JP2018151283A - 湿度センサ - Google Patents

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生方 康弘
Yasuhiro Ubukata
康弘 生方
中村 賢蔵
Kenzo Nakamura
賢蔵 中村
雅史 西山
Masafumi Nishiyama
雅史 西山
繁成 柳
Shigenari Yanagi
繁成 柳
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Abstract

【課題】 小型かつ低コストであると共に高精度に湿度検出が可能で、さらに表面実装も可能になる湿度センサを提供すること。【解決手段】 互いに対向配置された第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bと、補償側サーミスタ素子3A及び検出側発熱抵抗体4Aと、検出側サーミスタ素子3B及び補償側発熱抵抗体4Bとを備え、検出側発熱抵抗体と検出側サーミスタ素子とが互いに第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板を挟んで対向配置されていると共に、補償側発熱抵抗体と補償側サーミスタ素子とが互いに第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板を挟んで対向配置され、検出側発熱抵抗体と検出側サーミスタ素子との間に位置する検出側領域AR1が、外気を導入可能な空間とされ、補償側発熱抵抗体と補償側サーミスタ素子との間に位置する補償側領域が、検出側領域及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、小型かつ低コストであると共に高精度に湿度検出が可能な湿度センサに関する。
従来、サーミスタ素子を用いた湿度センサとして、例えば特許文献1には、基板と、基板上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された薄膜サーミスタである感温抵抗膜と、感温抵抗膜の周囲を取り囲む絶縁膜上に形成された加熱用抵抗膜と、感温抵抗膜と加熱用抵抗膜とをそれぞれ外部に電気的に導出するために基板上に形成された電極パッドとから構成されている傍熱型感温抵抗素子を利用した湿度センサが記載されている。
上記傍熱型感温抵抗素子は、基板上の同一平面上に感温抵抗膜の周囲を取り囲むようにして加熱用抵抗膜が形成されている。
また、特許文献1の図9には、対称に作られた凹部が形成された筐体部材と、貫通孔と2つの空間を形成するために仕切り部が形成された蓋部と、2つの傍熱型感温抵抗素子とから構成された絶対湿度センサが記載されている。
特開2009−168649号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記特許文献1の湿度センサでは、加熱用抵抗膜から感温抵抗膜に伝わる熱は基板を介して伝わる伝熱が支配的であり、感度が低くなってしまう問題があった。また、閉空間が狭くなると伝熱経路が狭くなるため、伝熱量が少なくなり感度が落ちてしまう。さらに、閉空間が狭くなると伝熱経路が外部に近くなることで、加熱用抵抗膜に対向した開放空間若しくは上蓋の影響が強くなり、開放空間の影響が支配的になって、やはり感度が低くなってしまう。このように加熱用抵抗膜からの熱量が、ほとんど開放空間に伝わってしまう不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、外部の開放空間の影響を低減でき、より感度が高い湿度センサを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る湿度センサは、互いに対向配置された第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板と、前記第1の絶縁性基板の外側面に互いに間隔を空けて設けられた補償側サーミスタ素子及び検出側発熱抵抗体と、前記第2の絶縁性基板の外側面に互いに間隔を空けて設けられた検出側サーミスタ素子及び補償側発熱抵抗体と、前記第1の絶縁性基板の外側面に形成され前記補償側サーミスタ素子に接続された補償側サーミスタ用配線及び前記検出側発熱抵抗体に接続された検出側抵抗用配線と、前記第2の絶縁性基板の外側面に形成され前記検出側サーミスタ素子に接続された検出側サーミスタ用配線及び前記補償側発熱抵抗体に接続された補償側抵抗用配線とを備え、前記検出側発熱抵抗体と前記検出側サーミスタ素子とが互いに前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板を挟んで対向配置されていると共に、前記補償側発熱抵抗体と前記補償側サーミスタ素子とが互いに前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板を挟んで対向配置され、前記第1の絶縁性基板と前記第2の絶縁性基板との間であって前記検出側発熱抵抗体と前記検出側サーミスタ素子との間に位置する検出側領域が、外気を導入可能な空間とされ、前記第1の絶縁性基板と前記第2の絶縁性基板との間であって前記補償側発熱抵抗体と前記補償側サーミスタ素子との間に位置する補償側領域が、前記検出側領域及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされていることを特徴とする。
