以下、実施形態に係る情報出力システム、検知システム、情報出力方法、及びプログラムについて、図面を参照して詳細を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)概要
本実施形態に係る検知システム1は、図1〜3に示すように、情報出力システム10と、受信機20と、を備えている。本実施形態の検知システム1は、図2に示すように、第1領域A1と、第1領域A1に隣接する第2領域A2とを有する建物200において、第1領域A1に存在する携帯通信端末30の第2領域A2への移動行動を検出する。換言すれば、検知システム1は、第1領域A1において携帯通信端末30を携帯する利用者2が行う移動行動を検出する。ここにおいて、「移動行動」とは、第1領域A1に存在する利用者2が、第2領域A2へ移動するために行う行動である。移動行動としては、例えば、利用者2が第2領域A2への出入口に近付く動作や、利用者2が第2領域A2への出入口に体を正対させる動作等がある。
また、第2領域A2は、第1領域A1よりもセキュリティレベルが高い領域である。建物200は、例えば、フロア(階)ごとに複数の第2領域A2を有するオフィスビル等である。第2領域A2は、例えば、オフィス用の事務室、機密性が高い製品又は研究品の研究、開発、製造を行うための部屋、図書室、フィットネスルーム、洗濯室等、適宜の部屋の空間全体、又は当該空間の少なくとも一部である。図2の例では、第1領域A1は建物200内の通路であり、第2領域A2は第1領域A1(通路)に面した部屋である。つまり、本実施形態の情報出力システム10は、第1領域A1(通路)に存在する携帯通信端末30を携帯した利用者2が、第2領域A2(部屋)に移動するために行う移動行動を検出する。図2、図5、図9において図中の一点鎖線は利用者2が携帯する携帯通信端末30の移動軌跡を示している。
(2)構成
以下、情報出力システム10及び検知システム1の構成について、図1〜3を参照して説明する。
検知システム1は、情報出力システム10と、受信機20と、を備えている。また、本実施形態の検知システム1は携帯通信端末30を更に備えている。
本実施形態では、図1〜3に示すように、第1領域A1は通路であり、第1領域A1である通路の壁には第2領域A2の出入口となる自動扉DR1が設けられている。また、第1領域A1である通路の壁には自動扉DR1の上側に受信機20が設置されている。
本実施携帯の検知システム1は、入退管理サーバ100と組み合わせて使用される。入退管理サーバ100は、検知システム1の検出結果等に基づいて自動扉DR1の開閉を制御する。
受信機20は、携帯通信端末30と無線通信を行うように構成されている。受信機20の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE(登録商標))である。受信機20は、アドバタイズメント・パケットと呼ばれる無線信号(ビーコン信号)を、第1領域A1内の対象領域R1に向かって周期的(例えば0.1秒ごと)に送信する。
ここにおいて、「対象領域」R1とは、第1領域A1の少なくとも一部の領域であって、受信機20と携帯通信端末30とが通信可能な空間である。受信機20は、対象領域R1に一対一に対応するように配置されている。対象領域R1は、例えば、携帯通信端末30からの無線信号が受信機20に届く空間である。受信機20は、アンテナ及びシールド部材の形状、配置等によって指向特性が調整されており、受信機20での電波の受信範囲は、例えば、底面が受信機20を中心とした所定の半径の半円となるような円錐状の空間に設定されている。ここで、所定の半径とは、一例として、受信機20が受信する無線信号の受信強度が所定の第1閾値以上になる距離を意味する。第1閾値は、例えば床面上で受信機20から約3m離れた位置に存在する携帯通信端末30から受信機20が受信した無線信号の受信強度に相当する値に設定されている。なお、受信機20の通信方式は、BLE(登録商標)に限定されず、例えば、Wi−Fi(登録商標)、及び特定小電力通信等でもよいし、赤外線通信又は可視光通信等の光通信でもよい。また、図1〜3では受信機20の数が1つであるが、複数の受信機20が設けられていてもよく、複数の受信機20が第1領域A1内の複数の対象領域R1に対応して設けられていてもよい。
受信機20は、対象領域R1に周期的に無線信号を送信する。対象領域R1に存在する携帯通信端末30が、受信機20からの無線信号を受信すると、携帯通信端末30の識別情報を含む無線信号を受信機20に送信する。したがって、受信機20は、対象領域R1に存在する携帯通信端末30から、当該携帯通信端末30の識別情報を含む無線信号を受信する。
受信機20は、携帯通信端末30から受信した無線信号に基づいて、無線信号の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)に関する情報を含む通知情報D11を生成する。受信機20は、電波を媒体とした無線通信により、情報出力システム10の情報生成部13に通知情報D11を送信する。より詳細には、受信機20は、携帯通信端末30からの無線信号を受信した後に、携帯通信端末30の識別情報と、受信機20の受信機情報と、無線信号の受信強度に関する情報とを含む通知情報D11を情報出力システム10に送信する。ここにおいて、受信機20は、受信機20ごとに割り当てられたID(Identity)である受信機情報を、受信機20が有する不揮発性メモリ等に保持している。
携帯通信端末30は、建物200を利用する利用者2によって携帯される。携帯通信端末30は例えばスマートフォンのような通信端末である。携帯通信端末30には個別の識別情報が割り当てられており、識別情報は携帯通信端末30の不揮発性メモリ等に保持されている。建物200を複数の利用者2が利用する場合、複数の利用者2は個別の携帯通信端末30を利用(携帯)する。つまり、携帯通信端末30と利用者2とは一対一に対応し、携帯通信端末30の識別情報は利用者2に対応付けられているので、利用者2ごとに利用者2が携帯する携帯通信端末30の識別情報は異なっている。携帯通信端末30には、受信機20から送信されるビーコン信号を受信すると、携帯通信端末30の識別情報を含む応答信号を受信機20に送信するアプリケーションソフト(アプリ)がインストールされている。対象領域R1に携帯通信端末30が存在する場合、対象領域R1に存在する携帯通信端末30が受信機20から送信された無線信号(ビーコン信号)を受信すると、携帯通信端末30は識別情報を含む無線信号(ビーコン応答)を受信機20に送信する。
情報出力システム10は、図1に示すように、通信部11と、記憶部12と、情報生成部13と、処理部(出力部、判定部)14とを備えたサーバで実現されている。情報出力システム10は、例えば、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータシステム(マイクロコンピュータを含む)を主構成とする。すなわち、コンピュータシステムは、適宜のプログラムをプロセッサにて実行することにより、情報出力システム10として機能する。
通信部11は受信機20との間で無線通信を行う。通信部11は、受信機20から送信された通知情報D11(携帯通信端末30の識別情報、携帯通信端末30からの無線信号の受信強度、受信機20の受信機情報)を受信すると、受信した通知情報D11を情報生成部13に出力する。
記憶部12は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部12は、受信機20の受信機情報と、受信機20の設置位置を示す位置情報とが記憶されている。
本実施形態では、受信機20が、第1領域A1から第2領域A2への出入口となる自動扉DR1に対応して設けられている。記憶部12には、第2領域A2への入場を許可する携帯通信端末30の識別情報と、第2領域A2に対応する受信機20の受信機情報とが記憶されている。
