<第1の実施形態>
第1の実施形態の通信システム1について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の通信システム1の構成例を示すブロック図である。通信システム1は、通信装置100と、通信装置200と、基地局500とを含む。
通信装置100と、基地局500とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。通信装置100は、例えば、スマートフォンや携帯電話機等の通信装置である。例えば、通信装置100は、基地局500から送信された信号を受信する。例えば、通信装置100は、基地局500から配信情報に応じた信号または同期信号を受信する。なお、通信装置100は、基地局500と通信可能な範囲であるセル1000内にいるが、基地局600と通信可能な範囲であるセル1100内にはいないので、基地局500と通信できるが、基地局600と通信できない。また、配信情報は、例えば、災害に関する情報等を含む情報である。例えば、災害に関する情報は、地震の震度や津波の到達日時等を示す緊急速報である。また、通信装置100および通信装置200は、例えば、同期信号によって示されている情報に基づき、物理セルID(PCI:Physical Cell Identifier)を取得する。
通信装置300と、基地局500とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。通信装置300は、例えば、スマートフォンや携帯電話機等の通信装置である。例えば、通信装置300は、基地局500から送信された信号を受信する。具体的には、例えば、通信装置300は、基地局500から配信情報に応じた信号または同期信号を受信する。
通信装置300と、基地局600とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。例えば、通信装置300は、基地局600から送信された信号を受信する。具体的には、例えば、通信装置300は、基地局600から配信情報に応じた信号または同期信号を受信する。なお、通信装置300は、セル1000およびセル1100内にいるので、基地局500および基地局600と通信できる。
通信装置100と、通信装置200とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。通信装置200は、例えば、スマートフォンや携帯電話機等の通信装置である。例えば、通信装置100と、通信装置200とは、Bluetooth(登録商標)の仕様に従って互いに接続される。例えば、通信装置100は、通信先になり得る通信装置200がいることをBluetoothの仕様に従って事前に確認するように構成されていてもよい。なお、通信装置200は、セル1000およびセル1100内にいないので、基地局500および基地局600と通信できない。
通信装置200と、通信装置400とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。通信装置400は、例えば、スマートフォンや携帯電話機等の通信装置である。例えば、通信装置200と、通信装置400とは、Bluetoothの仕様に従って互いに接続される。例えば、通信装置200は、通信先になり得る通信装置400があることをBluetoothの仕様に従って事前に確認するように構成されていてもよい。なお、通信装置400は、セル1000およびセル1100内にいないので、基地局500および基地局600と通信できない。
基地局500および基地局600と、MME(Mobility Management Entity)700とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。MME700は、基地局500および基地局600に、CBC(Cell Broadcast Center)800から受信した配信情報に応じた信号を送信する。
MME700と、CBC800とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。CBC800は、MME700に、配信情報に応じた信号を送信する。
CBC800と、CBE(Cell Broadcast Entity)900とは、互いの間で通信するために互いに接続可能である。CBE900は、CBC800に、配信情報の生成要求に応じた信号を送信する。CBC800は、受信した生成要求に基づき、配信情報を生成する。生成要求には、例えば、配信情報を識別する情報であるメッセージID(Identifier)、災害に関する情報、および配信情報の有効期限を示す情報である有効期限情報等が含まれている。また、生成された配信情報には、これらの情報が含まれている。
なお、基地局500および基地局600は、それぞれeNodeB(E(Evolved)−UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network) NodeB)やHeNB(Home eNode B)であってもよい。
図2は、通信装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、通信装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを含む。
通信部110は、基地局500から送信された信号を受信する。具体的には、例えば、通信部110は、基地局500から同期信号を受信する。また、例えば、通信部110は、基地局500から配信情報に応じたデータで変調された搬送波を受信する。
通信部110は、制御部120に受信した配信情報を入力する。具体的には、通信部110は、配信情報に応じたデータで変調された搬送波を復調し、配信情報を取得して、制御部120に取得した配信情報を入力する。
