JP2018153402A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1可動体と第2可動体とを備える遊技機において、意図しないタイミングで第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまうのを回避することが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機1は、可動体ユニット201を備える。可動体ユニット201は、枠可動体400と、枠可動体400を待機位置又は動作位置に移動可能にする回転モータ311と、耳部材540と、耳部材540を収納位置又は突出位置に移動可能にする直動モータ550とを備える。また可動体ユニット201は、枠可動体400が特定位置から動作位置に移動するまでの間、耳部材540が突出位置へ移動できる可動空間KKを形成するものであり、枠可動体400が特定位置に移動したことを検出可能な可動空間用フォトセンサ309を備えている。【選択図】図32

Description

本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
従来より遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、当該パチンコ遊技機の外郭を構成する遊技機枠が設けられていて、この遊技機枠の内部に遊技領域が形成された遊技盤が取付けられている。パチンコ遊技機の多くでは、遊技領域に配されている始動口に遊技球が入球することに基づいて、特別図柄の抽選が実行される。そして、大当たりの当選を示す特別図柄が停止表示されると、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)が実行されるようになっている。
近年、ほとんどのパチンコ遊技機に移動可能な可動体が取付けられている。例えば下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機では、扉の形状を模した扉状装飾役物(第1可動体)と、その扉状装飾役物を閉状態(第1待機位置)又は開状態(第1動作位置)に移動させることが可能なステッピングモータ(第1駆動源)とを備えている。更に、恐竜の頭を模した斜め突出装飾役物(第2可動体)と、その斜め突出役物を通常位置(第2待機位置)又は通常位置から斜め前方に突出した突出位置(第2動作位置)に移動させることが可能なソレノイド(第2駆動源)とを備えている。こうして、複数の可動体(扉状装飾役物、斜め突出装飾役物)を移動させることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能になっている。
特開2013−169261号公報
ところで上記文献に記載の遊技機のように、複数の可動体を備える場合において、第1可動体を移動させる第1駆動源(ステッピングモータ)のステップ数の管理(第1駆動源へのパルス信号の出力制御)に基づいて、第2可動体の移動の開始タイミングを判断する方法がある。即ち、第1駆動源におけるステップ数が所定値に達すると、第2可動体を第2待機位置から第2動作位置へ移動させるタイミングと判断して、第2駆動源を駆動させる方法がある。しかしながらこの方法の場合、ノイズ等の影響により第1駆動源のステップ数の管理が狂うおそれがある。そうなると、意図しないタイミング(状況)で第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動させてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、第1可動体と第2可動体とを備える遊技機において、意図しないタイミングで第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまうのを回避することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、
移動可能な第1可動体と、
前記第1可動体を所定の第1待機位置又は第1動作位置に移動可能な第1駆動源と、
移動可能な第2可動体と、
前記第2可動体を所定の第2待機位置又は第2動作位置に移動可能な第2駆動源と、
前記第1可動体が前記第1待機位置から前記第1動作位置までの何れかの特定位置に移動したことを検出可能な特定位置検出手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、第1可動体と第2可動体とを備える遊技機において、意図しないタイミングで第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまうのを回避することが可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。 同遊技機の正面図である。 同遊技機の右側面図である。 同遊技機の平面図である。 同遊技機を右斜め下方から見た斜視図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図7に示す遊技盤の縦断面図である。 同遊技機が備える第2大入賞装置を概略的に示す正面図である。 図7に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機が備える可動体ユニットとベース枠との関係を示す斜視図である。 (A)は可動体ユニットの平面図であり、(B)は可動体ユニットの正面図である。 図12(A)に示す可動体ユニットからスピーカを取外した状態を下方から見た斜視図である。 図12(A)に示す可動体ユニットの分解斜視図である。 図14に示すユニット本体の分解斜視図である。 (A)は図14に示す前側カバーの斜視図であり、(B)は図16(A)の前側カバーの分解斜視図である。 図14に示す回転機構部の分解斜視図である。 (A)は図17に示す左側リンクユニットの正面図であり、(B)は図18(A)の縦断面図である。 (A)は待機位置にある枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図であり、(B)は図19(A)の位置から回転した枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図である。 (A)は図19(B)の位置から回転した枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図であり、(B)は図20(A)の位置から回転した枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図である。 (A)は図20(B)の位置から回転した枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図であり、(B)は動作位置にある枠可動体と左側リンクユニットの各部材との関係を概略的に示す図である。 (A)は枠可動体の後端部が前方且つ上方に移動するように枠可動体が起立し始めている状態を示す図であり、(B)は図22(A)に示す位置よりも枠可動体が起立している状態を示す図である。 図15に示す枠可動体の分解斜視図である。 (A)は図23に示す右側耳可動体の斜視図であり、(B)は図23に示す右側耳部材とベースプレートとの関係を背面側から見た斜視図である。 (A)は耳部材が収納位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す正面図であり、(B)は耳部材が収納位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す背面図である。 (A)は耳部材が退避位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す正面図であり、(B)は耳部材が退避位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す背面図である。 (A)は耳部材が突出位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す正面図であり、(B)は耳部材が突出位置にあるときの耳ユニットを概略的に示す背面図である。 (A)は顎部材が閉鎖位置にあるときの顔ユニットの右側面図であり、(B)は顎部材が開放位置にあるときの顔ユニットの右側面図である。 (A)は耳ユニットを左斜め下方から見た斜視図であり、(B)は耳ユニットの縦断面図である。 (A)は図29(A)に示す顎部材を手動で開放位置へ移動させた状態を示す縦断面図であり、(B)は図29(A)に示す顎部材を傾動モータで開放位置へ移動させた状態を示す縦断面図である。 (A)は図15に示す下側カバーの分解斜視図であり、(B)は図17に示す連結板を下方から見た斜視図である。 (A)は枠可動体が待機位置にあるときの可動体ユニットの縦断面斜視図であり、(B)は枠可動体が動作位置にあるときの可動体ユニットの縦断面斜視図である。 図1に示す上側装飾部の下壁部と窓部の上部との関係を示す斜視図である。 図1に示す上側蓋部材の前側プレートを開いた状態を示す斜視図である。 枠可動体が動作位置にあり且つ耳部材が突出位置にあるときの斜視図である。 枠可動体が動作位置にあり且つ耳部材が突出位置にあるときの正面図である。 枠可動体が動作位置にあり且つ耳部材が突出位置にあるときの右側面図である。 枠可動体が動作位置にあり且つ耳部材が突出位置にあるときに右斜め下方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が左右に並んでいる状態を示す斜視図である。 (A)(B)は比較例として枠可動体の前端部が後方且つ上方に移動するように枠可動体が起立する場合の説明図であり、(C)(D)は本形態として枠可動体の後端部が前方且つ上方に移動するように枠可動体が起立する場合の説明図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ駆動基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 大当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ側1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 駆動制御処理のフローチャートである。 駆動制御処理のフローチャートである。 サブ側10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 第1変形例において遊技機枠の分解斜視図である。 第2変形例において遊技機の正面図である。 第2変形例において遊技機の右側面図である。
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50と、遊技機枠50の内部に取付けられた遊技盤2(図7参照)と、を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部又は開閉枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には開口部分53aが形成されていて、この開口部分53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、後述する遊技領域3を視認できるようになっている。
前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。また前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。ベース枠56は、前面側で上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを着脱可能に取付ける枠体である。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左右両側に発光体ユニット202L,202Rを備えている。可動体ユニット201は、後述する枠可動体400を移動可能に組付けるユニットであり、前後方向に長いものである。本形態では可動体ユニット201の構成に特徴があり、可動体ユニット201の詳細な構成については後述する。発光体ユニット202L,202Rは、内部にて発光体(図示省略)を回転可能に組付けるユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている(図2参照)。
この上側装飾部200(可動体ユニット201)は、図4に示すように、ベース枠56に取付けられている他のどの部分(左側装飾部210,右側装飾部220,操作機構部230)よりも、前方に突出している。具体的には、上側装飾部200の前端位置P1から外枠51の幕板51aの前面位置P2(幕板部の前端位置)までの距離L1は、約416.5mmになっている。これに対して、操作機構部230の前端位置P3から外枠51の幕板51aの前面位置P2までの距離L2は、約157.1mmになっている。従って、上側装飾部200から外枠51までの距離L1が操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上である。これにより、上側装飾部200による前方への突出が非常に強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の左側を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠50の右側を装飾するものであり、剣の形状を模した剣部材221と、鞘の形状を模した鞘部材222とを備えている。剣部材221の剣先部分221aは、鞘部材222に収容されていて、鞘部材222に対して上下方向に移動可能である。具体的に剣部材221は、剣先部分221aが鞘部材222に収容されている収容位置(図4参照)又は剣先部分221aが鞘部材222から露出している露出位置(図37参照)に移動可能である。なお剣部材221が露出位置にあるときには、遊技者に対して剣部材221への押込操作が促されるようになっている。
この右側装飾部220は、上述した上側装飾部200と同様、前方に大きく突出している。具体的には、右側装飾部220の前端位置P8から外枠51の幕板51aの前面位置P2までの距離L3は、約332.4mmになっている。そのため、右側装飾部220から外枠51までの距離L3が操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上である。これにより、上側装飾部200だけでなく、右側装飾部220による前方への突出も強調されていて、従来の遊技機枠に比べて大きなインパクトを与えることが可能である。
操作機構部230(遊技媒体貯留部)は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、上側の後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また操作機構部230のうち上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン68が設けられている。
本形態のパチンコ遊技機1では、図3に正面図が示され、図4に右側面図が示され、図5に平面図が示されている。ここで、図3及び図4に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図4では、データ表示装置162の前傾角度θが最大の25度になっている状態が示されている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、図6に示すように、上側装飾部200の後方の下側に、左右一対の左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rが設けられている。また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図43参照)が多数設けられている。
次に、図7を参照して遊技盤2について説明する。図7に示すように、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技面2aが形成されている。この遊技面2aの前方に、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色で発光可能な盤ランプ5(図43参照)が多数設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技盤2の遊技面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。また遊技面2aよりも後方には、液晶表示装置である第1画像表示装置(第1表示手段)6が配されている。第1画像表示装置6は、鉛直方向に起立した状態で固定されている。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図10参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図10参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図10参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1には、図7に示すように、第1画像表示装置6よりも上方に第2画像表示装置(第2表示手段)7が設けられている。第2画像表示装置7の表示画面7aでは、第1画像表示装置6の表示画面6aで実行される装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ち用のデモ演出などに合わせて、背景画像やキャラクタ画像など様々な演出画像が表示されるようになっている。
この第2画像表示装置7は、図8に示すように、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されている。そして、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、遊技盤2の遊技面2aよりも前方に飛び出ている。これにより遊技者には、より近い位置で表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。更に、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、図7に示すように、遊技領域3の上端よりも上方に飛び出ている。これにより遊技者には、遊技領域3の外側でも表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。こうして本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにより、斬新な表示画面が形成されていて、遊技者には広範囲且つ近い距離で演出画像を見せることが可能である。その結果、表示画面6a,7aで表示される演出画像のインパクトを高めることが可能である。
図7に示すように、遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、第1画像表示装置6の表示画面6aよりも前方で変位可能な盤可動体(装飾可動体)15が設けられている。盤可動体15は、前方からほとんど視認不可能な原点位置から、第1画像表示装置6の表示画面6aの中央の前方に現われる駆動位置に移動可能である。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図41参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときには、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図41参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図41参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図9(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、右方に退避した退避状態(第1の状態)又は左方に進出した進出状態(第2の状態)をとる。
図9(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図9(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図9(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図9(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に戻り、遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞を狙う。
また図7に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図10に示すように、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図41参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図41参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図41参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図10参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図41参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており(図10参照)、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.可動体ユニットの構成
次に図11〜図40に基づいて、可動体ユニット201の構成について説明する。可動体ユニット201は、後述する枠可動体400を移動可能にするためのユニットである。図11に示すように、可動体ユニット201は、前枠53のベース枠56の上端に設けられている水平状の上壁部57に図示しないビスを用いて着脱可能になっている。よって本形態の可動体ユニット201は、発光体ユニット202L,202R、左側装飾部210、及び右側装飾部220のベース枠56に対する取付状態に拘わらず、独立して交換可能なものになっている。
図12(A)は可動体ユニット201の平面図であり、図12(B)は可動体ユニット201の正面図である。図12(A)(B)に示すように、可動体ユニット201は、前後方向に長い略直方体形状のものである。具体的に、可動体ユニット201の前後方向の長さL4は、約406.2mmである。また可動体ユニット201の左右方向の長さL5は、約294.3mmである。また可動体ユニット201の上下方向の長さL6は、約199.9mmである。また可動体ユニット201の重量は、約6.5kgである。こうして本形態の可動体ユニット201は、従来の一般的な可動体を備えるユニットに比べて、非常に大きく且つ重いものになっている。
なお発光体ユニット202L,202R(図3参照)の重量は、約3kgである。そのため本形態の上側装飾部200では、可動体ユニット201と発光体ユニット202L,202Rの合計重量として約9.5kgもの重量がある。従って本形態の遊技機枠50では、上側装飾部に何ら可動物(重量物)を搭載していない遊技機枠に比べて、約9.5kgの重量増加である。そして本形態の遊技機枠50は、前方に大きく突出し且つ重い可動体ユニット201により、重量が上方の前方側に偏っているものである。
図13は、可動体ユニット201を下方から見た場合の左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rの分解斜視図である。図13に示すように、左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rは、可動体ユニット201のうち後方側に下端部に配されている。以下では、左側スピーカ67Lと右側スピーカ67Rとは左右対称の構成であるため、以下では左側スピーカ67Lの構成を代表して説明する。
左側スピーカ67Lは、後述する音声制御基板106から送信される制御信号(電気信号)を音波に変換することで音を出力するものである。この左側スピーカ67Lは、スピーカ本体67aと、組付カバー67bと、スピーカグリル67cと、装飾カバー67dとを備えている。スピーカ本体67aは、円錐台形状の振動板67a1を備えていて、振動板67a1を振動させることにより音を出力可能なものである。組付カバー67bは、スピーカ本体67aを後述する連結板301の水平部303のうち左側の後端部に組付けるものである。スピーカグリル67cは、スピーカ本体67aの振動板67a1を保護するものである。装飾カバー67dは、装飾が施されていて、スピーカ本体67aと組付カバー67bとスピーカグリル67cとを覆った状態で連結板301の水平部303のうち左側の後端部に組付けられるものである。
ここで左側スピーカ67Lにおいては、スピーカ本体67aの振動板67a1の軸中心ZLが左方に向かって斜め下方に延びている(図6参照)。つまり軸中心ZLは、本パチンコ遊技機1の前で座っている遊技者の左耳付近に向かうようになっている。これにより、左側スピーカ67Lから出力される音(演出音等)について、遊技者の左耳の方で聞き取り易くすることが可能である。一方、右側スピーカ67Rにおいては、スピーカ本体67aの振動板67a1の軸中心ZRが右方に向かって斜め下方に延びている(図6参照)。つまり、軸中心ZRは、本パチンコ遊技機1の前で座っている遊技者の右耳付近に向かうようになっている。これにより、右側スピーカ67Rから出力される音(演出音等)について、遊技者の右耳の方で聞き取り易くすることが可能である。なお以下では、左側スピーカ67Lと右側スピーカ67Rとをまとめて「スピーカ67」と呼ぶことにする。
図14は、可動体ユニット201の分解斜視図である。図14に示すように、可動体ユニット201は、3分割できるものであり、上側蓋部材240と、上側蓋部材240の下方に配されるユニット本体250と、ユニット本体250の前側に組付けられる前側カバー260と、を備えている。
図14に基づいて、上側蓋部材240の構成について説明する。上側蓋部材240は、可動体ユニット201(上側装飾部200)の上壁部を形成するものである。この上側蓋部材240は、前方に向かって斜め下方に僅かに傾斜していて、前側に略三角形状の前側プレート241(屈曲部)を備え、後側に略長方形状の後側プレート242(固定部)を備えている。
前側プレート241は、後述する枠可動体400の前方側の上面を隠すためのものである。この前側プレート241の後方側の左端部は、後側プレート242の前方側の左端部に対して、左右方向に延びる左側取付ピン243L(図12(A)参照)を介して回転可能に取付けられている。また前側プレート241の後方側の右端部は、後側プレート242の前方側の右端部に対して、左右方向に延びる右側取付ピン243R(図12(B)参照)を介して回転可能に取付けられている。
但し後側プレート242の前方側の両端部には、前側プレート241が図14の矢印X2が示す方向に回転しないように、係止部(図示省略)が設けられている。従って、前側プレート241は、後側プレート242に対して図14の矢印X1が示す方向にのみ回転可能である。また図12(A)に示すように、右側取付ピン243Rには、巻きバネ244(付勢部材)が組付けられている。巻きバネ244の一端部は、前側プレート241に係合していて、巻きバネ244の他端部は、後側プレート242に係合している。この巻きバネ244の付勢力により、前側プレート241は後側プレート242に対して回転しないで同一の平面を形成するようになっている。
後側プレート242は、後述する枠可動体400の後方側の上面を隠すためのものである。この後側プレート242は、左右両側にて後述する回転機構部300の回転部材360の取付部361にビスを介して固定されている。そのため、前側プレート241に図14の矢印X1が示す方向に外力(手によって前側プレート241を上方に屈曲させる力等)が作用すると、前側プレート241は、固定されている後側プレート242に対して図14の矢印X1が示す方向に回転可能である。即ち前側プレート241は、巻きバネ244の付勢力に抗して回転(屈曲)可能である。前側プレート241が後側プレート242に対して屈曲可能になっている効果については、後述する。
