JP2018163185A - 反射光学装置 - Google Patents

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杭迫 真奈美
Manami Kuiseko
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Abstract

【課題】明るく光学性能が良好でコンパクトかつ低コストな反射光学装置を提供する。【解決手段】反射光学装置DUは、物体の光学像IMを形成する反射光学系OTと、光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGTと、を備える。反射光学系OTは、物体側から順に、第1〜第4反射面S1〜S4と絞りSTからなり、第1反射面S1から第4反射面S4までの間に中間像IM0を形成した後に、画像センサーGTのセンサー面SS上に光学像IMを形成する。中央主光線CRが第1〜第4反射面S1〜S4で偏向される角度と、第4反射面S4と絞り像ST0での中央主光線CRの位置を適正に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、反射光学装置に関するものであり、例えば、広い波長帯(特に波長3〜14μm帯の中赤外から遠赤外の赤外線領域)での使用が可能な反射光学系を有する反射光学装置に関するものである。
従来より様々なタイプの反射光学系が提案されている。例えば、特許文献1に記載の反射光学系は、反射面を偏心させたオフアキシャル光学系であって、絞りを反射面間に配置し、さらにセンサー面の中央に結像する光束(中央光束)の主光線に対して絞り面を傾けた構成になっている。なかでも、ラインセンサー用の反射光学系では、第1反射面に入射する光束と第2反射面から射出する光束とが交差し、第3反射面に入射する光束と第4反射面から射出する光束とが絞りを挟んで交差する配置になっており、その配置によって反射光学系の容積がコンパクト化されている。
特許文献2に記載の反射光学系は、広角レンズ系又は魚眼レンズ系を複数の偏心した反射面で構成することにより、魚眼レンズ特有の歪曲の補正や斜め撮影での台形歪みの補正を可能としている。しかも、最前面に配置された絞りと4つの反射面とからなり、かつ、中間像を形成する構成により、広角光学系でありながらミラーサイズが小さくなるようにしている。
特許文献3に記載の反射光学系は、偏心した複数の反射面からなっており、不要光のカットが可能な構成になっている。そして、最前面に配置された絞りと4つの反射面とで、特許文献2とは異なる配置により中間像を形成する構成になっている。
特許文献4に記載の反射光学系は、絞り面と偏心した3面以上の反射面とで構成されている。例えば、4つの反射面からなり、かつ、第2反射面と第3反射面との間に中間像を形成する構成により、すべての反射面の大きさを小さくしながら収差補正を容易にしている。
特開2004−258541号公報 特開2006−215172号公報 WO00/048033 WO2011/077988
特許文献1に記載の反射光学系では、中間像を形成しないため、2次元画像を撮影する明るいFナンバーの光学系に採用した場合、第1反射面及び第4反射面が巨大になり、ミラー同士が光束を切らないような配置にすれば、反射光学系の容積が大きくなってしまう。また、大きなミラー面により発生する収差によって補正が不十分になってしまうため、明るいFナンバーの望遠光学系として使用することができなくなる。
特許文献2に記載の反射光学系では、中央光束の主光線に対する偏向角が第1反射面と第2反射面とで逆符号になっている。同様に、第3反射面と第4反射面での偏向角も逆符号になっている。このような構成では、偏心した反射面による非対称な収差をキャンセルすることができないため、XZ平面に対して非対称なXY多項式面を各反射面に用いても十分な収差補正ができない。焦点距離の長い望遠光学系では焦点距離に応じて収差も大きくなるので、このタイプの反射光学系では高い光学性能を得ることができない。また、中央光束の主光線が像面に対して垂直であるため、Fナンバーが明るくなると偏心方向の収差の補正が困難になる。
特許文献3に記載の反射光学系でも、第1反射面と第2反射面での偏向角が逆符号であり、第3反射面と第4反射面での偏向角も逆符号である。特許文献2に記載の反射光学系と同様に、偏心方向に非対称な収差をキャンセルすることができないので、明るいFナンバーの光学系に使用した場合には収差補正を十分に行うことができない。
特許文献4に記載の反射光学系では、中央光束の主光線に対する偏向角が第1反射面と第2反射面とで同符号になっており、同様に、第3反射面と第4反射面での偏向角も同符号となっている。そのため、偏心方向に非対称な収差はある程度キャンセルされるため、軸外光束の収差補正に有利な配置となっている。しかし、絞りを入射面と一致させて、第4反射面の面頂点よりも右側に配置している。このような反射光学系において、絞りと絞りの共役像とを入れ替えた場合、絞りの位置がセンサー面から遠くなって、第4反射面のすぐ近くに位置することになってしまう。
上記のような配置の絞りにコールドアパーチャを採用した場合、冷却部材が第3反射面に入射する光束を切ってしまうことになるため、冷却型センサーに使用することはできない。さらに、第4反射面による偏向角が小さいため、この第4反射面で収差を大きく発生させてしまうことになる。したがって、明るいFナンバーの光学系に使用した場合には、軸上光の収差が大きくなってしまい、高精細センサーに対応できる十分な性能を確保することが困難になる。また、第2反射面による偏向角が小さいため、大きな入射光束を確保するために第2反射面を入射面から離して配置しようとすると、第1反射面で大きく発生してしまう非対称な像面湾曲等の収差を十分に補正することができなくなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、明るく光学性能が良好でコンパクトかつ低コストな反射光学装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の反射光学装置は、反射作用により物体の光学像を形成する反射光学系と、前記光学像を電気的な信号に変換する画像センサーと、を備えた反射光学装置であって、
前記反射光学系が、物体側から順に、第1反射面と、第2反射面と、第3反射面と、第4反射面と、絞りとからなり、前記第1反射面から第4反射面までの間に中間像を形成した後に、前記画像センサーのセンサー面上に前記光学像を形成し、
前記センサー面の中央に結像する光束を中央光束とし、その中央光束の主光線を中央主光線とし、前記第2反射面と前記第4反射面との物理的隙間の空間に、前記反射光学系に対する光束入射の基準面を設定し、前記基準面において、中央主光線の通過位置を原点とし、かつ、原点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定し、前記第1〜第4反射面のそれぞれにおいて、その面頂点を原点とし、かつ、面頂点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定すると、
前記基準面におけるYZ平面と前記第1〜第4反射面及び絞りにおけるYZ平面とが一致するとともに、前記中央主光線がすべてYZ平面上に存在し、前記第1〜第4反射面がYZ平面内において前記基準面から入射した光束を切らないように偏心して配置され、
以下の条件式(1)〜(3)を満足することを特徴とする。
φ1×φ2>0 …(1)
φ3×φ4>0 …(2)
−6<t1/|f|<−3 …(3)
ただし、
φ1:中央主光線が第1反射面で偏向される角度、
φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
φ3:中央主光線が第3反射面で偏向される角度、
φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
φ1〜φ4の各値が±(90°〜180°)であり、
f:反射光学系全体のY方向の焦点距離であり(記号||は絶対値を表す。)、中央主光線がセンサー面に到達する座標を原点として、センサー面での片側全像高の1%のY方向の高さΔYに到達する光線が中央主光線とのなす角Δθから、f×tan(Δθ)=ΔYにより計算され、
t1:基準面のローカルな直交座標系(X,Y,Z)において、中央主光線が第4反射面に到達する位置のZ座標と、絞りの共役像を中央主光線が仮想的に通過する位置のZ座標と、の差であり、このZ座標の差は、絞りの共役像における中央主光線の通過座標を(Xa,Ya,Za)とし、第4反射面における中央主光線の通過座標を(Xb,Yb,Zb)とすると、Za−Zbで表され、マイナスの値は絞りの共役像が第4反射面の物理的に物体側に存在することを示す。
第2の発明の反射光学装置は、上記第1の発明において、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
139°<|φ4|<146° …(4)
ただし、
φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
であり、式:−180°<φ4<180°の範囲を取る。
第3の発明の反射光学装置は、上記第1又は第2の発明において、前記第1反射面及び第2反射面で前記中間像を形成し、前記第3反射面及び第4反射面で前記センサー面に前記光学像を形成することを特徴とする。
第4の発明の反射光学装置は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記第1〜第4反射面のうち2面以上がXZ平面に対して非対称なXY多項式面であることを特徴とする。
第5の発明の反射光学装置は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
139°<|φ2|<165° …(5)
ただし、
φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
であり、式:−180°<φ2<180°の範囲を取る。
第6の発明の反射光学装置は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記画像センサーが波長3〜5μm帯又は波長7〜12μm帯に感度を持つことを特徴とする。
第7の発明の反射光学装置は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記反射光学系の水平全画角が5°以上15°以下であることを特徴とする。
本発明によれば、Fナンバー1.3程度の明るさと良好な光学性能を有するコンパクトで低コストな反射光学装置を実現することができる。
第1の実施の形態(実施例1)の光学構成を示す光路図。 実施例1の横収差図。 実施例1の横収差図。 実施例1の歪曲図。 第2の実施の形態(実施例2)の光学構成を示す光路図。 実施例2の横収差図。 実施例2の横収差図。 実施例2の歪曲図。 第3の実施の形態(実施例3)の光学構成を示す光路図。 実施例3の横収差図。 実施例3の横収差図。 実施例3の歪曲図。 第4の実施の形態(実施例4)の光学構成を示す光路図。 実施例4の横収差図。 実施例4の横収差図。 実施例4の歪曲図。 参考例1のレンズ構成図。 参考例1の縦収差図。 参考例2のレンズ構成図。 参考例2の縦収差図。 反射光学装置を搭載した赤外線画像システムの概略構成例を示す模式図。 反射光学装置を搭載した赤外線画像システムの動作の流れを示す図。 反射による偏向角の正負方向を示す説明図。 第1の実施の形態(実施例1)における絞りの共役像の位置を示す光路図。
以下、本発明の実施の形態に係る反射光学装置等を説明する。本発明の実施の形態に係る反射光学装置は、反射作用により物体の光学像を形成する反射光学系と、前記光学像を電気的な信号に変換する画像センサーと、を備えた反射光学装置であって、前記反射光学系が、物体側から順に、第1反射面と、第2反射面と、第3反射面と、第4反射面と、絞りとからなり、前記第1反射面から第4反射面までの間に中間像を形成した後に、前記画像センサーのセンサー面上に前記光学像を形成する構成になっている。
また、前記センサー面の中央に結像する光束を中央光束とし、その中央光束の主光線を中央主光線とし、前記第2反射面と前記第4反射面との物理的隙間の空間に、前記反射光学系に対する光束入射の基準面を設定し、前記基準面において、中央主光線の通過位置を原点とし、かつ、原点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定し、前記第1〜第4反射面のそれぞれにおいて、その面頂点を原点とし、かつ、面頂点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定すると、前記基準面におけるYZ平面と前記第1〜第4反射面及び絞りにおけるYZ平面とが一致するとともに、前記中央主光線がすべてYZ平面上に存在し、前記第1〜第4反射面がYZ平面内において前記基準面から入射した光束を切らないように偏心して配置されている。
そして、以下の条件式(1)〜(3)を満足することを特徴としている。
φ1×φ2>0 …(1)
φ3×φ4>0 …(2)
