JP2018183763A - 有機性廃水の処理法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、養豚廃水、下水等有機性廃水を浄化処理するに際し、微細藻類と活性汚泥を用い、敷地面積当たりの処理能力が向上するとともに、曝気電力量がより少なく、安定的かつ効率的に有機性廃水を処理できる廃水処理法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 有機性廃水を反応槽aに流入させ生物学的に浄化処理する方法において、該有機性廃水の一部を微細藻類槽bに流入させ、硝化菌及び脱窒菌共存下、好気明、嫌気暗条件を繰り返し、微細藻類を培養し、この微細藻類懸濁液を反応槽aに流入させるとともに、上記好気明条件下での培養を反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設けた平面池で行うことを特徴とする有機性廃水の処理法に構成した。
【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は、養豚廃水、下水等有機性廃水を浄化処理する方法とその装置に関する。
従来、有機性廃水を浄化処理するには、活性汚泥法が多く用いられているが、廃水に含まれるBOD源の分解(CO2化)やアンモニア(NH3)の硝化(NO3化)のために大量の酸素が必要であり、このため曝気装置を運転するための電力消費が多大となる問題点がある。例えば、非特許文献1において、脱窒まで行う高度処理を組み込んだ好気嫌気活性汚泥法を行う下水処理場における曝気電力が記載されているが、1kgのBOD負荷に対して曝気電力0.68kwh、0.90kwh、2.1kwh、2.5kwhが例示されている。
電力消費が少ない方法として、酸化池法、特に高率酸化池法等微細藻類を利用した処理法があり、この微細藻類処理においては、微細藻類による有機物の吸収分解及び、太陽光を吸収した微細藻類の光合成作用の結果生じる酸素(O2)を利用した共生細菌群による有機物の吸収分解によって廃水が浄化されるので、強制曝気が必要なく、曝気電力消費が少ない利点がある。しかし、微細藻類に太陽光が十分行き亘るためには、池の水深を浅くする必要があり、このため処理に必要な滞留日数を確保するには、活性汚泥法に比べて広大な敷地を必要とする問題点がある。
このような敷地の問題等から、養豚廃水、下水等の処理には、活性汚泥法が多く採用され、日本においても多くの施設が稼働している。これら施設においては、水環境保全のため更なる処理効果の向上が望まれている。
このようなことから、処理効果の向上を目指し、微細藻類(植物性プランクトン)と活性汚泥を組み合わせた新技術を考案した。
従来の微細藻類(植物性プランクトン)と活性汚泥を組み合わせた技術については、特許文献1においては、外部から流入した排水を生物酸化槽に一旦貯水して、この生物酸化槽内で汚泥中に含まれる微生物の分解能を利用して前記排水に含まれる有機物を分解したのち処理水として流出させる排水処理施設において、前記生物酸化槽内に、植物性プランクトンの光合成を促進するために、前記生物酸化槽内に滞留する排水の水面より上方の光を排水内へ導く複数の光導管を配設したことを特徴とする排水処理施設が示されている。また特許文献2においては、生物酸化槽において、汚泥中に含まれる微生物により排水中の有機物を分解処理する工程を含む排水処理方法において、透光性材料からなる有底円筒中空体の外側面にクロレラ微細藻類等光合成微生物層を担持させ、その上を多孔質フィルムで被覆して構成したバイオユニットを、上縁部を水面上に突出させた状態で上記生物酸化槽内に配置し、ユニット上方より光を入射させながら光合成反応を行わせることを特徴とする排水処理方法が示されている。
しかしながら、生物酸化槽内にはクロレラ微細藻類等光合成微生物を捕食する微小動物(原生動物、ワムシ等)が生息し、光合成微生物はこれらに捕食されるので、有効なクロレラ微細藻類等光合成微生物個体数を生物酸化槽内に維持することが難しく、クロレラ微細藻類等光合成微生物利用の効果を安定的に得ることが難しく、さらに、多数の光導管あるいは光ファイバ管を水中に設置することは設備費の高騰を招き、さらに光導管あるいは光ファイバ管の壁面に付着する汚れを定期的に除去する必要があり、維持管理費用が高価となる、問題点がある。
本発明者は、先に、微細藻類を捕食する微小動物(原生動物、ワムシ等)の生息を抑制し、微細藻類を安定的に培養できる装置を提案した(特許文献3)。本発明はこれを利用した発明である。また、廃水処理に微細藻類を用いる場合、微細藻類は沈降性が悪く、処理水から微細藻類を分離するための費用が高価となる問題点もある。
H.Yamashita,H.Nakajima,H.Saino,Y.Suzuki H.Shigemura,T.Miyake,T.Hara and N.Ogura Energy Saving of Nutrients Removal in Advanced Wastewater Treatment System. Environmental Engineering Research.vol.39,2002.
