JP2018132668A - 極紫外放射源 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のLPP放射源よりも効率の良い、又は従来のLPP放射源に関連する他の不利点を克服するEUV放射源を提供する。【解決手段】プラズマ形成領域に燃料の液滴を提供するように構成された燃料エミッタと、プラズマ形成領域をプラズマ生成レーザビームで照明するように構成されたプラズマ生成レーザシステムと、プラズマ形成領域をプラズマ加熱レーザビームで照明するように構成されたプラズマ加熱レーザと、を備え、プラズマ生成レーザビームの波長はプラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短く、プラズマ加熱レーザビームはパルス状である、放射源。【選択図】 図1

Description

[0001] 本発明は極紫外放射源に関する。極紫外放射源はリソグラフィシステムの一部を形成し得る。
[0002] リソグラフィ装置とは、基板上に所望のパターンを適用するように構成された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えばマスク)から基板上に設けられた放射線感光材料(レジスト)の層の上にパターンを投影し得る。
[0003] パターンを基板上に投影するためにリソグラフィ装置によって使用される放射線の波長は、その基板上に形成することのできるフィーチャの最小寸法を決定する。従来のリソグラフィ装置(例えば193nmの波長を有する電磁放射線を使用し得る)よりも小さなフィーチャを基板上に形成するためには、4乃至20nmの範囲内の波長を有する電磁放射線である極紫外(EUV)放射線を使用するリソグラフィ装置が用いられ得る。
[0004] ある既知の種類のEUV放射源は、レーザ放射線を燃料液滴に向ける。これにより燃料液滴はEUV放射線放出プラズマに変換される。この種の放射源は、レーザ生成プラズマ(LPP)源と称され得る。既知のLPP源は乏しい変換効率という欠点を免れない。つまり、既知のLPP源が出力するEUV放射線のパワーは、燃料液滴に入射するレーザ放射線のパワーのごく一部である。
[0005] 従来のLPP放射源よりも効率の良い、又は従来のLPP放射源に関連する他の不利点を克服するEUV放射源を提供するのが望ましい。
[0006] 本発明の第1の態様によれば、プラズマ形成領域に燃料の液滴を提供するように構成された燃料エミッタと、プラズマ形成領域をプラズマ生成レーザビームで照明するように構成されたプラズマ生成レーザシステムと、プラズマ形成領域をプラズマ加熱レーザビームで照明するように構成されたプラズマ加熱レーザとを備え、プラズマ生成レーザビームの波長はプラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短く、プラズマ加熱レーザビームはパルス状である、放射源が提供される。
[0007] パルス状のプラズマ加熱レーザビームを提供することは、放射源によるEUV放射線生成の効率を高める。プラズマ加熱レーザビームがパルス状であると、生じるプラズマ雲のプラズマ密度分布は、プラズマ加熱レーザビームに対してより低反射性であるため、EUV生成により適したものとなる。プラズマ加熱レーザビームが連続的であれば、生じるプラズマ雲のプラズマ密度分布はプラズマ加熱レーザビームに対してより高反射性になるであろうし、プラズマ加熱レーザビームはプラズマ雲によって吸収されにくくなる(そしてEUV生成を減少させる)であろう。また、プラズマ加熱レーザビームは、パルス状であると、プラズマに(連続的なプラズマ加熱レーザビームと比較して)より均一な温度及びイオン化分布を提供する。より均一な温度及びイオン化分布は、より大きな割合のEUV放射線放出を提供する(望ましくない波長ではより少ない放射線が放出される)。
[0008] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、少なくとも5nsの幅を有していてもよい。
[0009] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、最大で20nsの幅を有していてもよい。
[00010] プラズマ加熱レーザビームは、プラズマ加熱レーザビームのパルス間に少なくとも5nsの間隔(interval)を含んでいてもよい。
[00011] プラズマ加熱レーザビームは、プラズマ加熱レーザビームのパルス間に最大で20nsの間隔を含んでいてもよい。
[00012] プラズマ加熱レーザビームは、40%乃至60%のデューティ比を有していてもよい。
[00013] プラズマ生成レーザシステムは、可視波長又は紫外波長を有するプラズマ生成レーザビームを提供するように構成されていてもよい。
[00014] プラズマ生成レーザシステムは、第1の波長を有するレーザビームを放出するように構成されたレーザと、そのレーザビームをより短波長のレーザビームに変換するように構成された光学デバイスとを備えていてもよい。
[00015] プラズマ生成レーザビーム及びプラズマ加熱レーザビームは、プラズマ形成領域において略一直線上にあってもよい。
[00016] プラズマ生成レーザビームは、プラズマ形成領域を連続的に照明するように構成されていてもよい。
[00017] プラズマ加熱レーザビームの波長は少なくとも8μmであってもよい。
[00018] 本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による放射源を備え、リソグラフィ装置をさらに備えるリソグラフィシステムが提供される。
[00019] 本発明の第3の態様によれば、プラズマ形成領域に燃料の液滴を提供することと、燃料の液滴をプラズマ生成レーザビームを用いて照明することと、燃料の液滴をパルス状のプラズマ加熱レーザビームを用いて照明することとを備え、プラズマ生成レーザビームの波長はプラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短い、EUV放射線の生成方法が提供される。