情報生成部13は、通信部11から、携帯通信端末30の識別情報と、受信機20の受信機情報と、受信強度に関する情報とを含む通知情報D11が入力される。情報生成部13は、受信機情報と受信強度に関する情報とに基づいて、第1領域A1における携帯通信端末30の位置に関する第1情報を生成する。
情報生成部13は、通信部11が周期的(例えば0.1秒ごと)に受信する無線信号の受信強度を統計的に処理し、統計処理後の受信強度に基づいて、携帯通信端末30の位置に関する第1情報を出力する。受信機20が携帯通信端末30からの無線信号を受信する場合、受信機20には様々な経路(マルチパス)で無線信号が到達するため、直接波と反射波とで位相差が発生し、直接波と反射波との干渉が発生する。通信方式がBLE(登録商標)である場合、床面と平行な平面内で受信機20と携帯通信端末30との距離が約0.5m以下であれば、直接波の受信強度が反射波の受信強度に比べて十分に大きくなる。そのため、直接波と反射波との干渉によって発生する受信強度の変動が小さくなり、床面と平行な平面内での受信機20と携帯通信端末30との距離に比例して受信強度は低下する。一方、床面と平行な平面内で受信機20と携帯通信端末30との距離が約0.5mを超えると、直接波の受信強度が低下することで、直接波と反射波との干渉による受信強度の変動の影響が相対的に大きくなる。したがって、床面と平行な平面内での受信機20と携帯通信端末30との距離と受信強度との関係がリニアにならなくなる。
そこで、情報生成部13は、通信部11が受信機20から周期的に受信する無線信号の受信強度を統計的に処理している。例えば、情報生成部13は、過去の所定の期間(例えば、3秒前から現在までの期間)において通信部11が受信した受信強度のデータを、第1閾値及び第2閾値とそれぞれ比較する。第1閾値は、受信機20から第1距離(例えば3m)だけ離れた位置にある携帯通信端末30から受信機20が受信する無線信号の受信強度である。第2閾値は、受信機20から第2距離(例えば0.5m)だけ離れた位置にある携帯通信端末30から受信機20が受信する無線信号の受信強度である。ここで、受信機20からの距離が第1距離以下となる領域が、第1領域A1内に設定された対象領域R1となり、受信機20からの距離が第2距離以下となる領域が対象領域R1内に設定された停止領域R12となる(図2参照)。また、対象領域R1において停止領域R12の外側の領域を周辺領域R11という。
情報生成部13は、受信強度が第1閾値よりも小さければ、携帯通信端末30が第1領域A1において対象領域R1の外側の外部領域R2に存在すると判断する。情報生成部13は、受信強度が第1閾値以上で、かつ第2閾値よりも小さければ、携帯通信端末30が周辺領域R11に存在すると判断する。また、情報生成部13は、受信強度が第2閾値以上であれば、携帯通信端末30が停止領域R12に存在すると判断する。
情報生成部13は、通信部11から受信強度が入力されるごと(0.1秒ごと)に、携帯通信端末30が存在する位置を判定する。情報生成部13は、過去の所定の期間(例えば過去3秒間)において、周辺領域R11、停止領域R12、外部領域R2のうち、携帯通信端末30が存在すると判断された回数が最も多い領域を、携帯通信端末30が現在存在する領域と判断する。そして、情報生成部13は、携帯通信端末30が現在存在すると判断した領域の情報を、携帯通信端末30の位置に関する第1情報D1として処理部14に出力する。
なお、情報生成部13が第1情報D1を求める手法は上記の手法に限定されず、他の手法を用いてもよい。例えば、情報生成部13は、過去の所定の期間(例えば過去3秒間)に通信部11が受信した受信強度のデータについて統計処理を行い、受信強度の平均値と分散σ2を求める。情報生成部13は、過去の所定の期間における受信強度のデータのうち、平均値との差の大きさが2σ(又は3σ)より大きいデータを除外した後、平均値を再度演算する。そして、情報生成部13は、受信強度の平均値が第1閾値よりも小さければ、携帯通信端末30が第1領域A1において対象領域R1の外側の外部領域R2に存在すると判断する。情報生成部13は、受信強度の平均値が第1閾値以上で、かつ第2閾値よりも小さければ、携帯通信端末30が周辺領域R11に存在すると判断する。また、情報生成部13は、受信強度の平均値が第2閾値以上であれば、携帯通信端末30が停止領域R12に存在すると判断する。
このように、情報生成部13は、通信部11から周期的に入力される受信強度のデータを統計的に解析することで、第1領域A1における携帯通信端末30の位置に関する第1情報D1を生成しているので、第1情報D1を精度良く求めることができる。また、情報生成部13は、過去の所定の期間(例えば3秒間)の受信強度のデータを統計的に処理することで第1情報D1を求めているので、所定の期間で携帯通信端末30の位置に関する第1情報を確定できる。情報生成部13が、受信強度のデータを統計的に処理する期間は3秒間に限定されず、適宜変更が可能である。
処理部14(出力部)は、情報生成部13から入力される第1情報D1に基づいて、第1領域A1から第2領域A2への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2を出力する。
例えば、処理部14は、第1情報D1をもとに周辺領域R11に存在していた携帯通信端末30が停止領域R12に移動し、停止領域R12で所定の停止時間以上停止していると判断すると、利用者2が第2領域A2へ移動するための移動行動を行ったと判断する。つまり、第1情報D1が、第1領域A1において携帯通信端末30が第2領域A2に近付く向きに移動したことに関する情報を含んでいる場合、処理部14は、利用者2が第2領域A2へ移動するための移動行動を行ったと判断する。
また、処理部14(判定部)は、通信部11が受信した携帯通信端末30の識別情報と受信機情報とをもとに、停止領域R12に停止している携帯通信端末30(つまり利用者2)が、第2領域A2への入場を許可されているか否かを判断する。
処理部14は、停止領域R12に存在する携帯通信端末30の利用者2が第2領域A2へ移動するための移動行動を行い、かつ、携帯通信端末30が第2領域A2への入場を許可されていると判断すると、入退管理サーバ100に第2情報D2として自動扉DR1を開けるための情報を出力する。また、処理部14は、停止領域R12に存在する携帯通信端末30の利用者2が移動行動を行い、かつ、携帯通信端末30が第2領域A2への入場を許可されていないと判断すると、入退管理サーバ100に第2情報D2として自動扉DR1を閉じるための情報を出力する。
入退管理サーバ100は、検知システム1の情報出力システム10から出力される第2情報D2(自動扉DR1を開けるための情報)に基づいて、自動扉DR1を開制御するように構成されている。より詳細には、入退管理サーバ100は、情報出力システム10から自動扉DR1を開けるための情報(第2情報D2)が入力されると、自動扉DR1を駆動する駆動部101と通信することによって、自動扉DR1の開閉を制御する。入退管理サーバ100は、有線通信又は無線通信により、自動扉DR1を開閉する駆動部101と通信する。入退管理サーバ100は、情報出力システム10が出力した自動扉DR1を開けるための情報(第2情報D2)に基づいて駆動部101の制御信号を生成し、この制御信号を駆動部101に出力することによって自動扉DR1の開閉を制御する。なお、第2領域A2の出入口に自動扉DR1が設置されているものに限定されず、第2領域A2の出入口に電気錠が設けられ、入退管理サーバ100が、情報出力システム10が出力した電気錠を開けるための情報に基づいて電気錠を解錠してもよい。
