JP2018138949A - 波長変換部材及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の配光特性を改善しつつ、使用環境に適して高画質な画像を形成できる画像形成装置、及びそれに用いる波長変換部材を提供する。【解決手段】それぞれ蛍光体106gを収容した複数の凹部106fを形成したミラー素子と、凹部に対応するようにして複数のレンズ106iを配置した光学素子と、を組み合わせてなる画像形成装置用の波長変換部材は、第1の波長の光を、レンズを介して凹部内の蛍光体に入射させたとき、蛍光体に入射した第1の波長の光は、第1の波長とは異なる第2の波長の光に変換され、レンズを介して出射するようになっており、画像形成装置の不使用時において第1の波長の光を入射させない状態で、凹部の中心とレンズの光軸とがずれており、画像形成装置の使用時において第1の波長の光を入射させた状態で、ミラー素子と光学素子との熱膨張差に応じて、凹部の中心とレンズの光軸とが略一致する。【選択図】図3

Description

本発明は、波長変換部材及び画像形成装置に関し、特に小型の画像投影装置のような画像形成装置に好適に用いられる波長変換部材及びそれを用いた画像形成装置に関する。
画像形成装置の一種である画像投影装置においては、液晶やミラー偏向型のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等を用いて投影画像を形成しているが、かかる画像を投影するための光源として、従来から放電ランプが広く利用されている。しかしながら、放電ランプは寿命が短く信頼性が低いという問題点がある。これに対し、近年では半導体レーザや発光ダイオード等のような長寿命を持つ固体光源の開発が進み、これらが画像投影装置の光源として用いられるようになってきた。
ここで、投影画像を形成する際には、光の三原色として、赤色、緑色、青色の三色の高強度光が必要になるが、例えば半導体レーザとしては、赤色のレーザと青色のレーザは高輝度のものが実用化されているのに対し、これらに比肩する程度に高輝度の緑色のレーザはまだ実用化されていないという課題がある。そこで、青色レーザ光を波長変換して、緑色の高強度光を創成しようとする試みがある。又、青色レーザ光を波長変換して赤色の高強度光を創成できれば、半導体レーザを1つ設けるだけで足りるので、コスト及びスペース等の制約が削減される。例えば特許文献1には、青色レーザ光を赤色蛍光体層に入射させることで赤色光を励起させ、また青色レーザ光を緑色蛍光体層に入射させることで緑色光を励起させる蛍光ホイールが開示されている。
一方、画像投影装置の小型化や省エネを推進する上では、光源自体をなるべく小さくしつつ、光の利用効率を高めたいという要請もある。一般に、画像投影装置の光利用効率を高くする手法として、光源の発光面積と光源から出射する光束の立体角との積であるエタンデユを小さくすることが挙げられる。このような課題に対して、特許文献2では、蛍光体層の表面に微細な凹凸形状を設けて、光の利用効率を向上させる工夫がなされている。
特開2009-277516号公報 特開2012−68465号公報 国際公開第2016/098560号 特開2010−109433号公報
しかしながら、特許文献2に示す技術では、蛍光体層の表面に凹凸構造を形成しているので、凹凸構造に入射直後において蛍光体層の内包する粒子に散乱が生じた光については、入射点からランバーシャン発光することとなり、凹凸構造を設けた効果が少なく、光学系の光の有効利用が十分に図れないという問題がある。これに対し特許文献3には、蛍光体層に凹凸構造を設ける代わりに、蛍光体層と光源との間に複数のプリズムからなる光偏向部を設けて、蛍光体層から出射した光を各プリズムで屈折させることにより、光利用効率を高める技術が開示されている。しかしながら、光偏向部を用いる場合には、層厚さが一様な蛍光体層を設けるよりも、光偏向部の各プリズムに対する規定位置に集中して蛍光体を設ける方が、出射光を制御する上で好ましいことが分かってきた。
ところで、一般的に半導体レーザの照射エネルギが比較的高いことから、その青色レーザ光が蛍光体に入射した際に蛍光ホイールが加熱され、その線膨張係数に従って熱膨張を生じさせることとなるが、蛍光体を集中配置した場合、熱膨張差によって蛍光体の位置がプリズムの規定位置からずれてしまい、光の変換効率が低下するという問題が生じた。これに対し、特許文献4にはロッドレンズアレイと電子回路基板の線膨張係数をほぼ同等にすることにより、ロッドレンズアレイに対する受光素子の位置変化を抑えることができる技術が開示されている。かかる技術を、蛍光体ホイールと光偏向部に流用し、両者の線膨張係数をほぼ同じにすることも考えられる。
