JP2018141397A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018141397A
JP2018141397A JP2017035400A JP2017035400A JP2018141397A JP 2018141397 A JP2018141397 A JP 2018141397A JP 2017035400 A JP2017035400 A JP 2017035400A JP 2017035400 A JP2017035400 A JP 2017035400A JP 2018141397 A JP2018141397 A JP 2018141397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
knocking
charging
operation state
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017035400A
Other languages
English (en)
Inventor
諒祐 村上
Ryosuke Murakami
諒祐 村上
健太 杉山
Kenta Sugiyama
健太 杉山
保広 榎本
Yasuhiro Enomoto
保広 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2017035400A priority Critical patent/JP2018141397A/ja
Publication of JP2018141397A publication Critical patent/JP2018141397A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】燃焼効率の低下を防止しつつ、ノッキングの発生を低減できる内燃機関の燃料噴射装置を提供する。【解決手段】内燃機関の燃料噴射装置Fは、燃料10を噴射するインジェクタ1と、燃料10を帯電させるための電極12に電圧を印加する帯電装置2と、ノッキング及び高負荷運転状態の少なくとも一方を検出する検出部3と、ノッキング又は高負荷運転状態を検出したときに、燃料10の帯電量を所定の基準値よりも大きくするように帯電装置2を制御する帯電制御部40とを備える。ノッキングの発生時などに燃料10の帯電量を多くして、燃料10の分裂を早期に誘発することで、分裂で生じた気化熱によって低温となった混合気を排気ポート106の排気口近傍などに接触させて、局所的に冷却できる。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に備えられて、燃料の噴射に用いられる燃料噴射装置に関する。
特許文献1は、ハイブリッド自動車に搭載される内燃機関について、点火遅角制御を行うことでノッキングの発生を抑制することを開示する。特許文献2,3は、内燃機関の燃料噴射装置として、燃料を帯電させる電極を備えるものを開示する。
特開2013−185510号公報 特開2005−098254号公報 特開2004−232585号公報
特許文献1に記載されるように、点火遅角によってノッキングを回避すると、燃焼効率が低下する。燃焼効率の低下によって、燃費の悪化を招く。
特許文献2,3は、燃料の帯電によって燃料の霧化を促進することで燃焼効率を向上できるとする。しかし、特許文献2,3は、ノッキングの低減について言及していない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、燃焼効率の低下を防止しつつ、ノッキングを低減できる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る内燃機関の燃料噴射装置は、
燃料を噴射するインジェクタと、
前記燃料を帯電させるための電極に電圧を印加する帯電装置と、
ノッキング及び高負荷運転状態の少なくとも一方を検出する検出部と、
前記ノッキング又は前記高負荷運転状態を検出したときに、前記燃料の帯電量を所定の基準値よりも大きくするように前記帯電装置を制御する帯電制御部とを備える。
上記の内燃機関の燃料噴射装置は、ノッキングの発生時や、燃焼室内が高温になり易い高負荷運転時に燃料の帯電量を多くして、噴射された燃料の分裂を早期に誘発する。燃料の分裂の早期化によって気化熱を早期に発生でき、分裂した燃料粒子と新気とを含む混合気の温度を低くできる。この低温の混合気が燃焼室内でタンブル流を形成すると、排気ポートの排気口近傍、排気バルブ、ボアの内壁やピストンにおける排気ポート側の領域などといった排気ポート側の部材に最初に接触して、これらを局所的に冷却できる。従って、排気ポート側の部材が高温であることで生じ易いノッキングを低減できる。
