JP2018159108A - 溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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雅也 山本
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博文 武津
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Abstract

【課題】生産性を低下させることなく、めっき層表面の黒変化を容易に抑制することができる、溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法を提供すること。
【解決手段】基材鋼板をAl、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき浴に浸漬して、前記基材鋼板の表面に溶融Zn合金めっき層を形成する。次いで、V5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される1または2以上の多原子イオンを含有する水溶液を、前記溶融合金めっき層の表面に接触させる。水溶液は、前記多原子イオンを、V、SiおよびCrからなる群から選択される1または2以上の原子換算で、0.01g/L以上含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐黒変性に優れる溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法に関する。
耐食性に優れるめっき鋼板として、基材鋼板の表面に、Al、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき層が形成された溶融Zn合金めっき鋼板が知られている。
前述の溶融Zn合金めっき鋼板は、以下の工程により連続的に製造されうる。まず、炉を通した基材鋼板(鋼帯)をAl、SiおよびMgを含有する溶融Zn合金めっき浴に浸漬した後、例えば、ガスワイピング装置に通すことで、基材鋼板の表面に付着した溶融金属を所定量となるように調整する。次いで、所定量の溶融金属が付着した鋼帯を、エアジェットクーラーおよび気水冷却領域に通すことで、溶融金属を冷却して、溶融Zn合金めっき層が形成される。さらに、溶融Zn合金めっき層が形成された鋼帯をウォータークエンチ帯域に通して、冷却水を接触させることにより、溶融Zn合金めっき鋼板を得る。
しかしながら、溶融Zn合金めっき鋼板には、一般に、経時的にめっき層表面の一部が黒変化してしまう場合があった。
このような黒変化を防止する方法として、ウォータークエンチ帯域におけるめっき層表面の温度を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の発明では、ウォータークエンチ帯域で冷却水に接触させる際のめっき層表面の温度を105℃未満にすることで、めっき層表面の黒変化を防止している。また、めっき層表面の温度を105℃未満にする代わりに、めっき浴に易酸化元素(希土類元素、Y、ZrまたはSi)を配合するとともにめっき層表面の温度を105〜300℃にすることでも、めっき層表面の黒変化を防止している。
また、特許文献2では、ウォータークエンチ帯域で用いる冷却水としてV5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される1または2以上の多原子イオンを含有する水溶液を用いることで、めっき層表面の黒変化を防止している。
特開2002−226958号公報 特許第5356616号公報
特許文献1の発明では、ウォータークエンチ帯域に通す前にめっき層表面を所定の温度まで冷却する必要があったため、溶融Zn合金めっき鋼板の生産が制限される場合があった。たとえば、板厚が厚いめっき鋼板では、めっき鋼板の送り速度を遅くしてめっき鋼板を所定の温度まで冷却する必要があるため、生産性が低下してしまっていた。また、易酸化元素をめっき浴に配合する場合は、易酸化元素がドロスになりやすく、易酸化元素の濃度管理が煩雑であるため、製造工程が煩雑になるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、生産性を低下させることなく、かつ煩雑なめっき浴の成分管理を行うことなく、めっき層表面の黒変化を容易に抑制することができる、溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、溶融Zn合金めっき層を形成した後に接触させる冷却水に、所定の濃度で所定の多原子イオンを含有させることで、上記課題を解決することができることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法に関する。
