以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
[実施の形態1]
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、基地局100と端末200とを有する。この通信システムは、例えば、LTE-Advancedシステムである。そして、基地局100は、例えば、LTE-Advancedシステムに対応する基地局であり、端末200は、例えば、LTE-Advancedシステムに対応する端末である。
また、本実施の形態では、基地局100は、端末200向けのEPDCCHを送信する際、複数のサブフレームにまたがりEPDCCH(制御情報)を送信するsoft combiningを適用可能である(図2参照)。受信側(端末200)は、複数のサブフレームにまたがって送信された制御情報を合成し、受信処理をおこなう。複数のサブフレームにまたがって送信されるEPDCCHは、情報ビットに対して誤り訂正符号化して生成された、情報ビットと冗長ビットとを含むビット列から構成される。また、端末200は、複数のサブフレームにまたがり送信されるEPDCCHを受信した際、EPDCCHの受信が完了してから、データの受信又は送信を行い、ACK/NACK(応答信号)の送信又は受信を行うまでのタイミングを定める。
また、EPDCCHのsoft combiningを適用するサブフレームは、上位レイヤのシグナリングによって、端末200に対して予め設定される。当該サブフレームの設定は、端末毎に異なってもよい。また、同一フレーム内に、soft combiningを適用しないサブフレームとsoft combiningを適用するサブフレームとを含んでもよい。このようにすると、干渉の影響が少ないサブフレームではsoft combiningを適用せずに、干渉の多いサブフレームではsoft combiningを適用するというように、サブフレーム毎の受信品質よって、EPDCCHのsoft combiningを適用するか否かを切り替えることができる。
なお、基地局100及び端末200は、PDCCH領域又はEPDCCH領域を用いた制御情報(DL assignment又はUL grant)の送受信が可能であるが、以下の説明では、説明を簡略するために、EPDCCH領域における制御情報の送受信のみについて説明する。
図3は、本実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
基地局100において、設定部102は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報(割当情報)を割り当てるECCEで構成されるEPDCCHセットを上記複数のサブフレームに設定する。信号割当部105は、複数のサブフレームの各々のPRBペアにおける、ECCEのいずれかに制御情報を割り当てる。
図4は、本実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
端末200において、設定部205は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報(割当情報)が割り当てられるECCEであって、複数のサブフレームに設定されたEPDCCHセットを構成するECCEを特定する。制御信号受信部206は、上記複数のサブフレームの各々のPRBペアにおけるECCEのいずれかに割り当てられた制御情報を受信する。
[基地局100の構成]
図5は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図5において、基地局100は、割当情報生成部101と、設定部102と、誤り訂正符号化部103と、変調部104と、信号割当部105と、送信部106と、受信部107と、復調部108と、誤り訂正復号部109とを有する。
割当情報生成部101は、送信すべき下り回線データ信号(DLデータ信号)、及び、上り回線(UL)に割り当てる上り回線データ信号(ULデータ信号)が有る場合、データ信号を割り当てるリソース(RB)を決定し、割当情報(DL assignmentおよびUL grant)を生成する。DL assignmentは、DLデータ信号の割当に関する情報を含む。UL grantは、端末200から送信されるULデータ信号の割当リソースに関する情報を含む。DL assignmentは信号割当部105へ出力され、UL grantは信号割当部105及び受信部107へ出力される。
設定部102は、各端末200に対して、1つ又は複数のEPDCCH用のサーチスペースを設定する。具体的には、設定部102は、EPDCCH用のサーチスペースを配置するPRBペア番号、アグリゲーションレベル毎のECCEインデックス、当該サーチスペース(EPDCCH)の割当方法(localized割当又はdistributed割当)を端末200毎に設定する。EPDCCH用サーチスペースは複数の割当候補(EPDCCH候補)によって構成される。各「割当候補」はアグリゲーションレベルと同数のECCEから構成される。
設定部102は、端末200に対して複数のEPDCCH用サーチスペースを設定する場合、サーチスペース毎にECCEインデックスを割り当てる。
設定部102は、soft combiningを適用する端末200に対して、soft combiningを適用するサブフレーム(図2参照)を設定する。また、設定部102は、soft combiningを適用する端末200に対して、soft combiningを適用する複数のサブフレームに、EPDCCHセットを設定する。この際、EPDCCHセットを構成するECCEに対応するPRBペアは、上記複数のサブフレームのそれぞれに配置される。これにより、soft combiningに使用される各サブフレームでは、設定されたEPDCCHセットに基づいて、上述したサーチスペースが設定される。
設定部102は、設定したサーチスペースに関する情報、及び、EPDCCHのsoft combiningが適用されるサブフレーム番号に関する情報を信号割当部105へ出力する。サーチスペースに関する情報には、例えば、PRBペア番号、PRBペア数等が含まれる。また、設定部102は、サーチスペースに設定されたPRBペアに関する情報、及びEPDCCHの割当方法に関する情報を制御情報として誤り訂正符号化部103へ出力する。
誤り訂正符号化部103は、送信データ信号(DLデータ信号)、及び、設定部102から受け取る制御情報を入力とし、入力された信号を誤り訂正符号化し、変調部104へ出力する。
変調部104は、誤り訂正符号化部103から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後のデータ信号を信号割当部105へ出力する。
信号割当部105は、割当情報生成部101から受け取る割当情報(DL assignment及びUL grant)を、設定部102から受け取るサーチスペース情報に示されるPRBペア番号に対応するECCE(割当候補単位のECCE)のうちのいずれかに割り当てる。このとき、信号割当部105は、当該割当情報に対してsoft combiningが設定されている場合、設定部102から受け取るsoft combiningに関する情報に示されるサブフレーム番号に対応する複数のサブフレームの各々のPRBペアにおけるECCEのいずれかに当該割当情報を割り当てる。これにより、割当情報は、ECCEが配置されるPRBペアに割り当てられる(例えば、図1参照)。また、信号割当部105は、変調部104から受け取るデータ信号を、割当情報生成部101から受け取る割当情報(DL assignment)に対応する下り回線リソースに割り当てる。