特開平7−303898公報 特開2009−297619公報 特許第3844365号
本発明は、養豚廃水、下水等有機性廃水を浄化処理するに際し、微細藻類と活性汚泥を用い、敷地面積当たりの処理能力が向上するとともに、曝気電力量がより少なく、安定的かつ効率的に有機性廃水を処理できる廃水処理法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献3に示された、微細藻類を捕食する微小動物(原生動物、ワムシ等)の生息を抑制し、微細藻類を安定的に培養できる装置を開発し、宮城県やマレーシアの養豚場で100〜200頭の尿廃水を微細藻類であるクロレラで処理するとともに増殖したクロレラを豚に給餌する試験を行い、よい結果を得た。しかし広大な面積が必要なため、特に日本のように人口密度が高く地価が高価な地域では微細藻類を利用した処理施設の普及は進まないのが実情である。クロレラ等微細藻類は豚の健康補助飼料等として有効利用できるとともに、クロレラ等微細藻類による処理は消費電力が少ないという利点があることと、既に多くの活性汚泥法が実施されているという現実を鑑み、より利便性のある微細藻類処理法について鋭意研究を重ねた結果、活性汚泥法と微細藻類処理法を組み合わせたことを特徴とする本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
第1に、有機性廃水を反応槽aに流入させ生物学的に浄化処理する方法において、該有機性廃水の一部を微細藻類槽bに流入させ、硝化菌及び脱窒菌共存下、好気明、嫌気暗条件を繰り返し、微細藻類を培養し、この微細藻類懸濁液を反応槽aに流入させるとともに、上記好気明条件下での培養を反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設けた平面池で行うことを特徴とする有機性廃水の処理法であり、
第2に、有機性廃水を反応槽aに流入させ生物学的に浄化処理する方法において、該有機性廃水を固液分離し、固液分離工程で生じる分離水は反応槽aに流入させ、汚泥は嫌気性処理し、その脱離液を微細藻類槽bに流入させ、硝化菌及び脱窒菌共存下、好気明、嫌気暗条件を繰り返し、微細藻類を培養し、この微細藻類懸濁液を反応槽aに流入させるとともに、上記好気明条件下での培養を反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設けた平面池で行うことを特徴とする有機性廃水の処理法であり、
第3に、有機性廃水の処理装置であって、
(1)有機性廃水を流入させ生物学的に浄化処理するための反応槽a、
(2)好気明条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するため浅い平面池1、及び嫌気暗条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するための嫌気水槽2よりなる微細藻類培養槽b
(3)前記有機性廃水、または固液分離工程で生じる汚泥を嫌気性処理した後の脱離液、を微細藻類槽bへ導く流路、
(4)微細藻類培養槽bの微細藻類懸濁液を反応槽aへ導く流路
(5)平面池1と嫌気水槽2との間の液移送機構
を備えるとともに、平面池1が反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設置されていることを特徴とする有機性廃水の処理装置である。
本発明の一実施形態を示す装置の平面図である。 図1におけるA−A縦断面図である。図6におけるD−D縦断面図である。昼間の状態を示す。 図1におけるB−B縦断面図である。昼間の状態を示す。 図1におけるC−C縦断面図である。図6におけるF−F縦断面図である。昼間の状態を示す。 図1におけるC−C縦断面図である。図6におけるF−F縦断面図である。夜間の状態を示す。 本発明の別の一実施形態を示す装置の平面図である。 図6におけるE−E縦断面図である。昼間の状態を示す。
