JP2018173388A - 位置計測装置及び位置計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲットが動いていても、一枚の撮影画像で、精度高く、且つ、短時間に物体ターゲットの中心の座標値を計測する位置計測装置を提供する。【解決手段】視準望遠鏡で球体ターゲットの表面の中心を視準し、測量機のノンプリズムモードにより球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する。物体撮影部203は、前記視準望遠鏡のデジタルカメラで、前記球体ターゲットを含む球体画像を撮影する。画像中心算出部204は、前記球体画像中の球体ターゲットの境界を球体ターゲットの円周に変換し、当該変換された球体ターゲットの円周に基づいて、前記球体画像における球体ターゲットの中心位置を算出する。中心判定部205は、前記球体ターゲットの中心位置が所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する。中心算出部206は、前記球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値を用いて、前記球体ターゲットの芯の3次元座標値を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、位置計測装置及び位置計測方法に関する。
従来、3次元の位置(座標値)を計測したい位置にターゲットを設置し、当該ターゲットを撮影し、撮影したターゲットの画像を解析することで、ターゲットの3次元の位置を計測する技術が存在する。
例えば、特開2000−221037号公報(特許文献1)には、ノンプリズム測定が可能な光波距離計と、画像処理により測定対象物を認識するための認識用演算処理手段とを備えた自動測量機が開示されている。この自動測量機では、測定対象物の測定点を含む平面α上の少なくとも3点の特定点までの距離、角度を測定し、測定点への角度を測角し、特定点までの距離、角度から平面αを特定する式を決定すると共に、前記測定点への角度から該測定点を結ぶ直線の式を決定し、更に、前記平面αと前記直線の交点に相当する測定点を演算する。これにより、反射プリズム等を用いないで、対象物までの距離を測定するノンプリズム型の自動測量装置で、距離、角度データ等から任意の3次元の座標位置、距離、面積等を演算することが出来るとしている。
又、特開2007−147522号公報(特許文献2)には、複数方向から、同一のデジタルカメラにより、所定数の基準位置特定部を所定位置に備える標定基準体と計測対象とを共に写真撮影する写真計測方法が開示されている。この写真計測方法では、各写真について、基準位置特定部の写真上の位置と標定基準体における基準位置特定部相互の位置関係に基づき外部標定を行い、外部標定要素の値を用いて、2つの写真上における、計測対象上の所要点に対応する点の位置に基づき、前方交会により三次元座標を求める。これにより、計測対象に写真計測用のターゲット等の基準位置特定部を設ける必要が無く、多数の点について精度の良い写真計測を行うことが出来るとしている。
特開2009−198329号公報(特許文献3)には、地中を掘進して掘進路に管状の構造物を形成する掘進機の位置および向きの計測に利用される位置計測システムが開示されている。このシステムでは、立体的な位置関係を有する4つ以上の撮像ターゲットを撮像し、撮像ターゲットの画像データと、基準撮像手段の位置および向きとに基づいて、撮像ターゲットを固定した掘進機の位置および向きを算出する。これにより、掘進機の位置および向きを迅速に計測できるとしている。
又、特開2004−61245号公報(特許文献4)には、測量機器と、測量機器の望遠鏡の接眼部に取付けられたCCDカメラと、測点に配された、表面に粒子状反射プリズム素材が塗布された球体を備えたターゲットとを備えた全自動測量装置が開示されている。この装置では、望遠鏡のスケール中心がターゲットの像に入るように、自動追尾機構を用いて自動的に測量機器をターゲットに正対させて概略視準し、ターゲットの重心点の位置と望遠鏡のスケール中心の位置との水平及び鉛直の偏差を画像処理装置を用いて計算する。そして、この偏差を角度のβH、βVとして概略視準で得られた水平角αH、鉛直角αVに加えることにより、測点の水平角及び鉛直角を求め、この動作を測量対象物に設けられた全ての測点に対して繰り返す。これにより、視準する方向に影響を受けないターゲットを用いて、自動的に多数の測点を計測することが出来るとしている。
特開2000−221037号公報 特開2007−147522号公報 特開2009−198329号公報
単一(単眼)のデジタルカメラ(撮像手段)でターゲットを撮像した撮影画像に基づいて、ターゲットの3次元座標値を計測するためには、ターゲットを2つ以上の異なる方向から撮像したり、立体的な位置関係が既知の特殊なターゲットを用いたりする等の工夫をする必要がある。
例えば、特許文献1に記載の技術では、平面α上の3点の特定点を捕える必要があり、3次元座標値を計測する対象が限定されるという課題がある。特許文献2、3に記載の技術では、極めて特殊なターゲットを用いる必要があり、計測条件が限定されるという課題がある。
又、特許文献4に記載の技術では、反射プリズム用の球体のターゲットを用いて、概略視準の自動化と、ターゲットの重心点と望遠鏡の中心点との位置合わせを画像処理作業により行うものであるが、反射プリズム用の球体が必要であるとともに、視準の水平角及び鉛直角を補正するだけで、球体の3次元座標値を算出するものではない。又、特許文献4に記載の技術では、球体のターゲットの静止を前提とし、反射プリズムのため、動いているターゲットを対象と出来ないという課題がある。
一方、一枚の撮影画像で、一つのターゲットの3次元座標値を容易に計測することが出来れば、様々な計測分野で利用することが可能であり、応用範囲が広い。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、物体ターゲットが動いていても、一枚の撮影画像で、精度高く、且つ、短時間に物体ターゲットの中心の座標値を計測することが可能な位置計測装置及び位置計測方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る新規な位置計測装置及び位置計測方法を完成させた。即ち、本発明に係る位置計測装置は、視準合わせ部と、物体測距部と、物体撮影部と、画像中心算出部と、中心判定部と、実中心算出部と、を備える。視準合わせ部は、測量機の視準望遠鏡を球体ターゲットの表面の中心に視準させる。物体測距部は、前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する。物体撮影部は、前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記球体ターゲットを含む球体画像を撮影する。中心算出部は、前記球体画像中の球体ターゲットの外縁を球体ターゲットの円周に変換し、当該変換された球体ターゲットの円周に基づいて、前記球体画像における球体ターゲットの中心位置を算出する。中心判定部は、前記球体ターゲットの中心位置が、前記球体画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する。実中心算出部は、前記球体ターゲットの中心位置が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値から、前記測定された水平角度及び鉛直角度の方向に前記球体ターゲットの芯に向かって前記球体ターゲットの半径だけ移動させた3次元座標値を前記球体ターゲットの芯の3次元座標値として算出する。本発明に係る位置計測方法は、上述と同様に、視準合わせステップと、物体測距ステップと、物体撮影ステップと、画像中心算出ステップと、中心判定部と、実中心算出ステップと、を備える。