こうして割当情報及びデータ信号が所定のリソースに割り当てられることにより、送信信号が形成される。形成された送信信号は、送信部106へ出力される。また、信号割当部105は、DL assignmentの送信に使用したECCEのECCEインデックスを受信部107へ通知する。なお、soft combiningを適用する場合には、信号割当部105は、DL assignmentの送信に使用された複数のサブフレームのうち、最後尾のサブフレーム(以下、「最終サブフレーム」と呼ばれることもある)におけるECCEのECCEインデックスを受信部107へ通知する。
送信部106は、入力信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して端末200へ送信する。
受信部107は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、復調部108へ出力する。具体的には、受信部107は、割当情報生成部101から受け取ったUL grantが示すリソースに対応する信号を受信信号から分離し、分離された信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に復調部108へ出力する。また、受信部107は、信号割当部105から受け取ったECCEインデックスに関連付けられたPUCCHリソースに対応する信号からA/N信号を抽出(受信)する。
復調部108は、入力信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部109へ出力する。
誤り訂正復号部109は、入力信号を復号し、端末200からの受信データ信号を得る。
[端末200の構成]
図6は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。図6において、端末200は、受信部201と、信号分離部202と、復調部203と、誤り訂正復号部204と、設定部205と、制御信号受信部206と、誤り訂正符号化部207と、変調部208と、信号割当部209と、送信部210とを有する。
受信部201は、基地局100から送信された信号をアンテナを介して受信し、ダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部202へ出力する。
信号分離部202は、受信部201から受け取る受信信号のうち、リソース割当に関する制御信号を抽出し、抽出された信号を制御信号受信部206へ出力する。また、信号分離部202は、制御信号受信部206から出力されたDL assignmentが示すデータリソースに対応する信号(つまり、DLデータ信号)を受信信号から抽出し、抽出された信号を復調部203へ出力する。なお、信号分離部202は、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合、soft combiningに使用される複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに基づいて、データリソースに対応する信号(DLデータ信号)を受信信号から抽出する。
復調部203は、信号分離部202から出力された信号を復調し、当該復調された信号を誤り訂正復号部204へ出力する。
誤り訂正復号部204は、復調部203から出力された復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。誤り訂正復号部204は、特に、基地局100から制御信号として送信された、「サーチスペースに設定されたPRBペアに関する情報」及び「EPDCCHのsoft combiningが適用されるサブフレームに関する情報」を設定部205へ出力する。
設定部205は、EPDCCHを使用する自機(端末200)に設定されたサーチスペースを特定する。例えば、設定部205は、まず、誤り訂正復号部204から受け取る情報に基づいて、サーチスペースに設定するPRBペアを特定する。次いで、設定部205は、EPDCCHのsoft combiningが適用されるサブフレームに関する情報に基づいて、soft combiningが適用されるEPDCCHを特定する。そして、設定部205は、PRBペアに対応するサーチスペースのECCEインデックスを決定する。これにより、設定部205は、複数のサブフレームにまたがって送信されるEPDCCHが割り当てられるECCE(上記複数のサブフレームに設定されたEPDCCHセットを構成するECCE)を特定する。なお、この際、設定部205は、複数のEPDCCH用サーチスペースが設定された場合、サーチスペース毎にECCEインデックスを割り振る。また、設定部205は、端末200毎に予め定められている基地局100と端末200との間の共通ルールに従って、アグリゲーションレベル毎にどのECCEインデックスがEPDCCH候補に設定されるかを特定する。例えば、設定部205は、UE ID(端末個別のID)及びsoft combiningの適用があるか否かに基づいて、アグリゲーションレベル毎のEPDCCH候補となるECCEインデックスを特定する。次いで、設定部205は、サーチスペースとして設定されたPRBペアおよびECCEに関する情報を制御信号受信部206へ出力する。
制御信号受信部206は、信号分離部202から受け取る信号成分において、設定部205から受け取る情報に示されるPRBペアに対応するECCEに対してブラインド復号を行うことにより、自機宛の制御信号(DL assignment又はUL grant)を検出する。すなわち、制御信号受信部206は、設定部205で設定されたサーチスペースを構成する複数の割当候補の内の1つに割り当てられた制御信号を受信する。なお、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合、制御信号受信部206は、複数のサブフレームの各々のPRBペアにおけるECCEの何れかに割り当てられた制御信号を受信する。制御信号受信部206は、検出した自機宛のDL assignmentを信号分離部202へ出力し、検出した自機宛のUL grantを信号割当部209へ出力する。また、制御信号受信部206は、DL assignmentが検出されたECCEのECCEインデックスを信号割当部209へ出力する。
誤り訂正符号化部207は、送信データ信号(ULデータ信号)を入力とし、その送信データ信号を誤り訂正符号化し、変調部208へ出力する。
変調部208は、誤り訂正符号化部207から受け取る信号を変調し、変調信号を信号割当部209へ出力する。
信号割当部209は、変調部208から受け取る信号を、制御信号受信部206から受け取るUL grantに従って割り当て、送信部210へ出力する。このとき、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合、信号割当部209は、soft combiningが適用された複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに基づいて、当該信号の送信サブフレームを決定する。また、信号割当部209は、誤り訂正復号部204から受け取るA/N信号を、所定のリソースに割り当てる。具体的には、信号割当部209は、送信データ信号が存在する場合には当該送信データ信号にA/N信号を多重して、送信部210へ出力する。一方、信号割当部209は、送信データ信号が存在しない場合には、制御信号受信部206から受け取るECCEインデックスに基づいてPUCCHリソースを特定し、特定したPUCCHリソースにA/N信号を割り当て、送信部210へ出力する。このとき、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合、信号割当部209は、soft combiningが適用された複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに基づいて、A/N信号の送信サブフレームを決定する。
