JP2018146313A - ナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤の溶出試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微量のナルフラフィン塩酸塩を含有する軟カプセル剤であっても、ナルフラフィン塩酸塩の溶出性の評価を簡便かつ高感度に定量できる溶出試験方法を提供する。【解決手段】ナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤の溶出性を評価する方法であって、第17改正日本薬局方の溶出試験第2法に準じ、該軟カプセル剤1カプセルの溶出試験を実施して採取された試験液を液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)を用いてナルフラフィン塩酸塩の含量測定をする試験方法が提供される。また、本発明の試験方法は、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)において、ナルフラフィン塩酸塩のプリカーサーイオンとしてm/z477.5±0.5を選択し、且つプロダクトイオンとしてm/z308.3±0.5、m/z339.3±0.5、などを選択し、これらのイオンをモニターすることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明はナルフラフィン塩酸塩を含有する軟カプセル剤の溶出性を評価するための方法に関する。さらに詳しくは、ナルフラフィン塩酸塩を含有する軟カプセル剤を対象とし、ナルフラフィン塩酸塩の溶出性を評価するための試験方法であり、ナルフラフィン塩酸塩の定量にLC−MSMS(Liquid Chromatography−tandem Mass Spectrometry、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計)を利用することを特徴とする溶出試験方法である。
ナルフラフィン塩酸塩は、オピオイドκ受容体選択的作動薬として、中枢性の痒みに対して止痒作用を有し、血液透析患者及び慢性肝疾患患者における難治性そう痒症の改善に対する有効性及び安全性が確認されたとして、医療用医薬品レミッチカプセル2.5μg(製造販売元 東レ株式会社、販売元 鳥居薬品株式会社)、医療用医薬品ノピコールカプセル2.5μg(製造販売元 東レ・メディカル株式会社)として市販されている。
ナルフラフィン塩酸塩は、熱、光及び酸素に対して化学的に不安定であり、ソフトカプセル中のナルフラフィン塩酸塩を安定化させる方法として、安定化剤又は抗酸化剤を添加する方法が知られており、添加剤として、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸n‐プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、BHA、トコフェロール、フィチン酸、メグルミン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム液を添加する方法が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
また、ナルフラフィン塩酸塩同様に、モルヒナン誘導体であるモルヒネの安定化方法としては、例えば、塩基性成分として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを配合する方法が知られている(特許文献6)。
さらに、4,5−エポキシモルヒナン誘導体のシロップ剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、硬カプセル剤、凍結乾燥製剤、ゲル剤、ローション剤、点鼻剤、点眼剤、エアゾール剤については、チオ硫酸ナトリウムである水溶性酸化防止剤、没食子酸プロピルおよびトコフェロールから選ばれる脂溶性酸化防止剤、クエン酸もしくはその塩から選ばれるシネルギスト、ならびにD−マンニトール、D−ソルビトール、キシリトールおよびブドウ糖から選ばれる糖類から選ばれる物質の少なくとも1種を含有させることにより安定化された医薬品組成物を得られることが知られている(特許文献7)。なお、4,5−エポキシモルヒナン誘導体にナルフラフィン塩酸塩は含まれている。
また、特許文献8には、ナルフラフィンを含有するそう痒症改善経皮吸収貼付剤を安定化させる技術として、酸化防止剤を添加する技術が開示されている。
溶出試験に関しては、第17改正日本薬局方に一般試験法として溶出試験法の具体的な方法が記載されている(非特許文献1)。
また、ビタミンDを微量に含む検体の定量方法として、LC−MSMSを用いる技術が開示されている(特許文献9)。
特許第3743449号公報 特開2015−172043号公報 特開2016−155794号公報 特許第5918894号公報 特許第5918895号公報 特開平2−160719号公報 特許第4311369号公報 特開2013−147459号公報 特表2014−506332号公報
第17改正日本薬局方