なお、処理部14は、第2領域A2への移動行動を行った携帯通信端末30が第2領域A2への入場を許可されていないと判断すると、警報を出力するための情報を第2情報D2として出力してもよく、入退管理サーバ100が音、光などで警報を発してもよい。
(3)動作
本実施形態の検知システム1の動作を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、第1領域A1にいる利用者2が、第2領域A2に入るために、対象領域R1の外側(図1中の右側)から自動扉DR1に向かって移動している場合について説明する。利用者2は、携帯通信端末30を携帯しており、例えば携帯通信端末30をストラップ等で首からぶら下げている。
以下、検知システム1の動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。受信機20は、所定の送信周期(例えば0.1秒)が経過するごとに(S1:Yes)、第1領域A1において対象領域R1を含む領域に無線信号(ビーコン信号)を送信する(S2)。
利用者2が外部領域R2にいる間は、利用者2が携帯している携帯通信端末30は、受信機20から送信される無線信号(ビーコン信号)を受信できず、携帯通信端末30から受信機20に無線信号が送信されない。この場合、情報生成部13は携帯通信端末30が対象領域R1に存在しないと判断し(S3:No)、S1の処理に戻る。なお、利用者2が外部領域R2にいる間でも、携帯通信端末30が受信機20からの無線信号を受信できる可能性はあるが、携帯通信端末30から送信される無線信号の受信強度は第1閾値よりも低くなる。この場合も、情報生成部13は携帯通信端末30が対象領域R1に存在しないと判断し(S3:No)、S1の処理に戻る。
その後、利用者2が外部領域R2から対象領域R1に入ると、利用者2が携帯している携帯通信端末30が、受信機20から送信される無線信号(ビーコン信号)を受信し、携帯通信端末30の識別情報を含む無線信号を受信機20に送信する。
受信機20は、携帯通信端末30からの無線信号を受信すると(S3:Yes)、携帯通信端末30の識別情報、無線信号の受信強度、受信機情報を含む通知情報D11を情報出力システム10に出力する。
情報出力システム10では、通信部11が受信機20からの通知情報D11を受信すると、受信した通知情報D11を情報生成部13に出力する。
情報生成部13は、通知情報D11に含まれる受信強度をもとに、第1領域A1における携帯通信端末30の位置に関する第1情報D1を生成する。情報生成部13は、受信強度が第1閾値以上で、かつ第2閾値よりも小さければ、携帯通信端末30が対象領域R1において停止領域R12の外側の周辺領域R11に存在すると判断する。情報生成部13は、受信強度が第2閾値以上であれば、携帯通信端末30が停止領域R12に存在すると判断する。情報生成部13は、通信部11から受信強度が入力されるごと(0.1秒ごと)に、携帯通信端末30が存在する位置を判定し、判定結果を時刻情報と対応付けて記憶部12に記憶させる。情報生成部13は、記憶部12に記憶された過去の所定の期間の判定結果をもとに、過去の所定の期間において、周辺領域R11、停止領域R12、外部領域R2のうち、携帯通信端末30が存在すると判断された回数が最も多い領域を、携帯通信端末30が現在存在する領域と判断する。そして、情報生成部13は、携帯通信端末30が現在存在すると判断した領域の情報を第1情報D1として処理部14に出力する(S4)。
次に、処理部14は、情報生成部13から入力される第1情報D1に基づいて、携帯通信端末30を携帯する利用者2が、第1領域A1から第2領域A2に移動するための移動行動を行っているか否かを判断する。例えば、処理部14は、第1情報D1に基づいて、周辺領域R11に存在していた携帯通信端末30が停止領域R12に移動した後、停止領域R12で所定の停止時間(例えば1〜3秒程度の所定の時間)以上いると判断すると、携帯通信端末30の利用者2が第2領域A2への移動行動を行っていると判断する(S5:Yes)。処理部14は、利用者2が第2領域A2への移動行動を行っていないと判断すると(S5:No)、S1の処理に戻る。
処理部14は、携帯通信端末30の利用者2が移動行動を行っていると判断すると、通信部11が受信した携帯通信端末30の識別情報と受信機情報とをもとに、携帯通信端末30(利用者2)が、第2領域A2への入場を許可されているか否かを判断する(S6)。
処理部14は、停止領域R12に存在する携帯通信端末30(つまり利用者2)が第2領域A2への入場を許可されていると判断すると(S6:Yes)、入退管理サーバ100に第2情報D2として自動扉DR1を開けるための情報を出力する(S7)。処理部14は、停止領域R12に存在する携帯通信端末30(つまり利用者2)が第2領域A2への入場を許可されていないと判断すると(S6:No)、入退管理サーバ100に第2情報D2を出力せずに、処理を終了する。
一方、入退管理サーバ100は、処理部14から第2情報D2として自動扉DR1を開けるための情報が入力されると、自動扉DR1を開けるための制御信号を駆動部101に出力し、駆動部101が自動扉DR1を開ける。これにより、利用者2は、自動扉DR1を開けるために特別な操作を行う必要がなく、ハンズフリーで第2領域A2へ入ることができるので、利便性が向上するという利点がある。
自動扉DR1が開き、停止領域R12にいた利用者2が第2領域A2に移動すると、受信機20は利用者2が携帯する携帯通信端末30から無線信号を受信できなくなる。通信部11が受信機20から通知情報D11を受信できない状態が一定時間以上経過すると、情報生成部13は、対象領域R1に携帯通信端末30(つまり携帯通信端末30を携帯する利用者2)が存在しないと判断する。情報生成部13は、対象領域R1に携帯通信端末30が存在しないことを示す第1情報D1を出力し、処理部14は、自動扉DR1を閉めるための情報を第2情報D2として入退管理サーバ100に出力する。
入退管理サーバ100は、処理部14から第2情報D2として自動扉DR1を閉じるための情報が入力されると、自動扉DR1を閉じるための制御信号を駆動部101に出力し、駆動部101が自動扉DR1を閉じる。
なお、入退管理サーバ100は、自動扉DR1を開けるための制御信号を駆動部101に出力した後に、一定時間(例えば数秒程度の時間)が経過すると、自動扉DR1を閉じるための制御信号を出力してもよい。
このように、検知システム1は、自動扉DR1を開けるための情報を入退管理サーバ100に出力することによって、第2領域A2に入る資格がある利用者2のみに第2領域A2への入場を許可しており、第2領域A2のセキュリティレベルを維持している。
ところで、情報出力システム10において、記憶部12は、情報出力システム10が各種の機能を実行するためのプログラムを格納している。すなわち、記憶部12は、コンピュータシステムを、情報生成部13及び処理部14(出力部)として機能させるためのプログラムを格納している。
上記プログラムは、情報出力システム10の出荷時に記憶部12に予め格納されている。ただし、上記プログラムは、情報出力システム10の出荷後に情報出力システム10が取得してもよい。情報出力システム10が当該プログラムを出荷後に取得する場合、情報出力システム10が当該プログラムを取得する手法の一例としては、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いる手法がある。記録媒体を用いる手法の場合、情報出力システム10は、記録媒体のデータを読み取るための読取装置(図示せず)を備えていればよい。記録媒体としては、例えば光ディスクやメモリカード等がある。読取装置としては、光ディスクの情報を読み出すドライブ装置や、メモリカードの情報を読み出すメモリカードリーダ等がある。また、情報出力システム10が当該プログラムを取得する他の手法としては、ネットワークを用いて当該プログラムを外部装置(図示せず)からダウンロードする手法がある。当該プログラムをダウンロードする手法の場合、情報出力システム10は、ネットワークを用いて外部装置と通信するための通信機能を有していればよい。
