JP2018174478A - 光通話送受信器と光給電システム - Google Patents

光通話送受信器と光給電システム Download PDF

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Nobutomo Hanzawa
信智 半澤
道雄 尾崎
Michio Ozaki
道雄 尾崎
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Abstract

【課題】音声信号の分離が容易であり、且つ音声信号の通信品質を悪化させない光通話送受信器を提供する。【解決手段】所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部10と、第1光音声信号α1の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号βを送信する給電信号送信部11と、第1光音声信号α1と給電信号βを合波する合波カプラ12と、相手側送受信器から第2光音声信号α2を受信する第1光音声受信部13と、合波カプラ12で合波した合波信号を相手側送受信器に出力し、相手側送受信器から送信される第2光音声信号α2を第1光音声受信部13に出力する光サーキュレータ14とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、停電時でも利用可能な光通話送受信器と光給電システムに関する。
加入者宅とネットワーク側装置との間を光アクセス回線を介して接続し、停電時でも動作可能な緊急通報システムが例えば特許文献1に開示されている。ただし、この緊急通報システムは、停電時にバッテリの電力を使い切ってしまうと動作できなくなる。
そこで、停電時に光ファイバを介して光エネルギーを送出し、その光エネルギーを電気エネルギーに変換し、ネットワークの終端側に配置される各装置に電力を供給する光給電方式が例えば特許文献2に開示されている。特許文献2の光給電方法は、1つの波長の光信号で電力とクロック信号を伝達するものである。
特許第4602853号公報 特開2007−49612号公報
しかしながら、特許文献2に開示された光給電方式のように、1つの波長で信号伝達と他の情報伝達を行おうとするとクロック信号を伝達する程度のことしかできない。つまり、電力供給と例えば音声通話(音声信号の伝送)を同時に行う場合を想定すると、1つの波長から音声信号を分離することが困難であり、音声信号の通信品質が悪化する課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、電力供給と音声通話を同時に行う場合に、音声信号の分離が容易であり、且つ音声信号の通信品質を悪化させない光通話送受信器と光給電システムを提供することを目的とする。
本実施形態の一態様に係る光通話送受信器は、所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、前記相手側送受信器から第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記第2光音声信号を前記第1光音声受信部に出力する光サーキュレータとを備えることを要旨とする。
また、本実施形態の他態様に係る光通話送受信器は、所定の波長の第2光音声信号を送信する第2光音声送信部と、前記第2光音声信号を相手側送受信器へ出力し、前記相手側送受信器から送信される第1光音声信号と、該第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電力に変換される給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、前記第1光音声信号と前記給電信号を分波する分波カプラと、前記第1光音声信号を受信する第2光音声受信部と、前記給電信号を前記電力に変換する給電信号受光部とを備えることを要旨とする。
また、本実施形態の他態様に係る光通話送受信器は、所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記所定の波長の第2光音声信号と該第2光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電源となる被給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、前記第2光音声信号と前記被給電信号を分波する分波カプラと、前記第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、前記被給電信号を電力に変換する給電信号受光部とを備えることを要旨とする。
