しかし、上述のようなネットワークを介したコンテンツ試聴を行うには、NASおよび端末に複雑な設定をする必要があり、ネットワークや機器の設定に精通していないユーザが簡単に利用できるものではなかった。
そこで、本発明は従来よりも設定を簡単にできる電子機器およびシステムを提供することを目的とする。この目的は例えば特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
(1)上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、電子機器に対する設定情報を送信する他の電子機器と通信可能な領域に入ると、自動的に他の電子機器と近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を行って、設定情報を受信する第1の通信手段と、第1の通信手段が受信した設定情報に基づいて、電子機器の設定を変更する制御手段とを備える。
本発明の電子機器によれば、設定を行いたい電子機器を、設定情報を予め格納しておいた他の電子機器と通信可能な領域に入れるだけで、当該電子機器の設定をおこなうことができる。例えば、当該電子機器が持ち運び可能に構成された電子機器であれば、他の電子機器と通信可能な領域に持ち込むだけで、例えば、他の煩雑な操作を要することなく当該電子機器の設定をおこなうことができる。電子機器の操作に慣れないユーザでも、簡単に希望の設定を行うことができる。例えば、他の電子機器は、本電子機器に対する設定情報を格納するとよい。また、例えば他の電子機器は設定情報を送受信する構成にするとよい。設定情報は、例えば、ユーザの希望の設定情報とするとよい。また、設定情報は、例えば、NFCタグに格納する構成とするとよい。このようなNFCタグを用意しておけば、当該タグを電子機器に近づけるだけで設定ができる。
「自動的に」としては、例えば、ユーザによる操作を要しない構成とするとよく、例えば、電子機器が他の電子機器と通信可能な範囲に入ったことをきっかけとして、電気機器又は他の電子機器のいずれか一方から通信を開始するとよい。
「通信可能な領域」とは、例えば、「電子機器」と「他の電子機器」との相対的な位置関係により、「他の電子機器」を意図した通信相手として、「他の電子機器」以外の機器とは区別して特定できる範囲とするとよく、特に「他の電子機器」の通信手段から概ね10cm以内の範囲とするとよく、電子機器の通信手段と他の電子機器の通信手段とが接触する程度の範囲とすると最もよい。
(2)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器および他の電子機器はそれぞれ表示手段を備え、電子機器は、第1の通信手段は、近距離無線通信により、画像に関する情報を設定情報として他の電子機器から受信し、制御手段は、画像に関する情報に基づき、電子機器の表示手段における表示を制御する。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器に画像が表示されているときに、電子機器を他の電子機器と通信可能な領域に入れるだけで、当該他の電子機器に表示している画像に関する情報を電子機器で受信し、受信した情報に応じた表示をすることができる。したがって、例えばテレビで映画を表示している場合に、電子機器をテレビに近づけるだけでテレビに表示中の映画に関する情報を、電子機器に表示させることができる。画像に関する情報としては、例えば静止画像に関する情報としてもよいが、特に動画像に関する情報とするとよい。動画像に関する情報としては、例えば、動画像と関連して再生される音声に関する情報や、動画像そのものの情報としてもよいが、動画像の再生に必要な情報とするとよい。また、画像は、例えば2D画像としてもよいし、3D画像としてもよい。例えば白黒画像としてもよいし、カラー画像としてもよい。他の電子機器は、他の電子機器が表示している画像に関する情報を電子機器に対する設定情報として格納するとよい。
(3)好ましくは、本発明の電子機器では、前記第1の通信手段は、他の電子機器で表示している画像の続きを電子機器で表示させるための情報を設定情報として他の電子機器から受信し、制御手段は、他の電子機器で表示している画像の続きを電子機器の表示手段に表示させる。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器に画像が表示されているときに、電子機器を他の電子機器と通信可能な領域に持ち込むだけで、当該他の電子機器に表示している画像の続きを電子機器に表示させることができる。続きを電子機器で表示させるための情報としては、例えば、最後に表示した画像の識別情報、続きとして最初に表示させる画像の識別情報、画像が動画である場合には続きとして表示させる再生位置の情報などが挙げられる。
例えば、他の電子機器は、設定情報として他の電子機器が他の電子機器の表示手段に表示している画像の続きを電子機器で表示させるための情報を格納するとよい。例えば、制御手段は、第1の通信手段が受信した当該設定情報に基づいて、他の電子機器が他の電子機器の表示手段に表示している画像の続きを電子機器の表示手段に表示させるとよい。
「電子機器の表示手段に表示させる他の電子機器で表示している画像の続き」としては、ユーザが続きの画像が表示可能、表示されることが認識できる、または、表示されている、のいずれかとするとよい。例えば、他の電子機器に表示中の画像よりも少し前の画像としてもよいが、特に、他の電子機器に表示中の画像、または、他の電子機器に表示中の画像よりも後の画像であって続きであると認識できる範囲内の画像とするとよい。
例えば、他の電子機器の表示手段に表示されている画像が、あるファイルを再生する動画像である場合、そのファイル内で現在表示中の動画像の時間的位置よりも前の位置としてもよいが、現在表示中の動画像の時間的位置または、現在表示中の動画像の時間的位置よりも後の位置とするとよい。例えば、他の電子機器の表示手段に表示されている画像が現在放送中のテレビジョン映像である場合、そのテレビジョン放送の選局情報としてもよいが、例えば常にテレビジョン放送を録画しておくなどして、任意の箇所に遡って再生可能に構成しておき、現在表示中のテレビジョン放送の時間的位置よりも前の位置から再生するようにしてもよい。ただし、現在表示中のテレビジョン放送の時間的位置または、単に選局情報等に基づいて現在放送されているテレビジョン放送の位置とするとよい。