[1]基材鋼板をAl、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき浴に浸漬して、前記基材鋼板の表面に溶融Zn合金めっき層を形成する工程と、V5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される1または2以上の多原子イオンを含有する水溶液を、前記溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる工程と、を有し、前記水溶液は、前記多原子イオンを、V、SiおよびCrからなる群から選択される1または2以上の原子換算で、0.01g/L以上含有する、溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
[2]前記水溶液を前記溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる時の、前記溶融Zn合金めっき層の表面の温度は、100℃以上、かつめっき層の凝固点以下である、[1]に記載の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
[3]前記溶融Zn合金めっき層は、Al:45.0〜60.0質量%、Mg:0.28〜2.3質量%、Mg:2.0質量%以下、残部:Znを含む、[1]または[2]に記載の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、耐黒変性に優れる溶融Zn合金めっき鋼板を、高い生産性で容易に製造することができる。
図1A,Bは、冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法の例を示す図である。 図2は溶融Zn合金めっき鋼板の製造ラインの一部の構成を示す模式図である。
本発明の溶融Zn合金めっき鋼板(以下、単に「めっき鋼板」ともいう。)の製造方法は、(1)基材鋼板の表面に溶融Zn合金めっき層(以下、単に「めっき層」ともいう。)を形成する第1工程と、(2)多原子イオンを含む冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる第2工程と、を有する。本発明の製造方法は、溶融Zn合金めっき層を形成した後に、所定の冷却水溶液をめっき層表面に接触させることで、めっき層の黒変化を抑制することを特徴の一つとする。
(1)第1工程
第1工程では、基材鋼板をAl、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき浴に浸漬して、基材鋼板の表面に溶融Zn合金めっき層を形成する。
[基材鋼板]
基材鋼板の種類は、特に限定されない。たとえば、基材鋼板としては、低炭素鋼や中炭素鋼、高炭素鋼、合金鋼などからなる鋼板を使用することができる。良好なプレス成形性が必要とされる場合は、低炭素Ti添加鋼、低炭素Nb添加鋼などからなる深絞り用鋼板が基材鋼板として好ましい。また、P、Si、Mnなどを添加した高強度鋼板を用いてもよい。
[めっき層の形成]
まず、Al、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき浴に基材鋼板を浸漬し、ガスワイピングなどを用いることによって、所定量の溶融金属を基材鋼板の表面に付着させる。
めっき浴の組成は、例えば、めっき浴として、Al:45.0〜60.0質量%、Si:0.28〜2.3質量%、Mg:微量〜2.0質量%、残部:Znおよび不可避不純物を含むものを使用することができる。さらに、めっき浴は、Ti:0.001〜0.1質量%、B:0.001〜0.5質量%をさらに含んでいてもよい。
次いで、基材鋼板の表面に付着した溶融金属を冷却し、溶融金属を凝固させることで、基材鋼板の表面にめっき浴の成分組成とほぼ同じ組成のめっき層が形成されためっき鋼板を得ることができる。
上記組成の溶融Zn合金めっき層は、Alのデンドライト成長で形成された凝固組織に由来する網目状のAlリッチ相が形成され、その隙間を埋めるようにZnリッチ相とSi相が存在する組織を主体とする。そして、Mgは、Mg2Si相やMg2Zn相という金属間化合物の形でめっき組織中に存在する形態をとる。
また、めっき層の表面には、Al,Si,Zn,Mgを含む酸化皮膜が形成されていてもよい。
溶融Zn合金めっき層の付着量は、特に限定されない。たとえば、溶融Zn合金めっき層の付着量は、60〜500g/m程度である。