[00020] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、少なくとも5nsの幅を有していてもよい。
[00021] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、最大で20nsの幅を有していてもよい。
[00022] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、少なくとも5nsの期間によって分離(separate)されていてもよい。
[00023] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、最大で20nsの期間によって分離されていてもよい。
[00024] プラズマ加熱レーザビームは、40%乃至60%のデューティ比を有していてもよい。
[00025] プラズマ生成レーザビームは、可視波長又は紫外波長を有していてもよい。
[00026] プラズマ生成レーザビームは、燃料の液滴を連続的に照明してもよい。
[00027] 次に本発明の実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態による、リソグラフィ装置及び放射源を備えるリソグラフィシステムを示す。 放射源のシミュレートされた挙動を示すグラフである。 放射源における燃料液滴のシミュレートされた密度を示すグラフである。 放射源における燃料液滴についてシミュレートされたプラズマ密度マップ及び速度パターンである。
[00028] 図1は、本発明の一実施形態による放射源SOと、リソグラフィ装置LAとを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、極紫外(EUV)放射ビームBを生成するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。照明システムILは、パターニングデバイスMAに入射する前に放射ビームBを調整するように構成されている。投影システムは、放射ビームB(マスクMAによってパターニング済み)を基板W上に投影するように構成されている。基板Wは先に形成されたパターンを含んでいてもよい。その場合、リソグラフィ装置は、パターニングされた放射ビームBを、先に基板W上に形成されているパターンに位置合わせする。
[00029] 放射源SO、照明システムIL、及び投影システムPSはすべて、外部環境から隔離可能であるように構築及び配置されていてもよい。放射源内には大気圧を下回る圧力の気体(例えば水素)が提供されてもよい。照明システムIL及び/又は投影システムPS内には真空が提供されてもよい。照明システムIL及び/又は投影システムPS内には大気圧を大きく下回る圧力の少量の気体(例えば水素)が提供されてもよい。
[00030] 本発明の一実施形態による放射源SOは、図1に概略的に図示されるように、レーザ生成プラズマ(LPP)源と称され得る種類のものである。放射源20は、異なる波長を有するレーザビーム22,23を提供する2つのレーザシステム20,21を備える。レーザビーム22,23は、ダイクロイックミラー25を用いて結合され、燃料エミッタ3から提供されるスズ(Sn)などの燃料に入射する。レーザシステム20の一方は、第1のレーザシステム又はプラズマ生成レーザシステム20と称されてもよい。プラズマ生成レーザシステム20によって提供されるレーザビーム22は、燃料を液状からプラズマへと変換する。他方のレーザシステム21は、第2のレーザシステム又はプラズマ加熱レーザシステム21と称されてもよい。プラズマ加熱レーザシステム21によって提供されるレーザビーム23は、プラズマがEUV放射線を放出するのに十分に高い温度までプラズマを加熱する。
[00031] プラズマ生成レーザビーム22は、例えば、2ミクロンよりも短い(例えば約1ミクロン以下の)波長を有していてもよい。プラズマ生成レーザシステム20は、例えばNd:YAGレーザを含んでいてもよい。プラズマ生成レーザシステム20は、周波数二倍化結晶、周波数三倍化結晶、周波数四倍化結晶、又は燃料液滴に入射する前にレーザビームをより短い波長に変換するように構成された他のデバイスをさらに備えていてもよい。
[00032] プラズマ加熱レーザビーム23は、例えば、少なくとも8ミクロン、例えば約10ミクロンの波長を有していてもよい。プラズマ加熱レーザシステム21は、例えばCOレーザを含んでいてもよい。プラズマ加熱レーザシステム21は、追加的な構成要素又はデバイスを備えていてもよい。
[00033] プラズマによって放出されたEUV放射線は、近垂直入射放射コレクタ5(より一般的に垂直入射放射コレクと称されることもある)によって集められ集束される。コレクタ5は、EUV放射線(例えば13.5nmなど所望の波長を有するEUV放射線)を反射するように配置された多層構造を有していてもよい。コレクタ5は、楕円形状を有していてもよく、2つの楕円焦点を有する。第1の焦点はプラズマ形成領域4にあってもよく、第2の焦点は、後述するように、中間焦点6にあってもよい。
[00034] 以下の記載においてはスズを参照するが、任意の適切な燃料が使用され得る。燃料は、例えば液状であってもよいし、例えば金属又は合金であってもよい。燃料エミッタ3は、例えば液滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4に向かう軌道に沿って方向づけるように構成されたノズルを備えていてもよい。
[00035] レーザ20,21は放射源SOの他の部分から離れていてもよい。その場合、レーザビーム22,23は、ビームデリバリシステム(図示しない)の助けを借りて、レーザシステム20,21からプラズマ形成領域4へと伝わってもよい。ダイクロイックミラー25はビームデリバリシステムの一部を形成し得る。
