JP2018154971A - 地盤推定方法、地盤推定装置およびプログラム - Google Patents

地盤推定方法、地盤推定装置およびプログラム Download PDF

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浩平 田中
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公俊 坂井
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一雄 坂元
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正弘 庄司
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Abstract

【課題】技術者の経験に基づく判断を、高い信頼性かつ自動で行える地盤推定方法、地盤推定装置およびプログラムを提供する。【解決手段】本発明地盤推定方法は、地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力工程と、前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング工程と、前記スムージング工程を経たデータを所定の閾値と比較する比較工程と、前記比較工程での比較結果から基盤面を推定する推定工程と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、地盤推定方法、地盤推定装置およびプログラムに関する。
構造物の耐震設計を実施するにあたっては、設計地震動の設定や基礎の設計のために、地盤調査(標準貫入試験、弾性波速度検層(PS検層)等)を実施する必要がある。設計者は、これらの調査結果から目視の判断を行い、耐震設計上の基盤面を設定する。耐震設計上の基盤面については定義が存在するが、この定義に従っても基盤面は一意に決まるとは限らず、設計者の経験に基づく工学的判断が必要となる。
なお、耐震設計上の基盤面は、工学的基盤面(あるいは支持層)とも呼ばれ、地震学的基盤層とは区別されることが多い。地震学的基盤層は、せん断弾性波速度Vsが3km/sの強固な岩盤をさすが、構造物の耐震設計における工学的基盤面はVs=400m/s以上の地盤をさす。Vs=400m/s以上の地盤はN値では、粘性土で30以上、砂質土で50以上の地盤に相当する。ここで、N値とは、地層の硬軟を示す値であり、標準貫入試験にて測定される。標準貫入試験では、ボーリングの際に重さ63.5kgのハンマーを76cm落下させて試験用サンプラーを30cm土中に打ち込むのに要する打撃回数がN値として深度1m毎に計測される。また、上記PS検層では、ボーリング孔を用いて地盤を伝搬する弾性波の深さ方向の速度分布が計測される。
なお、特許文献1には、上述したような支持層への到達や、液状化層や非液状化層への到達についての設計者による判断を支援するための装置が記載されている。特許文献1に記載されている装置では、N値とともに、貫入動力源である電動機の負荷トルクまたは負荷電流と掘削抵抗値とが表示される。
近年では、膨大な地震調査結果が情報公開されており、これを有効活用することで、より精度の高い地震動評価が実現できる。しかし、このような地震動評価を行うためには、各地盤調査結果に対して、耐震設計上の基盤面を判定する必要がある。膨大な調査結果に対して、目視による判定を行うことは手間がかかるため、自動判定する手法が望まれていた。
特開2008−101388号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、上述した技術者の経験に基づく目視による判断を、高い信頼性かつ自動で行える地盤推定方法、地盤推定装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力工程と、前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング工程と、前記スムージング工程を経たデータを所定の閾値と比較する比較工程と、前記比較工程での比較結果から基盤面を推定する推定工程と、を有する地盤推定方法である。
また、本発明の一態様は、上記地盤推定方法であって、前記入力工程で入力されたデータがN値と土質とを対応づけて含む場合に、前記入力工程で記憶されたデータが含む前記N値を前記土質に応じて均一化した後、前記スムージング工程に引き渡す前工程をさらに有する。
また、本発明の一態様は、上記地盤推定方法であって、前記推定工程では、予め定めた除外条件に該当しない場合に前記基盤面が推定される。