−6<t1/|f|<−3 …(3)
ただし、
φ1:中央主光線が第1反射面で偏向される角度、
φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
φ3:中央主光線が第3反射面で偏向される角度、
φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
φ1〜φ4の各値が±(90°〜180°)であり、
f:反射光学系全体のY方向の焦点距離であり(記号||は絶対値を表す。)、中央主光線がセンサー面に到達する座標を原点として、センサー面での片側全像高の1%のY方向の高さΔYに到達する光線が中央主光線とのなす角Δθから、f×tan(Δθ)=ΔYにより計算され、
t1:基準面のローカルな直交座標系(X,Y,Z)において、中央主光線が第4反射面に到達する位置のZ座標と、絞りの共役像を中央主光線が仮想的に通過する位置のZ座標と、の差であり、このZ座標の差は、絞りの共役像における中央主光線の通過座標を(Xa,Ya,Za)とし、第4反射面における中央主光線の通過座標を(Xb,Yb,Zb)とすると、Za−Zbで表され、マイナスの値は絞りの共役像が第4反射面の物理的に物体側に存在することを示す。
波長8〜12μm帯の遠赤外線領域は物質の温度を検知できる範囲であり、温度測定,暗闇での人検知,セキュリティ等、応用できるものは多い。最近では遠赤外線センサーの製造技術が進み、安価なサーモパイルや非冷却型マイクロボロメータ等も製造されるようになり、これらと適合するような安価なレンズ系が望まれている。また、いろいろな分野に応用可能な遠赤外線レンズ系のラインナップも望まれており、安価な望遠光学系が待望されている。
目に見えないガスを画像として検知するカメラでは、中赤外帯(波長2.5〜7μm)又は遠赤外帯にある各気体に固有の吸収波長を利用する。つまり、中赤外又は遠赤外の画像センサーでガスの映像をとらえる。ガスの撮影には感度の高い冷却型(量子型)センサーを使用する。中赤外用の冷却型センサーを使った一般的な赤外カメラでは、センサーの感度が高いためレンズ系のFナンバーが2.5〜3.5程度のものを使用している。しかし、ガスを撮影するには、波長範囲の狭い吸収帯しか使用することができないので、Fナンバー1.27〜1.5程度の明るいレンズが必要となる。
遠方のガス検知を行おうとする場合には望遠レンズが必要であるが、焦点距離が長いほどレンズ系の有効径は大きくなる。明るいFナンバーのレンズ系を実現しようとすると、屈折光学系では大型のレンズが必要となる。大型のレンズは重量の増大とともに、コスト高や材料確保の困難性等の問題がある。
レンズのように光を透過し屈折させる光学部品を使った屈折光学系では、適切な設計を行うことで明るいFナンバーの光学系を実現することができる。しかし、レンズ自身に重量があり、光の波長ごとに異なる屈折率を持つことから、光学系全体の重量が大きくなったり色収差を発生させたりする等の問題がある。特に望遠光学系では焦点距離が長いため、これらの問題は深刻である。また、光の波長によっては特殊な硝材が必要となるため、レンズ径が大きい望遠レンズではコスト高となる。
一方、光を反射するミラー等の光学部品を使った反射光学系では、表面反射を使うことで光学部品に軽量で安価な材料を使うことができ、また、光の波長によらず反射する方向が同じなので色収差が発生しない。このため、反射光学系は望遠光学系を構成するのに向いている。しかし、反射面によって光束が折り曲げられ、入射光束と射出光束との重なる部分が生じるため、明るいFナンバーの光学系を実現するのは大変難しい。
可視光の撮影を行う場合、屋外の撮影では明るい環境にあるためFナンバー8程度の光学系でも使用可能であり、屋内の撮影ではそれほど焦点距離の長い望遠光学系は必要ない。そのため、副鏡が主鏡の光束を切るドーナツ光束の反射光学系を、屋外用の望遠光学系として使用することができる。これよりも明るい反射光学系を必要とする場合には、例えば、各ミラーがお互いの光束を切らないように偏心させて配置することで、Fナンバー3〜1.35程度の反射光学系を実現することが可能である。
しかし、Fナンバーが1.27〜1.5の更に明るい反射光学系を実現するとともに、赤外の冷却型センサーで用いられるコールドアパーチャに対応するように、絞りとコールドアパーチャを一致させるには、更なる条件が必要となる。その条件を規定しているのが条件式(1),(2)である。コールドアパーチャは冷却された光学絞りであり、冷却型センサーを用いる場合、センサー自身を冷却するとともに光学絞りを冷却することも必要となる。赤外線センサーは熱を受光しているため、光学絞り自体の発熱も像として撮影してしまうからである。したがって、光学絞りを冷却することによって、熱による雑音を低減することができる。
条件式(1),(2)から分かるように、中央主光線が第1〜第4反射面で折り曲げられる偏向角φ1,φ2,φ3,φ4では、偏向角φ1とφ2とが同符号であり、偏向角φ3とφ4とが同符号である。偏向角は、図23に示すように、反射面に入射する主光線の方向を0°として、反時計回り方向に0°〜180°反射される方向をプラスとし(図23(A))、時計回り方向に0°〜180°反射される方向をマイナスとする(図23(B))。つまり、偏向角は+180°〜−180°の値を取る。
2次元の画像を形成するために結像する光束は、光学面による偏向角が0°又は±180°のとき最も収差が小さくなる。反射光学系をYZ平面内において偏心していない反射面で構成すると、収差の小さい反射光学系を実現することができる。ただし、前述したように光束が反射面同士で切られてしまうため光束はドーナツ形状になる。この場合、かなり大きな入射瞳を持っていてもFナンバー8程度しか実現することができない。これに対し、YZ平面内で反射面を偏心させると明るい反射光学系を実現することができる。収差を小さくするためには、偏向角がなるべく±180°に近くなるようにすればよく、±(90°〜180°)を取るのが良い。このような構成にした場合でも、軸外光束は上側光束と下側光束とで反射される位置が異なるため、Y方向に非対称な収差を発生させてしまう。このような非対称な収差は、次の反射面で同符号の偏向角を与えてやることである程度キャンセルすることができる。
条件式(1)を満たすことで偏向角φ1とφ2を同符号とすれば、φ1×φ2は正の値を取る。同様に、条件式(2)を満たすことで偏向角φ3とφ4を同符号とすれば、φ3×φ4は正の値を取る。このようにすることで、明るい反射光学系にしても、軸上も軸外も収差の補正された光学系を実現することが可能である。偏向角φ1及びφ2と偏向角φ3及びφ4とは同符号でも反対符号でもよい。このように偏向角φ1〜φ4の値を取ることは、物理的には、第1反射面に入射する光束と第2反射面から射出する光束とが交差し、同様に第3反射面に入射する光束と、第4反射面から射出する光束とが交差する構成となる。このとき、第1反射面から第4反射面までの間に中間像を作るようにすると、すべての反射面が極端に大きくなってしまうのを防ぐことが可能となり、収差補正に更に有利な構成となる。
そしてさらに、実際の絞りとコールドアパーチャとを一致させるように、第4反射面とセンサー面との間に配置した絞りで生成する共役像は、条件式(3)を満足しなければならない。距離t1は中央主光線が第4反射面に到達する位置のZ座標から絞りの共役像を中央主光線が仮想的に通過する位置のZ座標までの距離(つまりZ座標の差)を示しており、マイナスの値は絞りの共役像が第4反射面よりも物理的に左側(物体側)にあることを示している。
光学計算は入射面から順に行われ、前の面までの計算を反映して次の面の光学計算が行われる。このため、光路が複雑になる反射光学系では、入射面を絞りにすると目安がつけやすくなる。したがって、通常の反射光学系では入射面として絞りが設定される。そのような反射光学系でも、第2反射面と第3反射面との間に中間像を形成すると、第4反射面とセンサー面との間に、入射面である絞りの共役像が形成される。しかし、この絞りの共役像はセンサー面から離れており、このような反射光学系を応用して絞りとその共役像とを入れ替えただけでは、例えば、第1反射面や第3反射面よりも物理的に物体側に絞りが存在してしまい、冷却装置を置くことができなくなる。
t1/|f|が−3よりも小さくなるように設定すると、第1反射面及び第3反射面よりも物理的にセンサー面側に絞りを配置することができ、冷却型センサーと同時に冷却する機構を設けることが可能となる。逆に、絞りの共役像が第4反射面よりも物体側に離れすぎると、画角を持った光束は反射光学系の入射面で大きく広がってしまうため、全画角2ωが5°程度の画角の小さい光学系しか実現できなくなる。t1/|f|が−6よりも大きくなるように設定すると、全画角2ωが7°〜18°程度の使い勝手の良い望遠光学系とすることが可能である。
上述したように、4つの反射面をYZ平面内で偏心させ絞りの物体側に配置して反射光学系を構成し、第1反射面から第4反射面までの間に中間像を形成することで、すべての反射面の有効径を小さく抑えて収差補正を容易にすることができる。また、第1反射面による偏向角と第2反射面による偏向角を同符号とし、同様に第3反射面による偏向角と第4反射面による偏向角を同符号とすることで、第1〜第4反射面の偏心配置により発生するY方向の非対称収差をある程度キャンセルして、軸外光束の収差を十分小さくすることができる。さらに、絞りの共役像に関する条件設定により、実際の絞りを物理的に第1反射面及び第3反射面よりもセンサー面に近づけて配置して、画像センサーの冷却機構と同時に冷却できるコールドアパーチャとすることが可能となり、不要光を十分除去することができるようになる。
こういった構成により、焦点距離の長い望遠光学系であってもFナンバー1.27〜1.5という明るい反射光学系で十分な軸上性能と軸外性能を確保することができ、また、冷却型センサーに対応したコールドアパーチャを配置することができる。そして、明るい撮像光学系が必要な画像センサーや赤外線画像システムに対して、安価で軽量な望遠光学系を提供することができる。
したがって、上記特徴的構成によると、Fナンバー1.3程度の明るさと良好な光学性能を有するコンパクトで低コストな反射光学装置を実現することができる。そして、その反射光学装置を、遠赤外線撮影システム,ガス検知システム等の赤外線画像システムに用いることによって、赤外線画像システムに対し高性能の赤外線画像入力機能を安価に付加することが可能となり、赤外線画像システムの低コスト化,高性能化,高機能化等に寄与することができる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,軽量・小型化等を達成するうえで望ましい条件設定等を以下に説明する。
以下の条件式(3a)を満足することが更に望ましい。
−5.8<t1/|f|<−3.8 …(3a)
この条件式(3a)は、前記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(3a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
139°<|φ4|<146° …(4)
ただし、
φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
であり、式:−180°<φ4<180°の範囲を取る。
条件式(4)を満たすこと、つまり、第4反射面による偏向角φ4の絶対値を139°〜146°とするのが更に好ましい。前述したように、偏向角が±180°に近いほど反射面での収差が小さくなる。第4反射面ではセンサー面に結像する光束の集光角が決まるので、明るいFナンバーの反射光学系では第4反射面の偏向角が±180°に近いほど収差補正が容易となる。しかし、前述のように軸外光束の非対称な収差を補正するため、偏向角φ3と偏向角φ4は同符号を取っており、第3反射面に入射する光束と第4反射面から射出する光束とが交差している。このとき偏向角φ4が±146°よりも大きいと第3反射面が第4反射面から射出する光束を切ってしまい、Fナンバーの明るい反射光学系を構成することができない。また、偏向角φ4が±139°よりも小さくなると、広い光束に対する収差補正が不十分となり、明るいFナンバーの反射光学系として使用できる十分な収差(球面収差)の補正ができなくなる。したがって、第4反射面による偏向角の絶対値を139°〜146°とすることで、明るいFナンバーを確保しても軸上収差が小さく、かつ、反射面がお互いに光束を切らない配置を効果的に実現することができる。
以下の条件式(4a)を満足することが更に望ましい。
139°<|φ4|<142° …(4a)
この条件式(4a)は、前記条件式(4)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(4a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