(4)好ましくは、本発明の電子機器では、画像に関する情報は、当該画像の複製制限情報を含む。
本発明の電子機器によれば、複製制限情報に基づいて表示手段における表示を制御することができる。複製制限情報としては、例えば、不正なコピーを防ぐ技術(技術的保護手段)によりコピーを禁止されたコンテンツ、あるいはコピー回数が制限されたコンテンツ等、複製に関する制限が課せられたものであるという情報とするとよい。そして、制御手段は例えば、制限の内容に応じて続きの画像の表示を取りやめたり、他の電子機器における表示を停止させるよう促して、制限に抵触することを回避しつつ続きを表示させたりといった、制限の内容に応じた制御をする構成とするとよい。このような構成により、課された複製制限をユーザが意識せずとも、制限に応じた表示をユーザに提供できる。
(5)好ましくは、本発明の電子機器では、複製制限情報が複製を許容しない旨を示す場合、制御手段は、他の電子機器で表示している当該画像を電子機器の表示手段に表示させない。
本発明の電子機器によれば、複製が許容されない画像を複数の電子機器に同時に表示させることを避けることができる。例えば制御手段は、他の電子機器が当該画像を表示している間、他の電子機器が表示している当該画像を表示手段に表示させないように制御するとよい。具体的には、例えば制御手段は、他の電子機器から当該画像の表示を終了した旨の通知を受け取らない限り当該画像を表示しないように制御するとよい。このような制御により、複製制限に反する表示を防ぐことができる。
(6)好ましくは、本発明の電子機器では、複製制限情報が複製を許容する旨を示す場合、制御手段は、当該画像を電子機器の表示手段に表示させるとともに、他の電子機器に当該画像を表示させ続けるか否かの選択をユーザに促す出力制御を行い、ユーザの選択を入力し、当該入力内容に基づいて他の電子機器で表示を行うか否かを制御する。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器に画像を表示させ続けるか、他の電子機器での表示を終了するかをユーザに選択させることができる。制御手段は例えば、複製が禁止されていないコンテンツに関しては、他の電子機器が他の電子機器の表示手段に表示している画像の続きを、電子機器に表示させる場合に、他の電子機器でも続きを表示させることをユーザに選択させるとよい。これにより、ユーザは続きを表示させる機器を自由に選択できる。複製制限情報が複製を許容する旨を示す場合としては、例えば、複製制限情報が複製を許容する情報である場合や、複製制限情報が複製を制限する情報を含まない場合とするとよい。
(7)好ましくは、本発明の電子機器では、第1の通信手段が他の電子機器が表示している画像に関する情報を他の電子機器から受け取った時点で、制御手段は、他の電子機器が表示している画像と表示手段が表示している画像のいずれを電子機器の表示手段に表示させるかの選択をユーザに促す出力制御を行い、ユーザの選択を入力し、当該入力内容に基づいていずれを電子機器の表示手段に表示させるかを制御する。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器が表示している画像と表示手段が表示している画像のいずれを表示手段に表示させるかをユーザに選択させることができる。例えば電子機器と他の電子機器の両方がそれぞれ別個に画像を表示している場面において、続きを表示させるための情報を設定情報として送受信し、いずれの機器で表示している画像の続きを表示させるかをユーザに自由に選択させる構成とするとよい。このようにすれば、例えば、続きを表示させない方の電子機器における表示を停止させてから近距離無線通信による設定情報の送受信をさせるといった煩雑な手順を省き、容易に所望のコンテンツの続きを表示させることができる。
(8)好ましくは、本発明の電子機器では、制御手段は、電子機器が既に画像を表示している場合、他の電子機器が表示している画像と電子機器が表示している画像のいずれを表示手段に表示させるかの選択をユーザに促す出力制御を行い、ユーザの選択を入力し、当該入力内容に基づいていずれを電子機器の表示手段に表示させるかを制御する。
本発明の電子機器によれば、表示手段が既に画像を表示している場合に他の電子機器が表示している画像と表示手段が表示している画像のいずれを表示手段に表示させるかをユーザに選択させることができるとともに、表示手段が画像を表示していない場合には、ユーザに選択をさせることなく他の電子機器が表示している画像を表示させることができる。
(9)好ましくは、本発明の電子機器では、制御手段は、第1の通信手段が他の電子機器が表示している画像に関する情報を他の電子機器から受け取った時点で、電子機器が既に画像を表示している場合、他の電子機器が表示している画像と電子機器が表示している画像の双方を電子機器の表示手段に表示させてユーザにいずれか一方を選択するよう促す出力制御を行い、選択内容を入力する制御を行い、当該選択内容に基づいて他の電子機器が表示している画像と電子機器が表示している画像のいずれか一方を表示させる。
本発明の電子機器によれば、表示手段が既に画像を表示している場合に他の電子機器が表示している画像と表示手段が表示している画像のいずれを表示手段に表示させるかをユーザに選択させるときに、ユーザに両方の画像を提示して選択させることができる。例えば表示手段は、タッチパネルによる入力機能を備えるとよい。これにより、タッチパネルによる直感的な操作で所望のコンテンツの続きを表示させることができる。
(10)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器は、電子機器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、交通監視ポイントの位置情報に関するデータベースとを更に備え、第1の通信手段は、他の電子機器から設定情報として交通監視ポイントの位置情報の更新データを受信し、制御手段は、第1の通信手段が受信した更新データに基づき、データベースを更新する。
本発明の電子機器によれば、交通監視ポイントの位置情報に関するデータベースを備える電子機器と通信可能な領域に、更新データを格納した他の電子機器を入れるだけで、煩雑な操作を要することなくデータベースを更新することができる。したがって、例えば、車両内部のような限られた空間においても、また、入出力インターフェースの操作性が良好とはいえない電子機器においても、簡単に交通監視ポイントの位置情報に関するデータベースを更新することができる。