送信部210は、入力信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、送信する。
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
以下では、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合における、(1)PDSCHのタイミング、(2)上り回線のA/N信号(UL ACK/NACK)のタイミング、及び、(3)PUSCHのタイミングについてそれぞれ説明する。
[PDSCHのタイミング]
基地局100及び端末200は、soft combiningが適用されたEPDCCHを用いて通知されるDL assignmentが指定するPDSCHの送信タイミング(つまり、PDSCHが配置されるサブフレーム)を、soft combiningが適用されたEPDCCHが配置される複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに設定する。
図7は、PDSCHの設定例を示す。図7に示すように、サブフレーム#0及びサブフレーム#1の2つのサブフレームを用いたsoft combiningが適用される場合、基地局100は、端末200に対するPDSCHを、上記2つのサブフレームのうち、最終サブフレームであるサブフレーム#1に配置する。すなわち、図7に示すように、サブフレーム#0及びサブフレーム#1に配置されたEPDCCHを用いて通知されるDL assignmentには、PDSCH用のリソースとして、サブフレーム#1内のリソースが指定される。
すなわち、基地局100(信号割当部105)は、EPDCCH(DL assignment)によって割当を指示される下り回線データ(PDSCH)を、soft combiningに使用される複数のサブフレームのうち、最後尾のサブフレームに割り当てる。
一方、図7では、端末200(制御信号受信部206)は、soft combiningが適用されるサブフレーム#0及びサブフレーム#1に配置されているECCEに対してブラインド復号を行うことにより、端末200向けのDL assignmentを検出する。そして、端末200(信号部分離部202)は、検出されたDL assignmentに基づいて、最終サブフレームであるサブフレーム#1において、PDSCH(DLデータ信号)を抽出する。
ここで、端末200において、soft combiningが適用されたEPDCCHを用いて通知されるDL assignmentの検出は、最終サブフレーム受信後に行われる。そして、端末200は、DL assignmentを検出後、DL assignmentにより指定されたPRBペアにPDSCHが割り当てられたと特定し、PDSCHの受信処理を開始する。
従って、仮に、PDSCHが、最終サブフレームよりも前のサブフレームに配置される場合には、端末200は、PDSCHに割り当てられたPRBペアの特定(検出)が完了するまでの間、PDSCHとして割り当てられた可能性があるすべてのPRBペアにおいて受信した受信信号をバッファに格納しなければならない。
これに対して、本実施の形態では、PDSCHは、soft combiningが適用される複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに配置される。こうすることで、PDSCHの受信タイミングからEPDCCHの検出完了時までに受信した受信信号をバッファに保存する期間を最小限に抑えることができる。換言すると、EPDCCHのsoft combiningが適用される場合でも、PDSCHの受信タイミングからEPDCCHの検出完了時までに受信した受信信号をバッファに保存する期間を、EPDCCHのsoft combiningを適用しない場合(non soft combining)における当該期間と同様にすることができる。これにより、端末200が備えるべきバッファのサイズが大きくなることを防ぐことができる。
[UL ACK/NACKのタイミング]
LTE-Advancedでは、端末は、PDSCHを受信後に、受信判定(誤り判定)を行い、上り回線のA/N信号(UL ACK/NACK)を基地局100へ送信する(図示せず)。また、上り回線のA/N信号が送信されるサブフレームは予め定められている。具体的には、上り回線のA/N信号が送信されるサブフレームは、FDD(Frequency Division Duplex)システムの場合、PDSCHが割り当てられたサブフレームの4サブフレーム後に設定され、TDD(Time Division Duplex)システムの場合、TDDのUL-DL configuration(1フレームあたりの下り通信(DL)と上り通信(UL)とのサブフレーム単位のタイミング設定)毎に規定されている。ただし、FDDシステム及びTDDシステムの何れにおいても、上り回線のA/N信号の送信タイミングは、必ずPDSCHの4サブフレーム以上後に設定される。
本実施の形態では、上り回線のA/N信号の送信タイミング(UL ACK/NACKを送信するサブフレーム)を、PDSCHの受信サブフレームに従って規定する。FDDシステムの場合、PDSCHの受信サブフレームの4サブフレーム後に設定され、TDDシステムの場合、PDSCHの受信サブフレームを基準とし、TDDのUL-DL configuration毎に規定に従う。上り回線のA/N信号は、PUSCH送信がある場合はPUSCH領域で送信され、PUSCH送信がない場合はPUCCH領域で送信される。
LTE-Advancedでは、PUCCH領域で上り回線のA/N信号を送信する場合、DL assignmentが配置されるEPDCCH(つまり、PDSCHが送信されるサブフレームのEPDCCH)を構成するECCEのうち最小のECCE番号に対応付けられたPUCCHリソース(implisitに指示されるリソース)を指定することで、端末間でのPUCCHリソースが、衝突しないように自動的に(implisitに)割り当てられる。
そこで、基地局100及び端末200は、EPDCCHのsoft combiningが適用された場合、PDSCHが送信されるサブフレームに配置されたEPDCCHのECCE番号に対応付けられたPUCCHリソースを特定する。
すなわち、端末200は、soft combiningに使用される複数のサブフレームのうち、EPDCCH(DL assignment)によって割当を指示される下り回線データ(PDSCH)が割り当てられるサブフレームに配置されたECCEに対応付けられたPUCCHにおいて、当該下り回線データに対するA/N信号(応答信号)を送信する。したがって、サブフレームによって割り当てられるECCE番号が異なる場合、A/N信号の送信に使用されるPUCCHリソースに対応付けられたECCEは、EPDCCHを構成するECCEのうち、最小のECCE番号とは限らない。同様に、基地局100(受信部107)は、soft combiningに使用される複数のサブフレームのうち、EPDCCH(DL assignment)によって割当を指示される下り回線データ(PDSCH)が割り当てられるサブフレームに配置されたECCEに対応付けられたPUCCHにおいて、当該下り回線データに対するA/N信号(応答信号)を受信する。
例えば、EPDCCHのsoft combiningが適用された複数のサブフレームのうち、最終サブフレームにPDSCHが配置される場合、基地局100及び端末200は、最終サブフレームに配置されたEPDCCHのECCE番号を用いて、上記PDSCHに対する上り回線のA/N信号が割り当てられるPUCCHリソースを特定する。具体的には、図7では、EPDCCHのsoft combiningが適用されたサブフレーム#0及びサブフレーム#1のうち、最終サブフレームであるサブフレーム#1にPDSCHが配置される。よって、図7では、基地局100及び端末200は、サブフレーム#1の4サブフレーム後のサブフレーム#5における、サブフレーム#1に配置されたEPDCCHのECCE番号に対応付けられたPUCCHリソースを、PDSCHに対する上り回線のA/N信号が割り当てられるPUCCHリソースとして特定する。