また、本実施形態の一態様に係る光給電システムは、所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち第2光通話送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、前記第2光通話送受信器から第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、前記合波カプラで合波した合波信号を前記第2光通話送受信器に出力し、前記第2光通話送受信器から送信される前記第2光音声信号を前記第1光音声受信部に出力する光サーキュレータとを備える第1光通話送受信器と、所定の波長の前記第2光音声信号を送信する第2光音声送信部と、前記第2光音声信号を前記第1光通話送受信器へ出力し、前記第1光通話送受信器から送信される前記第1光音声信号と、該第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電力に変換される前記給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、前記第1光音声信号と前記給電信号を分波する分波カプラと、前記第1光音声信号を受信する第2光音声受信部と、前記給電信号を前記電力に変換する給電信号受光部とを備える前記第2光通話送受信器とを具備することを要旨とする。
また、本実施形態の他態様に係る光給電システムは、所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記所定の波長の第2光音声信号と該第2光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電源となる被給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、前記第2光音声信号と前記被給電信号を分波する分波カプラと、前記第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、前記被給電信号を電力に変換する給電信号受光部とを備える光通話送受信器を複数具備し、加入者収容局側に配置された前記光通話送受信器と、加入者宅側に配置された前記光通話送受信器とが光ファイバを介して接続されることを要旨とする。
本発明によれば、電力供給と音声通話を同時に行う場合に、音声信号の分離が容易であり、且つ音声信号の通信品質を悪化させない光通話送受信器と光給電システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る光通話送受信器の機能構成例を示す図である。 光ファイバ増幅器の特性例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光通話送受信器の機能構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る光通話送受信器の機能構成例を示す図である。 本実施形態の光通話送受信器を用いた光給電システムの構成例を示す図である。 SBS閾値とSRS閾値を、計算した結果を示す図である。 図1に示す光通話送受信器を2波長型に変形した機能構成例を示す図である。 図3に示す光通話送受信器を2波長型に変形した機能構成例を示す図である。 図4に示す光通話送受信器を2波長型に変形した機能構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔第1実施形態〕
図1に、本発明の第1実施形態に係る光通話送受信器1の機能構成例を示す。光通話送受信器1は、例えば加入者収容局側に配置され、加入者側宅に配置される他の光通話送受信器と音声通話をする例えばPON(Passive Optical Network)システムを構成する。また、光通話送受信器1は、加入者側宅に配置される他の光通話送受信器へ電力を供給する光給電システムを構成する。光給電システムについては後述する。
光通話送受信器1は、第1光音声送信部10、給電信号送信部11、合波カプラ12、第1光音声受信部13、及び光サーキュレータ14を備える。光通話送受信器1は、加入者側宅に配置される他の光通話送受信器に、音声信号と給電信号を送信する。
第1光音声送信部10は、所定の波長の第1光音声信号αを送信する。第1光音声信号αは、音声通話に用いる光信号であり、例えば1570nmの波長の光信号である。また。第1光音声信号αは、音声信号の振幅を、時間軸方向で標本化し、更に量子化したディジタル信号である。
給電信号送信部11は、第1光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号βを送信する。給電信号βの波長は、例えば1530nmとする。
給電信号送信部11は、例えば1530nmに最大利得を持つGeコアシリカファイバの光ファイバ増幅器で構成できる。図2に、光ファイバ増幅器の特性例を示す。
