JP2018184129A - 操舵制御方法及び操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上記のような点に着目し、より適切な操舵反力を付与可能とすることを課題とする。
ここで、車両モデルに従って算出される規範スリップ角速度と、車両に作用する横加速度に基づき算出される実スリップ角速度の差分の絶対値が閾値以上の場合にフィードフォワード軸力の配分比率を低減する。
図1を参照する。車両Aは、ステアリングホイール1と前輪(以下、操向輪とも呼ぶ)2とが機械的に分離したステア・バイ・ワイヤ方式の操舵制御装置を備える車両である。
車両Aは、操舵角センサ3と、転舵角センサ4と、車速センサ5と、横Gセンサ6と、ヨーレイトセンサ7と、転舵制御部8と、反力制御部9と、コントローラ11を備える。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール1の操舵角δを検出する。例えば操舵角センサ3は、ステアリングシャフトの回転量に基づいて操舵角δを算出してよい。操舵角センサ3は、検出した操舵角δの情報をコントローラ11に出力する。
車速センサ5は、車両Aの車速Vxを検出する。車速センサ5は、車速センサ5により検出された車速センサ値である車速Vxの情報をコントローラ11に出力する。
ヨーレイトセンサ7は、車両Aのヨーレイトγを検出する。そして、ヨーレイトセンサ7は、ヨーレイトセンサ7により検出されたヨーレイトセンサ値であるヨーレイトγをコントローラ11に出力する。なお、横Gセンサ6およびヨーレイトセンサ7は、バネ上(車体)に配置してよい。
転舵モータ8Aは、減速機を介してピニオンシャフト10と連結される。そして、転舵モータ8Aは、転舵モータ駆動部8Cによって駆動され、ピニオンシャフト10を介してステアリングラックを左右に移動させる。これにより、転舵モータ8Aは、操向輪2を転舵する。転舵モータ8Aは、例えば、転舵モータ8Aに流れる電流(以下、「転舵電流」と表記する)を制御することにより駆動してよい。
転舵モータ駆動部8Cは、コントローラ11が算出する目標転舵電流に基づいて、転舵電流検出部8Bが検出する転舵電流が目標転舵電流と一致するように転舵モータ8Aの転舵電流を制御する。これにより、転舵モータ駆動部8Cは、転舵モータ8Aを駆動する。目標転舵電流とは、転舵モータ8Aに流れる電流の目標値である。
反力モータ9Aは、減速機を介してステアリングシャフトと連結される。反力モータ9Aは、反力モータ駆動部9Cによって駆動され、ステアリングシャフトを介してステアリングホイール1に回転トルクを付与する。これにより、反力モータ9Aは、操舵反力を発生する。反力モータ9Aは、例えば、反力モータ9Aに流れる電流(以下、「反力電流」と表記する)を制御することにより駆動してよい。
反力モータ駆動部9Cは、コントローラ11が算出する目標反力電流に基づいて、反力電流検出部9Bが検出する反力電流が当該目標反力電流と一致するように反力モータ9Aの反力電流を制御する。これにより、反力モータ駆動部9Cは、反力モータ9Aを駆動する。目標反力電流とは、反力モータ9Aに流れる電流の目標値である。
記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
記憶装置には、プロセッサ上で実行されて、転舵モータ8Aと反力モータ9Aとの制御をコントローラ11に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶される。
目標転舵電流演算部11Cは、転舵角センサ4が検出した転舵角を目標転舵角θ*から減じた差に基づいて、目標転舵電流を算出する。目標転舵電流演算部11Cは、目標転舵電流を転舵モータ駆動部8Cへ出力する。
FF軸力演算部20は、操舵角δ及び車速Vxに基づいて、操舵角δに応じた操舵反力を与えるステアリングラック軸力であるFF軸力TFFを算出する。ステアリングラック軸力とは、ステアリングラックに加わるラック軸力である。
FF軸力演算部20は、算出したFF軸力TFFを配分比率算出部23へ出力する。
転舵電流は、路面凹凸等によって操向輪2に路面外乱が作用し、操向輪2にタイヤ横力が作用し、目標転舵角θ*と実際の転舵角θとに差が生じることによって変動する。FB軸力演算部21は、転舵電流に基づいて操向輪2に作用するタイヤ横力の影響を反映したステアリングラック軸力を算出する。転舵電流に基づいて算出されるステアリングラック軸力を「電流軸力」と表記する。
また、ヨーレイトγは、操向輪2が転舵され、操向輪2にタイヤ横力が作用し、車両Aが旋回することによって発生する。FB軸力演算部21は、ヨーレイトγに基づいて操向輪2に作用するタイヤ横力の影響を反映したステアリングラック軸力を算出する。ヨーレイトγに基づいて算出されるステアリングラック軸力を「ヨーレイト軸力」と表記する。
