JP2018157486A - 送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法 - Google Patents

送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法 Download PDF

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【課題】本発明は、複数の増幅素子のそれぞれのゲートバイアス電圧を精度良く調整可能な、送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法の提供を目的とする。【解決手段】ゲートバイアス電圧制御装置100は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnと、制御部10と、電源配線30と、電流センサ20と、を備え、電源配線30は、電源50に接続された幹部分31と、分岐部分32と、を備え、電流センサ20はホール素子22を備え、ホール素子22には、電源配線30の幹部分31を流れる電流によって生じる磁界が入力され、制御部10は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能であり、制御部10は、電流センサ20から得た測定値に基づいて、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲートバイアス電圧を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法に関し、特に多素子アンテナを有する送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法に関する。
第5世代携帯電話システムにおいては、従来の準マイクロ波帯マクロセル基地局のセル内に高SHF帯のピコセル基地局装置が配置される。第5世代携帯電話システムにおいては、伝搬距離の長い準マイクロ波帯基地局を介して制御情報の通信が行われる。また、帯域の広い高SHF帯基地局を介してユーザデータの通信が行われる。高SHF帯基地局装置では、空間多重方式による周波数利用効率改善のため、適応制御型のフェーズドアレーアンテナ(Adaptive Phased Array Antenna:APAA)が採用されている。
APAAシステムは、アレーアンテナを構成する多素子アンテナのそれぞれに個別に送受信機が接続される。各素子アンテナの励振振幅および励振位相をダイナミックに制御することで、アンテナ放射パターンをダイナミックに変化させて同一周波数での空間多重通信を可能にする。
通常、APAAを構成するアンテナの個数は、例えば16から1024の範囲で選択される。所望の指向性を精度良く実現するためには、個々の素子の特性が揃っている必要があり、各送受信機の利得・飽和特性を細かく調整する必要がある。
一般にマイクロ波、ミリ波送受信機には、増幅素子としてGaAs−pHEMTやGaN−pHEMTによるMMICが適用される。増幅素子の利得・飽和特性は無信号時のドレイン電流(IDq)の大きさに依存する。各増幅素子のIDqの大きさは当該デバイスのゲートバイアス電圧を制御することにより調整することが可能である。IDqをある一定の値にするためのゲートバイアス電圧の大きさは、個々の増幅素子ごとに大きくばらつくことが知られている。
従って、各増幅素子の特性を揃えるための調整は、無信号状態においてドレイン電流を測定しながらゲートバイアス電圧を変化させるという手順をとる。MMIC上でのゲートバイアス電圧の調整にはレーザートリミング抵抗が使用されるのが一般的だが、レーザートリミング抵抗は高価である上、高抵抗から低抵抗への変更しか出来ないなど、設計上の制約事項が大きい。
マイクロ波又はミリ波の送受信機を構成する高出力増幅器(HPA)、低雑音増幅器(LNA)には、これら増幅素子が2〜3段ずつ使用される。従ってAPAAの各素子アンテナあたりの調整点数は送受合わせて4〜6箇所となる。仮に5箇所とするとAPAA全体では、80〜5120カ所のゲートバイアス電圧の調整が必要である。従って、APAAを低コストで効率よく生産するためには、これら調整の自動化と調整回路・設備の簡易化が重要な課題である。
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、シャント抵抗素子を用いたドレイン電流モニタ回路によって、各増幅器に流れるドレイン電流の総量を測定し、これが所望の値になるように各増幅素子のゲート電圧を設定する方法が開示されている。また、特許文献2では、各増幅器の受信利得を測定してバイアス電圧を決定する技術が開示されている。
特開2005−227031号公報 特開2009−69125号公報
APAAのような超多素子アンテナの場合、全ての増幅素子に流れる電流の総和は、個々の増幅素子に流れる電流の10から1000倍に達する。そのため、特許文献1のように、シャント抵抗素子による電圧降下の大きさで電流を測定する電流センサでは、総電流の1/100、1/1000といった微少な電流の変化を検出することが困難であった。従って、ゲートバイアス電圧を調整する精度が著しく低下するという問題があった。
さらに、複数の増幅素子のそれぞれにシャント抵抗素子を配置し、電圧降下の大きさで各増幅素子のドレイン電流を個別に測定する構成においては、電流センサと各増幅素子との接続を選択的に切り替える配線経路を設ける必要があり、回路が複雑になる問題があった。
また、特許文献2ではアンテナの接続端に受信電波に相当する信号発生器を接続し、MMICから出力される受信信号の高周波特性を測定して、測定結果が規格内に入るようにバイアス条件を設定する方法が開示されている。この技術によれば、アレーを構成する全ての受信デバイス(MMIC)のバイアス電圧を個別に設定することが可能になる。しかし、この方法では送信デバイスを調整することが不可能であった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、複数の増幅素子のそれぞれのゲートバイアス電圧を精度良く調整可能な、送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置およびゲートバイアス電圧制御方法の提供を目的とする。
本発明に係る送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置は、アンテナから送信する送信信号、又はアンテナで受信した受信信号を増幅する複数の増幅素子と、複数の増幅素子のそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を制御する制御部と、複数の増幅素子と電源を接続する電源配線と、電流センサと、を備え、電源配線は、電源に接続された幹部分と、幹部分から分岐して複数の増幅素子のドレイン電極のそれぞれに接続された分岐部分と、を備え、電流センサは、入力される磁界の磁束密度に応じた電圧を発生するホール素子を備え、ホール素子には、電源配線の幹部分を流れる電流によって生じる磁界が入力され、制御部は、複数の増幅素子を個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能であり、ピンチオフ状態とは、増幅素子のドレイン電極にドレイン電流が流れないようなゲートバイアス電圧がゲート電極に印加されている状態であり、制御部は、電流センサから得た測定値に基づいて、複数の増幅素子のそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整する。
本発明に係る送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置によれば、電流センサはホール素子を備え、電源配線に非接触で電流の測定を行う。従って、シャント抵抗素子の電圧降下で電流を測定する構成と比較して、各増幅素子のドレイン電圧が低下することがないため、各増幅素子の性能に影響を与えずに電流の測定を行うことが可能である。さらに、ゲートバイアス電圧の調整に際して特別な試験信号や信号発生器を使用しないので、送信側、受信側の両方の増幅器のゲートバイアス電圧を調整することが可能である。
また、電流センサを非接触のセンサとすることで、電流センサの測定可能範囲を大きく超える電流が入力される場合であっても、増幅素子の電源電圧が低下することがない。従って、例えば、複数の増幅素子のうち、調整対象の増幅素子以外の増幅素子をピンチオフ状態に切り替えることによって、調整対象の増幅素子に流れるドレイン電流のみを測定する場合は、増幅素子1つ分のドレイン電流を測定するときに最も精度が良くなるように電流センサの測定可能範囲を設定することが可能となる。
