JP2018181352A - 禁煙患者のためのプログラム、装置、システム及び方法 - Google Patents

禁煙患者のためのプログラム、装置、システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】禁煙患者のためのプログラム、装置、システム及び方法を提供すること。【解決手段】禁煙患者のために使用されるプログラムであって、コンピュータに、患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報を受信する段階と、喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を受信する段階と、前記生体指標濃度測定値及び所定の生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する行動療法又は認知行動療法のための禁煙治療情報を生成する段階と、前記生成された禁煙治療情報を患者側装置に送信する段階と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は禁煙患者のためのプログラム、装置、システム及び方法に関する。
喫煙を継続的に行っていた者が喫煙習慣を断つことは必ずしも容易ではない。継続的な喫煙が引き起こすニコチン依存状態は身体的依存と心理的依存の二つに分類される。身体的ニコチン依存に対してはバレニクリンやニコチン製剤などの禁煙補助薬による薬物療法が行われ、心理的ニコチン依存に対しては医療従事者による行動療法、認知行動療法及びコーチングが行われるのが一般的である。行動療法とは、実行することで治療効果が得られると考えられる行動(=治療行動)を医療従事者が促し、患者に実践してもらう療法である。行動療法の中でも、喫煙したいという喫煙欲求が生じたときに喫煙に代わる他の行為を行うことで、喫煙行為を回避する療法を代償行動療法という。認知行動療法とは、患者による解釈(認知)と科学的見地からの事実のズレ(認知のズレ)を修正することにより患者の行動を変えていく療法である。コーチングとは、患者に対し、疾患に関する知識を提供し教育したり、励ましたり、褒めたりすることである。
先行文献1においては、禁煙治療患者の自己申告による体調や禁煙治療履歴に基づいて、禁煙治療を行うシステムが提案されている。
国際公開第2016−178276号
バレニクリンの治療成績は、3か月禁煙成功率は65%ほどあるが、その後喫煙を再開する人が多くいて、結局、1年間禁煙成功率だと35%程度しかない。薬物療法によって禁煙を一度は成功するのに、その後多くの人が喫煙を再開してしまうのは、心理的依存が解消されていないからであると考えられる。心理的依存は、精神疾患であり、医療従事者等による日々のきめ細やかな対応が必要であるが、医療従事者は外来受診時しか介入することができない。保険診療の範囲で受けられる外来診療の回数、頻度、期間等が限られている場合も多い。例えば、日本では保険診療の範囲で受けられる外来診療は5回だけであり、その頻度も2週間から1か月に一回程度であり、全体として3か月程度で終了してしまう。また、外来時間も限られているため、禁煙治療患者が医師に相談したいと考えた場合であっても、病院まで行かなければならないため受診するまでに長時間を要する場合が多い。外来時間外であれば、そもそも受診することはできない。このように、医療従事者が禁煙指導にかけられる時間は極めて限られており、ニコチン依存症患者が医療従事者に相談したいときに、相談することができない、という問題、長期間にわたる禁煙治療を受けること困難であるという問題がある。
禁煙治療中であるにもかかわらず、再喫煙してしまった患者に対して適時適切な治療を行うことは、禁煙治療において重要である。外来患者に対して呼気に含まれる一酸化炭素(CO)濃度等を測定して、再喫煙を行ったか否かについて確認したうえで、医師が禁煙治療を行うことは可能である。しかし、一度喫煙を行った場合でも一定期間を経過した後には、呼気に含まれるCO濃度が減少し、喫煙を行ったかどうかの確認が行えない。前述のとおり外来診療の回数、頻度、期間等が限られているから、喫煙から次の外来診療までの期間が長ければ、喫煙を行ったことを検知することができず、適切な治療を行うことができない。次の外来診療までに再喫煙を継続的に行ってしまった後では、禁煙治療を行うことは非常に困難になる。そもそも、次の外来診療に訪れない場合すらある。
先行文献1は、禁煙患者の申告した体調や禁煙治療履歴に基づいて禁煙治療を行うシステムを開示する。しかし、先行文献1におけるシステムは禁煙患者の申告に基づくものであるから、必ずしも正確な情報とは限らない。特に、禁煙治療中であるにもかかわらず、喫煙を行ってしまった場合には、喫煙を行っていないという虚偽の申告をする場合がある。このような場合には、喫煙を行っているにもかかわらず、喫煙を行っていない患者に対する治療が行われるため、必ずしも適切な治療を行えない。
本発明は、喫煙申告と生体指標濃度測定値との整合性を判定し、その結果に基づいて適切な禁煙治療を提供するための禁煙患者のためのプログラム、装置、システム及び方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、以下のような特徴を有している。すなわち、本発明の一実施態様におけるプログラムは、禁煙患者のために使用されるプログラムであって、コンピュータに、患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報を受信する段階と、喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を受信する段階と、前記申告情報前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法のための禁煙治療情報を生成する段階と、前記生成された禁煙治療情報を患者側装置に送信する段階と、を実行させる。
更に、コンピュータに、前記生体指標濃度測定値の測定時間を示すタイムスタンプを受信する段階を実行させ、前記測定時間は前記生体指標濃度測定器または前記生体指標濃度測定値を送信する装置によって決定されたものとしてもよい。
前記喫煙の有無を示す申告情報は喫煙本数及び喫煙時間を含み、前記整合性判定段階は、コンピュータに、前記喫煙本数、前記喫煙時間及び生体指標濃度の減衰関数に基づいて、生体指標濃度基準値として生体指標濃度上限値を決定する段階と、前記生体指標濃度測定値と前記生体指標濃度上限値とを比較する段階と、前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値より大きいときには、前記申告情報と前記生体指標濃度測定値とは不整合であると判定する段階と、を実行させるようにしてもよい。
前記整合性判定段階は、更に、コンピュータに、前記喫煙本数、前記喫煙時間及び生体指標濃度の減衰関数に基づいて、生体指標濃度基準値として生体指標濃度下限値を決定する段階と、前記生体指標濃度測定値と前記生体指標濃度下限値とを比較する段階と、前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値より大きいときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは過少申告の不整合であると判定する段階と、前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値以下で前記生体指標濃度下限値より大きいときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは整合していると判定する段階と、前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度下限値以下のときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは過大申告の不整合であると判定する段階と、を実行させることもできる。
また、本発明の一実施態様におけるプログラムは、禁煙患者のために使用されるプログラムであって、コンピュータに、喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を取得する段階と、患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、禁煙治療情報を決定するために、前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信する段階と、前記禁煙治療情報をサーバから受信する段階と、前記サーバから受信した禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、を実行させる。
