<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。最初に、パチンコ遊技機1の構造について図1〜図13を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機1から当該パチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機1に近づく方向として、説明する。
図1〜図2に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、後述する遊技盤ユニット4が取り付けられる遊技盤取付枠51と、遊技盤取付枠51にヒンジ54を介して回転自在に支持される前枠53と、を備える。前枠53は遊技盤取付枠51に対して開閉が可能である。前枠53には、透明のガラス板55が取り付けられている。前枠53が閉じられているとき、遊技盤取付枠51に取り付けられた遊技盤2とガラス板55とは対面する。よって、パチンコ遊技機1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機1の前方にいる遊技者は、ガラス板55を通して、遊技盤2に形成された遊技領域3を視認することができる。なお、ガラス板55の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。パチンコ遊技機1の前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53の前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル60が設けられている。ハンドル60が操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置112が発射モーター113に駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル60の回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠53の前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部突出体61が設けられている。下部突出体61の上面には、ハンドル60に供給される遊技球を貯留するための供給凹部611が形成されている。また、下部突出体61の正面の下部中央には、供給凹部611に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰凹部612が設けられている。
下部突出体61の上面の供給凹部611より前方側には、下方に押下操作可能な半球型ボタン63が設けられている。また、前枠53の表面の右縁部から前方に突出して形成されている右装飾体66において、下方に押下操作可能な剣型ボタン64が設けられている。
また、前枠53の表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体65の底面に、音を出力可能なスピーカ11が設けられている。スピーカ11は、左側に配置された左スピーカ11Lと、右側に配置された右スピーカ11Rと、からなる。また、前枠53の表面の左縁部と、下部突出体61における正面の余剰凹部612の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ12が設けられている。さらに、前枠53の左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可能式の枠可動装置13が取り付けられている。枠可動装置13は、左側に配置された左枠可動装置13Lと、右側に配置された右枠可動装置13Rと、で構成される。
次に、遊技盤ユニット4について、主に図3〜図13を用いて説明する。遊技盤ユニット4は、遊技盤2と、遊技盤2の背面側に取り付けられた演出用ユニット5と、を有する。最初に、遊技盤2について説明する。遊技盤2は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤2の略中央には正面視略円形の開口部2Aが形成されている。開口部2Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域3を区画するための略リング状の内側壁部2Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部2Bの外側にも、遊技領域3を区画するための略リング状の外側壁部2Cが前方に突出して形成されている。
また、外側壁部2Cは、略リング状に形成された第1外側壁部2C1と、遊技盤2の左側で、第1外側壁部2C1と内側壁部2Bとの間で、第1外側壁部2C1および内側壁部2Bに沿って形成された湾曲状の第2外側壁部2C2と、を備える。そして、遊技盤2の前面には、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2などで囲まれた遊技領域3が形成されている。すなわち、遊技盤2の前面が、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2によって、遊技領域3とそれ以外の領域とに仕切られている。なお、第1外側壁部2C1と第2外側壁部2C2とは一体的に形成されている。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域3には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域3に進入して遊技領域3を流下する遊技球を、後述する第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、ゲート28、第1大入賞口30、および、第2大入賞口32などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域3における内側壁部2Bの中央直下には、上方が開口した第1始動口20が形成された第1始動入賞装置21が設けられている。第1始動口20の左下には、右側方が開口した第2始動口22が設けられている。第2始動口22の右脇には、第2始動口22への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)23が設けられている。
第1始動入賞装置21は不動である。そのため、第1始動口20は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口20への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口20へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー23は、作動可能な電チュー開閉部材231を備えている。電チュー開閉部材231は平面視で左斜め下方向に下降する略横長長方形状の舌状片からなる。平面視で、電チュー開閉部材231の上面左端が、第2始動口22の最下点の右隣に位置する。電チュー開閉部材231は、通常は(通常状態では)その先端(前方側側面)が遊技領域3、すなわち遊技盤2の前面辺りに位置するよう、遊技盤2より後方に収納されている。電チュー開閉部材231はその収納されている状態から前後方向に移動(進退)することができる。そして、特別状態になると、電チュー開閉部材231が前方へ移動する。電チュー開閉部材231が前方へ移動すると、電チュー開閉部材231が第2始動口22への誘導する経路となる。よって、電チュー開閉部材231が遊技領域3より後方に収納された通常状態では、この誘導する経路がないので、第2始動口22へ遊技球を入球させることはほとんど不可能である。このように、電チュー開閉部材231が突出状態になることを第2始動口22または電チュー23の「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口22への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材231が第2始動口22の内部に収納されている状態を第2始動口22または電チュー23の「閉状態」ともいう。このように、電チュー開閉部材231の作動によって第2始動口22が開閉する。また、第2始動口22または電チュー23が「開状態」になることを「電チュー23が開放する」ともいい、電チュー23が「閉状態」になることを「電チュー23が閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口22への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口22へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の左側には、2つの一般入賞口27が設けられている。また、電チュー23の右側には、1つの一般入賞口27が設けられている。遊技球が一般入賞口27へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤2の開口部2Aの右斜め下側に、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。遊技球のゲート28の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー23を開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー23の開放を伴う遊技である。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の右側でゲート28の直下には、第1大入賞口30が形成された第1大入賞装置31(以下、「通常AT31」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる通常AT開閉部材311を備える。通常AT開閉部材311の作動により第1大入賞口30が開閉する。通常AT開閉部材311は正面視略横長矩形状の平板からなり、通常は第1大入賞口30を塞いでいる。通常AT開閉部材311は下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。通常AT開閉部材311が回転すると、通常AT開閉部材311が遊技領域3に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第1大入賞口30の中に入球させる。このように、通常AT開閉部材311が開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口30への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口30へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1大入賞装置31の直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口22へ誘導する誘導ステージ37が遊技領域3(遊技盤2の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ37の上面を転動する遊技球は、第2始動口22の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口20へ入賞することはできない。
遊技領域3におけるゲート28や第1大入賞口30の右斜め上方、換言すると、上流側に、第2大入賞口32が形成された第2大入賞装置33(以下、「VAT33」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置33は、作動可能なVAT開閉部材331を備えている。VAT開閉部材331は正面視で羽根のような形状を呈している棒状体であり、通常は水平方向に対して略90度の姿勢で保持され、第2大入賞口32を塞いでいる。VAT開閉部材331は下端を中心に、上端が左側へ倒れるように略70度回転し、開状態をとることができる。VAT開閉部材331が開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口32への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材331が第2大入賞口32を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材331の作動によって第2大入賞口32が開閉する。遊技球が第2大入賞口32へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図4を用いて、第2大入賞装置33について詳細に説明する。第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口32に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ32aが設けられている。
第2大入賞口センサ32aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域34と非特定領域35とが設けられている。第2大入賞口センサ32aを通過した遊技球は、振分装置36によって、特定領域34か非特定領域35かに振り分けられる。振分装置36は、略矩形状の平板からなる振分部材361と、振分部材361を駆動する振分ソレノイド362とを備えている。振分部材361は、振分ソレノイド362の駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド362が通電されていないとき、振分部材361は特定領域34への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図4(A)の正面視で振分部材361の左端が特定領域34の左端よりやや左側に位置し、振分部材361が特定領域34をその直上で覆う状態)にある。振分部材361が第1状態にあるときは、第2大入賞口32に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過した後、特定領域34を通過することは不可能であり、非特定領域35を通過する。この第2大入賞口32から非特定領域35まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド362が通電されているとき、振分部材361は遊技球の特定領域34の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図4(B)の正面視で振分部材361の左端が特定領域34の右端よりやや左側に位置し、振分部材361が特定領域34をその直上で覆わず、特定領域34の直上が開放している状態)にある。振分部材361が第2状態にあるときは、第2大入賞口32に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過したあと特定領域34を通過容易である。この第2大入賞口32から特定領域34まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材361は第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材361の通常の状態であるといえる。そして、後述する大当たり遊技の最後のラウンド遊技(16R)においてのみ、振分ソレノイド362が通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域34と非特定領域35には、各領域34、35を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ34a、非特定領域センサ35aが設けられている。
また、遊技領域3の略最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部へ排出する2つのアウト口29が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口20と、2つの一般入賞口27と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口20、または、一般入賞口27への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口22と、ゲート28と、第1大入賞口30と、第2大入賞口32と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート28の通過や、第2始動口22、第1大入賞口30、または、第2大入賞口32への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、第1大入賞口30、および第2大入賞口32)7にも入球しなかった遊技球は、アウト口29へ誘導されて排出される。
また、遊技盤2の前面に形成された遊技領域3の上下方向略中央の右隣(遊技領域3以外の部分)には表示器類40が配置されている。図5に示すように、表示器類40には、特図1を可変表示する特図1表示器411、特図2を可変表示する特図2表示器412、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器42が含まれている。また、表示器類40には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器411による特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器431、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器412による特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器432が含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器411および特図2表示器412を総称して特図表示器41という。さらに、特図1保留表示器431および特図2保留表示器432を総称して特図保留表示器43という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定の特図の種類(つまり当選した大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口32)を開放させる大当たり遊技が行われる。
特図表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器41は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器41「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として特図保留記憶部85(図14参照)に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口20への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口22への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部85の中の特図1保留記憶部851(図14参照)に記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部85の中の特図2保留記憶部852(図14参照)に記憶される。特図1保留記憶部851に記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部852に記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限がある。第1実施形態において、特図1保留数および特図2保留数の上限値はそれぞれ4個に設定されている。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、所定個数を上限として、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器43に表示される。特図1保留表示器431と特図2保留表示器432のそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。
また、普通図柄の可変表示は、普通図柄抽選の結果を報知する。普通図柄の可変表示では、普通図柄が変動表示したあと停止表示する。停止表示される普通図柄(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22(電チュー23)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示する。普通図柄抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器42は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普通図柄抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普通図柄抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が行われる。普通図柄の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普通図柄の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技球がゲート28を通過すると、普通図柄抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報)が取得されることがある。この乱数は、普図可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に普図保留記憶部86(図14参照)に記憶される。なお、以下において、遊技球がゲート28を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図6〜図13を用いて、遊技盤2の背面に取り付けられた演出用ユニット5について説明する。演出用ユニット5は、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット5には、下画像表示装置7、上画像表示装置8、盤前可動装置14、盤後可動装置15、およびロゴ役物装置16が搭載されている。
下画像表示装置7は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な下表示部7aを具備する。上画像表示装置8は、12インチの2D液晶ディスプレイで構成されており、2D画像を表示可能な上表示部8aを具備する。
盤前可動装置14は、さらにその中で上に配置される盤前上可動装置14Uと、下に配される盤前下可動装置14Dと、からなる。そして、さらに盤前上可動装置14Uは、左側に配置される盤前上左可動装置14ULと、右側に配置される盤前上右可動装置14URと、からなる。盤前上左可動装置14ULは、移動可能であり、主に前面部分が立体的に形成され、立体的な装飾が施された盤前上左可動体14UL1を備える。盤前上右可動装置14URは、移動可能であり、立体的に形成され、主に前面部分が立体的な装飾が施された盤前上右可動体14UR1を備える。盤前下可動装置14Dは、移動可能であり、立体的に形成され、主に前面部分に立体的な装飾が施された盤前下可動体14D1を備える。詳細は後述するが、それぞれの可動体14UL1,14UR1,14D1が移動し、一つにまとまる(合体する)ことによって全体で一つの主人公キャラクタの顔が立体的に形成される。ここで可動体14UL1,14UR1,14D1を合わせて「盤前可動体141」と総称する。
盤後可動装置15は、さらにその中で上側に配置される盤後上可動装置15Uと、下側に配される盤後下可動装置15Dと、からなる。盤後上可動装置15Uは、移動可能であり、前面部分が平面的に成形され、平面的な装飾が施された盤後上可動体15U1を備える。盤後下可動装置15Dは、移動可能であり、前面部分が平面的に成形され、平面的な装飾が施された盤後下可動体15D1を備える。詳細は後述するが、それぞれの可動体15U1,15D1が移動し、一つにまとまる(合体する)ことによって、それぞれの可動体15U1,15D1の前面で平面的に施された装飾が全体で一つのキャラクタの顔が形成される。ここで可動体15U1,15D1を合わせて「盤後可動体151」と総称する。
ロゴ役物装置16は、パチンコ遊技機1の題材である主人公キャラクタ「ロゴ」のロゴタイプ「L・O・G・O」が前面側に施されたロゴ可動体161を備えている。ロゴ可動体161は、下表示部7aに沿って平面的に上昇および下降が可能である。
