々な疾患の不整脈に係る心電信号を模擬する心電シミュレータからの出力である模擬心電信号データであることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  5. 前記電気刺激は、
    回復可能で一時的影響を心臓に与える検査刺激、及び/又は、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  6. 前記電気刺激情報を模擬して生成する電気刺激模擬部を更に備え、
    該電気刺激模擬部が生成する模擬電気刺激情報は、電気刺激の強度を示す刺激強度情報を含み、
    該刺激強度情報は、回復可能で一時的影響を与える電気検査刺激の強度に相当する情報から、回復不可能で永久的遮断を行う焼灼刺激の強度に相当する情報まで、可変に調整されることを特徴とする請求項5に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  7. 前記電気刺激情報に基づいて、前記心電信号データを解析することで、心電伝導路の焼灼すべき部位と、最適焼灼強度と、焼灼後の心電信号データを求める解析部を更に備え、
    最適な手技手順を案内する心電電気生理手技ガイダンス手段を有することを特徴とする
    請求項1から請求項6のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  8. 操作者がおこなう入力操作により、模擬される所定の疾患が複数の疾患から選択されるディスプレイと、
    前記ディスプレイに表示される表示画像情報を生成する画像生成部をさらに有し、
    前記画像生成部が生成する前記表示画像情報には、
    前記模擬される所定の疾患を前記複数の疾患から選択する選択情報が表示される選択情報表示区域と、
    前記心電信号データに基づく心電図が表示される心電図表示区域と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  9. 前記画像生成部が生成する前記表示画像情報には、
    前記心内心電図表示区域に表示される前記模擬心内心電信号が、どのような疾患に関わる信号であるかという回答を操作者が入力するための回答表示区域と、
    前記回答の正否を表示するトレーニング結果表示区域と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステム。
  10. 請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載の心電電気生理手技シュミレーションシステムを用いて、当該システムに記憶されている難治性頻脈性不整脈のうち、治療候補患者の病態に近い不整脈の心電信号データから、操作者の心内心電の解読技術を向上させ、治療すべき病変部の位置と、焼灼条件と、焼灼方法を習得させ、誤焼灼すると後戻りできない治療のリスクを極小化させる、難治性頻脈性不整脈処置トレーニング方法。
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