微分演算部22は、操舵角センサ3が検出した操舵角δを微分することによりステアリングホイール1の操舵角速度dδ/dtを算出する。微分演算部22は、算出した操舵角速度dδ/dtを配分比率算出部23へ出力する。
電流算出部25は、変換部24から出力された目標操舵反力に基づき目標反力電流を算出する。電流算出部25は、目標反力電流を反力モータ駆動部9Cへ出力する。
配分比率算出部23は、日常的な走行シーン、例えば、運転者からの操舵入力に対して車両挙動の応答が追従できるシーンでは、外乱に影響されない安定したFF軸力TFFを使って操舵反力を与えるように、FF軸力TFFの割合が高い配分比率を決定する。
これに対し、非日常的なシーン、例えば運転者からの操舵入力に対して車両挙動の応答が追従できず、FF軸力TFFの精度が低下したシーンでは、車両限界や路面からの情報が分かりやすいFB軸力TFBを使って操舵反力を与えるように、FB軸力TFBの割合を増やした(すなわち、FF軸力TFFの割合が低い)配分比率を設定する。
一方で、車両Aに作用する横Gが高い状態であるか、操舵角速度dδ/dtが比較的高い状態であるか、且つアンダーステア状態若しくはオーバステア状態では、FF軸力TFFの割合が低減された配分比率を決定する。例えば、FF軸力TFFの割合を「0」とすることによりFB軸力TFBのみを使って操舵反力を与える。
また、配分比率算出部23は、実際の車両Aのヨーレイトである実ヨーレイトと車両モデルに従って算出した規範ヨーレイトとの差分が大きい場合に、アンダーステア状態又はオーバステア状態であると判定し、FF軸力TFFの割合を低減する。
また、配分比率算出部23は、実際の車両Aのスリップ角速度である実スリップ角速度と車両モデルに従って算出した規範スリップ角速度との差分が大きい場合に、オーバステア状態であると判定し、FF軸力TFFの割合を低減する。
操舵角速度依存ゲイン算出部30は、少なくとも操舵角速度dδ/dtに基づいて操舵角速度依存ゲインG1を算出する。操舵角速度依存ゲインG1は、操舵角速度dδ/dtに応じて、FF軸力TFFとFB軸力TFBの配分比率を定めるゲインであり、操舵角速度dδ/dtが高い場合にFF軸力TFFの割合が低減されるように設定される。
例えば、操舵角速度dδ/dtが、遷移開始点である第1操舵角速度R1より低い範囲では、操舵角速度依存ゲインG1は「1」である。
第2操舵角速度R2より高い範囲では、操舵角速度依存ゲインG1は「0」である。
図4を参照する。操舵角速度依存ゲイン算出部30は、操舵角速度依存ゲインG1をミキサ31へ出力する。
ミキサ31は、操舵角速度依存ゲインG1に応じて、FF軸力TFFとFB軸力TFBとを次のように第1配分比率(G1:(1−G1))で配分することにより第1混合軸力を算出する。
第1混合軸力=G1×TFF+(1−G1)×TFB
これにより、操舵角速度dδ/dtが高い場合に第1混合軸力に占めるFF軸力TFFの割合が低減される。
図4を参照する。ミキサ31は、第1混合軸力を、軸力差分依存ゲイン算出部33とミキサ36へ出力する。
具体的には、推定横G依存ゲイン算出部32、軸力差分依存ゲイン算出部33及びゲイン算出部34は、推定横G依存ゲインG2、軸力差分依存ゲインG3、ヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5を算出する。選択部35は、推定横G依存ゲインG2、軸力差分依存ゲインG3、ヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5のうち最も小さいゲインを最終ゲインGとして選択する。
第2混合軸力=G×第1混合軸力+(1−G)×TFB
そして、粘性成分処理部37によりFF軸力TFFの粘性成分(粘性項)に最終ゲインGが乗じられ、乗算結果が加算器38によって第2混合軸力に加えられて推定ラック軸力が得られる。
ここで、推定横G依存ゲインG2は、車両Aに作用する横Gの推定値(以下「推定横G」と表記することがある)に応じて第1混合軸力とFB軸力TFBの配分比率を定めるゲインである。
軸力差分依存ゲインG3は、第1混合軸力とFB軸力TFBとの差分である軸力差分に応じて第1混合軸力とFB軸力TFBの配分比率を定めるゲインである。
スリップ角速度差分依存ゲインG5は、実際の車両Aのスリップ角速度である実スリップ角速度βsと車両モデルに従って算出した規範スリップ角速度βmと間のスリップ角速度差分Δβ=|βm−βs|に応じて第1混合軸力とFB軸力TFBの配分比率を定めるゲインである。
推定横G依存ゲインG2は、横Gが高い場合に第1混合軸力の割合が低減されるように(すなわちFF軸力TFFの割合が低減されるように)設定される。推定横G依存ゲイン算出部32は、例えば少なくともFF軸力TFFに基づいて推定横Gを推定してよい。推定横G依存ゲイン算出部32は、操舵角δ、転舵角θ又はヨーレイトγに基づいて推定横Gを推定してもよい。