又、本発明に係る位置計測装置は、円柱ターゲットとしても良い。即ち、視準合わせ部は、測量機の視準望遠鏡を水平方向における円柱ターゲットの表面の中心に視準させる。物体測距部は、前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する。物体撮影部は、前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記円柱ターゲットを含む円柱画像を撮影する。画像中心算出部は、前記円柱画像中の水平方向における円柱ターゲットの外縁を円柱ターゲットの外側面に変換し、当該変換された円柱ターゲットの外側面に基づいて、前記円柱画像における円柱ターゲットの中心線を算出する。中心判定部は、前記円柱ターゲットの中心線が、前記円柱画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する。実中心算出部は、前記円柱ターゲットの中心線が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値のうち、水平方向における2次元座標値から、前記測定された水平角度の方向に前記円柱ターゲットの中心軸に向かって前記円柱ターゲットの半径だけ移動させた2次元座標値を水平方向における前記円柱ターゲットの中心軸の2次元座標値として算出する。本発明に係る位置計測方法は、上述と同様に、視準合わせステップと、物体測距ステップと、物体撮影ステップと、中心算出ステップと、中心算出ステップと、を備える。
本発明によれば、物体ターゲットが動いていても、一枚の撮影画像で、精度高く、且つ、短時間に物体ターゲットの中心の座標値を計測することが可能となる。
本発明に係る位置計測装置の概略図である。 本発明に係る位置計測装置の機能ブロック図である。 本発明に係る位置計測方法の実行手順を示すためのフローチャートである。 測量機と球体ターゲットと対象物との位置関係を示す概略図(図4A)と、3次元座標系における測量機と球体ターゲットとの位置関係を示す概略図(図4B)と、である。 球体画像と球体二値化画像の一例を示す図(図5A)と、球体ターゲットの外縁を構成する所定数の画素を円周で近似した画像と、球体ターゲットの中心位置と所定の中心判定範囲との関係の一例を示す図(図5B)と、である。 XY座標系の水平面における測量機と球体ターゲットの芯との位置関係を示す概略図(図6A)と、Z座標系の鉛直面における測量機と球体ターゲットの芯との位置関係を示す概略図(図6B)と、である。 球体画像のXY座標系における球体ターゲットの中心位置と球体画像の中心位置とのXY座標値の差分の一例を示す図(図7A)と、3次元座標系における視準望遠鏡の観測方向を補正した場合の一例を示す概略図(図7B)と、である。 実施例1に係る位置計測装置の概略図(図8A)と、上面に球体ターゲットを設置した振動試験機と変位計の概略図(図8B)と、である。 球体ターゲットが静止した場合の球体ターゲットの芯のZ座標値の経時変化を示すグラフ(図9A)と、球体ターゲットが上下に振動した場合の球体ターゲットの芯のZ座標値と変位計で測定した基準振幅Z座標値の経時変化を示すグラフ(図9B)と、である。 球体二値化画像をサポートベクタマシンに入力し、球体ターゲットの形状が写っている領域のみを抽出した画像の一例を示す図(図10A)と、球体ターゲットの形状が一部隠れている場合の球体ターゲットの半径の算出の一例を示す図(図10B)と、である。 本発明の位置計測装置を用いたシールドマシンの位置計測監視システムの概略図(図11A)と、位置計測監視システムの第二の測量機の測距の一例を示す図(図11B)と、である。 位置計測監視システムの第二の測量機の位置計測方法の一例を示す図(図12A)と、位置計測監視システムの第一の測量機の位置計測方法の一例を示す図(図12B)と、である。 本発明の位置計測装置を用いた造成現場での出来形測量の概略図(図13A)と、本発明の位置計測装置を用いた建設物での鉄骨建ち測量の概略図(図13B)と、である。 本発明の位置計測装置を用いたドローンでの車輌の位置計測の概略図である。 円柱画像と円柱二値化画像の一例を示す図(図15A)と、円柱ターゲットの外縁を構成する所定数の画素を直線で近似した画像と、円柱ターゲットの中心位置と所定の中心判定範囲との関係の一例を示す図(図15B)と、である。 実施例2において左面に円柱ターゲットを設置した振動試験機の概略図(図16A)と、円柱ターゲットが上下に振動した場合の円柱ターゲットの中心軸のY座標値と基準振幅Y座標値の経時変化を示すグラフ(図16B)と、である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係る位置計測装置1(位置計測システムと称しても良い)は、図1に示すように、測量機10と、端末装置11と、物体ターゲット12とを備えている。
測量機10は、一般に建設現場や土木現場で使用され、本体部100と、視準望遠鏡101とを備えている。本体部100は、水平方向に回転可能に構成される。視準望遠鏡101は、本体部100に対して鉛直方向に回転可能に設けられる。そのため、視準望遠鏡101は、測量機10に対して水平方向及び鉛直方向に回転可能である。又、視準望遠鏡101は、デジタルカメラの機能を有し、視準望遠鏡の観測方向(光軸の方向)にある対象物の画像を撮影することが出来る。デジタルカメラは、視準望遠鏡101のレンズの光軸に平行に設置されたCCDカメラ素子を備え、CCDカメラ素子の撮影画像の中心は、視準望遠鏡の光軸と一致するため、デジタルカメラで撮影した撮影画像の中心位置は、視準望遠鏡が視準して測距した対象物の表面の測定位置と一致する。
前記物体ターゲット12に視準望遠鏡101の視準が合わされ、測定指示の信号が測量機10に入力されると、測量機10は、視準望遠鏡101から物体ターゲット12に対して走査光を照射し、その走査光が物体ターゲット12から反射され、再び視準望遠鏡101に入射される。入射された反射光は、測量機10の受光素子により受光信号に変換される。又、測量機10は、視準望遠鏡101の水平角度及び鉛直角度を角度検出器で検出する。そして、測量機10の光波距離計は、前記受光信号を用いて、測量機10から物体ターゲット12までの斜距離を計測する。光波距離計は、反射プリズムをターゲットとするプリズム型と、反射プリズムをターゲットとせず、所定の対象物をターゲットとするノンプリズム型とを有するが、本発明では、反射プリズムと関係無い物体ターゲット12を対象物とするため、ノンプリズム型を基本とする。測量機10の計側部は、検出した視準望遠鏡101の水平角度及び鉛直角度と、計測した斜距離とに基づいて、物体ターゲット12の表面の中心の3次元座標値を計測する。この物体ターゲット12の表面の中心の3次元座標値は、例えば、既知点の測量機10の3次元座標値を基準として算出される。
端末装置11は、一般に使用されるコンピュータであり、記憶部と、キーボード、マウス等の入力部と、液晶ディスプレイ等の出力部とを備えている。端末装置11は、タッチパネル付きの携帯端末装置、タブレット型端末装置、ウェアラブル型端末装置を含む。
本発明において、物体ターゲット12は、球体ターゲット又は円柱ターゲットを想定する。球体ターゲット12は、水平方向及び鉛直方向のどの角度から観測しても同じ形状となるため、その特性を活かして、球体ターゲット12の芯の3次元座標値を算出する。球体ターゲット12は、真球の球体部と球体部を下から支持する支持部とで構成される。
又、円柱ターゲット12は、水平方向のどの角度から観察しても同じ形状となるため、その特性を活かして、水平方向における円柱ターゲット12の軸の2次元座標値を算出する。円柱ターゲット12は、円柱の円柱部と円柱部を下から支持する支持部とで構成されるが、杭打設の杭を円柱ターゲットとみなしても良い。
物体ターゲット12の表面の色に特に限定は無いが、背景の建物や光が画像に入っても物体ターゲット12を優先的に識別出来るように、物体ターゲット12の表面の色を白色、黄色、緑色等に着色したり、特定の識別模様を付したり、物体ターゲット12の内部に発光部を搭載して物体ターゲット12を発光させたりしても良い。
測量機10、端末装置11は、図示しないCPU、ROM、RAM等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM等に記憶されているプログラムを実行する。後述する各部についても、CPUがプログラムを実行することで各部の機能を実現する。
次に、図2、図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、測量者は、所定の座標系において3次元座標値を計測したい対象物に物体ターゲット12を設置する。ここで、対象物は、例えば、建築物等の固定物でも良いし、車輌、シールドマシン、無人飛行機(ドローン)等の移動物でも良い。又、物体ターゲット12は、球体ターゲットとして説明する。