図15は、ユニット本体250の分解斜視図である。図15に示すように、ユニット本体250は、3分割できるものであり、回転機構部300と、回転機構部300の内側に組付けられる枠可動体400と、枠可動体400の下側に組付けられる下側カバー800と、を備えている。
次に図16(A)(B)に基づいて、前側カバー260の構成について説明する。前側カバー260は、可動体ユニット201(上側装飾部200)の前壁部を形成するものである。この前側カバー260は、図16(A)に示すように、上下方向に起立していて、後述する枠可動体400の前面側を隠すことができるように(図14参照)、左右方向に長く形成されている。また前側カバー260は、図16(B)に示すように、外側(前方側)に配される外側カバー261と、内側(後方側)に配される内側カバー262の2枚のカバーで構成されている。
図16(A)に示すように、前側カバー260(外側カバー261)の上端には、左右方向に沿ってタッチ電極263が取付けられている(図1参照)。また図16(B)に示すように、外側カバー261の後面側の上端部には、タッチセンサ264が取付けられている。タッチセンサ264は、タッチ電極263に対する人体の接触を検出するものであり、具体的には高周波発振回路を利用する静電容量式のタッチセンサである。つまり、人体がタッチ電極263に接触すると、人体の大地に対する静電容量(人体容量)に基づいて、高周波発振回路が発振する高周波正弦波電圧が減少する。タッチセンサ264は、この高周波正弦波電圧の減少を検知することにより、人体がタッチ電極263に接触したことを検出するようになっている。
また図16(A)に示すように、前側カバー260(外側カバー261)の下端には、ゴムから成る緩衝部材265が取付けられている(図6参照)。緩衝部材265は、外側カバー261の下端で左右方向に延びていて、左右両端部が後方へ湾曲している。ここで上述したように、上側装飾部200(可動体ユニット201)は、外枠51に対して操作機構部230よりも2倍以上前方に突出している(図4参照)。そのため、遊技者が操作機構部230のハンドル60、演出ボタン63、セレクトボタン68等の操作に意識を集中させた後、急に立ち上がると、前側カバー260の下端に衝突するおそれがある。そこで、万一遊技者の頭等が前側カバー260の下端に衝突しても、緩衝部材265により衝撃を緩和することが可能である。更に、前方に突出する可動体ユニット201の前方側の下端は、パチンコ遊技機1の搬送時等に衝突し易い部分であるため、緩衝部材265により破損や傷を生じ難くすることが可能である。
なお前側カバー260の左側の下端部266(図16(B)参照)は、後述する枠可動体400(詳細には左側リンクユニット302Lの取付部材340の起立部342)に取付けられる。また前側カバー260の右側の下端部(図示省略)も、後述する枠可動体400(詳細には右側リンクユニット302Rの取付部材340の起立部342)に取付けられる。そのため、前側カバー260は、枠可動体400と共に移動するようになっている。
次に図17〜図22に基づいて、回転機構部300の構成について説明する。図17は、回転機構部300の分解斜視図である。図17に示すように、回転機構部300は、3分割できるものであり、連結板301と、連結板301の左端の前方側に配される左側リンクユニット302Lと、連結板301の右端の前方側に配される右側リンクユニット302Rとを備えている。
連結板301は、左側リンクユニット302Lと右側リンクユニット302Rとを取付けている状態で、前枠53のベース枠56の上壁部57(図11参照)に連結されるものである。連結板301は、回転機構部300の剛性を高めるために鋼板で構成されていて、水平状の水平部303と、水平部303の前端から前方に向かって斜め上方に延びる傾斜部304と、水平部303の後端から鉛直方向の下方に延びる鉛直部305が形成されている。水平部303の上側には、後述する枠可動体400の駆動制御及び発光制御を行うための枠可動体制御基板306が配されている。傾斜部304は、左端部にて後述する左側リンクユニット302Lの傾斜プレート313を取付けると共に、右端部にて後述する右側リンクユニット302Rの傾斜プレート313を取付けるものである。鉛直部305は、左端部にて後述する左側リンクユニット302Lの突出プレート314を取付けると共に、右端部にて後述する右側リンクユニット302Rの突出プレート314を取付けるものである。
左側リンクユニット302Lと右側リンクユニット302Rの構成は、左右対称である。そのため以下では、左側リンクユニット302Lの構成を代表して説明する。なお左側リンクユニット302Lと右側リンクユニット302Rとをまとめて説明する場合には、単に「リンクユニット302(回転軸移動機構)」として説明することにする。
左側リンクユニット302Lは、枠可動体400を待機位置又は動作位置に移動可能にするものである。本形態では後述するように、枠可動体400が待機位置にあるときには、図19(A)に示すように、枠可動体400をリンクユニット302により略水平状態にしている。このとき枠可動体400は、前後方向の長さが上下方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものになっている。一方、枠可動体400が動作位置にあるときには、図21(B)に示すように、枠可動体400をリンクユニット302により前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態にしている。このとき枠可動体400は、上下方向の長さが前後方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものになっている。
図18(A)は、左側リンクユニット302Lを左側から見た場合の側面視であり、図18(B)は、左側リンクユニット302Lの縦断面図である。図17及び図18(A)(B)に示すように、左側リンクユニット302Lは、本体ケース310と、ギヤ機構320と、回転板330と、取付部材340と、直動部材350と、回転部材360とを主に備えている。なお以下では、枠可動体400が待機位置にあるときを基準にして各部材の説明を行う。
本体ケース310は、図17に示すように、前後方向に長くて、起立したものである。本体ケース310の内側面(右側面)には、回転モータ311が一体的に組付けられている。一方図18(A)に示すように、本体ケース310の外側面(左側面)には、内側に窪む凹部312が形成されている(図14参照)。また図17に示すように、本体ケース310の後方側の上部には、前方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜プレート313が設けられていて、本体ケース310の後端の上側には、上方に突出する突出プレート314が設けられている。更に本体ケース310の前方側の下部には、待機用フォトセンサ315が設けられている。
回転モータ311(駆動手段)は、後述するギヤ機構320に回転力を付与するものである。この回転モータ311は、ステップ数の管理(パルス信号の出力制御)に基づいて駆動するステッピングモータである。凹部312には、左右方向に貫通する貫通孔312aが形成されている。貫通孔312aは、後述するギヤ機構320の第1ギヤ321に設けられている六角軸部321aを外側へ露出するためのものである。こうしてリンクユニット302を外側から見た場合に、六角軸部321aが露出して見えるようになっている(図14参照)。傾斜プレート313は、上述したように、連結板301の傾斜部304の左側に取付けられるものである。突出プレート314は、上述したように、連結板301の鉛直部305の左側に取付けられるものである。待機用フォトセンサ315は、発光する発光部とこの発光部からの光を受光する受光部とを有し、発光部からの光が後述する回転板330の遮蔽部331によって遮られると、回転板330の位置を検出するようになっている。
ギヤ機構320は、図18(B)に示すように、第1ギヤ321と、第2ギヤ322と、第3ギヤ323と、第4ギヤ324と、第5ギヤ325と、第6ギヤ326と、第7ギヤ327と、第8ギヤ328と、第9ギヤ329とを主に備えている。第1ギヤ321は、回転モータ311の回転軸311aに連結している。そのため、回転モータ311が回転軸311aを回転させると、第1ギヤ321も回転するようになっている。
また第1ギヤ321には、図18(A)に示すように、外側(紙面奥側)に向かって延びる六角軸部321aが形成されている。六角軸部321a(操作手段)は、上述したように、本体ケース310の凹部312に形成されている貫通孔312aを貫通して、外側に露出している。従って、例えば遊技場(ホール)の従業員が六角レンチ(工具)を用いて六角軸部321aを回転させることにより、第1ギヤ321を回転させることが可能である。六角軸部321aを回転させることができる効果については、後述する。
第2ギヤ322は、第1ギヤ321と噛合している。第3ギヤ323は、第2ギヤ322に対して外側(紙面奥側)に配されていて、第2ギヤ322と共に一体回転可能である。第4ギヤ324は、第3ギヤ323と噛合している。第5ギヤ325は、第4ギヤ324と噛合している。第6ギヤ326は、第5ギヤ325に対して内側(紙面手前側)に配されていて、第5ギヤ325と共に一体回転可能である。第7ギヤ327は、第6ギヤ326と噛合している。第8ギヤ328は、第7ギヤ327と噛合している。第9ギヤ329は、第8ギヤ328と噛合している。第9ギヤ329には、軸中心O1にて左右方向に延びる連結ピン370が一体回転可能に連結している。
こうしてギヤ機構320では、回転モータ311の駆動によって回転軸311aが回転すると、第1ギヤ321と第2ギヤ322と第3ギヤ323と第4ギヤ324と第5ギヤ325と第6ギヤ326と第7ギヤ327と第8ギヤ328と第9ギヤ329が回転する。これにより、第9ギヤ329に連結している連結ピン370も回転するようになっている。
回転板330(回転体)は、図17に示すように、長尺状の板材であり、前方に向かって斜め下方に延びている。回転板330の上端部は、連結ピン370に連結している。そのため、回転板330は、連結ピン370の回転に伴って、軸中心O1周りに回転可能である。即ち、回転モータ311が駆動すると、回転板330はギヤ機構320を介して軸中心周りO1周りに回転可能である。
また回転板330の下側には、扇状の遮蔽部331が形成されている。遮蔽部331は、図17に示す状態では、待機用フォトセンサ315の発光部と受光部との間に入り込んで、受光部からの光を遮っている(図19(A)参照)。これにより、回転板330の位置が検出されている。即ち、枠可動体400が待機位置にあることが検出されている。また図17に示すように、回転板330の下端部には、内側(右方)に向かって延びる回転ピン332が一体的に取付けられている。回転ピン332は、後述する取付部材340を回転可能に組付けるものである。
取付部材340(リンク部材)は、枠可動体400を取付けると共に、前側カバー260(図16参照)を取付けるためのものである。取付部材340は、図17に示すように、水平方向にL字状に形成された載置部341と、鉛直方向に起立した起立部342とを備えている。載置部341は、後述する枠可動体400の取付金具401のU字部401aを固定するものである。起立部342は、前方側の内側面にて、後述する枠可動体400の取付金具401のI字部401bを固定すると共に、前側カバー260の左側の下端部266(図16(B)参照)を固定するものである。こうして、枠可動体400及び前側カバー260は取付部材340に取付けられている。また起立部342の後方側は、回転板330の回転ピン332(軸中心O2)周りに回転可能に組付けられている。また起立部342の上端部には、外側(左方)に向かって延びる組付ピン343(図17の破線参照)が一体的に取付けられている。組付ピン343は、後述する直動部材350を回転可能に組付けるものである。
直動部材350(直動体)は、図18(B)の矢印X3が示す方向に直動するものである。この直動部材350は、本体ケース310よりも前方に配されていて、後方側に図18(B)の矢印X3が示す方向に延びるスライダ351を有している。このスライダ351は、本体ケースの前方側に設けられているスライドレール316に対してスライド可能に組付けられている。こうして直動部材350は、スライダ351がスライドレール316に対して図18(B)の矢印X3が示す方向にスライドすることで、本体ケース310に対して直動可能である。
但し、直動部材350は、直動しかできないにも拘わらず、上述した取付部材340の起立部342の上端部に取付けられている組付ピン343に、回転可能に組付けられている。従って、直動部材350と取付部材340との関係では、取付部材340が直動する直動部材350に対して組付ピン343周りに回転可能になる。以上要するに、組付ピン343は、直動部材350の矢印X3(図18(B)参照)が示す方向に直動に伴って直動する。また回転ピン332は、回転板330の軸中心O1周りの回転に伴って回転する。よって、取付部材340は、軸中心O1周りに回転移動する回転ピン332に対して回転可能であると共に、矢印X3が示す方向に直動する組付ピン343に対して回転可能なリンク部材になっている。
回転部材360は、上側蓋部材240(図14参照)を取付けた状態で回転するものである。即ち、上側蓋部材240は、回転部材360と共に回転するようになっている。この回転部材360は、図17に示すように、本体ケース310のうち前後方向の略中央の上部に配されていて、薄板状の略卵形状に形成されている。回転部材360は、前方側の上部に略直方体形状の取付部361を有し、内側(右側)にカバー部材362を有している。
取付部361は、上面にて上側蓋部材240の後側プレート242の左端部を取付けるものである。なお右側リンクユニット302Rの回転部材360の取付部361は、上側蓋部材240の後側プレート242の右端部を取付けるようになっている。ここで図19(A)では、回転部材360のカバー部材362が取外された状態が示されている。図19(A)に示すように、回転部材360には、円弧状に形成されている第1長孔363と、直線状と円弧状の部分がつながっている第2長孔364とが形成されている。
第1長孔363には、本体ケース310から内側(右方)に延びる2つの固定ピン317,318が挿通されている。固定ピン317,318は、本体ケース310に対して上下に固定されていて、第1長孔363の移動をガイドするものである。こうして回転部材360は、第1長孔363に沿って円弧状にスライド(回転)可能に組付けられている。この回転部材360は、図19(A)に示す状態から、図20(A)に示すように、第1長孔363の上端が固定ピン317に当接するまで円弧状にスライド可能である。
第2長孔364には、図19(A)に示すように、回転板330の上端部から内側(右方)に延びるガイドピン333が挿通されている。なお回転板330の上端部は、三角形状になっていて、ガイドピン333を取付けている。ガイドピン333は、回転板330の回転に伴って第2長孔364に沿って移動するものである。こうして回転部材360は、ガイドピン333が第2長孔364に沿って移動することで、上述したように第1長孔363に沿って円弧状にスライド(回転)することができる。なお回転板330は、図19(A)に示す状態から図21(B)に示すように、ガイドピン333が第2長孔364に沿って下方に移動するのに伴って、軸中心O1周りに回転可能である。
次に図19〜図21に基づいて、枠可動体400が待機位置から動作位置に移動するまでの左側リンクユニット302Lの動作について説明する。図19(A)は、枠可動体400が待機位置にあるときの左側リンクユニット302Lを示す図である。図19(A)に示す状態では、回転板330が前方に向かって斜め下方に延びている。そして、枠可動体400は、前後方向に長いものになっている。この枠可動体400は、図15に示すように本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔の形態(意匠)を有している。そこで枠可動体400が待機位置にあるときには、主人公キャラの顔が上を向くようになっている。また図19(A)に示す状態では、回転部材360の取付部361が略水平方向に延びていて、取付部361に取付けられている上側蓋部材240も略水平方向(厳密には前方に向かって僅かに斜め下方)に延びている。更に図19(A)に示す状態では、回転板330の遮蔽部331が待機用フォトセンサ315の発光部と受光部との間に入り込んでいて、枠可動体400が待機位置にあることが検出されている。なお以下では、時計方向又は反時計方向を説明する場合、見ている図面を基準にして説明する。
図19(A)に示す状態から回転モータ311が駆動すると、回転板330が軸中心O1周りに時計方向に回転する。これにより、図19(B)に示すように、回転板330の回転ピン332が前方且つ上方に移動する。また直動部材350は本体ケース310から離れるように前方に直動すると共に、取付部材340が回転ピン332周りに反時計方向に回転する。これにより、枠可動体400の後端部は前方且つ上方に移動することになる。つまり、図19(A)に示す状態から図19(B)に示すように、主人公キャラの頭頂部が前方に向かって起き上がるようになる。また、ガイドピン333が回転部材360の第2長孔364に沿って移動することで、回転部材360は第1長孔363の上端が固定ピン317に近づくように回転する。これにより、回転部材360の取付部361に取付けられている上側蓋部材240は、前端側(図19(A)の左側)が起き上がるように時計方向に回転する。また図19(B)に示す状態では、既に回転板330の遮蔽部331が待機用フォトセンサ315の発光部と受光部との間に入り込んでいないため、待機用フォトセンサ315による検出がなされない。なお以後説明する図20(A)(B)及び図21(A)(B)においても、回転板330の遮蔽部331が待機用フォトセンサ315から離れていくため、待機用フォトセンサ315による検出がなされることはない。
図19(B)に示す状態から回転モータ311が駆動すると、回転板330が軸中心O1周りに時計方向へ更に回転する。これにより、図20(A)に示すように、回転板330が略水平方向に延びて、回転ピン332の位置としてはほぼ最前方の位置になる。また直動部材350は本体ケース310から更に離れるように前方に直動すると共に、取付部材340が回転ピン332周りに更に反時計方向に回転する。これにより、枠可動体400の後端部は前方且つ上方に更に移動することになる。つまり、図19(B)に示す状態から図20(A)に示すように、主人公キャラの頭頂部が前方に向かって更に起き上がるようになる。また、ガイドピン333が回転部材360の第2長孔364に沿って移動することで、回転部材360は第1長孔363の上端が固定ピン317に当接するまで回転する。これにより、回転部材360の取付部361に取付けられている上側蓋部材240は、前端側が更に起き上がるように時計方向に回転する。なお第1長孔363の上端が固定ピン317に当接しているため、回転部材360は図20(A)に示す状態から更に回転することができない。従って、回転部材360の取付部361に取付けられている上側蓋部材240は、図20(A)に示す状態から更に起き上がるように回転することはない。
図20(A)に示す状態から回転モータ311が駆動すると、回転板330が軸中心O1周りに時計方向へ更に回転する。これにより、図20(B)に示すように、回転板330が前方に向かって僅かに斜め上方に延びて、回転ピン332の位置としては僅かに後方且つ上方に移動する。また直動部材350は本体ケース310に対してほとんど直動しないで、取付部材340が回転ピン332周りに反時計方向へ更に回転する。これにより、枠可動体400の後端部は前方且つ上方に更に移動することになる。つまり、図20(A)に示す状態から図20(B)に示すように、主人公キャラの頭頂部が前方に向かって更に起き上がるようになる。このときには回転部材360が回転しないものの、ガイドピン333が回転部材360の第2長孔364に沿って下方に移動する。なお図20(B)に示す状態では、後述する耳部材540が収容位置から退避位置を経て突出位置へ移動できる可動空間KKが形成されている。そして以後の図21(A)(B)に示す状態でも、可動空間KKが形成されている。
図20(B)に示す状態から回転モータ311が駆動すると、回転板330が軸中心O1周りに時計方向へ更に回転する。これにより、図21(A)に示すように、回転板330が傾斜角度を更に大きくするように前方に向かって斜め上方に延びて、回転ピン332の位置が後方且つ上方に移動する。また直動部材350は本体ケース310に対して近づくように直動して、取付部材340が回転ピン332周りに反時計方向へ更に回転する。これにより、枠可動体400は略鉛直方向に起立して、上下方向に長いものになる。つまり、図20(B)に示す状態から図21(A)に示すように、主人公キャラの顔が正面を向くように起き上がる。
図21(A)に示す状態から回転モータ311が駆動すると、回転板330が軸中心O1周りに時計方向へ更に回転する。これにより図21(B)に示すように、回転板330が傾斜角度を更に大きくするように前方に向かって斜め上方に延びて、回転ピン332の位置が後方且つ上方に移動する。また直動部材350は本体ケース310に対して当接するまで直動して、取付部材340が回転ピン332周りに反時計方向へ更に回転する。これにより、枠可動体400は前方に向かって斜め上方に延びるように傾斜した姿勢になる。つまり、図21(A)に示す状態から図21(B)に示すように、主人公キャラの顔が前方に向かって斜め下方を見るようになる。このようにして枠可動体400の移動が完了する。即ち、枠可動体400が動作位置に移動する。なお本形態では、図21(B)に示すように、左側リンクユニット302Lには、枠可動体400が動作位置にあることを検出するためのフォトセンサが設けられていない。
ここで図22(A)は、図20(A)に示す枠可動体400と右側リンクユニット302Rとの関係を斜視図として示した図である。また図22(B)は、図20(B)に示す枠可動体400と右側リンクユニット302Rとの関係を斜視図として示した図である。図22(A)及び図22(B)から分かるように、本形態では、主人公キャラの顔が前方へ起き上がるように現れることにより、強いインパクトを与えることが可能である。つまり、縦長である枠可動体400を、前方に向かって迫り来るように移動させることで、遊技者には迫力ある枠可動体400の動きを見せることが可能である。
なお、枠可動体400が動作位置から待機位置に移動するまでの左側リンクユニット302Lの動作は、上述した説明と逆になる。即ち、図21(B)⇒図21(A)⇒図20(B)⇒図20(A)⇒図19(B)⇒図19(A)で示すように動作するため、その説明を省略する。
次に図23〜図32に基づいて、枠可動体400の構成について説明する。図23は、枠可動体400の分解斜視図である。図23に示すように、枠可動体400(枠可動部材)は、4分割できるものであり、取付金具401と、取付金具401の上側に配される耳ユニット402と、耳ユニット402の上側に配される顔ユニット403と、顔ユニット403の上側に配される鼻部材404とを備えている。
取付金具401は、耳ユニット402を取付けた状態で、リンクユニット302の取付部材340に取付けられるものである。取付金具401は、枠可動体400の剛性を高めるために鋼板で構成されていて、略U字状に形成されているU字部401aと、略I字状に形成されている一対のI字部401bとを有している。U字部401aは、水平方向に配されていて、上述したように、リンクユニット302の取付部材340の載置部341に取付けられる。各I字部401bは、U字部401aの前方側の両端から上方に延びている。これらI字部401bは、前側カバー260の左側の下端部266(図16(B)参照)及び右側の下端部(図示省略)と共に、リンクユニット302の各取付部材340の各起立部342に取付けられる。このようにして、前側カバー260と枠可動体400とリンクユニット302とが一体的に組付けられている。
耳ユニット402は、図23に示すように、左側耳可動体500Lと、右側耳可動体500Rと、左側耳可動体500L及び右側耳可動体500Rを組付けるベースプレート600とを主に備えている。左側耳可動体500Lと右側耳可動体500Rの構成は、ほとんど左右対称である。そのため以下では、右側耳可動体500Rの各構成部材を中心に説明し、左側耳可動体500Lの各構成部材の説明を省略する。なお左側耳可動体500Lと右側耳可動体500Rとをまとめて説明する場合には、単に「耳可動体500」として説明することにする。
右側耳可動体500Rは、図24(A)(B)に示すように、上下方向に延びる薄板状の鬣プレート510と、鬣の形状を模した鬣部材520と、上下方向に直線状に延びる直動レール530と、上下方向に延びる略三角錐形状の耳部材540と、鬣プレート510に取付けられている直動モータ550とを主に備えている。
ここで本形態の右側耳可動体500Rでは、耳部材540が、収納位置と退避位置と突出位置とに移動できるように構成されている。図25(A)では耳部材540が収納位置にあるときの正面図が示され、図25(B)では耳部材540が収納位置にあるときの背面図が示されている。また図26(A)では耳部材540が退避位置にあるときの正面図が示され、図26(B)では耳部材540が退避位置にあるときの背面図が示されている。また図27(A)では耳部材540が突出位置にあるときの正面図が示され、図27(B)では耳部材540が突出位置にあるときの背面図が示されている。なお図25〜図27では、耳ユニット402が鉛直方向に起立している状態(枠可動体400が動作位置に移動する直前の状態)を基準にして各方向が示されている。
鬣プレート510は、図24(A)に示すように、下端の内側(左端部)に、前後方向に延びる取付孔511を有している。取付孔511には、図25(A)に示すように、ベースプレート600に固定されている揺動軸610が挿通されている。そのため、鬣プレート510は、揺動軸610周りに揺動(回転)可能になっている。また鬣プレート510は、図24(A)に示すように、下端の外側(右端部)に収納用フォトセンサ512を有し、上部の内側(左端部)に突出用フォトセンサ513を有している。収納用フォトセンサ512は、耳部材540が収納位置にあることを検出するものである。つまり収納用フォトセンサ512では、図25(A)に示すように、発光部からの光が後述する耳部材540の遮蔽部544に遮られると、耳部材540の位置(収納位置)を検出する。また突出用フォトセンサ513は、耳部材が突出位置にあることを検出するものである。つまり突出用フォトセンサ513では、図27(A)に示すように、発光部からの光が耳部材の遮蔽部544に遮られると、耳部材540の位置(突出位置)を検出する。
また鬣プレート510は、図25(B)に示すように、左右に離れている揺動ピン514,515が取付けられている。揺動ピン514,515は、後述するベースプレート600に形成されている揺動孔640に沿って移動可能である。即ち、揺動ピン514,515は、鬣プレート510の揺動軸610周りの揺動をガイドするものである。こうして鬣プレート510は、内側(左側)にある揺動ピン514が揺動孔640の内側端(左端)に当接する位置(図25(B)参照)から、外側にある揺動ピン515が揺動孔640の外側端(右端)に当接する位置(図26(B),図27(B)参照)まで揺動可能である。
鬣部材520は、図24(A)に示すように、鬣プレート510の上方側の外側(右端部)に一体的に組付けられている。従って、鬣プレート510が揺動軸610周りに揺動すると、鬣部材520も揺動するようになっている(図25(A),図26(A)参照)。但し鬣部材520は、後述する耳部材540と異なり、揺動しか行わないものである。