(第1の実施形態) 次に、図面に基づいて本発明を更に詳しく説明する。図1、図2、図3、図4及び図5は本発明を説明するための一実施態様を示す装置の図面であり、それぞれ平面配置図、A−A縦断面図、B−B縦断面図、C−C縦断面図及び夜間の状態を示すC−C縦断面図である。装置は、BOD濃度が高い汚水、例えば養豚排水を処理するための装置であり、主に好気処理を行なうための反応槽a、及び好気明条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するため浅い平面池1、嫌気暗条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するための嫌気水槽2よりなる微細藻類培養槽bを備える。原水槽12には、固液分離後の養豚場汚水が貯留されている。汚水はポンプ13の作動により、管15及び管16を介して反応槽aに流入し、空気曝気条件下、微小有機固形物、細菌類、原生動物、微小後生動物等よりなる活性汚泥により浄化処理される。また汚水はポンプ13の作動により、管15及び管17を介して微細藻類培養槽bに流入するよう配備されている。
微細藻類培養槽bは、太陽光照射により微細藻類を増殖させるための浅い平面池1及び微細藻類、硝化菌及び脱窒菌の懸濁液(以後微細藻類等懸濁液と呼ぶ)を収納し空気との接触をなくし培養するための密閉容器である嫌気水槽2により構成されている。平面池1は反応槽aの上方に設置され、仕切壁11が設けられ、導水管41及び導水管42で嫌気水槽2底部と連絡され、ブロワー5、管7、開閉弁6よりなる通気装置、管8、開閉弁9よりなる排気装置を備え、これらによって平面池1と嫌気水槽2との間の液移送機構が構成されている。導水管42の下端は導水管41の下端よりもやや上方に設けられている。微細藻類培養槽b内の微細藻類等懸濁液は管3を介して、反応槽aへ流入するよう構成されている。
日の出頃、開閉弁6開、開閉弁9閉でブロワー5を作動させ、嫌気水槽2内に収納されていた微細藻類等懸濁液を平面池1に導水管41及び導水管42を介して、図4に示したように、押し出す。嫌気水槽2内の水面は下降し導水管42の下端を越すと、水面上方の空気が導水管42内に一気に流入し、導水管42内に激しい上昇流が生じ、導水管42上端から激しく噴水する。同時に導水管41内には下降流が生じ、平面池1内には仕切壁11に沿って導水管42上端から導水管41上端への流れと大きな波動が生じる。ブロワー5作動中は間欠的に噴水が生じ、微細藻類等懸濁液が流動攪拌される。以後、平面池1で微細藻類は太陽光の照射を受け、汚水中のBOD源、アンモニア、リン化合物等を吸収し、増殖する。また、微細藻類が放出する酸素を利用して、共生する好気性細菌がBOD源、アンモニア、リン化合物等を吸収し、硝化菌はアンモニアを亜硝酸イオン、硝酸イオンに変換しながら、増殖する。この微細藻類、共生する好気性細菌及び硝化菌の作用で、汚水が浄化される。
夕刻、開閉弁10を開け管3を介して微細藻類等懸濁液の一定量を反応槽aへ流入させ、この流入量にほぼ相当する汚水を、開閉弁10を閉めた後、ポンプ13の作動により、管15及び管17を介して微細藻類培養槽bに流入させ、ブロワー5を止め、開閉弁6を閉め、開閉弁9を開け、管8を介して空気を排気させながら微細藻類等懸濁液を嫌気水槽2に、図5に示したように、収納する。収納された微細藻類等懸濁液と大気との接触は管41及び管42の上端部に限られる。収納当初は微細藻類が放出した酸素が溶存しているが、徐々に酸素は微細藻類、共生する好気性細菌等によって消費され、嫌気水槽2内には嫌気暗条件が形成され、脱窒菌は亜硝酸イオン、硝酸イオン、BOD源、リン化合物等を吸収し、亜硝酸イオン、硝酸イオンを窒素ガス(N2)に変換する。後に、窒素ガス(N2)は後に平面池1水面から大気へ放出される。また、嫌気条件下ではワムシ等微小動物の個体数が減少し、ワムシ等微小動物による微細藻類捕食被害が低減され、微細藻類の安定的な連続培養が可能となり、安定的に処理できる。
翌朝、再び、開閉弁6開、開閉弁9閉でブロワー5を作動させ、嫌気水槽2内に収納されていた微細藻類等懸濁液を平面池1に、図4に示したように、押し出し、以後前記と同様の操作を繰り返す。