また、受信機20は、携帯通信端末30と通信可能な位置に配置されていればよく、出入口である自動扉DR1の近傍に設置されていなくてもよいので、受信機20の設置位置の自由度が高くなる。また、出入口が複数ある場合には、複数の出入口の手前に設けられた複数の停止領域にそれぞれ対応して複数の受信機が配置されていればよく、受信機の配置の自由度が高いという利点がある。
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、情報出力システム10と同様の機能は、情報出力方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る情報出力方法は、第1情報D1を生成する生成処理と、第1情報D1に基づいて第2情報D2を出力する出力処理とを備える。生成処理では、第1領域A1と第1領域A1に隣接する第2領域A2とのうち第1領域A1に存在する携帯通信端末30から受信する無線信号に基づいて、第1領域A1における携帯通信端末30の位置に関する第1情報D1を生成する。出力処理では、第1情報D1に基づいて、第1領域A1から第2領域A2への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2を出力する。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、生成処理と、出力処理と、を実行させるためのプログラムである。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における情報出力システム10又は情報出力方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、情報出力システム10は、1つのシステムで実現されており、1つの筐体に収まる1つの装置にて実現されているが、情報出力システム10は2つ以上のシステムで実現されていてもよい。例えば、情報生成部13、出力部(処理部14)の機能が、2つ以上のシステムに分散して設けられてもよい。また、情報生成部13、及び出力部(処理部14)のうちの少なくとの1つの機能が、2つ以上のシステムに分散して設けられてもよい。また、情報生成部13、及び出力部の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、情報生成部13の機能が2つ以上の装置に分散して設けられてもよい。情報出力システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
(4.1)変形例1
上記実施形態の情報出力システム10では、情報生成部13は、通信部11が受信した無線信号の受信強度に基づいて、携帯通信端末30が周辺領域R11と停止領域R12とのいずれに存在するかを判断しているが、受信強度をもとに携帯通信端末30までの距離を求めてもよい。
情報生成部13は、通信部11が受信した無線信号の受信強度に統計的な処理を施して、現在の受信強度(例えば平均値)を求める。そして、情報生成部13は、現在の受信強度に基づいて、受信機20から携帯通信端末30までの距離を推定し、受信機20から携帯通信端末30までの距離の推定値を示す情報を第1情報として処理部14に出力してもよい。処理部14は、情報生成部13から入力される第1情報に基づいて携帯通信端末30が存在する領域(周辺領域R11又は停止領域R12)を推測できる。また、処理部14は、受信機20から携帯通信端末30までの距離の変化をもとに、携帯通信端末30の移動速度を推測することができる。この場合、処理部14は、携帯通信端末30が周辺領域R11を所定速度以上の速度で移動した後に、停止領域R12内で停止したことを検出すると、携帯通信端末30の利用者2が第2領域A2に移動するための移動行動を行ったと判断し、第2情報を出力する。
また、上記実施形態の情報出力システム10において、第1領域A1に複数の受信機20が設けられている場合、情報生成部13は、複数の受信機20での受信強度に基づいて、複数の受信機20から携帯通信端末30までの距離をそれぞれ推定できる。ここで、複数の受信機20の設置位置に関する位置情報が記憶部12に記憶されていれば、情報生成部13は、複数の受信機20から携帯通信端末30までの距離と、複数の受信機20の設置位置とに基づいて、携帯通信端末30の位置座標を求めることができる。具体的には、情報生成部13は、第1領域A1における携帯通信端末30の位置座標(例えば床面における二次元座標)を求めることができる。情報生成部13は、携帯通信端末30の位置座標と、周辺領域R11、停止領域R12、及び自動扉DR1等の位置情報をもとに、周辺領域R11を移動してきた携帯通信端末30が停止領域R12で停止したことを示す第1情報D1を生成することができる。なお、情報生成部13は、複数の受信機20から携帯通信端末30までの距離と、複数の受信機20の設置位置とに基づいて、第1領域A1における携帯通信端末30の三次元座標を求めてもよい。これにより、携帯通信端末30が例えばドローンと呼ばれる無人飛行機や飛行船などの飛行物体に搭載されている場合には、飛行物体の空中での位置を求めることができる。
また、情報生成部13は、携帯通信端末30の位置座標の時系列データから携帯通信端末30の移動軌跡を求めることができ、携帯通信端末30の移動軌跡に関する情報を含む情報D1を生成することもできる。この場合、処理部14は、第1情報D1に含まれる移動軌跡の情報をもとに、利用者2が移動行動を行っているか否かを検出できる。例えば、第1領域A1において複数のチェックポイントを設定しておき、携帯通信端末30が複数のチェックポイントを通って停止領域R12に移動した場合に、利用者2が移動行動を行ったと処理部14が判断してもよい。これにより、携帯通信端末30が複数のチェックポイントのうち1つ以上のチェックポイントを通らずに停止領域R12に移動した場合、処理部14は、利用者2が移動行動を行っていないと判断するので、セキュリティ性能が向上する、という利点がある。
(4.2)変形例2
上記実施形態及び変形例1の情報出力システム10では受信機20が1つであったが、複数の受信機20が配置されていてもよい。
図5に示すように、第1領域A1には、第2領域A2の出入口となる自動扉DR1の上側の壁に受信機21が設置されている。また、第1領域A1の天井には、第1領域A1を利用者2が移動する移動方向X1に沿って2つの受信機22,23が配置されている。2つの受信機22,23は、移動方向X1において受信機22,23の中間に自動扉DR1が位置するように配置されている。情報出力システム10の記憶部12には、受信機21,22,23の受信機情報と、受信機21,22,23の設置位置を示す位置情報とが記憶されている。
ここで、受信機21は、廊下である第1領域A1の横壁に取り付けられており、アンテナ及びシールド部材の形状、配置等によって指向性が調整されている。図5の例では、受信機21の指向性は、第1領域A1の長手方向(移動方向X1)において制限されており、自動扉DR1の前方に存在する携帯通信端末30を検出可能なように受信機21の指向性が調整されている。受信機21,22,23は上記実施形態で説明した受信機20と同様の構成を有しており、個々の受信機21,22,23を特定せずに説明する場合は受信機20と記載する。
受信機21,22,23はそれぞれ所定の周期(例えば0.1秒周期)で無線信号(ビーコン信号)を無線送信している。第1領域A1に存在する携帯通信端末30が受信機21,22,23からの無線信号を受信すると、携帯通信端末30の識別情報を含む無線信号を送信する。受信機21,22,23は、無線信号の送信後に携帯通信端末30から送信された無線信号を受信すると、携帯通信端末30の識別情報と、無線信号の受信強度と、受信機の受信機情報とを含む通知情報D11を情報出力システム10に出力する。
