JP2018175020A - 機能的電気刺激システム、及び機能的電気刺激方法 - Google Patents

機能的電気刺激システム、及び機能的電気刺激方法 Download PDF

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倫太郎 上平
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浩史 横井
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俊太 東郷
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Abstract

【課題】適用部位にかかわらず安定的かつ継続的な筋収縮の誘発を可能にする機能的電気刺激を実現する。【解決手段】機能的電気刺激システムは、運動点の移動位置に対応して配置される複数の電極対に印加される周期的な刺激パターンを生成する刺激生成部と、前記刺激パターンに基づいて、前記複数の電極対の中から刺激対象の電極対を選択する電極選択部と、前記電極選択部で選択された電極対に所定のタイミングで所定波形の刺激電圧を印加する電気刺激部とを有し、前記刺激パターンは、前記複数の電極対の間で刺激印加のタイミングをシフトさせたパターンである。【選択図】図7

Description

本発明は、機能的電気刺激の分野に関し、特に持続的な筋収縮を誘発することのできる機能的電気刺激システムと方法に関する。
機能的電気刺激(FES:Functional Electrical Stimulation)は、脳卒中、脊髄損傷などによる運動障害の治療に有効なツールであり、リハビリテーションや筋力増強トレーニングにも効果的に用いられる。一般的には、非侵襲的な表面電極をターゲットとする部位の皮膚に貼り付け、電気刺激を与えることで筋収縮を誘発して、運動機能の回復を支援する。
体表面から電気的な刺激を与えるために、運動点の直上の皮膚に一対の電極が配置され所定の電圧パルスが印加される。運動点は運動神経束が筋繊維束に入り込む位置にあり、運動点に刺激を与えることで運動神経の興奮が生じやすくなる。
FESにより連続的な筋収縮を行うと、筋収縮が弱化して運動誘発を起こしにくくなるという問題がある。FESによる筋収縮の持続性を向上する手法として、「Spatially distributed sequential stimulation(SDSS)」と呼ばれる方法が提案されている(非特許文献1参照)。SDSSは、一対の電極の一方を基準電極として用い、他方の電極を複数の電極に分割して、分割された電極に順次パルスを印加していく手法である。分割された複数の電極はひとつの電極として同じ領域をカバーする。
Nguyen, R., Masani, K., Micera, S., Morari, M., & Popovic, MR., (2011), Spatially distributed sequential stimulation reduces fatigue in paralyzed triceps surae muscles: a case study. Artificial Organs. 35(12) 1174-1180
FESによる筋収縮の持続が難しいという事実は、臨床の現場に影響を及ぼす。たとえば、FESの最適な継続時間の設定や、リハビリテーション中の安定した運動補助が困難になる。上述したSDSS法は、下腿三頭筋において外側頭への刺激と内側頭への刺激を時間的に切り換えるものである。上腕二頭筋、上腕三頭筋、前脛骨筋といった筋肉には外側筋や内側筋が存在せず、SDSS法の適用範囲は限定的である。
本発明は、適用部位にかかわらず安定的かつ継続的な筋収縮の誘発を可能にする機能的電気刺激の手法を提供することを目的とする。
運動点の移動(位置変化)に対応する箇所で機能的電気刺激を与えることで、筋収縮を安定して持続させる。
本発明の第1の態様では、機能的電気刺激システムは、
運動点の移動位置に対応して配置される複数の電極対に印加される周期的な刺激パターンを生成する刺激生成部と、
前記刺激パターンに基づいて、前記複数の電極対の中から刺激対象の電極対を選択する電極選択部と、
前記電極選択部で選択された電極対に所定のタイミングで所定波形の刺激電圧を印加する電気刺激部と、
を有し、前記刺激パターンは、前記複数の電極対の間で刺激印加のタイミングをシフトさせたパターンであることを特徴とする。
本発明の第2の態様では、機能的電気刺激システムは、
筋収縮による関節の変位量を計測する計測部と、
計測された前記変位量に基づき、前記筋収縮による運動点の移動方向に沿って配置される複数の電極対の中から刺激を印加すべき電極対を選択する電極選択部と、
選択された前記電極対に所定波形の刺激電圧を印加する電気刺激部と、
を有することを特徴とする。
FESの適用部位にかかわらず、安定的かつ持続的な筋収縮の誘発が可能になる。