通信部110は、他の通信装置に、制御部120から入力された新たな配信情報を転送する。具体的には、例えば、通信部110は、新たな配信情報に応じたデータで搬送波を変調し、通信装置200に変調後の搬送波を送信する。
通信部110は、他の通信装置から送信された信号を受信するように構成されている。具体的には、例えば、他の通信装置が生成した新たな配信情報に応じたデータで変調された搬送波を受信するように構成されている。また、例えば、通信部110は、新たな配信情報に応じたデータで変調された搬送波を復調し、新たな配信情報を取得して、制御部120に取得した新たな配信情報を入力するように構成されている。
なお、通信部110は、例えば、送信回路、受信回路およびアンテナ等によって実現される。
制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDに基づき、受信済みの配信情報を受信したか否かを判定する。具体的には、例えば、制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDと合致するメッセージIDが記憶部130に記憶されているか否かを判定する。そして、制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDと合致するメッセージIDが記憶部130に記憶されていると判定した場合に、受信済みの配信情報を受信したと判定する。また、制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDと合致するメッセージIDが記憶部130に記憶されていないと判定した場合に、未受信の配信情報を受信したと判定する。
制御部120は、未受信の配信情報を受信したと判定した場合に、受信した配信情報に含まれている有効期限情報に基づき、受信した配信情報の有効期限が到来しているか否かを判定する。有効期限情報は、例えば、日時を示す情報である。具体的には、例えば、制御部120は、通信装置100に備えられている計時手段によって測定された現在の日時と、有効期限情報によって示されている日時とを比較する。そして、制御部120は、当該有効期限情報によって示されている日時が、現在の日時よりも過去の日時である場合に、受信した配信情報の有効期限が到来していると判定する。また、制御部120は、当該有効期限情報によって示されている日時が、現在の日時よりも未来の日時である場合に、受信した配信情報の有効期限が到来していないと判定する。
制御部120は、受信した配信情報の有効期限が到来していないと判定した場合に、通信装置100の報知処理を実行する。例えば、制御部120は、通信装置100に備えられているディスプレイ等から構成されている表示部に、配信情報に基づく情報を表示させるとともに、通信装置100に備えられているスピーカに警告音を出力させるように制御する。また、例えば、制御部120は、通信装置100を振動させたり、通信装置100に備えられているLED(Light Emitting Diode)を点灯させたりするように構成されていてもよい。
制御部120は、報知処理を実行した場合に、記憶部130に、受信した配信情報に含まれているメッセージIDを記憶させる。
制御部120は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされているか否かを判定する。ここで、転送済みフラグは、当該受信した配信情報が、他の通信装置から転送されてきた配信情報であることを示す情報である。
制御部120は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていないと判定した場合に、セル識別子を取得する。セル識別子は、セルを識別するための情報であり、例えば、物理セルIDやセル固有のSC(Scrambling Code)等である。具体的には、例えば、図1に示すように、セル1000内にいる通信装置100の制御部120は、通信部110が基地局500から受信した同期信号によって示されている情報に基づき、セル1000に対応する物理セルIDを取得する。
制御部120は、取得したセル識別子の数が閾値以下であるか否かを判定する。例えば、当該閾値を示す情報は、記憶部130に予め記憶されている。
制御部120は、セル識別子の数が閾値以下であると判定した場合に、受信した配信情報に転送済みフラグをセットした新たな配信情報を生成する。なお、受信した配信情報と、新たな配信情報との差異は、例えば、転送済みフラグがセットされているか否かであって、配信情報を識別する情報であるメッセージID、災害に関する情報、および有効期限情報等は同じである。
制御部120は、通信部110に、生成した新たな配信情報を入力する。
なお、受信済みの配信情報を受信したと判定した場合、受信した配信情報の有効期限が到来していると判定した場合、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていると判定した場合、または、取得したセル識別子の数が閾値より大きいと判定した場合に、制御部120は、新たな配信情報を生成しない。したがって、これらの場合には、通信部110は、他の通信装置(例えば、通信装置200)に当該新たな配信情報を転送せずに処理を終了する。
制御部120は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や複数の回路等によって実現される。
記憶部130には、上述した閾値を示す情報が予め記憶されている。また、記憶部130には、受信した配信情報に含まれているメッセージIDを示す情報が記憶される。なお、記憶部130は、例えば、メモリやハードディスク等の記憶手段によって実現される。
図3は、通信装置200の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、通信装置200は、通信部210と、制御部220と、記憶部230とを含む。通信部210、制御部220、および記憶部230は、図2に示す通信装置100の通信部110、制御部120、および記憶部130とそれぞれ同様な機能を有する。
