JP2018184548A - 保護基が導入されたポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

保護基が導入されたポリアミド樹脂の製造方法 Download PDF

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健一 岩下
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Abstract

【課題】有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後にポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂の製造方法の提供。
【解決手段】式(1−1)又は(1−2)で表されるジアミンと、式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを反応させて樹脂を得る、樹脂の製造方法。
Figure 2018184548

Figure 2018184548

Figure 2018184548

(R〜Rは夫々独立に酸性条件下で脱保護される一価の保護基;Xは二価の炭化水素基;Z及びZは夫々独立に水酸基又はハロゲン基)
【選択図】なし

Description

本発明は、保護基が導入されたポリアミド樹脂の製造方法に関する。
ポリアミド樹脂は、高耐熱性、高強度、高耐溶剤等の優れた特性を多数有しているため、各種の基材コート剤として広く使用されている。例えば、ポリアミド樹脂の用途として、電子部材の絶縁保護膜(オーバーコート膜)、液晶セル配向膜等が挙げられる(特許文献1及び2参照)。また、ポリアミド樹脂は、エポキシ樹脂等の特性を改質する添加剤、硬化剤等としても開発されており、それを一成分として含むエポキシ組成物は、一般的に耐熱性、機械特性、耐薬品性等に優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料等の幅広い分野に利用されている(特許文献3参照)。
特開平05−150452号公報 特開平10−195193号公報 国際公開第2007/052523号
ところで、上述のような用途でポリアミド樹脂を用いる場合、有機溶剤に一旦溶解させて使用することが多いが、従来のポリアミド樹脂は、有機溶剤への充分な溶解性を有しているとはいえず、所望の特性を得るのに必要な量を添加できないという問題が生じ得る。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決するために、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後にポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、ポリアミド構造を構成する窒素原子を所定の保護基で保護することにより、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後はポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂となることに着目し、その製造方法を見出した。すなわち、本発明は、一態様において、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表されるジアミンと、下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを反応させて樹脂を得る、樹脂の製造方法である。
Figure 2018184548

Figure 2018184548

Figure 2018184548

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、酸性条件下で脱保護される一価の保護基を表し、Xは、二価の炭化水素基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水酸基又はハロゲン基を表す。)
保護基は、好ましくは、pKaが0以下の酸性条件下で脱保護される保護基である。
上記の方法により得られる樹脂が有機溶剤への溶解性に優れている理由を、本発明者らは以下のとおり考えている。従来のポリアミド樹脂はアミド結合を構成するNH結合を有しており、NH結合は水素結合を形成することにより強い分子間相互作用を有する。そのため、有機溶剤の分子が樹脂間に浸透しづらい結果、ポリアミド樹脂の有機溶剤への溶解性が低くなる。一方、本発明に係る樹脂は、NH結合のH原子に代えて保護基を導入することにより、水素結合を有しておらず、ポリアミド樹脂に比べて分子間相互作用を低減できる。したがって、この樹脂は、有機溶剤への溶解性に優れている、と本発明者らは推察する。
本発明によれば、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ溶解後にポリアミド構造へ変換可能な構造を有する樹脂の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
本実施形態に係る樹脂の製造方法は、下記一般式(3)で表される構造単位及び下記一般式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する樹脂の製造方法である。すなわち、得られる樹脂は、ポリアミド樹脂のアミド結合を構成するNH結合のH原子に代えて保護基が導入された樹脂(以下「N−保護基ポリアミド樹脂」ともいう)である。
Figure 2018184548

Figure 2018184548
式中、R、R、R及びRは、それぞれ式(1−1)又は(1−2)におけるR、R、R及びRと同義である。X及びXは、それぞれ式(2)におけるXと同義である。
N−保護基ポリアミド樹脂は、下記一般式(1−1)又は(1−2)で表されるジアミンと、下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを反応させて得られる。より具体的には、N−保護基ポリアミド樹脂は、式(1−1)又は(1−2)で表されるように、ジアミン化合物を構成するNH結合のH原子に代えて保護基が導入された化合物(以下「N−保護基ジアミン化合物」ともいう)と、式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを、触媒の存在下で縮合させることにより得られる。
Figure 2018184548