運動点の移動を説明する図である。 本発明の原理を説明する図である。 電極対の配置例を示す図である。 刺激波形のパラメータの設定例を示す図である。 実施例の時間ベースのシフト刺激を、同時刺激と比較して説明する図である。 実験セットアップの模式図である。 実施形態のTSS法による機能的電気刺激を説明する図である。 電気刺激を与える位相を逆にした逆相TSSを説明する図である。 比較例として同時刺激(SS)を説明する図である。 比較例として刺激印加の時間幅を変えたSS法を説明する図である。 実施形態のJASS法による機能的電気刺激を説明する図である。 実施形態のTSS法の効果をSS法と比較して示す図である。 TSS法の効果を、刺激印加の時間幅を変えたSS-1.5と比較して示す図である。 TSS法の効果を逆相TSSと比較して示す図である。 TSS法の効果を示す図である。 実施形態のJASS法の効果をSS法と比較して示す図である。 JASS法の効果を、刺激印加の時間幅を変えたSS-1.5と比較して示す図である。 JASS法の効果を逆相TSSと比較して示す図である。 JASS法の効果を示す図である。 刺激電極の配置構成例を示す図である。 実施形態の機能的電気刺激システムの概略構成図である。
実施形態では、FESによる筋収縮の持続性を向上するために、運動点の移動に対応または追従する箇所で周期的な電気的刺激を与える。たとえば、筋繊維の収縮にともなって運動点の位置が変化したときに、変化後の運動点に最も近い電極位置を選択して周期的な電気刺激を与える。筋収縮は運動点に電気刺激が与えられたときに誘発されるが、歩行練習や肘関節の曲げ伸ばしのような動的または反復的な動きにおいて、刺激印加点と運動点がずれると筋収縮が著しく低下する。本発明は、運動点の移動を考慮した効果的な電気刺激を与えることで、筋収縮低下の問題を解決するものである。
図1は、運動点の位置変化を説明する図である。肘関節を伸ばしている状態(左図)から、肘関節を屈曲させると(右図)、上腕二頭筋の運動点15は遠位端から、体幹に近い近位端側に移動する。電気刺激が与えられている点から運動点が外れると、筋収縮力は急速に低下する。発明者らは、運動点の位置変化に追従すれば、継続的なFESによる筋反応の低下を回避し、筋収縮を持続できるのではないかという知見に達した。
図2は、本発明の原理を説明する図である。運動点の移動に対応して、体表面の異なる箇所に複数の電極対11、12を配置する。腕を伸ばしたときと腕を曲げたときで、上腕二頭筋の運動点の位置が移動する。腕(または肘関節)を伸ばしているときの運動点15−1は、より肘に近い遠位端側にある。このときは、運動点15−1の近傍に配置された刺激電極11a、11bを選択して電圧を印加する。筋肉を収縮させて肘関節を屈曲させると、運動点15−2は、より体幹に近い近位端側に移動する。このときは、運動点15−2の近傍に配置された刺激電極12a、12bに電圧を印加する。各電極対の一方はアノード、他方はカソードである。運動点の移動に対応して、電気刺激を与える電極対を選択し、電極対に電気刺激を与えるタイミングを時間的にシフトさせる。この手法を「時間ベースのシフト刺激(TSS:Time-based Shifting Stimulation)」と呼ぶ。
配置される電極対の数は2組に限定されず、3組以上の電極対を用いてもよい。複数の電極対は筋繊維に沿って配置され、各電極対を構成する2つの刺激電極は、筋繊維と直交する方向に配置される。運動点の移動に伴って刺激を与える電極対を選択し、電極対ごとに刺激印加のタイミングをシフトさせて、各刺激位置で周期的な電気刺激を与える。
時間ベースのシフト刺激(TSS)に対して、後述するように、運動の変位量に基づいて、刺激タイミングをずらして異なる運動点に電気刺激を与える変位量ベースのシフト刺激も有効に用いることができる。変位量ベースのシフト刺激は、上腕二頭筋の運動点の位置は肘関節の回転角度、筋の伸縮量などの変位量と相関するという発明者らの知見に基づく。この知見によると、肘角度あるいは筋の伸縮量を検知することで運動点の位置が推定可能であり、運動点に追従して刺激点を変えることができる。刺激点の変更は、筋繊維に沿って配置される複数の電極対の中から最も運動点に近い電極対を、関節の回転角度等に基づいて選択することで実現できる。変位量ベースのシフト刺激は、膝関節、手首の関節、肩関節などの回転角や筋の収縮量に基づく刺激点の変更にも応用可能である。
これらの理論を実証するために、以下の手順で実証実験を行う。
(1)被験部位として、上腕二頭筋を選択する。刺激電極として非侵襲の表面電極の組を複数組用いる。電極の配置に先立って、まず、被験者の運動点の位置を特定する。運動点の特定は、市販のFESデバイスと、FESデバイスに接続される一対の電極を用いて行う。一方の電極を肘関節の近傍に固定し、電圧オンの状態でもう一方のペン型電極の先端で上腕の表面を走査する。肘を伸ばした状態と、肘を曲げた状態のそれぞれで、最大の収縮が得られる点を運動点として決定する。
