JP2018157934A - クランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置 - Google Patents

クランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置 Download PDF

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康生 鈴木
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Abstract

【課題】クランプの所定の操作を医療従事者に促すことが可能なクランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置を提供すること。【解決手段】クランプ形態検知システムは、チューブを開放状態とする第1形態と、前記チューブを前記開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能なクランプに取り付け可能なクランプ形態検知装置と、前記クランプ形態検知装置から前記クランプの形態情報を取得し、取得した前記形態情報を識別可能な識別情報として外部に報知する外部報知装置と、を備え、前記クランプ形態検知装置は、前記クランプに取り付けられている状態で、前記クランプの前記第1形態及び前記第2形態の少なくともいずれかを検知可能な検知部と、前記検知部の検知情報に基づく前記クランプの前記形態情報を、前記外部報知装置に報知する報知部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、クランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置に関する。
患者への輸液、輸血、人工透析などを行う場合には、輸液容器や留置針等をチューブにより接続して形成される輸液ラインを使用する。輸液ラインのチューブには、チューブの内部の流路を開放又は閉塞可能なクランプが取り付けられ、このクランプを操作することにより、輸液ラインを通じた薬液等の液体の送液を実行又は停止することができる。特許文献1には、この種のクランプが記載されている。
特開平07−100207号公報
ところで、医療従事者によりクランプの開放操作及び閉塞操作が所定のタイミングで確実に実行されるように、病院等では操作手順の徹底などの安全対策が講じられているが、医療従事者にクランプの操作を所定のタイミングで確実に実行させるようにする対策としては、依然として改善の余地がある。
そこで本開示は、クランプの所定の操作を医療従事者に促すことが可能なクランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様としてのクランプ形態検知システムは、チューブを開放状態とする第1形態と、前記チューブを前記開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能なクランプに取り付け可能なクランプ形態検知装置と、前記クランプ形態検知装置から前記クランプの形態情報を取得し、取得した前記形態情報を識別可能な識別情報として外部に報知する外部報知装置と、を備え、前記クランプ形態検知装置は、前記クランプに取り付けられている状態で、前記クランプの前記第1形態及び前記第2形態の少なくともいずれかを検知可能な検知部と、前記検知部の検知情報に基づく前記クランプの前記形態情報を、前記外部報知装置に報知する報知部と、を備える。
本発明の1つの実施形態として、前記外部報知装置は、前記チューブ内の液体を送液可能な送液駆動部を備える送液ポンプである。
本発明の1つの実施形態として、前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第1形態として前記チューブを全開状態とする全開形態と、前記クランプの前記第2形態として前記全開形態以外の形態と、を検知可能であり、前記送液ポンプは、前記送液ポンプの動作モード情報、及び、前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、を取得する取得部と、前記取得部が、前記動作モード情報として前記送液駆動部を駆動させて送液を実行する送液モードであること、及び、前記形態情報として前記全開形態以外の形態であること、を取得した非正常状態の場合に、人間が識別可能な知覚識別情報を外部へ報知する知覚報知部と、を備える。
本発明の1つの実施形態として、前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第1形態として前記チューブを全開状態とする全開形態と、前記クランプの前記第2形態として前記全開形態以外の形態と、を検知可能であり、前記送液ポンプは、前記送液ポンプの動作モード情報、及び、前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、を取得する取得部と、前記取得部が、前記動作モード情報として前記送液駆動部を駆動させて送液を実行する送液モードであること、及び、前記形態情報として前記全開形態以外の形態であること、を取得した非正常状態の場合に、前記送液モードを実行させない制御部と、を備える。
本発明の1つの実施形態として、前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第2形態として、前記チューブを全閉状態とする全閉形態を検知可能であり、前記送液ポンプの前記取得部は、点滴筒の単位時間当たりの滴下数が所定の滴下数と異なる異常滴下状態を検知可能な滴下数異常検知装置から滴下状態情報を取得可能であり、前記取得部が、前記形態情報として前記全閉形態であること、及び、前記滴下状態情報として異常滴下状態であること、を取得した場合に、前記知覚報知部は、前記知覚識別情報を外部に報知しない。
本発明の1つの実施形態として、前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの第2形態として前記チューブを全閉状態とする全閉形態と、前記クランプの前記第1形態として前記全閉形態以外の形態と、を検知可能であり、前記送液ポンプは、前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、及び、前記送液ポンプの本体部に対して開閉可能な、前記本体部との間で前記チューブを保持する前記送液ポンプのドア部、の開閉状態情報、を取得する取得部と、前記取得部が、前記形態情報として前記全閉形態以外の形態であること、及び、前記開閉状態情報として前記ドア部が開かれた状態であること、を取得した非正常状態の場合に、人間が識別可能な知覚識別情報を外部へ報知する知覚報知部と、を備える。
本発明の第2の態様としてのクランプ形態検知装置は、チューブを開放状態とする第1形態と、前記チューブを前記開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能なクランプに取り付け可能であり、前記クランプに取り付けられている状態で、前記クランプの前記第1形態及び前記第2形態の少なくともいずれかを検知可能な検知部と、前記検知部の検知情報に基づく前記クランプの形態情報を報知する報知部と、を備える。
本発明の1つの実施形態として、前記報知部は、前記クランプの前記形態情報を、人間が識別可能な知覚識別情報により外部へ報知する。
本発明の1つの実施形態として、前記報知部は、前記クランプの前記形態情報を、外部報知装置が識別可能な識別情報により、前記外部報知装置へ報知する。
本開示によれば、クランプの所定の操作を医療従事者に促すことが可能なクランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置を提供することができる。
本発明の一実施形態としてのクランプ形態検知装置及びクランプ形態検知システムを含む輸液ラインを示す図である。 図1に示すクランプを示す図である。 図1に示すクランプ形態検知装置のブロック図である。 図1に示すクランプ形態検知装置の検知部の一例を示す図である。 図1に示すクランプ形態検知装置の検知部の一例を示す図である。 図1に示すクランプ形態検知装置の検知部の一例を示す図である。 図1に示すクランプ形態検知装置の検知部の一例を示す図である。 図1に示す輸液ポンプを示す斜視図である。 図1に示す輸液ポンプのドア部が閉じられた状態の正面図である。 図1に示す輸液ポンプのドア部が開かれた状態の正面図である。 図1に示す輸液ポンプのブロック図である。 図1に示す輸液ポンプの制御部による制御の一例を示す制御フロー図である。
以下、本発明に係るクランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置の実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同じ符号を付している。
図1は、薬液等の液体を収容する輸液容器201から患者に穿刺された状態で留置される留置針202までをチューブ203で接続して形成される輸液ライン200を示す図である。以下、輸液ライン200のうち輸液容器201側を「流路上流側」と記載する場合がある。また、輸液ライン200のうち留置針202側を「流路下流側」と記載する場合がある。更に、以下、輸液ライン200の流路上流側から流路下流側に向かう方向を送液方向Aと記載する場合がある。