しかしながら、短波長(波長400nm〜500nm)である青色レーザ光の照射に対する十分な耐光性及び耐熱性を持つ素材は、限られるという実情がある。その限られた中で蛍光体ホイールに適した素材と、光偏向部に適した素材とを検討した結果、低コストで線膨張係数を同等にできるものを選択することは困難であることが判明した。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、光の配光特性を改善しつつ、使用環境に適して高画質な画像を形成できる画像形成装置、及びそれに用いる波長変換部材を提供することを目的とする。
本発明の波長変換部材は、
それぞれ蛍光体を収容した複数の凹部を形成したミラー素子と、
前記凹部に対応するようにして複数のレンズを配置した光学素子と、を組み合わせてなる画像形成装置用の波長変換部材であって、
第1の波長の光を、前記レンズを介して前記凹部内の前記蛍光体に入射させたとき、前記蛍光体に入射した前記第1の波長の光は、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光に変換され、前記レンズを介して出射するようになっており、
前記画像形成装置の不使用時において前記第1の波長の光を入射させない状態で、前記凹部の中心と前記レンズの光軸とがずれており、前記画像形成装置の使用時において前記第1の波長の光を入射させた状態で、前記ミラー素子と前記光学素子との熱膨張差に応じて、前記凹部の中心と前記レンズの光軸とが略一致するものである。
本発明によれば、光の配光特性を改善しつつ、使用環境に適して高画質な画像を形成できる画像形成装置、及びそれに用いる波長変換部材を提供することができる。
本実施の形態にかかる画像形成装置としての画像投影装置100の概略構成図である。 蛍光体ホイール106を分解して示す斜視図である。 図2のII-II線で切断して矢印方向に見た蛍光体ホイール106の概略断面図であり、(a)は使用前の状態を示し、(b)は使用時の状態を示す。 使用状態での蛍光体ホイール106の一部を正面から見た図である。 シミュレーション結果を示すグラフである。 反射板106aを形成する冷間プレス工程を示す図である。 マイクロレンズアレイ106bを成形する工程を示す図である。
以下、本実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置としての画像投影装置100の概略構成図である。ここでは、光変調素子として、反射型のLCD光変調素子(LCOS:Liquid crystal on silicon)を用いた画像投影装置の構成例を示すが、これに限定されずミラーアレイ(DMD:Digital Mirror Device)や透過型液晶を用いた光変調素子を採用しても良い。又、複数の光変調素子を組合せて用いても良い。
画像投影装置100は、光源101からLCD光変調素子113の手前までの照明部ILと、LCD光変調素子113から投影レンズ114までの光学エンジン部OEとを備える。光学エンジン部OEは、照明部ILから射出された光を光学的に処理して画像光を生成し、その画像光を外部の物体面に拡大投影する機能を有する。物体面とは、壁、スクリーン、ホワイトボードや、立体物などである。光学エンジン部OEは、LCD光変調素子113と、照明光と投影光の分岐素子となる偏光ビームスプリッタ112と、LCD光変調素子113で生成された像を拡大投影する投影レンズ114で構成される。偏光ビームスプリッタ112は、後に述べる照明部ILでも共用される。
光学エンジン部OEの構成は、最小構成として上述の3要素を備え、LCD光変調素子113と投影レンズ114の光路中に分岐素子が入る構成であれば良い。また、必要に応じて、光路上にその他の光学素子を加えても良い。そのような光学素子としては、例えば、偏光状態を変化させる波長板や、偏光フィルタ、色味を補正するフィルタ等がある。
LCD光変調素子113は、制御部CONTからの画像に対応してR成分、G成分、B成分に分解された信号に対し、LCOSの液晶セルの配列を変化させ、入射光の偏光状態を変えた光を偏光ビームスプリッタの偏光膜と組み合わせることで、変調された画像を生成する。