(2)図3に示すように、決定した運動点の直上に電極対を配置する。図中の左側の黒点は、肘を伸ばしたときの運動点に対応する刺激点16−1を示す。右側の黒点は、肘を曲げたときの運動点に対応する刺激点16−2を示す。刺激点16−1の近傍に配置される一対の刺激電極11a、11bでチャネル1を形成する。刺激点16−2の近傍に配置される一対の刺激電極12a、12bでチャネル2を形成する。各電極対を構成する2つの刺激電極は、筋繊維と直交する方向に配置される。電極対を構成する2つの刺激電極の離隔距離dは被験者ごとに適宜設定でき、この例ではdを20mmとしている。図3では円形の電極を使用しているが、この例に限定されず、正方形、長方形、多角形など、適切な形状の電極を用いることができる。
(3)図4に示すように、刺激波形のパラメータを設定する。刺激波形の4つの主要なパラメータは、キャリア周波数、バースト周波数、デューティ比、及び振幅である。一例として、キャリア周波数fとして2000Hz(1波長分の時間幅tが500μs)の交流電流を用い、キャリア周波数を100Hzで変調したバースト波形を用いる。この低周波の変調周波数をバースト周波数fとする。バースト波形のパルス幅はtである。バースト波形のパルス幅を周期で除算したデューティ比(t/t)は50%である。低周波でバースト変調された交流電流を用いることで、被験者の皮膚への不快感を抑制しつつ、連続刺激よりも大きなトルクで筋収縮を誘発することができる。4つ目のパラメータである振幅(刺激強度)は、FESによって誘発される運動の角度に基づいて調整可能である。ここでは、被験者の腕を初期位置(腕を真直ぐに伸ばした状態)から40°以上の角度で回動させることのできる最小電圧に設定する。
(4)図5(A)に示すように、チャネル1(刺激電極11a及び11b)とチャネル2(刺激電極12a及び12b)に与える電気刺激の印加パターンを設定する。チャネル1とチャネル2の間で、電気刺激の印加をオンにする区間を、時間軸に沿ってΔtだけシフトさせる(TSS法)。電気刺激のオン区間は周期的であり、各オン区間で図4の波形の電気刺激が印加される。電気刺激のオン区間の時間幅と周期は、被験者の年齢、刺激対象部位、症状、必要な刺激の程度等に応じて、適宜設定することができる。比較例として、図5(B)のように、2組の電極対に同じタイミング、同じ刺激印加パターンで電気刺激を与えるときの筋収縮を測定する。複数のチャネルに同じタイミング、同じパターンで電気刺激を与える比較例の手法を、便宜上「同時刺激(SS:Simultaneous Stimulation)」法と呼ぶ。さらに、関節角度に応じて刺激を与える角度ベースのシフト刺激の測定を行う。変位量の一例として関節角度を用いた刺激法を、以下の説明では便宜上「角度ベースのシフト刺激(JASS:Joint Angle-based Sifting Stimulation) 」と称する。JASSの詳細については後述する。
図6は、実験セットアップの模式図である。8人の健常者を被験者に選択し、あらかじめFESデバイスとペン型電極を用いて各被験者の上腕二頭筋の運動点を見つけておく。実験前のウォームアップとして、各被験者は、水平方向の肘の曲げ伸ばしを10秒間で5回の速度で行っておく。その後、被験者の上腕二頭筋の運動点の位置に、2組の電極対11、12を配置する。被験者は水平なテーブル上に腕を完全に伸ばした状態から、FESの刺激により水平面内で角度θで肘を屈曲し、自発的に元の状態(腕を伸ばした状態)に戻す。これを1セットとカウントして、15分間で180セットの屈伸を繰り返す。このとき、被験者の肩の位置が動かないように、頭部と二の腕の外側を固定しておく。実施形態のTSS法で、2組の電極対のいずれにも電気刺激が与えられない区間、すなわち収縮と収縮の間の休止時間は3.5秒である。実測に先立って、装置に慣れるために1セットのFES収縮を予備的に行う。
電極対11、12はそれぞれFESデバイス20に接続されている。FESデバイス20は、パーソナルコンピュータPC1に接続されており、PC1から出力される制御信号に基づいて電圧を印加する電極対と刺激印加タイミングを選択して電気的刺激を与える。また、被験者の腕にゴニオメータ31に接続されたセンサ素子32を取り付けて、肘下の運動の角度θを測定する。ゴニオメータ31で取得された角度情報はパーソナルコンピュータPC2でデジタル情報に変換されて、PC1に入力される。PC1とPC2は同期しており、JASS測定のときは、PC1は角度情報に基づいて運動点の位置を推定して、FESデバイス20に制御信号を出力する。FESデバイス20から選択された電極対11または12に電圧が印加されると、被験者の肘は水平面内で角度θで回転する。この時の角度θはセンサ素子32とゴニオメータ31によりリアルタイムで取得され、PC2を介してPC1に供給される。
角度計測、運動点の位置推定、刺激電極と刺激印加タイミングの決定、及び電気刺激の印加のサイクルを繰り返し、刺激が常に運動点またはその近傍に付与されるようにする。この実験セットアップを用いて、以下の測定を行う。
<TSS:時間ベースのシフト刺激>
