JP2018146990A - 表示装置製造用フォトマスクの製造方法、描画装置、フォトマスクの検査方法、及びフォトマスクの検査装置 - Google Patents
表示装置製造用フォトマスクの製造方法、描画装置、フォトマスクの検査方法、及びフォトマスクの検査装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
(1)ステージの不十分なフラットネス、
(2)ステージ上の異物挟み込みによる基板のたわみ、
(3)フォトマスクブランク膜面の凹凸、
(4)フォトマスクブランク裏面の凹凸に起因する膜面の変形(すなわち(3)及び基板厚みのばらつきに起因する膜面の変形)、
があると考えられる。従って、この状態におけるフォトマスクブランクの表面形状は、上記4つの要因が累積して形成されている。そして、この状態のフォトマスクブランクに描画が行われる。
ところで、上記文献1には、フォトマスクブランクを、膜面を上側にして描画装置のステージに載置し、この状態でこのフォトマスクブランクの上側の面の高さ分布を測定する工程が記載されている。この工程は、上記4つの要因の結果を定量化することを可能にする点で、有用である。但し、この工程は、フォトマスクブランクの描画装置占有時間を増加させるデメリットがある。フォトマスクの生産効率やコストに対する、描画装置占有時間の影響は大きいため、これを改善する潜在的な技術課題があることにも、本発明者は着目した。
(構成1)
基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクを用意し、描画装置により、所定の転写用パターンを描画することを含む、フォトマスクの製造方法において、
前記所定の転写用パターンの設計を基にパターン設計データAを用意する工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データTを用意する工程と、
前記フォトマスクを、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを用意する工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCを用いて、描画差分データFを得る工程と、
前記描画差分データFに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、描画用座標ずれ量データGを求める工程と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画工程と、を有する、フォトマスクの製造方法。
基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクを用意し、描画装置により、所定の転写用パターンを描画することを含む、フォトマスクの製造方法において、
前記所定の転写用パターンの設計を基にパターン設計データAを用意する工程と、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、及び前記主表面の表面形状を示す基板表面形状データBを用意する工程と、
前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、前記表面形状に生じる変位を、前記基板表面形状データBに対して反映させて、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCを用いて、描画差分データFを得る工程と、
前記描画差分データFに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、描画用座標ずれ量データGを求める工程と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画工程と、を有する、フォトマスクの製造方法。
前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを求め、
前記描画差分データFを得る工程において、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとともに、前記自重変形分データRを用いることを特徴とする、構成1又は2に記載のフォトマスクの製造方法。
前記基板表面形状データBは、前記フォトマスクブランク、又は、前記フォトマスクブランクとする為の基板を、主表面が実質的に鉛直になるように保持した状態で、前記主表面上の複数の測定点の位置を測定することによって求められることを特徴とする、構成2に記載のフォトマスクの製造方法。
前記厚み分布データTは、前記フォトマスクブランク、又は、前記フォトマスクブランクとする為の基板を、主表面が実質的に鉛直になるように保持した状態で、前記主表面上の複数の測定点の位置を測定することによって求められることを特徴とする、構成1〜4のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
前記描画装置に固有の座標ずれ成分に関する、座標ずれ固有データQをあらかじめ求め、
前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データG、前記パターン設計データAとともに、前記座標ずれ固有データQを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行うことを特徴とする、構成1〜5のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
前記転写面形状データCを求める工程においては、有限要素法を用いることを特徴とする、構成1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データGに基づいて、前記パターン設計データAを補正することにより得られた、補正パターンデータHを用いて描画を行うことを特徴とする、構成1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データGに基づいて、前記描画装置が有する座標系を補正し、得られた補正座標系と前記パターン設計データAを用いて描画を行うことを特徴とする、構成1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、保持部材によって保持される複数の保持点が平面上に配置されることを特徴とする、構成1〜9のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクに対して、転写用パターンを描画することに用いる描画装置であって、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、および