前記第1反射面及び第2反射面で前記中間像を形成し、前記第3反射面及び第4反射面で前記センサー面に前記光学像を形成することが望ましい。反射面のみで構成されている光学系であっても、望遠レンズのように焦点距離の長いものでは、絞りから遠い面ほど有効径は大きくなってしまう。しかし、光学系のどこかに中間像を作ることで、有効径の増大はある程度抑えることが可能となる。特に第1反射面と第2反射面で中間像を作ると、中間像のサイズを小さくすることができる。さらに、中間像の前後で反射面までの距離をほぼ等しくできるので、有効径を小さくする高い効果が得られる。また、偏向角が同符号である2つの面をペアにして像を形成することになるので、反射面の偏心による非対称な収差をうまくキャンセルすることができ、軸上収差も軸外収差も小さく抑えることができる。
前記第1〜第4反射面のうち2面以上がXZ平面に対して非対称なXY多項式面であることが望ましい。前述したように偏向角φ1とφ2、偏向角φ3とφ4をそれぞれ同符号とすることで、非対称な収差はある程度キャンセルされる。しかし、軸外光束はそれぞれの反射面で異なる高さを通るため、軸外光束の収差補正が十分ではない。このような軸外光束の収差を補正するには、XZ平面に対して非対称なXY多項式面を用いることが有効である。なお、この場合のXZ平面は、各反射面のローカル座標で見たものである。
以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
139°<|φ2|<165° …(5)
ただし、
φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
であり、式:−180°<φ2<180°の範囲を取る。
条件式(5)を満たすこと、つまり、第2反射面による偏向角φ2の絶対値を139°〜165°とするのが更に好ましい。前述したように、反射面での偏向角が±180°に近いほど反射面による収差の発生は小さくなる。第2反射面と第4反射面との物理的な隙間に配置された基準面が反射光学系の入射面となっている場合、基準面は絞りからも絞りの共役像からも遠いため、入射全光束は従来の反射光学系よりも大きくなる。そのため、入射光束を切らないように第2反射面を配置しようとすると、第1反射面で偏向する角度が±180°よりもかなり小さくなり、非対称な像面湾曲が大きく発生することになる。このため、第2反射面で補正するべき収差が大きくなる。
第2反射面での偏向角の絶対値を139°よりも大きくすると、収差補正がより容易になり、非対称な像面湾曲を小さくして全画角5°程度の光学系を実現することができる。また第2反射面は、大きな光束を基準面から入射させるために、基準面のローカル座標で見たY座標の値が大きくなっている。第2反射面での偏向角の絶対値を165°よりも小さくすると、第1反射面と第3反射面との間にある第2反射面による偏向角によって配置が決まり、第1反射面と第3反射面とをお互いに光束を切らない配置にすることができる。
以下の条件式(5a)を満足することが更に望ましい。
149°<|φ2|<155° …(5a)
この条件式(5a)は、前記条件式(5)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(5a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
前記画像センサーが波長3〜5μm帯又は波長7〜12μm帯に感度を持つことが望ましい。反射面のみで構成された反射光学系は色収差を生じないため、あらゆる波長帯のセンサーに使用することが可能である。しかし、可視域から近赤外域で用いるセンサーは十分な感度を持っており、また、望遠光学系を使用するような撮影シーンでは屋外のように十分な光量がある条件となるので、Fナンバー8よりも明るいレンズ系を必要としない。さらに、紫外線帯では、中赤外帯の撮影のように量子型センサーを用いるが、量子型センサーは通常の撮影シーンに対しては十分な感度を持つため、Fナンバー2.5〜3.5のレンズで十分である。つまり、中赤外帯又は遠赤外帯以外の波長帯では、十分コンパクトな望遠光学系を構成することが可能である。したがって、Fナンバー1.0〜1.3の反射光学系を必要とする安価な遠赤外線センサーを有するシステム、又はガス画像の撮影等の特殊な条件でFナンバー1.3〜1.5を必要とするシステムにおいて、前記反射光学系は十分なコンパクト化・低コスト化が可能である。
前記反射光学系の水平全画角が5°以上15°以下であることが望ましい。Fナンバーが1.27〜1.5程度の明るい光学系であっても、水平全画角が15°よりも大きい光学系ではそれほど焦点距離は長くならない。この場合、屈折光学系を採用しても各レンズの径はそれほど大きくならず、重量的にもコスト的にもそれほど問題とはならない。また、水平全画角が5°よりも小さい光学系は一般用途として使われるとは考えにくい。つまり、軍事用等の高度なセキュリティに使用されると考えられるが、この場合コストが問題になることはない。軍事用等では性能が重視される傾向にあるが、反射面は屈折面と比べて2倍厳しい精度で作製しなければ同じ性能を得られないため、反射光学系は不利である。したがって、一般用として使用される光学系のうち最も焦点距離の長いものを対象としている。
次に、上述した反射光学装置を備えた赤外線画像システムを説明する。赤外線画像システムとしては、例えば、遠赤外線撮影システム,ガス検知システムが挙げられる。これらの赤外線画像システムに、非軸対称な反射面4面からなる反射光学系を望遠光学系として備え、赤外線用の画像センサーを備えることにより、赤外線画像システムの低コスト化及び高性能化を効果的に達成することが可能となる。なお、反射光学系としてプリズムを用いた場合、望遠光学系で波長範囲が広いと色収差補正が必要になることがあるので、必要に応じて反射光学系に補正用の光学素子を組み合わせて用いてもよい。
赤外線用の撮像光学系では対角全画角2ωが25〜30°でも広角光学系と表現されることが多いので、赤外線用の望遠光学系としては、対角全画角2ωが22°よりも小さい撮像光学系を想定することができる。そのように画角の小さい望遠光学系でなければ、あえて反射光学系を用いる必要はない。つまり、広角光学系であれば屈折光学系でも十分にコンパクトで安価な撮像光学系を得ることは可能である。また、反射光学系では広角光学系を実現することは困難であり、望遠光学系であるからこそ反射光学系として明るいものが必要になる。
赤外線用の画像センサーの具体例としては、焦電センサー,マイクロボロメータ,サーモパイル等の熱型センサー;量子型センサー等が挙げられる。焦電センサーは、チタン酸ジルコン酸鉛等を含むセラミックが温度の変化によって自発分極する焦電効果を使ったものであり、ほとんどの場合単一の受光面(センサー面)を持ち、安価な温度センサーである。マイクロボロメータは、アモルファスシリコンや酸化バナジウム等の感熱材料を微細加工技術によって2次元配列した受光面(センサー面)を持ち、温度上昇によって抵抗値が変化することを検知する温度センサーである。現在使用されている一般的なマイクロボロメータは画素数が80×80,320×240,640×480等である。従来は温度分解能を十分発揮させるため、センサーの周囲を液体窒素等で冷却するものがほとんどであったが、近年では製造技術が進み、冷却しなくてもある程度温度検知能力の高いものが製造されてきている。サーモパイルは、熱を電気エネルギーに変換することのできる熱電対を直列又は並列に並べてセンサー面とした温度センサーであり、焦電センサーに次いで安価なものである。
量子型センサーは、内部光電効果を利用したセンサーである。感度は高いが雑音を抑えるためセンサーを冷却することが必要であり、冷却型センサーともいわれる(これに対し焦電センサー等の熱型センサーは冷却が不要なため非冷却型センサーと言われる)。波長は紫外線から遠赤外線まで感度があるが、画像センサーとしては3〜5μmの中赤外線センサーに多く使用されている。センサー材料としては、テルル化カドミウム水銀,アンチモンインジウム,ヒ化カリウム等が使われている。
前記反射光学装置を備えた遠赤外線撮影システムは、前記反射光学系が望遠光学系であり、前記画像センサーが遠赤外線センサーであることを特徴としている。使用する遠赤外線は、主として波長7〜14μmの範囲の赤外線である。人や動物の体温は波長8〜12μmの放射光であり、遠赤外線光学系はほとんどが波長8〜12μmで使用される。前述したように、この波長8〜12μm帯の遠赤外線領域は物質の温度を検知できる範囲であり、温度測定,暗闇での人検知,セキュリティ等、応用できるものは多い。また、最近では遠赤外線センサーの製造技術が進み、安価なサーモパイルや非冷却型マイクロボロメータ等も製造されるようになってきているが、安価な非冷却型遠赤外線センサーは、冷却型センサーと比べて感度が低いため、Fナンバー1.0〜1.3程度のレンズ系を必要とする。これよりも暗いレンズ系を用いた場合には、赤外線では光学系の性能をいくら上げてもコントラストの低い画像となってしまうためである。
屈折光学系で明るいFナンバーのレンズ系を実現した場合、焦点距離に応じてレンズに必要な有効径も大きくなるため、かなりのコスト高となる。そして、安価な非冷却型遠赤外線センサーに使用しても、遠赤外線撮影システムとしては高価になってしまう。従来より、比較的高価な冷却型センサーに対して屈折光学系の望遠レンズを組み合わせたシステムが知られている。そのようなシステムは、センサー自体が高価であるため、軍事用等の高度の監視システムとして使用される。したがって、レンズ系のコストは重要ではない。また、冷却型センサーは非冷却型センサーと比べて感度が高いため、レンズ系もFナンバー2.5〜3.5程度でよく、屈折レンズのコスト高の程度もそれほどではない。
前記反射光学装置を備えた遠赤外線撮影システムでは、4つの反射面をYZ平面内で偏心させて配置した反射光学系を望遠光学系として撮影システムに使用することにより、安価な遠赤外線センサーとマッチングの良い安価な反射光学系を組み合わせることができる。このことにより、安価な遠赤外線撮影システムを実現することが可能である。
前記反射光学装置を備えた遠赤外線撮影システムにおいて、屈折作用により物体の光学像を形成する広角光学系を更に備え、前記望遠光学系で望遠画像の撮影を行い、前記広角光学系で広角画像の撮影を行う構成とすることが望ましい。望遠画像の撮影と広角画像の撮影を同時に行うようにするのが更に望ましい。
遠赤外線撮影システムの応用例として、侵入者等を監視するセキュリティシステムが考えられる。セキュリティシステムに遠赤外線画像を使うことで照明光の無い場所の監視や、照明光の届かない遠方の監視が可能となる。遠方の監視では遠くのものを望遠光学系で拡大表示して、侵入者かどうかの判別をすることが重要であるが、同時にどこから侵入するか分からない不審者・不審物を見つけ出すことも重要である。不審者・不審物を見つけ出すには広いエリアの赤外線画像が必要となるため、水平画角が90°程度の広角光学系を備えておくのが好ましい。あるいは、広角光学系は望遠光学系に対して水平画角が2倍程度かそれ以上であることが好ましい。
遠赤外線センサーは画素数が多くないので、望遠撮影だけでは広い範囲の監視が不可能であり、広角撮影だけでは画素が粗すぎて監視対象(不審物等)の検出が困難である。例えば無人飛行機(ドローン)は、大きさが30cm四方から1m四方までと小さいうえに、時速50km程度の高速で移動する。このような不審物を監視するには、100m程度の遠方から不審物の存在を検知し、次に拡大撮影することにより物体の判別を行うのが効率的である。
そこで、広角光学系と望遠光学系を以下のように用いる。まず、広角光学系で広いエリア全体の撮影を行って、得られた遠赤外線画像から侵入した監視対象を検知する。その後、回動ミラー等で撮影範囲を変更して検知範囲を中心に望遠光学系で拡大撮影を行うことにより、監視対象の検知を確実に判定する。判定結果から、監視対象と判定したら通報し、監視対象でないと判定したら広角撮影に戻るようにする。このような広角光学系と望遠光学系との組み合わせにより、低解像力であっても広い範囲からの異常現象(侵入者等)の検知が可能となり、検知した後は望遠光学系で拡大撮影することによって、より確実な異常現象の認知が可能となる。
前記反射光学装置を備えたガス検知システムは、前記反射光学系が望遠光学系であり、前記画像センサーが冷却型赤外線センサーであり、前記絞りの像が前記反射光学系の物体側に存在することを特徴としている。使用する中赤外線は、波長2.5〜7μmの放射光である。中赤外線用の画像センサーのほとんどは、3〜5μmの放射光に感度を持つ。100度以上の高温物体はこの範囲で強い放射光を発するが、常温物体は少しの温度変化に対して放射量が変化するため、常温物体の温度計測にもこの波長範囲が使用可能である。
前述したように、目に見えないガスを画像として検知するカメラでは、中赤外帯(波長2.5〜7μm)又は遠赤外帯にある各気体に固有の吸収波長を利用する。つまり、中赤外又は遠赤外の画像センサーでガスの映像をとらえる。ガスの撮影には感度の高い冷却型(量子型)センサーを使用する。中赤外用の冷却型センサーを使った一般的な赤外カメラでは、センサーの感度が高いためレンズ系のFナンバーが2.5〜3.5程度のものを使用している。しかし、ガスを撮影するには、波長範囲の狭い吸収帯しか使用することができないので、Fナンバー1.27〜1.5程度の明るいレンズが必要となる。
また、遠方のガス検知を行おうとする場合には望遠レンズが必要であるが、焦点距離が長いほどレンズ系の有効径は大きくなる。明るいFナンバーのレンズ系を実現しようとすると、屈折光学系では大型のレンズが必要となる。大型のレンズは重量の増大とともに、コスト高や材料確保の困難性等の問題がある。