図7は、実施形態のTSS法による機能的電気刺激を説明する図である。図7の測定では、運動点の移動に対応して刺激位置を変えて周期的な刺激を与えることによる筋収縮の持続向上を確認する。図6の実験セットアップにより、被験者の上腕二頭筋の遠位端の運動点に対応する位置に刺激電極の電極対11を配置し、近位端の運動点に対応する位置に電極対12を配置する。電極対11で電気刺激を与える経路をチャネル1、電極対12で電気刺激を与える経路をチャネル2とする。
チャネル1の刺激印加の立ち上がりエッジから0.5秒遅れて、チャネル2での刺激をオンにする。各チャネルでの刺激オンの持続時間(パルス幅)は1秒である。刺激オンの区間では、図4の刺激波形の電気刺激が継続する。1秒間の電気刺激の印加の後に、4秒間の刺激休止を挿入し、1秒間の電気刺激と4秒間の休止を繰り返して、周期的に電気刺激を与える。チャネル2では、チャネル1の刺激印加の立ち上がりエッジから0.5秒遅れたタイミングで、同じ刺激時間幅と周期で電気刺激が印加される。チャネル1、2ともに、刺激印加の周期は5秒である。チャネル1とチャネル2をトータルすると、1周期のうち電気刺激が印加されている時間は1.5秒、刺激の休止期間は3.5秒である。
遠位端のチャネル1での周期的な刺激印加を先に行い、タイミングを遅らせて近位端のチャネル2で周期的な刺激を与えることで、筋収縮が安定的に持続する。
<逆相TSS>
図8は、同じ時間ベースのシフト刺激で、刺激印加の位相を逆にした場合を説明する図である。図8では、近位端のチャネル2での刺激を先に行い、チャネル2の刺激タイミングの立ち上がりエッジから0.5秒遅れて、チャネル1での刺激をオンにする。それ以外の条件は、図7と同じであり、各チャネルでのオン持続時間は1秒間、刺激印加の周期は5秒である。この測定は、刺激印加の効果的な順番を確認するための測定である。
上腕二頭筋で持続的な筋収縮を誘発するには、図8の逆相のTSSよりも、図7のように遠位端の運動点を先に刺激するほうが効果的である。この効果の詳細については後述する。
<SS:同時刺激>
図9は、比較例1として同時刺激を説明する図である。複数の運動点に対応して設定される複数のチャネルに、同じタイミング、同じ刺激印加パターンで同時に電気刺激を与える。実証実験では、上腕二頭筋の遠位端の電極対11で形成されるチャネル1と、近位端の電極対12で形成されるチャネル2に、同じタイミング、同じパターンで電気刺激が印加される。図7のTSSと同じく、電気刺激の持続時間は1秒、刺激周期は5秒である。この測定は、複数のチャネル間で刺激印加のタイミングをシフトさせることの効果を確認するための測定である。
<SS−1.5:刺激印加の時間幅を変えた同時刺激>
図10は、比較例2として、刺激印加の時間幅を1.5秒に増やした同時刺激を説明する図である。チャネル1とチャネル2の双方で、刺激印加の周期は図9と同じく5秒に設定されている。刺激印加のオン区間の長さを長くした分、オン区間とオン区間の間の休止時間が3.5秒と短くなっている。この測定は、刺激印加の時間幅を長くする効果の有無を確認するための測定である。
<JASS:関節角度ベースのシフト刺激>
図11は、実施形態の関節角度ベースのシフト刺激(JASS)を説明する図である。TSSでは、あらかじめ設定された刺激印加の時間幅と周期で、複数のチャネル間で刺激印加のタイミングをずらして刺激を与えていた。JASSでは、モニタされる肘関節の角度に応じて電気刺激のオン・オフを制御して刺激タイミングを変える。測定では、最初に図6の実験セットアップで、FESによる肘関節の回転の最大角度θmaxを被験者ごとに計測する。計測の結果、8人の被験者の肘の最大角度θmaxは71.3°〜98.2°であった。
各被験者について、角度θのレンジを0°から最大回転角θmaxまでの範囲に設定する。遠位端の運動点に対応するチャネル1で、被験者の肘の角度が0°から最大回転角θmaxの2/3に達するまで、電気刺激を印加し続ける。近位端の運動点に対応するチャネル2では、被験者の肘の角度が最大回転角θmaxの1/3になったところから最大回転角θmaxになるまで電気刺激を印加し続ける。電気刺激として図4の刺激波形を用いる。全角度範囲のうち、最初の1/3の範囲はチャネル1のみがオン、1/3〜2/3の範囲でチャネル1とチャネル2の両方がオンにされ、最後の1/3の範囲でチャネル2だけがオンにされる。肘回転の最初の1/3の範囲では、運動点は上腕二頭筋の遠位端に近いところに位置する。水平面内での腕の回転にともなって運動点は遠位端から近位端に移動し、最後の1/3の範囲では、運動点は近位端またはその近傍に位置する。
被験者の腕の回転角は、図6のセンサ素子32とゴニオメータ31によって測定され、測定結果に基づいてPC1から刺激オンの制御信号がFESデバイス20に出力される。この測定は、運動点の移動に追従して電気刺激のタイミングを変えることの効果を確認するための測定である。
<効果確認:TSS法>