ブロワー5は、微細藻類等懸濁液を平面池1に押し出し、数回噴水させた後、一旦停止し、その後夕刻までおよそ6回、それぞれ15分程度作動させ噴水を起こし、微細藻類等懸濁液を攪拌するとよい。
反応槽aには、汚水はポンプ13の作動により、管15及び管16を介して、微細藻類培養槽bに送られた汚水を除く全汚水と微細藻類培養槽b流出液が流入し、空気曝気条件下、微小有機固形物、細菌類、原生動物、微小後生動物等よりなる活性汚泥により浄化処理される。反応槽aに流入した微細藻類は、ビタミン類、クロロフィル、カロチン等色素、アミノ酸等を含み、原生動物や微小後生動物の好適な餌となり、微小有機固形物やバクテリアと同様に原生動物や微小後生動物に捕食され、最終的に反応槽aの余剰汚泥として最終沈殿槽で分離処理される。特に微細藻類懸濁液用の固液分離装置が必要なく効率的である。
養豚場の汚水の固液分離後のBODは、豚舎洗浄水の量や糞の混入率等によって変化するが、1000〜5000mg/Lであり、BOD負荷0.03〜0.07 kg BOD/日/mを目安に微細藻類培養槽bに流入する汚水量を決定すれば良い。
(第2の実施形態) 図6、図2、図7及び図4は本発明を説明するための別の一実施態様を示す装置の図面であり、それぞれ平面配置図、D−D縦断面図、E−E縦断面図、F−F縦断面図である。装置は、主に、BOD濃度が低い汚水、例えば下水を処理するための装置であり、図1乃至図4に示したものと同様な反応槽a及び浅い平面池1、嫌気水槽2よりなる微細藻類培養槽bを備えるとともに、流入下水中の懸濁物質を沈降させるための最初沈殿槽20、沈降した懸濁物質を含む液(以後汚泥と呼ぶ)を抜き取り貯留するための汚泥貯留槽24、汚泥貯留槽24底部の濃縮汚泥を抜き取り脱水するための固液分離機28、汚泥貯留槽24の上澄水、固液分離機28の分離水を貯留する原水槽12を備えている。
下水は管30を介して最初沈殿槽20に流入する。最初沈殿槽20上澄水は、管21を介して反応槽aに流下し、空気曝気条件下、微小有機固形物、細菌類、原生動物、微小後生動物等よりなる活性汚泥により浄化処理される。最初沈殿槽20底部の生汚泥は、ポンプ22の作動により、管23を介して汚泥貯留槽24に流入し、また反応槽aの余剰汚泥(図示せず)も汚泥貯留槽24に流入し、ここで嫌気状態で貯留され、懸濁物質の沈降による汚泥の濃縮とともに懸濁物質の可溶化がさらに進み、溶解性BOD等が上昇する。汚泥貯留槽24の上澄水は管25を介して原水槽12に流下し、貯留される。汚泥貯留槽24下部の濃縮汚泥はポンプ26の作動により、管27を介して固液分離機28に流入し、脱水処理され、脱水分離水は管29を介して原水槽12に送られ、貯留される。汚泥貯留槽24の滞留時間はおよそ2日以上が望ましい。
原水槽12内の汚水は、ポンプ13の作動により、管15及び管17を介して微細藻類培養槽bに所定量を流入させ、残った汚水は管15及び管16を介して反応槽aに流入させる。微細藻類培養槽bに関する運転操作は、前記の図1乃至図4に示した装置の運転操作と同様に行う。昼間は、平面池1にて好気明条件下、微細藻類、共生する好気性細菌及び硝化菌の作用により、汚水が浄化される。夜間は、嫌気水槽2にて嫌気暗条件下、微細藻類、共生する好気性細菌及び脱窒菌の作用により、汚水が浄化されるとともに、脱窒菌は亜硝酸イオン、硝酸イオン、BOD源、リン化合物等を吸収し、亜硝酸、硝酸を窒素ガス(N2)に変換する。窒素ガス(N2)は後に大気へ放出される。微細藻類培養槽b流出水は、反応槽aに流入し、最初沈殿槽20上澄水とともに、活性汚泥の作用により浄化処理される。
一般の下水のBODはおよそ150〜250mg/Lであり、この下水の最初沈殿槽上澄水(BODおよそ100〜175mg/L)を、図1乃至図4に示したように、微細藻類培養槽bに投入利用した場合、基質不足のため微細藻類の増殖速度が低く、連続培養では藻体濃度が低くなり、処理が効率的に行えない。従って、下水のようにBOD濃度が低い場合は、図6、図2、図7及び図4に示したように、最初沈殿槽20底部の生汚泥や反応槽aの余剰汚泥を嫌気発酵させた分離水を用いれば良い。この分離水のBODは、可溶化日数等によって変るが、およそ500〜3000mg/Lであり、藻体濃度を適切に維持でき微細藻類培養槽bでの処理が効率的に行える。