[00036] コレクタ5によって反射された放射線は放射ビームBを形成する。放射ビームBは点6で集束されてプラズマ形成領域4の画像を形成し、これは照明システムILのための仮想放射源として作用する。放射ビームBが集束される点6は、中間焦点と称されてもよい。放射源SOは、中間焦点6が放射源の内包構造体9の開口8に又はその付近に位置するように配置される。
[00037] 放射ビームBは、放射源SOから、放射ビームを調整するように構成された照明システムIL内に進入する。照明システムILは、ファセット視野ミラーデバイス(facetted field mirror device)10及びファセット瞳ミラーデバイス(facetted pupil mirror device)11を含んでいてもよい。ファセット視野ミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は、協同して所望の断面形状及び所望の角度強度分布を有する放射ビームBを提供する。放射ビームBは、照明システムILから伝わって、支持構造MTによって保持されているパターニングデバイスMAに入射する。パターニングデバイスMAは放射ビームBを反射しパターニングする。照明システムILは、ファセット視野ミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又は代えて、他のミラー又はデバイスを含んでいてもよい。
[00038] パターニングデバイスMAからの反射に続き、パターニングされた放射ビームBは投影システムPSに入る。投影システムは、基板テーブルWTによって保持されている基板W上に放射ビームBを投射するように構成された複数のミラーを備える。投影システムPSは、放射ビームに縮小係数を適用して、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さなフィーチャを有する画像を形成してもよい。例えば、4という縮小係数が適用されてもよい。図1の投影システムPSは2つのミラーを有しているが、投影システムは任意の数のミラー(例えば6つのミラー)を含んでいてもよい。
[00039] 図1に示される放射源SOは、図示されていない構成要素を含み得る。例えば、放射源には分光フィルタが設けられていてもよい。分光フィルタは、EUV放射線については実質的に透過性であってもよいが、赤外線など他の波長の放射線については実質的に遮蔽性である。
[00040] プラズマ生成レーザビーム22の波長はプラズマ加熱レーザビーム23の波長よりも短い。プラズマ生成レーザビーム22は、より短い波長を有するため、(以下においてさらに説明されるように)プラズマ加熱レーザビーム23よりも深くスズプラズマに進入する。プラズマ生成レーザビーム22は、スズ液滴をアブレートして、スズ液滴の周囲にプラズマ雲を形成する。このプラズマ雲のプラズマは、プラズマ生成レーザビーム22によって少量だけ加熱され得る。もっとも、プラズマ生成レーザビーム22によって提供される加熱は、プラズマ加熱レーザビーム23によって提供される加熱よりもはるかに少ない。プラズマ加熱レーザビーム23はプラズマ生成レーザビーム22よりも長い波長を有しており、プラズマ生成レーザビーム23ほど深くはプラズマ雲内に進入しない(プラズマ内への放射線の進入は、放射線の波長が増加するにつれて減少する)。しかし、プラズマ加熱レーザビーム23は、燃料液滴をアブレートするプラズマ生成レーザビーム22によって形成されたプラズマ雲によって良好に吸収される。プラズマ加熱レーザビーム23はこうしてエネルギをプラズマ雲に変換し、それによってプラズマを加熱する。プラズマ加熱レーザビーム23は、プラズマ生成レーザビーム22よりも、プラズマ雲のはるかに大きな加熱を提供する。プラズマ雲は、かなりの量のEUV放射線を放出するように十分に高い温度まで加熱される。プラズマ雲の温度は、例えば約25eV乃至50eVであり得る。
[00041] プラズマ加熱レーザビーム23はパルス状である。パルス状のプラズマ加熱レーザビーム23は、プラズマ形成領域4を周期的に照明する(そして、プラズマ形成領域で燃料液滴に入射する)。プラズマ加熱レーザビーム23をパルス状で提供することは、放射源SOによるEUV生成の効率を高める。プラズマ加熱レーザビーム23がパルス状であると、生じるプラズマ雲のプラズマ密度分布は、プラズマ加熱レーザビームに対してより低反射性であるため、EUV生成により適したものとなる。プラズマ加熱レーザビームが連続的であれば、生じるプラズマ雲のプラズマ密度分布はプラズマ加熱レーザビームに対してより高反射性になるであろうし、プラズマ加熱レーザビームはプラズマ雲によって吸収されにくくなる(そしてEUV生成を減少させる)であろう。また、プラズマ加熱レーザビーム23は、パルス状であると、プラズマに(連続的なプラズマ加熱レーザビームと比較して)より均一な温度及びイオン化分布を提供する。より均一な温度及びイオン化分布は、より大きな割合のEUV放射線放出を提供する(望ましくない波長ではより少ない放射線が放出される)。
[00042] プラズマ加熱レーザビーム23のパルスは、以下においてさらに説明する理由により、例えば5ns乃至20nsの幅を有していてもよい。プラズマ加熱レーザビームのパルス間には、以下においてさらに説明する理由により、少なくとも5nsの間隔が設けられてもよい。間隔は最大で20nsであってもよい。プラズマ加熱レーザビームのパルスはパルス列として提供されてもよく、パルス列の間にはギャップが設けられる。1つのパルス列は、完全に燃料液滴切れになる期間に概ね相当する幅(例えば、燃料液滴がレーザビームによって「焼き尽くされる」のに十分な長さの幅)を有していてもよい。これは、もしも燃料液滴が存在していないときにプラズマ加熱レーザビーム23がプラズマ形成領域に向けられていたら発生したであろうエネルギ浪費を回避するので、有利である。プラズマ加熱レーザビーム23のパルス列は、燃料液滴がプラズマ形成領域に存在しているときに生成されるように同期されてもよい。パルス列の幅は、例えば100ns乃至200nsであってもよい(が、パルス列の他の幅が用いられてもよい)。代替的な構成においては、プラズマ加熱レーザビーム23は、連続的な一連のパルス(すなわち分離のない複数のパルス列)であってもよい。もっとも、この構成はパルス列構成よりも非効率的である。