下画像表示装置7、上画像表示装置8、盤前可動体141、盤後可動体151およびロゴ可動体161の中で下画像表示装置7が一番後方に配置されている。詳細には、遊技盤2の背面から約120ミリメートル後方側に下画像表示装置7の表面が位置する。
上画像表示装置8は、下画像表示装置7の表面上端部から15ミリメートル前方にその背面の下端部が位置するように配置されている。そして、上画像表示装置8は、上端部が前方に突出するように傾いて(上端部が前方に倒れるように)設置されている。
盤後可動体151は、下画像表示装置7よりも前方側に、詳細には、下画像表示装置7の表面と同一平面上から1〜2ミリメートル前方側に離れて配置されている。盤後可動体151を構成する盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1は略同一幅の正面視矩形状で厚さ約10mmに形成されている。図6(A)は、盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1が作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤後上可動体15U1は、通常の待機状態(初期位置)では、その下端が上画像表示装置8の下端部より上側に位置にするよう配置され、完全に上画像表示装置8の裏側に隠れている(上画像表示装置8の陰になっている)。一方、盤後下可動体15D1は、通常の待機状態(初期位置)では、その上端が下画像表示装置7の下端部の範囲に位置するよう配置され、上端部を除く大半は後述する通常の待機状態の盤前下可動体14D1の裏側に隠れている(盤前下可動体14D1の陰になっている)。
盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1は、前後方向に略直交する平面上、言い換えると、下画像表示装置7の表面に沿って上下方向に移動可能である(上昇および下降が可能である)。そして、盤後上可動装置15Uおよび盤後下可動装置15Dのそれぞれの駆動源が駆動すると、盤後下可動体15D1は正面視でその上端が下画像表示装置7の高さ方向中央あたりに位置するように上向きに移動する(上昇する)(図6(B)参照)。一方、盤後上可動体15U1は正面視でその下端が下画像表示装置7の高さ方向中央あたりに位置するよう下向きに移動する(下降する)(図6(C)参照)。その結果、正面視で下画像表示装置7の高さ方向中央あたりで、盤後上可動体15U1と盤後下可動体15D1とが上下方向に接合して合体し、それぞれの表面に施された模様(デザイン)が全体で一つになり、パチンコ遊技機1の題材である主人公キャラクタの顔を表す(図6(D)参照)。このとき、下画像表示装置7の大部分は合体した盤後上可動体15U1と盤後下可動体15D1に覆われるので、下画像表示装置7は視認困難となる。
なお、前後方向における下画像表示装置7と上画像表示装置8との隙間Sの距離より、盤後上可動体15U1の厚さの方が薄いので、上画像表示装置8の背面側で隠れていた盤後上可動体15U1は、下画像表示装置7と上画像表示装置8との間をすり抜けて下降することができる(図7参照)。また、盤後上可動体15U1が作動した後に待機状態に戻る際にも同様に下画像表示装置7と上画像表示装置8との隙間Sをすり抜けて上画像表示装置8の裏側まで上昇することができる。
次に、図8を用いて盤後下可動体15D1について説明する。盤後下可動体15D1は、前方に(パチンコ遊技機1の遊技を行う遊技者に向けて)発光可能な発光ユニットを構成している。具体的には、前方側から、全体的に面発光可能なエッジ型導光板で構成される盤後下面発光装置15D41と、薄くて盤後下ハーフミラー15D43と、透明度の高い盤後下平板状部材15D44と、全体的に複数の点発光が可能な盤後下点発光装置15D42と、を備える。なお、前後方向に並んだ盤後下面発光装置15D41、薄くて盤後下ハーフミラー15D43、および透明度の高い盤後下平板状部材15D44はそれぞれ前後方向で相互に接している。
盤後下面発光装置15D41は、透過性を有する平板状の盤後下導光板パネル15D411と、盤後下導光板パネル15D411の底面にほとんど接触した状態で盤後下導光板パネル15D411を向いて発光可能な複数の盤後下第1光源15D412と、盤後下第1光源15D412を搭載する盤後下第1基板15D413と、を備える。盤後下導光板パネル15D411は正面視横長矩形状に成形されている。盤後下第1基板15D413は、盤後下導光板パネル15D411の長辺方向(左右方向)に沿うように、すなわち、盤後下導光板パネル15D411の左右方向長さおよび厚さが大体同じになるように形成されている。複数の盤後下第1光源15D412はLEDで構成され、盤後下導光板パネル15D411の長辺方向(左右方向)に沿って大体等間隔で配置されている。
また、盤後下導光板パネル15D411の背面にはV字状の盤後下第1V溝15D13が設けられている。そして、盤後下第1V溝15D13によって閉鎖された(囲われた)複数の盤後下特定領域15D12(図8(B)における15D41の灰色の部分)と、盤後下特定領域15D12以外の複数の盤後下非特定領域15D11と、が区画されている。盤後下特定領域15D12は、透過性の低いスモークガラスで構成され、盤後下非特定領域15D11は、透過性の高いアクリル板で構成されている。以下において、盤後下特定領域15D12のことを「盤後下低透過部15D12」ともいう。また、盤後下非特定領域15D11のことを「盤後下高透過部15D11」ともいう。
また、盤後下第1光源15D412が発光され、盤後下導光板パネル15D411の底面から盤後下導光板パネル15D411の内部に入った光は、盤後下第1V溝15D13によって反射し、主に盤後下高透過部15D11において拡散され、前面および背面に均一の光を出す。ここで、盤後下第1V溝15D13は、後述する特別状態の主人公キャラクタの略下半分を表している。よって、遊技者から見ると盤後下第1光源15D412が発光されると特別状態の主人公キャラクタの顔の略下半分が浮かび上がって光っているように見える。さらに、透過性の異なる盤後下低透過部15D12と盤後下高透過部15D11とが設けられているので、特別状態の主人公キャラクタの顔の略下半分がメリハリをもって表される。
盤後下ハーフミラー15D43は、入射した光の一部を反射し、一部を透過させる。言い換えると、相対的に明るい側からの光の一部が反射することにより相対的に明るい側からは鏡のように見える一方、相対的に暗い側からの光の一部も反射するが、光量が少ないため相対的に暗い側からはガラスのように透けて見える。盤後下ハーフミラー15D43は前面で遊技店に対面し、前面側は明るい環境である。一方、後述するように盤後下ハーフミラー15D43の背面側には盤後下第2基板15D423が配置され、後方からの光が遮られるので、後方側は暗い環境である。
また、盤後下ハーフミラー15D43は盤後下面発光装置15D41や盤後下点発光装置15D42に比べて非常に薄く、容易に撓む。
盤後下平板状部材15D44は、透明度が極めて高いアクリル板で構成されており、盤後下ハーフミラー15D43に比べて非常に厚く、撓みにくい。盤後下平板状部材15D44と盤後下ハーフミラー15D43とはその厚さ方向(前後方向)で密着しているので、盤後下平板状部材15D44によって盤後下ハーフミラー15D43の撓みが防止される。
また、盤後下平板状部材15D44の背面には、盤後下第1V溝15D13に大体対向するように、V字状の盤後下第2V溝15D441が形成されている。すなわち、盤後下平板状部材15D44の背面には、盤後下第2V溝15D441によって特別状態の主人公キャラクタの顔の略下半分が表されている。なお、盤後下第2V溝15D441の深さは盤後下第1V溝15D13に比べて非常に浅い。
盤後下点発光装置15D42は、盤後下平板状部材15D44と表面同士が対向するように配された不透過性の盤後下第2基板15D423と、盤後下第2基板15D423の前面に散在して配された複数の盤後下第2光源15D422と、を備える。盤後下第2基板15D423は正面視横長矩形状に成形されている。また、盤後下第2基板15D423は不透過性部材で構成されており、後方の画像表示装置7,8からの光を遮断する。複数の盤後下第2光源15D422はLEDで構成される。複数の盤後下第2光源15D422は、前方に向けて発光可能に盤後下第2基板15D423に搭載されている。
なお、図8を用いて盤後下可動体15D1について説明したが、盤後上可動体15U1も盤後下可動体15D1と同様な構造を有する。ここで、盤後上可動体15U1についての詳細な説明は省略するが、盤後下可動体15D1が具備する構成要素に対応する盤後上可動体15U1が具備する構成要素について説明する。
盤後上可動体15U1は、盤後下可動体15D1が具備する盤後下面発光装置15D41、盤後下ハーフミラー15D43、盤後下平板状部材15D44、および盤後下点発光装置15D42に対応する構成要素として、盤後上面発光装置15U41、盤後上ハーフミラー15U43、盤後上平板状部材15U44、および盤後上点発光装置15U42を具備する。なお、盤後下面発光装置15D41、盤後下ハーフミラー15D43、盤後下平板状部材15D44、および盤後下点発光装置15D42と、盤後上面発光装置15U41、盤後上ハーフミラー15U43、盤後下平板状部材15U44、および盤後上点発光装置15U42とを総称して、「盤後面発光装置1541」、「盤後ハーフミラー1543」、「盤後平板状部材1544」、および「盤後点発光装置1542」という。また、盤後面発光装置1541と盤後点発光装置1542とを総称して「盤後発光装置154」という。
また、盤後上面発光装置15U41は、盤後下面発光装置15D41が具備する盤後下導光板パネル15D411、盤後下第1光源15D412、および盤後下第1基板15D413に対応する構成要素として、盤後上導光板パネル15U411、盤後上第1光源15U412、および盤後上第1基板15U413を具備する。なお、盤後下導光板パネル15D411、盤後下第1光源15D412、および盤後下第1基板15D413と、盤後上導光板パネル15U411、盤後上第1光源15U412、および盤後上第1基板15U413と、を総称して、「盤後導光板パネル15411」、「盤後第1光源15412」、および「盤後第1基板15413」という。
また、盤後上導光板パネル15U411は、盤後下導光板パネル15D411に形成された盤後下第1V溝15D13、盤後下特定領域15D12、および盤後下非特定領域15D11に対応する構成要素として、盤後上第1V溝15U13、盤後上特定領域15U12、および盤後上非特定領域15U11を具備する。なお、盤後下第1V溝15D13、盤後下特定領域15D12、および盤後下非特定領域15D11と、盤後上第1V溝15U13、盤後上特定領域15U12、および盤後上非特定領域15U11と、を総称して、「盤後第1V溝1513」、「盤後特定領域1512」、および「盤後非特定領域1511」という。
また、盤後下第1V溝15D13は、特別状態の主人公キャラクタの顔の略下半分を表しているが、盤後上第1V溝15U13は、特別状態の主人公キャラクタの顔の略上半分を表している。よって、盤後上可動体15U1と盤後下可動体15D1とがそれぞれ移動して合体すると、特別状態の主人公キャラクタの顔が表される。
盤後上点発光装置15U42は、盤後下点発光装置15D42が具備する盤後下第2基板15D423および盤後下第2光源15D422に対応する構成要素として、盤後上第2基板15U423および盤後上第2光源15U422を具備する。なお、盤後下第2基板15D423および盤後下第2光源15D422と、盤後上第2基板15U423および盤後上第2光源15U422とを総称して、「盤後第2基板15423」および「盤後第2光源15422」という。
また、盤後上平板状部材15U44は、盤後下平板状部材15D44に形成された盤後下第2V溝15D441に対応する構成要素として、盤後上第2V溝15U441が形成されている。なお、盤後下第2V溝15D441と、盤後上第2V溝15U441とを総称して、「盤後第2V溝15441」という。また、盤後下第2V溝15D441は、特別状態の主人公キャラクタの顔の略下半分を表しているが、盤後上第2V溝15U441は、特別状態の主人公キャラクタの顔の略上半分を表している。
以上のように、パチンコ遊技機1では、発光可能な発光ユニットとしても機能する盤後可動体151には、前方側から盤後面発光装置1541、ハーフミラー1543、および盤後点発光装置1542が並んで配されている。盤後ハーフミラー1543の背面側に不透過性の盤後第2基板15423が配され、前方側は遊技店の店内であり明るいことから、盤後ハーフミラー1543の前面は鏡のようになるので、盤後面発光装置1541によって発光、特に後方に向けて発光された光が盤後ハーフミラー1543で全体的に光る。そのため、盤後ハーフミラー1543が設けられていない場合に比べて盤後面発光装置1541によって発光された光の光量が高くなる。この結果、盤後面発光装置1541の発光による演出の演出効果が向上する。さらに、盤後ハーフミラー1543は背面側からの光は通すので、盤後点発光装置1542の発光による演出の演出効果の低下を抑えることができる。このように、盤後面発光装置1541と、盤後点発光装置1542との間にハーフミラー1543が介在することによって、盤後可動装置15は、効果的に2つの発光仕様をもつことができ、遊技興趣が向上する。
さらに、盤後ハーフミラー1543と盤後点発光装置1542との間に、盤後平板状部材1544が介在しているので、盤後ハーフミラー1543が撓んで、盤後面発光装置1541の発光による演出および盤後点発光装置1542の発光による演出の演出効果を抑えることができる。また、盤後ハーフミラー1543が盤後点発光装置1542に対するスペーサーとして機能し、複数の盤後光源15422による所謂「点光り」を軽減することができる。
また、盤後導光板パネル15411には、盤後第1V溝1513が設けられているので、特別状態の主人公キャラクタの顔が浮き上がって光っているように見せる演出(以下、「イルミ演出」という)を実行できる。よって、遊技興趣が向上する。さらに、盤後第1V溝1513によって盤後低透過部1512と盤後高透過部1511とが設けられているので、イルミ演出の演出効果が向上する。
なお、盤後平板状部材1544が設けられていると、演出効果が向上するが、必ずしも設けなくて良い。また、盤後低透過部1512、盤後高透過部1511および盤後第1V溝1513が形成されていると演出効果が向上するが、盤後低透過部1512、盤後高透過部1511および盤後第1V溝1513の全てまたは一部は形成されていなくても良い。また、発光ユニットしても機能する盤後可動体151は移動可能であるが遊技者が視認可能な位置で移動できなくても良い。さらに、盤後可動体151は、盤後上可動体15U1と盤後下可動体15D1の2つの可動体が移動することによって完成するが、単体で構成させても良い。さらに、盤後可動体151は、3つ以上の複数の可動体が移動することによって完成するようにしても良い。また、盤後面発光装置1541を構成する盤後第1光源15412は、盤後導光板パネル15411の底面に配置されているが、両側面、片側面、上面、上面および底面、さらには、3つの面(両側面、上面および底面の何れか3つの面)、または全ての面(両側面、上面および底面)に配置しても良い。盤後点発光装置1542に替えて盤後面発光装置1541を配置しても良い。また、盤後第1V溝1513および盤後第2V溝15441が表すデザインも特別状態の主人公キャラクタの顔に限られず適宜に設定しても良い。
次に、盤後可動体151に施された装飾(デザイン)について説明する。図9に示すように、盤後可動体151の前面側は、透過性の低いスモークガラスで構成され、盤後ハーフミラー1543よりも色素が低く見える盤後低透過部1512と、透過性が高い透明なアクリル板で構成され、背面側に配置された盤後ハーフミラー1543が透けて見える盤後高透過部1511と、で構成されている。また盤後低透過部1512の前面と、盤後高透過部1511の前面は全体的に平坦に成形されている。前面が平坦な盤後低透過部1512と盤後高透過部1511のコントラストによって、主人公キャラクタの顔が平面的に形成されている。すなわち、盤後可動体151の前面には、デザインとして、平面的な主人公キャラクタの顔が施されている。なお、盤後可動体151において左斜め方向にハッチングされた部分が盤後高透過部1511に該当し、白抜きの部分が盤後低透過部1512に該当する。
盤後可動体151を構成する盤後下可動体15D1は、透明であるが背面側の盤後下ハーフミラー15D43によって前方側からは鏡のように前側に対峙するものが映されたように見える盤後下高透過部15D11と、スモークガラスからなり、盤後下ハーフミラー15D43よりは薄い色で見える盤後下低透過部15D12と、を備える。また盤後下低透過部15D12の前面と、盤後下高透過部15D11の前面は全体的に平坦に成形されている。前面が平坦な盤後下低透過部15D12と盤後下高透過部15D11のコントラストによって、主人公キャラクタの顔の下半分が平面的に形成されている。すなわち、盤後下可動体15D1の前面には、デザインとして、平面的な主人公キャラクタの顔の下半分が施されている。なお、盤後下可動体15D1において左斜め方向にハッチングされた部分が盤後下高透過部15D11に該当し、白抜きの部分が盤後下低透過部15D12に該当する。
盤後可動体151を構成する盤後上可動体15U1は、透明であるが背面側の盤後上ハーフミラー15U43によって前方側からは鏡のように前側に対峙するものが映されたように見える盤後上高透過部15U11と、スモークガラスからなり、盤後上ハーフミラー15U43よりは薄い色で見える盤後上低透過部15U12と、を備える。また盤後上低透過部15U12の前面と、盤後上高透過部15U11の前面は全体的に平坦に成形されている。前面が平坦な盤後上低透過部15U12と盤後上高透過部15U11のコントラストによって、主人公キャラクタの顔の上半分が平面的に形成されている。すなわち、盤後上可動体15U1の前面には、デザインとして、平面的な主人公キャラクタの顔の上半分が施されている。なお、盤後上可動体15U1において左斜め方向にハッチングされた部分が盤後上低透過部15U11に該当し、白抜きの部分が盤後上高透過部15U11に該当する。
次に、盤前可動装置14について説明する。図10(A)に示すように、盤前可動装置14を構成する盤前可動体141は、下画像表示装置7の前方に、詳細には、下画像表示装置7の表面と同一平面上から50〜100ミリメートル前方側に配置されている。詳細には、盤前可動体141を構成する盤前上可動体14U1(盤前上左可動体14UL1+盤前上右可動体14UR1)は、下画像表示装置7の表面と同一平面上から約90ミリメートル前方側に配置され、盤前可動体141を構成する盤前下可動体14D1は、下画像表示装置7の表面と同一平面上から約40ミリメートル前方側に配置されている。
盤前上左可動体14UL1は、回転軸を2つ具備する。1つ目の回転軸は、盤前上左可動体14UL1を全体的に、パチンコ遊技機1に対する前後方向に略直交する平面上、言い換えると、下画像表示装置7の表面に沿って時計回りに約45度の範囲で回転移動させる全体移動回転軸O1である。全体移動回転軸O1は盤前上左可動体14UL1の下端部に設けられている。2つ目の回転軸は、盤前上左可動体14UL1を内部的に、パチンコ遊技機1に対する前後方向に略直交する平面上、言い換えると、下画像表示装置7の表面に沿って反時計回りに約90度の範囲で回転変形させる内部変形回転軸O2である。内部変形回転軸O2は盤前上左可動体14UL1の全長方向の大体真ん中に設けられている。そして、盤前上左可動装置14ULが作動すると、この全体的な回転移動と内部的な回転変形が同時に行われる。盤前上左可動体14UL1は、通常の待機状態(初期位置)では、図10(A)に示すように、全体移動回転軸O1と内部変形回転軸O2とが内部変形回転軸O2が上側に配置されるように略上下方向に所定距離をおいて並び、内部変形回転軸O2を頂点とする角度が0度となるように折れ曲がって前後方向に重なって、パチンコ遊技機1に対する前後方向に略直交する平面、言い換えると、下画像表示装置7の表面に略平行に直線状に収まっている。このとき、盤前上左可動体14UL1の全体移動回転軸O1から内部変形回転軸O2までの部分は、内部変形回転軸O2から先端部までの部分で隠れている。そして、この直線状に収まっている状態の盤前上左可動体14UL1は、正面視において下画像表示装置7の左端部の前方側に配置されている。そして、盤前上左可動装置14ULが作動すると、図10(C)に示すように、全体移動回転軸O1を中心に全体が約45度時計回りに回転すると共に、内部変形回転軸O2を中心に、全体移動回転軸O1と反対側の先端部が反時計回りに約90度回転する。この結果、正面視で、盤前上左可動体14UL1は、内部変形回転軸O2を折れ点として「へ」字状に折れ曲がった状態で、下画像表示装置7を上下左右の4つに分けた左上部分の大半を覆う。盤前上右可動体14UR1は、盤前上左可動体14UL1と左右対称の構造であり、盤前上右可動装置14URが作動すると、全体移動回転軸O3を中心に全体が約45度反時計回りに回転すると共に、内部変形回転軸O4を中心に、全体移動回転軸O3と反対側の先端部が時計回りに約90度回転する結果、正面視で、内部変形回転軸O4を折れ点として「へ」字状に折れ曲がった状態で、下画像表示装置7を上下左右の4つに分けた右上部分の大半を覆う。
また、盤前可動装置14を構成する盤前下可動装置14Dは全体で、パチンコ遊技機1に対する前後方向に略直交する平面上、言い換えると、下画像表示装置7の表面に沿って上昇および下降が可能な盤前下可動体14D1を備える。盤前下可動体14D1は、正面視で全体的に略横長矩形状に形成されている。そして、作動しない通常の待機状態(初期位置)において、正面視で全体的に横長矩形状である盤前下可動体14D1は、盤後下可動体15D1の手前側で保持されているが、ロゴ役物装置16のロゴ可動体161の裏側に位置するため、その一部分がロゴ可動体161に覆われている。
また、盤前下可動体14D1は、さらに、左側に配される盤前下左可動体14DL1と、中央に配される盤前下中央可動体14DC1と、右側に配される盤前下右可動体14DR1と、に分かれている(図10(B)参照)。盤前下中央可動体14DC1の背面で左端からやや中央寄りの箇所および右端からやや中央寄りの箇所のそれぞれが、盤前下左可動体14DL1の右側端部および盤前下右可動体14DR1の左側端部と連結している。盤前下中央可動体14DC1と盤前下左可動体14DL1との連結部分は上下方向に沿った回転軸O5で構成されている。盤前下中央可動体14DC1と盤前下左可動体14DL1とは、回転軸O5を中心に、相互に離間する向きまたは近接する向きに回転することができる。また、盤前下中央可動体14DC1と盤前下右可動体14DR1との連結部分は上下方向に沿った回転軸O6で構成されている。盤前下中央可動体14DC1と盤前下右可動体14DR1は、回転軸O6を中心に、相互に離間する向きまたは近接する向きに回転することができる。
また、詳細な説明は省略するが、盤前下左可動体14DL1の左端には、回転軸O5と平行な回転軸O7が設けられており、回転軸O7を中心に盤前下左可動体14DL1の右側端部が下表示部7aから離間する向きまたは近接する向きに回転することができる。なお、盤前下左可動体14DL1は、回転軸O7を介して演出用ユニット5の左側縁部において上下方向に設けられた左側スライド孔に沿ってスライド可能な左側連結部材に連結されている(図示なし)。この左側連結部材によって盤前下左可動体14DL1が演出用ユニット5に支持される。また、盤前下右可動体14DR1の左端には、回転軸O6と平行な回転軸O8が設けられており、回転軸O8を中心に盤前下右可動体14DR1の左側端部が下表示部7aから離間する向きまたは近接する向きに回転することができる。なお、盤前下右可動体14DR1は、回転軸O8を介して演出用ユニット5の右側縁部において上下方向に設けられた右側スライド孔に沿ってスライド可能な右側連結部材に連結されている(図示なし)。この右側連結部材によって盤前下右可動体14DR1が演出用ユニット5に支持される。
通常の待機状態(初期位置)において、盤前下中央可動体14DC1は、盤前下中央可動体14DC1の左端部および右端部のそれぞれが、盤前下左可動体14DL1の右側端部および盤前下右可動体14DR1の左側端部の前面で重なった状態で折りたたまれている。このように、盤前下中央可動体14DC1の略左側端部および右側端部と、盤前下左可動体14DL1の右側端部および盤前下右可動体14DR1の左側端部とが、回転軸O5および回転軸O6を介して連結し、盤前下左可動体14DL1の左側端部が回転軸O7を介して演出用ユニット5に連結し、盤前下右可動体14DR1の右側端部が回転軸O8を介して演出用ユニット5に連結しているので、通常の待機状態(初期位置)においては、盤前下可動体14D1は全体的に平面状に折り畳まれたようになる。なお、盤前下可動体14D1が全体的に平面状に折り畳まれたような状態のとき、回転軸O5を頂点とする盤前下中央可動体14DC1の背面と盤前下左可動体14DL1の背面とのなす角度は約180度であり、回転軸O6を頂点とする盤前下中央可動体14DC1の背面と盤前下右可動体14DR1の背面とのなす角度は約180度である。