また、上記の内燃機関の燃料噴射装置は、燃料の帯電量を常時多くせず、上述の特定の運転状態にあるときに増大する。従って、上記の内燃機関の燃料噴射装置は、上述の低温の混合気による上述の排気ポート側の部材の過度な冷却を防止できる。
更に、上記の内燃機関の燃料噴射装置は、燃料の帯電によって燃焼効率も向上できる。
実施形態1の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。 実施形態1の内燃機関の燃料噴射装置の機能ブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
(概略)
実施形態1の燃料噴射装置Fは、自動車などに搭載される内燃機関100に備えられ、燃料10を噴射するインジェクタ1と、インジェクタ1の噴射条件を制御する燃料制御部42とを備える。また、実施形態1の燃料噴射装置Fは、燃料10を帯電させるための電極12に電圧を印加する帯電装置2と、帯電装置2を制御する帯電制御部40とを備える。この例の内燃機関100は、吸気ポート105に燃料10を噴射するようにインジェクタ1が設けられたポート噴射式のものである。また、この例では、インジェクタ1自体に電極12を備える。
内燃機関100は、ボア103が設けられたシリンダブロック101と、ボア103内で往復運動されるピストン110と、ボア103の開口上部を覆うシリンダヘッド102とを備える。ピストン110の頂面と、ボア103の内周面と、シリンダヘッド102の内面とで囲まれる空間を燃焼室104とする。燃焼室104には点火プラグ112が配置される。シリンダヘッド102は、新気(図1の白抜き矢印)とインジェクタ1から噴射された燃料10との混合気(図1の黒矢印)を燃焼室104に導入する吸気ポート105と、燃焼室104内での混合気の燃焼によって生じた排気ガスを排出する排気ポート106とを有する。この例では、吸気ポート105の壁部にインジェクタ1が設けられる。吸気ポート105及び排気ポート106と燃焼室104との間はそれぞれ、吸気バルブ115及び排気バルブ116によって開閉される。吸気バルブ115が開いて、吸気ポート105から燃焼室104に導入された混合気は、点火プラグ112で点火されて燃焼される。
また、内燃機関100は、エンジン回転数やエンジン負荷、ノッキングなどの異常の発生の有無などといった運転状態の判断に利用される物理量を測定する各種のセンサ類(検出部3)と、検出部3からの情報に基づいて運転状態を判断し、内燃機関100の各構成要素を制御する電子制御装置(ECU)4とを備える。ECU4の入力ポートに検出部3が接続される。
この例のECU4は、上述の帯電制御部40と燃料制御部42とを含む。図2に示すように、燃料制御部42は、運転状態判断部400によって、検出部3からの情報に基づいて運転状態を判断し、噴射条件選択部421によって、運転状態に対応して予め設定した噴射条件を選択し、選択した噴射条件をインジェクタ1に出力して噴射させる。帯電制御部40は、インジェクタ1の噴射時期に対応して電極12に所定の電圧を印加するように帯電装置2に命令する。
特に、実施形態1の燃料噴射装置Fは、特定の運転状態のときに燃料10の帯電量を変化させる。詳しくは、燃料噴射装置Fは、上述のインジェクタ1、帯電装置2、帯電制御部40と、ノッキング及び高負荷運転状態の少なくとも一方を検出する検出部3とを備える。帯電制御部40は、検出部3によってノッキング又は高負荷運転状態を検出したときに、燃料10の帯電量を所定の基準値よりも大きくするように帯電装置2を制御する。
以下、構成要素ごとに説明する。
(インジェクタ)
インジェクタ1は、図2に示すように、先端部に噴射孔が形成されたノズル14と、ノズル14内に収納され、噴射孔を開閉するニードル弁11とを備える。この例のインジェクタ1は、更にニードル弁11の外周に配置され、噴射孔が形成された筒状の電極12と、電極12の外周を覆う筒状の絶縁体13とを備える。ニードル弁11と電極12とは、両者の間に燃料10の流路を形成する隙間を設けて配置される。ニードル弁11の往復動によって電極12の噴射孔が開閉されると、ノズル14の噴射孔も開閉される。ニードル弁11の往復動の機構には、公知の構成を利用できる。電極12には、所定の電圧を印加可能な導電性材料、代表的には銅などの金属を利用できる。なお、ノズル14は代表的には金属からなるため、ノズル14と電極12との間に絶縁体13を介在させて両者を電気的に絶縁する。