このようにすることで、EPDCCHのsoft combiningが適用された端末と、EPDCCHのsoft combiningが適用されていない端末との間でEPDCCHのサーチスペースを共有している場合でも、基地局100では、双方の端末向けのPDSCHが割り当てられるサブフレームにおいて、これらの端末向けのEPDCCHに用いられるECCE番号の割当が行われる。これにより、当該サブフレームでは、これらの端末に対して、PUCCHリソースの衝突を考慮してECCE番号が割り当てられるので、PUCCHリソースが、端末間で衝突しないように自動的に(implisitに)割り当てられる。
[PUSCHのタイミング]
LTE-Advancedでは、端末は、UL grantを受信後にPUSCHを送信する。PUSCHが送信されるサブフレームは予め定められている。具体的には、PUSCHが送信されるサブフレームは、FDDシステムの場合、UL grantが割り当てられたサブフレームの4サブフレーム後に設定され、TDDシステムの場合、TDDのUL-DL configuration毎にに規定されている。また、1フレームにおいて、DLサブフレーム数よりもULサブフレーム数の方が多い場合には、1つのDLサブフレームにおいて、複数のULサブフレームのPUSCHを指定することも可能である。ただし、この場合も、PUSCHが送信されるサブフレームは、必ずUL grantの4サブフレーム以上後に設定される。
また、端末では、UL grantを検出後、UL grantにより指定されたPRBペアがPUSCHに割り当てられたと特定され、データ(PUSCH)のサイズ及び送信方法が決定される。従って、端末では、EPDCCHのsoft combiningが適用されたサブフレームのうち、最終サブフレーム(UL grantの検出完了時)から一定以上の間隔(LTE-Advancedでは4サブフレーム以上)を設けないと、PUSCHの送信処理を準備することができない。
そこで、本実施の形態では、soft combiningが適用されたEPDCCHを用いて送信されるUL grantが指定するPUSCHの送信タイミングを、soft combiningが適用されたEPDCCHが配置される複数のサブフレームのうちの最終サブフレームを基準として特定する。PUSCHの送信タイミング(PUSCHを送受信するサブフレーム)が、soft combiningの最終サブフレームを基準として特定されることにより、UL grantの検出タイミングからPUSCHの送信準備までの間隔を、EPDCCHのsoft combiningが適用されない場合と同様にすることができる。
特に、TDDシステムでは、UL-DL configuration毎に規定されている、UL grantの送受信タイミングとPUSCHの送受信タイミングとの対応付け(UL grant-PUSCH timing)に従って、DLサブフレームであってもUL grantが送信されないサブフレームが存在する。そこで、TDDシステムの場合、soft combiningに使用される複数のサブフレームのうち、最後尾のサブフレームは、UL grantを含むEPDCCHの送信サブフレームと同一とする。
図8は、一例として、UL-DL configuration #1の場合のサブフレームを示す。図8に示すように、UL-DL configuration #1では、サブフレーム#0, #4, #5, #9がDLサブフレームであり、サブフレーム#1, #6がスペシャルサブフレーム(EPDCCHおよびPDSCHの送信として使用できるサブフレーム)であり、サブフレーム#2, #3, #7, #8がULサブフレームである。また、図8に示すようにUL grant-PUSCH timingが予め規定されており、UL grantを配置できるサブフレームはサブフレーム#1, #4, #6, #9であり、各サブフレームにおいて通知されたUL grantに対して、ULサブフレーム#7, #8, 次のフレーム(図示せず)のサブフレーム#2, 次のフレームのサブフレーム#3においてPDSCHがそれぞれ割り当てられる。
これに対して、図8に示すように、Soft combiningが適用される場合、UL grantが送信されないサブフレームにおいても、UL grantが配置されることがある。そこで、本実施の形態では、UL grantを含むEPDCCHのsoft combiningが適用される場合、Soft combiningが適用されるEPDCCHが配置されるサブフレームのうちの最終サブフレームを、Soft combiningが適用されない場合にUL grantを送信できるサブフレームとする。
こうすることで、UL grantの検出タイミングからPUSCHのタイミングを変更することなくsoft combining を運用することができる。
例えば、図8では、サブフレーム#1, #4, #6, #9のみが、soft combining の最終サブフレームに設定される。具体的には、図8では、サブフレーム#0と#1、及び、サブフレーム#5と#6において、UL grantを含むEPDCCHのsoft combiningがそれぞれ設定されている。図8に示すように、soft combiningが適用されない場合にUL grantが配置されないサブフレーム#0, #5にも、UL grantを含むEPDCCHが配置される。この場合でも、当該EPDCCHを用いて通知されたUL grantに対するPUSCHの送信タイミングは、当該EPDCCHが送信されたサブフレームのうちの最終サブフレームに基づいて特定される。つまり、UL grantを含むsoft combiningが適用される場合、Soft combiningが適用されたEPDCCHを用いて送信されるUL grantが指定するPUSCHのタイミング(PUSCHの先頭送信サブフレーム)は、soft combiningが適用されるEPDCCHが配置される最終サブフレームを基準として定まる。これにより、soft combiningを適用しない場合と比較して、UL grantの検出タイミングからPUSCHのタイミングまでの関係を変更することなく、soft combiningを運用することができる。
なお、EPDCCHのSoft combiningが適用されるサブフレームの指定が、DL assignmentとUL grantとで共通の場合、UL grantに関しては、上記最終サブフレームが、Soft combiningが適用されない場合にUL grantを送信できるサブフレームになっている場合のみ、Soft combiningが行われ、この条件を満たさない場合、soft combiningが行われないとしてもよい。
以上、EPDCCHのsoft combiningが適用されている場合における、各信号(PDSCH、UL ACK/NACK、PUSCH)のタイミングについて説明した。
次に、soft combining適用の有無を切り替える場合について説明する。
例えば、EPDCCHのsoft combiningが適用されるサブフレームにおいて、同一サブフレーム内のEPDCCH候補を、soft combining用のEPDCCH候補と、soft combiningを適用しないEPDCCH候補とに分割してもよい。こうすることで、同一サブフレーム内において使用するEPDCCH候補によって、soft combining適用の有無を瞬時の回線品質に応じて柔軟に切り替えることができる。
ここで、soft combining用のEPDCCH候補数をK1とし、soft combiningを適用しないEPDCCH候補数をK2とする。図9Aは、LTE-Advancedにおける、アグリゲーションレベル(L)及びPRBペアとEPDCCH候補数との関係の一例を示す。