この湿度センサでは、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間であって検出側発熱抵抗体と検出側サーミスタ素子との間に位置する検出側領域が、外気を導入可能な空間とされ、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間であって補償側発熱抵抗体と補償側サーミスタ素子との間に位置する補償側領域が、検出側領域及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされているので、発熱抵抗体から対向する検出側領域又は補償側領域を介して伝わる伝熱が支配的になり、高い感度を得ることができる。また、それぞれの発熱抵抗体の熱量の約半分が、閉空間である補償側領域と補償側領域と同じ体積の検出側領域を介してサーミスタ素子に伝わるため、閉空間と開放空間との影響が相対的に同じになり、感度に影響を与えないため、良好な感度を得ることができる。
本発明の湿度センサでは、検出側発熱抵抗体から対向する検出側サーミスタ素子への伝熱と、補償側発熱抵抗体から対向する補償側サーミスタ素子への伝熱との差が、発熱抵抗体とサーミスタ素子との間の媒体によって差があることで、温度差が生じる。検出側発熱抵抗体と検出側サーミスタ素子との間には外気(空気)が媒体として流通されるため、その伝熱が空気の湿度に応じて変わるのに対し、外気が侵入しない補償側発熱抵抗体と補償側サーミスタ素子との間の媒体では、外気の湿度の影響を受けず、湿度による伝熱特性の変化が無い。このため、補償側サーミスタ素子での温度は、外気の湿度に応じて変化しないのに対し、検出側サーミスタ素子での温度が、外気の湿度に応じて変化する。このとき、検出側発熱抵抗体及び補償側発熱抵抗体の熱は、対向するサーミスタ素子に向けて伝わるだけでなく、第1の絶縁性基板上又は第2の絶縁性基板上に並んだサーミスタ素子にも絶縁性基板等を介して伝わる。この絶縁性基板上で並ぶサーミスタ素子への伝熱は、検出側発熱抵抗体と補償側発熱抵抗体とで対称的に生じる。したがって、検出側サーミスタ素子と補償側サーミスタ素子とでは、検出側サーミスタ素子の温度が検出側領域に導入された空気の影響を受ける以外は、互いに対称的な伝熱構造を有しているので相殺され、空気の湿度に応じた熱伝導の変化のみが抽出可能となる。
第2の発明に係る湿度センサは、第1の発明において、前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板が、絶縁性フィルムであることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板が、絶縁性フィルムであるので、薄い絶縁性フィルムを介して検出側発熱抵抗体と補償側発熱抵抗体との熱を対向した検出側領域と補償側領域とに良好に伝えることができる。
第3の発明に係る湿度センサは、第1又は第2の発明において、前記補償側領域が、固体部材で埋められていることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、補償側領域が、固体部材で埋められているので、補償側領域が外気の湿度の影響を受けずに高精度な測定が可能になる。また、固体部材が第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間のスペーサーとなり、両基板の間隔を安定して保持することができる。
第4の発明に係る湿度センサは、第1又は第2の発明において、前記補償側領域が、乾燥空気が封入された密封空間とされていることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、補償側領域が、乾燥空気が封入された密封空間とされているので、補償側領域が外気の湿度の影響を受けずに高精度な測定が可能になる。
第5の発明に係る湿度センサは、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板の互いの対向面に、前記検出側サーミスタ素子及び前記検出側発熱抵抗体に対向した赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板の互いの対向面に、検出側サーミスタ素子及び検出側発熱抵抗体に対向した赤外線反射膜が形成されているので、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間における赤外線の影響を低減することができる。また、第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板よりも熱伝導性が高い金属膜等の赤外線反射膜を採用することで、赤外線反射膜が検出用サーミスタ素子への集熱膜としても機能する。