ニードル弁11の開閉動作(往復動)は燃料制御部42によって制御され、噴射時期、噴射量、噴射圧力などが調整される。噴射された燃料10は、噴射量や噴射圧力に応じた大きさの燃料粒子が分散されてなる霧状であり、新気との混合気となって、吸気圧に応じた速度で吸気ポート105から燃焼室104に導入される。
電極12には、帯電装置2が接続されて燃料10の噴射時に所定の電圧が印加される。帯電装置2の印加動作は帯電制御部40によって制御される。この例では、電圧の印加によって電極12内に電場を形成して、インジェクタ1における上述の流路内の燃料10を帯電し、帯電状態にある燃料10を、電極12の噴射孔を経てノズル14の噴射孔から噴射する。なお、ガソリン(本例)や軽油などの燃料10は、一般に体積抵抗率が高く、容易に帯電する(特許文献2参照)。
(帯電装置)
帯電装置2は、例えば、電源と、昇圧回路とを備えるものが挙げられる。電源には、自動車に搭載されるバッテリなどが利用できる。昇圧回路によって、バッテリの電圧を所定の大きさ(ここでは後述する基準値Qs、増量値Qi、減量値Qrに対応した電圧)に昇圧する。昇圧回路は、所定の範囲の電圧(ここでは減量値Qr〜増量値Qiに対応した電圧)を形成可能なものを選択するとよい。
(検出部)
内燃機関100の運転状態を検出する検出部3としては、ノッキングの発生状況を検知するノッキングセンサ31、ピストン110に連結されるクランクシャフト(図示せず)のクランク角や回転数(エンジン回転数)を検出するクランク角センサ32、スロットルバルブ(図示せず)の下流に設けられ、吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ33、吸気量を検出するエアフローメータ34、吸気温度や燃料温度、内燃機関100を冷却する冷却水の水温などの各部に設けられて、各部の温度を検出する温度センサ35、スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ(図示せず)などがある。例えば、運転状態判断部400は、センサ32〜35などからの情報と予め設定した基準値範囲とを比較して、基準値の上限値を超える場合を高回転や高負荷、基準値の下限値を下回る場合を低回転、低負荷などと判断するように構成する。また、運転状態判断部400は、ノッキングセンサ31からの情報によって、ノッキングの有無を検出して異常の発生を判断するように構成する。実施形態1の燃料噴射装置Fは、ノッキング及び高負荷運転状態の少なくとも一方を検出可能なように、検出部3として、例えばノッキングセンサ31と、センサ32〜35などからエンジン負荷の検出に利用できるもの(例えばクランク角センサ32及びエアフローメータ34など)との少なくとも一方を備えることが挙げられる。センサ32〜35などからの情報に基づいてエンジン回転数も加味した運転状態(例えば、高回転・高負荷運転状態、低回転・低負荷状態)などを検出、判断可能な形態とすることができる。検出した物理量を利用して演算によって別の物理量を求める場合にはセンサを省略することもできる(例えば、吸気圧とエンジン回転数とにより、吸気量を求める場合、エアフローメーター34を省略できる)。
(燃料制御部)
燃料制御部42は、例えば、噴射時期、燃料10の噴射量、噴射圧力などの噴射条件を上述の運転状態に応じて予め設定してメモリなどに記憶させておき、運転状態判断部400の判断結果に応じて適切な条件を選択し、この条件に応じて、ニードル弁11の開閉機構に噴射孔の開閉動作を行わせるように構成する。
(帯電制御部)
帯電制御部40は、例えば、予め印加する電圧を設定してメモリなどに記憶させておき、噴射時期に対応して、帯電装置2に電極12への設定電圧の印加動作を行わせるように構成する。実施形態1の燃料噴射装置Fでは、帯電制御部40は、運転状態判断部400によって、検出部3からの情報に基づいてノッキングや高負荷運転状態を判断し、ノッキング又は高負荷運転状態を検出したとき、帯電条件変更部401によって帯電量を基準値Qsから増量値Qiに変更し、変更した増量値Qiに対応した電圧を電極12に印加する命令を帯電装置2に出すように構成する。検出部3としてセンサ32〜35などを備えて高回転・高負荷運転状態を検出したときに、帯電量を基準値Qsから増量値Qiに変更するように帯電条件変更部401を構成することもできる。