また、例えば、複数の増幅素子のうち、調整対象の増幅素子以外の増幅素子を稼働させ、調整対象の増幅素子をピンチオフ状態にした状態において、ドレイン電流の総電流の変化を測定する場合は、送受信装置の送受信処理を中断することなく、ゲートバイアス電圧の調整が可能である。
実施の形態1に係るゲートバイアス電圧制御装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係るゲートバイアス電圧制御装置に備わるゲートバイアス電圧制御部および測定値判定部のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係るゲートバイアス電圧制御装置の電流センサの入出力特性を示す図である。 実施の形態1に係るゲートバイアス電圧制御装置のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例に係るゲートバイアス電圧制御装置の構成を示す図である。 実施の形態2に係るゲートバイアス電圧制御装置のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るゲートバイアス電圧制御装置のゲートバイアス電圧の調整を説明するための電流センサの入出力特性を示す図である。 実施の形態3に係るゲートバイアス電圧制御装置の構成を示す図である。 実施の形態3に係るゲートバイアス電圧制御装置の電流センサの入出力特性を示す図である。 実施の形態4に係るゲートバイアス電圧制御装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係るゲートバイアス電圧制御装置のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。 実施の形態5に係るゲートバイアス電圧制御装置の構成を示す図である。 実施の形態5に係るゲートバイアス電圧制御装置のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。 電流センサの変形例を示す図である。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置100の構成を示す図である。ここで、送受信装置とは、例えばAPAAシステムが適用された、多素子アンテナを有する送受信装置である。以下で説明するゲートバイアス電圧制御装置100は、送受信装置において送受信信号の増幅に用いられる複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲートバイアス電圧の調整を行うものである。
ゲートバイアス電圧制御装置100は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnと、制御部10と、電源配線30と、電流センサ20を備える。
複数の増幅素子の個数はnである。nは例えば16以上1024以下の範囲で任意に選択される。なお、nは2以上であればよく、上記範囲に限定されるものではない。1番目、2番目、3番目の増幅素子をそれぞれ増幅素子AMP1,AMP2,AMP3と記載する。i番目の増幅素子を増幅素子AMPiと記載する。ここでiは1以上n以下の任意の整数である。また、複数の増幅素子を互いに区別しない場合は単に増幅素子AMPと記載する。
なお、上記参照符号のルールは、後述する高周波集積回路MMIC1〜MMICn、デジタルアナログ変換器DAC1〜DACn、ゲートバイアス信号SG1〜SGn、ゲートバイアス電圧G1〜Gn、ドレイン電流D1〜Dnに関しても同様である。
複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれは、高周波集積回路MMIC1〜MMICnのそれぞれに形成されている。なお、複数の増幅素子AMP1〜AMPnは、1つの高周波集積回路に形成されていてもよいし、複数の高周波集積回路に分かれて形成されていてもよい。複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれは、例えばGaAs−pHEMT又はGaN−pHEMTである。
複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれは、送受信装置に設けられた多素子アンテナ(図示せず)に接続される。複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれは、アンテナから送信されるマイクロ波又はミリ波の信号を増幅するための高出力増幅器である。また、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれは、アンテナが受信したマイクロ波又はミリ波の信号を増幅するための低雑音増幅器であってもよい。
制御部10は、ゲートバイアス電圧制御部11と、バイアス電圧生成部12と、測定値判定部13とを備える。制御部10は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を制御する。
バイアス電圧生成部12は、複数のデジタルアナログ変換器DAC1〜DACnを備える。デジタルアナログ変換器DAC1〜DACnのそれぞれには、ゲートバイアス電圧制御部11からゲートバイアス信号GS1〜GSnが入力される。デジタルアナログ変換器DAC1〜DACnのそれぞれは、ゲートバイアス信号GS1〜GSnをアナログ信号に変換して、ゲートバイアス電圧G1〜Gnとして複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲート電極に印加する。
さらに、ゲートバイアス電圧制御部11は、デジタルアナログ変換器DAC1〜DACnのそれぞれに個別にピンチオフ信号PSを入力することが可能である。デジタルアナログ変換器DACiは、ピンチオフ信号PSが入力されると、増幅素子AMPiのゲート電極にピンチオフ電圧を印加する。
ここで、ピンチオフ電圧とは、増幅素子AMPのドレイン電極にドレイン電流が流れないようなゲートバイアス電圧を意味する。また、ピンチオフ状態とは、増幅素子AMPのゲート電極にピンチオフ電圧が印加されている状態を意味する。
つまり、本実施の形態1において、制御部10は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能である。制御部10は、電流センサ20から得た測定値に基づいて、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整する。調整方法については後述する。
複数の増幅素子AMP1〜AMPnと電源50を接続する電源配線30は、幹部分31と分岐部分32を備える。幹部分31は電源50に接続される。分岐部分32は、幹部分31から分岐して、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電極のそれぞれに接続される。つまり、幹部分31を流れるドレイン電流IDDは、増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれに流れるドレイン電流ID1〜IDnの総電流量となる。
電流センサ20はホール素子22を備える。図1に示すように、ホール素子22は、入力される磁界の磁束密度に応じた電圧を発生する。ホール素子22には、電源配線30の幹部分31を流れる電流によって生じる磁界が入力される。ホール素子22が発生する電圧は増幅器23で増幅され、アナログデジタル変換器(ADC)においてデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された測定値は、制御部10に備わる測定値判定部13に入力される。
図2は、ゲートバイアス電圧制御装置100の制御部10に備わるゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13に関するハードウェア構成図である。図2に示すように、ゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13の各機能は、処理回路HW1により実現される。処理回路HW1は、専用のハードウェアであっても、メモリHW2に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。
処理回路HW1が専用のハードウェアである場合、処理回路HW1は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。ゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13の各機能それぞれを個別の処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路HW1で実現してもよい。