前記反射光学装置を備えたガス検知システムでは、4つの反射面をYZ平面内で偏心させて光束を切らないように配置することで、明るく低コストな望遠光学系を備えたガス検知システムを実現することが可能である。また、絞りを第4反射面とセンサー面との間に配置することで、冷却型センサーのセンサー面の前方に配置されるコールドアパーチャとすることができる。したがって、雑音を十分に除去した望遠光学系のガス検知システムを実現することができる。
前記反射光学装置を備えたガス検知システムにおいて、屈折作用により物体の光学像を形成する広角光学系を更に備え、前記望遠光学系で望遠画像の撮影を行い、前記広角光学系で広角画像の撮影を行う構成とすることが望ましい。望遠画像の撮影と広角画像の撮影を同時に行うようにするのが更に望ましい。
接触燃焼型のガス検知装置がピンポイントでしかガスの検知を行えないのに対して、ガス検知システムに冷却型(量子型)センサーを搭載したカメラを使用すると、撮影エリア内でのガス漏れ等をくまなく検知することが可能となる。より好ましいガス検知システムとしては、まず遠方から広い範囲のエリアを広角光学系で撮影することにより、異常があるかどうかを観察する。異常が観察されれば、望遠光学系を使って異常がガス雲であるかどうかの確認を画像を拡大して行う。このとき、ガスを検知するカメラとしては望遠カメラと同時に広角カメラを備えているのが好ましい。広角カメラで撮影した映像を画像認識により異常検知した場合には、回動ミラー等で撮影範囲を変えることのできる望遠カメラを、異常が検知された方向に向けて拡大撮影する。このような広角光学系と望遠光学系との組み合わせにより、低解像力であっても広い範囲からのガス漏れ等の異常現象の検知が可能となり、検知した後は望遠光学系で拡大撮影することによって、より確実な異常現象の認知が可能となる。
前記遠赤外線撮影システムにおいて、前記遠赤外線センサーが波長8〜12μm帯に感度を持つことが好ましい。また、前記ガス検知システムにおいて、前記冷却型赤外線センサーが波長3〜5μm帯又は7〜10μm帯に感度を持つことが好ましい。
前述したように、反射面のみで構成された反射光学系は色収差を生じないため、あらゆる波長帯のセンサーに使用することが可能である。しかし、可視域から近赤外域で用いるセンサーは十分な感度を持っており、また、望遠光学系を使用するような撮影シーンでは屋外のように十分な光量がある条件となるので、Fナンバー8よりも明るいレンズ系を必要としない。さらに、紫外線帯では、中赤外帯の撮影のように量子型センサーを用いるが、量子型センサーは通常の撮影シーンに対しては十分な感度を持つため、Fナンバー2.5〜3.5のレンズで十分である。つまり、中赤外帯又は遠赤外帯以外の波長帯では、十分コンパクトな望遠光学系を構成することが可能である。
したがって、Fナンバー1.0〜1.3の反射光学系を必要とする安価な遠赤外線センサーを有する遠赤外線撮影システムにおいて、前記反射光学系は十分なコンパクト化・低コスト化が可能であり、ガス画像の撮影等の特殊な条件でFナンバー1.3〜1.5を必要とするガス検知システムにおいて、前記反射光学系は十分なコンパクト化・低コスト化が可能である。
なお、ガス検知に遠赤外線帯を使用する場合には7〜10μm付近の波長を利用するのが好ましい。中赤外線帯を利用する場合と同様に、2元素以上の分子から成る気体はこの範囲に固有の吸収波長をもっている。この固有の吸収波長をとらえるために透過波長範囲の狭いフィルターを使用することは中赤外線帯の場合と同様で、これにより光学系はFナンバー1.3程度の明るいものが必要となる。感度の良い遠赤外センサーは冷却型である場合が多く、コールドアパーチャに対応するためには、絞りが最後面にあるものが良い。したがって、絞りがセンサー面の近くに存在する4面反射光学系において4面を非対称に配置して明るさを確保することが好ましい。
図21に反射光学装置を搭載した赤外線画像システムの概略構成例を模式的に示し、図22に赤外線画像システムの動作の流れを示す。図21に示す赤外線画像システムSEは、遠赤外線撮影システム,ガス検知システム等に相当するものであり、反射光学装置DT,屈折光学装置DW,回動ミラーMR,駆動機構AC,信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5,報知部6等を備えている。なお、信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5,報知部6等は、例えばパーソナルコンピュータとして構成可能である。
反射光学装置DTは、反射作用により物体の光学像(像面)IMを形成する反射光学系(望遠光学系)OTと、光電変換部であるセンサー面(受光面,撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGTと、を備えており、屈折光学装置DWは、屈折作用により物体の光学像(像面)IMを形成する屈折光学系(広角光学系)OWと、光電変換部であるセンサー面(受光面,撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGWと、を備えている。反射光学系OTと屈折光学系OWとは、光軸AXが互いに直交するように配置されており、反射光学系OTで望遠画像の撮影を行い、屈折光学系OWで広角画像の撮影を行う構成になっている。
回動ミラーMRは、反射光学系OTの物体側に配置されており、物体からの光を反射させて反射光学系OTに入射させる。駆動機構ACは、電気的に高速で回動ミラーMRを回動させるアクチュエーターであり、回動ミラーMRで屈折光学系OWの撮影範囲である広いエリアの一部をスキャンできるようにミラー駆動を行う。なお、回動ミラーMRを用いて撮影範囲に対する照明光の走査(例えばレーザー走査)を行うようにしてもよい。
赤外線画像システムSEにおいて、画像センサーGT,GWで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして他の機器に伝送される(例えば携帯電話等の通信機能)。
制御部2はマイクロコンピューターからなっており、撮影機能(静止画撮影機能,動画撮影機能等),画像再生機能等の機能の制御;駆動機構ACの制御;フォーカシング等のためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により反射光学装置DT,屈折光学装置DWに対する制御が行われる。
表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、画像センサーGT,GWによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。報知部6は、監視対象の存在を音声等で外部に報知する部分である。
赤外線画像システムSEでは、屈折光学系(広角光学系)OWと反射光学系(望遠光学系)OTと連携により、図22に示すように、監視対象(侵入者,不審物,ガス漏えい等)の検知を行う。まず、広角光学系OW等からなる広角撮像検出系で、広いエリア全体の撮影を行う。得られた赤外線画像に画像処理を施して、監視対象を検知し、その位置情報を出力する。その後、反射光学系(望遠光学系)OT等からなる望遠撮像検出系で、撮影方位を自動調整し、回動ミラー等で撮影範囲を変更して検知範囲を中心に望遠光学系で拡大撮影を行う。得られた赤外線画像に画像処理を施して、監視対象の検知を確実に判定する。判定結果から、監視対象と判定したら通報を行う。例えば、表示部5(図21)等からなる表示系で画像を表示し、報知部6で音声等による警告を行う。監視対象でないと判定したら広角撮影に戻るようにする。このように広角光学系OWと望遠光学系OTとを組み合わせた連携検出により、低解像力であっても広い範囲からの異常現象(侵入者等)の検知が可能となり、検知した後は望遠光学系で拡大撮影することによって、より確実な異常現象の認知が可能となる。
図1,図5,図9,図13に、反射光学装置DTの第1〜第4の実施の形態を光学断面でそれぞれ示し、図17,図19に、反射光学装置DWの具体例を参考例1,2として光学断面でそれぞれ示す。参考例1の反射光学装置DWは、第1〜第3レンズL1〜L3からなる屈折光学系(遠赤外線用広角レンズ系)OWと、センサー面SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGWと、を備えている。参考例2の反射光学装置DWは、第1,第2レンズL1,L2からなる屈折光学系(中赤外線用広角レンズ系)OWと、センサー面SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGWと、を備えている。
反射光学装置DTの第1〜第4の実施の形態は、反射作用により物体の光学像IMを形成する反射光学系OTと、センサー面SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する画像センサーGTと、を備えた反射光学装置DTである。反射光学系OTは、物体側から順に、第1反射面S1と、第2反射面S2と、第3反射面S3と、第4反射面S4と、絞りSTとからなっており、第1反射面S1から第4反射面S4までの間に中間像IM0を形成した後に、画像センサーGTのセンサー面SS上に光学像IMを形成する。このとき、第1反射面S1及び第2反射面S2で中間像IM0が形成され、第3反射面S3及び第4反射面S4でセンサー面SSに光学像IMが形成される。また図24に、第1の実施の形態における絞りSTの共役像(絞り像)ST0の位置を示す。この配置は他の実施の形態においても同様であり、絞りSTの共役像ST0は基準面S0の物体側に形成される。
反射光学装置DTの各実施の形態では、基準面S0におけるYZ平面と第1〜第4反射面S1〜S4及び絞りSTにおけるYZ平面とが一致するとともに、中央主光線CRがすべてYZ平面上に存在し、第1〜第4反射面S1〜S4がYZ平面内において基準面S0から入射した光束を切らないように偏心して配置されている。また、前記条件式(1)〜(5)を満足する構成になっている。
反射光学装置DTの各実施の形態では、偏向角φ1とφ2がプラスの値を取り、偏向角φ3とφ4がマイナスの値を取っている。しかし、偏向角φ1とφ2がマイナスの値、偏向角φ3とφ4がプラスの値をそれぞれ取ってもよく、これらの組み合わせでもよい。また、反射光学装置DTの実施の形態では、絞り形状が円形となるようにX方向の入射瞳の直径(入射瞳径DX)とY方向の入射瞳の直径(入射瞳径DY)とは異なる値を取っている。しかし、入射光束を円形としてX方向のFナンバーを明るくすることも可能である。XZ平面内で偏心させていないので、X方向の光束幅を大きくしても切られてしまうことはない。
反射光学装置DTの各実施の形態では、YZ平面内のみで偏心させている。しかし、第1反射面S1と第2反射面S2をYZ平面内で偏心させ、第3反射面S3と第4反射面S4をXZ平面内で偏心させてもよく、逆の組み合わせにしてもよい。2つの面をペアにして偏心による収差を補正しているので、このような組み合わせに対しても同様に収差補正が可能である。
反射光学装置DTの各実施の形態では、中赤外又は遠赤外の画像センサーGTに対応させている。しかし、光学系を反射面のみで構成しているため、可視光,近赤外光,紫外光等を使用する場合でも、従来よりも明るいFナンバーを必要としたり軽量の望遠光学系を必要としたりする用途であれば、応用することは可能である。
以下、本発明を実施した反射光学装置の光学構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜4(EX1〜4)は、前述した反射光学装置DTの第1〜第4の実施の形態にそれぞれ対応する数値例であり、第1〜第4の実施の形態を表す光路図(図1,図5,図9,図13)は、対応する実施例1〜4の光学配置,光路等をそれぞれ示している。また、参考例1,2(RX1,2)は前述した屈折光学装置DWに相当する数値例であり、参考例1は遠赤外線用広角レンズ系、参考例2は中赤外線用広角レンズ系である。反射光学装置DWの具体例を表すレンズ構成図(図17,図19)は、参考例1,2(RX1,2)のレンズ配置,レンズ断面形状等をそれぞれ示している。
各実施例のコンストラクションデータとして、面データ,スペック,XY多項式面データ及び偏心データを示す。また、表1に各条件式の対応データを各実施例について示す。面データ中、i(i=1,2,3,4)は反射面番号であり(第i反射面Si:物体側から数えてi番目の反射面)、面番号iの欄において、OBは物面、S0は基準面、STは絞り、IM0は中間像、ST0は絞り像(絞りSTの共役像)、IMは像面(光学像)である。また、rは近軸曲率半径(mm)であり、dは面間隔である。ただし、第1反射面S1以降の面間隔dは偏心データとして記載する。偏心データは光学面の配置(面S0基準)を示しており、面データとXY多項式面データは光学面の主に形状を示している。なお、絞り像ST0は基準面S0の物体側に位置しているため(図24)、基準面S0の像側の面間隔は負の値であり、絞り像ST0の像側の面間隔は、便宜的に基準面S0まで座標を戻すために正の値としている。したがって、絞り像ST0の像側の面間隔は意味を持たない。
