本明細書で開示される技術は、概して、ワイヤレス電気通信ネットワークに関し、より具体的には、そのようなネットワークにおいてモビリティ測定を実行するための技法に関する。
ヘテロジニアスネットワーク
典型的なセルラ無線システムにおいて、(ユーザ機器、UE、ワイヤレス端末、端末デバイス、および/または移動局とも称される)移動端末は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介して、インターネットなどのデータネットワークへの、および/または公衆交換電気通信網(PSTN)へのアクセスを提供する1つまたは複数のコアネットワークと通信を行う。RANは、複数のセルエリアに分割された地理的エリアをカバーし、各セルエリアは(基地局、RANノード、「NodeB」、および/またはenhanced NodeBすなわち「eNB」とも称される)無線基地局によってサーブされる。セルエリアは、基地局サイトにある基地局機器によって無線カバレッジが提供される、地理的エリアである。基地局は、無線通信チャネルを通じて、当該基地局のレンジ内のワイヤレス端末と通信を行う。
セルラ通信システムの事業者は、例えば、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)、HSPA(High Speed Packet Access)、およびLong Term Evolution(LTE)ワイヤレス技術に基づくモバイルブロードバンドデータサービスの提供を既に開始している。データアプリケーション向けに設計された新しいデバイスの導入に後押しされ、エンドユーザパフォーマンスにおける要件は増大の一途をたどっている。モバイルブロードバンドの普及拡大に伴い、高速ワイヤレスデータネットワークの扱うトラフィックが著しく増加した。そのため、セルラ事業者がネットワークをより効率的に管理できるようにする技法が望まれている。
ダウンリンクパフォーマンスを改善する技法としては、多入力多出力(MIMO)マルチアンテナ伝送技法、マルチフロー通信、マルチキャリア配置などが挙げられる。リンクあたりの周波数利用効率が理論的限界に近づきつつあると思われることから、次の段階として単位面積あたりの周波数利用効率を改善することが考えられる。ワイヤレスネットワークの効率向上は、例えば、従来のネットワークのトポロジーを、セル全域においてユーザ体験の均一化を向上させるように変更することによって達成可能である。現在、いわゆるヘテロジニアスネットワークが第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のメンバーによって開発段階にあり、例えば、以下において検討されている。RP−121436「Study on UMTS Heterogeneous Networks」2012年9月4日〜7日、米国シカゴで開催のTSG RAN Meeting #57、R1−124512「Initial considerations on Heterogeneous Networks for UMTS」Ericsson、ST−Ericsson、2012年10月8日〜12日、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催の3GPP TSG RAN WG1 Meeting #70bis、およびR1−124513「Heterogeneous Network Deployment Scenarios」Ericsson、ST−Ericsson、2012年10月8日〜12日、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催の3GPP TSG−RAN WG1 #70bis。
ホモジニアスネットワークは、(ユーザ機器ノード、UE、端末デバイス、および/またはワイヤレス端末とも称される)ユーザ端末の集合のための通信サービスを提供する、計画的に配置された(NodeB、enhanced NodeB、またはeNBとも称される)基地局のネットワークである。このネットワーク内では、すべての基地局が典型的には似通った伝送電力レベル、アンテナパターン、受信ノイズフロア、および/またはデータネットワークへのバックホール接続を有する。さらに、ホモジニアスネットワーク内のすべての基地局は、概ね、ネットワーク内のユーザ端末に対する非限定的アクセスを提供することができ、各基地局はほぼ同じ数のユーザ端末にサーブすることができる。この部類に入る現行のセルラワイヤレス通信システムには、例えば、GSM(Global System for Mobile communication)、WCDMA、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などがある。
ヘテロジニアスネットワークにおいて、(低電力ノード(LPN)、マイクロノード、ピコノード、フェムトノード、中継ノード、リモートラジオユニットノード、RRUノード、スモールセル、RRUなどとも称される)低電力基地局は、計画された、および/または規則的に設置されたマクロ基地局と共にまたは重畳として配置され得る。したがって、マクロ基地局(MBS)は比較的広いマクロセルエリアにサービスを提供し、各LPNは、比較的広いマクロセルエリア内の比較的狭いそれぞれのLPNセルエリアにサービスを提供し得る。
LPNによって伝送される電力は、マクロ基地局によって伝送される電力に比べて比較的小さく、例えば2ワットであるのに対し、典型的なマクロ基地局では40ワットになるだろう。LPNを配置するのは、例えば、マクロ基地局によって提供されるカバレッジ内のカバレッジホールを減らす/なくすため、および/または高トラフィックの場所、すなわちいわゆるホットスポットにおける能力を増大させるべくマクロ基地局からトラフィックをオフロードするためである。伝送電力が低く物理的サイズが小さいゆえに、LPNは用地取得に関して融通がきくであろう。
このように、ヘテロジニアスネットワークは、マクロ基地局などの高電力ノード(HPN)と、いわゆるピコ基地局またはピコノードなどの低電力ノード(LPN)とによる、重層的配置を特徴としている。ヘテロジニアスネットワークの所与の領域におけるLPNとHPNとは同じ周波数で動作してもよく、その場合に、配置は同一チャネルヘテロジニアス配置と称されることもあり、または異なる周波数で動作してもよく、その場合に、配置は周波数間またはマルチキャリアまたはマルチ周波数ヘテロジニアス配置と称されることがある。
セル間干渉コーディネーション
セル間干渉は、セルエッジユーザにとってパフォーマンス上の大きな問題となっている。ヘテロジニアスネットワークにおいては、マクロ基地局とLPNとの間の伝送電力レベルの差が大きいために、セル間干渉の影響がホモジニアスネットワークにおいて概して観察されるものよりも深刻となり得る。このような状況を図1に示す。図1は、2つのピコノード130がマクロノード110のカバレッジエリア120の範囲内にあるカバレッジエリアを有するような、ヘテロジニアスネットワーク配置100を示す。図1の斜線領域140は、各LPNを囲む外円と内円との間の領域である。内円は、LPNからの受信電力がマクロ基地局からの受信電力よりも高い区域を表す。外円は、LPN基地局に対するパスロスがマクロ基地局に対するパスロスよりも小さい区域を表す。
内円と外円との間の斜線区域140は、しばしば「不均衡ゾーン」と称される。この不均衡ゾーン140は、LPNのレンジ拡張区域になる可能性がある。なぜならアップリンク(端末から基地局)の観点からは、この区域内のLPNによって端末が引き続きサーブされることがシステムにとって望ましいためである。しかしながら、ダウンリンク(基地局から端末)の観点から言えば、図1の端末150aのように、そのような不均衡ゾーンの外縁部にある端末は、マクロ層とLPN層との間の非常に大きい受信電力差を経験している。例えば、マクロノードとLPNの伝送電力レベルがそれぞれ40ワットと1ワットである場合、この電力差は16dBとなる。対照的に、移動端末150bなど、ピコノード130から比較的離れている端末は、LPNからの受信電力がマクロ基地局110からの受信電力よりも著しく低いため、影響を受けない。
このような電力差の結果として、レンジ拡張ゾーンにある端末がLPNセルによってサーブされており、マクロセルが同じ無線リソースを使用して別の端末に同時にサーブしている場合、LPNによってサーブされている端末は、マクロ基地局からの極めて深刻な干渉にさらされる。
セル間干渉コーディネーション(ICIC)は、LTEネットワークにおいてサポートされており、eNodeB間のX2インターフェースを介してeNodeB間で送信されるシグナリングにより管理される。各セルは、周波数ドメインまたは時間ドメインにおける高電力のリソースブロックを識別して、その近隣セルへシグナリングすることができる。このようにすることで、近隣セルは、これらの高電力のリソースブロックを避けてセルエッジユーザをスケジュールできるようになる。このようなメカニズムを用いて、セル間干渉の影響を低減することができる。
スモールセルオン/オフ
スモールセル間の干渉の回避およびコーディネーションのために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のメンバーによって開発されつつあるメカニズムの1つが、スモールセルオン/オフ特徴である。この特徴によると、スモールセルを随時オンおよびオフにすることができ、「オン」および「オフ」の期間は基準またはアプリケーションに依存し得る。
スモールセルオン/オフ特徴は、準静的(semi−static)バージョンまたは動的バージョンにおいて実装可能である。システムの送信時間間隔に比べてオン/オフ期間が極めて長い、準静的なスモールセルオン/オフでは、セルオン/オフの基準をトラフィック負荷、端末デバイス入圏/出圏(arrival/departure)などとすることができる。一方、動的なスモールセルオン/オフでは、スモールセルは、単一のサブフレームのレベルでオンおよびオフにすることができる。この場合の基準は、パケット到来/完了、または(例えば、他のノードもしくはUEへの干渉を低減するための)干渉のコーディネーションおよび回避とすることができる。これはつまり、セルは、パケットの伝送が完了したときにサブフレーム境界(すなわち、現在のサブフレームの終わり)でオフになり、パケットが到来する次のサブフレーム境界でオンになることを意味する。
干渉の低減における利点に加えて、スモールセルオン/オフ特徴は省エネも可能にする。スモールセルオン/オフの省エネ影響に対するいくつかの予備調査が、3GPPの文書「Small cell enhancements for E−UTRA and E−UTRAN; Physical layer aspects」3GPP TR 36.872、ver. 12.0.0(www.3gpp.orgで入手可能)に掲載されている。
スモールセルオン/オフ特徴には、3つの主要な運用モードがある。
・ ハンドオーバ:このモードでは、CONNECTEDモードの端末デバイスがセルに常時アタッチされている。トラフィック需要の増加により、例えば、ネットワークは、所与の端末デバイスのトラフィックのすべてまたは一部をスモールセルへのハンドオーバによってオフロードすると決めることができる。「オフ」であった可能性のあるスモールセルは、ウェイクアップして端末デバイスにサーブする。この場合のハンドオーバ時間は、バックホール遅延およびハンドオーバ実行時間に依存する。データの送信および/または受信が完了した後、端末デバイスはIDLEモードに移行するか、または別のセルにハンドオーバされるかして、スモールセルはオフになることができる。
・ SCellのみ:このモードでは、キャリアアグリゲーション(CA)をサポートする端末デバイスがプライマリキャリアすなわちプライマリセル(PCell)に接続されており、ネットワークはオフまたはオンになり得るセカンダリキャリアすなわちセカンダリセル(SCell)を設定する。ネットワークが端末デバイスのトラフィックをSCellへオフロードすると決めた場合、SCellはオンになる。
・ (CAシナリオにおいてPCellであり得る)サービングセル:このモードでは、セルは、端末デバイスがこのセルに接続されているときにオンまたはオフになることができる。この場合は、無線リソース管理(RRM)、無線リンク管理(RLM)、およびチャネル状態情報(CSI)測定の手順を設計する必要がある。
ディスカバリ信号
eNBが長期間オフになる可能性があるようなスモールセルオン/オフ配置においては、端末デバイスが実行しなければならない測定に関して端末デバイスを支援するために、ディスカバリ信号が必要となろう(このような測定については、以下で詳しく検討する)。ディスカバリ信号は、RRM測定、RLM関連手順、時間/周波数粗同期を可能にする特性をサポートしていなければならない。端末デバイス測定を可能にするためには、eNBが周期的にウェイクアップし(例えば、80または160ミリ秒ごとに1回)、ディスカバリ信号を伝送する必要があり、これによって、端末デバイスがそのディスカバリ信号をセル識別、RLM、および測定などのモビリティ関連動作に使用できるようにする。
ディスカバリ信号は概して時間的にかなり疎であるため、端末デバイスが、互いに数十ミリ秒または数百ミリ秒の間隔をあけて出現するようなディスカバリ信号の複数のインスタンスを待機する必要をなくし、ディスカバリ信号の1つのインスタンスにおいて有意な測定を行えるのが望ましい。加えて、時間内の少ないサンプルに基づく測定の信頼性を向上させるために、インスタンスあたり少数のサンプルしか含まないディスカバリ信号を広帯域(例えば、eNBまたはシステムによって用いられる全帯域)で送信する必要があろう。
上記の望ましい特性を考慮すると、そのようなディスカバリ信号の1つの選択肢は、既存のプライマリ/セカンダリ同期信号(PSS/SSS)、共通参照シンボル(CRS)、チャネル状態情報参照シンボル(CSI−RS)、および/または測位参照シンボル(PRS)といった、現行の既存の信号をディスカバリ信号として使用することである。このようにすることで、UEは現行の機能性を大幅に再利用できるようになり、またシステム設計に及ぼす影響も最小限にとどめられる可能性がある。もう1つの選択肢は、何らかの形で拡張した現行の既存の信号を使用することである。第3の選択肢は、まったく新しいディスカバリ信号を設計することである。
もう1つの代替方法は、ディスカバリ信号をアップリンク(UL)信号に基づくものとすることである。ULディスカバリ信号は、サウンディング参照信号(SRS)などの既存の信号であっても、新しい信号であってもよい。ULディスカバリ信号の望ましい特性は、DLディスカバリ信号の望ましい特性と似ている。しかしながら、ULにおけるディスカバリのメカニズムは異なる可能性があるため、そのような信号の設計も異なる可能性がある。ULディスカバリ信号は、アップリンク測定(例えば、UL伝送タイミング精度)に使用することもできるし、UE Rx−Tx時間差測定、eNB Rx−Tx時間差測定といった、ULディスカバリ信号とDLディスカバリ信号の両方を使用する測定に使用することもできる。
端末デバイス測定
端末デバイスに対しては、セル選択、セル再選択、ハンドオーバ、RRC再確立、リダイレクトによる接続解放といった機能を含むモビリティをはじめとする様々な機能をサポートするため、また走行試験の最小化(minimization of drive test)、自己組織化ネットワーク(SON)、測位といった他の機能をサポートするために、近隣セルによって、すなわち端末デバイスにサーブしているセル以外のセルによって伝送された信号に対し、1つまたは複数の無線測定(例えば、タイミング測定、信号強度測定、もしくは他の信号品質測定)を実行することが求められている。そのような測定を実行するのに先立ち、端末デバイスは、一般に、信号の送信元であるセルを識別し、そのセルの物理セル識別情報(PCI)を判定する必要がある。したがって、PCI判定も一種の測定とみなすことができる。
端末デバイスは、必要な測定を実行するように端末デバイスを設定するために、ネットワークノード(例えば、サービングeNodeB、測位ノードなど)によって送信されたメッセージまたは情報要素(IE)である、測定設定または支援データ/情報を受信する。例えば、測定設定には、測定対象のキャリア周波数、測定対象の無線アクセス技術(RAT)、測定の種類(例えば、参照信号受信電力すなわちRSRP)、上位層の時間ドメインフィルタリングを実行すべきか否か、測定帯域幅関連のパラメータなどに関連する情報が含まれていてもよい。
測定は、端末デバイスによって、サービングセルおよび近隣セルに対して、既知のいくつかの参照シンボル上またはパイロット系列上で行われる。測定は、周波数内キャリア上のセル、周波数間キャリア上のセル、および(特定のRATをサポートするUEの能力に応じて)RAT間キャリア上のセルに対して行われる。
端末デバイスは、RRC接続状態において、測定ギャップ(すなわち、移動端末受信器が別の周波数に再同調し得る、および/または自身を別のRATに設定し得る間隔)を用いることなく、周波数内測定を実行することができる。しかしながら、端末デバイスは、一般に、測定を測定ギャップなしで実行できるのでない限り、周波数間測定およびRAT間測定をギャップにおいて実行する。ギャップを必要とする周波数間測定およびRAT間測定を可能にするために、ネットワークは、端末デバイスの測定ギャップを設定する必要がある。LTEでは、共に6ミリ秒の測定ギャップ長を有する、以下の2つの周期的な測定ギャップパターンが規定されている。
・ 繰返し周期40ミリ秒の測定ギャップパターン#0
・ 繰返し周期80ミリ秒の測定ギャップパターン#1
High Speed Packet Access(HSPA)ネットワークでは、周波数間測定およびRAT間測定は、同じくネットワークにより設定される測定ギャップの一種である、圧縮モードギャップにおいて実行される。
一部の測定では、端末デバイスに対し、端末デバイスによってアップリンクで伝送される信号を測定することも要求する場合がある。測定は、RRC接続状態または(HSPAにおける)CELL_DCH状態ならびに低活動RRC状態(例えば、アイドル状態、HSPAにおけるCELL_FACH状態、HSPAにおけるURA_PCHおよびCELL_PCH状態など)にある端末デバイスによって行われる。マルチキャリアまたはキャリアアグリゲーション(CA)のシナリオにおいて、端末デバイスは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)上のセルおよび1つまたは複数のセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)上のセルに対して測定を実行し得る。
これらの測定は様々な目的のために行われる。測定の目的の例をいくつか挙げると、モビリティ、測位、自己組織化ネットワーク(SON)、走行試験の最小化(MDT)、運用保守(O&M)、ネットワーク計画および最適化などがある。測定は、典型的には、数百ミリ秒から数秒単位の持続期間にわたって行われる。同じ測定をシングルキャリアとキャリアアグリゲーション両方のシナリオに概ね適用することができる。しかしながら、キャリアアグリゲーションのシナリオでは、具体的な測定要件が異なる可能性がある。例えばキャリアアグリゲーションのシナリオでは、測定期間が異なる場合がある。すなわち、セカンダリコンポーネントキャリア(SCC)がアクティブ化されているか否かに応じて、緩和される(relaxed)場合も、またはより厳格化される(stringent)場合もある。これは、UEの能力、すなわち、キャリアアグリゲーション対応端末デバイスがSCCに対する測定をギャップありで実行可能なのか、それともギャップなしで実行可能なのか、という点にも依存する。
LTEにおけるモビリティ測定の例:
・ 参照シンボル受信電力(RSRP);および
・ 参照シンボル受信品質(RSRQ)
HSPAにおけるモビリティ測定の例:
・ 共通パイロットチャネル受信信号コード電力(CPICH RSCP);および
・ CPICH Ec/No
GSM/GERANにおけるモビリティ測定の例:
・ GSMキャリアRSSI
CDMA2000システムにおけるモビリティ測定の例:
・ CDMA2000 1xRTTのパイロット強度;および
・ HRPDのパイロット強度
モビリティ測定はまた、LTE、HSPA、CDMA2000、GSMなどに属し得るセルを識別するか、または検出するステップを含んでもよい。セル検出は、少なくとも物理セル識別情報(PCI)を識別すること、および続いて識別したセルの信号測定(例えばRSRP)を実行することを含む。端末デバイスは、端末デバイスのセルグローバルID(CGI)を取得する必要もあろう。HSPAおよびLTEにおいて、サービングセルは、端末デバイスにターゲットセルのシステム情報(SI)を取得するよう要求することができる。より具体的には、ターゲットセルのセルを一意に識別するセルグローバル識別子(CGI)を取得するために、端末デバイスによってSIが読み取られる。端末デバイスはまた、ターゲットセルからCSG指示子、CSG近接検知などの他の情報を取得するように要求されることもある。
LTEにおける測位測定の例:
・ 参照信号時間差(RSTD);および
・ UE RX−TX時間差測定
UE RX−TX時間差測定では、端末デバイスにダウンリンク参照信号およびアップリンク伝送信号に対する測定を実行するよう要求する。
無線リンク保守、MDT、SON、または他の目的で用いられ得る他の測定の例は、以下のとおりである。
・ 制御チャネルの故障率または品質推定の例
○ ページングチャネル故障率;および
○ 報知チャネル故障率
・ 物理層問題検出の例
○ 同期外れ(out of sync)検出
○ 同期(in−sync)検出
○ 無線リンクモニタリング;および
○ 無線リンク故障判定またはモニタリング
端末デバイスによって実行されるさらに他の測定として、ネットワークによるスケジューリング、リンクアダプテーションなどに用いられる、チャネル状態情報(CSI)測定がある。CSI測定の例としては、CQI、PMI、RIなどがある。
端末デバイスはまた、サービングセルのパフォーマンスをモニタするために、(プライマリセルまたはPCellとも称される)サービングセルに対する測定も実行する。これらは、LTEにおいて無線リンクモニタリング(RLM)またはRLM関連測定と呼ばれる。RLMでは、端末デバイスが、サービングまたはPCellのダウンリンク無線リンク品質を検出するために、セル固有の参照信号に基づき、ダウンリンクのリンク品質をモニタする。
所与の無線リンクの同期外れおよび同期ステータスを検出するために、端末デバイスは、無線リンクの推定品質をしきい値QoutおよびQinとそれぞれ比較する。しきい値QoutおよびQinが対応するように規定されている信号品質レベルは、これを下回ると無線ダウンリンクにおける受信の信頼性が確保できなくなるレベルであり、仮想的なPDCCH伝送の10%および2%のブロック誤り率にそれぞれ相当する。
端末デバイスによって実行される無線測定は、端末デバイスによって1つまたは複数の無線動作タスクに用いられる。そのようなタスクの例としては、ネットワークへの測定値の報告があり、ネットワークは次にこれらの測定値を様々なタスクに使用することができる。例えば、端末デバイスは、RRC接続状態においてサービングノードに無線測定値を報告する。報告された端末デバイス測定値に応答して、サービングネットワークノードは、一定の決定を下す。例えば、セル変更の目的で、端末デバイスへモビリティコマンドを送信する場合もある。セル変更の例としては、ハンドオーバ、RRC接続再確立、リダイレクトによるRRC接続解放、CAにおけるプライマリセル(PCell)変更、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)におけるPCC変更などがある。アイドル状態または低活動状態におけるセル変更の例としては、セル再選択がある。別の例において、端末デバイスは、例えば、セル選択、セル再選択などのタスクを実行するために自ら無線測定値を用いてもよい。
無線ネットワークノード(例えば基地局)もまた信号測定を実行することができる。LTEにおける無線ネットワークノード測定の例としては、自身と端末デバイスとの間の伝搬遅延、UL SINR、UL SNR、UL信号強度、受信干渉電力(RIP)などがある。eNBまたは他の無線ネットワークノードもまた、後の項で説明する測位測定を実行してもよい。
サービングセルまたは近隣セルの典型的な測定量は、2つ以上の基本的な非コヒーレント平均化されたサンプルの非コヒーレント平均化に基づいており、サンプルの各々は1つまたは複数の短い(例えば1ミリ秒)コヒーレント測定の非コヒーレント平均化の結果であり得る。いかなる測定についても、正確なサンプリングは、端末デバイスまたはネットワークノードの無線の実装に依存しており、概して定められていない。
図2に、E−UTRANにおけるRSRP測定平均化の例を示す。この図が示すのは、端末デバイスが、間欠受信(DRX)が適用されていないとき、またはDRXサイクルが40ミリ秒以下であるときに、物理層測定期間(例えば200ミリ秒)中に、非コヒーレント平均化された4つのサンプルまたはスナップショット(この例ではそれぞれ3ミリ秒の長さ)を収集することにより、全体的な測定量結果を取得している状況である。コヒーレント平均化されたサンプルの長さは、それぞれ1ミリ秒である。サンプリングはまた、DRXサイクルの長さに依存する。例えば、40ミリ秒超のDRXサイクルの場合、端末デバイスは、典型的には、測定期間にわたるDRXサイクルごとに1サンプルを取得する。同様の測定サンプリングメカニズムは、端末デバイスによる他の信号測定に用いられ、基地局によるUL測定にも用いられる。
密に配置されたスモールセルにおいては、運用効率化のためにセル間の干渉を低く抑える必要がある。上述のように、セル間の低干渉を保証するために導入されたメカニズムがスモールセルオン/オフである。スモールセルオン/オフ機能性は省エネにも利用することができる。
特定の測定に対して一定の参照信号を利用可能とする必要があるため、オン/オフ方式は、その時間尺度によっては、端末デバイス(例えばUE)測定に影響を及ぼす可能性がある。本明細書では、スモールセルオン/オフシナリオにおいて効率的な測定を可能にする技法および装置が開示される。
したがって、ネットワークノードによってオン/オフ方式が用いられているときに、端末デバイスが測定を効率的に実行できるようにする技法が求められている。本明細書では、LTE eNBなどのネットワークノードにおいて実装される技法およびLTE UEなどの端末デバイスにおいて実装される技法を含む、そのようないくつかの技法について説明する。
例示的な一実施形態は、端末デバイスを測定で設定するように適合されたネットワークノードにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターン、すなわち、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること。この取得することは、複合パターンを作成すること、その他の場合は複合パターンを決定することを含んでもよい。複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される。
− ディスカバリ信号の作成された、もしくは決定された複合パターンまたはその指示を、端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行することができるように、端末デバイスへシグナリング、すなわち送信すること。
ネットワークノードにおいてまた実行され得る追加ステップは、以下を含むが、これらに制限されない。
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを他のネットワークノードへシグナリングすること;ならびに/あるいは
− ディスカバリ信号の複合パターンに基づく、もしくは関連づけられた、1つもしくは複数の、端末デバイス測定手順および/もしくはネットワークノード測定手順および/もしくは設定パラメータを適合させることまたは調整すること。
別の例示的な実施形態は、ネットワークノードによって測定で設定されるように適合された端末デバイスにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターン、すなわち、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること。よって複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される;および
− 取得した複合パターンに従ってセルにおいて伝送されたディスカバリ信号を使用して、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行すること。
端末デバイスにおいてさらに実行され得る追加ステップは、以下を含むが、これらに制限されない。
− 取得した複合パターンに基づく、もしくはこれを使用する1つもしくは複数の端末デバイス測定手順を適合させることまたは調整すること;ならびに/あるいは
− 端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行するためにディスカバリ信号の複合パターンを取得できることおよび/またはディスカバリ信号の取得した複合パターンを使用できることを示す能力をネットワークノードへシグナリングすること。
ここに開示される技術の他の実施形態は、上記に要約したネットワークベースの方法の1つまたは複数を実行するように、すなわち、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することとを行うように適合された、ネットワークノードを含む。さらに他の実施形態は、上記に要約した端末ベースの方法の1つまたは複数を実行するように、すなわち、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することとを行うように適合された、端末デバイスを含む。さらに他の実施形態は、上記に要約した方法を実行するためのコンピュータプログラム命令を含む、コンピュータプログラム製品とコンピュータ可読媒体とを含む。
以下に、上記の方法および他の方法の例、ならびに対応する装置およびコンピュータプログラム製品の例を詳しく説明する。
本明細書で説明する技法が適用され得るヘテロジニアスネットワークの概略図である。
端末デバイスによって実行される測定平均化の例を示す図である。
LTEネットワークのコンポーネントを示す図である。
2つのセルからのディスカバリ信号による例示的なディスカバリ時間ウィンドウを示す図である。
異なる周期と異なる長さを有するディスカバリ時間ウィンドウの別の例を示す図である。
端末における測定インスタンスを測定対象セルのオン/オフパターンに合わせて調整する例を示す図である。
ネットワークノードにおいて実行される例示的方法を示すプロセスフロー図である。
端末デバイスにおいて実行される例示的方法を示すプロセスフロー図である。
例示的な端末デバイスのコンポーネントを示すブロック図である。
例示的なネットワークノードのコンポーネントを示すブロック図である。
例示的なネットワークノードの別の図である。
例示的な端末デバイスの別の図である。
以下に、発明概念の実施形態の例が示された添付図面を参照しながら、発明概念について詳しく説明する。ただし、これらの発明概念は多くの異なる形態による実施が可能であり、本明細書に記載した実施形態に制限されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態はむしろ、本開示が完璧かつ完全なものとなり、また本発明概念の範囲を当業者に余すところなく伝えるものとなるよう意図して提供されるものである。これらの実施形態は相互排他的ではないことにも留意すべきである。ある実施形態のコンポーネントは、別の実施形態において存在する、または用いられると暗黙のうちに仮定され得る。