より具体的に、図1に示す輸液ライン200は、スタンド250に吊るされている輸液容器201と、点滴筒204と、留置針202と、2つのチューブ203と、を備えている。輸液ライン200の2つのチューブ203は、輸液容器201と点滴筒204とを接続する第1チューブ203aと、点滴筒204と留置針202とを接続する第2チューブ203bと、である。図1に示す輸液ライン200の点滴筒204には、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブが取り付けられている。また、図1に示す輸液ライン200の第2チューブ203bには、送液ポンプとしての輸液ポンプ300が取り付けられている。この輸液ポンプ300はスタンド250に固定されている。更に、図1に示す輸液ライン200の第2チューブ203bには、輸液ポンプ300よりも流路下流側でクランプ50が取り付けられている。そして、このクランプ50には、本発明に係るクランプ形態検知装置の一実施形態としてのクランプ形態検知装置1が取り付けられている。
また、図1に示す輸液ライン200は、本発明に係るクランプ形態検知システムの一実施形態としてのクランプ形態検知システム100を含む。具体的に、クランプ形態検知システム100は、クランプ形態検知装置1と、外部報知装置としての輸液ポンプ300と、を備える。
まず、輸液ライン200のクランプ50について説明する。図2は、第2チューブ203bに取り付けられている状態のクランプ50を示す図である。具体的に、図2(a)はクランプ50を正面側から見た図であり、図2(b)はクランプ50を側面側から見た図である。図2では、クランプ形態検知装置1が取り付けられていない状態のクランプ50を示している。
図2に示すように、クランプ50は、第2チューブ203bが開放状態となる第1形態と、第2チューブ203bを開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能である。本実施形態のクランプ50は、ハウジング51と、回転体52と、を備えるローラークランプである。チューブの開放状態とは、クランプを挟む流路上流側と流路下流側とが連通した状態を意味する。
図2に示すように、ハウジング51には溝部53が形成されている。回転体52は、溝部53に一部が入り込んだ状態で、溝部53を区画する対向する溝壁54に対して、溝部53の延在方向に移動可能に取り付けられている。具体的に、回転体52の軸方向両側には突出部52aが設けられており、この突出部52aが、溝壁54に形成された溝部53の延在方向に沿って延びるガイド長溝54aに嵌合している。このように、突出部52aがガイド長溝54aに沿って移動できるため、回転体52は、突出部52aを回動中心軸として、溝部53の延在方向に向かって回動移動することができる。ガイド長溝54aは、溝部53の延在方向の一方から他方に向かうにつれて、溝部53の底部55に近づくように延在している。したがって、回転体52がガイド長溝54aに沿って移動すると、回転体52の外周面と、溝部53を区画する底部55との間の距離が変動する。溝部53を区画する底部55と、回転体52の外周面との間に第2チューブ203bが挿通されている。そのため、第2チューブ203bの流路としての中空部の開閉状態は、回転体52の外周面と、ハウジング51の底部55と、により制御することができる。
より具体的に、図1に示すクランプ50では、溝部53(図2参照)の延在方向が、第2チューブ203bの延在方向に沿って延びている。そして、回転体52を流路下流側から流路上流側に移動させることにより、回転体52の外周面と、ハウジング51の溝部53の底部55(図2参照)と、の間の距離を大きくすることができる。その逆に、回転体52を流路上流側から流路下流側に移動させることにより、回転体52の外周面と、ハウジング51の溝部53の底部55と、の間の距離を小さくすることができる。
そのため、回転体52を、流路下流側から流路上流側に移動させることにより、第2チューブ203bの中空部を、より開放した状態に変化させることができる。逆に、回転体52を、流路上流側から流路下流側に移動させることにより、第2チューブ203bの中空部を、より閉じた状態に変化させることできる。
本実施形態において、第2チューブ203bの開放状態には、第2チューブ203bの中空部が完全に開放された全開状態と、第2チューブ203bの中空部が全開状態よりも閉じた状態であるが、依然としてクランプ50を挟む流路上流側と流路下流側とが連通する制限開放状態と、の2つの状態が含まれている。回転体52を、移動可能範囲内で最も流路上流側に位置させることにより、第2チューブ203bを全開状態とすることができる。また、回転体52を、移動可能範囲内で最も流路上流側の位置から流路下流側に移動させ、回転体52の外周面と、ハウジング51の溝部53の底部55と、の間で第2チューブ203bを圧縮した状態とすることにより、第2チューブ203bを、制限開放状態にすることができる。回転体が、移動可能範囲内で最も流路上流側の位置よりも流路下流側の位置にあるときに、クランプが、第2チューブ203bを全開状態とする構成としてもよい。
また、本実施形態では、回転体52を、移動可能範囲内で最も流路下流側に位置させることにより、第2チューブ203bを全閉状態にすることができる。但し、回転体が、移動可能範囲内で最も流路下流側の位置よりも流路上流側の位置にあるときに、クランプが、第2チューブ203bを全閉状態とする構成としてもよい。
以上のように、本実施形態のクランプ50は、取り付けられている第2チューブ203bの中空部を、全開状態、制限開放状態及び全閉状態のいずれかの状態にすることができる。
図2に示すクランプ50は、ハウジング51にガイド長溝54aが形成され、回転体52がガイド長溝54aに入り込む突出部52aを有する構成であるが、この構成に限られず、例えば、ハウジングに凸部を設け、回転体にハウジングの凸部と嵌合する凹部を形成する構成としてもよい。また、図1、図2に示すクランプ50はローラークランプとしているが、ローラークランプに限られず、他の種類のクランプとしてもよい。
次に、クランプ形態検知システム100について説明する。まず、クランプ形態検知装置1について説明する。
<クランプ形態検知装置1>
クランプ形態検知装置1はクランプ50に着脱可能であり、図1では、クランプ50に取り付けられた状態のクランプ形態検知装置1を示している。本実施形態のクランプ形態検知装置1は、クランプ50のハウジング51に対して取り付けられている。クランプ50に対するクランプ形態検知装置1の取り付けは、例えばスナップフィットのような、クランプ50及びクランプ形態検知装置1のいずれか一方に設けられた係止爪と、この係止爪が引っ掛かるように他方に設けられた爪係合部と、により実現することができる。但し、クランプ50に対するクランプ形態検知装置1の取り付け構成は、クランプ形態検知装置がクランプに対して着脱可能に取り付けられる構成であれば、上述した係止爪及び爪係合部に限られない。
図3は、クランプ形態検知装置1のブロック図である。図3に示すように、クランプ形態検知装置1は、検知部2と、報知部3と、制御部4と、を備えている。以下、各部の詳細を説明する。
[検知部2]
検知部2は、クランプ形態検知装置1がクランプ50に取り付けられている状態(図1参照)で、クランプ50の第1形態及び第2形態の両方を検知可能である。より具体的に、本実施形態の検知部2は、クランプ50の第1形態として、第2チューブ203bの中空部を全開状態とする全開形態、にあるか否か検知することができる。更に、本実施形態の検知部2は、クランプ50の第2形態として、第2チューブ203bの中空部を全閉状態とする全閉形態、にあるか否かを検知することができる。更に、本実施形態の検知部2は、クランプ50が第1形態でも第2形態でもない形態である、第2チューブ203bが制限開放状態となる制限開放形態についても検知可能である。したがって、本実施形態の検知部2によれば、クランプ50の全開形態、全閉形態及び制限開放形態の3つの形態を検知することができる。
検知部2は、各種センサにより構成することができる。図4〜図7は、本実施形態の検知部2を実現する各種センサを例示する。具体的に、図4は、ホール素子を用いたセンサ11を示す。図5は、光又は音波を利用したセンサ12を示す。図6は、撮像装置を利用したセンサ13を示す。図7は、感圧装置を利用したセンサ14を示す。図4〜図7では、各センサを含むクランプ形態検知装置1がクランプ50に取り付けられている状態を示している。また、図4〜図7に示すクランプ50はローラークランプであり、その構成は、特段の記載がない限り、図2に示す構成と同様である。
図4に示すセンサ11は、クランプ形態検知装置1のハウジング10に保持されている。図4に示すように、クランプ形態検知装置1のハウジング10は、クランプ50のハウジング51に対して取り付けられている。このように、クランプ形態検知装置1のハウジング10をクランプ50に取り付けることにより、センサ11の位置を、クランプ50の第1形態及び第2形態を検知可能な位置に配置することができる。
図4に示すクランプ形態検知装置1は、ホール素子を用いたセンサ11として、クランプ50の第1形態を検知可能な第1センサ11aと、クランプ50の第2形態を検知可能な第2センサ11bと、備えている。具体的に、図4に示す第1センサ11a及び第2センサ11bは、クランプ50の回転体52の位置を検知することで、第1形態及び第2形態を検知する。したがって、図4に示すホール素子を用いたセンサ11とする場合には、例えば、外表面又は内部に磁石56を備えることにより磁極を有する回転体52とする。