各実施例(EX1〜4)の光学面の配置は、偏心データ中の面頂点座標(x,y,z)と回転角度(X軸周り回転角度,Y軸周り回転角度,Z軸周り回転角度)でそれぞれ特定される。光学面の面頂点座標は、その面頂点をローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点として、グローバルな直交座標系(x,y,z)におけるローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点の座標(x,y,z)=(X軸平行偏心,Y軸平行偏心,Z軸平行偏心)で表されており(単位:mm)、その面頂点を中心とするX軸周り,Y軸周り,Z軸周りの回転角度で各光学面の傾きが表されている(単位:°;X,Y,Z軸の正方向に対して反時計回りがX,Y,Z回転の回転角度の正方向である。)。ただし、座標系はすべて右手系で定義されており、グローバルな直交座標系(x,y,z)は基準面S0のローカルな直交座標系(X,Y,Z)と一致した絶対座標系になっている。また、X方向,Y方向,Z方向は、光学面の面頂点を原点とし、かつ、面頂点での法線をZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)における座標軸方向であり、座標軸周りの回転角度の基準方向(つまり回転前の座標軸方向)は直交座標系(x,y,z)における座標軸方向(x方向,y方向,z方向)である。
なお、各実施例(EX1〜4)では、各反射面S1〜S4の面頂点を中央主光線CR(センサー面SSの中央に結像する中央光束の主光線)が通るように配置している。しかし、面頂点のy座標及びz座標の移動と、XY多項式面のYについて奇数次係数を含む項の置き換えと、は同等とみなすことができる。同様に、X軸周りの回転はYについての1次係数を含む項の置き換えと同等とみなすことができる。このため、各反射面S1〜S4の偏向角及び光学全長が同じであれば、偏心データ及び面形状データが異なっていても同等の光学系とみなすことができる。
反射面番号に*が付された面は回転対称軸を持たない非球面(XY多項式面)であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(X,Y,Z)を用いた以下の式(FS)で定義される。XY多項式面データとして、非球面係数を示す。なお、各実施例のXY多項式面データにおいて表記の無い項の係数と円錐定数Kは0であり、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Z=(C0・h2)/[1+√{1−(1+K)・C02・h2}]+Σ(Xm・Yn・AmBn) …(FS)
ただし、式(FS)中、
h:Z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=X2+Y2)、
Z:高さhの位置でのZ軸方向の変位量(面頂点基準)、
C0:面頂点での曲率(=1/r)、
K:円錐定数、
AmBn:m次のXとn次のYの非球面係数(Σはmとnについて0次から∞次の総和を表す。)、
である。
各実施例(EX1〜4)のスペックとして、設計波長(nm)と、X,Y方向の全系の焦点距離(mm)と、X,Y方向のFナンバー(FNO)と、光学全長(mm)と、X,Y方向の半画角(°;ωX,ωY)と、対角半画角(°,ω)と、対角全画角(°,2ω)と、基準面S0から中間像IM0までの光学距離(mm)と、センサー面SSへの中央主光線CRの入射角度(センサー面基準,°)を示す。なお、全系の焦点距離はマイナスの値を取っているが、これは中間像IM0を形成してからセンサー面SSで結像することを示している。
また、X方向の瞳に対するFナンバーの比rFnoX、Y方向の瞳に対するFナンバーの比rFnoY、条件式(3)の対応値t1/|f|及びそれらの関連データを示す。X方向の瞳に対するFナンバーの比rFnoXは、XZ平面内で画像センサー中央に結像する光束のうち絞りSTの端を通る2本の光線がセンサー面付近で交差する角度θXから、rFnoX=DX/(|f|×tan(θX))と定義する。同様に、Y方向の瞳に対するFナンバーの比rFnoYは、YZ平面内で画像センサーの中央に結像する光束のうち絞りSTの端を通る2本の光線がセンサー面付近で交差する角度θYから、rFnoY=DY/(|f|×tan(θY))と定義する。ただし、DXはX方向の入射瞳の直径、DYはY方向の入射瞳の直径、|f|はY方向の全系の焦点距離の絶対値である。なお、Fナンバーそのものの定義では、X方向のFナンバーはFnoX=1/(2×sin(θX/2))と定義し、Y方向のFナンバーはFnoY=1/(2×sin(θY/2))と定義する。
条件式(1),(2)を満足する偏向角の符号の組み合わせ(φ1φ2・φ3φ4)は、正正・正正,正正・負負,負負・正正,負負・負負の4種類である。各実施例(EX1〜4)では正正・負負になっているが、負負・正正では正正・負負を上下に折り返した形になる。正正・正正の場合は下半分が「逆4の字」に折り曲げられセンサー面が入射面の方向になり、負負・正正ではこれを上下逆転させた光路となる。正正・正正と負負・負負とは、光学的に見ればミラー対称となっているだけで性能は同じである。正正・負負と負負・正正も同様であり、光学的に見ればミラー対称となっているだけで性能は同じである。要はY軸をどちらにとっているかという見方を逆転させれば同じ反射光学系になる。
図2,図3;図6,図7;図10,図11;図14,図15は、実施例1〜4(EX1〜4)にそれぞれ対応する横収差図(波長3500.0000nm)である。図2,図6,図10,図14において、(A),(D)は(0%,−100%)、(B),(E)は(0%,100%)、(C),(F)は(0%,0%)の像高(X,Y)に対する横収差をそれぞれ示しており、(A)〜(C)はタンジェンシャル光束(T)での横収差、(D)〜(F)はサジタル光束(S)での横収差をそれぞれ示している。図3,図7,図11,図15において、(A),(D)は(100%,−100%)、(B),(E)は(100%,0%)、(C),(F)は(100%,100%)の像高(X,Y)に対する横収差をそれぞれ示しており、(A)〜(C)はタンジェンシャル光束(T)での横収差、(D)〜(F)はサジタル光束(S)での横収差をそれぞれ示している。
各実施例(EX1〜4)では、パワー(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)を有する光学面がすべて反射面であるため、色収差は発生しない。したがって、光学性能を示す横収差図では、波長3.5μmに対する横収差を示しているが、ほかの波長に対しても結果は同じになる。また、YZ平面内ですべての反射面S1〜S4が偏心しているため、回転対称な反射光学系OTで示される球面収差や像面湾曲を表示することができない。このため、X座標のプラス側6ポジションの像高(X,Y)に対して横収差を示している。
図4,図8,図12,図16は、実施例1〜4(EX1〜4)にそれぞれ対応する歪曲図であり、歪曲を格子状グラフで示している。歪曲図において、実線が各実施例の歪曲格子(Distortion Grid)であり、破線がアナモ比を考慮した理想像点の格子(歪曲無し)である。X方向が水平方向の像高(Horizontal FOV(Field Of View))であり、Y方向が垂直方向の像高(Vertical FOV(Field Of View))である。
各参考例(RX1,2)のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号i(OB:物面,ST:絞り,IM:像面),近軸曲率半径r(mm),軸上面間隔d(mm)を示す。屈折率は真空に対する物質中の光の進む速度の比であり、可視領域ではd線(587nm)に対して表示される。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、波長10μmに対する屈折率を代表的に示す場合が多く、参考例1ではその値を示す。例えば、従来より用いられている遠赤外線光学材料の波長10μmでの屈折率は、ゲルマニウム(Ge)=4.004、シリコン(Si)=3.418、硫化亜鉛(ZnS)=2.200、セレン化亜鉛(ZnSe)=2.407等である。中赤外領域では波長4μmに対する屈折率を代表的に示す場合が多い。しかし、参考例2では各気体に固有の吸収波長を使ってガス検知を行うシステムであるので、吸収波長付近の波長3.3μmに対する屈折率を示す。
分散の性質を表す値として、可視光線ではd線のアッベ数νdが用いられる。このアッベ数は、νd=(Nd−1)/(Nf−Nc)で表される(ただし、Ndはd線での屈折率、NfはF線での屈折率、NcはC線での屈折率、である。)。しかし、この値は遠赤外線領域では意味を持たないので、参考例1では、分散の性質を表す値として、式:ν=(N10−1)/(N8−N12)で表される値νを用いている(N8:波長8μmでの屈折率、N10:波長10μmでの屈折率、N12:波長12μmでの屈折率)。この値νが大きいほど色による屈折率の差が小さいので、分散が小さいということになる。例えば、従来より用いられている赤外線用光学材料の分散は、Ge=1250程度、Si=1860、ZnS=23(色消しに使う。)、ZnSe=57(色消しに使う。)等である。
中赤外領域では、波長4μmに対する波長3μm及び5μmの屈折率を使って分散を表す場合が多い。しかし、参考例2では、中赤外領域における各気体に固有の吸収波長付近のみを使用するので、波長3.3μmに対する3.2μm及び3.4μmの屈折率を表記することで分散の代用として使用する。つまり、参考例2に用いられている硝材:シリコン(Si)について、波長(nm)=3400.00,3300.00,3200.00に対する屈折率をそれぞれ示す。なお、参考例1,2において、像面IMの前の平板PTは画像センサーGWの保護板である。
各参考例(RX1,2)において面番号iに*が付された面は光軸AXに対し回転対称な非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(X,Y,Z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Z=(C0・h2)/[1+√{1−(1+K)・C02・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:Z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=X2+Y2)、
Z:高さhの位置でのZ軸(光軸AX)方向の変位量(面頂点基準)、
C0:面頂点での曲率(=1/r)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数(Σはjについて4次から∞次の総和を表す。)、
である。
各参考例(RX1,2)のスペックとして、設計波長(nm)と、全系の焦点距離(mm)と、Fナンバー(FNO)と、全長(mm)と、半画角ω(°)と、水平全画角2ωXを示す。
図18,図20は、参考例1,2(RX1,2)にそれぞれ対応する収差図であり、(A)は球面収差図、(B)は非点収差図、(C)は歪曲収差図である。球面収差図は、球面収差量を近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。図18(A)では、設計波長(評価波長)10000nmにおける球面収差量を実線で示しており、波長8000nmにおける球面収差量を一点鎖線で示しており、波長12000nmにおける球面収差量を破線で示している。図20(A)では、設計波長(評価波長)3300nmにおける球面収差量を実線で示しており、波長3200nmにおける球面収差量を一点鎖線で示しており、波長3400nmにおける球面収差量を破線で示している。非点収差図において、破線Tは設計波長におけるタンジェンシャル像面、実線Sは設計波長におけるサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(単位:mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。歪曲収差図において、横軸は設計波長における歪曲(%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。
参考例1の遠赤外線用広角レンズ系は、遠赤外線画像を使ったセキュリティシステムに使用可能な遠赤外線用の屈折光学系(広角光学系)OWの数値例であり、水平全画角2ωX:90°となっている。回転対称な屈折光学系OWなので、通常の球面収差,像面湾曲,歪曲収差を、設計波長10μmについて示している。参考例2の中赤外線用広角レンズ系は、ガス検知システムに使用可能な中赤外線用の屈折光学系(広角光学系)OWの数値例であり、水平全画角2ωX:24°となっている。回転対称な屈折光学系OWなので、通常の球面収差,像面湾曲,歪曲収差を、設計波長3.3μmについて示している。
実施例1
単位:mm
面データ
i r d
OB: INFINITY INFINITY
S0: INFINITY -126.515602