第6の発明に係る湿度センサは、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記第1の絶縁性基板の前記補償側サーミスタ素子と前記検出側発熱抵抗体との間、及び前記第2の絶縁性基板の前記検出側サーミスタ素子と前記補償側発熱抵抗体との間に、スリットが形成されていることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、第1の絶縁性基板の補償側サーミスタ素子と検出側発熱抵抗体との間、及び第2の絶縁性基板の検出側サーミスタ素子と補償側発熱抵抗体との間に、スリットが形成されているので、発熱抵抗体から隣接するサーミスタ素子へ絶縁性基板を介して伝わる熱をスリットで抑制することができる。したがって、隣接する発熱抵抗体からの熱の影響が低減され、対向する発熱抵抗体からの伝達熱の差をより高精度に測定可能になる。
第7の発明に係る湿度センサは、第1から第6の発明のいずれかにおいて、少なくとも前記補償側サーミスタ素子、前記検出側サーミスタ素子、前記検出側発熱抵抗体及び前記補償側発熱抵抗体を内部に密封するケースを備えていることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、少なくとも補償側サーミスタ素子、検出側サーミスタ素子、検出側発熱抵抗体及び補償側発熱抵抗体を内部に密封するケースを備えているので、補償側サーミスタ素子、検出側サーミスタ素子、検出側発熱抵抗体及び補償側発熱抵抗体が外気に触れず、外気中の水分によって腐食してしまうことを抑制可能になる。
第8の発明に係る湿度センサは、第1から第7の発明のいずれかにおいて、前記検出側発熱抵抗体及び前記補償側発熱抵抗体がサーミスタであることを特徴とする。
すなわち、この湿度センサでは、補償側サーミスタ素子、検出側サーミスタ素子、検出側発熱抵抗体及び補償側発熱抵抗体が全てサーミスタであるため、部品の種類を少なくすることが可能である。特に、サーミスタが薄膜サーミスタである場合は、第1の絶縁性基板に補償側サーミスタ素子と検出側発熱抵抗体とを、第2の絶縁性基板に検出側サーミスタ素子と補償側発熱抵抗体とを同時に成膜することが可能となるため、製造工程を削減でき、低コストで製造ができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る湿度センサによれば、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間であって検出側発熱抵抗体と検出側サーミスタ素子との間に位置する検出側領域が、外気を導入可能な空間とされ、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との間であって補償側発熱抵抗体と補償側サーミスタ素子との間に位置する補償側領域が、検出側領域及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされているので、発熱抵抗体から対向する検出側領域又は補償側領域を介して伝わる伝熱が支配的になり、高い感度を得ることができる。
特に、本発明の湿度センサは、複写機やエアコンなど、湿度計測を必要とする機器の湿度計測用のセンサとして好適である。
本発明に係る湿度センサの第1実施形態において、湿度センサを示す断面図である。 第1実施形態において、湿度センサの原理を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態において、第1の絶縁性基板又は第2の絶縁性基板の内面図(a)、ケースを外した状態の湿度センサを示す上面図(b)及び下面図(c)である。 本発明に係る湿度センサの第2実施形態において、湿度センサを示す断面図である。 本発明に係る湿度センサの第3実施形態において、ケースを外した状態の湿度センサを示す上面図(a)及び下面図(b)である。 本発明に係る湿度センサの実施例において、熱抵抗解析を行う際の解析モデルを示す断面図である。 本発明に係る湿度センサの実施例において、上記解析モデルの熱抵抗回路図である。 本発明に係る湿度センサの実施例において、熱抵抗解析で得られた絶対湿度に対する検出側サーミスタ素子と補償側サーミスタ素子との温度差を示すグラフである。