次に、測量者は、図4Aに示すように、対象物Tの特定の位置P(例えば、芯)の3次元座標値(Xt、Yt、Zt)と球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)との相対距離Q及び相対角度Rを予め計測し、この相対距離Q及び相対角度Rをオフセット値として位置計測装置1の端末装置11に入力しておく。これにより、球体ターゲット12の芯の3次元座標値が計測出来れば、対象物Tの特定の位置Pの三次元座標値を、相対距離Q及び相対角度Rを用いて逆算することが出来る。
そして、測量者は、位置計測装置1の測量機10へ赴き、位置計測装置1を起動し、位置計測装置1の視準合わせ部201は、測量機10の視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心Sに視準させる(図3:S101)。
ここで、視準合わせ部201が視準を合わせる方法に特に限定は無い。例えば、最初に視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心に視準する場合は、測量者が、視準望遠鏡101を覗きながら、測量機10の本体部100を水平方向に回転させて視準望遠鏡101の向きを球体ターゲット12に合わせ、視準望遠鏡101を介してターゲット12を観測しながら、視準望遠鏡101を鉛直方向に回転させて、視準望遠鏡101の観測角度(水平角度、垂直角度)を決定する。これにより、視準望遠鏡101のデジタルカメラの撮影画像の中心が球体ターゲット12の形状の中心に概略配置され、概略視準される。後述するように、位置計測装置1が視準望遠鏡101を球体ターゲット12に視準した後に、球体ターゲット12が移動すれば、画像処理により、自動視準する。そのため、測量者による測定誤差が生じることなく、測量の精度向上と測量者の省力化を図ることが出来る。
次に、視準合わせ部201が、視準を完了すると、視準合わせ部201(又は測量者)が、測量機10に測定指示の信号を入力し、位置計測装置1の物体測距部202は、前記視準望遠鏡101の水平角度H、鉛直角度V及び前記測量機10のノンプリズムモードにより球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を測定する(測距する)(図3:S102)。
ここで、物体測距部202が視準後の球体ターゲット12の表面の中心Sを測距する方法に特に限定は無い。例えば、図4Bに示すように、物体測距部202が、先ず、視準望遠鏡101の水平角度H及び鉛直角度Vを既設の角度検出器で測定する。次に、物体測距部202は、測量機10のノンプリズム型光波距離計を用いて、視準望遠鏡101から球体ターゲット12の表面の中心Sに向かって走査光を照射し、当該球体ターゲット12の表面の中心Sから反射された反射光を受光し、当該受光信号を用いて、測量機10から球体ターゲット12の表面の中心Sまでの斜距離Lを測定する。
尚、水平角度Hは、例えば、3次元座標値の座標系のうち、X方向(例えば、真北)を0度とし、Y方向(真西)へ回転する方向を正の値として定義され、鉛直角度Vは、3次元座標値の座標系のうち、Z方向(例えば、真上)を0度とし、上方から下方へ回転する方向を正の値として定義される。水平角度H、鉛直角度V及び斜距離Lは、測量機10を基準に測定される。
物体測距部202は、視準望遠鏡101の水平角度H、鉛直角度V及び測量機10から球体ターゲット12の表面の中心Sまでの斜距離Lを用いて、球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を算出する。
球体ターゲット12に対して水平角度H、鉛直角度V及び球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)が測定されると、位置計測装置1の物体撮影部203は、測量機10の視準望遠鏡101の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記球体ターゲット12を含む球体画像を撮影する(図3:S103)。
ここで、物体撮影部203が球体画像を撮影する方法に特に限定は無い。視準望遠鏡101が球体ターゲットに視準されれば、視準望遠鏡101のデジタルカメラは、球体ターゲット12を含む画像を撮影することが出来る。そのため、物体撮影部203が、視準望遠鏡101のデジタルカメラに撮影指示の信号を入力すれば、デジタルカメラで球体画像を自動的に撮影することが出来る。
球体画像が撮影されると、次に、位置計測装置1の画像中心算出部204は、前記球体画像中の球体ターゲット12の外縁(球体ターゲット12の領域と他の領域との境界)を球体ターゲット12の円周(円)に変換し、当該変換された球体ターゲット12の円周に基づいて、前記球体画像における球体ターゲット12の中心位置C1を算出する(図3:S104)。
ここで、画像中心算出部204が球体画像における球体ターゲット12の中心位置C1を算出する方法に特に限定は無い。例えば、画像中心算出部204は、図5Aに示すように、撮影された球体画像500(例えば、フルカラー画像)を二値化処理して、球体ターゲット12の外縁が特定される球体二値化画像501を生成する。
球体画像500がフルカラー画像である場合は、画像中心算出部204が、球体画像500をグレースケール画像に変換し、画素の濃度が所定の閾値以上であるグレースケール画像の画素を1とし、画素の濃度が所定の閾値未満であるグレースケール画像の画素を0として、球体二値化画像501を生成する。閾値は、球体画像500中の球体ターゲット12の外縁を特定出来るように調整される。
次に、画像中心算出部204は、球体二値化画像501から球体ターゲット12の外縁を構成する画素502を所定数抽出し、図5Bに示すように、当該抽出した所定数の画素502を点として円周503で近似する。ここでは、所定数の画素502(点)に対して円周503の式を最小二乗法で近似する。これにより、球体ターゲット12の外縁を球体ターゲット12の円周に変換することが出来る。そして、画像中心算出部204は、近似した円周503の中心位置C1(Xc1、Yc1)を球体画像500における球体ターゲット12の中心位置C1として算出する。
ここで、算出される球体画像500における球体ターゲット12の中心位置C1(Xc1、Yc1)は、球体画像500の画素(ピクセル)であるため、実サイズ(mm)に変換する。球体画像500の画素(ピクセル)から実サイズ(mm)に変換する場合は、下記のようになされる。即ち、視準望遠鏡101のデジタルカメラの視野角と、撮影画像の横及び縦の画素数が一定である場合、斜距離Lが求まれば、画素(ピクセル)に対する実サイズ(mm)のスケール(mm/ピクセル)は一義的に決定される。そのため、球体画像500の球体ターゲット12の中心位置C1を構成するピクセル数にスケールを乗算することで、球体ターゲット12の中心位置C1を実サイズに変換することが出来る。尚、変換される球体画像500の球体ターゲット12の中心位置C1は、球体画像500中の所定の位置(例えば、左下の端部)を基準とした2次元座標値となる。
球体ターゲット12の中心位置C1が算出されると、次に、位置計測装置1の中心判定部205は、前記球体ターゲット12の中心位置C1が、前記球体画像500の中心位置C0を基準とした所定の中心判定範囲Dに含まれるか否かを判定する(図3:S105)。
ここで、中心判定部205が判定する方法に特に限定は無い。例えば、中心判定部205は、予め登録されている球体画像500の中心位置C0(Xc0、Yc0)を中心とし、予め設定された閾値d(例えば、1mm、0.5mm等に相当する量)を半径とした円形を中心判定範囲Dとして設定し、図5Bに示すように、球体画像500における二次元座標系において、球体ターゲット12の中心位置C1が中心判定範囲Dに含まれるか否かを判定する。尚、球体画像500における二次元座標系の縦軸はX座標系の軸であり、横軸はY座標系の軸である。
前記判定の結果、前記球体ターゲット12の中心位置C1が前記中心判定範囲Dに含まれる場合(図3:S105YES)、中心判定部205は、測定された球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)が実際の球体ターゲット12の表面の中心Sに対応すると判定する。