[00043] プラズマ加熱レーザビームのパルスは、例えば、レーザ20を用いて連続的なレーザビームを生成するとともにそのレーザビームを変調器を用いて変調することによって形成されてもよい。変調器は、例えば音響光学変調器又は電気光学変調器であってもよい。変調の後、パルス状のレーザビームは、所望のパワーに増幅されてもよい(増幅後にレーザビームを変調しようと試みることは変調器に損傷を与え得る)。パルスを形成するために用いられるのに加え、変調器は、パルス列を形成するためにも用いられ得る。
[00044] 図2は、プラズマ加熱レーザビーム23の吸収及びスズ液滴からのEUV放出を示すグラフである。図3は、プラズマ生成レーザビーム22及びプラズマ加熱レーザビーム23がスズ燃料液滴に入射するときにスズ燃料液滴の密度がどのように変化するのかを示すグラフである。グラフはシミュレーションを用いて生成された。
[00045] シミュレーションにおいて、プラズマ生成レーザビーム22の波長は532nm(1064nmのNd:YAGレーザ出力の第2高調波)であった。プラズマ生成レーザビーム22の強度は1.5×10W/cmであった。他の波長及び強度が放射源SOによって用いられてもよい。シミュレーションにおけるプラズマ加熱レーザビーム23の波長は10.6μmであった。プラズマ加熱レーザビームの強度は8×1010W/cmであった。この種のレーザビームは、COレーザを用いて生成され得る。他の波長及び強度が放射源SOによって用いられてもよい。
[00046] 図2を参照すると、横軸は、プラズマ生成レーザビーム22が最初にスズ液滴に入射してからの経過時間を示す。左側の縦軸は、レーザビーム及び放出されたEUV放射線のパワーを示す。右側の縦軸はEUV放射線への変換効率を示し、プラズマ生成レーザビーム22及びプラズマ加熱レーザビーム23の両方のパワーの百分率として表されている(パワーの大半はプラズマ加熱レーザビームによって提供される)。
[00047] プラズマ生成レーザビーム22がスズプラズマの望ましい密度分布を確立するには数十ナノ秒かかる。このため、プラズマ加熱レーザビーム23がスズ液滴に入射する前には遅延がある。図2に示されるシミュレーションにおいては、遅延は35ナノ秒に設定された。「入射レーザ」の線は、35nsで0MWから4.2MWに急上昇している。
[00048] 図2から分かるように、プラズマ加熱レーザビーム23が燃料液滴に入射した約2ナノ秒後に、燃料液滴はEUV放射線を放出し始める。変換効率は(37.2ナノ秒で)約11.5%のピーク値へと急上昇し、その後下降して、約8.1%の一様な安定値に接近する。約2ナノ秒の期間は、プラズマがプラズマ加熱レーザビーム23によって約30eVという使用温度まで加熱される期間である。やはり図2から分かるように、プラズマ加熱レーザビーム23の吸収は、約37乃至38ナノ秒では事実上100%である。プラズマ加熱レーザビーム23の吸収はその後顕著に下降する。これは、このレーザビームのうちいくらかは、図2の最も下の線によって示されるように、スズ液滴の周囲のプラズマ雲から反射されるためである。プラズマ加熱レーザビーム23の反射は、プラズマの密度分布が、プラズマ加熱レーザビームに対してより反射性の密度分布に変化したために発生する。この主たるレーザビームの吸収の減少のタイミングは、概してEUV放射線への変換効率の減少と対応するものと考えられ得る。
[00049] 図3は、スズ液滴及び周辺のプラズマの密度を、液滴の中心からの距離の関数として示すグラフである。3本の線は、プラズマ生成レーザビーム22が最初に燃料液滴に入射した後の異なる時点における密度を示す。横線「Rmcにおけるρ」は、zion=10という(EUV生成にとって)最適な電離度におけるスズプラズマの臨界密度を示す。臨界密度とは、その密度まではプラズマ加熱レーザビーム23がプラズマを貫通するという密度である。
[00050] 図3から分かるように、プラズマ加熱レーザビーム23が燃料液滴に入射する直前には、密度分布は滑らかな形状を有する。これは、プラズマ加熱レーザビーム23が存在しないときにプラズマ生成レーザビーム22によって提供される一様なアブレーション流を表す。一旦プラズマ加熱レーザビーム23がプラズマに入射すると、スズプラズマの空間密度分布は急勾配になり、隆起を含むように形状が変化する。分布が急勾配になるとともにより滑らかでなくなるにつれ、スズプラズマは加熱レーザビーム23に対してより反射性になる。プラズマ加熱レーザビーム23のうちいくらかは反射されて、吸収されない。すなわち、EUV放射線への変換効率が低下する。
[00051] 図2及び3をまとめると、異なる時間スケールにわたって異なる効果が生じていることが理解され得る。プラズマ加熱レーザビーム23がスズプラズマに入射してから1乃至2ナノ秒以内に、スズプラズマの温度は、効率の良いEUV放出が行われる温度(例えば約30eV)まで上昇する。約10乃至25ナノ秒の期間にわたって、スズの密度分布は急勾配になり、形状が変化する(より滑らかでなくなる)。この急勾配の変形した強度分布は、プラズマ加熱レーザビーム23の反射を増加させる。その結果、より少ないプラズマ加熱レーザビーム23が吸収され、EUV放射線が生成される効率が低下する。同じ約10乃至25ナノ秒の期間にわたって、プラズマ全体で温度及び電離の不均一性が増大する。この不均一性はプラズマによって放出されるEUV放射線の割合を減少させる(より大きな割合の他の波長がプラズマによって放出される)。換言すれば、プラズマによって放出される放射線のスペクトル純度の低下が存在する。
[00052] このように、当初の期間には、EUV放出にとって最適な温度(例えば30eV)までプラズマの加熱が行われる。この当初の期間の間は、スズプラズマの密度分布はかなり滑らかなままである。その結果、プラズマ加熱レーザビーム23の反射は実質的に行われない。高効率でのEUV放射線への変換が達成される。その後の期間には、プラズマの密度分布は急勾配になって形状が変化し、温度及び電離の不均一性が生じ、EUV放射線への変換の効率が低下する。