(11)好ましくは、本発明の電子機器では、第1の通信手段は、他の電子機器が第1の状態であるときに他の電子機器と通信可能な領域に入ると、電子機器に格納されている情報を他の電子機器に送信し、他の電子機器が第1の状態とは異なる第2の状態であるときに他の電子機器と通信可能な領域に入ると、他の電子機器から設定情報を受信する。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器の状態に応じて送受信を切り替えることができる。例えば、電子機器と他の電子機器との間で双方向の通信を可能とし、電子機器の状態に応じて、電子機器と他の電子機器のいずれが送信側となるかを切り替るように構成するとよい。
(12)好ましくは、本発明の電子機器では、第1の通信手段は、他の電子機器と通信可能な領域に入ると、電子機器に格納されている当該電子機器に固有の固有情報を他の電子機器に送信するとともに、他の電子機器から設定情報を受信する。
本発明の電子機器によれば、電子機器と他の電子機器との間で双方向の通信が可能な場合に、電子機器を他の電子機器と通信可能な範囲に持ち込むことで、電子機器への設定と電子機器からの情報取得をまとめて実行することができる。
(13)好ましくは、本発明の電子機器では、入出力インターフェースをさらに備え、入出力インターフェースは、第1の通信手段が他の電子機器と通信可能な領域に入ると、電子機器に固有の固有情報を他の電子機器に送信することについてユーザに許諾を求める出力を発し、ユーザが当該承認を求める出力に応答して許諾することを表明する入力を入出力インターフェースに入力した場合に、第1の通信手段が、電子機器に固有の固有情報を他の電子機器に送信するとともに、他の電子機器から設定情報を受信する。
本発明の電子機器によれば、予めユーザに送信の許可を得ることで、ユーザの望まない情報が送信されることを防ぐことができる。固有情報は、例えば、個人情報などの送信にユーザに許可が必要な情報や、ユーザのプライバシーに関わり送信を望まない可能性がある情報を含んでよい。
「入出力インターフェース」は、例えば、タッチパネルディスプレイとするとよい。このような構成によれば、視覚的に表示される出力に対して入力を行えるので、機器の操作に不慣れなユーザであっても容易に出力に応答した入力操作を行うことができる。他の例としては、「入出力インターフェース」は、スピーカーとマイクとで構成されるとよい。このような構成によれば、手が塞がった状況においても出力に応答した入力操作を行うことができる。
(14)好ましくは、本発明の電子機器では、入出力インターフェースは表示手段を有し、表示手段は、第1の通信部が他の電子機器と通信可能な領域に入ると、電子機器に固有の固有情報を他の電子機器に送信することの許諾を求める表示をし、ユーザが固有情報の送信を許諾することを表明する操作を行ったことに応じて、第1の通信手段が、電子機器に固有の固有情報を他の電子機器に送信するとともに、他の電子機器から設定情報を受信する。
本発明の電子機器によれば、電子機器に固有の固有情報を提供することを条件として、他の電子機器に格納された設定情報を電子機器に自動設定させるので、固有情報の提供をユーザに動機づけることができる。
(15)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器は、現在位置の位置情報を検出する位置検出手段と、現在地から設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション手段とを更に備え、第1の通信手段は、電子機器に固有の固有情報として、少なくとも現在地および目的地を示す情報を他の電子機器に送信し、現在地から目的地までの経路情報を設定情報として他の電子機器から受信し、制御手段は、第1の通信手段が受信した経路情報をナビゲーション手段が案内する経路として設定する。
本発明の電子機器によれば、位置検出手段が検出した現在地の情報とナビゲーション手段に設定された目的地とを、他の電子機器に送信して、他の電子機器から目的地までの経路情報を取得することができる。したがって、経路探索機能、経路選択機能等をナビゲーション手段を備える電子機器の外部の機器に実行させることができ、簡易な構成でナビゲーション装置を実現することができる。
(16)好ましくは、本発明の電子機器では、固有情報として、更に位置検出手段が検出した位置情報の履歴を他の電子機器に送信する。
本発明の電子機器によれば、現在地と目的地に加えて、位置情報の履歴を他の電子機器に提供することができる。位置情報の履歴は例えば、走行ログデータであり、電子機器は他の電子機器を通じてユーザから走行ログデータを収集するように構成するとよい。電子機器は、収集した走行ログデータを、経路選択の処理を実行する外部の機器に送信するように構成すると更によい。このような構成により、外部の機器で実行される経路選択を精度向上させることができる。
(17)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器は、現在位置の位置情報を検出する位置検出手段と、現在地から設定された目的地までの経路を探索し、探索して得られた経路に従い案内するナビゲーション手段とを更に備え、第1の通信手段は、目的地を示す情報を設定情報として他の電子機器から受信し、制御手段は、受信した目的地を示す情報に基づき、目的地をナビゲーション手段に設定する。
本発明の電子機器によれば、他の電子機器から目的地を示す情報を受信することができる。例えば本電子機器に登録されていない新しいスポットを、インターネットに接続可能な他の電子機器(例えばスマートフォン)で検索し、目的地を示す情報を取得して、取得した情報を他の電子機器から本電子機器が受信するように構成するとよい。このような構成により、検索に用いた他の電子機器を本電子機器と通信可能な領域に入れるだけで、簡単に新しいスポットを目的地として設定することができる。
(18)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器は、現在位置の位置情報を検出する位置検出手段と、現在地から設定された目的地までの経路を案内するナビゲーション手段とを更に備え、他の電子機器にて受信されたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の投稿情報を設定情報として他の電子機器から受信し、ナビゲーション手段は、投稿情報を解析して案内ルートの沿線のスポットの情報を抽出し、ユーザに提示する。