また、本発明の一態様は、上記地盤推定方法であって、前記推定工程では、前記スムージング工程を経たデータが所定の深さ範囲において継続して所定の閾値以上となる場合に前記基盤面が推定される。
また、本発明の一態様は、上記地盤推定方法であって、前記推定工程では、前記比較工程で抽出した複数の基盤の候補の中から最下層に達した層が基盤面として推定される。
また、本発明の一態様は、上記地盤推定方法であって、前記推定工程では、前記比較工程で抽出した複数の基盤の候補について、2つの基盤の候補に挟まれた層、又は、1つの基盤の候補と最下層に挟まれた層である中間層について、前記中間層が、その中間層に接する前記基盤の候補のいずれかの一部とみなせるかどうかが判定され、一部とみなせる場合、前記中間層が前記一部とみなせる基盤の候補と統合される。
また、本発明の一態様は、地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力部と、前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング部と、前記スムージング部でノイズを除去されたデータを所定の閾値と比較する比較部と、前記比較部による比較結果から基盤面を推定する推定部と、を備える地盤推定装置である。
また、本発明の一態様は、地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力工程と、前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング工程と、前記スムージング工程を経たデータを所定の閾値と比較する比較工程と、前記比較工程での比較結果から基盤面を推定する推定工程と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
本発明によれば、入力工程とスムージング工程と比較工程と推定工程とを組み合わせることで、あるいは、入力部とスムージング部と比較部と推定部とを組み合わせることで、上述した技術者の経験に基づく判断を、高い信頼性かつ自動で行うことができる。
本発明の一実施形態に係る地盤推定装置の構成例を示すブロック図である。 図1に示す地盤推定装置1の構成例を説明するための第1の模式図である。 図1に示す地盤推定装置1の構成例を説明するための第2の模式図である。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第1のフローチャートである。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するためのグラフである。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第2のフローチャートである。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第3の模式図である。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第3のフローチャートである。 図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第4の模式図である。 図1に示す地盤推定装置1の処理結果の一例を説明するためのヒストグラムである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る地盤推定装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示す地盤推定装置1はパーソナルコンピュータ等のコンピュータが提供する1つの機能として構成されている。図1に示す地盤推定装置1が備える各部2〜8は、地盤推定装置1が有する複数の部分機能である。各部分機能は、地盤推定装置1を構成するコンピュータが備えるCPU(中央処理装置)、記憶装置、入出力装置、通信装置等を用いて、1または複数のプログラムを実行することで構成される。また、地盤推定装置1を構成するコンピュータは、パーソナルコンピュータに限らず、サーバ、スマートフォン等の通信端末、タブレット端末等の携帯端末、クラウド上に仮想的に構成されたコンピュータ、それらの組み合わせ等であってもよい。
図1に示す構成例では、地盤推定装置1が、入力部2と、前処理部3と、スムージング部4と、比較部5と、推定部6と、出力部7と、記憶部8とを備える。