[00053] プラズマ加熱レーザビーム23をパルス状にすることによって、変換効率が、高い初期ピーク値の後で留まる比較的低い値に落ち着くことが回避され得る。その代わりに、例えば約11.5%というピーク変換効率が定期的に得られ得る。
[00054] 一実施形態においては、プラズマ加熱レーザビーム23は、幅が少なくとも5ナノ秒であるパルスを有していてもよい。図2から察知されるように、もしもパルスが5ナノ秒よりも短かったとしたら、プラズマが十分にEUV放射線への変換効率のピークの範囲内で依然として動作している間に(ピークは図2においては約10ナノ秒持続する)、プラズマの加熱が遮断されるであろう。約10ナノ秒後、変換効率は一定のより低い値に落ち着いた。よって、パルスは、約10ナノ秒(例えば+/−5ナノ秒)の幅を有するのが好適であり得る。もっとも、それよりも数ナノ秒長いパルス幅であっても許容可能な結果をもたらし得る。15ナノ秒よりも長いパルス幅が用いられてもよく、これもやはり連続的なレーザビームよりも効率の良い(しかし15ナノ秒以下のパルス幅よりは効率の悪い)EUV放射線への変換を提供し得る。パルス幅は例えば最大で20ナノ秒であり得る。
[00055] プラズマ加熱レーザビーム23の連続するパルス間の分離は、例えば5乃至20ナノ秒であってもよい。プラズマ加熱レーザビーム23のパルス間に20ナノ秒よりも長い分離が設けられた場合には、全体の変換効率が低下するであろう。これは、プラズマがプラズマ加熱レーザビームによって加熱される時間の割合が減少するためである。プラズマ加熱レーザビーム23のパルス間に5ナノ秒よりも短い分離が用いられた場合にも、全体の変換効率は低下するであろう。これは、プラズマ生成レーザビーム22が望ましいプラズマ状態(例えば最適なプラズマ状態又は最適に近いプラズマ状態)を回復するのに十分な時間がないためである。
[00056] 上記のパルスの幅及び分離は、さらに上で図2との関連で言及された35ナノ秒の遅延と矛盾するように思われるかもしれない。しかしながら、この35ナノ秒の遅延は、シミュレーションにおいて、先にプラズマが存在していなかったときに最初のプラズマの形成を可能にするために用いられた遅延である。パルスの幅及び分離は、プラズマ雲が既にスズ液滴の周囲に存在している状態に関する。放射源は、シミュレーションにおいて行われたように約35ナノ秒の初期遅延を提供する必要はない。これを実用的なシステムにおいて行うことは、かかる時間が短いため達成するのが困難であろうし、EUV変換効率に大した影響を及ぼさないであろう(35ナノ秒という期間は、EUV放射線がプラズマによって生成される全期間のごく一部であろう)。
[00057] 異なる波長のプラズマ加熱レーザビームが用いられる場合には、EUV放射線への効率の良い変換を提供するパルス幅にいくらか影響するかもしれない。しかしながら、その影響は比較的限定的――2倍未満――である。
[00058] 上記したようにプラズマ生成レーザビーム22にスズ液滴から十分な材料をアブレートするのに十分な時間を与えることに加え、アブレートされた材料が外側に膨張するためにも時間が必要である。プラズマ膨張とも称され得るこの膨張は、プラズマ加熱レーザビーム23に呈されるプラズマの表面領域を増大させる。これは、プラズマ加熱レーザビームの断面領域の略すべてがプラズマに入射することを可能にし、それによってプラズマの効率的な加熱を可能にし得る(もしもプラズマがプラズマ加熱レーザビームよりも著しく小さい断面領域を有していたとすると、プラズマ加熱レーザビームのかなりの割合はプラズマを加熱することなくプラズマのそばを通過するであろう)。
[00059] 概して、プラズマ加熱レーザビーム23のパルス間の間隔の幅は、スズ液滴からのいくらかの材料のアブレーションを可能にするとともにアブレートされた材料がプラズマ加熱レーザビームの半径と概ね一致するか又はそれよりも大きい半径まで膨張することを可能にするほど長くてもよい。プラズマ加熱レーザビーム23のパルス間の間隔の幅は、例えば5ns以上、10ns以上、又は15ns以上であってもよい。プラズマ加熱レーザビームのパルス間の間隔の幅とは、1つのパルスの終わりと次のパルスの始まりとの間の経過時間を指し得る。
[00060] 図4は、直径40μmのスズの液滴の周囲のプラズマ密度マップ及び速度パターンである。これは、1.5×10W/cmの強度で355ナノメートルの波長(周波数三倍化されたNd:YAGレーザの波長)を有するプラズマ生成レーザビームのシミュレーションを用いて生成された。プラズマ生成レーザビームが最初に燃料液滴に入射した40ナノ秒後の時刻におけるプラズマ密度マップ及び速度パターンが示されている。プラズマ生成レーザビームは左側から燃料液滴に入射する。
[00061] 図4の中央位置には液体スズが残っており、約1g/ccの密度を有している。このスズは液体であるため、プラズマ膨張は起こらず、中央位置にはプラズマ膨張速度を示す矢印は表示されていない。中央位置から外側に移動すると、スズの密度は、液滴の周囲の光領域によって表示されるように、約0.01g/ccまで急降下する。これは、液体スズ液滴からアブレートされてスズプラズマを形成する材料である。この領域から半径方向外側では、矢印によって示されるように、プラズマ膨張が見受けられる。スズプラズマの密度は、スズ液滴からの半径距離の関数として低下する。密度は、図3に示された35nsにおける密度分布と類似の分布を有する。
[00062] レーザビームがプラズマに進入する深さは、レーザビームの波長に依存する。ある所与の波長の入射放射線(例えばレーザビーム)について1つの臨界表面が定義され得る。プラズマの臨界表面は、放射線がそれ以上は伝搬しないプラズマの密度に対応する。臨界表面は、異なる波長の放射線については異なるものであり、より長い波長についてはより低いプラズマ密度、より短い波長についてはより高いプラズマ密度にある。