例えば、FF軸力TFFが、遷移開始点である第1FF軸力TFF1より小さい範囲では、推定横G依存ゲインG2は「1」である。
第1FF軸力TFF1から遷移終了点である第2FF軸力TFF2までの範囲では、FF軸力TFFが大きくなるのにしたがって推定横G依存ゲインG2は「1」から「0」へ減少する。推定横G依存ゲインG2は、FF軸力TFFの変化に対して直線的に変化してもよく、非線形に変化してもよい。
第2FF軸力TFF2より大きい範囲では、推定横G依存ゲインG2は「0」である。
図6Bを参照する。例えば第1FF軸力TFF1及び第2FF軸力TFF2は、いずれの車速Vxにおいても一定になるように設定してよい。これに代えて、第1FF軸力TFF1及び第2FF軸力TFF2の一方又は両方が、車速Vxに応じて変動してもよい。
ここで、第1混合軸力は(G1×TFF+(1−G1)×TFB)で与えられるので、第1混合軸力とFB軸力TFBの軸力差分(G1×TFF+(1−G1)×TFB−TFB=G1(TFF−TFB))は、FF軸力TFFとFB軸力TFBとの差分に対応する。
また、推定横G依存ゲインG2と同様に、軸力差分依存ゲインG3はFF軸力TFFとFB軸力TFBの配分比率を定めるゲインといえる。
図7を参照する。軸力差分依存ゲイン算出部33は、減算器40と、ローパスフィルタ(LPF)41と、車速可変ゲイン算出部42と、乗算器43と、及びゲイン算出部44を備える。
減算器40は、第1混合軸力からFB軸力TFBを減じることによって軸力差分を算出する。ローパスフィルタ(LPF)41により高周波成分が除去された軸力差分は、乗算器43へ入力される。
車速可変ゲイン算出部42は、車速Vxに応じて変化する車速可変ゲインを算出して乗算器43へ出力する。
例えば、車速Vxが速度V1より低い範囲では、車速可変ゲインは「0」である。速度V1から速度V2までの範囲では車速Vxが高くなるのにしたがって車速可変ゲインは、「0」から「1」へ増加する。車速Vxが速度V2より高い範囲では、車速可変ゲインは「1」である。
ゲイン算出部44は、補正済軸力差分と車速Vxに基づいて軸力差分依存ゲインG3を算出する。
例えば、補正済軸力差分が、遷移開始点である第1軸力差分ΔT1より小さい範囲では、軸力差分依存ゲインG3は「1」である。
第1軸力差分ΔT1から遷移終了点である第2軸力差分ΔT2までの範囲では、補正済軸力差分が大きくなるのにしたがって軸力差分依存ゲインG3は「1」から「0」へ減少する。軸力差分依存ゲインG3は、補正済軸力差分の変化に対して直線的に変化してもよく、非線形に変化してもよい。
第2軸力差分ΔT2より大きい範囲では、軸力差分依存ゲインG3は「0」である。
第2軸力差分ΔT2は、車速Vxが速度V3より低い範囲では、比較的小さな下限dt3であり、速度V3から速度V4までの範囲では車速Vxが高くなるのにしたがって下限dt3から比較的大きな上限dt4へ増加する。速度V4より高い範囲では、第2軸力差分ΔT2は、上限dt4である。
このようにして、補正済軸力差分が第1軸力差分ΔT1より小さい範囲では、推定ラック軸力がFF軸力TFFの成分を含み、第2軸力差分ΔT2より大きい範囲ではFB軸力TFBの成分のみを含むように、軸力差分依存ゲインG3が設定される。
FB軸力TFBは転舵電流から換算して算出されており、FB軸力TFBには、転舵電流に含まれる転舵ギアのフリクション、正効率、逆効率によるヒステリシス成分が存在する。このため、軸力差分依存ゲインG3の不感帯と遷移幅に余裕を持たせている。
また、ゲイン算出部34は、転舵角θと、車速Vxと、ヨーレイト差分と、軸力差分依存ゲインG3が算出した補正済軸力差分と、ヨーレイトγと、横Gセンサ値αsと、操舵角速度dδ/dtと、FF軸力TFFに基づいて、スリップ角速度差分依存ゲインG5を算出する。
図9を参照する。ゲイン算出部34は、線形2輪モデル演算部50と、ヨーレイト差分依存ゲイン算出部51と、スリップ角速度依存ゲイン算出部52を備える。
線形2輪モデル演算部50は、所定の線形2輪モデルにしたがって、転舵角θ及び車速Vxに基づく規範ヨーレイトγm及び規範スリップ角速度βmを算出する。例えば線形2輪モデル演算部50は、次式の線形2輪モデルにしたがって規範ヨーレイトγm及び規範スリップ角速度βmを算出する。
線形2輪モデル演算部50は、算出した規範ヨーレイトγmをヨーレイト差分依存ゲイン算出部51へ出力する。線形2輪モデル演算部50は、算出した規範スリップ角速度βmをスリップ角速度依存ゲイン算出部52へ算出する。
ヨーレイト差分依存ゲイン算出部51は、少なくとも規範ヨーレイトγmとヨーレイトγに基づいて、ヨーレイト差分依存ゲインG4を算出する。
ヨーレイト差分依存ゲインG4は、ヨーレイト差分が大きい場合に第1混合軸力の割合が低減されるように(すなわちFF軸力TFFの割合が低減されるように)設定される。