溶出試験は、医薬品の品質を一定水準に確保する役割を果たすと共に、著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。例えば医療用医薬品の品質再評価では銘柄間の非同等性を避けるために溶出試験が実施されており、また後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインでは溶出挙動が生物学的同等性に関する重要な情報と位置付けている。
後発医薬品の製剤開発においては、開発製剤と先発製剤との治療学的な同等性を確保し、製剤化することが求められており、製剤性能としての溶出性を評価することは非常に重要である。
現在、市販されているナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤は、有効成分であるナルフラフィン塩酸塩が1カプセル中に2.5μgと極めて微量含まれている。有効成分が微量であるため、日局 溶出試験 第2法を実施した場合、試験液900mL中にナルフラフィン塩酸塩2.5μgを含む検体を定量することとなり、溶出曲線の立ち上がりを確認するためには、2.5μg/900mLを100%濃度とした場合、5%程度の濃度域を検出することが必要となる。
一般的に溶出試験の薬物定量方法は紫外可視吸光光度計や高速液体クロマトグラフィーを用いることが多いが、このように極めて希薄なナルフラフィン塩酸塩溶液の定量は上記方法では実施できない濃度域となる。また、ナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤中の主成分が微量であるために薬物量と比較してカプセル剤皮の構成成分であるゼラチン等の賦形剤量が多く含まれることとなり、溶出試験時の採取試験液中に主成分の定量の妨げとなる。
このように、軟カプセル剤に含まれる微量なナルフラフィン塩酸塩など、製剤開発に有用な溶出性の評価が、従来技術では正確に実施することができず、そのため溶出性を制御した製剤開発が困難であった。
上記課題を解決するため、本発明者等は溶出試験実施時の薬物定量方法をより高感度で簡便に実施するため、LC−MSMS(Liquid Chromatography−tandem Mass Spectrometry、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計)を用いる試験方法を完成し、溶出性の評価を可能とするに至った。
本発明による溶出試験方法は、ナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤を対象とし、第17改正日本薬局方一般試験法溶出試験に準じ該カプセル剤を1つとり、第2法(パドル法)を実施し、得られた採取試験液をLC−MSMSを用いて含量測定することを特徴とする。以下、詳細に説明をおこなう。
第17改正日本薬局方一般試験法溶出試験法は、経口製剤について溶出試験規格に適合するか判定するために行う試験である。本試験に適用する試料は、最小投与量に相当するもので、錠剤では1錠、カプセルでは1カプセルとの記載があり、本発明においてもナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤1カプセルを対象とする。
溶出試験に使用する試験液は、特に制限されるものでは無いが、例えば溶出試験第1液、溶出試験第2液、McIlvaineの緩衝液(0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウムと、0.025mol/Lクエン酸を用いてpHを調整する)及び水等を用いることが出来る。
その他の溶出試験条件は、特に制限されるものでは無いが、例えばパドル回転数毎分50回転、試験液量900mL、試験液採取量10mLとすることが出来る。
試験液の採取時点は、例えば5分後、10分後、15分後、20分後及び30分後とすることが出来るが、溶出性の状況次第で、任意の採取時点を設定することが出来る。
ナルフラフィン塩酸塩の定量は、上記溶出試験により採取された試験液を液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)を用いてナルフラフィン塩酸塩の含量測定をすることにより実施される。
LC−MSMS装置は、LC装置として、HPLCシステム、UFLCシステム又はUPLCシステムとして販売されている装置を使用することができ、例えば株式会社島津製作所製、ウォーターズ株式会社製及びアジレント・テクノロジー株式会社製等がある。また、MSMS装置としては、LC−8050(株式会社島津製作所製)、API5000(AB Sciex社製)、Agilent 6400(アジレント・テクノロジー株式会社製)、TSQ Endura(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を使用することが出来る。