処理回路HW1がCPUの場合、ゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリHW2に格納される。処理回路HW1は、メモリHW2に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。また、これらのプログラムは、ゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリHW2とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、あらゆる記憶媒体が該当する。
なお、ゲートバイアス電圧制御部11および測定値判定部13の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、ゲートバイアス電圧制御部11については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、測定値判定部13については処理回路HW1がメモリHW2に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路HW1は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
図3は、電流センサ20の入出力特性を示す図である。電流センサ20への入力はドレイン電流であり、電流センサ20は入力された電流値に応じて電圧を出力する。なお、電流センサ20のホール素子22は電源配線30には非接触であるため、電流センサ20に電流が流れ込むわけではなく、電流によって発生する磁界が電流センサ20のホール素子22に入力される。
電流センサ20の入出力特性は、電流の増加に対して電圧の増加が一定でない非線形の立ち上がり領域Aと、電流の増加に対して電圧の増加がほぼ一定である線形の領域Bを有する。また、電流センサ20に入力される電流がある値を超えると、出力電圧は飽和する。
電流センサ20の出力電圧が飽和する飽和電流は、ホール素子22の特性を変更することで任意に設定可能である。即ち、1つ分の増幅素子AMPのドレイン電流を基準として飽和電流を設定することも可能であるし、複数の増幅素子AMP1〜AMPnの総電流を基準として飽和電流を設定することも可能である。
本実施の形態1では、ゲートバイアス電圧調整の際に、電流センサ20には増幅素子AMP1つ分のドレイン電流が入力される。従って、電流センサ20の飽和電流は、1つ分の増幅素子AMPのドレイン電流を基準としてある程度の余裕を設けて設定される。
<動作>
図4は、ゲートバイアス電圧制御装置100のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。ゲートバイアス電圧制御装置100は、1番目の増幅素子AMP1からn番目の増幅素子AMPnまで順番にゲートバイアス電圧の調整を行う。
まず、iがi=1に設定される(ステップS101)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、i番目、即ち1番目の増幅素子AMP1以外の全ての増幅素子をピンチオフ状態に切り替える(ステップS102)。つまり、増幅素子AMP1以外の全ての増幅素子にはドレイン電流が流れない状態となる。
次に、電流センサ20で増幅素子AMP1への流入するドレイン電流を測定しながら、その値が予め定められた電流値になるまで、増幅素子AMP1のゲートバイアス電圧を徐々に上昇させる(ステップS103)。測定値判定部13は電流センサ20が測定する電流値が予め定められた値に達したか否かの判定を行う。電流センサ20が測定する電流値が予め定められた値に達した場合、ゲートバイアス電圧制御部11は、そのときのゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス信号SG1をメモリHW2に記録する。以上の動作により、増幅素子AMP1に最適なゲートバイアス電圧(基準ゲートバイアス電圧とも記載する)が設定される(ステップS104)。
次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、i=nであるか否かの判定を行う(ステップS105)。ここではi=1のため、ステップS106に進む。ステップS106ではi=i+1とする。
そして、ゲートバイアス電圧制御部11はステップS102を実行する。このとき、i=2であるので、ゲートバイアス電圧制御部11は、i番目、即ち2番目の増幅素子AMP2以外の全ての増幅素子をピンチオフ状態に切り替える。つまり、増幅素子AMP2以外の全ての増幅素子にはドレイン電流が流れない状態となる。そして、増幅素子AMP2に関して、増幅素子AMP1と同様にゲートバイアス電圧の調整が行われ、増幅素子AMP2に基準ゲートバイアス電圧が設定される。以降、増幅素子AMPnまで順番にゲートバイアス電圧の調整が行われ、それぞれの増幅素子に基準ゲートバイアス電圧が設定される。
以上の動作により、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれに流れる無信号時のドレイン電流を互いに等しくすることが可能である。
なお、図4のフローチャートにおいては、1番目の増幅素子AMP1からAMPnまで順番にゲートバイアス電圧の調整を行ったが、調整を行う順番はこれに限定されるものではない。また、任意の増幅素子AMPを選択してゲートバイアス電圧の調整を行ってもよい。
<効果>
本実施の形態1における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置100は、アンテナから送信する送信信号、又はアンテナで受信した受信信号を増幅する複数の増幅素子AMP1〜AMPnと、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を制御する制御部10と、複数の増幅素子AMP1〜AMPnと電源50を接続する電源配線30と、電流センサ20と、を備え、電源配線30は、電源50に接続された幹部分31と、幹部分31から分岐して複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電極のそれぞれに接続された分岐部分32と、を備え、電流センサ20は、入力される磁界の磁束密度に応じた電圧を発生するホール素子22を備え、ホール素子22には、電源配線30の幹部分31を流れる電流によって生じる磁界が入力され、制御部10は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能であり、ピンチオフ状態とは、増幅素子AMPのドレイン電極にドレイン電流が流れないようなゲート電圧がゲート電極に印加されている状態であり、制御部10は、電流センサ20から得た測定値に基づいて、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整する。
本実施の形態1におけるゲートバイアス電圧制御装置100によれば、電流センサ20はホール素子22を備え、電源配線30の幹部分31に非接触で電流の測定を行う。従って、シャント抵抗素子の電圧降下で電流を測定する構成と比較して、各増幅素子のドレイン電圧が低下することがないため、各増幅素子の性能に影響を与えずに電流の測定を行うことが可能である。さらに、ゲートバイアス電圧の調整に際して特別な試験信号や信号発生器を使用しないので、送信側、受信側の両方の増幅器のゲートバイアス電圧を調整することが可能である。
本実施の形態1では、制御部10が複数の増幅素子AMP1〜AMPnを個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能であるので、例えば、調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子をピンチオフ状態に切り替えることによって、調整対象の増幅素子AMPに流れるドレイン電流のみを測定することが可能である。従って、電流センサ20として、増幅素子AMP1つ分のドレイン電流を測定するときに最も精度が良くなるセンサを採用することが可能となり、複数の増幅素子AMP1〜AMPnの個々のゲートバイアス電圧の調整を精度良く行うことが可能となる。