更に、ノッキングや高負荷運転状態以外の特定の運転状態のときにも、燃料10の帯電量を変化させる形態とすることができる。この形態の帯電制御部40は、検出部3によって低負荷運転状態を検出したときに、燃料10の帯電量を所定の基準値Qsよりも小さくするように帯電装置2を制御する。この形態では、帯電条件変更部401を、低負荷運転状態を検出したときに帯電量を基準値Qsから減量値Qrに変更するように構成する。
更に、燃料10の帯電量を変化させることに加えて、噴射条件を変化させる形態とすることができる。この形態の燃料噴射装置Fは、例えば、上述のように燃料10の帯電量を基準値Qsよりも大きくすると共に、噴射圧力を所定の基準値よりも大きくするようにインジェクタ1を制御する燃料制御部42を備える。燃料10の液滴の大きさ(半径R)は、噴射圧力によってある程度調整でき、噴射圧力が大きいほど半径Rが小さい傾向にあり、噴射圧力が小さいほど半径Rが大きい傾向にある。この形態では、燃料制御部42(噴射条件選択部421)を、検出部3によってノッキングや高負荷運転状態を検出したときに、噴射圧力を所定の基準値よりも大きい設定値を選択するように構成する。この構成により、噴射する燃料10の液滴をより小さくできる。
上述のように燃料10の帯電量や燃料10の液滴の半径Rを変化させる理由を、以下の理論式を用いて説明する。
燃料10の液滴が分裂するときの限界電荷量Qは、真空の誘電率をε、液滴の表面張力をγ、液滴の半径をRとして、以下の理論式で表される。
(理論式)Q=8×π×(ε×γ×R1/2
上記の理論式から、噴射直後における燃料10の液滴の表面張力γと半径Rとを一定とすると、帯電量が大きいほど早期に分裂できるといえる。燃料10の液滴の表面温度が上昇することに伴って表面張力γが低下して気化が進行すると半径Rが減少し、液滴に蓄えられた静電エネルギー(電荷量)が表面張力に打ち勝って液滴は分裂する。増量値Qiの電荷を有する燃料10では、半径Rが上述の気化によってある程度減少することで増量値Qiが限界電荷量Qを上回るからである。一方、減量値Qrの電荷を有する燃料10では、気化が十分に進行して半径Rが大きく減少しなければ、減量値Qrが限界電荷量Qを上回らない。そのため、増量値Qiとすれば分裂開始時期の早期化、減量値Qrとすれば分裂開始時期の遅延化を図ることができるといえる。このように電荷量を変化させることで分裂時期を制御するといえる。
また、上記の理論式から、噴射直後における燃料10の表面張力γと帯電量とを一定とすると、燃料10の液滴の半径Rが小さいほど、限界電荷量Qが小さいため、早期に分裂できるといえる。従って、増量値Qiとすると共に、噴射圧力を大きくして半径Rを小さくすれば、分裂開始時期の更なる早期化を図ることができると期待される。
次に、上述のように燃料10の帯電量や燃料10の液滴の半径Rを変化させる作用効果を説明する。
増量値Qiの電荷を有する燃料10を噴射すると、噴射直後、半径Rが相対的に大きい状態にある燃料粒子10dは、上述のように気化に伴って半径Rが小さくなると、早期に分裂して、半径Rがより小さい燃料粒子10fになる(霧化の促進)。気化時に発生する気化熱によって周囲の温度を低下できる。即ち、この燃料粒子10fと新気とを含む混合気の温度を、分裂前の燃料粒子10dを含む混合気の温度と比較して、より低くできる。上述のように分裂開始時期が早いため、低温の混合気も早期に形成できる。例えば、吸気ポート105で低温の混合気を形成して、燃焼室104に導入できる。燃焼室104に導入された低温の混合気は、タンブル流を形成することで、排気ポート106側の部材、例えば排気ポート106の排気口近傍、排気バルブ116、ボア103の内壁やピストン110の頂面の排気ポート106側の領域などに最初に接触して、これら排気ポート106側の部材を局所的に冷却できる。増量値Qiの電荷を有する燃料10の噴射圧力を大きくして、噴射直後の燃料10の液滴の半径Rがより小さければ、分裂開始時期を更に早くして、低温の混合気をより確実に形成して、燃焼室104に導入できる。
減量値Qrの電荷を有する燃料10とすれば、上述のように分裂開始時期を遅らせられる。例えば、燃焼室104に導入されてから燃料10を分裂させられる。この場合、上述のように分裂に伴ってできる低温の混合気を上述の排気ポート106側の部材に十分に接触しないようにすることができる。即ち、低温の混合気によって、排気ポート106側の部材を冷却し過ぎないようにすることができる。