また、その際に、LCD光変調素子113を、R成分、G成分、B成分についてそれぞれ時間的に分割されたいわゆるカラーフィールドシーケンシャル方式で画像を生成し、フルカラーの映像を投影することができる。このとき、LCD光変調素子113のR成分、G成分、B成分の画像を形成するために変化した液晶セルの配列(フィールド)と、照明部ILのR(赤外光)、G(緑色光)、B(青色光)の発光タイミングとを同期させている。
一方、照明部ILは、第1光源101と、正レンズ及び負レンズを含むビーム縮小光学系102と、バンドパス偏光フィルタ103と、1/4波長板104と、少なくとも1枚の正レンズ(又はミラーでも良い)を含む集光光学系である集光レンズ105と、波長変換部材である蛍光体ホイール106と、回転駆動部としてのモータ107と、第1リレー光学系108と、ライトパイプ109と、第2リレー光学系110と、偏光ビームスプリッタ112とを有する。第1光源101は、レーザドライバDRによりモータ107の回転に同期して発光駆動される。バンドパス偏光フィルタ103は、光軸に対して45度の角度で傾いており、第1の波長である450nmに対して±20nmのP偏光の光を透過し、S偏光と500nm以上の長波長の光を反射する特性を有する。この際、集光レンズ105は蛍光体ホイール106に所定のサイズの光束径で集光されるように設定されていれば良い。
図2は、蛍光体ホイール106を分解して示す斜視図であり、図3は、図2のII-II線で切断して矢印方向に見た蛍光体ホイール106の概略断面図であるが、実際よりも少ない数でレンズ、凹部を示している。図4は、使用状態での蛍光体ホイール106の一部を正面から見た図である。図2において、蛍光体ホイール106は、円盤状の反射板(ミラー素子)106aと、環状のマイクロレンズアレイ(光学素子)106bとを接合してなる。
反射板106aの上面外周近傍において、周方向に沿って帯状に第1の光変換部106cと、これに続けて第2の光変換部106dとを形成している。但し、光変換部106c、106dは、反射板106aの2/3周分しか形成されておらず、その残りに反射部206eを形成している。つまり、反射板106aの1/3周に第1の光変換部106cが形成され、別の1/3周に第2の光変換部106dが形成され、更に別の1/3周は反射部106eのみを形成した非変換部となっている。尚、反射板106aの中央には、モータ107の回転軸と連結するための孔106pが形成されている。
図3を参照して、光変換部106c、106dは、マイクロレンズアレイ106bに対向する面(ここでは上面)に、複数個の凹部106fを互いに等ピッチで離間して形成している。各々同一形状である凹部106fの内面は、反射面として機能する。図4に示すように、凹部106fは隣接するものとの間で、その中心が正三角形の頂点となるように配置されている。凹部106fの中心間距離は、50μm〜500μmであると好ましい。凹部106fの形状は、回転対称である半球面もしくは非球面であると好ましいが、中心を有すれば円錐、角錐など、それ以外の形状でも構わない。
凹部106f内には、それぞれ蛍光体106gが収容されている。蛍光体106gの上面は平面であっても良いし、曲面でも良い。ここで、第1の光変換部106cの凹部106fに収容される蛍光体106gとしては、セリウム賦活イットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce)(この蛍光体の結晶母体の代表的な化学組織はY3(Al,Ga)512である)、Ce又はセリウム賦活ルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LuAG:Ce)、またはβサイアロン蛍光体等を用いることができるが、第1の波長の光を入射したときに、第2の波長の光として500nmから560nmにピーク波長がある蛍光発光を行える蛍光体であれば良い。
一方、第2の光変換部106dの凹部106fに収容される蛍光体106gとしては、Srサイアロン蛍光体(Sr2Si7Al3ON13:Eu)等を用いることができるが、第1の波長の光を入射したときに、第2の波長の光として600nmから650nmにピーク波長がある蛍光発光を行える蛍光体であれば良い。
製造方法は後述するが、マイクロレンズアレイ106bは、ガラス製の基板(平行平板)106h上に、各々同一形状である球面もしくは非球面からなるシリコーン樹脂製のレンズ106iを複数個,互いに等ピッチで並べて形成している。レンズ106iの集合体を集光部という。基材106hの厚みは30〜200μmであり、レンズ106iの高さ、すなわち集光部の厚みは30〜200μmであると好ましい。図4に示すように、隣接するレンズ106iは互いに接しており、いわゆる六方最密構造を形成してなる。使用状態では、レンズ106iの光軸は、それに対応する凹部106fの中心と略一致している。レンズ106iの光軸間ピッチは50〜500μmであると好ましい。レンズ106iの径は、凹部106fの径より大きいと好ましい。