(2)第2工程
第2工程では、所定の多原子イオンを含有する水溶液(冷却水溶液)を、溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる。生産性の観点からは、第2工程は、ウォータークエンチ(水冷)工程として行われることが好ましい。この場合、冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる時の、溶融Zn合金めっき層の表面の温度は、100℃以上、かつめっき層の凝固点以下程度である。
冷却水溶液に含まれる多原子イオンは、V5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される。これらの多原子イオンは、めっき層表面の黒変化を抑制することができる。これらの多原子イオンは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多原子イオンを含む冷却水溶液を調製する方法は、特に限定されない。たとえば、V5+を含有する多原子イオンを含む冷却水溶液を調製する場合は、所定の化合物(V化合物、Si化合物またはCr化合物;以下「添加剤」ともいう)と、必要に応じて溶解促進剤と、を水(溶媒)に溶解させればよい。好適なV化合物の例には、アセチルアセトンバナジル、バナジウムアセチルアセトネート、オキシ硫酸バナジウム、五酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウムが含まれる。また、好適なSi化合物の例には、ケイ酸ナトリウムが含まれる。さらに、好適なCr化合物の例には、クロム酸アンモニウム、クロム酸カリウムが含まれる。
上記V5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンまたはCr6+を含有する多原子イオンの濃度は、V、Si、Cr換算で0.01g/L以上であることが好ましい。2種以上の化合物を組み合わせて使用する場合は、V、Si、Cr換算での合計の濃度が0.01g/L以上であればよい。これらの多原子イオンの濃度がV、Si、Cr換算で0.01g/L未満の場合、めっき層表面の黒変化を十分に抑制できないおそれがある。
また、溶解促進剤を配合する場合、溶解促進剤の配合量は、特に限定されない。たとえば、添加剤100質量部に対して、溶解促進剤90〜130質量部を配合すればよい。溶解促進剤の配合量が過少量の場合、添加剤を十分に溶解させることができないことがある。一方、溶解促進剤の配合量が過剰量の場合、効果が飽和してしてしまい、費用的に不利である。
溶解促進剤の例には、2−アミノエタノール、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、2,2’−イミノジエタノール、1−アミノ−2−プロパノールが含まれる。
冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法は、特に限定されない。冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法の例には、スプレー方式、浸漬方式が含まれる。
図1は、冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法の例を示す図である。図1Aは、スプレー方式によって冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法の一例を示す図である。図1Bは、浸漬方式によって冷却水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる方法の一例を示す図である。
図1Aに示されるように、スプレー方式に使用される冷却装置100は、複数のスプレーノズル110と、スプレーノズル110より鋼帯Sの送り方向下流側に配置された絞りロール120と、これらを覆う筐体130とを有する。スプレーノズル110は、鋼帯Sの両面に配置されている。鋼帯Sは、筐体130の内部で、めっき層の表面に一時的に水膜が形成されるような量の冷却水がスプレーノズル110から供給されながら冷却される。そして、絞りロール120で冷却水が除去される。
また、図1Bに示されるように、浸漬方式に使用される冷却装置200は、冷却水が貯留された浸漬漕210と、浸漬漕210の内部に配置された浸漬ロール220と、浸漬ロール220より鋼帯Sの送り方向下流側に配置され、鋼帯Sに付着した余分な冷却水を除去する絞りロール230とを有する。鋼帯Sは、浸漬漕210に投入された後、冷却水と接触しながら、回転する浸漬ロール220によって方向転換して上方へ向かって引き上げられ、絞りロール230で冷却水が除去される。絞りロールは、冷却水のすべてを除去可能である。
