JP2018162720A - インペラ、及び、回転機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のインペラ1は、軸線Oの回りに回転する回転軸101に固定されるディスク部30と、ディスク部30に対向配置されるカバー部50と、ディスク部30とカバー部50との間に設けられる複数のブレード部40と、を備える。インペラ1は、ディスク部30の軸線Oの一方側の部位である第一ディスク部31からなる第一セグメントSG1と、ディスク部30の軸線Oの他方側の部位である第二ディスク部35と、カバー部50と、ブレード部40が一体的に構成される第二セグメントSG2と、第一セグメントSG1と第二セグメントSG2を接着剤により接合する接合層BLと、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
特許文献1の提案によれば、流路形状の品質を向上することができるとともに、回転軸に対してインペラを容易に着脱できる、とされている。
本発明におけるインペラは、ディスク部の軸線の一方側の部位である第一ディスク部から構成される第一セグメントと、ディスク部の軸線の他方側の部位である第二ディスク部と、カバー部と、ブレード部が一体的に構成される第二セグメントと、第一セグメントの第一ディスク部と第二セグメントの第二ディスク部とを接着剤により接合する接合層と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のインペラは、第一セグメント、及び、第二セグメントの両方を繊維強化樹脂から構成できる。
さらに、本発明のインペラは、第一セグメント、及び、第二セグメントの両方を金属材料から構成できる。
第一セグメントが金属材料からなる場合には、第一セグメントを回転軸に締め代を有して嵌合できる。
第一セグメントが繊維強化樹脂からなる場合には、第一セグメントを回転軸に接着剤を介して嵌合できる。
また、本発明のインペラにおいて、第一セグメントの第一ディスク部と第二セグメントの第二ディスク部の間に機械的な嵌合構造を設けることが好ましい。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1実施形態にかかる回転機械について、遠心圧縮機100を例にして説明する。
[遠心圧縮機100の構成]
図1に示すように、第1実施形態に係る遠心圧縮機100は、ケーシング102と、ケーシング102にジャーナル軸受103及びスラスト軸受104を介して軸支される回転軸101と、を備えている。回転軸101は、軸線O回りに回転可能に支持されており、回転軸101には、軸線Oの方向に複数のインペラ1が並んで取り付けられている。
各インペラ1は、回転軸101の回転による遠心力を利用してケーシング102に形成された上流側の流路105から供給されるガスGを下流側の流路105へと段階的に圧縮して流す。
図2、図3に示すように、インペラ1は、ディスク部30と、ブレード部40と、カバー部50と、を備えている。
ディスク部30は、径方向の外側から嵌合されることで回転軸101に取り付けられている。ディスク部30は、図3に示すように、軸線Oに直交する接合層BLにより軸線Oの方向に二分割された第一ディスク部31と第二ディスク部35とを備えている。第一ディスク部31と第二ディスク部35とは、接合層BLで接合されている。
第一ディスク部31は、軸線Oの後方側(R)に向かって漸次拡径する外周面34を備えている。この外周面34は、軸線Oを含む断面において、外側に向かって凹状の曲面となっている。
第一ディスク部31は、軸線Oの後方側(R)の後端面32が接着剤による接合層BLを介して第二ディスク部35に接合されている。
第二ディスク部35は、その前端面37の内径側領域38が、第一ディスク部31の後端面32接合層BLを介して接合されている。これら後端面32と前端面37の内径側領域38とは、軸線Oに直交する接合層BLを構成している。
ブレード部40は、図3に示すように、略一定の板厚で形成されてディスク部30の前端面37から軸線Oの方向の前方側(F)に向かって突出して形成されている。また、ブレード部40は、側面視で径方向の外側に向かってやや先細り形状とされている。
カバー部50は、軸線Oの方向における後端面52がブレード部40の前側縁41に一体的に形成されている。カバー部50の厚さ寸法は、ディスク部30の厚さ寸法と同様に、径方向の外側の厚さ寸法がやや薄い板状に形成されている。このカバー部50は、ブレード部40の内側端42の位置において軸線Oの方向における前側に向かって屈曲された屈曲部51を有している。
次に、上述したインペラ1の製造方法について図4及び図5を参照しながら説明する。
まず、第一セグメントSG1を、鋳造や切削等により作製する(図4(a),図5 ステップS101)。
また、第二ディスク部35、ブレード部40及びカバー部50が一体となった第二セグメントSG2を作製する(図4(a),図5 ステップS103)。繊維強化樹脂からなる第二セグメントSG2は、射出成形により一体的に作製される。
なお、ここでは便宜上第一セグメントSG1、第二セグメントSG2の順で作製することにしているが、この作製順は逆であってもよい。
以上説明したように、インペラ1によれば、第一セグメントSG1と第二セグメントSG2を接着剤で接合することにしたので第二セグメントSG2に適用される材料の選択の幅が広がり、第二セグメントSG2を金属材料に比べて軽量な繊維強化樹脂で作製できる。したがって、全体を金属材料で作製するのに比べてインペラ1の軽量化が実現されるので、本実施形態によれば高効率な遠心圧縮機100が得られる。