以下、本発明に係る湿度センサの第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の湿度センサ1は、図1から図3に示すように、互いに対向配置された第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bと、第1の絶縁性基板2Aの外側面に互いに間隔を空けて設けられた補償側サーミスタ素子3A及び検出側発熱抵抗体4Aと、第2の絶縁性基板2Bの外側面に互いに間隔を空けて設けられた検出側サーミスタ素子3B及び補償側発熱抵抗体4Bと、第1の絶縁性基板2Aの外側面に形成され補償側サーミスタ素子3Aに接続された補償側サーミスタ用配線5A及び検出側発熱抵抗体4Aに接続された検出側抵抗用配線6Aと、第2の絶縁性基板2Bの外側面に形成され検出側サーミスタ素子3Bに接続された検出側サーミスタ用配線5B及び補償側発熱抵抗体4Bに接続された補償側抵抗用配線6Bとを備えている。
上記検出側発熱抵抗体4Aと検出側サーミスタ素子3Bとは、互いに第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bを挟んで対向配置されていると共に、補償側発熱抵抗体4Bと補償側サーミスタ素子3Aとは、互いに第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bを挟んで対向配置されている。すなわち、検出側発熱抵抗体4Aの直下に検出側サーミスタ素子3Bが配されており、検出側発熱抵抗体4Aと検出側サーミスタ素子3Bとは、互いに向かい合わせた位置に配されている。また、補償側サーミスタ素子3Aの直下に補償側発熱抵抗体4Bが配されており、補償側サーミスタ素子3Aと補償側発熱抵抗体4Bとは、互いに向かい合わせた位置に配されている。
上記第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間であって検出側発熱抵抗体4Aと検出側サーミスタ素子3Bとの間に位置する検出側領域AR1が、外気を導入可能な空間とされている。
また、第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間であって補償側発熱抵抗体4Bと補償側サーミスタ素子3Aとの間に位置する補償側領域AR2が、検出側領域AR1及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされている。
本実施形態では、補償側領域AR2が、固体部材7で埋められている。すなわち、図1において、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bの間における右半分に板状の固体部材7で埋められて補償側領域AR2とされ、左半分の検出側領域AR1から外気の侵入を防いでいる。
なお、検出側領域AR1と補償側領域AR2とは、互いに同じ体積に設定されている。
上記固体部材7は、湿度に影響されない伝熱特性を有する材料が好ましく、例えば樹脂板、銅等の金属板、セラミックス板等が採用される。
また、本実施形態の湿度センサ1は、補償側サーミスタ素子3A、検出側サーミスタ素子3B、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bを内部に密封するケース10を備えている。
上記ケース10は、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bよりも熱伝導性の低いものが好ましく、例えば箱状の樹脂ケースが採用される。
また、このケース10は、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bを内側で支持している。
さらに、ケース10には、検出側領域AR1につながって貫通した開口部10aが形成されている。すなわち、この開口部10aを介して外気が検出側領域AR1に導入可能になっている。
上記第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bは、互いに平行に配置された絶縁性フィルムである。
すなわち、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bは、例えばポリイミド樹脂シートで形成され、検出側抵抗用配線6Aと補償側抵抗用配線6Bとが銅箔でパターン形成されている。
また、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bの互いの対向面には、検出側サーミスタ素子3B及び検出側発熱抵抗体4Aに対向した赤外線反射膜8がそれぞれ矩形状に形成されている。
さらに、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bの互いの対向面には、補償側サーミスタ素子3A及び補償側発熱抵抗体4Bに対向した集熱膜9がそれぞれ矩形状に形成されている。なお、集熱膜9は必要に応じて設けられる。
これらの赤外線反射膜8及び集熱膜9は、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bよりも熱伝導性の高い材料で形成され、例えば銅箔やAu膜等が採用される。
上記検出側サーミスタ素子3B及び補償用サーミスタ素子3Aは、例えばチップサーミスタである。チップサーミスタの材料としては、NTC型、PTC型、CTR型等のサーミスタ材料があるが、本実施形態では、例えばNTC型サーミスタを採用している。このサーミスタ材料は、Mn−Co−Cu系材料、Mn−Co−Fe系材料等のサーミスタ材料で形成されている。
