JP2018127440A - 活性抑制剤および皮膚感覚過敏抑制剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)TRPA1、TRPV4およびANO1それぞれの活性を抑制するための活性抑制剤であって、有効成分として式(I):
で表わされる化合物を含有してなる活性抑制剤、
(2)式(I)において、R1が水素原子、水酸基または炭素数1〜4のアルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が水素原子である前記(1)に記載の活性抑制剤、
(3)皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する感覚過敏を抑制するための皮膚感覚過敏抑制剤であって、有効成分として前記(1)または(2)に記載の活性抑制剤を含有してなる皮膚感覚過敏抑制剤、
(4)前記感覚過敏が、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する痒みである前記(3)に記載の皮膚感覚過敏抑制剤、および
(5)前記感覚過敏が、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する痛みをさらに含む前記(3)または(4)に記載の皮膚感覚過敏抑制剤
に関する。
本発明の活性抑制剤は、TRPA1、TRPV4およびANO1それぞれの活性を抑制するための活性抑制剤である。本発明の活性抑制剤は、有効成分として式(I):
で表わされる化合物を含有していることを1つの大きな特徴とする。式(I)で表わされる化合物は、アゴニストによってもたらされるTRPA1、TRPV4およびANO1それぞれの活性化を抑制する。また、本発明の活性抑制剤は、TRPA1、TRPV4およびANO1それぞれの活性を抑制することから、TRPA1、TRPV4およびANO1間の相互作用を効果的に抑制することができる。
(B1)GenBankアクセッション番号:NM_007332またはNM_177781に示されるアミノ酸配列に対する配列同一性が95%以上、好ましくは98%以上である配列からなり、TRPA1活性を示すポリペプチド
などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、本明細書において、「配列同一性」とは、デフォルトパラメータでPROTEIN BLASTを用い、所定のGenBankアクセッション番号の配列(参照配列)に対して、評価対象の配列(クエリー配列)をアライメントして算出された値をいう。
(B2)GenBankアクセッション番号:NM_021625またはNM_022017に示されるアミノ酸配列に対する配列同一性が95%以上、好ましくは98%以上である配列からなり、TRPV4活性を示すポリペプチド
などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
(B3)GenBankアクセッション番号:NM_018043またはNM_178642に示されるアミノ酸配列に対する配列同一性が95%以上、好ましくは98%以上である配列からなり、ANO1活性を示すポリペプチド
などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の皮膚感覚過敏抑制剤は、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する感覚過敏を抑制するための皮膚感覚過敏抑制剤であって、有効成分として前記活性抑制剤を含有していることを1つの大きな特徴とする。本発明の皮膚感覚過敏抑制剤は、前記活性抑制剤を含有しているため、当該皮膚感覚過敏抑制剤を皮膚と接触させることにより、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する感覚過敏を効果的に抑制することができる。前記感覚過敏には、例えば、皮膚におけるTRPA1とANO1とが関与する感覚過敏、皮膚におけるTRPV4とANO1とが関与する感覚過敏などが含まれる。
NMDG:N−メチル−D−グルカミン
NMDG−Cl:N−メチル−D−グルカミン塩酸塩
EGTA:エチレングリコール四酢酸
HEPES:2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン]エタンスルホン酸
BAPTA:1,2−ビス(o−アミノフェノキシド)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸
ATP−Mg:アデノシン−5’−三リン酸マグネシウム
GTP−Na2:グアノシン−5’−三リン酸二ナトリウム