より具体的に、図4に示す第1センサ11aは、回転体52が、第2チューブ203bを全開状態にする位置にある、クランプ50の全開形態を検知可能である。図4に示すクランプ50では、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路上流側の位置(図4の実線の位置)にある場合、第2チューブ203bを全開状態にする。そのため、図4に示す第1センサ11aは、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路上流側の位置にあることを検知可能としている。
同様に、図4に示す第2センサ11bは、回転体52が、第2チューブ203bを全閉状態にする位置にある、クランプ50の全閉形態を検知可能である。図4に示すクランプ50では、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路下流側の位置(図4の二点鎖線の位置)にある場合、第2チューブ203bを全閉状態にする。そのため、図4に示す第2センサ11bは、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路下流側の位置にあることを検知可能としている。
第1センサ11aが全開形態を検知せず、かつ、第2センサ11bが全閉形態を検知しない場合に、クランプ50は、上述の制限開放形態になっている。
第1センサ11a及び第2センサ11bは、ホール素子の検知情報からクランプ50の形態を判断する制御部としてのCPU又はMPUを有する構成としてもよいが、本実施形態では、クランプ形態検知装置1の後述する制御部4が、この第1センサ11a及び第2センサ11bの制御部を兼ねている。
図5(a)は、センサ12を含むクランプ形態検知装置1を側面側から見た図ある。図5(b)は、センサ12を含むクランプ形態検知装置1を正面側から見た図ある。図5(c)は、図5(a)及び図5(b)のI-I断面図である。図4及び図5に示すクランプ50は、回転体52の磁石56(図4参照)の有無で相違するが、その他の構成は同一である。
図5に示すセンサ12は、クランプ形態検知装置1のハウジング10に保持されている。図5に示すように、クランプ形態検知装置1のハウジング10は、クランプ50のハウジング51に対して取り付けられている。具体的に、クランプ形態検知装置1のハウジング10の外壁には溝部10aが形成されている。クランプ形態検知装置1は、クランプ50のハウジング51を溝部10aに嵌合することで、クランプ50に対して取り付けられている。特に、図5(c)に示すように、クランプ50のハウジング51は、その溝部53が外部に露出するように、クランプ形態検知装置1のハウジング10の溝部10a内に収容されている。換言すれば、クランプ50のハウジング51の溝部53の底部55に対して、回転体52が位置する側と反対側に、ハウジング10の溝部10aの底部10a1が位置している。
また、クランプ50のハウジング51が溝部10a内に収容されている状態で、クランプ50の回転体52は、溝部10aを区画する対向する溝壁10a2の間を、送液方向A及びその逆方向に沿って移動する。換言すれば、クランプ形態検知装置1が取り付けられているクランプ50を送液方向A又はその逆方向で見た場合、回転体52は、対向する溝壁10a2の間に位置する。クランプ形態検知装置1が取り付けられているクランプ50を送液方向A又はその逆方向で見た場合の回転体52及び溝壁10a2の位置関係は、図5(c)の断面視と同様である。
図5に示すように、センサ12は、ハウジング10の溝壁10a2の位置に配置されている。また、図5に示すセンサ12は、光又は音波を利用する。より具体的に、図5に示すセンサ12は、一方の溝壁10a2に配置され、光又は音波を発信する発信部15aと、他方の溝壁10a2に配置され、発信部15aからの光又は音波を受信する受信部15bと、を備えている。したがって、クランプ形態検知装置1のハウジング10に形成されている溝部10aにクランプ50のハウジング51を収容した状態で、センサ12は、発信部15aと受信部15bとの間に回転体52が位置するか否かを検知することができる。
光を利用したセンサ12としては、例えば、発信部15aとしての発光部と、受信部15bとしての受光部と、を備えるフォトセンサが挙げられる。音波を利用したセンサ12としては、例えば、発信部15aとしての超音波発信部と、受信部15bとしての超音波受信部と、を備える超音波センサが挙げられる。
図5に示すクランプ形態検知装置1は、センサ12として、クランプ50の第1形態を検知可能な第1センサ12aと、クランプ50の第2形態を検知可能な第2センサ12bと、備えている。具体的に、図5に示す第1センサ12a及び第2センサ12bは、クランプ50の回転体52の位置を検知することで、第1形態及び第2形態を検知する。より具体的に、第1センサ12aは、回転体52が、第2チューブ203bを全開状態にする位置にある、クランプ50の全開形態を検知可能である。また、第2センサ12bは、回転体52が、第2チューブ203bを全閉状態にする位置にある、クランプ50の全閉形態を検知可能である。
図5に示す例では、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路上流側の位置にある場合に全開状態となる。回転体52は、この位置で、第1センサ12aの発信部15aと受信部15bとの間に位置する。したがって、発信部15aから発信される光又は音波が、回転体52に遮られ、受信部15bに到達しない。そのため、第1センサ12aによれば、クランプ50が第2チューブ203bを全開状態とする、回転体52が移動可能範囲で最も流路上流側に位置する、第1形態としての全開形態を検知することができる。
また、回転体52が、ハウジング51に対する移動可能範囲の中で最も流路下流側の位置にある場合に全閉状態となる。回転体52は、この位置で、第2センサ12bの発信部15aと受信部15bとの間に位置する。したがって、発信部15aから発信される光又は音波が、回転体52に遮られ、受信部15bに到達しない。そのため、第2センサ12bによれば、クランプ50が第2チューブ203bを全閉状態とする、回転体52が移動可能範囲で最も流路下流側に位置する、第2形態としての全閉形態を検知することができる。
第1センサ12aが全開形態を検知せず、かつ、第2センサ12bが全閉形態を検知しない場合に、クランプ50は、上述の制限開放形態になっている。
第1センサ12a及び第2センサ12bは、受信部15bの検知情報からクランプ50の形態を判断する制御部としてのCPU又はMPUを有する構成としてもよいが、本実施形態では、クランプ形態検知装置1の後述する制御部4が、この第1センサ12a及び第2センサ12bの制御部を兼ねている。
このように、図4に示すセンサ11とは異なる図5のセンサ12により、クランプ50の第1形態及び第2形態を検知してもよい。図5に示すセンサ12は、クランプ50に磁石56(図4参照)を設ける必要がない。そのため、図5に示すセンサ12は、図4に示すセンサ11と比較して、汎用性が高い。
図6に示すセンサ13は、クランプ形態検知装置1のハウジング10に保持されている。図6に示すように、クランプ形態検知装置1のハウジング10は、クランプ50のハウジング51に対して取り付けられている。このように、クランプ形態検知装置1のハウジング10をクランプ50に取り付けることにより、センサ13の位置を、クランプ50の第1形態及び第2形態を検知可能な位置に配置することができる。
図6に示すクランプ形態検知装置1のセンサ13は、撮像装置により構成される撮像部16と、この撮像部16により撮像された画像からクランプ50の第1形態及び第2形態を特定する制御部17と、を備えている。具体的に、図6に示す撮像部16は、クランプ50の回転体52の移動可能範囲すべてを撮像可能である。そして制御部17は、撮像部16により撮像された画像における回転体52の位置から、クランプ50の形態情報を判断する。センサ13としては、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等が挙げられる。
また、クランプ形態検知装置1の後述する制御部4が、センサ13のCPUやMPUにより構成される制御部17を兼ねる構成としてもよい。
図6に示す撮像装置を利用したセンサ13によれば、図4に示すセンサ11や図5に示すセンサ12と比較して、クランプ50の回転体52の移動可能範囲内での位置を、より細かく検知する構成を実現し易い。つまり、センサ13によれば、クランプ50の全開形態及び全閉形態の他に、上述した制限開放形態として複数の形態を検知可能な構成が実現し易い。
図7に示すセンサ14は、クランプ形態検知装置1のハウジング10に保持されている。図7に示すように、クランプ形態検知装置1のハウジング10は、クランプ50のハウジング51に対して取り付けられている。このように、クランプ形態検知装置1のハウジング10をクランプ50に取り付けることにより、センサ14の位置を、クランプ50の第1形態及び第2形態を検知可能な位置に配置することができる。
図7に示すクランプ形態検知装置1のセンサ14は、感圧装置により構成される感圧部18と、この感圧部18が検知する圧力情報からクランプ50の第1形態及び第2形態を特定する制御部19と、を備えている。具体的に、図7に示す感圧部18は、クランプ50のハウジング51に形成された溝部53の底部55上に配置された感圧装置により構成されている。上述したように、クランプ50の回転体52を移動可能範囲内で移動させることにより、回転体52と底部55との間で挟み込まれる第2チューブ203bの圧縮状態が変動する。そのため、底部55上に配置された感圧装置により、回転体52の位置に応じた、回転体52が第2チューブ203bを底部55に向かって押圧する押圧力を検知することができる。