つまり、視準望遠鏡101の中心位置を球体ターゲット12の表面の中心Sに合わせて測距したとしても、現場では、視準望遠鏡101の中心位置と球体ターゲット12の表面の中心Sとのズレが生じる場合がある。そこで、画像処理により、球体ターゲット12の中心位置C1が、球体画像500の中心位置C0を基準とした所定の中心判定範囲Dに含まれていれば、視準望遠鏡101の中心位置と球体ターゲット12の表面の中心Sとのズレが生じておらず、画像処理の結果も適切と考えらえる。そのため、測距した球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)が実際の球体ターゲット12の表面の中心Sにほぼ一致すると判断し、この3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を利用することが出来る。この画像処理により、後述するように、省人化しても、有効なデータだけを取得することが可能となる。
さて、球体ターゲット12の中心位置C1が中心判定範囲Dに含まれると判定されると、次に、位置計測装置1の実中心算出部206は、前記球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)から、前記測定された水平角度H及び鉛直角度Vの方向に前記球体ターゲット12の芯Cに向かって前記球体ターゲット12の半径だけ移動させた3次元座標値を前記球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)として算出する(図3:S106)。
ここで、実中心算出部206が球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値を算出する方法に特に限定は無い。例えば、実中心算出部206は、球体画像500において、先ほど変換された球体ターゲット12の円周503から、球体ターゲット12の円周503の半径rを算出する。算出された半径rは、上述のスケールにより、実サイズに変換される。尚、球体ターゲット12の半径rは、予め登録された球体ターゲット12の実寸法の半径Rを用いても良い。
次に、実中心算出部206は、図6Aに示すように、下記の2式(1)、(2)に、球体ターゲット12の表面の中心SのXY座標値(Xs、Ys)と、水平角Hと、球体ターゲット12の半径rとを代入することで、球体ターゲット12の芯CのXY座標値(Xc、Yc)を算出する。
Xc=Xs+r×cosH (1)
Yc=Ys+r×sinH (2)
又、実中心算出部206は、図6Bに示すように、下記の1式(3)に、球体ターゲット12の表面の中心SのZ座標値(Zs)と、鉛直角Vと、球体ターゲット12の半径rとを代入することで、球体ターゲット12の芯のZ座標値(Zc)を算出する。
Zc=Zs−r×sin(V−90度) (3)
又は、実中心算出部206は、下記の1式(4)に、斜距離Lと、鉛直角Vと、球体ターゲット12の半径rと、測量機10のZ座標値(Zm)とを代入することで、球体ターゲット12の芯のZ座標値(Zc)を算出しても良い。尚、測量機10のZ座標値(Zm)は、既知点として測量機10に予め与えられる。
Zc=Zm−(L+r)×sin(V−90度) (4)
これにより、一枚の撮影画像で、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)を算出することが出来る。ここで、実中心算出部206が、算出した球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)に、オフセット値の相対距離Q及び相対角度Rを用いて、球体ターゲット12が設置された対象物Tの特定の位置P(Xt、Yt、Zt)を算出しても良い。算出された球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)は、端末装置11の出力部を介して表示され、測量者が確認することが出来る。
ところで、S105において、前記判定の結果、前記球体ターゲット12の中心位置C1が前記中心判定範囲Dに含まれない場合(図3:S105NO)、中心判定部205は、測定された球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)が実際の球体ターゲット12の表面の中心Sに一致しないと判定する。この場合は、現場では、視準望遠鏡101の中心位置と球体ターゲット12の表面の中心Sとのズレが生じている。そこで、位置計測装置1の差分算出部207は、先ほど測定された3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を破棄し、前記球体画像500のXY座標系における球体ターゲット12の中心位置C1と前記球体画像500の中心位置C0とのXY座標値の差分(dX1、dY1)を算出し(図3:S107)、当該算出したXY座標値の差分(dX1、dY1)に対応する水平角偏差dH1及び鉛直角偏差dV1に基づいて前記視準望遠鏡101の観測方向を補正する(図3:S108)。
ここで、差分算出部207が差分(dX1、dY1)を算出する方法に特に限定は無い。例えば、図7Aに示すように、差分算出部207は、球体画像500のXY座標系において、球体ターゲット12の中心位置C1のX座標値(Xc1)から、球体画像500の中心位置C0のX座標値(Xc0)を減算することで、X座標の差分(dX1)を算出する。同様に、差分算出部207は、球体ターゲット12の中心位置C1のY座標値(Yc1)から、球体画像500の中心位置C0のY座標値(Yc0)を減算することで、Y座標の差分(dY1)を算出する。
ここで、球体画像500における二次元座標系のX方向は、実空間の3次元座標系における鉛直方向に対応し、球体画像500における二次元座標系のY方向は、実空間の3次元座標系における水平方向に対応する。差分算出部207は、XY座標値の差分(dX1、dY1)から、水平角偏差dH1及び鉛直角偏差dV1を算出する。
そして、差分算出部207は、水平角偏差dH1及び鉛直角偏差dV1を視準合わせ部201に入力することで、視準合わせ部201は、図7Bに示すように、現在の視準望遠鏡101の水平角Hを水平角偏差dH1だけ移動させ、現在の視準望遠鏡101の鉛直角Vを鉛直角偏差dV1だけ移動させる。これにより、視準望遠鏡101の中心位置を球体ターゲット12の表面の中心Sに自動的に合わせることが出来る。特に、ターゲット12が動く場合や測量者が一度概略視準した後に、その場を立ち去り、位置計測装置1に自動計測させる場合には、上述した差分算出による視準望遠鏡101の観測方向の補正は重要となる。
視準望遠鏡101の観測方向が補正されると、差分算出部207は、前記視準望遠鏡101の視準をやり直すために、S101に戻って、視準合わせ部201は、視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心Sに視準させる(図3:S101)。これにより、視準望遠鏡101の中心位置と球体ターゲット12の表面の中心Sとのズレが解消されているため、S102において、実際の球体ターゲット12の表面の中心Sに対応した3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を測距することが可能となり、測定精度を高めることが出来る。
さて、S106において、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)が算出されると、位置計測装置1の継続測定部208は、継続測定するか否かを判定する(図3:S109)。
ここで、測量者が、所定の期間(又は所定の回数)だけ継続測定する継続測定指示の信号を測量機10に入力していた場合、継続測定部208は、所定の期間が経過したか否か(又は測定回数が所定の回数を超過したか否か)を判定する。所定の期間が経過していない場合(又は測定回数が所定の回数を超過していない場合)は、継続測定部208は、継続測定すると判定し(図3:S109YES)、S101へ移行し、視準合わせ部201は、視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心Sに視準させる(図3:S101)。これにより、S101からS105へ行き、測定された球体ターゲット12の表面の中心Sの3次元座標値(Xs、Ys、Zs)が実際の球体ターゲット12の表面の中心Sに対応する場合だけ、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)が新たに算出され、繰り返し測定される。