前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信する段階に代えて、コンピュータに、禁煙治療情報を決定するために、前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、整合性判定結果をサーバに送信する段階と、を実行させてもよい。
前記生体試料は呼気であり、前記生体指標は一酸化炭素(CO)であり、前記生体指標濃度測定器はCO濃度測定器とすることができる。
前記生体試料は唾液であり、前記生体指標はコチニンであり、前記生体指標濃度測定器はコチニン濃度測定器としてもよい。
さらにまた、本発明の一つの実施形態における禁煙患者のために使用される一組のプログラムは、一以上のコンピュータに、患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する段階と、生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成する段階と、前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、を実行させる。ここで一組のプログラムは、複数のプログラムの組であってもよいし、一つのプログラムのみであってもよい。
本発明の一つの実施形態における制御部及び通信部を備える禁煙患者のために使用されるサーバは、前記制御部が、前記通信部を用いて患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報を受信し、前記通信部を用いて喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を受信し、前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定し、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法のための禁煙治療情報を生成し、前記通信部を用いて前記生成された禁煙治療情報を送信することができる。
また、本発明の一つの実施形態における患者側装置は、制御部、入力受付部、出力部及び通信部を備える禁煙患者のために使用される患者側装置であって、前記制御部が、喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を取得し、前記入力受付部を用いて患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付け、前記通信部を用いて禁煙治療情報を決定するために前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信し、前記通信部を用いて前記サーバから禁煙治療情報を受信し、前記出力部を用いてサーバから受信した禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する。
さらに、本発明の一つの実施形態におけるシステムは、禁煙患者のために使用される一以上のコンピュータを含むシステムであって、前記一以上のコンピュータが、患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付け、前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定し、前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定し、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成し、前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する。
本発明の一つの実施形態における方法は、禁煙患者のために使用される一以上のコンピュータに実行される方法であって、患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する段階と、前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成する段階と、前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、を含む。
本発明によれば、患者の喫煙の有無を示す申告情報と患者の生体指標濃度測定値との整合性を判定することにより、患者の申告が虚偽であるか否かを判定することが可能となり、この判定結果に基づいて、適切な禁煙治療を実行することを可能とする。さらに本発明の一実施態様によれば、喫煙の有無を示す申告情報が喫煙本数及び喫煙時間を含むことにより、喫煙本数及び喫煙時間についても虚偽の申告であるか否かを判定することを可能とし、その判定結果に基づいてよりきめ細やかな禁煙治療を行うことができる。
本発明の構成を採用することにより、必要な時に必要な療法をタイムリーに実行することが可能となる。例えば、再喫煙を行った患者に対して継続的な再喫煙を行う前に、適切な禁煙治療を行うことで効果的な禁煙治療を行うことを可能とする。患者は自己のスマートホンのような電子装置を用いることにより、電子装置を介して常にそして長期間にわたって禁煙治療を受けることができる。このため特に精神的に喫煙に依存している禁煙患者の治療を効果的に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るシステムの構成図である。 本発明の一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成図である。 本発明の一実施形態に係る患者側装置のハードウェア構成図である。 本発明の一実施形態に係る生体指標濃度測定器のハードウェア構成図である。 本発明の一実施形態に係るサーバ装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る患者側装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る生体指標濃度測定器の機能ブロック図である。 本発明の第1〜第3の実施形態に係るフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るCO濃度減衰関数である。 本発明の第2の実施形態に係るCO濃度減衰関数である。 本発明の第2の実施形態に係るコチニン濃度減衰関数である。 本発明の第3の実施形態に係るCO濃度減衰関数である。 本発明の第3の実施形態に係るCO濃度減衰関数である。 本発明の第3の実施形態に係るコチニン濃度減衰関数である。
図1は本発明のシステム構成図の一例を示す。システム100は禁煙患者のために使用されるものであり、サーバ102、患者が使用する電子装置である一以上の患者側装置103、患者が使用する生体指標濃度測定器104を備える。サーバ102及び患者側装置103はネットワーク101によって互いに接続される。患者側装置103と生体指標濃度測定器104とは有線または無線によって接続される。生体指標濃度測定器104は患者側装置103を介さずにネットワーク101に接続されてもよい。
図2はサーバ102のハードウェア構成図の一例を示す。サーバ102は、処理装置201、表示装置202、入力装置203、記憶装置204及び通信装置205を備えるコンピュータである。これらの各構成装置はバス210によって接続されるが、それぞれが必要に応じて個別に接続される形態であってもかまわない。表示装置202は使用者に情報を表示する機能を有する。入力装置203はキーボードやマウス等のように使用者からの入力を受け付ける機能を有するものである。記憶装置204にはサーバ用プログラム206が記憶される。記憶装置204はハードディスク、不揮発性メモリや揮発性メモリ等の情報を格納できるものであればいかなるものであってもよい。通信装置205はイーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信や移動体通信、無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク101へ接続する。