本発明の製造方法により、溶融Zn合金めっき鋼板のめっき層表面の一部が経時的に黒変化してしまう不具合を抑制できる理由は定かではない。以下、溶融Zn合金めっき層における黒変化発生の推察されるメカニズムを説明した後に、本発明の製造方法による黒変化抑制の推察されるメカニズムを説明する。しかしながら、黒変化抑制のメカニズムは、これらの仮説に限定されるものではない。
(黒変化発生のメカニズム)
本発明者らの検討によると、黒変していない通常部においては、Znは、金属Znとして存在するだけでなく水酸化物(Zn(OH))としても存在しており、ZnがZn(OH)より多く存在している。また、黒変部においては、Znは、通常部と同様に、金属Znとして存在するだけでなく水酸化物(Zn(OH))としても存在するが、Zn(OH)がZnより多く存在している。一方で、通常部および黒変部において、Alは、金属Alおよび酸化物(Al)として存在するが、通常部および黒変部のいずれにおいても、AlがAlよりも多く、通常部および黒変部で存在比率に大きな変化はない。同様に、通常部および黒変部において、Mgは、金属Mg、酸化物(MgO)および水酸化物(Mg(OH))として存在するが、通通常部および黒変部における金属Mg、Mg(OH)およびMgOの存在比率に大きな変化はない。これらの結果より、黒変部の形成にはZnの結合状態が影響をおよぼしており、Zn(OH)の存在比率の増加に起因し、黒変部が形成される可能性が示唆される。
また、本発明者らの検討によると、工場内用水を気水冷却装置により溶融Zn合金めっき層の表面に、冷却水による水膜を一時的に形成させて、溶融Zn合金めっき鋼板を作製すると、溶融Zn合金めっき鋼板の表面には黒変部が形成されるが、冷却水による水膜を形成させることなく、冷却水を接触させて、溶融Zn合金めっき鋼板を作製すると、溶融Zn合金めっき鋼板の表面光沢は均一であり、暗部(黒変部)の形成は認められない。さらに、XPSによる分析を行ったところ、冷却水による水膜を一時的に形成させて作製した溶融Zn合金めっき鋼板においては、Zn(OH)がZnより多く存在していたが、冷却水による水膜を形成させることなく作製した溶融Zn合金めっき鋼板においては、ZnがZn(OH)より多く存在していた。これらの結果より、Zn(OH)の生成には冷却工程における水膜の形成が影響をおよぼしており、一時的に水膜が形成されない場合、Zn(OH)が生成されにくいため、黒変部の形成が抑制されたと推測される。
上述したように、本発明者らは、溶融Zn合金めっき鋼板のめっき層の黒変化について、1)製造条件(例えば、ウォータークエンチの条件)によってめっき層の表面にZn(OH)が生成されることがあること、および2)めっき層の表面のなかでも、Zn(OH)が生成された領域で黒変化が生じやすいこと、を見出した。そこで、本発明者らは、めっき層の黒変化の機構について、以下のように推察した。
まず、高温(例えば160℃程度)のめっき層表面に、冷却水により一時的に水膜が形成されると、めっき層表面の酸化皮膜またはめっき層のZn相から、Znが部分的に溶出する。
Zn→Zn2++2e …(1)
Zn2+は、冷却水中のOHと結合してめっき層表面でZn(OH)となる。
Zn2++2OH→Zn(OH) …(2)
そして、時間を経るとともに、めっき層表面のZn(OH)の一部は、脱水反応によりZnOとなる。
Zn(OH)→ZnO+HO …(3)
次いで、ZnOの一部は、めっき層のAlやMgによってOが奪われて、ZnO1−Xとなる。このZnO1−Xが色中心となって、目視では黒色を呈する。
(黒変化抑制のメカニズム)
次いで、本発明者らは、工場内用水の代わりに、V5+を含有する多原子イオンを1.0g/Lの濃度で含有させた冷却水溶液を使用し、スプレー方式のウォータークエンチにより溶融Zn合金めっき層の表面に冷却水溶液による水膜を一時的に形成させ、Al、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき鋼板を作製した。このとき、冷却水溶液に接触する直前の溶融Zn合金めっき鋼板の表面温度は、160℃程度と推測された。
作製後、室温20℃、相対湿度60%の室内で1週間保管した溶融Zn合金めっき鋼板を目視により観察したところ、溶融Zn合金めっき鋼板の表面光沢はほぼ均一であり、暗部(黒変部)の形成は認めらなかった。また、鋼板の光沢の程度は、工場内用水を用いて水膜を一時的に形成させて作製した溶融Zn合金めっき鋼板における通常部とほぼ同等であった。