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力する入力手段と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算する演算手段と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画手段と、を有する、描画装置。
基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクに対して、転写用パターンを描画することに用いる描画装置であって、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力する入力手段と、
前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算する演算手段と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画手段と、を有する、描画装置。
前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを保存する記憶手段を更に有し、
前記演算手段は、前記自重変形分データRを使用して演算することを特徴とする、
構成12に記載の描画装置。
前記描画装置に固有の座標ずれ成分に関する、座標ずれ固有データQを保存する記憶手段を有し、
前記演算手段は、前記座標ずれ固有データQを使用して演算することを特徴とする、
構成12又は13に記載の描画装置。
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを、検査装置を用いて検査する、フォトマスクの検査方法において、
前記フォトマスクを、前記検査装置のステージ上に載置した状態で、前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データTを用意する工程と、
前記フォトマスクを、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、検査差分データJを得る工程と、
前記検査差分データJに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、検査用座標ずれ量データKを求める工程と、
前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLを用いて、前記転写用パターンの検査を行う検査工程を有する、フォトマスクの検査方法。
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを、検査装置を用いて検査する、フォトマスクの検査方法において、
前記フォトマスクを、前記検査装置のステージ上に載置した状態で、前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データT、及び前記主表面の表面形状を示す基板表面形状データBを用意する工程と、
前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、前記表面形状に生じる変位を、前記基板表面形状データBに対して反映させて、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、検査差分データJを得る工程と、
前記検査差分データJに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、検査用座標ずれ量データKを求める工程と、
前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLを用いて、前記転写用パターンの検査を行う検査工程を有する、フォトマスクの検査方法。
前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを求め、
前記検査差分データJを得る工程において、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとともに、前記自重変形分データRを用いることを特徴とする、構成15又は16に記載のフォトマスクの検査方法。
前記検査装置に固有の座標ずれ成分に関する、検査座標ずれ定数データSをあらかじめ求め、
前記検査工程では、前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLとともに、前記検査座標ずれ定数データSを用いて、検査することを特徴とする、構成15〜17のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
前記転写面形状データCを求める工程においては、有限要素法を用いることを特徴とする、構成16〜18のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
前記転写用パターンの検査は、前記検査用座標ずれ量データKを、パターン設計データAに反映させて、得られた補正設計データMと、前記パターン座標データLとを用いて行うことを特徴とする、構成15〜19のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
前記転写用パターンの検査は、前記検査用座標ずれ量データKを、前記パターン座標データLに反映させて、得られた補正座標データNと、パターン設計データAとを用いて行うことを特徴とする、構成15〜19のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクの、前記薄膜をパターニングすることによってフォトマスクとなす、フォトマスクの製造方法において、
構成15〜21のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法を含むことを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
主表面に転写用パターンが形成されたフォトマスクに露光することにより、被加工層をもつデバイス基板に対してパターン転写を行うことを含む、表示装置の製造方法において、
構成1〜10のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフォトマスクを用いることを特徴とする、表示装置の製造方法。