一方、所定の期間が経過した場合(又は測定回数が所定の回数を超過した場合)は、継続測定部208は、処理を終了する(図3:S109NO)。又、測量者が、継続測定指示の信号を測量機10に入力していない場合(一回だけの測定で済む場合)は、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)が算出されると、継続測定部208は、処理を終了する(図3:S106NO)。
<実施例>
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<実施例1>
図1〜図3に基づいて本発明に係る位置計測装置1を設計し、図8Aに示すように、測量機10と端末装置11と球体ターゲット12とを組み合わせて実施例1の位置計測装置1を作製した。尚、測量機10と端末装置11は無線LANで接続し、測量機10で測定したデータを端末装置11へ無線送信し、端末装置11で球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値(Xc、Yc、Zc)を算出するよう構成した。
ここで、球体ターゲット12を設置した対象物Tが動く(振動する)ことを想定し、図8Bに示すように、振動試験機を対象物Tとし、この上に球体ターゲット12を設置して、特定の周波数で球体ターゲット12を振動させるようにした。一方、振動する球体ターゲット12の振幅(変位)を変位計Uで測定し、位置計測装置1で測定した球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値の振幅と、変位計Uで測定した振幅とを比較出来るようにした。
<位置計測試験1>
先ず、振動試験機Tを停止し、球体ターゲット12を静止させた状態で、位置計測装置1を用いて球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)を所定の期間(例えば、3秒間)を算出した。最初に設置した球体ターゲット12の芯CのX座標値を基準Z座標値として0mmに設定し、算出した球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Xc)と、基準Z座標値(0mm)とを共に表示することで、測定精度を確認した。その結果、図9Aに示すように、実験値である球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)は、設定値である基準Z座標値(0mm)に対して0.5mm以下の範囲内で推移しており、測定精度が高いことが確認出来た。又、画像処理で球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)を算出するため、1点の算出時間が0.5秒以下であり、測定時間が短いことが確認出来た。尚、球体ターゲット12の芯CのXY座標値(Xc、Yc)でも同様の結果が得られた。
<位置計測試験2>
次に、振動試験機Tを動作させ、球体ターゲット12を特定の周波数(例えば、10Hz)で上下に振動させた状態で、位置計測装置1を用いて球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)を所定の期間(例えば、3秒間)を算出した。一方、振動する球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)を変位計Uで測定し、算出した球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Xc)と、変位計Uで測定した基準振幅Z座標値とを共に表示することで、測定精度を確認した。その結果、図9Bに示すように、実験値である球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)は、設計値である基準振幅Z座標値の波形に従って推移しており、基準振幅Z座標値にほぼ一致していることが確認出来た。ここで、算出した球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)の最大値は5.94mm、基準振幅Z座標値の最大値は6.16mmであり、両者の差分は0.22mmであった。又、算出した球体ターゲット12の芯CのZ座標値(Zc)の最小値は−7.08mm、基準振幅Z座標値の最小値は−6.94mmであり、両者の差分は0.14mmであった。つまり、球体ターゲット12が振動していても、その測定誤差は0.3mm未満であり、測定精度が高いことが確認出来た。又、1点の算出時間は、上述と同様に、0.5秒以下であり、測定時間が短いことが確認出来た。
プリズムモードで光波距離計を用いて反射プリズム等のターゲットに対して3次元座標値を算出する場合、ターゲットが反射プリズムである必要があるとともに、ターゲットに光波距離計が適切に視準される必要があり、光波距離計がターゲットから少しでもずれると、測定される3次元座標値に誤差が生じる。本発明では、反射プリズムでは無い球体ターゲット12であって、動いている球体ターゲット12であっても、画像処理で球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値を算出するため、測定精度を高めることが出来るのである。
ところで、S101では、最初において、測量者が、視準望遠鏡101を覗いて、ターゲット12の方向へ向けるようにして視準したが、その際に、視準望遠鏡101の視野に視準のための十字線(レチクル)を設けても良い。この十字線の中心に、測距の走査光が照射される。そのため、測量者は、視準望遠鏡101を覗きながら、視準望遠鏡101の視野における十字線を球体ターゲット12の表面の中心Sに一致するように視準しても良い。
ところで、S104において、画像中心算出部204は、機械学習を用いて、撮影された球体画像から前記球体ターゲット12が写っている領域を抽出しても良い。例えば、画像中心算出部204が、先ず、前記球体ターゲット12が写っている球体画像を機械学習部に入力し、前記球体ターゲット12の形状(円形)を機械学習部に学習させる。機械学習部で学習させた後は、画像中心算出部204は、前記球体画像を用いて前記球体ターゲット12の中心位置C1を算出する。次に、画像中心算出部204は、新たに取得した他の球体画像を学習後の機械学習部に入力し、当該機械学習部で、前記球体ターゲット12の形状が球体画像に写っている領域を識別する。そして、画像中心算出部204は、前記球体ターゲット12の形状が写っている領域のみを抽出して、抽出した領域の画像を用いて前記球体ターゲット12の中心位置C1を算出する。これにより、前記球体ターゲット12の中心位置C1を算出し易くすることが出来る。
機械学習部は、例えば、機械学習分類器のサポートベクタマシンを採用することが出来る。図10Aに示すように、画像中心算出部204が、先ず、生成した球体二値化画像501を、球体ターゲット12の形状を学習したサポートベクタマシンに入力すると、サポートベクタマシンで球体ターゲット12の形状を示す領域と他の領域とを識別する識別画像1000が生成させる。識別画像1000では、球体ターゲット12の形状が写っている領域が明確であるため、中心算出部204は、当該領域に対応する球体二値化画像501の領域を抽出して、抽出した領域の画像1001を用いて前記球体ターゲット12の中心位置C1を算出する。前記抽出した領域の画像1001は、球体ターゲット12の外縁が明確に表れていることが分かる。
又、他の構成として、画像中心算出部204は、機械学習部を用いて、前記球体ターゲット12の形状が球体画像の中心位置C0に写っているか否かを識別し、前記球体ターゲット12の形状が物体画像の中心位置C0に写っている場合、球体ターゲット12の中心位置C1を算出する。一方、前記球体ターゲット12の形状が物体画像の中心位置C0に写っていない場合、画像中心算出部204は、前記球体ターゲット12の形状の中心位置C2と前記球体画像の中心位置C0とのXY座標値の差分(dX2、dY2)を算出し、当該算出したXY座標値の差分(dX2、dY2)に対応する水平角偏差dH2及び鉛直角偏差dV2に基づいて前記視準望遠鏡101の観測方向を補正する。そして、S101へ戻って、視準合わせ部201は、視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心Sに視準させる(図3:S101)。このように、前記球体ターゲット12の形状が球体画像の中心位置C0から大きくズレた場合に、視準望遠鏡101を球体ターゲット12の表面の中心Sに追跡させ、再度、視準望遠鏡101を視準し、球体ターゲット12の表面の中心Sを測距し、球体画像を撮影し直すことで、球体ターゲット12が大きく動いたとしても、自動計測を可能とする。