図3は患者が使用する電子装置である患者側装置103のハードウェア構成図の一例を示す。患者とは本発明を用いて禁煙を試みる者をいい、必ずしも医療従事者の指導のもと禁煙治療を行っている必要はない。患者側装置103は、処理装置301、表示装置302、入力装置303、記憶装置304及び通信装置305を備える。これらの各構成装置はバス310によって接続されるが、それぞれが必要に応じて個別に接続される形態であってもかまわない。患者側装置303はデスクトップコンピュータやノートパソコンであってもよいし、携帯型情報端末、携帯電話、スマートホン、タブレット端末であってもよい。表示装置302は使用者に情報を表示する機能を有する。入力装置303はキーボードやマウス等のように使用者からの入力を受け付ける機能を有するものである。患者側装置103がスマートホンやタブレット端末である場合には、表示装置302及び入力装置303を一体としたタッチパネルとすることもできる。記憶装置304には患者側装置のための患者用プログラム306が記憶される。記憶装置304はハードディスク、不揮発性メモリや揮発性メモリ等の情報を格納できるものであればいかなるものであってもよい。通信装置305はイーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信や移動体通信、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク101及び生体指標濃度測定器104へ接続する。
図4は患者が使用する生体指標濃度測定器104のハードウェア構成図の一例を示す。生体指標濃度測定器104は、処理装置401、表示装置402、入力装置403、記憶装置404、通信装置405及びセンサ407を備える。これらの各構成装置はバス410によって接続されるが、それぞれが必要に応じて個別に接続される形態であってもかまわない。表示装置402は使用者に情報を表示する機能を有する。入力装置403はボタン等のように使用者からの入力を受け付ける機能を有するものである。表示装置402及び入力装置403を一体としたタッチパネルとすることもできる。記憶装置404には生体指標濃度測定器104のための測定器用プログラム406が記憶される。記憶装置404はハードディスク、不揮発性メモリや揮発性メモリ等の情報を格納できるものであればいかなるものであってもよい。通信装置405はイーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信や移動体通信、無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信を行い、患者側装置103へ接続する。センサ407は患者の生体試料に含まれる生体指標を検出し、その濃度を測定して測定値を出力する。出力は通信装置405を介して他の装置へ送信することができるし、表示装置402に表示することもできる。
図5〜7は、本発明のサーバ102、患者側装置103及び生体指標濃度測定器104の機能ブロック図の一例を示す。サーバ102は、制御部501、表示部502、入力部503、記憶部504及び通信部505を備え、患者側装置103は制御部601、表示部602、入力部603、記憶部604及び通信部605を備え、生体指標濃度測定器104は制御部701、表示部702、入力部703、記憶部704、通信部705及びセンサ707を備える。各制御部は情報処理等の制御を実行する機能を有するものである。各表示部は情報を使用者が視認できるように表示する機能を有する。各入力部は使用者からの入力を受け付ける機能を有する。各記憶部はデータ等を記憶する機能を有する。通信部は他の装置との情報の送受信を行う機能を有する。センサ707は患者の生体試料に含まれる生体指標を検出し、その濃度を測定して測定値を出力する。本実施形態においては、図2〜4に記載された処理装置等のハードウェアにおいて各プログラムが実行されることにより、これらの機能が実現されるが、各機能を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによっても実現できる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態におけるシステムの動作について説明する。本実施形態においては、患者側装置103としてスマートホンを用い、生体指標濃度測定器104として一酸化炭素濃度測定器(COモニタ)を用いる。以下の実施形態においては、説明のために1つの患者側装置103及び1つのCOモニタ104の動作について説明するが、2以上の患者側装置103及びCOモニタ104を含んでもよい。
本実施形態においては、図8に示すように、患者が自己のスマートホンである患者側装置103及びCOモニタ104を操作することにより、患者の喫煙の有無を示す申告情報が入力されるとともに患者の生体試料である呼気に含まれるCO濃度を測定して、申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定して、その結果に基づいて禁煙治療法が実行される。本実施形態において禁煙治療法は行動療法及び認知行動療法を含むが、コーチング等その他の禁煙治療法を含んでもよい。
患者は、禁煙治療が開始した後、所定の間隔でその間隔における喫煙の有無を申告することが要求される。所定の間隔は例えば、一日一回患者の決めた時間としてもよいし、2時間毎としてもよいし、システムから予め決められた時間及び回数としてもよい。そして、この申告のタイミングにおいて、喫煙を行ったか否について患者側装置103に入力することが要求される。本実施形態において申告する喫煙は前回の申告からの喫煙とするが、所定時間内の喫煙としてもよい。サーバ102がこれまでの申告された喫煙履歴を記憶しておいてもよい。本実施形態においては、禁煙治療が開始して、本発明を実行するためのプログラムが患者側装置103にインストールされると、一日一回の申告のための時間を患者に入力させる。例えば、患者が申告時間を一日一回22時に設定すると、患者側装置103はその設定された時間になるまで待機し(S801)、設定された時間になると、「前回の記録から煙草を吸いましたか?」というメッセージを患者側装置103の表示部602に表示し、「はい」または「いいえ」を入力するように指示する(S802)。
患者は、この指示に従って入力部603を用いて「はい」または「いいえ」の入力を行う。患者側装置103はこれを受け付けると(S803)、次に、「CO濃度測定を行います。COモニタのマウスピースに息を吐いてください。」というメッセージを表示部602に表示する(S804)。患者がこの指示に従って、COモニタのマウスピースに息を吐くと、COモニタは患者の呼気中のCO濃度を測定し(S805)、この測定値を患者側装置103へ無線通信によって送信する(S806)。患者側装置103はこれを受信すると(S807)、患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報とともにサーバ102へ送信する(S808)。
サーバ102はこれを受信すると(S809)、申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定する(S810)。本実施形態において整合性判定はCO濃度測定値と予め決められたCO濃度基準値とを比較することにより行う。一般的に喫煙を行った患者の呼気に含まれるCO濃度は8.0ppm以上であると考えられている。そこで、ここでは生体指標濃度基準値としてのCO濃度基準値として8.0ppmを使用する。CO濃度測定値が8.0ppm以上である場合には、患者は喫煙を行ったものと判定し、8.0ppmより小さければ喫煙を行っていないものと判定する。例えば、患者は喫煙を行っていないと申告したにも関わらず、CO濃度測定値が9.0ppmであった場合には、申告情報とCO濃度測定値とが整合していないと判定する。一方、患者は喫煙を行っていないと申告し、CO濃度測定値が5.0ppmであった場合には、申告情報と濃度情報とが整合していると判定する。サーバ102は以前の申告情報も含めて整合性を判定してもよい。例えば、以前の申告情報が48時間以内の喫煙を示している場合には、申告情報は喫煙ありを示すものとしてもよい。
サーバ102は、この整合性判定の結果に基づいて、禁煙治療のための指導情報を生成する(S811)。サーバ102は記憶部に申告情報及び整合性判定の結果を禁煙治療のための指導情報と紐づけた禁煙治療法のリストとして記憶しておく。本実施形態において使用する禁煙治療法のリストを表1に示した。