Figure 2018184548

Figure 2018184548
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、酸性条件下で脱保護される一価の保護基を表し、Xは、二価の炭化水素基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水酸基又はハロゲン基を表す。
ジアミン化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらのジアミン化合物は、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
N−保護基ジアミン化合物は、上記で示したジアミン化合物に酸性条件下で脱保護可能な上記R、R、R又はRで表される保護基が導入された二級ジアミン化合物である。R、R、R又はRで表される保護基は、好ましくは、pKa(=−logKa(Kaは酸解離定数))が0以下の酸性条件下で脱保護される保護基である。保護基は、例えば、下記式(5)で表されるp−アルコキシベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等であってよい。
Figure 2018184548

式中、Rはアルキル基を表し、*は結合手を表す。アルキル基は、好ましくは直鎖アルキル基である。アルキル基の炭素数は、例えば1〜10であってよい。
保護基としては、具体的には、p−メトキシベンジル基、p−エトキシベンジル基、p−プロピルオキシベンジル基、p−ブトキシベンジル基、p−ペンチルオキシベンジル基、p−ヘキシルオキシベンジル基、p−ペプチルオキシベンジル基、p−オクチルオキシベンジル基、p−ノニルオキシベンジル基、p−デカニルオキシベンジル基等が挙げられる。
N−保護基ジアミン化合物の合成方法は、特に制限されない。保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合、例えば、除去の難しい副生成物を発生させない二炭酸ジ−tert−ブチル(ジ−tert−ブチルジカルボネート)を上記ジアミン化合物に対し、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下で作用させることによりN−保護基ジアミン化合物を合成する方法であってよい。
当該合成方法は、保護基がベンジルオキシカルボニル基である場合、例えば、クロロギ酸ベンジルを上記ジアミン化合物に対して、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下で作用させることにより合成する方法であってよい。
当該合成方法は、保護基がp−アルコキシベンジル基である場合、例えば、p−アルコキシベンジルクロリドを上記ジアミン化合物に対して、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下で作用させてアミド体を合成して単離し、このアミド体をボラン−テトラヒドロフラン錯体で還元して得る方法であってよく、また、上記ジアミン化合物に対してp−アルコキシベンジルアルデヒドを作用させてイミン体を合成して単離し、このイミン体に対して水素化ホウ素ナトリウムで還元して得る方法であってもよい。これらの方法のうち、イミン体を経由して合成する方法が好ましい。
Xで表される二価の炭化水素基は、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等であってよい。当該二価の炭化水素基の炭素数は、例えば1〜20であってよい。
脂肪族炭化水素基は、鎖状であっても環状であってもよく、例えば、直鎖又は分岐のアルキレン基、直鎖又は分岐のアルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等であってよく、好ましくは、直鎖若しくは分岐のアルキレン基、直鎖若しくは分岐のアルケニレン基である。アルキル基は、好ましくは直鎖アルキレン基である。アルキレン基の炭素数は、例えば1〜10又は3〜10であってよい。アルケニレン基は、例えば下記式(6)又は(7)で表される基であってよい。
−(CH−CH=CH−CH− (6)
−(CH−CH=CH−CHn1−(CH−CH(CN))n2− (7)
式中、mは5〜200の整数を表し、n1及びn2は、0<n2/(n1+n2)≦0.13かつ10≦n1+n2≦200を満たす整数を表す。
芳香族炭化水素基は、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン基等であってよい。
上記ジカルボン酸としては、具体的には、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
N−保護基ポリアミド樹脂の製造方法では、好ましくは、上述したN−保護基ジアミン化合物と、上記ジカルボン酸のジハライド誘導体(式(3)におけるZ及びZがいずれもハロゲン基)とを反応させて得られる。具体的には、まず、ジカルボン酸にハロゲン化剤を作用させてジハライド誘導体を合成する。ジハライド誘導体は、好ましくはジクロリド誘導体(式(3)におけるZ及びZがいずれもクロロ基)である。ジクロリド誘導体を得る場合、ハロゲン化剤は、通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等であってよい。
ジクロリド誘導体を合成する方法は、ジカルボン酸とハロゲン化剤とを溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中にジカルボン酸を加えて反応を行った後、過剰な成分を留去する方法であってよい。反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
これらのハロゲン化剤の使用量は、ジカルボン酸1モルに対して、溶媒中で反応させる場合は、好ましくは1.5〜3.0モル、より好ましくは1.7〜2.5モルであり、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、好ましくは4.0〜50モル、より好ましくは5.0〜20モルである。反応温度は、好ましくは−10〜70℃、より好ましくは0〜20℃である。