また、別の態様では、前記濃縮汚泥をメタン発酵処理し、メタンガスを回収し、その脱離水を原水槽12に投入し微細藻類培養槽bで処理することも可能である。
反応槽aは、散気装置を備えた矩形曝気槽、脱窒に用いられる矩形水槽、またはオキシデ‐ションディッチ(無終端水路)を指す。沈殿槽は、生汚泥を分離する最初沈殿槽、余剰汚泥を分離する最終沈殿槽を指す。これら反応槽、沈殿槽の上方に平面池1を設置することで敷地を効率的に利用できる。
微細藻類は、Chlorella sp.Scenedesmus sp.等クロロプラストとミトコンドリアを有し、光合成機能及び呼吸機能を有する浮遊性微細藻類が適当である。クロレラ、セネデスムス等は湖沼から容易に入手できる。
硝化菌としては、Nitorosomonas sp.Nitrosococcus sp.等亜硝酸生成菌、Nitrobacter sp.Nitrospira sp.等硝酸生成菌の1種または数種の混合菌群、脱窒菌としては、Pseudomonas sp.Micrococcus sp.等有機物を水素供与体とする菌または菌群を用いる。これらは、下水処理場等の活性汚泥から容易に入手できる。
共生する好気性細菌とは、通性好気性細菌をさし、下水処理場等の活性汚泥から容易に入手できる。
微細藻類培養槽bでは、BOD除去とともに硝化菌及び脱窒菌により窒素除去も行える。
平面池1の水深はおよそ15cmが適当である。平面池1の面積は反応槽aの上方の利用できる面積に従って決定する。その面積に応じて微細藻類培養槽bに流入する汚水量を決定する。また、その面積に応じてBOD、N、Pが除去される。
微細藻類培養槽bでの処理に必要な動力は、大部分が平面池1に微細藻類懸濁液を押し出し、その後1日6回程度噴水を起こし攪拌するために使用される。BOD5kg/日の微細藻類処理を低位のBOD負荷0.03kg BOD/日/mで行う場合、平面池1の池面積はBOD5kg/日÷0.03kg BOD/日/m=167mとなり、水深0.15mとして平面池1に押し出される微細藻類懸濁液は、166.7m×0.15m=25mとなり、これを入力0.125kwのブロワーで平面池1の底面から1.9mの位置に導水管42の下端が位置するよう構成された嫌気水槽2内にブロワー5により入力0.125kw、風量9m/hrで空気を圧入し、25m÷9m/hr=2.78hrで導水管42の下端に嫌気水槽2内液面が達し、その後0.25hrでブロワーを止める、その間に噴水が起こる、その後夕刻まで5回程度のそれぞれ0.25hrブロワーを作動させ噴水を起こす。ブロワー5の作動時間は2.78hr+0.25hr×6=4.28hr/日となり、消費電力量は0.125kw×4.28hr/日=0.54Kwh/日となる。非特許文献1に示された脱窒まで行う高度処理を組み込んだ好気嫌気活性汚泥法を行う下水処理場における曝気電力の最小例、1kgのBOD負荷に対して曝気電力0.68kwhによれば、5kgBOD/日を処理するには、5kgBOD/日×0.68kwh/kgBOD=3.4Kwh/日となり、節減量3.4Kwh/日−0.54Kwh/日=2.86Kwh/日となり、微細藻類培養槽bでの処理に必要な電力は非特許文献1に示された脱窒まで行う高度処理を組み込んだ好気嫌気活性汚泥法を行う下水処理場における曝気電力に比べて少なくとも2.86Kwh/日÷3.4Kwh/日×100=84%の節減となる。
既設の処理施設を改造する場合、平面池1が反応槽aまたは沈殿槽の上方に設置されるので、敷地面積をほとんど増加させることなく処理能力を向上させるとともに、反応槽aまたは沈殿槽の壁面を利用して微細藻類培養槽bを、別の敷地に建設するよりも、安価に建設することが可能である。本発明の施設を新設する場合、活性汚泥処理単独の場合よりも敷地面積を縮小できる。また、第1及び第2の実施形態において、嫌気水槽2は反応槽a側壁を利用して反応槽aの外側に設置されているが、反応槽a内に独立して設けてもよい。この場合、微細藻類培養槽の水温が外気温に左右されにくく、処理がより安定する。
発明の効果
以上のように微細藻類と活性汚泥を組み合わせた本発明の効果を下記にまとめる。