本明細書において、例示および説明のみを目的とし、本発明概念の上記の実施形態および他の実施形態を、無線通信チャネルを介して(端末デバイス、ワイヤレス端末、またはUEとも称される)移動端末と通信を行う無線アクセスネットワーク(RAN)における運用の文脈において説明する。本明細書における移動端末、端末デバイス、ワイヤレス端末、またはUEは、通信ネットワークからデータを受信するいかなるデバイスも含むことができ、携帯電話(「セルラ」電話)、ラップトップ/携帯コンピュータ、ポケットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、デスクトップコンピュータ、マシンツーマシン(M2M)もしくはMTC型デバイス、ワイヤレス通信インターフェースを搭載したセンサなどを含み得るが、これらに制限されない。
RANのいくつかの実施形態において、いくつかの基地局は、(例えば、地上通信線または無線チャネルにより)無線ネットワークコントローラ(RNC)に接続され得る。基地局コントローラ(BSC)と呼ばれることもある無線ネットワークコントローラは、自身に接続された複数の基地局の様々な活動を監視し、コーディネートすることができる。無線ネットワークコントローラは、1つまたは複数のコアネットワークに接続され得る。RANの他のいくつかの実施形態において、基地局は、1つまたは複数のコアネットワークとの間で、別個のRNCを介さずに、例えば、基地局および/またはコアネットワークにおいて実装されたRNCの機能性により、接続され得る。
ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)は、Global System for Mobile Communications(GSM)から進化した第3世代の移動体通信システムであり、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)技術に基づく改善された移動通信サービスを提供することを意図したものである。UMTS地上無線アクセスネットワークの略であるUTRANは、UMTS無線アクセスネットワークを構成するノードBおよび無線ネットワークコントローラの総称である。したがって、UTRANは、本質的に、端末デバイスに広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)を使用する無線アクセスネットワークである。
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は既に、UTRANおよびGSMに基づく無線アクセスネットワーク技術をさらに進化させる試みに着手している。この点に関して言えば、3GPPにおいてエボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)の仕様が検討されているところである。エボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)は、Long Term Evolution(LTE)およびシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)を含んでいる。
本開示では、本発明概念の実施形態を説明するのにLTEおよび/またはUMTSの用語を使用しているが、これは、発明概念の範囲を、これらのシステムにのみ制限しているとみなされるべきではないことに留意されたい。3GPP LTEおよびWCDMAシステム、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMB(ウルトラモバイルブロードバンド)、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)などの変形および後継(successor)を含む、他のワイヤレスシステムもまた、本明細書において開示される本発明概念の実施形態を利用することによる恩恵を享受し得る。
(NodeB、eNodeB、もしくはエボルブドノードBとも称される)基地局および、(ユーザ機器ノードもしくはUEとも称される)端末デバイス、ワイヤレス端末、または移動端末といった用語は、非制限的であるとみなされるべきであり、両者間のある種の階層関係を含意しないことにも留意されたい。一般に、基地局(例えば、「NodeB」または「eNodeB」)および端末デバイス(例えば「UE」)は、ワイヤレス無線チャネルを介して相互に通信を行う、それぞれ異なる通信デバイスの例とみなすことができる。
本明細書では、例示を目的として、例示的な実施形態を中心に検討するものとするが、このような実施形態において説明される解決策は、比較的高電力の基地局(例えば、広域基地局もしくは広域ネットワークノードとも称される「マクロ」基地局)と比較的低電力のノード(例えば、ローカルエリア基地局またはローカルエリアネットワークノードとも称される「ピコ」基地局)との混合を含む、ヘテロジニアスネットワークにおいて適用されるが、説明される技法は、ホモジニアス構成とヘテロジニアス構成の両方を含む、いかなる種類の適切なネットワークにおいても適用され得る。したがって、説明される構成に含まれている基地局は、互いに似ていても同一であってもよいし、伝送電力、送信−受信アンテナの数、処理電力、受信器および送信器の特質、ならびに/または他のいかなる機能的もしくは物理的な能力の点で異なっていてもよい。
ユーザにとって使いやすいスマートフォンおよびタブレットの普及に伴い、モバイルネットワーク上のビデオストリーミングといった高データレートサービスの利用が当たり前のものとなり、モバイルネットワークにおけるトラフィック量を大幅に押し上げている。したがって、この増加し続けるユーザ需要に合わせてモバイルネットワークの能力の増強をはかることが、モバイルネットワークコミュニティにおける急務となっている。Long Term Evolution(LTE)などの最新のシステムは、特に干渉緩和技法と組み合わされたとき、理論上のシャノン限界に接近する周波数利用効率が得られる。最新技術をサポートするように現行のネットワークを継続的にアップグレードすること、および単位面積あたりの基地局数を増やすことは、増加するトラフィック需要に応えるために最も広く用いられているアプローチの2つとして挙げることができる。
アップグレードによる一方のアプローチはいわゆるヘテロジニアスネットワークの配置を伴い、高い注目を集めつつあるが、この場合、事前に計画されている従来のマクロ基地局(マクロ層として知られる)が、場合によっては暫定的に配置され得るいくつかの低電力基地局によって補完される。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、LTE release 11といったLTEの最新の拡張における中心的な検討事項の1つとして、ヘテロジニアスネットワークの概念を導入しており、ピコ基地局、(ホーム基地局またはHeNBとして知られる)フェムト基地局、中継器、およびRRH(リモート無線ヘッド)といった、ヘテロジニアスネットワークを実現するいくつかの低電力基地局が既に規定されている。同様の概念は、UMTSネットワークをアップグレードするためにも適用されつつある。
エボルブドUMTS地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)は、端末デバイスに対してE−UTRAのユーザプレーンおよび制御プレーンでのプロトコル終端を提供する、enhanced NodeB(eNBまたはeNodeB)と呼ばれる基地局を含む。eNB同士は、X2インターフェースにより相互に接続されている。eNBはまた、S1インターフェースによりEPC(エボルブドパケットコア)に接続される。より具体的には、S1−MMEインターフェースを介してMME(Mobility Management Entity)へ、S1−Uインターフェースを介してサービングゲートウェイ(S−GW)へ接続される。S1インターフェースは、MME/S−GWとeNBとの間の多対多関係をサポートする。図3にE−UTRANアーキテクチャの簡略図を示す。
eNB210は、無線リソース管理(RRM)、無線ベアラ制御、アドミッション制御、サービングゲートウェイへのユーザプレーンデータのヘッダ圧縮、および/またはサービングゲートウェイへのユーザプレーンデータのルーティングといった機能性をホストする。MME220は、端末デバイスとCN(コアネットワーク)との間のシグナリングを処理する制御ノードである。MME220の重要な機能は、非アクセス層(NAS)プロトコルを介して扱われる、接続管理およびベアラ管理に関連している。S−GW230は、端末デバイスモビリティのアンカーポイントであり、また端末デバイスにおけるページング、適切なeNBへのパケットのルーティングおよび転送、ならびに/または課金および合法的傍受のための情報の収集の間、DL(ダウンリンク)データの一時的バッファリングを行うといった他の機能性も備える。PDNゲートウェイ(P−GW、図3には図示せず)は、端末デバイスのIPアドレス割当ておよび、(以下に詳細に検討する)サービス品質(QoS)執行(enforcement)を担うノードである。様々なノードの機能性に関するさらなる詳細については、3GPP TS 36.300およびその中の文献を参照されたい。
ここに開示される技法の様々な実施形態を説明する際に、無線ネットワークノードという非制限的な用語は、端末デバイスにサーブするおよび/または他のネットワークノードもしくはネットワークエレメントに接続されたいかなる種類のネットワークノード、あるいは端末デバイスがそこから信号を受信するいかなる無線ノードにも言及するために、用いられ得る。無線ネットワークノードの例としては、ノードB、基地局(BS)、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、eNodeB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ、中継器、中継器を制御するドナーノード、ベーストランシーバ局(BTS)、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータ、伝送ポイント、伝送ノード、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、分散アンテナシステム(DAS)におけるノードなどが挙げられる。
場合によっては、さらに範囲の広い用語である「ネットワークノード」が用いられる。この用語は、いかなる種類の無線ネットワークノードまたは少なくとも無線ネットワークノードと通信を行ういかなるネットワークノードにも相当し得る。ネットワークノードの例としては、上述の任意の無線ネットワークノード、コアネットワークノード(例えば、MSC、MMEなど)、O&M、OSS、SON、測位ノード(例えばE−SMLC)、MDTなどが挙げられる。
いくつかの実施形態を説明する際に、端末デバイスという用語が用いられる。この用語は、セルラまたは移動通信システム内の無線ネットワークノードと通信を行ういかなる種類のワイヤレスデバイスをも指す。端末デバイスの例としては、ユーザ機器(UE)、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイス端末デバイス、マシン型端末デバイスすなわちマシンツーマシン通信が可能な端末デバイス、PDA、ワイヤレス対応の卓上コンピュータ、移動端末、スマートフォン、ラップトップ組込型機器(laptop embedded equipped)(LEE)、ラップトップ搭載型機器(laptop mounted equipment)(LME)、USBドングル、加入者構内機器(CPE)などが挙げられる。本明細書における「移動端末」という用語は、本明細書および3GPPによって発表された様々な仕様におけるUEおよび端末デバイスという用語と概ね同じ意味で用いられていると理解すべきであるが、3GPP規格に準拠したデバイスに制限されるものと理解すべきではない。
ここに開示される技法の様々な実施形態は、端末デバイスによって実行される具体的な周波数内測定または周波数間測定に関連して説明されるであろう。しかしながら、これらの実施形態は、例えば、周波数間測定、RAT間測定といったいかなる種類の測定にも適用可能であり、よって、GSM/GERAN、UTRA FDD、UTRA TDD、CDMA2000、HRPD、WLAN、Wi−FiなどといったいかなるRATにも属し得る。例を挙げれば、UTRAセルによってサーブされる端末デバイスは、そのサービングネットワークノードによって、1つまたは複数のE−UTRANキャリア周波数に属する1つまたは複数のセルに対して、測定ギャップの間に、RAT間測定(例えば、RSRP、RSRQなど)を実行するように設定され得る。
本明細書において、発明的技法の様々な実施形態の説明は、端末デバイスのシングルキャリア運用に特に重点を置いている。しかしながら、開示される技法は、端末デバイスのマルチキャリア運用またはキャリアアグリゲーション運用にも適用可能である。例えば、いくつかの実施形態において、端末デバイスへの、または1つもしくは複数のネットワークノードへの情報のシグナリングを伴う実施形態は、ネットワークノードがサポートする各キャリア周波数上のセルごとに独立して行われ得る。
セルの通常の運用下で、端末デバイスは、ネットワークノードから周期的に比較的高い頻度で伝送される参照信号に対して測定を実行する。端末デバイスは、概して、事前に規定された設定で参照信号を利用できるとみなすことができる。ところが、スモールセルオン/オフ方式では必ずしもそうとは限らず、端末デバイスにおいて概ね想定されている機会の間に参照信号が存在しない可能性があるため、端末デバイスがある種の測定を実行できない場合がある。
信頼性の高い測定を実行するには、典型的には、端末デバイスが、所与の測定間隔にわたり、複数のサンプルまたはスナップショットを取得する必要がある。したがって、端末デバイスが一定の機会に適切な信号を自律的に見つけ出すことが可能であったとしても、スモールセルオン/オフ方式においてセルが既に「オフ」にされている場合、そのセルから伝送されるディスカバリ信号における参照信号を利用できる可能性が低いため、パフォーマンスはやはり低下するであろう。
もう1つの問題は、オン/オフセル方式においては、参照信号が端末デバイスには予測できない不規則な間隔で伝送される可能性があるということである。この場合、端末デバイスは利用可能な参照信号を継続的に検出しなければならなくなる。その結果、端末デバイスの複雑性が増し、バッテリを消費することになり、測定時間が予測不能となるだろう。
したがって、ネットワークノードによってオン/オフ方式が用いられているときに、端末デバイスが測定を効率的に実行できるようにする技法が求められている。本明細書では、LTE eNBなどのネットワークノードにおいて実装される技法およびLTE UEなどの端末デバイスにおいて実装される技法を含む、いくつかのそのような技法について説明する。
例示的な一実施形態は、端末デバイスを測定で設定するように適合されたネットワークノードにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターンを作成することまたは決定することであって、複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される、作成することまたは決定すること;および
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを、端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行できるように、端末デバイスへシグナリングすること。
ネットワークノードにおいてまた実行され得る追加ステップは、以下を含む。
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを他のネットワークノードへシグナリングすること;ならびに/あるいは
− ディスカバリ信号の複合パターンに基づく、もしくは関連づけられた、1つもしくは複数の、端末デバイス測定手順および/もしくはネットワークノード測定手順および/もしくは設定パラメータを適合させることまたは調整すること。
別の例示的な実施形態は、ネットワークノードによって測定で設定されるように適合された端末デバイスにおいて実行される方法である。この例示的方法は、以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターンを取得することであって、複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される、取得すること;および
− 取得したパターンに基づいて1つまたは複数のセルにおいて伝送されたディスカバリ信号を使用して、1つまたは複数の測定を実行すること。
端末デバイスにおいてさらに実行され得る追加ステップは、以下を含む。
− 取得したパターンに基づく、もしくはこれを使用する1つもしくは複数の端末デバイス測定手順を適合させることまたは調整すること;ならびに/あるいは
− 端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行するためにディスカバリ信号の複合パターンを取得できることおよび/またはディスカバリ信号の取得した複合パターンを使用できることを示す能力をネットワークノードへシグナリングすること。
次に、ここに開示される技法のいくつかの実施形態について以下に詳しく説明するが、これらに制限されない。
・ ディスカバリ信号の複合パターンを作成するための、ネットワークノードにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンをシグナリングするための、ネットワークノードにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンを取得するための、端末デバイスにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンを考慮して測定手順を適合させる方法;および
・ ディスカバリ信号の複合パターンに基づく測定に関連する能力をシグナリングするための、端末デバイスにおける方法
この種の方法の各々について、以下の項で検討する。
ディスカバリ信号の複合パターンを作成するための、ネットワークノードにおける方法
本技法のこの態様によれば、ネットワークノードは、例えば、近隣セル、近隣のサービングセルといった複数のセルの各々によって伝送されるディスカバリ信号の複合パターンを取得する。この複合パターンは、同じ意味で、「結合パターン(combined pattern)」または「共通パターン(common pattern)」または「ディスカバリ信号の全体パターン(overall pattern of discovery signals)」または単に「パターン」と呼ばれることもある。ディスカバリ信号のパターンはまた、同じ意味で、「ディスカバリ信号が含まれるディスカバリ時間ウィンドウのパターン」または「ディスカバリ時間ウィンドウのパターン」または単に「ウィンドウのパターン」と呼ばれることもある。
ディスカバリ信号のパターンは少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ」(「TW」)を含んでおり、周期的または非周期的な一連のディスカバリ時間ウィンドウを含んでいてもよい。さらに各ディスカバリ時間ウィンドウは、
・ 少なくとも1つのサブフレーム、スロット、またはシンボルに少なくとも1つのセルで用いられるディスカバリ信号が含まれているような、一連の連続するサブフレーム、スロット、またはシンボルから成り;かつ、
・ 例えば少なくとも2つのセルといった、複数のセルからのディスカバリ信号が含まれている。
ディスカバリ時間ウィンドウは、同じ意味で、「ディスカバリ信号時間ウィンドウ」または「ディスカバリ信号伝送時間ウィンドウ」と呼ばれることもある。
パターンの取得は、パターンを作成すること、決定すること、および/または複数のパターンから選択することを含んでもよい。例えば、複合パターンは次の動作によって作成され得る。
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つであり、かつ、パターンに関連づけられたパラメータの事前に規定された値に基づいている、パターンを選択すること
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つであるが、ネットワークノードによって決められて選択/セットされた一定のパラメータを有する、パターンを選択すること
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つではないが、パラメータの事前に規定された1つまたは複数の値に基づいている、パターンを作成すること;および
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つではないが、ネットワークノードによって決められて選択された値を有する事前に規定されたパラメータに基づいている、パターンを作成すること
ディスカバリ時間ウィンドウを導入する1つの利点は、端末デバイス測定の電力効率が向上するということである。これは、端末デバイスは、この時間ウィンドウの間のみ、複数のセルからのディスカバリ信号を検出し、識別し、測定する必要があるためである。
図4は、2つのセルが、対応するディスカバリ信号をウィンドウ内部でずらして伝送しているような、ディスカバリ時間ウィンドウを示す。
代替として、1つの周期的なディスカバリウィンドウではなく、異なる長さと異なる周期を持つ2つ以上のディスカバリ時間ウィンドウがあってもよい。このようにすると、ディスカバリ信号の干渉コーディネーションの自由度が高まる。また、このようにすることで、ディスカバリ信号間の整合化の観点からネットワークノードの自由度も高まる。例えば、セルは、自身のディスカバリ信号を近隣セルのサブセットのみからのディスカバリ信号と整合させる必要がある。
図5は、図4のような2つのセルを第3のセルと共に示したものであり、第3のセルからのディスカバリ信号は、持続期間が異なりかつ周期が異なる別のウィンドウ内で伝送されている。
ディスカバリ時間ウィンドウ内にディスカバリ信号が含められる対象となるすべてのセル(例えば、キャリアf1上のサービングセルおよび近隣セル)は、各々のディスカバリ信号の少なくとも一部を、ウィンドウ範囲内に収まるように伝送する。ネットワークノードはまた、近隣セルによって伝送されるディスカバリ信号に関する情報を取得および/または受信してもよい。ネットワークノードは次いで、取得したおよび/または受信した情報に加え、ディスカバリ時間ウィンドウを決定するための事前に規定されたいくつかのパラメータまたはルールも使用する。決定されたウィンドウは次いで端末デバイスにシグナリングされる。このようにすることで、端末デバイスは、設定されたディスカバリ時間ウィンドウの間に信号を測定できるようになる。
ディスカバリ信号が含まれるディスカバリ時間ウィンドウのパターンに関連づけられたパラメータ
ここに開示される技法のいくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、ディスカバリ時間ウィンドウの1つまたは複数のパターンで設定されるか、その他の場合はこれを取得し、ディスカバリ時間ウィンドウには端末デバイスが探索しなければならないディスカバリ信号が含まれており、端末デバイスは一定時間内にそのディスカバリ信号を測定する。ウィンドウのパターンのシグナリングに先立ち、ネットワークノードは、ウィンドウのパターンに関連づけられた一定のパラメータを決定する必要がある。
パターンの決定は、事前に規定されたルールに基づいてネットワークノードによって行うことができ、かつ/または端末デバイスへウィンドウをシグナリングするネットワークノードによって自律的に行うことができる。あるいは、パターンもまた、例えば、事前に規定されたルールおよび/またはパラメータに基づいて、全部または部分的に端末デバイスによって取得されてもよい。さらに別の例において、パターンの一定のパラメータはネットワークノードによって設定されてもよく、一方、残りは端末デバイスによって取得される。このような場合のいずれにおいても、関連づけられたパラメータは、以下に記載するパラメータの1つまたは複数を含み得る。
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンに関連づけられた時間関連の情報またはパラメータは、以下の1つまたは複数で構成され得る。
・ ウィンドウ開始時間
・ ウィンドウ持続期間
・ ディスカバリ時間ウィンドウ内のセルの識別子
・ セル間同期情報
・ ウィンドウ周期
・ パターンの開始時間およびパターン当たりのウィンドウ数;および
・ サブフレームオフセット
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンはまた、例えば、以下のような周波数関連情報に関連づけられてもよい。
・ ウィンドウのキャリア周波数
・ ウィンドウ内のディスカバリ信号の帯域幅
・ ディスカバリ信号の周波数位置または探索ウィンドウの周波数位置
・ 例えば、LTE TDD、LTE FDDといった、ディスカバリ信号に関連づけられた無線アクセス技術(RAT)
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンはまた、以下に関連づけられてもよい。
・ 共通のディスカバリ時間ウィンドウの場合の、すなわち、オーバーヘッドを減らすためにいくつかのキャリアに同じパターンが適用される場合の制限された情報
以下の項では、上記のパラメータのいくつかについて詳しく説明する。
ウィンドウ開始時間 − この側面による場合、ウィンドウの開始時間はいくつかの基準時間に基づくことができる。例示的な一実施形態において、基準時間は、例えば、GPS時間、GNSS時間といったグローバル時間またはグローバルクロックとすることができる。
さらに別の例示的な実施形態において、基準時間は、ウィンドウが用いられるネットワークにおけるローカル時間に基づいてもよい。より具体的には、ウィンドウの開始の基準時間は、一定の基準セルのシステムフレーム番号(SFN)に基づいてもよい。
基準セルは端末デバイスのサービングセルとしてもよいし、端末デバイスが識別できるか、または端末デバイスにとって周知である他のいかなるセルであってもよい。基準セル(例えばサービングセル)は、事前に規定されてもよいし、ディスカバリ時間ウィンドウを設定するネットワークノードによって端末デバイスに指示されてもよい。ネットワークノードによって送信される指示の場合、典型的には、基準セルID(例えば、PCI、CGIなど)が端末デバイスに提供され得る。この情報はまた、例えば、ULおよび/またはDL EARFCNといった基準セルの周波数を含んでもよい。
ディスカバリ時間ウィンドウの開始の基準時間は、SFNに基づくとき、以下の手段の1つまたは複数により、端末デバイスによって取得され得る。
・ SFNの1つまたは複数の事前に規定された値(例えば、SFN=0、SFN=512など)。この場合、ウィンドウは事前に規定されたSFNからのみ始まる。
・ ネットワークノードによるシグナリング。例えば、ネットワークノードは、あるキャリア(例えばf1)上のセルを測定するための探索時間ウィンドウが基準セル(例えばサービングセル)のSFN=24から始まることを指示してもよい。端末デバイスはサービングセルのSFNを知ることによって、ウィンドウが始まる正確な時を判断することができる。
開始時間の時点は、次のようなサブフレームの定数mとすることができる。
SFN mod m=0
または、この後ろにSFN番号に基づく範囲数が続いてもよい。範囲数もまた、事前に規定されていても、端末デバイスへシグナリングされてもよい。
開始時間をシグナリングする方法の別の例は、以下のようになる。
ここでnfはフレーム番号、nsはフレーム内のスロット番号、ΔDRSはサブフレームオフセット、およびTDRSはディスカバリ信号の周期である。ディスカバリ信号の周期は、上記の例ではサブフレーム単位であるが、スロット単位で設定することもできる。
上記のパラメータは、例えば、端末デバイスの現在のプライマリセルに基づいていてもよい。あるいは、サービングセル、またはディスカバリ信号測定が行われる周波数上の他のいかなるセルに基づいていてもよい。
ウィンドウ持続期間 − ウィンドウの持続期間に関する情報もまた端末デバイスに提供される必要がある。ディスカバリ時間ウィンドウの効率は、ウィンドウの持続期間に部分的に依存する。ウィンドウの1つまたは複数の可能な持続期間は、事前に規定することもできるし、ネットワークノードが決定することもできる。持続期間は、サブフレームまたはタイムスロットの数で表してもよいし、ウィンドウの開始時間のSFNに関してSFNの数として表すことさえ可能である。
ネットワークノードは、例えば、以下のような1つまたは複数の基準に基づいて、ディスカバリ時間ウィンドウの事前に規定された持続期間から1つを決定するか、または選択してもよい。
・ ディスカバリ信号伝送の柔軟性:ウィンドウが広いほど、ネットワークノードがディスカバリ信号を伝送する際の柔軟性が高まる。多数(例えば16以上)のセルが関与する場合、これらのセルのディスカバリ信号の伝送タイミングを整合させることはより難しくなる。この場合、ネットワークノードは、より長いウィンドウ持続期間を選択してもよいし、作成してもよい。より広いウィンドウの例としては、例えば、3フレームといった複数のフレームを含むウィンドウがある。
・ 干渉の低減または回避:より広いウィンドウのもう1つの利点は、異なるセル間の干渉コーディネーションの改善を可能にすることである。その理由は、より広いウィンドウにより、少なくとも一定のセルからのディスカバリ信号の伝送を非重複時間(non−overlapping times)中にスケジュールできるようになるためである。このようにすることで、複数のセルからのディスカバリ信号の衝突が回避される。一方、端末デバイスにとっては、ディスカバリ信号がディスカバリ時間ウィンドウの持続期間内に収まるセルをさらに容易に検出できるようになる。
・ 端末デバイスの複雑性:端末デバイスが同時にまたは一定時間内にいくつかのセルを測定する必要がある場合、端末デバイスにおける複雑性および必要な処理量が増す。したがって、端末デバイスにおける複雑性を低減するために、ネットワークノードは、例えば1または2フレームといったより広いか、または適度のウィンドウ持続期間を設定してもよい。
・ 端末デバイスの電力消費:一方で、広いウィンドウは、端末デバイスが、より長い時間にわたって測定を行う必要があることから、端末デバイスの電力効率を低下させる。すなわち、端末デバイスは、ウィンドウ内の異なる時間拡散(times spread)においてセルを探索しなければならない。端末デバイスのバッテリ電力を節約できるようにするため、ネットワークノードは、例えば1フレーム以下といった、より狭いウィンドウを設定してもよい。
ネットワークは次いで、例えばRRCを通じ、端末デバイスを探索ウィンドウの長さで設定する。
これらの技法の別の実施形態によれば、ウィンドウの持続期間は、ネットワーク内の一意のディスカバリ信号の数および許容干渉に基づいて適合され得る。一例として、一意のディスカバリ信号の総数がN個であり、重複するディスカバリ信号を有することを許容されているセルの数がM個である場合、ウィンドウは
個の重複しないディスカバリ信号を収容できるはずである。
ディスカバリ時間ウィンドウ内のセルの識別子 − LTEにおいて、端末デバイスは近隣セルをブラインド(blindly)検出するか、自律的に検出する、すなわち近隣セルリストを受信することなく検出する。したがって、デフォルトでは、ネットワークノードは、端末デバイスがディスカバリ時間ウィンドウ内で測定することを求められているセルの識別子をシグナリングすることはない。しかしながら、セル識別子は、以下の条件またはシナリオの1つまたは複数のもとで端末デバイスに提供され得る。
・ ディスカバリ信号がキャリア上のセルのサブセットからのみ伝送され得る場合。言い換えれば、オン/オフ方式がキャリア上の少数のセルでのみ用いられることが予測されるか、または、現在、用いられている。この場合、ネットワークノードは、ディスカバリ信号を伝送するセルのIDをシグナリングしてもよい。