入力部2は、地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力して記憶部8の所定の領域に記憶する。入力部2が入力するデータは、次の2種類の情報のいずれかである。すなわち、入力部2が入力するデータは、例えばPS検層によって測定された深度とせん断弾性波速度Vsとを対応づけた1または複数組の情報、あるいは、さらにボーリング地点を特定する情報を対応づけて含む情報である。この情報は、深さ方向のせん断弾性波速度Vsの分布を表す。あるいは、入力部2が入力するデータは、例えば標準貫入試験によって測定された深度とN値と層厚と土質とを対応づけた1または複数組の情報、あるいは、さらにボーリング地点を特定する情報に対応づけて含む情報である。この情報は、深さ方向の土質に対応づけたN値の分布を表す。なお、土質は、粘性土(C)、砂質土(S)、礫土(G)に分類される。入力部2におけるデータの入力の仕方に限定は無く、例えば、操作者がキーボード等を操作して入力したり、不揮発性の記憶媒体を介して入力したり、スキャナ等の画像読取装置を用いて紙媒体に印刷されたデータを読み取ったり、あるいは、通信回線を介して他のコンピュータから受信して入力したりすることができる。
前処理部3は、入力部2で入力されたデータがN値と土質とを対応づけて含む場合、入力部2で記憶されたデータが含むN値を土質に応じて均一化した後、スムージング部4に引き渡すため記憶部8の所定領域に記憶する。土質は、粘性土または砂質土の区分を示す。なお、土質は、粘性土または砂質土の区分をさらに細分化した土質名で分類される。前処理部3が均一化の際の基準とする、N値と対応づけられる土質は、粘性土または砂質土の区分を示す情報であってもよいし、土質名を示す情報であってもよい。前処理部3がN値を土質に応じて均一化する処理は次の通りである。上述したように、Vs=400m/s以上の地盤である工学的基盤面は、N値では、粘性土で30以上、砂質土で50以上の地盤に相当する。例えば、工学的基盤面が、粘性土で30以上、砂質土で50以上の地盤であるとすると、粘性土に区分される土質に対応づけられたN値を5/3(=50/30)倍した値が、砂質土に区分される土質に対応づけられたN値に相当する値となる。そこで、前処理部3は、粘性土に区分される土質に対応づけられたN値を5/3倍するとともに、砂質土に区分される土質に対応づけられたN値をそのままにすることで、各深度のN値を、砂質土に区分される土質のN値に合わせて正規化し、両区分のN値を均一化する。ただし、均一化の際にどちらの区分に合わせるのかは任意である。この均一化の処理を実行することで、次に説明するスムージング処理を土質に関わらず一様に実行することができる。
スムージング部4は、入力部2(あるいは前処理部3)によって記憶部8に記憶されたデータからノイズを除去し、ノイズを除去したデータを記憶部8に記憶する。スムージング部4が実行するスムージング処理(平滑化処理)は、異常値による判断エラーを防ぐための処理であり、1または複数の近傍深度のせん断弾性波速度VsまたはN値を用いて各せん断弾性波速度Vsまたは各N値を平滑化する。例えば、スムージング部4は、中央値フィルターにより異常値を除去したN値データ(NFilter)を作成する。ここで中央値フィルターとは、フィルターの対象層とその前後2層を対象とする。スムージング部4は、この5層の中央値に対して、対象層のN値が0.6倍以下もしくは1.4倍以上のときにこのN値を異常値とみなして、対象層のN値を、5層の中央値に置き換える。
比較部5は、スムージング部4でノイズを除去されたデータを、最浅部から最深部へ向かって順次、所定の閾値と比較する。比較部5は、例えば、入力データが深度に対応づけられたせん断弾性波速度Vsである場合、Vs=400m/s等の所望の閾値と比較する。あるいは、比較部5は、例えば、入力データが深度に対応づけられたN値である場合、N値=45等の所望の閾値と比較する。閾値は、任意に設定することができ、例えば目的に応じて適宜変更することができる。比較部5は、閾値との比較結果を深度に対応づけて記憶部8の所定領域に記憶する。
推定部6は、比較部5による比較結果から基盤面を推定する。推定部6は、比較部5において例えばスムージング部4でノイズを除去されたデータが、所定の深度にわたって連続的に閾値以上であるとの比較結果が得られた場合に、連続的に閾値以上となった場合の最も浅い深度を基盤面の深度と推定する。また、推定部6は、例えば、予め定めた除外条件に該当しない場合に限って比較部5による比較結果を有効とし、比較結果から基盤面を推定することができる。推定部6は、例えば、予め定めた除外条件に該当する場合には比較部5による比較結果を基盤面を推定する際の基準として採用しないようにする。予め定めた除外条件とは、過去に基盤面を推定した際に不適当な推定結果が得られたという場合に類似していることを示す要件である。除外条件としては、例えば、基盤面の深度が非常に浅い場合である。