上述した基準値Qs、増量値Qi、減量値Qr、これらに対応した電圧、燃料噴射時の燃料10の半径R、この半径Rに対応した噴射圧力の基準値やより大きい値などは、上述のエンジン回転数やエンジン負荷、ノッキング時の燃焼室104内の温度、燃料10の噴射圧力、燃料10の噴射量などに応じて予め適合試験などによって求めて設定し、ルックアップテーブルとしてメモリなどに記憶させておくと利用し易い。
(動作手順)
実施形態1の燃料噴射装置Fでは、ノッキング及び高負荷運転状態の双方が検出されない場合、帯電制御部40は、燃料10の帯電量を基準値Qsとするように帯電装置2に命令を出す。ノッキング又は高負荷運転状態が検出された場合、帯電制御部40は、燃料10の帯電量を増量値Qiに変更するように帯電装置2に命令を出す。
上述した燃料噴射装置Fの一形態では、ノッキング、高負荷運転状態、及び低負荷運転状態のいずれもが検出されない場合、帯電制御部40は、燃料10の帯電量を基準値Qsとするように帯電装置2に命令を出す。ノッキング又は高負荷運転状態が検出されれば、上述のように増量値Qiに変更する。低負荷運転状態が検出された場合、帯電制御部40は、燃料10の帯電量を減量値Qrに変更するように帯電装置2に命令を出す。
上述した燃料噴射装置Fの別形態では、ノッキング又は高負荷運転状態が検出された場合、帯電制御部40は、燃料10の帯電量を増量値Qiに変更するように帯電装置2に命令を出すと共に、燃料制御部42は、噴射圧力を所定の基準値よりも大きくするようにインジェクタ1に命令を出す。ノッキング及び高負荷運転状態の双方が検出されない場合、上述のように帯電量を基準値Qsとすると共に、燃料制御部42は、噴射圧力を所定の基準値とするようにインジェクタ1に命令を出す。
(効果)
実施形態1の内燃機関の燃料噴射装置Fは、ノッキングの発生時や高負荷運転時といった特定の運転状態にあるときに燃料10の帯電量を増量値Qiにすることで、上述のように燃料10の分裂開始時期を早期化し、低温の混合気を早期に形成する。この低温の混合気は、燃焼室104に導入されると、タンブル流を利用して上述の排気ポート106側の部材に最初に接触して、これらを局所的に冷却できる。即ち、ノッキングの発生領域となる部材を積極的に冷却できる。従って、この燃料噴射装置Fはノッキングを低減できる。この例のようにポート噴射式の内燃機関100であれば、吸気ポート105内で低温の混合気をより確実に形成し易く、低温の混合気を排気ポート106側の部材により確実に接触させて、ノッキングをより低減し易いと期待される。噴射圧力を調整して燃料10の液滴の半径Rをより小さくした場合には、分裂開始時期の更なる早期化によって低温の混合気をより確実に形成でき、低温の混合気を排気ポート106側の部材に更に確実に接触させて、ノッキングをより一層低減し易いと期待される。
また、実施形態1の内燃機関の燃料噴射装置Fは、ノッキングの発生時や高負荷運転時という特定の運転状態にあるときに帯電量を増量値Qiとし、それ以外の運転状態では代表的には基準値Qsとする。そのため、常時、増量値Qiとする場合に比較して、上述の低温の混合気によって上述の排気ポート106側の部材が過度に冷却されることを防止できる。低負荷運転時に燃料10の帯電量を減量値Qrとする場合には、上述のように燃料10の分裂開始時期を遅延化でき、排気ポート106側の部材が過度に冷却されることをより確実に防止できる。即ち、ノッキングが発生し難い状態と考えられる場合に、ノッキングの発生領域となる部材が過度に冷却されることを防止できる。従って、この燃料噴射装置Fは、排気ポート106側の部材の過度な冷却に伴う燃焼不良の発生も防止できる。
更に、実施形態1の内燃機関の燃料噴射装置Fは、燃料10を帯電させて霧化を促進するため、燃焼効率の向上、点火進角による燃費の向上・トルクの向上が期待できる。上述のように低負荷運転時に燃料10の帯電量を減量値Qrとする場合には、霧化の促進による燃料の充填効率の向上が抑制されるため、スロットルバルブの開度を大きくすることができ、ポンピングロスを低減できる。この損失低減によって、燃費の向上・トルクの向上が期待できる。