図9Bは、図9Aに示すEPDCCH候補に対して、soft combining適用の有無を切り替える場合のsoft combining用のEPDCCH候補と、soft combiningを適用しないEPDCCH候補とに分割した一例を示す。
例えば、soft combiningを適用しないEPDCCHの運用として、3つの方法1〜方法3のいずれかを適用することが考えられる。
(方法1)
方法1では、soft combiningを適用しないEPDCCHは、どのサブフレームにも配置可能であるが、当該EPDCCHによって通知するPDSCHは、soft combiningが適用されるサブフレームの最終サブフレームに対応するサブフレームに配置され、当該EPDCCHによって通知されるPUSCHは、上記最終サブフレームを基準に特定されるサブフレームに配置される。
この場合、端末200は、最終サブフレーム以外のサブフレームでは、K2個のEPDCCH候補をモニタ(ブラインド復号)し、最終サブフレームではK1+K2個のEPDCCH候補をモニタする。
方法1によれば、soft combining用のPDSCH及びPUSCHの各タイミングを、soft combiningを適用しない場合にも使用できるので、スケジューリングが簡単になる。特に、UL HARQでは、サブフレームによってUL HARQプロセス番号が決まっているので、UL HARQプロセス番号を変更することなく、soft combining適用の有無の切替が可能となる。
(方法2)
方法2では、soft combiningを適用しないEPDCCHは、soft combiningが適用されるサブフレームの最終サブフレームに対応するサブフレーム以外のサブフレームに配置される。具体的には、soft combiningが適用されるサブフレーム数が2個の場合、soft combiningを適用しないEPDCCHは、先頭のサブフレーム(1stサブフレーム)に配置される。
この場合、端末200は、最終サブフレーム以外のサブフレームでは、K2個のEPDCCH候補をモニタし、最終サブフレームではK1個のEPDCCH候補をモニタする。
方法2によれば、soft combiningの適用の有無に応じてEPDCCH候補のモニタ対象となるサブフレームが分散されるので、サブフレーム毎に端末200がモニタするEPDCCH候補数を平均化できる。
また、下り回線では、soft combiningを適用しないEPDCCHが送信されるサブフレームと、当該EPDCCHによって通知されるPDSCHが送信されるサブフレームとを異なるサブフレームに設定してもよい。こうすることで、EPDCCH用のサブフレームとデータ(PDSCH)用のサブフレームとを分けることができるので、データの送信にパワーが必要な場合には、EPDCCHの送信に使用可能なパワーをデータの送信に使用することができる。
(方法3)
方法3では、soft combiningを適用しないEPDCCHは、どのサブフレームにも配置できる。
この場合、端末200は、soft combiningが適用されるサブフレームの最終サブフレームに対応するサブフレーム以外のサブフレームでは、K2個のEPDCCH候補をモニタし、最終サブフレームに対応するサブフレームではK1+K2個のEPDCCH候補をモニタする。
また、PDSCHは、どのサブフレームに配置してもよく、PUSCHは、EPDCCHが検出されたサブフレームを基準に特定されるサブフレームに配置される。
方法3によれば、soft combiningを適用しない場合のPDSCH/PUSCH割当の柔軟性が高くなる。
以上、soft combining適用の有無を切り替える場合について説明した。
以上のように、本実施の形態によれば、soft combiningを適用する場合の各信号の送受信タイミング(各信号のリソース配置)を適切に設定できる。
なお、上述したEPDCCHのsoft combiningと合わせて、PDSCH及びPUSCHのsoft combining(TTI bundlingと呼ばれることもある)が適用されることも考えられる。この場合、DL assignmentを用いて割当が指示されるDLデータ(PDSCH)の先頭位置(先頭サブフレーム)を、DL assignmentを含むEPDCCHが送信される複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに配置してもよい。これにより、PDSCHの受信タイミングからEPDCCHの検出処理の完了時までの間に、受信信号(PDSCHである可能性のある信号)をバッファに保存する間隔を、EPDCCHのsoft combiningが適用されない場合と同様にすることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、soft combiningが適用されるEPDCCHが配置される複数のサブフレームにおけるEPDCCHのリソース配置(サーチスペース設定)について説明する。
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図5及び図6を援用して説明する。
本実施の形態では、soft combiningに使用される複数のサブフレームの各々に対して、1つのEPDCCHセットがそれぞれ設定される。つまり、複数のサブフレームの各々に設定される複数のEPDCCHセットを連結して、EPDCCHのsoft combiningが行われる。
なお、EPDCCHセット毎にPRBペア数、PRBペア番号(周波数リソース。つまり、PRBペアの位置)が設定される。また、PRBペア数によって、EPDCCHセット内のECCE数であるNECCEが定まり、ECCE#0〜ECCE#NECCE-1のECCEが配置される。
図10は、2つのサブフレームを用いてEPDCCHのsoft combiningが行われる例を示す。なお、送信されるEPDCCHのビット列は、予めアグリゲーションレベルが2以上(AL2以上)に相当するものに設定されている。図10では、EPDCCH#0及びEPDCCH#1はAL2であり、EPDCCH#2はAL4である。
本実施の形態では、各EPDCCHは2分割され、EPDCCHセット0(サブフレーム#0に対応するEPDCCHセット)のECCEと、EPDCCHセット1(サブフレーム#1に対応するEPDCCHセット)のECCEとにそれぞれ配置される。すなわち、各EPDCCHは、ECCE単位で分割される。
例えば、図10では、EPDCCH#0は、EPDCCH#0aとEPDCCH#0bとに分割され、EPDCCHセット0及びEPDCCHセット1のAL1のEPDCCH候補(1つのECCE)にそれぞれ配置される。同様に、EPDCCH#1は、EPDCCH#1aとEPDCCH#1bとに分割され、EPDCCHセット0及びEPDCCHセット1のAL1のEPDCCH候補(1つのECCE)にそれぞれ配置される。同様に、EPDCCH#2は、EPDCCH#2aとEPDCCH#2bとに分割され、EPDCCHセット0及びEPDCCHセット1のAL2のEPDCCH候補(2つのECCE)にそれぞれ配置される。
つまり、基地局100(設定部102)は、soft combiningに使用される複数のサブフレームの各々に対して、EPDCCHセットをそれぞれ設定する。また、基地局100(信号割当部105)は、EPDCCH(制御情報)を上記複数のサブフレーム数と同数だけECCE単位で分割し、分割されたEPDCCHの各々を、上記複数のサブフレームの各々に設定されたEPDCCHセットを構成するECCEのいずれかに割り当てる。
この際、端末200毎のEPDCCH候補は、サブフレーム番号によって異なる。よって、図10に示すように、サブフレーム#0とサブフレーム#1とでは、分割されたEPDCCHはそれぞれ異なるEPDCCH候補に配置される。LTE-Advancedでは、端末200毎のEPDCCH候補を示す式として以下の2式が検討されている。