減算器60は、規範ヨーレイトγmからヨーレイトγを減じることによってヨーレイト差分を算出する。ヨーレイト差分は乗算器62へ入力される。
車速可変ゲイン算出部61は、車速Vxに応じて変化する車速可変ゲインを算出して乗算器62へ出力する。
例えば、車速Vxが速度V5より低い範囲では、車速可変ゲインは「0」である。速度V5から速度V6までの範囲では車速Vxが高くなるのにしたがって車速可変ゲインは、「0」から「1」へ増加する。車速Vxが速度V6より高い範囲では、車速可変ゲインは「1」である。
ゲイン算出部63は、少なくとも補正済ヨーレイト差分に基づいて、ヨーレイト差分依存ゲインG4を算出する。
例えば、補正済ヨーレイト差分が、遷移開始点である第1ヨーレイト差分Δγ1より小さい範囲では、ヨーレイト差分依存ゲインG4は「1」である。
第1ヨーレイト差分Δγ1から遷移終了点である第2ヨーレイト差分Δγ2までの範囲では、補正済ヨーレイト差分が大きくなるのにしたがってヨーレイト差分依存ゲインG4は「1」から「0」へ減少する。ヨーレイト差分依存ゲインG4は、補正済ヨーレイト差分の変化に対して直線的に変化してもよく、非線形に変化してもよい。
第2ヨーレイト差分Δγ2より大きい範囲では、ヨーレイト差分依存ゲインG4は「0」である。
このようにして、補正済ヨーレイト差分が第1ヨーレイト差分Δγ1より小さい範囲では、推定ラック軸力がFF軸力TFFの成分を含み、第2ヨーレイト差分Δγ2より大きい範囲ではFB軸力TFBの成分のみを含むように、ヨーレイト差分依存ゲインG4が設定される。
図10を参照する。レイトリミッタ64は、ゲイン算出部63が算出したヨーレイト差分依存ゲインG4にレイトリミット処理を施して、変化率を所定の上限変化率以下に抑える。
スリップ角速度差分依存ゲインG5は、スリップ角速度差分Δβが大きい場合に第1混合軸力の割合が低減されるように(すなわちFF軸力TFFの割合が低減されるように)設定される。
車体横加速度算出部70は、車速Vxと、ヨーレイトγと、横Gセンサ値αsとに基づき、車両Aの実スリップ角速度βs=γ−αs/Vxを算出する。
車体横加速度算出部70は、実スリップ角速度βsに車速Vxを乗じて車体横加速度αys=Vx×βsを算出する。車体横加速度算出部70は、車体横加速度αysを除算器71とバンク/カント補正部75へ出力する。
ゲイン算出部73は、スリップ角速度差分Δβと車速Vxに基づいて第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を算出する。
第1スリップ角速度差分依存ゲインG51は、スリップ角速度差分Δβが大きい場合に第1混合軸力の割合が低減されるように(すなわちFF軸力TFFの割合が低減されるように)設定される。
スリップ角速度差分Δβが比較的小さな第1スリップ角速度差分Th1よりも小さい領域1では、車両Aの車輪がグリップしていると推定する。
このため領域1では、外乱に影響されない安定したFF軸力TFFを使って操舵反力を与えるように、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を比較的大きな値に設定する。
例えば、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を「1」に設定して、第1混合軸力の割合を100%にする(すなわちFF軸力TFFの成分を最大にする)。
このため領域3では、車両限界や路面からの情報が分かりやすいFB軸力TFBを使って操舵反力を与えるように、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を低減して、第1混合軸力の割合を低減する。
例えば、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を「0」に設定して、FB軸力TFBの割合を100%にする。
このため、スリップ角速度差分Δβが第1スリップ角速度差分Th1より小さな値から増加して、第2スリップ角速度差分Th2を超えると、推定ラック軸力は、FF軸力TFFを含んだ第1混合軸力からFB軸力TFBに切り替わる。
領域1と領域3の中間の領域2は、推定ラック軸力が第1混合軸力からFB軸力TFBに切り替わる遷移領域である。
例えば、スリップ角速度差分Δβが、遷移開始点である第1スリップ角速度差分Th1より小さい範囲では、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51は「1」である。
第1スリップ角速度差分Th1から遷移終了点である第2スリップ角速度差分Th2までの範囲では、スリップ角速度差分Δβが大きくなるのにしたがって第1スリップ角速度差分依存ゲインG51は「1」から「0」へ減少する。第1スリップ角速度差分依存ゲインG51は、スリップ角速度差分Δβの変化に対して直線的に変化してもよく、非線形に変化してもよい。