情報出力システム10では、通信部11が受信機21,22,23から通知情報D11を受信すると、受信した通知情報D11を情報生成部13に出力する。
情報生成部13は、通信部11が受信した受信機21,22,23からの通知情報D11に基づいて、第1領域A1における携帯通信端末30の位置に関する第1情報D1を生成する。
図6は、受信機21,22,23がそれぞれ携帯通信端末30から受信した無線信号の受信強度B1,B2,B3の時間変化を示している。携帯通信端末30を携帯する利用者2は、廊下である第1領域A1を、自動扉DR1に対して受信機23よりも遠い位置から自動扉DR1に近付く向きに移動している。携帯通信端末30は、例えばネックストラップを用いて利用者2の首からぶら下げられており、利用者2の移動中(歩行中)は移動方向X1において利用者2の体の前側に位置している。図6の時間t1では利用者2が受信機23の下を通過し、時間t2では利用者2が自動扉DR1(つまり受信機21)の前で停止し、時間t3では利用者2が自動扉DR1と正対するように体の向きを変えている。
受信機23での無線信号の受信強度B3は、携帯通信端末30を携帯する利用者2が受信機23に近付くにつれて大きくなり、受信機23の下を通過したあたりで最大となり(時間t1付近)、その後、自動扉DR1に近付くにつれて徐々に低下する。携帯通信端末30は利用者2の体の前側に位置しており、利用者2が受信機23の下を通過すると、携帯通信端末30と受信機23との間に利用者2の体が位置することになる。BLE(登録商標)で使用される2.4GHz帯の電波は水分に吸収されやすく、携帯通信端末30から送信された無線信号が利用者2の体で吸収されるので、受信機23での無線信号の受信強度B3は大きく低下する。また、利用者2が自動扉DR1の前で停止した状態から自動扉DR1と正対するように体の向きを変えると、利用者2の体による無線信号の遮蔽効果が低下し、受信機23での無線信号の受信強度B3が増加している。
受信機22での無線信号の受信強度B2は、携帯通信端末30を携帯する利用者2が受信機23の下を通過した後に自動扉DR1に近付くにつれて大きくなり、自動扉DR1の前で停止したあたりで最大となる(時間t2付近)。その後、利用者2が、自動扉DR1の前で自動扉DR1と正対するように向きを変えると、受信機22と携帯通信端末30との相対的な角度が変化するので、受信機22のアンテナの指向性によって受信機22での無線信号の受信強度B2が低下する。
また、受信機21での無線信号の受信強度B1は、携帯通信端末30を携帯する利用者2が自動扉DR1の近くまで移動すると、徐々に増加する(時間t2付近)。この時、利用者2は移動方向X1において受信機23側を向いているので、受信機22での受信強度B2に比べて受信機21での受信強度B1が小さくなっている。その後、利用者2が、自動扉DR1と正対するように体の向きを変えると、受信機21での受信強度B1が増加し、受信機22での受信強度B2が低下する。
上述のように、3つの受信機21,22,23での無線信号の受信強度B1,B2,B3は、携帯通信端末30を携帯する利用者2の移動に伴って変化する。したがって、情報生成部13は、受信強度B1,B2,B3の関係に基づいて携帯通信端末30を携帯する利用者2が第2領域A2に移動するための移動行動を行っているか否かを判断できる。
情報生成部13は、例えば、通信部11から入力される現在の受信強度B1,B2,B3をもとに、学習済みモデルを用いて、携帯通信端末30を携帯する利用者2が自動扉DR1に正対しているか否かを判断する。受信強度B1,B2,B3が図6の枠W1で囲まれるような関係にある場合、情報生成部13は、第1領域A1に存在する携帯通信端末30の利用者2が自動扉DR1に正対していると判断し、第1情報D1を生成する。この時、処理部14は、情報生成部13から入力される第1情報D1に基づいて、携帯通信端末30の利用者2が第2領域A2への移動行動を行っていると判断する。そして、処理部14は、第2領域A2への移動行動に関する第2情報D2を入退管理サーバ100に出力すればよい。
情報生成部13が使用する学習済みモデルは、受信機21,22,23の受信強度B1,B2,B3の履歴等から、確率的勾配降下法、サポート・ベクター・マシン(SVM:Support Vector Machine)等の機械学習アルゴリズムによって生成される。ここにおいて、第2領域A2に移動するための移動行動を利用者2が行ったときの受信強度B1,B2,B3をもとに機械学習を行えば、学習済みモデルを用いた認識率を向上させることができる。
例えば、自動扉DR1の開閉を制御するシステムが、自動扉DR1を開けるために利用者2が発話する所定の命令語を検知する音声検知部を備えていてもよい。この場合、入退管理サーバ100は、音声検知部の検知結果に基づいて自動扉DR1を開ける制御を行うので、音声検知部が所定の命令語を検知したときの受信強度B1,B2,B3をもとに機械学習を行えば、学習済みモデルを用いた認識率を向上させることができる。
また、自動扉DR1の開閉を制御するシステムが、利用者2が所持するICカードと非接触通信を行うカードリーダを備えていてもよい。この場合、入退管理サーバ100は、カードリーダがICカードから読み取った識別情報が所定の識別情報に一致すると、自動扉DR1を開ける制御を行う。したがって、カードリーダがICカードから読み取った識別情報が所定の識別情報に一致するときの受信強度B1,B2,B3をもとに機械学習を行えば、学習済みモデルを用いた認識率を向上させることができる。
ここにおいて、建物200が、複数の階で間取りが共通している高層マンションのような建物の場合には、基準階において作成された学習済みモデルを、第1領域A1、第2領域A2、及び受信機20の配置が類似している他の階にも適用できる。したがって、情報生成部13は、基準階等で作成された認識率が高い学習済みモデルを利用することで、学習済みモデルを用いた認識率を向上させることができる。
また、変形例2において、情報生成部13は、受信強度B1,B2,B3を特定の受信機の受信強度でそれぞれ除した値(相対値)の関係に基づいて第1情報を生成してもよい。これにより、携帯通信端末30が鞄の中に入っているなどの理由で、受信強度B1,B2,B3が低下している場合でも、より正確に第1情報D1を生成できる。
また、変形例2において、情報生成部13は、通信部11が受信した受信強度B1,B2,B3の時間的な変化パターンに基づいて、携帯通信端末30を携帯する利用者2が自動扉DR1に正対しているか否かを判断してもよい。図7に示すように受信強度B1,B2,B3が変化する場合、情報生成部13は、例えば所定の時間間隔(例えば0.5秒間隔)で受信強度B1,B2,B3を取り込む。情報生成部13は、直近の所定回数分(例えば枠W11〜W14で囲まれる4回分)の受信強度B1,B2,B3をもとに、学習済みモデルを用いて、利用者2が自動扉DR1の前まで移動し、自動扉DR1の方に体の向きを変えたと判断する。
このように、情報生成部13は、受信強度B1,B2,B3の時間的な変化パターンに基づいて利用者2が自動扉DR1に正対しているか否かを判断することで、現在の受信強度B1,B2,B3のみから判断する場合に比べて、高精度の判断が可能になる。