また、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させて信号の送受信を行う際に、電流センサ20に入力される電流は、調整時のn倍に達する。従って、調整精度を確保する目的で高感度の電流センサ20を用いた場合、信号の送受信時に電流センサ20に入力される電流は、電流センサ20の測定可能範囲を大きく超過する。しかしながら、本実施の形態1においては、ホール素子22を備える電流センサ20を用いるため、電流センサ20に電流が直接流れない。そのため、電流センサ20がダメージを受けることがない。また、電流センサ20によって電源配線30の電圧が降下するなどの影響がない。このように実施の形態1によれば、1つの電流センサ20で、複数の増幅素子AMP1〜AMPnの個々のゲートバイアス電圧の調整を精度良く行うことが可能となる。
また、本実施の形態1における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置100において、制御部10は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子をピンチオフ状態にした状態で、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲート電圧を変化させながら、電流センサ20から得た測定値に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する。
また、本実施の形態1におけるゲートバイアス電圧制御方法は、(a)複数の増幅素子AMP1のうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外をピンチオフ状態に切り替える工程と、(b)工程(a)の後、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を変化させながら、電流センサ20から得た測定値に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、を備える。
本実施の形態1では、調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子をピンチオフ状態に切り替えることによって、調整対象の増幅素子AMPに流れるドレイン電流のみを測定する。従って、電流センサ20として、増幅素子AMP1つ分のドレイン電流を測定するときに最も精度が良くなるセンサを採用することが可能となり、複数の増幅素子AMP1〜AMPnの個々のゲートバイアス電圧の調整を精度良く行うことが可能となる。
<変形例>
図5は、実施の形態1の変形例におけるゲートバイアス電圧制御装置100Aの構成を示す図である。図5に示すように、デジタルアナログ変換器DAC1〜DACnのそれぞれの前段に、温度補償部121〜12nを配置してもよい。温度補償部121〜12nのそれぞれは、温度変化に伴う増幅素子AMP1〜AMPnの特性の変化を補償する。
例えば、増幅素子がGaAs−pHEMTである場合、温度の上昇に伴ってドレイン電流が低下する。即ち、温度の上昇に伴って増幅素子の利得が低下する。そこで、温度補償部121は増幅素子AMP1の温度の上昇に応じて、ゲートバイアス信号GS1を、ゲート電圧を増大させる方向に補正する。温度補償制御部122〜12nの動作に関しても同様である。
<実施の形態2>
本実施の形態2におけるゲートバイアス電圧制御装置200の構成は実施の形態1(図1)と同じため、説明を省略する。
図6は、ゲートバイアス電圧制御装置200のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。また、図7は、ゲートバイアス電圧制御装置200のバイアス電圧調整動作を説明するための電流センサ20の入出力特性を示す図である。
図7に示すように、電流センサ20のホール素子22には暗電流が存在するため、電流センサ20の立ち上がり領域Aにおいて、例えば電流ID1を測定すると測定誤差が大きくなる傾向がある。そこで、本実施の形態2では、図7中の領域Bに示す線形の領域Bにおいて電流の測定を行う。
まず、iがi=1に設定される(ステップS201)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、i番目(即ち1番目)の増幅素子AMP1以外の増幅素子のゲートバイアス電圧を制御することによって、電流センサ20に立ち上がり領域Aを超えて線形の領域Bに達する電流が入力されている状態にする(ステップS202)。このとき、電流センサ20において、例えば図7に示す電流IDD1が測定され、電流センサ20から電圧V1が出力されているとする。
次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、電流センサ20の線形の領域Bにおいて1番目の増幅素子AMP1のゲート電圧を調整する(ステップS203)。つまり、ゲートバイアス電圧制御部11は、増幅素子AMP1のゲートバイアス電圧を徐々に上昇させる。このとき、電流センサ20において、例えば図7に示す電流IDD2が測定され、電流センサ20から電圧V2が出力されているとする。
測定値判定部13は、測定された電流IDD1と電流IDD2の差(ΔI)が予め定められた電流値に等しいか否かの判定を行う。言い換えると、測定値判定部13は出力電圧V1とV2の差(ΔV)予め定められた電圧値に等しいか否かの判定を行う。ここで、予め定められた電流値とは、増幅素子AMP1つ分のドレイン電流値に相当する。
測定値判定部13が、ΔIが予め定められた電流値に等しいと判定した場合、ゲートバイアス電圧制御部11は、そのときのゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス信号GS1をメモリHW2に記録する。以上の動作により、増幅素子AMP1の基準ゲートバイアス電圧が設定される(ステップS204)。
以降、同様にして、n番目の増幅素子AMPnまで順番にゲートバイアス電圧の調整が行われる。ここで、ステップS202の動作について具体的に説明する。例えば、予め、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを、AMP1〜AMP10、AMP11〜AMP20、AMP21〜AMP30のように10個ずつのグループに分けておく。そして、i番目の増幅素子AMPiのゲートバイアス電圧を調整する際は、増幅素子AMPiが属するグループにおいて、増幅素子AMPi以外の増幅素子AMPに予め定められたゲートバイアス電圧を印加して、電流センサ20に立ち上がり領域Aを超えて線形の領域Bに達する電流が流れる状態にする。このとき、増幅素子AMPiが属するグループ以外のグループの増幅素子AMPはピンチオフ状態に切り替えられている。この状態にした上で、ステップS203,S204においてi番目の増幅素子AMPiのゲートバイアス電圧の調整が行われる。
<効果>
本実施の形態2における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置200において、電流センサ20の入出力特性曲線は、非線形の立ち上がり領域Aと、線形の領域Bとを有し、制御部は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子AMPのゲート電圧を制御することによって、電流センサ20に立ち上がり領域Aを超えて線形の領域Bに達する電流が入力された状態にした上で、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲート電圧を変化させながら、電流センサ20の線形の領域Bから得た測定値に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する。
また、本実施の形態2におけるゲートバイアス電圧制御方法において、電流センサ20の入出力特性曲線は、非線形の立ち上がり領域Aと、線形の領域Bとを有し、(c)複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子AMPのゲート電圧を制御して、電流センサ20に立ち上がり領域Aを超えて線形の領域Bに達する電流が入力された状態にする工程と、(d)工程(c)の後、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲート電圧を変化させながら、電流センサ20の線形の領域Bから得た測定値に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、を備える。
電流センサ20に備わるホール素子22には一般に暗電流が存在するため、小さい電流を測定すると測定誤差が大きくなる傾向を示す。本実施の形態2においては、電流センサ20に立ち上がり領域Aを超えて線形の領域Bに達する電流が入力された状態にした上で、電流センサ20の線形の領域Bを利用して調整対象の増幅素子AMPのゲートバイアス電圧の調整を行う。これにより、ホール素子の暗電流の影響を回避して、より精度良くゲートバイアス電圧の調整を行うことが可能である。