そして、盤前下可動装置14Dが作動すると、盤前下可動体14D1は、まずは、図11(A)〜図11(B)に示すように、パチンコ遊技機1に対する前後方向に略直交する平面上、言い換えると、下画像表示装置7の表面に沿って、その上端が下画像表示装置7の下表示部7aの上下方向の中央あたりまで上昇することができる。以下、この盤前下可動体14D1が上昇することができる最も高い位置である「下表示部7aの上下方向の中央あたりまで」のことを「盤前下可動体上昇最上点」という。盤前下可動体14D1が盤前下可動体上昇最上点付近まで上昇すると、図11(C)に示すように、盤前下左可動体14DL1が上昇しながら右向きに移動すると共に、盤前下右可動体14DR1が上昇しながら左向きに移動する。すなわち、盤前下左可動体14DL1と盤前下右可動体14DR1は上昇しながら近接する。具体的には、前述の左側スライド孔の上端部が、その上側先端に向かって右側に傾くように傾斜していると共に、前述の右側スライド孔の上端部が、その上側先端に向かって左側に傾くように傾斜している。よって、前述の左側連結部材および右側連結部材が水平方向中央に押し出されるように移動する。その結果、盤前下左可動体14DL1および盤前下右可動体14DR1が右向きおよび左向きに(水平方向中央に向かって)移動する。
ここで、盤前下左可動体14DL1が右に移動すると共に、盤前下右可動体14DR1が左に移動すると、盤前下左可動体14DL1が回転軸O7を中心に、その右側端部が下表示部7aから離間する向きに回転すると共に、盤前下右可動体14DR1の左側端部が回転軸O8を中心に下表示部7aから離間する向きに回転する。さらに、回転軸O5を頂点とする盤前下中央可動体14DC1の背面と盤前下左可動体14DL1の背面とのなす角度が約180度から小さくなるように、盤前下左可動体14DL1が盤前下中央可動体14DC1に対して回転する。また、回転軸O6を頂点とする盤前下中央可動体14DC1の背面と盤前下右可動体14DR1の背面とのなす角度が約180度から小さくなるように、盤前下右可動体14DR1が盤前下中央可動体14DC1に対して回転する。この結果、盤前下左可動体14DL1の右側端部および盤前下右可動体14DR1の左側端部が前方に突出し、盤前下中央可動体14DC1が、下表示部7aと略平行な状態が維持されながら押し出されるように前方へ突出する。
次に、盤前可動体141に施された立体的な装飾(デザイン)について説明する。図12に示すように、盤前可動体141は、鏡のように前側に対峙するものを映し出す不透過性の盤前不透過部1411と、透明な樹脂製部材からなり、透過性を有する(前方または後方からの光を取り入れて反対側に透過させることができる)盤前透過部1412と、を備える。詳細には、盤前上左可動体14UL1は、鏡のように前側に対峙するものを映し出す不透過性の盤前上左不透過部14UL11と、透明な樹脂製部材からなり、透過性を有する(前方または後方からの光を取り入れて反対側に透過させることができる)盤前上左透過部14UL12と、を備える。また、盤前上右可動体14UR1は、鏡のように前側に対峙するものを映し出す不透過性の盤前上右不透過部14UR11と、透明な樹脂製部材からなり、透過性を有する(前方または後方からの光を取り入れて反対側に透過させることができる)盤前上右透過部14UR12と、を備える。また、盤前下可動体14D1は、鏡のように前側に対峙するものを映し出す不透過性の盤前下不透過部14D11と、透明な樹脂製部材からなり、透過性を有する(前方または後方からの光を取り入れて反対側に透過させることができる)盤前下透過部14D12と、を備える。このように、盤前可動体141は、異なる材質且つ色彩の盤前不透過部1411および盤前透過部1412で構成されている。すなわち、盤前不透過部1411は、盤前上左不透過部14UL11、盤前上右不透過部14UR11、および盤前下不透過部14D11からなる。一方、盤前透過部1412は、盤前上左透過部14UL12、盤前上右透過部14UR12、および盤前下透過部14D12からなる。また盤前不透過部1411の前面と、盤前透過部1412の前面は凹凸を有し、盤後低透過部1512の前面および盤後高透過部1511の前面に比べて立体的に成形されている。その結果、盤前上左可動体14UL1と、盤前上右可動体14UR1と、盤前下可動体14D1とが合体して一体的になった場合に、盤前可動体141は盤前不透過部1411および盤前透過部1412のコントラストによって、主人公キャラクタの顔が立体的に形成される。すなわち、盤前可動体141の前面には、デザインとして、立体的な主人公キャラクタの顔が施されている。なお、図12に示す盤前可動体141において灰色の部分が盤前不透過部1411に該当し、白抜きの部分が盤前透過部1412に該当する。
以上のように、構成された盤後可動装置15および盤前可動装置14が作動すると、図13のようになる。盤後可動装置15は発光可能であるので、盤後可動装置15の前面に盤前可動装置14が配されているときに盤後可動装置15が発光すると、盤前不透過部1411がその光を遮断すると共に、盤前透過部1412がその光を通す。この結果、盤前可動装置14が盤前透過部1412に沿って光っているように見える。ここで、盤後可動装置15は2種類の発光仕様(2種類の発光源)を具備しているので、結果的には盤前可動装置14は2種類の発光仕様で発光しているように見せることができる。
2.遊技機の電気的構成
次に、図14〜図15に基づいて、パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図14〜図15に示すように、パチンコ遊技機1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板80、主制御基板80による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行うサブ制御基板90、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板110等を遊技盤2の下画像表示装置7よりさらに背面側に備えている。主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけ、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御回路107、および音声制御回路106とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7,8、スピーカ11、枠ランプ12、および、可動装置13〜15等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板170を備えている。電源基板170は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板170には、バックアップ電源回路171が設けられている。バックアップ電源回路171は、パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板170には、電源スイッチ175が接続されている。電源スイッチ175のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図14に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、およびROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。
ROM83には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM83には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、始動入賞コマンド特定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、ROM83は外付けであってもよい。また、RAM84には、前述した特図保留記憶部85などが設けられている。
また、主制御基板80には、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)88、およびRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。
主制御基板80には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板80は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板80に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ22a、一般入賞口センサ27a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ32a、特定領域センサ34a、および、非特定領域センサ35aが含まれている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ27aは、一般入賞口27に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ28aは、ゲート28に設けられており、ゲート28を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ32aは、第2大入賞口32に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ34aは、特定領域34を通過(特定領域34に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ35aは、非特定領域35を通過(非特定領域35に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板80に出力する。
また、主制御基板80に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド232、第1大入賞口ソレノイド312、第2大入賞口ソレノイド332および振分ソレノイド362が含まれている。電チューソレノイド232は、電チュー23の電チュー開閉部材231を駆動する。第1大入賞口ソレノイド312は、第1大入賞装置31の通常AT開閉部材311を駆動する。第2大入賞口ソレノイド332は、第2大入賞装置33のVAT開閉部材331を駆動する。振分ソレノイド362は、振分装置36の振分部材361を駆動する。
さらに主制御基板80には、表示器類40(特図表示器41、普図表示器42、および、特図保留表示器43)が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。なお、発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モーター1202を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モーター1302を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のための賞球センサ120aにより検知される。また払い出される貸球は、その計数のための貸球センサ130aにより検知される。
また、ハンドル60には、遊技者などの人のハンドル60への接触を検知可能なタッチスイッチ114が設けられている。遊技者によるハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が遊技者のハンドル60への接触を検知し、検知信号を払出制御基板110に出力する。また、ハンドル60には、ハンドル60の回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ115が接続されている。発射装置112は、発射ボリュームつまみ115が検出したハンドル60の回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター113を駆動させる。なお、パチンコ遊技機1においては、ハンドル60への回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板90に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板90は、主制御基板80から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板80による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図15に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、主制御基板80による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、およびROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。
また、ROM93には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM93には、後述するSPリーチパターン判定テーブル、タイトル予告パターン判定テーブル、および発展演出パターン判定テーブルなどが格納されている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板90には、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)98、およびリアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC99は、パチンコ遊技機1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板170が備えるバックアップ電源回路171から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7,8の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板90と画像制御基板100との接続は、サブ制御基板90から画像制御基板100への信号の送信と、画像制御基板100からサブ制御基板90への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7,8に表示される画像のデータを記憶したCGROM143、CGROM143に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM144、及び、VDP(Video Display Processor)142を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM143には、例えば、画像表示装置7,8に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP142は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM143から画像データを読み出してVRAM144内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM144内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7,8に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部7a,8aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ11から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御回路106を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ11を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモーター類が接続されている。サブ制御基板90には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板90は、各種ソレノイド類やモーター類に信号を出力する。
サブ制御基板90に接続されている各種スイッチ類には、半球型ボタン検出スイッチ63aおよび剣型ボタン検出スイッチ64aが含まれている。半球型ボタン検出スイッチ63aは、半球型ボタン63が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ64aは、剣型ボタン64が押下操作されたことを検出する。ボタン検出スイッチ63a,64aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号をサブ制御基板90に出力する。
サブ制御基板90に接続された各種モーター類には、盤前上可動体モーター14U2、盤前下可動体モーター14D2、盤後上可動体モーター15U2、および盤後下可動体モーター15D2が含まれている。盤前上可動体モーター14U2は、盤前上左可動体14UL1および盤前上右可動体14UR1を駆動して、盤前上左可動体14UL1を時計回りに約90度の範囲で回転させると共に、盤前上右可動体14UR1を反時計回りに約90度の範囲で回転させることが可能である。盤前下可動体モーター14D2は、盤前下可動体14D1を駆動して、正面視で下表示部7aの下端から中心くらいまでの間でスライドさせることが可能である。盤後上可動体モーター15U2は、盤後上可動体15U1を駆動して、正面視で下表示部7aの上端から中心くらいまでの間でスライドさせることが可能である。盤後下可動体モーター15D2は、盤後下可動体15D1を駆動して、正面視で下表示部7aの下端から中心くらいまでの間でスライドさせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、盤前上可動体14U1、盤前下可動体14D1、盤後上可動体15U1、および盤後下可動体15D1の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路107を介して、盤前上可動体14U1、盤前下可動体14D1、盤後上可動体15U1、および盤後下可動体15D1の動作を制御する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12、盤後上点発光装置15U42、盤後上面発光装置15U41、盤後下点発光装置15D42、および盤後下面発光装置15D41等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ12、盤後上点発光装置15U42、盤後上面発光装置15U41、盤後下点発光装置15D42、および盤後下面発光装置15D41の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ12、盤後上点発光装置15U42、盤後上面発光装置15U41、盤後下点発光装置15D42、および盤後下面発光装置15D41の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路107を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ12、盤後上点発光装置15U42、盤後上面発光装置15U41、盤後下点発光装置15D42、および盤後下面発光装置15D41等の点灯制御、および、盤前上可動体14U1、盤前下可動体14D1、盤後上可動体15U1、および盤後下可動体15D1の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.主制御基板80による遊技の説明
次に、主制御基板80により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。主制御基板80は、発射された遊技球がゲート28を通過すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。主制御基板80は、普図抽選を行うと、普図表示器42において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート28を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
主制御基板80は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図16(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜65535である。
次に、普図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図17(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図17(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、主制御基板80は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、主制御基板80は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器42で行われる。
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器42において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、その当たり図柄の種別に応じた補助遊技が実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー23が開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。主制御基板80は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図17(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における補助遊技では、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は0.08秒である。そして、電チュー23の開放の後、0.08秒のエンディングを経て補助遊技が終了する。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を電チュー23に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。
時短状態における補助遊技では、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は3.00秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を電チュー23に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口20に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器411において、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口22に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器412において、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに第1始動口20に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が4未満であるときに第2始動口22に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
主制御基板80は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図16(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜9である。リーチ乱数の範囲は、0〜99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。