直動レール530は、図24(A)に示すように、耳部材540を直動可能に組付けるものである。直動レール530は、鬣プレート510の外側(右端部)に一体的に組付けられている。従って、鬣プレート510が揺動軸610周りに揺動すると、直動レール530に組付けられている耳部材540も揺動するようになっている(図25(A),図26(A)参照)。
耳部材540は、図24(B)に示すように、後面側に上下方向に延びる直動スライダ541を一体的に組付けている。直動スライダ541は、直動レール530に沿ってスライド可能に組付けられている。ここで本形態では、図24(A)に示すように、耳部材540の外側(右側)の下端に、下方に突出する当接部542が形成されている。この当接部542は、図25(A)又は図26(A)に示すように、後述するベースプレート600に形成されている受承部材620に当接することで、耳部材540の下方への直動を規制するためのものである。
また耳部材540は、図24(B)に示すように、直動レール530よりも内側(左方)に、ラック543を有している。ラック543は、直動レール530と平行に形成されていて、直動モータ550の回転軸に連結しているピニオン551と噛合している。これにより、直動モータ550が駆動すると、ピニオン551がラック543に対して回転して、ラック543が直動する。その結果、ラック543を取付けている耳部材540は、直動レール530に沿って直動することができる。
また耳部材540は、図24(A)に示すように、下端の内側(左側)に遮蔽部544を有している。この遮蔽部544は、図25(A)に示すように耳部材540が収納位置にあるときに、収納用フォトセンサ512の発光部の光を遮るものであり、図27(A)に示すように耳部材540が突出位置にあるときに、突出用フォトセンサ513の発光部の光を遮るものである。但し遮蔽部544は、図26(A)に示すように耳部材540が退避位置にあるときには、収納用フォトセンサ512の発光部の光を遮らないようになっている。その理由については後述する。
直動モータ550は、ピニオン551を回転させることで耳部材540を直動させることが可能である。この直動モータ550は、ステップ数の管理(パルス信号の出力制御)に基づいて駆動するステッピングモータである。本形態では、直動モータ550が、ピニオン551を回転させることで耳部材540を傾動させることも可能になっている。その理由については後述する。直動モータ550は、図25(B)に示すように、後述するベースプレート600に形成されている挿通孔650に挿通されている。従って、鬣プレート510が揺動軸610周りに揺動すると、鬣プレート510に取付けられている直動モータ550は、挿通孔650の中を左右に揺動することができる(図25(B),図26(B),図27(B)参照)。
ベースプレート600は、耳可動体500を取付けている状態で、取付金具401の載置部341に固定されるものである(図23参照)。ベースプレート600は略長方形状に形成されていて、その構成は左右対称である。そのため以下では、ベースプレート600の右側の各構成部材を代表して説明する。ベースプレート600は、図25(A)(B)に示すように、揺動軸610と、受承部材620と、コイルスプリング630と、揺動孔640と、挿通孔650とを有している。また図25(B)に示すように、ベースプレート600には、耳用制御基板660が組付けられている。
揺動軸610は、耳部材540の揺動(回転)中心となるものであり、ベースプレート600の下端で左右方向の中央寄りに配されている。揺動軸610は、ベースプレート600から前方に延びるように設けられていて、上述したように鬣プレート510の取付孔511(図24(A)参照)に挿通している。
受承部材620(規制部)は、耳部材540の当接部542に当接することで耳部材540の下方への直動を規制するものである。この受承部材620は、図25(A)に示すように、ベースプレート600の右下部に配されていて、くの字状に形成されている(図23参照)。耳部材540の当接部542と受承部材620とが当接しているとき、直動モータ550から駆動力(ピニオン551からの直動力)を付与された耳部材540は、当接部542と受承部材620との当接部分TBを支点として傾動することになる。この点については後述する。
コイルスプリング630は、鬣プレート510に付勢力(収縮力)を付与するためのものである。図25(A)に示すように、コイルスプリング630の内端部(図25(A)の左右方向の中央寄りの端部)は、鬣プレート510に取付けられている。一方、コイルスプリング630の外端部は、ベースプレート600に取付けられている。このコイルスプリング630は、図26(A)又は図27(A)に示す状態においては通常状態になっている。そのため、鬣プレート510は、コイルスプリング630からの収縮力を受けてない。
一方、コイルスプリング630は、図25(A)に示す状態においては伸長状態になっている。そのため、鬣プレート510は、コイルスプリング630からの収縮力により、右方への力を受けている(図25(A)の矢印参照)。しかしながらこのとき、鬣プレート510が直動モータ550を取付けていて、且つ直動モータ550からの駆動力が無い状態で、直動モータ550に連結しているピニオン551がラック543と噛合している(図24(B)参照)。そのため、ラック543とピニオン551との噛合力に抗して鬣プレート510を揺動させるだけの回転力が作用しなくて、図25(A)に示す状態が維持されている。
揺動孔640は、鬣プレート510(揺動ピン514,515)の揺動をガイドするためのものである(図25(B),図26(B),図27(B)参照)。揺動孔640は、図25(B)に示すように、揺動軸610を軸中心として円弧状に形成されていて、鬣プレート510に取付けられている揺動ピン514,515を挿通している。
挿通孔650は、鬣プレート510が揺動する際に、その鬣プレート510に取付けられている直動モータ550の移動を許容するものである(図25(B),図26(B),図27(B)参照)。つまり挿通孔650の形状は、移動する直動モータ550に当接しないように形成されている。
耳用制御基板660は、図25(B)に示すように、ベースプレート600の背面(後面)側に配されていて、耳可動体500(直動モータ550)の駆動制御を行うためのものである。耳用制御基板660には、後述するハーネス850(図31(A)参照)の一端部に連結しているコネクタが接続されるようになっている。
次に、図25〜図27に基づいて、右側耳可動体500Rの動作について説明する。なお左側耳可動体500Lの動作は、右側耳可動体500Rの動作と同様であるため、説明を省略する。本形態では右側耳可動体500Rにおいて、1つの直動モータ550(駆動源)の駆動力を利用して、耳部材540が直動できるだけでなく傾動もできる点に特徴がある。
図25(A)に示す状態では、耳部材540が収納位置にある。このときには上述したように、鬣プレート510にはコイルスプリング630から右方への力を受けているものの、ピニオン551とラック543との噛合力により、鬣プレート510が揺動軸610周りに揺動しないようになっている。またこのときには図25(A)に示すように、収納用フォトセンサ512が耳部材540の位置(収納位置)を検出していて、図25(B)に示すように、内側にある揺動ピン514が揺動孔640の内側端に当接している。更に、図25(A)に示すように、耳部材540の当接部542と受承部材620とが当接している。
図25(A)に示す状態から直動モータ550が駆動すると、ラック543と噛合しているピニオン551が回転し始める。これにより、上述した噛合力が解除されて、鬣プレート510にはコイルスプリング630からの右方への力(図25(A)の矢印参照)をそのまま受ける。そのため図25(A)に示す状態から図26(A)に示すように、鬣プレート510は揺動軸610を軸中心にして右方へ揺動する。更にこのときには、耳部材540が、当接部542と受承部材620との当接部分TBを支点に右方へ傾動する。つまり直動モータ550の駆動力により、回転するピニオン551に対してラック543が当接部分TBを支点にして右方に傾動する。従って耳部材540は、右方へ揺動した鬣プレート510に対して、更に右方へ傾動する。その結果、耳部材540が上下方向に起立するように退避位置に移動(傾動)して、収納用フォトセンサ512が耳部材540の位置を検出しなくなる。またこのときには、図26(B)に示すように、外側にある揺動ピン515が揺動孔640の外側端に当接するまで移動している。
図26(A)に示す状態から直動モータ550が更に駆動すると、ピニオン551はその位置で回転し続けながら、ラック543が上方に直動する。つまり、ラック543を取付けている耳部材540が直動レール530に沿って上方に直動する。そのため図25(A)に示す状態から図26(A)に示すように、耳部材540は突出位置になるまで上方に直動して、突出用フォトセンサ513が耳部材540の位置(突出位置)を検出することになる。こうして本形態では、1つの駆動源(直動モータ550)で、耳部材540を傾動する方向と直動する方向の2方向に移動させることが可能である。
上記では、図25⇒図26⇒図27に基づいて、耳部材540が収納位置⇒退避位置⇒突出位置に移動する際の右側耳可動体500Rの動作について説明した。そこで以下では、図27⇒図26⇒図25に基づいて、耳部材540が突出位置⇒退避位置⇒収納位置に移動する際の右側耳可動体500Rの動作を簡単に説明しておく。
図27(A)に示す状態から直動モータ550が駆動すると、ラック543と噛合しているピニオン551が回転し始める。これにより、突出位置(第1位置)にある耳部材540は、ラック543と共に直動レール530に沿って下方に直動する。そして、図26(A)に示すように、耳部材540は当接部542と受承部材620とが当接するまで下方に直動すると、耳部材540は退避位置(第2位置)になる。
その後図26(A)に示す状態から直動モータ550が更に駆動すると、耳部材540はそれ以上下方に直動できないため、当接部542と受承部材620との当接部分TBを支点に左方へ傾動する。更にこのときには、耳部材540に取付けられているラック543がピニオン551と共に左方に傾動して、直動モータ550を介してピニオン551を取付けている鬣プレート510が、伸びるコイルスプリング630による収縮力に抗して揺動軸610周りに左方へ揺動する。これにより鬣プレート510は、図25(B)に示すように内側にある揺動ピン514が揺動孔640の内側端に当接するまで揺動すると共に、耳部材540は、図25(A)に示すように遮蔽部544が収納用フォトセンサ512の発光部の光を遮るまで傾動する。このようにして、耳部材540は収納位置(第3位置)になる。
耳部材540が図25(A)に示す収納位置まで移動した後、直動モータ550の駆動が停止すると、ピニオン551とラック543との噛合力が生じる。この噛合力はコイルスプリング630による収縮力(図25(A)の矢印参照)よりも大きい。そのため、直動モータ550を介してピニオン551を取付けている鬣プレート510は、図25(A)に示す収納位置に留まることができるようになっている。
なお本形態において、図27(A)に示す状態から図26(A)に示すように、耳部材540がラック543に沿って移動する方向が、「第1基準方向」である。また図26(A)に示す状態から図25(A)に示すように、耳部材540が当接部分TBを支点にして左右に傾動する方向が、「第2基準方向」である。また耳部材540が「可動体」に相当し、鬣プレート510及び鬣部材520が「演出体」に相当する。
次に図28〜図30に基づいて、顔ユニット403(図23参照)の構成について説明する。顔ユニット403は、本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔の形態を模したものであり、図28(A)(B)に示すように、ベース部材710と、左右一対の目部材720と、顎部材730と、顔用制御基板740(図29(B)参照)と、傾動機構750とを主に備えている。なお図28〜図30では、顔ユニット403に鼻の形状を模した鼻部材404(図23参照)が組付けられている状態が示されている。そして、顔ユニット403が鉛直方向に起立している状態(枠可動体400が動作位置に移動する直前の状態)を基準にして各方向が示されている。
ベース部材710は、図28(A)に示すように、鼻部材404と各目部材720と顎部材730と傾動機構750を組付けるものである。ベース部材710の上側には、頭の形態が一体的に施されていて、ベース部材710の上下方向の中央部には、各目部材720を嵌め込むための一対の嵌合部711(図23参照)が設けられている。またベース部材710は、図29(B)に示すように、下側の後部に左右方向の延びる傾動軸712を取付けている。
各目部材720は、円筒状且つ前側がドーム形状に形成されていて、内部に発光可能な発光部材(図示省略)を収容している。そのため各目部材720では、発光部材が発光することで、目が光っている印象を与えることが可能である。各目部材720が上述したベース部材710の各嵌合部711に嵌め込まれた後に、鼻部材404がベース部材710の上下方向の中央部に組付けられるようになっている(図23参照)。
顎部材730は、顎の形状を模したものであり、図28(A)に示す閉鎖位置と図28(B)に示す開放位置との間で傾動可能なものである。この顎部材730は、図29(B)に示すように、傾動軸712周りに傾動可能に組付けられている。傾動軸712には巻きバネ713が組付けられていて、巻きバネ713の付勢力として図29(B)の矢印で示す方向の力が顎部材730に作用している。従って、通常時には顎部材730が巻きバネ713の付勢力により図28(A)に示す閉鎖位置にある。一方、巻きバネ713の付勢力に抗して図29(B)の矢印で示す方向と逆向きの外力が作用すると、顎部材730は図28(B)に示す開放位置に傾動可能である。
顔用制御基板740は、図29(B)に示すように、ベース部材710の上部の内側に配されていて、各目部材720の発光部材の発光制御を行うと共に、顎部材730(後述する傾動モータ751)の駆動制御を行うものである。更に顔用制御基板740上には多数の点灯可能な顔用LED741が配されている。顔用制御基板740はこれら顔用LED741の点灯制御も行うことが可能である。
傾動機構750は、顎部材730を傾動可能にするための機構であり、ベース部材710の下側に設けられている。傾動機構750は、図28(A)(B)に示すように、顎部材730を傾動させるための傾動モータ751を備えている。また傾動機構750は、図29(A)(B)に示すように、小径の回転ギヤ752と、大径の連係ギヤ753と、前後方向に延びる連係板754とを主に備えている。なお傾動モータ751は、ステップ数の管理(パルス信号の出力制御)に基づいて駆動するステッピングモータである。
傾動モータ751は、その回転軸に回転ギヤ752を組付けている。そのため傾動モータ751が駆動すると、回転ギヤ752が回転する。回転ギヤ752は、図29(A)(B)に示すように、連係ギヤ753と噛合している。連係ギヤ753は、図29(B)に示すように、上方に突出する連係突部753aを有し、図29(A)に示すように、連係突部753aから左方に延びる連係軸753bを有している。
連係板754は、図29(B)に示すように、後端部にて傾動軸712周りに回転可能に組付けられている。また連係板754には、前後方向に長い長円状の連係孔754aが形成されている。連係孔754aは、図29(A)に示すように、回転ギヤ752の連係軸753bを挿通していて、連係軸753bの当該連係孔754aに沿った移動をガイドするものである(図29(B),図30(A)参照)。また連係板754は、図29(B)の二点鎖線で示すように、後端部の上端から起立する傾動部754bを有している。傾動部754bは、顎部材730に設けられている受け部731(図29(B)の二点鎖線参照)の直ぐ後方に配されている。
以上のように構成されている顔ユニット403において、傾動モータ751の駆動力で顎部材730を閉鎖位置から開放位置まで傾動させる場合と、手動で顎部材730を閉鎖位置から開放位置まで傾動させる場合との違いについて説明する。
図29(B)に示す状態から傾動モータ751が駆動すると、回転ギヤ752の回転に伴って、連係ギヤ753が回転する。これにより、連係ギヤ753の連係軸753bは連係板754の連係孔754aに沿って後方へ移動しようとする。このとき、図30(A)に示すように、連係板754は、傾動軸712周りに矢印で示す方向に傾動する。更に、連係板754に設けられている傾動部754bが、顎部材730に設けられている受け部731と共に傾動しようとする。その結果、顎部材730は、巻きバネ713の付勢力に抗して、開放位置まで傾動することになる。なお傾動モータ751が上記と逆駆動を行うと、傾動機構750が上記と逆に動作して、顎部材730は図30(A)に示す開放位置から図29(B)に示す閉鎖位置へ傾動する。
これに対して、図29(B)に示す状態から手動で顎部材730を開放位置へ傾動させると、顎部材730は傾動軸712周りに図29(B)の矢印で示す方向と逆方向に回転する。これにより、顎部材730は、巻きバネ713の付勢力に抗して、図30(A)に示すように、開放位置まで傾動する。このとき、傾動機構750は、図29(B)に示す状態のままである。つまり、連係板754、連係ギヤ753、回転ギヤ752、及び傾動モータ751には、何ら手動による外力が作用(伝達)しないことなる。なお顎部材730に対して手動の外力を解除すると、巻きバネ713の付勢力により、顎部材730は図30(B)に示す開放位置から図29(B)に示す閉鎖位置へ傾動する。
こうして本形態では、遊技者等が悪戯で顎部材730を手動で閉鎖位置から開放位置へ傾動させても、連係板754、連係ギヤ753、回転ギヤ752、及び傾動モータ751に無理な外力が作用するのを防ぐことが可能である。よって、傾動機構750や傾動モータ751の故障を生じ難くすることが可能である。
次に図13、図15、及び図31(A)に基づいて、下側カバー800の構成について説明する。下側カバー800は、上述したように枠可動体400の下側に組付けられるものであり(図15参照)、図6に示すように上側装飾部200の下壁部を形成するものである。下側カバー800は、図31(A)に示すように、本体カバー810と、左側嵌合プレート820Lと、右側嵌合プレート820Rと、追従プレート830と、ハーネスカバー840とを備えている。なお図31(A)は、図15に示す下側カバー800の分解斜視図である。
本体カバー810は、図31(A)に示すように、略長方形状に形成されていて、中央部に略T字状の嵌合孔811を有している。嵌合孔811は、左側嵌合プレート820Lと右側嵌合プレート820Rとを左右に嵌合させるためのものである。なお嵌合孔811に左側嵌合プレート820Lと右側嵌合プレート820Rとを嵌合させても、未だI字状の直線孔812(図31(A)の二点鎖線参照)が形成される。そのため、直線孔812を見え難くするため、直線孔812の前方側に追従プレート830が配され、直線孔812の後方側にハーネスカバー840が配される(図13参照)。
また本体カバー810には、嵌合孔811の前端の左右に、一対の前側組付孔813が形成されている。各前側組付孔813は、上方に窪む凹状になっていて、後述する追従プレート830の各前側ピン831を組付けるものである。また本体カバー810には、嵌合孔811の後方寄りの左右に、一対の後側組付孔814が形成されている。各後側組付孔814は、上方に窪む凹状になっていて、後述するハーネスカバー840の各支持ピン841を組付けるものである。
左側嵌合プレート820Lと右側嵌合プレート820Rの構成は、図31(A)に示すように、左右対称である。そのため、左側嵌合プレート820Lと右側嵌合プレート820Rとをまとめて「嵌合プレート820」と呼び、嵌合プレート820が備える構成を以下まとめて説明する。嵌合プレート820は、半円部分の内側から上方に屈曲する屈曲部821を有している。屈曲部821には、前後方向の略中央に第1切欠き822が形成されていて、後方寄り第2切欠き823が形成されている。第1切欠き822は、嵌合プレート820が本体カバー810の嵌合孔811に嵌合している状態で、後述する追従プレート830の各後側ピン832を支持するためのものである。第2切欠き823は、本体カバー810の後側組付孔814と向かい合って、後述するハーネスカバー840の各支持ピン841を回転可能に組付けるためのものである。
追従プレート830は、後述するハーネス850の前側部分851の動きに追従するものである。なおハーネス850の前側部分851は、ハーネス850のうちハーネスカバー840よりも前方側に露出している部分であり、追従プレート830に支持されている。追従プレート830は、前方側の左右に各前側ピン831を有し、後方側の左右に各後側ピン832を有している。各前側ピン831は、本体カバー810の各前側組付孔813に組付けられている状態で、嵌合プレート820が嵌合孔811に嵌合される。これにより、追従プレート830は、各前側ピン831周りに回転可能に組付けられている(図15参照)。このとき各後側ピン832は、嵌合プレート820の第1切欠き822に支持されている(図15参照)。
ハーネスカバー840は、下側カバー800を見たときに(図13参照)、ハーネス850を視認し難くするためのものである。ハーネスカバー840は、図31(A)に示すように、前後方向に長く形成されていて、ハーネス850を挿入(覆うことが)できるように中空状に形成されている。ハーネスカバー840は、前端の左右に支持ピン841を有し、後端に長円状の取付長孔842を有している。各支持ピン841は、上述したように、嵌合プレート820が本体カバー810の嵌合孔811に嵌合している状態で、向かい合う各後側組付孔814と各第2切欠き823に組付けられる。ここで図31(B)では、上述した連結板301(図17参照)を斜め下方から見た斜視図が示されている。連結板301は、図34(B)に示すように、水平部303の下面に二股部材307を組付けていて、二股部材307に左右方向に延びる取付ピン308が設けられている。よってハーネスカバー840の取付長孔842は、連結板301の二股部材307の取付ピン308に挿通されている(図13又は図32(A)(B)参照)。
ハーネス850は、複数本の電気配線をまとめたものであり、両端にそれぞれコネクタ(図示省略)が連結されている。ハーネス850は、図31(A)に示すように、ハーネスカバー840に覆われていて、ハーネスカバー840よりも前方にある前側部分851と、ハーネスカバー840よりも後方側にある後側部分852とを有している。前側部分851の先端にあるコネクタは、耳用制御基板660(図25(B)参照)に接続されている。後側部分852の先端にあるコネクタは、枠可動体制御基板306(図17参照)に接続されている。
ここで図32(A)(B)に基づいて、追従プレート830の動きについて説明する。図32(A)は、枠可動体400が待機位置にあるときの断面斜視図であり、図32(B)は、枠可動体400が動作位置にあるときの断面斜視図である。枠可動体400が待機位置にあるときには、上述したように、追従プレート830の各前側ピン831は本体カバー810の各前側組付孔813に回転可能に組付けられていて、追従プレート830の各後側ピン832は嵌合プレート820の各第1切欠き822に支持されている(図15参照)。従って、図13に示すように、追従プレート830によりハーネス850の前側部分851はほとんど視認できないようになっている。
そして、枠可動体400が図32(A)に示す待機位置から動作位置の方へ動き出すと、ハーネスカバー840は取付ピン308を軸中心にして起き上がるように移動する。このとき、ハーネス850の前側部分851も起き上がろうとして、ハーネス850の前側部分を支持する追従プレート830も、各前側ピン831を軸中心として起き上がるように移動する。つまり追従プレート830は、各後側ピン832が嵌合プレート820の第1切欠き822から離れるように起き上がる。こうして追従プレート830はハーネス850の前側部分851の動きに追従するため、枠可動体400の動作位置への移動中に、追従プレート830によりハーネス850の前側部分851を視認し難くすることが可能である。そして、枠可動体400が図32(B)に示すように動作位置にあるときには、追従プレート830は各前側ピン831により軸支された状態で、前方に向かって斜め上方に延びている状態になる。
その後、枠可動体400が図32(B)に示す動作位置から待機位置の方へ動き出すと、追従プレート830は各前側ピン831により軸支された状態で、図32(B)の矢印で示す方向に自重で回転する。これにより追従プレート830は、ハーネス850の前側部分851を支持(追従)しながら、各後側ピン832が嵌合プレート820の第1切欠き822に嵌り込むように移動する。こうして枠可動体400が動作位置から待機位置の方へ移動している途中でも、追従プレート830によりハーネス850の前側部分851を視認し難くすることが可能である。即ち、自重で垂れ下がる追従プレート830という簡易な構成で、本体カバー810の直線孔812(図31(A)参照)からハーネス850の前側部分851を見え難くすることが可能である。
ところで本形態では、枠可動体400が待機位置から動作位置に移動した後に、耳部材540を収納位置から退避位置を経て突出位置へ移動させるようになっている。これは可動体ユニット201おいて、図21(B)に示すように、枠可動体400が動作位置にあるときには、耳部材540が収納位置から突出位置へ移動できる可動空間KKが形成されているものの、図1に示すように、枠可動体400が待機位置にあるときには、上記した可動空間KKが形成されていないためである。
ここで本形態では上述したように、リンクユニット302(図19参照)には、枠可動体400の待機位置を検出するための待機用フォトセンサ315が設けられている。しかしながら、リンクユニット302には、枠可動体400の動作位置を検出するためのフォトセンサが設けられていない。従って、耳部材540が動作位置にある状態を制御的には把握していないことになる。よって万一、可動空間KKが形成される前に耳部材540が移動し始めると、耳部材540が連結板301等に当接してしまい、重大な故障が生じる可能性がある。特に本形態の上側装飾部200は、図4に示すように遊技者側(前方)に向かって大きく前方に突出しているため、遊技者から近い位置に配置されている。従って、枠可動体400を搭載する上側装飾部200が故障するような事態は、安全性に鑑みて確実に回避しなければならない。上記対策として、回転モータ311がステッピングモータであることから、回転モータ311のステップ数の管理(パルス信号の出力制御)だけで、枠可動体400が動作位置にあるか否かを推測する方法がある。しかしながら、ノイズ等の影響によりステップ数の管理が狂うおそれがあり、それだけでは万全な方法とはいえない。
そこで本形態では、以下の構成により、耳部材540の誤動作を確実に防止するようにしている。図31(A)に示すように、ハーネスカバー840(電気配線カバー)の後方側には、遮蔽突起843(検出用部分)が形成されている。そして図31(B)に示すように、連結板301の二股部材307の前端に可動空間用フォトセンサ309が配されている。可動空間用フォトセンサ309(特定位置検出手段)は、耳部材540が収納位置から突出位置へ移動できる可動空間KKが形成されたことを検出するものである。
即ち、図32(A)に示すように、枠可動体400が待機位置にあるときには、ハーネスカバー840の遮蔽突起843が、可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮っていない。そして図32(B)に示すように、枠可動体400が動作位置にあるときには、ハーネスカバー840の遮蔽突起843が、可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮っている。
但し、本形態では枠可動体400が動作位置に移動し終える前から、ハーネスカバー840の遮蔽突起843が、可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮るようにしている。具体的には、枠可動体400が図20(B)に示す位置(特定位置)に到達して、可動空間KKが形成されたときに、遮蔽突起843が可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮るように、可動空間用フォトセンサ309を配置している。よって可動空間用フォトセンサ309は、枠可動体400が図20(B)示す位置から図21(B)に動作位置へ移動するまでの間、検出信号を出力し続けていることになる。