本発明の電子機器によれば、SNSで話題となっている案内ルートの沿線のスポットをユーザに提示することができる。したがって、目的地として直接設定していないがSNSで話題となっているスポットをユーザに提示することができる。
(19)好ましくは、本発明の電子機器では、ナビゲーション手段は、車両の状態に関する車両情報の受け取り、スポットの情報を車両情報に基づき選択的にユーザに提示する。
本発明の電子機器によれば、車両の状態を踏まえて、目的地として直接設定していないがSNSで話題となっているスポットに立ち寄ることをユーザに促すことができる。ナビゲーション手段は、例えば、車両情報として残燃料の情報を受け取り、残燃料が所定量以下の場合に、SNSの投稿情報から給油施設についての情報を抽出して、当該給油施設に立ち寄ることをユーザに促すとよい。
(20)好ましくは、本発明の電子機器では、ナビゲーション手段は、スポットの情報を現在の時刻に基づき選択的にユーザに提示する。
本発明の電子機器によれば、現在時刻を踏まえて、目的地として直接設定していないがSNSで話題となっているスポットに立ち寄ることをユーザに促すことができる。ナビゲーション手段は、例えば、現在時刻が正午の近傍である場合に、SNSの投稿情報からレストランについての情報を抽出して、SNSで話題のレストランに寄ることをユーザに促すとよい。
(21)好ましくは、本発明の電子機器では、ナビゲーション手段は、投稿情報を解析して案内ルートの沿線のスポットの情報を抽出する際に、電子機器のユーザ自身による投稿を重視してスポット情報を抽出する。
本発明の電子機器によれば、SNSの投稿情報におけるユーザ自身の投稿を重視して、ユーザが採用する可能性の高い情報を提示することができる。例えば、ユーザ自身がSNSに「お腹が空いた」と投稿していた場合に、電子機器は、レストランの情報を投稿情報から抽出し、SNSで話題のレストランに寄ることをユーザに促すとよい。
(22)好ましくは、本発明の電子機器では、ナビゲーション手段は、最後に他の電子機器と近距離無線通信を行ってから経過した時間に応じて、スポットの情報をユーザに提示する頻度を変更する。
本発明の電子機器によれば、最後に他の電子機器と近距離無線通信を行ってから経過した時間に応じた適切なタイミングでユーザに情報を提示できる。ナビゲーション手段は、例えばスポットの情報を提示する頻度を一定でなくするとよい。具体的には、例えば、最後に他の電子機器と近距離無線通信を行ってから経過した時間が長いほど、スポットの情報をユーザに提示する頻度を低下させるとよい。このような構成によれば、最後に他の電子機器と近距離無線通信を行ってから経過した時間が長いほど、スポットの情報をユーザに提示する頻度を低下させることができる。したがって、他の電子機器と近距離無線通信を行わせないユーザに対しては、案内ルート沿線線のスポットの情報のような余計な情報を提示することを抑止し、目的地へ到達する妨げとならないようにすることができる。他の電子機器と近距離無線通信を行わせたときにはスポットの情報への関心が高いと推定して情報提示の頻度を高め、近距離無線通信を行ってから時間が経過するほど関心が薄れていくと推定して情報提示の頻度を低下させるとよい。
(23)好ましくは、本発明の電子機器では、表示手段をさらに備え、ナビゲーション手段は、スポットの情報を表示手段に表示させることによりユーザに提示する。
本発明の電子機器によれば、スポットの情報を表示手段に表示させて視覚的にユーザに提示することができる
(24)好ましくは、本発明の電子機器では、表示手段は地図を表示し、ナビゲーション手段は、スポットの情報を表示手段に表示させてから所定時間が経過すると、スポットの情報の表示を終了させるとともに、地図における当該スポットに対応する位置に当該スポットを示すアイコンを表示させる。
本発明の電子機器によれば、スポットの情報が表示されることにより地図の表示が妨げられることを抑制するとともに、地図上に表示させたアイコンにより当該スポットに対するユーザの関心を誘い続けることができる。
(25)好ましくは、本発明の電子機器では、表示手段はタッチパネルによる入力機能を備え、ナビゲーション手段は、スポットの情報を、当該スポットを目的地とすることを促すボタンとして表示手段に表示させる。
本発明の電子機器によれば、操作が容易な態様で情報をユーザに提示することができる。当該ボタンが押されると当該スポットが目的地として設定されるように構成すると更によい。このような構成により、運転の妨げとなる煩雑な操作を要することなく、簡単な操作で当該スポットを目的地として追加することができる。
(26)好ましくは、本発明の電子機器では、他の電子機器は、リモコンを利用して操作可能であり、他の電子機器を操作するためのリモコンに関する設定情報を格納し、第1の通信手段は、他の電子機器と通信可能な領域に入ると他の電子機器と近距離無線通信を行って、リモコンに関する設定情報を受信し、制御手段は、第1の通信手段が受信した設定情報に基づいて、他の電子機器を操作するためのリモコンを模擬するよう電子機器の設定を変更する。
本発明の電子機器によれば、電子機器を他の電子機器と近距離無線通信が可能な領域に入れるという簡単な行為で、電子機器に設定することができる。電子機器は、メーカーや機種が異なる複数のリモコンの設定を模擬するように構成されるとよい。また電子機器は、タッチパネルの表示によりリモコンのボタン配置を模擬するように構成されるとよく、リモコンによって異なるボタンの数、形状、配置を再現すると更によい。このような構成により、純正品のリモコンと類似の操作感を提供できる。
(27)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器は、第1の通信手段が行う通信よりも通信容量の大きい通信を行う第2の通信手段を備え、設定情報のデータ量が所定量より大きい場合、設定情報のうち、少なくとも第2の通信手段による他の電子機器との通信を可能とするための情報を含む一部分を、第1の通信手段を介して他の電子機器から受信し、第2の通信手段による通信により、設定情報の残りの部分を他の電子機器から受信する。
本発明の電子機器によれば、設定情報のデータ量が、近距離無線通信により送受信することが困難または不可能であるほど大きい場合であっても、近距離無線通信によって第2の通信手段による通信のための設定を他の電子機器から受け取り、第2の通信手段による通信を確立して、第2の通信手段を利用して残りのデータを受信することができる。