次に、V5+を含有する冷却水溶液を用いて、一時的に水膜を形成させて作製した直後の溶融Zn合金めっき鋼板を、XPSにて分析したところ、ZnとZn(OH)の強度比から、ZnがZn(OH)より多く存在していることがわかった。このことから、V5+を含有する冷却水溶液を使用した場合には、一時的な水膜が形成された場合でも、Zn(OH)の生成は促進されないものと推定された。
冷却水としてV5+、Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含有する水溶液を用いた場合に考えられる黒変化抑制のメカニズムについて、V5+を例に挙げて説明する。たとえば、V5+を含有する多原子イオンを含む冷却水溶液を用いた場合、V5+が還元されて、めっき層表面の酸化皮膜と冷却水溶液との間に緻密な不動態皮膜を一時的に形成する。これにより、酸化皮膜からZnが冷却水溶液へ溶出することが抑制される。よって、Zn(OH)の生成が抑えられ、結果的にめっき層の黒変化が抑制される。なお、上記不動態皮膜は、冷却水を除去するときに冷却水と共に除去されるため、冷却後のめっき層表面にはほとんど残存しないと考えられる。
前述した本発明の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法は、例えば、以下のような製造ラインで実施されうる。
図2は、溶融Zn合金めっき鋼板の製造ライン300の一部の模式図である。製造ライン300は、基材鋼板(鋼帯)の表面にめっき層を形成して、溶融Zn合金めっき鋼板を連続的に製造することができる。また、製造ライン300は、必要に応じてめっき層の表面に化成処理皮膜をさらに形成して、化成処理めっき鋼板を連続的に製造することもできる。
図2に示されるように、製造ライン300は、炉310、めっき浴320、エアジェットクーラー340、気水冷却帯域350、ウォータークエンチ帯域360、スキンパスミル370およびテンションレベラー380を有する。
図外の繰り出しリールから繰り出された鋼帯Sは、所定の工程を経て炉310内で加熱される。加熱された鋼帯Sをめっき浴320に浸漬することで、溶融金属が鋼帯Sの表裏面に付着する。次いで、ワイピングノズル330を有するワイピング装置により過剰な溶融金属を取り除いて、所定量の溶融金属を鋼帯Sの表面に付着させる。
所定量の溶融金属が付着した鋼帯Sは、エアジェットクーラー340や気水冷却帯域350により溶融金属の凝固点以下まで冷却される。エアジェットクーラー340は、気体の吹き付けによる鋼帯Sの冷却を目的とした設備である。また、気水冷却帯域350は、霧状にした流体(例えば、冷却水)および気体の吹き付けによる鋼帯Sの冷却を目的とした設備である。これにより、溶融金属が凝固し、溶融Zn合金めっき層が鋼帯Sの表面に形成される。なお、気水冷却帯域350によって鋼帯Sが冷却されるときに、めっき層の表面に水膜が形成されることはない。冷却後の温度は、特に限定されず、例えば100〜250℃である。
所定の温度まで冷却された溶融Zn合金めっき鋼板は、ウォータークエンチ帯域360でさらに冷却される。ウォータークエンチ帯域360は、気水冷却帯域350と比較して大量の冷却水の接触による鋼帯Sの冷却を目的とした設備であり、めっき層の表面に一時的に水膜が形成される量の水を供給する。たとえば、ウォータークエンチ帯域360には、フラットスプレーノズルを鋼帯Sの幅方向に150mm間隔で10本配置したヘッダーが、基材鋼板Sの送り方向に7列配置されている。ウォータークエンチ帯域360では、V5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される1または2以上の多原子イオンを原子換算の合計量で0.01g/L以上含有する水溶液が冷却水溶液として使用される。鋼帯Sは、このウォータークエンチ帯域360の中で、めっき層の表面に一時的に水膜が形成されるような量の冷却水が供給されながら、冷却される。たとえば、冷却水溶液の水温は20℃程度であり、水圧は2.5kgf/cm程度であり、水量は150m/h程度である。
水冷された溶融Zn合金めっき鋼板は、スキンパスミル370で調質圧延され、テンションレベラー380で平坦に矯正された後、テンションリール390に巻き取られる。
めっき層の表面にさらに化成処理皮膜を形成する場合は、テンションレベラー380で矯正された溶融Zn合金めっき鋼板の表面に、ロールコーター400で所定の化成処理液を塗布する。化成処理を施された溶融Zn合金めっき鋼板は、乾燥帯域410およびエア冷却帯域420で乾燥および冷却された後、テンションリール390に巻き取られる。