LC−MSMSシステムのLC分析の移動相としては、酢酸緩衝液及び有機溶媒の混液、ギ酸緩衝液及び有機溶媒の混液等が好適である。酢酸緩衝液としては、酢酸溶液、酢酸アンモニウム溶液、酢酸アンモニウム緩衝液等を用いることが出来る。有機溶媒としてはアセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。中でも、本発明の方法においては、LCにおける移動相として、ギ酸アンモニウム緩衝液(ギ酸溶液、ギ酸アンモニウム溶液又はギ酸アンモニウム緩衝液)及びアセトニトリルの混液が好ましい。逆相クロマトグラフィーでは、移動相中のギ酸アンモニウム緩衝液とアセトニトリルとの混合割合は、体積比で通常、60:40〜95:5であり、また、この混合割合の範囲でグラジエント分析とすることもできる。親水性相互作用クロマトグラフィーでは、移動相中のギ酸アンモニウム緩衝液とアセトニトリルとの混合割合は、体積比で通常、5:95〜20:80であり、また、この混合割合の範囲でグラジエント分析とすることもできる。
LC−MSMSシステムのLC分析のカラムとしては、逆相クロマトグラフィーの場合、オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)系カラムが好ましく、例えば、イナートシルODS2、イナートシルODS3(GLサイエンス社製)、エックスブリッジC18(日本ウォーターズ社製)、カプセルパックC18(資生堂社製)、Luna C18(フェノメネックス社製)等が挙げられる。また、親水性相互作用クロマトグラフィーの場合、シリカゲル系又はホスホリルコリン系のカラムが好ましく、例えば、Atlantis HILIC、エックスブリッジHILIC(日本ウォーターズ社製)、PC HILIC(資生堂社製)、SUPELCOSIL LC−Diol(シグマアルドリッジ社製)、Luna HILIC(フェノメネックス社製)等が挙げられる。本発明においてはガードカラムを使用することもできる。
LC−MSMSシステムのLC分析条件は、特に限定されないが、移動相の流速を約0.1〜0.8mL/分とすることが好ましく、約0.2〜0.4mL/分とすることがより好ましい。注入量は約0.5〜10μLが好ましく、カラム温度は、通常約25〜45℃であるが、選択したカラム種別に応じて設定することが可能である。
LCで分離及び溶出されたナルフラフィンは、タンデム質量分析計(MSMS)のイオン化室に導入されてイオン化される。本発明のMSMSにおけるイオン化法は特に限定されず、例えば、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCI)、電子イオン化法(EI)等を使用することが出来る。中でもESIが好ましい。
生成したナルフラフィン塩酸塩のイオンは、一段目のMSでプリカーサーイオンとしてm/z477.5±0.5を選択し、コリジョンセルでプリカーサーイオンを解離させ、二段目のMSにおいて、生成したプロダクトイオンとしてm/z308.3±0.5、m/z339.3±0.5、m/z254.3±0.5、m/z394.9±0.5、m/z377.0±0.5、m/z211.2±0.5、又はm/z121.2±0.5をモニターするMRM(SRMとも呼ぶ)法により実施することで、高感度の分析が可能となった。一般的に、MSMS条件の最適化により、プロダクトイオンの選択やコリジョンエネルギーの選択を行い、好適な検出条件を探索することとなるが、本発明においては、上記プロダクトイオンのm/zを指定してモニターすることでより高感度の分析が可能となった。また、検出特異性を高めるために、上記プロダクトイオンのm/zの検出比(確認イオン比ともいう)を利用することもできる。
前述の溶出試験により採取された試験液は、固相抽出を用いて前処理することもできる。一般的に質量分析法による選択されたプリカーサーイオン又はプロダクトイオンのイオン化時に、イオン化に干渉する物質がある場合、イオン量が増減するため、分析再現性が低下する場合がある。本発明の溶出試験の場合、ナルフラフィン塩酸塩以外のカプセル剤の構成成分が試験液に溶解、分散した状態となるため、その他成分によっては、ナルフラフィンのイオン化に影響を及ぼす可能性がある。そのような場合は、固相抽出を用いて選択的にナルフラフィン塩酸塩を分取することができる。また、その際に検出感度を向上させる濃縮作業を含めることもできる。
固相抽出は、ナルフラフィン塩酸塩を保持するのに適した固定相を用いればよく、例えば塩基性薬物を保持するスルホン酸、カルボン酸等の官能基を有する固定相を用いることが出来る。例えばBond Elut SCX(アジレント・テクノロジー株式会社製)、Oasis MCX(日本ウォーターズ株式会社製)等を用いることができる。
本発明のナルフラフィン塩酸塩の含量測定は、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)において、内標準物質を使用することもできる。内標準物質としてはLC−MSMSにおいて、ナルフラフィン塩酸塩の検出ピークと異なる保持時間にピークを有する化合物であり、かつそのピークがその他の賦形剤成分の検出ピークの位置とも異なるものが好ましい。また、内標準物質は溶出試験液中または濃縮後の分析検体中において安定で経時的変化が少ない化合物が好ましい。本発明における内標準物質としては、ナルフラフィンの安定同位体の他、ナルフラフィンと類似骨格を有するナルブフィン、ナロキソン、コデイン、フェンタニル等のオピオイド系薬物等が好適である。