図12は、実施形態のTSS法と比較例のSS法(図9)によるFESの測定結果を比較する図である。ここでは、8人の被験者のうち代表的な一人の測定結果を用いている。図12(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮で誘発される肘のピーク回転角の測定結果である。図12(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク回転角をプロットしたものであり、各点が1回の筋収縮によるピークの回転角を表わす。図12(a)、図12(b)ともに、横軸は時間、縦軸は肘の回転角度を表わし、太線が実施形態のTSS法、細い実線が比較例のSS法の測定結果である。
図12(a)からわかるように、SS法でチャネル1とチャネル2に同じタイミングで同時に電気刺激を与えた場合、肘回転のピーク角度が大きく振れて安定しない。これに対し、実施形態のTSS法では、600秒(10分)を超えるところまで、60°〜80°のピーク角度が安定的に維持される。650秒〜900秒の間は、ピークの回転角度が一時的に20°に落ちても、概ね40°〜80°の回転角度が維持されている。
図12(b)では、実施形態のTSS法の効果がより顕著に表れている。比較例のSS法では、電気刺激の開始直後から断続的にしか筋収縮が誘発されず、持続が難しい。これに対し、実施形態のTSS法では、最初の80秒間は安定して70°〜80°以上のピーク角度が維持され、90秒が経過しても60°のピーク角度が得られる。
この測定結果から、複数の刺激電極対の中で、電気刺激を与える電極対を最適なタイミングで選択、及び/または変更して、周期的な刺激印加を行うことで、筋収縮の持続が大幅に改善されることがわかる。実施形態のTSS法では、両チャネルで刺激印加の時間幅は同じに設定されているが(図7の例では1秒間)、チャネル間で刺激印加のタイミングをずらすことで、トータルの刺激印加の持続時間はSS法よりも長くなっている。後述するように筋収縮の強度を安定化するにいは、刺激印加の持続時間よりも、刺激を印加する順番が重要である。
図13は、実施形態のTSS法と、刺激印加の時間幅を変更した比較例の方法(図9のSS−1.5)の測定結果を比較する図である。図13(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮のピーク角度の測定結果、図13(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク角度をプロットしたものである。太線が実施形態のTSS法、細い実線が比較例のSS−1.5の測定結果である。
TSS法とSS−1.5で、刺激印加の持続時間はともに1.5秒であるにもかかわらず、比較例の方法では、安定した筋収縮を実現することができない。むしろ、一回の刺激印加の時間幅を長くした分、筋収縮の低下が著しい。特に、SS−1.5の方法による電気刺激では、肘回転の角度がゼロに落ちる。すなわち、電気刺激が印加されているにもかからわず、筋収縮を誘発することができない。これに対し、実施形態のTSS法では、同じ刺激印加の持続時間で安定した筋収縮を誘発することができる。
この測定結果から、筋収縮を安定して持続させるには、一回の刺激印加の持続時間を長くすることよりも、チャネル間で刺激印加のタイミングをシフトさせることが重要であると理解される。
図14は、実施形態のTSS法と、逆相TSS法の測定結果を比較する図である。図14(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮のピーク角度の測定結果、図14(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク角度をプロットしたものである。太線が実施形態のTSS法、細い実線が逆相TSSの測定結果である。
チャネル1とチャネル2で刺激印加の順番を逆にした場合、一回の筋収縮における複数チャネルでのトータルの刺激印加時間がTSS法と同じく1.5秒になっているにもかかわらず、ピーク角度の振れが大きく、かつピーク角度の最大値が小さい。図14(b)から明らかなように、電気刺激の開始直後から肘の十分な回転を達成できない。また、筋収縮を持続することができず、電気刺激の印加にもかかわらずピーク回転角が0°まで落ちる。これは、運動点の移動と、刺激印加のタイミングシフトの方向が一致していないためと考えられる。
この測定結果から、複数のチャネル間で電気刺激の印加タイミングを時間シフトさせる場合は、電気刺激を印加する順番が重要になることがわかる。
図15は、TSS法、SS法、SS−1.5、逆相TSSの間の比較結果を示す。横軸は、電気刺激の方法、縦軸は肘の回転角である。回転角は、180回の筋収縮(15分間のFES)における平均角度(mean angle)を7人の被験者の間で平均化した値である。8人の被験者のうち、SS−1.5の測定値で異常な値を示した一人の測定結果を排除している。TSS法では、誤差を含めて60°の肘の回転角が達成され、他の手法と比較して、筋収縮の持続効果と強度が大幅に改善されている。TSS法とSS−1.5の間、TSS法とSS法の間、及びTSS法と逆相TSSの間で、分散分析(ANOVA)のp値はいずれも0.01以下である。この比較結果から、手足の動きに応じて所定の順序で刺激位置を周期的にシフトさせることで、安定した筋収縮が得られることがわかる。