次に、特図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図18(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。主制御基板80は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図18(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図18(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。第1始動口20に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄Aと大当たり図柄Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口22に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄Cの1種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図18(A)および図18(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図18(B)に示す3種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、1種類より多い大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図18(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置7,8、スピーカ11、枠ランプ12、可動装置13〜15、半球型ボタン63、および剣型ボタン64などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出として、画像表示装置7,8の表示部7a,8aでは、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄を変動表示する演出を演出図柄変動演出ともいう。演出図柄変動演出は「特図変動演出」の一部を構成している。
演出図柄は、例えば、表示部7a,8aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図24など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字などで構成される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字が、正面視で上下方向に並んで見える上表示部8aと下表示部7aの上から下にスクロールするなどして、表示部7a,8a内に表示される(視認される)数字が次々に入れ替わる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。また、特図変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のほか、後述する背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3以外の演出画像も表示される。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部7a,8a内で次々に入れ替わっていた様々な数字が1つに特定される。このとき、停止表示した(特定された)演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図表示器41にて停止表示される特図(可変表示の結果、つまりは特別図柄抽選の結果)が、わかりやすく表示される。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器411や特図2表示器412により把握するのではなく、画像表示装置7,8の表示部7a,8aにて把握する。
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図25(D)参照)。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部7a,8a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部7a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られない。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図18(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
ところで、特図可変表示が行われているときに、表示部7a,8aにおいて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の可変表示の他に、小図柄の可変表示も行われる。小図柄の可変表示は、例えば、上表示部8aにおける左上隅で行われる。小図柄は、相対的に左側に表示される左小図柄KZ1と、相対的に左右方向の真ん中に表示される中小図柄KZ2と、相対的に右側に表示される右小図柄KZ3と、で構成される(図24など参照)。なお、以下において、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3を総称する場合に「小図柄KZ1,KZ2,KZ3」という場合もある。
小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、特図変動表示の開始に伴って変動表示する。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示と小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が同時に又は略同時に開始される。小図柄KZ1,KZ2,KZ3はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字などで構成される。そして、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示においては、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のそれぞれがその場で異なる数字に次々と入れ替われる。よって、特図変動表示が行われている間、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示と小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が行われている。そして、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は、特図変動表示の停止に伴って停止する。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示と小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示とが同時に又は略同時に開始される。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示と小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示とは、基本的に同じ数字の組み合わせ(停止表示態様)で行われる。なお、詳細は後述するが演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は完全に停止表示される前に、仮停止表示されるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3については仮停止表示が行われない。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ状態のとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3はリーチ状態になっておらず、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が変動表示している。
次に、特別図柄の変動パターン判定について説明する。特別図柄の変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、図19〜図20に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図19)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図20)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器41で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常の通常態様を維持したまま変動表示が終了する通常特図変動演出と、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常とは異なる特別態様になる特別特図変動演出とがある。ここで、特別態様には、前述したリーチがある。
特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図19〜図20に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、発展演出、ロングリーチ(Lリーチ)、およびスペシャルリーチ(SPリーチ)がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、リーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。大当たりの場合、残りの1つの演出図柄は、基本的にはリーチを構成する演出図柄と同一の演出図柄で停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチから次の演出(発展演出)に発展する(切り替わる)。
発展演出は、リーチが維持された状態で、発展演出専用の背景画像が表示され、SPリーチまたはLリーチにつなぐ演出である。すなわち、発展演出からSPリーチまたLリーチに分岐する。よって、発展演出で変動演出が終了することはない。言い換えれば、発展演出まで発展すると、必ずSPリーチまたはLリーチのいずれかが行われる。
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は上表示部8aの左上で左小図柄KZ1〜KZ3の真下あたり、右演出図柄EZ3は上表示部8aの右上で左演出図柄EZ1とだいたい同じ高さあたり)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、主に表示部7a,8aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容は、所定のストーリーで構成される。
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は上表示部8aの左上で左小図柄KZ1〜KZ3の真下あたり、右演出図柄EZ3は上表示部8aの右上で左演出図柄EZ1とだいたい同じ高さあたり)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部7a,8aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部7a,8aで流れる)。
なお、Nリーチ、発展演出、Lリーチ、および、SPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、および、SPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部7a,8aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部7a,8aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
なお、図19〜図20の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。また、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」ともいい。一方、リーチ有りハズレの中でSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中でLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中でNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動〜通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
また、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞して、特図関係乱数を取得すると、一旦、RAM84の特図保留記憶部85とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該乱数に基づいて始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する。始動入賞コマンドには、取得された特図関係乱数に基づいて行われる特図変動パターン判定で決定される特図変動パターンの情報(特図変動パターン情報)が含まれている。前述の通り、特図変動パターンには、始動口の種別、言い換えれば、特図の種別に関する情報が含まれているので、始動入賞コマンドには、その始動入賞コマンドを発生させた始動口の種別に関する情報(入賞始動口情報)、言い換えれば、その始動入賞コマンドを発生させた入賞により行われる可変表示の特図の種別(特図種別情報)も含まれている。また、特図変動パターンには、大当たり、またはハズレの何れであるかの情報(当否情報)と、リーチの有無の情報(リーチ情報)も含まれているので、始動入賞コマンドには、当否情報とリーチ情報も含まれていることになる。
主制御基板80は、取得した特図関係乱数に基づいて、図21に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。始動入賞コマンド特定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、第1始動口20に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第1始動入賞コマンド特定テーブル)と、第2始動口22に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第2始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
また、始動入賞コマンド特定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(非時短用始動入賞コマンド特定テーブル)と時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(時短用始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
つまり、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、がある。
なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関係乱数に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関係乱数に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などをサブ制御基板90に送信することで、後述する保留変化予告などの大当たり期待度を示唆する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器41において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口32)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口30,32の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。そして、これらの各要素は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられている。主制御基板80は、停止表示された大当たり図柄の種別に基づいて、図22に示す大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり図柄毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技(第1大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口32が開放する。この大当たり遊技の9Rから15Rまでは、第2大入賞口32の開放時間が極めて短く、現実的には第2大入賞口32への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は9回である。実質的なラウンド遊技の回数とは、現実的に1回のラウンド遊技当たりの入賞上限個数(第1実施形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド遊技の回数のことである。
大当たり図柄Bに応じた大当たり遊技(第2大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第2大入賞口32が開放する。この大当たり遊技の9Rから16Rまでは、第2大入賞口32の開放時間が極めて短く、現実的には第2大入賞口32への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技(第3大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口32が開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も16回である。
ここで、特定領域34は、振分部材361によって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材361の作動態様は、特定領域34の開閉態様ということができる。以下において、振分部材361の作動態様のことを「特定領域34の開閉態様」ともいう。このように、振分部材361が一定の作動態様(特定領域34が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材361の一定の作動態様(特定領域34の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口32の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域34に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域34が開状態にあることを「V開放」ともいう。
各大当たり遊技1〜3の16Rでは、共通して、16Rが開始してから15秒間、振分ソレノイド362が通電され、振分部材361が第2状態(図4(A))に制御される。よって、第1大当たり遊技および第3大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口32の開放時間およびタイミングと、振分部材361の第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域34を通過する(遊技球を特定領域34に進入させる)ことが容易である。一方、第2大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口32の開放時間およびタイミングと、振分部材361の第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域34を通過する(遊技球を特定領域34に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域34の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材331及び振分部材361が作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域34の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材331及び振分部材361が作動する大当たり遊技とがある。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材331及び振分部材361が作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Cに当選することを「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材331及び振分部材361が作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Bに当選することを「Vショート大当たり」という。
主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。具体的には、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球がV通過していれば、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定する。これに対して、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球がV通過していなければ、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定しない。従って、上記のVロング大当たり(大当たり図柄Aまたは大当たり図柄C)に当選した場合には、高い確率で、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行することとなる。これに対して、Vショート大当たり(大当たり図柄B)に当選した場合には、高い確率で、当該大当たり遊技後は通常確率状態で遊技が進行することとなる。
また、主制御基板80は、大当たり遊技中にV通過したか否かに関わらず(V通過の有無に関わらず)、その大当たり遊技の終了に伴って、時短状態を設定する。ただし、この場合は、大当たり遊技中に遊技球がV通過したか否かに応じて時短回数が異なる。時短回数とは、時短状態で実行可能な特別図柄の変動表示の回数の上限値のことである。大当たり遊技中に遊技球がV通過した場合は時短回数が「180回」となる。一方、大当たり遊技中に遊技球がV通過していない場合は時短回数が「100回」となる。
前述のとおり、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄A(Vロング大当たり)が50%であり、大当たり図柄B(Vショート大当たり)が50%である。これに対して、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄C(Vロング大当たり)が100%である。すなわち、第2始動口22への入賞に基づく大当たり判定の結果が大当たりである場合には、必ずVロング大当たり遊技が実行される。このようにパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる特図1抽選よりも、第2始動口22に遊技球が入賞して行われる特図2抽選の方が、遊技者にとって有利に設定されている。
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口22の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態であり、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。パチンコ遊技機1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たり遊技で遊技球が特定領域34を通過する(V通過する)ことによって高確率状態が設定される。そして、高確率状態が設定されてから、大当たりに当選することなく180回の特図可変表示が実行されると、高確率状態から通常確率状態に移行する。