式(1)及び式(2)において、Lはアグリゲーションレベル(AL)を示し、Yp,kはUE ID(端末ID)を示し、Kはサブフレーム番号を示し、pはサーチスペースセット番号を示す。また、iは0,1,…,L-1の値を採る。
また、m'は、クロスキャリアスケジューリングが設定された際に使用されるパラメータであって、次式で表される。
Mp (L)は、サーチスペースセットpにおいて、アグリゲーションレベル(L)でモニタするEPDCCH候補数を示し、nCIは、クロスキャリアスケジューリングの設定に使用されるパラメータ(carrier indicator field value)を示す。式(3)において、クロススケジューリングが設定されない場合にはm'=mとなる。
すなわち、mはアグリゲーションレベル(L)毎のEPDCCH候補の番号を表す。
本実施の形態では、上記分割されたEPDCCHの各々は、soft combiningが適用されるサブフレームの各々において、“m”(サブフレーム間で同一番号)によって示されるEPDCCH候補に配置される。
このようにすると、使用されるEPDCCH候補の番号をsoft combiningが適用されるサブフレーム間で共通化できる。具体的には、soft combiningが適用されるサブフレーム(ここでは、2サブフレーム)では、アグリゲーションレベル(AL)毎に、Mp (L)*Mp (L)パターンとなるEPDCCH候補の組み合わせを、Mp (L)パターンに制限することができる。また、各サブフレームにおいて、同一番号mのEPDCCH候補を用いる場合でも、当該EPDCCH候補(ECCE)はサブフレーム毎に異なる。すなわち、同一番号mのEPDCCH候補(ECCE)であってもサブフレーム毎に割り当てられる周波数リソースが異なるので、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。また、実際に割り当てられるRE数がECCE番号毎に異なる場合には、RE数を平均化することができる。
次に、soft combiningが適用されるサブフレームにおけるEPDCCHのサーチスペースの設定方法1,2について説明する。なお、以下では、一例として、2サブフレームにまたがってsoft combiningが適用される場合について説明する。ただし、soft combiningに使用されるサブフレームは2サブフレームに限らず、3サブフレーム以上であってもよい。
(方法1:2つのサブフレームに設定されるEPDCCHセットが同一の場合)
図11Aは、non soft combining時に設定されるEPDCCHセットを示し、図11Bは、soft combining時に設定されるEPDCCHセットを示す。
図11Bに示すように、soft combiningが適用される2つのサブフレーム(1st subframe及び2nd subframe)にそれぞれ設定される、EPDCCHセット0及びEPDCCHセット1を同一とする。
これにより、図11Bに示すように、サブフレーム毎に配置されるEPDCCHセットは、同一のPRBペア数(4個)、かつ、同一のPRB番号(同一のPRBペア配置位置)となる。ただし、各EPDCCHセットを構成するEPDCCH候補に対応するECCEは、サブフレーム毎に異なる。
こうすることで、アグリゲーションレベル(AL)毎のEPDCCH候補がEPDCCHセット間(つまり、同一EPDCCHが割り当てられるサブフレーム間)で等しくなる。よって、全てのEPDCCH候補をEPDCCHのsoft combining用のサーチスペースとして使用することができる。
また、EPDCCHが複数のサブフレームにおいて同一PRBペアに配置されるので、EPDCCHに使用される参照信号であるDMRS(Demodulation reference signal)のプリコーディングを、soft combiningが適用されるサブフレーム間で共通としてもよい。こうすることで、例えば、端末200の移動速度が遅い場合、連続するサブフレーム間でのチャネルの変動は少ないと仮定できるので、端末200は、複数のサブフレームの参照信号を合成し、チャネル推定制度を向上させることができる。
また、LTE-Advancedでは端末毎に2つのEPDCCHセットを設定することができる。そこで、一方のEPDCCHセットをsoft combining用とし、他方のEPDCCHセットをnon soft combining用とし、運用を動的に切り替えることもできる。
(方法2:2つのサブフレームに設定されるEPDCCHセットが異なる場合)
図12Aは、non soft combining時に設定されるEPDCCHセットを示し、図12Bは、soft combining時に設定されるEPDCCHセットを示す。
図12Bに示すように、soft combiningが適用される2つのサブフレーム(1st subframe及び2nd subframe)にそれぞれ設定される、EPDCCHセット0及びEPDCCHセット1は異なる。
図12Bに示すように、soft combiningが適用されるサブフレームでは、サブフレーム毎に1つのEPDCCHセットが配置され、図12Aに示すように、soft combiningが適用されないサブフレームでは、2つのEPDCCHセットが配置される。
図12A及び図12Bに示すように、soft combiningに使用される複数のサブフレームにそれぞれ設定されたEPDCCHセット毎に、PRBペア数、PRB番号(PRBペアの配置位置)、割当方法(distributed割当又は localized割当)を設定できる。つまり、方法2では、異なるデザインのEPDCCHセットを用いてsoft combiningを行うことができる。
例えば、図12Bでは、EPDCCHのsoft combiningが適用される2つのサブフレームのうち、1st subframeに設定されるEPDCCHセットのPRBペア数は4個(N=4)であり、2nd subframeに設定されるEPDCCHセットのPRBペア数は2個(N=2)である。このように、PRBペア数がサブフレーム間(EPDCCHセット間)で異なるので、アグリゲーションレベル(AL)毎のEPDCCH候補数も異なる。例えば、図13に示すように、PRBペア数N=2のEPDCCH候補数は、AL(L=1,2,4,8,16)毎にそれぞれ4,2,1,1,0であるのに対して、PRBペア数N=4のEPDCCH候補数は、AL(L=1,2,4,8,16)毎にそれぞれ2,3,2,1,1である。
ここで、図13において、AL1(L=1。ただし、soft combiningが適用されるとL=2)に着目すると、PRBペア数N=2のEPDCCHセットのEPDCCH候補は4個(EPDCCH候補番号m=0,1,2,3)であり、PRBペア数N=4のEPDCCHセットのEPDCCH候補数は2個(EPDCCH候補番号m=0,1)である。この場合、基地局100及び端末200では、2つのEPDCCHセットに共通する2つのEPDCCH候補(m=0,1)のみをsoft combining用のEPDCCH候補とし、残りのEPDCCH候補(PRBペア数N=2の2つのEPDCCH候補(m=2,3)をnon soft combining用のEPDCCH候補として使用する。なお、他のALについても同様である。
すなわち、方法2では、AL毎のEPDCCH候補がEPDCCHセット間で異なるので、EPDCCH候補数が異なる場合には、少ない方の候補数分のEPDCCH候補を、soft combing用のサーチスペースとして使用する。この場合、多い方のEPDCCHセットにおける残りのEPDCCH候補を、non soft combing用のサーチスペースとして使用することができる。