図1において、第1光源101は、第1の波長の光を出射する固体発光素子101aと、コリメートレンズアレイ101bとで構成されている。固体発光素子101aは、合波によって所定出力を得るために、ここでは波長450nmの青色光を複数本同時に出射できる青色半導体レーザアレイを用いる。固体発光素子101aからは、偏光状態のそろった直線偏光の青色光を複数本射出する。なお、第1の波長としては、上述する蛍光体層で蛍光発光する光の波長(第2の波長)より短く、青色と認識できる波長帯域のものであれば良いが、好ましくは480nm以下である。
本実施の形態にかかる画像形成装置100の動作について説明する。ここで、蛍光体ホイール106は、LCD光変調素子113のフィールドに同期して回転し、すなわち各カラーフィールドとセグメントが同期するよう制御されている。具体的には、LCD光変調素子113における青のカラーフィールドでは青色光が光変調素子113に入射し、縁のカラーフィールドでは、緑色光が入射し、赤のカラーフィールドでは赤色光が入射するようになっている。
まず、第1光源101の固体発光素子101aから出射された直線偏光(バンドパス偏光フィルタ103に対してP偏光)の青色光は、コリメートレンズアレイ101bを通過して複数の平行光束とされ、その複数の平行光束は、ビーム縮小光学系102で光束径を絞り込まれ、バンドパス偏光フィルタ103を通過し、1/4波長板104に入射して円偏光状態に変換され、更に集光レンズ105により集光されて、蛍光体ホイール106の反射板106aの表面側(光変換部106c、106dが形成された側)にスポット光として集光する。尚、モータ107の回転軸に連結された蛍光体ホイール106は、所定の速度で回転駆動されている。
かかるスポット光は、マイクロレンズアレイ106bのレンズ106iにより分割されて集光され、蛍光体ホイール106の回転位置に応じて、第1の光変換部106cの凹部106f、第2の光変換部106dの凹部106f、反射部106eのいずれかに入射する。ここで、第1の光変換部106cの凹部106fに入射したスポット光により、その内部の蛍光体106gが励起されることで緑色の蛍光が発生する。この蛍光は散乱光であるが、凹部106f内面の反射面で反射されて、マイクロレンズアレイ106bの対応するレンズ106iに入射し、その集光作用によって緑色のコリメート光が出射されることとなる。
同様に、第2の光変換部106dの凹部106fに入射したスポット光により、その内部の蛍光体106gが励起されることで赤色の蛍光が発生する。この蛍光も凹部106f内面の反射面で反射されて、マイクロレンズアレイ106bの対応するレンズ106iに入射し、その集光作用によって赤色のコリメート光が出射されることとなる。これに対し、反射部106eに入射したスポット光(青色光)は、その面で直接反射されて再度レンズ106iを通過し、青色のコリメート光が出射されることとなる。
集光レンズ105を通過した平行光束のうち、青色光は1/4波長板104を通過することでS偏光状態となり、緑色光、赤色光においては偏光に関係なくバンドパス偏光フィルタ103で反射される。バンドパス偏光フィルタ103で反射された青色光、緑色光、赤色光が順次入れ替わる照明光は、第1リレー光学系108を介してライトパイプ109内に入射し、ここで多重反射した後、第2リレー光学系110を通過して、偏光ビームスプリッタ112で反射して、LCD光変調素子113に入射する。ライトパイプ109と第2リレー光学系110を通ることにより、照明光は光源や蛍光体層による輝度ムラが緩和された状態でLCD光変調素子113に導かれるので、輝度ムラの小さな照明となっている。尚、図示してはいないが、偏光による光のロスを低減するために、偏光状態を一様に揃える、所謂偏光変換素子をバンドパス偏光フィルタ103から偏光ビームスプリッタ112内の光路中に挿入しても良い。
更に、LCD光変調素子113は、青色光を入射するときは青のカラーフィールドとなり、緑色光を入射するときは緑のカラーフィールドとなり、赤色光を入射するときは赤のカラーフィールドとなり、それぞれ時間的に分割された画像を形成し、光学エンジン部OEの投影レンズ114を介して投影することができる。投影された各画像を観察する者は、目の残像効果によって各成分を足し合わせたフルカラーの画像を視認することができる。