第2スリップ角速度差分Th2より大きい範囲では、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51は「0」である。
このため、図13Aに示すように、第1スリップ角速度差分Th1及び第2スリップ角速度差分Th2は、車速が低い場合には車速が高い場合に比べて大きくなるよう(車速が高い場合には車速が低い場合に比べて小さくなるよう)設定する。
図12を参照する。ゲイン算出部73は、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51を選択部74へ出力する。
図14は、異なるレーンにおいて発生したバンク角により生じる横Gセンサのオフセットを表すグラフである。図14に示すように、バンク角の増加に伴いオフセットが増加する。
このため、車体横加速度αysから横GオフセットαOを減じて補正した補正済車体横加速度αyに基づいて、第2スリップ角速度差分依存ゲインG52を算出する。
除算器76は、補正済車体横加速度αyを車速Vxで除算することにより補正済実スリップ角速度を算出する。減算器77は、規範スリップ角速度βmを補正済実スリップ角速度で減じた差の絶対値である補正済スリップ角速度差分を算出する。補正済スリップ角速度差分はゲイン算出部73に入力される。
ゲイン算出部73は、補正済スリップ角速度差分と車速Vxに基づいて、バンク角の影響が補正された第2スリップ角速度差分依存ゲインG52を算出する。ゲイン算出部73における第2スリップ角速度差分依存ゲインG52の算出方法は、上述した第1スリップ角速度差分依存ゲインG51と同様である。
横Gセンサ値αsから算出されるスリップ角速度差分Δβは、次式(1)によって与えられる。
βs=γ−αs/Vx=γ−(α+αO)/Vx …(1)
なお、αは、上述のとおり車両挙動に応じて車両Aに作用するべき横G値である。
αO=Vx×(βs−(γ−α/Vx))=Vx×(βs−β) …(2)
ここで、スリップ角速度β=(γ−α/Vx)は、車輪がグリップし且つステアリングホイール1が保舵された状態では「0」になる。
このため、横GオフセットαOはVx×βs=(Vx×γ−αs)となり、車輪がグリップし且つステアリングホイール1が保舵された状態における各センサ値Vx、γ、αsから求めることができる。
車輪がグリップし且つステアリングホイール1が保舵された状態である場合には、バンク/カント補正部75は、車速Vx、ヨーレイトγ、及び横Gセンサ値αsに基づいて横GオフセットαOを算出して保持する。
車輪がグリップしていないか、ステアリングホイール1が保舵されていない状態では、以前に保持した横GオフセットαOを用いて補正済車体横加速度αyを算出する。
更新許可判定部80は、補正済車体横加速度αyの算出に用いる横GオフセットαOを、現在のセンサ値(車速Vx、ヨーレイトγ、及び横Gセンサ値αs)を用いて更新するか否かを判定する。バンク/カント補正部75は、横GオフセットαOの更新可否を示す更新許可フラグを生成し、オフセット算出部82に出力する。
(A1)バンク角が角度閾値a1度未満であり且つ操舵角速度dδ/dtが補正許可閾値Ths1以下である。
(A2)バンク角が角度閾値a1度以上であり且つ操舵角速度dδ/dtがThs1より高い補正許可閾値Ths2以下である。
(A3)周期的な連続操舵が検出される。
更新許可判定部80は、軸力差分と横Gセンサ値αsに基づいてバンク角が角度閾値a1度未満であるか否かを判定することができる。例えば、軸力差分が所定値未満の場合にバンク角が角度閾値a1度未満であり、軸力差分が所定値以上の場合にバンク角が角度閾値a1度以上と判定してよい。
(B1)推定横Gが所定値g以下である。
(B2)ヨーレイト差分が所定値y1以下である。
そこで、更新許可判定部80は、バンクの切り替わりが発生したか否かを判定し、バンクの切り替わりが発生した場合には横GオフセットαOの更新を許可する更新許可フラグをオフセット算出部82に出力してもよい。
例えば、更新許可判定部80は、現在保持している横GオフセットαOの符号と、車体横加速度αysの符号とが異なる場合にバンクの切り替わりが発生したと判定してよい。
オフセット算出部82は、更新した横GオフセットαOを保持し、更新許可判定部80と、バンク補正部83と、図12に示す禁止ゲイン算出部78へ出力する。
急激なバンク角の変化が発生した場合に、横GオフセットαOの更新が遅れると、誤って推定ラック軸力がFB軸力TFBに切り替わり運転者に違和感を与える虞がある。
そこで、補正速度算出部81は、バンク角が大きくなった場合に補正速度Scをより高くすることによって、大きなバンク角の変化が発生しても、横GオフセットαOを速やかに補正する。