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。具体的に、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる(図19〜図20参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が通常遊技状態よりも短くなり易い遊技状態であるともいえる。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が通常状態よりも長くなり易い遊技状態であるといえる。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で、電チュー23が0.08秒開放するのに対し、時短状態における1回の補助遊技で電チュー23が3.0秒開放するからである。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態であるといえる。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるからである。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。
パチンコ遊技機1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって時短状態が設定される。そして、時短状態が設定されてから、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変表示が実行されると、時短状態から非時短状態に移行する。この所定回数は、大当たり遊技でV通過した場合とV通過しなかった場合とでことなる。V通過した場合の所定回数は180回であり、V通過しなかった場合の所定回数は100回である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が長くなり易く、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されているが、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、通常遊技状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなればよい。
なお、パチンコ遊技機1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
4.サブ制御基板90による演出の説明
前述のように、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、サブ制御基板90は、これらの主制御基板80が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、サブ制御基板90により行われる種々の演出の具体例について図23〜図34を用いて説明する。なお、図23〜図34では、各種演出を説明するために、主に、パチンコ遊技機1の表示部7a,8aや盤前可動装置14、盤後可動装置15を部分的に簡略化して抽出している。
4−1.特図変動演出
最初に、特図変動演出について説明する。サブ制御基板90は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部7a,8aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。なお、第1実施形態では、正面視で上下方向に並んで配された下画像表示装置7の下表示部7aと、上画像表示装置8の上表示部8aと、にまたがって様々な画像による特図変動演出が実行され、すなわち、下表示部7aと上表示部8aとを用いて1つの画像演出を実行することがある。なお、ある特定の画像演出を下表示部7aまたは上表示部8aの何れか一方のみを用いて実行するようにしても良い。
特図変動演出の演出内容は演出モードに関連づけられている。演出モードは、特図変動演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。第1実施形態では、演出モードとして、通常演出モードと、確変演出モード、および時短演出モードとが設定されている。よって、特図変動演出には、通常演出モードによる特図変動演出と、確変演出モードによる特図変動演出と、時短演出モードによる特図変動演出と、がある。
通常演出モードは、通常遊技状態において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。通常演出モードが設定されているときに、表示部7a,8aにおいて山の背景画像が表示される。さらに、確変演出モードは、高確率状態且つ時短状態において設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。高確率状態且つ時短状態モードが設定されているときに、表示部7a,8aにおいて宇宙の背景画像が表示される。さらに、時短演出モードは、通常確率状態且つ時短状態において設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードが設定されているときに、表示部7a,8aにおいて空の背景画像が表示される。ここでの背景画像というのは、主に、特別変動演出における発展演出、Lリーチ、およびSPリーチの演出、言い換えると、通常変動演出における全区間と、リーチが成立する特別変動演出における発展演出前(特図変動演出の開始からリーチまでの区間+Nリーチ中)までの区間と、特図変動演出およびデモ演出が実行されていないときの背景画像のことである。後述するように、発展演出、Lリーチ、およびSPリーチでは、その演出に専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおける背景画像には、図23に示すように、昼間の山の景色を表す背景画像G100(昼間通常用背景画像G100)と、夕方の山の景色を表す背景画像G101(夕方通常用背景画像G101)と、夜間の山の景色を表す背景画像G102(夜間通常用背景画像G102)と、がある。そして、昼間通常用背景画像G100と、夕方通常用背景画像G101と、夜間通常用背景画像G102とは、その通常用背景画像が表示されているときに、大当たりに当選することなく50回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。第1実施形態では、昼間通常用背景画像G100が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると昼間通常用背景画像G100から夕方通常用背景画像G101に切り替わり、夕方通常用背景画像G101が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると夕方通常用背景画像G101から夜間通常用背景画像G102に切り替わり、夜間通常用背景画像G102が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると夜間通常用背景画像G102から昼間通常用背景画像G100に切り替わる。つまり、昼間通常用背景画像G100→夕方通常用背景画像G101→夜間通常用背景画像G102→昼間通常用背景画像G100・・・と、所定の順序で通常用背景画像が切り替わっていく。なお、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後は、昼間通常用背景画像G100が表示される。
次に、表示部7a,8aにおいて演出を行う領域について説明する。図24(A)に示すように、表示部7a,8aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側をそれぞれ、左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、および右側演出図柄領域70a3とする。左側演出図柄領域70a1は、特図変動演出における通常演出およびNリーチと、演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中央演出図柄領域70a2および右側演出図柄領域70a3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図24(A)に示すように、上表示部8aの上端部の左端(左上隅)の一区画で構成される小図柄領域71aは、特図可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を可変表示する領域である。
なお、図24(A)において、左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、右側演出図柄領域70a3、および小図柄領域71aは破線で明示されているが、これは左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、右側演出図柄領域70a3、および小図柄領域71aの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、特図変動演出の具体例について説明する。ただし、以下において、通常演出モードが設定されており、表示部7a,8aに昼間通常用背景画像G100が表示されているときに行われる特図変動演出について説明する。例えば、図24(A)に示すように、表示部7a,8aにおいて、昼間通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図24(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図24(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図24(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図24(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図24(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
なお、図24の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部7a,8aにおいて、図25(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図25(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始すると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば図25(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図25(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
なお、図25の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図25(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図26(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図26(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図26(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図26(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図26(D−1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
一方、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であり、特図変動演出がNリーチで終了する場合は、図26(C−2)に示すように、例えば、リーチを構成する数字と同一の数字からなる中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止し、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図26(D−2)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、ゾロ目などの大当たりに特有な当たり目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりに特有な当たり目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一の大当たりに特有な当たり目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、発展演出を経由してLリーチやSPリーチに発展する場合は、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、発展演出へ突入する。
次に、発展演出について説明する。発展演出が開始されると、図27(A)に示すように、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら上表示部8aの左上で小図柄領域71aの真下辺りに移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら上表示部8aの右上で、左演出図柄EZ1と大体同じ高さの位置に移動する。また、発展演出が開始されると、昼間通常用背景画像G100から、発展演出専用の背景画像G103(発展演出用背景画像G103)に切り替わる。発展演出用背景画像G103では、最初に、変身していない通常状態の立っている主人公キャラクタの全身が表示される。そして、図27(B)〜図27(C)に示すように、段階的に主人公キャラクタがアップになっていき、最終的に主人公キャラクタの顔全体がアップで表示される。
このように発展演出において、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体がアップになると、その後、複数の演出内容のうちの何れか1つの演出内容に展開される。すなわち、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップは、発展演出における演出内容の分岐点(以下、「発展演出中分岐点」ともいう)となる。そして、この先の演出内容は、大当たり期待度を示唆している。第1実施形態では、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップの後の演出内容として、3種類の演出内容が設定されている。次に、発展演出における分岐点の演出内容について説明する。
1つ目の演出内容では、まずは図28(A)に示すように、盤前可動装置14が作動して、盤前上左可動体14UL1、盤前上右可動体14UR1および盤前下可動体14D1が合体して、下表示部7aに表示されている通常状態の主人公キャラクタを覆う。なお、この状態においては、盤前上左透過部14UL12、盤前上右透過部14UR12及び盤前下透過部14D12を通して、下表示部7aに表示されている、変身していない通常状態の主人公キャラクタを視認することができる。
次に、図28(B)に示すように、盤後可動装置15が作動して、盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1が合体して、下表示部7aに表示されている通常状態の主人公キャラクタと、合体して一体化している盤前可動体141との間に入り込み、通常状態の主人公キャラクタを覆う。すなわち、図29(B)の状態では、特に正面視において、下表示部7aの手前側で、後方側に配置されている盤後可動体151と、前方側に配置されている盤前可動体141とで、一体化されている。また、盤後可動装置15では盤後可動体151が作動すると共に、盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42を白色で強く発光させる。このとき、下表示部7aの全域でも白色で発光しているような画像が表示される。ここで、盤後可動装置15が全体的に白色で発光し、盤前可動体141は盤前透過部1412を有しているので、盤前可動体141が盤前透過部1412に沿って白色で発光しているように見える。
盤後可動体151と、盤前可動体141とが前後方向で重なって一体化され、且つ盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42が白色で発光している状態が所定時間(例えば、3秒)保持されると、一旦、盤前可動体141が通常の待機状態(初期位置)に戻る。盤前可動体141が通常の待機状態(初期位置)に戻っている間、盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42は消灯するが、盤後上面発光装置15U41および盤後下面発光装置15D41が弱く面発光する。盤後上面発光装置15U41および盤後下面発光装置15D41が白色で面発光し、盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1は盤後上高透過部15U11および盤後下高透過部15D12を有しているので、盤後可動体151が盤後上透過部15U11および盤後下透過部15D12に沿って白色で発光しているように見える。なお、盤後上面発光装置15U41および盤後下面発光装置15D41が弱く面発光しているとき、下表示部7aの全域では、消灯しているように黒い画像が表示される(ブラックアウトする)。
そして、盤前可動装置14の待機状態、ならびに盤後上面発光装置15U41および盤後下面発光装置15D41の面発光状態が所定時間(例えば、3秒間)保持されると、再び、盤前可動装置14が作動して、盤前上左可動体14UL1、盤前上右可動体14UR1および盤前下可動体14D1が合体し、合体して一体化している盤後可動体151を覆う。ここで、盤前可動装置14が作動するときに、今度は、盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42が所定色で発光する。ここで、盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42が所定色で点発光し、盤前可動体141は盤前透過部1412を有しているので、盤前可動体141が盤前透過部1412に沿って所定色で発光しているように見える。
また、盤前可動装置14の2回目の作動に伴って盤後点発光装置1542が発光する場合の発光色は複数種類設定されている。具体的には、白、緑、青および赤が設定されている。この発光色は、現在実行中の特図可変表示で大当たりとなる期待度(大当たり期待度)を示唆している。第1実施形態では、赤色>青色>緑色>白色の順番で盤後点発光装置1542の発光色が示唆する大当たり期待度が高い。
盤後可動体151と、盤前可動体141とが前後方向で重なって一体化され、且つ、盤後点発光装置1542が所定色で発光している状態が所定時間(例えば、5秒)保持されると、図28(E)〜図28(F)に示すように、盤前可動体141が通常の待機状態(初期位置)に戻り、次に、盤後可動体151が通常の待機状態に戻る。なお、盤前可動体141が通常の待機状態に戻ると、盤後点発光装置1542が消灯し、盤後可動装置15は発光していない状態になる。
盤後可動装置15が通常の待機状態に戻ると、特別状態に変身した主人公キャラクタが下表示部7aと上表示部8aにまたがって大きく表示されているシーンが表示され、SPリーチに発展する。
以上のように、盤前可動体141が最初に作動してから(図28(A))、盤後可動装置15が消灯して待機状態へ戻る(図28(F))までの主に盤前可動装置14および盤後可動装置15による一連の演出を「駆動発光演出」という。そして、1回目に盤前可動体141と盤後可動体151とが下表示部7aの略全面の前側で前後方向に重なり、盤後点発光装置1542が短時間白色で面発光する演出(状態)を「前半駆動発光演出」とする。また、2回目に盤前可動体141と盤後可動体151とが下表示部7aの略全面の前側で前後方向に重なり、盤後点発光装置1542が長時間所定色で点発光する演出(状態)を「後半駆動発光演出」とする。
また、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後の演出内容として、2つ目の演出内容では、1つ目の演出内容で最初に盤前可動体141が作動したタイミングと大体同じタイミングで、図29(A)に示すように下表示部7aに表示されている主人公キャラクタが特別状態に変身し、その後、図29(B)に示すように1つ目の演出内容の場合と同様に、特別状態に変身した主人公キャラクタが下表示部7aと上表示部8aにまたがって大きく表示されているシーンが表示され、SPリーチに発展する。
また、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後の演出内容として、3つ目の演出内容では、図30に示すように分岐点を構成する変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップが表示されて続け、2つ目の演出内容で特別状態に変身した主人公キャラクタが下表示部7aと上表示部8aにまたがって大きく表示されているシーンが表示されてSPリーチに発展する他タイミングで、LリーチまたはSPリーチに発展する。
このように、発展演出では、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後に、3種類の演出内容のうちの1つの演出内容が展開される。すなわち、第1実施形態では、発展演出に3つの演出パターンが設定されている。以下において、変身していない通常状態の主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後に、図28(A)〜図28(F)に示すように、前半駆動発光演出→後半駆動発光演出が段階的に実行される発展演出の演出パターンを「発展演出パターン1」とする。また、主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後に、図29(A)〜図29(B)に示すように、下表示部7aに表示されている通常状態の主人公キャラクタが特別状態に変身する発展演出の演出パターンを「発展演出パターン2」とする。また、主人公キャラクタの顔全体のアップで構成される分岐点の後に、図30に示すように、駆動発光演出や主人公キャラクタの特別状態への変身が行われることなく、下表示部7aに表示されている通常状態の主人公キャラクタが表示され続ける発展演出の演出パターンを「発展演出パターン3」とする。
そして、発展演出パターン1〜発展演出パターン3の発展演出が行われると、その後にSPリーチまたはLリーチが行われる。すなわち、発展演出は、LリーチまたはSPリーチへの発展を中継する岐路となっている。そして、発展演出の演出パターンによって、Lリーチが実行される期待度とSPリーチが実行される期待度が異なっている。第1実施形態では、発展演出パターン1=発展演出パターン2>発展演出パターン3の順番でSPリーチが実行される期待度が高い。一方、発展演出パターン1=発展演出パターン2<発展演出パターン3の順番でLリーチが実行される期待度が高い。また、発展演出の演出パターンによって、大当たり図柄Aに当選する期待度、すなわち、Vロング大当たり遊技が実行される期待度が異なっている。第1実施形態では、発展演出パターン1>発展演出パターン2>発展演出パターン3の順番で大当たり図柄Aに当選する期待度が高い。
次に、SPリーチについて説明する。SPリーチでは、主に表示部7a,8aにおいて、3次元描画画像による実写に近い写実的な映像で、特別状態に変身した主人公キャラクタが敵キャラクタの基地で敵キャラクタとバトルを繰り広げる内容の映像が流れる(表示される)。SPリーチの演出種別として、SPリーチAとSPリーチBが設けられている。SPリーチAは、主人公キャラクタが敵キャラクタAとバトルする内容の演出である。一方、SPリーチBは、主人公キャラクタが敵キャラクタBとバトルする内容の演出である。SPリーチAとSPリーチBとでは、SPリーチAの大当たり期待度の方が高い。ここでは、SPリーチAを用いてSPリーチについて説明する。なお、SPリーチでは、表示部7a,8aで表示される画像による演出の他に、スピーカ11から出力される音声、および、枠ランプ12による発光の演出なども適宜に行われる。