Figure 2018181352
本実施形態における禁煙治療法リストは、各治療法のID、喫煙申告、整合性及び指導情報を含む。「申告情報」については、喫煙を行わなかったと申告した場合に実行される治療法には「0」、喫煙を行ったと申告された場合に実行される治療法には「1」が割り当てられる。「整合性」については、申告情報とCO濃度測定値とが整合している場合に実行される治療法には「1」、整合していない場合に実行される治療法には「0」が割り当てられる。
サーバ102は整合性判定の結果に基づいて、表1に示した禁煙治療法のリストから整合性判定の結果に基づいて適切な指導情報を選択する。例えば、申告情報が喫煙していないことを示しており、CO濃度測定値が5.0ppmであった場合、CO濃度測定値<CO濃度基準値(8.0)であるため、申告情報及びCO濃度測定値はいずれも喫煙していないことを示し、整合している。この場合、例えば、喫煙申告=0(喫煙無し)、整合性=1(整合)に該当するID=1が選択され、指導情報として「すばらしい!今日も禁煙できましたね!これまで行われていたガムを噛むという代償行動法を、引き続き継続することで、禁煙を引き続き進めましょう」というメッセージを提示するための禁煙治療情報が生成される。
非喫煙の申告情報とCO濃度測定値が整合している場合には、禁煙状態を維持できており、現在行っている治療法、ここではガムを噛むという代償行動療法(行動療法の一種)が効果をあげていることが確認されたため、現在行っている行動療法の継続を指示する。例えば、サーバ102が患者に実行を提案した禁煙治療法を治療履歴として記憶しておくことにより、現在患者が実行している禁煙治療法を特定することができる。
一方、申告情報が喫煙していないことを示しているにも関わらず、CO濃度測定値が10.0ppmであった場合、CO濃度測定値>CO濃度基準値(8.0)であるため、非喫煙を示す申告情報と喫煙を示すCO濃度測定値は整合していない。この場合、喫煙申告=0(喫煙無し)、整合性=0(不整合)に該当するID=2が選択され、「ずっと禁煙できたのに、再喫煙してしまって、残念と落ち込んでしまった経験はありませんか。ただ、よくよく考えてみてください。そもそも、禁煙していたこと自体がいいことなので、吸ってしまっても、元の状態に戻るだけで、何も失っていないことに気づきませんか。」という指導情報を提示するための禁煙治療情報を生成する。
禁煙患者は、禁煙治療中であるにもかかわらず喫煙をしてしまったときに、喫煙をしていないと嘘をついてしまう場合がよくあることが知られている。このような患者は、喫煙してはいけなかったにもかかわらず、再喫煙してしまったことをネガティブなものと捉える、という間違った認知を行っているため、嘘をついしまう。この状態を放置すると、自分はもう禁煙治療を継続できない、禁煙治療は自分には不可能であると考えて、禁煙治療をあきらめてしまう場合が多い。
本発明においては、患者の喫煙の有無についての虚偽の申告を検出することによって患者がこのような誤った認知を有していることを検知する。そして、その誤った認知を矯正するような指導情報を提示することで、再喫煙した状態から再度禁煙へ挑戦するハードルを下げることができる。禁煙治療をあきらめて喫煙を継続的に行ってしまった後では、認知を修正して再度禁煙治療に挑戦することは極めて困難となる。本発明においては、再喫煙を行ったこと、誤った認知を行っていることを適切なタイミングで検出し、認知の修正を行うことで、継続的な再喫煙を防止し、禁煙治療を継続することを効果的に支援することができる(認知行動療法)。
また、申告情報が喫煙を示し、CO濃度測定値もまた8.0ppm以上の値で喫煙を行ったことを示している場合には、喫煙を示す申告情報と喫煙を示すCO濃度測定値は整合している。この場合、例えば、申告情報=1(喫煙あり)、整合性=1(整合)に該当するID=3が選択され、「今日で禁煙4日目。まだまだ離脱症状が強く出る時期で、自分がこれまでやっている行動療法がしっかり効果をあげているかもう一度考えてみませんか。代償行動法(行動療法の1種)でガムを噛むことをやっていましたが、もしそれがしっくりこない場合は、無糖の炭酸水を飲むという代償行動法に切り替えてみてもいいかもしれません。」と、効果があまり出ていない可能性のある行動療法の変更を提案する指導情報を患者に提示する。
申告情報が喫煙を示したものの、CO濃度測定値が基準値以上でなかった場合には、申告情報=1(喫煙あり)、整合性=0(不整合)に該当するID=4が選択され、「再喫煙しましたが、まだニコチン受容体の発現はそこまで強くないと考えられるので、今なら、タバコと灰皿を捨てること(環境改善法:行動療法の一つ)を実践することで、次の一本を抑えられますよ。」という指導情報が提示される。
この場合、喫煙を行ったものの考えているほどの悪影響は起きていないことを理解させ、もうこれ以上禁煙治療を行うことに意味がないとの誤った認知を行わないような指導情報を示す。さらに、喫煙したという申告情報が現在行っている禁煙治療だけでは十分な効果が得られていないことを示しているから、例えば、タバコと灰皿を捨てるという、喫煙を行ってしまった場合に効果的な行動療法を実行することで、さらなる喫煙を行わないように促す。
サーバ102は例えば、禁煙開始日を治療履歴として記憶することにより、禁煙のステージに応じたより適切な指導情報を生成することができる。また、サーバ102は、実行した禁煙治療法のIDを禁煙治療履歴として記憶しておくことで、現在効果をあげていない治療法を特定するとともに、未だ実行したことのない禁煙治療法IDを選択することができる。
サーバ102が生成した禁煙治療情報を患者側装置103へ送信すると(S812)、患者側装置103はこれを受信して(S813)、禁煙治療情報に基づいて指導情報を表示部602に表示する(S814)。また、スピーカのような音声出力部によって音声によって患者に提示してもよい。
COモニタ104がCO濃度を測定すると測定時間を示すタイムスタンプを生成し、CO濃度測定値とともに患者側装置103へ送信し、患者側装置103がこれをサーバ102へ送信し、設定された測定時間等の適切な時間に測定されたものであるかを確認するようにしてもよい。患者は喫煙したにもかかわらず喫煙していないようにみせかけるようにCO濃度の測定時間を改竄しようとすることが考えられる。このような場合に測定時間を示す情報がなかったり、測定時間を示す情報を患者の手入力等の自己申告とすると、正しい整合性判定が行えない。COモニタがCO濃度測定を行ったタイミングで自動的にタイムスタンプを生成して、患者側装置103を介してサーバ102へ送信すれば、サーバ102において、正確な測定時間に基づいて整合性判定を行うことができる。
タイムスタンプは、COモニタが患者側装置103へCO濃度測定値を送信する時間のタイムスタンプとしてもよいし、患者側装置103がCO濃度測定値を受信した時間やサーバ102へ送信する時間に基づいて患者側装置103が生成してもよいし、サーバ102がCO濃度測定値を受信したタイミングで生成してもよい。患者側装置103がCOセンサと一体の構成の場合には患者側装置103がCO濃度測定を行ったタイミングでタイムスタンプを生成することもできる。
本実施形態においては、患者の呼気に含まれるCO濃度を喫煙状態を示す生体指標として用いたが、患者の唾液に含まれるコチニン濃度でも同様に本発明を実行可能である。コチニン濃度を用いる場合にはCOモニタに代えて、コチニン濃度測定器を用い、例えば測定されたコチニン濃度が1.4ng/ml以上の場合に喫煙を行ったと判定することができる。