・ ディスカバリ時間ウィンドウの範囲内にあるセルのフレーム時間同期のステータスに依存する場合。フレーム同期については、次の項で説明する。セル同士が同期していない場合、すなわち、それらのセルのフレーム伝送タイミングが事前に規定された一定の時間範囲内にない場合、ネットワークは、ウィンドウ範囲内のセルの識別子またはディスカバリ信号のインデックスをシグナリングしてもよい。受信した識別情報またはインデックスに基づき、端末デバイスは、ディスカバリ信号探索ウィンドウの長さを調整することになる。この動作は、シグナリングされたディスカバリ信号がすべてディスカバリ探索ウィンドウの範囲内に収まるようにするために行われる。
いくつかの実施形態において、端末デバイスは、サービングeNBが端末デバイスを設定するのに用いる一定のディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた、識別情報またはディスカバリ信号の設定インデックスのリストをシグナリングされる。この識別情報に基づき、端末デバイスは、ディスカバリ信号探索ウィンドウの長さを調整することになる。この動作は、シグナリングされたディスカバリ信号がすべてディスカバリ探索ウィンドウの範囲内に収まるようにするために行われる。
セル間同期 − 時としてネットワークが同期されているとみなしてよい場合がある。サービングeNBは、この想定を端末デバイスに提供しても、提供しなくてもよい。
セル同士は、自身のフレームの伝送タイミングに関して、時間同期されても、されなくてもよい。ここで言う「時間同期」とは、セルのフレーム開始タイミング間の間隔がすべて、例えば3μs以内といった互いに対する一定の絶対時間差の範囲内にあることを意味する。ディスカバリ時間ウィンドウに関する情報もまたセルの同期ステータスに関連づけられてもよい。例えば、ウィンドウ内で、事前に規定された何らかのレベル(例えば3μs)の範囲内で測定する対象となるセル同士が同期されているかどうかが示されてもよい。セル同士が同期されているか否かに関する指示は、端末デバイスがセルを探索し、測定する上で助けとなる。例えば、ウィンドウ内のセル同士が時間同期されていることが示された場合、端末デバイスは、1つのセルについて検出したタイミングを、そのウィンドウ内の残りの(reaming)セルを識別するために再利用することができる。
ウィンドウ周期 − 「ディスカバリ時間ウィンドウ」が一定の期間すなわち間隔の後に反復されるように、ディスカバリ時間ウィンドウが周期的に繰り返し発生すると、特に有益であろう。この場合、ウィンドウの周期に関する情報も端末デバイスに提供される必要がある。時間ウィンドウの持続期間と同様、ディスカバリ時間ウィンドウが測定パフォーマンスに与える影響もまたウィンドウの周期に依存する。
ウィンドウの1つまたは複数の可能な周期は、事前に規定することもできるし、ネットワークノードが決定することもできる。ネットワークノードは、例えば、以下のような1つまたは複数の基準に基づいて、ディスカバリ時間ウィンドウの事前に規定された周期から1つを決定するか、または選択してもよい。
・ ディスカバリ信号の可用性:ディスカバリウィンドウの発生頻度が高いほど、ネットワークノードがディスカバリ信号を伝送する際の柔軟性が高まる。ただし、それは、当該ウィンドウを適用することができる様々なセルによってディスカバリ信号が伝送される頻度に依存する。これらのセルによってディスカバリ信号が高い頻度でしかも非重複時間に伝送される場合、ネットワークノードがウィンドウの周期を決定する際の柔軟性が高まる。例えば、ディスカバリ信号がすべての、またはいくつかのセルによって、40ミリ秒ごとなどの高い頻度で伝送される場合、ネットワークノードは、例えば40または80ミリ秒といった比較的短い周期を設定してもよい。
・ 測定時間:ディスカバリ信号の周期が短いほど、端末デバイスは、より高い頻度で測定を行って十分な測定サンプルを得ることができるため、測定時間が短縮される。測定時間を短縮するために、設定される周期を例えば40または80ミリ秒というように短縮してもよい。
いくつかの実施形態によれば、ディスカバリウィンドウの周期は、ウィンドウの持続期間と共に決定することができる。この場合、ウィンドウの周期と持続期間との組合せは、重ならないディスカバリ信号が十分な数だけ提供されるように選択されるべきである。ウィンドウの持続期間が短く周期性が高いほど、コーディネーションの面では向上するが、端末デバイスの処理効率は低下する。
したがって、ディスカバリシグナリングの長さおよび周期は、インデックスパラメータとして端末デバイスへシグナリングされてもよい。この場合、インデックスの各々の値が、ディスカバリ探索ウィンドウの一定の長さおよびディスカバリ信号の周期を規定する。インデックスはさらに、例えば、サブフレームオフセットパラメータといった、他の設定可能な側面を同時に示すために用いられてもよい。
このインデックスは、例えば、パラメータΔDRS、TDRS、および探索ウィンドウの持続期間を決定するために用いることができる。あるいは、このインデックスは、例えば周期のみというように、これらのパラメータのサブセットのみを決定してもよい。
パターンの開始時間およびパターン当たりのウィンドウ数 − 1つのパターンは、ディスカバリ時間ウィンドウの1つまたは複数のインスタンスで構成される。複数のディスカバリウィンドウのパターンは、セルのオン/オフ挙動が、例えば、1秒以上前に予測可能であるか、または前もって把握できる場合に用いることができる。ディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた1つまたは複数のパラメータは、各パターンの後に変更されてもよい。すなわち、当該パターンはその周期にわたって適用可能とすることができる。端末デバイスは、パターン内の各ディスカバリウィンドウに対するパラメータが同じであるとみなしてよい。
パターンに1つのウィンドウしか含まれていない場合、ディスカバリ時間ウィンドウの開始時間、持続期間、および周期を示すのには十分であろう。ただ1つのウィンドウから成るそのようなパターンは、特殊なケースである。この場合、パターン周期は、パターンが無制限の時間に対して設定されている場合は特に、ウィンドウの周期と同じであるとみなすことができる。
一方、1つのパターン内に複数のウィンドウがある場合、端末デバイスは、他のパラメータに加えて、パターンが始まる基準時間の指示も提供されてよい。この基準開始時間はまた、セルのSFNに基づいていてもよいし、上述した他の任意のグローバル時間(例えばGPS)に基づいていてもよい。パターン開始時間はまた、パターン内の最初のディスカバリ時間ウィンドウの開始時間とすることができる。パターン関連の情報は、さらにパターン内のディスカバリ時間ウィンドウの数で構成されてもよい。
サブフレームオフセット − ディスカバリウィンドウの開始時間は、無線フレームの開始に対して相対的なオフセットとして設定されてもよい。一例として、サブフレームオフセット3は、ディスカバリウィンドウが無線フレームの3番目のサブフレームから始まることを示す。
ディスカバリ時間ウィンドウの周波数関連情報 − ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)に関する情報は、キャリア周波数ごとにネットワークノードによって端末デバイスへシグナリングされてもよい。例えば、周波数f1およびf2にそれぞれ適用可能なTw1およびTw2に関する情報が端末デバイスにシグナリングされる。一例では、周波数f1およびf2はそれぞれ、キャリアアグリゲーションにおける(プライマリキャリアまたはPCCとも称される)プライマリサービングキャリアおよび(セカンダリキャリアまたはSCCとも称される)セカンダリサービングキャリアとすることができる。別の例では、周波数f1およびf2はそれぞれ、プライマリまたはサービングキャリアおよび非キャリアまたは周波数間キャリアとすることができる。
別の例示的な実施形態では、同じキャリア周波数f1上のセルのグループに対して、2つ以上のディスカバリ時間ウィンドウ(Tw1−i)が作成されてもよい。例えば、Tw1−1およびTw1−2は、f1上のセルの第1のセットおよびf1上のセルの第2のセットにそれぞれ適用可能とすることができる。この場合、ネットワークノードは、複数のディスカバリ時間ウィンドウに関する情報を端末デバイスへシグナリングしてもよい。第1および第2のセットはまた、f1上の同じ1つまたは複数のセルに適用可能としてもよい。
端末デバイスへの情報のシグナリングに先立ち、ネットワークノードは、ディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた周波数関連情報の1つまたは複数のセットを決定し、決定した情報を端末デバイスへシグナリングする。関連づけられた周波数関連情報は、以下の1つまたは複数で構成され得る。
・ FDDまたはHD−FDDの場合は、ULキャリア、DLキャリア、またはその両方を含み得る、EARFCNで表現され得る、ウィンドウのキャリア周波数
・ ディスカバリ信号が伝送される周波数帯域幅を規定する、例えばウィンドウ内のディスカバリ信号の帯域幅。ディスカバリ信号の帯域幅は、ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能な同一キャリア上の全セルの帯域幅の関数として、システムによって選択され得る。この関数の例として、最小、平均などがある。
・ ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能な周波数帯もまた、任意選択により、端末デバイスへシグナリングされてもよい。
・ ディスカバリ信号の周波数位置または探索ウィンドウの周波数位置、すなわち探索ウィンドウが位置する割り当てられた周波数帯。ウィンドウが、システムの動作帯域幅内のPRBの特定セットにのみ位置することもあり得る。これらのPRBは、支援情報の一部として端末デバイスへ直接シグナリングされてもよい。
・ 例えば、LTE FDD、LTE TDDといった、ディスカバリ時間ウィンドウのRATに関する情報もまた、端末デバイスにシグナリングされてもよい。
共通のディスカバリ時間ウィンドウの場合の制限された情報 − 複数のキャリア周波数に対するディスカバリ時間ウィンドウが部分的にまたは全部同じであってもよい。例えば、PCC上のセルとSCC上のセルに対して同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。別の例において、例えば、PCC、SCC1、およびSCC2といった、CAにおいて設定されたすべてのキャリア上のセルに対して、同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。さらに別の例において、サービングキャリア上のセルおよび非サービングキャリア上のセル、または2つ以上の非サービングキャリア上のセルに対して、同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。
2つの以上のキャリアに対して共通のディスカバリ時間ウィンドウが適用されるとき、ネットワークノードは、複数のキャリアに適用可能である「共通の」ディスカバリ時間ウィンドウに関する詳細情報の1セットのみをシグナリングしてもよい。ただし、これに加えて、当該ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能であるキャリアを示す情報をシグナリングしてもよい。
例えば、ネットワークノードは、一定のキャリア(例えば、PCC、SCCなど)上のセルを測定するために同じディスカバリ時間ウィンドウを適用するか否かについて、端末デバイスに通知する指示子をシグナリングしてもよい。このようにすると、ディスカバリ時間ウィンドウは、同じディスカバリ時間ウィンドウが適用可能であるキャリアの1つのみと共にシグナリングされるため、シグナリングオーバーヘッドが低減される。
端末デバイスが2つ以上のキャリア上のセルを測定するように設定されているにもかかわらず、ディスカバリ時間ウィンドウが当該キャリアの1つについてしかシグナリングされない場合、端末デバイスは、設定されたすべてのキャリア上の全セルを測定するための同じディスカバリ時間ウィンドウを想定し、これを使用するように事前に規定されていてもよい。
ディスカバリ信号の複合パターンをシグナリングするための、ネットワークノードにおける方法
複合パターンまたは上述のパラメータに関連づけられたパラメータは、端末デバイスへシグナリングされる。この情報は、端末デバイスへ、共通チャネル(例えば報知チャネル)上でシグナリングされてもよいし、例えばPDSCHといった端末デバイス固有のチャネル上でシグナリングされてもよい。この情報は、場合によっては、例えば、PDCCHといったダウンリンク(DL)制御チャネル上でシグナリングされてもよい。この情報はまた、RRC、MAC、およびDL制御チャネルなどの複数のチャネルを介してシグナリングされてもよい。例えば、パラメータの基本設定または詳細は、PDSCH上のRRCを介してシグナリングされ、使用時におけるパターンのアクティブ化はPDCCHを介してシグナリングされる。
この情報は、初期セットアップ中またはパターンに関連する1つまたは複数のパラメータが変更されたときにシグナリングされてもよい。
パターンはまた、例えば、X2上で近隣セルへ、LPPa上で測位ノードへなど、別のネットワークノードへシグナリングされてもよい。受信されたパターンは、近隣セルが、自身のディスカバリ信号の伝送を整合化するため、およびそのディスカバリ信号が他のネットワークノードにおいて使用されるパターンのディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)内で伝送されるようにするために用いることができる。測位ノードなどの受信側ノードは、この情報を使用して、例えば、LPPによるUE Rx−Tx時間差といった測位測定を実行するように端末デバイスを設定してもよい。
パターンに関連づけられてシグナリングされる情報は、パターンの種類に依存する。例えば、パターンが事前に規定されたパターンの1つである場合、ネットワークノードは、少なくとも、選択されたパターンの事前に規定された識別子をシグナリングすればよい。この場合のネットワークノードは、事前に規定されていない場合に備えて、パターンの開始時間もシグナリングしてよい。パラメータがネットワークノードによって決められ、選択される場合、ネットワークノードはまた、パターンに関連づけられたパラメータのサブセットまたは全部をシグナリングしてもよい。
さらに、パターンが非周期的である場合、または、一定時間後に周期が変化する場合、パターンに関する情報すなわち各ディスカバリ時間ウィンドウに関する情報は、もっと頻繁に、例えば、ディスカバリ時間ウィンドウの各時点の発生に先立ってシグナリングされることになる。
キャリア上の必ずしもすべてのセルがオン/オフ方式を使用するわけではない、または現在使用中ではないこともあり得る。したがって、この場合、ネットワークノードはまた、複合パターンがセルのサブセットにのみ適用されることを端末デバイスへ通知してもよい。例えば、ネットワークノードは、キャリア上にオン/オフセルとレガシーセル(すなわちオン/オフ方式を使用しないセル)とが混在しているかどうかを示す指示子をシグナリングしてもよい。このようにすることで、端末デバイスは、その測定手順を以下に説明するように適合させることが可能になる。
ディスカバリ信号の複合パターンを取得するための、端末デバイスにおける方法
いくつかの実施形態において、端末デバイスは、1つまたは複数の複合パターンに関連する情報を取得する。複合パターンは、上記の項で説明したように、ネットワークノードからの異なるキャリア上のセルを測定するためのディスカバリ時間ウィンドウを規定する。端末デバイスは、そのサービングネットワークノードによって、例えば、サービングeNodeまたは、HSPAサービングセルとのLTEキャリア上のRAT間測定の場合はサービングRNCによって、パターンを用いて設定されてもよい。
一方、端末デバイスはまた、事前に規定されたルールおよび/またはパラメータに基づいて、パターン、またはパターンに関連づけられた少なくとも一定のパラメータを部分的にまたは全部取得してもよい。例えば、端末デバイスは、ディスカバリ信号を測定するように設定されているにもかかわらず、パターンを提供されていないとき、ディスカバリ信号が事前に規定された特定のパターンまたはデフォルトパターンに従って送信されるとみなすものとする、というように事前に規定されていてもよい。
端末デバイスはまた、格納された情報または履歴データに基づいて複合パターンを取得してもよい。パターンは、RRC設定内に規定されたデフォルト値または実際のパターンの情報要素をさらに有してもよい。例えば、端末デバイスは、あるキャリア(f1)に関して取得したパターンを、将来、このキャリアを測定するために再利用してもよい。
端末デバイスはまた、パターンを別の端末デバイスから取得してもよい。ただし、両方の端末デバイスはデバイスツーデバイス(D2D)動作が可能であるものとする。
端末デバイスは、パターンを取得した後、測定を実行するためにそのパターンを使用する。しかしながら、端末デバイスもまた、次の項で説明するように、自身の測定手順を適合させるか、または調整する必要があるだろう。
ディスカバリ信号の複合パターンを考慮して測定手順を適合させる方法
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、その1つまたは複数の測定手順を、サービングセルに関連づけられたディスカバリ信号および/または近隣セルに関連づけられたディスカバリ信号の取得した1つまたは複数の複合パターンに従って適合させる。ネットワークノードはまた、1つまたは複数の測定関連手順を適合させて、端末デバイスが設定された測定を実行するのを支援し、端末デバイスが1つまたは複数の事前に規定された要件を満たすことができるようにしてもよい。以下に、端末デバイスおよびネットワークノードにおける手順の適合化の例を説明する。
端末デバイスによる測定手順の適合化 − パターンおよびこれらに関連づけられたパラメータは、ネットワーク種類、動作条件などに応じて変動し得る。パターンはまた経時において変更または修正され得る。したがって、端末デバイスは、様々な状況下で様々なパターンを取得する可能性がある。端末デバイスはまた、様々なパターンでセルに対する測定を実行しなければならない可能性がある。端末デバイスはまた、セルに対して様々なパターンで行われた測定を比較することにより、比較測定を実行しなければならない可能性がある。
したがって、ここに開示される技法の本態様において、端末デバイスは、パターンが経時において一様でなくても、またはパターンが異なっていても、必要とされる測定が実行されるように、自身の測定手順の1つまたは複数を適合させる。測定手順の適合化の非制限的な例の一部を、以下に示す。
・ 測定サンプリングレート、例えば、連続するサンプル間の時間を適合させること
・ 測定サンプリングのサイズまたは長さまたは持続期間を適合させること
・ 測定サンプリング時間インスタンスを適合させること
・ レガシーセルおよびオン/オフ方式によるセルに対する測定サンプリングを適合させること
端末デバイスによる測定手順の適合化を、以下の例によって説明する。
・ 一例において、測定サンプリング時点が測定対象セルの「オフ」期間とぶつかる場合、端末デバイスは、図6に示すように、サンプリング時間を「オン」期間と一致するように調節して、実行される測定の測定要件(例えば測定精度)が満たされるようにする。既存の解決策では、端末デバイスがサンプルを得る機会を逸する可能性があるため、パフォーマンスが低下するだろう。この調整はサンプルごとに個別に行ってもよいし、サンプルの測定周期および/または持続期間を変えて、測定対象セルの「オン」期間中に端末デバイスが測定を行うことが保証されるようにしてもよい。
・ 別の例において、端末デバイスが、複合パターンはキャリア上のセルのサブセットに対してのみ適用可能であるという情報を取得した場合、端末デバイスは、その測定サンプリングをさらに適合させてもよい。例えば、この種の「混在シナリオ(mixed scenario)」の場合、端末デバイスは、複合パターンが適用されるセルに対してだけでなく、(ディスカバリ信号を伝送しない)レガシーセルに対しても測定を実行するものとする、というように事前に規定されていてもよい。また事前に規定されたルールによって、端末デバイスは、少なくとも一定数の識別されたセル(例えば7セル)を測定しなければならないと定め、その一部にはパターンを使用し、残りはパターンなしで測定するようにしてもよい。
ネットワークノードによる測定手順の適合化 − ネットワークノードは、測定関連手順を、測定パフォーマンスに影響する他の手順と整合させることにより、適合させてもよい。そのような整合化の例は、以下のとおりである
・ 測定ギャップとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化
・ DRXサイクルとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化;および
・ UL参照信号とディスカバリウィンドウとの間の整合化
ネットワークノードは、端末デバイスによって実行される1つまたは複数の測定関連手順を適合させて、端末デバイスが取得した複合パターンを使用して行う測定を拡張できるようにしてもよい。ネットワークノードはまた、自身の測定、すなわち、端末デバイスから伝送される信号に対してネットワークノードによって行われる測定を拡張するために、同様の適合化を実行してもよい。これらの適合化は、端末デバイスまたはネットワークノードが、測定の機会がおそらくは不十分すなわち低頻度であるゆえに減少した測定の機会を補えるようにするであろう。次に、このような適合化の例を、上記に列挙したいくつかの整合化動作に沿って説明する。
測定ギャップとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − 非サービングキャリア上または測定ギャップを必要とするキャリア上の信号の上でディスカバリ信号を測定するために、ディスカバリ時間ウィンドウが全部または少なくとも部分的に、端末デバイスにおいて設定された測定ギャップの範囲内に入るように、事前に規定されていてもよい。そのためには、ネットワークノードが端末デバイスに対し、ギャップにおいてディスカバリ信号を測定するよう要求した場合、また当該ディスカバリ信号が測定ギャップに少なくとも部分的に含まれるように測定ギャップを設定するよう要求する必要がある。
ディスカバリ時間ウィンドウの少なくとも一部が全部または少なくとも部分的に測定ギャップの範囲内に入ることを条件として、端末デバイスは、ディスカバリ信号に対する測定に関連づけられた測定要件を満たすものとする、というように事前に規定されていてもよい。測定要件の例としては、測定時間(例えばL1測定期間、セル識別遅延、報告遅延など)、測定精度、測定対象として識別されたセルなどがある。
ディスカバリ時間ウィンドウ内の一定数のタイムスロットもしくはサブフレームまたはディスカバリ信号のセットが測定ギャップの範囲外にある場合に備えて、端末デバイスは緩和状態になること、すなわち、あまり厳格化されていない測定要件を満たせばよいことを許容されるとしてもよい。緩和された、すなわち、あまり厳格化されていない測定要件は、より長い測定時間、より低い測定精度、より少ない測定対象セルなどに相当し得る。
DRXサイクルとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − 端末デバイスがRRC_CONNECTEDモードにある場合、端末デバイスは間欠受信(DRX)機能性で設定され得る。DRXモードにおいては、バッテリ電力を節約するため、端末デバイス受信器は、「オン」持続期間にわたり、端末デバイスがDL制御チャネル(例えばPDCCH)をモニタする必要がある短い時間の間、アクティブになる。それ以外の、DRXサイクルのオフ持続期間の間、端末デバイスはDLチャネルをモニタする必要はない。端末デバイスがディスカバリ信号を測定するための複合パターンで設定され、同時にDRXで動作しているとき、DRXオン持続期間の間にディスカバリ信号が存在しない可能性は高い。この場合、端末デバイスは、バッテリ寿命を低下させつつも、DRXオンインスタンス間にウェイクアップする必要がある。
端末デバイスのバッテリ寿命を温存するため、ネットワークノードは、オン持続期間が全部または部分的に「ディスカバリ時間ウィンドウ」と重なるようにDRXサイクルを設定することにしてもよい。この場合、ネットワークは、DRXサイクルの、および/または複合パターンの開始時間を調整する必要があるだろう。
ネットワークノードはまた、端末デバイスの省エネを支援するようにDRXサイクルおよび/または複合パターンに関連するパラメータを調整してもよい。例えば、ネットワークノードは、DRXサイクルのオン持続期間を、複合パターン内のディスカバリ時間ウィンドウの持続期間に等しいか、できるだけ近づくように設定してもよい。別の例において、ネットワークノードはまた、DRXサイクル長(DRX周期として知られる)がディスカバリ信号の複合パターンの周期に等しいか、できるだけ近づくように、DRXサイクル長を調整してもよい。また、ディスカバリ時間ウィンドウが全部または少なくとも部分的にDRXサイクルのオン持続期間と重なるように事前に規定されていてもよい。
いくつかの実施形態において、DRXオン持続期間の終了とディスカバリ時間ウィンドウの開始とが、またはディスカバリ時間ウィンドウの終了とDRXオン持続期間のものとが一定時間(Tdrx−w)の範囲内にあるように事前に規定されていてもよい。Tdrx−wは、端末デバイスへシグナリングされてもよいし、事前に規定されていてもよい。例示的な値は5ミリ秒または10ミリ秒である。Tdrx−wはまた、周期またはオン持続期間といったDRXサイクル関連のパラメータ、および、ディスカバリ時間ウィンドウの周期またはウィンドウ持続期間といったディスカバリ時間ウィンドウ関連のパラメータの関数とすることができる。例えば、Tdrx−wは、DRXサイクル周期およびパターン周期の少なくとも1つがしきい値よりも長い場合(例えば160ミリ秒以上)、延長してもよい(例えば40ミリ秒)。
アップリンク参照信号とディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − いくつかの実施形態において、ネットワークノードは、ディスカバリ時間ウィンドウと全部または部分的に時間整合されているUL参照信号(UL RS)で端末デバイスを設定してもよい。UL RSの一例として、サウンディング参照信号(SRS)がある。例えば、UL RSは、UL参照信号の発生の少なくとも一定の時間インスタンスが、端末デバイスにシグナリングされるパターンのディスカバリ時間ウィンドウと時間的に少なくとも部分的に一致するように、端末デバイスにおいて設定される。このようにすることで、端末デバイスはUL測定およびDL測定を同時期に実行できるようになり、端末デバイスの複雑性および電力消費が低減される。特に、この整合化は、ネットワークノードおよび/または端末デバイスが、例えば、端末デバイスRx−Tx時間差、eNodeB Rx−Tx時間差といったULコンポーネントとDLコンポーネントとから成る測定をより容易に実行できるようにするだろう。
端末デバイス測定を拡張する適合化の例 − 端末デバイスが、オン/オフ特徴を有するセルを測定するように、すなわち複合パターンを使用して測定するように設定されているとき、ネットワークノードは、端末デバイス測定に関連する1つまたは複数の設定パラメータを修正してもよい。これらのパラメータは、測定を行う端末デバイスへ送信されて、測定パフォーマンスを向上させる。一例において、ネットワークノードは、例えば、より長いTime to Trigger(TTT)、ヒステリシス、L3フィルタリング係数値、測定帯域幅といった、フィルタリング関連の測定パラメータを設定または修正してもよい。
例えば、パターン周期がしきい値(例えば320ミリ秒)より長い場合は、フィルタリングパラメータもまた、測定精度を低下させないように適合させる。例えば、ネットワークノードは、例えば320ミリ秒から1280ミリ秒といった、より長いTime to Trigger(TTT)パラメータ値を設定してもよい。別の例において、上位層平均化パラメータ値(例えばL3フィルタリング係数値)は、例えば、0.5秒から1秒に拡大してもよい。さらに別の例において、測定が行われる対象となる測定帯域幅を例えば25RBs(5MHz)から50RBs(10MHz)へ拡大してもよい。端末デバイスが、不十分なパターンゆえに、測定を頻繁な間隔で実行することができないとき、測定設定パラメータの適合化(例えば、値を拡大すること)により、測定精度が向上するであろう。
ネットワークノード測定を拡張する適合化の例 − サービングセルがオン/オフモードで動作しているとき、および/または端末デバイスが複合パターンを使用するセルを測定するように設定されているとき、端末デバイスは、そのUL信号またはUL参照信号をより低い頻度で伝送してもよい。
ネットワークノードは、DL送信信号および/またはUL受信信号に対する測定を実行する。ネットワークノード測定の例としては、DL伝送電力、UL SINR、伝搬遅延、RX−Tx時間差などがある。
ネットワークノードは、測定を実行するときにDL信号および/またはUL信号の伝送を考慮に入れることで、当該ネットワークノード測定に用いられる1つまたは複数の測定設定パラメータを適合させてもよい。例えば、ネットワークノードは、DLおよび/または端末デバイスによって伝送されるUL RSにおけるディスカバリ信号の周期に応じて、測定期間を延長してもよい。例えば、無線ノードは、セルが測定サンプルの半分以上にわたって「オフ」である場合、100ミリ秒ではなく200ミリ秒にわたってSINRを測定してもよい。別の例では、ネットワークノードは測定期間を延長し、さらに、例えば15RBsではなく50RBsといった、より広い帯域幅にわたって測定を実行してもよい。測定期間および/または測定帯域幅の拡大により、実行される測定のパフォーマンスが向上するであろう。
ディスカバリ信号の複合パターンに基づく測定に関連する能力をシグナリングするための、端末デバイスにおける方法
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、端末デバイスが、1つまたは複数のセルに対して測定を実行するために、ディスカバリ信号の取得した複合パターンに関連する情報を使用することができるか否かを示す、能力情報をネットワークノード(基地局、eNodeB、RNC、BSC、コアネットワーク、測位ノードなどのサービングネットワークノード)へシグナリングする。端末デバイスの能力情報は、端末デバイスが、自律的に、または事前に規定された1つまたは複数のルールに基づき、複合パターンを取得することができるか否かをさらに示してもよい。
端末デバイスの能力情報にはまた、追加の情報またはより具体的な情報が含まれていてもよい。例えば、セルに対して複合パターンを使用して測定を実行するにあたり、その対象がサービングキャリア上の設定された任意のキャリアのみなのか、周波数間キャリアなのか、またはマルチキャリアにおけるコンポーネントキャリアのすべてもしくはサブセットなのか、などを示してもよい。さらに、複合パターンを、端末デバイスによってサポートされるいかなる種類の測定にも使用できるのか、それとも、例えば、RSRP、RSRQなどといった特定種類の測定のみに使用できるのかを示してもよい。
端末デバイスは、以下のいずれかのやり方で、上述の能力情報を他のノードへシグナリングすることができる。
・ 他のノード(例えば、サービングノードまたは任意のターゲットネットワークノード)から明示的な要求を受信することのない順向的報告
・ 他のノード(例えば、サービングノードまたは任意のターゲットネットワークノード)から明示的な要求を受信した上で行われる報告
・ この明示的な要求は、他のノードによって端末デバイスへ、随時送信されてもよいし、特定のいかなる機会に送信されてもよい。例えば、能力報告を求める要求は、端末デバイスに対し、初期セットアップ時に送信されてもよいし、セル変更(例えば、ハンドオーバ、RRC接続再確立、リダイレクトによるRRC接続解放、キャリアアグリゲーション(CA)またはマルチキャリア(MC)におけるPCell変更、CAまたはMCにおけるプライマリコンポーネントキャリア(PCC)変更など)の後に送信されてもよい。