(28)好ましくは、本発明の電子機器では、電子機器に対する設定情報は、他の電子機器においても利用される共通の設定情報である。
本発明の電子機器によれば、電子機器にと他の電子機器とで共通に利用される設定情報の入力を、機器ごとに繰り返すことなく近距離無線通信により容易に転送して設定することができる。
(29)好ましくは、本発明の電子機器では、第1の通信手段は、複数の他の電子機器と通信可能な領域に入ると、複数の他の電子機器のそれぞれが格納する設定情報を受信する。
本発明の電子機器によれば、複数の他の電子機器がそれぞれ格納する設定情報を、一括して電子機器に設定できる。したがって、複数の他の電子機器の組み合わせによって、様々な設定を一括して行うことができる。
(30)好ましくは、本発明の電子機器では、通信可能な範囲は、電子機器と他の電子機器との相対的な位置関係により、他の電子機器を意図した通信相手として、他の電子機器以外の機器とは区別して特定できる範囲である。
本発明の電子機器によれば、通信相手としての他の電子機器を物理的な相対位置によって特定することができる。例えば多数の電子機器が存在する環境下において、上記(3)に関連して記載した他の電子機器に表示されている画像の続きを電子機器に表示させる場面で、続きを表示させたい電子機器を、他の電子機器がそれ以外の電子機器と区別可能な所定の相対位置の範囲に位置させるだけで、当該他の電子機器に表示している画像の続きを電子機器に表示させることができる。
(31)好ましくは、本発明の電子機器では、通信可能な範囲は、他の電子機器の通信手段から概ね10cm以内の範囲である。
本発明の電子機器によれば、対象に近づけるという目に見える行為により、情報の受け渡しをする対象が視覚的に明確となる。視覚的で捉え易い行為によって、設定情報を受信する相手となる他の電子機器を特定することができるので、電子機器の操作に不慣れなユーザであっても、容易に他の電子機器に格納された設定情報を電子機器に設定することができる。
(32)好ましくは、本発明の電子機器では、通信可能な範囲は、電子機器の通信手段と他の電子機器の通信手段とが接触する程度の範囲である。
本発明の電子機器によれば、接触させるという目に見える行為により、情報の受け渡しをする対象が視覚的に明確となる。例えば、電子機器と他の電子機器とを接触させない限り通信が行われないように構成すると良い。対象に接触させるという視覚的で捉え易い行為により設定情報を受信する相手となる他の電子機器を特定するので、電子機器の操作に不慣れなユーザであっても、容易に他の電子機器に格納された設定情報を電子機器に設定することができる。
(33)上記課題を解決するために、本発明のシステムでは、上述の電子機器と、電子機器と通信回線を通じて通信可能なサーバ装置とを備え、電子機器は、情報を格納し当該情報を送受信する他の電子機器と通信可能な領域に入ると、自動的に他の電子機器と近距離無線通信を行って情報を受信し、受信した情報をサーバ装置に転送し、サーバ装置は、電子機器から転送された情報を受信して処理を行い、処理結果を電子機器に送信する。
本発明のシステムによれば、他の電子機器から受信した情報をサーバ装置に転送し、サーバ装置での処理結果を受信するので、本電子機器や他の電子機器では困難又は不可能な高度な処理をサーバ装置に実行させて、処理結果を利用することができる。
(34)上記課題を解決するために、本発明のシステムでは、複数の上述の電子機器と、他の電子機器と通信可能な領域に入ると自動的に他の電子機器と近距離無線通信を行って複数の電子機器に対する設定情報を受信し、複数の電子機器のそれぞれに対して、対応する設定情報を分配する一括設定受信手段を備え、電子機器のそれぞれの制御手段は、一括設定受信手段から分配された設定情報に基づいてそれぞれの電子機器の設定を変更する。
本発明のシステムによれば、他の電子機器と通信可能な領域に入ると自動的に他の電子機器と近距離無線通信を行って複数の電子機器に対する設定情報を受信し、複数の電子機器のそれぞれに対して、対応する設定情報を分配する一括設定受信手段を備えるので、多種多様な電子機器が配置されたシステムにおいて一括して電子機器の設定を行うことができる。したがって、例えばNFCタグ(他の電子機器に相当)にシステムに関する個人ごとのお気に入りの設定を格納しておき、自分のNFCタグを一括設定受信手段に近づけることで、システムに含まれるすべての電子機器の設定を一括して自分の好みの設定にすることができる。
(35)上記課題を解決するために、本発明のプログラムでは、コンピュータを、上述の電子機器における制御手段として機能させる。
本発明のプログラムによれば、上述の電子機器における制御手段をコンピュータにより実現でき、電子機器の設定を簡単にするという課題をソフトウェアによって解決することができる。
[画像表示装置への適用例]
図1を参照し、第1の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を画像表示装置に適用した例である。図1は、それぞれが本発明に係る電子機器の実施形態であるスマートフォン100、携帯型ナビゲーション装置110、テレビ受信装置120、及びデジタルカメラ130を示す。スマートフォン100、携帯型ナビゲーション装置110、テレビ受信装置120、及びデジタルカメラ130はそれぞれ、本発明における「他の電子機器」の一例ともなり得る。以下、スマートフォン100が本発明に係る電子機器として機能し、テレビ受信装置120が本発明における他の電子機器として機能する場合を例に説明する。
テレビ受信装置120は、テレビジョン放送を受信して画面に表示する機能に加え、NFC通信機能及び無線LAN通信機能とを備え、NFCや無線LANを経由して受信したコンテンツを画面に表示することができる。スマートフォン100は、NFC通信部と、無線LAN通信部と、制御部と、タッチパネルディスプレイとを備える。