本発明は、上述の実施形態1に限定されず、例えば、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)ノッキングを検出した場合に燃料10の帯電量と燃料10の液滴の大きさ(半径R)との双方を制御する構成として、燃料10が燃焼室104内、特に排気ポート106側の部材の近くで分裂するように分裂開始時期の遅延化を図る。具体的には、帯電制御部40は、検出部3によってノッキングを検出したときに、燃料10の帯電量を所定の基準値Qsよりも小さくするように帯電装置2を制御すると共に、噴射圧力を所定の基準値よりも小さくするようにインジェクタ1を制御する燃料制御部42を備える形態が挙げられる。上述の理論式から、帯電量が小さく、かつ燃料10の半径Rが大きいと燃料10の分裂が遅くなり易い。そのため、上記の形態は、吸気ポート105で分裂させず、燃焼室104で分裂させ、燃焼室104内の分裂で生じた気化熱によって、排気ポート106側の部材を冷却することで、ノッキングを抑制できる。
(2)燃焼室104に直接燃料を噴射する直噴式とする。この場合、図1に二点鎖線で仮想的に示すようにインジェクタ1Aをボア103の内壁に設けたり、インジェクタ1Bをシリンダヘッド102の燃焼室104の形成領域に設けたりすることが挙げられる。なお、ディーゼルエンジンでは点火プラグ112を省略してもよい。
(3)インジェクタから噴射された後の燃料10を帯電させる。この場合、例えば、図1に二点鎖線で仮想的に示すように、吸気ポート105におけるインジェクタの噴射孔近くにリング状の電極12Aを設けることが挙げられる。吸気ポート105が設けられるシリンダヘッド102は代表的には金属からなるため、電極12Aとシリンダヘッド102との間には絶縁体(図示せず)を配置する(特許文献3の実施形態1から3参照)。この形態のインジェクタは、電極12が不要であり、公知の構成のものが利用できる。
(4)吸気ポート105を燃料10と同極に帯電させる(特許文献2、特許文献3[0003]参照)。この形態は、噴射された燃料10が吸気ポート105に付着すること(ポートウェット)を防止でき、霧化を更に促進して、低温の混合気を形成し易いと期待される。上述のように帯電量を増量値Qiとする場合には、霧化をより促進できるため、ポートウェットの防止により効果的である。
F 燃料噴射装置
10 燃料、10d,10f 燃料粒子
1,1A,1B インジェクタ
11 ニードル弁、12,12A 電極、13 絶縁体、14 ノズル
2 帯電装置
3 検出部
31 ノッキングセンサ、32 クランク角センサ、33 吸気圧センサ
34 エアフローメータ、35 温度センサ
4 電子制御装置(ECU)
40 帯電制御部、42 燃料制御部
400 運転状態判断部、401 帯電条件変更部、
421 噴射条件選択部
100 内燃機関
101 シリンダブロック、102 シリンダヘッド、103 ボア、
104 燃焼室、105 吸気ポート、106 排気ポート、
110 ピストン、112 点火プラグ、115 吸気バルブ、116 排気バルブ

Claims (1)

  1. 燃料を噴射するインジェクタと、
    前記燃料を帯電させるための電極に電圧を印加する帯電装置と、
    ノッキング及び高負荷運転状態の少なくとも一方を検出する検出部と、
    前記ノッキング又は前記高負荷運転状態を検出したときに、前記燃料の帯電量を所定の基準値よりも大きくするように前記帯電装置を制御する帯電制御部とを備える内燃機関の燃料噴射装置。
JP2017035400A 2017-02-27 2017-02-27 内燃機関の燃料噴射装置 Pending JP2018141397A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017035400A JP2018141397A (ja) 2017-02-27 2017-02-27 内燃機関の燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017035400A JP2018141397A (ja) 2017-02-27 2017-02-27 内燃機関の燃料噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018141397A true JP2018141397A (ja) 2018-09-13

Family

ID=63527750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017035400A Pending JP2018141397A (ja) 2017-02-27 2017-02-27 内燃機関の燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018141397A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6579600B1 (ja) * 2019-01-28 2019-09-25 株式会社グローバルテックコーポレーション 電子発生手段、燃焼促進手段、移動体、および殺菌・脱臭手段