なお、変形例3では、受信強度B1,B2,B3に基づいて利用者2が自動扉DR1の方に体の向きを変えたと判断しているが、携帯通信端末30が備えているジャイロセンサ又は加速度センサの測定値に基づいて利用者2が体の向きを変えたことを検知してもよい。受信機20は、携帯通信端末30からビーコン信号に対する応答を受信すると、携帯通信端末30が備えているジャイロセンサ又は加速度センサの測定値を携帯通信端末30に要求する。そして、受信機20は、携帯通信端末30からジャイロセンサ又は加速度センサの測定値を受信すると、受信した測定値を通信部11に出力する。これにより、情報生成部13は、ジャイロセンサ又は加速度センサの測定値に基づいて、携帯通信端末30が向きを変えたことを確実に検知でき、携帯通信端末30が向きを変えたという情報を含む第1情報D1を処理部14に出力することができる。
(4.3)変形例3
上記実施形態及び変形例1、2において、情報出力システム10は、検知部40(図8参照)の検知結果に関する第3情報D3を取得する取得部(通信部11)を更に備えてもよい。検知部40は、第1領域A1において第2領域A2への出入口である自動扉DR1の手前に設定された検知領域R13(図9参照)で人の存否を検知する。検知領域R13は、停止領域R12よりも狭い領域であり、自動扉DR1のすぐ前の領域である。
検知部40は、例えば、第1領域A1の床に設けられた圧力センサと、情報出力システム10の通信部11と無線通信を行う通信モジュールとを備えている。検知部40は、圧力センサの検出値をもとに検知領域R13に人が存在するか否かを検出する。具体的には、検知部40は、圧力センサの検出値が所定の閾値を超えると、検知領域R13に人が存在することを示す第3情報D3を出力し、圧力センサの検出値が閾値未満であれば、停止領域R12に人が存在しないことを示す第3情報D3を出力する。
取得部である通信部11は、検知部40との間で無線通信を行うことによって、検知部40から第3情報D3を取得する。通信部11は、第3情報D3を取得すると、第3情報D3を処理部14に出力する。ここで、通信部11は定期的に検知部40と通信を行って、検知部40から第3情報D3を取得してもよいし、検知部40が人の存在を検知したときに人の存在を示す第3情報D3を通信部11に出力してもよい。
処理部14は、情報生成部13から入力される第1情報D1と、通信部11から入力される第3情報D3とに基づいて第2情報D2を出力する。処理部14は、携帯通信端末30が停止領域R12に移動しているとの第1情報D1が入力され、かつ、検知領域R13に人がいることを示す第3情報D3が入力されると、第1領域A1から第2領域A2への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2を出力する。例えば、処理部14は、入退管理サーバ100に第2情報D2として自動扉DR1を開けるための情報を出力する。
入退管理サーバ100は、処理部14から第2情報D2として自動扉DR1を開けるための情報が入力されると、自動扉DR1を開けるための制御信号を駆動部101に出力し、駆動部101が自動扉DR1を開ける。
このように、処理部14は、第1情報D1と、検知部40の検知結果に関する第3情報D3とに基づいて第2情報D2を出力するので、携帯通信端末30の移動行動を確実に検出できる。
上記の変形例3において、検知部40は、検出面において荷重の分布を検出できる荷重センサを備えていてもよい。この場合、検知部40は、荷重センサの検出値をもとに荷重がかかっている位置の変化を検出でき、荷重の有無及び荷重がかかっている位置の情報を第3情報D3として通信部11に出力する。処理部14は、携帯通信端末30が停止領域R12に移動したことを示す第1情報D1が入力され、かつ、荷重の位置が自動扉DR1に近付く向きに移動しているとの第3情報D3が入力されると、利用者2が第2領域A2への移動行動を行っていると判断する。処理部14は、第1領域A1から第2領域A2への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2を入退管理サーバ100に出力し、入退管理サーバ100が第2情報D2に基づいて自動扉DR1を開ける制御を行う。このように、検知部40が、検出面において荷重の分布を検出できる荷重センサを備えている場合は、荷重がかかっている位置の移動、つまり利用者2の移動の軌跡をもとに、利用者2が移動行動を行っているか否かを判断できる。
また、変形例3では第2領域A2の出入口(自動扉DR1)が一箇所であったが、第2領域A2への出入口が複数あってもよい。例えば、図10に示すように、第2領域A2への出入口となる複数(例えば3箇所)のゲートG1〜G3がある場合、ゲートG1、G2、G3の手前の検知領域R131、R132、R133にそれぞれ対応して検知部41、42、43があればよい。
検知部41、42、43は同様の構成を有しているので、検知部41について説明し、検知部42、43については説明を省略する。検知部41はゲートG1の手前の床に設けられた圧力センサを備えている。検知部41は、圧力センサの検出値に基づいて検知領域R131における人の存否を検出する。具体的には、検知部40は、圧力センサの検出値が所定の閾値を超えると、検知領域R131に人が存在することを示す第3情報D3を出力し、圧力センサの検出値が閾値未満であれば、検知領域R131に人が存在しないことを示す第3情報D3を出力する。
第1領域A1には、携帯通信端末30からの無線信号を受信する複数の受信機20が配置されている。情報出力システム10の情報生成部13は、通信部11が受信した複数の受信機20での受信強度をもとに、複数の受信機20から携帯通信端末30までの距離をそれぞれ求める。情報出力システム10の記憶部12には複数の受信機20の位置情報が記憶されており、情報生成部13は、複数の受信機20から携帯通信端末30までの距離と、複数の受信機20の位置情報とをもとに、対象領域R1における携帯通信端末30の座標位置を求める。これにより、対象領域R1に携帯通信端末30が存在すると、情報生成部13が、対象領域R1に存在する携帯通信端末30の座標位置を求めることができる。情報生成部13は、検知部41、42、43の検知領域にそれぞれ対応した停止領域R121、R122、R123において携帯通信端末30の存否を検出できる。情報生成部13は、停止領域R121、R122、R123における携帯通信端末30の存否を示す情報を第1情報D1として処理部14に出力する。
そして、処理部14は、情報生成部13から入力される第1情報D1と、検知部41,42,43から通信部11が取得した第3情報D3とに基づいて第2情報D2を出力する。
例えば、ゲートG3の手前の領域R123に携帯通信端末30を携帯する利用者2が移動した場合の動作を説明する。このとき、処理部14には、情報生成部13から領域R123に携帯通信端末30が存在していることを示す第1情報D1が入力され、通信部11から検知部43が人を検知したことを示す信号が入力される。処理部14は、領域R123に携帯通信端末30が存在していることを示す第1情報D1が入力され、かつ、検知部43が人を検知していると、利用者2が第2領域A2への移動行動を行っていると判断する。このとき、処理部14は、通信部11が受信した携帯通信端末30の識別情報と受信機情報とをもとに、ゲートG3の手前に存在する携帯通信端末30の利用者2が、第2領域A2への入場を許可されているか否かを判断する。
処理部14は、携帯通信端末30の利用者2が第2領域A2への入場を許可されていると判断すると、入退管理サーバ100に第2情報D2としてゲートG3を開けるための情報を出力する。このように、処理部14は、携帯通信端末30の位置情報をもとに携帯通信端末30が存在するゲートの位置を特定しているので、別のゲートが誤って開くのを防止でき、セキュリティ性能が向上する。
入退管理サーバ100は、処理部14から第2情報D2としてゲートG3を開けるための情報が入力されると、ゲートG3を開けるための制御信号を駆動部101に出力し、駆動部101がゲートG3を開ける。これにより、携帯通信端末30を携帯する利用者2はゲートG3を通って第2領域A2に入場することができる。