又、画像中心算出部204は、障害物で前記球体ターゲット12の形状の一部が隠れている球体画像であっても、機械学習部を用いて、前記球体ターゲット12の形状が写っている他部から前記球体ターゲット12の形状の全てを概算し、前記球体ターゲット12の中心位置C1を算出しても良い。例えば、図10Bに示すように、球体画像1002に障害物1003が写って球体ターゲット12の形状が一部隠れた場合、画像中心算出部204が、前記球体ターゲット12の形状が写っている他部1004に球体ターゲット12の円周1005を外挿して、球体ターゲット12の形状の全てを概算する。前記球体ターゲット12の円周1005は、機械学習部で今まで算出し、学習してきたものを用いる。これにより、球体ターゲット12が一部隠れても、球体ターゲット12の中心位置C1を精度高く算出することが出来る。
又、S105において、中心判定部205は、更に、球体ターゲット12の実寸法の半径Rを用いて判定処理を行っても良い。例えば、前記球体ターゲット12の中心位置C1が前記中心判定範囲Dに含まれる場合(図3:S105YES)、次に、中心判定部205は、前記球体画像500の球体ターゲット12の円周の半径rが、予め登録された球体ターゲット12の実半径Rを基準とした所定の半径判定範囲Eに含まれるか否かを判定する。半径判定範囲Eは、例えば、球体ターゲット12の実半径Rを中心とし、予め設定された幅値e(例えば、1mm等)を加算した上限値と、幅値eを減算した下限値とで構成される範囲に設定される。
前記判定の結果、前記球体画像500の球体ターゲット12の円周の半径rが前記半径判定範囲Eに含まれる場合は、球体画像500の撮影条件が良好であり、画像処理で算出した球体ターゲット12の円周の半径rは実半径Rに近いと判断出来る。そのため、中心判定部205は、次の処理へ進み、実中心算出部206は、例えば、球体画像500の球体ターゲット12の円周の半径rを用いて、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値を算出する。
一方、前記判定の結果、前記球体画像500の球体ターゲット12の円周の半径rが前記半径判定範囲Eに含まれない場合は、球体画像500の撮影条件(周囲の色や外光等)が劣悪であり、画像処理の結果が不適切である可能性が高く、画像処理で算出した球体ターゲット12の円周の半径rに誤差が生じると判断出来る。この場合は、例えば、S103に戻って、物体撮影部203が、再度、デジタルカメラで、前記球体ターゲット12を含む球体画像を撮影し直しても良い。又、視準望遠鏡101の中心位置と球体ターゲット12の表面の中心Sとのズレが生じておらず、撮影条件と画像処理の結果が悪いと判断して、実中心算出部206は、例えば、球体ターゲット12の実半径R(設定値)を用いて、球体ターゲット12の芯Cの3次元座標値を算出しても良い。
<応用例>
本発明に係る位置計測装置1の応用例について説明する。例えば、シールドトンネル計測では、トンネルを掘進するシールドマシンの位置を正確に把握する必要がある。従来であれば、トンネル側面(セグメント)を組み立て後、セグメントの所定の位置に測量機を固定し、一方で、シールドマシンの所定の位置に反射プリズムターゲットを固定し、この測量機で反射プリズムターゲットを測距することで、シールドマシンの位置を計測している。そのため、シールドマシンの掘進が進むと、測量機を前方に固定し直す盛替えが生じ、その盛替えによる測定誤差が生じる。又、シールドマシンに固定された反射プリズムターゲットは、シールドマシンの掘進により振動し、固定された測量機と振動する反射プリズムターゲットでは、正確な測量が出来ない。反射プリズムターゲットを用いた測量では、反射プリズムターゲット及び測量機が共に静止状態であることを基本とし、振動する反射プリズムターゲットや測量機では、自動視準が狂う。更に、測量機と反射プリズムターゲットとは正対する必要があるものの、トンネルの急曲線や急勾配では、正対が崩れるため、測定誤差が生じる。
そこで、本発明に係る位置計測装置1を用いることで、反射プリズムターゲットを球体ターゲット12に代えた上で、シールドマシン(移動体)に測量機を搭載することで、測定精度を向上させる。シールドマシンの位置計測監視システムでは、図11Aに示すように、シールドマシン1100に2つの球体ターゲット1101、1102を設置し、4台ある後続台車の前方から第一の後続台車に、上方に球体ターゲット12を設置した第一の測量機1103と、第四の後続台車に、上方に球体ターゲット12を設置した第二の測量機1104とをそれぞれ固定する。そして、掘進後のトンネルの側面に2つの反射プリズムターゲット1105、1106をそれぞれ固定する。この2つの反射プリズムターゲット1105、1106は、基準点となる3次元座標値を有する。ここで、第一の測量機1103と、第二の測量機1104とは、振動する後続台車に設置される。
シールドマシンの位置計測監視システムでは、先ず、図11Bに示すように、第二の測量機1104が、2つの反射プリズムターゲット1105、1106をそれぞれ測距し、2つの測距点に基づいて後方公会法で第二の測量機1104の3次元座標値を算出する。次に、図12Aに示すように、第二の測量機1104が、第一の測量機1103の球体ターゲット12に対して本発明の位置計測方法を採用することで、球体ターゲット12の芯の3次元座標値を算出し、第一の測量機1103の3次元座標値を算出する。そして、第二の測量機1104が、第一の測量機1103に第一の測量機1103の3次元座標値を送信し、図12Bに示すように、第一の測量機1103が、シールドマシン1100の2つの球体ターゲット1101、1102に対して本発明の位置計測方法を採用することで、球体ターゲット1101、1102の芯の3次元座標値を算出する。第一の測量機1103は、自身の3次元座標値と2つの球体ターゲット1101、1102の3次元座標値を用いてバックサイト法によりシールドマシン1100の3次元座標値を算出する。最後に、2つの反射プリズムターゲット1105、1106とシールドマシン1100との間の距離を算出することで、シールドマシンの位置測量が可能となる。
ここで、本発明の位置計測方法では、シールドマシンのような振動が伴う車輌に適用しても、振動中の球体ターゲット12の芯の3次元座標値を精度高く測定することが出来るため、シールドマシンの位置も正確に測定することが出来る。又、従来では、3Dスキャナを移動体に搭載するシステムは存在するものの、このシステムでは、即時にターゲットの芯の3次元座標値を算出するものでは無い。本発明の位置計測方法では、球体ターゲット12の芯の3次元座標値を即時に測定することが出来る。
又、例えば、造成現場での出来形測量において、図13Aに示すように、測量対象に球体ターゲット12を設置し、位置計測装置1で球体ターゲット12の芯の3次元座標値を測定し、測量対象の出来形を計測する。ここで、位置計測装置1の測量機10を自走式の台車1300に搭載し、台車1300のリモコン1301で台車12を遠隔操作するとともに、位置計測装置1の端末装置11で測量機10を遠隔操作することで、遠隔測量を可能にする。
又、例えば、建設物での鉄骨建ち測量において、図13Bに示すように、鉄骨の柱頭に球体ターゲット12を設置し、位置計測装置1で球体ターゲット12の芯の3次元座標値を測定する。鉄骨の芯の上方に球体ターゲット12の芯を設置することで、柱の捻りに影響を受けない鉄骨の柱頭の芯の3次元座標値を測定することが出来る。ここで、反射プリズムターゲットやターゲットシールに対する測量機10の3次元座標値の測定では、正対を必要とする。一方、本発明では、測量機10の単眼のデジタルカメラによる球体ターゲット12の撮影は、精度高い正対を必要とせず、撮影可能範囲を広くすることが出来るため、測量機10の盛替え頻度を少なくすることが出来る。又、鉄骨の柱頭に測量機10を設置することで、位置計測装置1の端末装置11で測量機10を遠隔操作し、鉄骨建ち測量を可能にする。