それぞれの主表面に転写用パターンが形成された複数のフォトマスクと露光装置を用い、デバイス基板上に形成される複数の被加工層に対して順次パターン転写を行うことを含む表示装置の製造方法において、
前記複数のフォトマスクは、構成1〜10のいずれかに記載の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする、表示装置の製造方法。
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力する入力手段と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データT、
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力する入力手段と、
前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。
本発明のフォトマスクの製造方法は、以下の工程をもつ。
本発明では、基板の主表面に、1又は複数の薄膜と、フォトレジスト膜を形成したフォトマスクブランクに、得ようとするデバイスに基づいて設計したパターンを形成してフォトマスクとなすための描画を行う。このため、基板の一主表面上に、上記薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクを用意する。
基板としては、石英ガラスなどの透明基板を用いることができる。大きさや厚さに制限は無いが、表示装置の製造に用いられるものとしては、一辺300mm〜1800mm、厚さが5〜15mm程度のものが利用できる。
パターン設計データは、得ようとするデバイス(表示装置など)に基づいて設計された、転写用パターンのデータである。
厚み分布データTと基板表面形状データBの取得の順序はいずれが先でもよく、また、別々の工程で取得しても、ひとつの工程中で取得してもよい。ここでは、同一の平坦度測定器を用いてひとつの工程中で測定する場合について例示する。
例えば、測定対象の基板を、主表面が実質的に鉛直になるように保持する。すなわち、自重によるたわみが実質的に基板表裏の形状に影響しない状態として、平坦度測定機によって測定することができる(図1参照)。
測定は、照射した光(レーザーなど)の反射光を検出するなど、光学的な測定方法を用いる平坦度測定機により行うことができる。測定装置の例として、例えば黒田精工株式会社製の平面度測定機FTTシリーズや、特開2007−46946号公報記載のものなどを挙げることができる。
このとき、主表面上に、等間隔(離間距離をピッチPとする)に、XY方向に描いた格子の交点(格子点)を、主表面上に複数設定し、これを測定点とすることができる(図2参照)。
次に、この基板がフォトマスクとなったとき、該フォトマスクが露光装置内において保持される状態を考える。露光装置にセットされたフォトマスクは、膜面を下側に向けた状態で保持される。この状態で、基板の膜面(転写面)は、保持状態に応じて、その状態に依存した力を受け、その形状が変化する。これは、保持部材の形状によっても異なる変形となる。
ここでは、図6(a)(b)に示す方式で、マスク基板を保持する露光装置を使用する場合について説明する。
露光機内で、マスク基板は、膜面側(パターン形成面)を下方に向けてほぼ水平に支承され、外縁近傍にて保持部材と接触して、保持される。
例えば、露光装置に保持された状態のフォトマスク膜面に生じる変位を算定し、これを、基板表面形状データBに対して反映させ、転写面形状データCを得ることができる(図8((b)参照)。すなわち、露光装置に保持したときに主平面形状に及ぼす、保持状態に関する情報(保持部材による保持条件、及び、自重に対抗する真空圧条件がこれに含まれる)を用いて、転写面形状データCを、シミュレーションにより求めることができる。
すなわち、図6(a),(b)に示すモデルにおいて、点線上にある測定点を、保持点とする。露光装置内において、保持点が保持部材と接触して拘束されることにより変位し、これによって、基板の有する物性により、膜面形状全体に変位が及ぶことがある。
更に、上記のとおり、基板には自重がかかり、たわみを生じるので、たわみを低減させるための上向きの力を与える。これは、基板の上(裏面側)から、真空圧を及ぼすことによって行う。(図6(a))。真空圧を及ぼす領域は、図6(b)に示すとおり、基板主表面の中心を含む、四角形領域とすることができる。
ここで、裏面側から付加する真空圧の量を、膜面の平坦度が最小となる量に設定することが好ましい。
尚、所定の面の平坦度(フラットネス)を評価するとき、その面と、基準面(所定の面とほぼ平行な面を基準面とすることが多い)との距離において、その最大値と最小値の差として表現することがある。すなわち、平坦度の数値が小さい場合に、その面に凹凸が少なく、より平坦であることを意味する。
[基板(石英ガラス)物性値条件]
ヤング率 E:7341 kg/mm^2
ポアソン比ν:0.17
重量密度m :0.0000022 kg/mm^3
[Mask Model条件]
各測定点の座標値(x、y、z)ファイル: (膜面、裏面、中間点のすべての測定点について)
測定点を結ぶ条件ファイル: 六面体
本態様では、膜面と裏面の対応する測定点、その中間点(仮想測定点を含む)に関し、隣接するもの同士をすべてつなぐことにより、六面体が集積するモデルとした(図7参照)。
[保持条件]
強制変位量を設定したファイル: 上記保持点の強制変位量
[真空圧条件]
真空圧の量と、それを及ぼす領域を設定したファイル
露光装置内に保持されたフォトマスクは、これに働く力のつり合いにより静止している。このとき、
自重ベクトルG − 応力ベクトルσ − 真空圧力ベクトル = 0
が成立している。
応力ベクトルσ=[k] × 変位量ベクトルu
(但し、[k]は、ヤング率eとポアソン比νから構成される行列である)
自重ベクトルG= 要素体積 × 重量密度m × 重力方向ベクトル
である。
全要素(基板全体)について、これを重ね合わせると、
G1−σ1−F1+G2−σ2−F2+G3−σ3−F3+・・・=0 (式<1>)
G1−F1+G2−F2+G3−F3+・・・=σ1+σ2+σ3+・・・=[k1]u1+[k2]u2+[k3]u3+・・・ (式<2>)
方式<2>では、図13のモデルを使用する。