制御部19は、感圧装置により構成される感圧部18が検知した圧力の値に応じて、クランプ50の第1形態及び第2形態を判断する。例えば、制御部19は、感圧部18が第1の所定値未満の圧力を検知した場合に、クランプ50の第1形態を検知する。また、制御部19は、感圧部18が第2の所定値以上の圧力を検知した場合に、クランプ50の第2形態を検知する。第1形態を判断する閾値となる上述の第1の所定値を調整することにより、第1形態として、第2チューブ203bを全開状態とする全開形態を検知する構成とすることができる。また、第2形態を判断する閾値となる上述の第2の所定値を調整することにより、第2形態として、第2チューブ203bを全閉状態とする全閉形態を検知する構成とすることができる。したがって、制御部19は、感圧部18が第1の所定値以上の圧力であり、かつ、第2の所定値未満の圧力である場合に、クランプ50が制限開放形態であることを検知可能である。
センサ14としては、例えば、歪ゲージ抵抗式、半導体ピエゾ抵抗式、静電容量式などの感圧センサが挙げられる。但し、クランプ形態検知装置1の後述する制御部4が、センサ14のCPUやMPUで構成される制御部19を兼ねる構成としてもよい。
このように、クランプ形態検知装置1の検知部2は、図4〜図7に示すような各種センサにより構成することができるが、図4〜図7は例示であり、検知部2を構成するセンサは、図4〜図7に示す構成に限られない。
また、図4〜図7では、クランプ50の第1形態及び第2形態の両方を検知可能なセンサを示しているが、検知部2としては、クランプ50の第1形態及び第2形態の少なくともいずれか一方を検知可能であればよく、第1形態及び第2形態の両方を検知可能な構成とすることを要しない。但し、後述する第1の非正常状態(図12のステップS6参照)及び第2の非正常状態(図12のステップS9を参照)を検知するために、検知部2は、第1形態としての全開形態と、第2形態としての全閉形態と、の少なくとも2つの形態を検知可能な構成とすることが好ましい。
[報知部3]
次に報知部3について説明する。報知部3は、検知部2の検知情報に基づくクランプ50の形態情報を報知する。具体的に、報知部3は、外部報知装置としての送液ポンプに報知する。本実施形態の送液ポンプは輸液ポンプ300である。
つまり、本実施形態のクランプ形態検知装置1の報知部3は、検知部2の検知情報に基づくクランプ50の形態情報を輸液ポンプ300に送信する送信装置により構成することができる。報知部3を、送信のみならず、各種情報を受信可能な通信装置により構成してもよい。
[制御部4]
制御部4は、検知部2及び報知部3に対して動作タイミングや動作の指示等を行う。また、上述したように、制御部4は、検知部2の制御部を兼ねる構成としてもよい。制御部4は、CPUやMPUなどのプロセッサにより構成される。
制御部4が検知部2の制御部を兼ねる場合に、本実施形態の制御部4は、クランプ50が全開形態にあること、全閉形態にあること、及び、全開形態でも全閉形態でもない形態にあること、のいずれかを判断することができる。「全開形態でも全閉形態でもない形態」とは、第2チューブ203bが制限開放状態となる制限開放形態を意味する。
そして、制御部4は、検知部2の検知結果に応じて判断したクランプ50の形態情報を、報知部3により外部報知装置としての輸液ポンプ300に送信させる。
<輸液ポンプ300>
次に、クランプ形態検知システム100の外部報知装置としての輸液ポンプ300について説明する。図8は、輸液ポンプ300単体の斜視図である。図9及び図10は、輸液ポンプ300の正面図であり、図9はドア部302が本体部301に対して閉じられている状態を示し、図10はドア部302が本体部301に対して開けられている状態を示す。図8〜図10では、説明の便宜上、輸液ポンプ300に保持される図1の第2チューブ203bを二点鎖線により示している。
図8〜図10に示す輸液ポンプ300は、例えば集中治療室(ICU、CCU,NICU)等で使用され、患者に対して、例えば抗がん剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血、栄養剤等の液体の注入を、1〜999mL/h(1時間あたりの注入量、即ち注入速度)、1〜9999mL(予定注入量)程度の範囲で、±2%以内の精度で比較的長時間行うことに用いられる送液ポンプである。
輸液ポンプ300は、本体部301と、この本体部301に対して開閉可能なドア部302と、を備えている。本体部301の外装カバーである本体カバー303、及び、上述のドア部302は、耐薬品性を有する成型樹脂材料により成型されている。
まず、輸液ポンプ300の本体部301の本体カバー303に配置された要素について説明する。図8〜図10に示すように、本体カバー303の正面部分には、表示部304と、操作パネル部305と、が配置されている。表示部304は、画像表示装置であり、例えばカラー液晶表示装置を用いている。表示部304は、本体カバー303の正面上部の左側に位置し、ドア部302の上側に配置されている。
表示部304には、投与の予定注入量(mL)、投与の積算量(mL)、充電履歴、注入速度(mL/h)等が表示される。また、表示部304には、この他に、警告メッセージを表示することができる。
操作パネル部305は、本体カバー303の正面上部の右側に配置されている。操作パネル部305には、操作ボタンとしては、例えば、電源スイッチボタン305A、早送りスイッチボタン305B、開始スイッチボタン305C、停止スイッチボタン305D、メニュー選択ボタン305Eが配置されている。
図8〜図10に示すように、本体カバー303の正面下部には、ドア部302が回転軸を中心として回動可能に取り付けられている。ドア部302は図9及び図10の正面視において左右方向に沿って長く延在する板状の蓋であり、ドア部302を本体部301に対して閉じた状態(図8及び図9参照)で、本体部301とドア部302との間に、例えば軟質塩化ビニル等の可撓性の熱可塑性樹脂製の第2チューブ203bを挟んで保持することができる。したがって、第2チューブ203bを、正面視(図9及び図10参照)で左右方向に沿って水平に装着できるようになっている。
図10に示すように、第2チューブ203bは、輸液ポンプ300のドア部302を開いた状態で外部に露出する、本体部301のチューブ装着部306に対して装着する。図10に示すように、チューブ装着部306は、輸液ポンプ300の正面視において、表示部304及び操作パネル部305の下部で、左右方向に沿って設けられている。チューブ装着部306は、図8及び図9に示すように、ドア部302を本体部301に対して閉じると、ドア部302により覆われる。
図10に示すように、チューブ装着部306は、気泡センサ307と、上流閉塞センサ308と、下流閉塞センサ309と、第1チューブガイド部310と、第2チューブガイド部311と、送液駆動部312と、チューブクランプ部322と、を備えている。より具体的に、チューブ装着部306は、図10に示す輸液ポンプ300の正面視において、右から第1チューブガイド部310、気泡センサ307、上流閉塞センサ308、送液駆動部312、下流閉塞センサ309、チューブクランプ部322、第2チューブガイド部311の順に配置されている。ドア部302の内側には、チューブ押さえ部材313と、係合部材314及び315と、が設けられている。
チューブ押さえ部材313は、輸液ポンプ300の正面視(図10等参照)の左右方向に沿って、長く矩形状かつ面状の突出部として配置されており、送液駆動部312に対面する位置にある。係合部材314及び315は、係合部材314及び315に連動するレバー316を操作することで、本体部301に形成された嵌め込み部317及び318に対してそれぞれ嵌り込む。これにより、ドア部302を閉じて、本体部301のチューブ装着部306を閉鎖することができる。チューブクランプ部322は、ドア部302が本体部301に対して閉じられた状態では、チューブ装着部306に装着されている第2チューブ203bを閉塞しない。そして、チューブクランプ部322は、ドア部302が本体部301に対して開けられた状態で、チューブ装着部306に装着されている第2チューブ203bを挟持し、第2チューブ203bの中空部を閉塞する。
図10に示すように、第1チューブガイド部310は、輸液ポンプ300の正面視において、本体部301の右側端部に設けられ、第2チューブガイド部311は、輸液ポンプ300の正面視において、本体部301の左側端部に設けられている。そして、第1チューブガイド部310は、輸液ライン200(図1参照)の第2チューブ203bの流路上流側を嵌め込むことで保持でき、第2チューブガイド部311は、輸液ライン200の第2チューブ203bの流路下流側を嵌め込むことで保持できる。つまり、第1チューブガイド部310及び第2チューブガイド部311により、第2チューブ203bを略水平方向に保持可能である。このように、略水平方向に適切に装着された第2チューブ203bは、図10の正面視において、右から気泡センサ307、上流閉塞センサ308、送液駆動部312、下流閉塞センサ309、チューブクランプ部322、に対して順に対向するように配置される。