又、例えば、図14に示すように、ドローン1400の上方に球体ターゲット12を設置し、ドローン1400の下方で、車輌の上方には、ドローン1400の下方にある読取部が読取可能なバーコード1401が設置される。ドローン1400は、ホバリングによりその場に静止するとともに、ドローン1400の読取部は、車輌のバーコード1401を読み取る。車輌が移動すると、バーコード1401が移動するため、ドローン1400の読取部がバーコード1401を読み取ることで、車輌の移動量を取得する。一方、ドローン1400の球体ターゲット12の芯の3次元座標値は、固定された測量機10で測定されるため、球体ターゲット12の芯の3次元座標値と車両の移動量から、車輌の3次元座標値を算出することが出来る。
ところで、上述では、物体ターゲット12を球体ターゲットとして説明したが、円柱ターゲットとしても良い。この場合は、上述とほぼ同様であるが、下記のようになる。先ず、視準合わせ部201は、測量機10の視準望遠鏡101を水平方向における円柱ターゲット12の表面の中心に視準させる(図3:S101)。次に、物体測距部202は、前記視準望遠鏡101の水平角度、鉛直角度及び前記測量機10のノンプリズムモードにより円柱ターゲット12の表面の中心の3次元座標値(Xs、Ys、Zs)を測定する(図3:S102)。そして、物体撮影部203は、前記視準望遠鏡101のデジタルカメラで、前記円柱ターゲット12を含む円柱画像を撮影する(図3:S103)。
更に、画像中心算出部204は、前記円柱画像中の水平方向における円柱ターゲット12の外縁を円柱ターゲット12の外側面に変換し、当該変換された円柱ターゲット12の外側面に基づいて、前記円柱画像における円柱ターゲット12の中心線CLを算出する(図3:S104)。
例えば、画像中心算出部204は、図15Aに示すように、撮影された円柱画像1500を二値化処理して、円柱ターゲット12の外縁が特定される円柱二値化画像1501を生成する。ここでは、例えば、デジタルカメラの視野から円柱ターゲット12の上下が隠れて、円柱ターゲット12が長方形状に写っている。
次に、中心算出部204は、円柱二値化画像1501から円柱ターゲット12の外縁(ここでは、左右の外縁)を構成する画素(左の外縁の画素1502、右の外縁の画素1503)を所定数抽出する。中心算出部204は、図15Bに示すように、当該抽出した左の外縁の所定数の画素1502を点として第一の直線で近似するとともに、右の外縁の所定数の画素1503を点として第二の直線で近似する。ここでは、円柱ターゲット12の左の外縁を構成する所定数の画素1502(点)に対して第一の直線1504の式を最小二乗法で近似し、右の外縁を構成する所定数の画素1503(点)に対して第二の直線1505の式を最小二乗法で近似する。近似の際に、第一の直線1504及び第二の直線1505は、円柱画像1500における二次元座標系(X座標系)の縦軸に対して平行となる。これにより、円柱ターゲット12の左右の外縁を円柱ターゲット12の左右の外側面に変換することが出来る。そして、画像中心算出部204は、近似した第一の直線1504と第二の直線1505との間の中心線CL(Ycl)を円柱画像1500における円柱ターゲット12の中心線として算出する。
そして、中心判定部205は、前記円柱ターゲット12の中心線CLが、前記円柱画像1500の中心位置C0を基準とした所定の中心判定範囲Dに含まれるか否かを判定する(図3:S105)。
例えば、中心判定部205は、円柱画像1500の中心位置C0(Xc0、Yc0)のうち、Y座標値(Yc0)を中心とし、閾値dを左右の幅とした帯状の中心判定範囲Dとして設定し、図15Bに示すように、円柱画像1500における二次元座標系において、球体ターゲット12の中心線CLが中心判定範囲Dに含まれるか否かを判定する。
前記判定の結果、前記円柱ターゲット12の中心線CLが前記中心判定範囲Dに含まれる場合(図3:S105YES)、実中心算出部206は、前記円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値(Xs、Ys、Zs)のうち、水平方向における2次元座標値(Xs、Ys)から、前記測定された水平角度Hの水平方向に前記円柱ターゲット12の中心軸Cに向かって前記円柱ターゲット12の半径rだけ移動させた2次元座標値を水平方向における前記円柱ターゲット12の中心軸Cの2次元座標値(Xc、Yc)として算出する(図3:S105)。
ここで、円柱ターゲット12の中心軸Cは、円柱ターゲット12を鉛直方向から見た場合の円柱ターゲット12の中心を意味する。例えば、実中心算出部206は、上記の2式(1)、(2)に、円柱ターゲット12の表面の中心SのXY座標値(Xs、Ys)と、水平角Hと、円柱ターゲット12の半径rとを代入することで、円柱ターゲット12の中心軸CのXY座標値(Xc、Yc)を算出する。
尚、円柱ターゲット12の半径rは、例えば、下記のように算出される。即ち、上述で近似した第一の直線1504と第二の直線1505との間の距離Bが算出されると、この距離Bが円柱ターゲット12の直径になり、この距離Bの中心が円柱ターゲット12の中心軸Cとなる。この距離Bは、鉛直方向のどの位置でも同じ値となる。そのため、この距離Bに1/2を乗算した値が円柱画像1500における円柱ターゲット12の半径rとして算出される。又、予め登録された円柱ターゲット12の実寸法の半径Rを用いても良い。
これにより、一枚の撮影画像で、円柱ターゲット12の中心軸Cの2次元座標値(Xc、Yc)を算出することが出来る。尚、円柱ターゲット12の中心軸Cの鉛直方向のZ座標値(Zc)は、円柱ターゲット12の表面の中心の鉛直方向のZ座標値(Zs)と同等であるため、この値を用いても良い。又、球体ターゲット12と同様に、円柱ターゲット12が動いていてもその算出は可能である。円柱ターゲット12の中心軸Cの2次元座標値(Xc、Yc)の算出の応用例として、例えば、杭打設の杭を円柱ターゲットとみなして、その中心軸Cの2次元座標値(Xc、Yc)を経時的に算出し、監視する例を挙げることが出来る。
尚、前記判定の結果、前記円柱ターゲット12の中心線CLが前記中心判定範囲Dに含まれない場合(図3:S105NO)、差分算出部207は、前記円柱画像1500のY座標系における円柱ターゲット12の中心線CLと前記円柱画像1500の中心位置C0とのY座標値の差分(dY1)を算出し(図3:S107)、当該算出したY座標値の差分(dY1)に対応する水平角偏差dH1に基づいて前記視準望遠鏡101の観測方向を補正する(図3:S108)。そして、上述と同様に、S101に戻って、視準が再度なされる。
<実施例2>
実施例1において、球体ターゲットを円柱ターゲットに代えた位置計測装置1を用い、円柱ターゲット12の中心軸Cの2次元座標値(Xc、Yc)を算出するよう構成した。ここで、円柱ターゲット12を設置した対象物Tが動くことを想定し、図16Aに示すように、振動試験機を横に倒したものを対象物Tとし、この左側に円柱ターゲット12を設置して、特定の周波数で水平方向で円柱ターゲット12を振動させるようにした。
<位置計測試験3>
次に、振動試験機Tを動作させ、円柱ターゲット12を特定の周波数(例えば、10Hz)で左右に振動させた状態で、位置計測装置1を用いて円柱ターゲット12の中心軸CのY座標値(Yc)を所定の期間(例えば、3秒間)を算出した。一方、振動試験機Tの基準振幅Y座標値を予め計測し、測定精度を確認した。その結果、図16Bに示すように、実験値である円柱ターゲット12の中心軸CのY座標値(Yc)は、設計値である基準振幅Y座標値の波形に従って推移しており、基準振幅Y座標値にほぼ一致していることが確認出来た。
ここで、算出した円柱ターゲット12の中心軸CのY座標値(Yc)の最大値は6.49mm、基準振幅Y座標値の最大値は6.14mmであり、両者の差分は0.35mmであった。又、算出した円柱ターゲット12の中心軸CのY座標値(Yc)の最小値は−9.13mm、基準振幅Y座標値の最小値は−7.75mmであり、両者の差分は1.38mmであった。つまり、円柱ターゲット12が振動していても、その測定誤差は2.0mm未満であり、測定精度が高いことが確認出来た。又、1点の算出時間は、上述と同様に、0.5秒以下であり、測定時間が短いことが確認出来た。