また、より高感度にナルフラフィン塩酸塩を検出したい場合は、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)による液体クロマトグラフィー条件として、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分離モードを用いることが好ましい。親水性相互作用クロマトグラフィーでは、移動相組成が有機溶媒を高比率にすることが可能となる。一般にLC−MSMSのイオン化では、移動相の有機溶媒比率の高い方が、イオン化効率が向上することが知られており、イオン化したナルフラフィンの絶対量を増加させることが可能となる。
本発明によれば、微量のナルフラフィン塩酸塩を含有する軟カプセル剤であっても、ナルフラフィン塩酸塩の溶出性の評価を簡便かつ高感度に定量することができる。
前処理方法を示したフロー図である。 標準溶液(内標準物質を含む)の直線性を示した図である。 特異性を示したクロマトグラムである。 標準溶液(内標準物質を含まない)の直線性を示した図である。 ナルフラフィン塩酸塩を含有する軟カプセル剤の溶出率を示した図である。試験回数6回及び平均を示す。
以下、本発明のナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤の溶出性の評価方法について、具体例を交えながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
[実施例1]
1.ナルフラフィン塩酸塩含有カプセル剤の組成
表1に示す組成を有するナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤を作製した。
Figure 2018146313
2.分析バリデーション
作製したナルフラフィン塩酸塩2.5μg含有軟カプセル剤1カプセルを用い、以下に示す溶出試験条件に従って試験実施した場合の分析法バリデーションを実施した。
分析法バリデーションとして、システム再現性、直線性、特異性ならびに精度及び真度について検討を実施した。システム再現性は、同じ検体を連続分析し、変動係数を算出することにより、分析の再現性を確認するものである。直線性は、既知の濃度の分析対象溶液を数濃度作製、分析し、回帰分析することで、近似曲線の直線性の程度等を確認するものである。特異性の観察では、主成分を除いて調製したプラセボブランク溶液等の分析により、主成分ならびに内標準物質に相当する保持時間付近に分析を妨害するようなピークが検出されていないことを確認するものである。真度及び精度の観察では、主成分を除いた製剤と既知量の主成分を用い、擬似的に既知の濃度の試料溶液を作製、分析し、添加量と回収量の差や繰り返し精度を観察するものである。
1)溶出試験条件
・溶出試験器:VK7010(Agilent Technologies, Inc.社製)
・方法:パドル法
・シンカー:なし
・回転数:毎分50回転
・試験液:水
・液量:900mL
・試験液の脱気:あり(45℃×2時間加温撹拌脱気,加温タンクTS−200)
・試験液採取量:20mL
・補液:あり
・サンプリング方法:シリンジを用い手動で採取。
分析バリデーションの実施内容としては、溶出試験において3%、10%、60%、100%、120%溶出時の濃度の直線性、5%、60%、100%溶出時の添加回収試験、同添加回収試験の3回繰返し試験、および対象成分を除いて調製したブランク試料による特異性の確認を実施した。
2)試料の調製
標準原液の調製は、ナルフラフィン塩酸塩約10mgを量り、水に溶かし正確に100mLとした。
内標準溶液(I.S.溶液)は、ナルブフィン塩酸塩溶液(1→12500000)を用いた。
3)直線性試料の調製
調製した標準原液を水で1800倍希釈し,直線性原液とした。直線性原液から水を用いて直線性試料を調製した。表2に直線性試料の調製方法を示す。表2は、各名称の試料(溶液)における、各使用液の分取量およびその使用液へ水を添加することにより調製した各名称の試料(溶液)の定容量を示している。
Figure 2018146313
4)真度及び精度確認用試料の調製
調製した標準原液を水で800倍希釈し、添加標準原液とした。添加標準原液から真度確認用試料を調製した。表3及び表4に真度及び精度確認用試料の調製方法を示す。表3は、各名称の試料(溶液)における、各使用液の分取量およびその使用液へ水を添加することにより調製した各名称の試料(溶液)の定容量を示している。
Figure 2018146313
Figure 2018146313
5)特異性試料の調製
水をブランク溶液とした。
特異性用標準溶液(60%)は直線性試料(60%)を使用した。プラセボブランクの調製は溶出試験器ベッセルに水900mL及びプラセボ内容液約170mg、プラセボ剤皮約110mgを加え、毎分50回転、溶出開始90分後の溶出液を採取しフィルターろ過(GHP Acrodisc 25 mm Syringe Filter with 0.45μm GHP Membrane)した。特異性の試料溶液の調製は,溶出試験器ベッセルに水900mL及びナルフラフィン塩酸塩2.5μg含有軟カプセル剤を1カプセル加え、毎分50回転、溶出開始90分後の溶出液を採取し、フィルターろ過(GHP Acrodisc 25 mm Syringe Filter with 0.45μm GHP Membrane)した。