順向的報告の場合、端末デバイスは、以下の機会のうちの1つまたは複数の間に、能力情報において自身の能力を報告してもよい。
・ 初期セットアップ時、または例えば、RRC接続の確立時といったネットワークノードとの呼設定時
・ 例えば、ハンドオーバ、マルチキャリア運用におけるプライマリキャリア変更、マルチキャリア運用におけるPCell変更、RRC再確立、リダイレクトによるRRC接続解放といった、セル変更時
取得された端末デバイス能力情報は、ネットワークノード(例えば、eNodeB、基地局、測位ノードなど)によって、1つまたは複数の無線動作タスクまたはネットワーク管理タスクを実行するために用いられてもよい。
・ これらのタスクは、受信した端末デバイス能力情報を、端末デバイスのセル変更の後にその情報を使用する可能性のある、別のネットワークノードへ転送することを含む。
・ ネットワークノードはまた、受信した情報に基づいて、複合パターンを端末デバイスへシグナリングすべきか否かを決めてもよい。
・ ネットワークノードはまた、受信した情報に基づいて、端末デバイスにシグナリングするのは、設定されているすべてのキャリアの複合パターンとすべきなのか、それとも、例えば、サービングキャリアのみというように特定のキャリアの複合パターンとすべきなのかを決めてもよい。
上述のいくつかの方法を用いて、いくつかの利点を提供することができる。例えば、開示された方法は、ネットワークに対し、セルをオンまたはオフにする十分な自由度をもたらす。さらに、オン/オフ方式を使用するセルを測定するときの端末デバイスにおける複雑性が低減され得る。開示された方法を用いると、オン/オフ方式を使用するセルを測定するときに、端末デバイスがバッテリを節約する、またはバッテリの利用効率を向上させることが可能になる。最後に、端末デバイス測定挙動は十分に具体化されているため、オン/オフ方式を使用するセルに対して行われる測定の測定結果に一貫性がもたらされる。
以上、様々な方法および技法について説明した。上記の方法および技法の例示的な実施形態は、以下のリストにおける例示的な実施形態を含むが、これらに制限されない。これらの例の各々は、上記の変形および例のいずれかに従って修正され得るということを理解されたい。また以下に要約する動作のいずれも、これまで検討した基準および/またはパラメータの1つまたは複数を基にしても、その他の場合は使用してもよいことを理解されたい。
(a)ネットワークノードにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること(例えば、決定すること、作成すること)であって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することと
を含む方法。
(b)ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(c)ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定することを含む、(a)に記載の方法。
(d)DRXサイクルをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(e)1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(f)端末デバイスの測定設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(g)端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定をサポートするという指示を端末デバイスから最初に受信することをさらに含む、(a)に記載の方法。
(h)端末デバイスにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、受信することと、
1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して測定を実行することと
を含む方法。
(i)端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定をサポートするという指示をネットワークノードへ最初に送信することをさらに含む、(h)に記載の方法。
(j)端末デバイスにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンを決定することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、決定することと、
1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して測定を実行することと
を含む方法。
例示的プロセスフロー
上記に提示した詳細な例に鑑み、図7および図8は、ネットワークノードおよび端末デバイスによってそれぞれ実行される、上述の技法のいくつかによる例示的方法を示すプロセスフロー図であることを理解されたい。
より具体的には、図7はネットワークノードにおける方法を示す。ブロック720に示すように、例示された方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することを含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。ブロック730に示すように、例示された方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示を端末デバイスから最初に受信することを含んでもよい。これを図7のブロック710に示すが、このブロックは、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で囲まれている。
他の実施形態において、本方法は、端末デバイスの1つまたは複数の設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む。これをブロック740に示すが、このブロックもまた、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で囲まれている。同様に、いくつかの実施形態は、1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることを含んでもよく、これは、測定ギャップを、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの少なくとも1つが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれるように設定することを含んでもよい。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、本方法は、ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含んでもよい。
例示された方法のいくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを送信することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することは、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを送信することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を第2のネットワークノードへ送信することをさらに含む。
図8は、端末デバイスにおいて実行される、上述の技法のいくつかによる例示的方法を示す。例示された方法は、ブロック820に示すように、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することを含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。ブロック830に示すように、本方法は、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、例示された方法は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示をネットワークノードへ最初に送信することをさらに含む。これをブロック810に示すが、このブロックは、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で表示されている。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信することを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を受信することは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを受信することを含む。他の実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を受信することは、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを受信することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、端末デバイスにおいて、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを規定する1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、ディスカバリ信号ウィンドウが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれることを条件として、測定ギャップ内で1つまたは複数の測定を実行することと、対応する測定要件を満たすこととをさらに含む。
図7および図8に示した方法には、上記に詳しく説明した多くの例の任意の組合せに従って多くの変形が可能であることを理解されたい。
例示的なハードウェア実装
ここに開示される技術の実施形態は、上述したネットワークベースおよび端末ベースの様々な方法を実行するように設定された装置を含むことを理解されたい。したがって、例えば、実施形態は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することとを行うように適合された、ネットワークノードを含む。他の実施形態は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することとを行うように適合された、端末デバイスを含む。さらに他の実施形態は、上記に挙げた詳細な例のいずれか1つまたは複数による、これらの変形を含む。
上述した技法および方法のいくつかは、移動端末に設けられた無線回路構成および電子データ処理回路構成を用いて実装することができる。図9は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な移動端末900の特徴を示す。LTEワイヤレス通信ネットワーク(E−UTRAN)でのデュアルコネクティビティ運用向けに設定された端末デバイスとすることができる移動端末900は、例えば、1つまたは複数の基地局と通信を行うように設定された無線送受信回路920と、この送受信部920によって送信および受信される信号を処理するように設定された処理回路910とを備える。送受信回路920は、1つまたは複数の送信アンテナ928に結合された送信器925と、1つまたは複数の受信アンテナ933に結合された受信器930とを備える。送信および受信の両方に同じアンテナ928および933が用いられてもよい。受信器930および送信器925は、典型的には、LTE向けの3GPP規格といった特定の電気通信規格に従う周知の無線処理および信号処理のコンポーネントならびに技法を用いる。送信器回路920は、E−UTRANアクセスに適合された無線/ベースバンド回路構成およびWi−Fiアクセスに適合された別個の無線/ベースバンド回路構成というように、2つ以上の異なる種類の無線アクセスネットワークの各々に対して別々の無線および/またはベースバンド回路構成を備え得ることにも留意されたい。同じことがアンテナにも当てはまる。場合によっては、1つまたは複数のアンテナが複数の種類のネットワークにアクセスするために用いられてもよく、一方で、1つまたは複数のアンテナが1つまたは複数の特定の無線アクセスネットワーク専用に適合されてもよい。そのような回路構成の設計および実装に関連づけられた様々な詳細および工学的トレードオフは周知のものであり、本発明を十分に理解するためには必要ないため、さらなる詳細については、ここでは触れないものとする。
処理回路910は、データ記憶メモリ955およびプログラム記憶メモリ960を構成する1つまたは複数のメモリデバイス950に結合された、1つまたは複数のプロセッサ940を備える。図9においてCPU940と表示されているプロセッサ940は、いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはデジタル信号プロセッサとすることができる。処理回路910は、さらに範囲を広げて、プロセッサ/ファームウェアの組合せもしくは専用デジタルハードウェア、またはこれらの組合せを含んでいてもよい。メモリ950は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ装置、光学記憶装置などの1つまたはいくつかの種類のメモリを含んでいてもよい。端末900は複数の無線アクセスネットワークをサポートするため、処理回路910は、いくつかの実施形態において、1つまたはいくつかの無線アクセス技術専用の別個の処理リソースを含んでいてもよい。この場合もまた、モバイルデバイスのベースバンド処理回路構成の設計に関連づけられた様々な詳細および工学的トレードオフは周知のものであり、本発明を十分に理解するためには必要ないため、さらなる詳細については、ここでは触れないものとする。
処理回路910の典型的な機能は、送信信号の変調および符号化ならびに受信信号の復調および復号を含む。本発明のいくつかの実施形態において、処理回路910は、プログラム記憶メモリ960に格納された適切なプログラムコードを使用して、例えば、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを受信するためおよび測定を然るべく実行するための上述の技法の1つを実行するように適合される。言うまでもなく、必ずしもこれらの技法のすべてのステップが単一のマイクロプロセッサにおいて、または単一のモジュールにおいてさえ実行されるわけではないことを理解されたい。
同様に、上述の技法およびプロセスのいくつかは、3GPPネットワークにおけるeNodeBまたは他のノードなどのネットワークノードにおいて実装することができる。図10は、ここに説明するネットワークベースの技法のいずれも実施する方法を実装することができる、ネットワークノード装置1000の概略図である。本発明を実施する方法を実行するようにノード1000を制御するコンピュータプログラムは、1つまたはいくつかのメモリデバイスを含むプログラム記憶装置1030に格納されている。本発明を実施する方法の実行時に用いられるデータは、同様に1つまたは複数のメモリデバイスを含むデータ記憶装置1020に格納されている。本発明を実施する方法の実行時に、必要に応じてデータ記憶装置1020からデータをリトリーブしながら、中央処理装置(CPU)1010によって、プログラム記憶装置1030からプログラムステップがフェッチされ、実行される。本発明を実施する方法の実行の結果である出力情報は、データ記憶装置1020に再び格納されてもよいし、通信インターフェース回路1040へ送信されてもよい。通信インターフェース回路1040は、他のネットワークノードとの間でデータを送信および受信するように設定された回路を備えており、1つまたは複数の移動端末と通信を行うように設定された無線送受信器をさらに備えていてもよい。
このように、本発明の様々な実施形態において、図10のCPU1010などの処理回路ならびにメモリ回路1020および1030は、上記に詳しく説明した技法の1つまたは複数を実行するように設定されている。同様に、他の実施形態は、1つもしくは複数のそのような処理回路を備える基地局および/または無線ネットワークコントローラを含み得る。場合によっては、これらの処理回路は、1つまたは複数の適切なメモリデバイスに格納された適切なプログラムコードで、本明細書で説明した技法の1つまたは複数を実装するように設定される。言うまでもなく、必ずしもこれらの技法のすべてのステップが単一のマイクロプロセッサにおいて、または単一のモジュールにおいてさえ実行されるわけではないことを理解されたい。
図11は、上述した方法の1つまたは複数を実行するように設定されたネットワークノード1000の代替的な実施形態を示す概略図である。図11のネットワークノード1000は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得するように適合された取得モジュール1110を含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。図11のネットワークノード1000は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信するように適合された、送信モジュール1120をさらに含む。加えて、ネットワークノード1000は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示を端末デバイスから受信するように適合された、受信モジュール1130と、端末デバイスの1つまたは複数の測定設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるように適合された、設定モジュール1140とを含む。
図7に示し、上記に詳しく説明した技法のいくつかの変形もまた、図11のネットワークノード1000に適用可能である。したがって、いくつかの実施形態において、ネットワークノード1000は、ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるための測定モジュール(図11に図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを送信する。
いくつかの実施形態において、取得モジュール1110は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定するように適合される。
いくつかの実施形態において、設定モジュール1140は、1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるように設定される。これは、測定ギャップを、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの少なくとも1つが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれるように設定することを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を第2のネットワークノードへ送信するように適合される。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを端末デバイスへ送信する。
図11に示したいくつかのモジュールの各々は、プロセッサ上で実行される適切なプログラムコードにより、全部または部分的に実装され得ることを理解されたい。したがって、様々なモジュールは、いくつかの実施形態においてはモジュールまたはプログラムコード群に相当し、他の実施形態においては対応するハードウェアおよび/またはハードウェア/ソフトウェアの組合せに相当し、さらに他の実施形態においては両者の混合に相当することを理解されたい。
同様に、図12は、端末900の代替的な実施形態を示す概略図である。図12に示すように、端末900は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得するように適合された取得モジュール1210を含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。端末900は、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、前記複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行するように適合された、測定モジュール1220をさらに含む。図12の端末900は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示をネットワークノードへ送信するように適合された、送信モジュール1230をさらに含む。
いくつかの実施形態において、取得モジュール1210は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信するように適合される。これは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを受信することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、取得モジュール1210は、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを受信するように適合されてもよい。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、取得モジュール1210自身が、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを規定する1つまたは複数のパラメータを決定してもよい。
いくつかの実施形態において、測定モジュール1220は、ディスカバリ信号ウィンドウが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれることを条件として、測定ギャップ内で1つまたは複数の測定を実行し、かつ対応する測定要件を満たすように適合される。
ここでも同様に、図12に示したいくつかのモジュールの各々は、プロセッサ上で実行される適切なプログラムコードにより、全部または部分的に実装され得ることを理解されたい。したがって、様々なモジュールは、いくつかの実施形態においてはモジュールまたはプログラムコード群に相当し、他の実施形態においては対応するハードウェアおよび/またはハードウェア/ソフトウェアの組合せに相当し、さらに他の実施形態においては両者の混合に相当することを理解されたい。
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上述した実施形態に様々な修正を実施できることを理解するであろう。例えば、本発明の実施形態について、3GPPで仕様化されたLTE規格に準拠する通信システムを含む例により説明してきたが、提示された解決策は、デュアルコネクティビティをサポートする他のネットワークに対しても等しく十分に適用可能であり得ることに留意すべきである。したがって、上述した具体的な実施形態は、本発明の範囲を制限するのではなく、例示のためのものであるとみなされるべきである。言うまでもなく、コンポーネントまたは技法の考えられるあらゆる組合せを説明することは不可能であるため、当業者であれば、本発明は、本明細書に具体的に記載した手法とは別の手法で、本発明の本質的特質から逸脱することなく実装することができると理解するであろう。よって、本実施形態はすべての点で限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
本発明概念の様々な実施形態に関する本記載において、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明概念の制限を意図していないことを理解されたい。別段の規定がない限り、本明細書で使用する(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、本発明概念の属する技術分野における当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を持つ。さらに、一般に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書および関連する技術分野の文脈における意味に則した意味を持つと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に規定されているように理想的にまたは過度に形式的には解釈されないであろうことを理解されたい。
ある要素が別の要素に「接続される(connected)」、「結合される(coupled)」、「応答する(responsive)」、またはこれらの変形語の状態にあるとして言及されるとき、他方の要素に直接接続され得るか、結合され得るか、もしくは応答し得る、または間に介在する要素が存在し得る。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」、「直接結合される」、「直接応答する」、またはこれらの変形語の状態にあるとして言及されるとき、間に介在する要素は存在しない。全体を通して同様の番号は同様の要素を指す。さらに、本明細書で使用する「結合される」、「接続される」、「応答する」、またはこれらの変形語は、ワイヤレスで結合される、接続される、または応答することを含み得る。本明細書で使用する単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明らかに他の場合が示されない限り、複数形も同様に含むことを意図されている。周知の機能または構造は、簡潔化および/または明確化のために詳細には記載されていないであろう。「および/または」という用語は、列挙された関連項目の1つまたは複数のあらゆる組合せを含む。
本明細書では、様々な要素/動作を説明するために、第1の、第2の、第3のなどの用語が用いられる場合があるが、これらの要素/動作はこれらの用語によって制限されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素/動作を別の要素/動作と区別するためにのみ用いられる。そのため、いくつかの実施形態における第1の要素/動作は、他の実施形態において、本発明概念の教示から逸脱することなく第2の要素/動作と称されることもある。本明細書全体を通じて、同じ参照番号または同じ参照名称は同じまたは同様の要素を表示する。
本明細書で使用する「含む、備える、有する(comprise)」、「含んでいる、備えている、有する(comprising)」、「含む、備える、有する(comprises)」、「含む、備える、有する(include)」、「含んでいる、備えている、有する(including)」、「含む、備える、有する(includes)」、「含む、備える、有する(have)」、「含む、備える、有する(has)」、「含んでいる、備えている、有する(having)」、またはこれらの変形語は、非限定(open−ended)であり、述べられた1つもしくは複数の特徴、整数、要素、ステップ、コンポーネント、もしくは機能を含むが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、要素、ステップ、コンポーネント、機能、もしくはこれらのグループの存在または追加を排除しない。さらに、本明細書で使用する、「exempli gratia」というラテン語の語句から派生した「例えば(e.g.)」という一般的な略語は、一般的な例または前に述べた項目の例を挙げるか、指定するために用いられ得るが、そのような項目の制限を意図したものではない。「id est」というラテン語の語句から派生した「すなわち(i.e.)」という一般的な略語は、より広い範囲の記述から特定の項目を指定するために用いられ得る。
本明細書において、コンピュータにより実装される方法、装置(システムおよび/もしくはデバイス)ならびに/またはコンピュータプログラム製品のブロック図ならびに/またはフローチャート図を参照して、例示的な実施形態を説明する。ブロック図および/またはフローチャート図における1つのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組合せは、1つまたは複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、特定目的コンピュータ回路、および/または他のプログラマブルデータ処理回路のプロセッサ回路に提供されてマシンを形作ることができ、これによって、コンピュータおよび/または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ、変換および制御トランジスタ、記憶場所に格納された値、およびそのような回路構成内の他のハードウェアコンポーネントにより実行される命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装することにより、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装するための手段(機能性)および/または構造を生成するようになっている。
「コンピュータプログラム製品」を構成すると解釈され得る、上記のコンピュータプログラム命令はまた、実体ある(tangible)コンピュータ可読媒体に格納することができ、このプログラム命令によって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定のやり方で機能するように指示することができ、これにより、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装する命令を含む製造品を形作るようになっている。したがって、本発明概念の実施形態は、ハードウェアおよび/または、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ上で実行される(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェアにおいて実施することができ、それらは「回路構成」、「モジュール」またはこれらの変形と総称することができる。
いくつかの代替的な実装において、ブロックに明記した機能/働きは、フローチャートに明記した順序どおりでなく発生する場合があることにも留意すべきである。例えば、関与する機能性/働きに応じて、連続して示した2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されることがあり、またはブロックは時に逆の順序で実行される場合がある。さらに、フローチャートおよび/もしくはブロック図の所与のブロックの機能性が複数のブロックに分離される場合ならびに/またはフローチャートおよび/もしくはブロック図の2つ以上のブロックの機能性が少なくとも部分的に統合される場合がある。最後に、発明概念の範囲から逸脱することなく、示したブロックの間に他のブロックが追加/挿入される場合および/またはブロック/動作が除外される場合がある。さらに、図のいくつかは、通信パス上に通信の主な方向を示す矢印を含んでいるが、通信は図示した矢印とは逆方向に発生し得ることを理解されたい。
本発明概念の原理から実質的に逸脱することなく、実施形態に対して多くの変形および修正を加えることが可能である。そのような変形および修正はすべて、本明細書において本発明概念の範囲内に含まれることを意図されている。したがって、上記に開示された主題は、例示に過ぎず、限定的なものではないと解釈されるべきであり、添付の実施形態の例は、そのような修正、拡張、および他の実施形態すべてを網羅することを意図されており、これらは本発明概念の趣旨および範囲の範囲内に包含される。よって、法によって認められる最大限の範囲において、本発明概念の範囲は、本開示の許容される最も広い解釈によって決定されるべきであり、上記の詳細な記載によって限定も制限もされないものとする。
本明細書で開示される技術は、概して、ワイヤレス電気通信ネットワークに関し、より具体的には、そのようなネットワークにおいてモビリティ測定を実行するための技法に関する。