SPリーチAが開始されると、SPリーチA専用の背景画像G104(SPリーチA用背景画像G104)に切り替わる。そして、SPリーチA用背景画像G104に切り替わった際に、まずは図31(A)に示すように、下表示部7aと上表示部8aとにわたって大きく敵キャラクタAが出現し、図31(B)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタAが対峙しているシーンが表示される。次に、図31(C)に示すように、表示部7a,8aの中央に大きく、SPリーチAが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G1は、SPリーチAのタイトルを表すタイトル画像G11「図31(C)において「敵Aを撃破せよ!」」と、タイトル画像G11を引き立てるエフェクト画像G12とで構成される。
ここで、エフェクト画像G12の色は複数種類設定されている。具体的には、白、緑、青および赤が設定されている。このエフェクト画像G12の色は、現在実行中の特図可変表示で大当たりとなる期待度(大当たり期待度)を示唆している。第1実施形態では、赤色>青色>緑色>白色の順番でエフェクト画像G12の色が示唆する大当たり期待度が高い。
なお、SPリーチBが実行されていれば、敵キャラクタAの代わりに敵キャラクタBが登場し、タイトル画像G11の内容が「敵Bを撃破せよ!」となる。
そして、SPリーチAにおけるバトルがさらに進み、図32(A)に示すように、SPリーチA用背景画像G104にて、特別状態に変身した主人公キャラクタの横顔のアップが表示され、図32(B)に示すように、敵キャラクタAの横顔のアップが表示されると、図32(C)に示すように、両者の剣が差し違えようとし、主人公キャラクタと敵キャラクタAとのバトルに決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、バトルで主人公キャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点(勝敗分岐点)を構成する。そして、この勝敗分岐点に達すると、剣型ボタン64の押下操作が有効な期間(剣型ボタン操作有効期間)が発生する。
この剣型ボタン操作有効期間の発生に伴って、剣型ボタン64の操作を促す剣型ボタン操作促進演出が行われる。剣型ボタン操作促進演出は、剣型ボタン操作促進画像G3の表示で構成される。図33(A)に示すように、剣型ボタン操作促進画像G3は、剣型ボタン64を表す画像(剣型ボタン画像)G31と、剣型ボタン64の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G32と、剣型ボタン64の操作に係る操作有効期間(剣型ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G33と、を含む。なお、剣型ボタン操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね直線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が演出ボタン操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図33(B)は、剣型ボタン操作有効期間が発生して、剣型ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
ここで、実行中のSPリーチAに係る特図変動パターンがSP大当たり変動である場合、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン64が押下操作されると、または、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン64が操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなると、図33(C)に示すように、盤前可動装置14が作動して、盤前上左可動体14UL1、盤前上右可動体14UR1および盤前下可動体14D1が合体し、盤後可動装置15が作動して、合体して一体化している盤前可動体141の真後ろで、盤後上可動体15U1、盤後下可動体15D1が合体して一体化する。この結果、合体して一体化している盤前可動体141と盤後可動体151とが前後方向に重なる。さらに、盤後上点発光装置15U42および盤後下点発光装置15D42が白色で強く発光する。
次に、図34(A)に示すように、下表示部7aと上表示部8aとにまたがって中央に大きく、バトルに勝利して仁王立ちしている特別状態の主人公キャラクタが表示されると共に、所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。このように、盤前可動装置14と盤後可動装置15の作動および盤後点発光装置1542の発光、ならびにバトルに勝利して仁王立ちしている特別状態に変身した主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たりを報知する演出(大当たり報知演出)を構成する。そして、最後に、図34(B)に示すように、SPリーチA用背景画像G104から昼間通常用背景画像G100に切り替わり、図34(C)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3および小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われる。
なお、実行中のSPリーチAに係る特図変動パターンがSPハズレ変動である場合、勝敗分岐点での剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン64が押下操作されると、または、剣型ボタン64が押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間が終了(剣型ボタン操作有効時間が経過)すると、図34(A)に示すように、大当たり報知演出が行われることなく、SPリーチA用背景画像G104にて、3DCGによる主人公キャラクタがバトルに敗北する映像が流れる。そして、例えば図26(C−1)に示すように、ハズレを示す態様で演出図柄の仮停止表示が行われ、図26(D−1)に示すように、そのままハズレを示す態様で演出図柄の停止表示が行われる。
以上のように、パチンコ遊技機1は、後方側に配置され、前面に平面的なデザイン(主人公キャラクタ)が施された盤後可動体151を有する盤後可動装置15と、前方側に配置され、前面に立体的なデザイン(主人公キャラクタ)が施された盤前可動体141を有する盤前可動装置14と、を備える。そして、特定条件が成立すると、盤後可動体151と盤前可動体141が移動して、前後方向に重なり、平面的なデザインと立体的なデザインとで複合化されるので、演出効果が高まり、遊技興趣が向上する。また、盤後可動体151が盤後上可動体15U1と、盤後下可動体15D1とで構成され、盤前可動体141が盤前上可動体14U1と、盤前下可動体14D1と、で構成されている。そして、盤後上可動体15U1および盤前上可動体14U1が下降し、盤後下可動体15D1および盤前下可動体14D1が上昇して、盤後上可動体15U1と盤後下可動体15D1とで合体して主人公キャラクタを表す盤後可動体151が完成すると共に、盤前上可動体14U1と盤前下可動体14D1とで合体して主人公キャラクタを表す盤前可動体141が完成した結果、盤前可動体141と盤後可動体151とが前後方向に重なるので、演出に迫力が出て、演出効果を高めることができる。
また、前方側に配置される盤前可動体141の方が凹凸の激しい立体的なデザインが施されているので、前後に重なって一体化しているように見ることができる盤前可動体141と盤後可動体151の立体感を高めることができる。また、盤前可動体141の前面に施されたデザインと盤後可動体151の前面に施されたデザインの題材は特別状態の主人公キャラクタで共通している(同一である)ので、前後に重なって一体化しているように見ることができる盤前可動体141と盤後可動体151が煩雑になって演出効果が低下することを抑えることができる。
さらに、盤前可動体141および盤後可動体151が移動して前後方向に重なって一体化しているように見えることができる他に、盤前可動体141のみが移動した状態と、盤後可動体151のみが移動した状態もあるので、移動可能な盤前可動体141および盤後可動体151を用いた演出の多様性が高まる。また、盤前可動体141が移動(合体)した後に、盤後可動体151が移動(合体)して、盤前可動体141および盤後可動体151の一体化が段階的に完成するので、当該一体化を印象付け、演出効果を高めることができる。さらに、盤前可動体141と盤後可動体151とが前後方向に重なって一体化した後に、最初に移動した盤前可動体141が一旦移動前の待機状態に戻り、再度移動(合体)して盤前可動体141と盤後可動体151とが一体化する。すなわち、一連の駆動発光演出において、異なる経路で一体化が2回完成するので、駆動発光演出の面白みを増長させて演出効果を高めることができる。
また、盤後上可動体15U1は待機状態において完全に上画像表示装置8に隠れており、その状態から上画像表示装置8と下画像表示装置7との間の隙間Sを通って出現するので、遊技者に驚きを与え、演出効果を高めることができる。しかも、遊技者の正面に位置する遊技領域3が形成された遊技盤2の開口部2Aを通して視認し易く、且つ、様々な画像演出が行われて注目し易い下表示部7aの前に盤後上可動体15U1が出現するので、盤後上可動体15U1の移動による演出の演出効果を効果的に高めることができる。さらに、下表示部7aと上表示部8aとは正面視で上下方向に沿って隙間なく配置されており(上下方向に接続され)、下表示部7aと上表示部8aとで1つの画像演出を実行可能であるので、盤後上可動体15U1が上画像表示装置8の陰から出現する際に、当該出現の見落としを防ぐことができる。また、上画像表示装置8は上端が前方に突出するように傾斜して取り付けられているので、盤後上可動体15U1が出現するための下表示部7aに沿った移動を分かり易く且つ見栄え良くすることができる。
また、盤後可動装置15には、盤後発光装置154を備えており、盤前可動体141には、盤前透過部1412が設けられている。よって、盤前可動体141を見せる演出として、盤前可動体141の後方から盤後発光装置154を発光させない状態で盤前可動体141を見せる演出と、盤前可動体141の後方から盤後発光装置154を発光させた状態で盤前可動体141を見せる演出とがあり、盤前可動体141を見せる演出の多様化を図り、盤前可動体141を見せる演出の演出効果を高めることができる。また、盤後発光装置154には、全体として点発光可能な盤後点発光装置1542と、全体として面発光可能な盤後面発光装置1541の2種類の発光仕様を有する。よって、盤前可動体141の後方から盤後発光装置154を発光させた状態で盤前可動体141を見せる演出には、盤前可動体141の後方から点発光させた状態で盤前可動体141を見せる演出と、盤前可動体141の後方から面発光させた状態で盤前可動体141を見せる演出とがあるので、さらに盤前可動体141を見せる演出の多様化を図り、盤前可動体141を見せる演出の演出効果を高めることができる。また、盤後可動体151の前面には、盤後発光装置154を構成する盤後高透過部1511が設けられている。よって、パチンコ遊技機1の演出として、盤後可動体151を見せる演出として、盤後発光装置154を発光させない状態で盤後可動体151を見せる演出と、点発光させた状態で盤後可動体151を見せる演出と、面発光させた状態で盤後可動体151を見せる演出も加わることになる。その結果、パチンコ遊技機1の演出の多様化を図り、遊技の単調化を防ぐことができる。また、盤前透過部1412は凹凸が激しく立体的に形成される一方、盤後高透過部1511は平坦に平面的に形成されている。よって、何れも盤後発光装置154を通すがそれぞれを通して異なった発光態様が形成されるので、盤後発光装置154を通す演出の多様化を図り、演出効果を高めることができる。しかも、盤前透過部1412が表すデザインの題材と盤後高透過部1511が表すデザインの題材は、特別状態の主人公キャラクタで共通している(同一である)ので、盤後発光装置154を通す演出が煩雑になって演出効果が低下することを抑えることができる。
また、盤前下透過部14D12を備える盤前下可動体14D1は、下表示部7aに沿って上昇すると共に、前方へ突出する。すなわち、後方から発光される盤後下発光装置15D4から遠ざかる。よって、盤前下可動体14D1に向けて盤後下発光装置15D4を発光し、盤前下透過部14D12を光らせる演出において、盤前下透過部14D12が点光を防ぐことができるので、盤前下透過部14D12を綺麗に光らせて盤前下透過部14D12を光らせる演出の演出効果を高めることができる。また、遊技者の正面に位置する遊技領域3が形成された遊技盤2の開口部2Aを通して視認し易く、且つ、様々な画像演出が行われて注目し易い下表示部7aの前に盤前下可動体14D1が出現するので、盤前下透過部14D12を光らせる演出の演出効果を効果的に高めることができる。また、盤前下可動体14D1と遊技盤2との間にロゴ役物装置16のロゴ可動体161が配置されている。よって、ロゴ可動体161を作動させる演出を実行可能にすると共に、盤前下透過部14D12を綺麗に光らせて盤前下透過部14D12を光らせる演出の演出効果を高めることができる。さらに、盤前下可動体14D1は待機状態において、待機状態のロゴ可動体161に隠されている。よって、盤前下可動体14D1が上昇して出現する際に遊技者に驚きを与えることができる。
5.遊技制御用マイコン81による遊技の制御
[主制御メイン処理]
次に図35〜図45に基づいて遊技制御用マイコン81による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、ROM83から図35に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、RAM84へのアクセスの許可設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図16(A)および図16(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図36に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン81は、余剰凹部612の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図35の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図16(A)および図16(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置36を制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。遊技制御用マイコン81は、振分装置制御処理において、大当たり遊技の最終ラウンド(16ラウンド)が開始すると、15秒間V開放する。
次に、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、RAM84に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口20用の賞球カウンタ、第2始動口22用の賞球カウンタ、第1大入賞口30用の賞球カウンタ、第2大入賞口32用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口27用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板110に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン81は、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図35参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン81は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図37〜図39を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口27に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ27aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口27に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口27に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口27用の賞球カウンタに、一般入賞口27への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート28を通過していなければ(S203でNO)、ステップS206に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S203でYES)、後述する普図動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普図動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS206に進み、普図動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、RAM84に設けられた普図記憶部に格納して(S205)、ステップS206に進む。
ステップS206では、第2始動口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口22に遊技球が入賞していない場合(S206でNO)にはステップS213に進み、第2始動口22に遊技球が入賞した場合には(S206でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S207)。第2始動口賞球処理では、第2始動口22用の賞球カウンタに、第2始動口22への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的にはRAM84に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S208)。特図2保留数が「4」以上である場合(S208でYES)には、ステップS213に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S208でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S209)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S210)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S211)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図21に示す第2始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS210で取得した特図2関係乱数とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS210で取得した特図2関係乱数を特図2保留記憶部852に記憶する(S212)。
続いて、ステップS213では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S213でNO)にはステップS220に進み、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S213でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S214)。第1始動口賞球処理では、第1始動口20用の賞球カウンタに、第1始動口20への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的にはRAM84に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S215)。特図1保留数が「4」以上である場合(S215でYES)には、ステップS220に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S215でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S216)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S217)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S218)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図21に示す第1始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS217で取得した特図1関係乱数とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS217で取得した特図1関係乱数を特図1保留記憶部851のうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S219)。
ステップS220では、第1大入賞口30に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1大入賞口センサ30aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1大入賞口30に遊技球が入賞していない場合(S220でNO)にはステップS224に進み、第1大入賞口30に遊技球が入賞した場合には(S220でYES)、RAM84に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S221)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において第1大入賞口30および第2大入賞口32に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「9」に設定されている。よって、ステップS221の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S221でYES)、ステップS224に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S221でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S222)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理を行い(S223)、ステップS224に進む。なお、第1大入賞口賞球処理では、第1大入賞口30用の賞球カウンタに、第1大入賞口30への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS224では、第2大入賞口32に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2大入賞口センサ32aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2大入賞口32に遊技球が入賞していない場合(S224でNO)にはステップS228に進み、第2大入賞口32に遊技球が入賞した場合には(S224でYES)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S225)。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S225でYES)、ステップS228に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S225でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S226)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行い(S227)、ステップS228に進む。なお、第2大入賞口賞球処理では、第2大入賞口32用の賞球カウンタに、第2大入賞口32への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS228では、遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したか否か、即ち、特定領域センサ34aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球が特定領域34を通過していない場合(S228でNO)にはセンサ検出処理を終え、遊技球が特定領域34を通過した場合には(S228でYES)、V有効期間中であるか否かを判定する(S229)。V有効期間は、振分装置制御処理においてV開放されている期間である。V有効期間中でなければ(S229でNO)、センサ検出処理を終え、V有効期間中であれば(S229でYES)、V有効期間における特定領域34の通過(V通過)に応じたV通過処理を行い(S230)、センサ検出処理を終了する。遊技制御用マイコン81は、V通過処理では、V有効期間中に遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したことを示すVフラグをRAM84の所定領域にONし、V通過コマンドを出力バッファにセットする。VフラグがONされることにより、大当たり遊技終了時の遊技状態設定処理において、高確率状態が設定される。