ST0: INFINITY 126.515602
1*: -135.99623 偏心データ参照(第1反射面S1)
2*: 77.87522 偏心データ参照(第2反射面S2)
IM0: INFINITY 偏心データ参照
3*: -310.87572 偏心データ参照(第3反射面S3)
4*: 77.88720 偏心データ参照(第4反射面S4)
ST: INFINITY 偏心データ参照
IM: INFINITY 偏心データ参照
スペック
(X方向はセンサー画面の水平方向、Y方向はセンサー画面の垂直方向とする)
設計波長 3000〜12000nm
焦点距離 -37.8542(X),-37.8543(Y)
FNO 1.273(X), 1.273(Y)
光学全長 341.50
半画角 5.124°(X), 3.850°(Y)
半画角ω=6.54°
全画角2ω=13.08°
基準面S0から中間像IM0までの光学距離 159.96
センサー面SSへの中央主光線CRの入射角度 93°
入射瞳直径DX,DY 28.77(X),30.10(Y)
θX=46.25°
θY=46.26°
rFnox=0.7275 , rFnoy=0.7611
φ1=114.18°,φ2=151.71°,φ3=-112.10°,φ4=-140.66°
t1=-152.8
t1/|f|=-4.0363
XY多項式面データ:i=1*
B1: -1.9037E-01
A4: 7.9820E-04
B2: 2.4092E-03
A4B1: 6.1306E-06
B3: -2.1565E-05
A4: -5.7340E-07
A4B2: -1.4298E-07
B4: -3.5396E-07
A4B1: -7.6400E-09
A4B3: -3.8808E-09
B5: -2.6361E-09
A6: 1.5637E-10
A4B2: -5.9692E-11
A4B4: 8.5945E-11
B6: 7.5843E-12
A6B1: 1.0285E-12
A4B3: -5.5628E-13
A4B5: 2.0096E-13
B7: -7.2738E-13
A8: -3.2785E-13
A6B2: 7.6567E-14
A4B4: -7.8068E-14
A4B6: -5.6624E-14
B8: -2.6957E-14
XY多項式面データ:i=2*
B1: 2.1235E-01
A4: -2.6594E-03
B2: -4.7075E-03
A4B1: -6.5220E-06
B3: -4.2760E-05
A4: -1.1064E-06
A4B2: -1.2256E-06
B4: -1.9365E-06
A4B1: -1.4123E-10
A4B3: -3.0495E-08
B5: -4.5441E-08
A6: -1.1191E-09
A4B2: -5.4581E-10
A4B4: -4.9736E-10
B6: -1.4775E-09
A6B1: 1.0537E-10
A4B3: -4.9316E-11
A4B5: 3.0061E-11
B7: -4.4342E-11
A8: -3.2007E-13
A6B2: -3.5393E-12
A4B4: -1.0167E-12
A4B6: 1.0850E-12
B8: -6.8872E-13
XY多項式面データ:i=3*
B1: -5.2045E-02
A4: -1.7613E-04
B2: 8.9458E-03
A4B1: -6.0162E-05
B3: -1.3219E-05
A4: 1.7351E-07
A4B2: 8.5051E-07
B4: -3.8203E-08
A4B1: -5.1131E-09
A4B3: 2.5206E-09
B5: -1.5809E-08
A6: 3.5660E-11
A4B2: 3.8704E-11
A4B4: 1.4208E-09
B6: 5.4726E-10
A6B1: -2.5374E-13
A4B3: -3.3085E-12
A4B5: 2.1884E-11
B7: -3.7484E-11
A8: -7.6078E-15
A6B2: 3.3783E-14
A4B4: -6.7880E-13
A4B6: -1.7142E-12
B8: -2.5697E-12
XY多項式面データ:i=4*
B1: 2.2988E-01
A4: -1.5327E-03
B2: 9.3874E-04
A4B1: 1.5940E-05
B3: 1.8022E-05
A4: -1.8248E-07
A4B2: 1.0790E-07
B4: 2.5817E-07
A4B1: 4.4046E-10
A4B3: 3.5878E-09
B5: 2.4184E-09
A6: -4.2915E-12
A4B2: -6.3364E-13
A4B4: 7.7801E-11
B6: 5.0385E-11
A6B1: 2.2499E-13
A4B3: 1.0031E-12
A4B5: 1.7818E-12
B7: 8.0714E-13
A8: -5.4466E-15
A6B2: -3.7130E-15
A4B4: 1.3464E-14
A4B6: 3.6679E-14
B8: 2.2638E-14
偏心データ:i=1(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 0.000000
Z軸平行偏心: 53.994262
X軸周り回転: -43.687259
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=2(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 42.498853
Z軸平行偏心: 34.910236
X軸周り回転: -67.975088
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:IM0(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -16.735535
Z軸平行偏心: 30.653514
X軸周り回転: -94.110371
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=3(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -77.678660
Z軸平行偏心: 26.273966
X軸周り回転: -63.139864
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=4(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -56.857392
Z軸平行偏心: -16.020215
X軸周り回転: 6.406399
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データST :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -44.010580
Z軸平行偏心: 39.049842
X軸周り回転: 10.131192
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データIM :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -40.212277
Z軸平行偏心: 55.357671
X軸周り回転: 10.131192
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
実施例2
単位:mm
面データ
i r d
OB: INFINITY INFINITY
S0: INFINITY -234.421282
ST0: INFINITY 234.421282
1*: -173.86796 偏心データ参照(第1反射面S1)
2*: 102.96127 偏心データ参照(第2反射面S2)
IM0: INFINITY 偏心データ参照
3*: -382.14190 偏心データ参照(第3反射面S3)
4*: 103.52267 偏心データ参照(第4反射面S4)
ST: INFINITY 偏心データ参照
IM: INFINITY 偏心データ参照
スペック
(X方向はセンサー画面の水平方向、Y方向はセンサー画面の垂直方向とする)
設計波長 3000〜12000nm
焦点距離 -48.8095(X),-48.8048(Y)
FNO 1.273(X),1.273(Y)
光学全長 446.62
半画角 4.018°(X),3.018°(Y)
半画角ω=5.11°
全画角2ω=10.22°
基準面S0から中間像IM0までの光学距離 208.60
センサー面SSへの中央主光線CRの入射角度 88.8°
入射瞳直径DX,DY 38.31(X),38.35(Y)
θX=46.26°
θY=46.26°
rFnox=0.7511 , rFnoy=0.7520
φ1=114.69°,φ2=152.20°,φ3=-113.13°,φ4=-140.29°
t1=-271.4
t1/|f|=-5.5611
XY多項式面データ:i=1*
B1: -1.9110E-01
A2: 3.2800E-04
B2: 1.6230E-03
A2B1: -1.5758E-06
B3: -1.2921E-05
A4: -2.5149E-07
A2B2: -7.9936E-08
B4: -1.4128E-07
A4B1: -2.3293E-09
A2B3: -1.3759E-09
B5: -9.7508E-10
A6: 3.0142E-11
A4B2: -1.6305E-11
A2B4: 4.2955E-12
B6: -1.2944E-12
A6B1: 1.6127E-13
A4B3: -2.6899E-13
A2B5: -1.1294E-13
B7: -1.5183E-13
A8: -3.2927E-14
A6B2: 7.0419E-15
A4B4: -1.1662E-14
A2B6: -4.4276E-15
B8: -3.8752E-15
XY多項式面データ:i=2*
B1: 2.0632E-01
A2: -2.4476E-03
B2: -4.1851E-03
A2B1: -1.3517E-05
B3: -3.4376E-05
A4: -7.3853E-07
A2B2: -7.6709E-07
B4: -1.0853E-06
A4B1: -1.9999E-09
A2B3: -1.4583E-08
B5: -1.9075E-08
A6: -5.4249E-10
A4B2: -1.4485E-10
A2B4: -2.5260E-10
B6: -3.9212E-10
A6B1: 6.2717E-11
A4B3: -1.4064E-11
A2B5: 3.1187E-12
B7: -9.7038E-12
A8: -3.4355E-13
A6B2: -2.3803E-12
A4B4: -1.1270E-13
A2B6: 1.7359E-13
B8: -1.5501E-13
XY多項式面データ:i=3*
B1: -5.5383E-02
A2: -3.1469E-05
B2: 7.6152E-03
A2B1: -3.8511E-05
B3: -6.9056E-06
A4: 7.8828E-08
A2B2: 3.8840E-07
B4: 1.6678E-07
A4B1: -1.7642E-09
A2B3: 3.1553E-10
B5: 2.4851E-09
A6: 7.4737E-12
A4B2: 6.2364E-12
A2B4: 3.4719E-10
B6: 3.7512E-10
A6B1: -5.0259E-14
A4B3: -1.1632E-12
A2B5: 1.3849E-12
B7: -1.0758E-11
A8: -7.6462E-16
A6B2: 9.3359E-15
A4B4: -1.0204E-13
A2B6: -4.0008E-13
B8: -6.5097E-13
XY多項式面データ:i=4*
B1: 2.2023E-01
A2: -1.0866E-03
B2: 7.4178E-04
A2B1: 9.3034E-06
B3: 1.0361E-05
A4: -7.6368E-08
A2B2: 5.1491E-08
B4: 1.1284E-07
A4B1: 1.4531E-10
A2B3: 1.2930E-09
B5: 8.7115E-10
A6: -1.6871E-12
A4B2: -2.5803E-13
A2B4: 2.0371E-11
B6: 1.3491E-11
A6B1: 4.4598E-14
A4B3: 1.7419E-13
A2B5: 3.3822E-13
B7: 1.6508E-13
A8: -6.1394E-16
A6B2: -3.8909E-16
A4B4: 1.6634E-15
A2B6: 4.6769E-15
B8: 2.7767E-15
偏心データ:i=1(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 0.000000
Z軸平行偏心: 70.533377
X軸周り回転: -43.475796
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=2(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 54.478946