特に、本実施形態では、サーミスタ素子として、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたものを採用している。さらに、このセラミックス焼結体は、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有していることが好ましい。特に、セラミックス焼結体としては、立方晶スピネル相からなる単相の結晶構造が最も望ましい。
上記検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bは、例えばTiN膜やムライトの金属薄膜やサーミスタ材料で形成されている。これら検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bは、第1の絶縁性基板2A又は第2の絶縁性基板2Bに矩形状にパターン形成され、その両端に検出側抵抗用配線6A又は補償側抵抗用配線6Bが接続されている。
このように本実施形態の湿度センサ1では、第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間であって検出側発熱抵抗体4Aと検出側サーミスタ素子3Bとの間に位置する検出側領域AR1が、外気を導入可能な空間とされ、第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間であって補償側発熱抵抗体4Bと補償側サーミスタ素子3Aとの間に位置する補償側領域AR2が、検出側領域AR1及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされているので、発熱抵抗体から対向する検出側領域AR1又は補償側領域AR2を介して伝わる伝熱が支配的になり、高い感度を得ることができる。また、それぞれの発熱抵抗体の熱量の約半分が、閉空間である補償側領域AR2と補償側領域AR2と同じ体積の検出側領域AR1を介してサーミスタ素子に伝わるため、閉空間と開放空間との影響が相対的に同じになり、感度に影響を与えないため、良好な感度を得ることができる。
本実施形態の湿度センサ1では、図2に示すように、検出側発熱抵抗体4Aから対向する検出側サーミスタ素子3Bへの伝熱と、補償側発熱抵抗体4Bから対向する補償側サーミスタ素子3Aへの伝熱との差が、発熱抵抗体とサーミスタ素子との間の媒体によって差があることで、温度差が生じる。検出側発熱抵抗体4Aと検出側サーミスタ素子3Bとの間には外気(空気)が媒体として流通されるため、その伝熱が空気の湿度に応じて変わるのに対し、外気が侵入しない補償側発熱抵抗体4Bと補償側サーミスタ素子3Aとの間の媒体(固体部材7)では、外気の湿度の影響を受けず、湿度による伝熱特性の変化が無い。
なお、図2において、二点鎖線の円は、検出側発熱抵抗体4Aと補償側発熱抵抗体4Bとが発熱していることを示しており、二点鎖線の矢印は、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bの伝熱方向を示している。
このため、補償側サーミスタ素子3Aでの温度は、外気の湿度に応じて変化しないのに対し、検出側サーミスタ素子3Bでの温度が、外気の湿度に応じて変化する。このとき、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bの熱は、対向するサーミスタ素子に向けて伝わるだけでなく、第1の絶縁性基板2A上又は第2の絶縁性基板2B上に並んだサーミスタ素子にも絶縁性基板等を介して伝わる。この絶縁性基板上で並ぶサーミスタ素子への伝熱は、検出側発熱抵抗体4Aと補償側発熱抵抗体4Bとで対称的に生じる。したがって、検出側サーミスタ素子3Bと補償側サーミスタ素子3Aとでは、検出側サーミスタ素子3Bの温度が検出側領域AR1に導入された空気の影響を受ける以外は、互いに対称的な伝熱構造を有しているので相殺され、空気の湿度に応じた熱伝導の変化のみが抽出可能となる。
また、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bが、絶縁性フィルムであるので、薄い絶縁性フィルムを介して検出側発熱抵抗体4Aと補償側発熱抵抗体4Bとの熱を対向した検出側領域AR1と補償側領域AR2とに良好に伝えることができる。
また、補償側領域AR2が、固体部材7で埋められているので、補償側領域AR2が外気の湿度の影響を受けずに高精度な測定が可能になる。また、固体部材7が第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間のスペーサーとなり、両基板の間隔を安定して保持することができる。