5体積%二酸化炭素を含む雰囲気に保たれ、37℃に維持された加湿チャンバー内において、培地〔和光純薬工業(株)製、商品名:D−MEM high glucose、044−29765;584mg/L L−グルタミン、15mg/Lフェノールレッド、10質量%ウシ胎仔血清(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)製、10437−028)、50000ユニット/Lペニシリン/ストレプトマイシン混合物(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)製、商品名:Pen Strep、15140−122)および細胞培養用サプリメント(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)製、商品名:GlutaMax)を含むDMEM(高グルコース)〕中において、5×105細胞のHEK293T細胞を70〜80%コンフルエンシーになるまで培養した。
製造例1において、マウスANO1(GenBankアクセッション番号:NM_178642)を保持するcDNAを用いる代わりに、ヒトANO1(GenBankアクセッション番号:NM_018043)を保持するcDNA(製造例2)、マウスTRPA1(GenBankアクセッション番号:NM_177781)を保持するcDNA(製造例3)、ヒトTRPA1(GenBankアクセッション番号:NM_007332)を保持するcDNA(製造例4)、マウスTRPV4(GenBankアクセッション番号:NM_022017)を保持するcDNA(製造例5)またはヒトTRPV4(GenBankアクセッション番号:NM_021625)を保持するcDNA(製造例6)を用いたことを除き、製造例1と同様の操作を行ない、ヒトANO1発現細胞(製造例2)、マウスTRPA1発現細胞(製造例3)、ヒトTRPA1発現細胞(製造例4)、マウスTRPV4発現細胞(製造例5)またはヒトTRPV4発現細胞(製造例6)を得た。
NMDG−Cl、塩化マグネシウム、EGTA、グルコースおよびHEPES緩衝液(pH7.4)を、下記組成:140mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、5mM EGTA、10mMグルコースおよび10mM HEPES緩衝液となるように混合し、標準バス溶液を得た。
NMDG−Cl、塩化マグネシウム、BAPTAおよびHEPES緩衝液(pH7.3)を、下記組成:140mM NMDG−Cl、1mM塩化マグネシウム、5mM BAPTAおよび10mM HEPES緩衝液となるように混合し、ピペットソリューションを得た。また、ピペットソリューソンに含まれるフリーカルシウムを500nMに保持した。
製造例7の標準バス溶液に、式(I)で表される化合物である4−イソプロピルシクロヘキサノールをその濃度が3mMとなるように添加し、実施例1のバス溶液を得た。
実施例1において、式(I)で表される化合物として、4−イソプロピルシクロヘキサノールを用いる代わりにイソプロピルシクロヘキサン(実施例2)または1−イソプロピル−4−メチル−シクロヘキサン(実施例3)を用いたことを除き、実施例1と同様の操作を行ない、実施例2および3のバス溶液を得た。
実施例1において、4−イソプロピルシクロヘキサノールを用いる代わりに式(I)で表わされる化合物ではないシクロヘキサノールを用いたことを除き、実施例1と同様の操作を行ない、比較例1のバス溶液を得た。
実施例1において、4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度を3mMとする代わりに0.01mM(実施例4)、0.03mM(実施例5)、0.1mM(実施例6)、0.3mM(実施例7)または1mM(実施例8)としたことを除き、実施例1と同様の操作を行ない、実施例4〜8のバス溶液を得た。
(1)全細胞電位固定記録法によるマウスANO1電流の測定
製造例1のマウスANO1発現細胞を潅流チャンバーに入れ、製造例7の標準バス溶液にて洗浄した。製造例8のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部にマウスANO1発現細胞を吸引して密着させた。その後、マウスANO1発現細胞をさらに強く吸引することによってパッチ膜に穴を開けた。つぎに、潅流チャンバー内の標準バス溶液を実施例1、実施例2または実施例3のバス溶液に置換し、ANO1発現細胞を実施例1、実施例2または実施例3のバス溶液に曝露するとともに、全細胞電位固定記録法にしたがってマウスANO1電流の測定を開始した。曝露開始時から5分間〜10分間経過後に、潅流チャンバー内の実施例1、実施例2または実施例3のバス溶液を製造例7の標準バス溶液に置換し、ANO1発現細胞を製造例7の標準バス溶液で洗浄した。
試験例1(1)において、実施例1、実施例2または実施例3のバス溶液を用いる代わりに実施例1、4〜8の各バス溶液を用いたことを除き、試験例1(1)と同様の操作を行ない、マウスANO1の相対電流値を求めた。
試験例1において、マウスANO1発現細胞を用いる代わりにヒトANO1発現細胞を用いたことおよび実施例1、実施例2または実施例3のバス溶液を用いる代わりに実施例1のバス溶液を用いたことを除き、試験例1と同様の操作を行ない、ヒトANO1の相対電流値の経時的変化を調べた。
塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、EGTA、グルコースおよびHEPES緩衝液(pH7.4)を、下記組成:140mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、5mM EGTA、10mMグルコースおよびHEPES緩衝液となるように混合した。得られた混合液を、標準バス溶液とした。
NMDG−Cl、塩化マグネシウム、BAPTAおよびHEPES緩衝液(pH7.3)を、下記組成:140mM NMDG−Cl、1mM塩化マグネシウム、5mM BAPTAおよび10mM HEPES緩衝液となるように混合し、ピペットソリューションを得た。
製造例9の標準バス溶液に、アリルイソチオシアネートおよび4−イソプロピルシクロヘキサノールを、前記アリルイソチオシアネートの濃度が300μMおよび前記4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が3mMとなるように添加し、実施例9のバス溶液を得た。
製造例9の標準バス溶液に、アリルイソチオシアネートをその濃度が300μMとなるように添加し、製造例11のバス溶液を得た。
塩化ナトリウム、EGTA、グルコースおよびHEPES緩衝液(pH7.4)を、下記組成:140mM塩化ナトリウム、5mM EGTA、10mMグルコースおよびHEPES緩衝液となるように混合した。得られた混合液を、標準バス溶液およびピペットソリューションとした。
製造例11の標準バス溶液に、アリルイソチオシアネートおよび4−イソプロピルシクロヘキサノールを、前記アリルイソチオシアネートの濃度が10μMおよび前記4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が100μMとなるように添加し、実施例10のバス溶液を得た。
製造例12の標準バス溶液に、アリルイソチオシアネートをその濃度が10μMとなるように添加し、製造例13のバス溶液を得た。
(1)全細胞電位固定記録法によるマウスTRPA1電流の測定
製造例3のマウスTRPA1発現細胞を潅流チャンバーに入れ、製造例9の標準バス溶液にて洗浄した。製造例9の標準バス溶液で洗浄した後、製造例10のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部に前記マウスTRPA1発現細胞を吸引し密着させた。その後、さらに強く吸引し、パッチ膜に穴を開けた。つぎに、潅流チャンバー内の標準バス溶液を製造例11のバス溶液に置換するとともに、全細胞電位固定記録法にしたがってマウスTRPA1電流の測定を開始した。バス溶液の置換開始時から15秒間〜30秒間経過後、潅流チャンバー内のバス溶液を実施例9のバス溶液に置換し、マウスTRPA1発現細胞を実施例9のバス溶液に曝露した。マウスTRPA1電流が最小値となった後に、灌流チャンバー内の実施例9のバス溶液を製造例11のバス溶液に置換した。つぎに、再び、マウスTRPA1電流が最大値となるまでマウスTRPA1電流を測定した後、製造例9の標準バス溶液に置換した。
製造例3のマウスTRPA1発現細胞を灌流チャンバーに入れ、製造例12の標準バス溶液にて洗浄した。洗浄後、製造例12のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部に前記マウスTRPA1発現細胞を吸引密着させ、パッチ膜を引きはがして前記先端開口部にインサイド−アウトのパッチ膜を形成した。つぎに、灌流チャンバー内の標準バス溶液を製造例13のバス溶液に置換した。バス溶液の置換開始時から1〜3分間経過後、潅流チャンバー内のバス溶液を実施例10のバス溶液に置換し、マウスTRPA1発現細胞を実施例10のバス溶液に曝露した。曝露開始時から1分間経過後に、潅流チャンバー内の実施例10のバス溶液を製造例12の標準バス溶液に置換した。
試験例3(1)において、製造例3のマウスTRPA1発現細胞を用いる代わりに製造例4のヒトTRPA1発現細胞を用いたことを除き、試験例3(1)と同様の操作を行ない、4−イソプロピルシクロヘキサノールの投与前後のアリルイソチオシアネート誘導ヒトTRPA1電流の経時的変化および4−イソプロピルシクロヘキサノールの投与の有無とヒトTRPA1電流密度との関係を調べた。
製造例9の標準バス溶液に、TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)および4−イソプロピルシクロヘキサノールを、前記TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)の濃度が300nMおよび前記4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が3mMとなるように添加し、実施例11のバス溶液を得た。