ゲートG3が開き、検知領域R133にいた利用者2が第2領域A2に移動すると、検知部43は人が存在しないことを示す第3情報D3を出力する。処理部14は、検知部43から人が存在しないことを示す第3情報D3が入力されると、ゲートG3を閉めるための情報を第2情報D2として入退管理サーバ100に出力する。
入退管理サーバ100は、処理部14から第2情報D2としてゲートG3を閉じるための情報が入力されると、ゲートG3を閉じるための制御信号を駆動部101に出力し、駆動部101がゲートG3を閉じる。
なお、変形例3では検知部40が圧力センサで実現されているが、検知部40は圧力センサ以外の超音波センサ、電波センサ、感熱式の人感センサなどで実現されてもよい。また、検知部40は、検知領域R13を撮像するカメラの映像を画像処理することによって検知領域R13における人の存否を検知してもよい。また、検知部40は、携帯通信端末30を携帯する利用者2が所持するICカードと非接触通信を行うカードリーダを備え、カードリーダがICカードから識別情報を読み取ることで、検知領域における人の存在を検知してもよい。
(4.4)その他の変形例
上記実施形態及び変形例1〜3において、1又は複数の受信機20が第2領域A2に配置され、情報出力システム10の処理部14が、領域A2から領域A1への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2を出力してもよい。この場合は領域A2が第1領域となり、領域A1が第2領域となる。
上記実施形態及び変形例1〜3において、情報出力システム10の処理部14(出力部)は、第2領域A2への携帯通信端末30の移動行動に関する第2情報D2と、当該携帯通信端末30の識別情報とを出力してもよい。第1領域A1と第2領域A2のセキュリティレベルが同じであり、第2領域A2への出入りが制限されていない場合、処理部14は、第1領域A1から第2領域A2への携帯通信端末30の移動の可否を判定する必要はなく、判定処理を省略できる。処理部14は、第1情報D1に基づいて、携帯通信端末30が第1領域A1から第2領域A2へ移動するための移動行動を行っていると判断すると、移動行動を示す第2情報D2と携帯通信端末30の識別情報とを入退管理サーバ100に出力する。これにより、処理部14から第2情報D2と携帯通信端末30の識別情報を受信した入退管理サーバ100は、第2領域A2に移動しようとしている携帯通信端末30(すなわち、携帯通信端末30を携帯する利用者2)の情報を管理することができる。
上記実施形態及び変形例1〜3では第1領域A1が廊下、第2領域A2が部屋であったが、第1領域A1及び第2領域A2は上記の組み合わせに限定されない。第1領域A1と第2領域A2とは空間的に仕切られていなくてもよく、第1領域A1と第2領域A2とは同じ空間(部屋、廊下等)の境界を挟んだ2つの領域であってもよい。
上記実施形態及び変形例1〜3では第1領域A1と第2領域A2とが建物200の内部の領域であるが、情報出力システム10及び検知システム1は屋外で用いられてもよい。つまり、第1領域A1及び第2領域A2は建物200の外側の空間であってもよい。情報出力システム10及び検知システム1が屋外で用いられる場合、受信機20は、建物の外壁や、地面に立てられた支柱の上部などに取り付けられていればよい。
上記実施形態及び変形例1〜3では、情報出力システム10の処理部14から第2情報D2が出力される外部のシステムが入退管理サーバ100であったが、外部のシステムは入退管理システムに限定されない。例えば、情報出力システム10の処理部14は、照明負荷、空調負荷などの負荷機器を制御する制御システムに第2情報D2を出力してもよく、制御システムは、第2情報D2をもとに負荷機器を制御する。例えば、制御システムは、第2情報D2をもとに、利用者がいる場所の負荷機器を動作させ、利用者がいない場所の負荷機器を停止させてもよいし、利用者の数が増えると負荷機器の出力を増大させ、利用者の数が減ると負荷機器の出力を低減されてもよい。
上記実施形態及び変形例1〜3において、携帯通信端末30は、スマートフォンに限らず、タブレット端末のようなユーザが使用する携帯情報端末でもよいし、ビーコン信号を受信すると無線信号を送信するビーコン受信機でもよい。携帯通信端末30は、他にも例えば、携帯可能なパーソナルコンピュータであってもよい。その場合、受信機20は、携帯通信端末30が送出する無線信号を受信できるように構成されていればよい。
なお、検知システム1は、上記実施形態では、情報出力システム10と、受信機20とで実現されているが、この構成に限らず、情報出力システム10と受信機20とが一体となっていてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の情報出力システム(10)は、情報生成部(13)と、出力部(14)とを備える。情報生成部(13)は、第1領域(A1)と第1領域(A1)に隣接する第2領域(A2)とのうち第1領域(A1)に存在する携帯通信端末(30)から受信する無線信号に基づいて、第1領域(A1)における携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)を生成する。出力部(14)は、第1情報(D1)に基づいて、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動に関する第2情報(D2)を出力する。
第1の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)が、情報生成部(13)によって生成された携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)に基づいて、移動行動に関する第2情報(D2)を出力している。したがって、出力部(14)は携帯通信端末(30)が移動する領域に関する情報を出力できる。よって、第2情報(D2)が入力される外部のシステム(100)では、第2情報(D2)をもとに、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動を把握できる、という利点がある。
第2の態様の情報出力システム(10)では、第1の態様において、第1領域(A1)には、第1領域(A1)の少なくとも一部である対象領域(R1)に対応して、対象領域(R1)に存在する携帯通信端末(30)から無線信号を受信する受信機(20)が配置されている。情報生成部(13)は、受信機(20)が受信した無線信号に基づいて第1情報(D1)を生成する。
第2の態様の情報出力システム(10)によれば、情報生成部(13)は、受信機(20)が携帯通信端末(30)から受信した無線信号に基づいて第1情報(D1)を生成することができる。
第3の態様の情報出力システム(10)では、第1又は第2の態様において、第1情報(D1)は、第1領域(A1)において携帯通信端末(30)が移動した軌跡の情報を含む。
第3の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、携帯通信端末(30)の現在位置の情報だけではなく、携帯通信端末(30)の移動の軌跡の情報をもとに、移動行動に関する第2情報(D2)を出力することができる。
第4の態様の情報出力システム(10)では、第1〜3のいずれかの態様において、第1領域(A1)と第2領域(A2)とが建物の内部の領域である。
第4の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、建物の内部において、携帯通信端末(30)が第1領域(A1)から第2領域(A2)へ移動しようとしている移動行動に関する第2情報(D2)を出力できる。
第5の態様の情報出力システム(10)では、第1〜4のいずれかの態様において、第1情報(D1)は、第1領域(A1)において携帯通信端末(30)が第2領域(A2)に近付くように移動したことに関する情報を含む。