図10に示す気泡センサ307は、第2チューブ203b内に生じる気泡(空気)を検出するセンサである。気泡センサ307としては、例えば、軟質塩化ビニル製などの第2チューブ203bの外側から、第2チューブ203b内に流れる液体中に含まれる気泡を監視する超音波センサとすることができる。超音波センサの発信部から発生する超音波を第2チューブ203b内に流れる液体に当てることで、超音波の液体における透過率と超音波の気泡における透過率が異なることから、超音波センサの受信部は、その透過率の差を検出して気泡の有無を検出できる。図10に示す上流閉塞センサ308及び下流閉塞センサ309は、第2チューブ203b内が閉塞しているかどうかを検出するセンサである。上流閉塞センサ308及び下流閉塞センサ309としては、例えば第2チューブ203bの径方向の変形を検知する変位センサ等を利用することができる。
図11は、輸液ポンプ300のブロック図である。図11では、説明の便宜上、第2チューブ203b内の液体を送液可能な送液駆動部312の構成を併せて描いている。
図11に示すように、送液駆動部312は、駆動モータ312aと、この駆動モータ312aにより回転駆動される複数個のカムを有するカム構造体312bと、このカム構造体312bの各カムにより移動される複数のフィンガを有するフィンガ構造体312cと、を備えており、上述したチューブ装着部306(図10参照)には、送液駆動部312のフィンガ構造体312cが配置されている。カム構造体312bは、複数のカム、例えば6個のカム319a〜319fを有しており、フィンガ構造体312cは、6個のカム319a〜319fに対応して6個のフィンガ320a〜320fを有している。6個のカム319a〜319fは互いに位相差を付けて配列されており、カム構造体312bは、駆動モータ312aの出力軸321に連結されている。
図11に示すように、輸液ポンプ300は、取得部351と、報知部352と、制御部353と、を備えている。
[取得部351]
取得部351は、送液ポンプとしての輸液ポンプ300の動作モード情報を取得可能である。具体的に、輸液ポンプ300の操作パネル部305(図9等参照)には複数の操作ボタンがあり、取得部351は、操作パネル部305から入力された情報に応じて、動作モード情報を取得する。より具体的に、取得部351は、操作者により早送りスイッチボタン305B又は開始スイッチボタン305Cが押下されると、動作モード情報として、送液駆動部312を駆動させて送液を行う送液モードを実行する送液モード情報を取得する。また、輸液ポンプ300が送液モードの状態で、操作者により停止スイッチボタン305Dが押下されると、取得部351は、動作モード情報として、送液駆動部312を駆動させずに送液を行わない送液停止モードを実行する送液停止モード情報を取得する。
更に、取得部351は、送液ポンプとしての輸液ポンプ300の本体部301に対するドア部302の開閉状態情報を取得可能である。具体的に、取得部351は、ドア部302の係合部材314及び315(図10参照)が本体部301に形成された嵌め込み部317及び318(図10参照)に対してそれぞれ嵌り込むと、開閉状態情報として、ドア部302が本体部301に対して閉じられた状態であることを示す閉状態情報を取得する。逆に、取得部351は、ドア部302の係合部材314及び315(図10参照)が本体部301に形成された嵌め込み部317及び318(図10参照)に対してそれぞれ嵌り込んでいない状態であると、開閉状態情報として、ドア部302が本体部301に対して開かれた状態であることを示す開状態情報を取得する。
また更に、取得部351は、クランプ形態検知装置1の報知部3から報知されるクランプ50(図1等参照)の形態情報を取得可能である。具体的に、取得部351は、クランプ50の形態情報として、クランプ50が第1形態、第2形態、及び、第1形態でも第2形態でもない形態、のいずれの形態であるかを特定する形態情報を取得可能である。上述したように、本実施形態のクランプ50の第1形態とは、第2チューブ203bを全開状態とする全開形態であり、本実施形態のクランプ50の第2形態とは、第2チューブ203bを全閉状態とする全閉形態である。そして、クランプ50の第1形態でも第2形態でもない形態とは制限開放形態である。
つまり、本実施形態の取得部351は、クランプ50の形態情報として、全開形態であることを示す全開形態情報、全閉形態であることを示す全閉形態情報、及び、全開形態でも全閉形態でもない制限開放形態であることを示す制限開放形態情報、のいずれかを取得可能である。
更に、取得部351は、滴下状態情報を取得可能である。上述したように、図1に示す輸液ライン200の点滴筒204には、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブが取り付けられている。滴下数異常検知装置205は、点滴筒204の単位時間当たりの滴下数が、所定の滴下数に一致する正常滴下状態であるか、又は、所定の滴下数と異なる異常滴下状態であるか、を検知可能である。そして、取得部351は、滴下数異常検知装置205から滴下状態情報として正常滴下状態に対応する正常滴下情報、又は、異常滴下状態に対応する異常滴下情報、のいずれかを取得可能である。上述の閾値となる所定の滴下数は、輸液ポンプ300の操作パネル部305により医療従事者等により設定される滴下数を意味している。
以上のとおり、取得部351は、操作者による輸液ポンプ300自体の操作に基づく情報のみならず、クランプ形態検知装置1や滴下数異常検知装置205などの別装置から報知される情報についても取得することができる。
また、本実施形態の取得部351は、上述した輸液ポンプ300の動作モード情報、ドア部302の開閉状態情報、クランプ形態検知装置1から報知されるクランプ50の形態情報、及び、滴下数異常検知装置205から報知される滴下状態情報、を取得するが、上述の各種情報の一部のみを取得可能な構成や、上述の各種情報に加えて別の情報を取得可能な構成、としてもよい。
取得部351としては、例えば有線通信又は無線通信により、操作パネル部305から入力される入力情報、気泡センサ307からの気泡検出信号や上流閉塞センサ308、下流閉塞センサ309からの閉塞信号などの輸液ポンプ300のセンサ検知情報、クランプ形態検知装置1の報知部3から送信されるクランプ50の形態情報、滴下数異常検知装置205から送信される滴下状態情報、などの各種情報を受信する受信装置により構成することができる。また、取得部351を、上述の受信に加えて、サーバなどの外部装置に各種情報を送信可能な通信装置により構成してもよい。
[報知部352]
報知部352は、クランプ形態検知装置1からクランプ50の形態情報を取得し、取得した形態情報を識別可能な識別情報として外部に報知する。具体的に、本実施形態の報知部352は、取得部351が取得したクランプ50の形態情報を、所定条件下で、人間が識別可能な知覚識別情報として外部に報知する知覚報知部である。ここで言う「知覚識別情報」とは、聴覚識別情報としての音による警報や、視覚識別情報としてのLEDなどの光の色変化や、点灯、消灯、点滅等での表示など、人間の五感により知覚できる識別情報を意味する。
より具体的に、本実施形態の報知部352は、取得部351が動作モード情報として送液モードであること、及び、クランプ50の形態情報として全開形態以外の形態であること、を取得した場合(以下、「第1の非正常状態の場合」と記載する。)に、クランプ50が全開形態以外の形態であることを人間が識別可能な知覚識別情報を報知する。
上述の「取得部351が動作モード情報として送液モードであること・・を取得した場合」とは、取得部351が、送液モードを実行する送液モード情報を取得した場合を意味している。また、本実施形態の「全開形態以外の形態」とは、全閉形態と、制限開放形態と、を意味している。そのため、本実施形態において、「取得部351が・・・クランプ50の形態情報として全開形態以外の形態であること、を取得した場合」とは、取得部351が、全開形態以外の形態情報を取得した場合、すなわち、全閉形態及び制限開放形態のいずれかに対応する形態情報を取得した場合、を意味している。
つまり、送液モードであるがクランプ50が全開形態になっておらず、輸液ポンプ300の送液駆動部312が駆動されても、患者へ所望の投与ができない状態であることを、報知部352により医療従事者に知覚させることができる。
送液モードであるがクランプ50が全開形態になっていない場合に生じ得る問題点について説明する。第2チューブ203bのうち輸液ポンプ300よりも輸液ライン200の流路下流側の位置に取り付けられているクランプ50(図1参照)を全開形態にすることなく、輸液ポンプ300による送液モードを実行しても、輸液容器201内の薬液等の液体は患者に所望量投与されない。そのため、この状態で送液駆動部312が駆動されると、第2チューブ203b内の圧力が上昇する。そして、第2チューブ203b内の圧力が所定値以上になると、輸液ポンプ300の上流閉塞センサ308や下流閉塞センサ309により第2チューブ203bの閉塞状態が検知され、閉塞警報等が発せられる。しかしながら、例えば、単位時間当たりの投与量が少ない場合などは、第2チューブ203b内の圧力が所定値に達するまで数時間かかる場合がある。かかる場合には、薬液等の液体が患者の体内に所望量投与されない時間が長時間化するという問題が発生する。