製造例9の標準バス溶液に、TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)をその濃度が300nMとなるように添加し、製造例14のバス溶液を得た。
製造例5のマウスTRPV4発現細胞を灌流チャンバーに入れ、製造例9の標準バス溶液にて洗浄した。製造例9の標準バス溶液で洗浄した後、製造例10のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部に前記マウスTRPV4発現細胞を吸引し密着させた。その後、マウスTRPV4発現細胞をさらに強く吸引し、パッチ膜に穴を開けた。つぎに、灌流チャンバー内の標準バス溶液を製造例14のバス溶液に置換するとともに、全細胞電位固定記録法にしたがってマウスTRPV4電流の測定を開始した。バス溶液の置換開始時から30秒間経過後、灌流チャンバー内のバス溶液を実施例11のバス溶液に置換し、マウスTRPV4発現細胞を実施例11のバス溶液に曝露した。マウスTRPV4電流が最小値となった後に、灌流チャンバー内の実施例11のバス溶液を製造例14のバス溶液に置換した。バス溶液の置換開始時から1分間経過後、製造例9の標準バス溶液に置換した。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液に4−イソプロピルシクロヘキサノールと、ヒスタミン非依存性の痒みを引き起こす発痒物質とを添加し、実施例12の被験試料を得る。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液にヒスタミン非依存性の痒みを引き起こす発痒物質を添加し、比較例2の被験試料を得る。
30ゲージ針を付けた50μL容量ハミルトンシリンジを用い、C57/BL6NCrマウスの背部に実施例12の被験試料または比較例2の被験試料50μLを皮下注射する。デジタルカメラを用い、被験試料の注射終了時から30分間における前記マウスによる引っ掻き行動時間を測定する。測定結果をマン・ホイットニーのU検定によって統計解析する。p値が0.05未満である場合を統計学的に有意な差があるとして判断する。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液に4−イソプロピルシクロヘキサノールと、TRPA1、TRPV4およびANO1を活性化して痛みを引き起こす発痛物質とを添加し、実施例13の被験試料を得る。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液にTRPA1、TRPV4およびANO1を活性化して痛みを引き起こす発痛物質を添加し、比較例3の被験試料を得る。
30ゲージ針を付けた25μL容量ハミルトンシリンジを用い、C57/BL6NCrマウスの後脚の先端に実施例13の被験試料または比較例3の被験試料10μLを皮下注射する。デジタルカメラを用い、発痛物質を含む被験試料の注射終了時から5分間(発痛物質投与後5分間)における前記マウスによる足舐め時間を測定する。測定結果をマン・ホイットニーのU検定によって統計解析する。p値が0.05未満である場合を統計学的に有意な差があるとして判断する。
実施例9において、4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度を3mMとする代わりに0.01mM(実施例14)、0.03mM(実施例15)、0.1mM(実施例16)、0.3mM(実施例17)または1mM(実施例18)としたことを除き、実施例9と同様の操作を行ない、実施例14〜18のバス溶液を得た。
製造例3のマウスTRPA1発現細胞を潅流チャンバーに入れ、製造例9の標準バス溶液で洗浄した。製造例10のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部に前記マウスTRPA1発現細胞を吸引し密着させた。その後、マウスTRPA1発現細胞をさらに強く吸引することによってパッチ膜に穴を開けた。つぎに、潅流チャンバー内の標準バス溶液を製造例11のバス溶液に置換するとともに、全細胞電位固定記録法にしたがってマウスTRPA1電流の測定を開始した。バス溶液の置換開始時から15〜30秒間経過後、潅流チャンバー内のバス溶液を実施例9、実施例14〜18の各バス溶液に置換し、マウスTRPA1発現細胞を実施例9、実施例14〜18の各バス溶液に曝露した。マウスTRPA1電流が最小値となった後に、灌流チャンバー内の実施例9、実施例14〜18の各バス溶液を製造例11のバス溶液に置換した。つぎに、再び、マウスTRPA1電流が最大値となるまでマウスTRPA1電流を測定した後、製造例9の標準バス溶液に置換した。
製造例9の標準バス溶液に、TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)および4−イソプロピルシクロヘキサノールを、前記TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)の濃度が300μMおよび前記4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が0.3mM(実施例19)、1mM(実施例20)、2mM(実施例21)または3mM(実施例22)となるように添加し、実施例19〜22のバス溶液を得た。