第5の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、携帯通信端末(30)が第2領域(A2)に近付くように移動した情報をもとに、携帯通信端末(30)の移動行動を検出できる。
第6の態様の情報出力システム(10)では、第1〜5のいずれかの態様において、第1情報(D1)は、第1領域(A1)において第2領域(A2)への出入口の手前に設定された停止領域(R12)に、携帯通信端末(30)が停止したことに関する情報を含む。
第6の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、携帯通信端末(30)が停止領域(R12)に停止した情報をもとに、携帯通信端末(30)の移動行動を検出できる。
第7の態様の情報出力システム(10)では、第1〜6のいずれかの態様において、第1情報(D1)は、第1領域(A1)において第2領域(A2)への出入口の手前に設定された停止領域(R12)で、携帯通信端末(30)の向きが変わったことに関する情報を含む。
第7の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、携帯通信端末(30)が停止領域(R12)で向きを変えたとの情報をもとに、携帯通信端末(30)の移動行動を検出できる。
第8の態様の情報出力システム(10)は、第1〜7のいずれかの態様において、検知部(40)の検知結果に関する第3情報(D3)を取得する取得部(11)を更に備える。検知部(40)は、第1領域(A1)において第2領域(A2)への出入口の手前に設定された検知領域(R13)で人の存否を検知する。出力部(14)は、第1情報(D1)と第3情報(D3)とに基づいて第2情報(D2)を出力するように構成される。
第8の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)は、第1情報(D1)と、検知部(40)の検知結果に関する第3情報(D3)とに基づいて第2情報(D2)を出力するので、携帯通信端末(30)の移動行動を確実に検出できる。
第9の態様の情報出力システム(10)では、第1〜8のいずれかの態様において、携帯通信端末(30)から取得する識別情報に基づいて、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動の可否を判定する判定部(14)を更に備える。
第9の態様の情報出力システム(10)によれば、第1領域(A1)から第2領域(A2)への移動が許可されていない携帯通信端末(30)が第2領域(A2)へ移動する可能性を低減できる。
第10の態様の情報出力システム(10)では、第9の態様において、出力部(14)は、判定部(14)が移動可能と判定すると、第2情報(D2)として、第2領域(A2)への出入口を開けるための情報を出力する。出力部(14)は、判定部(14)が移動不可と判定すると、第2情報(D2)として、第2領域(A2)への出入口を閉じるための情報を出力する。
第10の態様の情報出力システム(10)によれば、第1領域(A1)から第2領域(A2)への移動が許可されていない場合、出入口を閉じることで携帯通信端末(30)が第2領域(A2)へ移動する可能性を低減できる。
第11の態様の情報出力システム(10)では、第1〜10のいずれかの態様において、出力部(14)は、携帯通信端末(30)から取得する識別情報と第2情報(D2)とを出力する。
第11の態様の情報出力システム(10)によれば、出力部(14)から出力される識別情報及び第2情報(D2)をもとに、第1領域(A1)から第2領域(A2)へ移動する携帯通信端末(30)を管理することができる。
第12の態様の検知システム(1)は、第1〜11のいずれかの態様の情報出力システム(10)と、第1領域(A1)に配置されて携帯通信端末(30)から無線信号を受信する受信機(20)と、を備える。
第13の態様の検知システム(1)は、第12の態様において、受信機(20)に対して無線信号を送信する携帯通信端末(30)を更に備える。
第12及び第13の態様の検知システム(1)によれば、出力部(14)が、情報生成部(13)によって生成された携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)に基づいて、移動行動に関する第2情報(D2)を出力している。したがって、出力部(14)は携帯通信端末(30)が移動する領域に関する情報を出力できる。よって、第2情報(D2)が入力される外部のシステム(100)では、第2情報(D2)をもとに、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動を把握できる、という利点がある。
第14の態様の情報出力方法は、生成処理と、出力処理とを備える。生成処理では、第1領域(A1)と第1領域(A1)に隣接する第2領域(A2)とのうち第1領域(A1)に存在する携帯通信端末(30)から受信する無線信号に基づいて、第1領域(A1)における携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)を生成する。出力処理では、第1情報(D1)に基づいて、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動に関する第2情報(D2)を出力する。
第14の態様の情報出力方法によれば、出力処理では、生成処理によって生成された携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)に基づいて、移動行動に関する第2情報(D2)を出力している。したがって、出力処理では携帯通信端末(30)が移動する領域に関する情報を出力できる。よって、第2情報(D2)が入力される外部のシステム(100)では、第2情報(D2)をもとに、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動を把握できる、という利点がある。
第15の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、生成処理と、出力処理とを実行させるためのプログラムである。生成処理では、第1領域(A1)と第1領域(A1)に隣接する第2領域(A2)とのうち第1領域(A1)に存在する携帯通信端末(30)から受信する無線信号に基づいて、第1領域(A1)における携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)を生成する。出力処理では、第1情報(D1)に基づいて、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動に関する第2情報(D2)を出力する。
第15の態様のプログラムによれば、出力処理では、生成処理によって生成された携帯通信端末(30)の位置に関する第1情報(D1)に基づいて、移動行動に関する第2情報(D2)を出力している。したがって、出力処理では携帯通信端末(30)が移動する領域に関する情報を出力できる。よって、第2情報(D2)が入力される外部のシステム(100)では、第2情報(D2)をもとに、第1領域(A1)から第2領域(A2)への携帯通信端末(30)の移動行動を把握できる、という利点がある。
なお、本開示は、プログラムに限らず、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
第2〜第11の態様に係る構成については、情報出力システムに必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
第13の態様に係る構成については、検知システムに必須の構成ではなく、適宜省略可能である。