図2の横軸は波長[μm]、縦軸は増幅利得[dB]である。実線で示す特性はGeコアシリカファイバ、破線はAl/Ge添加コアファイバ、及び一点鎖線はフッ化物ファイバの利得特性を示す。
比較的に平坦な利得特性を示すAl/Ge添加コアファイバとフッ化物ファイバに対して、Geコアシリカファイバは1530nmの波長にピークを持ち1570nmではほとんど利得がない特性を示す。第1光音声信号αの波長1570nmでは、ほとんど利得がないため第1光音声信号αに雑音を生じさせない。なお、ASE雑音を生じる場合は、給電信号送信部11と合波カプラ12の間にフィルタを付加しても良い。
合波カプラ12は、波長の異なる第1光音声信号αと給電信号βを1つ(合波信号(α+β))に合波する。合波カプラ12はWDMカプラである。WDM(Wavelength Division Multiplexing)とは、波長分割多重方式のことである。
第1光音声受信部13は、加入者側宅に配置される他の光通話送受信器である相手側送受信器から第2光音声信号αを受信する。第1光音声受信部13は、受信したディジタル信号から音声信号の振幅を復調して外部に出力する。第2光音声信号の波長αは、第1光音声信号αの波長と同じで有っても良いし、異なっていても良い。なお、第2光音声信号の波長αが、第1光音声信号αの波長と異なる場合の光通話送受信器の構成については後述する。
光サーキュレータ14は、合波カプラ12で合波した合波信号を相手側送受信器に出力し、相手側送受信器から送信される第2光音声信号αを第1光音声受信部13に出力する。光通話送受信器1と図示しない相手側送受信器は、光ファイバで接続される。
以上説明した光通話送受信器1によれば、給電信号βと第1光音声信号αのそれぞれ波長が異なる信号を合波カプラ12で合波する。よって、第1光音声信号αのSN比を悪化させずに第1光音声信号αと給電信号βを合成することができる。また、波長が異なる第1光音声信号αと給電信号βを分離することもWDMカプラ(分波カプラ)で容易に行える。
したがって、光通話送受信器1は、音声信号(第1光音声信号α)の分離が容易であり、且つ音声信号の通信品質を悪化させない効果を奏する。次に、相手側送受信器として用いるのに好適な光通話送受信器2を、第2実施形態として説明する。
〔第2実施形態〕
図3に、第2実施形態に係る光通話送受信器2の機能構成例を示す。光通話送受信器2は加入者側宅に配置する。この場合、加入者収容局側には、上記の光通話送受信器1が配置される。
光通話送受信器2は、第2光音声送信部20、光サーキュレータ21、分波カプラ22、第2光音声受信部23、給電信号受光部24、及び蓄電池25を備える。なお、第2光音声送信部20と第2光音声受信部23のそれぞれは、説明の便宜上その表記を変えているが、図1に示す第1光音声送信部10と第1光音声受信部13と同じものである
光通話送受信器2は、この例では加入者側の音声信号で変調した第2光音声信号αを送信する。第2光音声信号αの波長は、上記のように第1光音声信号の波長と同じで有っても良いし、異なっていても良い。
光サーキュレータ21は、第2光音声信号αを相手側送受信器へ出力し、相手側送受信器から送信される所定の波長の第1光音声信号αと該第1光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電力に変換される給電信号βとを合波した合波信号(α+β)を分波カプラ22に出力する。
分波カプラ22は、第1光音声信号αと給電信号βを分波する。第2光音声受信部23は、第1光音声信号αを受信する。給電信号受光部24は、光通話送受信器1から受信した給電信号βを、自らを動作させる電力に変換する。給電信号βを変換した電力は、蓄電池25に蓄えても良いし、そのまま光通話送受信器2の各機能構成部を動作させる電力として使用しても良い。
以上説明した光通話送受信器2によれば、第2光音声信号αのSN比を悪化させずに光通話送受信器1に送信することができる。また、光通話送受信器1から送信される第1光音声信号αのSN比を悪化させずに受信することができ、給電信号βの光エネルギーを変換した電力で自ら動作することが可能である。つまり、停電時においても光通話送受信器1から供給される電力で、光通話送受信器1とSN比の良い音声通話を行うことが可能である。
次に、上記の光通話送受信器1と光通話送受信器2の両者の機能構成部を全て備えた光通話送受信器3を第3実施形態として説明する。
〔第3実施形態〕
図4に、第3実施形態に係る光通話送受信器3の機能構成例を示す。光通話送受信器3は、第1光音声送信部10、給電信号送信部11、合波カプラ12、第2光音声受信部23、光サーキュレータ14、分波カプラ22、第2光音声受信部13、給電信号受光部24、及び蓄電池25を備える。