本発明では、測量機10と端末装置11が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、プログラムを所定の処理装置に読み出させ、当該処理装置が各部を実現する。その場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。更に、各部が実行するステップを本発明の位置計測方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明に係る位置計測装置及び位置計測方法は、一般的な構造物、建築物、機器装置、地盤、道路、車輌、鉄道、シールドマシン、ドローン等の3次元又は2次元座標値を計測する計測分野、土木技術分野、測量分野等に有用であり、物体ターゲットが動いていても、一枚の撮影画像で、精度高く、且つ、短時間に物体ターゲットの中心の座標値を計測することが可能な位置計測装置及び位置計測方法として有効である。
1 位置計測装置
10 測量機
11 端末装置
12 物体ターゲット
201 視準合わせ部
202 物体測距部
203 物体撮影部
204 画像中心算出部
205 中心判定部
206 実中心算出部
207 差分算出部
208 継続測定部

Claims (7)

  1. 測量機の視準望遠鏡を球体ターゲットの表面の中心に視準させる視準合わせ部と、
    前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する物体測距部と、
    前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記球体ターゲットを含む球体画像を撮影する物体撮影部と、
    前記球体画像中の球体ターゲットの外縁を球体ターゲットの円周に変換し、当該変換された球体ターゲットの円周に基づいて、前記球体画像における球体ターゲットの中心位置を算出する画像中心算出部と、
    前記球体ターゲットの中心位置が、前記球体画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する中心判定部と、
    前記球体ターゲットの中心位置が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値から、前記測定された水平角度及び鉛直角度の方向に前記球体ターゲットの芯に向かって前記球体ターゲットの半径だけ移動させた3次元座標値を前記球体ターゲットの芯の3次元座標値として算出する実中心算出部と、
    を備えることを特徴とする位置計測装置。
  2. 前記球体ターゲットの中心位置が前記中心判定範囲に含まれない場合、前記球体画像のXY座標系における球体ターゲットの中心位置と前記球体画像の中心位置とのXY座標値の差分を算出し、当該算出したXY座標値の差分に対応する水平角偏差及び鉛直角偏差に基づいて前記視準望遠鏡の観測方向を補正し、前記視準望遠鏡の視準をやり直す差分算出部
    を更に備える
    請求項1に記載の位置計測装置。
  3. 前記画像中心算出部は、撮影された球体画像を二値化処理して、前記球体ターゲットの外縁が特定される球体二値化画像を生成し、当該生成した球体二値化画像から前記球体ターゲットの外縁を構成する画素を所定数抽出し、当該抽出した所定数の画素を点として円周で近似し、当該近似した円周の半径を前記球体ターゲットの半径として算出する
    請求項1又は2に記載の位置計測装置。
  4. 前記実中心算出部は、下記の2式(1)、(2)に、前記球体ターゲットの表面の中心のXY座標値(Xs、Ys)と、前記水平角Hと、前記球体ターゲットの半径rとを代入することで、前記球体ターゲットの芯のXY座標値(Xc、Yc)を算出し、下記の式(3)に、前記球体ターゲットの表面の中心のZ座標値(Zs)と、前記鉛直角Vと、前記球体ターゲットの半径rとを代入することで、前記球体ターゲットの芯のZ座標値(Zc)を算出する
    Xc=Xs+r×cosH (1)
    Yc=Ys+r×sinH (2)
    Zc=Zs−r×sin(V−90度) (3)
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置計測装置。
  5. 測量機の視準望遠鏡を球体ターゲットの表面の中心に視準させる視準合わせステップと、
    前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する物体測距ステップと、
    前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記球体ターゲットを含む球体画像を撮影する物体撮影ステップと、
    前記球体画像中の球体ターゲットの境界を球体ターゲットの円周に変換し、当該変換された球体ターゲットの円周に基づいて、前記球体画像における球体ターゲットの中心位置を算出する画像中心算出ステップと、
    前記球体ターゲットの中心位置が、前記球体画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する中心判定ステップと、
    前記球体ターゲットの中心位置が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記球体ターゲットの表面の中心の3次元座標値から、前記測定された水平角度及び鉛直角度の方向に前記球体ターゲットの芯に向かって前記球体ターゲットの半径だけ移動させた3次元座標値を前記球体ターゲットの芯の3次元座標値として算出する実中心算出ステップと、
    を備えることを特徴とする位置計測方法。
  6. 測量機の視準望遠鏡を水平方向における円柱ターゲットの表面の中心に視準させる視準合わせ部と、
    前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する物体測距部と、
    前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記円柱ターゲットを含む円柱画像を撮影する物体撮影部と、
    前記円柱画像中の水平方向における円柱ターゲットの外縁を円柱ターゲットの外側面に変換し、当該変換された円柱ターゲットの外側面に基づいて、前記円柱画像における円柱ターゲットの中心線を算出する画像中心算出部と、
    前記円柱ターゲットの中心線が、前記円柱画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する中心判定ステップと、
    前記円柱ターゲットの中心線が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値のうち、水平方向における2次元座標値から、前記測定された水平角度の方向に前記円柱ターゲットの中心軸に向かって前記円柱ターゲットの半径だけ移動させた2次元座標値を水平方向における前記円柱ターゲットの中心軸の2次元座標値として算出する実中心算出部と、
    を備えることを特徴とする位置計測装置。
  7. 測量機の視準望遠鏡を水平方向における円柱ターゲットの表面の中心に視準させる視準合わせステップと、
    前記視準望遠鏡の水平角度、鉛直角度及び前記測量機のノンプリズムモードにより円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値を測定する物体測距ステップと、
    前記視準望遠鏡の光軸と撮影画像の中心が一致するデジタルカメラで、前記円柱ターゲットを含む円柱画像を撮影する物体撮影ステップと、
    前記円柱画像中の水平方向における円柱ターゲットの外縁を円柱ターゲットの外側面に変換し、当該変換された円柱ターゲットの外側面に基づいて、前記円柱画像における円柱ターゲットの中心線を算出する画像中心算出ステップと、
    前記円柱ターゲットの中心線が、前記円柱画像の中心位置を基準とした所定の中心判定範囲に含まれるか否かを判定する中心判定ステップと、
    前記円柱ターゲットの中心線が前記中心判定範囲に含まれる場合、前記円柱ターゲットの表面の中心の3次元座標値のうち、水平方向における2次元座標値から、前記測定された水平角度の方向に前記円柱ターゲットの中心軸に向かって前記円柱ターゲットの半径だけ移動させた2次元座標値を水平方向における前記円柱ターゲットの中心軸の2次元座標値として算出する中心算出ステップと、
    を備えることを特徴とする位置計測方法。
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