又、以上の実施の形態では、蛍光体ホイール106の反射板106aに2つの光変換部106c、106dを形成した例を示したが、その代わりに蛍光体ホイール106には光変換部106cのみを設け、また赤色の半導体光源を別途設けて、それから出射させた赤色光をダイクロイックフィルタなどを用いて、蛍光体ホイール106をバイパスさせて光路内へと導くようにしても良い。
ところで、シリコーン樹脂はレーザ光照射に対して十分な耐光性、耐熱性を有するから、マイクロレンズアレイ106bをシリコーン樹脂のみから形成することもできるといえる。しかし、シリコーン樹脂製の線膨張係数は300×10-6/℃程度であるのに対し、アルミニウム製である反射板106aの線膨張係数は23×10-6/℃程度と大きく異なっている。よって、画像形成装置100の使用時に、青色レーザ光を照射することで蛍光体ホイール106付近の温度が室温(20℃)から150℃前後に増大した場合、その熱膨張によって、シリコーン樹脂製のみからなるマイクロレンズアレイ106bと、反射板106aとの熱膨張量が大きく異なってしまうことが1つの課題となる。この熱膨張差によって、レンズ106iの光軸と凹部106fの中心との間に大きなずれが生じると、レンズ106iによって集光された光が凹部106fに適切に集光せず、また凹部106fから出射した光が、レンズ106iに適切に集光されないので、光の利用効率が低下する恐れがある。一方、素材としてのガラスも、レーザ光照射に対して十分な耐光性、耐熱性を有し、加えて線膨張係数が3×10-6/℃程度と低いので、ガラスのみからマイクロレンズアレイ106bを作製することも考えられる。しかしながら、微細なレンズ106iをガラス表面に精度良く転写成形することが困難であるという課題がある。
かかる課題を克服するために、本実施の形態では、ガラス製の基板106h上に、複数のレンズ106iを精度良く転写形成したシリコーン樹脂製のレンズ106iを接合することで、複合体としてのマイクロレンズアレイ106bの線膨張係数を、反射板106aの線膨張係数に近づけているのである。
但し、このように線膨張係数が低いガラスを用いてマイクロレンズアレイ106bを形成しても、線膨張係数が高いシリコーン樹脂の影響を受けるので、トータルでのマイクロレンズアレイ106bの線膨張係数を、反射板106aの線膨張係数に厳密に一致させることは困難である。これに対し、本実施の形態では以下のように対処している。本実施の形態の画像形成装置100では、青色レーザ光がほぼ一定光量で出射され続けるので、蛍光体ホイール106付近の温度は150℃前後でサチュレートし、上下に大きく変動することがない。よって、少なくともこの使用時の温度において、図4に示すように凹部106fの中心とレンズ106iの光軸とが一致していれば、光の利用効率を高く維持できることとなる。
そこで、図3(a)に示すように、使用前(室温)における、マイクロレンズアレイ106bのレンズ106iのピッチをP1とし、反射板106aの凹部106fの中心間ピッチをP2としたときに、両者を異ならせるように設定し、具体的にはP1>P2としている。これは、マイクロレンズアレイ106bのトータルの線膨張係数が、反射板106aの線膨張係数より高いからである。このときのピッチP1,P2の決定方法であるが、使用時(150℃前後)における、マイクロレンズアレイ106bのレンズ106iのピッチをP1’とし、反射板106aの凹部106fの中心間ピッチをP2’としたときに、両者が略一致する(P1’≒P2’となる)ように、熱膨張差からピッチP1,P2を逆算して決定すれば良い。これにより、レンズ106iの光軸と凹部106の中心とが略一致した状態にすることができる。ここで、「略一致」とは、ピッチのズレ量(│P1’−P2’│)が閾値を下回ることを言う。また閾値は、凹部106fの孔径φによって決まる値であり、具体的には凹部106fの孔径φに対して30%、好ましくは20%である。つまり、レンズ106iの光軸と凹部106の中心とがずれているとは、そのズレ量が閾値を上回っている場合をいう。