以上のように、本発明の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法は、所定の多原子イオンを含有する水溶液を溶融Zn合金めっき層の表面に接触させるだけで、耐黒変性に優れる溶融Zn合金めっき鋼板を、高い生産性で容易に製造することができる。
(実験1)
実験1では、多原子イオンを含まない冷却水を用いて溶融Zn合金めっき鋼板を冷却した場合における、溶融Zn合金めっき層の耐黒変性について調べた。
1.溶融Zn合金めっき鋼板の製造
図2に示される製造ライン300を用いて、溶融Zn合金めっき鋼板を製造した。基材鋼板(鋼帯)Sとして、板厚2.3mmの熱延鋼帯を準備した。表1に示すめっき浴組成およびめっき条件で基材鋼板にめっきを施して、めっき層の組成が互いに異なる4種類の溶融Zn合金めっき鋼板を製造した。なお、めっき浴の組成とめっき層の組成はほぼ同一である。特に図示しないが、めっき層の断面観察では、めっきNo.1の溶融Zn合金めっき鋼板には[Al/Zn/ZnMgの三元共晶組織]が確認された。
Figure 2018159108
溶融Zn合金めっき鋼板を製造する際に、エアジェットクーラー340および気水冷却帯域350における冷却条件を変化させて、ウォータークエンチ帯域360に通す直前の鋼板(めっき層表面)の温度を100℃、120℃、160℃、200℃または250℃となるように調整した。ウォータークエンチ帯域360におけるスプレー装置は、フラットスプレーノズルを幅方向に150mm間隔で10本配置したヘッダーを、基材鋼板Sの送り方向に7列配置したものを使用した。ウォータークエンチ帯域360における冷却条件は、冷却水:水(pH7.6、水温20℃)、水圧:2.5kgf/cm、水量:150m/hとした。
2.溶融Zn合金めっき鋼板の評価
(1)光沢劣化促進処理
製造した各溶融Zn合金めっき鋼板から試験片を切り出した。各試験片を恒温恒湿機(LHU−113;エスペック株式会社)内に置き、表2に示される各条件で光沢劣化の促進処理を行った。No.2の試験条件は、No.1より処理時間が長いため、No.1よりも厳しい試験条件である。
Figure 2018159108
(2)黒変化度の測定
各溶融Zn合金めっき鋼板について、光沢劣化促進処理の前後におけるめっき層表面の明度(L値)を測定した。めっき層表面の明度(L値)は、分光型色差計(TC−1800;有限会社東京電色)を用いて、JIS K 5600に準拠した分光反射測定法で測定した。測定条件を以下に示す。
光学条件:d/8°法(ダブルビーム光学系)
視野:2度視野
測定方法:反射光測定
標準光:C
表色系:CIELAB
測定波長:380〜780nm
測定波長間隔:5nm
分光器:回折格子 1200/mm
照明:ハロゲンランプ(電圧12V、電力50W、定格寿命2000時間)
測定面積:7.25mmφ
検出素子:光電子増倍管(R928;浜松ホトニクス株式会社)
反射率:0−150%
測定温度:23℃
標準板:白色
各めっき鋼板について、光沢劣化促進処理の前後のL値の差(ΔL)が0.5未満の場合は「○」、0.5以上であって3未満の場合は「△」、3以上の場合は「×」と評価した。なお、評価が「○」のめっき鋼板は、耐黒変性を有すると判断することができる。
(3)評価結果
各めっき鋼板について、光沢劣化促進条件およびウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板(めっき層表面)の温度と、黒変化度の評価結果との関係を表3に示す。
Figure 2018159108
No.1の条件で光沢劣化促進処理を行った場合、めっきNo.1〜4の試験片は、いずれもSiを含有するので、 ウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度が250℃であっても耐黒変性は良好であった。
一方、No.2の条件で光沢劣化促進処理を行った場合、Siを含有するめっき層を形成した試験片でも、ウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度が120℃以上のときに黒変化が生じた。
以上の結果から、めっき層にSiを含有しても、ウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度を十分に低下させなければ、黒変化が生じ得ることがわかる。
(実験2)
実験2では、多原子イオンを含む冷却水溶液を用いて溶融Zn合金めっき鋼板を冷却した場合における、溶融Zn合金めっき層の耐黒変性について調べた。本実験では、No.1の条件で光沢劣化促進処理した場合の耐黒変性について調べた。
1.溶融Zn合金めっき鋼板の製造