ヘテロジニアスネットワーク
典型的なセルラ無線システムにおいて、(ユーザ機器、UE、ワイヤレス端末、端末デバイス、および/または移動局とも称される)移動端末は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介して、インターネットなどのデータネットワークへの、および/または公衆交換電気通信網(PSTN)へのアクセスを提供する1つまたは複数のコアネットワークと通信を行う。RANは、複数のセルエリアに分割された地理的エリアをカバーし、各セルエリアは(基地局、RANノード、「NodeB」、および/またはenhanced NodeBすなわち「eNB」とも称される)無線基地局によってサーブされる。セルエリアは、基地局サイトにある基地局機器によって無線カバレッジが提供される、地理的エリアである。基地局は、無線通信チャネルを通じて、当該基地局のレンジ内のワイヤレス端末と通信を行う。
セルラ通信システムの事業者は、例えば、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)、HSPA(High Speed Packet Access)、およびLong Term Evolution(LTE)ワイヤレス技術に基づくモバイルブロードバンドデータサービスの提供を既に開始している。データアプリケーション向けに設計された新しいデバイスの導入に後押しされ、エンドユーザパフォーマンスにおける要件は増大の一途をたどっている。モバイルブロードバンドの普及拡大に伴い、高速ワイヤレスデータネットワークの扱うトラフィックが著しく増加した。そのため、セルラ事業者がネットワークをより効率的に管理できるようにする技法が望まれている。
ダウンリンクパフォーマンスを改善する技法としては、多入力多出力(MIMO)マルチアンテナ伝送技法、マルチフロー通信、マルチキャリア配置などが挙げられる。リンクあたりの周波数利用効率が理論的限界に近づきつつあると思われることから、次の段階として単位面積あたりの周波数利用効率を改善することが考えられる。ワイヤレスネットワークの効率向上は、例えば、従来のネットワークのトポロジーを、セル全域においてユーザ体験の均一化を向上させるように変更することによって達成可能である。現在、いわゆるヘテロジニアスネットワークが第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のメンバーによって開発段階にあり、例えば、以下において検討されている。RP−121436「Study on UMTS Heterogeneous Networks」2012年9月4日〜7日、米国シカゴで開催のTSG RAN Meeting #57、R1−124512「Initial considerations on Heterogeneous Networks for UMTS」Ericsson、ST−Ericsson、2012年10月8日〜12日、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催の3GPP TSG RAN WG1 Meeting #70bis、およびR1−124513「Heterogeneous Network Deployment Scenarios」Ericsson、ST−Ericsson、2012年10月8日〜12日、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催の3GPP TSG−RAN WG1 #70bis。
ホモジニアスネットワークは、(ユーザ機器ノード、UE、端末デバイス、および/またはワイヤレス端末とも称される)ユーザ端末の集合のための通信サービスを提供する、計画的に配置された(NodeB、enhanced NodeB、またはeNBとも称される)基地局のネットワークである。このネットワーク内では、すべての基地局が典型的には似通った伝送電力レベル、アンテナパターン、受信ノイズフロア、および/またはデータネットワークへのバックホール接続を有する。さらに、ホモジニアスネットワーク内のすべての基地局は、概ね、ネットワーク内のユーザ端末に対する非限定的アクセスを提供することができ、各基地局はほぼ同じ数のユーザ端末にサーブすることができる。この部類に入る現行のセルラワイヤレス通信システムには、例えば、GSM(Global System for Mobile communication)、WCDMA、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などがある。
ヘテロジニアスネットワークにおいて、(低電力ノード(LPN)、マイクロノード、ピコノード、フェムトノード、中継ノード、リモートラジオユニットノード、RRUノード、スモールセル、RRUなどとも称される)低電力基地局は、計画された、および/または規則的に設置されたマクロ基地局と共にまたは重畳として配置され得る。したがって、マクロ基地局(MBS)は比較的広いマクロセルエリアにサービスを提供し、各LPNは、比較的広いマクロセルエリア内の比較的狭いそれぞれのLPNセルエリアにサービスを提供し得る。
LPNによって伝送される電力は、マクロ基地局によって伝送される電力に比べて比較的小さく、例えば2ワットであるのに対し、典型的なマクロ基地局では40ワットになるだろう。LPNを配置するのは、例えば、マクロ基地局によって提供されるカバレッジ内のカバレッジホールを減らす/なくすため、および/または高トラフィックの場所、すなわちいわゆるホットスポットにおける能力を増大させるべくマクロ基地局からトラフィックをオフロードするためである。伝送電力が低く物理的サイズが小さいゆえに、LPNは用地取得に関して融通がきくであろう。
このように、ヘテロジニアスネットワークは、マクロ基地局などの高電力ノード(HPN)と、いわゆるピコ基地局またはピコノードなどの低電力ノード(LPN)とによる、重層的配置を特徴としている。ヘテロジニアスネットワークの所与の領域におけるLPNとHPNとは同じ周波数で動作してもよく、その場合に、配置は同一チャネルヘテロジニアス配置と称されることもあり、または異なる周波数で動作してもよく、その場合に、配置は周波数間またはマルチキャリアまたはマルチ周波数ヘテロジニアス配置と称されることがある。
セル間干渉コーディネーション
セル間干渉は、セルエッジユーザにとってパフォーマンス上の大きな問題となっている。ヘテロジニアスネットワークにおいては、マクロ基地局とLPNとの間の伝送電力レベルの差が大きいために、セル間干渉の影響がホモジニアスネットワークにおいて概して観察されるものよりも深刻となり得る。このような状況を図1に示す。図1は、2つのピコノード130がマクロノード110のカバレッジエリア120の範囲内にあるカバレッジエリアを有するような、ヘテロジニアスネットワーク配置100を示す。図1の斜線領域140は、各LPNを囲む外円と内円との間の領域である。内円は、LPNからの受信電力がマクロ基地局からの受信電力よりも高い区域を表す。外円は、LPN基地局に対するパスロスがマクロ基地局に対するパスロスよりも小さい区域を表す。
内円と外円との間の斜線区域140は、しばしば「不均衡ゾーン」と称される。この不均衡ゾーン140は、LPNのレンジ拡張区域になる可能性がある。なぜならアップリンク(端末から基地局)の観点からは、この区域内のLPNによって端末が引き続きサーブされることがシステムにとって望ましいためである。しかしながら、ダウンリンク(基地局から端末)の観点から言えば、図1の端末150aのように、そのような不均衡ゾーンの外縁部にある端末は、マクロ層とLPN層との間の非常に大きい受信電力差を経験している。例えば、マクロノードとLPNの伝送電力レベルがそれぞれ40ワットと1ワットである場合、この電力差は16dBとなる。対照的に、移動端末150bなど、ピコノード130から比較的離れている端末は、LPNからの受信電力がマクロ基地局110からの受信電力よりも著しく低いため、影響を受けない。
このような電力差の結果として、レンジ拡張ゾーンにある端末がLPNセルによってサーブされており、マクロセルが同じ無線リソースを使用して別の端末に同時にサーブしている場合、LPNによってサーブされている端末は、マクロ基地局からの極めて深刻な干渉にさらされる。
セル間干渉コーディネーション(ICIC)は、LTEネットワークにおいてサポートされており、eNodeB間のX2インターフェースを介してeNodeB間で送信されるシグナリングにより管理される。各セルは、周波数ドメインまたは時間ドメインにおける高電力のリソースブロックを識別して、その近隣セルへシグナリングすることができる。このようにすることで、近隣セルは、これらの高電力のリソースブロックを避けてセルエッジユーザをスケジュールできるようになる。このようなメカニズムを用いて、セル間干渉の影響を低減することができる。
スモールセルオン/オフ
スモールセル間の干渉の回避およびコーディネーションのために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のメンバーによって開発されつつあるメカニズムの1つが、スモールセルオン/オフ特徴である。この特徴によると、スモールセルを随時オンおよびオフにすることができ、「オン」および「オフ」の期間は基準またはアプリケーションに依存し得る。
スモールセルオン/オフ特徴は、準静的(semi−static)バージョンまたは動的バージョンにおいて実装可能である。システムの送信時間間隔に比べてオン/オフ期間が極めて長い、準静的なスモールセルオン/オフでは、セルオン/オフの基準をトラフィック負荷、端末デバイス入圏/出圏(arrival/departure)などとすることができる。一方、動的なスモールセルオン/オフでは、スモールセルは、単一のサブフレームのレベルでオンおよびオフにすることができる。この場合の基準は、パケット到来/完了、または(例えば、他のノードもしくはUEへの干渉を低減するための)干渉のコーディネーションおよび回避とすることができる。これはつまり、セルは、パケットの伝送が完了したときにサブフレーム境界(すなわち、現在のサブフレームの終わり)でオフになり、パケットが到来する次のサブフレーム境界でオンになることを意味する。
干渉の低減における利点に加えて、スモールセルオン/オフ特徴は省エネも可能にする。スモールセルオン/オフの省エネ影響に対するいくつかの予備調査が、3GPPの文書「Small cell enhancements for E−UTRA and E−UTRAN; Physical layer aspects」3GPP TR 36.872、ver. 12.0.0(www.3gpp.orgで入手可能)に掲載されている。
スモールセルオン/オフ特徴には、3つの主要な運用モードがある。
・ ハンドオーバ:このモードでは、CONNECTEDモードの端末デバイスがセルに常時アタッチされている。トラフィック需要の増加により、例えば、ネットワークは、所与の端末デバイスのトラフィックのすべてまたは一部をスモールセルへのハンドオーバによってオフロードすると決めることができる。「オフ」であった可能性のあるスモールセルは、ウェイクアップして端末デバイスにサーブする。この場合のハンドオーバ時間は、バックホール遅延およびハンドオーバ実行時間に依存する。データの送信および/または受信が完了した後、端末デバイスはIDLEモードに移行するか、または別のセルにハンドオーバされるかして、スモールセルはオフになることができる。
・ SCellのみ:このモードでは、キャリアアグリゲーション(CA)をサポートする端末デバイスがプライマリキャリアすなわちプライマリセル(PCell)に接続されており、ネットワークはオフまたはオンになり得るセカンダリキャリアすなわちセカンダリセル(SCell)を設定する。ネットワークが端末デバイスのトラフィックをSCellへオフロードすると決めた場合、SCellはオンになる。
・ (CAシナリオにおいてPCellであり得る)サービングセル:このモードでは、セルは、端末デバイスがこのセルに接続されているときにオンまたはオフになることができる。この場合は、無線リソース管理(RRM)、無線リンク管理(RLM)、およびチャネル状態情報(CSI)測定の手順を設計する必要がある。
ディスカバリ信号
eNBが長期間オフになる可能性があるようなスモールセルオン/オフ配置においては、端末デバイスが実行しなければならない測定に関して端末デバイスを支援するために、ディスカバリ信号が必要となろう(このような測定については、以下で詳しく検討する)。ディスカバリ信号は、RRM測定、RLM関連手順、時間/周波数粗同期を可能にする特性をサポートしていなければならない。端末デバイス測定を可能にするためには、eNBが周期的にウェイクアップし(例えば、80または160ミリ秒ごとに1回)、ディスカバリ信号を伝送する必要があり、これによって、端末デバイスがそのディスカバリ信号をセル識別、RLM、および測定などのモビリティ関連動作に使用できるようにする。
ディスカバリ信号は概して時間的にかなり疎であるため、端末デバイスが、互いに数十ミリ秒または数百ミリ秒の間隔をあけて出現するようなディスカバリ信号の複数のインスタンスを待機する必要をなくし、ディスカバリ信号の1つのインスタンスにおいて有意な測定を行えるのが望ましい。加えて、時間内の少ないサンプルに基づく測定の信頼性を向上させるために、インスタンスあたり少数のサンプルしか含まないディスカバリ信号を広帯域(例えば、eNBまたはシステムによって用いられる全帯域)で送信する必要があろう。
上記の望ましい特性を考慮すると、そのようなディスカバリ信号の1つの選択肢は、既存のプライマリ/セカンダリ同期信号(PSS/SSS)、共通参照シンボル(CRS)、チャネル状態情報参照シンボル(CSI−RS)、および/または測位参照シンボル(PRS)といった、現行の既存の信号をディスカバリ信号として使用することである。このようにすることで、UEは現行の機能性を大幅に再利用できるようになり、またシステム設計に及ぼす影響も最小限にとどめられる可能性がある。もう1つの選択肢は、何らかの形で拡張した現行の既存の信号を使用することである。第3の選択肢は、まったく新しいディスカバリ信号を設計することである。
もう1つの代替方法は、ディスカバリ信号をアップリンク(UL)信号に基づくものとすることである。ULディスカバリ信号は、サウンディング参照信号(SRS)などの既存の信号であっても、新しい信号であってもよい。ULディスカバリ信号の望ましい特性は、DLディスカバリ信号の望ましい特性と似ている。しかしながら、ULにおけるディスカバリのメカニズムは異なる可能性があるため、そのような信号の設計も異なる可能性がある。ULディスカバリ信号は、アップリンク測定(例えば、UL伝送タイミング精度)に使用することもできるし、UE Rx−Tx時間差測定、eNB Rx−Tx時間差測定といった、ULディスカバリ信号とDLディスカバリ信号の両方を使用する測定に使用することもできる。
端末デバイス測定
端末デバイスに対しては、セル選択、セル再選択、ハンドオーバ、RRC再確立、リダイレクトによる接続解放といった機能を含むモビリティをはじめとする様々な機能をサポートするため、また走行試験の最小化(minimization of drive test)、自己組織化ネットワーク(SON)、測位といった他の機能をサポートするために、近隣セルによって、すなわち端末デバイスにサーブしているセル以外のセルによって伝送された信号に対し、1つまたは複数の無線測定(例えば、タイミング測定、信号強度測定、もしくは他の信号品質測定)を実行することが求められている。そのような測定を実行するのに先立ち、端末デバイスは、一般に、信号の送信元であるセルを識別し、そのセルの物理セル識別情報(PCI)を判定する必要がある。したがって、PCI判定も一種の測定とみなすことができる。
端末デバイスは、必要な測定を実行するように端末デバイスを設定するために、ネットワークノード(例えば、サービングeNodeB、測位ノードなど)によって送信されたメッセージまたは情報要素(IE)である、測定設定または支援データ/情報を受信する。例えば、測定設定には、測定対象のキャリア周波数、測定対象の無線アクセス技術(RAT)、測定の種類(例えば、参照信号受信電力すなわちRSRP)、上位層の時間ドメインフィルタリングを実行すべきか否か、測定帯域幅関連のパラメータなどに関連する情報が含まれていてもよい。
測定は、端末デバイスによって、サービングセルおよび近隣セルに対して、既知のいくつかの参照シンボル上またはパイロット系列上で行われる。測定は、周波数内キャリア上のセル、周波数間キャリア上のセル、および(特定のRATをサポートするUEの能力に応じて)RAT間キャリア上のセルに対して行われる。
端末デバイスは、RRC接続状態において、測定ギャップ(すなわち、移動端末受信器が別の周波数に再同調し得る、および/または自身を別のRATに設定し得る間隔)を用いることなく、周波数内測定を実行することができる。しかしながら、端末デバイスは、一般に、測定を測定ギャップなしで実行できるのでない限り、周波数間測定およびRAT間測定をギャップにおいて実行する。ギャップを必要とする周波数間測定およびRAT間測定を可能にするために、ネットワークは、端末デバイスの測定ギャップを設定する必要がある。LTEでは、共に6ミリ秒の測定ギャップ長を有する、以下の2つの周期的な測定ギャップパターンが規定されている。
・ 繰返し周期40ミリ秒の測定ギャップパターン#0
・ 繰返し周期80ミリ秒の測定ギャップパターン#1
High Speed Packet Access(HSPA)ネットワークでは、周波数間測定およびRAT間測定は、同じくネットワークにより設定される測定ギャップの一種である、圧縮モードギャップにおいて実行される。
一部の測定では、端末デバイスに対し、端末デバイスによってアップリンクで伝送される信号を測定することも要求する場合がある。測定は、RRC接続状態または(HSPAにおける)CELL_DCH状態ならびに低活動RRC状態(例えば、アイドル状態、HSPAにおけるCELL_FACH状態、HSPAにおけるURA_PCHおよびCELL_PCH状態など)にある端末デバイスによって行われる。マルチキャリアまたはキャリアアグリゲーション(CA)のシナリオにおいて、端末デバイスは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)上のセルおよび1つまたは複数のセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)上のセルに対して測定を実行し得る。
これらの測定は様々な目的のために行われる。測定の目的の例をいくつか挙げると、モビリティ、測位、自己組織化ネットワーク(SON)、走行試験の最小化(MDT)、運用保守(O&M)、ネットワーク計画および最適化などがある。測定は、典型的には、数百ミリ秒から数秒単位の持続期間にわたって行われる。同じ測定をシングルキャリアとキャリアアグリゲーション両方のシナリオに概ね適用することができる。しかしながら、キャリアアグリゲーションのシナリオでは、具体的な測定要件が異なる可能性がある。例えばキャリアアグリゲーションのシナリオでは、測定期間が異なる場合がある。すなわち、セカンダリコンポーネントキャリア(SCC)がアクティブ化されているか否かに応じて、緩和される(relaxed)場合も、またはより厳格化される(stringent)場合もある。これは、UEの能力、すなわち、キャリアアグリゲーション対応端末デバイスがSCCに対する測定をギャップありで実行可能なのか、それともギャップなしで実行可能なのか、という点にも依存する。
LTEにおけるモビリティ測定の例:
・ 参照シンボル受信電力(RSRP);および
・ 参照シンボル受信品質(RSRQ)
HSPAにおけるモビリティ測定の例:
・ 共通パイロットチャネル受信信号コード電力(CPICH RSCP);および
・ CPICH Ec/No
GSM/GERANにおけるモビリティ測定の例:
・ GSMキャリアRSSI
CDMA2000システムにおけるモビリティ測定の例:
・ CDMA2000 1xRTTのパイロット強度;および
・ HRPDのパイロット強度
モビリティ測定はまた、LTE、HSPA、CDMA2000、GSMなどに属し得るセルを識別するか、または検出するステップを含んでもよい。セル検出は、少なくとも物理セル識別情報(PCI)を識別すること、および続いて識別したセルの信号測定(例えばRSRP)を実行することを含む。端末デバイスは、端末デバイスのセルグローバルID(CGI)を取得する必要もあろう。HSPAおよびLTEにおいて、サービングセルは、端末デバイスにターゲットセルのシステム情報(SI)を取得するよう要求することができる。より具体的には、ターゲットセルのセルを一意に識別するセルグローバル識別子(CGI)を取得するために、端末デバイスによってSIが読み取られる。端末デバイスはまた、ターゲットセルからCSG指示子、CSG近接検知などの他の情報を取得するように要求されることもある。
LTEにおける測位測定の例:
・ 参照信号時間差(RSTD);および
・ UE RX−TX時間差測定
UE RX−TX時間差測定では、端末デバイスにダウンリンク参照信号およびアップリンク伝送信号に対する測定を実行するよう要求する。
無線リンク保守、MDT、SON、または他の目的で用いられ得る他の測定の例は、以下のとおりである。
・ 制御チャネルの故障率または品質推定の例
○ ページングチャネル故障率;および
○ 報知チャネル故障率
・ 物理層問題検出の例
○ 同期外れ(out of sync)検出
○ 同期(in−sync)検出
○ 無線リンクモニタリング;および
○ 無線リンク故障判定またはモニタリング
端末デバイスによって実行されるさらに他の測定として、ネットワークによるスケジューリング、リンクアダプテーションなどに用いられる、チャネル状態情報(CSI)測定がある。CSI測定の例としては、CQI、PMI、RIなどがある。
端末デバイスはまた、サービングセルのパフォーマンスをモニタするために、(プライマリセルまたはPCellとも称される)サービングセルに対する測定も実行する。これらは、LTEにおいて無線リンクモニタリング(RLM)またはRLM関連測定と呼ばれる。RLMでは、端末デバイスが、サービングまたはPCellのダウンリンク無線リンク品質を検出するために、セル固有の参照信号に基づき、ダウンリンクのリンク品質をモニタする。
所与の無線リンクの同期外れおよび同期ステータスを検出するために、端末デバイスは、無線リンクの推定品質をしきい値QoutおよびQinとそれぞれ比較する。しきい値QoutおよびQinが対応するように規定されている信号品質レベルは、これを下回ると無線ダウンリンクにおける受信の信頼性が確保できなくなるレベルであり、仮想的なPDCCH伝送の10%および2%のブロック誤り率にそれぞれ相当する。
端末デバイスによって実行される無線測定は、端末デバイスによって1つまたは複数の無線動作タスクに用いられる。そのようなタスクの例としては、ネットワークへの測定値の報告があり、ネットワークは次にこれらの測定値を様々なタスクに使用することができる。例えば、端末デバイスは、RRC接続状態においてサービングノードに無線測定値を報告する。報告された端末デバイス測定値に応答して、サービングネットワークノードは、一定の決定を下す。例えば、セル変更の目的で、端末デバイスへモビリティコマンドを送信する場合もある。セル変更の例としては、ハンドオーバ、RRC接続再確立、リダイレクトによるRRC接続解放、CAにおけるプライマリセル(PCell)変更、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)におけるPCC変更などがある。アイドル状態または低活動状態におけるセル変更の例としては、セル再選択がある。別の例において、端末デバイスは、例えば、セル選択、セル再選択などのタスクを実行するために自ら無線測定値を用いてもよい。
無線ネットワークノード(例えば基地局)もまた信号測定を実行することができる。LTEにおける無線ネットワークノード測定の例としては、自身と端末デバイスとの間の伝搬遅延、UL SINR、UL SNR、UL信号強度、受信干渉電力(RIP)などがある。eNBまたは他の無線ネットワークノードもまた、後の項で説明する測位測定を実行してもよい。
サービングセルまたは近隣セルの典型的な測定量は、2つ以上の基本的な非コヒーレント平均化されたサンプルの非コヒーレント平均化に基づいており、サンプルの各々は1つまたは複数の短い(例えば1ミリ秒)コヒーレント測定の非コヒーレント平均化の結果であり得る。いかなる測定についても、正確なサンプリングは、端末デバイスまたはネットワークノードの無線の実装に依存しており、概して定められていない。
図2に、E−UTRANにおけるRSRP測定平均化の例を示す。この図が示すのは、端末デバイスが、間欠受信(DRX)が適用されていないとき、またはDRXサイクルが40ミリ秒以下であるときに、物理層測定期間(例えば200ミリ秒)中に、非コヒーレント平均化された4つのサンプルまたはスナップショット(この例ではそれぞれ3ミリ秒の長さ)を収集することにより、全体的な測定量結果を取得している状況である。コヒーレント平均化されたサンプルの長さは、それぞれ1ミリ秒である。サンプリングはまた、DRXサイクルの長さに依存する。例えば、40ミリ秒超のDRXサイクルの場合、端末デバイスは、典型的には、測定期間にわたるDRXサイクルごとに1サンプルを取得する。同様の測定サンプリングメカニズムは、端末デバイスによる他の信号測定に用いられ、基地局によるUL測定にも用いられる。
本技術分野の他の関連技術は、スモールセルの効率的なオン/オフ動作のためのディスカバリメカニズムに基づくアプローチに関する、NTT DOCOMOによる3GPPドラフトR1−133457「Small Cell Discovery for Efficient Small Cell On/Off Operation」に開示されている。このアプローチでは、UEがすべてのスモールセルに対する検出および測定を同時に実行できるように、ディスカバリ信号が同期して伝送される。
密に配置されたスモールセルにおいては、運用効率化のためにセル間の干渉を低く抑える必要がある。上述のように、セル間の低干渉を保証するために導入されたメカニズムがスモールセルオン/オフである。スモールセルオン/オフ機能性は省エネにも利用することができる。
特定の測定に対して一定の参照信号を利用可能とする必要があるため、オン/オフ方式は、その時間尺度によっては、端末デバイス(例えばUE)測定に影響を及ぼす可能性がある。本明細書では、スモールセルオン/オフシナリオにおいて効率的な測定を可能にする技法および装置が開示される。
したがって、ネットワークノードによってオン/オフ方式が用いられているときに、端末デバイスが測定を効率的に実行できるようにする技法が求められている。本明細書では、LTE eNBなどのネットワークノードにおいて実装される技法およびLTE UEなどの端末デバイスにおいて実装される技法を含む、そのようないくつかの技法について説明する。
例示的な一実施形態は、端末デバイスを測定で設定するように適合されたネットワークノードにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターン、すなわち、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること。この取得することは、複合パターンを作成すること、その他の場合は複合パターンを決定することを含んでもよい。複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される。
− ディスカバリ信号の作成された、もしくは決定された複合パターンまたはその指示を、端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行することができるように、端末デバイスへシグナリング、すなわち送信すること。
ネットワークノードにおいてまた実行され得る追加ステップは、以下を含むが、これらに制限されない。
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを他のネットワークノードへシグナリングすること;ならびに/あるいは
− ディスカバリ信号の複合パターンに基づく、もしくは関連づけられた、1つもしくは複数の、端末デバイス測定手順および/もしくはネットワークノード測定手順および/もしくは設定パラメータを適合させることまたは調整すること。
別の例示的な実施形態は、ネットワークノードによって測定で設定されるように適合された端末デバイスにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターン、すなわち、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること。よって複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される;および
− 取得した複合パターンに従ってセルにおいて伝送されたディスカバリ信号を使用して、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行すること。
端末デバイスにおいてさらに実行され得る追加ステップは、以下を含むが、これらに制限されない。
− 取得した複合パターンに基づく、もしくはこれを使用する1つもしくは複数の端末デバイス測定手順を適合させることまたは調整すること;ならびに/あるいは
− 端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行するためにディスカバリ信号の複合パターンを取得できることおよび/またはディスカバリ信号の取得した複合パターンを使用できることを示す能力をネットワークノードへシグナリングすること。
ここに開示される技術の他の実施形態は、上記に要約したネットワークベースの方法の1つまたは複数を実行するように、すなわち、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することとを行うように適合された、ネットワークノードを含む。さらに他の実施形態は、上記に要約した端末ベースの方法の1つまたは複数を実行するように、すなわち、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することとを行うように適合された、端末デバイスを含む。さらに他の実施形態は、上記に要約した方法を実行するためのコンピュータプログラム命令を含む、コンピュータプログラム製品とコンピュータ可読媒体とを含む。
以下に、上記の方法および他の方法の例、ならびに対応する装置およびコンピュータプログラム製品の例を詳しく説明する。
本明細書で説明する技法が適用され得るヘテロジニアスネットワークの概略図である。
端末デバイスによって実行される測定平均化の例を示す図である。
LTEネットワークのコンポーネントを示す図である。
2つのセルからのディスカバリ信号による例示的なディスカバリ時間ウィンドウを示す図である。
異なる周期と異なる長さを有するディスカバリ時間ウィンドウの別の例を示す図である。
端末における測定インスタンスを測定対象セルのオン/オフパターンに合わせて調整する例を示す図である。
ネットワークノードにおいて実行される例示的方法を示すプロセスフロー図である。
端末デバイスにおいて実行される例示的方法を示すプロセスフロー図である。
例示的な端末デバイスのコンポーネントを示すブロック図である。
例示的なネットワークノードのコンポーネントを示すブロック図である。
例示的なネットワークノードの別の図である。
例示的な端末デバイスの別の図である。
以下に、発明概念の実施形態の例が示された添付図面を参照しながら、発明概念について詳しく説明する。ただし、これらの発明概念は多くの異なる形態による実施が可能であり、本明細書に記載した実施形態に制限されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態はむしろ、本開示が完璧かつ完全なものとなり、また本発明概念の範囲を当業者に余すところなく伝えるものとなるよう意図して提供されるものである。これらの実施形態は相互排他的ではないことにも留意すべきである。ある実施形態のコンポーネントは、別の実施形態において存在する、または用いられると暗黙のうちに仮定され得る。