Z軸平行偏心: 45.491606
X軸周り回転: -67.553480
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:IM0(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -23.515696
Z軸平行偏心: 41.256460
X軸周り回転: -93.108150
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=3(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心:-102.105700
Z軸平行偏心: 36.988993
X軸周り回転: -62.841887
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=4(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -73.379565
Z軸平行偏心: -21.298583
X軸周り回転: 6.041360
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データST :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -56.101280
Z軸平行偏心: 50.787655
X軸周り回転: 14.500000
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データIM :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -51.393289
Z軸平行偏心: 70.436881
X軸周り回転: 14.500000
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
実施例3
単位:mm
面データ
i r d
OB: INFINITY INFINITY
S0: INFINITY -158.672957
ST0: INFINITY 158.672957
1*: -127.27577 偏心データ参照(第1反射面S1)
2*: 83.40941 偏心データ参照(第2反射面S2)
IM0: INFINITY 偏心データ参照
3*: -228.14198 偏心データ参照(第3反射面S3)
4*: 88.35605 偏心データ参照(第4反射面S4)
ST: INFINITY 偏心データ参照
IM: INFINITY 偏心データ参照
スペック
(X方向はセンサー画面の水平方向、Y方向はセンサー画面の垂直方向とする)
設計波長 3000〜12000nm
焦点距離 -37.8565(X),-37.8542(Y)
FNO 1.500(X),1.500(Y)
光学全長 359.43
半画角 5.124°(X),3.850°(Y)
半画角ω=6.55°
全画角2ω=13.10°
基準面S0から中間像IM0までの光学距離 162.87
センサー面SSへの中央主光線CRの入射角度 93°
入射瞳直径DX,DY 25.23(X),25.11(Y)
θX=38.95°
θY=38.94°
rFnox=0.8245 , rFnoy=0.8209
φ1=116.74°,φ2=151.35°,φ3=-113.22°,φ4=-141.46°
t1=-189.2
t1/|f|=-4.9989
XY多項式面データ:i=1*
B1: -2.1304E-01
A2: 5.3274E-04
B2: 2.2161E-03
A2B1: -3.9051E-06
B3: -2.1114E-05
A4: -5.0866E-07
A2B2: -1.2823E-07
B4: -2.8952E-07
A4B1: -7.7285E-09
A2B3: -3.6899E-09
B5: -2.2014E-09
A6: -2.0439E-11
A4B2: -6.8182E-11
A2B4: 5.8135E-11
B6: 1.4903E-11
A6B1: 4.4367E-12
A4B3: -4.8078E-13
A2B5: 3.8333E-13
B7: -9.8876E-13
A8: 2.7470E-14
A6B2: 1.6030E-13
A4B4: -2.9022E-14
A2B6: -7.1743E-14
B8: -1.8870E-14
XY多項式面データ:i=2*
B1: 1.8195E-01
A2: -2.8238E-03
B2: -5.1489E-03
A2B1: -2.2028E-05
B3: -5.3100E-05
A4: -1.7048E-06
A2B2: -1.4599E-06
B4: -2.0740E-06
A4B1: 1.5350E-08
A2B3: -3.6489E-08
B5: -4.6713E-08
A6: -4.0938E-10
A4B2: -4.6491E-10
A2B4: -5.4388E-10
B6: -1.1464E-09
A6B1: 1.3132E-10
A4B3: -5.7461E-11
A2B5: 3.2564E-11
B7: -1.3636E-11
A8: -5.3978E-12
A6B2: -8.6583E-12
A4B4: -1.1537E-12
A2B6: 1.3581E-12
B8: 2.4937E-13
XY多項式面データ:i=3*
B1: -6.1291E-02
A2: 6.8117E-04
B2: 9.4434E-03
A2B1: -5.3629E-05
B3: -2.2765E-05
A4: 1.4357E-07
A2B2: 8.8378E-07
B4: 5.8068E-07
A4B1: -4.8311E-09
A2B3: -3.1680E-10
B5: 9.3216E-10
A6: 3.0375E-11
A4B2: 1.7280E-11
A2B4: 5.3696E-10
B6: 6.5573E-11
A6B1: -1.3165E-13
A4B3: -3.0795E-12
A2B5: 1.5939E-11
B7: -2.7759E-12
A8: -6.3966E-15
A6B2: 2.2586E-14
A4B4: -2.3893E-13
A2B6: -4.5708E-13
B8: -6.1960E-13
XY多項式面データ:i=4*
B1: 2.0567E-01
A2: -1.0860E-03
B2: 8.8675E-04
A2B1: 1.3343E-05
B3: 1.3274E-05
A4: -1.1241E-07
A2B2: 1.0829E-07
B4: 1.8551E-07
A4B1: 3.2530E-10
A2B3: 2.4591E-09
B5: 1.4683E-09
A6: -1.6492E-12
A4B2: 3.5165E-12
A2B4: 4.6790E-11
B6: 2.8758E-11
A6B1: 1.2444E-13
A4B3: 5.1645E-13
A2B5: 9.3139E-13
B7: 4.1543E-13
A8: -2.1933E-15
A6B2: -5.2246E-16
A4B4: 8.1045E-15
A2B6: 1.6650E-14
B8: 8.4471E-15
偏心データ:i=1(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 0.000000
Z軸平行偏心: 55.886731
X軸周り回転: -43.657548
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=2(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 42.234254
Z軸平行偏心: 34.610284
X軸周り回転: -67.274306
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:IM0(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -17.427477
Z軸平行偏心: 32.620117
X軸周り回転: -91.910536
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=3(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -79.336060
Z軸平行偏心: 30.555000
X軸周り回転: -62.025594
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=4(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -55.742604
Z軸平行偏心: -19.752118
X軸周り回転: 5.765018
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データST :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -40.822972
Z軸平行偏心: 42.814436
X軸周り回転: 10.412284
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データIM :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -37.406461
Z軸平行偏心: 57.145232
X軸周り回転: 10.412284
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
実施例4
単位:mm
面データ
i r d
OB: INFINITY INFINITY
S0: INFINITY -126.655100
ST0: INFINITY 126.655100
1*: -136.86008 偏心データ参照(第1反射面S1)
2*: 77.94767 偏心データ参照(第2反射面S2)
IM0: INFINITY 偏心データ参照
3*: -312.45934 偏心データ参照(第3反射面S3)
4*: 77.77669 偏心データ参照(第4反射面S4)
ST: INFINITY 偏心データ参照
IM: INFINITY 偏心データ参照
スペック
(X方向はセンサー画面の水平方向、Y方向はセンサー画面の垂直方向とする)
設計波長 3000〜12000nm
焦点距離 -37.8542(X),-37.8544(Y)
FNO 1.273(X),1.273(Y)
光学全長 342.21
半画角 5.124°(X),3.850°(Y)
半画角ω=6.54°
全画角2ω=13.08°
基準面S0から中間像IM0までの光学距離 159.57
センサー面SSへの中央主光線CRの入射角度 93°
入射瞳直径DX,DY 29.70(X),29.63(Y)
θX=46.25°
θY=46.26°
rFnox=0.7511 , rFnoy=0.7492
φ1=113.56°,φ2=152.10°,φ3=-112.37°,φ4=-139.11°
t1=-157.2
t1/|f|=-4.1530
XY多項式面データ:i=1*
B1: -1.6352E-01
A2: 7.3725E-04
B2: 2.4192E-03
A2B1: 5.7244E-06
B3: -2.2408E-05
A4: -5.7524E-07
A2B2: -1.5910E-07
B4: -3.5326E-07
A4B1: -7.5274E-09
A2B3: -3.7144E-09
B5: -2.4739E-09
A6: 1.6590E-10
A4B2: -4.7722E-11
A2B4: 9.1817E-11
B6: 9.2524E-12
A6B1: 1.0847E-12
A4B3: -4.1442E-13
A2B5: 6.1007E-14
B7: -6.5194E-13
A8: -3.5212E-13
A6B2: 6.7640E-14
A4B4: -8.8347E-14
A2B6: -5.9977E-14
B8: -2.5993E-14
XY多項式面データ:i=2*
B1: 2.6116E-01
A2: -2.5791E-03
B2: -4.6039E-03
A2B1: -6.5222E-06
B3: -4.6652E-05
A4: -1.1287E-06
A2B2: -1.3360E-06
B4: -2.1554E-06
A4B1: -1.2488E-09
A2B3: -3.7078E-08
B5: -5.5043E-08
A6: -1.1078E-09
A4B2: -4.6680E-10
A2B4: -6.9280E-10
B6: -1.8751E-09
A6B1: 1.1514E-10
A4B3: -5.6485E-11
A2B5: 3.1185E-11
B7: -5.6277E-11
A8: -4.9537E-13
A6B2: -4.4596E-12
A4B4: -1.3212E-12
A2B6: 1.2049E-12