また、方法2によれば、EPDCCHに使用する領域をサブフレーム毎に変更できる。例えば、soft combiningに使用されるサブフレームのうち、最終サブフレーム(図12Bでは2nd subframe)にPDSCHが配置される場合、他のサブフレーム(図12Bでは1st subframe)と比較して、最終サブフレームに配置されるEPDCCH領域を少なくすることで、PDSCH領域を確保できる。
以上、サーチスペースの設定方法1,2について説明した。
このように、本実施の形態によれば、soft combiningを適用する場合のEPDCCHを配置するリソース配置を適切に設定できる。
なお、LTE-AdvancedのEPDCCHでは、DCI format、バンド幅、サブフレームの種類、サブキャリア数等の条件によってAL毎のEPDCCH候補数が異なる。具体的には、LTE-Advancedでは、上記条件をCase1,2,3に分けており、Case 1はAL2(L=2)以上をサポートしており、Case 2及びCase 3はAL1(L=1)以上をサポートしている。そこで、本実施の形態では、AL2以上のEPDCCHを想定する場合について説明したが、soft combingを適用することにより、AL1のEPDCCHをAL2以上のEPDCCHとして扱うことができる。すなわち、本実施の形態では、AL2以上のEPDCCH候補数が用意されているcase 1のみでなく、AL1のEPDCCH候補数から用意されているCase2又はCase3を全てのDCI formatに適用してもよい。こうすることで、Soft combining 時にALが大きくなりすぎることを防ぐことができる。
[実施の形態3]
実施の形態2では、soft combiningが適用される複数のサブフレームのそれぞれに設定される複数のEPDCCHセットを連結してsoft combiningを行う場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、1つのEPDCCHセットのPRBペアを、soft combiningが適用される複数のサブフレームに振り分ける場合について説明する。
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図5及び図6を援用して説明する。
具体的には、基地局100(設定部102)は、soft combiningに使用される複数のサブフレーム全体に対して1つのEPDCCHセットを設定する。ただし、当該1つのEPDCCHセットを構成するECCEに対応するPRBペアは、soft combiningに使用される複数のサブフレームに分散して配置される。
例えば、EPDCCHセットのPRBペア数がN個であり、soft combiningに使用されるサブフレーム数がMの場合、1サブフレームあたりN/M個のPRBペアが配置される。
図14は、2つのサブフレーム(M=2)でEPDCCHのsoft combiningが行われる例を示す。図14では、EPDCCHセットのPRBペア数を4(N=4)とする。従って、図14では、1サブフレームあたり2個(=N/M)のPRBペアが配置される。なお、図14では、EPDCCH#0及びEPDCCH#1がAL1であり、EPDCCH#2がAL2である。また、各EPDCCHは、EPDCCHセット0におけるECCEの割当式に従い配置される。
図14では、EPDCH#0がECCE#0に配置され、EPDCCH#1がECCE#1に配置され、EPDCCH#2がECCE#2,#3に配置される。そして、各ECCEは、EPDCCHセット0の4つのPRBペア(例えば、PRB index #0,#1,#2,#3)にそれぞれ配置される。ただし、図14では、PRB index #0,#2は、サブフレーム#0に配置され、PRB index #1,#3は、サブフレーム#1に配置される。つまり、1つのEPDCCHセット0が、soft combiningが適用される複数のサブフレームに分割して配置される。
こうすることで、本実施の形態では、AL1を用いてもsoft combiningを適用することができる。また、soft combiningに使用されるサブフレームあたりのEPDCCH領域のリソース量を低減できるので、EPDCCHに使用されないリソースを、PDSCHに使用することができる。
[N=8の場合のバリエーション]
図15は、サーチスペースセットのPRBペア数がN=8であり、ECCEあたりのEREG数が4個の場合における、ECCEとPRBペアとの対応関係の一例を示す。図15では、ECCEによって、配置されるPRBペアが異なる。具体的には、偶数番号(index)のECCEは、偶数番号のPRBペアに配置され、奇数番号のECCEは、奇数番号のPRBペアに配置される。
この場合のsoft combiningに使用される複数のサブフレーム(ここでは2個)へのEPDCCHセット(PRBペア)の分割のバリエーション1,2について説明する。
(バリエーション1)
バリエーション1では、soft combiningを行う際、偶数番号のPRBペアを配置するサブフレームと、奇数番号のPRBペアを配置するサブフレームとに分ける。例えば、2つのサブフレームを用いてsoft combiningが行われる場合、1stサブフレームに偶数番号のPRBペアが配置され、2ndサブフレームに奇数番号のPRBペアが配置される。
こうすることで、1つのECCEで構成されるAL1のEPDCCHは、1stサブフレーム又は2ndサブフレームの一方に配置される。つまり、AL1のEPDCCHに対してのみ、soft combiningが適用されない。これにより、ALを選択することで、soft combiningとnon soft combiningとを切り替えることができる。
なお、上述したように、バリエーション1ではAL2のEPDCCHよりsoft combiningを適用できる。そこで、LTE-Advancedにおいて、AL2のEPDCCH候補数から用意されているCase1(非特許文献1参照)を、全てのDCI formatに適用してもよい。こうすることで、全てのEPDCCH候補に対してsoft combiningを適用することができる。
(バリエーション2)
バリエーション2では、soft combiningを行う際、偶数番号のPRBペアと奇数番号のPRBペアとを含むPRBペアの組を1つのサブフレームに配置する。例えば、2つのサブフレームを用いてsoft combiningが行われる場合、図15において、1stサブフレームに、PRB pair#0,#1,#4,#5のPRBペアが配置され、2ndサブフレームに、PRB pair #2,#3,#6,#7のPRBペアが配置される。
こうすることで、1つのECCEで構成されるAL1のEPDCCHであっても、1stサブフレーム及び2ndサブフレームにそれぞれ配置される。これにより、AL1のEPDCCHについてもsoft combiningを適用することができる。
以上、複数のサブフレームへのEPDCCHセット(PRBペア)の分割のバリエーションについて説明した。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態2と同様、soft combiningを適用する場合のEPDCCHを配置するリソース配置を適切に設定できる。
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
(他の実施の形態)
[1]soft combiningを適用する場合、AL毎のEPDCCH候補数を変更してもよい。例えば、図16Aは、変更前のAL毎のEPDCCH候補数を示し、図16Bは、変更後のAL毎のEPDCCH候補数(soft combining用)を示す。図16Bでは、図16Aと比較して、低いAL(L=1)のEPDCCH候補数が減少される一方、高いAL(L=8)のEPDCCH候補数が増加されている。このように、特に、高いALのEPDCCH候補を多くすることで、soft combiningの効果が高くなる。