図4は、通信装置300の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、通信装置300は、通信部310と、制御部320と、記憶部330とを含む。通信部310、制御部320、および記憶部330は、図2に示す通信装置100の通信部110、制御部120、および記憶部130とそれぞれ同様な機能を有する。なお、例えば、図1に示すように、セル1000およびセル1100内にいる通信装置300の制御部320は、通信部310が基地局500および基地局600から受信した同期信号によって示されている情報に基づき、セル1000に対応する物理セルIDおよびセル1100に対応する物理セルIDを取得する。
図5は、通信装置400の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、通信装置400は、通信部410と、制御部420と、記憶部430とを含む。通信部410、制御部420、および記憶部430は、通信装置100の通信部110、制御部120、および記憶部130とそれぞれ同様な機能を有する。
図6は、基地局500の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、基地局500は、通信部510を含む。
通信部510は、MME700から配信情報に応じた信号を受信する。
また、通信部510は、セル1000内の通信装置100および通信装置300に、配信情報に応じた信号を送信する。
なお、通信部510は、送信回路、受信回路およびアンテナ等によって実現される。
図7は、基地局600の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、基地局600は、通信部610を含む。通信部610は、図6に示す基地局500の通信部510と同様な機能を有する。例えば、通信部610は、セル1100内の通信装置300に、配信情報に応じた信号を送信する。
図8は、MME700の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、MME700は、通信部710を含む。
通信部710は、CBC800から配信情報に応じた信号を受信する。
また、通信部710は、基地局500および基地局600に、配信情報に応じた信号を送信する。
なお、通信部710は、送信回路、受信回路およびアンテナ等によって実現される。
図9は、CBC800の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、CBC800は、通信部810と、制御部820とを含む。
通信部810は、CBE900から配信情報の生成要求に応じた信号を受信する。
また、通信部810は、MME700に、配信情報に応じた信号を送信する。当該配信情報は、制御部820によって生成される。
なお、通信部810は、送信回路、受信回路およびアンテナ等によって実現される。
制御部820は、通信部810が受信した配信情報の生成要求に基づき、配信情報を生成する。生成した配信情報には、配信情報を識別する情報であるメッセージID、災害に関する情報、および配信情報の有効期限を示す情報である有効期限情報等が含まれている。
制御部820は、通信部810に生成した配信情報を入力する。
制御部820は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPUや複数の回路等によって実現される。
図10は、CBE900の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、CBE900は、制御部910と、通信部920とを含む。
制御部910は、配信情報の生成要求を生成する。具体的には、例えば、制御部910は、配信情報を識別する情報であるメッセージID、災害に関する情報、および配信情報の有効期限を示す情報である有効期限情報等に基づき、配信情報の生成要求を生成する。
制御部910は、通信部920に生成した配信情報の生成要求を入力する。
なお、制御部910は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPUや複数の回路等によって実現される。
通信部920は、CBC800に、配信情報の生成要求に応じた信号を送信する。
なお、通信部920は、送信回路、受信回路およびアンテナ等によって実現される。
次に、第1の実施形態の通信システム1の動作について説明する。
図11は、通信装置100が実行する配信情報の転送処理を示すフローチャートである。
通信部110は、基地局500から配信情報に応じた信号を受信する(ステップS101)。
制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDに基づき、受信済みの配信情報を受信したか否かを判定する(ステップS102)。本例では、制御部120は、未受信の配信情報を受信したと判定したとする。
制御部120が、未受信の配信情報を受信したと判定した場合に(ステップS102のN)、制御部120は、受信した配信情報に含まれている有効期限情報に基づき、受信した配信情報の有効期限が到来しているか否かを判定する(ステップS103)。本例では、制御部120は、受信した配信情報の有効期限が到来していないと判定したとする。
制御部120が、受信した配信情報の有効期限が到来していないと判定した場合に(ステップS103のN)、制御部120は、通信装置100の報知処理を実行する(ステップS104)。
制御部120は、受信した配信情報に含まれているメッセージIDを記憶部130に記憶させる(ステップS105)。