<実施の形態3>
図8は、本実施の形態3における送受信装置のゲートバイアス電圧制御装置300の回路構成を示す図である。本実施の形態3におけるゲートバイアス電圧制御装置300は、ゲートバイアス電圧制御装置100(図1)と比較して、電源配線30の幹部分31の電流経路が異なる。
図8に示すように、ゲートバイアス電圧制御装置300において電源配線30の幹部分31は、第1の経路と第2の経路とを備える。
第1の経路は、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を1回通過する経路である。第2の経路は、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を2回通過する経路である。
第1の経路と第2の経路は、スイッチSW1,SW2によって切り替え可能である。スイッチSW1,SW2は制御部10に備わるスイッチ制御部14によって制御される。スイッチ制御部14の機能は、図2に示した処理回路HW1によって実現される。
つまり、第1の経路は、電源50から、電流線31a、非ループ端子S1を選択したスイッチSW1、電流線31b、非ループ端子S1を選択したスイッチSW2を通過する経路である。また、第2の経路は、電源50から、電流線31a、ループ端子S2を選択したスイッチSW1、電流線31c、ループ端子S2を選択したスイッチSW2を通過する経路である。
ゲートバイアス電圧制御装置300のその他の構成はゲートバイアス電圧制御装置100(図1)と同じため、説明を省略する。
図9は、本実施の形態3における電流センサ20の入出力特性を示す図である。本実施の形態3において、第2の経路は、電源配線30の幹部分31を流れる電流を、ホール素子22の前を2回通過させることが可能な経路となっている。
本実施の形態3の構成においては、スイッチSW1,SW2のそれぞれがループ端子S2を選択することにより、ホール素子22に入力される磁界の磁束密度を増大させることができる。従って、電流センサ20の検出感度を高めることが可能である。
本実施の形態3では例えば、個々の増幅素子AMPのゲートバイアス電圧を調整するバイアス電圧調整時は、スイッチSW1,SW2にループ端子S2を選択させる。このとき、電流センサ20の入出力特性は図9中の曲線Cで表される。一方、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させて、送受信装置において信号の送受信を行っているときにドレイン電流の総量を測定する場合は、スイッチSW1,SW2に非ループ端子S1を選択させる。このとき、電流センサ20の入出力特性は図9中の曲線Dで表される。図9に示すように、曲線Cで示される入出力特性は測定可能範囲が狭く、測定感度が高い。一方、曲線Dで示される入出力特性は測定可能範囲が広く、測定感度が低い。
本実施の形態3において、通常動作時(即ち複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させている時)は、スイッチ制御部14はスイッチSW1,SW2に非ループ端子S1を選択させる。これにより、電流センサ20の測定可能範囲が広くなるため、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を測定することが可能となる。
また、本実施の形態3において、実施の形態1および実施の形態2で述べたように調整対象の増幅素子AMPを稼働させてゲートバイアス電圧の調整を行う時は、スイッチ制御部14はスイッチSW1,SW2にループ端子S2を選択させる。これにより、電流センサ20の測定感度が高くなるため、1つの増幅素子AMPのドレイン電流を精度良く測定することが可能となる。
なお、図8において、第2の経路は電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を2回通過する経路であるとしたが、通過する回数は2回に限定されるものではなく、任意の回数通過するように回路を構成して良い。
<効果>
本実施の形態3における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置300において、電源配線30の幹部分31は、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を1回通過する第1の経路と、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を複数回通過する第2の経路と、を備え、第1の経路と第2の経路とが切り替え可能である。
また、本実施の形態3におけるゲートバイアス電圧制御方法において、電源配線30の幹部分31は、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を1回通過する第1の経路と、電源配線30の幹部分31を流れる電流がホール素子22の前を複数回通過する第2の経路と、を備え、(e)電流センサ20が測定する電流が比較的小さい場合に、第2の経路に切り替える工程と、(f)電流センサ20が測定する電流が比較的大きい場合に、第1の経路に切り替える工程と、をさらに備える。
本実施の形態3において、通常動作時(即ち複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させている時)は、電源配線30の幹部分31が第1の経路に切り替えられる。これにより、電流センサ20の測定可能範囲が広くなるため、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を測定することが可能となる。また、調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子をピンチオフ状態にしてゲートバイアス電圧の調整を行う時は、電源配線30の幹部分31が第2の経路に切り替えられる。これにより、電流センサ20の測定感度が高くなるため、1つの増幅素子AMPのドレイン電流を精度良く測定することが可能となる。
<実施の形態4>
図10は、本実施の形態4における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置400の回路構成を示す図である。本実施の形態4におけるゲートバイアス電圧制御装置400は、ゲートバイアス電圧制御装置100(図1)と比較して、故障判定部15をさらに備える。故障判定部15の機能は、図2に示した処理回路HW1によって実現される。本実施の形態4では、電流センサ20は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を測定する。従って、電流センサ20の飽和電流は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を基準としてある程度の余裕を設けて設定される。
本実施の形態4において、ゲートバイアス電圧制御部11は、上位装置制御部60からの故障判定指示信号305を受けると、増幅素子AMP1〜AMPnに対して順番に故障か正常かの判定を行う。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、送受信装置に備わる上位装置制御部60に判定結果信号304を送信する。判定結果信号304には、故障していると判定された増幅素子を識別する情報が含まれている。
上位装置制御部60は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、どの増幅素子AMPが故障しているかを集積して管理している。上位装置制御部60は素子故障情報601を送受信装置に備わるアンテナ制御部70に通知する。素子故障情報601には、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、どの増幅素子AMPが故障しているかを示す情報が含まれている。通知を受けたアンテナ制御部70は、アンテナビーム形成処理時に、故障している増幅素子AMPを制御対象から外してアンテナビームを形成する。つまり、アンテナ制御部70は、故障している増幅素子を「存在しない増幅素子」とみなしてビーム形成演算を行う。
<動作>
図11は、ゲートバイアス電圧制御装置400のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。ゲートバイアス電圧制御装置400は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させて信号の送受信を行っているとする。つまり、ゲートバイアス電圧制御部11は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれに対して基準ゲートバイアス電圧を印加している(ステップS301)。ここで、基準ゲートバイアス電圧とは、各増幅素子AMPに対して予め設定された最適なゲートバイアス電圧である。