ここでは、図13(b)に示すように、露光装置の保持部材は、マスク基板主表面における、対向する2つの辺の近傍にそれぞれ接触する(図13(b)の点線上にある測定点が、保持点となる)。そして、膜面側を下方に向けてフォトマスクを保持する。露光機内のフォトマスク基板主平面は、この保持点が保持部材に拘束され、強制的に変位し、これによって、基板の有する物性により、膜面形状全体に変位が及ぶことになる。
六全要素(基板全体)の総和は、
G1−σ1+G2−σ2+G3−σ3+・・・=0 (式<3>)
G1+G2+G3+・・・=σ1+σ2+σ3+・・・=[k1]u1+[k2]u2+[k3]u3+・・・ (式<4>)
上記の転写面形状データCには、基板に働く重力によるたわみの影響が含まれている。一方、このような自重たわみによる膜面形状の変形、更に、その変形による各座標位置のずれ量は、基板のサイズや材料に由来する物性値等を与えられれば、比較的容易に算定することが可能である。このため、表示装置用マスクの製造に用いられる露光装置の中には、この自重たわみ成分に由来する座標ずれの補正の機能が備えられているものがあり、この場合、自重たわみ成分を補償して描画がなされる。
このC1又はC2は、基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRに相当する。
上述のとおり、フォトマスクブランクに描画装置によりパターンを描画する際には、フォトマスクブランクは、描画装置のステージ上に膜面を上向きにした状態で載置される。その際、フォトマスクブランクの膜面の表面形状の、理想的な平面からの変形要因は、
(1)ステージの不十分なフラットネス、
(2)ステージ上の異物挟み込みによる基板のたわみ、
(3)フォトマスクブランク膜面の凹凸、
(4)フォトマスクブランクの裏面の凹凸に起因する膜面の変形、
があると考えられる。従って、この状態におけるフォトマスクブランクの表面形状は、上記4つの要因が累積して形成されている。そして、この状態のフォトマスクブランクに描画が行われる。
図8に示すとおり、転写面形状データCと厚み分布データTの差分を求める。好ましくは、ここで得た差分から、さらにステージ面平坦度など、描画装置固有の座標ずれ要素を示す、座標ずれ固有データQを減じて、描画差分データFを求める。尚、この座標ずれ固有データQは、座標ずれ量としてXY座標値に変換したのちに、描画用座標ずれ量データGに対して反映させてもよい。
図15に示すとおり、転写面修正データDと厚み分布データTの差分を求めることにより、描画差分データFを求める。好ましくは、ここで得た差分から、さらに座標ずれ固有データQを減じて、描画差分データFを求める。尚、この座標ずれ固有データQは、座標ずれ量としてXY座標値に変換したのちに、描画用座標ずれ量データGに対して反映させてもよい。
(5) フォトマスク膜面の凹凸(上記(3)と実質的に同じ)
(6) フォトマスク保持部材によって保持されることによって強制的になされる膜面の変形
(7) 自重によるたわみ(これを低減するために真空圧を与える場合は、それによる逆方向の変形)
が累積したものとなる。
上記描画差分データFを、XY座標上の変位(座標ずれ量)に変換する。例えば、以下の方法により変換することができる(図9参照)。
sinΦ = H/Pitch・・・・・・(式1)
(Pitch: 測定点の離間距離、つまり隣接する測定点との距離P)
で表わされる。尚、上記において、H/Pitchは、基板表面の高さ方向の勾配と考えることもできる。
Φ= H/Pitch ・・・・・・(式1')
と近似することもできる。以下の説明では、(式1)を用いる。
d= sinΦ × t/2 = H × (t/2Pitch) ・・・・・(式2)
で求めることができる。
d= Φ×t/2 = H × (t/2Pitch) ・・・・・(式2')
と近似することもできる。
或いは、高さの違いに起因する測定点の座標ずれ量は、ベクトルを用いた手法で算出することもできる。図12は、高さの違いに起因する測定点の座標ずれをベクトルで表現した図である。描画時高さ分布データEにおいて、任意の3箇所の測定点から作られる傾斜面を考える。この時、傾斜面とX軸方向のずれΔX、傾斜面とY軸方向のずれΔYは、下記の式で表される。
ΔX= t/2 × cosθx
ΔY= t/2 × cosθy ・・・・・(式3)
任意の3箇所の測定点から2本の傾斜ベクトルを作ることが出来る。この2本の傾斜ベクトルの外積計算から傾斜面に対する法線ベクトルが作られる。
さらに法線ベクトルとX軸単位ベクトルの内積計算からcosθxが、法線ベクトルとY軸単位ベクトルの内積計算からcosθyが算出される。
算出されたcosθx及びcosθyを(式3)に代入して、最終的にX軸方向のずれΔXとY軸方向のずれΔYが算出できる。
上記で得られた描画用座標ずれ量データGと、「パターン設計データA」とを用いて、補正パターンデータHの描画を行う。
このとき、描画用座標ずれ量データGに基づいて、パターン設計データAを補正し、描画補正パターンデータH(不図示)を求め、この描画補正パターンデータHに基づいて描画を行っても良い。
この際に用いる描画用座標ずれ量データGも、上記同様に、加工可能である。
描画の際には、転写用パターン領域外に、マークパターンなどを適宜加えて行っても良い。後述するように、座標測定用のマークパターンをここで追加して描画することができる。
方式<1>では、基板の四辺に沿った、4つの直線状の保持部材を備えた露光装置を例示した。
方式<2>では、基板の対向する二辺の近傍に、平行に配置した保持部材が、基板の膜面側に接触する場合について説明した。
描画が行われた、フォトマスクブランク(フォトマスク中間体)は、以下の工程を経て、フォトマスクとなる。
パターニングのプロセスについては、公知の方法を適用することができる。すなわち、描画を施されたレジスト膜は、公知の現像液によって現像され、レジストパターンが形成される。このレジストパターンをエッチングマスクとして、薄膜をエッチングすることができる。
エッチング方法は公知のものを使用できる。ドライエッチングを適用してもウェットエッチングを適用しても良い。本発明は、表示装置用のフォトマスクの製造方法として特に有用であるため、ウェットエッチングを適用する場合に、本発明の効果が顕著に得られる。
尚、本願は上記のような描画方法を実施することができる、描画装置に関する発明を含む。
すなわち、該描画装置は、基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクに対して、転写用パターンを描画することに用いる描画装置である。
描画装置は、以下の手段を備える。
入力手段は、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、および