[00063] 図4において、約0.15mmの半径の概ね円周方向の線は、10μmの波長(これはプラズマ加熱レーザビーム23の波長に相当し得る)を有する放射線についてのプラズマの臨界表面を示す。したがって、プラズマ加熱レーザビーム23は、その線のところまではプラズマに進入するが、それ以上は進入しない。よって、プラズマ加熱レーザビーム23は、図4に示される臨界表面線の外側にあるプラズマは加熱するが、臨界表面線の内側に位置するプラズマは加熱しない。
[00064] プラズマがプラズマ加熱レーザビームの直径と等しいか又はそれよりも大きい直径にまで膨張するのに十分な時間を経過させることは有利である。なぜなら、プラズマ加熱レーザビームは、プラズマに入射すると、プラズマによって略完全に吸収され得るからである。換言すれば、プラズマ加熱レーザビームの外側環状部は、プラズマの外側を通過せずにリソグラフィ装置内を前進する。再び図4を参照すると、これは、プラズマの臨界表面がプラズマ加熱レーザビームの直径よりも大きい直径を有するように十分な時間を経過させることによって達成され得る。
[00065] 上記したように、より短い波長を有する放射線は、より長い波長を有する放射線よりも深くプラズマに進入する。再び図4を参照すると、概ね円周方向の線が中央位置から約0.2mmのところに見受けられる。この線は、355ナノメートルの波長を有する放射線についての臨界表面を表す。プラズマ生成レーザビーム22についての臨界表面は、スズ液滴の液面又はその付近にある。換言すれば、プラズマ生成レーザビーム22は、スズ液滴からアブレートされたプラズマを貫通してスズ液滴に入射する。
[00066] プラズマ加熱レーザビームの波長よりも顕著に短い波長を有するプラズマ生成レーザビームを用いることにより生じる利点は、このように理解され得る。プラズマ生成レーザビーム22はプラズマによってほとんど吸収されず、したがってプラズマを貫通して液体スズ液滴まで進入する。プラズマ生成レーザビーム22は、スズ液滴に入射するので、スズ液滴から材料を効率良くアブレートし、それによってプラズマを生成することができる。しかしながら、プラズマ生成レーザビーム22はプラズマによってほとんど吸収されないので、プラズマ生成レーザビームは効率の良いプラズマの加熱を提供しないことになる。よって、プラズマ生成レーザビームは、プラズマをEUV放射線を放出する温度(例えば約30eV)まで加熱するのに良く適してはいない。
[00067] プラズマ加熱レーザビーム23は途中までしかプラズマに進入しない。プラズマ加熱レーザビーム23は、スズ液滴に到達しないので、スズ液滴からの材料の効率の良いアブレーションを提供することはできない。しかしながら、プラズマ加熱レーザビームは、プラズマによって吸収されるので、効率の良いプラズマの加熱を提供し、したがってプラズマがEUV放射線を放出する温度(例えば約30eV)までプラズマの温度を効率良く上昇させることができる。よって、プラズマ生成レーザビームがプラズマ加熱レーザビームよりも短い波長を有するところ、プラズマ生成レーザビームとプラズマ加熱レーザビームとの結合は、単一のレーザビームを用いるか又は同じ波長の2つのレーザビームを用いる従来の構成によって提供されるよりも効率の良いEUV放射線の生成を提供する。
[00068] 図1に示される実施形態は、ダイクロイックミラー25を用いてプラズマ生成レーザビーム22をプラズマ加熱レーザビーム23と結合する。図1において、プラズマ生成レーザビーム22及びプラズマ加熱レーザビーム23は、ダイクロイックミラー25における結合の後、略一直線上にあるものとして図示されている。しかし、必ずしもそうである必要はない。プラズマ生成レーザビーム22は、プラズマ加熱レーザビーム23とは異なる光軸を有していてもよい。その場合、プラズマ加熱レーザビーム22及びプラズマ生成レーザビーム23は、プラズマ生成とプラズマ加熱とがいずれもプラズマ形成領域(燃料液滴がEUV放射線を生成することが望まれるターゲット位置)において提供されることを保証するために、プラズマ形成領域4で交差するのが望ましい。
[00069] スズ液滴は、例えば20μm以上の初期直径、例えば40μm以上の初期直径を有していてもよい。直径がより大きなスズ液滴は、EUV生成のためにより多くの燃料を提供する。これに対応してより大きな直径のプラズマ加熱レーザビーム23(及びプラズマ生成レーザビーム22)が用いられてもよい。しかしながら、スズ液滴の有する直径が大きすぎると、より多量のスズがEUV放出プラズマに変換されない結果となり得、これは放射源SO内においてより多くのスズ汚染が見受けられる事態を引き起こし得る。スズ液滴は、例えば60μm以下の初期直径を有していてもよい。用いられる液滴直径は、液滴の初期速度とプラズマ加熱レーザビーム23及びプラズマ生成レーザビーム22の直径とを勘案して選択されてもよい。
[00070] プラズマ生成レーザビーム22の波長は、プラズマを貫通してスズ液滴に入射するように十分に短くてもよい。プラズマ生成レーザビーム22の波長は、例えば2μm未満(例えば1064nm、又はこの初期波長から始まって生成される532nm、352nm、若しくは266nmなどの波長)であってもよい。1μm又はそれより短い波長が用いられてもよい。1μmの放射線はプラズマ内で顕著に吸収され得るので、1μmよりも短い波長が好適であるかもしれない。例えば、可視波長又は紫外波長が好適であり得る。上記したように、プラズマ生成レーザビームとしての使用に良好に適したレーザビームを提供するために、周波数二倍化、周波数三倍化、又は周波数四倍化デバイスを伴うNd:YAGレーザが用いられてもよい。これらのビームはそれぞれ532nm、355nm、及び266nmの波長を有する。
[00071] スズ液滴のアブレーション率は、レーザビームの波長が短くなるにつれて強く増大する。アブレーション率は、強度の関数として弱く拡大縮小する(例えばI0.3の割合で拡大縮小する)。したがって、比較的低パワー(すなわちプラズマ加熱レーザビーム23よりも低パワー)のプラズマ生成レーザビーム22が用いられ得る。放射源SOにおいて用いられるプラズマ生成レーザビームの強度は、例えば0.5−5×10W/cmの範囲内であってもよい。