ゲートバイアス電圧制御部11は、上位装置制御部60から故障判定指示信号305を受信する(ステップS302)。次に、i=1に設定される(ステップS303)。ゲートバイアス電圧制御部11は、故障判定指示信号305を受信すると、電流センサ20から得た測定値を第1の測定値としてメモリHW2に記録する(ステップS304)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11はi番目(即ち1番目)の増幅素子AMP1をピンチオフ状態に切り替える(ステップS305)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、電流センサ20から得た測定値を第2の測定値としてメモリHW2に記録する(ステップS306)。なお、増幅素子AMP1がピンチオフ状態になっている間においても、増幅素子AMP1以外の複数の増幅素子AMPによって、信号の送受信が継続される。
次に、故障判定部15は、メモリHW2に記録してある第1の測定値と第2の測定値との差が、予め定められた値(電流値Ith)を下回るか否かを判定する(ステップS307)。ここで、電流値Ithは増幅素子AMP1つ分のドレイン電流に相当する。
ステップS307において、第1、第2の測定値の差が電流値Ithを下回ると判定された場合、故障判定部15は、増幅素子AMP1が故障していると判定する(ステップS308)。そして、故障した増幅素子AMP1を識別する情報をメモリHW2に記録する(ステップS309)。
一方ステップS307において、第1、第2の測定値の差が電流値Ith以上と判定された場合、故障判定部15は、増幅素子AMP1が正常と判定する(ステップS310)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は増幅素子AMP1に対して基準ゲートバイアス電圧を印加することにより、ピンチオフ状態を解除する(ステップS311)。
以上で、1番目の増幅素子AMP1に対する故障判定が完了した。次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、i=nであるか否かの判定を行う(ステップS312)。ここではi=1のため、ステップS313に進む。ステップS313ではi=i+1とする。このときi=2となる。そして、ステップS304に戻り、2番目の増幅素子AMP2に対して、増幅素子AMP1と同様にして故障判定が行われる。以降、n番目の増幅素子AMPnまで順に故障判定が行われる。
そして、複数の増幅素子AMP1〜AMPnに対して故障判定が完了すると、ゲートバイアス電圧制御部11は、上位装置制御部60に判定結果信号304を送信する(ステップS314)。判定結果信号304には、故障していると判定された増幅素子AMPを識別する情報が含まれている。そして、アンテナ制御部70は、アンテナビーム形成処理時に、故障している増幅素子AMPを制御対象から外してアンテナビームを形成する。
<効果>
本実施の形態4における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置400において、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させた状態において電流センサ20から得た測定値を第1の測定値とし、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、故障判定対象の増幅素子AMP以外の増幅素子AMPを稼働させ、故障判定対象の増幅素子AMPをピンチオフ状態にした状態において電流センサ20から得た測定値を第2の測定値とし、制御部10は、第1の測定値と第2の測定値との差が予め定められた値以下の場合に、故障判定対象の増幅素子AMPが故障していると判定し、制御部10は、送受信装置に、故障していると判定された増幅素子AMPを通知する。
また、本実施の形態4におけるゲートバイアス電圧制御方法は、(g)複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させた状態において電流センサ20から得た測定値を第1の測定値として記録する工程と、(h)複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、1つの故障判定対象の増幅素子AMP以外の増幅素子を稼働させ、故障判定対象の増幅素子AMPをピンチオフ状態にした状態において電流センサ20から得た測定値を第2の測定値として記録する工程と、(i)第1の測定値と前記第2の測定値との差が予め定められた値を下回るか否か判定する工程と、(j)工程(i)において第1の測定値と前記第2の測定値との差が予め定められた値を下回ると判定された場合に、故障判定対象の増幅素子AMPが故障していると判定する工程と、(k)送受信装置に、故障していると判定された増幅素子AMPを通知する工程と、を備える。
本実施の形態4において、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、故障判定が行われている増幅素子AMPのみ動作を停止するので、他の増幅素子AMPにより、送受信装置の運用を継続することが可能である。特に、送受信装置が超多素子アンテナを有する場合、1つの増幅素子のみの動作停止は、送受信装置の全体性能に大きな影響を及ぼさない。
なお、故障して受信信号が得られない、又は送信に寄与しない増幅素子を含んだ状態でのアンテナ制御は、SNR劣化の要因となる。本実施の形態4では、故障した増幅素子を特定し、送受信装置のアンテナ制御部70に通知する。従って、アンテナ制御部70は、故障した増幅素子を「存在しない増幅素子」とみなしてビーム形成演算を行うことが可能となり、通信品質の劣化を抑制することが可能となる。
<実施の形態5>
<構成>
図12は、本実施の形態5における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置500の回路構成を示す図である。本実施の形態5におけるゲートバイアス電圧制御装置500は、ゲートバイアス電圧制御装置100(図1)と同様の構成であるが、本実施の形態5では、電流センサ20は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を測定する。従って、電流センサ20の飽和電流は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのドレイン電流の総量を基準としてある程度の余裕を設けて設定される。
本実施の形態5において、ゲートバイアス電圧制御部11は、上位装置制御部60からのバイアス調整指示信号307を受けると、増幅素子AMP1〜AMPnに対して順番に基準ゲートバイアス電圧の調整を行う。各増幅素子AMPの調整を行う前に、ゲートバイアス電圧制御部11は、送受信装置に備わる上位装置制御部60に、どの増幅素子AMPの調整を行っているかを示すバイアス調整中信号306を送信する。
上位装置制御部60は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、現在どの増幅素子AMPが調整中であるかを集積して管理している。上位装置制御部60は調整中素子情報602を、送受信装置に備わるアンテナ制御部70に通知する。調整中素子情報602には、現在どの増幅素子AMPが調整中であるかを示す情報が含まれている。通知を受けたアンテナ制御部70は、アンテナビーム形成処理時に、調整中の増幅素子AMPを制御対象から外してアンテナビームを形成する。つまり、アンテナ制御部70は、調整中の増幅素子を「存在しない増幅素子」とみなしてビーム形成演算を行う。
<動作>
図13は、ゲートバイアス電圧制御装置500のゲートバイアス電圧制御動作を示すフローチャートである。ゲートバイアス電圧制御装置500は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させて信号の送受信を行っているとする。つまり、ゲートバイアス電圧制御部11は、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれに対して基準ゲートバイアス電圧を印加している(ステップS401)。ここで、基準ゲートバイアス電圧とは、各増幅素子AMPに対して予め設定された最適なゲートバイアス電圧である。
ゲートバイアス電圧制御部11は、上位装置制御部60からバイアス調整指示信号307を受信する(ステップS402)。次に、i=1に設定される(ステップS403)。