加えて、接着剤による接合は大気中で行うことができるので、硬化する前であれば接合状態の微修正を行うことができるので、本実施形態によるインペラ1は、より形状及び寸法の精度が高い。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るインペラ2は、第二セグメントSG2に加えて第一セグメントSG1を構成する第一ディスク部31も繊維強化樹脂から構成される点で第1実施形態のインペラ1と異なる。以下、図6を参照して、インペラ2をインペラ1との相違点を中心にして説明する。なお、インペラ1と同様の構成・要素については、図6にインペラ1と同じ符号を付している。
次に、インペラ2の製造方法について図7及び図8を参照しながら説明する。
まず、第一セグメントSG1をなす第一ディスク部31を、繊維強化樹脂を用いて射出成形により作製する(図8 ステップS201)。ただし、第一ディスク部31の内周にキー溝S2を形成しておく。
また、第二ディスク部35、ブレード部40及びカバー部50が一体となった第二セグメントSG2を、繊維強化樹脂を用いて射出成形により一体的に作製する(図8 ステップS203)。
回転軸101には予めキー溝S1が形成され、かつ、このキー溝S1にはキーKが挿入されている。また、グリップ部Aに対応する第一ディスク部31の外周面には接着剤Bが塗布されている。
第一セグメントSG1は、キーKにキー溝S2が挿入されるように回転軸101に嵌合され、キーKがキー溝S2の奥(図中の右側)に突き当たるまで押し込まれると、第一ディスク部31と回転軸101の嵌合作業が終わる。
また、第一ディスク部31と回転軸101の接着剤による固定は、接合強度が許されるのであれば、キー溝S1,S2とキーKの部分だけで行うこともできる。
第2実施形態によるインペラ2は、繊維強化樹脂からなる第一セグメントSG1(第一ディスク部31)を用いる。したがって、第2実施形態によれば、よりインペラ2の軽量化が実現されるので、高効率な遠心圧縮機100が得られる。
例えば、第一セグメントSG1、第二セグメントSG2が鉄系の金属材料の場合には、接着剤が塗布される後端面32、前端面37にリン酸塩処理を施すことができる。リン酸塩処理により金属表面にリン酸亜鉛などの金属塩のミクロンオーダーの薄い皮膜が形成されるが、この被膜が柱状の形態を有するために表面が粗化し、これにより接着剤の接合強度が増す。
リン酸塩処理としては、リン酸亜鉛処理、リン酸カルシウム処理及びリン酸鉄処理が知られているが、常温でも処理できるリン酸亜鉛処理が好ましい。
この嵌合構造39は、例えば、図9(a),(b)に示すように、第一ディスク部31の後端面32に設けられる凹部39Aと第二ディスク部35の前端面37に設けられる凸部39Bとから構成される。凸部39Bは凹部39Aに挿入されることで、嵌合構造39を構成する。
嵌合構造39は、第一ディスク部31及び第二ディスク部35の周方向に90°の間隔を隔てて四カ所に設けられる。
3 吸込口
4 排出口
30 ディスク部
31 第一ディスク部
32 後端面
33 前端部
34 外周面
35 第二ディスク部
36 後端部
37 前端面
38 内径側領域
39 嵌合構造
39A 凹部
39B 凸部
40 ブレード部
41 前側縁
42 内側端
43 側面
50 カバー部
51 屈曲部
52 後端面
53 前端縁
100 遠心圧縮機
101 回転軸
102 ケーシング
103 ジャーナル軸受
104 スラスト軸受
105 流路
106 吸込口
107 排出口
A グリップ部
B 接着剤
BL 接合層
K キー
S1,S2 キー溝
SG1 第一セグメント
SG2 第二セグメント
O 軸線
R 回転方向
G ガス
Claims (11)
- 軸線の回りに回転する回転軸に固定されるディスク部と、
前記ディスク部に対向配置されるカバー部と、
前記ディスク部と前記カバー部との間に設けられる複数のブレード部と、を備えるインペラであって、
前記ディスク部の前記軸線の一方側の部位である第一ディスク部から構成される第一セグメントと、
前記ディスク部の前記軸線の他方側の部位である第二ディスク部と、前記カバー部と、前記ブレード部が一体的に構成される第二セグメントと、
前記第一セグメントの前記第一ディスク部と前記第二セグメントの第二ディスク部を接着剤により接合する接合層と、
を備えることを特徴とするインペラ。 - 前記第一セグメントが、金属材料又は繊維強化樹脂からなり、
前記第二セグメントが、金属材料又は繊維強化樹脂からなる、
請求項1に記載のインペラ。 - 前記第一セグメントが金属材料からなり、前記第二セグメントが繊維強化樹脂からなる、
請求項1に記載のインペラ。 - 前記第一セグメント、及び、前記第二セグメントの両方が繊維強化樹脂からなる、
請求項1に記載のインペラ。 - 前記第一セグメント、及び、前記第二セグメントの両方が金属材料からなる、
請求項1に記載のインペラ。 - 前記第一セグメントの前記第一ディスク部を介して前記回転軸に固定される、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のインペラ。 - 前記第一セグメントは、金属材料からなり、前記回転軸に締め代を有して嵌合される、
請求項6に記載のインペラ。 - 前記第一セグメントは、繊維強化樹脂からなり、接着剤を介して前記回転軸に嵌合される、
請求項6に記載のインペラ。 - 金属材料からなる前記第一セグメント及び前記第二セグメントの、前記接合層が設けられる面に金属塩からなる被膜が設けられる、
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のインペラ。 - 前記第一セグメントの前記第一ディスク部と前記第二セグメントの前記第二ディスク部の間に機械的な嵌合構造が設けられる、
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のインペラ。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のインペラを備えることを特徴とする回転機械。
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