本明細書において、例示および説明のみを目的とし、本発明概念の上記の実施形態および他の実施形態を、無線通信チャネルを介して(端末デバイス、ワイヤレス端末、またはUEとも称される)移動端末と通信を行う無線アクセスネットワーク(RAN)における運用の文脈において説明する。本明細書における移動端末、端末デバイス、ワイヤレス端末、またはUEは、通信ネットワークからデータを受信するいかなるデバイスも含むことができ、携帯電話(「セルラ」電話)、ラップトップ/携帯コンピュータ、ポケットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、デスクトップコンピュータ、マシンツーマシン(M2M)もしくはMTC型デバイス、ワイヤレス通信インターフェースを搭載したセンサなどを含み得るが、これらに制限されない。
RANのいくつかの実施形態において、いくつかの基地局は、(例えば、地上通信線または無線チャネルにより)無線ネットワークコントローラ(RNC)に接続され得る。基地局コントローラ(BSC)と呼ばれることもある無線ネットワークコントローラは、自身に接続された複数の基地局の様々な活動を監視し、コーディネートすることができる。無線ネットワークコントローラは、1つまたは複数のコアネットワークに接続され得る。RANの他のいくつかの実施形態において、基地局は、1つまたは複数のコアネットワークとの間で、別個のRNCを介さずに、例えば、基地局および/またはコアネットワークにおいて実装されたRNCの機能性により、接続され得る。
ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)は、Global System for Mobile Communications(GSM)から進化した第3世代の移動体通信システムであり、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)技術に基づく改善された移動通信サービスを提供することを意図したものである。UMTS地上無線アクセスネットワークの略であるUTRANは、UMTS無線アクセスネットワークを構成するノードBおよび無線ネットワークコントローラの総称である。したがって、UTRANは、本質的に、端末デバイスに広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)を使用する無線アクセスネットワークである。
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は既に、UTRANおよびGSMに基づく無線アクセスネットワーク技術をさらに進化させる試みに着手している。この点に関して言えば、3GPPにおいてエボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)の仕様が検討されているところである。エボルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)は、Long Term Evolution(LTE)およびシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)を含んでいる。
本開示では、本発明概念の実施形態を説明するのにLTEおよび/またはUMTSの用語を使用しているが、これは、発明概念の範囲を、これらのシステムにのみ制限しているとみなされるべきではないことに留意されたい。3GPP LTEおよびWCDMAシステム、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMB(ウルトラモバイルブロードバンド)、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)などの変形および後継(successor)を含む、他のワイヤレスシステムもまた、本明細書において開示される本発明概念の実施形態を利用することによる恩恵を享受し得る。
(NodeB、eNodeB、もしくはエボルブドノードBとも称される)基地局および、(ユーザ機器ノードもしくはUEとも称される)端末デバイス、ワイヤレス端末、または移動端末といった用語は、非制限的であるとみなされるべきであり、両者間のある種の階層関係を含意しないことにも留意されたい。一般に、基地局(例えば、「NodeB」または「eNodeB」)および端末デバイス(例えば「UE」)は、ワイヤレス無線チャネルを介して相互に通信を行う、それぞれ異なる通信デバイスの例とみなすことができる。
本明細書では、例示を目的として、例示的な実施形態を中心に検討するものとするが、このような実施形態において説明される解決策は、比較的高電力の基地局(例えば、広域基地局もしくは広域ネットワークノードとも称される「マクロ」基地局)と比較的低電力のノード(例えば、ローカルエリア基地局またはローカルエリアネットワークノードとも称される「ピコ」基地局)との混合を含む、ヘテロジニアスネットワークにおいて適用されるが、説明される技法は、ホモジニアス構成とヘテロジニアス構成の両方を含む、いかなる種類の適切なネットワークにおいても適用され得る。したがって、説明される構成に含まれている基地局は、互いに似ていても同一であってもよいし、伝送電力、送信−受信アンテナの数、処理電力、受信器および送信器の特質、ならびに/または他のいかなる機能的もしくは物理的な能力の点で異なっていてもよい。
ユーザにとって使いやすいスマートフォンおよびタブレットの普及に伴い、モバイルネットワーク上のビデオストリーミングといった高データレートサービスの利用が当たり前のものとなり、モバイルネットワークにおけるトラフィック量を大幅に押し上げている。したがって、この増加し続けるユーザ需要に合わせてモバイルネットワークの能力の増強をはかることが、モバイルネットワークコミュニティにおける急務となっている。Long Term Evolution(LTE)などの最新のシステムは、特に干渉緩和技法と組み合わされたとき、理論上のシャノン限界に接近する周波数利用効率が得られる。最新技術をサポートするように現行のネットワークを継続的にアップグレードすること、および単位面積あたりの基地局数を増やすことは、増加するトラフィック需要に応えるために最も広く用いられているアプローチの2つとして挙げることができる。
アップグレードによる一方のアプローチはいわゆるヘテロジニアスネットワークの配置を伴い、高い注目を集めつつあるが、この場合、事前に計画されている従来のマクロ基地局(マクロ層として知られる)が、場合によっては暫定的に配置され得るいくつかの低電力基地局によって補完される。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、LTE release 11といったLTEの最新の拡張における中心的な検討事項の1つとして、ヘテロジニアスネットワークの概念を導入しており、ピコ基地局、(ホーム基地局またはHeNBとして知られる)フェムト基地局、中継器、およびRRH(リモート無線ヘッド)といった、ヘテロジニアスネットワークを実現するいくつかの低電力基地局が既に規定されている。同様の概念は、UMTSネットワークをアップグレードするためにも適用されつつある。
エボルブドUMTS地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)は、端末デバイスに対してE−UTRAのユーザプレーンおよび制御プレーンでのプロトコル終端を提供する、enhanced NodeB(eNBまたはeNodeB)と呼ばれる基地局を含む。eNB同士は、X2インターフェースにより相互に接続されている。eNBはまた、S1インターフェースによりEPC(エボルブドパケットコア)に接続される。より具体的には、S1−MMEインターフェースを介してMME(Mobility Management Entity)へ、S1−Uインターフェースを介してサービングゲートウェイ(S−GW)へ接続される。S1インターフェースは、MME/S−GWとeNBとの間の多対多関係をサポートする。図3にE−UTRANアーキテクチャの簡略図を示す。
eNB210は、無線リソース管理(RRM)、無線ベアラ制御、アドミッション制御、サービングゲートウェイへのユーザプレーンデータのヘッダ圧縮、および/またはサービングゲートウェイへのユーザプレーンデータのルーティングといった機能性をホストする。MME220は、端末デバイスとCN(コアネットワーク)との間のシグナリングを処理する制御ノードである。MME220の重要な機能は、非アクセス層(NAS)プロトコルを介して扱われる、接続管理およびベアラ管理に関連している。S−GW230は、端末デバイスモビリティのアンカーポイントであり、また端末デバイスにおけるページング、適切なeNBへのパケットのルーティングおよび転送、ならびに/または課金および合法的傍受のための情報の収集の間、DL(ダウンリンク)データの一時的バッファリングを行うといった他の機能性も備える。PDNゲートウェイ(P−GW、図3には図示せず)は、端末デバイスのIPアドレス割当ておよび、(以下に詳細に検討する)サービス品質(QoS)執行(enforcement)を担うノードである。様々なノードの機能性に関するさらなる詳細については、3GPP TS 36.300およびその中の文献を参照されたい。
ここに開示される技法の様々な実施形態を説明する際に、無線ネットワークノードという非制限的な用語は、端末デバイスにサーブするおよび/または他のネットワークノードもしくはネットワークエレメントに接続されたいかなる種類のネットワークノード、あるいは端末デバイスがそこから信号を受信するいかなる無線ノードにも言及するために、用いられ得る。無線ネットワークノードの例としては、ノードB、基地局(BS)、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、eNodeB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ、中継器、中継器を制御するドナーノード、ベーストランシーバ局(BTS)、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータ、伝送ポイント、伝送ノード、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、分散アンテナシステム(DAS)におけるノードなどが挙げられる。
場合によっては、さらに範囲の広い用語である「ネットワークノード」が用いられる。この用語は、いかなる種類の無線ネットワークノードまたは少なくとも無線ネットワークノードと通信を行ういかなるネットワークノードにも相当し得る。ネットワークノードの例としては、上述の任意の無線ネットワークノード、コアネットワークノード(例えば、MSC、MMEなど)、O&M、OSS、SON、測位ノード(例えばE−SMLC)、MDTなどが挙げられる。
いくつかの実施形態を説明する際に、端末デバイスという用語が用いられる。この用語は、セルラまたは移動通信システム内の無線ネットワークノードと通信を行ういかなる種類のワイヤレスデバイスをも指す。端末デバイスの例としては、ユーザ機器(UE)、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイス端末デバイス、マシン型端末デバイスすなわちマシンツーマシン通信が可能な端末デバイス、PDA、ワイヤレス対応の卓上コンピュータ、移動端末、スマートフォン、ラップトップ組込型機器(laptop embedded equipped)(LEE)、ラップトップ搭載型機器(laptop mounted equipment)(LME)、USBドングル、加入者構内機器(CPE)などが挙げられる。本明細書における「移動端末」という用語は、本明細書および3GPPによって発表された様々な仕様におけるUEおよび端末デバイスという用語と概ね同じ意味で用いられていると理解すべきであるが、3GPP規格に準拠したデバイスに制限されるものと理解すべきではない。
ここに開示される技法の様々な実施形態は、端末デバイスによって実行される具体的な周波数内測定または周波数間測定に関連して説明されるであろう。しかしながら、これらの実施形態は、例えば、周波数間測定、RAT間測定といったいかなる種類の測定にも適用可能であり、よって、GSM/GERAN、UTRA FDD、UTRA TDD、CDMA2000、HRPD、WLAN、Wi−FiなどといったいかなるRATにも属し得る。例を挙げれば、UTRAセルによってサーブされる端末デバイスは、そのサービングネットワークノードによって、1つまたは複数のE−UTRANキャリア周波数に属する1つまたは複数のセルに対して、測定ギャップの間に、RAT間測定(例えば、RSRP、RSRQなど)を実行するように設定され得る。
本明細書において、発明的技法の様々な実施形態の説明は、端末デバイスのシングルキャリア運用に特に重点を置いている。しかしながら、開示される技法は、端末デバイスのマルチキャリア運用またはキャリアアグリゲーション運用にも適用可能である。例えば、いくつかの実施形態において、端末デバイスへの、または1つもしくは複数のネットワークノードへの情報のシグナリングを伴う実施形態は、ネットワークノードがサポートする各キャリア周波数上のセルごとに独立して行われ得る。
セルの通常の運用下で、端末デバイスは、ネットワークノードから周期的に比較的高い頻度で伝送される参照信号に対して測定を実行する。端末デバイスは、概して、事前に規定された設定で参照信号を利用できるとみなすことができる。ところが、スモールセルオン/オフ方式では必ずしもそうとは限らず、端末デバイスにおいて概ね想定されている機会の間に参照信号が存在しない可能性があるため、端末デバイスがある種の測定を実行できない場合がある。
信頼性の高い測定を実行するには、典型的には、端末デバイスが、所与の測定間隔にわたり、複数のサンプルまたはスナップショットを取得する必要がある。したがって、端末デバイスが一定の機会に適切な信号を自律的に見つけ出すことが可能であったとしても、スモールセルオン/オフ方式においてセルが既に「オフ」にされている場合、そのセルから伝送されるディスカバリ信号における参照信号を利用できる可能性が低いため、パフォーマンスはやはり低下するであろう。
もう1つの問題は、オン/オフセル方式においては、参照信号が端末デバイスには予測できない不規則な間隔で伝送される可能性があるということである。この場合、端末デバイスは利用可能な参照信号を継続的に検出しなければならなくなる。その結果、端末デバイスの複雑性が増し、バッテリを消費することになり、測定時間が予測不能となるだろう。
したがって、ネットワークノードによってオン/オフ方式が用いられているときに、端末デバイスが測定を効率的に実行できるようにする技法が求められている。本明細書では、LTE eNBなどのネットワークノードにおいて実装される技法およびLTE UEなどの端末デバイスにおいて実装される技法を含む、いくつかのそのような技法について説明する。
例示的な一実施形態は、端末デバイスを測定で設定するように適合されたネットワークノードにおいて実行される方法である。この例示的方法は以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターンを作成することまたは決定することであって、複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される、作成することまたは決定すること;および
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを、端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行できるように、端末デバイスへシグナリングすること。
ネットワークノードにおいてまた実行され得る追加ステップは、以下を含む。
− ディスカバリ信号の作成された、または決定された複合パターンを他のネットワークノードへシグナリングすること;ならびに/あるいは
− ディスカバリ信号の複合パターンに基づく、もしくは関連づけられた、1つもしくは複数の、端末デバイス測定手順および/もしくはネットワークノード測定手順および/もしくは設定パラメータを適合させることまたは調整すること。
別の例示的な実施形態は、ネットワークノードによって測定で設定されるように適合された端末デバイスにおいて実行される方法である。この例示的方法は、以下の動作を含む。
− ディスカバリ信号の少なくとも1つの複合パターンを取得することであって、複合パターンは、周期的ウィンドウであっても非周期的ウィンドウであってもよい少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)」を含み、その間に複数のセルにおいてディスカバリ信号が伝送される、取得すること;および
− 取得したパターンに基づいて1つまたは複数のセルにおいて伝送されたディスカバリ信号を使用して、1つまたは複数の測定を実行すること。
端末デバイスにおいてさらに実行され得る追加ステップは、以下を含む。
− 取得したパターンに基づく、もしくはこれを使用する1つもしくは複数の端末デバイス測定手順を適合させることまたは調整すること;ならびに/あるいは
− 端末デバイスが1つまたは複数の測定を実行するためにディスカバリ信号の複合パターンを取得できることおよび/またはディスカバリ信号の取得した複合パターンを使用できることを示す能力をネットワークノードへシグナリングすること。
次に、ここに開示される技法のいくつかの実施形態について以下に詳しく説明するが、これらに制限されない。
・ ディスカバリ信号の複合パターンを作成するための、ネットワークノードにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンをシグナリングするための、ネットワークノードにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンを取得するための、端末デバイスにおける方法
・ ディスカバリ信号の複合パターンを考慮して測定手順を適合させる方法;および
・ ディスカバリ信号の複合パターンに基づく測定に関連する能力をシグナリングするための、端末デバイスにおける方法
この種の方法の各々について、以下の項で検討する。
ディスカバリ信号の複合パターンを作成するための、ネットワークノードにおける方法
本技法のこの態様によれば、ネットワークノードは、例えば、近隣セル、近隣のサービングセルといった複数のセルの各々によって伝送されるディスカバリ信号の複合パターンを取得する。この複合パターンは、同じ意味で、「結合パターン(combined pattern)」または「共通パターン(common pattern)」または「ディスカバリ信号の全体パターン(overall pattern of discovery signals)」または単に「パターン」と呼ばれることもある。ディスカバリ信号のパターンはまた、同じ意味で、「ディスカバリ信号が含まれるディスカバリ時間ウィンドウのパターン」または「ディスカバリ時間ウィンドウのパターン」または単に「ウィンドウのパターン」と呼ばれることもある。
ディスカバリ信号のパターンは少なくとも1つの「ディスカバリ時間ウィンドウ」(「TW」)を含んでおり、周期的または非周期的な一連のディスカバリ時間ウィンドウを含んでいてもよい。さらに各ディスカバリ時間ウィンドウは、
・ 少なくとも1つのサブフレーム、スロット、またはシンボルに少なくとも1つのセルで用いられるディスカバリ信号が含まれているような、一連の連続するサブフレーム、スロット、またはシンボルから成り;かつ、
・ 例えば少なくとも2つのセルといった、複数のセルからのディスカバリ信号が含まれている。
ディスカバリ時間ウィンドウは、同じ意味で、「ディスカバリ信号時間ウィンドウ」または「ディスカバリ信号伝送時間ウィンドウ」と呼ばれることもある。
パターンの取得は、パターンを作成すること、決定すること、および/または複数のパターンから選択することを含んでもよい。例えば、複合パターンは次の動作によって作成され得る。
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つであり、かつ、パターンに関連づけられたパラメータの事前に規定された値に基づいている、パターンを選択すること
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つであるが、ネットワークノードによって決められて選択/セットされた一定のパラメータを有する、パターンを選択すること
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つではないが、パラメータの事前に規定された1つまたは複数の値に基づいている、パターンを作成すること;および
・ 事前に規定されたパターンのセットの1つではないが、ネットワークノードによって決められて選択された値を有する事前に規定されたパラメータに基づいている、パターンを作成すること
ディスカバリ時間ウィンドウを導入する1つの利点は、端末デバイス測定の電力効率が向上するということである。これは、端末デバイスは、この時間ウィンドウの間のみ、複数のセルからのディスカバリ信号を検出し、識別し、測定する必要があるためである。
図4は、2つのセルが、対応するディスカバリ信号をウィンドウ内部でずらして伝送しているような、ディスカバリ時間ウィンドウを示す。
代替として、1つの周期的なディスカバリウィンドウではなく、異なる長さと異なる周期を持つ2つ以上のディスカバリ時間ウィンドウがあってもよい。このようにすると、ディスカバリ信号の干渉コーディネーションの自由度が高まる。また、このようにすることで、ディスカバリ信号間の整合化の観点からネットワークノードの自由度も高まる。例えば、セルは、自身のディスカバリ信号を近隣セルのサブセットのみからのディスカバリ信号と整合させる必要がある。
図5は、図4のような2つのセルを第3のセルと共に示したものであり、第3のセルからのディスカバリ信号は、持続期間が異なりかつ周期が異なる別のウィンドウ内で伝送されている。
ディスカバリ時間ウィンドウ内にディスカバリ信号が含められる対象となるすべてのセル(例えば、キャリアf1上のサービングセルおよび近隣セル)は、各々のディスカバリ信号の少なくとも一部を、ウィンドウ範囲内に収まるように伝送する。ネットワークノードはまた、近隣セルによって伝送されるディスカバリ信号に関する情報を取得および/または受信してもよい。ネットワークノードは次いで、取得したおよび/または受信した情報に加え、ディスカバリ時間ウィンドウを決定するための事前に規定されたいくつかのパラメータまたはルールも使用する。決定されたウィンドウは次いで端末デバイスにシグナリングされる。このようにすることで、端末デバイスは、設定されたディスカバリ時間ウィンドウの間に信号を測定できるようになる。
ディスカバリ信号が含まれるディスカバリ時間ウィンドウのパターンに関連づけられたパラメータ
ここに開示される技法のいくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、ディスカバリ時間ウィンドウの1つまたは複数のパターンで設定されるか、その他の場合はこれを取得し、ディスカバリ時間ウィンドウには端末デバイスが探索しなければならないディスカバリ信号が含まれており、端末デバイスは一定時間内にそのディスカバリ信号を測定する。ウィンドウのパターンのシグナリングに先立ち、ネットワークノードは、ウィンドウのパターンに関連づけられた一定のパラメータを決定する必要がある。
パターンの決定は、事前に規定されたルールに基づいてネットワークノードによって行うことができ、かつ/または端末デバイスへウィンドウをシグナリングするネットワークノードによって自律的に行うことができる。あるいは、パターンもまた、例えば、事前に規定されたルールおよび/またはパラメータに基づいて、全部または部分的に端末デバイスによって取得されてもよい。さらに別の例において、パターンの一定のパラメータはネットワークノードによって設定されてもよく、一方、残りは端末デバイスによって取得される。このような場合のいずれにおいても、関連づけられたパラメータは、以下に記載するパラメータの1つまたは複数を含み得る。
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンに関連づけられた時間関連の情報またはパラメータは、以下の1つまたは複数で構成され得る。
・ ウィンドウ開始時間
・ ウィンドウ持続期間
・ ディスカバリ時間ウィンドウ内のセルの識別子
・ セル間同期情報
・ ウィンドウ周期
・ パターンの開始時間およびパターン当たりのウィンドウ数;および
・ サブフレームオフセット
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンはまた、例えば、以下のような周波数関連情報に関連づけられてもよい。
・ ウィンドウのキャリア周波数
・ ウィンドウ内のディスカバリ信号の帯域幅
・ ディスカバリ信号の周波数位置または探索ウィンドウの周波数位置
・ 例えば、LTE TDD、LTE FDDといった、ディスカバリ信号に関連づけられた無線アクセス技術(RAT)
ディスカバリ時間ウィンドウのパターンはまた、以下に関連づけられてもよい。
・ 共通のディスカバリ時間ウィンドウの場合の、すなわち、オーバーヘッドを減らすためにいくつかのキャリアに同じパターンが適用される場合の制限された情報
以下の項では、上記のパラメータのいくつかについて詳しく説明する。
ウィンドウ開始時間 − この側面による場合、ウィンドウの開始時間はいくつかの基準時間に基づくことができる。例示的な一実施形態において、基準時間は、例えば、GPS時間、GNSS時間といったグローバル時間またはグローバルクロックとすることができる。
さらに別の例示的な実施形態において、基準時間は、ウィンドウが用いられるネットワークにおけるローカル時間に基づいてもよい。より具体的には、ウィンドウの開始の基準時間は、一定の基準セルのシステムフレーム番号(SFN)に基づいてもよい。
基準セルは端末デバイスのサービングセルとしてもよいし、端末デバイスが識別できるか、または端末デバイスにとって周知である他のいかなるセルであってもよい。基準セル(例えばサービングセル)は、事前に規定されてもよいし、ディスカバリ時間ウィンドウを設定するネットワークノードによって端末デバイスに指示されてもよい。ネットワークノードによって送信される指示の場合、典型的には、基準セルID(例えば、PCI、CGIなど)が端末デバイスに提供され得る。この情報はまた、例えば、ULおよび/またはDL EARFCNといった基準セルの周波数を含んでもよい。
ディスカバリ時間ウィンドウの開始の基準時間は、SFNに基づくとき、以下の手段の1つまたは複数により、端末デバイスによって取得され得る。
・ SFNの1つまたは複数の事前に規定された値(例えば、SFN=0、SFN=512など)。この場合、ウィンドウは事前に規定されたSFNからのみ始まる。
・ ネットワークノードによるシグナリング。例えば、ネットワークノードは、あるキャリア(例えばf1)上のセルを測定するための探索時間ウィンドウが基準セル(例えばサービングセル)のSFN=24から始まることを指示してもよい。端末デバイスはサービングセルのSFNを知ることによって、ウィンドウが始まる正確な時を判断することができる。
開始時間の時点は、次のようなサブフレームの定数mとすることができる。
SFN mod m=0
または、この後ろにSFN番号に基づく範囲数が続いてもよい。範囲数もまた、事前に規定されていても、端末デバイスへシグナリングされてもよい。
開始時間をシグナリングする方法の別の例は、以下のようになる。
ここでnfはフレーム番号、nsはフレーム内のスロット番号、ΔDRSはサブフレームオフセット、およびTDRSはディスカバリ信号の周期である。ディスカバリ信号の周期は、上記の例ではサブフレーム単位であるが、スロット単位で設定することもできる。
上記のパラメータは、例えば、端末デバイスの現在のプライマリセルに基づいていてもよい。あるいは、サービングセル、またはディスカバリ信号測定が行われる周波数上の他のいかなるセルに基づいていてもよい。
ウィンドウ持続期間 − ウィンドウの持続期間に関する情報もまた端末デバイスに提供される必要がある。ディスカバリ時間ウィンドウの効率は、ウィンドウの持続期間に部分的に依存する。ウィンドウの1つまたは複数の可能な持続期間は、事前に規定することもできるし、ネットワークノードが決定することもできる。持続期間は、サブフレームまたはタイムスロットの数で表してもよいし、ウィンドウの開始時間のSFNに関してSFNの数として表すことさえ可能である。
ネットワークノードは、例えば、以下のような1つまたは複数の基準に基づいて、ディスカバリ時間ウィンドウの事前に規定された持続期間から1つを決定するか、または選択してもよい。
・ ディスカバリ信号伝送の柔軟性:ウィンドウが広いほど、ネットワークノードがディスカバリ信号を伝送する際の柔軟性が高まる。多数(例えば16以上)のセルが関与する場合、これらのセルのディスカバリ信号の伝送タイミングを整合させることはより難しくなる。この場合、ネットワークノードは、より長いウィンドウ持続期間を選択してもよいし、作成してもよい。より広いウィンドウの例としては、例えば、3フレームといった複数のフレームを含むウィンドウがある。
・ 干渉の低減または回避:より広いウィンドウのもう1つの利点は、異なるセル間の干渉コーディネーションの改善を可能にすることである。その理由は、より広いウィンドウにより、少なくとも一定のセルからのディスカバリ信号の伝送を非重複時間(non−overlapping times)中にスケジュールできるようになるためである。このようにすることで、複数のセルからのディスカバリ信号の衝突が回避される。一方、端末デバイスにとっては、ディスカバリ信号がディスカバリ時間ウィンドウの持続期間内に収まるセルをさらに容易に検出できるようになる。
・ 端末デバイスの複雑性:端末デバイスが同時にまたは一定時間内にいくつかのセルを測定する必要がある場合、端末デバイスにおける複雑性および必要な処理量が増す。したがって、端末デバイスにおける複雑性を低減するために、ネットワークノードは、例えば1または2フレームといったより広いか、または適度のウィンドウ持続期間を設定してもよい。
・ 端末デバイスの電力消費:一方で、広いウィンドウは、端末デバイスが、より長い時間にわたって測定を行う必要があることから、端末デバイスの電力効率を低下させる。すなわち、端末デバイスは、ウィンドウ内の異なる時間拡散(times spread)においてセルを探索しなければならない。端末デバイスのバッテリ電力を節約できるようにするため、ネットワークノードは、例えば1フレーム以下といった、より狭いウィンドウを設定してもよい。
ネットワークは次いで、例えばRRCを通じ、端末デバイスを探索ウィンドウの長さで設定する。
これらの技法の別の実施形態によれば、ウィンドウの持続期間は、ネットワーク内の一意のディスカバリ信号の数および許容干渉に基づいて適合され得る。一例として、一意のディスカバリ信号の総数がN個であり、重複するディスカバリ信号を有することを許容されているセルの数がM個である場合、ウィンドウは
個の重複しないディスカバリ信号を収容できるはずである。
ディスカバリ時間ウィンドウ内のセルの識別子 − LTEにおいて、端末デバイスは近隣セルをブラインド(blindly)検出するか、自律的に検出する、すなわち近隣セルリストを受信することなく検出する。したがって、デフォルトでは、ネットワークノードは、端末デバイスがディスカバリ時間ウィンドウ内で測定することを求められているセルの識別子をシグナリングすることはない。しかしながら、セル識別子は、以下の条件またはシナリオの1つまたは複数のもとで端末デバイスに提供され得る。
・ ディスカバリ信号がキャリア上のセルのサブセットからのみ伝送され得る場合。言い換えれば、オン/オフ方式がキャリア上の少数のセルでのみ用いられることが予測されるか、または、現在、用いられている。この場合、ネットワークノードは、ディスカバリ信号を伝送するセルのIDをシグナリングしてもよい。