制御部120は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS106)。本例では、制御部120は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていないと判定したとする。
制御部120が、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていないと判定した場合に(ステップS106のN)、制御部120は、セル識別子を取得し、取得したセル識別子の数が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS107)。本例では、制御部120は、セル1000に対応するセル識別子を取得したとする。また、本例では、閾値の値を「1」とし、制御部120は、取得したセル識別子の数が閾値以下であると判定したとする。
制御部120が、取得したセル識別子の数が閾値以下であると判定した場合に(ステップS107のY)、受信した配信情報に転送済みフラグをセットした新たな配信情報を生成する(ステップS108)。制御部120は、通信部110に生成した新たな配信情報を入力する。
通信部110は、他の通信装置に、制御部120が生成した新たな配信情報を転送する(ステップS109)。具体的には、例えば、通信装置100と通信装置200とがBluetoothの仕様に従って互いの間で通信するために互いに接続可能である場合に、通信部110は、通信装置200に、制御部120が生成した新たな配信情報を転送する。
制御部120が、受信済みの配信情報を受信したと判定した場合(ステップS102のY)、制御部120が、受信した配信情報の有効期限が到来していると判定した場合(ステップS103のY)、制御部120が、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていると判定した場合(ステップS106のY)、または、制御部120が、取得したセル識別子の数が閾値より大きいと判定した場合に(ステップS107のN)、通信装置100は、他の通信装置に配信情報を転送せずに処理を終了する。
なお、通信装置300の制御部320は、例えば、セル1000に対応するセル識別子と、セル1100に対応するセル識別子とを取得する。したがって、制御部320は、取得したセル識別子の数が閾値より大きいと判定し(ステップS107のN)、他の通信装置に配信情報を転送せずに処理を終了する。
図12は、通信装置200が実行する配信情報の受信処理を示すフローチャートである。なお、本例では、例えば、通信装置100と通信装置200とが、Bluetoothの仕様に従って、事前に互いの間で通信するために互いに接続可能であるとする。また、本例では、例えば、通信装置200と通信装置400とが、Bluetoothの仕様に従って、事前に互いの間で通信するために互いに接続可能であるとする。
図12に示すステップS202からステップS205の処理およびステップS207からステップS209の処理は、図11に示すステップS102からステップS105の処理およびステップS107からステップS109の処理と同様なため、説明を省略する。そして、図11に示す処理と異なるステップS201およびステップS206の処理について説明する。
通信部210は、通信装置100から配信情報に応じた信号を受信する(ステップS101)。
制御部220は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS206)。本例では、制御部220は、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていると判定したとする。
制御部220が、受信した配信情報に転送済みフラグがセットされていると判定した場合に(ステップS206のY)、通信装置200は、他の通信装置(例えば、通信装置400)に配信情報を転送せずに処理を終了する。
図13は、基地局500が実行する配信情報の送信処理を示すフローチャートである。
通信部510は、MME700から配信情報に応じた信号を受信する(ステップS301)。
通信部510は、セル1000内の通信装置に、配信情報に応じた信号を送信する(ステップS302)。具体的には、例えば、図1に示す例の場合に、通信部510は、セル1000内の通信装置100および通信装置300に、配信情報に応じた信号を送信する。
本実施形態によれば、通信装置100は、例えば、配信情報に応じた信号を受信した場合に、セル識別子を取得し、セル識別子の数が閾値以下であるか否かを判定する。取得したセル識別子の数が閾値以下であると判定した場合に、通信装置100は、受信した配信情報に転送済みフラグをセットした新たな配信情報を生成し、通信装置200に当該新たな配信情報を転送する。
例えば、一のセルと他のセルとが重複するように複数の基地局が配置されることがあるので、通信装置100が取得したセル識別子の数が1つの場合に、通信装置100は、携帯電話通信サービスの提供範囲の縁部にいることが想定される。したがって、通信装置100は、取得したセル識別子の数に基づいて、携帯電話通信サービスの提供範囲の縁部にいるか否かを判断し、携帯電話通信サービスの提供範囲の縁部にいると判断した場合に、当該携帯電話通信サービスの提供範囲外にいる通信装置200に向けて配信情報を転送する。そして、通信装置100は、携帯電話通信サービスの提供範囲の縁部にいないと判断した場合に、配信情報を転送しない。
したがって、輻輳の発生を良好に抑制して、配信情報に応じた信号を受信できない通信装置に対する配信情報の確実な転送処理を実行することができる。
例えば、セル識別子の数に応じて、通信装置100は配信情報を転送するが、通信装置300は転送しないので、無線通信路における輻輳の発生を良好に抑制することができる。