本実施形態を用いることにより、患者の喫煙の有無を示す申告情報及びCO濃度測定値に基づいて、患者の喫煙の有無を確認するとともに、患者が虚偽の申告を行っているか否かを判定し、患者の状態に合わせた適切な治療方法を適切なタイミングで選択して実行することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、患者による喫煙の有無を示す申告情報が、単なる喫煙の有無ではなく喫煙の本数及び喫煙時間を含み、整合性判定も喫煙の本数及び喫煙時間を含む申告情報と生体指標濃度測定値との間で整合するか否かを判定する点で、第1の実施形態と異なる。喫煙本数が0本であれば喫煙無しを示す申告情報とし、喫煙本数が1本以上であることを示す情報が含まれれば喫煙ありの申告情報と理解することができる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、患者側装置103としてスマートホンを用い、生体指標濃度測定器104としてCOモニタを用いて、図8に示す処理を実行する。後述するとおり具体的な処理は第1の実施形態と異なる。患者が設定した時間になると、患者側装置103は、喫煙有無申告情報の入力を要求するため、「前回から煙草を吸いましたか?」というメッセージを表示部602に表示し、「はい」または「いいえ」の入力を指示する(S802)。患者から「はい」という入力があった場合には、さらに、「何時に何本喫煙しましたか?喫煙した本数と時間を入力してください。」というメッセージを提示し、喫煙本数及び時間を入力させる。入力方法としては喫煙時間毎に喫煙本数を入力させる形態(例えば、5時間前:2本、3時間前:一本)が考えられるが、喫煙本数及び時間が特定できればいかなる形態であってもかまわない。患者側装置103が申告情報を受け付けると、患者にCO濃度測定を促し、呼気中のCO濃度を測定し、測定されたCO濃度値がサーバ102へ送信される(S804〜S808)。
サーバ102は申告情報とCO濃度測定値を受信すると(S809)、申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定する(S810)。本実施形態において整合性判定はCO濃度測定値と生体指標濃度基準値としてのCO濃度上限値とを比較することにより行う。CO濃度上限値は、申告情報が示す喫煙本数、喫煙時間及びCO濃度減衰関数に基づいて決定する。本実施形態においては、喫煙した患者の呼気に含まれるCO濃度の時間による減衰関数を以下のように定義する。
Figure 2018181352
Figure 2018181352
式(1)は喫煙した直後の呼気中に含まれると推定されるCO濃度の初期値を示す。Kは一本喫煙した直後に呼気中に含まれるCO濃度値である。本実施形態においてはK=18ppmとするが、喫煙した煙草の種類等の様々なファクタに基づいて設定することができる。喫煙本数Nはそのタイミングで喫煙した本数を示す。
その後の患者の呼気中に含まれると推定されるCO濃度は式(2)に示す減衰関数で減衰する。Pは喫煙者と考えられる者の呼気に含まれるCO濃度の最小値である。喫煙を行った患者の呼気に含まれるCO濃度は8.0ppm以上であると考えられるから、本実施形態においてはP=8.0ppmとする。tは喫煙時間からの経過時間を表す。HはCO濃度の半減期である。一般的に喫煙を行った後の呼気に含まれるCO濃度の半減期は3時間〜6時間であると考えられているから、本実施形態においてはCO濃度上限値を決定する関数のための半減期Hを6時間とする。
このときの式(1)及び(2)に基づいて得られるCO濃度値の減衰曲線を図9に示す。t=0のときにCO濃度値=18ppmであり、そこから時間が経過するとともに減衰していく様子が分かる。図9においては式(1)及び(2)に基づいて一時間おきのCO濃度値を算出してプロットし、その間を線形補完したが、その他の方法で補完してもよいし、近似曲線をCO濃度値の減衰曲線としてもよい。また、患者の呼気中に含まれるCO濃度値の経時的な減衰を示す関数であればどのようなものであってもよい。
さらに、時間間隔を空けて喫煙を行った場合には、喫煙を行ったタイミングの最初の喫煙からの経過時間TにおけるCO濃度値を以下に示す式(3)に基づいて推定し、その後のCO濃度値の減衰関数は式(2)を用いて演算することができる。NTは経過時間Tにおける喫煙本数を示す。
Figure 2018181352
例えば、半減期H=6時間、最初の喫煙(0時間)から12時間後及び18時間後にそれぞれ一本喫煙した場合のCO濃度値の減衰曲線を図10に示す。t=12及び18時間のときに18ppmがそれぞれ加算されている様子が分かる。また、以下の式(4)に示すように、喫煙タイミング毎に式(2)に基づいてCO濃度値iを計算し、それらの和をCO濃度値の減衰関数とすることもできる。ここでiは喫煙タイミングのカウンタであり、最初の喫煙タイミングが1、次の喫煙タイミングは2となる。ここでZは喫煙タイミング数である。Tiは喫煙タイミングiの最初の喫煙タイミングからの経過時間である。例えば、0時間、12時間及び18時間のタイミングで喫煙した場合Z=3、T1=0、T2=12、T3=18とし、最初の喫煙によるCO濃度値1と、12時間及び18時間の喫煙によるCO濃度2及びCO濃度3をそれぞれ(1)及び(2)に基づいて演算し、その結果を加算する。
Figure 2018181352
本実施形態においては、半減期H=6時間としてCO濃度減衰関数に基づいて決定されたCO濃度値をCO濃度上限値とする。CO濃度上限値は、申告された喫煙本数を喫煙時間に喫煙したと判定されるCO濃度の上限値である。CO濃度上限値を超えるCO濃度が測定された場合には、その患者は所定本数以上の喫煙を行ったと考えられる。式(1)及び(2)に示したCO濃度減衰関数によって計算される値は離散的であるが、図9に示すように線形補完等の補間を用いることによって連続的な減衰関数とし、これに基づいてCO濃度上限値を決定することができるし、近似曲線を減衰関数としてもよい。
CO濃度減衰関数に代入される喫煙本数及び喫煙時間は患者の申告情報に基づいて決定される。すなわち、本実施形態においては、CO濃度減衰関数と患者の申告した喫煙本数及び喫煙時間に基づいて、CO濃度上限値を決定する。そして、決定されたCO濃度上限値とCO濃度測定値とを比較することにより申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定する。CO濃度上限値の決定に際しては、最後の申告情報のみに基づいて決定してもよいし、COが検出可能な時間等の所定の時間内に申告された申告情報すべてまたは一部に基づいて決定してもよい。本実施形態においては最後の申告情報のみに基づいて決定する場合を例にとって説明する。
例えば、患者の申告情報が6時間前に一本喫煙したことを示している場合、CO濃度減衰関数に基づけば、CO濃度上限値は13.0ppmである。そして、CO濃度測定値が12.0ppmを示しているとする。この場合、CO濃度測定値12.0ppmとCO濃度上限値13.0ppmとを比較すると、CO濃度測定値がCO濃度上限値以下であることが決定される。CO濃度測定値がCO濃度上限値以下である場合には、申告情報とCO濃度測定値とが整合すると判定する。そして、この判定結果に基づいて、この患者に対する禁煙治療のための指導情報を生成し(S811)、患者側装置103へ送信し、患者側装置において患者に提示する(S812〜S814)。サーバ102は記憶部に申告情報及び整合性判定の結果と禁煙治療のための指導情報とを紐づけた禁煙治療法のリストとして記憶しておく。本実施形態において使用する禁煙治療法のリストを表2に示した。
Figure 2018181352
表2における「申告情報」に示される数字は申告された喫煙の本数に対応する禁煙治療であることを示す。すなわち、「申告情報」が「0」の場合には喫煙をしなかったとの申告、「1」の場合には一本喫煙したという申告、「2」の場合には2本喫煙したことを示す申告、「>=0」は0本以上喫煙したという申告(すなわち全ての申告を含む)、「>=1」は一本以上喫煙したという申告に対して実行される禁煙治療法を意味する。例えば、一本喫煙したという申告がなされた場合には、「申告情報」が「1」及び「>=1」が割り当てられている禁煙治療法から適宜選択することができる。「整合性」は表1と同様である。
例えば、申告情報は6時間前の一本の喫煙を示し、CO濃度測定値がCO濃度上限値以下であった場合、実際に申告どおりの喫煙を行っていたと考えられる。このような場合には、表2に示した禁煙治療法リストにおける申告情報=1または「>=1」(一本以上喫煙あり)、整合性=1(整合)を有する禁煙治療法を選択する。ここではID=4を選択し、「一本だけ吸ってしまったのですね。再喫煙しましたが、まだニコチン受容体の発現はそこまで強くないと考えられるので、今なら、タバコと灰皿を捨てること(環境改善法:行動療法の一つ)を実践することで、次の一本を抑えられますよ。」という指導情報を患者に提示するための禁煙治療情報を生成する(S811)。
すなわち、申告情報及びCO濃度測定値から喫煙を行ったものの、まだ一本だけにとどまっていることを確認する。この場合、喫煙を行ったもののまだ取り返すことができるレベルであることを理解させ、もうこれ以上禁煙治療を行うことに意味がないとの誤った認知を行わないような指導情報を示す。さらに、喫煙したという申告情報が現在行っている禁煙治療だけでは十分な効果が得られていないことを示しているから、例えば、タバコと灰皿を捨てるという、喫煙を行ってしまった場合に効果的な行動療法を実行することで、さらなる喫煙を行わないように促す。このように喫煙本数に基づいたより適切な禁煙治療を行うことができる。