バンク補正部83は、車体横加速度αysから横GオフセットαOを減じることにより補正済車体横加速度αyを算出する。バンク補正部83は、補正済車体横加速度αyを除算器76へ出力する。
例えばバンクを登りながら操舵が行われている走行シーンにおいて横GオフセットαOの更新がバンク角の変化に追いつかなくなると、横GオフセットαOが真値よりも小さくなる虞がある。この結果、バンクの進入時に誤って推定ラック軸力がFB軸力TFBに切り替わり、操舵力が抜けて運転者は違和感を覚える虞がある。
このため、禁止ゲイン算出部78は、バンク角が角度閾値a2以上の場合に禁止ゲインG53を「1」に設定して、選択部74に出力する。
選択部74は、第1スリップ角速度差分依存ゲインG51、第2スリップ角速度差分依存ゲインG52、及び禁止ゲインG53のうち、最も大きなゲインを最終的なスリップ角速度差分依存ゲインG5として選択し、図4に示す選択部35へ出力する。
これにより、バンク角が角度閾値a2以上の場合には、禁止ゲインG53=「1」がスリップ角速度差分依存ゲインG5と選択される。これにより、バンク角が角度閾値a2以上の場合には、スリップ角速度差分依存ゲインG5によるFB軸力TFBへの切り替えが抑制される。
例えば、横GオフセットαOが、遷移開始点である第1オフセットα1より小さい範囲では、禁止ゲインG53は「0」である。
第1オフセットα1から遷移終了点である第2オフセットα2までの範囲では、補正済ヨーレイト差分が大きくなるのにしたがって禁止ゲインG53は「0」から「1」へ増加する。禁止ゲインG53は、横GオフセットαOの変化に対して直線的に変化してもよく、非線形に変化してもよい。第2オフセットα2より大きい範囲では、禁止ゲインG53は「1」である。
第2オフセットα2は、角度閾値a2のバンク角で発生するオフセットに相当する値に設定する。角度閾値a2は、保舵状態の判定のための上記条件(A1)及び(A2)で使用される角度閾値a1よりも大きく設定されてよい。
これにより、横GオフセットαOの更新がバンク角の変化に追いつかず、バンク角補正を行った第2スリップ角速度差分依存ゲインG52が過小になった場合には、バンク角補正を行わずに算出した第1スリップ角速度差分依存ゲインG51をスリップ角速度差分依存ゲインG5として選択することができる。
これにより、横GオフセットαOの更新の遅れによるFB軸力TFBへの誤切り替えが抑制される。
補正許可閾値Ths、Ths1及びThs2は、特許請求の範囲に記載の所定速度の一例である。所定値g及びy1は、それぞれ特許請求の範囲に記載の第1所定値及び第2所定値の一例である。角度閾値a1のバンク角により生じる軸力差分の値は、特許請求の範囲に記載の第3所定値及び第4所定値に相当する。反力モータ9Aは、特許請求の範囲に記載のアクチュエータの一例である。
次に図17を参照して、バンク/カント補正部による横GオフセットαOの更新処理を説明する。
ステップS1において更新許可判定部80は、バンク角が大きい可能性があるか否かを判定する。例えば更新許可判定部80は、軸力差分と横Gセンサ値αsに基づいてバンク角が角度閾値a1以上であると推定した場合にバンク角が大きい可能性があると判定してよい。バンク角が大きい可能性があると判定した場合(ステップS1:Y)に処理はステップS2へ進む。バンク角が大きい可能性があると判定しない場合(ステップS1:N)に処理はステップS3へ進む。
ステップS3において更新許可判定部80は、補正許可閾値ThsをThs1に設定する。補正速度算出部81は、横GオフセットαOの補正速度Scをsc1に設定する。その後に処理はステップS4へ進む。
続く、ステップS5及びS6では、車輪がグリップしているか否かを判定する。ステップS5において更新許可判定部80は、推定横Gが所定値g以下であるか否かを判定する。推定横Gが所定値g以下である場合(ステップS5:Y)に処理はステップS6へ進む。
ステップS7において更新許可判定部80は、横GオフセットαOの更新を許可する更新許可フラグをオフセット算出部82に出力する。オフセット算出部82は設定された補正速度Scで横GオフセットαOを補正する。その後に処理は終了する。
これにより、周期的な連続操舵を検知した場合には、操舵角速度dδ/dtが補正許可閾値Ths以下でなくても保舵状態と判定してステップS5及びS6のグリップ判定を行う。
推定横Gが所定値g以下でない場合(ステップS5:N)、又はヨーレイト差分が所定値y1以下でない場合(ステップS6:N)に処理はステップS10へ進む。ステップS10ではバンクの切り替わりが発生したか否かを判定する。
続いて、実施形態の作用効果を説明する。図18A、図18B、図19A、図19B、図20A〜20Fを参照する。図20A〜20Fは、それぞれ最終ゲインG、操舵角速度依存ゲインG1、推定横G依存ゲインG2、軸力差分依存ゲインG3、ヨーレイト差分依存ゲインG4、及びスリップ角速度差分依存ゲインG5のタイムチャートである。