光通話送受信器3は、参照符号から明らかなように光通話送受信器1と光通話送受信器2の全ての機能構成部を備える。つまり、光通話送受信器3は、所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部10と、第1光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号βを送信する給電信号送信部11と、第1光音声信号αと給電信号βを合波する合波カプラ12と、合波カプラ12で合波した合波信号(α+β)を相手側送受信器に出力し、相手側送受信器から送信される所定の波長の第2光音声信号αと該第2光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電源となる被給電信号βとを合波した合波信号(α+β)を分波カプラ22に出力する光サーキュレータ14と、第2光音声信号αと被給電信号を分波する分波カプラ22と、第2光音声信号αを受信する第2光音声受信部23と、被給電信号βを電力に変換する給電信号受光部24とを備える。なお、本実施形態は、第1光音声信号αと第2光音声信号αの波長は同じである。また、給電信号βと被給電信号βの波長は同じである。
光通話送受信器3は、加入者側宅に配置しても良い。その場合、加入者側宅に配置された光通話送受信器3から、加入者収容局側に配置された光通話送受信器3に電力を供給することも可能である。
なお、光通話送受信器3は、光通話送受信器1と光通話送受信器2で得られる全ての効果を奏する。次に、本実施形態の光通話送受信器1と光通話送受信器2を用いた光給電システム100について説明する。
(光給電システム)
図5に、本実施形態の光通話送受信器1,2を用いた光給電システム100の構成例を示す。図5は、停電時に、加入者収容局側110に配置された光通話送受信器1から加入者宅側120に配置された光通話送受信器2に電力を供給し、光通話送受信器1と光通話送受信器2の間で音声通話ができるようにしたものである。
加入者収容局側110は、OLT(光加入者線終端装置)111、4分岐スプリッタ112、及び光通話送受信器1を備える。4分岐スプリッタ112の1つのポート112aは光ファイバ114を介して8分岐スプリッタ115に接続される。
加入者収容局側110に配置される光通話送受信器1は、ポート112aと8分岐スプリッタ115を接続する光ファイバ114に、光ファイバ113と図示を省略しているカプラを介して接続される。なお、光通話送受信器1は、OLT111と4分岐スプリッタ112の間の光ファイバに、図示を省略しているカプラを介して接続するようにしても良い。
OLT111を、加入者宅側120に向けて通過する光信号は4分岐スプリッタ112と8分岐スプリッタ115によって32分岐される。その32分岐された8分岐スプリッタ115の1つのポート115aは、ONU(光回線終端装置)122で終端する。
加入者宅側120は、光切替スイッチ121、ONU122、及び光通話送受信器2を備える。図5では、ONU122に接続される加入者のパーソナルコンピュータ等の表記は省略している。
8分岐スプリッタ115のポート115aとONU122の間に、光切替スイッチ121が光ファイバを介して直列に接続される。光切替スイッチ121は、ONU122と光通話送受信器2を切り替えて8分岐スプリッタ115のポート115aに接続する。
光切替スイッチ121の切り替えは、例えば加入者が行う。通常時は、ポート115aはONU122に接続される。加入者は、停電時に光通話送受信器2をポート115aに接続させるように光切替スイッチ121を切り替える。なお、光切替スイッチ121の切り替えは、停電時に自動的に行うようにしても良い。
停電時、光通話送受信器1は、光ファイバ113、カプラ、光ファイバ114、8分岐スプリッタ115、及び光切替スイッチ121を介して接続される光通話送受信器2に合波信号(給電信号βと第1光音声信号α)を送信する。給電信号βは、停電時に光通話送受信器2が動作する電力を光(光パワー)で供給する。
光ファイバに大きな光パワーを入力する場合、光ファイバ非線形の誘導ブリルアン散乱(SBS:Stimulated Brillouin Scattering)と誘導ラマン散乱(SRS:Stimulated Raman Scattering)による制限を受ける。SBSとSRSの閾値は、それぞれ式(1)、式(2)により算出できる(参考文献1:Govind Agrawal, “Nonlinear Fiber Optics,” Academic Press)。
Figure 2018174478
Figure 2018174478
SBSは、光源の線幅によって閾値が変化することが知られている。式(1)中のΔνはブリルアン利得帯域幅を示し、Δνは入力光の線幅を示している。ここで、Kは偏波の係数、Aeffは光ファイバの実効断面積、gB0はブリルアン利得係数、gはラマン利得係数、Leffは実効ファイバ長である。