N−保護基ジアミン化合物とジクロリド誘導体との反応は、好ましくは、脱ハロゲン化水素剤の存在下、有機溶媒中で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。有機溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、好ましくは−10〜30℃、より好ましくは0〜20℃である。
以上のようにして得られるN−保護基ポリアミド樹脂は、上記一般式(3)で表される構造単位のみからなる単独重合体、又は、上記一般式(4)で表される構造単位のみからなる単独重合体であってよく、あるいは、上記一般式(3)で表される構造単位及び上記一般式(4)で表される構造単位のみからなる共重合体、又は、上記一般式(1)で表される構造単位及び/又は上記一般式(4)で表される構造単位に加えてその他の構造単位を有する共重合体であってよい。
N−保護基ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜200,000、より好ましくは5,000〜100,000である。重量分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線に基づき換算した値を意味する。
以上説明したN−保護基ポリアミド樹脂は、有機溶剤への溶解性に優れているため、有機溶剤へ溶解させた状態で好適に使用される。
[溶剤]
溶剤は、N−保護基ポリアミド樹脂を含有する組成物(例えば感光性樹脂組成物)の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりするために該組成物に添加される。溶剤は、好ましくは有機溶剤である。該有機溶剤の種類は、上記性能を発揮できるものであれば特に制限されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ化合物、ブチルカルビトール等のカルビトール化合物;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル化合物;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル化合物;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル化合物;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物;γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物などが挙げられる。有機溶剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
溶剤の含有量は、溶剤を除く組成物の成分全量100質量部に対して、好ましくは50〜3000質量部、より好ましくは1000〜2000質量部である。
[N−保護基ポリアミド樹脂の酸性溶液による脱保護方法]
N−保護基ポリアミド樹脂は、例えば酸性溶液を用いた酸性条件下で保護基が脱離(脱保護)することにより、ポリアミド樹脂に変換される。酸性溶液は、脱保護可能であれば特に制限されないが、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等を含むpKaが0以下である酸性溶液である。これらの酸をN−保護基ポリアミド樹脂に作用させることで、脱保護反応が進行し、ポリアミド樹脂が得られる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
<合成例1:N−保護基(メトキシベンジル基)ジアミン(i)の合成>
50mLナスフラスコに3,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.0034g(19.98mmol)を加えた後、4−メトキシベンズアルデヒド12mL(100mmol)を更に加えた。これを70℃で10分間撹拌した。次いで、乾燥エタノール30mLを加えて固体をろ過し、エタノールで3回洗浄した。その後、デシケーター中、減圧下で乾燥して、粗生成物として白色固体のイミン体8.3564g(粗収率96%)を得た。
次に、200mLナスフラスコにこのイミン体3.01g(6.6mmol)と乾燥THF60mLを加えた後、0℃で20分間撹拌した。その後、メタノール30mLを加え、水素化ホウ素ナトリウム764.2mg(27.0mmol)を更に加えて、0℃で21時間撹拌した。これに塩化メチレンを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。続いて、ろ過を行って、減圧下で溶媒を留去した後、減圧下で乾燥して、粗生成物として黄色粘性液体3.0092g(粗収率104%)を得た。これをトルエン:ヘキサン=1:3(体積比)の混合溶媒で再結晶させ、白色結晶であるジアミン(i)2.3394g(収率80.4%)を得た。
得られたジアミン(i)のH NMRの測定結果を以下に示す。
H NMR(600MHz,CDCI) δ7.30(d,J=8.2Hz,2H),7.24(d,J=7.9Hz,2H),7.04(t,J=8.0Hz,1H),6.89−6.85(m−3H),6.60(d,J=6.0Hz,1H),6.28(dd.J=2.5and6.0Hz,1H),6.25(dd,J=2.5and6.5Hz,1H),6.20(s1H),4.23(s,2H),4.18(s,2H),3.80(s,3H),3.80(s,3H).
<合成例2:N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ジアミン(ii)の合成>
100mLナスフラスコに3,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.003g(10.01mmol)を加えた後、4−n−オクチルオキシベンズアルデヒド12.0mL(50mmol)を更に加えた。これを70℃で10分間撹拌した。次いで、乾燥エタノール30mLを加えて固体をろ過し、ヘキサンで3回洗浄した。その後、デシケーター中、減圧下で乾燥して、粗生成物として白色固体のイミン体5.8379g(粗収率92%)を得た。