次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、電流センサ20から得た測定値を第3の測定値としてメモリHW2に記録する(ステップS404)。
次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、i番目(即ち1番目)の増幅素子AMP1に関してバイアス電圧を調整中であることを示すバイアス調整中信号306を上位装置制御部60に送信する(ステップS405)。アンテナ制御部70は、アンテナビーム形成処理時に、バイアス電圧を調整中である増幅素子AMPを制御対象から外してアンテナビームを形成する。
そして、ゲートバイアス電圧制御部11はi番目(即ち1番目)の増幅素子AMP1をピンチオフ状態に切り替える(ステップS406)。そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、電流センサ20から得た測定値を第4の測定値としてメモリHW2に記録する(ステップS407)。なお、増幅素子AMP1がピンチオフ状態になっている間においても、増幅素子AMP1以外の複数の増幅素子AMPによって、信号の送受信が継続される。
次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、メモリHW2に記録してある第3の測定値と第4の測定値との差に基づいて、増幅素子AMP1の基準ゲートバイアス電圧を調整する(ステップS408)。つまり、ゲートバイアス電圧制御部11は、第3の測定値と第4の測定値との差が予め定められた値(電流値Ith)に近づくように基準ゲートバイアス電圧を調整する。ここで、電流値Ithは増幅素子AMP1つ分のドレイン電流に相当する。第3の測定値と第4の測定値との差が電流値Ithよりも小さい場合、基準ゲートバイアス電圧を増大させる方向に補正する。一方、第3の測定値と第4の測定値との差が電流値Ithよりも大きい場合、基準ゲートバイアス電圧を減少させる方向に補正する。
そして、ゲートバイアス電圧制御部11は、メモリHW2に記録されている増幅素子AMP1の基準ゲートバイアス電圧を調整後の基準ゲートバイアス電圧に更新する(ステップS409)。次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、メモリHW2に記録されている増幅素子AMP1の基準ゲートバイアス電圧を、増幅素子AMP1に印加する(ステップS410)。
以上で、1番目の増幅素子AMP1に対するゲートバイアス電圧の調整が完了した。次に、ゲートバイアス電圧制御部11は、i=nであるか否かの判定を行う(ステップS411)。ここではi=1のため、ステップS412に進む。ステップS412ではi=i+1とする。このときi=2となる。そして、ステップS404に戻り、2番目の増幅素子AMP2に対して、増幅素子AMP1と同様にしてゲートバイアス電圧の調整が行われる。以降、n番目の増幅素子AMPnまで順にゲートバイアス電圧の調整が行われる。
<効果>
本実施の形態5における送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置500において、複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させた状態において電流センサ20から得た測定値を第3の測定値とし、複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子を稼働させ、調整対象の増幅素子AMPをピンチオフ状態にした状態において電流センサ20から得た測定値を第4の測定値とし、制御部10は、第3の測定値と第4の測定値との差に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整し、制御部10は、送受信装置に、ゲートバイアス電圧を調整中の増幅素子AMPを通知する。
また、本実施の形態5におけるゲートバイアス電圧制御方法は、(l)複数の増幅素子AMP1〜AMPnを稼働させた状態における電流センサ20から得た測定値を第3の測定値として記録する工程と、(m)複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、1つの調整対象の増幅素子AMP以外の増幅素子を稼働させ、調整対象の増幅素子AMPをピンチオフ状態にした状態における電流センサ20から得た測定値を第4の測定値として記録する工程と、(n)第3の測定値と第4の測定値との差に基づいて、調整対象の増幅素子AMPのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、を備える。
本実施の形態5において、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのうち、ゲートバイアスの調整が行われている増幅素子AMPのみ動作を停止するので、他の増幅素子AMPにより、送受信装置の運用を継続することが可能である。特に、送受信装置が超多素子アンテナを有する場合、1つの増幅素子のみの動作停止は、送受信装置の全体性能に大きな影響を及ぼさない。
なお、ゲートバイアス電圧を調整中の増幅素子AMPを含んだ状態でのアンテナ制御は、SNR劣化の要因となる。本実施の形態5では、ゲートバイアス電圧を調整中の増幅素子がアンテナ制御部70に通知される。従って、アンテナ制御部70は、調整中の増幅素子を「存在しない増幅素子」とみなしてビーム形成演算を行うことが可能となり、通信品質の劣化を抑制することが可能となる。
なお、以上で説明した実施の形態1〜5において、複数の増幅素子AMP1〜AMPnのそれぞれはモノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)である。多数の増幅素子がMMICとして半導体基板上に形成される場合であっても、個々の増幅素子のゲートバイアス電圧を精度良く調整することが可能である。
図14は、電流センサ20の変形例である電流センサ20Aの構成を示す図である。実施の形態1〜5において電流センサ20に代えて電流センサ20Aを配置してもよい。図14に示すように、電流センサ20Aは、電流センサ20に対して環状の磁気コア21をさらに備える。磁気コア21の環状部分を、電源配線30の幹部分31が貫通している。ホール素子22は、磁気コア21に生じる磁界の磁束密度に応じた電圧を発生する。電流センサ20が磁気コア21をさらに備える構成とすることにより、電流センサ20の感度をより高めることが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10 制御部、11 ゲートバイアス電圧制御部、12 バイアス電圧生成部、13 測定値判定部、14 スイッチ制御部、15 故障判定部、20,20A 電流センサ、21 磁気コア、22 ホール素子、23 増幅器、ADC アナログデジタル変換器、30 電源配線、31 幹部分、32 分岐部分、50 電源、60 上位装置制御部、70 アンテナ制御部、100,100A,200,300,400,500 ゲートバイアス電圧制御装置、AMP1〜AMPn 増幅素子、MMIC1〜MMICn 高周波集積回路、DAC1〜DACn デジタルアナログ変換器、GS1〜GSn ゲートバイアス信号、G1〜Gn ゲートバイアス電圧、D1〜Dn ドレイン電流。

Claims (13)

  1. アンテナから送信する送信信号、又はアンテナで受信した受信信号を増幅する複数の増幅素子と、
    前記複数の増幅素子のそれぞれのゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を制御する制御部と、
    前記複数の増幅素子と電源を接続する電源配線と、
    電流センサと、
    を備え、
    前記電源配線は、
    前記電源に接続された幹部分と、
    前記幹部分から分岐して前記複数の増幅素子のドレイン電極のそれぞれに接続された分岐部分と、
    を備え、
    前記電流センサは、入力される磁界の磁束密度に応じた電圧を発生するホール素子を備え、
    前記ホール素子には、前記電源配線の前記幹部分を流れる電流によって生じる磁界が入力され、
    前記制御部は、前記複数の増幅素子を個別にピンチオフ状態に切り替えることが可能であり、
    前記ピンチオフ状態とは、前記増幅素子の前記ドレイン電極にドレイン電流が流れないようなゲートバイアス電圧が前記ゲート電極に印加されている状態であり、
    前記制御部は、前記電流センサから得た測定値に基づいて、前記複数の増幅素子のそれぞれの前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整する、