NFC通信部は、本発明における第1の通信手段の一例である。NFC通信部は、テレビ受信装置120と通信可能な領域に入ると、自動的にテレビ受信装置120と近距離無線通信を行って、スマートフォン100の各部の設定を規定する設定情報を受信する。「自動的に」としてはA、例えば、ユーザによる操作を要しないことを意味するが、本例においては、スマートフォン100がテレビ受信装置120と接触する程度の距離に近づいたことをきっかけに、近距離無線通信を行う。また、通信可能な領域とは、通信可能な範囲は、スマートフォン100とテレビ受信装置120との相対的な位置関係により、テレビ受信装置120を意図した通信相手として、テレビ受信装置120以外の機器とは区別して特定できる範囲であればよいが、本例においては、スマートフォン100とテレビ受信装置120とが接触する程度の範囲とする。接触させるという目に見える行為により、情報の受け渡しをする対象が視覚的に明確となる。
設定情報は、例えばタッチパネルディスプレイで表示する画像に関する情報である。具体的には、画像に関する情報としては、例えば静止画像に関する情報、動画像に関する情報などが挙げられる。また、画像は、例えば2D画像としてもよいし、3D画像としてもよい。例えば白黒画像としてもよいし、カラー画像としてもよい。動画像に関する情報としては、例えば、動画像と関連して再生される音声に関する情報や、動画像そのものの情報としてもよい。本例においては、NFC通信部は、画像に関する情報として動画像の再生に必要な情報を受信する。また、NFC通信部は、NFC通信部は、無線LAN通信部によるテレビ受信装置120との通信を可能とするための情報を受信する。
「画像に関する情報」は、当該画像の複製制限情報を含む。複製制限情報とは、例えば、不正なコピーを防ぐ技術(技術的保護手段)によりコピーを禁止されたコンテンツ、あるいはコピー回数が制限されたコンテンツ等、複製に関する制限が課せられたものか否かに関する情報である。制御部は例えば、制限の内容に応じて続きの画像の表示を取りやめたり、テレビ受信装置120における表示を停止させるよう促して、制限に抵触することを回避しつつ続きを表示させたりといった、制限の内容に応じた制御をする。
複製制限情報が複製を許容しない旨を示す場合、制御部は、テレビ受信装置120が当該画像を表示している間、テレビ受信装置120が表示している当該画像をタッチパネルディスプレイに表示させないように制御する。より具体的には、制御部は、テレビ受信装置120から当該画像の表示を終了した旨の通知を受け取らない限り当該画像を表示しないように制御する。著作権保護の観点から、瞬間的にはスマートフォン100とテレビ受信装置120のどちらでも画像が表示されないようにすることが望ましい。
一方、複製制限情報が複製を許容する旨を示す場合、制御部は、当該画像をスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させるとともに、テレビ受信装置120に当該画像を表示させ続けるか否かの選択をユーザに促す出力制御を行い、ユーザの選択を入力し、当該入力内容に基づいてテレビ受信装置120で表示を行うか否かを制御する。例えば、テレビ受信装置120で表示している画像が複製を禁止されていないものである場合、当該画像の続きをスマートフォン100に表示させるための操作が行われると、制御部は、当該画像の続きをスマートフォン100に表示させる。それとともに、制御部は、テレビ受信装置120でもをそのまま当該画像の続きを表示させるか否かをユーザに選択させるように制御を行うとよい。また、複製制限情報が複数回の複製を許容するものである場合に、複製許容数に複数回の残数があるものについて、テレビ受信装置120に表示している表示させ続けるか、スマートフォン100のみに表示させるかを選択できるように制御するとよい。
テレビ受信装置120で画像を表示し続けない場合、テレビ受信装置120での画像の表示を終了すると、テレビ受信装置120にはそれまでとは異なる画面表示となる。例えば、テレビ受信装置120にはテレビジョン放送を表示してもよいし、他の画像を表示させてもよい。また、画面に何も表示しなくてもよいし、ノイズ(いわゆる砂嵐)が表示されるようにしてもよい。スマートフォン100での表示が始まった後、テレビ受信装置120で再度当該画像を再生することを禁止してもよい。
制御部は、本発明における制御手段の一例である。制御部は、NFC通信部が受信した設定情報に基づいて、スマートフォン100の設定を変更する。制御部は、画像に関する情報に基づき、スマートフォン100のタッチパネルディスプレイにおける表示を制御する。その他、制御部は、スマートフォン100の各構成要素に対する命令の送信及び各構成要素からのステータスの受信等を行って、スマートフォン100全体の動作を統括する。
無線LAN通信部は、本発明における第2の通信手段の一例である。無線LAN通信部は、NFC通信部が行う通信よりも通信容量の大きい通信を行う。無線LAN通信部は、NFC通信部が受信した無線LAN通信部による通信を可能にするための情報を利用して、設定情報の残りの部分をテレビ受信装置120から受信する。
タッチパネルディスプレイは、本発明における表示手段の一例であり、制御部による制御に基づいて、画面に画像その他の情報を表示する。タッチパネルディスプレイは、表示機能に加えて、入力機能を備え、ユーザの操作入力を受け付ける入出力インターフェースとして機能する。
テレビ受信装置120は、画面にテレビジョン放送や動画コンテンツを表示する。また、テレビ受信装置120は、スマートフォン100に対する設定情報をNFCタグに格納する。設定情報は、例えば、ユーザの希望の設定情報であるが、本実施形態においては、テレビ受信装置120で表示している画像の続きをスマートフォン100で表示させるための情報が設定情報となる。より具体的には、テレビ受信装置120の画面に表示している画像の続きをスマートフォン100で表示させるための情報が設定情報となる。テレビ受信装置120は、近距離無線通信により、スマートフォン100との間で設定情報を送受信する。
以上で説明したスマートフォン100とテレビ受信装置120について、テレビ受信装置120がある動画像のファイルを再生表示した状態で、近距離無線通信が可能な領域に入ったときの動作を説明する。スマートフォン100とテレビ受信装置120が通信可能な領域に入ると、それをきっかけにスマートフォン100のNFC通信部はテレビ受信装置120と近距離無線通信を行って、設定情報としてテレビ受信装置120が表示している動画の続きをスマートフォン100で表示させるための情報を受信する。続きをスマートフォン100で表示させるための情報としては、例えば、最後に表示した画像の識別情報、続きとして最初に表示させる画像の識別情報、画像が動画である場合には続きとして表示させる再生位置の情報などが挙げられる。