製造例9の標準バス溶液に、TRPV4アゴニスト(GSK1016790A)をその濃度が300μMとなるように添加し、製造例15のバス溶液を得た。
製造例5のマウスTRPV4発現細胞を灌流チャンバーに入れ、製造例9の標準バス溶液で洗浄した。つぎに、製造例10のピペットソリューションを含むパッチ電極の先端開口部に前記マウスTRPV4発現細胞を吸引し密着させた。その後、マウスTRPV4発現細胞をさらに強く吸引することによってパッチ膜に穴を開けた。つぎに、灌流チャンバー内の標準バス溶液を製造例15のバス溶液に置換するとともに、全細胞電位固定記録法にしたがってマウスTRPV4電流の測定を開始した。バス溶液の置換開始時から30秒間経過後、灌流チャンバー内のバス溶液を実施例19〜22の各バス溶液に置換し、マウスTRPV4発現細胞を実施例19〜22の各バス溶液に曝露した。マウスTRPV4電流が最小値となった後に、灌流チャンバー内の実施例19〜22のバス溶液を製造例15のバス溶液に置換した。置換開始時から1分間経過後、製造例9の標準バス溶液に置換した。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液に4−イソプロピルシクロヘキサノールおよびクロロキンを4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が3mMおよびクロロキンの濃度が200μg/50μLとなるように添加し、実施例23の被験試料を得た。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液にクロロキンをその濃度が200μg/50μLとなるように添加し、比較例4の被験試料を得た。
4匹の10週齢の雄のC57/BL6NCrマウスをゲージに入れて1〜2時間飼育することにより、各C57/BL6NCrマウスをゲージ内の環境に順化させた。29ゲージ針を付けた500μL容量のシリンジ〔テルモ(株)製、商品名:マイジェクター〕を用い、各C57/BL6NCrマウスの頸背部に実施例23の被験試料50μLを皮内注射によって投与した。被験試料の投与終了時から1分間経過時までの間における各C57/BL6NCrマウスの引っ掻き動作の回数を測定した。つぎに、4匹のC57/BL6NCrマウスの引っ掻き動作の回数の平均値を求めた。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液に4−イソプロピルシクロヘキサノールおよびヒスタミンを4−イソプロピルシクロヘキサノールの濃度が3mMおよびヒスタミンの濃度が111.15ng/50μLとなるように添加し、実施例24の被験試料を得た。
0.9質量% 塩化ナトリウムを含む生理食塩水溶液にクロロキンをその濃度がヒスタミンの濃度が111.15ng/50μLとなるように添加し、比較例5の被験試料を得た。
8匹の6週齢の雄のICRマウスをゲージに入れて1〜2時間飼育することにより、各ICRマウスを環境に純化させた。29ゲージ針を付けた500μL容量のシリンジ〔テルモ(株)製、商品名:マイジェクター〕を用い、各ICRマウスの頸背部に実施例24の被験試料50μLを皮内注射によって投与した。デジタルカメラを用い、被験試料の投与終了時から5分間経過時までの間における各ICRマウスの引っ掻き動作の回数を測定した。つぎに、8匹のICRマウスの引っ掻き動作の回数の平均値を求めた。
Claims (5)
- TRPA1、TRPV4およびANO1それぞれの活性を抑制するための活性抑制剤であって、有効成分として式(I):
で表わされる化合物を含有してなる活性抑制剤。 - 式(I)において、R1が水素原子、水酸基または炭素数1〜4のアルキル基であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が水素原子である請求項1に記載の活性抑制剤。
- 皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する感覚過敏を抑制するための皮膚感覚過敏抑制剤であって、有効成分として請求項1または2に記載の活性抑制剤を含有してなる皮膚感覚過敏抑制剤。
- 前記感覚過敏が、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する痒みである請求項3に記載の皮膚感覚過敏抑制剤。
- 前記感覚過敏が、皮膚におけるTRPA1、TRPV4およびANO1からなる群より選ばれた少なくとも1種が関与する痛みをさらに含む請求項3または4に記載の皮膚感覚過敏抑制剤。
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