また、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bの互いの対向面に、検出側サーミスタ素子3B及び検出側発熱抵抗体4Aに対向した赤外線反射膜8が形成されているので、第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間における赤外線の影響を低減することができる。また、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bよりも熱伝導性が高い金属膜等の赤外線反射膜8を採用することで、赤外線反射膜8が検出用サーミスタ素子3Bへの集熱膜としても機能する。
さらに、補償側サーミスタ素子3A、検出側サーミスタ素子3B、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bを内部に密封するケース10を備えているので、補償側サーミスタ素子3A、検出側サーミスタ素子3B、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bが外気に触れず、外気中の水分によって腐食してしまうことを抑制可能になる。
また、補償側サーミスタ素子3A、検出側サーミスタ素子3B、検出側発熱抵抗体4A及び補償側発熱抵抗体4Bを全てサーミスタとすることで、部品の種類を少なくすることが可能である。特に、サーミスタが薄膜サーミスタである場合は、第1の絶縁性基板2Aに補償側サーミスタ素子3Aと検出側発熱抵抗体3Bとを、第2の絶縁性基板2Bに検出側サーミスタ素子4Aと補償側発熱抵抗体4Bとを同時に成膜することが可能となるため、製造工程を削減でき、低コストで製造ができる。
次に、本発明に係る湿度センサの第2及び第3実施形態について、図4及び図5を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、補償側領域AR2に固体部材7が埋め込まれているのに対し、第2実施形態の湿度センサ21では、図4に示すように、補償側領域AR2が、乾燥空気が封入された密封空間とされている点である。すなわち、第2実施形態では、補償側領域AR2が枠部材27によって検出側領域AR1及び外部と隔離され、内部に乾燥空気が封入されている。
このように第2実施形態の湿度センサ21では、補償側領域AR2が、乾燥空気が封入された密封空間とされているので、補償側領域AR2が外気の湿度の影響を受けずに高精度な測定が可能になる。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、第1の絶縁性基板2A及び第2の絶縁性基板2Bが単に長方形状の絶縁性フィルムであるのに対し、第3実施形態の湿度センサでは、図5に示すように、第1の絶縁性基板12Aの補償側サーミスタ素子3Aと検出側発熱抵抗体4Aとの間、及び第2の絶縁性基板12Bの検出側サーミスタ素子3Bと補償側発熱抵抗体4Bとの間に、スリットSが形成されている点である。
すなわち、第3実施形態では、検出側領域AR1と補償側領域AR2との境において第1の絶縁性基板12A及び第2の絶縁性基板12Bに直線状のスリットSが形成されている。
このように第3実施形態の湿度センサでは、第1の絶縁性基板12Aの補償側サーミスタ素子3Aと検出側発熱抵抗体4Aとの間、及び第2の絶縁性基板12Bの検出側サーミスタ素子3Bと補償側発熱抵抗体4Bとの間に、スリットSが形成されているので、発熱抵抗体から隣接するサーミスタ素子へ絶縁性基板を介して伝わる熱をスリットSで抑制することができる。したがって、隣接する発熱抵抗体からの熱の影響が低減され、対向する発熱抵抗体からの伝達熱の差をより高精度に測定可能になる。
次に、本発明に係る湿度センサについて、上記第1実施形態に基づいて熱抵抗解析を行った結果を、図6から図8を参照して具体的に説明する。
まず、図6に示すように、検出側領域AR1又は補償側領域AR2について解析モデルを考えたとき、図の上から、空気、サーミスタ、ポリイミド(第1の絶縁性基板2A又は第2の絶縁性基板2B)、銅箔(赤外線反射膜8又は集熱膜9)、空気又は固体(検出側領域AR1の外気又は補償側領域AR2の固体部材7)、銅箔(赤外線反射膜8又は集熱膜9)、ポリイミド((第1の絶縁性基板2A又は第2の絶縁性基板2B)、抵抗(補償側発熱抵抗体4B又は検出側発熱抵抗体4A)の順に重なることになる。
このとき上記解析モデルの熱抵抗回路は、図7のように示すことができる。
この解析モデルの熱抵抗回路に基づいて、表1及び表2に示す具体的なサイズ及び物性値を用いて、湿り空気の熱伝導率(参照:伝熱工学資料(第4版)p364 33.流体の熱伝導率の推算)から絶対湿度に対する検出側サーミスタ素子3Bと補償側サーミスタ素子3Aとの温度差について計算した結果のグラフを、図8に示す。
なお、表1において、Wは幅、Lは長さ、hは厚さを示している。また、上記計算結果は、補償側発熱抵抗体4B及び検出側発熱抵抗体4Aに0.25W印加し、室温25℃の条件で計算したものである。また、このときの補償側発熱抵抗体4B及び検出側発熱抵抗体4Aの温度は、両方とも103.125℃である。第1の絶縁性基板2Aと第2の絶縁性基板2Bとの間隔は、約1mmに設定している。