effは、光ファイバ長Lと損失係数αから式(3)で表せる。また、ブリルアン利得係数gB0は、式(4)で算出できることが知られている(参考文献2:M. Nikles, L. Thevenaz, P. A. Robert, “Brillouin gain spectrum characterization in single-mode optical fibers,” IEEE J. Lightwave Technol., vol. 15, no. 10, pp.1842-1851, 1997.)。
Figure 2018174478
Figure 2018174478
式(4)中のnはファイバ中の屈折率、p12は光弾性定数、cは真空中の光速、λは入力光の波長、ρは密度、Vは音響波の速度、及びΔνはブリルアン利得帯域幅である。
式(1)からSBSは、光源の線幅を拡げることで閾値を向上させることができる。SRSの閾値に関しては式(2)から光ファイバのパラメータのみに依存することが分かる。光給電システム100を構成する上では、SBSとSRSの閾値以下に入力光のパワーを設定する必要がある。
給電信号(給電光)の光パワーのSBS閾値とSRS閾値について検討する。光ファイバ113,114から成る伝送線路を、標準的なITU−TのG.652.D(参考文献3:ITU-T G.652, “Characteristics of a single-mode optical fibre and cable”)に準拠しているシングルモードファイバと仮定する。
表1に、シングルモードファイバの一般的なパラメータを示す。
Figure 2018174478
表1に示すように、シングルモードファイバにおいては、波長1550nmにおける光ファイバの実効断面積Aeffは80μm2、伝送損失は0.3dB/kmで規定されている。ブリルアン利得係数gB0は、式(4)から1.64×10-11m/Wと計算される。
図6に、SBS閾値とSRS閾値を、式(1)と式(2)を用いて計算した結果を示す図6の横軸は伝送距離[km]、縦軸はSBSとSRSの閾値[dBm]である。
SRS閾値は、光ファイバのパラメータのみで決定され、伝送距離20kmのSRS閾値は31.8dBm(1513.56mW)である。SBS閾値は、線幅を拡げることで大きくすることができる。但し、線幅を52nm以上にするとSRS閾値によって制限される。つまり、線幅が52nm以下であれば、光パワーはSBS閾値で制限されることになる。
表2に、伝送距離を20kmに仮定した場合の線幅とSBS閾値の関係を、式(1)で計算した結果を示す。
Figure 2018174478
図6において、線幅10nmの特性は細かい破線、線幅5nmの特性は破線、及び線幅1nmの特性は実線である。一点鎖線で示す特性はSRS閾値である。
給電信号の線幅を10nmと仮定すると、給電信号のパワーは24.7dBmに設定可能である。また、給電信号の線幅を5nmと仮定すると、給電信号のパワーは21.7dBmに設定可能である。また、給電信号の線幅を1nmと仮定すると、給電信号のパワーは14.7dBmに設定可能である。但し、伝送距離は20kmである。
つまり、伝送距離を20km以内とし、且つ給電信号の線幅を52nm以内に設定した場合の給電信号の出力は、31.8dBm(1513.56mW)以下にする。その条件であれば光学非線形効果(SBS,SRS)の影響を受けずに光パワーを伝送できる。
一方、通信光については、その線幅を0.04nm(約5.4GHz)とし、通信光の出力パワーを0dBm(1mW)に設定することでSBS閾値の影響を無視することができる。
本実施形態の光給電システム100は、所定の波長の第1光音声信号αを送信する第1光音声送信部10と、第1光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持つ相手側送受信器の蓄電池を充電する給電信号βを送信する給電信号送信部11と、第1光音声信号αと給電信号βを合波する合波カプラ12と、相手側送受信器から第2光音声信号αを受信する第1光音声受信部13と、合波カプラ12で合波した合波信号を相手側送受信器に出力し、相手側送受信器からの第2光音声信号αを第1光音声受信部13に出力する光サーキュレータ14とを備える第1光通話送受信器1と、所定の波長の第2光音声信号αを送信する第2光音声送信部20と、第2光音声信号αを第1光通話送受信器1に出力し、第1光通話送受信器1から送信される第1光音声信号αと給電信号βを合波した合波信号を分波カプラ22に出力する光サーキュレータ21と、第1光音声信号αと給電信号βを分波する分波カプラ22と、第1光音声信号αを受信する第2光音声受信部23と、給電信号βを電力に変換する給電信号受光部24とを備える第2光通話送受信器2とを具備する。