[00072] 概して、プラズマ生成レーザビームの強度は、プラズマ加熱レーザビームの強度よりも少なくとも1桁小さくてもよい。
[00073] プラズマ加熱レーザビーム23の波長は、その波長に対する臨界表面がプラズマ内に位置しスズ液滴の表面には位置しない程度に十分長くてもよい。プラズマ加熱レーザビーム23の波長は、例えば少なくとも8μmであってもよく、例えば11μm未満であってもよい。プラズマ加熱レーザビーム23の波長は、例えば9μm乃至10.6μmであってもよい。
[00074] 概して、プラズマ生成レーザビームの波長はプラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短くてもよい。この差がプラズマ生成レーザビームがより深くプラズマに進入することを可能にし、プラズマ加熱レーザビームはそれほど進入しないのでプラズマのより大きな加熱を提供する。
[00075] プラズマ加熱レーザビームの半径は、例えば50μm以上であってもよい。プラズマ加熱レーザビーム23の半径は、例えば最大で600μmであってもよい。10.6μmのプラズマ加熱レーザビーム23については、約150μm(+/−50μm)というプラズマ加熱レーザビーム半径が最適な変換効率を提供し得る。
[00076] 約50%(例えば40%乃至60%)というプラズマ加熱レーザビーム23のデューティ比が望ましいかもしれない。例えば、10nsの期間によって分離された10nsパルスのプラズマ加熱レーザビーム23が用いられてもよい。上記で図2に関連して説明したように、プラズマ加熱レーザビームパルスのパルスは、長すぎる場合には、変換効率を低下させる。プラズマ加熱レーザビームパルス間の分離が長すぎる場合には、いくらかのスズ燃料が無駄になる(十分なエネルギがプラズマによって受け取られないことになる)。
[00077] プラズマ生成レーザビーム22は、連続波(CW)モードで動作されてもよい。これは、スズ液滴がプラズマ形成領域4にあるときにプラズマが連続的に生成されることを保証するため、有利である。しかしながら、プラズマ生成レーザビーム22は、代替的にはパルスモードで動作されてもよい。パルスは、例えばスズ液滴がプラズマ形成領域4にあるときにスズ液滴がプラズマ生成レーザビーム22によって連続的に照明されるように、燃料エミッタによるスズ液滴の生成と同期されてもよい。
[00078] 上記の説明はスズの液滴を参照しているが、スズ以外の燃料が用いられてもよい。
[00079] 一実施形態においては、放射源はマスク検査装置の一部を形成してもよい。マスク検査装置は、EUV放射線を用いてマスクを照明してもよく、撮像センサを用いてマスクから反射された放射線を監視してもよい。撮像センサによって受信された画像は、マスクに欠陥が存在するか否かを判定するために用いられる。マスク検査装置は、EUV放射源からEUV放射線を受けてそれをマスクに向けられる放射ビームにするように構成された光学素子(例えばミラー)を含んでいてもよい。マスク検査装置は、マスクから反射されたEUV放射線を集めて撮像センサにおいてマスクの画像を形成するように構成された光学素子(例えばミラー)をさらに含んでいてもよい。マスク検査装置は、撮像センサにおけるマスクの画像を分析するように、及びその分析からマスク上に何らかの欠陥が存在するかどうかを判定するように構成されたプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサはさらに、検出されたマスク欠陥が、そのマスクがリソグラフィ装置によって用いられるときに基板上に投射された画像に許容できない欠陥を引き起こすかどうかを判定するように構成されていてもよい。
[00080] 一実施形態においては、放射源は計測装置の一部を形成してもよい。計測装置は、基板上に既に存在するパターンに対する基板上のレジストに形成された投影されたパターンのアライメントを測定するために用いられてもよい。この相対的アライメントの測定は、オーバレイと称され得る。計測装置は、例えばリソグラフィ装置にすぐ隣接して位置していてもよく、基板(及びレジスト)が加工される前にオーバレイを測定するために用いられてもよい。
[00081] 本文中では、リソグラフィ装置の文脈において本発明の実施形態を特に参照しているかもしれないが、本発明の実施形態は他の装置において用いられてもよい。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、あるいはウェーハ(若しくは他の基板)若しくはマスク(若しくは他のパターニングデバイス)を測定又は加工する任意の他の装置の一部を形成してもよい。これらの装置は概してリソグラフィツールと称され得る。そのようなリソグラフィツールは、真空状態又は大気(非真空)状態を利用し得る。
[00082] 「EUV放射線」という用語は、4乃至20nmの範囲内、例えば13乃至14nmの範囲内の波長を有する電磁放射線を包含するものと考えられてもよい。EUV放射線は、10nm未満、例えば6.7nm又は6.8nmなど4乃至10nmの範囲内の波長を有していてもよい。
[00083] 本文中ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を特に参照しているかもしれないが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は他の用途も有し得ることが理解されるべきである。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の案内及び検出パターン、フラットパネル表示器、液晶表示器(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造を含む。