次に、200mLナスフラスコにこのイミン体4.956g(7.831mmol)と乾燥THF120mLを加えた後、0℃で20分間撹拌した。その後、乾燥メタノール61mLを加え、水素化ホウ素ナトリウム1.286g(34.00mmol)を更に加えて、0℃で21時間撹拌した。これに塩化メチレンを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。続いて、ろ過を行って、減圧下で溶媒を留去した後、減圧下で乾燥し、粗生成物として黄色固体3.251g(粗収率65%)を得た。これをヘキサンで再結晶させ、黄色固体であるジアミン(ii)1.950g(収率39%)を得た。
得られたジアミン(ii)のH NMRの測定結果を以下に示す。
H NMR(600MHz,CDCI) δ7.28(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.2Hz,2H),7.04(t,J=8.0Hz,1H),6.89−6.82(m,6H),6.60(d,J=8.5Hz,2H),6.28(d,J=8.2Hz,1H),6.24(d,J=7.9Hz,1H),6.22(s.1H),1.78−1.77(m,4H),1.45−1.42(m,4H),1.34−1.25(m,16H),0.89−0.87(m,6H).
[樹脂の合成]
<実施例1:N−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(I)の合成>
30mLナスフラスコを減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。N−保護基(メトキシベンジル基)ジアミン(i)0.6991g(1.587mmol)とピリジン0.30mL(3.5mmol)を乾燥NMP1.4mLに溶かした溶液を、窒素気流下でフラスコに加え、0℃で10分間撹拌した。ここに、イソフタル酸クロライド0.3218g(1.585mmol)を乾燥NMP1.4mLに溶かした溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧下で乾燥して、下記式(I)で表される構造単位からなる白色固体のN−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(I)0.8995g(粗収率94%)を得た。N−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(I)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は13,503、分散度は1.57であった。
Figure 2018184548
<実施例2:N−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(II)の合成>
30mLナスフラスコを減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。N−保護基(メトキシベンジル基)ジアミン(i)0.6996g(1.588mmol)とピリジン0.30mL(3.5mmol)の乾燥NMP1.4mLの混合溶液をフラスコに加え、0℃で10分間撹拌した。ここに、テレフタル酸クロライド0.3220g(1.586mmol)を乾燥NMP 1.4mLに溶かした溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧下で乾燥して、下記式(II)で表される構造単位からなる黄色固体のN−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(II)0.8697g(粗収率91%)を得た。N−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(II)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は7,066、分散度は1.36であった。
Figure 2018184548
<実施例3:N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(III)の合成>
30mLナスフラスコを減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ジアミン(ii)1.0032g(1.575mmol)とピリジン0.30mL(3.45mmol)を乾燥NMP1.4mLに溶かした溶液を窒素気流下でフラスコに加え、0℃で20分間撹拌した。ここに、イソフタル酸クロライド0.3200g(1.576mmol)を乾燥NMP 1.4mLの乾燥溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧下で乾燥して、下記式(III)で表される構造単位からなる黄色固体のN−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(III)1.2079g(粗収率96%)を得た。N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(III)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は23,246、分散度は1.56であった。
Figure 2018184548
<実施例4:N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(IV)の合成>
30mLナスフラスコを減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ジアミン(ii)1.0032g(1.575mmol)とピリジン0.30mL(3.45mmol)を乾燥NMP1.4mLに溶かした溶液を窒素気流下でフラスコに加え、0℃で10分撹拌した。ここにテレフタル酸クロライド0.3200g(1.576mmol)を乾燥NMP1.4mLに溶かした溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧乾燥して、下記式(IV)で表される構造単位からなる黄色固体のN−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(IV)0.9685g(粗収率77%)を得た。N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(IV)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は9,753、分散度は1.30であった。