また、本実施形態の他の光給電システム100は、所定の波長の第1光音声信号αを送信する第1光音声送信部10と、第1光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号βを送信する給電信号送信部11と、第1光音声信号αと給電信号βを合波する合波カプラ12と、合波カプラ12で合波した合波信号を相手側送受信器に出力し、相手側送受信器から送信される所定の波長の第2光音声信号αと該第2光音声信号αの波長と異なる波長に最大利得を持ち自らの電源となる被給電信号βとを合波した合波信号を分波カプラ22に出力する光サーキュレータ14と、第2光音声信号αと被給電信号βを分波する分波カプラ22と、第2光音声信号αを受信する第1音声受信部23と、被給電信号βを電力に変換する給電信号受光部24とを備える光通話送受信器3を複数具備し、加入者収容局側に配置された光通話送受信器3と、加入者宅側に配置された光通話送受信器3とが光ファイバを介して接続される。
以上説明したように本実施形態の光通話送受信器1によれば、音声信号(第1光音声信号α)と給電信号βとの分離が容易であり、且つ音声信号の通信品質を悪化させない。また、本実施形態の光通話送受信器2によれば、給電信号による電力で自らを動作させながら音声信号を送受信することができる。また、本実施形態の光通話送受信器3によれば、加入者収容局側及び加入者宅側のどちらに配置しても、停電時に、給電信号(光パワー)によって電力供給を受けながら音声信号を送受信することができる。
ここで、第2光音声信号の波長αが、第1光音声信号αの波長と異なる場合(2波長型)の光通話送受信器の構成について簡単に説明する。図7に、光通話送受信器1(図1)を2波長型に変形した場合の構成例を示す。図8と図9に、光通話送受信器2(図3)と光通話送受信器3(図4)にそれぞれ対応する2波長型の光通話送受信器の構成例を示す。
図7に示す2波長型の光通話送受信器は、第1光音声送信部10が送信する第1光音声信号αの波長を例えば1570nm、第1光音声受信部13で受信する第2光音声信号αの波長を例えば1310nm、給電光βの波長を例えば1530nmとしたものである。2波長型にしたため光通話送受信器1の合波カプラ12と光サーキュレータ14が、WDMカプラ72と74に置き換わっている。このように光通話送受信器1は、その合波カプラ12と光サーキュレータ14をWDMカプラに置きかえることで、2波長型に変形することができる。図8と図9についても同様である。
本実施形態の光給電システム100によれば、停電時においても加入者収容局側と加入者宅側の間で音声通話を行うことが可能である。なお、停電時に加入者宅側のONU122と光通話送受信器2を切り替える光切替スイッチ121を、加入者が操作する例で説明を行ったがこの例に限定されない。光切替スイッチ121の切り替えは、加入者収容局側から行うようにしても良い。
また、加入者収容局側において、光通話送受信器1を4分岐スプリッタ112と8分岐スプリッタ115の間に配置する例で説明したが、OLT111と4分岐スプリッタ112の間に光通話送受信器1を配置しても良い。このように本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。
本発明の光通話送受信器1,2,3及び光給電システム100は、光ファイバネットワークを用いて停電時にも利用できる光通話の方法として広く利用可能である。
1、2、3:光通話送受信器
10:第1光音声送信部
11:給電信号送信部
12:合波カプラ
13:第1光音声受信部
14、21:光サーキュレータ
20:第2光音声送信部
22:分波カプラ
23:第2光音声受信部
24:給電信号受光部
25:蓄電池
72,74,81、82、92,94、95:WDMカプラ
100:光給電システム
110:加入者収容局側
111:OLT(光加入者線終端装置)
112:4分岐スプリッタ
112a、115a:ポート
113、114:光ファイバ
115:8分岐スプリッタ
120:加入者宅側
121:光切替スイッチ
122:ONU(光回線終端装置)

Claims (7)

  1. 所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、
    前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、
    前記相手側送受信器から第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、
    前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記第2光音声信号を前記第1光音声受信部に出力する光サーキュレータと
    を備えることを特徴とする光通話送受信器。
  2. 所定の波長の第2光音声信号を送信する第2光音声送信部と、