こうして本形態では、回転モータ311(第1駆動源)へのパルス信号の出力制御により、枠可動体400(第1可動体)を待機位置(第1待機位置)から動作位置(第1動作位置)へ移動させることが可能である。しかしながら、パルス信号の出力制御が狂うような万一の場合に備え、可動空間KKが形成されたことを検出する専用の可動空間用フォトセンサ309を設けている。そして、可動空間用フォトセンサ309による検出がなければ、耳部材540(第2可動体)を収納位置(第2待機位置)から突出位置(第2動作位置)へ移動させない。よって、可動空間KKが形成されていることを条件に、耳部材540の突出位置への移動を開始することが可能であり、耳部材540の誤動作を確実に防止することが可能である。その結果、枠可動体400の重度の故障を回避することが可能であり、遊技者側(前方)に向かって大きく前方に突出している上側装飾部200の安全性を担保することが可能である。
ここで本形態の上側装飾部200の形状について説明する。本形態では、枠可動体400の移動によるインパクトを強めるべく、できるだけ大きな枠可動体400を上側装飾部200に設けることを特徴としている。そのため図4に示すように、上側装飾部200(可動体ユニット201)は、前方側に突出している。更に上側装飾部200が、遊技機枠50の上縁50Uよりも予め上方に突出するようになっている。ここで遊技機枠50の上縁50Uとは、遊技機枠50の外郭を構成する外枠51の上下左右の枠縁(上縁50U,下縁50D,左縁50L,右縁50R、図3参照)のうち、上側で左右方向に延びる縁を意味する。しかしながら、仮に上側装飾部200が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出し過ぎると、データカウンタ160と干渉するおそれがある(図4参照)。
そこで本形態では、図4に示すように、遊技機枠50よりも上方であって且つデータカウンタ160(データ表示装置162)の下端位置P4よりも前方において、上側装飾部200の後壁部を前方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面にしている。なおこの上側装飾部200の後壁部とは、具体的には、連結板301の傾斜部304(図2,図17参照)のことである。言い換えれば、前枠53の上壁部57がデータカウンタ160の下端位置P4よりも前方に延びるように水平状であり、その上壁部57の前端位置P5から連結板301の傾斜部304が形成されている。その上で、連結板301の傾斜部304(上側装飾部200の後壁部)の傾斜角度φは、データ表示装置162の前傾角度θとして最大である25度と同じになっている。こうして、できるだけ大きな枠可動体400を搭載する上側装飾部200を、予め遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出するようにしても、データカウンタ160との干渉を回避することが可能である。なお上側装飾部200の後壁部とデータカウンタ160との干渉を回避するという観点により、上述した傾斜角度φは25度以上であっても勿論良い。
ここで上側装飾部200は、データカウンタ160の下端位置P4よりも上方に突出するため、図3に示すように本パチンコ遊技機1を正面視で見た場合に、データカウンタ160の下側が見えなくなる。しかしながらデータカウンタ160の視認性を多少犠牲にしても、本形態では、できるだけ大きな枠可動体400を上側装飾部200に搭載すべく、上側装飾部200を予め遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出するように形成している。
また本形態では、大きな枠可動体400を搭載するために、上側装飾部200が非常に大きいものになっている。そのため、図3及び図4に示すように、上側装飾部200の前方側の下端位置P6が、ガラス板(窓部)55の上端位置P7よりも低い位置にある。そのため遊技者にとっては、ガラス板55を通して遊技領域3の上方部分が見え難くなってしまう。特に本形態では、図7に示すように、第1画像表示装置6の上方に第2画像表示装置7が配されていて、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bが、遊技領域3の上端よりも更に上方にある。従って、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bが一層見え難いという問題が生じ得る。なお上側装飾部200を図4に示す位置よりも上方に配置するという構成も考えられるが、この場合には上側装飾部200(特に動作位置に移動する枠可動体400)がデータ表示装置162と干渉し易くなってしまう。
そこで本形態では、上側装飾部200の下壁部を後方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面にしている。なおこの上側装飾部200の下壁部とは、具体的には、下側カバー800(図6,図13参照)のことである。これにより図4に示すように、仮に上側装飾部200の前方側の下端位置P6から後方に向かって水平状の水平面が形成されている場合に比べて、遊技領域3の上方部分を視認し易くすることが可能である。そして、上側装飾部200の前方側の下端位置P6から下側カバー800に沿って延びる直線T1(図4の二点鎖線参照)は、ガラス板55の上端位置P7と略一致するように延びている。その結果、図33に示すように、ガラス板55の上方部分、即ち第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bも視認し易くすることが可能である。なおガラス板55の上方部分を視認できれば、直線T1(図4参照)がガラス板55の上端位置P7よりも高い位置と一致するように延びていても良い。
また本形態では、図1に示すように、上側装飾部200の上壁部として、上側蓋部材240が配されている。この上側蓋部材240により、顔ユニット403の顔部分(意匠部分、本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔の形態)が視認できなくなっている。しかしながら本形態では、図34に示すように、上側蓋部材240のうち前側プレート241を、後側プレート242に対して屈曲するように回転させること(特定の操作)で、顔ユニット403の顔部分を視認できると共に接触できる視認接触空間SKを形成することができる。これにより、枠可動体400が待機位置にある状態で、顔ユニット403の顔部分に付着した汚れやゴミ等を取り除いたり、上側装飾部200の中を綺麗にすることが可能である。
そして、この上側蓋部材240では、前方に配されている前側プレート241だけが後側プレート242に対して屈曲可能になっている。そのため、遊技場の通路を巡回する従業員等にとっては、後側プレート242が前側プレート241に対して屈曲できる場合に比べて、視認接触空間SKを形成し易い。そのため、上述したように顔ユニット403や上側装飾部200の中の清掃が行い易くなっている。
ここで仮に、前側プレート241だけでなく、後側プレート242も屈曲できるように構成することが考えられる。しかしながらこの場合、遊技者が悪戯で前側プレート241及び後側プレート242を屈曲させて、顔ユニット403全体を覗き易くなってしまう。更に、上側装飾部200の内部にゴミ等が混入され易くなってしまう。そこで本形態では、前方側にある前側プレート241だけを屈曲できるようにすることで、できるだけ顔ユニット403の全体を見えないようにすると共に、上側装飾部200の内部にゴミ等を混入し難くすることが可能である。
また仮に、前側プレート241が後側プレート242に対して固定されている構成が考えられる。つまり上側蓋部材240を1枚のプレートとして構成することが考えられる。この場合には、勿論上述したように視認接触空間SKを形成できずに、顔ユニット403の顔部分や上側装飾部200の中の清掃ができなくなる。更にこの場合には、遊技者が顔ユニット403の顔部分を覗こうとして、1枚のプレートとして構成された上側蓋部材240を無理に屈曲させるおそれがある。そうなると上側蓋部材240が破壊されてしまう。そこで本形態では、上側蓋部材240のうち敢えて前側プレート241だけを屈曲できるようにしている。これにより、視認接触空間SKを形成できるようにして、悪戯による上側蓋部材240の破壊を防ぐことが可能である。
なお図34に示すように、前側プレート241を後側プレート242に対して屈曲させても、巻きバネ244(図12(A)参照)により、前側プレート241が屈曲しないように付勢される。つまり、前側プレート241を巻きバネ244の付勢力に抗して屈曲させ続けなければ、視認接触空間SKを形成できない。従って、遊技者が悪戯で前側プレート241を屈曲させても、遊技者の手が前側プレート241から離れれば、自然に上側蓋部材240を元の状態(図1参照)に戻すことが可能である。つまり、顔ユニット403が見えたままの状態になるのを回避することが可能である。
次に本パチンコ遊技機1において、枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際の動作について説明する。図1、図3、及び図4に示すように、枠可動体400が待機位置にあるときには、上側装飾部200の上壁部として上側蓋部材240が配されている。また上側装飾部200の前壁部として、前側カバー260が配されている。また上側装飾部200の下壁部として、下側カバー800が配されている。そして枠可動体400が上側装飾部200の内部に収容されているため、枠可動体400を視認できないようになっている。つまり、顔ユニット403の顔部分を見ることができない。なおこのときに枠可動体400は、前後方向の長さが上下方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものになっている(図19(A)参照)。
そしてリンクユニット302に設けられている回転モータ311が駆動すると、図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)に示すように、枠可動体400は移動する。即ち、枠可動体400は、後端部(主人公キャラの頭頂部)が前方且つ上方に移動するように、回転ピン332周りに回転する。そしてこのときには、枠可動体400を回転可能に支持する回転ピン332自体も、前方に移動するように、軸中心O1周りに回転する。そのため枠可動体400は、図20(A)に示す状態から図20(B)に示すように、後端部が起き上がるように回転しつつ、前方(遊技者側)に向かうことになる。その結果、遊技者には、回転しながら迫り来る枠可動体400により、迫力ある枠可動体400の動きを見せることが可能である。
また図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)に示すように、回転ピン332が前方に移動することにより、その回転ピン332周りに回転する枠可動体400を、連結板301や傾動しているデータ表示装置162と干渉するのを回避しつつ、起立させることが可能である。即ち、仮に回転ピン332が前方に移動しない場合には、前後方向に長い枠可動体400の後端部が起立する際に、連結板301やデータ表示装置162と干渉するおそれがある。そのため、回転ピン332を前方に動かすことにより、上記した干渉を回避することが可能である。
また図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)に示すように、枠可動体400が移動すると、上側蓋部材240は、図20(A)に示すように、前方に向かって斜め上方に傾斜した姿勢になるように回転(傾動)する。またこのときには、枠可動体400の前側に一体的に取付けられている前側カバー260は、図22に示すように、鉛直方向に対して傾斜している角度が大きくなるように回転(傾動)する。更にこのときには、枠可動体400の下側に一体的に取付けられている下側カバー800は、図22に示すように、水平方向に対して傾斜している角度が大きくなるように回転(傾動)する。
そして、回転モータ311の駆動により、図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)に示すように、枠可動体400は移動する。即ち、枠可動体400は、後端部(主人公キャラの頭頂部)が前方且つ上方に移動するように、回転ピン332周りに回転する。但しこのときには、枠可動体400を回転可能に支持する回転ピン332が、後方に移動するように、軸中心O1周りに回転する。そのため枠可動体400は、先ず図20(B)に示す状態から図21(A)に示すように、後方に移動しつつ略鉛直方向に起立する。続いて図21(A)に示す状態から図21(B)に示すように、枠可動体400は僅かに後方に移動しつつ前方に向かって斜め上方に傾斜した姿勢になる。以上により、枠可動体400は、待機位置から動作位置へ移動することになる。
枠可動体400が動作位置に移動すれば、回転モータ311へのパルス信号の出力制御が正常に実行されたことになる。そしてこのときには既に、図32(B)示すように、ハーネスカバー840の遮蔽突起843が、連結板301に設けられている可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮っている。即ち、可動空間KKが形成されていることが確認されている。よって、耳部材540の突出位置への移動が規制されることはなくて、直動モータ550が駆動し始める。
これにより、図25(A)に示す状態から図26(A)に示すように、左側耳可動体500Lの鬣プレート510及び右側耳可動体500Rの鬣プレート510が、回転する各ピニオン551と共に、左右に開くように各揺動軸610周りに揺動する。その結果、各鬣プレート510に取付けられている鬣部材520が左右に開くように移動する。更にこのときには、左側耳可動体500Lの耳部材540及び右側耳可動体500Rの耳部材540が、当接部分TBを支点として左右に傾動する。こうして、各耳部材540は収納位置から退避位置に移動する。
続いて、図26(A)に示す状態から図27(A)に示すように、左側耳可動体500Lの耳部材540及び右側耳可動体500Rの耳部材540が、各鬣プレート510の直動レール530に沿って上方に直動する。以上により、各耳部材540が突出位置に移動することになる。各耳部材540が突出位置に移動すると、図27(A)に示すように、各耳部材540の遮蔽部544が突出用フォトセンサ513の発光部からの光を遮る。これにより、突出用フォトセンサ513は、各耳部材540が突出位置にあることを検出する。
ここで図35は、枠可動体400が動作位置にあり且つ耳部材540が突出位置にあるときの本パチンコ遊技機1の斜視図である。また図36は図35の正面図であり、図37は図35の右側面図である。図35〜図37に示すように、枠可動体400が動作位置に移動し且つ耳部材540が突出位置に移動した後に、本形態では顎部材730が上下方向に傾動するようになっている。
即ち、先ず傾動モータ751が所定の正方向に回転駆動する。これにより、顎部材730が図29(B)に示す閉鎖位置から、図30(A)に示す開放位置へ傾動する。続いて、傾動モータ751が上記した正方向と反対の逆方向に回転駆動する。これにより、顎部材730が図30(A)に示す開放位置から、図29(B)に示す閉鎖位置へ傾動する。こうして、突出位置にある枠可動体400を見ている遊技者に対して、枠可動体400の口が1回開いた後に閉じるのを見せることが可能である。
以上説明したように、本形態の上側装飾部200では、4種類の可動部材(枠可動体400、各鬣部材520、各耳部材540、顎部材730)により斬新な動きを見せることが可能である。つまり、先ず枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する(図1,図35参照)。続いて、各鬣部材520が左右外側に開くように移動する(図25(A),図26(A)参照)。またこのときには、各耳部材540が収納位置から退避位置を経て突出位置に移動する(図25(A),図26(A),図27(A)参照)。その後、顎部材730が閉鎖位置から開放位置を経て再び閉鎖位置へ移動する(図29(B),図30(A)参照)。よって、遊技者に対して、前枠53の上部での多様な動きを見せることにより、非常に強いインパクトを与えることが可能である。
また本形態では、図37に示すように、枠可動体400が動作位置にあるときには、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置している。しかしながら枠可動体400は、待機位置から動作位置へ移動することで、上側装飾部200の前端位置P1よりも後方に移動するようになっている。これは以下の理由に基づく。本形態では、強いインパクトを与えるために、非常に大きな枠可動体400を上側装飾部200に設けている。そのため、図4に示すように、上側装飾部200を前方に向かって大きく突出させていて、その上側装飾部200に前後方向に長い枠可動体400を配している(図19(A)参照)。
そして上述したように、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる際に、枠可動体400が連結板301やデータ表示装置162と干渉しないように、回転ピン332を前方に移動させる。しかしながら、ここで仮に回転ピン332を前方に移動させ続ける構成にすると、動作位置にある枠可動体400が前方に出過ぎるおそれがある。つまり、予め前方に大きく突出している上側装飾部200の前端位置P1よりも更に、枠可動体400が前方に位置するようになると、遊技場の通路を巡回する従業員や遊技者にとっては、枠可動体400が邪魔になる可能性がある。
そこで本形態では、図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)に示すように、回転ピン332を前方に移動させた後に、図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)に示すように、回転ピン332を後方に移動させるようにしている。これにより、図37に示すように、動作位置にある枠可動体400を上側装飾部200の前端位置P1よりも後方に配置させることが可能である。その結果、大きな枠可動体400であっても、前方に出過ぎるのを回避することが可能であり、従業員や遊技者の通行の邪魔になるのを回避することが可能である。
また本形態では、枠可動体400が待機位置にあるときに、図6に示すように、下側カバー800は上側装飾部200の下壁部を形成している。この下側カバー800は、枠可動体400が動作位置に移動することで、図35及び図37に示すように、枠可動体400の後方にて前方に向かって斜め上方に傾斜するように移動する。なお図38に示すように、枠可動体400が動作位置にあるときには、後述するように前側カバー260が上側装飾部200の下側に配置される。こうして枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、上側装飾部200の下壁部が大きく変位する(図6,図38参照)。よって、上側装飾部200の下壁部が固定物だと考えていた遊技者には、上側装飾部200の下壁部が変形するという大きな驚きを与えることが可能である。即ち、図38に示すように、遊技中の遊技者にとっては、直ぐ上方にある上側装飾部200の下壁部が大きく変形するため、上側装飾部としての常識を覆すインパクトを与えることが可能である。
また本形態では、枠可動体400が待機位置にあるときに、図3に示すように、前側カバー260は上側装飾部200の前壁部を形成していて、図1に示すように、上側蓋部材240は上側装飾部200の上壁部を形成している。前側カバー260は、枠可動体400が動作位置に移動することで、図35〜図38に示すように、枠可動体400の下方にて前方に向かって斜め下方に傾斜するように移動する。上側蓋部材240は、枠可動体400が動作位置に移動することで、図35に示すように、枠可動体400の後方にて前方に向かって斜め上方に傾斜するように移動する。こうして枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、上述したように上側装飾部200の下壁部が大きく変位(変形)するだけでなく、更に上側装飾部200の前壁部と上壁部も大きく変位(変形)する。従って遊技者には、上側装飾部200の大部分の壁部の変形を見せることにより、一層強いインパクトを与えることが可能である。
また本形態では、枠可動体400が待機位置にあるときには、図1及び図3に示すように、前側カバー260が、上側装飾部200の左側壁部及び右側壁部の前方部分を形成している。そして、枠可動体400が動作位置に移動すると、前側カバー260が上述したように移動するため、図35及び図37に示すように、上側装飾部200の左側壁部及び右側壁部の前方部分が欠落する。従って遊技者には、上側装飾部200のうち前側壁部と上下左右の壁部というほとんど全ての壁部の変形を見せることが可能であり、極めて強いインパクトを与えることが可能である。
また本形態では、枠可動体400が待機位置にあるとき、上側装飾部200の下壁部を形成する下側カバー800は、当該枠可動体400の下側に一体的に取付けられている(図15参照)。また上側装飾部200の前壁部を形成する前側カバー260も、当該枠可動体400の前側に一体的に取付けられている(図15参照)。要するに、上側装飾部200に対して移動する枠可動部材自体が、上側装飾部200の下壁部と前壁部とを形成している。従って、枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、枠可動体400と、上側装飾部200の下壁部を形成していた部分(下側カバー800)と、上側装飾部200の前壁部を形成していた部分(前側カバー260)とが一体的に移動していくという斬新な動きを遊技者に見せることが可能である。
また本形態では、図4及び図37に示すように、上側装飾部200に移動可能な枠可動体400が設けられていて、右側装飾部220にも移動可能な剣部材221が設けられている。そのため、遊技者の上方で枠可動体400が動き、遊技者の右方で剣部材が動くことになる。よって、前枠53の上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230のうち、2カ所で枠可動部材(枠可動体400,剣部材221)が動くという驚きを遊技者に与えることが可能である。つまり、遊技者の目から見れば上方と右方という2つの方向で枠可動部材が動くという斬新な動きを見せることが可能である。
また本形態では、図4に示すように、枠可動体400が待機位置にあり且つ剣部材221が収容位置にあるときには、上側装飾部200の方が右側装飾部220よりも前方に突出している。しかしながら、図37に示すように、枠可動体400が動作位置にあり且つ剣部材221が露出位置にあるときには、右側装飾部220の方が上側装飾部200よりも前方に突出することになる。こうして、上側装飾部200が最も前方に大きく突出していると考える遊技者に対して、驚きを与えることが可能である。即ち、前枠53全体として大きな変形を遊技者に見せることで、斬新な遊技機枠50という印象を一層抱かせることが可能である。
ここで本形態では、できるだけ大きな枠可動体400を搭載したために、図4及び図5に示すように、可動体ユニット201(上側装飾部200)が前方に大きく突出し且つ非常に重たいものになっている。しかしながら、大きな枠可動体400であるが故に、可動体ユニット201の内部のスペースの余裕がほとんどない。また本パチンコ遊技機1では、前方に大きく突出する可動体ユニット201により、重量が上方の前方側に偏っている。従って、本パチンコ遊技機1は重量バランスが悪いものになっていて、可動体ユニット201の軽量化が望まれる。
そこで本形態では、可動体ユニット201に搭載する駆動源の数を減らすようにしている。即ち、耳部材540は、直動モータ550の駆動力を利用して、図25(A)に示す収納位置から図26(A)に示す退避位置へ、当接部分TBを軸中心として左右に移動する。また耳部材540は、同じ直動モータ550の駆動力を利用して、図26(A)に示す退避位置から図27(A)に示す突出位置へ、直動レール530が延びる方向に移動する。こうして1つの直動モータ550により、耳部材540を2方向に移動させることが可能である。よって、耳部材540を2方向に移動させるために2つの駆動源を可動体ユニット201に搭載する場合に比べて、可動体ユニット201(上側装飾部200)の軽量化を図ることが可能である。更に、耳ユニット402(2方向移動機構)をコンパクトに構成できることにより、可動体ユニット201の内部のスペースの余裕がほとんどない状況でも、耳ユニット402を可動体ユニット201の内部に搭載し易くすることが可能である。
更に本形態では、図25(A)に示す状態から図26(A)に示すように、直動モータ550の駆動力を利用して、鬣プレート510及び鬣部材520が揺動軸610周りに揺動する。これは上述したように、ピニオン551の回転により、当該ピニオン551とラック543との噛合力が解除される。そして、直動モータ550を介してピニオン551を取付けている鬣プレート510が、揺動可能になるためである。こうして直動モータ550の駆動力を利用して、耳部材540を2方向に移動できるだけでなく、鬣プレート510及び鬣部材520(演出体)も移動させることができる。よって、鬣部材520を移動させるための駆動源を可動体ユニット201に搭載する場合に比べて、可動体ユニット201の軽量化を図ることが可能である。更に、耳ユニット402をコンパクトに構成できることにより、耳ユニット402を可動体ユニット201の内部に搭載し易くすることが可能である。
また本形態では、図14に示すように、リンクユニット302(左側リンクユニット302L及び右側リンクユニット302R)には、六角軸部321aが設けられている。六角軸部321aは、上述したように、第1ギヤ321(図18(B)参照)から左右方向の外側に延びているものであり、六角軸部321aを回転させることにより、第1ギヤ321を回転させることができる。つまり、六角軸部321aを所定の正方向に回転させれば、枠可動体400(可動部材)を図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)⇒図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)に示すように待機位置から動作位置へ移動させることが可能である。また、六角軸部321aを上記した正方向とは逆に回転させれば、枠可動体400を図21(B)⇒図21(A)⇒図20(B)⇒図20(A)⇒図19(B)⇒図19(A)に示すように動作位置から待機位置へ移動させることが可能である。
よって、遊技場の従業員が、営業時間の開始前又は終了後に、六角レンチを用いて六角軸部321aを回転させることにより、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させることが可能である。こうして、パチンコ遊技機1に電源が投入されていなくても、手動操作で、枠可動体400を動作位置にある状態(顔ユニット403が露出している状態)にしておくことが可能である(図35参照)。これにより、顔ユニット403に付着した汚れやゴミ等を取り除いたり、上側装飾部200の内部に混入しているゴミ等を取り除くことが可能である。
そして本形態では、図14に示すように、六角軸部321aが、外側から操作できるように露出する位置に設けられている。つまり六角軸部321aは、リンクユニット302の本体ケース310を外側に向かって貫通している。従って、六角レンチを用いて六角軸部321aを操作し易くなっている。よって、上述したように枠可動体400又は上側装飾部200に対するメンテナンスを容易に行うことが可能である。なお六角軸部321aは、外側に露出しているものの、手動操作では操作困難なものである。
但し本形態では、可動体ユニット201が前枠53(ベース枠56)に取付けられている状態で(図1参照)、六角レンチを用いて外側に露出している六角軸部321aを回転可能であるものの、発光体ユニット202L,202Rにより六角軸部321aへの操作が簡単であるわけではない。そのため、図11に示すように、可動体ユニット201を前枠53(ベース枠56)から取外せば、六角軸部321aへの操作が簡単になり、枠可動体400又は上側装飾部200に対するメンテナンスを一層容易に行うことが可能である。