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力可能とする手段である。
演算手段は、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算する。
更に、本発明の描画装置は、以下の手段を備えても良い。
入力手段は、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、および
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力可能とする手段である。
演算手段は、前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す、転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算することのできる手段である。演算手段としては、例えば、パーソナルコンピュータ等の公知の演算装置を用いることが可能である。
描画手段は、前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行うことのできる手段である。
以上において説明したとおり、本発明によると、被加工体に形成されるパターンの座標精度を極めて高いものとすることができるフォトマスクを得ることができる。
ところで、このようなフォトマスクを出荷前に検査するにあたっては、検査装置に載置された状態のフォトマスクと、露光装置に保持された状態のフォトマスクとの相違を考慮した検査を行うことが最も望ましい。
そこで、新たな検査方法の必要性が、発明者によって見出された。
パターン形成が行われたフォトマスクを、膜面(パターン形成面)を上側にして座標検査装置のステージに載置し、座標測定を行う。ここで得られたデータを、パターン座標データLとする。
ここで、座標測定とは、予め転写用パターンと同時にフォトマスクの主表面上に形成された、マークパターンの座標を測定することによって行うことが好ましい。このマークパターンは、主表面上であって、転写用パターンの領域外の複数位置に設けることが好ましい。
上記実施の形態1のIIで説明した工程と同様に、厚み分布データTを得ることができる。
上記実施の形態1のIIIで説明した工程と同様に、転写面形状データCを得ることができる。
前記厚み分布データTと、転写面形状データCの差分を求めることにより、検査差分データJを得る(図10(a)〜(d)参照)。
好ましくは、ここで得た差分に対し、ステージ面平坦度など検査装置固有の座標ずれ成分である、検査座標ずれ定数データSを更に減じる。
検査差分データJに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、検査用座標ずれ量データKを求める(図10(d)〜(e)参照)。ここで、高さの差分を、座標ずれ量に換算する工程は、前述のVの工程と同様に行うことができる。
具体的には、転写用パターンの検査は、検査用座標ずれ量データKを、パターン設計データAに反映させて、得られた補正設計データMと、パターン座標データLとを用いて(比較して)行うことができる。
或いは、前記転写用パターンの検査は、検査用座標ずれ量データKを、前記パターン座標データLに反映させて、得られた補正座標データNと、前記パターン設計データAとを用いて(比較して)行うこともできる。
いわゆるバイナリマスク、多階調マスク、位相シフトマスク等、いずれの膜構成をもつフォトマスクにおいても、本発明による作用効果が得られることは明らかである。
尚、本発明は上記のような検査方法を実施可能な、検査装置に関する発明を含む。
すなわち、
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力する入力手段と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。
基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データT、
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力する入力手段と、
前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。
本発明は、主表面に転写用パターンが形成されたフォトマスクに露光することにより、被加工層をもつデバイス基板に対してパターン転写を行うことを含む、表示装置の製造方法において、本発明の製造方法によるフォトマスクを使用する、表示装置の製造方法を含む。
LCD用(或いはFPD用、液晶用)として使用される、等倍露光の露光装置であり、その構成は、
光学系の開口数(NA)が0.08〜0.15 (特に0.08〜0.10)、
コヒレンスファクター(σ)が0.5〜0.9、
露光波長は、i線、h線、g線のいずれかを代表波長とする露光光、特に、i線、h線、g線をすべて含むブロード波長光源が好ましい。
尚、真空圧を適用する場合には、露光装置に、フォトマスクをセットする際、上記有限要素法において適用した真空圧を適用することが好ましい。
本発明のフォトマスクの製造方法(描画工程)による、発明の効果を図17に示す模式図を用いて説明する。
ここでは、特定の基板表面形状(基板表面形状データB)をもつ基板(フォトマスクブランク)に、転写用パターンを描画した場合、露光装置内にセットされたときの転写用パターンの座標精度がどのようになるか(結果的に、被転写体上に形成されるパターンの座標精度がどのようになるか)をシミュレーションにより求めた結果を示す。
11 描画手段
12 測定手段
13 フォトマスクブランク
14 薄膜
15 描画データ作成手段
20 表面
21 基準表面
Claims (26)
- 基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクを用意し、描画装置により、所定の転写用パターンを描画することを含む、フォトマスクの製造方法において、
前記所定の転写用パターンの設計を基にパターン設計データAを用意する工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データTを用意する工程と、
前記フォトマスクを、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを用意する工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCを用いて、描画差分データFを得る工程と、