B8: -8.4634E-13
XY多項式面データ:i=3*
B1: 3.4931E-02
A2: -2.3570E-04
B2: 8.8566E-03
A2B1: -6.1880E-05
B3: -2.3592E-06
A4: 1.8016E-07
A2B2: 6.9513E-07
B4: -2.8849E-08
A4B1: -4.6513E-09
A2B3: 4.8120E-09
B5: -1.8896E-08
A6: 3.4034E-11
A4B2: 4.3297E-12
A2B4: 1.4132E-09
B6: 2.0630E-10
A6B1: -1.5535E-13
A4B3: -4.6724E-12
A2B5: 2.4892E-11
B7: -3.6605E-11
A8: -7.2893E-15
A6B2: 3.8011E-14
A4B4: -6.5357E-13
A2B6: -1.3897E-12
B8: -2.1511E-12
XY多項式面データ:i=4*
B1: 2.3650E-01
A2: -1.5702E-03
B2: 9.1119E-04
A2B1: 1.6511E-05
B3: 1.8538E-05
A4: -1.8436E-07
A2B2: 1.0609E-07
B4: 2.6008E-07
A4B1: 4.7661E-10
A2B3: 3.7560E-09
B5: 2.4978E-09
A6: -4.3981E-12
A4B2: -1.3915E-12
A2B4: 7.9121E-11
B6: 5.1077E-11
A6B1: 2.2395E-13
A4B3: 1.0168E-12
A2B5: 1.8276E-12
B7: 8.4407E-13
A8: -5.5807E-15
A6B2: -4.1225E-15
A4B4: 1.3377E-14
A2B6: 3.6949E-14
B8: 2.3624E-14
偏心データ:i=1(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 0.000000
Z軸平行偏心: 54.579878
X軸周り回転: -42.504527
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=2(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: 42.630809
Z軸平行偏心: 35.986440
X軸周り回転: -65.751476
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:IM0(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -15.680395
Z軸平行偏心: 31.561002
X軸周り回転: -94.340108
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=3(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -77.563105
Z軸平行偏心: 26.864416
X軸周り回転: -58.526534
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データ:i=4(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -56.433191
Z軸平行偏心: -15.121945
X軸周り回転: 7.037350
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データST :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -42.607226
Z軸平行偏心: 39.612670
X軸周り回転: 11.176290
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
偏心データIM :(面S0基準)
X軸平行偏心: 0.000000
Y軸平行偏心: -38.419611
Z軸平行偏心: 56.213589
X軸周り回転: 11.176290
Y軸周り回転: 0.000000
Z軸周り回転: 0.000000
参考例1(遠赤外線用広角レンズ系)
単位:mm
面データ
i r d N / ν
OB: INFINITY INFINITY
1*: 18.72159 7.000000 4.004 / 1251
2: 8.68331 17.091768
3(ST): INFINITY 0.500000
4*: 37.85306 7.000000 4.004 / 1251
5: 2247.90524 8.688493
6*: 13.95820 1.515826 4.004 / 1251
7*: 28.79085 3.541168
8: INFINITY 1.000000 3.4178 / 1860
9: INFINITY 0.899200
IM: INFINITY 0.000000
スペック
設計波長 10000.0nm
焦点距離 3.9586
FNO 1.3000
全長 46.3373
半画角ω 51.9214°
(水平全画角2ωX=90.000°)
非球面データ:i=1*
K : 0.000000
A4 : 0.100503E-04
A6 : -0.121120E-07
A8 : 0.147112E-09
A10: 0.000000E+00
非球面データ:i=4*
K : -8.763694
A4 : -0.978501E-05
A6 : 0.109269E-05
A8 : -0.306888E-07
A10: 0.000000E+00
非球面データ:i=6*
K : 0.545783
A4 : -0.339683E-05
A6 : -0.700369E-07
A8 : 0.000000E+00
A10: 0.000000E+00
非球面データ:i=7*
K : 0.035719
A4 : 0.804669E-04
A6 : 0.000000E+00
A8 : 0.000000E+00
A10: 0.000000E+00
参考例2(中赤外線用広角レンズ系)
単位:mm
面データ
i r d 硝材
OB: INFINITY INFINITY
1*: 24.60599 4.000000 Si
2: 18.18242 37.531970
3*: 385.58552 10.000000 Si
4: -74.70601 16.480269
5: INFINITY 1.267849 Si
6: INFINITY 1.778000
7(ST): INFINITY 18.517000
IM: INFINITY 0.000000
スペック
設計波長 3300nm
焦点距離 22.6000
FNO 1.5000
全長 71.0581
半画角ω 17.0770°
(水平全画角2ωX=24.000°)
非球面データ:i=1*
K : 0.492117
A4 : -0.439116E-05
A6 : -0.280107E-07
A8 : 0.652010E-10
A10: -0.234771E-12
非球面データ:i=3*
K : -5.901358
A4 : -0.177937E-05
A6 : 0.206428E-08
A8 : -0.306562E-11
A10: 0.203044E-14
屈折率
波長(nm) 3400.00 3300.00 3200.00
Si 3.432409 3.433184 3.434033
Figure 2018163185
DT 反射光学装置
OT 反射光学系(望遠光学系)
S0 基準面
S1〜S4 第1〜第4反射面
ST 絞り
ST0 絞り像(絞りの共役像)
IM0 中間像
IM 像面(光学像)
GT 画像センサー
DW 屈折光学装置
OW 屈折光学系(広角光学系)
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
GW 画像センサー
SS センサー面
CR 中央主光線
AX 光軸
SE 赤外線画像システム(遠赤外線撮影システム,ガス検知システム)
MR 回動ミラー
AC 駆動機構
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部
6 報知部

Claims (7)

  1. 反射作用により物体の光学像を形成する反射光学系と、前記光学像を電気的な信号に変換する画像センサーと、を備えた反射光学装置であって、
    前記反射光学系が、物体側から順に、第1反射面と、第2反射面と、第3反射面と、第4反射面と、絞りとからなり、前記第1反射面から第4反射面までの間に中間像を形成した後に、前記画像センサーのセンサー面上に前記光学像を形成し、
    前記センサー面の中央に結像する光束を中央光束とし、その中央光束の主光線を中央主光線とし、前記第2反射面と前記第4反射面との物理的隙間の空間に、前記反射光学系に対する光束入射の基準面を設定し、前記基準面において、中央主光線の通過位置を原点とし、かつ、原点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定し、前記第1〜第4反射面のそれぞれにおいて、その面頂点を原点とし、かつ、面頂点での法線をZ軸とする右手系のローカルな直交座標系(X,Y,Z)を設定すると、
    前記基準面におけるYZ平面と前記第1〜第4反射面及び絞りにおけるYZ平面とが一致するとともに、前記中央主光線がすべてYZ平面上に存在し、前記第1〜第4反射面がYZ平面内において前記基準面から入射した光束を切らないように偏心して配置され、
    以下の条件式(1)〜(3)を満足することを特徴とする反射光学装置;
    φ1×φ2>0 …(1)
    φ3×φ4>0 …(2)
    −6<t1/|f|<−3 …(3)
    ただし、
    φ1:中央主光線が第1反射面で偏向される角度、
    φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
    φ3:中央主光線が第3反射面で偏向される角度、
    φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
    φ1〜φ4の各値が±(90°〜180°)であり、
    f:反射光学系全体のY方向の焦点距離であり(記号||は絶対値を表す。)、中央主光線がセンサー面に到達する座標を原点として、センサー面での片側全像高の1%のY方向の高さΔYに到達する光線が中央主光線とのなす角Δθから、f×tan(Δθ)=ΔYにより計算され、
    t1:基準面のローカルな直交座標系(X,Y,Z)において、中央主光線が第4反射面に到達する位置のZ座標と、絞りの共役像を中央主光線が仮想的に通過する位置のZ座標と、の差であり、このZ座標の差は、絞りの共役像における中央主光線の通過座標を(Xa,Ya,Za)とし、第4反射面における中央主光線の通過座標を(Xb,Yb,Zb)とすると、Za−Zbで表され、マイナスの値は絞りの共役像が第4反射面の物理的に物体側に存在することを示す。
  2. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1記載の反射光学装置;
    139°<|φ4|<146° …(4)
    ただし、
    φ4:中央主光線が第4反射面で偏向される角度、
    であり、式:−180°<φ4<180°の範囲を取る。
  3. 前記第1反射面及び第2反射面で前記中間像を形成し、前記第3反射面及び第4反射面で前記センサー面に前記光学像を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の反射光学装置。
  4. 前記第1〜第4反射面のうち2面以上がXZ平面に対して非対称なXY多項式面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射光学装置。
  5. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射光学装置;
    139°<|φ2|<165° …(5)
    ただし、
    φ2:中央主光線が第2反射面で偏向される角度、
    であり、式:−180°<φ2<180°の範囲を取る。
  6. 前記画像センサーが波長3〜5μm帯又は波長7〜12μm帯に感度を持つことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射光学装置。
  7. 前記反射光学系の水平全画角が5°以上15°以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射光学装置。
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CN110471173A (zh) * 2019-08-05 2019-11-19 同济大学 一种带衍射面的四反中波红外取景器光学系统
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