・ ディスカバリ時間ウィンドウの範囲内にあるセルのフレーム時間同期のステータスに依存する場合。フレーム同期については、次の項で説明する。セル同士が同期していない場合、すなわち、それらのセルのフレーム伝送タイミングが事前に規定された一定の時間範囲内にない場合、ネットワークは、ウィンドウ範囲内のセルの識別子またはディスカバリ信号のインデックスをシグナリングしてもよい。受信した識別情報またはインデックスに基づき、端末デバイスは、ディスカバリ信号探索ウィンドウの長さを調整することになる。この動作は、シグナリングされたディスカバリ信号がすべてディスカバリ探索ウィンドウの範囲内に収まるようにするために行われる。
いくつかの実施形態において、端末デバイスは、サービングeNBが端末デバイスを設定するのに用いる一定のディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた、識別情報またはディスカバリ信号の設定インデックスのリストをシグナリングされる。この識別情報に基づき、端末デバイスは、ディスカバリ信号探索ウィンドウの長さを調整することになる。この動作は、シグナリングされたディスカバリ信号がすべてディスカバリ探索ウィンドウの範囲内に収まるようにするために行われる。
セル間同期 − 時としてネットワークが同期されているとみなしてよい場合がある。サービングeNBは、この想定を端末デバイスに提供しても、提供しなくてもよい。
セル同士は、自身のフレームの伝送タイミングに関して、時間同期されても、されなくてもよい。ここで言う「時間同期」とは、セルのフレーム開始タイミング間の間隔がすべて、例えば3μs以内といった互いに対する一定の絶対時間差の範囲内にあることを意味する。ディスカバリ時間ウィンドウに関する情報もまたセルの同期ステータスに関連づけられてもよい。例えば、ウィンドウ内で、事前に規定された何らかのレベル(例えば3μs)の範囲内で測定する対象となるセル同士が同期されているかどうかが示されてもよい。セル同士が同期されているか否かに関する指示は、端末デバイスがセルを探索し、測定する上で助けとなる。例えば、ウィンドウ内のセル同士が時間同期されていることが示された場合、端末デバイスは、1つのセルについて検出したタイミングを、そのウィンドウ内の残りの(reaming)セルを識別するために再利用することができる。
ウィンドウ周期 − 「ディスカバリ時間ウィンドウ」が一定の期間すなわち間隔の後に反復されるように、ディスカバリ時間ウィンドウが周期的に繰り返し発生すると、特に有益であろう。この場合、ウィンドウの周期に関する情報も端末デバイスに提供される必要がある。時間ウィンドウの持続期間と同様、ディスカバリ時間ウィンドウが測定パフォーマンスに与える影響もまたウィンドウの周期に依存する。
ウィンドウの1つまたは複数の可能な周期は、事前に規定することもできるし、ネットワークノードが決定することもできる。ネットワークノードは、例えば、以下のような1つまたは複数の基準に基づいて、ディスカバリ時間ウィンドウの事前に規定された周期から1つを決定するか、または選択してもよい。
・ ディスカバリ信号の可用性:ディスカバリウィンドウの発生頻度が高いほど、ネットワークノードがディスカバリ信号を伝送する際の柔軟性が高まる。ただし、それは、当該ウィンドウを適用することができる様々なセルによってディスカバリ信号が伝送される頻度に依存する。これらのセルによってディスカバリ信号が高い頻度でしかも非重複時間に伝送される場合、ネットワークノードがウィンドウの周期を決定する際の柔軟性が高まる。例えば、ディスカバリ信号がすべての、またはいくつかのセルによって、40ミリ秒ごとなどの高い頻度で伝送される場合、ネットワークノードは、例えば40または80ミリ秒といった比較的短い周期を設定してもよい。
・ 測定時間:ディスカバリ信号の周期が短いほど、端末デバイスは、より高い頻度で測定を行って十分な測定サンプルを得ることができるため、測定時間が短縮される。測定時間を短縮するために、設定される周期を例えば40または80ミリ秒というように短縮してもよい。
いくつかの実施形態によれば、ディスカバリウィンドウの周期は、ウィンドウの持続期間と共に決定することができる。この場合、ウィンドウの周期と持続期間との組合せは、重ならないディスカバリ信号が十分な数だけ提供されるように選択されるべきである。ウィンドウの持続期間が短く周期性が高いほど、コーディネーションの面では向上するが、端末デバイスの処理効率は低下する。
したがって、ディスカバリシグナリングの長さおよび周期は、インデックスパラメータとして端末デバイスへシグナリングされてもよい。この場合、インデックスの各々の値が、ディスカバリ探索ウィンドウの一定の長さおよびディスカバリ信号の周期を規定する。インデックスはさらに、例えば、サブフレームオフセットパラメータといった、他の設定可能な側面を同時に示すために用いられてもよい。
このインデックスは、例えば、パラメータΔDRS、TDRS、および探索ウィンドウの持続期間を決定するために用いることができる。あるいは、このインデックスは、例えば周期のみというように、これらのパラメータのサブセットのみを決定してもよい。
パターンの開始時間およびパターン当たりのウィンドウ数 − 1つのパターンは、ディスカバリ時間ウィンドウの1つまたは複数のインスタンスで構成される。複数のディスカバリウィンドウのパターンは、セルのオン/オフ挙動が、例えば、1秒以上前に予測可能であるか、または前もって把握できる場合に用いることができる。ディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた1つまたは複数のパラメータは、各パターンの後に変更されてもよい。すなわち、当該パターンはその周期にわたって適用可能とすることができる。端末デバイスは、パターン内の各ディスカバリウィンドウに対するパラメータが同じであるとみなしてよい。
パターンに1つのウィンドウしか含まれていない場合、ディスカバリ時間ウィンドウの開始時間、持続期間、および周期を示すのには十分であろう。ただ1つのウィンドウから成るそのようなパターンは、特殊なケースである。この場合、パターン周期は、パターンが無制限の時間に対して設定されている場合は特に、ウィンドウの周期と同じであるとみなすことができる。
一方、1つのパターン内に複数のウィンドウがある場合、端末デバイスは、他のパラメータに加えて、パターンが始まる基準時間の指示も提供されてよい。この基準開始時間はまた、セルのSFNに基づいていてもよいし、上述した他の任意のグローバル時間(例えばGPS)に基づいていてもよい。パターン開始時間はまた、パターン内の最初のディスカバリ時間ウィンドウの開始時間とすることができる。パターン関連の情報は、さらにパターン内のディスカバリ時間ウィンドウの数で構成されてもよい。
サブフレームオフセット − ディスカバリウィンドウの開始時間は、無線フレームの開始に対して相対的なオフセットとして設定されてもよい。一例として、サブフレームオフセット3は、ディスカバリウィンドウが無線フレームの3番目のサブフレームから始まることを示す。
ディスカバリ時間ウィンドウの周波数関連情報 − ディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)に関する情報は、キャリア周波数ごとにネットワークノードによって端末デバイスへシグナリングされてもよい。例えば、周波数f1およびf2にそれぞれ適用可能なTw1およびTw2に関する情報が端末デバイスにシグナリングされる。一例では、周波数f1およびf2はそれぞれ、キャリアアグリゲーションにおける(プライマリキャリアまたはPCCとも称される)プライマリサービングキャリアおよび(セカンダリキャリアまたはSCCとも称される)セカンダリサービングキャリアとすることができる。別の例では、周波数f1およびf2はそれぞれ、プライマリまたはサービングキャリアおよび非キャリアまたは周波数間キャリアとすることができる。
別の例示的な実施形態では、同じキャリア周波数f1上のセルのグループに対して、2つ以上のディスカバリ時間ウィンドウ(Tw1−i)が作成されてもよい。例えば、Tw1−1およびTw1−2は、f1上のセルの第1のセットおよびf1上のセルの第2のセットにそれぞれ適用可能とすることができる。この場合、ネットワークノードは、複数のディスカバリ時間ウィンドウに関する情報を端末デバイスへシグナリングしてもよい。第1および第2のセットはまた、f1上の同じ1つまたは複数のセルに適用可能としてもよい。
端末デバイスへの情報のシグナリングに先立ち、ネットワークノードは、ディスカバリ時間ウィンドウに関連づけられた周波数関連情報の1つまたは複数のセットを決定し、決定した情報を端末デバイスへシグナリングする。関連づけられた周波数関連情報は、以下の1つまたは複数で構成され得る。
・ FDDまたはHD−FDDの場合は、ULキャリア、DLキャリア、またはその両方を含み得る、EARFCNで表現され得る、ウィンドウのキャリア周波数
・ ディスカバリ信号が伝送される周波数帯域幅を規定する、例えばウィンドウ内のディスカバリ信号の帯域幅。ディスカバリ信号の帯域幅は、ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能な同一キャリア上の全セルの帯域幅の関数として、システムによって選択され得る。この関数の例として、最小、平均などがある。
・ ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能な周波数帯もまた、任意選択により、端末デバイスへシグナリングされてもよい。
・ ディスカバリ信号の周波数位置または探索ウィンドウの周波数位置、すなわち探索ウィンドウが位置する割り当てられた周波数帯。ウィンドウが、システムの動作帯域幅内のPRBの特定セットにのみ位置することもあり得る。これらのPRBは、支援情報の一部として端末デバイスへ直接シグナリングされてもよい。
・ 例えば、LTE FDD、LTE TDDといった、ディスカバリ時間ウィンドウのRATに関する情報もまた、端末デバイスにシグナリングされてもよい。
共通のディスカバリ時間ウィンドウの場合の制限された情報 − 複数のキャリア周波数に対するディスカバリ時間ウィンドウが部分的にまたは全部同じであってもよい。例えば、PCC上のセルとSCC上のセルに対して同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。別の例において、例えば、PCC、SCC1、およびSCC2といった、CAにおいて設定されたすべてのキャリア上のセルに対して、同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。さらに別の例において、サービングキャリア上のセルおよび非サービングキャリア上のセル、または2つ以上の非サービングキャリア上のセルに対して、同じディスカバリ時間ウィンドウを適用可能としてもよい。
2つの以上のキャリアに対して共通のディスカバリ時間ウィンドウが適用されるとき、ネットワークノードは、複数のキャリアに適用可能である「共通の」ディスカバリ時間ウィンドウに関する詳細情報の1セットのみをシグナリングしてもよい。ただし、これに加えて、当該ディスカバリ時間ウィンドウが適用可能であるキャリアを示す情報をシグナリングしてもよい。
例えば、ネットワークノードは、一定のキャリア(例えば、PCC、SCCなど)上のセルを測定するために同じディスカバリ時間ウィンドウを適用するか否かについて、端末デバイスに通知する指示子をシグナリングしてもよい。このようにすると、ディスカバリ時間ウィンドウは、同じディスカバリ時間ウィンドウが適用可能であるキャリアの1つのみと共にシグナリングされるため、シグナリングオーバーヘッドが低減される。
端末デバイスが2つ以上のキャリア上のセルを測定するように設定されているにもかかわらず、ディスカバリ時間ウィンドウが当該キャリアの1つについてしかシグナリングされない場合、端末デバイスは、設定されたすべてのキャリア上の全セルを測定するための同じディスカバリ時間ウィンドウを想定し、これを使用するように事前に規定されていてもよい。
ディスカバリ信号の複合パターンをシグナリングするための、ネットワークノードにおける方法
複合パターンまたは上述のパラメータに関連づけられたパラメータは、端末デバイスへシグナリングされる。この情報は、端末デバイスへ、共通チャネル(例えば報知チャネル)上でシグナリングされてもよいし、例えばPDSCHといった端末デバイス固有のチャネル上でシグナリングされてもよい。この情報は、場合によっては、例えば、PDCCHといったダウンリンク(DL)制御チャネル上でシグナリングされてもよい。この情報はまた、RRC、MAC、およびDL制御チャネルなどの複数のチャネルを介してシグナリングされてもよい。例えば、パラメータの基本設定または詳細は、PDSCH上のRRCを介してシグナリングされ、使用時におけるパターンのアクティブ化はPDCCHを介してシグナリングされる。
この情報は、初期セットアップ中またはパターンに関連する1つまたは複数のパラメータが変更されたときにシグナリングされてもよい。
パターンはまた、例えば、X2上で近隣セルへ、LPPa上で測位ノードへなど、別のネットワークノードへシグナリングされてもよい。受信されたパターンは、近隣セルが、自身のディスカバリ信号の伝送を整合化するため、およびそのディスカバリ信号が他のネットワークノードにおいて使用されるパターンのディスカバリ時間ウィンドウ(Tw)内で伝送されるようにするために用いることができる。測位ノードなどの受信側ノードは、この情報を使用して、例えば、LPPによるUE Rx−Tx時間差といった測位測定を実行するように端末デバイスを設定してもよい。
パターンに関連づけられてシグナリングされる情報は、パターンの種類に依存する。例えば、パターンが事前に規定されたパターンの1つである場合、ネットワークノードは、少なくとも、選択されたパターンの事前に規定された識別子をシグナリングすればよい。この場合のネットワークノードは、事前に規定されていない場合に備えて、パターンの開始時間もシグナリングしてよい。パラメータがネットワークノードによって決められ、選択される場合、ネットワークノードはまた、パターンに関連づけられたパラメータのサブセットまたは全部をシグナリングしてもよい。
さらに、パターンが非周期的である場合、または、一定時間後に周期が変化する場合、パターンに関する情報すなわち各ディスカバリ時間ウィンドウに関する情報は、もっと頻繁に、例えば、ディスカバリ時間ウィンドウの各時点の発生に先立ってシグナリングされることになる。
キャリア上の必ずしもすべてのセルがオン/オフ方式を使用するわけではない、または現在使用中ではないこともあり得る。したがって、この場合、ネットワークノードはまた、複合パターンがセルのサブセットにのみ適用されることを端末デバイスへ通知してもよい。例えば、ネットワークノードは、キャリア上にオン/オフセルとレガシーセル(すなわちオン/オフ方式を使用しないセル)とが混在しているかどうかを示す指示子をシグナリングしてもよい。このようにすることで、端末デバイスは、その測定手順を以下に説明するように適合させることが可能になる。
ディスカバリ信号の複合パターンを取得するための、端末デバイスにおける方法
いくつかの実施形態において、端末デバイスは、1つまたは複数の複合パターンに関連する情報を取得する。複合パターンは、上記の項で説明したように、ネットワークノードからの異なるキャリア上のセルを測定するためのディスカバリ時間ウィンドウを規定する。端末デバイスは、そのサービングネットワークノードによって、例えば、サービングeNodeまたは、HSPAサービングセルとのLTEキャリア上のRAT間測定の場合はサービングRNCによって、パターンを用いて設定されてもよい。
一方、端末デバイスはまた、事前に規定されたルールおよび/またはパラメータに基づいて、パターン、またはパターンに関連づけられた少なくとも一定のパラメータを部分的にまたは全部取得してもよい。例えば、端末デバイスは、ディスカバリ信号を測定するように設定されているにもかかわらず、パターンを提供されていないとき、ディスカバリ信号が事前に規定された特定のパターンまたはデフォルトパターンに従って送信されるとみなすものとする、というように事前に規定されていてもよい。
端末デバイスはまた、格納された情報または履歴データに基づいて複合パターンを取得してもよい。パターンは、RRC設定内に規定されたデフォルト値または実際のパターンの情報要素をさらに有してもよい。例えば、端末デバイスは、あるキャリア(f1)に関して取得したパターンを、将来、このキャリアを測定するために再利用してもよい。
端末デバイスはまた、パターンを別の端末デバイスから取得してもよい。ただし、両方の端末デバイスはデバイスツーデバイス(D2D)動作が可能であるものとする。
端末デバイスは、パターンを取得した後、測定を実行するためにそのパターンを使用する。しかしながら、端末デバイスもまた、次の項で説明するように、自身の測定手順を適合させるか、または調整する必要があるだろう。
ディスカバリ信号の複合パターンを考慮して測定手順を適合させる方法
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、その1つまたは複数の測定手順を、サービングセルに関連づけられたディスカバリ信号および/または近隣セルに関連づけられたディスカバリ信号の取得した1つまたは複数の複合パターンに従って適合させる。ネットワークノードはまた、1つまたは複数の測定関連手順を適合させて、端末デバイスが設定された測定を実行するのを支援し、端末デバイスが1つまたは複数の事前に規定された要件を満たすことができるようにしてもよい。以下に、端末デバイスおよびネットワークノードにおける手順の適合化の例を説明する。
端末デバイスによる測定手順の適合化 − パターンおよびこれらに関連づけられたパラメータは、ネットワーク種類、動作条件などに応じて変動し得る。パターンはまた経時において変更または修正され得る。したがって、端末デバイスは、様々な状況下で様々なパターンを取得する可能性がある。端末デバイスはまた、様々なパターンでセルに対する測定を実行しなければならない可能性がある。端末デバイスはまた、セルに対して様々なパターンで行われた測定を比較することにより、比較測定を実行しなければならない可能性がある。
したがって、ここに開示される技法の本態様において、端末デバイスは、パターンが経時において一様でなくても、またはパターンが異なっていても、必要とされる測定が実行されるように、自身の測定手順の1つまたは複数を適合させる。測定手順の適合化の非制限的な例の一部を、以下に示す。
・ 測定サンプリングレート、例えば、連続するサンプル間の時間を適合させること
・ 測定サンプリングのサイズまたは長さまたは持続期間を適合させること
・ 測定サンプリング時間インスタンスを適合させること
・ レガシーセルおよびオン/オフ方式によるセルに対する測定サンプリングを適合させること
端末デバイスによる測定手順の適合化を、以下の例によって説明する。
・ 一例において、測定サンプリング時点が測定対象セルの「オフ」期間とぶつかる場合、端末デバイスは、図6に示すように、サンプリング時間を「オン」期間と一致するように調節して、実行される測定の測定要件(例えば測定精度)が満たされるようにする。既存の解決策では、端末デバイスがサンプルを得る機会を逸する可能性があるため、パフォーマンスが低下するだろう。この調整はサンプルごとに個別に行ってもよいし、サンプルの測定周期および/または持続期間を変えて、測定対象セルの「オン」期間中に端末デバイスが測定を行うことが保証されるようにしてもよい。
・ 別の例において、端末デバイスが、複合パターンはキャリア上のセルのサブセットに対してのみ適用可能であるという情報を取得した場合、端末デバイスは、その測定サンプリングをさらに適合させてもよい。例えば、この種の「混在シナリオ(mixed scenario)」の場合、端末デバイスは、複合パターンが適用されるセルに対してだけでなく、(ディスカバリ信号を伝送しない)レガシーセルに対しても測定を実行するものとする、というように事前に規定されていてもよい。また事前に規定されたルールによって、端末デバイスは、少なくとも一定数の識別されたセル(例えば7セル)を測定しなければならないと定め、その一部にはパターンを使用し、残りはパターンなしで測定するようにしてもよい。
ネットワークノードによる測定手順の適合化 − ネットワークノードは、測定関連手順を、測定パフォーマンスに影響する他の手順と整合させることにより、適合させてもよい。そのような整合化の例は、以下のとおりである
・ 測定ギャップとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化
・ DRXサイクルとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化;および
・ UL参照信号とディスカバリウィンドウとの間の整合化
ネットワークノードは、端末デバイスによって実行される1つまたは複数の測定関連手順を適合させて、端末デバイスが取得した複合パターンを使用して行う測定を拡張できるようにしてもよい。ネットワークノードはまた、自身の測定、すなわち、端末デバイスから伝送される信号に対してネットワークノードによって行われる測定を拡張するために、同様の適合化を実行してもよい。これらの適合化は、端末デバイスまたはネットワークノードが、測定の機会がおそらくは不十分すなわち低頻度であるゆえに減少した測定の機会を補えるようにするであろう。次に、このような適合化の例を、上記に列挙したいくつかの整合化動作に沿って説明する。
測定ギャップとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − 非サービングキャリア上または測定ギャップを必要とするキャリア上の信号の上でディスカバリ信号を測定するために、ディスカバリ時間ウィンドウが全部または少なくとも部分的に、端末デバイスにおいて設定された測定ギャップの範囲内に入るように、事前に規定されていてもよい。そのためには、ネットワークノードが端末デバイスに対し、ギャップにおいてディスカバリ信号を測定するよう要求した場合、また当該ディスカバリ信号が測定ギャップに少なくとも部分的に含まれるように測定ギャップを設定するよう要求する必要がある。
ディスカバリ時間ウィンドウの少なくとも一部が全部または少なくとも部分的に測定ギャップの範囲内に入ることを条件として、端末デバイスは、ディスカバリ信号に対する測定に関連づけられた測定要件を満たすものとする、というように事前に規定されていてもよい。測定要件の例としては、測定時間(例えばL1測定期間、セル識別遅延、報告遅延など)、測定精度、測定対象として識別されたセルなどがある。
ディスカバリ時間ウィンドウ内の一定数のタイムスロットもしくはサブフレームまたはディスカバリ信号のセットが測定ギャップの範囲外にある場合に備えて、端末デバイスは緩和状態になること、すなわち、あまり厳格化されていない測定要件を満たせばよいことを許容されるとしてもよい。緩和された、すなわち、あまり厳格化されていない測定要件は、より長い測定時間、より低い測定精度、より少ない測定対象セルなどに相当し得る。
DRXサイクルとディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − 端末デバイスがRRC_CONNECTEDモードにある場合、端末デバイスは間欠受信(DRX)機能性で設定され得る。DRXモードにおいては、バッテリ電力を節約するため、端末デバイス受信器は、「オン」持続期間にわたり、端末デバイスがDL制御チャネル(例えばPDCCH)をモニタする必要がある短い時間の間、アクティブになる。それ以外の、DRXサイクルのオフ持続期間の間、端末デバイスはDLチャネルをモニタする必要はない。端末デバイスがディスカバリ信号を測定するための複合パターンで設定され、同時にDRXで動作しているとき、DRXオン持続期間の間にディスカバリ信号が存在しない可能性は高い。この場合、端末デバイスは、バッテリ寿命を低下させつつも、DRXオンインスタンス間にウェイクアップする必要がある。
端末デバイスのバッテリ寿命を温存するため、ネットワークノードは、オン持続期間が全部または部分的に「ディスカバリ時間ウィンドウ」と重なるようにDRXサイクルを設定することにしてもよい。この場合、ネットワークは、DRXサイクルの、および/または複合パターンの開始時間を調整する必要があるだろう。
ネットワークノードはまた、端末デバイスの省エネを支援するようにDRXサイクルおよび/または複合パターンに関連するパラメータを調整してもよい。例えば、ネットワークノードは、DRXサイクルのオン持続期間を、複合パターン内のディスカバリ時間ウィンドウの持続期間に等しいか、できるだけ近づくように設定してもよい。別の例において、ネットワークノードはまた、DRXサイクル長(DRX周期として知られる)がディスカバリ信号の複合パターンの周期に等しいか、できるだけ近づくように、DRXサイクル長を調整してもよい。また、ディスカバリ時間ウィンドウが全部または少なくとも部分的にDRXサイクルのオン持続期間と重なるように事前に規定されていてもよい。
いくつかの実施形態において、DRXオン持続期間の終了とディスカバリ時間ウィンドウの開始とが、またはディスカバリ時間ウィンドウの終了とDRXオン持続期間のものとが一定時間(Tdrx−w)の範囲内にあるように事前に規定されていてもよい。Tdrx−wは、端末デバイスへシグナリングされてもよいし、事前に規定されていてもよい。例示的な値は5ミリ秒または10ミリ秒である。Tdrx−wはまた、周期またはオン持続期間といったDRXサイクル関連のパラメータ、および、ディスカバリ時間ウィンドウの周期またはウィンドウ持続期間といったディスカバリ時間ウィンドウ関連のパラメータの関数とすることができる。例えば、Tdrx−wは、DRXサイクル周期およびパターン周期の少なくとも1つがしきい値よりも長い場合(例えば160ミリ秒以上)、延長してもよい(例えば40ミリ秒)。
アップリンク参照信号とディスカバリ時間ウィンドウとの間の整合化 − いくつかの実施形態において、ネットワークノードは、ディスカバリ時間ウィンドウと全部または部分的に時間整合されているUL参照信号(UL RS)で端末デバイスを設定してもよい。UL RSの一例として、サウンディング参照信号(SRS)がある。例えば、UL RSは、UL参照信号の発生の少なくとも一定の時間インスタンスが、端末デバイスにシグナリングされるパターンのディスカバリ時間ウィンドウと時間的に少なくとも部分的に一致するように、端末デバイスにおいて設定される。このようにすることで、端末デバイスはUL測定およびDL測定を同時期に実行できるようになり、端末デバイスの複雑性および電力消費が低減される。特に、この整合化は、ネットワークノードおよび/または端末デバイスが、例えば、端末デバイスRx−Tx時間差、eNodeB Rx−Tx時間差といったULコンポーネントとDLコンポーネントとから成る測定をより容易に実行できるようにするだろう。
端末デバイス測定を拡張する適合化の例 − 端末デバイスが、オン/オフ特徴を有するセルを測定するように、すなわち複合パターンを使用して測定するように設定されているとき、ネットワークノードは、端末デバイス測定に関連する1つまたは複数の設定パラメータを修正してもよい。これらのパラメータは、測定を行う端末デバイスへ送信されて、測定パフォーマンスを向上させる。一例において、ネットワークノードは、例えば、より長いTime to Trigger(TTT)、ヒステリシス、L3フィルタリング係数値、測定帯域幅といった、フィルタリング関連の測定パラメータを設定または修正してもよい。
例えば、パターン周期がしきい値(例えば320ミリ秒)より長い場合は、フィルタリングパラメータもまた、測定精度を低下させないように適合させる。例えば、ネットワークノードは、例えば320ミリ秒から1280ミリ秒といった、より長いTime to Trigger(TTT)パラメータ値を設定してもよい。別の例において、上位層平均化パラメータ値(例えばL3フィルタリング係数値)は、例えば、0.5秒から1秒に拡大してもよい。さらに別の例において、測定が行われる対象となる測定帯域幅を例えば25RBs(5MHz)から50RBs(10MHz)へ拡大してもよい。端末デバイスが、不十分なパターンゆえに、測定を頻繁な間隔で実行することができないとき、測定設定パラメータの適合化(例えば、値を拡大すること)により、測定精度が向上するであろう。
ネットワークノード測定を拡張する適合化の例 − サービングセルがオン/オフモードで動作しているとき、および/または端末デバイスが複合パターンを使用するセルを測定するように設定されているとき、端末デバイスは、そのUL信号またはUL参照信号をより低い頻度で伝送してもよい。
ネットワークノードは、DL送信信号および/またはUL受信信号に対する測定を実行する。ネットワークノード測定の例としては、DL伝送電力、UL SINR、伝搬遅延、RX−Tx時間差などがある。
ネットワークノードは、測定を実行するときにDL信号および/またはUL信号の伝送を考慮に入れることで、当該ネットワークノード測定に用いられる1つまたは複数の測定設定パラメータを適合させてもよい。例えば、ネットワークノードは、DLおよび/または端末デバイスによって伝送されるUL RSにおけるディスカバリ信号の周期に応じて、測定期間を延長してもよい。例えば、無線ノードは、セルが測定サンプルの半分以上にわたって「オフ」である場合、100ミリ秒ではなく200ミリ秒にわたってSINRを測定してもよい。別の例では、ネットワークノードは測定期間を延長し、さらに、例えば15RBsではなく50RBsといった、より広い帯域幅にわたって測定を実行してもよい。測定期間および/または測定帯域幅の拡大により、実行される測定のパフォーマンスが向上するであろう。
ディスカバリ信号の複合パターンに基づく測定に関連する能力をシグナリングするための、端末デバイスにおける方法
いくつかの実施形態によれば、端末デバイスは、端末デバイスが、1つまたは複数のセルに対して測定を実行するために、ディスカバリ信号の取得した複合パターンに関連する情報を使用することができるか否かを示す、能力情報をネットワークノード(基地局、eNodeB、RNC、BSC、コアネットワーク、測位ノードなどのサービングネットワークノード)へシグナリングする。端末デバイスの能力情報は、端末デバイスが、自律的に、または事前に規定された1つまたは複数のルールに基づき、複合パターンを取得することができるか否かをさらに示してもよい。
端末デバイスの能力情報にはまた、追加の情報またはより具体的な情報が含まれていてもよい。例えば、セルに対して複合パターンを使用して測定を実行するにあたり、その対象がサービングキャリア上の設定された任意のキャリアのみなのか、周波数間キャリアなのか、またはマルチキャリアにおけるコンポーネントキャリアのすべてもしくはサブセットなのか、などを示してもよい。さらに、複合パターンを、端末デバイスによってサポートされるいかなる種類の測定にも使用できるのか、それとも、例えば、RSRP、RSRQなどといった特定種類の測定のみに使用できるのかを示してもよい。
端末デバイスは、以下のいずれかのやり方で、上述の能力情報を他のノードへシグナリングすることができる。
・ 他のノード(例えば、サービングノードまたは任意のターゲットネットワークノード)から明示的な要求を受信することのない順向的報告
・ 他のノード(例えば、サービングノードまたは任意のターゲットネットワークノード)から明示的な要求を受信した上で行われる報告
・ この明示的な要求は、他のノードによって端末デバイスへ、随時送信されてもよいし、特定のいかなる機会に送信されてもよい。例えば、能力報告を求める要求は、端末デバイスに対し、初期セットアップ時に送信されてもよいし、セル変更(例えば、ハンドオーバ、RRC接続再確立、リダイレクトによるRRC接続解放、キャリアアグリゲーション(CA)またはマルチキャリア(MC)におけるPCell変更、CAまたはMCにおけるプライマリコンポーネントキャリア(PCC)変更など)の後に送信されてもよい。
順向的報告の場合、端末デバイスは、以下の機会のうちの1つまたは複数の間に、能力情報において自身の能力を報告してもよい。
・ 初期セットアップ時、または例えば、RRC接続の確立時といったネットワークノードとの呼設定時