[2]例えば、図7,8に示すように、soft combiningに使用されるサブフレームとして、連続するサブフレームを用いる場合について説明したが、soft combiningに使用されるサブフレームは、必ずしも連続するサブフレームでなく、不連続なサブフレームであってもよい。
[3]実施の形態2,3においてEPDCCHのsoft combiningを行う際、条件に応じて、各サブフレームのDMRSのプリコーディングが同一であると仮定してもよい。
条件の一例としては、例えば、soft combiningが適用されるEPDCCHが配置されるPRBペアがサブフレーム間で同一の場合である。例えば、実施の形態2の(方法1)では、soft combiningに使用される複数のサブフレームにおいて同一のEPDCCHセットが使用されるので、各サブフレームのDMRSのプリコーディングが同一であると仮定できる。
また、他の条件の一例としては、例えば、soft combiningが適用される各サブフレームにおいて、EPDCCHが配置されるPRBペアが一定範囲以内に配置されている場合である。一定範囲以内とは、例えば、隣接するPRB pair indexである。
又は、条件の一例として、soft combiningが適用される各サブフレームにおいて、EPDCCHが配置されるPRBペアがPRB bundlingの範囲以内に配置されている場合である。PRB bundlingの範囲とは、帯域幅によって定まる値であり、1,2,3個のPRBペアのパターンがある。
また、実施の形態3では、複数のサブフレーム間でPRBペア(位置)は必ず異なり、サブフレーム間でDMRSのプリコーディングを同一にすることが困難である。そこで、実施の形態3を適用する場合には、soft combiningに使用されるサブフレーム間では、同一のPRB ペアを使用してもよい。例えば、soft combiningに使用される2つのサブフレームにおいて、2ndサブフレームで使用されるPRBペアを、1stサブフレームで使用されるPRBペアと同一になるように、2ndサブフレームで使用されるPRBペアの位置をシフトさせてもよい。
[4]また、上記実施の形態では、複数のサブフレーム(つまり、時間領域)にまたがってsoft combiningを行う場合について説明した。しかし、上記実施の形態は、周波数領域(例えば、Carrier aggregation)に適用してもよい。この場合、上記実施の形態において複数のサブフレームにEPDCCHを配置した代わりに、複数のComponent Carrier(CC)にまたがってEPDCCHを配置すればよい。また、例えば、実施の形態1では、複数のサブフレームのうちの最終サブフレームに配置されたEPDCCHのECCE(index)によってPUCCHリソースがimplisitに指示された。これに対して、Carrier aggregation時には、複数のCarrier Componentのうち、PCellに配置されたEPDCCHのECCE(index)によってPUCCHリソースをimplisitに指示されてもよい。
[5]また、実施の形態2におけるEPDCCHのsoft combiningを、同一サブフレーム内の2つのEPDCCHセットに適用してもよい。このようにすると、1サブフレーム内における最大ALを大きくすることができ、受信品質が悪いサブフレームにおいて、EPDCCHの受信品質を向上することができる。
[6]上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
以上、本開示の基地局は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報を割り当てるEnhanced Control Channel Element(ECCE)で構成されるEnhanced Physical Downlink Control Channel(EPDCCH)セットを前記複数のサブフレームに設定する設定部と、前記複数のサブフレームの各々のPhysical Resource Block(PRB)ペアにおける前記ECCEのいずれかに前記制御情報を割り当てる割当部と、を具備する構成を採る。
また、本開示の基地局において、前記設定部は、前記複数のサブフレームの各々に対して、前記EPDCCHセットをそれぞれ設定し、前記割当部は、前記制御情報を前記複数のサブフレーム数と同数だけ前記ECCE単位で分割し、前記分割された制御情報の各々を、前記複数のサブフレームの各々に設定された前記EPDCCHセットを構成する前記ECCEのいずれかに割り当てる。
また、本開示の基地局において、前記複数のサブフレームの各々に設定される前記EPDCCHセットは同一である。
また、本開示の基地局において、前記複数のサブフレームの各々に設定される前記EPDCCHセットは異なる。
また、本開示の基地局において、前記設定部は、前記複数のサブフレーム全体に対して1つの前記EPDCCHセットを設定し、前記1つのEPDCCHセットを構成する前記ECCEに対応するPRBペアは、前記複数のサブフレームに分散して配置される。
また、本開示の基地局において、前記割当部は、前記制御情報によって割当を指示される下り回線データを、前記複数のサブフレームのうち、最後尾のサブフレームに割り当てる。
また、本開示の基地局において、前記複数のサブフレームのうち、前記制御情報によって割当を指示される下り回線データが割り当てられるサブフレームに配置された前記ECCEに対応付けられたPhysical Uplink Control Channel(PUCCH)において、前記下り回線データに対する応答信号を受信する受信部、をさらに具備する。
また、本開示の基地局において、上り回線データの割当を指示する前記制御情報の送信サブフレームと、前記上り回線データの受信サブフレームとが対応付けられ、前記複数のサブフレームのうち、最後尾のサブフレームは、前記送信サブフレームと同一である。
また、本開示の端末は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報が割り当てられるEnhanced Control Channel Element(ECCE)であって、前記複数のサブフレームに設定されたEnhanced Physical Downlink Control Channel(EPDCCH)セットを構成する前記ECCEを特定する設定部と、前記複数のサブフレームの各々のPhysical Resource Block(PRB)ペアにおける前記ECCEのいずれかに割り当てられた前記制御情報を受信する受信部と、を具備する構成を採る。
また、本開示の送信方法は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報を割り当てるEnhanced Control Channel Element(ECCE)で構成されるEnhanced Physical Downlink Control Channel(EPDCCH)セットを、前記複数のサブフレームに設定し、前記複数のサブフレームの各々のPhysical Resource Block(PRB)ペアにおける前記ECCEのいずれかに割り当てられた前記制御情報を送信する。
また、本開示の受信方法は、複数のサブフレームにまたがって送信される制御情報が割り当てられるEnhanced Control Channel Element(ECCE)であって、前記複数のサブフレームに設定されたEnhanced Physical Downlink Control Channel(EPDCCH)セットを構成する前記ECCEを特定し、前記複数のサブフレームの各々のPhysical Resource Block(PRB)ペアにおける前記ECCEのいずれかに割り当てられた前記制御情報を受信する。