この場合、アスファルト、礫等の混入による誤推定の可能性が一定程度考えられる。あるいは、除外条件としては、例えば、周辺のボーリング地点で推定された基盤面あるいはデータベース等から推定した基盤面の推定深度と、推定した基盤面の深度が大きく異なる場合である。ここで、図2および図3を参照して、推定部6による基盤面の推定例について説明する。図2および図3は、深度とN値との対応関係の例を示す模式図である。また、図2および図3は、N値の大きさを網掛けの密度で表す図をあわせて示している。図2に示すように、N値の増加が一定方向である場合、閾値以上のN値が一定の深度範囲で連続的に確認された場合、推定部6は、閾値以上となった最も浅い深度を基盤面の深度であると判定する。一方、図3に示すように、比較的浅い深度でN値が閾値以上となった場合でも、推定部6は、例えば閾値以上となった深度の値そのもの、あるいは、周辺で推定された基盤面との相対的な比較結果に基づいて、比較的浅い深度の比較結果を除外し、再度閾値以上となった場合の比較結果に基づいて深度を基盤面の深度であると推定することができる。
出力部7は、表示装置、印刷装置、記憶装置、通信装置等を用いて、推定部6が推定した基盤面を示す情報を表示したり、印刷したり、記憶したり、送信したりする。また、出力部7は、推定部6が基盤面を推定できなかった場合にその旨を示す情報を表示したり、印刷したり、記憶したりする。
記憶部8は、書換可能な不揮発性記憶装置または揮発性記憶装置を用いて構成され、記憶装置の所定の領域に指示されたデータを書き込んだり、所定の領域から指示されたデータを読み出したりする。
次に、図4を参照して、図1に示す地盤推定装置1の動作例について説明する。図4は、地盤推定装置1の動作例を示す第1のフローチャートである。図4に示す動作例では、まず、入力部2が、ある地点の地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力する(ステップS11)。ステップS11で、入力部2は、入力されたデータを記憶部8の所定の記憶領域に記憶する。また、ステップS11において、入力部2は、入力データが、せん断弾性波速度Vsなのか、あるいはN値なのかを示す種別も入力する。この種別によって、スムージング部4におけるスムージング処理のパラメータが選択されたり、比較部5における閾値が選択されたりする。
次に、入力部2(あるいは前処理部3)が、ステップS11で入力されたデータがN値と層厚と土質とを示す情報を含むか否かを判定する(ステップS12)。入力されたデータがN値と層厚と土質とを示す情報を含む場合(ステップS12でYESの場合)、前処理部3が、各N値を土質に応じて均一化する(ステップS13)。例えば、前処理部3は、粘性土に区分される土質に対応づけられたN値を5/3倍する。一方、入力されたデータがN値と土質とを示す情報を含まない場合(ステップS12でNOの場合)、または、ステップS13で前処理部3が各N値を土質に応じて均一化した場合、スムージング部4がデータをスムージングする(ステップS14)。
ここで、図5を参照して、ステップS11〜S14で処理されたデータの一例について説明する。図5は、図1に示す地盤推定装置1による基盤面の推定例を示す。図5に示す例は、N値と土質を含むデータを入力し、N値=45を閾値として基盤面を判定した例を示す。横軸は深度(深さ)(m)であり、縦軸はN値である。細線の実線が入力データである。細線の破線がステップS13での前処理後のデータである。そして、実線がステップS14でのスムージング処理後のデータである。
次に、図4に示すフローでは、比較部5が、処理対象の深度を表す変数を初期化する(ステップS15)。ステップS15において比較部5は、入力データに含まれる最も浅い深度の値に深度を表す変数の値を対応させる。次に、比較部5は、深度の変数に設定されている深度に対応するデータ(当該深度のスムージング後のせん断弾性波速度VsまたはN値)を記憶部8から読み出す(ステップS16)。次に、比較部5が、ステップS16で読み出したデータと所定の閾値(例えば45)とを比較する(ステップS17)。
一方、データが閾値未満の場合(ステップS17でNOの場合)、比較部5は処理対象の深度を表す変数が、当該入力データの最大深度に達しているか否かを判定する(ステップS22)。一方、最大深度に達している場合(ステップS22でYESの場合)、出力部7が、基盤面を推定できなかった旨を示す情報を出力して(ステップS21)、処理を終了する。他方、最大深度に達していない場合(ステップS22でNOの場合)、比較部5が、処理対象の深度を表す変数に格納されている深度を示す値を次に深い深度に対応する値に更新して(ステップS23)、上述したステップS16の処理を実行する。