また、CO濃度測定値がCO濃度上限値以下であった場合には、喫煙本数を過少申告したことを示すから、禁煙治療中の喫煙をネガティブなものと捉えたことにより過少申告したとも考えられる。したがって、申告情報=「>=0」及び整合性=0を有するID=2を実行して「ずっと禁煙できたのに、再喫煙してしまって、残念と落ち込んでしまった経験はありませんか。ただ、よくよく考えてみてください。そもそも、禁煙していたこと自体がいいことなので、吸ってしまっても、元の状態に戻るだけで、何も失っていないことに気づきませんか。」という指導情報を提示し、誤ったネガティブな認知を正すことができる。本実施形態においては、申告情報に含まれる喫煙本数及び喫煙時間に基づいてCO濃度基準値を決定するから、喫煙本数についての嘘の申告を検知することも可能となり、喫煙したことを申告した場合であっても喫煙についてのネガティブな認知を検知することを可能とする。
さらに、本実施形態においては、患者の呼気に含まれるCO濃度を喫煙状態を示す生体指標として用いたが、患者の唾液に含まれるコチニン濃度でも同様に本発明を実行可能である。コチニン濃度を用いる場合には、測定されたコチニン濃度とコチニン濃度減衰関数に基づいて、整合性判定を行うことができる。コチニン濃度の半減期は15時間〜30時間と考えられている。これに基づいてコチニン濃度上限値を決定するためのコチニン濃度減衰関数は例えば以下のように定義することができるが、患者の唾液中に含まれるコチニン濃度値の経時的な減衰を示す関数であればどのようなものであってもよい。
Figure 2018181352
Figure 2018181352
さらに、時間をおいて喫煙を行った場合には、最初の喫煙からの経過時間Tのコチニン濃度値を式(7)のように計算し、その後のコチニン濃度値の減衰関数は式(6)を用いて演算することができる。そして、申告情報が示す喫煙本数、喫煙時間及びコチニン濃度の減衰関数によって算出されたコチニン濃度値をコチニン濃度上限値とする。Lは一本喫煙した直後に唾液中に含まれるコチニン濃度値である。Qは喫煙者と考えられる者の唾液に含まれるコチニン濃度の最小値である。Cはコチニン濃度の半減期である。
Figure 2018181352
例えば、コチニン濃度値の初期値L=40ng/ml、Q=0、半減期C=30時間、最初に一本喫煙し、その後15時間後及び48時間後にそれぞれ一本喫煙した場合のコチニン濃度値の減衰関数を図11に示す。ここでは計算の単純化のためQ=0で近似した。また、CO濃度と同様に、喫煙タイミング毎に式(6)に基づいて減衰関数を計算し、これらの和をコチニン濃度値の減衰関数とすることもできる。CO濃度に比べてコチニン濃度の方が半減期が長いため、より長期間にわたった整合性判定を行うことができる。
[第3の実施形態]
第2の実施形態においては、CO濃度上限値のみに基づいて判定を行ったが、本実施形態においては、生体指標濃度基準値としてのCO濃度下限値による判定も行う。CO濃度下限値は、申告情報が示す喫煙本数を喫煙時間に行ったと判定されるCO濃度の下限値である。以下、第1及び第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態においては、第1及び第2の実施形態と同様に、患者側装置103としてスマートホンを用い、生体指標濃度測定器104としてCOモニタを用いて、図8に示す処理を実行する。後述するとおり具体的な処理は第1及び第2の実施形態と異なる。患者側装置103は、患者が設定した時間になると、喫煙有無申告情報の入力を要求し、喫煙した場合には喫煙本数及び喫煙時間を入力させ、申告情報を受け付けると、患者にCO濃度測定を促し、呼気中のCO濃度を測定し、測定されたCO濃度値がサーバ102へ送信される(S801〜S808)。
サーバ102は申告情報及びCO濃度測定値を受信すると(S809)、申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定する(S810)。本実施形態において整合性判定はCO濃度測定値をCO濃度上限値及びCO濃度下限値と比較することにより行う。CO濃度上限値及びCO濃度下限値は、申告情報が示す喫煙本数、喫煙時間及びCO濃度減衰関数に基づいて決定することができる。前述のとおり、一般的に喫煙を行った後の呼気に含まれるCO濃度の半減期は3時間〜6時間であると考えられている。そして、喫煙を行った患者の呼気に含まれるCO濃度は8.0ppm以上であると考えられる。
このような前提のもと、本実施形態においては、前述の式(1)及び(2)に基づいて、CO濃度上限値に加えてCO濃度下限値を決定する。CO濃度上限値を決定するために半減期H=6としたときのCO濃度減衰関数を用い、CO濃度下限値を決定するために半減期H=3としたときのCO濃度減衰関数を用いる。これらのCO濃度減衰関数によって決定されるCO濃度減衰曲線を図12に示した。ここではCO濃度上限値及び下限値のための初期値Kは第2の実施形態と同様に18ppmとするが、CO濃度上限値のためのCO濃度減衰関数とCO濃度下限値のためのCO濃度減衰関数で異なる値とすることもできる。申告された喫煙本数、喫煙時間、CO濃度上限値のためのCO濃度減衰関数(H=6)及びCO濃度下限値のためのCO濃度減衰関数(H=3)を用いて、CO濃度上限値及び下限値を決定する。図12において2つのCO濃度減衰曲線の間にCO濃度測定値がある場合には、申告情報とCO濃度測定値とが整合していることを意味する。
さらに、時間をおいて喫煙を行った場合には、CO濃度上限値と同様にCO濃度下限値についても、最初の喫煙からの経過時間TのCO濃度値を半減期H=3とした式(3)に基づいて推定し、その後のCO濃度値の減衰関数も半減期H=3とした式(2)を用いて演算することができる。
例えば、最初の喫煙(0時間)から12時間後及び18時間後にそれぞれ一本喫煙した場合のCO濃度上限値及び下限値のためのCO濃度値の減衰曲線を図13に示す。t=12及び18時間のときに18ppmがそれぞれ加算されている様子が分かる。
本実施形態においては、CO濃度の減衰関数と患者の申告した喫煙本数及び喫煙時間に基づいて、申告情報とCO濃度測定値との整合性を判定する。申告情報が示す喫煙本数、喫煙時間及びCO濃度の減衰関数に基づいて決定されるCO濃度上限値及びCO濃度下限値の間にCO濃度測定値がある場合には、申告情報とCO濃度測定値とが整合すると判定し、CO濃度測定値がCO濃度上限値を上回れば過少申告と判定し、CO濃度下限値以下であれば過大申告と判定する。
例えば、患者の申告情報が6時間前に5本喫煙したことを示している場合、CO濃度減衰関数に基づけばCO濃度上限値は49.0ppmであり、CO濃度下限値は28.5ppmである。CO濃度測定値が35.0ppmである場合に、これをCO濃度上限値49.0ppm及びCO濃度下限値28.5ppmと比較すると、CO濃度測定値がCO濃度上限値以下であるとともに、CO濃度下限値より大きいことが決定される。すなわち、申告情報とCO濃度測定値とが整合していることを意味し、申告どおり6時間前に5本喫煙したと判定される。そして、この判定結果に基づいて、この患者に対する禁煙治療のための指導情報を生成する(S811)。本実施形態において使用する禁煙治療法のリストを表3に示した。
Figure 2018181352
表3における「申告情報」に示される数字は申告された喫煙の本数に対応する禁煙治療であることを示す。すなわち、「申告情報」が「0」の場合には喫煙をしなかったとの申告、「1」の場合には一本喫煙したという申告、「>=0」の場合には0本以上の喫煙を示す申告(すなわち全ての申告を含む)、「>4」は4本より多い本数を喫煙したという申告に対して実行される禁煙治療法を意味する。本実施形態においては、「整合性」が「1」の場合には整合することを意味し、「0」は申告した喫煙本数が過大申告であり不整合であることを意味し、「2」は申告した喫煙本数が過少申告であり不整合であることを意味する。