<効果確認:JASS法>
図16は、実施形態のJASS法と比較例のSS法(図9)の測定結果を比較する図である。上述のように、JASS法では、肘の回転角度から運動点の位置を推定し、推定された運動点に最も近い刺激電極を選択して電気刺激を与える。図16では、8人の被験者のうち代表的な一人の測定結果を用いている。図16(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮で誘発される肘のピーク回転角の測定結果である。図16(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク回転角をプロットしたものであり、各点が1回の筋収縮によるピークの回転角を表わす。図16(a)、図16(b)ともに、横軸は時間、縦軸は肘の回転角度を表わし、太線が実施形態のJASS法、細い実線が比較例のSS法の測定結果である。
SS法でチャネル1とチャネル2に同じタイミングで同時に電気刺激を与えた場合、肘回転のピーク角度が大きく振れて安定しない。また、電気刺激の開始直後から断続的にしか筋収縮が誘発されず、持続が難しい。これに対し、実施形態のJASS法では、800秒近く(13分)まで、40°から80°を超えるピーク角度が安定的に維持される。最初の90秒間は筋収縮ごとに60°以上のピーク角度が維持される。
この測定結果から、運動点の移動に追従して、電気刺激を印加するチャネル(電極対)を選択することで、筋収縮の持続が大幅に改善されることがわかる。
図17は、実施形態のJASS法と、SS−1.5の測定結果を比較する図である。図17(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮のピーク角度の測定結果、図17(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク角度をプロットしたものである。太線が実施形態のJASS法、細い実線が比較例のSS−1.5の測定結果である。
SS−1.5では、刺激印加の持続時間が1.5秒に延長されているにもかかわらず、SS法と同じく、筋収縮により得られるピーク回転角の振れが大きい。これに対し、実施形態のJASS法では、電気刺激を継続してもピーク回転角の低下が抑制されており、SS−1.5と比較して安定した筋収縮が実現されている。
図18は、実施形態のIASS法と、逆相TSS法の測定結果を比較する図である。図18(a)は、15分(900秒)間のFESによる180回の筋収縮のピーク角度の測定結果、図18(b)は最初の90秒間(18回の筋収縮)のピーク角度をプロットしたものである。太線が実施形態のTSS法、細い実線が逆相TSSの測定結果である。
チャネル1とチャネル2で刺激印加の順番を逆にした場合、刺激印加のタイミングをシフトさせているにもかかわらず、ピーク角度の振れが大きく、かつ筋収縮を持続させることができない。これは、運動点の移動と、刺激印加のタイミングシフトの方向が一致していないためと考えられる。
この測定結果から、肘の運動角度に応じて電気刺激の印加タイミングを制御するJASS法の有効性が確認される。
図19は、JASS法、SS法、SS−1.5、逆相TSSの間の比較結果を示す。横軸は、電気刺激の方法、縦軸は肘の回転角である。回転角は、180回の筋収縮(15分間のFES)における平均角度(mean angle)を7人の被験者で平均化した値である。8人の被験者のうち、SS−1.5の測定値で異常な値を示した一人の測定結果を排除している。JASS法では、誤差を含めて60°の肘の回転角が達成され、他の手法と比較して、筋収縮の持続効果と強度が大幅に改善されている。JASS法とSS−1.5の間、TSS法とSS法の間、及びTSS法と逆相TSSの間で、分散分析(ANOVA)のp値はいずれも0.01以下である。この比較結果から、手足の動きの角度に基づき、運動点の移動に追従して刺激位置を変えることで、安定した筋収縮が得られることがわかる。
JASS法によるシフト刺激は、肘の角度に比例して与えられるが、実際の運動点の位置と肘の角度は非線形である可能性がある。運動点の位置を肘の角度との関係をあらかじめモデル化しておくことで、測定される角度に基づいて運動点に最も近い電極を正確に選択して刺激を与えることができる。
図20は、刺激電極の配置構成例を示す図である。JASS法では、図11に示すように、チャネル間で刺激の印加が重なり合う時間が長い。刺激の重複を避けることで、筋収縮の持続はさらに改善される。たとえば、刺激電極11、12に替えて、より小さな電極111、112、113を用いることで、刺激波の干渉を防止して、より正確に運動点を刺激することが可能になる。
<装置構成>
図21は、実施形態の電気刺激装置10を用いた機能的電気刺激システム1の概略図である。機能的電気刺激システム1は、電気刺激装置10と、複数の電極対51−1〜51−n(nは整数)と、運動計測部30を含む。運動計測部30は、筋肉の伸縮を計測する超音波センサ、関節角度を測定する角度センサなど、筋収縮に関連するパラメータを計測することのできる計測機器である。運動計測部30は、TSS法を実施するときは必ずしも使用しなくてもよく、JASS法を実施するときに必要に応じて使用してもよい。