前記描画差分データFに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、描画用座標ずれ量データGを求める工程と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画工程と、を有する、フォトマスクの製造方法。 - 基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクを用意し、描画装置により、所定の転写用パターンを描画することを含む、フォトマスクの製造方法において、
前記所定の転写用パターンの設計を基にパターン設計データAを用意する工程と、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、及び前記主表面の表面形状を示す基板表面形状データBを用意する工程と、
前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、前記表面形状に生じる変位を、前記基板表面形状データBに対して反映させて、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCを用いて、描画差分データFを得る工程と、
前記描画差分データFに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、描画用座標ずれ量データGを求める工程と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画工程と、を有する、フォトマスクの製造方法。 - 前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを求め、
前記描画差分データFを得る工程において、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとともに、前記自重変形分データRを用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフォトマスクの製造方法。 - 前記基板表面形状データBは、前記フォトマスクブランク、又は、前記フォトマスクブランクとする為の基板を、主表面が実質的に鉛直になるように保持した状態で、前記主表面上の複数の測定点の位置を測定することによって求められることを特徴とする、請求項2に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記厚み分布データTは、前記フォトマスクブランク、又は、前記フォトマスクブランクとする為の基板を、主表面が実質的に鉛直になるように保持した状態で、前記主表面上の複数の測定点の位置を測定することによって求められることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記描画装置に固有の座標ずれ成分に関する、座標ずれ固有データQをあらかじめ求め、
前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データG、前記パターン設計データAとともに、前記座標ずれ固有データQを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。 - 前記転写面形状データCを求める工程においては、有限要素法を用いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データGに基づいて、前記パターン設計データAを補正することにより得られた、補正パターンデータHを用いて描画を行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記描画工程においては、前記描画用座標ずれ量データGに基づいて、前記描画装置が有する座標系を補正し、得られた補正座標系と前記パターン設計データAを用いて描画を行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、保持部材によって保持される複数の保持点が平面上に配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクに対して、転写用パターンを描画することに用いる描画装置であって、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、および
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力する入力手段と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算する演算手段と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画手段と、を有する、描画装置。 - 基板の主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクに対して、転写用パターンを描画することに用いる描画装置であって、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力する入力手段と、
前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における描画用座標ずれ量データGを演算する演算手段と、
前記描画用座標ずれ量データGと、前記パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクブランク上に、描画を行う描画手段と、を有する、描画装置。 - 前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを保存する記憶手段を更に有し、
前記演算手段は、前記自重変形分データRを使用して演算することを特徴とする、請求項12に記載の描画装置。 - 前記描画装置に固有の座標ずれ成分に関する、座標ずれ固有データQを保存する記憶手段を有し、
前記演算手段は、前記座標ずれ固有データQを使用して演算することを特徴とする、
請求項12又は13に記載の描画装置。 - 基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを、検査装置を用いて検査する、フォトマスクの検査方法において、
前記フォトマスクを、前記検査装置のステージ上に載置した状態で、前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データTを用意する工程と、