6)前処理前試料の調製
調製した真度及び精度確認用試料(5%,60%,100%,各3試料)をフィルターろ過(GHP Acrodisc 25 mm Syringe Filter with 0.45 μm GHP Membrane)した。調製した直線性試料(5点)5mL、フィルターろ過後の真度確認用試料(9点)5mL、特異性用I.S.ブランクとして水5mL、特異性用プラセボブランク5mL及び特異性の試料溶液5mLのそれぞれにI.S.溶液1mLを添加し,混合したものを前処理前試料とした。なお,特異性用ブランク(水)にはI.S.溶液を添加せず,水を前処理に供した。
図1に示したフロー図の手順にて、上述の前処理前試料の前処理方法を行った。また、HPLC条件及びMS/MS条件は、以下に示す条件にて分析を行った。
7)HPLC条件
・HPLCシステム:UFLCシステム(株式会社島津製作所製)
・分析カラム:Atlantis HILIC silica,2.1 mm I.D.×150 mmL., 3μm(Waters Corp.社製)
・カラム温度:40℃
・移動相:
A;5mmol/Lギ酸アンモニウム溶液
B;アセトニトリル
・容量比:A:B=5:95(LCにて混合)
・流量:0.4mL/分(Nalfurafine 約12.5分、I.S.(Nalbuphine)約7.5分)
・オートサンプラー温度:4℃
注入量:2μL
洗浄液:水/メタノール(1:1,vol/vol)
測定時間:30分
8)MS/MS条件
・タンデム質量分析計:API5000(AB Sciex Pte. Ltd.社製)
・インターフェース:Turbo-V spray
・イオン化法:Electrospray ionization (ESI), positive ion mode
・スプレー電圧:5500V
・ヒーターガス温度:600℃
・コリジョンガス流量:設定値5,窒素
・カーテンガス流量:設定値30,窒素
・ネブライザーガス流量:設定値40,空気
・ターボガス流量:設定値70,空気
・スキャンモード:Multiple reaction monitoring (MRM) mode
・モニターイオン:
Nalfurafine;m/z477.5→m/z308.3
I.S. (Nalbuphine);m/z358.3→m/z254.3
システム再現性としてSample60%濃度を繰り返し6回注入し、分析したところ、精度1.0%と良好な結果が得られた。表5にシステム再現性を示す。
Figure 2018146313
直線性の分析結果を図2に示す。相関係数0.9995と3%〜120%の範囲で良好な直線性が得られた。
特異性の分析結果を表6及び図3に示す。表6及び図3より、水ブランク、I.S.水ブランク及びプラセボブランクには、ナルフラフィンの保持時間に検出を妨害する様なピークは観察されず、本分析は適当な特異性を有することが確認された。
Figure 2018146313
表7に真度及び精度の分析結果を示す。表7より、各3濃度での精度が0.6%〜2.5%、真度が103%〜112%と良好な再現性が得られていることが判った。
Figure 2018146313
[実施例2]
作製したナルフラフィン塩酸塩2.5μg含有軟カプセル剤1カプセルを用い、前処理の非実施、内標準物質を用いず、その他下記の装置条件以外は実施例1と同様に実施した結果を示す。
1)HPLC条件
・HPLCシステム:UFLCシステム(株式会社島津製作所製)
・分析カラム:Atlantis HILIC silica,2.1 mm I.D.×150 mmL., 3μm(Waters Corp.社製)
・カラム温度:30℃
・移動相:
A;0.1%ギ酸を含む5mmol/Lギ酸アンモニウム溶液
B;アセトニトリル
・容量比:A:B=10:90(LCにて混合)
・流量:0.4mL/分(Nalfurafine 約12.5分、I.S.(Nalbuphine)約7.5分)
・オートサンプラー温度:4℃
注入量:2μL
洗浄液:水/メタノール(1:1,vol/vol)
測定時間:30分
2)MS/MS条件
・タンデム質量分析計:LCMS−8050(島津製作所製)
・イオン化法:Electrospray ionization (ESI), positive ion mode
・ネブライザーガス:3L/min
・ヒーティングガス:10L/min
・インターフェイス温度:300℃
・DL温度:250℃
・ヒートブロック温度:400℃
・ドライイングガス:10L/min
・スキャンモード:Multiple reaction monitoring (MRM) mode
・モニターイオン:Nalfurafine;m/z477.5→m/z308.3
システム再現性としてSample60%濃度を繰り返し6回注入し、分析したところ、精度2.2%の結果が得られた。表8にシステム再現性を示す。
Figure 2018146313
直線性の分析結果を図4に示す。相関係数0.998と3%〜120%の範囲の直線性が得られた。