これに対して、上述した本実施形態のクランプ形態検知システム100によれば、クランプ形態検知装置1のクランプ50の形態情報と、輸液ポンプ300の動作モード情報と、に基づき、クランプ50が全開形態以外の形態になっているため液体の所望の投与が実行されない状況であることを早期に医療従事者に知覚させることができる。これにより、クランプ50を全開形態とする操作を医療従事者に促すことができる。
更に、本実施形態の報知部352は、取得部351がクランプ50の形態情報として全閉形態以外の形態であること、及び、ドア部302の開閉状態情報としてドア部302が開かれた状態であること、を取得した場合(以下、「第2の非正常状態の場合」と記載する。)に、人間が識別可能な知覚識別情報を外部へ報知する。本実施形態の「全閉形態以外の形態」とは、全開形態と、制限開放形態と、を意味している。したがって、「取得部351がクランプ50の形態情報として全閉形態以外の形態であること・・・を取得した場合」とは、取得部351が、全閉形態以外の形態情報を取得した場合、すなわち、全開形態及び制限開放形態のいずれかに対応する形態情報を取得した場合、を意味している。また、「取得部351が・・・ドア部302の開閉状態情報としてドア部302が開かれた状態であること、を取得した場合」とは、取得部351が開閉状態情報としてドア部302が開かれた状態に対応する開状態情報を取得した場合を意味している。
つまり、ドア部302が開かれている状態であるがクランプ50が全閉形態になっておらず、輸液ポンプ300から第2チューブ203bが取り外されると輸液容器201内の液体が留置針202を通じて患者の体内に流れ込むフリーフローが生じ得る状態であることを、報知部352により医療従事者に知覚させることができる。これにより、クランプ50を全閉形態とする操作を医療従事者に促すことができる。
本実施形態の輸液ポンプ300のチューブ装着部306には、上述したチューブクランプ部322があるため、ドア部302が本体部301に対して開けられた状態であっても、第2チューブ203bをチューブ装着部306から取り外さない限りは、上述のフリーフローを防ぐことができる。
また更に、本実施形態の報知部352は、取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態であること、及び、滴下状態情報として異常滴下状態であること、を取得した場合に、知覚識別情報を外部に報知しない。クランプ50が全閉形態であれば、異常滴下状態が発生していたとしても、第2チューブ203bを通じて患者に薬液等の液体が投与されず、知覚識別情報を報知しなくても安全性は確保できるためである。
特に、本実施形態の報知部352は、取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態であること、滴下状態情報として異常滴下状態であること、及び、輸液ポンプ300の動作モード情報として送液駆動部312が駆動されない送液停止モードであること、を取得した場合に、知覚識別情報を外部に報知しない。
「取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態であること・・・を取得した場合」とは、取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態に対応する全閉形態情報を取得した場合を意味する。また、「取得部351が、・・・滴下状態情報として異常滴下状態であること・・・を取得した場合」とは、取得部351が、滴下状態情報として異常滴下状態に対応する異常滴下情報を取得した場合を意味する。更に、「取得部351が・・・輸液ポンプ300の動作モード情報として送液駆動部312が駆動されない送液停止モードであること、を取得した場合」とは、取得部351が、動作モード情報として送液停止モードを実行する送液停止モード情報を取得した場合を意味している。
例えば、投与する液体がブドウ糖注射液等の高粘度の液体であり、送液モード時の単位時間当たりの投与量が比較的多い場合には、送液駆動部312の駆動停止後であっても、第2チューブ203b内に残る陰圧の影響等により、点滴筒204内での液体の滴下が停止されない場合がある。そのため、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブは、送液駆動部312の駆動が停止した後であるにもかかわらず滴下が実行されている状態として、異常滴下状態を検知する。しかしながら、第2チューブ203b内の圧力調整が完了すれば点滴筒204内の滴下は停止する。更に、クランプ50が全閉形態であれば、仮に点滴筒204内での滴下が発生していても、患者への投与は行われない。したがって、本実施形態の報知部352は、取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態情報を取得し、かつ、輸液ポンプ300の動作モード情報として送液停止モード情報を取得した場合には、たとえ滴下状態情報として異常滴下状態を示す異常滴下情報を取得していたとしても、知覚識別情報を外部に報知しない。
報知部352としては、例えば、後述する制御部353の指令により各種の警報内容を音声により報知する知覚報知部としてのスピーカとすることができる。また、報知部352の別例としては、後述する制御部353の指令により各種の警報を音により報知する知覚報知部としてのブザーとすることができる。更に、報知部352としては、例えば、後述する制御部353の指令により各種の警告メッセージを表示することで外部に報知する知覚報知部としての表示部304とすることができる。
[制御部353]
制御部353は、輸液ポンプ300の各部に対して動作タイミングや動作の指示等を行い、CPUやMPUなどのプロセッサにより構成されている。より具体的には、本実施形態の制御部353は、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、不揮発性メモリ、及び、クロックを備えている。クロックは、所定の操作により現在時刻の修正ができ、現在時刻の取得や、所定の送液作業の経過時間の計測、送液の速度制御の基準時間の計測等ができる。
また、制御部353は、電源スイッチボタン305Aと、スイッチと、に接続されている。スイッチは、電源コンバータ部と例えばリチウムイオン電池のような充電池を切り換えることで、電源コンバータ部と充電池のいずれかから制御部353に電源供給する。電源コンバータ部は、コンセントを介して商用交流電源に接続されている。
また、制御部353は、表示部ドライバに表示部304を駆動させるように指令し、上述した投与の予定注入量(mL)や、表示部304に各種の警告メッセージ等を表示する。
制御部353は、取得部351が取得した各種情報に基づき、例えば、送液駆動部312を制御する。制御部353は、例えば、取得部351が動作モード情報として送液モード情報を取得し、かつ、クランプ50の形態情報として全開形態情報を取得した場合に、送液モードを実行し、送液駆動部312を駆動する。これに対して、制御部353は、例えば、取得部351が、動作モード情報として送液モード情報を取得し、かつ、クランプ50の形態情報として全閉形態情報を取得した場合に、送液駆動部312を駆動させずに送液モードを実行させない。
また、制御部353は、取得部351が取得した各種情報に基づき、報知部352を制御する。以下、制御部353による送液駆動部312及び報知部352の制御について詳細に説明する。
図12は、輸液ポンプ300の制御部353が行う送液駆動部312及び報知部352の制御の一例を示す制御フロー図である。輸液ポンプ300の電源スイッチボタン305Aが押下されることで輸液ポンプ300の電源が駆動し、制御部353は起動する。制御部353は、取得部351が取得している各種情報に基づき、送液駆動部312及び報知部352を制御する。図12に示す制御フロー図は、輸液ポンプ300を送液停止モードにした状態を初期状態(ステップS1)としている。
図12に示すように、制御部353は、ステップS2において、取得部351がドア部302の開閉状態情報として閉状態情報を取得しているか否かを判断する。取得部351が閉状態情報を取得している場合(ステップS2でYesの場合)に、ステップS3へと進む。ステップS3では、取得部351が動作モード情報として送液モード情報を取得しているか否かを判断する。取得部351が送液モード情報を取得している場合(ステップS3でYesの場合)に、ステップS4へと進む。ステップS4では、取得部351がクランプ50の形態情報として全開形態情報を取得しているか否かを判断する。そして、取得部351が全開形態情報を取得している場合(ステップS4でYesの場合)に、ステップS5へと進む。ステップS5では、送液駆動部312を駆動させ、送液モードを開始させる。これにより、第2チューブ203bを通じて患者体内へ薬液等の液体を投与することができる。
ステップS4において、取得部351がクランプ50の形態情報として全開形態情報を取得していない、上述の第1の非正常状態の場合(ステップS4でNoの場合)、ステップS6に進み、制御部353は、報知部352に、音、色、光等の人間が知覚により識別可能な知覚識別情報を報知させる。
これにより、クランプ50が全開形態ではなく、患者への所望量の投与が実行できない状態にあることを、医療従事者に知覚させることができ、クランプ50を全開形態にする操作を医療従事者に促すことができる。ステップS6における音、色、光等による報知は、クランプ50が全開形態とされ、取得部351が全開形態情報を取得するまで実行する。逆に言えば、ステップS6における音、色、光等による報知は、取得部351が全開形態情報を取得した場合に停止される。報知部352により外部に報知されている間、輸液ポンプ300の表示部304には、クランプ50を全開形態にする操作を促す警告を表示するようにすることが好ましい。そして、クランプ50が全開形態とされ、取得部351が全開形態情報を取得した場合に、ステップS5に進み、送液モードでの送液駆動部312の駆動を開始する。