なお、図20Aにおいて、太線はヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5を最終ゲインGに反映させた場合を示し、細線は、太線はヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5を最終ゲインGに反映させなかった場合を示す。
この結果、車輪から伝わるセルフアライニングトルクによるFB軸力TFBと異なる方向に力が加わることにより、運転者が引っかかりを感じる。このためスムーズなカウンター操作が阻害される。
また、オーバステア状態の開始直後にヨーレイト差分依存ゲインG4が減少して、最終ゲインG(太線)を速やかに減少させることができるので、オーバステア状態の検知性能も向上する。
なお、図23Aにおいて、太線はヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5を最終ゲインGに反映させた場合を示し、細線は、太線はヨーレイト差分依存ゲインG4及びスリップ角速度差分依存ゲインG5を最終ゲインGに反映させなかった場合を示す。
一方で、ヨーレイト差分依存ゲインG4はアンダーステア状態の開始直後に速やかに減少する。このため、ヨーレイト差分依存ゲインG4を判定条件に加えることにより、速やかに最終ゲインG(太線)を減少させて推定ラック軸力にFB軸力TFBに反映させることができる。
バンクにおける横Gオフセット補正を行わない場合、バンク角によるオフセットが発生すると、このオフセット成分に起因して図24Bに示すようにスリップ角速度差分Δβが増加する。このためスリップ角速度差分依存ゲインG5が低下する。
この結果、スリップ角速度差分依存ゲインG5が最終ゲインGとして選択され、第1混合軸力とFB軸力TFBとを第2配分比率(G:(1−G))で配分して得られる第2混合軸力がFB軸力TFBへ切り替わる。このため操舵力の抜けが発生する。
これにより、FF軸力TFBへの切り替わりが抑制され操舵力の抜けを防止できる。
(1)FF軸力演算部20は、操向輪2と機械的に分離したステアリングホイール1の操舵角θに応じた操舵反力を与える軸力であるFF軸力TFFを算出する。FB軸力演算部21は、路面からの力を操舵反力として運転者に返す軸力であるFB軸力TFBを算出する。
線形2輪モデル演算部50は、車両モデルに従って規範スリップ角速度βmを算出する。スリップ角速度依存ゲイン算出部52は、車両Aに作用する横加速度に基づき実スリップ角速度βsを算出する。
スリップ角速度は、車速Vxが低い領域では転舵角θに対する感度(ゲイン)が高くなる。すなわち、転舵角θの変化に対するスリップ角速度の変動量が大きくなる。このためスリップ角速度差分Δβが大きくなる。この結果オーバステアの検出精度が低くなる。
そこで、オーバステアの誤検出により早期にFB軸力TFBへ遷移するのを防止するために低速では閾値を大きく設定することで、適切にFB軸力TFBへ遷移できる。
バンク走行中は、横Gセンサ6の検出値がバンク傾斜の影響を受けてオフセットするため、スリップ角速度差分が大きくなり、車輪がグリップしているにも関わらず最終軸力が誤ってFB軸力TFBへ遷移してしまう。
そこで、バンク角により生じる横GオフセットαOを推定し、横GオフセットαOでオフセットさせた実横Gを用いて実スリップ角速度βsを算出することでFB軸力TFBへの誤遷移を防ぐことができる。
横GオフセットαOにより実スリップ角速度βsを補正するには、横Gセンサ値αsに含まれている車両挙動による横Gとバンクによる横Gとを区別する必要がある。
ステアリングホイール1が保舵状態にあり車輪がグリップしている状態では、スリップ角速度が「0」となる特徴があるので、その時のセンサ値γ、Vx及びαsから横GオフセットαOを抽出することができる。
推定した横Gが小さくヨーレイト差分が小さい時は、車輪がグリップし且つステアリングホイールが保舵された状態であると判定できるので、横GオフセットαOの更新タイミングを適切に判定できる。
FF軸力TFFとFB軸力TFBの軸力差分が大きくなる傾斜角が大きなバンクでは、バンク角の急な変化に横GオフセットαOの更新が追いつかずFB軸力TFBへの誤遷移が生じる虞がある。このため、補正許可閾値Thsを大きくすることでステアリングホイールが保舵された状態であると判定され易くすることにより、横GオフセットαOを更新し易くすることができる。
実スリップ角速度の補正に現在使用している横GオフセットαOの符号と車両に作用する横加速度の符号が異なる場合には、バンクの切り替わりが起きたと判断できるので、このときに横GオフセットαOを更新することにより、バンクの切り替わり後に速やかな横GオフセットαOを更新できる。