    送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  2. 前記制御部は、前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子を前記ピンチオフ状態にした状態で、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を変化させながら、前記電流センサから得た測定値に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する、
    請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  3. 前記電流センサの入出力特性曲線は、非線形の立ち上がり領域と、線形の領域とを有し、
    前記制御部は、前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子のゲートバイアス電圧を制御することによって、前記電流センサに前記立ち上がり領域を超えて前記線形の領域に達する電流が入力された状態にした上で、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を変化させながら、前記電流センサの前記線形の領域から得た測定値に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する、
    請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  4. 前記電源配線の前記幹部分は、
    前記電源配線の前記幹部分を流れる電流が前記ホール素子の前を1回通過する第1の経路と、
    前記電源配線の前記幹部分を流れる電流が前記ホール素子の前を複数回通過する第2の経路と、
    を備え、
    前記第1の経路と前記第2の経路とが切り替え可能である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  5. 前記複数の増幅素子を稼働させた状態において前記電流センサから得た測定値を第1の測定値とし、
    前記複数の増幅素子のうち、1つの故障判定対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子を稼働させ、故障判定対象の前記増幅素子を前記ピンチオフ状態にした状態において前記電流センサから得た測定値を第2の測定値とし、
    前記制御部は、前記第1の測定値と前記第2の測定値との差が予め定められた値以下の場合に、故障判定対象の前記増幅素子が故障していると判定し、
    前記制御部は、前記送受信装置に、故障していると判定された前記増幅素子を通知する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  6. 前記複数の増幅素子を稼働させた状態において前記電流センサから得た測定値を第3の測定値とし、
    前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子を稼働させ、調整対象の前記増幅素子を前記ピンチオフ状態にした状態において前記電流センサから得た測定値を第4の測定値とし、
    前記制御部は、前記第3の測定値と前記第4の測定値との差に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を調整し、
    前記制御部は、前記送受信装置に、ゲートバイアス電圧を調整中の前記増幅素子を通知する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  7. 前記複数の増幅素子のそれぞれはモノリシック・マイクロ波集積回路である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  8. 前記電流センサは、環状の磁気コアをさらに備え、
    前記磁気コアの環状部分を、前記電源配線の前記幹部分が貫通し、
    前記ホール素子は、前記磁気コアに生じる磁界の磁束密度に応じた電圧を発生する、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置。
  9. 請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置によるゲートバイアス電圧制御方法であって、
    (a)前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外を前記ピンチオフ状態に切り替える工程と、
    (b)前記工程(a)の後、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を変化させながら、前記電流センサから得た測定値に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、
    を備える、
    ゲートバイアス電圧制御方法。
  10. 請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置におけるゲートバイアス電圧制御方法であって、
    前記電流センサの入出力特性曲線は、非線形の立ち上がり領域と、線形の領域とを有し、
    (c)前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子のゲートバイアス電圧を制御して、前記電流センサに前記立ち上がり領域を超えて前記線形の領域に達する電流が入力された状態にする工程と、
    (d)前記工程(c)の後、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲート電圧を変化させながら、前記電流センサの前記線形の領域から得た測定値に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、
    を備える、
    ゲートバイアス電圧制御方法。
  11. 前記電源配線の前記幹部分は、
    前記電源配線の前記幹部分を流れる電流が前記ホール素子の前を1回通過する第1の経路と、
    前記電源配線の前記幹部分を流れる電流が前記ホール素子の前を複数回通過する第2の経路と、
    を備え、
    (e)前記電流センサが測定する電流が比較的小さい場合に、前記第2の経路に切り替える工程と、
    (f)前記電流センサが測定する電流が比較的大きい場合に、前記第1の経路に切り替える工程と、
    をさらに備える、
    請求項9又は請求項10に記載のゲートバイアス電圧制御方法。
  12. 請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置によるゲートバイアス電圧制御方法であって、
    (g)前記複数の増幅素子を稼働させた状態において前記電流センサから得た測定値を第1の測定値として記録する工程と、
    (h)前記複数の増幅素子のうち、1つの故障判定対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子を稼働させ、故障判定対象の前記増幅素子を前記ピンチオフ状態にした状態において前記電流センサから得た測定値を第2の測定値として記録する工程と、
    (i)前記第1の測定値と前記第2の測定値との差が予め定められた値を下回るか否か判定する工程と、
    (j)前記工程(i)において前記第1の測定値と前記第2の測定値との差が予め定められた値を下回ると判定された場合に、故障判定対象の前記増幅素子が故障していると判定する工程と、
    (k)前記送受信装置に、故障していると判定された前記増幅素子を通知する工程と、
    を備える、
    ゲートバイアス電圧制御方法。
  13. 請求項1に記載の送受信装置のためのゲートバイアス電圧制御装置によるゲートバイアス電圧制御方法であって、
    (l)前記複数の増幅素子を稼働させた状態における前記電流センサから得た測定値を第3の測定値として記録する工程と、
    (m)前記複数の増幅素子のうち、1つの調整対象の前記増幅素子以外の前記増幅素子を稼働させ、調整対象の前記増幅素子を前記ピンチオフ状態にした状態における前記電流センサから得た測定値を第4の測定値として記録する工程と、
    (n)前記第3の測定値と前記第4の測定値との差に基づいて、調整対象の前記増幅素子の前記ゲート電極に印加するゲートバイアス電圧を決定する工程と、
    を備える、
    ゲートバイアス電圧制御方法。
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