本実施形態では、図12に示すステップS4で「取得部351がクランプ50の形態情報として全開形態情報を取得していない場合」とは、取得部351が、クランプ50の形態情報として全閉形態に対応する全閉形態情報、及び、制限開放形態に対応する制限開放形態情報、のいずれかを取得している場合を意味している。
次に、上述したステップS3において、取得部351が送液モード情報を取得していない場合、すなわち、取得部351が送液停止モード情報を取得している場合、について説明する。本実施形態において取得部351が送液モード情報を取得していない場合(ステップS3でNoの場合)、ステップS7に進む。ステップS7では、報知部352による報知を行うことなく、送液停止モードを維持する。
次に、上述したステップS2において、取得部351がドア部302の閉状態情報を取得していない場合、すなわち、取得部351がドア部302の開状態情報を取得している場合について説明する。
ステップS2において、取得部351がドア部302の開状態情報を取得している場合(ステップS2でNoの場合)、ステップS8に進む。ステップS8では、取得部351がクランプ50の全閉形態情報を取得しているか否かを判断する。そして、取得部351がクランプ50の全閉形態情報を取得している場合(ステップS8でYesの場合)には、上述したステップS7に進み、報知部352による報知を行うことなく、送液停止モードを維持する。逆に、取得部351がクランプ50の全閉形態情報を取得していない場合、すなわち、取得部351がクランプ50の全開形態情報及び制限開放形態情報のいずれかの形態情報を取得している、上述の第2の非正常状態の場合(ステップS8でNoの場合)には、ステップS9に進む。ステップS9で、制御部353は、報知部352に、音、色、光等の人間が知覚により識別可能な知覚識別情報を報知させる。これにより、上述したフリーフローのおそれがあることを医療従事者に知覚させることができ、クランプ50を全閉形態へと操作させるように促すことができる。
ステップS9における報知部352による音、色、光等による報知は、クランプ50が全閉形態とされ、取得部351が全閉形態情報を取得するまで実行する。逆に言えば、ステップS9における音、色、光等による報知は、クランプ50が全閉形態とされ、取得部351が全閉形態情報を取得した場合に停止する。ステップS9において報知部352により外部に報知されている間、輸液ポンプ300の表示部304には、クランプ50を全閉形態にする操作を促す警告を表示するようにすることが好ましい。そして、クランプ50が全閉形態とされ、取得部351が全閉形態情報を取得した場合に、ステップS7に進み、報知部352の報知が停止すると共に、送液停止モードが維持される。
次に、ステップS5において送液モードを開始した後の制御について説明する。上述したように、送液モードが開始されると、送液駆動部312のフィンガ構造体312c(図11参照)の動作が開始され、輸液ライン200の流路に沿って薬液等の液体が移送される。ステップS10では、取得部351が、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブから異常滴下情報を取得しているか否かを判断する。
ステップS10において、取得部351が異常滴下情報を取得している場合(ステップS10でYesの場合)、ステップS11へ進む。ステップS11では、送液モードを停止し、送液停止モードへと切り替える。逆に、ステップS10において、取得部351が異常滴下情報を取得していない場合、すなわち、取得部351が正常滴下情報を取得している、又は、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブから何ら情報を得ていない場合(ステップS10でNoの場合)、ステップS12に進む。
ステップS12では、取得部351が送液停止モード情報を取得しているか否かを判断する。ステップS12において、取得部351が送液停止モード情報を取得している場合(ステップS12でYesの場合)、上述したステップS11へと進み、送液モードを停止し、送液停止モードへと切り替える。また、ステップS12において、取得部351が送液停止モード情報を取得していない場合(ステップS12でNoの場合)には送液モードを維持する。したがって、取得部351が、異常滴下情報又は送液停止モード情報を取得するまで、送液モードが続行される。
次に、ステップS7において送液停止モードが維持された後の制御について説明する。ステップS13では、取得部351が、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブから異常滴下情報を取得しているか否かを判断する。ステップS13において、取得部351が異常滴下情報を取得している場合(ステップS13でYesの場合)には、ステップS14進む。ステップS14では、取得部351がクランプ50の形態情報として全閉形態情報を取得しているか否かを判断する。ステップS14において、取得部351がクランプ50の全閉形態情報を取得している場合(ステップS14でYesの場合)、ステップS15に進み、報知部352に外部へ報知させることなく、送液停止モードを維持する。
このように、取得部351が異常滴下情報を取得しているにもかかわらず、制御部353は、報知部352による報知を実行しない。クランプ50が全閉形態であれば、異常滴下状態が発生していても患者への投与は行われず、安全性は確保できるためである。滴下数異常検知装置205としての点滴プローブは、送液停止モードにおいて、単位時間当たりの所定の滴下数がゼロ滴(0滴)であることを正常滴下状態と検知し、滴下数がゼロ滴より大きい場合を異常滴下状態と検知する。
上述したステップS13において、取得部351が異常滴下情報を取得していない場合、すなわち、取得部351が正常滴下情報を取得している、又は、滴下数異常検知装置205としての点滴プローブから何ら情報を得ていない場合(ステップS13でNoの場合)には、上述したステップS15に進み、送液停止モードが維持される。
また、上述したステップS14において、取得部351が全閉形態情報を取得していない場合、すなわち、取得部351が全開形態情報及び制限開放形態情報のいずれかを取得している場合(ステップS14でNoの場合)、制御部353は、ステップS16に進み、報知部352に対して、音、色、光等の人間が知覚により識別可能な知覚識別情報を報知させる。これにより、患者に対して意図しない薬液等の投与が実行されている可能性を医療従事者に知覚させることができ、輸液ライン200(図1参照)の状態を確認するように促すことができる。
ステップS16における音、色、光等による報知は、クランプ50が全閉形態とされ、取得部351が全閉形態情報を取得するまで実行する。逆に言えば、ステップS16における音、色、光等による報知は、取得部351が全閉形態情報を取得した場合に停止される。報知部352により外部に報知されている間、輸液ポンプ300の表示部304には、クランプ50を全閉形態にする操作を促す警告を表示することが好ましい。
最後に、送液モードにおいて制御部353により制御される送液駆動部312の動作について説明する。
図11に示す制御部353の指令により、駆動モータ312aの出力軸が回転すると、6個のフィンガ320a〜320fが順番に所定ストローク分進退する。より具体的に、6個のフィンガ320a〜320fは所定方向に順次突出するように進退する。第2チューブ203bのうち、フィンガ320a〜320fと、チューブ押さえ部材313と、の間に保持されている部分は、上述のフィンガ320a〜320fの進退により扱かれて蠕動運動する。これにより、第2チューブ203b内の液体は、流路下流側へと移送される。
本発明に係るクランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置は、上述した具体的な構成に限られず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。例えば、上述したクランプ形態検知システム100は、クランプ形態検知装置1と、輸液ポンプ300と、を備えるが、輸液ポンプ300に限られず、シリンジポンプ等の別の送液ポンプを含むクランプ形態検知システムとしてもよい。更に、クランプ形態検知装置1からクランプ50の形態情報を取得し、取得した形態情報を識別可能な識別情報として外部に報知する外部報知装置であればよく、送液ポンプに限られない。但し、外部報知装置として送液ポンプを用いれば、上述した実施形態のクランプ50、及び、送液ポンプとしての輸液ポンプ300、のように、クランプ50及び送液ポンプの状態から警報等の各種報知を行う制御を実行することができる。
また、上述のクランプ形態検知システム100では、輸液ポンプ300の報知部352が、クランプ形態検知装置1から取得したクランプ50の形態情報に基づき、この形態情報を識別可能な音や光等の知覚識別情報として、外部に報知を行うが、例えば、輸液ポンプ300の報知部352が、更に別の外部装置に対して有線通信や無線通信によって、クランプ形態検知装置1から取得したクランプ50の形態情報に対応する識別情報をデータとして送信することにより、外部に報知を行ってもよい。