なお本形態では、六角軸部321aを回転させても耳部材540が移動することはないが、耳部材540を収納位置から退避位置を経て突出位置へ移動させることが可能な操作手段を設けるようにしても良い。また本形態では、図34に示すように上側蓋部材240の前側プレート241を開けて、枠可動体400の前端部を手動で下方に向かって押すことで、枠可動体400を待機位置から動作位置へ手動で移動させることが可能になっている。但し、六角レンチを用いて六角軸部321aを回転させた方が、ギヤ機構320に無理な負荷が作用し難いため好ましい。
ところで遊技場では、同じパチンコ遊技機が左右方向に並んで、遊技島が構成される場合がある。図39は、遊技島を構成するために、本パチンコ遊技機1の左方に、本パチンコ遊技機1と同じパチンコ遊技機1Lが配置されている状態が示されている。本パチンコ遊技機1では、図4に示すように、上側装飾部200が前方に大きく突出していて、上側装飾部200から外枠51までの距離L1が、操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上になっている。更に、右側装飾部220が前方に大きく突出していて、上側装飾部200から外枠51までの距離L3が操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上になっている。
そのため、本パチンコ遊技機1で遊技をしている遊技者にとっては、上方にある上側装飾部200と、右方にある右側装飾部220と、左方にあるパチンコ遊技機1Lの右側装飾部220とに囲まれた感じになる。つまり、操作機構部230の各操作手段(ハンドル60、演出ボタン63、セレクトボタン68)を操作しながら遊技を行う遊技者に対して、上方と左右の装飾部で包み込むことが可能である。その結果、遊技に集中することができる空間を提供することが可能である。
ここで本形態の枠可動体400の動作の特徴を、図40に基づいて説明する。前提条件として、枠可動体400は、待機位置にあるときに、前後方向の長さが上下方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものである。図40(A)(B)は比較例として、枠可動体400を待機位置から移動させる場合を示す図である。比較例のように、枠可動体400の前端部400Xが上方且つ後方に移動するように枠可動体400を起立させると、枠可動体400は後方に移動しながら起立することになる。
これに対して、図40(C)(D)は本形態のように、枠可動体400を待機位置から移動させる場合を示す図である。本形態のように、枠可動体400の後端部400Yが上方且つ前方に移動するように枠可動体400を起立させると、枠可動体400は前方に移動しながら起立する。即ち、枠可動体400が、前方に移動しながら、上下方向の長さが前後方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものになる。これにより、縦長の枠可動体400を遊技者に向かって近づくように見せることが可能であり(図22(A)(B)参照)、比較例よりも迫力ある枠可動体400の動きを見せることが可能である。
なお本形態では、図37に示すように、枠可動体400を動作位置まで移動(起立)させた場合に、鉛直方向(垂直)に起立した状態にしないで、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態にしている。これは、枠可動体400を傾動しているデータ表示装置162と干渉し難くするためである。更に、遊技中の遊技者に顔ユニット403の顔部分の正面を見易くするためである。
3.遊技機の電気的構成
次に図41〜図43に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図41及び図42に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、枠可動体400等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150(電源投入手段)は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図41に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図41に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図42に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図42に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6の表示制御及び第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6及び第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、図43に示すように、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行うと共に、サブ駆動基板107と後述する枠可動体制御基板306と耳用制御基板660と顔用制御基板740とを介して顔用LED741の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66、盤ランプ5、顔用LED741等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5、顔用LED741などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107に接続された盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。つまり演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データや復帰データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体駆動モータ15aの駆動を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお動作パターンデータは、後述する枠可動体400の動作態様を決めるデータ、耳部材540の動作態様を決めるデータ、顎部材730の動作態様を決めるデータもある。
またサブ駆動基板107には、枠可動体制御基板306が接続されている。枠可動体制御基板306には、タッチセンサ264(図16(B)参照)が接続されている。そのため、タッチ電極263に人体が接触すると、タッチセンサ264から枠可動体制御基板306とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。またサブ駆動基板107には、枠可動体400が待機位置にあることを検出する待機用フォトセンサ315と、可動空間KKが形成されたことを検出するための可動空間用フォトセンサ309とが接続されている。これらフォトセンサ315,309の検出信号は、枠可動体制御基板306とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して出力される。また枠可動体制御基板306には、枠可動体400を回転駆動させるための回転モータ311(図17参照)が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠可動体制御基板306を介して回転モータ311の駆動制御を行う。
また枠可動体制御基板306には、耳用制御基板660が接続されている。耳用制御基板660には、耳部材540を直動及び揺動させるための直動モータ550(図24(B)参照)が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠可動体制御基板306と耳用制御基板660とを介して直動モータ550の駆動制御を行う。また耳用制御基板660には、耳部材540が収納位置にあることを検出する収納用フォトセンサ512と、耳部材540が突出位置にあることを検出する突出用フォトセンサ513とが接続されている。これらフォトセンサ512,513の検出信号は、耳用制御基板660と枠可動体制御基板306とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して出力される。
また枠可動体制御基板306には、耳用制御基板660を介して、顔用制御基板740が接続されている。顔用制御基板740には、顎部材730を傾動させるための傾動モータ751(図28参照)が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠可動体制御基板306と耳用制御基板660と顔用制御基板740とを介して傾動モータ751の駆動制御を行う。また顔用制御基板740には、上述したように点灯制御される顔用LED741が接続されている。
なお、サブ駆動基板107や枠可動体制御基板306にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107や枠可動体制御基板306にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
ここで図41〜図43は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図41〜図43に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図41〜図43に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図41〜図43に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図44に示す通りである。図44に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである(図44参照)。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである(図44参照)。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図9(B)参照)から第1の状態(図9(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図44に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図45(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図45(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図46(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図47参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図46(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図46(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図48参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図48参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.パチンコ遊技機1の動作
次に、図49に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図50〜図55に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図49に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であっても良い。また乱数生成回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていても良い。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図41参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aがONであれば、第1特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図45(A)参照))を取得する。また第2始動口センサ21aがONであれば、第2特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数を取得する。また、ゲートセンサ28aがONであれば、普図保留の記憶が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図45(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図47に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図47に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図47の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図48参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理を行う(S106)。以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図50〜図55に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図50に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン91は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(図53参照)を実行するようになっている。図50に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ68a(図42参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S202)。ランプデータ出力処理(S202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5、枠ランプ66、顔用LED741を発光させるべく、後述のサブ側10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S405)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5、枠ランプ66、顔用LED741を所定の発光態様で発光させる。
次いで、後述する駆動制御処理を行う(S203)。駆動制御処理(S203)は、枠可動体400、耳部材540、顎部材730、盤可動体15(図7参照)の駆動を制御するための処理である。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S204)を行って、本処理を終える。
[駆動制御処理]図51に示すように、駆動制御処理(S203)ではまず、枠可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する(S301)。枠可動体駆動データは、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させて、その後に耳部材540を収納位置から退避位置を経て突出位置に移動させて、その後に顎部材730を傾動させるための動作パターンデータである。本形態では、枠可動体駆動データは、SPリーチを実行する変動演出において所定のタイミングでセットされるようになっている。枠可動体駆動データがセットされていなければ(S301でNO)、図52に示すステップS311に進む。
一方、枠可動体駆動データがセットされていれば(S301でYES)、続いて、待機用フォトセンサ315がONであるか否かを判定する(S302)。即ち、枠可動体400が待機位置にあるか否かを判定する。待機用フォトセンサ315がONであれば(S302でYES)、回転モータ駆動処理を行う(S303)。回転モータ駆動処理(S303)では、枠可動体駆動データに基づいて、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させるべく、回転モータ311の駆動制御を行う。具体的には、ステッピングモータである回転モータ311に対してパルス信号の出力制御を開始する。一方、待機用フォトセンサがONでなければ(S302でNO)、回転モータ駆動処理(S303)をパスして、ステップS304に進む。
ステップS304では、回転モータ311へのパルス信号の出力制御が完了したか否かを判定する。完了していれば(S304でYES)、続いて、可動空間用フォトセンサ309がONであるか否かを判定する(S305)。即ち、可動空間KKが確実に形成されている状況か否かを判定する。可動空間用フォトセンサ309がONであれば(S305でYES)、直動モータ駆動処理を行う(S306)。直動モータ駆動処理(S306)では、枠可動体駆動データに基づいて、耳部材540を収納位置から退避位置を経て突出位置へ移動させるべく、直動モータ550(第2駆動源)の駆動制御を行う。具体的には、ステッピングモータである直動モータ550に対してパルス信号の出力制御を開始する。これらに対して、回転モータ311へのパルス信号の出力制御が完了していない(S304でNO)、又は可動空間用フォトセンサがONでなければ(S305でNO)、直動モータ駆動処理(S306)をパスして、ステップS307に進む。
こうして本形態では、枠可動体400を動作位置に移動させるために、回転モータ311に対するパルス信号の出力制御(ステップ数の管理)を行っているものの、更に可動空間KKが形成されていることを確認している。そして、回転モータ311へのパルス信号の出力制御が完了していても(S304でYES)、可動空間KKが形成されていることが検出されていなければ(S305でNO)、直動モータ駆動処理(S306)を実行しない。よって、可動空間KKが形成されていないにも拘わらず、収納位置にある耳部材540が突出位置へ移動し始めてしまい、可動体ユニット201(上側装飾部200)に故障が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
ステップS307では、突出用フォトセンサ513がONであるか否かを判定する。即ち、耳部材540が突出位置にあるか否かを判定する。ONであれば(S307でYES)、傾動モータ駆動処理を行う(S308)。傾動モータ駆動処理(S308)では、枠可動体駆動データに基づいて、顎部材730を閉鎖位置から開放位置へ移動させた後、開放位置から閉鎖位置へ移動させるべく、傾動モータ751の駆動制御を行う。具体的には、ステッピングモータである傾動モータ751に対してパルス信号の出力制御を行う。これに対して、突出用フォトセンサ513がONでなければ(S307でNO)、傾動モータ駆動処理(S308)をパスして、ステップS309に進む。
ステップS309では、顎部材730が閉鎖位置から開放位置へ移動した後に、開放位置から閉鎖位置に移動し終わったか否かを判定する。閉鎖位置に移動し終わっていれば(S309でYES)、RAM94の所定の記憶領域にセットされている枠可動体駆動データをクリアする(S310)。一方、閉鎖位置に移動し終わっていなければ(S309でNO)、図52に示すステップS311に進む。
図52に示すように、ステップS311では、枠可動体復帰データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠可動体復帰データは、耳部材540を突出位置から退避位置を経て収納位置へ移動させて、その後に枠可動体400を動作位置から退避位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、枠可動体復帰データは、例えば枠可動体駆動データがセットされた後に、所定のタイミングでセットされるようになっている。枠可動体復帰データがセットされていなければ(S311でNO)、ステップS319に進む。
一方、枠可動体復帰データがセットされていれば(S311でYES)、続いて、突出用フォトセンサ513がONであるか否かを判定する(S312)。突出用フォトセンサ513がONであれば(S312でYES)、直動モータ逆駆動処理を行う(S313)。直動モータ逆駆動処理(S313)では、枠可動体復帰データに基づいて、耳部材540を突出位置から退避位置を経て収納位置へ移動させるべく、直動モータ550の駆動制御を行う。一方、突出用フォトセンサ513がONでなければ(S312でNO)、直動モータ逆駆動処理(S313)をパスして、ステップS314に進む。
ステップS314では、収納用フォトセンサ512がONであるか否かを判定する。ONであれば(S314でYES)、回転モータ逆駆動処理を行う(S315)。回転モータ逆駆動処理(S315)では、枠可動体復帰データに基づいて、枠可動体400を動作位置から待機位置へ移動させるべく、回転モータ311の駆動制御を行う。これらに対して、収納用フォトセンサがONでなければ(S314でNO)、回転モータ逆駆動処理(S315)をパスして、ステップS316に進む。
こうして本形態では、枠可動体400を動作位置から待機位置へ駆動(復帰)させる場合、耳部材540が確実に収納位置に移動し終わったことを確認している。そして、耳部材540が収納位置にあることが検出されなければ、回転モータ逆駆動処理(S315)を実行しない。よって、耳部材540が収納位置にいないにも拘わらず、枠可動体400が待機位置へ移動し始めてしまい、可動体ユニット201(上側装飾部200)に故障が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
ステップS316では、待機用フォトセンサ315がONであるか否かを判定する。ONであれば(S316でYES)、RAM94の所定の記憶領域にセットされている枠可動体復帰データをクリアする(S317)。一方、待機用フォトセンサ315がONでなければ(S316でNO)、ステップS318に進む。
ステップS318では、タッチセンサ264がONであるか否かを判定する。ONであれば(S318でYES)、枠可動体停止処理を実行する(S319)。枠可動体停止処理(S319)では、枠可動体400と耳部材540と顎部材730の移動を停止させる。つまり、回転モータ311の駆動と直動モータ550の駆動と傾動モータ751の駆動を停止させる。従って、これらの可動部材(枠可動体400,耳部材540,顎部材730)のうち何れかが移動中であれば、その可動部材を停止させることが可能である。また何れかの可動部材が移動し始めるタイミングであっても、その可動部材を移動し始めないようにすることが可能である。
その後、その他の処理(S320)として、例えば、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行って、本処理を終える。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図53に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。図53に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S401)。次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S402)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて第1画像表示装置6の表示画面6a及び第2画像表示装置7の表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S403)。
続いて、演出制御用マイコン91は、音声制御処理を行う(S404)。音声制御処理(S404)では、音声データ(スピーカ67から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板106への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5、枠ランプ66、顔用LED741の点灯を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S405)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図54に示すように、受信コマンド解析処理(S401)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S501)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S502)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S503)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S504)。変動演出終了処理(S504)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S505)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S506)。オープニング演出選択処理(S506)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S507)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S508)。ラウンド演出選択処理(S508)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S509)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S510)。エンディング演出選択処理(S510)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS511では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、特定領域39への通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S401)を終える。
[変動演出開始処理]図55に示すように、変動演出開始処理(S502)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S601)。変動開始コマンドには、変動パターン(図47参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S602)。続いて演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S603)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S604)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。そして、実行する変動演出においてSPリーチを実行するか否かを判定する(S605)。具体的には、解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報が、変動パターンQ1,Q2,Q3,Q11,Q12,Q13,Q21,Q22,Q31,Q32(図47参照)であるか否かを判定する。SPリーチを実行する場合であれば(S605でYES)、枠可動体データ設定処理を実行する(S606)。