例えば、申告情報は6時間前の5本の喫煙を示し、CO濃度測定値がCO濃度上限値とCO濃度下限値の間の値であった場合、実際に申告どおり5本の喫煙を行っていたと考えられる。そこで、ここでは表3に示した禁煙治療法リストの中から申告情報=「4>」(4本より多い本数の喫煙)、整合性=1(整合)を有するID=3の禁煙治療法を選択する。ID=3の指導情報に含まれる「x」は申告情報が示す喫煙本数を代入するための変数である。したがって、本実施形態においては、サーバ102はx=5として「5本タバコを吸ってしまったということは、もうすでに脳内のニコチン受容体の数がかなり発現して、ニコチン依存がしっかり再燃していると考えられるので、禁煙補助薬の内服を再開して、その服薬状況を記録に残す(セルフモニタリング:行動療法の一つ)ことを再開しましょう。」という指導情報を患者に提示するための禁煙治療情報を生成する(S811)。本実施形態においては、単に喫煙の有無や喫煙本数の過小判定だけでなく、喫煙の本数の申告が正しいか否かの判定まで行うことで、喫煙本数に応じた禁煙治療を実行することを可能にする。この例においては、5本というかなりの量の煙草を吸ってしまったため、一本程度の少量の喫煙の場合と異なり、禁煙補助薬の内服を再開するというさらに進んだ治療法の提案を行っている。
また、申告情報が6時間前の一本の喫煙を示し、CO濃度測定値がCO濃度上限値以下であり、CO濃度下限値より大きい場合には、実際に一本の喫煙を行ったと判定する。このような場合には、表3に示した禁煙治療法リストにおける申告情報=1(一本の喫煙)、整合性=1(整合)を有する禁煙治療法を選択する。ここではID=4を選択し、「一本だけ吸ってしまったのですね。ここがとても重要な場面です。多くの方が一本だけなら大丈夫と思っているけどそれは大きな間違いで、一本だけでも脳がニコチンに依存していた時の状態に戻ってしまうことを認識しましょう。気持ちをリセットして、再度禁煙開始日の設定(禁煙宣言:行動療法の一つ)をしましょう!」という指導情報を患者に提示するための禁煙治療情報を生成する(S811)。
一本だけなら吸っても大丈夫という誤った認知を行ってとりあえず一本だけ喫煙してしまう喫煙患者は多い。しかし実際には、一本だけ吸った場合でも脳がニコチンに依存していた時の状態に戻ってしまい、その後、継続的な喫煙状態に戻ってしてしまう場合がある。本実施形態においては、一本喫煙したことを示す申告情報と整合という判定結果から、一本だけ喫煙しそのことを正直に申告したということは一本だけなら吸ってもよいだろうと認知している状態にあることを検知する。この場合には前述のとおりの指導情報を提示して、一本だけなら吸っても大丈夫という誤った認知を正すことにより、次の一本の再喫煙を未然に防止する(認知行動療法)とともに、再度禁煙に取り組ませる。
また、申告情報が6時間前の一本の喫煙を示し、CO濃度測定値がCO濃度上限値より大きい場合には、実際には一本以上の喫煙を行ったにもかかわらず一本の喫煙のみを申告した過少申告であると判定する。このような場合には、表3に示した禁煙治療法リストにおける申告情報=1(一本の喫煙)、整合性=2(過少申告不整合)を有する禁煙治療法を選択する。ここではID=5を選択し、「代償行動法(行動療法の1種)でガムを噛むことに加えて、家族・友人など禁煙をサポートしてくれる人たちに助けを求めましょう(ソーシャルサポート;行動療法の一つ)」という指導情報を患者に提示するための禁煙治療情報を生成する(S811)。この場合、喫煙したことを示す申告情報と過少申告不整合という判定結果から、現在行っているだけでは行動療法が十分な効果をあげられていないと考えられる。このため、既に行っているガムを噛むという行動療法に加えて、家族・友人など禁煙をサポートしてくれる人たちに助けを求めるという新たな行動療法を追加することを提案している。
また、喫煙本数を過少申告した場合には、禁煙治療中の喫煙をネガティブなものと捉えたことにより過少申告したとも考えられる。したがって、申告情報=「>=0」及び整合性=2(過少申告)を有するID=2を実行して「ずっと禁煙できたのに、再喫煙してしまって、残念と落ち込んでしまった経験はありませんか。ただ、よくよく考えてみてください。そもそも、禁煙していたこと自体がいいことなので、吸ってしまっても、元の状態に戻るだけで、何も失っていないことに気づきませんか。」という指導情報を提示し、誤ったネガティブな認知を正してもよい。
さらに、申告情報が6時間前の2本の喫煙を示し、CO濃度測定値がCO濃度下限値以下である場合には、実際には2本より少ない喫煙を行った場合のCO濃度しか測定されず過大申告であると判定する。このような場合には、表3に示した禁煙治療法リストにおける申告情報=1(一本の喫煙)、整合性=0(過大申告不整合)を有する禁煙治療法を選択する。ここではID=6を選択し、「再喫煙しましたが、まだニコチン受容体の発現はそこまで強くないと考えられるので、再度タバコと灰皿を捨てること(環境改善法:行動療法の一つ)を実践することで、次の一本を抑えられますよ。」という指導情報を患者に提示するための禁煙治療情報を生成する(S811)。喫煙をしたもののその影響は患者が考えているより軽度であること認識させて患者を励ますとともに、喫煙したことを示す申告情報から、煙草と灰皿を所有していることを示しているから、再度タバコと灰皿を捨てるという行動療法を実行することにより再喫煙を防止する。
さらに、第2の実施形態と同様に、CO濃度に代えて患者の生体試料としての唾液に含まれるコチニン濃度を生体指標濃度として同様に本発明を実行可能である。例えば、第2の実施形態に関連して説明した、コチニン濃度上限値に加えて、コチニン濃度半減期C=15としたコチニン濃度減衰関数に基づいてコチニン濃度下限値を決定することができる。
さらに、時間をおいて喫煙を行った場合には、コチニン濃度上限値と同様にコチニン濃度下限値についても、最初の喫煙からの経過時間Tのコチニン濃度値を半減期H=15とした式(7)に基づいて推定し、その後のコチニン濃度値の減衰関数も半減期H=15とした式(6)を用いて演算することができる。例えば、最初の喫煙(0時間)から15時間後及び48時間後にそれぞれ一本喫煙した場合のコチニン濃度上限値及び下限値のためのコチニン濃度の減衰関数を図14に示す。
上述の実施形態においては、患者側装置103と生体指標濃度測定器104とを別体とした構成を説明したが、両者を一体とした装置によっても本発明は実施可能である。またスマートホンのような患者側装置103が、整合性判定S810を行った後に、その整合性判定結果をサーバ102へ送信し、サーバ102はその結果に基づいて禁煙治療情報を生成してもよい(S811)。さらに、整合性判定(S810)及び禁煙治療情報生成((S811)も患者側装置103が行ってもよい。その他、本発明におけるすべてのステップがシステムに含まるいずれかのコンピュータによって実行されて、全体としてすべてのステップが実行されればよい。
以上に説明してきた各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
100 システム
101 ネットワーク
102 サーバ
103 患者側装置
104 COモニタ
104 生体指標濃度測定器
201 処理装置
202 表示装置
203 入力装置
204 記憶装置
205 通信装置
206 サーバ用プログラム
210 バス
301 処理装置
302 表示装置
303 入力装置
303 患者側装置
304 記憶装置
305 通信装置
306 患者用プログラム
310 バス
401 処理装置
402 表示装置
403 入力装置
404 記憶装置
405 通信装置
406 測定器プログラム
407 センサ
410 バス
501 制御部
502 表示部
503 入力部
504 記憶部
505 通信部
601 制御部
602 表示部
603 入力部
604 記憶部
605 通信部
701 制御部
702 表示部
703 入力部
704 記憶部
705 通信部
707 センサ

Claims (13)

  1. 禁煙患者のために使用されるプログラムであって、コンピュータに、
    患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報を受信する段階と、
    喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を受信する段階と、
    前記申告情報前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、
    整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法のための禁煙治療情報を生成する段階と、
    前記生成された禁煙治療情報を患者側装置に送信する段階と、
    を実行させるプログラム。