[00084] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実装され得る。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読出し及び実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令としても実現され得る。機械可読媒体は、機械(例えば演算装置)によって読出し可能な形で情報を記憶又は伝送する任意の機構を含んでいてもよい。例えば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);磁気ディスク記憶媒体;光学記憶媒体;フラッシュメモリデバイス;電気的、光学的、音響、又は他の形式の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及び他のものを含み得る。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は本明細書においては一定の動作を実行するものとして記載されているかもしれない。しかしながら、そのような記載は便宜的なものに過ぎず、そのような動作は実際には演算装置、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから生じることが察知されるべきである。
[00085] 上記では本発明の具体的な実施形態を記載したが、本発明は記載されたものとは異なって実施され得ることが察知されるであろう。上記の記載は、例示的であることを意図されたものであって、限定的であることは意図されていない。したがって、当業者には、記載されている本発明に対し特許請求の範囲を逸脱することなく変更が行われ得ることが明らかであろう。

Claims (20)

  1. プラズマ形成領域に燃料の液滴を提供するように構成された燃料エミッタと;
    前記プラズマ形成領域をプラズマ生成レーザビームで照明するように構成されたプラズマ生成レーザシステムと;
    前記プラズマ形成領域をプラズマ加熱レーザビームで照明するように構成されたプラズマ加熱レーザと;
    を備え、
    前記プラズマ生成レーザビームの波長は前記プラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短く;
    前記プラズマ加熱レーザビームはパルス状である、放射源。
  2. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは少なくとも5nsの幅を有する、請求項1の放射源。
  3. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは最大で20nsの幅を有する、請求項1又は2の放射源。
  4. 前記プラズマ加熱レーザビームは前記プラズマ加熱レーザビームのパルス間に少なくとも5nsの間隔を含む、請求項1乃至3のいずれかの放射源。
  5. 前記プラズマ加熱レーザビームは前記プラズマ加熱レーザビームのパルス間に最大で20nsの間隔を含む、請求項1乃至4のいずれかの放射源。
  6. 前記プラズマ加熱レーザビームは40%乃至60%のデューティ比を有する、請求項1乃至5のいずれかの放射源。
  7. 前記プラズマ生成レーザシステムは、可視波長又は紫外波長を有するプラズマ生成レーザビームを提供するように構成されている、請求項1乃至6のいずれかの放射源。
  8. 前記プラズマ生成レーザシステムは、第1の波長を有するレーザビームを放出するように構成されたレーザと、前記レーザビームをより短波長のレーザビームに変換するように構成された光学デバイスとを備える、請求項1乃至7のいずれかの放射源。
  9. 前記プラズマ生成レーザビーム及び前記プラズマ加熱レーザビームは前記プラズマ形成領域において略一直線上にある、請求項1乃至8のいずれかの放射源。
  10. 前記プラズマ生成レーザビームは前記プラズマ形成領域を連続的に照明するように構成されている、請求項1乃至9のいずれかの放射源。
  11. 前記プラズマ加熱レーザビームの前記波長は少なくとも8μmである、請求項1乃至10のいずれかの放射源。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の放射源を備え、リソグラフィ装置をさらに備えるリソグラフィシステム。
  13. プラズマ形成領域に燃料の液滴を提供することと;
    前記燃料の液滴をプラズマ生成レーザビームを用いて照明することと;
    前記燃料の液滴をパルス状のプラズマ加熱レーザビームを用いて照明することと
    を備え、
    前記プラズマ生成レーザビームの波長は前記プラズマ加熱レーザビームの波長の半分よりも短い、EUV放射線の生成方法。
  14. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは少なくとも5nsの幅を有する、請求項13の方法。
  15. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは最大で20nsの幅を有する、請求項13又は14の方法。
  16. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは少なくとも5nsの期間によって分離されている、請求項13乃至15のいずれかの方法。
  17. 前記プラズマ加熱レーザビームのパルスは最大で20nsの期間によって分離されている、請求項13又は14のいずれかの方法。
  18. 前記プラズマ加熱レーザビームは40%乃至60%のデューティ比を有する、請求項13乃至17のいずれかの方法。
  19. 前記プラズマ生成レーザビームは可視波長又は紫外波長を有する、請求項13乃至18のいずれかの方法。
  20. 前記プラズマ生成レーザビームは前記燃料の液滴を連続的に照明する、請求項13乃至19のいずれかの方法。
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