電気刺激装置10は、トリガ生成部21と、刺激生成部22と、電気刺激部23を有する。刺激生成部22は、刺激波形と刺激印加のON/OFFタイミングを含む刺激パターンを生成する。刺激波形として、たとえばキャリア周波数、バースト周波数、デューティ比、及び振幅で特定される信号波形が生成される。刺激印加のON/OFFタイミングとして、たとえば各チャネルの刺激印加の持続時間(パルス幅)と周期、複数チャネル間での刺激印加のタイミングシフトを含む。刺激印加のタイミングシフトは、たとえば、ターゲットとする筋の遠位端のチャネルから近位端のチャネルに向かって、刺激印加の立ち上がりのタイミングを所定時間ずつ遅らせるように設定される。
刺激生成部22は、生成された刺激パターンに基づいて、各チャネルのON/OFF信号をトリガ生成部21に出力する。また、キャリア周波数、バースト周波数、デューティ比、振幅等で特定される刺激波形を、電気刺激部23に出力する。
トリガ生成部21は、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)211、マイクロコンピュータ212を有する。刺激生成部22から出力されたON/OFF信号は、トリガ生成部21のマイクロコンピュータ212の電極選択部216に供給される。電極選択部216は、ON/OFF信号にづいて刺激を印加する電極対を選択し、選択結果をトリガ信号として電気刺激部23に出力する。電気刺激部23は、トリガ信号に基づいて、選択された電極対に、所定の刺激波形で電圧を印加する。たとえば、電極対51−1に対するトリガ信号が入力される期間、所定の刺激波形で電極対51−1に電圧を印加する。電極対51−1に対する電圧印加の開始から所定時間遅れて、電極対51−2に対するトリガ信号が入力されると、電極対51−2に所定の刺激波形で電圧を印加する。電極対51−1に対するトリガ信号の入力が終了すると、電極対51−1への電圧印加を停止する。刺激波形や刺激タイミングの情報は、マイクロコンピュータ212の内部のメモリ213に保存されていてもよい。これにより、TSS法で電気刺激が実施され、安定的かつ持続的に筋収縮を誘発することができる。
JASS法を実施するときは、トリガ生成部21は、運動計測部30から角度、筋収縮などの運動情報を取得する。運動計測部30で検出された運動情報は、トリガ生成部21のADC21でデジタル情報に変換されて、マイクロコンピュータ212の運動点推定部215に供給される。運動点推定部215は、運動情報から運動点、すなわち刺激位置を計算する。ターゲットの筋が上腕二頭筋である場合、刺激位置は一例として式(1)に基づいて計算されてもよい。
ここで、xは刺激位置、xinit はθinitでの刺激位置、xfinalはθfinalでの刺激位置、θinitは腕を完全に伸ばしたときの初期角度(0°)、θfinal は腕の最大屈曲角度、θは運動計測部30で検出された角度である。運動計測部30で直接筋肉の収縮を計測する場合は、式(1)の角度θに替えて、筋の移動量(伸縮量)を用いることができる。関節角度と刺激位置は必ずしも線形の関係で近似する必要はなく、非線形の関数で近似してもよい。関節の角度によっては筋肉の収縮量が異なるため、非線形の関数で表現する、あるいは角度に応じて線形の関数と非線形の関数を使い分けることも可能である。
運動点推定部215は、算出された刺激位置を電極選択部216に出力する。電極選択部216は、刺激位置情報に基づいて、刺激位置に最も近い電極対を選択し、選択結果をトリガ信号として電気刺激部23に出力する。電気刺激部23は、トリガ信号に基づいて、選択された刺激電極対に、所定の刺激波形で電圧を印加する。たとえば、上腕二頭筋の収縮を誘発する場合は、検出角度が0°から大きくなるにつれて、遠位端の電極対から近位端の電極対に向けて、印加タイミングをシフトさせながら所定の刺激波形の電圧を印加する。
電気刺激装置10を有する機能的電気刺激システム1を用いることで、運動点の位置に対応して電気刺激が印加され、筋収縮を安定的に持続することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、多少な変形例を含む。メモリ213にあらかじめTSSやJASSに必要な波形情報と刺激印加のタイミングを含む刺激印加パターンを格納してメモリ213を刺激生成部22として機能させてもよい。あるいは、外部から刺激印加パターンの入力を受け取る構成にしてもよい。電極選択部216は、メモリ213に保存された情報を読み出して、トリガ情報を生成し出力する構成にしてもよい。また刺激波形のパラメータ(キャリア周波数、バースト周波数、デューティ比、及び振幅)は外部から電気刺激部23に入力されてもよい。