また、例えば、通信装置200が基地局500から配信情報に応じた信号を直接受信できない場合であっても、携帯電話通信サービスの提供範囲の縁部にいる通信装置100を経由して、通信装置200は配信情報を受信することができる。すなわち、例えば、建物の地下にいる通信装置や電波環境により一時的に携帯電話通信サービスの提供範囲外となってしまった通信装置に対しても配信情報が配信されるので、携帯電話通信サービスの提供範囲が実質的に拡張されることとなる。
また、制御部120は、配信情報に配送済みフラグをセットするので、当該配信情報の配送範囲を制限することができる。例えば、制御部120は、災害の発生に応じて配信された配信情報が、当該災害の発生していない地域にまで配信されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、通信装置100と、通信装置200とは、Bluetoothの仕様に従って互いに接続される例を説明したが、任意の無線通信の仕様に従って互いに接続されるように構成されていてもよい。
例えば、通信装置100、通信装置200、通信装置300および通信装置400は、IMT(International Mobile Telecommunication)−2000の仕様、LTE(Long Term Evolution、登録商標)の仕様、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access、登録商標)の仕様、XGP(eXtended Global Platform)の仕様のうち、少なくともいずれか1つの仕様に従って通信するように構成されていてもよい。
また、通信装置100、通信装置200、通信装置300および通信装置400は、WiFi(Wireless Fidelity、登録商標)、ZigBee(登録商標)等の仕様に従って近距離無線通信を行うように構成されていてもよい。例えば、通信装置100は、通信装置200に、WiFiまたはZigBee等の仕様に従った近距離無線通信を用いて配信情報を転送するように構成されていてもよい。また、例えば、通信装置200は、通信装置400に、WiFiまたはZigBee等の仕様に従った近距離無線通信を用いて配信情報を転送するように構成されていてもよい。
以上のように、通信装置100、通信装置200、通信装置300および通信装置400は、任意の無線通信の仕様に従って互いの間で無線通信するために互いに接続可能であるように構成されていてもよい。例えば、通信装置100は、通信装置200に、任意の無線通信の仕様に従って配信情報を転送するように構成されていてもよい。
また、通信装置100と通信装置200とが、LTEの仕様に従ったD2D(Device to Device)通信を行い、通信装置100が、配信情報の転送先として通信装置200を事前に検出するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通信装置100は、基地局500からD2D通信のための設定情報を受信し、当該設定情報に基づき、通信装置200を検出する。また、通信装置200と通信装置400とが、LTEの仕様に従ったD2D通信を行い、通信装置200が、配信情報の転送先として通信装置400を事前に検出するように構成されていてもよい。
また、通信装置100の制御部120および通信装置200の制御部220は、新たな配信情報を作成する際に、配信情報に、ホップ数を示すホップ数情報を追加する処理を行うように構成されていてもよい。なお、ホップ数情報は、配信情報の転送回数を指定する情報である。
具体的には、例えば、通信装置200から他の通信装置に配信情報を転送させる場合には、制御部120は、受信した配信情報に、転送済みフラグをセットせずに、「1」を示すホップ数情報を追加して、通信装置200に当該配信情報を転送する。そして、通信装置100から配信情報を受信した通信装置200の制御部220は、ホップ数情報によって示されている値が「1」以上であるか否かを判定する。本例では、制御部220は、ホップ数情報によって示されている値が「1」以上であると判定して、通信部210は、通信装置400に配信情報を転送する。なお、制御部220は、ホップ数情報によって示されている値が「0」であると判定した場合、またはホップ数情報が追加されていないと判定した場合には、他の通信装置に配信情報を転送せずに処理を終了する。
このような構成によれば、制御部120および制御部220は、配信情報の転送回数を制御することができる。例えば、配信情報を他の複数の通信装置に転送するようにして、携帯電話通信サービスの提供範囲を実質的にさらに拡張することができる。また、制御部120および制御部220は、配信情報の配信範囲を制御することができる。
また、制御部120および制御部220は、新たな配信情報を作成する際に、配信情報に追加されているホップ数情報によって示されている値の減算処理を行うように構成されていてもよい。なお、CBC800は、配信情報を生成する際に、配信情報にホップ数情報を追加して配信情報を生成するように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、制御部220は、通信装置100から受信した配信情報に「1」を示すホップ数情報が追加されていると判定した場合に、当該ホップ数情報によって示されている値を「1」減算し、通信装置400に配信情報を転送する。そして、通信装置200から配信情報を受信した通信装置400は、ホップ数情報によって示されている値が「0」であると判定して、他の通信装置に配信情報を転送しない。