枠可動体データ設定処理(S606)では、SPリーチの実行中に所定のタイミングで枠可動体駆動データをRAM94の所定の記憶領域にセットするための設定処理を行う。更に、枠可動体駆動データをセットした後に所定のタイミングで枠可動体復帰データをRAM94の所定の記憶領域にセットするための設定処理を行う。こうしてSPリーチの実行中の所定のタイミングにて、駆動制御処理(S203)で説明したように、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させて、その後に耳部材540を収納位置から退避位置を経て突出位置に移動させて、その後に顎部材730を移動させることが可能である。また、その後の所定のタイミングにて、耳部材540を突出位置から退避位置を経て収納位置に移動させて、その後に枠可動体400を動作位置から待機位置へ移動させることが可能である。
そして演出制御用マイコン91、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S607)、変動演出開始処理(S502)を終了する。ステップS607でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、第1画像表示装置6の表示画面6a及び第2画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、回転モータ311に対するパルス信号の出力制御(ステップ数の管理)により、枠可動体400を待機位置から動作位置に移動させる。この場合において、外乱等の影響によってパルス信号の出力制御が狂うような異常事態が生じても、可動空間用フォトセンサ309による検出がなければ、収納位置にある耳部材540が突出位置に移動することはない。つまり、可動空間KKが形成されていることが確認されていなければ、収納位置にある耳部材540を移動不能に制御している。よって万一、上記した異常事態が生じても、可動空間KKが形成されていない状況で耳部材540が移動し始めるのを回避することが可能である。その結果、可動体ユニット201に重度の故障が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、可動体ユニット201は遊技機枠50の前枠53に設けられているため、例えば可動体ユニットが遊技盤2に設けられている場合に比べて、可動体ユニット201が遊技者に近い位置にある。従って、可動体ユニット201の故障には万全の対策を施す必要があるところ、上記した重度の故障を防ぐことにより、より安全なパチンコ遊技機1(遊技機枠50)を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図4に示すように、上側装飾部200から外枠51までの距離L1は、操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上である。そのため、遊技機枠50の上側が、前方に向かって大きく突出している。従って、可動体ユニット201が遊技者により近い位置に配されていることになる。よって、上記した重度の故障を確実に防ぐことにより、前方に大きく突出している上側装飾部200であっても、安全な可動体ユニット201を備える上側装飾部200を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、枠可動体400が図20(B)に示す位置になると、ハーネスカバー840の遮蔽突起843が、可動空間用フォトセンサ309の発光部からの光を遮断する。つまり、図31(A)に示すように、遮蔽突起843を有するハーネスカバー840が、ハーネス850を隠す役割だけでなく、可動空間用フォトセンサ309により検出される役割も果たす。これにより、可動空間用フォトセンサ309により検出されるための専用部品を設けずに、枠可動体400が図20(B)に示す位置に到達したことを検出することが可能である。
8.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第1変形例>
図56に基づいて上記形態の第1変形例について説明する。上記形態では、図14に示すように、遊技場(ホール)の従業員が六角軸部321aを操作し易いように、外側に露出する六角軸部321aを設けた。しかしながら、遊技者が悪戯で六角軸部321aを操作するおそれがある。そこで第1変形例では、図56に示すように六角軸部321bを遊技者が操作できないように設けている。
第1変形例では、前枠53のベース枠56の後面の上部に、前後方向に貫通する貫通孔56aが左右一対に形成されている。各貫通孔56aには、それぞれ六角軸部321bが挿通されている。これら六角軸部321b(操作手段)は図示しないギヤ機構に連結していて、そのギヤ機構が上述した第1ギヤ321(図18(B)参照)に連結している。そのため、六角軸部321bを回転させることにより、ギヤ機構を介して第1ギヤ321を回転させることが可能になっている。即ち、六角軸部321bを回転させることにより、待機位置にある枠可動体400を動作位置へ移動させることが可能であると共に、動作位置にある枠可動体400を待機位置に移動させることが可能である。
以上、第1変形例のパチンコ遊技機1によれば、遊技場の従業員が枠可動体400又は上側装飾部200に対するメンテナンスを行う場合、図56に示すように、前枠53(第2枠部材)を内枠52(第1枠部材)及び外枠51に対して開放させる。これにより、前枠53のベース枠56の後面側に配されている各六角軸部321bを、六角レンチを用いて回転させることが可能である。これに対して、遊技者は前枠53を内枠52及び外枠51に対して開放させることができない。従って、遊技者が悪戯等で各六角軸部321bを回転させて、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させるのを回避することが可能である。
<第2変形例>
次に、図57及び図58に基づいて上記形態の第2変形例について説明する。第2変形例の遊技機は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)である。図57および図58に示すように、スロットマシン900は、前面が開口する筐体910と、この筐体910の側端に回動自在に取り付けられた前面扉920(前枠部に相当)とを備えている。なお、筐体910における上下左右の壁部910aは、枠状の基枠部に相当する。この第2変形例では、筐体910と前面扉920により遊技機枠が構成されている。
筐体910の内部には、外周面に複数種類の図柄が配列されたリール930L,930C,930R(以下、左リール930L、中リール930C、右リール930Rとも言う)が左右方向に並設されている。各リール930には、それぞれ、各リール930を駆動する駆動モータ(図示せず)と、各リール930の回転位置および停止位置を検出する位置検出器(図示せず)が取付けられている。なお、リール930L,930C,930Rは、図柄表示部を構成する。
前面扉920の上下方向の略中央に配置されている前面パネル921には、透明の樹脂パネルで形成されたリール窓部922が設けられている。リール窓部922は、各リール930の外周面に描かれた複数種類の図柄(実施形態では各リールそれぞれ21個)のうち連続する複数の図柄(本形態では各リールそれぞれ3個)を、正面から視認可能としている。
ここで、スロットマシン900は、入賞役に当選し、かつ、左リール930Lに描かれた図柄、中リール930Cに描かれた図柄、及び右リール930Rに描かれた図柄が、有効化された入賞ラインN1〜N5に沿って、所定の図柄の組み合わせで揃った場合(以下「入賞」ともいう)に、当選した入賞役に対して設定されている特典(遊技媒体(本形態ではメダル)の払い出しなど)を遊技者に与えるものである。入賞役としては、例えば、大量の遊技媒体が獲得可能なレギュラーボーナス(以下「RB」ともいい、大当たりの一例である)、レギュラーボーナスよりもさらに大量の遊技媒体が獲得可能なビッグボーナス(以下「BB」ともいい、大当たりの一例である)、少量の遊技媒体が付与される小役、新たに遊技媒体の賭数を設定することなく次回の遊技を可能にするリプレイなどがある。
なお有効化され入賞ラインN1〜N5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合せが各リール930L,930C,930Rの表示結果として導出表示された場合には、その図柄の組み合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。例えばレギュラーボーナスやビッグボーナスに入賞した場合には、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。
また図57に示すように、前面扉920のリール窓部922の下方側には、メダルを投入可能なメダル投入部940が設けられている。また、クレジット(スロットマシン900に記憶されている遊技者所有のメダルの枚数の記憶)を用いてその範囲内において所定の最大賭数(本形態では「3」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ942、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ(スタートレバー)943、各リール930L、930C、930Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ(ストップボタン)944L,944C,944Rが遊技者により操作可能に設けられている。
なお、メダル投入部940の上方には、複数桁の7セグメントLED表示器で構成されたクレジット表示部941が設けられている。クレジット表示部941は、クレジットとしてカウントされているメダルの枚数を表示する。
また、前面扉920におけるストップスイッチ944等の下方には、スロットマシン900を装飾する装飾パネル946が設けられている。また、前面扉920の最下部には、メダルが払い出されるメダル払出口950と、メダル払出口950から払い出されたメダルを受けるメダル受皿部952と、ゲームの進行等に伴って音声を出力するスピーカ960が配されている。
また、前面扉920における前面パネル921の上部には、上記形態と同様の上側装飾部200が設けられている。即ち、前面パネル921の上部のうち左右方向の中央には、枠可動体400を有する可動体ユニット201が配されていて、前面パネル921の上部のうち左右両側には、発光体ユニット202L,202Rが配されている。また、前面扉920における前面パネル921の右部には、上記形態と同様の右側装飾部220が設けられている。即ち、前面パネル921の右部には、剣の形状を模した剣部材221と、鞘の形状を模した鞘部材222とが配されている。
以上、第2変形例のスロットマシン900によれば、図58に示すように、上側装飾部200がメダル受皿部952の前縁952aより前方に向かって大きく突出すると共に、右側装飾部220もメダル受皿部952の前縁952aより前方に向かって大きく突出している。そして、主制御部(図示せず)による入賞役の抽選の結果、各種の入賞役の中でも特に特典の大きい入賞役(例えばビッグボーナス)に当選した場合に、主制御部(遊技制御部)からの信号を受けたサブ制御部(演出制御部)によって枠可動体400が上述したように待機位置から動作位置へ移動する(図19(A)(B),図20(A)(B),図21(A)(B)参照)。従って、第2変形例では、上記形態で説明したパチンコ遊技機1と同様の作用効果を奏することが可能である。
なお第2形態では、スロットマシンとして、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機を例として説明したが、小役に頻繁に入賞可能なARTやAT等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であってもよい。この場合、ARTやAT中の状態を特別遊技状態と称することとする。
<その他の変形例>
上記形態では、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる際に、当該枠可動体400を回転可能に取付ける回転ピン332(回転軸)、連結ピン370(軸中心O1)周りに回転させるようにした(図19(A)(B),図20(A)(B),図21(A)(B)参照)。しかしながら、スライド機構等を用いて、回転ピン332を直線状に移動(直動)させるようにしても良い。この場合には、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させるまで、回転ピン332を前方に向かって移動させたり、或いは回転ピン332を後方に移動させても良い。又は、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させるまで、回転ピン332を前方に向かって移動させたり、或いは回転ピン332を後方に移動させても良い。
また上記形態では、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる際に、回転ピン332(回転軸)を前方に移動させた後に、後方に移動させるようにした。しかしながら、回転ピン332を移動させる方向は、適宜変更可能である。例えば、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる際に、回転ピン332を後方に移動させた後に、前方に移動させるようにしても良い。又は、回転ピン332を上方に直動(直線状に移動)させた後に、前方に直動させても良い。或いは、回転ピン332を下方に直動させた後に、前方に直動させても良い。
また上記形態では、図37に示すように、動作位置にある枠可動体400は、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に位置していた。しかしながら、動作位置にある枠可動体400は、遊技機枠50の上縁50Uよりも下方に位置するものであっても良い。つまり、枠可動体400は、上側装飾部200に設けられていても、遊技機枠50の上縁50Uよりも下方の範囲で移動するものであっても良い。また枠可動体400は、左側装飾部210、右側装飾部220、或いは操作機構部230に設けられていても良い。
また上記形態では、待機位置にある枠可動体400は、遊技機枠50の上縁よりも上方に位置していた。しかしながら、待機位置にある枠可動体400は、遊技機枠50の上縁よりも下方に配置されているものであっても良い。
また上記形態では、枠可動体400を回転可能に取付ける回転ピン332(回転軸)が、左右方向に延びるものであった。しかしながら、回転軸が延びる方向は適宜変更可能であり、例えば回転軸が前後方向に延びるものや、上下方向に延びるものであっても良い。又は回転軸が、前後方向、左右方向、上下方向の何れかの方向に対して傾斜しているものであっても良い。
また上記形態では、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる際に、枠可動体400の後端部400Yを前方且つ上方に向かって移動させた(図40(C)(D)参照)。しかしながら、枠可動体400の前端部400Xを後方且つ上方に向かって移動させるようにしても良い(図40(A)(B)参照)。
また上記形態では、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させることで、枠可動体400を上下方向の長さが前後方向の長さ又は左右方向の長さの何れもよりも大きくなるように起立させた。しかしながら、動作位置にある枠可動体400は、前後方向の長さが上下方向の長さ又は左右方向の長さの何れよりも大きいものであったり、左右方向の長さが上下方向の長さ又は前後方向の長さの何れよりも大きいものであっても良い。なお本形態で説明する「起立」とは、枠可動体400が垂直方向に延びている状態以外にも、例えば前方に向かって斜め上方に延びている状態も含む意味であり、上下方向の方が前後方向又は左右方向の何れよりも延びている印象を与えるものであれば良い。
また上記形態では、図14又は図56に示すように、パチンコ遊技機1に電源が投入されていなくても、六角軸部321a,321b(操作手段)を回転させることにより、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動可能にした。しかしながら、枠可動体400を移動させるための操作手段は、六角軸部321a,321bに限られるものではなく、例えばレバーやボタン等であっても良い。但し、操作手段は、遊技者による操作が簡単に行えないように、六角レンチやドライバー等の汎用工具や、ほとんど入手困難な特殊な専用工具で操作できるものが好ましい。
また上記形態では、遊技機枠50に設けられている枠可動体400(可動部材)を、待機位置から動作位置へ移動させることが可能な六角軸部321a,321b(操作手段)を設けた。しかしながら、遊技盤2に設けられている可動部材(例えば盤可動体15)を、待機位置から動作位置へ移動させることが可能な操作手段を設けても良い。この場合には、その操作手段を遊技機枠50(前枠53又は内枠52)側の部材に設けるようにしても良いし、遊技盤2側の部材に設けるようにしても良い。
また上記形態では、図1に示すように、枠可動体400が待機位置にあるときには顔ユニット403(可動部材の一部)が露出しておらず、枠可動体400が動作位置にあるときには顔ユニット403が露出するようにした。しかしながら、枠可動体400が待機位置にあるときでも、顔ユニット403が露出しているようにしても良い。
また上記形態では、図14に示すように、リンクユニット302に六角軸部321a(操作手段)を設け、図56に示すように、前枠53のベース枠56の後面側に六角軸部321b(操作手段)を設けた。しかしながら。枠可動体400を移動させることが可能な操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。例えば、内枠52の後面側に操作手段を設けて、内枠52(第2枠部材)を外枠51(第1枠部材)に対して開放させたときに、その操作手段を操作できるようにしても良い。
また上記形態では、遊技機枠50(上側装飾部200)に、枠可動体400(第1可動体)と耳部材540(第2可動体)とを設けた。そして、可動空間用フォトセンサ309による検出がある場合には、耳部材540を収納位置(第2待機位置)から突出位置(第2動作位置)へ移動可能にする一方、可動空間用フォトセンサ309による検出がない場合には、耳部材540を収納位置から突出位置へ移動不能にした。しかしながら、上側装飾部200以外に設けられている第1可動体と第2可動体に対して、上述したように制御しても良い。例えば、遊技盤に設けられている第1可動体と第2可動体に対して、上述したように制御しても良い。
また上記形態では、枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、回転モータ311へのパルス信号の出力制御が完了し、且つ可動空間用フォトセンサ309(特定位置検出手段)が検出していることを条件に、耳部材540を収納位置から突出位置へ移動させるようにした。しかしながら、可動空間用フォトセンサ309が検出していることだけを条件に、耳部材540を収納位置から突出位置へ移動させるようにしも良い。この場合には、枠可動体400が図20(B)に示す位置(特定位置)に移動したタイミング、即ち可動空間KKが形成されたタイミングで、耳部材540を収納位置から突出位置へ移動させることになる。即ち、枠可動体400の移動中にも拘わらず、耳部材540を移動させることになる。これにより、待機位置にある枠可動体400が動作位置に移動し、且つ収容位置にある耳部材540が突出位置に移動し終えるまでの時間を短くすることが可能であり、枠可動部材(枠可動体400,耳部材540)の動きによる演出時間が無駄に長くなるのを回避することが可能である。
また上記形態では、可動体ユニット201は、枠可動体400が待機位置にあるときには、耳部材540が収納位置から突出位置へ移動できる可動空間KKを形成していない(図19(A)参照)。一方、可動体ユニット201は、枠可動体400が図20(B)に示す位置(特定位置)から動作位置に移動するまでの間(図20(A)(B)参照)、可動空間KKを形成するものであった。しかしながら、可動体ユニット201は、枠可動体400が動作位置にあるときだけ、可動空間KKを形成するものであっても良い。この場合には、可動空間用フォトセンサ309(特定位置検出手段)を、枠可動体400が動作位置(特定位置)にあることだけを検出できるように配置すれば良い。これにより、その可動空間用フォトセンサ309が検出していなければ、耳部材540を移動できないようにすることで、枠可動体400が動作位置に移動し終える前に耳部材540が突出位置へ移動し始めてしまうのを確実に防止することが可能である。或いは、可動体ユニット201は、待機位置から動作位置までの何れの位置であっても、可動空間KKを形成するものであっても良い。
また上記形態では、上側装飾部200に設けられている枠可動体400(第1可動体)の移動に基づいて、可動空間用フォトセンサ309(特定位置検出手段)の検出がなければ、上側装飾部200に設けられている耳部材540(第2可動体)を移動させないように構成した。しかしながら、上述した第1可動体と特定位置検出手段と第2可動体とによる構成を、上側装飾部200以外に設けても良く、適宜変更可能である。例えば、左側装飾部210、右側装飾部220、又は操作機構部230に設けても良く、遊技盤2に設けても良い。
また上記形態では、枠可動体400を移動させる回転モータ311(第1駆動源)、及び耳部材540を移動させる直動モータ550(第2駆動源)がステッピングモータであった。しかしながら、第1駆動源又は第2駆動源はステッピングモータ以外の駆動源でも良く、適宜変更可能である。例えば、第1駆動源又は第2駆動源は、ソレノイドやサーボモータ等であっても良い。
また上記形態では、図31に示すように、ハーネスカバー840(電気配線カバー)に、可動空間用フォトセンサ309が検出するための遮蔽突起843(検出用部分)を設けた。しかしながら、検出用部分を設ける電気配線カバーは、ハーネスカバー840に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば1本の電気配線を覆う電気配線カバーに対して、検出用部分を設けるようにしても良い。
また上記形態では、可動空間KKが形成されていることを可動空間用フォトセンサ309(特定位置検出手段)により検出した。しかしながら、特定位置検出手段は、発光部と受光部とを備えるフォトセンサ(光電センサ)に限られるものではなく、マイクロスイッチ、近接センサ、磁気センサ等で構成されていても良い。
また上記形態では、図4に示すように、上側装飾部200から外枠51までの距離L1が操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上になるように、上側装飾部200を前方に向かって大きく突出させた。しかしながら、上記した距離L1は上記した距離の2倍以上でなくても良く、適宜変更可能である。例えば、上記した距離L1が上記した距離L2より少なくとも大きいように、上側装飾部200を構成しても良い。
また上記形態では、図4に示すように、右側装飾部220から外枠51までの距離L3が操作機構部230から外枠51までの距離L2の2倍以上になるように、右側装飾部220を前方に向かって大きく突出させた。しかしながら、上記した距離L3は上記した距離の2倍以上でなくても良く、適宜変更可能である。例えば、上記した距離L3が上記した距離L2より少なくとも大きいように、右側装飾部220を構成しても良い。
また上記形態では、図4に示すように、右側装飾部220を操作機構部230よりも前方に向かって大きく突出するように構成したが、左側装飾部210を操作機構部230よりも前方に向かって大きく突出するように構成しても良い。そして、上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220の何れも、操作機構部230よりも前方に向かって大きく突出するように構成しても良い。この場合には、上方にある上側装飾部200と、左方にある左側装飾部210と、右方にある右側装飾部220とによって、遊技者を囲むことが可能である。よって上記形態(図39参照)よりも、遊技者により近い位置で上方と左右の装飾部で包み込む空間を形成することが可能であり、遊技者を遊技に集中させることが可能である。
また上記形態では、図34に示すように、上側蓋部材240(隠し部材)は、枠可動体400が待機位置にあるときに、前側プレート241を上方に屈曲させることで、顔ユニット403の顔部分(意匠部分)を視認できると共に接触できる視認接触空間SKを形成できるものであった。しかしながら、視認接触空間SKを形成するための隠し部材は、上側蓋部材240に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、前側カバー260を前方に傾動するように構成する。これにより、枠可動体400が待機位置にあるときに、前側カバー260を前方に傾動させることで、顔ユニット403の顔部分を視認できると共に接触できる視認接触空間を形成しても良い。
また上記形態では、上側装飾部200に設けられている枠可動体400の顔ユニット403を視認できると共に接触できるように、上側蓋部材240(隠し部材)を設けた。しかしながら、隠し部材の配置箇所は、上側装飾部200に限られるものではなく、左側装飾部210、右側装飾部220、又は操作機構部230であっても良い。例えば、右側装飾部220に設けられている鞘部材222の一部が開閉可能になっていて、その鞘部材222の一部を開放させることで、剣部材221が収容位置にあっても剣部材221の剣先部分221a(図4参照)を視認できると共に接触できるようにしても良い。これにより、剣先部分221aの付着した汚れやゴミ等を取り除くことが可能である。
また上記形態では、図34に示すように、枠可動体400が待機位置にあるとき、上側蓋部材240(隠し部材)は、後側に固定されている後側プレート242を備え、前側に屈曲可能な前側プレート241を備えるものであった。しかしながら隠し部材の構成は適宜変更可能であり、例えば前側に固定されている前側プレートを備え、後側に屈曲可能な後側プレートを備えるものであっても良い。また隠し部材は、2枚のプレートで構成されているものでなくても良く、1枚のプレートで構成されていたり、3枚以上のプレートで構成されているものでも良い。
また上記形態では、上側蓋部材240(隠し部材)は、前側プレート241を上方に屈曲させること(特定操作)で、上記した視認接触空間SKを形成できるものであった。しかしながら、隠し部材に視認接触空間を形成させるための特定操作は、適宜変更可能である。例えば、モータやソレノイドの駆動力を利用して、隠し部材が視認接触空間SKを形成できるように構成する。そして、所定の操作手段(ボタン等)への操作(特定操作)に基づいて、上記したモータやソレノイドが駆動するようにしても良い。このように、隠し部材はプレートである必要はなく、モータやソレノイド等の駆動手段やバネ等の付勢手段によって、上記した視認接触空間SKを形成できるものであっても良い。また例えば、枠可動体400が待機位置にあるときに、タッチ電極263に接触(タッチセンサ264が検出)することで、図19(A)に示す状態から図19(B)に示すように、回転モータ311が僅かに駆動する。これにより、上側蓋部材240が略水平状態から前方に向かって斜め上方に傾斜した状態になり(図19(B)参照)、上記した視認接触空間SKを形成できるようにしても良い。これにより、手動で前側プレート241を上方に屈曲させる場合よりも、簡易に視認接触空間SKを形成することが可能である。
また上記形態では、上側蓋部材240(隠し部材)は、枠可動体400が待機位置から動作位置に移動する際に、その枠可動体400の移動を妨げないように、回転部材360の回転に伴って回転するものであった(図19(A)(B),図20(A)参照)。しかしながら隠し部材は、枠可動体400の移動に拘わらず、移動しないもの(固定されているもの)であっても良い。