制御部は、タッチパネルディスプレイに、テレビ受信装置120が再生しているファイル内で現在表示中の動画像の時間的位置よりも後の位置から画像を表示させる。なお、「スマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させるテレビ受信装置120で表示している画像の続き」は、これに限られず、ユーザが続きの画像が表示可能、表示されることが認識できる、または、表示されている、のいずれかとするとよい。例えば、テレビ受信装置120に表示中の画像よりも少し前の画像としてもよいし、テレビ受信装置120に表示中の画像としてもよい。
スマートフォン100のタッチパネルディスプレイに画像が表示されていない場合には、制御部は、NFC通信部が受信した当該設定情報に基づいて、テレビ受信装置120がテレビ受信装置120のタッチパネルディスプレイに表示している画像の続きをスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させる。
一方、NFC通信部がテレビ受信装置120が表示している画像に関する情報をテレビ受信装置120から受け取った時点でスマートフォン100のタッチパネルディスプレイにも画像が表示されている場合には、制御部は、テレビ受信装置120が表示している画像とタッチパネルディスプレイが表示している画像のいずれをスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示するかの選択をユーザに促す出力制御を行い、ユーザによる選択の入力を検出すると、当該入力内容に基づいていずれをスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させるかを制御する。具体的には、制御部は、NFC通信部が、テレビ受信装置120が表示している画像に関する情報をテレビ受信装置120から受け取った時点で、スマートフォン100が既に画像を表示している場合、テレビ受信装置120が表示している画像とスマートフォン100が表示している画像の双方をスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させてユーザにいずれか一方を選択するよう促す出力制御を行い、選択内容を入力する制御を行い、当該選択内容に基づいてテレビ受信装置120が表示している画像とスマートフォン100が表示している画像のいずれか一方を表示させる。双方の画像をスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示させる場合、スマートフォン100は、タッチパネルディスプレイの画面をそれぞれ半分ずつ利用して、テレビ受信装置120が表示している画像とスマートフォン100が表示している画像を同じ大きさに表示するとよい。この場合、2つの画像の比較が容易であり、ユーザは選択を行いやすい。また、スマートフォン100は、スマートフォン100がもともと表示していた方の画像をテレビ受信装置120が表示していた画像よりも大きく表示してもよい。この場合、もともと表示している画像の試聴の妨害を少なくすることができる。の選択内容の入力は、例えば、表示させたい方の画像を画面の中央部に向けて指先で引きずる(例えばスライドさせる)動作とするとよい。タッチパネルがある機器に、選択インターフェースを表示。ブルーレイの機械にもNFCがあって、テレビ受信装置120に表示せずにブルーレイの機械から直接タブレットに渡してもよい。
ハードディスクレコーダー等に録画したコンテンツをスマートフォン100で視聴する際、著作権保護の観点から煩雑な設定が必要だが、NFCを使えば録画したコンテンツ再生する機器とスマートフォン100との通信が確立した場合、両機器が同一の空間内でNFCによる通信が可能な近距離に存在することが容易に確認できる。通信する機器同士を接触するほど近接させなければ通信ができないNFCを利用することで、不特定多数の者への配信ではなく例えばある家庭内のような同一の空間内でしかも近距離でのコンテンツ利用であると推測することができる。例えば録画した映画をリビングで視聴中、スマートフォン100をテレビ受信装置120またはレコーダーに近づけるだけで、画面がスマートフォン100に移行し続きを寝室に移動しながら視聴出来る。さらに寝室のテレビに近づければ画面をそちらに移動するなども可能とする。物理的な動作で画面の移行が出来るので判り易い操作方法が提供できる。スマートフォン100で試聴していたYoutubeの動画の続きをテレビ受信装置120で見ることもできる。また、再生中のデジタルカメラ130をテレビ受信装置120に近づければ再生画面をテレビ受信装置120に移行することができ、デジタルカメラ130で撮影した画像をテレビ受信装置120の大画面で確認することができる。
著作権保護が掛かったコンテンツを視聴する権利に関する情報を、NFCを鍵にリレーのバトンのように受け渡しながら伝える。この時、コンテンツを視聴する権利を誰から誰に渡すかという情報を設定情報として送受信するとよい。また、試聴するコンテンツのどの部分を表示するかに関する情報、及び、どこまで表示したかに関する情報をも、コンテンツを視聴する権利を授受する機器間で送受信してもよい。コンテンツの画像データそのものは無線LAN等の通信容量の大きい通信手段を利用して送信してもよい。
[学習リモコンへの適用例]
引き続き図1を参照し、第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、タッチパネルディスプレイを有するスマートフォン100が本発明に係る電子機器に相当し、リモコンを利用して操作可能である携帯型ナビゲーション装置110、テレビ受信装置120、デジタルカメラ130、レーダ探知機140、及び洗濯機150が他の電子機器に相当する。以下では、スマートフォン100が本発明に係る電子機器として機能しテレビ受信装置120が本発明における他の電子機器として機能する場合を例に説明する。本実施形態において、スマートフォン100及びテレビ受信装置120は、いずれも近距離無線通信と無線LAN通信の両方ができるよう構成されているものとする。
スマートフォン100は、第1の実施形態と同様なので、冗長な記載を避けるべく、差異のない内容についてはここでの説明を省略する。