FF軸力TFFとFB軸力TFBの軸力差分が大きくなる傾斜角が大きなバンクでは、バンク角の急な変化に横GオフセットαOの更新が追いつかずFB軸力TFBへの誤遷移が生じる虞がある。
このため、補正速度Scを上げることで、大きなバンク角変化が発生しても速やかに横GオフセットαOを補正できる。
Claims (9)
- 操向輪と機械的に分離したステアリングホイールの操舵角に応じた操舵反力を与える軸力であるフィードフォワード軸力を算出し、
路面からの力を操舵反力として運転者に返す軸力であるフィードバック軸力を算出し、
車両モデルに従って規範スリップ角速度を算出し、
車両に作用する横加速度に基づき実スリップ角速度を算出し、
前記規範スリップ角速度と前記実スリップ角速度の差分の絶対値が閾値以上の場合に前記フィードフォワード軸力の割合が低減されるように、前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力との配分比率を設定し、
前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力とを前記配分比率で配分して得られる最終軸力に基づいて操作反力を付与する、
ことを特徴とする操舵制御方法。 - 車速が高い場合には車速が低い場合に比べて前記閾値がより小さいことを特徴とする請求項1に記載の操舵制御方法。
- 路面のバンク角により生じる横加速度推定値を算出し、
前記車両に作用する横加速度を前記横加速度推定値でオフセットさせた後に車速で除して得られる値と、前記車両のヨーレイトと、に基づいて前記実スリップ角速度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵制御方法。 - 車輪がグリップし且つ前記ステアリングホイールが保舵された状態で前記ヨーレイトと車速と前記車両に作用する横加速度とに基づいて算出したスリップ角速度を、前記横加速度推定値として設定することを特徴とする請求項3に記載の操舵制御方法。
- 操舵角速度が所定速度以下であり、前記車両に作用する横加速度が第1所定値以下であり、且つ車両モデルに従って算出した規範ヨーレイトと実ヨーレイトとの差分が第2所定値以下の場合に、車輪がグリップし且つ前記ステアリングホイールが保舵された前記状態であると判定することを特徴とする請求項4に記載の操舵制御方法。
- 前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力との軸力差分が第3所定値以上である場合の前記所定速度は、前記軸力差分が前記第3所定値未満である場合の前記所定速度よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の操舵制御方法。
- 算出された前記横加速度推定値を保持し、
保持された前記横加速度推定値に基づいて前記実スリップ角速度を算出し、
保持された前記横加速度推定値の符号と前記車両に作用する横加速度の符号とが異なるときの前記ヨーレイトと車速と前記車両に作用する横加速度とに基づいて算出したスリップ角速度へ、前記横加速度推定値を更新して保持することを特徴とする請求項3に記載の操舵制御方法。 - 前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力との軸力差分が第4所定値以上である場合に、前記軸力差分が前記第4所定値未満である場合に比べて、前記横加速度推定値の更新の際に前記横加速度推定値を変化させる補正速度をより速く設定することを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の操舵制御方法。
- 操向輪と機械的に分離したステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサと、
前記ステアリングホイールに操舵反力を付与するアクチュエータと、
前記操舵角センサが検出した操舵角に応じた操舵反力を与える軸力であるフィードフォワード軸力を算出し、路面からの力を操舵反力として運転者に返す軸力であるフィードバック軸力を算出し、車両モデルに従って規範スリップ角速度を算出し、車両に作用する横加速度に基づき実スリップ角速度を算出し、前記規範スリップ角速度と前記実スリップ角速度の差分の絶対値が閾値以上の場合に、前記フィードフォワード軸力の割合が低減されるように前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力との配分比率を設定し、前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力とを前記配分比率で配分して得られる最終軸力に基づいて、前記アクチュエータにより操作反力を発生させるコントローラと、を備えることを特徴とする操舵制御装置。
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