    前記第2光音声信号を相手側送受信器へ出力し、前記相手側送受信器から送信される第1光音声信号と、該第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電力に変換される給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を分波する分波カプラと、
    前記第1光音声信号を受信する第2光音声受信部と、
    前記給電信号を前記電力に変換する給電信号受光部と
    を備えることを特徴とする光通話送受信器。
  3. 所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、
    前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、
    前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記所定の波長の第2光音声信号と該第2光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電源となる被給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、
    前記第2光音声信号と前記被給電信号を分波する分波カプラと、
    前記第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、
    前記被給電信号を電力に変換する給電信号受光部と
    を備えることを特徴とする光通話送受信器。
  4. 請求項1又は3に記載の光通話送受信器において、
    前記第1光音声信号の波長は1570nmであり、
    前記給電信号送信部は、1530nmの波長に最大利得を持つ前記給電信号を生成する光ファイバ増幅器で構成されることを特徴とする光通話送受信器。
  5. 請求項4に記載の光通話送受信器において、
    前記光通話送受信器は、伝送路の長さが20km以内の距離にある前記相手側送受信器と通信し、
    前記給電信号の線幅を52nm以内に設定した場合の当該給電信号の出力は31.8dBm以下であることを特徴とする光通話送受信器。
  6. 所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、
    前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち第2光通話送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、
    前記第2光通話送受信器から第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、
    前記合波カプラで合波した合波信号を前記第2光通話送受信器に出力し、前記第2光通話送受信器から送信される前記第2光音声信号を前記第1光音声受信部に出力する光サーキュレータとを備える第1光通話送受信器と、
    所定の波長の前記第2光音声信号を送信する第2光音声送信部と、
    前記第2光音声信号を前記第1光通話送受信器へ出力し、前記第1光通話送受信器から送信される前記第1光音声信号と前記給電信号を合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を分波する分波カプラと、
    前記第1光音声信号を受信する第2光音声受信部と、
    前記給電信号を前記電力に変換する給電信号受光部と
    を備える前記第2光通話送受信器と
    を具備することを特徴とする光給電システム。
  7. 所定の波長の第1光音声信号を送信する第1光音声送信部と、
    前記第1光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち相手側送受信器に電力を供給する給電信号を送信する給電信号送信部と、
    前記第1光音声信号と前記給電信号を合波する合波カプラと、
    前記合波カプラで合波した合波信号を前記相手側送受信器に出力し、前記相手側送受信器から送信される前記所定の波長の第2光音声信号と該第2光音声信号の波長と異なる波長に最大利得を持ち自らを動作させる電源となる被給電信号とを合波した合波信号を分波カプラに出力する光サーキュレータと、
    前記第2光音声信号と前記被給電信号を分波する分波カプラと、
    前記第2光音声信号を受信する第1光音声受信部と、
    前記被給電信号を電力に変換する給電信号受光部と
    を備える光通話送受信器を複数具備し、
    加入者収容局側に配置された前記光通話送受信器と、加入者宅側に配置された前記光通話送受信器とが光ファイバを介して接続されることを特徴とする光給電システム。
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