  2. 更に、コンピュータに、前記生体指標濃度測定値の測定時間を示すタイムスタンプを受信する段階を実行させ、
    前記測定時間は前記生体指標濃度測定器または前記生体指標濃度測定値を送信する装置によって決定されたものである、
    請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記喫煙の有無を示す申告情報は喫煙本数及び喫煙時間を含み、
    前記整合性判定段階は、コンピュータに、
    前記喫煙本数、前記喫煙時間及び生体指標濃度の減衰関数に基づいて、生体指標濃度基準値として生体指標濃度上限値を決定する段階と、
    前記生体指標濃度測定値と前記生体指標濃度上限値とを比較する段階と、
    前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値より大きいときには、前記申告情報と前記生体指標濃度測定値とは不整合であると判定する段階と、
    を実行させる、
    請求項1に記載のプログラム。
  4. 前記整合性判定段階は、更に、コンピュータに、
    前記喫煙本数、前記喫煙時間及び生体指標濃度の減衰関数に基づいて、生体指標濃度基準値として生体指標濃度下限値を決定する段階と、
    前記生体指標濃度測定値と前記生体指標濃度下限値とを比較する段階と、
    前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値より大きいときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは過少申告の不整合であると判定する段階と、
    前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度上限値以下で前記生体指標濃度下限値より大きいときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは整合していると判定する段階と、
    前記生体指標濃度測定値が前記生体指標濃度下限値以下のときには、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報とは過大申告の不整合であると判定する段階と、
    を実行させる、
    請求項2に記載のプログラム。
  5. 禁煙患者のために使用されるプログラムであって、コンピュータに、
    喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を取得する段階と、
    患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、
    禁煙治療情報を決定するために、前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信する段階と、
    前記禁煙治療情報をサーバから受信する段階と、
    前記サーバから受信した禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、
    を実行させる、プログラム。
  6. 前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信する段階に代えて、コンピュータに、
    禁煙治療情報を決定するために、前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、
    整合性判定結果をサーバに送信する段階と、
    を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
  7. 前記生体試料は呼気であり、前記生体指標は一酸化炭素(CO)であり、前記生体指標濃度測定器はCO濃度測定器である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプログラム。
  8. 前記生体試料は唾液であり、前記生体指標はコチニンであり、前記生体指標濃度測定器はコチニン濃度測定器である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプログラム。
  9. 禁煙患者のために使用される一組のプログラムであって、一以上のコンピュータに、
    患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、
    前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する段階と、
    生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、
    整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成する段階と、
    前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、
    を実行させる、一組のプログラム。
  10. 制御部及び通信部を備える禁煙患者のために使用されるサーバであって、
    前記制御部が、
    前記通信部を用いて患者によって入力された喫煙の有無を示す申告情報を受信し、
    前記通信部を用いて喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を受信し、
    前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定し、
    整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法のための禁煙治療情報を生成し、
    前記通信部を用いて前記生成された禁煙治療情報を送信する、
    サーバ。
  11. 制御部、入力受付部、出力部及び通信部を備える禁煙患者のために使用される患者側装置であって、
    前記制御部が、
    喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する生体指標濃度測定器によって測定された前記患者の生体試料の生体指標濃度測定値を取得し、
    前記入力受付部を用いて患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付け、
    前記通信部を用いて禁煙治療情報を決定するために前記申告情報及び前記生体指標濃度測定値をサーバに送信し、
    前記通信部を用いて前記サーバから禁煙治療情報を受信し、
    前記出力部を用いてサーバから受信した禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する、
    患者側装置。
  12. 禁煙患者のために使用される一以上のコンピュータを含むシステムであって、
    前記一以上のコンピュータが、
    患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付け、
    前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定し、
    前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定し、
    整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成し、
    前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する、
    システム。
  13. 禁煙患者のために使用される一以上のコンピュータに実行される方法であって、
    患者による喫煙の有無を示す申告情報の入力を受け付ける段階と、
    前記患者の生体試料に含まれる喫煙状態を示す生体指標濃度を測定する段階と、
    前記生体指標濃度測定値及び生体指標濃度基準値に基づいて、前記生体指標濃度測定値と前記申告情報との整合性を判定する整合性判定段階と、
    整合性判定結果に基づいて、前記患者に対して実行する禁煙治療法を示す禁煙治療情報を生成する段階と、
    前記禁煙治療情報に基づいて患者に禁煙治療法のための情報を提示する段階と、
    を含む、方法。
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