Figure 2018184548
<比較例1:ポリアミド(V)の合成>
30mLナスフラスコに塩化リチウム0.2730g(6.393mmol)を入れ、減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。3,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.5004g(2.499mmol)とピリジン0.50mL(5.8mmol)を乾燥NMP2.5mLに溶かした溶液を窒素気流下でフラスコに加え、0℃で20分間撹拌した。ここに、イソフタル酸クロライド0.5065g(2.495mmol)を乾燥NMP 2.5mLに溶かした溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧下で乾燥して、下記式(V)で表される構造単位からなる薄黄色固体のポリアミド(V)1.9587g(粗収率218%)を得た。ポリアミド(V)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は52,500、分散度は1.84であった。
Figure 2018184548
<比較例2:ポリアミド(VI)の合成>
30mLナスフラスコに塩化リチウム0.2726g(6.392mmol)を入れ、減圧下でヒートガンを用いて加熱乾燥した後、アルゴンで置換した。3,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.5011g(2.503mmol)とピリジン0.50mL(5.8mmol)を乾燥NMP2.5mLに溶かした溶液を窒素気流下でフラスコに加え、0℃で20分間撹拌した。ここに、テレフタル酸クロライド0.5065g(2.495mmol)を乾燥NMP 2.5mLで溶かした溶液を窒素気流下で加えて、室温で重合させた。重合開始から2日後に乾燥メタノール0.5mLを加えて反応を停止し、反応溶液を4mLのNMPで薄めて、20倍の水に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物を桐山ロートでろ過して回収し、減圧下で乾燥して、下記式(VI)で表される構造単位からなる薄黄色固体のポリアミド(VI)0.9929g(粗収率110%)を得た。ポリアミド(VI)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は25,900、分散度は2.13であった。
Figure 2018184548
[脱保護反応の確認]
<実施例1:N−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(I)の脱保護反応>
30mLナスフラスコに、実施例1のN−保護基(メトキシベンジル基)ポリアミド(I)0.0095g(0.0167mmol)とトリフルオロ酢酸(TFA)1.0mLを加えて2日間撹拌した後、その混合溶液を、炭酸水素ナトリウム水溶液中に滴下した。沈殿した固体を桐山ロートでろ過して少量の塩化メチレンと水で洗浄し、デシケーター中、減圧下で乾燥して、粗生成物として白色固体0.0105g(粗収率190%)を得た。HNMR(600MHz,重溶媒:ジメチルスルホオキシド)より、10.5ppm付近に脱保護によって生じるアミドのNH結合に由来するシグナルが現れていることから、脱保護反応が進行していることを確認した。
<実施例3:N−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(III)の脱保護反応>
30mLナスフラスコに、実施例3のN−保護基(オクチルオキシベンジル基)ポリアミド(III)0.0105g(0.0132mmol)とトリフルオロ酢酸(TFA)1.0mLを加えて2日間撹拌した後、その混合溶液を、炭酸水素ナトリウム水溶液中に滴下した。沈殿した固体を桐山ロートでろ過して少量の塩化メチレンと水で洗浄し、デシケーター中、減圧下で乾燥して、粗生成物として白色固体0.0100g(粗収率220%)を得た。HNMR(600MHz,重溶媒:ジメチルスルホオキシド)より、10.5ppm付近に脱保護によって生じるアミドのNH結合に由来するシグナルが現れていることから、脱保護反応が進行していることを確認した。
[有機溶剤への溶解性]
各実施例及び比較例で合成したN−保護基ポリアミド(I)〜(IV)及びポリアミド(V),(VI)の固体をそれぞれ表1に示す有機溶剤を加えて溶解性を評価した。目視にて固体が完全に溶解したものを「A」、溶解しなかったものを「B」として評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018184548
以上のとおり、N−保護基ポリアミドが合成(製造)できることが分かり、また、N−保護基ポリアミド(I)〜(IV)は、ポリアミド(V),(VI)に比べて有機溶剤への溶解性に優れており、かつ、酸性条件下で脱保護反応が進行することが分かる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1−1)又は(1−2)で表されるジアミンと、下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体とを反応させて樹脂を得る、樹脂の製造方法。
    Figure 2018184548

    Figure 2018184548

    Figure 2018184548

    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、酸性条件下で脱保護される一価の保護基を表し、Xは、二価の炭化水素基を表し、Z及びZは、それぞれ独立に、水酸基又はハロゲン基を表す。)
  2. 前記保護基は、pKaが0以下の酸性条件下で脱保護される保護基である、請求項1に記載の樹脂の製造方法。
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