更に、上述したクランプ形態検知装置1の報知部3は、送液ポンプとしての輸液ポンプ300に対してクランプ50の形態情報を送信する送信装置により構成されている。より具体的に、上述したクランプ形態検知装置1の報知部3は、クランプ50の形態情報を、外部報知装置としての輸液ポンプ300が識別可能な識別情報により輸液ポンプ300へ送信する送信装置で構成されている。しかしながら、クランプ形態検知装置1の報知部3は、外部報知装置に対して報知する構成に限られず、報知部3自らが、人間が識別可能な知覚識別情報により外部へ報知してもよい。また、上述したクランプ形態検知装置1が、輸液ポンプ300から各種情報を取得する取得部を備える構成としてもよい。取得部は、例えば、有線通信又は無線通信により各種情報を取得する受信装置により構成してもよい。
上述の実施形態では、クランプ形態検知装置1の検知部2が、クランプ50の全開形態、全閉形態、及び、制限開放形態の3つの形態を検知可能であるが、検知部2は、これら3つの形態を検知可能な構成に限られない。輸液ポンプ300の制御部353が、上述した第1の非正常状態(図12のステップS6を参照)を判断するためには、検知部2は、クランプ50の第1形態としてのクランプ50の全開形態、又は、クランプ50の第2形態としてのクランプ50の全開形態以外の形態、を検知できればよい。つまり、検知部2としては、クランプ50が全開形態にあるか否かのみを検知できるセンサにより構成することが可能である。また、輸液ポンプ300の制御部353が、上述した第2の非正常状態(図12のステップS9を参照)を判断するためには、検知部2は、クランプ50の第1形態としてのクランプ50の全閉形態以外の形態、又は、クランプ50の第2形態としてのクランプ50の全閉形態、を検知できればよい。つまり、検知部2としては、クランプ50が全閉形態にあるか否かのみを検知できるセンサにより構成することが可能である。所定の目的に応じて、クランプ50の異なる形態としての第1形態及び第2形態を検知できる検知部2であればよく、検知すべき形態についても、全開形態や全閉形態に限られない。但し、本実施形態の検知部2のように、クランプ50の全開形態及び全閉形態の両方を検知可能とすれば、輸液ポンプ300の制御部353が、少なくとも上述の第1の非正常状態(図12のステップS6を参照)、及び、上述の第2の非正常状態(図12のステップS9を参照)の両方を判断可能となるため好ましい。
また、上述の実施形態では、クランプ50に取り付け可能なクランプ形態検知装置1を示したが、着脱自在ではないクランプ部を含む一体型のクランプ形態検知装置としてもよい。
本開示は、クランプ形態検知システム及びクランプ形態検知装置に関する。
1:クランプ形態検知装置
2:検知部
3:報知部
4:制御部
10:ハウジング
10a:溝部
10a1:底部
10a2:溝壁
11:センサ
11a:第1センサ
11b:第2センサ
12:センサ
12a:第1センサ
12b:第2センサ
13:センサ
14:センサ
15a:発信部
15b:受信部
16:策像部
17:制御部
18:感圧部
19:制御部
50:クランプ
51:ハウジング
52:回転体
52a:突出部
53:溝部
54:溝壁
54a:ガイド長溝
55:底部
56:磁石
100:クランプ形態検知システム
200:輸液ライン
201:輸液容器
202:留置針
203:チューブ
203a:第1チューブ
203b:第2チューブ
204:点滴筒
205:滴下数異常検知装置
250:スタンド
300:輸液ポンプ(送液ポンプ、外部報知装置)
301:本体部
302:ドア部
304:表示部
305:操作パネル部
305A:電源スイッチボタン
305B:早送りスイッチボタン
305C:開始スイッチボタン
305D:停止スイッチボタン
305E:メニュー選択ボタン
306:チューブ装着部
307:気泡センサ
308:上流閉塞センサ
309:下流閉塞センサ
310:第1チューブガイド部
311:第2チューブガイド部
312:送液駆動部
312a:駆動モータ
312b:カム構造体
312c:フィンガ構造体
313:チューブ押さえ部材
314、315:係合部材
316:レバー
317、318:嵌め込み部
319a〜319f:カム
320a〜320f:フィンガ
321:出力軸
322:チューブクランプ部
351:取得部
352:報知部
353:制御部
送液方向A

Claims (9)

  1. チューブを開放状態とする第1形態と、前記チューブを前記開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能なクランプに取り付け可能なクランプ形態検知装置と、
    前記クランプ形態検知装置から前記クランプの形態情報を取得し、取得した前記形態情報を識別可能な識別情報として外部に報知する外部報知装置と、を備え、
    前記クランプ形態検知装置は、
    前記クランプに取り付けられている状態で、前記クランプの前記第1形態及び前記第2形態の少なくともいずれかを検知可能な検知部と、
    前記検知部の検知情報に基づく前記クランプの前記形態情報を、前記外部報知装置に報知する報知部と、を備えるクランプ形態検知システム。
  2. 前記外部報知装置は、前記チューブ内の液体を送液可能な送液駆動部を備える送液ポンプである、請求項1に記載のクランプ形態検知システム。
  3. 前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第1形態として前記チューブを全開状態とする全開形態と、前記クランプの前記第2形態として前記全開形態以外の形態と、を検知可能であり、
    前記送液ポンプは、
    前記送液ポンプの動作モード情報、及び、前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、を取得する取得部と、
    前記取得部が、前記動作モード情報として前記送液駆動部を駆動させて送液を実行する送液モードであること、及び、前記形態情報として前記全開形態以外の形態であること、を取得した非正常状態の場合に、人間が識別可能な知覚識別情報を外部へ報知する知覚報知部と、を備える、請求項2に記載のクランプ形態検知システム。
  4. 前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第1形態として前記チューブを全開状態とする全開形態と、前記クランプの前記第2形態として前記全開形態以外の形態と、を検知可能であり、
    前記送液ポンプは、
    前記送液ポンプの動作モード情報、及び、前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、を取得する取得部と、
    前記取得部が、前記動作モード情報として前記送液駆動部を駆動させて送液を実行する送液モードであること、及び、前記形態情報として前記全開形態以外の形態であること、を取得した非正常状態の場合に、前記送液モードを実行させない制御部と、を備える、請求項2に記載のクランプ形態検知システム。
  5. 前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの前記第2形態として、前記チューブを全閉状態とする全閉形態を検知可能であり、
    前記送液ポンプの前記取得部は、点滴筒の単位時間当たりの滴下数が所定の滴下数と異なる異常滴下状態を検知可能な滴下数異常検知装置から滴下状態情報を取得可能であり、
    前記取得部が、前記形態情報として前記全閉形態であること、及び、前記滴下状態情報として異常滴下状態であること、を取得した場合に、前記知覚報知部は、前記知覚識別情報を外部に報知しない、請求項3に記載のクランプ形態検知システム。
  6. 前記クランプ形態検知装置の前記検知部は、前記クランプの第2形態として前記チューブを全閉状態とする全閉形態と、前記クランプの前記第1形態として前記全閉形態以外の形態と、を検知可能であり、
    前記送液ポンプは、
    前記クランプ形態検知装置の前記報知部から報知される前記クランプの前記形態情報、及び、前記送液ポンプの本体部に対して開閉可能な、前記本体部との間で前記チューブを保持する前記送液ポンプのドア部、の開閉状態情報、を取得する取得部と、
    前記取得部が、前記形態情報として前記全閉形態以外の形態であること、及び、前記開閉状態情報として前記ドア部が開かれた状態であること、を取得した非正常状態の場合に、人間が識別可能な知覚識別情報を外部へ報知する知覚報知部と、を備える、請求項2に記載のクランプ形態検知システム。
  7. チューブを開放状態とする第1形態と、前記チューブを前記開放状態よりも閉じた状態とする第2形態と、の間で変化可能なクランプに取り付け可能であり、
    前記クランプに取り付けられている状態で、前記クランプの前記第1形態及び前記第2形態の少なくともいずれかを検知可能な検知部と、
    前記検知部の検知情報に基づく前記クランプの形態情報を報知する報知部と、を備えるクランプ形態検知装置。
  8. 前記報知部は、前記クランプの前記形態情報を、人間が識別可能な知覚識別情報により外部へ報知する、請求項7に記載のクランプ形態検知装置。
  9. 前記報知部は、前記クランプの前記形態情報を、外部報知装置が識別可能な識別情報により、前記外部報知装置へ報知する、請求項7に記載のクランプ形態検知装置。
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