ここで、閾値の根拠について説明する。図5は、本実施の形態にかかるマイクロレンズアレイと反射板とを用いて、本発明者の行ったシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は、使用時におけるピッチのズレ量(│P1’−P2’│)であり、縦軸は、ズレ量がゼロであるときを1として規格化した場合の蛍光体ホイールからの出射光量を示している。本発明者は、凹部の孔径φを50μm、75μm、100μmと変更して、ズレ量を異ならせて出射光量を求めた。尚、凹部の深さは孔径φの半分とし、レンズの光軸ピッチは163μmとした。
図5を参照するに、比較的ズレ量が小さい範囲(50%以下)では、孔径φが小さくなればなるほどズレ量に対して出射光量が低下する傾向があることが分かる。よって、最も小径である孔径φが50μmを基準として、ズレ量が孔径φの30%以内であれば、80%以上の出射光量を確保できることが分かる。又、ズレ量が孔径φの20%以内であれば、90%以上の出射光量を確保できることが分かる。
更に、図面を参照して、蛍光体ホイール106の製造方法について説明する。図6は、反射板106aを形成する冷間プレス工程を示す図であるが、外周のみの断面を示している。図6(a)に示すように、平行平板状の円盤であるアルミニウム製の素材ALの外周部に対して、下面に凹部106fに対応した凸部MD1aを形成した環状の金型MD1を対向させる。凸部MD1aは鏡面化されている。金型MD1の素材として超鋼を用いることで、型の耐久性が良くプレス時の転写性も良好となる。金型MD1に予めアライメントマークを形成しておくと、これが反射板106aに転写形成されることとなる。
次いで、図6(b)に示すように、素材ALに向かって金型MD1を過大な圧力でプレスすると、凸部MD1aに押圧されることで素材ALの表面が塑性変形を生じる。更に図6(c)に示すように、金型MD1を離間させることにより、反射率が80%以上の反射面を内面に備えた凹部106fを形成した素材ALを得ることができる。その後、凹部106fを含む表面に反射膜などを形成して、反射率を増大させることもできる。更に、生じた凹部106fに蛍光体106g(図3)を配置することで、反射板106aが形成される。
反射板106aの素材としては、耐光性、耐熱性(放熱性)の観点からアルミニウムを用いることが好ましく、特に熱伝導性が高まることにより、レーザ光照射時に局所的に加熱されることを抑制できる。更にアルミニウムを用いることで、安価でありながら高い反射率を得ることが出来る。凹部106fの形成に当たっては、上述したプレス加工以外にも、エッチング加工、レーザ加工などを用いることができるが、2次加工で凹部内の研磨などの表面加工が必要となる。これに対しプレス加工であれば、一度の工程で反射率が高い反射面を得ることができるから好適である。尚、反射板106aの製造方法は以上に限られない。
図7は、マイクロレンズアレイ106bを成形する工程を示す図であるが、一部のみの断面を示している。図7(a)に示すように、例えばフローフロート法で作成したガラス平板(日本電気硝子製の製品名G−Leaf)から環状に切り出された素材GLを、金型MD2上に載置する。この素材GLに対して、下面にレンズ106iに対応したキャビティMD3aを形成した環状の金型MD3を対向させる。金型MD3に予めアライメントマークを形成しておくと、これがマイクロレンズアレイ106bに転写形成されることとなる。
次いで、図7(b)に示すように、金型MD2,MD3を型締めし、不図示のゲートを介してキャビティMD3a内にシリコーン樹脂(信越シリコーン株式会社製の製品名X−32−3212)を塗布する。シリコーン樹脂が固化した後に、図7(c)に示すように、金型MD2,MD3を離型させると、基板106h上にレンズ106iを接合して形成したマイクロレンズアレイ106bを得ることができる。このとき、基板106hはガラス素材であるが、比較的薄く可撓性を有するから、固化するシリコーン樹脂が収縮する際に、基板106hが収縮方向に変形可能であるため、形状転写性を向上させることができる。又、離型時にも、基板106hを含む全体を適度に撓ませながら、マイクロレンズアレイ106bを容易に離型させることができる。尚、マイクロレンズアレイ106bの製造方法は以上に限られない。
このようにして形成された反射板106aとマイクロレンズアレイ106bとは、例えばギャップ制御用粒子として、製品名ミクロパール(積水化学工業株式会社)等を混入させたUV硬化性接着剤(又は熱硬化性接着剤)ADを用いて両者の隙間を所定範囲に調整しつつ、図3(a)に示すように重ね合わされる。両者の重ね合わせは、それぞれ成形時に形成したアライメントマークを用いることで、精度良く行うことができる。