実験1と同様に、表1に示すめっき浴組成およびめっき条件で基材鋼板にめっきを施して、めっき層の組成が互いに異なる4種類の溶融Zn合金めっき鋼板を製造した。
溶融Zn合金めっき鋼板を製造する際に、エアジェットクーラー340における冷却条件を変化させて、ウォータークエンチ帯域360に通す直前の鋼板(めっき層表面)の温度を100℃、120℃、160℃、200℃または250℃となるように調整した。ウォータークエンチ帯域360では、表4に示されるいずれかの水溶液を冷却水溶液として使用した。各冷却水溶液は、pH7.6の水に表4に示される添加剤、必要に応じて溶解促進剤を所定の比率で溶解させた後、水温を20℃に調整することで調製した。ウォータークエンチ帯域360から供給した各冷却水溶液の条件は、水圧:2.5kgf/cm、水量:150m/hとした。なお、各水溶液における多原子イオンの濃度は、イオン種として示した原子換算で、表5に示す5種類を準備した。
Figure 2018159108
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2.溶融Zn合金めっき鋼板の評価
(1)光沢劣化促進処理および黒変化度の測定
各溶融Zn合金めっき鋼板に対して、表2に示したNo.1の条件で光沢劣化促進処理を行った。また、各溶融Zn合金めっき鋼板について、実験1と同様の手順で、光沢劣化促進処理の前後におけるめっき層表面の明度(L値)を測定した。
評価を行った溶融Zn合金めっき鋼板のめっきNo.と、使用した冷却水溶液の添加物の濃度との関係を表6に示す。なお、表6に示した番号の表にそれぞれの結果を示す。
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(2)評価結果
各めっき鋼板について、使用した冷却水溶液の種類およびウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板(めっき層表面)の温度と、黒変化度の評価結果との関係を、表7〜表18に示す。
なお、各表に登場する「試験片No.」は、実験内容がわかるように、以下の規則により規定されている。すなわち、試験片No.は、「(光沢劣化促進条件No.;表2参照)−(めっきNo.;表1参照)−(冷却水溶液No.および多原子イオンの濃度記号;表4および表5参照)」とした。
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表7〜表13に示されるように、めっき層中のAlおよびMgが所定の濃度の範囲内であって、Siを含有するめっき層を形成した試験片では、添加物の有無およびウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度に関わらず、耐黒変性が良好であった。
以上の結果から、V5+,Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含み、かつ多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L以上の水溶液を用いて冷却することで、ウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度に関わらず、黒変化を十分に抑制できることがわかる。
表7〜表13に示されるように、Mn2+、Ca2+、Mg2+、またはZn2+を含有する多原子イオンを含む水溶液を用いて冷却した試験片では、多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L以上であれば、耐黒変性がある程度良好であった。
(実験3)
実験3では、実験2で製造した各溶融Zn合金めっき鋼板を、表2のNo.2の条件で光沢劣化促進処理した場合の耐黒変性について調べ、実験1と同様に評価した。
評価を行った溶融Zn合金めっき鋼板のめっきNo.と、使用した冷却水溶液の添加物の濃度との関係を表14に示す。なお、表14に示した番号の表にそれぞれの結果を示す。
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(2)評価結果
各めっき鋼板について、使用した冷却水溶液の種類およびウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板(めっき層表面)の温度と、黒変化度の評価結果との関係を、表15〜表22に示す。