[普通動作処理]
次に、普図表示器42および電チュー23の制御に関する普通動作処理について説明する。図40に示すように、普図表示器42および電チュー23に関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器42に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31,33の制御に関する特別動作処理について説明する。図41に示すように、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31,33に関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン81が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、図22に示す大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に大当たり図柄、VフラグのON/OFF(大当たり遊技中におけるV通過の有無)などに応じて遊技状態を設定する処理である。大当たり遊技中にV通過があれば、高確率フラグをRAM84の高確率フラグ領域にONすることで高確率状態を設定する。さらにこのときに、大当たりに当選することなく高確率状態を設定(継続)できる規定回数(高確率規定回数)を、RAM84に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。第1実施形態では高確率規定回数は180回に設定されている。また、時短フラグをRAM84の時短フラグ領域にONすることで時短状態を設定する。さらにこのときに、大当たりに当選することなく時短状態を設定(継続)できる規定回数(時短規定回数)を、RAM84に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。第1実施形態では時短規定回数はV通過の有無によって異なる。大当たり遊技中にV通過があるときの時短規定回数は180回であり、大当たり遊技中にV通過がないときの時短規定回数は100回である。すなわち、第1実施形態では、VAT通過の有無にかかわらず大当たり遊技後には時短状態で制御されるが、その時短状態に対する時短規定回数がV通過の有無によって異なる。なお、高確率規定回数および時短規定回数の「回数」の対象は特図可変表示である。よって、例えば、高確率状態が設定されて、大当たり当選することなく、180回の特図可変表示が実行されるまでは、当該高確率状態が維持される。
[特別図柄待機処理]
次に図42を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部851に記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図18(A)参照)に基づいて、大当たり、または、ハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブル(図18(B)参照)に基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データをRAM84に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドをRAM84に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図44を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在通常遊技状態(非時短状態)であるか否かを判定する(S1651)。通常遊技状態であれば(S1651でYES)、通常遊技状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、通常遊技状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、リーチ判定を行う(S1655)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブル(図18(C)参照)に照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1655でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン81は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。なお、特別動作用タイマは図36のその他の処理(S108)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報、特図1判定処理(S1609)で行われた大当たり判定の結果に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器411に特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留記憶部851における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部851における保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器412に特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留記憶部852における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部852における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている(図18(B)参照)。
[特別図柄変動処理]
次に図44を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器41に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ図柄データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図45を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在高確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、高確率状態であれば(S1752でYES)、高確率状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する高確率残り回数カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1753)、高確率残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、高確率状態から通常確率状態に移行させる(高確率フラグをOFFする)(S1755)。
ステップS1756において、遊技制御用マイコン81は、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。時短状態でなければ(S1756でNO)、ステップS1760に進み、現在、時短状態であれば(S1756でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1757)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1758)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1758でNO)、ステップS1760に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1758でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1759)。
次に、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1760)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1761)。大当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1765)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1761において大当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1762)。続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技準備処理を行い(S1763)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた特別遊技制御テーブル(TBLNo.9−1〜9−3)をRAM84の所定領域にセットし、大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグをRAM84の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドをRAM84の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御用マイコン91による演出の制御
[サブ制御メイン処理]
次に図43〜図52のフローチャートを用いて、演出制御用マイコン91による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述するSPリーチパターン判定用乱数、Lリーチパターン判定用乱数、発展演出パターン判定用乱数、Nリーチパターン判定用乱数、通常変動演出パターン判定用乱数、SPリーチ開始タイトル予告パターン判定用乱数、および、駆動発光演出発光色予告パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、および、エンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示部7a,8aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12、および盤後発光装置154を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤前可動体141、および盤後可動体151を作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)および、客待ち演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、STB信号(ストローブ信号)、すなわち、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図47を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン91は、半球型ボタン検出スイッチ63aからの検出信号に基づいて半球型ボタンスイッチデータを作成する。また、入力処理では、演出制御用マイコン91は、剣型ボタン検出スイッチ64aからの検出信号に基づいて剣型ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン91は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン91は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ12、および盤後発光装置154を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4207)で作成された発光データをランプ制御回路107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ12、および盤後発光装置154を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン91は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン91は、所定のタイミングで盤前可動体141、および盤後可動体151を駆動させるべく、駆動データ(盤前可動体141、および盤後可動体151の駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤前可動体141、および盤後可動体151を所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン91は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図48を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出、操作促進演出、および、客待ち演出などの各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4202)。さらに、客待ち演出を開始させるための客待ち演出実行処理(S4203)を行う。
次いで、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理で作成した半球型ボタンスイッチデータや剣型ボタンスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用の半球型ボタンスイッチデータや剣型ボタンスイッチデータとしてRAM94に格納するボタン状態取得処理を行う(S4204)。演出制御用マイコン91は、ボタン状態取得処理によって、半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作の有無を認識することができる。
次いで、演出制御用マイコン91は、前述の剣型ボタン操作有効期間などの半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作が有効になる期間の設定および解除を行うボタン操作有効期間制御処理を行う(S4205)。半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作が有効になる期間において、半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作があると、当該操作があったことを示すコマンドがこのボタン操作有効期間制御処理にてRAM94の出力バッファにセットされる。セットされたコマンドはステップS4004の送信処理にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100は、半球型ボタン63や剣型ボタン64の操作があったことを示すコマンドを受信すると、その操作に応じた演出(画像表示)を行う。
次いで、演出制御用マイコン91は、音声制御処理を行う(S4206)。音声制御処理では、後述するようにRAM94にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカ11からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路106への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン91は、発光データ作成処理を行う(S4207)。発光データ作成処理では、後述するようにRAM94にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図49〜図50を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理ではまず、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン91は、第1始動口20や第2始動口22に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドをRAM94にある始動入賞コマンド保留記憶部95に記憶する。ここで、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第1始動入賞コマンド保留記憶部951に記憶する。一方、演出制御用マイコン91は、第2始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第2始動入賞コマンド保留記憶部952に記憶する。なお、第1始動入賞コマンド保留記憶部951および第2始動入賞コマンド保留記憶部952は、RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。次に、演出制御用マイコン91は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの抽選を行う。先読み演出には、特図保留数を特別態様で表示する保留演出の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4303において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドをRAM94にある特図解析結果記憶部96に記憶する(S4304)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報(特図解析結果)は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
ステップS4305において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。特図変動演出開始処理については後述する。
ステップS4307において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄や小図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3や小図柄KZ1〜KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。画像制御基板100は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3や小図柄KZ1〜KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4309でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4310)。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4311において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4311でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4312)。演出制御用マイコン91は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。大当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4316に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4314)および演出モード設定処理(S4315)を行う。
演出制御用マイコン91は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン91は、演出モード設定処理において、大当たりエンディングコマンドの解析結果および大当たり遊技中におけるV通過の有無などに基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。なお、V通過の有無は後述するV通過指定フラグのON/OFFによって認識できる。
ステップS4316において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か、言い換えれば、V通過コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。V通過コマンドを受信していなければ(S4316でNO)、ステップS4318に進む一方、V通過コマンドを受信していれば(S4316でYES)、V通過に伴うV通過演出開始処理を行う(S4317)。演出制御用マイコン91は、V通過演出開始処理では、V通過があったことを示すV通過指定フラグをRAM94のV通過指定フラグ領域にONすると共に、当該V通過が、実行中の大当たり遊技における最初のV通過であるか否かを判定し、最初のV通過であれば、V通過を報知するためのV通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。最初のV通過でなければ、V通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットせずにV通過演出開始処理を終える。すなわち、大当たり遊技における最初のV通過に応じてのみV通過演出が行われる。
ステップS4318において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4318でNO)、ステップS4320に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4318でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4319)。遊技状態設定処理において、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグをRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「02H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4320において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4320でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4320でYES)、客待ち演出待機処理を行う(S4321)。演出制御用マイコン91は、客待ち演出待機処理では、演出図柄や小図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、この待機時間が経過したか否かはステップS4203の客待ち演出実行処理で監視される。演出制御用マイコン91は、ステップS4203の客待ち演出実行処理で、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
[特図変動演出開始処理]
次に図51〜図52を用いて特図変動演出開始処理について説明する。演出制御用マイコン91は、特図変動演出開始処理ではまず、受信した特図変動開始コマンドをRAM94の中にある特図変動パターン解析結果記憶部97に記憶する(S4401)。