特異性の分析結果を表9に示す。
Figure 2018146313
表10に真度及び精度の分析結果を示す。表10より、各3濃度での精度が2.11%〜5.39%、真度が99.5%〜106%の再現性が得られていることが判った。
Figure 2018146313
3.溶出試験
ナルフラフィン塩酸塩を1カプセルに2.5μg含有する市販の軟カプセル剤について、本発明の試験方法の溶出試験を実施した。日本薬局方一般試験法溶出試験(パドル法、試験液:水、900mL)に準拠した。その結果を図5に示す。図5中のVessel1〜6は上記溶出試験を6回行い、各1試験毎の結果を示している。
図5より、本発明によれば、ナルフラフィン塩酸塩含軟カプセル剤の微量なナルフラフィン塩酸塩の溶出性を簡便かつ高感度に定量することができることが判った。特に本実施例で用いたナルフラフィン塩酸塩含軟カプセル剤の場合は、試験開始から15分の間に速やかにナルフラフィン塩酸塩が溶出する様子を観察することが可能となった。測定濃度範囲は約0.19〜5.77ng/mLであった。
[比較例]
1)HPLCによる分析
HPLCでは検出限界付近となるナルフラフィン塩酸塩溶液(約390〜590ng/mL)5濃度を作製し、定量限界を算出したところ138ng/mLであった。使用装置ならびに分析条件を下記に示す。
2)HPLC条件
・HPLCシステム:LC−2010システム(株式会社島津製作所製)
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280nm)
・分析カラム:Luna C18,4.6 mm I.D.×250 mmL., 5μm(Phenomenex社製)
・カラム温度:40℃
・移動相:
A;リン酸緩衝液/アセトニトリル=95:5
B;リン酸緩衝液/アセトニトリル=60:40
・移動相の送液
a.流量:毎分1.0mL(Nalfurafine 約50分)
b.送液方法
移動相の送液は、検体注入後0〜10分までの間は、移動相Aを100vol%、移動相Bを0vol%とし、検体注入後10〜75分までの間は、移動相Aを100vol%から0vol%へ、移動相Bを0vol%から100vol%へと変化させた。
・注入量:10μL
・測定時間:75分

Claims (5)

  1. ナルフラフィン塩酸塩含有軟カプセル剤の溶出性を評価する方法であって、第17改正日本薬局方の溶出試験第2法に準じ、該軟カプセル剤1カプセルの溶出試験を実施して採取された試験液を液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)を用いてナルフラフィン塩酸塩の含量測定をする試験方法。
  2. 前記液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)において、ナルフラフィン塩酸塩のプリカーサーイオンとしてm/z477.5±0.5を選択し、且つプロダクトイオンとしてm/z308.3±0.5、m/z339.3±0.5、m/z254.3±0.5、m/z394.9±0.5、m/z377.0±0.5、m/z211.2±0.5、又はm/z121.2±0.5を選択し、これらのイオンをモニターすることを特徴とする請求項1に記載の試験方法。
  3. 前記液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)において、内標準物質を使用して含量測定することを特徴とする請求項2に記載の試験方法。
  4. 溶出試験を実施して採取された前記試験液を、固相抽出を用いて前処理した後、前記液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)を用いてナルフラフィン塩酸塩の含量測定をすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試験方法。
  5. 前記液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC−MSMS)による液体クロマトグラフィー条件として、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)分離モードを用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試験方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020021046A (ja) * 2019-03-27 2020-02-06 株式会社Code7 学習支援装置、学習支援方法、および学習支援プログラム
CN115015440A (zh) * 2022-07-08 2022-09-06 江苏杜瑞制药有限公司 一种生物样品中纳呋拉啡的检测方法
WO2023116476A1 (zh) * 2021-12-20 2023-06-29 河北省药品医疗器械检验研究院(河北省化妆品检验研究中心) 一种四季三黄片溶出度的检测方法

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