前記フォトマスクを、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、検査差分データJを得る工程と、
前記検査差分データJに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、検査用座標ずれ量データKを求める工程と、
前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLを用いて、前記転写用パターンの検査を行う検査工程を有する、フォトマスクの検査方法。 - 基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを、検査装置を用いて検査する、フォトマスクの検査方法において、
前記フォトマスクを、前記検査装置のステージ上に載置した状態で、前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る工程と、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データT、及び前記主表面の表面形状を示す基板表面形状データBを用意する工程と、
前記フォトマスクが露光装置内において保持される際に、前記表面形状に生じる変位を、前記基板表面形状データBに対して反映させて、露光装置に保持したときの前記主表面の形状を示す、転写面形状データCを得る工程と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、検査差分データJを得る工程と、
前記検査差分データJに対応する、前記主表面上の複数点における、座標ずれ量を算定して、検査用座標ずれ量データKを求める工程と、
前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLを用いて、前記転写用パターンの検査を行う検査工程を有する、フォトマスクの検査方法。 - 前記基板が露光装置内に保持される際に生じる、前記主表面の変形のうち、前記基板の自重たわみに起因する前記主表面の変形分を示す自重変形分データRを求め、
前記検査差分データJを得る工程において、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとともに、前記自重変形分データRを用いることを特徴とする、請求項15又は16に記載のフォトマスクの検査方法。 - 前記検査装置に固有の座標ずれ成分に関する、検査座標ずれ定数データSをあらかじめ求め、
前記検査工程では、前記検査用座標ずれ量データKと、前記パターン座標データLとともに、前記検査座標ずれ定数データSを用いて、検査することを特徴とする、請求項15〜17のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。 - 前記転写面形状データCを求める工程においては、有限要素法を用いることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
- 前記転写用パターンの検査は、前記検査用座標ずれ量データKを、パターン設計データAに反映させて、得られた補正設計データMと、前記パターン座標データLとを用いて行うことを特徴とする、請求項15〜19のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
- 前記転写用パターンの検査は、前記検査用座標ずれ量データKを、前記パターン座標データLに反映させて、得られた補正座標データNと、パターン設計データAとを用いて行うことを特徴とする、請求項15〜19のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法。
- 主表面上に薄膜とフォトレジスト膜とが形成されたフォトマスクブランクの、前記薄膜をパターニングすることによってフォトマスクとなす、フォトマスクの製造方法において、
請求項15〜21のいずれかに記載のフォトマスクの検査方法を含むことを特徴とする、フォトマスクの製造方法。 - 主表面に転写用パターンが形成されたフォトマスクに露光することにより、被加工層をもつデバイス基板に対してパターン転写を行うことを含む、表示装置の製造方法において、
請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフォトマスクを用いることを特徴とする、表示装置の製造方法。 - それぞれの主表面に転写用パターンが形成された複数のフォトマスクと露光装置を用い、デバイス基板上に形成される複数の被加工層に対して順次パターン転写を行うことを含む表示装置の製造方法において、
前記複数のフォトマスクは、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする、表示装置の製造方法。 - 基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す厚み分布データT、
前記基板を露光装置に保持した状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データC
を入力する入力手段と、
前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。 - 基板の主表面に薄膜をパターニングしてなる転写用パターンを有するフォトマスクを検査する、フォトマスクの検査装置であって、
前記主表面に形成されたパターンの座標測定を行い、パターン座標データLを得る、座標測定手段と、
前記転写用パターンのパターン設計データA、
前記基板の厚み分布を示す、厚み分布データT、
前記基板の主表面の形状を示す、基板表面形状データB、
前記基板を露光装置に保持するときの、保持状態に関する情報、および
前記基板素材の物性値を含む基板情報
を入力する入力手段と、
前記基板表面形状データB、前記保持状態に関する情報、及び、前記基板情報を用いて、露光装置内において保持された状態の前記基板の主表面形状を示す転写面形状データCを演算可能であるとともに、前記厚み分布データTと、前記転写面形状データCとを用いて、前記主表面上の複数点における検査用座標ずれ量データKを演算する、演算手段と、
前記検査用座標ずれ量データKと、パターン設計データAを用いて、前記フォトマスクの転写用パターンを検査する、検査手段を有する、フォトマスクの検査装置。
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