次に、演出制御用マイコン91は、最終的に停止表示させる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(以下において、「停止演出図柄」という)と小図柄KZ1,KZ2,KZ3の組み合わせ(以下において、「停止小図柄」という)を決定する停止図柄決定処理を行う(S4402)。なお、第1実施形態では、特図の停止表示が行われる際に必ず小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われるが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示は行われない場合もある。停止図柄決定処理では、まず、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄および停止小図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、停止特図の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄および停止小図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止図柄(停止演出図柄および停止小図柄)を決定して、決定した停止図柄(停止演出図柄および停止小図柄)を表すデータをRAM94の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、特図変動演出の演出内容(変動演出パターン)を決定する特図変動演出パターン決定処理を行う(S4403)。ここで、図52を用いて特図変動演出パターン決定処理について説明する。
図52に示すように、演出制御用マイコン91は、特図変動演出パターン決定処理では最初に、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う変動演出においてSPリーチ(SPリーチ)があるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「SPリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4501)。演出制御用マイコン91は、SPリーチが含まれていなければ(S4501でNO)ステップS4506に進み、SPリーチが含まれていれば(S4501でYES)、SPリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をSPリーチパターン判定用乱数として取得し(S4502)、取得したSPリーチパターン判定用乱数に基づいてSPリーチパターン(SPリーチの演出内容)を判定するSPリーチパターン判定を行う(S4503)。
SPリーチパターン判定は、SPリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。図53(A)に示すように、SPリーチパターン判定テーブルは、停止表示する特図に関連づけられて複数設けられている。各SPリーチパターン判定テーブルには、所定の(図53(A)に記載の)振分率(%)となるように、複数のSPリーチパターン(SPリーチの演出内容)にSPリーチパターン判定用乱数の値(SPリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、SPリーチパターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図に応じたSPリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したSPリーチパターン判定用乱数を照合し、SPリーチパターン(SPリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
第1実施形態においては、SPリーチが行われるということはSPリーチ開始タイトル予告も必ず行われるので、演出制御用マイコン91は、次に、タイトル予告パターン判定用乱数カウンタが示す値をタイトル予告パターン判定用乱数として取得し(S4504)、取得したタイトル予告パターン判定用乱数に基づいてタイトル予告パターン(SPリーチ開始タイトル予告の演出内容:SPリーチ開始タイトル予告におけるエフェクト画像G12の色)を判定するタイトル予告パターン判定を行う(S4505)。
タイトル予告パターン判定は、タイトル予告パターン判定テーブルを用いて行われる。図53(B)に示すように、タイトル予告パターン判定テーブルは、停止表示する特図に関連づけられて複数設けられている。各タイトル予告パターン判定テーブルには、所定の(図54(B)に記載の)振分率(%)となるように、複数のタイトル予告パターンにタイトル予告パターン判定用乱数の値(タイトル予告パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、タイトル予告パターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図に応じたタイトル予告パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したタイトル予告パターン判定用乱数を照合し、タイトル予告パターンを決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出においてLリーチがあるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「Lリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4506)。演出制御用マイコン91は、Lリーチがなければ(S4506でNO)ステップS4509に進み、Lリーチがあれば(S4506でYES)、Lリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をLリーチパターン判定用乱数として取得し(S4507)、取得したLリーチパターン判定用乱数に基づいてLリーチパターン(Lリーチの演出内容)を判定するLリーチパターン判定を行う(S4508)。
Lリーチパターン判定は、Lリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。Lリーチパターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、停止表示する特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各Lリーチパターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数のLリーチパターン(Lリーチの演出内容)にLリーチパターン判定用乱数の値(Lリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、Lリーチパターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図および特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じたLリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したLリーチパターン判定用乱数を照合し、Lリーチパターン(Lリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う変動演出において発展演出があるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「発展演出」が含まれているか否かを判定する(S4509)。演出制御用マイコン91は、発展演出がなければ(S4509でNO)ステップS4514に進み、発展演出があれば(S4509でYES)、発展演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を発展演出パターン判定用乱数として取得し(S4510)、取得した発展演出パターン判定用乱数に基づいて発展演出パターン(発展演出の演出内容)を判定する発展演出パターン判定を行う(S4511)。
発展演出パターン判定は、発展演出パターン判定テーブルを用いて行われる。発展演出パターン判定テーブルは、図54(A)に示すように、停止表示する特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各発展演出パターン判定テーブルには、所定(図54(A)に記載)の振分率(%)となるように、複数の発展演出パターン(発展演出の演出内容)に発展演出パターン判定用乱数の値(発展演出パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、発展演出パターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図および特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じた発展演出パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した発展演出パターン判定用乱数を照合し、発展演出パターン(発展演出の演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
第1実施形態においては、発展演出が行われるということは、後半駆動発光演出における盤後点発光装置1542による発光(発光色予告)も必ず行われるので、演出制御用マイコン91は、次に、発光色予告パターン判定用乱数カウンタが示す値を発光色予告パターン判定用乱数として取得し(S4512)、取得した発光色予告パターン判定用乱数に基づいて発光色予告パターン(発光色予告の演出内容:盤後点発光装置1542の発光色)を判定する発光色予告パターン判定を行う(S4513)。
発光色予告パターン判定は、発光色予告パターン判定テーブルを用いて行われる。図54(B)に示すように、発光色予告パターン判定テーブルは、停止表示する特図に関連づけられて複数設けられている。各発光色予告パターン判定テーブルには、所定の(図54(B)に記載の)振分率(%)となるように、複数の発光色予告パターン(発光色予告の演出内容:盤後点発光装置1542の発光色)に発光色予告パターン判定用乱数の値(発光色予告パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、発光色予告パターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図に応じた発光色予告パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した発光色予告パターン判定用乱数を照合し、発光色予告パターン(発光色予告の演出内容:盤後点発光装置1542の発光色)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う変動演出においてNリーチがあるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「Nリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4514)。演出制御用マイコン91は、Nリーチがなければ(S4514でNO)ステップS4517に進み、Nリーチがあれば(S4514でYES)、Nリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をNリーチパターン判定用乱数として取得し(S4515)、取得したNリーチパターン判定用乱数に基づいてNリーチパターン(Nリーチの演出内容)を判定するNリーチパターン判定を行う(S4516)。
Nリーチパターン判定は、Nリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。Nリーチパターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、停止表示する特図に関連づけられて複数設けられている。各Nリーチパターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数のNリーチパターン(Nリーチの演出内容)にNリーチパターン判定用乱数の値(Nリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、Nリーチパターン判定において、まずは、特図解析結果が示す停止特図に応じたNリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したNリーチパターン判定用乱数を照合し、Nリーチパターン(Nリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン結果に基づいて、これから行う変動演出が通常変動演出であるか否かを判定する(S4517)。演出制御用マイコン91は、通常変動演出でなければ(S4517でNO)特図変動演出パターン決定処理を終了して、特図変動演出開始処理(S4306)に戻り、通常変動演出であれば(S4517でYES)、通常変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を通常変動演出パターン判定用乱数として取得し(S4518)、取得した通常変動演出パターン判定用乱数に基づいて通常変動演出の演出内容(通常変動演出種別)を判定する通常変動演出パターン判定を行い(S4519)、変動演出パターン決定処理を終了して変動演出開始処理に処理を戻す。
通常変動演出パターン判定は、通常変動演出パターン判定テーブルを用いて行われる。通常変動演出パターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各通常変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の通常変動演出パターン(通常変動演出の演出内容)に通常変動演出パターン判定用乱数の値(通常変動演出パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、通常変動演出パターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果に関連づけられた通常変動演出パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した通常変動演出パターン判定用乱数を照合し、通常変動演出パターン(通常変動演出の演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
説明を特図変動演出開始処理(S4306)に戻す。特図変動演出パターン決定処理において、SPリーチパターン、タイトル予告パターン、Lリーチパターン、発展演出パターン、発光色予告パターン、Nリーチパターン、および通常変動演出パターンなどで構成される特図変動演出パターンが決定されれば、特図変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、操作促進演出の有無、操作促進演出の内容、演出展開構成などの種類等からなる特図変動演出の演出内容が決まることとなる。
次に、演出制御用マイコン91は、決定した停止特図および特図変動演出パターンなどからなる特図変動演出の演出内容を示す特図変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4404)。特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置7,8で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ11から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ12、枠発光装置133、および盤後発光装置154で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、枠可動装置13、盤前可動装置14、および盤後可動装置15で行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。ステップS4404でセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7,8の表示部7a,8aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12、および盤後発光装置154を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、枠可動装置13、盤前可動装置14、および盤後可動装置15を作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターンが示す特図変動時間を特図変動演出の時間(特図変動演出時間)として特図変動演出タイマにセットし、特図変動演出が開始されてから経過する時間(特図変動演出経過時間)の計測を開始する(S4405)。特図変動演出タイマにセットされた特図変動演出時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、特図変動演出タイマによって、特図変動演出経過時間を認識することができる。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機1の構成の変更例について説明する。
第1実施形態では、盤前可動体141は、盤前上左可動体14UL1、盤前上右可動体14UR1および盤前下可動体14D1の3つの下表示部7aに沿って移動可能な可動体で構成されているが、下表示部7aに沿って移動可能な2つまたは4つ以上の可動体で構成されてもよい。また、盤前可動体141は、下表示部7aに沿って移動可能な1つの可動体で構成されてもよい。この場合、盤前可動体141の待機状態における初期位置および作動態様は適宜設定可能であるが、例えば、盤前可動体141は盤前下可動体14D1のように待機状態において遊技盤2の後方で保持されており、下表示部7aに沿って上昇および下降を可能にしてもよい。
また、盤後可動体151は、盤後上可動体15U1および盤後下可動体15D1の下表示部7aに沿って移動可能な2つの可動体で構成されているが、下表示部7aに沿って移動可能な3つ以上の可動体で構成されてもよい。また、盤後可動体151は、下表示部7aに沿って移動可能な1つの可動体で構成されてもよい。この場合、盤後可動体151の待機状態における初期位置および作動態様は適宜設定可能であるが、例えば、盤後可動体151は盤後上可動体15U1のように待機状態において上画像表示装置8の後方で保持されており、下表示部7aに沿って下降および上昇を可能にしてもよい。また、盤後可動体151は盤後下可動体15D1のように待機状態において遊技盤2の後方で保持されており、下表示部7aに沿って上昇および下降を可能にしてもよい。
また、第1実施形態では、盤後可動体151と盤前可動体141とが移動して前後方向に重なることが可能であるが、さらに移動可能な1つまたは2つ以上の可動体が設けられており、移動することによって盤後可動体151および盤前可動体141と前後方向に重なるようにしても良い。このように重なるとき、当該可動体は、盤後可動体151の後方、盤後可動体151と盤前可動体141との間、または盤前可動体141の前方に配置される。また、盤後可動体151と盤前可動体141のように移動して前後方向に重なることが可能な可動体は遊技盤ユニット4のようなパチンコ遊技機1の内部に設けられているのではなく、前枠53のようにパチンコ遊技機1の外側に設けられていても良い。
また、第1実施形態では、盤後可動体151(特に、盤後高透過部1511)の前面側は平坦に平面的に形成されているが、凹凸を有し立体的に形成されていても良い。また、盤前可動体141(特に、盤前透過部1412)の前面側は凹凸を有し立体的に形成されているが、平坦に平面的に形成されていても良い。さらに、盤後可動体151(特に、盤後高透過部1511)の前面より盤前可動体141(特に、盤前透過部1412)の前面の方が立体的に形成されているが、盤前可動体141の前面より盤後可動体151の前面の方が立体的に形成されていても良い。また、盤後可動体151の前面および盤前可動体141の前面に施されるデザインは第1実施形態に限られず適宜に設定することができる。例えば、盤後可動体151の前面は通常状態の主人公キャラクタが施され、盤前可動体141の前面は特別状態の主人公キャラクタが施されていても良い。また、盤後可動体151の前面と盤前可動体141の前面に施されるデザインの題材は、第1実施形態のように同一ではなく相違しても良い。また、盤前不透過部1411は、鏡のようにその前方に配置されたものを映すような部材で構成されているが、鏡のようにその前方に配置されたものを映すことが困難な又は不可能な部材で構成されていても良い。
また、盤後可動体151には、盤後点発光装置1542と盤後面発光装置1541の異なる2種類の発光仕様の発光装置が内部に設けられているが、何れか一方または何れも外側に設けられていても良い。また、盤後可動体151に設けられる発光装置の数は2つに限られず1つまたは3つ以上にすることもできる。また、盤前可動体141には、発光可能な発光装置が設けられていないが、例えば前方(遊技者の方)を向いて発光可能な発光装置を設けて良い。
また、パチンコ遊技機1には、画像を表示可能な画像表示装置として、下画像表示装置7と上画像表示装置8が設けられ、それらは正面視で前後方向に接続されているが、画像表示装置の数および配置関係は第1実施形態に限られない。例えば、下画像表示装置7の下側に、下端部が前方に突出するように傾いて所定の画像表示装置を配置しても良い。そして、この場合も下画像表示装置7より前方側に所定距離をおいてその画像表示装置を配置し、画像表示装置の背面に下画像表示装置7の表示部に沿って上昇および下降可能な可動体を待機状態で配置し、下画像表示装置7と画像表示装置の間から可動体を下画像表示装置7の前に出現可能にしても良い。また、下画像表示装置7の両横側に画像表示装置を下画像表示装置から前方に所定距離をおいて配置し、これらの画像表示装置の背面に下画像表示装置7の表示部に沿って水平方向にスライド可能な可動体を待機状態で配置し、下画像表示装置7と画像表示装置の間から、シャッターあるいは障子のように可動体を下画像表示装置7の前に出現可能にしても良い。
また、第1実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
また、第1実施形態では、特定領域34が設けられており、大当たり遊技においてV通過しないと高確率状態に移行しないが、V通過せずとも、特別図柄抽選で特定の種類の大当たり図柄に当選して、特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われると、その大当たり遊技の終了に伴って高確率状態に移行するようにすることができる。この場合、Vロング大当たり遊技を発生させる大当たり図柄と、特定の種類の大当たり図柄とが当選可能であるようにしてもよい。また、例えば、第2大入賞装置33が設けられておらず、高確率状態に移行するための条件として、特定の種類の大当たり図柄に当選し、特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われることのみが設定されているようにすることもできる。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態では、高確率回数が180回に設定され、時短回数が180回(V通過した場合)と100回(V非通過の場合)に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
また、第1実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置7の表示部7aで表示し、サブ制御基板90にその制御を行わせても良い。また、遊技盤2の遊技領域3以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板80またはサブ制御基板90に行わせても良い。
また、第1実施形態では、特図1保留数および特図2保留数の上限値は「4」であるが、特図1保留数および特図2保留数の上限値は「4」に限られず適宜に設定することができる。また、第1実施形態では、普図可変表示については、特図可変表示のように保留させる機能が設けられていないが、普図可変表示についても、所定の上限値の範囲で保留可能にしても良い。さらには、特図1保留数、特図2保留数および普図保留数について、上限値を設けなくても良い。
また、第1実施形態では、特図2保留が優先的に消化されるが、特図1保留が優先的に消化されるように構成しても良い。また、特図1保留と特図2保留について、発生した順番で消化されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板80が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板90が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板100を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。