接合に際しては、マイクロレンズアレイ106bの内周側のフランジ面(レンズ106iより内側の面)のみにUV硬化性接着剤ADを塗布して、反射板106aと接合することで、図3(b)に示す使用時に、反射板106aとマイクロレンズアレイ106bとは、それぞれの線膨張係数に応じた量だけ径方向外側に変位(外周側に展伸)することとなる。すなわち、マイクロレンズアレイ106bの接合された内周側を基点として、使用時にレンズ106iの光軸と凹部106fの中心とを精度良く位置決めするのである。このとき、マイクロレンズアレイ106bの外周側のフランジ面と、反射板106aとの間に、滑り性の良い(摩擦係数が比較的低い)滑り部材を介在させることで、熱膨張をスムーズに行わせることができる。この滑り部材と対向する位置に高さ方向を規制するような位置決め部材を構成することで、使用時において反射板106aとマイクロレンズアレイ106bとの隙間(すなわちレンズ106iと凹部106fとの光軸間距離)が殆ど変化しないので、高い光学性能を安定して維持できる。
100 画像投影装置
101 光源
101a 固体発光素子
101b コリメートレンズアレイ
102 ビーム縮小光学系
103 バンドパス偏光フィルタ
104 1/4波長板
105 集光レンズ
106 蛍光体ホイール
106a 反射板
106b マイクロレンズアレイ
106c 第1の光変換部
106d 第2の光変換部
106e 反射部
106f 凹部
106g 蛍光体
106h 基板
106i レンズ
106p 孔
107 モータ
108 第1リレー光学系
109 ライトパイプ
110 第2リレー光学系
112 偏光ビームスプリッタ
113 LCD光変調素子
114 投影レンズ
CONT 制御部
DR レーザドライバ
IL 照明部
OE 光学エンジン部

Claims (10)

  1. それぞれ蛍光体を収容した複数の凹部を形成したミラー素子と、
    前記凹部に対応するようにして複数のレンズを配置した光学素子と、を組み合わせてなる画像形成装置用の波長変換部材であって、
    第1の波長の光を、前記レンズを介して前記凹部内の前記蛍光体に入射させたとき、前記蛍光体に入射した前記第1の波長の光は、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光に変換され、前記レンズを介して出射するようになっており、
    前記画像形成装置の不使用時において前記第1の波長の光を入射させない状態で、前記凹部の中心と前記レンズの光軸とがずれており、前記画像形成装置の使用時において前記第1の波長の光を入射させた状態で、前記ミラー素子と前記光学素子との熱膨張差に応じて、前記凹部の中心と前記レンズの光軸とが略一致する波長変換部材。
  2. 前記第1の波長の光を入射させない状態で、前記凹部の中心間ピッチは、前記レンズの光軸間ピッチよりも小さい請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 前記光学素子は、シリコーン樹脂から形成され前記レンズを有する集光部と、ガラスから形成された基材とを接合してなる請求項1又は2に記載の波長変換部材。
  4. 前記基材の厚みは30〜200μmであり、前記集光部の厚みは30〜100μmであり、前記レンズの光軸間ピッチは50〜500μmである請求項3に記載の波長変換部材。
  5. 前記ミラー素子はアルミニウム製である請求項1〜4のいずれかに記載の波長変換部材。
  6. 前記ミラー素子における前記光学素子に対向する面に、前記蛍光体を収容する凹部を形成している請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換部材。
  7. 前記光学素子は環状であり、前記光学素子の内周側を前記ミラー素子に接着してなり、前記光学素子の外周側を展伸可能としている請求項1〜6のいずれかに記載の波長変換部材。
  8. 前記光学素子のレンズは金型成形により形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の波長変換部材。
  9. 前記ミラー素子の凹部は冷間プレスにより形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の波長変換部材。
  10. 前記第1の波長の光を出射する光源と、請求項1〜9のいずれかに記載の波長変換部材と、を有する画像形成装置。
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