他方、ステップS17の判定処理でデータが閾値以上の場合(ステップS17でYESの場合)、推定部6が、継続条件を満たしているか否かを判定する(ステップS18)。ステップS17で推定部6は、基盤面を判定する際に予め設定されている深さの範囲(例えば5m)以上、閾値以上のデータが継続している場合に継続条件が満たされたと判定する。一方、継続条件が満たされていない場合(ステップS18でNOの場合)、上記と同様に、比較部5が、処理対象の深度を表す変数が当該データの最大深度に達しているか否かを判定する(ステップS22)。他方、継続条件が満たされていた場合(ステップS18でYESの場合)、推定部6が、除外条件に該当するか否かを判定する(ステップS19)。一方、除外条件に該当する場合(ステップS19でYESの場合)、上記と同様に、比較部5が、処理対象の深度を表す変数が当該データの最大深度に達しているか否かを判定する(ステップS22)。他方、除外条件に該当しない場合(ステップS19でNOの場合)、推定部6は、比較結果に基づき基盤面を推定する(ステップS20)。ステップS20では、推定部6は、連続的に閾値以上となった場合の最も浅い深度を基盤面の深度と推定する。次に、出力部7が、推定した基盤面を示す情報を出力して(ステップS21)、処理を終了する。
以上の処理を実行することで、図1に示す地盤推定装置1は、例えば図5に示す基盤面を自動的に推定することができる。図5に示す例では、基盤面は深度約33mに推定されている。また、スムージング処理を行う場合と行わない場合の基準面の差D1は約0.6mである。また、推定された基盤面は、鎖線で示した目視による判定値とほぼ一致している。
次に、図6〜図9を用いて基盤面の推定処理の他の方法について説明する。図6は、地盤推定装置1の動作例を示す第2のフローチャートである。ステップS11〜ステップS17については図4と同様であるので説明を簡略化する。まず、入力部2が、ある土壌のデータを入力する(ステップS11)。例えば、入力されたデータには、N値と層厚と土質とを示す情報を含まれていて、さらに層厚で規定される1つの層について、その層内の複数の深さに対応付けてN値が含まれていてもよい。次に、入力部2が、ステップS11で入力されたデータがN値と層厚と土質とを示す情報を含むか否かを判定する(ステップS12)。入力されたデータがN値と層厚と土質とを示す情報を含む場合(ステップS12でYESの場合)、前処理部3が、各N値を土質に応じて均一化する(ステップS13)。一方、入力されたデータがN値と土質とを示す情報を含まない場合(ステップS12でNOの場合)、または、ステップS13で前処理部3が各N値を土質に応じて均一化した場合、スムージング部4がデータをスムージングする(ステップS14)。例えば、スムージング部4は、各層のN値を、上記の中央値フィルターにより均一化する。次に、比較部5が、処理対象の深度(層)を表す変数を初期化する(ステップS15)。次に、比較部5は、深度の変数に設定されている深度に対応する層のN値を記憶部8から読み出す(ステップS16)。このとき、対象となる層について、その層内における複数の深さのそれぞれに対応付けてN値が含まれている場合、まず、もっとも浅い位置のN値を読み出し、順により深い位置のN値を読み出す。次に、比較部5が、ステップS16で読み出したデータと所定の閾値(例えば45)とを比較する(ステップS17)。
一方、データが閾値未満の場合(ステップS17でNOの場合)、後述するステップS22の処理へと進む。
他方、ステップS17の判定処理でデータが閾値以上の場合(ステップS17でYESの場合)、比較部5は、当該深度の層を基盤の候補として抽出する(ステップS24)。次に比較部5は処理対象の深度を表す変数が、当該入力データの最大深度に達しているか否かを判定する(ステップS22)。一方、最大深度に達していない場合(ステップS22でNOの場合)、比較部5が、処理対象の深度を表す変数に格納されている深度を示す値を次に深い深度に対応する値に更新して(ステップS23)、上述したステップS16からの処理を実行する。つまり、比較部5は、同じ層内の次に深い位置のN値、または次に深い層の一番浅い位置のN値を読み出して閾値(例えば45)との比較を行う。