また上記形態では、耳部材540を2方向に移動させるための耳ユニット402(2方向移動機構)を上側装飾部200に設けた。しかしながら、2方向移動機構の配置箇所は、上側装飾部200に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、2方向移動機構を、左側装飾部210、右側装飾部220、又は操作機構部230に設けても良く、遊技盤2に設けても良い。要するに、1つの駆動源で2方向に移動させるための可動体は、遊技機枠50又は遊技盤2のうちどの部位に設けられているものであっても良い。
また上記形態では、耳ユニット402(2方向移動機構)により、耳部材540(可動体)を直動レール530に沿った方向(第1基準方向)と、当接部分TBを支点として左右に傾動する方向(第2基準方向)に移動できるようにした。しかしながら、第1基準方向と第2基準方向は上記した方向に限られるものではなく、適宜変更可能である。つまり、2方向移動機構により可動体を移動させることができる第1基準方向と第2基準方向は、直動する方向(上下方向、左右方向、前後方向)、傾動(揺動)する方向、回転する方向の何れかを適宜組み合わせた方向としても良い。この場合、第1基準方向と第2基準方向を共に直動する方向として、例えば上下方向と前後方向にしても良い。
また上記形態では、耳部材540を2方向に移動させるための耳ユニット402(2方向移動機構)を、ラック543と、ピニオン551と、耳部材540の直線方向への移動を規制する受承部材620とを少なくとも備える構成とした。しかしながら、2方向移動機構の構成は、ラックとピニオンを備えていない構成としても良く、例えば送りネジ、ボールネジ、スライド機構、リンク機構、回転機構等を備える構成としても良い。
また上記形態では、図37に示すように、枠可動体400を動作位置にて前方に向かって斜め上方に延びるように起立させた。しかしながら、枠可動体400が動作位置にあるときの姿勢は適宜可能である。例えば、枠可動体400を動作位置にて垂直方向に起立させても良い。この場合には、動作位置にある枠可動体400の上下方向の長さを最も大きくすることが可能であり、大きさによるインパクトを強めることが可能である。
また上記形態では、図1に示す状態から図35に示すように、枠可動体400が待機位置から動作位置に移動する際に、主に上側装飾部200の上壁部と前壁部と下壁部とが変位(変形)した。しかしながら、上側装飾部200の上壁部と前壁部と下壁部と右側壁部と左側壁部のうち何れか1つ、又は何れか2つ、或いは何れか3つ、若しくは何れか4つが変位(変形)するのに伴って、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させても良い。また、上側装飾部200の上壁部と前壁部と下壁部と右側壁部と左側壁部とが変位(変形)するのに伴って、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させても良い。こうして上側装飾部200のうち変位(変形)する壁部が多いほど、枠可動体400が移動する際のインパクトを強めることが可能である。なお枠可動体400の移動に伴って変形する上側装飾部200の壁部は、その壁部の一部分だけが変位(変形)するようになっていても良い。
また上記形態では、図6に示す状態から図38に示すように、主に上側装飾部200の前壁部と下壁部とが変形するのに伴って、枠可動体400が待機位置から動作位置に移動した。しかしながら、上側装飾部200の下壁部だけが変位(変形)するのに伴って、枠可動体を待機位置から動作位置に移動させても良い。なおこの場合には、枠可動体が上側装飾部200の下壁部から下方に移動することになり、遊技者には意外な枠可動体の動きを見せることが可能である。又は、上側装飾部200の前壁部だけが変位(変形)するのに伴って、枠可動体を待機位置から動作位置に移動させても良い。この場合には、上側装飾部200の前壁部が固定物だと考えていた遊技者には、上側装飾部200の前壁部が変形するという大きな驚きを与えることが可能である。
また上記形態では、枠可動体400が待機位置にあるときに、上側装飾部200の前壁部が、枠可動体400と一体的な前側カバー260で構成され(図14参照)、上側装飾部200の下壁部が、枠可動体400と一体的な下側カバー800で構成されていた(図15参照)。これにより、枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、枠可動体400と前側カバー260(上側装飾部200の前壁部)と下側カバー800(上側装飾部200の下壁部)とが一体的に移動するようにした。しかしながら、上側装飾部200の各壁部のうち枠可動体400と一体的に移動する壁部は、適宜変更可能である。
例えば、枠可動体400が待機位置から動作位置へ移動する際に、枠可動体400と前側カバー260と下側カバー800と上側蓋部材240(上側装飾部200の上壁部)とが一体的に移動するようにしても良い。この場合には、枠可動体400の移動に伴って、上側装飾部200の3つの壁部も共に移動するという極めて斬新な動きを遊技者に見せることが可能である。要するに、上側装飾部200の各壁部のうち枠可動体400と一体的に移動する壁部は、上壁部と前壁部と下壁部と右側壁部と左側壁部のうち何れか1つ、又は何れか2つ、或いは何れか3つ、若しくは何れか4つであっても良い。また上側装飾部200の各壁部のうち枠可動体400と一体的に移動する壁部は、上壁部と前壁部と下壁部と右側壁部と左側壁部であっても良い。こうして枠可動体400と共に移動する上側装飾部200の壁部が多いほど、枠可動体400が移動する際のインパクトを強めることが可能である。なお枠可動体400の移動に伴って変位(変形)する上側装飾部200の壁部は、その一部だけが枠可動体400と共に移動するようになっていても良い。
また上記形態では、SPリーチが実行される場合に、枠可動体400を待機位置から動作位置に移動させるようにした。しかしながら、枠可動体400を待機位置から動作位置へ移動させる場合は、適宜変更可能であり、特殊なSPリーチを実行する場合や、大当たりに当選した場合、或いはパチンコ遊技機1に対する不正が検知された場合等、適宜変更可能である。
また上記形態では、図8に示すように、第2画像表示装置7が前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されていた。しかしながら、第2画像表示装置7の姿勢は適宜変更可能であり、例えば垂直方向に起立していても良い。また第2画像表示装置7を移動(傾動又は直動)可能に構成しても良い。
また上記形態では、操作機構部230(遊技媒体貯留皿部)が前枠53に設けられていたが、操作機構部(遊技媒体貯留部)が内枠に取付けられて遊技機枠の前面に臨んでいる構成であってもよい。この場合、内枠に取り付けられた操作機構部(遊技媒体貯留皿部)は、「前枠部」に含まれるものとする。
また上記形態では、小当たり遊技を実行することがないパチンコ遊技機1であったが、小当たり遊技を実行可能なパチンコ遊技機としても良い。なお小当たり遊技における大入賞口の総開放時間は、意図しない量の賞球がなされないように、1.8秒以下としておくことが好ましい。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機として説明したが、特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機や、所謂1種2種混合機、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)等、他の種類の遊技機として構成してもよい。なお大当たり遊技後の遊技状態は、特別図柄の種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
なお上記形態で説明した寸法は、あくまで一例として示したものであって、適宜変更可能なものである。また遊技機枠50に設けられている役物(枠可動体400、耳部材540、顎部材730等)の形態も、あくまで一例として示したものであって、適宜変更可能である。本明細書における「予め定められた制御条件の成立」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
前記遊技機枠に設けられている所定の回転軸(回転ピン332)と、
前記回転軸周りに回転可能であり所定の待機位置又は動作位置に移動可能な枠可動部材(枠可動体400)と、
前記枠可動部材が前記回転軸周りに回転する際に前記回転軸を移動させることが可能な回転軸移動機構(リンクユニット302)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に設けられた枠可動部材が回転軸周りに回転する際に、回転軸が回転軸移動機構により移動する。これにより枠可動部材が回転しながら更に移動することにより、複雑な動きをするようになる。従って、枠可動部材による演出のインパクトを強めることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記回転軸移動機構は、前記枠可動部材が前記回転軸周りに回転する際に、前記回転軸を前方に移動させることが可能なものである(図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が回転しながら遊技者に向かって近づくように移動する。これにより、枠可動部材による演出のインパクトを一層強めることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記回転軸は、左右方向に延びていて、
前記枠可動部材が前記待機位置にあるときの当該枠可動部材の後端部(400Y)は、
当該枠可動部材が前記待機位置から前記動作位置へ移動する際に、前記遊技機枠の上縁(50U)よりも上方にて、前方且つ上方に向かって移動可能なものである(図40(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が回転しながら前方に移動する際に、当該枠可動部材の後端部が、遊技機枠の上縁よりも上方にて、前方且つ上方に向かって移動する。従って、枠可動部材の後端部が遊技機よりも上方にある上方設置物(例えばデータカウンタ)と干渉し難くすることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、
前記待機位置にあるときには、前後方向の長さが上下方向の長さよりも大きいものであり(図19(A)参照)、
前記待機位置から前記動作位置へ移動することにより、上下方向の長さが前後方向の長さよりも大きくなるように起立するものである(図21(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
例えば、枠可動部材が待機位置にあるときの当該枠可動部材の前端部が、後方及び上方に向かって起立するように回転すると、枠可動部材は遊技者から遠ざかるように見える。そこでこの構成の遊技機によれば、枠可動部材の後端部が、前方且つ上方に向かって起立するように回転する。これにより、枠可動部材を遊技者の方へより近づくように見せることが可能であり、縦長の枠可動部材を見せる際のインパクトを一層強めることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
前記回転軸移動機構は、
前記枠可動部材が前記回転軸周りに回転しつつ前記待機位置から前記動作位置へ移動する際に、前記回転軸を前方に移動させた後に後方に移動させるものである(図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)⇒図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が回転軸周りに回転しつつ待機位置から動作位置へ移動する際に、回転軸が前方に移動した後に後方に移動する。これにより、枠可動部材を前方に出過ぎないようにすることが可能である。即ち、動作位置にある枠可動部材が前方に出過ぎて邪魔にならないようにすることが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機において、
前記回転軸移動機構は、
前記枠可動部材を取付けているリンク部材(取付部材340)と、
前記リンク部材に連結していて前後方向に直動可能な直動体(直動部材350)と、
前記リンク部材を前記回転軸周りに回転可能に組付けている回転体(回転板330)と、
前記回転軸が前方に移動した後に後方に移動するように前記回転体を回転させる駆動手段(回転モータ311)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動手段により回転体が回転すると、回転軸が前方に移動した後に後方に移動する。このとき、枠可動部材を取付けているリンク部材が、回転軸周りに回転しながら、リンク部材に連結している直動部材が前後に直動する。これにより、枠可動部材を回転させながら遊技者に近づいた後で離れていくという複雑な動きを実現することが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機では、演出用可動物を回転可能に取付ける回転軸が固定されているため、演出用可動物の動きが回転するだけという単純なものであった。従って、演出用可動物(枠可動部材)による演出が遊技者に与える印象という観点ではありきたりであるという印象を拭えるものではなかった。そこで、上記した手段A1〜A6に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、枠可動部材が回転軸周りに回転する際に回転軸を移動させることが可能な回転軸移動機構を備える点で相違している。これにより、枠可動部材による演出のインパクトを強めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
当該遊技機に電源を投入することが可能な電源投入手段(電源基板150)と、
所定の待機位置又は動作位置に移動可能な可動部材(枠可動体400)と、
前記可動部材を移動させるための駆動力を付与可能な駆動源(回転モータ311)と、を備え、
前記可動部材は、前記電源投入手段により当該遊技機に電源が投入されていなくても、前記待機位置又は前記動作位置に移動可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場(ホール)の従業員等が、営業時間の開始前又は終了後に、可動部材を待機位置から動作位置に移動させる。これにより、遊技機に電源が投入されていなくても、可動部材が動作位置にある状態で、メンテナンスを行うことが可能である。こうして可動部材を手動で移動させることができるため、メンテナンスを行い易くすることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
操作可能な操作手段(六角軸部321a,321b)を備え、
前記操作手段は、前記電源投入手段により当該遊技機に電源が投入されていなくても、当該操作手段への操作に基づいて、前記可動部材を前記待機位置又は前記動作位置に移動させることが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場(ホール)の従業員等が、営業時間の開始前又は終了後に、操作手段への操作により、可動部材を待機位置から動作位置に移動させる。これにより、直接的に可動部材を手で動かす場合に比べて、可動部材を動作位置へ移動し易くすることが可能である。こうして、可動部材へのメンテナンスを一層行い易くすることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記可動部材は、前記遊技機枠に設けられていて、
前記可動部材の少なくとも一部(顔ユニット403の顔部分)は、前記待機位置にあるときには露出していない一方(図1参照)、前記動作位置にあるときには露出している(図35参照)ことを特徴とする遊技機である。
遊技機枠に設けられている可動部材は、例えば遊技盤に設けられている可動部材に比べて、遊技者等が触れ易いものであるため、汚れやゴミが付着し易い。そこでこの構成の遊技機によれば、可動部材を敢えて待機位置から動作位置にて移動させて露出させることが可能である。これにより、遊技機枠に設けられている可動部材のメンテナンスを容易にすることで、美観を保ち易くすると共に、故障し難くすることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2又は手段B3に記載の遊技機において、
前記操作手段は、外側から操作できるように露出する位置に設けられている(図14参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作手段が、当該遊技機の構成部品を取外すことなく、外側から操作できるように露出している。従って、操作手段を操作し易くすることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機において、
前記操作手段は、手動では操作不可能又は操作困難なものである一方、工具(例えば六角レンチ)を用いることにより手動よりも操作容易になるもの(例えば六角軸部321a,321b)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、工具を用いないと操作手段を操作し難いため、遊技者の悪戯で操作手段を操作され難くすることが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B2乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記操作手段は、
前記前枠部が前記基枠部に対して閉鎖されていれば操作不能である一方、
前記前枠部が前記基枠部に対して開放されていれば操作可能なものである(図56参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、前枠部を基枠部に対して開放させることができるものの、遊技者は、前枠部を基枠部に対して開放させることができない。従って、遊技者が悪戯等によって操作手段を操作して、可動部材を移動させるのを回避することが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機では、人形が動作位置にあるときに、遊技者が悪戯で人形に触って汚れ等を付着させたり、収容部材の中にゴミ等を混入させる場合があり得る。この場合、その後に人形が待機位置に移動すると、人形に汚れ等が付着したままになると共に、収容部材の中にゴミ等が混入されたままになる。そうなると、遊技場(ホール)の従業員等は、上記した汚れやゴミ等を取り除くというメンテナンスを行うために、遊技機に電源が投入されている状態で人形(可動部材)をわざわざ待機位置から動作位置へ移動させなければならず、メンテナンスの作業が面倒であった。そこで、上記した手段B1〜B6に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、可動部材が電源投入手段により当該遊技機に電源が投入されていなくても、待機位置又は動作位置に移動可能なものであるという点で相違している。これにより、移動可能な可動部材を備える遊技機において、メンテナンスを行い易くするという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、
移動可能な第1可動体(枠可動体400)と、
前記第1可動体を所定の第1待機位置(待機位置)又は第1動作位置(動作位置)に移動可能な第1駆動源(回転モータ311)と、
移動可能な第2可動体(耳部材540)と、
前記第2可動体を所定の第2待機位置(収納位置)又は第2動作位置(突出位置)に移動可能な第2駆動源(直動モータ550)と、
前記第1可動体が前記第1待機位置から前記第1動作位置までの何れかの特定位置(枠可動体400が図20(B)にあるときの位置)に移動したことを検出可能な特定位置検出手段(可動空間用フォトセンサ309)と、
前記特定位置検出手段による検出があることに基づいて前記第2駆動源により前記第2可動体を前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動可能にする一方、前記特定位置検出手段による検出がないことに基づいて前記第2可動体を前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動不能にする可動体制御手段(ステップS305,S306を実行する演出制御用マイコン91)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
第2待機位置にある第2可動体を第2動作位置に向けて移動させる開始タイミングを、第1駆動源のステップ数(第1駆動源へのパルス信号の出力制御)によって判断する方法がある。しかしながらこの方法では、ノイズ等の影響により上記した開始タイミングを確実に把握できることを保証するものではない。そこでこの構成の遊技機によれば、特定位置検出手段により第1可動体が特定位置に移動したことが検出されない限り、第2可動体を第2待機位置から第2動作位置へ移動不能になるようにしている。その結果、第2待機位置にある第2可動体が第2動作位置に向けて移動させる状況にないにも拘わらず、第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまう場合の不都合を回避することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記特定位置は、前記第1可動体が前記第1動作位置に移動する前の位置(図20(B)参照)であり、
前記第1可動体と前記第2可動体とを有する可動体ユニット(201)を備え、
前記可動体ユニットは、
前記第1可動体が前記第1待機位置にあるときには、前記第2可動体が前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動できる可動空間(KK)を形成していない一方(図19(A)参照)、
前記第1可動体が少なくとも前記特定位置から前記第1動作位置に移動するまでの間(図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)参照)、前記可動空間を形成するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1可動体が特定位置に移動する前に、第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動できる可動空間が形成されていないおそれがある。そのため万一、可動空間が形成されていないにも拘わらず、第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまうと重度の故障が生じ得る。そこで、第1可動体が特定位置に移動したことを条件に、第2可動体が第2動作位置へ移動できるようにすることで、上記した重度の故障を確実に防ぐことが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記可動体ユニットは、前記遊技機枠に設けられている(図1参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動体ユニットが遊技機枠に設けられているため、例えば可動体ユニットが遊技盤に設けられている場合に比べて、可動体ユニットが遊技者に近い位置にあり得る。従って、可動体ユニットの故障には万全の対策を施す必要があるところ、上記した重度の故障を確実に防ぐことにより、より安全な遊技機を提供することが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機において、
前記遊技機枠は、
当該遊技機枠の内部に設けられている所定の領域(遊技領域3)を視認可能な窓部(ガラス板55)と、
前記窓部よりも下方に位置していて遊技媒体(遊技球)を貯留可能な遊技媒体貯留部(操作機構部230)と、
前記遊技媒体貯留部よりも下方に位置している幕板部(幕板51a)と、
前記窓部よりも上方に位置していて当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾部200)と、を備え、
前記上部装飾部は、前記可動体ユニット(201)を備え、
前記上部装飾部の前端位置(P1)から前記幕板部の前端位置(前面位置P2)までの長さ(距離L1)は、前記遊技媒体貯留部の前端位置(P3)から前記幕板部の前端位置までの長さ(距離L2)の2倍以上であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、上部装飾部の前端位置から幕板部の前端位置までの長さが、遊技媒体貯留部の前端位置から幕板部の前端位置までの長さの2倍以上であるため、当該遊技機の上側が前方に大きく突出している。従って、可動体ユニットが遊技者により近い位置に配されていることになる。よって、上記した重度の故障を確実に防ぐことにより、前方に大きく突出している上部装飾部であっても、安全な可動体ユニットを備える上部装飾部を提供することが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C1乃至手段C4の何れかに記載の遊技機において、
前記第1可動体に接続される電気配線(ハーネス850)と、
前記電気配線の少なくとも一部を覆う電気配線カバー(ハーネスカバー840)と、を備え、
前記電気配線カバーには、検出用部分(遮蔽突起843)が設けられていて、
前記特定位置検出手段は、前記電気配線カバーの前記検出用部分を検出していることに基づいて前記第1可動体が前記特定位置に移動したことを検出するものである(図32(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、検出用部分を有する電気配線カバーが、電気配線を隠す役割だけでなく、特定位置検出手段により検出される役割も果たす。これにより、特定位置検出手段により検出されるための専用部品を設けずに、第1可動体の第1動作位置を検出することが可能である。
ところで、特開2013−169261号公報に記載の遊技機のように、複数の可動体を備える場合において、第1可動体を移動させる第1駆動源(ステッピングモータ)のステップ数の管理(第1駆動源へのパルス信号の出力制御)に基づいて、第2可動体の移動の開始タイミングを判断する方法がある。即ち、第1駆動源におけるステップ数が所定値に達すると、第2可動体を第2待機位置から第2動作位置へ移動させるタイミングと判断して、第2駆動源を駆動させる方法がある。しかしながらこの方法の場合、ノイズ等の影響により第1駆動源のステップ数の管理が狂うおそれがある。そうなると、意図しないタイミング(状況)で第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動させてしまうおそれがある。そこで、上記した手段C1〜C5に係る発明は、特開2013−169261号公報に記載の遊技機に対して、特定位置検出手段による検出があることに基づいて第2駆動源により第2可動体を第2待機位置から第2動作位置へ移動可能にする一方、特定位置検出手段による検出がないことに基づいて第2可動体を第2待機位置から第2動作位置へ移動不能にする可動体制御手段を備えているという点で相違している。これにより、第1可動体と第2可動体とを備える遊技機において、意図しないタイミングで第2可動体が第2待機位置から第2動作位置へ移動してしまうのを回避するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
当該遊技機枠に設けられていて所定の待機位置又は動作位置に移動可能な枠可動部材(枠可動体400)と、
前記枠可動部材が前記待機位置にあるときには当該枠可動部材のうち特定の意匠部分(顔ユニット403の顔部分)を視認不可能にする一方、前記枠可動部材が前記動作位置にあるときには前記意匠部分を視認可能にする隠し部材(上側蓋部材240)と、を備え、
前記隠し部材は、前記枠可動部材が前記待機位置にあるときでも、特定の操作(上方へ屈曲させる操作)に基づいて前記意匠部分の少なくとも一部を視認できると共に接触できる視認接触空間(SK)を形成可能なものである(図34参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技場(ホール)の従業員等が、営業時間の開始前又は終了後に、隠し部材に対する特定の操作で視認接触空間を形成する。これにより、待機位置にある枠可動部材の意匠部分を視認できると共に接触できるようにする。その結果、枠可動部材の意匠部分に付着した汚れやゴミ等を取り除くことが可能であり、枠可動部材の意匠部分の美観を保つことが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記隠し部材は、前記枠可動部材が前記待機位置にあるときに固定されている固定部(後側プレート242)と、前記固定部に対して屈曲可能に組付けられている屈曲部(前側プレート241)とを備え、