このような構成によれば、制御部120および制御部220は、配信情報の転送回数を制御することができる。例えば、ホップ数情報により小さな値が設定された場合には、配信情報を転送させる範囲を制限することができ、制御部120および制御部220は、災害の発生に応じて配信された配信情報が当該災害の発生していない地域にまで配信されることを抑制することができる。また、例えば、ホップ数情報により大きな値が設定された場合には、携帯電話通信サービスの提供範囲が実質的に拡張されることとなる。なお、制御部120および制御部220は、必要に応じて、またはユーザの指示等に応じてホップ数情報によって示されている値を加算できるように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、セル識別子の数に基づいて、制御部120および制御部220は配信情報を転送するか否かを判定していたが、制御部120および制御部220は、基地局から送信された信号の受信電力の値に基づいて配信情報を転送するか否かを判定するように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、通信部110は、基地局500から送信された信号の受信電力を測定する。そして、制御部120は、通信部110が測定した受信電力の値が閾値以下であるか否かを判定する。制御部120は、受信した信号の受信電力の値が閾値以下であると判定した場合に、図11のステップS108およびステップS109の処理を行う。また、通信装置200の通信部210は、基地局500から送信された信号の受信電力を測定できないので、制御部220は、受信した信号の受信電力の値が閾値以下であると判定し、図12のステップS208およびステップS209の処理を行うように構成されていてもよい。
また、制御部120および制御部220は、セル識別子の数および受信電力の値に基づいて、配信情報を転送するか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、制御部120および制御部220は、受信した配信情報に含まれている当該配信情報の緊急性を示す識別子に基づき、当該配信情報の緊急性を判断して、配信情報を転送するか否かを判定するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、制御部120は、受信した配信情報に含まれている識別子によって配信情報の緊急性が高いことが示されていると判断した場合に、配信情報を転送すると判定し、図11のステップS108およびステップS109の処理を行う。なお、CBC800は、配信情報を生成する際に、配信情報に緊急性を示す識別子を追加して配信情報を生成するように構成されていてもよい。また、制御部120および制御部220は、セル識別子の数および配信情報の緊急性を示す識別子に基づいて、配信情報を転送するか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、制御部120および制御部220は、無作為に生成した時間を待機した後に、通信部110に生成した新たな配信情報を入力するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、制御部120は、新たな配信情報を生成した後、無作為に生成した時間を待機した後に、通信部110に当該新たな配信情報を入力する。
また、通信部110および通信部210は、無作為に生成した時間を待機した後に、新たな配信情報に応じた信号を送信するように構成されていてもよい。
このように構成することで、複数の通信装置が、他の通信装置に配信情報を転送する場合でも、転送元の通信装置と転送先の通信装置との間の無線通信路における輻輳を良好に抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の通信装置10について、図面を参照して説明する。
図14は、第2の実施形態の通信装置10の構成例を示すブロック図である。図14に示すように、通信装置10は、受信部11と、判定部12と、送信部13とを含む。
通信装置10は、例えば、図1に示す第1の実施形態における通信装置100または通信装置200に相当する。
受信部11は、例えば、図2に示す第1の実施形態における通信部110または図3に示す第1の実施形態における通信部210に相当する。
判定部12は、例えば、図2に示す第1の実施形態における制御部120または図3に示す第1の実施形態における制御部220に相当する。
送信部13は、例えば、図2に示す第1の実施形態における通信部110または図3に示す第1の実施形態における通信部210に相当する。
受信部11は、配信情報を受信する。なお、配信情報は、例えば、第1の実施形態における災害に関する情報である。
判定部12は、通信ネットワークを構成する各基地局との通信状況に基づき、他の通信装置に前記配信情報を送信するか否かを判定する。なお、通信ネットワークを構成する各基地局は、例えば、図1に示す第1の実施形態における基地局500および基地局600に相当する。また、他の通信装置は、例えば、図1に示す第1の実施形態における通信装置200または図1に示す第1の実施形態における通信装置400に相当する。
送信部13は、判定部12の判定結果に基づき、他の通信装置に配信情報を送信する。
本実施形態によれば、通信装置10は、配信情報を受信する。また、通信装置10は、通信ネットワークを構成する各基地局との通信状況に基づき、他の通信装置に前記配信情報を送信するか否かを判定する。また、通信装置10は、判定結果に基づき、他の通信装置に配信情報を送信する。
したがって、通信装置10は、輻輳の発生を良好に抑制して、配信情報を受信できない通信装置に対する配信情報の確実な転送処理を実行することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記したそれぞれの実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態の変形、置換および調整に基づいて実施できる。すなわち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。なお、各図面に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。