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6579600B1 (ja) * 2019-01-28 2019-09-25 株式会社グローバルテックコーポレーション 電子発生手段、燃焼促進手段、移動体、および殺菌・脱臭手段
WO2020157791A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 株式会社グローバルテックコーポレーション 電子発生手段、燃焼促進手段、移動体、および殺菌・脱臭手段
WO2020158206A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 株式会社グローバルテックコーポレーション 電子発生手段、燃焼促進手段および移動体
US11199163B2 (en) 2019-01-28 2021-12-14 Kabushiki Kaisha Global Tec Corporation Electron generation means, combustion promoting means, moving body, and sterilization/deodorization means

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7275519B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP4733679B2 (ja) 往復エンジンの最大出力を制御する方法
US10309322B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP2007510092A5 (ja)
US10436134B2 (en) Control device for internal combustion engine
JPH1137030A (ja) 内燃機関の点火装置
RU2572591C1 (ru) Контроллер двигателя внутреннего сгорания с наддувом
CN115038860A (zh) 用于操作机动车的、尤其是汽车的内燃机的方法
CN106030084B (zh) 内燃机的控制装置以及控制方法
JP6307811B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2016011619A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018071485A (ja) 内燃機関の制御装置
US10480461B2 (en) Combustion assist device for internal combustion engine
CN103603730A (zh) 基于离子电流的火花点火式发动机早燃检测控制装置
JP2018141397A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
US10900459B2 (en) Ignition control system and ignition control device
CN113939646A (zh) 控制包括在内燃机点火装置中的预燃室温度的装置和方法
JP7222869B2 (ja) 内燃機関制御装置
US10066594B2 (en) Internal combustion engine having a spark plug
JP2017020354A (ja) エンジンの異常燃焼検出装置及びエンジンの制御装置
JP6403146B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6531841B2 (ja) 点火装置
JP6537317B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2017110498A (ja) 点火制御システム
JP4337679B2 (ja) 筒内直接噴射式内燃機関の点火制御装置