前記屈曲部は、前記固定部よりも前方に配されていて、前記固定部に対して屈曲することで前記視認接触空間を形成するものである(図34参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、隠し部材において前方側にある屈曲部が、後方側にある固定部に対して屈曲可能である。そのため、遊技場の通路を巡回する従業員等にとって、屈曲部を屈曲させ易くなり、メンテナンス性を向上させることが可能である。そして、遊技者が悪戯で枠可動部材の意匠部分を見ようとして隠し部材を触ったときには、隠し部材のうち遊技者に近い屈曲部だけが屈曲する。これにより、できるだけ枠可動部材の意匠部分の全体を見えないようにしつつ、隠し部材の破壊を防ぐことが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記屈曲部が前記固定部に対して屈曲する方向とは反対方向に付勢する付勢部材(巻きバネ244)を備え、
前記屈曲部は、前記付勢部材による付勢力に抗して前記屈曲する方向(図14の矢印X1で示す方向)に屈曲されることで、前記視認接触空間を形成するものである(図34参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、隠し部材において屈曲部を付勢部材による付勢力に抗して屈曲させ続けなければ、視認接触空間を形成できない。従って、遊技者が悪戯で屈曲部を一旦屈曲させたとしても、その後に屈曲部を付勢部材による付勢力で自然に屈曲しないようにすることが可能である。その結果、視認接触空間が形成されたままになるのを回避することが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D2又は手段D3に記載の遊技機において、
前記遊技機枠は、当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾部200)を備え、
前記隠し部材は、
前記枠可動部材が前記待機位置にあるときには前記上部装飾部の上壁部の少なくとも一部を形成していて(図1参照)、
前記枠可動部材が前記待機位置から前記動作位置へ移動する際に、当該枠可動部材の移動を妨げないように移動可能な(図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)参照)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が待機位置から動作位置へ移動する際に、遊技機枠の上部装飾部のうち上壁部を形成している隠し部材が移動する。こうして枠可動部材が見える際に、上部装飾部の上壁部が変形に伴って隠し部材が移動するという驚きを与えることが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機では、人形が動作位置にあるときに、遊技者が悪戯で人形の顔部分(意匠部分)に触って汚れ等を付着させたり、収容部材の中にゴミ等を混入させる場合があり得る。この場合、その後に人形が待機位置に移動すると、人形の顔部分に汚れ等が付着したままになると共に、収容部材の中にゴミ等が混入されたままになる。そうなると、遊技場(ホール)の従業員等は、上記した汚れやゴミ等を取り除くというメンテナンスを行うために、人形をわざわざ待機位置から動作位置へ移動させなければならず、メンテナンスの作業が面倒であった。そこで、上記した手段D1〜D4に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、枠可動部材が待機位置にあるときには当該枠可動部材のうち特定の意匠部分を視認不可能にする一方、枠可動部材が動作位置にあるときにはその意匠部分を視認可能にする隠し部材を備え、隠し部材は、枠可動部材が前記待機位置にあるときでも、特定の操作に基づいて枠可動部材の意匠部分の少なくとも一部を視認できると共に接触できる視認接触空間を形成可能なものであるという点で相違している。これにより、移動可能な枠可動部材を備える遊技機において、メンテナンスを行い易くするという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の第1基準方向(ラック543が延びる方向)にて第1位置(突出位置)と第2位置(退避位置)との間で移動可能であると共に、前記第1基準方向と異なる第2基準方向(当接部分TBを支点として左右に傾動する方向)にて前記第2位置と第3位置(収納位置)との間で移動可能な可動体(耳部材540)と、
前記可動体を移動させることが可能な駆動源(直動モータ550)と、
前記駆動源の駆動力により前記可動体を前記第1基準方向にて前記第1位置から前記第2位置へ移動させた後に前記第2基準方向にて前記第2位置から前記第3位置へ移動させることが可能な2方向移動機構(耳ユニット402)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、2方向移動機構により、1つの駆動源による駆動力で、可動体を第1基準方向にて第1位置から第2位置へ移動させた後に、第2基準方向にて第2位置から第3位置へ移動させることが可能である。つまり、2つの駆動源を用いることなく、可動体を2方向に移動させることが可能である。従って、駆動源を減らすことにより、重量の増加や配置スペースの増加を抑えることが可能であると共に、電気的な故障のリスクを減らすことが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記遊技機枠は、
当該遊技機枠の内部に設けられている所定の領域(遊技領域3)を視認可能な窓部(ガラス板55)と、
前記窓部よりも下方に位置していて遊技媒体(遊技球)を貯留可能な遊技媒体貯留部(操作機構部230)と、
前記遊技媒体貯留部よりも下方に位置している幕板部(幕板51a)と、
前記窓部よりも上方に位置していて当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾部200)と、を備え、
前記上部装飾部は、前記可動体と前記駆動源と前記2方向移動機構とを備え、
前記上部装飾部の前端位置(P1)から前記幕板部の前端位置(前面位置P2)までの長さ(距離L1)は、前記遊技媒体貯留部の前端位置(P3)から前記幕板部の前端位置までの長さ(距離L2)の2倍以上であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、上部装飾部の前端位置から基枠部の前端位置までの長さが、遊技媒体貯留部の前端位置から基枠部の前端位置までの長さの2倍以上であるため、当該遊技機の上側が前方に大きく突出していることになる。従って、遊技機の上部が前のめりになっていて、上部装飾部の軽量化が望まれる。そこで上述したように、上部装飾部に設けられている2方向移動機構により、駆動源を減らして、軽量化を図ることが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E1又は手段E2に記載の遊技機において、
前記2方向移動機構は、
前記駆動源の駆動力により回転可能なピニオン(551)と、
前記可動体に取付けられていて前記ピニオンと噛合するラック(543)と、
前記可動体の前記第1基準方向への移動を規制する規制部(受承部材620)と、を備え、
前記ピニオンが回転することで、前記可動体を前記第1基準方向として前記ラックが延びる直線方向に前記第1位置から前記第2位置へ移動させて、前記規制部により前記可動体の前記直線方向への移動を規制した状態で、当該可動体を前記第2位置から前記第3位置へ傾動させるものである(図27(A)⇒図26(A)⇒図25(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動源の駆動力で回転するピニオンと、可動体に取付けたラックと、可動体の直線方向への移動を規制する規制部とを用いた2方向移動機構により、1つの駆動源で可動体を2方向に移動させる機構を実現することが可能である。
手段E4に係る発明は、
手段E3に記載の遊技機において、
前記2方向移動機構は、
前記駆動源を介して前記ピニオンを取付けている演出体(鬣プレート510及び鬣部材520)を備え、
前記規制部により前記可動体の前記直線方向への移動を規制した状態で、当該可動体を前記第2位置から前記第3位置へ傾動させることにより、前記ピニオンと前記駆動源と前記演出体とを移動(揺動)させるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、ピニオンが回転することで、可動体が第1位置から第2位置に直線方向に移動した後、第2位置から第3位置へ傾動する。この可動体の傾動により、ラックに噛合しているピニオンも移動する。これにより、駆動源を介してピニオンを取付けている演出体も移動することになる。従って、2方向移動機構により、可動体を2方向に移動させるだけでなく、演出体も移動させることが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機のように、可動体は通常、1つの駆動源の駆動力により、所定の第1基準方向(直線方向又は回転方向等)に移動するだけである。そのため、仮に可動体を第1基準方向だけでなく、第1基準方向と異なる第2基準方向にも移動させようとすると、上記した駆動源とは別の駆動源を設けることが一般的に考えられる。しかしながら、可動体を2方向に移動させるために2つの駆動源を設ける構成にすると、重量の増加や配置スペースの増加になり得ると共に、電気的な故障のリスクも増加するおそれがあった。そこで、上記した手段E1〜E4に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、駆動源の駆動力により可動体を第1基準方向にて第1位置から第2位置へ移動させた後に第2基準方向にて第2位置から第3位置へ移動させることが可能な2方向移動機構を備える点で相違している。これにより、2つの駆動源を用いることなく、可動体を2方向に移動させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
前記遊技機枠に設けられていて、所定の待機位置又は少なくとも一部が前記遊技機枠の上縁よりも上方に位置する動作位置に移動可能な枠可動部材(枠可動体400)と、を備え、
前記枠可動部材は、
前記待機位置にあるときには、前後方向の長さが上下方向の長さよりも大きいものであり(図19(A)参照)、
前記待機位置から前記動作位置へ移動することにより、上下方向の長さが前後方向の長さよりも大きくなるように起立するものである(図21(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材は、待機位置にあるときには前後方向の長さが上下方向の長さよりも大きいものになっている。その上で、この枠可動部材を待機位置から動作位置へ移動させる際には、枠可動部材が遊技機枠の上縁よりも上方にて、上下方向の長さが前後方向の長さよりも大きくなるように起立させる。こうして遊技者には、遊技機枠の上縁よりも上方で枠可動部材が縦長に出現するように見せることで、枠可動部材による演出のインパクトを高めることが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機において、
左右方向に延びていて前記枠可動部材を回転可能に組付けている回転軸(回転ピン332)を備え、
前記枠可動部材が前記待機位置にあるときの当該枠可動部材の後端部は、
当該枠可動部材が前記待機位置から前記動作位置へ移動する際に、前方且つ上方に向かって移動可能なものである(図40(C)(D)参照)ことを特徴とする遊技機である。
例えば、枠可動部材が待機位置にあるときの当該枠可動部材の前端部が、後方及び上方に向かって起立するように移動(回転)すると、枠可動部材は遊技者から遠ざかるように見える。そこでこの構成の遊技機によれば、枠可動部材の後端部が、前方且つ上方に向かって起立するように移動(回転)する。これにより、枠可動部材を遊技者の方へより近づくように見せることが可能であり、縦長の枠可動部材を見せる際のインパクトを一層強めることが可能である。
手段F3に係る発明は、
手段F2に記載の遊技機において、
前記枠可動部材が前記回転軸周りに回転する際に、前記回転軸を前方に移動させることが可能な回転軸移動機構(リンクユニット302)を備えている(図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材の後端部が遊技機枠の上縁よりも上方にて前方且つ上方に向かって移動する際に、枠可動部材を回転可能に組付けている回転軸が前方に移動する。これにより、枠可動部材の後端部を遊技者の方へより近づくように移動させることが可能であり、インパクトを一層強めることが可能である。更に、枠可動部材の後端部がより前方に向かいながら上方に移動することで、遊技機よりも上方にある上方設置物(例えばデータカウンタ)に干渉し難くすることが可能である。
手段F4に係る発明は、
手段F3に記載の遊技機において、
前記回転軸移動機構は、
前記枠可動部材が前記回転軸周りに回転しつつ前記待機位置から前記動作位置へ移動する際に、前記回転軸を前方に移動させた後に後方に移動させるものである(図19(A)⇒図19(B)⇒図20(A)⇒図20(B)⇒図21(A)⇒図21(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が回転軸周りに回転しつつ待機位置から動作位置へ移動する際に、回転軸が回転軸移動機構により前方に移動した後に後方に移動する。これにより、枠可動部材を前方に出過ぎないようにすることが可能である。即ち、動作位置にある枠可動部材が前方に出過ぎて邪魔にならないようにすることが可能である。
手段F5に係る発明は、
手段F1乃至手段F4の何れかに記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記動作位置にあるときに、前方に向かって斜め上方に延びるように傾斜しているものである(図37参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、縦長の枠可動部材が動作位置にて前方に向かって斜め上方に傾斜した姿勢になる。これにより、遊技中に座っている遊技者にとっては、例えば縦長の枠可動部材が垂直方向に起立している場合に比べて、縦長の枠可動部材を視認し易くすることが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機では、縦長状態であった演出用可動物が水平状態になるように移動するため、演出可動物は遊技者から見える部分が少なくなるように移動していることになる。つまり遊技者にとっては、動作位置にあるときの演出用可動物が、待機位置にあるときの演出用可動物よりも、却って小さく見えてしまう。従って、演出用可動物(枠可動部材)による動きが遊技者に与える印象という観点では改善の余地があった。そこで、上記した手段F1〜F5に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、枠可動部材は、待機位置にあるときには、前後方向の長さが上下方向の長さよりも大きいものであり、待機位置から動作位置へ移動することにより、上下方向の長さが前後方向の長さよりも大きくなるように起立するものであるという点で相違している。これにより、枠可動部材による演出のインパクトを強めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段G>
手段G1に係る発明は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記遊技機枠は、当該遊技機枠の上部を装飾する上部装飾部(上側装飾部200)と、前記上部装飾部に設けられていて所定の待機位置又は動作位置に移動可能な枠可動部材(枠可動体400と前側カバー260と下側カバー800)と、を備え、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部に形成されている壁部(上壁部,下壁部,左側壁部,右側壁部,前壁部)の少なくとも一部が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図1,図35参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材が待機位置から動作位置へ移動することで、上部装飾部に形成されている壁部が変位する。これにより遊技者には、上側装飾部の壁部の変形を見せることで、枠可動部材の移動による演出のインパクトを高めることが可能である。
手段G2に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部の下壁部(下側カバー800)の少なくとも一部が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図6,図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
従来、遊技機枠の上部装飾部の下壁部は、固定物になっているのが一般的である。そこでこの構成の遊技機によれば、上部装飾部の下壁部が変形するのに伴って、枠可動部材が待機位置から動作位置に移動する。これにより、上部装飾部の下壁部が固定物だと考えていた遊技者には、枠可動部材の移動に伴って上部装飾部の下壁部が変形するという大きな驚きを与えることが可能である。即ち、遊技中の遊技者には、直ぐ上方にある部分(下壁部)の変形を見せることで、枠可動部材の移動による演出のインパクトを強めることが可能である。
手段G3に係る発明は、
手段G2に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記待機位置にあるときに、前記上部装飾部の下壁部の少なくとも一部を形成しているものである(図6参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、待機位置にある枠可動部材自体が、上部装飾部の下壁部を形成している。そのため遊技者には、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の下壁部を形成していた部分も共に移動していくという斬新な動きを見せることが可能である。
手段G4に係る発明は、
手段G2又は手段G3に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部の下壁部の少なくとも一部が変位すると共に、前記上部装飾部の前壁部(前側カバー260)の少なくとも一部が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図6,図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の下壁部が変位(変形)するだけでなく、上部装飾部の前壁部も変位(変形)する。従って遊技者には、上部装飾部のより大きな変形を見せることが可能であり、一層大きな驚きを与えることが可能である。
手段G5に係る発明は、
手段G4に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記待機位置にあるときに、前記上部装飾部の下壁部の少なくとも一部を形成していると共に、前記上部装飾部の前壁部の少なくとも一部を形成しているものである(図6参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、待機位置にある枠可動部材自体が、上部装飾部の下壁部と上部装飾部の前壁部の両方を形成している。そのため遊技者には、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の下壁部と前壁部の両方が共に移動していくという極めて特殊な動きを見せることが可能である。
手段G6に係る発明は、
手段G4又は手段5に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部の下壁部の少なくとも一部が変位すると共に、前記上部装飾部の前壁部の少なくとも一部が変位し、且つ前記上部装飾部の上壁部(上側蓋部材240)の少なくとも一部が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図1,図35参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の下壁部が変位(変形)すると共に、上部装飾部の前壁部も変位(変形)し、更に上部装飾部の上壁部も変位(変形)する。従って遊技者には、上部装飾部を形成しているほとんどの壁部の変形を見せることで、極めて強いインパクトを与えることが可能である。
手段G7に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部の前壁部(前側カバー260)の少なくとも一部が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図6,図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
従来、遊技機枠の上部装飾部の前壁部は、固定物になっているのが一般的である。そこでこの構成の遊技機によれば、上部装飾部の前壁部が変位するのに伴って、枠可動部材が待機位置から動作位置に移動する。これにより、上部装飾部の前壁部が固定物だと考えていた遊技者には、枠可動部材の移動に伴って上部装飾部の前壁部が変形するという大きな驚きを与えることが可能である。
手段G8に係る発明は、
手段G7に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記待機位置にあるときに、前記上部装飾部の前壁部の少なくとも一部を形成しているものである(図6参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、待機位置にある枠可動部材自体が、上部装飾部の前壁部を形成している。そのため遊技者には、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の前壁部を形成していた部分も共に移動していくという斬新な動きを見せることが可能である。
手段G9に係る発明は、
手段G1に記載の遊技機において、
前記枠可動部材は、前記上部装飾部の下壁部と前記上部装飾部の前壁部と前記上部装飾部の上壁部のうち少なくとも2つ(前壁部(前側カバー260)と下壁部(下側カバー800)が変位するのに伴って、前記待機位置から前記動作位置に移動可能なものである(図6,図38参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠可動部材の移動に伴って、上部装飾部の下壁部と上部装飾部の前壁部と上部装飾部の上壁部のうち少なくとも2つが変位(変形)する。従って遊技者には、今まで見たことがない上部装飾部の大きな変形を見せることが可能であり、大きなインパクトを与えることが可能である。
ところで、特開2004−16722号公報に記載の遊技機では、人形が移動する際に、上側装飾部に別途取付けられた収容部材から人形が飛び出るだけである。つまり、人形が移動しても、上側装飾部の形状には何ら変化がない。従って、枠可動部材(人形)の移動による演出のインパクトという観点では改善の余地があった。そこで、上記した手段G1〜G9に係る発明は、特開2004−16722号公報に記載の遊技機に対して、枠可動部材は、上部装飾部に形成されている壁部の少なくとも一部が変形するように、待機位置から動作位置に移動可能なものであるという点で相違している。これにより、枠可動部材の移動による演出のインパクトを強めることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
1…パチンコ遊技機
50…遊技機枠
50U…上縁
53…前枠
91…演出制御用マイコン
200…上側装飾部
220…右側装飾部
240…上側蓋部材
241…前側プレート
242…後側プレート
260…前側カバー
309…可動空間用フォトセンサ
311…回転モータ
332…回転ピン
400…枠可動体
543…ラック
550…直動モータ
551…ピニオン
540…耳部材
730…顎部材
800…下側カバー
840…ハーネスカバー
843…遮蔽突起
本発明の遊技機は、
予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、
移動可能な第1可動体と、
前記第1可動体を所定の第1待機位置又は第1動作位置に移動可能な第1駆動源と、
移動可能な第2可動体と、
前記第2可動体を所定の第2待機位置又は第2動作位置に移動可能な第2駆動源と、
前記第1可動体に接続される電気配線と、
前記電気配線の少なくとも一部を覆っていて、検出用部分を有する電気配線カバーと、
前記第1可動体と前記第2可動体とを有する可動体ユニットと、を備え、
前記可動体ユニットは、
前記第1可動体が前記第1待機位置にあるときには、前記第2可動体が前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動できる可動空間を形成していない一方、
前記第1可動体が前記第1待機位置から前記第1動作位置へ移動するときに、当該第1可動体が前記第1動作位置に移動する前の特定位置から当該第1動作位置にあるまでの間、前記可動空間を形成するものであり、
前記検出用部分を検出することに基づいて前記可動空間が形成されていることを検出可能な可動空間用検出手段と、
前記可動空間用検出手段による検出があることに基づいて前記第2駆動源により前記第2可動体を前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動可能にする一方、前記可動空間用検出手段による検出がないことに基づいて前記第2可動体を前記第2待機位置から前記第2動作位置へ移動不能にする可動体制御手段と、を備えていることを特徴とする。
ここで本形態では上述したように、リンクユニット302(図19参照)には、枠可動体400の待機位置を検出するための待機用フォトセンサ315が設けられている。しかしながら、リンクユニット302には、枠可動体400の動作位置を検出するためのフォトセンサが設けられていない。従って、枠可動体400が動作位置にある状態を制御的には把握していないことになる。よって万一、可動空間KKが形成される前に耳部材540が移動し始めると、耳部材540が連結板301等に当接してしまい、重大な故障が生じる可能性がある。特に本形態の上側装飾部200は、図4に示すように遊技者側(前方)に向かって大きく前方に突出しているため、遊技者から近い位置に配置されている。従って、枠可動体400を搭載する上側装飾部200が故障するような事態は、安全性に鑑みて確実に回避しなければならない。上記対策として、回転モータ311がステッピングモータであることから、回転モータ311のステップ数の管理(パルス信号の出力制御)だけで、枠可動体400が動作位置にあるか否かを推測する方法がある。しかしながら、ノイズ等の影響によりステップ数の管理が狂うおそれがあり、それだけでは万全な方法とはいえない。

Claims (1)

  1. 予め定められた制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、
    移動可能な第1可動体と、
    前記第1可動体を所定の第1待機位置又は第1動作位置に移動可能な第1駆動源と、
    移動可能な第2可動体と、
    前記第2可動体を所定の第2待機位置又は第2動作位置に移動可能な第2駆動源と、
    前記第1可動体が前記第1待機位置から前記第1動作位置までの何れかの特定位置に移動したことを検出可能な特定位置検出手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
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