ここで、図7を参照して、各層についてステップS16、ステップS24の処理を行うことによって抽出された基盤の候補を含むデータの一例について説明する。図7の一番左の模式図は、基盤の候補が見つからなかったデータの例である。図7の左から2番目の模式図は、基盤の候補が1つ抽出され、その候補が最下層に達している場合(基盤層が1個、下面が0個)のデータの例である。図7の左から3番目の模式図は、基盤の候補が1つ抽出され、その候補の下にさらに層が存在する場合(基盤層が1個、下面が1個)のデータの例である。図7の右から2番目の模式図は、基盤の候補が2つ抽出され、2つの基盤の候補の間に中間層が存在し、2つの基盤の候補のうち1つが最下層に達している場合(基盤層が2個、下面が1個)のデータの例である。図7の一番右の模式図は、基盤の候補が2つ抽出され、2つの基盤の候補それぞれの下に層が存在する場合(基盤層が2個、下面が2個)のデータの例である。比較部5は、ステップS24の処理を行って図7で例示するように、複数の層の中から基盤の候補を抽出する。なお、図7に示すのは一例であって、基盤の候補の数は、地盤調査の結果によって異なる。
他方、最大深度に達している場合(ステップS22でYESの場合)、推定部6が、比較部5によって抽出された基盤の候補の中から基盤面を推定する(ステップS25)。ここで図8を用いて、基盤の候補の中から基盤面を推定する処理について説明する。図8は、図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第3のフローチャートである。まず、推定部6は、基盤候補の数が0個かどうかを判定する(ステップS31)。0個の場合(ステップS31でYESの場合)、推定部6は、「基盤なし」と決定する。0個ではない場合(ステップS31でNOの場合)、推定部6は、基盤候補の数が1個で下面の数が0個かどうかを判定する(ステップS32)。基盤候補の数が1個で下面の数が0個の場合(ステップS32でYESの場合)、推定部6は、1個の基盤候補を基盤面と決定する(ステップS33)。基盤の候補の数が1個で下面の数が0個ではない場合(ステップS32でNOの場合)、つまり、基盤の候補の数が1個で下面の数が1個、又は基盤の候補の数が2個以上の場合、推定部6は、2つの基盤候補に挟まれた層、又は基盤候補と最下層に挟まれた層(これらを中間層とする)が基盤候補の一部とみなせるかどうかを判断するための処理を行う。具体的には、中間層のN値が所定の条件を満たすかどうかを判定する(ステップS34)。所定の条件とは、例えば、中間層のN値の最小値が20以上かつN値の平均値が30以上であることである。この判定には中央値フィルターを掛けたN値を用いる。中間層のN値が所定の条件を満たす場合(ステップS34でYESの場合)、推定部6は、基盤の候補と中間層とを統合し、1つの基盤の候補とする(ステップS35)。中間層のN値が所定の条件を満たさない場合(ステップS34でNOの場合)、又は、ステップS35の統合を行った場合、推定部6は、一番下の基盤の候補が最下層に達しているかどうかを判定する(ステップS36)。最下層に達している場合(ステップS36でYESの場合)、推定部6は、一番下の基盤の候補を基盤面として決定する(ステップS37)。最下層に達していない場合(ステップS36でNOの場合)、推定部6は、「基盤なし」と決定する(ステップS38)。
ここで、図9を参照して、ステップS34以降の処理について具体例を挙げて説明する。図9は、図1に示す地盤推定装置1の動作例を説明するための第4の模式図である。図7で例示したデータのうち一番右に示す、基盤層が2個、下面が2個の場合のデータについての判定を例に説明を行う。右から4番目のデータ(再判定1)は、ステップS34にて中間層が所定の条件を満たさなかった場合、つまり、いずれの中間層も基盤の一部ではないと判定された場合のデータである。この場合、推定部6は、基盤なしと決定する。次に右から3番目のデータ(再判定2)は、ステップS34にて下の中間層が所定の条件を満たすと判定された場合、つまり、下の中間層は基盤の一部であると判定された場合のデータである。この場合、下の基盤の候補が最下層に達しているので、推定部6は、下の基盤の候補を基盤面として決定する。次に右から2番目のデータ(再判定3)は、ステップS34にて上の中間層が所定の条件を満たすと判定された場合、つまり、上の中間層のみが基盤の一部であると判定された場合のデータである。この場合、1つに統合された基盤の候補は最下層に達していないので、推定部6は、基盤なしと決定する。次に一番右のデータ(再判定4)は、ステップS34にて2つの中間層の両方が所定の条件を満たすと判定された場合、つまり、いずれの中間層も基盤の一部であると判定された場合のデータである。この場合、1つに統合された基盤の候補は最下層に達しているので、推定部6は、この1つの基盤候補を基盤面として決定する。