上記計算結果のグラフからわかるように、絶対湿度が大きくなるに従って温度差も大きくなっており、検出側サーミスタ素子3Bと補償側サーミスタ素子3Aとの温度差を測定することで、外気の湿度を高精度に検出することが可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、検出側サーミスタ素子及び補償用サーミスタ素子にチップサーミスタを採用しているが、薄膜サーミスタを採用しても構わない。
なお、検出側サーミスタ素子及び補償用サーミスタ素子としては、上述したように薄膜サーミスタやチップサーミスタが用いられるが、サーミスタ以外に焦電素子等も採用可能である。
1,21…湿度センサ、2A…第1の絶縁性基板、2B…第2の絶縁性基板、3A…補償側サーミスタ素子、3B…検出側サーミスタ素子、4A…検出側発熱抵抗体、4B…補償側発熱抵抗体、5A…補償側サーミスタ用配線、5B…検出側サーミスタ用配線、6A…検出側抵抗用配線、6B…補償側抵抗用配線、7…固体部材、8…赤外線反射膜、10…ケース、AR1…検出側領域、AR2…補償側領域、S…スリット

Claims (8)

  1. 互いに対向配置された第1の絶縁性基板及び第2の絶縁性基板と、
    前記第1の絶縁性基板の外側面に互いに間隔を空けて設けられた補償側サーミスタ素子及び検出側発熱抵抗体と、
    前記第2の絶縁性基板の外側面に互いに間隔を空けて設けられた検出側サーミスタ素子及び補償側発熱抵抗体と、
    前記第1の絶縁性基板の外側面に形成され前記補償側サーミスタ素子に接続された補償側サーミスタ用配線及び前記検出側発熱抵抗体に接続された検出側抵抗用配線と、
    前記第2の絶縁性基板の外側面に形成され前記検出側サーミスタ素子に接続された検出側サーミスタ用配線及び前記補償側発熱抵抗体に接続された補償側抵抗用配線とを備え、
    前記検出側発熱抵抗体と前記検出側サーミスタ素子とが互いに前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板を挟んで対向配置されていると共に、前記補償側発熱抵抗体と前記補償側サーミスタ素子とが互いに前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板を挟んで対向配置され、
    前記第1の絶縁性基板と前記第2の絶縁性基板との間であって前記検出側発熱抵抗体と前記検出側サーミスタ素子との間に位置する検出側領域が、外気を導入可能な空間とされ、
    前記第1の絶縁性基板と前記第2の絶縁性基板との間であって前記補償側発熱抵抗体と前記補償側サーミスタ素子との間に位置する補償側領域が、前記検出側領域及び外部と隔離されて外気が侵入不可とされていることを特徴とする湿度センサ。
  2. 請求項1に記載の湿度センサにおいて、
    前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板が、絶縁性フィルムであることを特徴とする湿度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の湿度センサにおいて、
    前記補償側領域が、固体部材で埋められていることを特徴とする湿度センサ。
  4. 請求項1又は2に記載の湿度センサにおいて、
    前記補償側領域が、乾燥空気が封入された密封空間とされていることを特徴とする湿度センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の湿度センサにおいて、
    前記第1の絶縁性基板及び前記第2の絶縁性基板の互いの対向面に、前記検出側サーミスタ素子及び前記検出側発熱抵抗体に対向した赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする湿度センサ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の湿度センサにおいて、
    前記第1の絶縁性基板の前記補償側サーミスタ素子と前記検出側発熱抵抗体との間、及び前記第2の絶縁性基板の前記検出側サーミスタ素子と前記補償側発熱抵抗体との間に、スリットが形成されていることを特徴とする湿度センサ。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の湿度センサにおいて、
    少なくとも前記補償側サーミスタ素子、前記検出側サーミスタ素子、前記検出側発熱抵抗体及び前記補償側発熱抵抗体を内部に密封するケースを備えていることを特徴とする湿度センサ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の湿度センサにおいて、
    前記検出側発熱抵抗体及び前記補償側発熱抵抗体がサーミスタであることを特徴とする湿度センサ。
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