(1)敷地面積当たりの処理能力が向上する。
(2)曝気電力を節減できる。
(3)微細藻類が安定して培養できるため浄化処理を安定して行えるとともに、微細藻類 の分離を効率的に行える。
(4)微細藻類培養槽bで硝化脱窒が行われ、窒素除去が向上する。
(5)既設の活性汚泥施設の改良に役立つ。
本発明の有機性廃水の処理法とその装置は、養豚場や下水処理場の活性汚泥法施設等既設の施設の改良に利用できる。新設にも利用できることは言うまでもない。
1は平面池、2は嫌気水槽、3は管、41は導水管、42は導水管、5はブロワ−、6は開閉弁、7は管、8は管、9は開閉弁、10は開閉弁、11は仕切壁、12は原水槽、13はポンプ、14は管、15は管、16は管、17は管、18は開閉弁、19は開閉弁、20は最初沈殿槽、21は管、22はポンプ、23は管、24は汚泥貯留槽、25は管、26はポンプ、27は管、28は固液分離機、29は管、30は管、aは反応槽、矢印は平面池1での流れを示す

Claims (4)

  1. 有機性廃水を反応槽aに流入させ生物学的に浄化処理する方法において、該有機性廃水の一部を微細藻類槽bに流入させ、硝化菌及び脱窒菌共存下、好気明、嫌気暗条件を繰り返し、微細藻類を培養し、この微細藻類懸濁液を反応槽aに流入させるとともに、上記好気明条件下での培養を反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設けた平面池で行うことを特徴とする有機性廃水の処理法。
  2. 有機性廃水を反応槽aに流入させ生物学的に浄化処理する方法において、該有機性廃水を固液分離し、固液分離工程で生じる分離水は反応槽aに流入させ、汚泥は嫌気性処理し、その脱離液を微細藻類槽bに流入させ、硝化菌及び脱窒菌共存下、好気明、嫌気暗条件を繰り返し、微細藻類を培養し、この微細藻類懸濁液を反応槽aに流入させるとともに、上記好気明条件下での培養を反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設けた平面池で行うことを特徴とする有機性廃水の処理法。
  3. 有機性廃水の処理装置であって、
    (1)有機性廃水を流入させ生物学的に浄化処理するための反応槽a、
    (2)好気明条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するため浅い平面池1、及び嫌気暗条件下微細藻類、硝化菌及び脱窒菌を培養するための嫌気水槽2よりなる微細藻類培養槽b
    (3)前記有機性廃水、または固液分離工程で生じる汚泥を嫌気性処理した後の脱離液、を微細藻類槽bへ導く流路、
    (4)微細藻類培養槽bの微細藻類懸濁液を反応槽aへ導く流路
    (5)平面池1と嫌気水槽2との間の液移送機構
    を備えるとともに、平面池1が反応槽a又は沈殿槽の少なくとも一方の上方に設置されていることを特徴とする有機性廃水の処理装置。
  4. 前記嫌気水槽2が平面池1より下方に設置された密閉水槽であり、嫌気水槽2内部と平面池1底部を連絡する管、嫌気水槽2内部に気体を圧入するための通気管及び気体圧入機、嫌気水槽2内部の気体を排気するための排気管によって、平面池1と嫌気水槽2との間の液移送機構を構成したことを特徴とする請求項3記載の有機性廃水の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101996065B1 (ko) * 2019-02-08 2019-10-17 경기도 미세조류와 탈질세균의 공배양을 이용한 질소제거 장치 및 이를 이용한 질소제거 방법
CN113233587A (zh) * 2021-04-13 2021-08-10 山东大学 一种用于污水深度净化的微藻培养池-人工湿地耦合系统和方法
CN116119827A (zh) * 2022-12-12 2023-05-16 北京城市排水集团有限责任公司 一种菌藻协同固碳脱氮系统及处理方法

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