次に、図8に示すフローでは、出力部7が、推定した基盤面を示す情報を出力して(ステップS21)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、入力部2とスムージング部4と比較部5と推定部6とを組み合わせることで、上述した技術者の経験に基づく判断を、高い信頼性かつ自動で行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、例えば、地盤調査結果(深度−N値分布、深度−せん断弾性波速度Vs分布)から、高い信頼性かつ自動で、耐震設計上の基盤面を判定することが可能となる。
なお、本実施形態の地盤推定装置1で推定した基盤面は例えば次のような分野で利用することができる。すなわち、構造物の耐震設計における設計地震動の算定、構造物における基礎の設計、地盤調査地点における地震増幅特性の評価等の分野で本実施形態の地盤推定装置1を活用することができる。
なお、200個のサンプルに対して基盤面を地盤推定装置1によって自動判定した結果と、目視判定した結果の誤差(深度差)を比較したものを図10に示す。ほとんどの結果が誤差±3mの範囲に含まれていることが分かる。
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されない。例えば、図1に示す地盤推定装置1が備える各ブロックは、それらのうちの1または複数のブロックを互いに統合したり、1または複数のブロックを通信回線等を介して複数のコンピュータに分散して配置したりすることができる。また、地盤推定装置1を構成する1または複数のコンピュータが実行するプログラムは、その全部または一部がコンピュータ読取可能な記録媒体または通信回線を介して頒布することができる。
1 地盤推定装置
2 入力部
3 前処理部
4 スムージング部
5 比較部
6 推定部
7 出力部
8 記憶部

Claims (8)

  1. 地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力工程と、
    前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング工程と、
    前記スムージング工程を経たデータを所定の閾値と比較する比較工程と、
    前記比較工程での比較結果から基盤面を推定する推定工程と、
    を有する地盤推定方法。
  2. 前記入力工程で入力されたデータがN値と土質とを対応づけて含む場合に、
    前記入力工程で記憶されたデータが含む前記N値を前記土質に応じて均一化した後、前記スムージング工程に引き渡す前工程を
    さらに有する請求項1に記載の地盤推定方法。
  3. 前記推定工程では、予め定めた除外条件に該当しない場合に前記基盤面が推定される
    請求項1または請求項2に記載の地盤推定方法。
  4. 前記推定工程では、前記スムージング工程を経たデータが所定の深さ範囲において継続して所定の閾値以上となる場合に前記基盤面が推定される
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の地盤推定方法。
  5. 前記推定工程では、前記比較工程で抽出した複数の基盤の候補の中から最下層に達した層が基盤面として推定される
    請求項1または請求項2に記載の地盤推定方法。
  6. 前記推定工程では、前記比較工程で抽出した複数の基盤の候補について、2つの基盤の候補に挟まれた層、又は、1つの基盤の候補と最下層に挟まれた層である中間層について、前記中間層が、その中間層に接する前記基盤の候補のいずれかの一部とみなせるかどうかが判定され、一部とみなせる場合、前記中間層が前記一部とみなせる基盤の候補と統合される、
    請求項5に記載の地盤推定方法。
  7. 地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力部と、
    前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング部と、
    前記スムージング部でノイズを除去されたデータを所定の閾値と比較する比較部と、
    前記比較部による比較結果から基盤面を推定する推定部と、
    を備える地盤推定装置。
  8. 地盤をボーリングして各深さの土壌から測定されたデータを入力し所定の記憶部に記憶する入力工程と、
    前記記憶部に記憶されたデータからノイズを除去するスムージング工程と、
    前記スムージング工程を経たデータを所定の閾値と比較する比較工程と、
    前記比較工程での比較結果から基盤面を推定する推定工程と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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