マイクロコンピュータ212は、図6のように汎用コンピュータ(PC)で実現されてもよいし、FESデバイス20に内蔵されるマイクロコンピュータで実現されてもよい。電極選択部216を、マイクロコンピュータ212の機能として実現するかわりに、ハードウェアで実現してもよい。たとえば、チャネル(または電極対)の数と同数の論理回路(FF)を配置し、刺激生成部22から出力されるON/OFF信号とデマルチプレクサで分配されるクロック信号に基づいて、対応する電極対にトリガ信号を出力してもよい。
メモリ213と共に、またはメモリに替えて外部メモリを用いてもよい。メモリ213に、あかかじめ測定した関節の回転角、筋伸縮量などの変位量と、ターゲットの筋の運動点の位置及び/または刺激タイミングとを対応付けたテーブルまたは関数を格納しておいてもよい。運動計測部30として角度センサを用いる場合はゴニオメータに限定されず、加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、エコー、これらの組み合わせ等を利用してもよい。
図7のTSSでは、チャネル1とチャネル2で刺激印加のパルス幅が等しく設定されているが、チャネル2の刺激の立ち上がりをチャネル1の立ち上がりよりも遅らせることができるならば、刺激印加の時間幅をチャネル間で異ならせてもよい。図11のJASSではチャネル1とチャネル2で必ずしも刺激印加の時間幅は同じでなくてもよい。運動点の移動に対応して最適な刺激タイミングで刺激を与えることができれば、適切な時間幅を設定することができる。
本発明は、リハビリテーション、スポーツ、筋力増強トレーニング等に適用可能であり運動の際に安定的かつ継続的に筋収縮を誘発することができる。適用箇所は上腕二頭筋に限定されず、下腕筋の筋繊維に沿って複数組の電極対を配置して、手首、指等を屈曲させる筋収縮を誘発してもよい。
1 機能的電気刺激システム
10 電気刺激装置
11、12、51−1〜51−n、111〜113 刺激電極
20 FESデバイス
21 トリガ生成部
22 刺激生成部
23 電気刺激部
30 運動計測部
31 ゴニオメータ
32 センサ素子
211 ADC
212 マイクロコンピュータ
213 メモリ
215 運動点推定部
216 電極選択部

Claims (9)

  1. 運動点の移動位置に対応して配置される複数の電極対に印加される周期的な刺激パターンを生成する刺激生成部と、
    前記刺激パターンに基づいて、前記複数の電極対の中から刺激対象の電極対を選択する電極選択部と、
    前記電極選択部で選択された電極対に所定のタイミングで所定波形の刺激電圧を印加する電気刺激部と、
    を有し、
    前記刺激パターンは、前記複数の電極対の間で刺激印加のタイミングをシフトさせたパターンであることを特徴とする機能的電気刺激システム。
  2. 前記刺激印加のタイミングを、前記運動点の移動方向と対応する方向にシフトさせることを特徴とする請求項1に記載の機能的電気刺激システム。
  3. 筋収縮による筋または関節の変位量を計測する計測部と、
    検知された前記変位量に基づき、前記筋収縮による運動点の移動方向に沿って配置される複数の電極対の中から刺激を印加すべき電極対を選択する電極選択部と、
    選択された前記電極対に所定波形の刺激電圧を印加する電気刺激部と、
    を有する機能的電気刺激システム。
  4. 前記変位量に基づき、前記運動点の位置を推定する運動点推定部、
    をさらに有し、
    前記電極選択部は、前記運動点推定部の推定結果に基づいて電極対を選択することを特徴とする請求項3に記載の機能的電気刺激システム。
  5. 前記変位量と前記運動点の位置を関連付けた情報を記憶するメモリ、
    をさらに有し、
    前記電極選択部は、前記メモリに記憶された情報を参照して電極対を選択することを特徴とする請求項3に記載の機能的電気刺激システム。
  6. 前記所定波形の刺激電圧は、所定周波数の交流電流を低周波で変調したバースト波形を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能的電気刺激システム。
  7. 筋収縮に伴って移動する運動点の位置を特定し、
    複数の電極対を前記運動点の移動に対応する位置に配置し、
    前記複数の電極対に、所定の刺激電圧を周期的なパターンでタイミングをずらしながら順次印加して筋収縮を誘発する、
    ことを特徴とする機能的電気刺激方法。
  8. 筋収縮に伴って移動する運動点の位置を特定し、
    複数の電極対を前記運動点の移動に対応する位置に配置し、
    前記筋収縮により運動する筋または関節の変位量を検知し、
    前記変位量に基づいて、前記複数の電極対の中から刺激を印加する1以上の電極対を選択し、
    選択した前記電極対に所定波形の刺激電圧を印加する、
    ことを特徴とする機能的電気刺激方法。
  9. 前記刺激電圧は、前記変位量に応じて異なるタイミングで印加されることを特徴とする請求項8に記載の機能的電気刺激方法。
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