・ 例えば、ハンドオーバ、マルチキャリア運用におけるプライマリキャリア変更、マルチキャリア運用におけるPCell変更、RRC再確立、リダイレクトによるRRC接続解放といった、セル変更時
取得された端末デバイス能力情報は、ネットワークノード(例えば、eNodeB、基地局、測位ノードなど)によって、1つまたは複数の無線動作タスクまたはネットワーク管理タスクを実行するために用いられてもよい。
・ これらのタスクは、受信した端末デバイス能力情報を、端末デバイスのセル変更の後にその情報を使用する可能性のある、別のネットワークノードへ転送することを含む。
・ ネットワークノードはまた、受信した情報に基づいて、複合パターンを端末デバイスへシグナリングすべきか否かを決めてもよい。
・ ネットワークノードはまた、受信した情報に基づいて、端末デバイスにシグナリングするのは、設定されているすべてのキャリアの複合パターンとすべきなのか、それとも、例えば、サービングキャリアのみというように特定のキャリアの複合パターンとすべきなのかを決めてもよい。
上述のいくつかの方法を用いて、いくつかの利点を提供することができる。例えば、開示された方法は、ネットワークに対し、セルをオンまたはオフにする十分な自由度をもたらす。さらに、オン/オフ方式を使用するセルを測定するときの端末デバイスにおける複雑性が低減され得る。開示された方法を用いると、オン/オフ方式を使用するセルを測定するときに、端末デバイスがバッテリを節約する、またはバッテリの利用効率を向上させることが可能になる。最後に、端末デバイス測定挙動は十分に具体化されているため、オン/オフ方式を使用するセルに対して行われる測定の測定結果に一貫性がもたらされる。
以上、様々な方法および技法について説明した。上記の方法および技法の例示的な実施形態は、以下のリストにおける例示的な実施形態を含むが、これらに制限されない。これらの例の各々は、上記の変形および例のいずれかに従って修正され得るということを理解されたい。また以下に要約する動作のいずれも、これまで検討した基準および/またはパラメータの1つまたは複数を基にしても、その他の場合は使用してもよいことを理解されたい。
(a)ネットワークノードにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得すること(例えば、決定すること、作成すること)であって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することと
を含む方法。
(b)ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(c)ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定することを含む、(a)に記載の方法。
(d)DRXサイクルをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(e)1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(f)端末デバイスの測定設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む、(a)に記載の方法。
(g)端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定をサポートするという指示を端末デバイスから最初に受信することをさらに含む、(a)に記載の方法。
(h)端末デバイスにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、受信することと、
1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して測定を実行することと
を含む方法。
(i)端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定をサポートするという指示をネットワークノードへ最初に送信することをさらに含む、(h)に記載の方法。
(j)端末デバイスにおける方法であって、
ディスカバリ信号ウィンドウパターンを決定することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、決定することと、
1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して測定を実行することと
を含む方法。
例示的プロセスフロー
上記に提示した詳細な例に鑑み、図7および図8は、ネットワークノードおよび端末デバイスによってそれぞれ実行される、上述の技法のいくつかによる例示的方法を示すプロセスフロー図であることを理解されたい。
より具体的には、図7はネットワークノードにおける方法を示す。ブロック720に示すように、例示された方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することを含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。ブロック730に示すように、例示された方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示を端末デバイスから最初に受信することを含んでもよい。これを図7のブロック710に示すが、このブロックは、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で囲まれている。
他の実施形態において、本方法は、端末デバイスの1つまたは複数の設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含む。これをブロック740に示すが、このブロックもまた、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で囲まれている。同様に、いくつかの実施形態は、1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることを含んでもよく、これは、測定ギャップを、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの少なくとも1つが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれるように設定することを含んでもよい。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、本方法は、ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させることをさらに含んでもよい。
例示された方法のいくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを送信することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することは、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを送信することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を第2のネットワークノードへ送信することをさらに含む。
図8は、端末デバイスにおいて実行される、上述の技法のいくつかによる例示的方法を示す。例示された方法は、ブロック820に示すように、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することを含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。ブロック830に示すように、本方法は、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、例示された方法は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示をネットワークノードへ最初に送信することをさらに含む。これをブロック810に示すが、このブロックは、例示された方法の必ずしもあらゆる実施形態または事例において出現しなくてもよいことを示すため、破線で表示されている。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信することを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を受信することは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを受信することを含む。他の実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を受信することは、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを受信することを含む。
いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することは、端末デバイスにおいて、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを規定する1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、ディスカバリ信号ウィンドウが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれることを条件として、測定ギャップ内で1つまたは複数の測定を実行することと、対応する測定要件を満たすこととをさらに含む。
図7および図8に示した方法には、上記に詳しく説明した多くの例の任意の組合せに従って多くの変形が可能であることを理解されたい。
例示的なハードウェア実装
ここに開示される技術の実施形態は、上述したネットワークベースおよび端末ベースの様々な方法を実行するように設定された装置を含むことを理解されたい。したがって、例えば、実施形態は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信することとを行うように適合された、ネットワークノードを含む。他の実施形態は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得することであって、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する、取得することと、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行することとを行うように適合された、端末デバイスを含む。さらに他の実施形態は、上記に挙げた詳細な例のいずれか1つまたは複数による、これらの変形を含む。
上述した技法および方法のいくつかは、移動端末に設けられた無線回路構成および電子データ処理回路構成を用いて実装することができる。図9は、本発明のいくつかの実施形態による例示的な移動端末900の特徴を示す。LTEワイヤレス通信ネットワーク(E−UTRAN)でのデュアルコネクティビティ運用向けに設定された端末デバイスとすることができる移動端末900は、例えば、1つまたは複数の基地局と通信を行うように設定された無線送受信回路920と、この送受信部920によって送信および受信される信号を処理するように設定された処理回路910とを備える。送受信回路920は、1つまたは複数の送信アンテナ928に結合された送信器925と、1つまたは複数の受信アンテナ933に結合された受信器930とを備える。送信および受信の両方に同じアンテナ928および933が用いられてもよい。受信器930および送信器925は、典型的には、LTE向けの3GPP規格といった特定の電気通信規格に従う周知の無線処理および信号処理のコンポーネントならびに技法を用いる。送信器回路920は、E−UTRANアクセスに適合された無線/ベースバンド回路構成およびWi−Fiアクセスに適合された別個の無線/ベースバンド回路構成というように、2つ以上の異なる種類の無線アクセスネットワークの各々に対して別々の無線および/またはベースバンド回路構成を備え得ることにも留意されたい。同じことがアンテナにも当てはまる。場合によっては、1つまたは複数のアンテナが複数の種類のネットワークにアクセスするために用いられてもよく、一方で、1つまたは複数のアンテナが1つまたは複数の特定の無線アクセスネットワーク専用に適合されてもよい。そのような回路構成の設計および実装に関連づけられた様々な詳細および工学的トレードオフは周知のものであり、本発明を十分に理解するためには必要ないため、さらなる詳細については、ここでは触れないものとする。
処理回路910は、データ記憶メモリ955およびプログラム記憶メモリ960を構成する1つまたは複数のメモリデバイス950に結合された、1つまたは複数のプロセッサ940を備える。図9においてCPU940と表示されているプロセッサ940は、いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはデジタル信号プロセッサとすることができる。処理回路910は、さらに範囲を広げて、プロセッサ/ファームウェアの組合せもしくは専用デジタルハードウェア、またはこれらの組合せを含んでいてもよい。メモリ950は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ装置、光学記憶装置などの1つまたはいくつかの種類のメモリを含んでいてもよい。端末900は複数の無線アクセスネットワークをサポートするため、処理回路910は、いくつかの実施形態において、1つまたはいくつかの無線アクセス技術専用の別個の処理リソースを含んでいてもよい。この場合もまた、モバイルデバイスのベースバンド処理回路構成の設計に関連づけられた様々な詳細および工学的トレードオフは周知のものであり、本発明を十分に理解するためには必要ないため、さらなる詳細については、ここでは触れないものとする。
処理回路910の典型的な機能は、送信信号の変調および符号化ならびに受信信号の復調および復号を含む。本発明のいくつかの実施形態において、処理回路910は、プログラム記憶メモリ960に格納された適切なプログラムコードを使用して、例えば、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを受信するためおよび測定を然るべく実行するための上述の技法の1つを実行するように適合される。言うまでもなく、必ずしもこれらの技法のすべてのステップが単一のマイクロプロセッサにおいて、または単一のモジュールにおいてさえ実行されるわけではないことを理解されたい。
同様に、上述の技法およびプロセスのいくつかは、3GPPネットワークにおけるeNodeBまたは他のノードなどのネットワークノードにおいて実装することができる。図10は、ここに説明するネットワークベースの技法のいずれも実施する方法を実装することができる、ネットワークノード装置1000の概略図である。本発明を実施する方法を実行するようにノード1000を制御するコンピュータプログラムは、1つまたはいくつかのメモリデバイスを含むプログラム記憶装置1030に格納されている。本発明を実施する方法の実行時に用いられるデータは、同様に1つまたは複数のメモリデバイスを含むデータ記憶装置1020に格納されている。本発明を実施する方法の実行時に、必要に応じてデータ記憶装置1020からデータをリトリーブしながら、中央処理装置(CPU)1010によって、プログラム記憶装置1030からプログラムステップがフェッチされ、実行される。本発明を実施する方法の実行の結果である出力情報は、データ記憶装置1020に再び格納されてもよいし、通信インターフェース回路1040へ送信されてもよい。通信インターフェース回路1040は、他のネットワークノードとの間でデータを送信および受信するように設定された回路を備えており、1つまたは複数の移動端末と通信を行うように設定された無線送受信器をさらに備えていてもよい。
このように、本発明の様々な実施形態において、図10のCPU1010などの処理回路ならびにメモリ回路1020および1030は、上記に詳しく説明した技法の1つまたは複数を実行するように設定されている。同様に、他の実施形態は、1つもしくは複数のそのような処理回路を備える基地局および/または無線ネットワークコントローラを含み得る。場合によっては、これらの処理回路は、1つまたは複数の適切なメモリデバイスに格納された適切なプログラムコードで、本明細書で説明した技法の1つまたは複数を実装するように設定される。言うまでもなく、必ずしもこれらの技法のすべてのステップが単一のマイクロプロセッサにおいて、または単一のモジュールにおいてさえ実行されるわけではないことを理解されたい。
図11は、上述した方法の1つまたは複数を実行するように設定されたネットワークノード1000の代替的な実施形態を示す概略図である。図11のネットワークノード1000は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得するように適合された取得モジュール1110を含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。図11のネットワークノード1000は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を端末デバイスへ送信するように適合された、送信モジュール1120をさらに含む。加えて、ネットワークノード1000は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示を端末デバイスから受信するように適合された、受信モジュール1130と、端末デバイスの1つまたは複数の測定設定パラメータをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるように適合された、設定モジュール1140とを含む。
図7に示し、上記に詳しく説明した技法のいくつかの変形もまた、図11のネットワークノード1000に適用可能である。したがって、いくつかの実施形態において、ネットワークノード1000は、ネットワークノードによって実行される1つまたは複数の測定手順をディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるための測定モジュール(図11に図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを送信する。
いくつかの実施形態において、取得モジュール1110は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンのタイミングをDRXサイクルに基づいて決定するように適合される。
いくつかの実施形態において、設定モジュール1140は、1つまたは複数の測定ギャップをディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づいて適合させるように設定される。これは、測定ギャップを、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの少なくとも1つが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれるように設定することを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示を第2のネットワークノードへ送信するように適合される。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、送信モジュール1120は、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを端末デバイスへ送信する。
図11に示したいくつかのモジュールの各々は、プロセッサ上で実行される適切なプログラムコードにより、全部または部分的に実装され得ることを理解されたい。したがって、様々なモジュールは、いくつかの実施形態においてはモジュールまたはプログラムコード群に相当し、他の実施形態においては対応するハードウェアおよび/またはハードウェア/ソフトウェアの組合せに相当し、さらに他の実施形態においては両者の混合に相当することを理解されたい。
同様に、図12は、端末900の代替的な実施形態を示す概略図である。図12に示すように、端末900は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを取得するように適合された取得モジュール1210を含み、ディスカバリ信号ウィンドウパターンは、複数のセルの各々が対応するディスカバリ信号をその間に伝送する1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウを規定する。端末900は、1つまたは複数のディスカバリ信号ウィンドウの間に、前記複数のセルの1つまたは複数に対して1つまたは複数の測定を実行するように適合された、測定モジュール1220をさらに含む。図12の端末900は、端末デバイスがディスカバリ信号ウィンドウパターンに基づく測定を実行できるという指示をネットワークノードへ送信するように適合された、送信モジュール1230をさらに含む。
いくつかの実施形態において、取得モジュール1210は、ディスカバリ信号ウィンドウパターンの指示をネットワークノードから受信するように適合される。これは、ウィンドウ持続期間と、ウィンドウ周期と、サブフレームオフセットパラメータと、ディスカバリ信号ウィンドウパターンで見つけられる1つまたは複数のディスカバリ信号の帯域幅とのうちの1つまたは複数を指定する、1つまたは複数のパラメータを受信することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、取得モジュール1210は、端末デバイスに知られている複数の所定のパターンの1つを識別するパラメータを受信するように適合されてもよい。上記の実施形態のいくつかおよび他のいくつかの実施形態において、取得モジュール1210自身が、ディスカバリ信号ウィンドウパターンを規定する1つまたは複数のパラメータを決定してもよい。
いくつかの実施形態において、測定モジュール1220は、ディスカバリ信号ウィンドウが1つの測定ギャップ内に少なくとも部分的に含まれることを条件として、測定ギャップ内で1つまたは複数の測定を実行し、かつ対応する測定要件を満たすように適合される。
ここでも同様に、図12に示したいくつかのモジュールの各々は、プロセッサ上で実行される適切なプログラムコードにより、全部または部分的に実装され得ることを理解されたい。したがって、様々なモジュールは、いくつかの実施形態においてはモジュールまたはプログラムコード群に相当し、他の実施形態においては対応するハードウェアおよび/またはハードウェア/ソフトウェアの組合せに相当し、さらに他の実施形態においては両者の混合に相当することを理解されたい。
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上述した実施形態に様々な修正を実施できることを理解するであろう。例えば、本発明の実施形態について、3GPPで仕様化されたLTE規格に準拠する通信システムを含む例により説明してきたが、提示された解決策は、デュアルコネクティビティをサポートする他のネットワークに対しても等しく十分に適用可能であり得ることに留意すべきである。したがって、上述した具体的な実施形態は、本発明の範囲を制限するのではなく、例示のためのものであるとみなされるべきである。言うまでもなく、コンポーネントまたは技法の考えられるあらゆる組合せを説明することは不可能であるため、当業者であれば、本発明は、本明細書に具体的に記載した手法とは別の手法で、本発明の本質的特質から逸脱することなく実装することができると理解するであろう。よって、本実施形態はすべての点で限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
本発明概念の様々な実施形態に関する本記載において、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明概念の制限を意図していないことを理解されたい。別段の規定がない限り、本明細書で使用する(技術用語および科学用語を含む)すべての用語は、本発明概念の属する技術分野における当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を持つ。さらに、一般に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書および関連する技術分野の文脈における意味に則した意味を持つと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に規定されているように理想的にまたは過度に形式的には解釈されないであろうことを理解されたい。
ある要素が別の要素に「接続される(connected)」、「結合される(coupled)」、「応答する(responsive)」、またはこれらの変形語の状態にあるとして言及されるとき、他方の要素に直接接続され得るか、結合され得るか、もしくは応答し得る、または間に介在する要素が存在し得る。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」、「直接結合される」、「直接応答する」、またはこれらの変形語の状態にあるとして言及されるとき、間に介在する要素は存在しない。全体を通して同様の番号は同様の要素を指す。さらに、本明細書で使用する「結合される」、「接続される」、「応答する」、またはこれらの変形語は、ワイヤレスで結合される、接続される、または応答することを含み得る。本明細書で使用する単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明らかに他の場合が示されない限り、複数形も同様に含むことを意図されている。周知の機能または構造は、簡潔化および/または明確化のために詳細には記載されていないであろう。「および/または」という用語は、列挙された関連項目の1つまたは複数のあらゆる組合せを含む。
本明細書では、様々な要素/動作を説明するために、第1の、第2の、第3のなどの用語が用いられる場合があるが、これらの要素/動作はこれらの用語によって制限されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素/動作を別の要素/動作と区別するためにのみ用いられる。そのため、いくつかの実施形態における第1の要素/動作は、他の実施形態において、本発明概念の教示から逸脱することなく第2の要素/動作と称されることもある。本明細書全体を通じて、同じ参照番号または同じ参照名称は同じまたは同様の要素を表示する。
本明細書で使用する「含む、備える、有する(comprise)」、「含んでいる、備えている、有する(comprising)」、「含む、備える、有する(comprises)」、「含む、備える、有する(include)」、「含んでいる、備えている、有する(including)」、「含む、備える、有する(includes)」、「含む、備える、有する(have)」、「含む、備える、有する(has)」、「含んでいる、備えている、有する(having)」、またはこれらの変形語は、非限定(open−ended)であり、述べられた1つもしくは複数の特徴、整数、要素、ステップ、コンポーネント、もしくは機能を含むが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、要素、ステップ、コンポーネント、機能、もしくはこれらのグループの存在または追加を排除しない。さらに、本明細書で使用する、「exempli gratia」というラテン語の語句から派生した「例えば(e.g.)」という一般的な略語は、一般的な例または前に述べた項目の例を挙げるか、指定するために用いられ得るが、そのような項目の制限を意図したものではない。「id est」というラテン語の語句から派生した「すなわち(i.e.)」という一般的な略語は、より広い範囲の記述から特定の項目を指定するために用いられ得る。
本明細書において、コンピュータにより実装される方法、装置(システムおよび/もしくはデバイス)ならびに/またはコンピュータプログラム製品のブロック図ならびに/またはフローチャート図を参照して、例示的な実施形態を説明する。ブロック図および/またはフローチャート図における1つのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組合せは、1つまたは複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、特定目的コンピュータ回路、および/または他のプログラマブルデータ処理回路のプロセッサ回路に提供されてマシンを形作ることができ、これによって、コンピュータおよび/または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ、変換および制御トランジスタ、記憶場所に格納された値、およびそのような回路構成内の他のハードウェアコンポーネントにより実行される命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装することにより、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装するための手段(機能性)および/または構造を生成するようになっている。
「コンピュータプログラム製品」を構成すると解釈され得る、上記のコンピュータプログラム命令はまた、実体ある(tangible)コンピュータ可読媒体に格納することができ、このプログラム命令によって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定のやり方で機能するように指示することができ、これにより、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つもしくは複数のブロックに指定された機能/働きを実装する命令を含む製造品を形作るようになっている。したがって、本発明概念の実施形態は、ハードウェアおよび/または、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ上で実行される(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェアにおいて実施することができ、それらは「回路構成」、「モジュール」またはこれらの変形と総称することができる。
いくつかの代替的な実装において、ブロックに明記した機能/働きは、フローチャートに明記した順序どおりでなく発生する場合があることにも留意すべきである。例えば、関与する機能性/働きに応じて、連続して示した2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されることがあり、またはブロックは時に逆の順序で実行される場合がある。さらに、フローチャートおよび/もしくはブロック図の所与のブロックの機能性が複数のブロックに分離される場合ならびに/またはフローチャートおよび/もしくはブロック図の2つ以上のブロックの機能性が少なくとも部分的に統合される場合がある。最後に、発明概念の範囲から逸脱することなく、示したブロックの間に他のブロックが追加/挿入される場合および/またはブロック/動作が除外される場合がある。さらに、図のいくつかは、通信パス上に通信の主な方向を示す矢印を含んでいるが、通信は図示した矢印とは逆方向に発生し得ることを理解されたい。
本発明概念の原理から実質的に逸脱することなく、実施形態に対して多くの変形および修正を加えることが可能である。そのような変形および修正はすべて、本明細書において本発明概念の範囲内に含まれることを意図されている。したがって、上記に開示された主題は、例示に過ぎず、限定的なものではないと解釈されるべきであり、添付の実施形態の例は、そのような修正、拡張、および他の実施形態すべてを網羅することを意図されており、これらは本発明概念の趣旨および範囲の範囲内に包含される。よって、法によって認められる最大限の範囲において、本発明概念の範囲は、本開示の許容される最も広い解釈によって決定されるべきであり、上記の詳細な記載によって限定も制限もされないものとする。