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表17に示されるように、めっき層中のAl、SiおよびMgが所定の濃度の範囲内の試験片において、冷却水溶液がV5+,Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含んでいても、多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L未満の水溶液を用いて冷却した場合には、耐黒変性が不良であった。
表15、16および18〜22に示されるように、めっき層中のAl、SiおよびMgが所定の濃度の範囲内の試験片において、V5+,Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含み、かつ多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L以上の水溶液を用いて冷却していれば、ウォータークエンチ帯域で冷却する直前の鋼板温度に関わらず、耐黒変性が良好であった。このとき、冷却水溶液がV5+,Si4+またはCr6+のいずれも含有しない場合には、耐黒変性が改善されなかった。
前述の通り、実験2は、No.1の条件で光沢劣化促進処理している。この場合、めっき層中のAlおよびMgが所定の濃度の範囲内であって、かつめっき層がSiを含有していれば、ウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板温度に関わらず耐黒変性は良好であった。一方、実験3は、No.1より過酷なNo.2の条件で光沢劣化促進処理している。実験3では、めっき層にSiを含有していても、冷却水溶液にV5+,Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含む冷却水溶液を用い、かつ多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L以上の条件で冷却しなければ、ウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板温度に関わらず耐黒変を抑制することはできないことが明らかになった。すなわち、本発明の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法は、めっき層中のAlおよびMgが所定の濃度の範囲内であって、冷却水溶液にV5+,Si4+またはCr6+を含有する多原子イオンを含む冷却水溶液を用い、かつ多原子イオンの濃度が原子換算で0.01g/L以上の条件で冷却すれば、またウォータークエンチ帯域360で冷却する直前の鋼板温度に関わらず耐黒変を抑制することが可能な製造方法である。
本発明の製造方法により得られる溶融Zn合金めっき鋼板は、耐黒変性に優れているため、例えば建築物の屋根材や外装材、家電製品、自動車などに使用されるめっき鋼板として有用である。
100,200 冷却装置
110 スプレーノズル
120,230 絞りロール
130 筐体
210 浸漬漕
220 浸漬ロール
300 製造ライン
310 炉
320 めっき浴
330 ワイピングノズル
340 エアジェットクーラー
350 気水冷却帯域
360 ウォータークエンチ帯域
370 スキンパスミル
380 テンションレベラー
390 テンションリール
400 ロールコーター
410 乾燥帯域
420 エア冷却帯域
S 鋼帯

Claims (3)

  1. 基材鋼板をAl、SiおよびMgを含む溶融Zn合金めっき浴に浸漬して、前記基材鋼板の表面に溶融Zn合金めっき層を形成する工程と、
    5+を含有する多原子イオン、Si4+を含有する多原子イオンおよびCr6+を含有する多原子イオンからなる群から選択される1または2以上の多原子イオンを含有する水溶液を、前記溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる工程と、を有し、
    前記水溶液は、前記多原子イオンを、V、SiおよびCrからなる群から選択される1または2以上の原子換算で、0.01g/L以上含有する、
    溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記水溶液を前記溶融Zn合金めっき層の表面に接触させる時の、前記溶融Zn合金めっき層の表面の温度は、100℃以上、かつめっき層の凝固点以下である、請求項1に記載の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記溶融Zn合金めっき層は、Al:45.0〜60.0質量%、Si:0.28〜2.3質量%、Mg:2.0質量%以下、残部:Znを含む、請求項1または2に記載の溶融Zn合金めっき鋼板の製造方法。
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