NFC通信部は、スマートフォン100に対する設定情報を送信するテレビ受信装置120と通信可能な領域に入ると、自動的にテレビ受信装置120と近距離無線通信を行って、スマートフォン100の各部の設定を規定する設定情報を受信する。テレビ受信装置120は、自身を操作するためのリモコンに関する設定情報を保持しており、スマートフォン100との近距離無線通信でその設定情報を送信する。本実施形態における設定情報は、テレビ受信装置120を操作するためのリモコンに関する情報である。具体的には、例えば、リモコンのボタン配置、各ボタンのデザイン、各ボタンを押したときに送信すべきリモコンコード、テレビ受信装置120のIPアドレス等の情報が設定情報となる。
制御部は、リモコンに関する情報に基づき、スマートフォン100のタッチパネルディスプレイにテレビ受信装置120のリモコンを模擬してボタンを表示させる。
無線LAN通信部は、近距離無線通信よりも通信距離が長い無線LANを利用してテレビ受信装置120との無線通信を実現する。
ユーザのタッチパネルディスプレイに表示した各ボタンの押下を検出すると、制御部は、押されたボタンに対応するリモコンコードを、無線LAN通信部を介してテレビ受信装置120に送信する。テレビ受信装置120は、リモコンコードを受信してユーザが押したボタンに対応する設定を行う。例えば、ユーザがスマートフォン100のタッチパネルディスプレイに表示された音量を上げるボタンを押したときには、テレビ受信装置120は無線LANを介して音量を上げることを指示するリモコンコードを受信し、これに応じて音量を上げるよう設定を行う。
本実施形態では、家電のリモコンとしてスマートフォンを使えるようNFCを「設定の鍵」として利用する。NFCの通信距離ではリモコンとして使うには不足するため、実際の操作にはWi−Fiを利用する。各家電にWi−Fi機能とNFCを搭載し、スマートフォンにはリモコン用のアプリケーションを用意する。混信を防ぐためとボタン配置などの設定をするため、最初に一度だけNFCを用いて各家電とネゴシエーションを行う、スマートフォンと各機器を近づけリンクするだけで、必要な設定が全て自動で行うことができ、あとは通常のリモコンと同じ様に操作することができる。
リモコンコードをスマートフォンから家電へと送信するときにWi−Fiを利用するため途中に障害物があってもリモコン操作が行える。スマートフォンはWi−Fiを利用して各機器と双方向の通信を行うことができる。洗濯機などは別の部屋からでも状態が確認できるので残り時間や洗濯終了を知ることもできる。スマートフォンの画面切替えだけで複数の家電が操作でき、多数のリモコンが氾濫したり、リモコンを紛失したりといったトラブルも回避できる。
タッチするだけで、リモコンコードが各家電からスマートフォンに伝わるので、従来の学習リモコンよりも設定が簡単である。また、各家電と最初の一度だけNFCでネゴシエーションを行えばボタン配置などの煩わしい設定が自動で行われ混信防止の紐付けも同時に行うことができる。
[レーダ探知機への適用例]
図2および図3を参照し、第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、レーダ探知機300が本発明に係る電子機器に相当し、タブレットコンピュータ320、ノートパソコン340、及びスマートフォン360が他の電子機器に相当する。以下では、レーダ探知機300が本発明に係る電子機器として機能しタブレットコンピュータ320が本発明における他の電子機器として機能する場合を例に説明する。
レーダ探知機300は、レーダ式速度測定器、自動速度違反取締装置(通称“オービス”)などから発射されるレーダ波を検知し、チャイム音やLED点滅、文字表示、音声アナウンスなどでレーダ波の検知を知らせるレーダ探知機である。レーダ探知機300は、NFC通信部、無線LAN通信部、制御部、位置情報取得部、データベース、レーダ探知部、及びインターフェース部を備える。
制御部は、本発明における制御手段の一例である。その他、制御部は、レーダ探知機300の各構成要素に対する命令の送信及び各構成要素からのステータスの受信等を行って、レーダ探知機300全体の動作を統括する。レーダ探知部は、所定の周波数のレーダ波を検知し、そのことを制御部に伝える。
インターフェース部は、ユーザの操作を受け付ける入力機能と、ユーザに対し情報を提示する出力機能とを備える。入力機能は、操作ボタン、タッチパネル、マイク等で実現され、出力機能は、液晶ディスプレイ、LED(発光ダイオード)、スピーカ等で実現される。
データベースは、交通監視ポイントの位置情報、レーダ波を検出しても無視すべき位置であるキャンセルポイントの位置情報、過去に報知を行った地点の位置情報等を格納する。位置情報取得部は、本発明における位置情報取得手段の一例であり、例えばGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)により構成される。位置情報取得部は、レーダ探知機300の現在の位置情報を取得する。
NFC通信部は、本発明における第1の通信手段の一例であり、近距離無線通信を可能とする通信手段である。無線LAN通信部は、本発明における第2の通信手段の一例であり、近距離無線通信よりも通信容量の大きく、通信距離の長い無線LAN通信部を可能とする。
上記のような構成のレーダ探知機300は、下記の要領でレーダ波を探知したことをユーザに報知する。制御部は、レーダ探知部からレーダ波を検知した旨が伝えられると、位置情報取得部から現在の位置情報を取得し、データベースに現在の位置情報を照会して、現在位置がキャンセルポイントに該当しないかを確認する。現在位置がキャンセルポイントに該当する場合、制御部はインターフェース部に報知をさせない。一方、現在位置がデータベースに登録されているキャンセルポイントに該当しない場合、交通監視ポイントの位置情報及び制御部は過去に報知を行った地点の位置情報に基づき、現在位置を新たなキャンセルポイントに設定すべきか否かを判定する。現在位置を新たなキャンセルポイントに設定すべきと判断した場合、制御部は、現在の位置情報をキャンセルポイントとしてデータベースに自動的に登録するとともに、報知をせずに処理を終える。現在位置を新たなキャンセルポイントに設定すべきでないと判断した場合、制御部はインターフェース部を制御してチャイム音やLED点滅、文字表示、音声アナウンスなどでレーダ波を検知したことをユーザに知らせる。ユーザは、その位置で交通監視が行われていないことを確かめた場合に、レーダ探知機300を操作することで、現在位置をキャンセルポイントとしてデータベースに手動で登録することができる。
上述のように、データベースにはキャンセルポイントが自動的に又は手動で登録され、蓄積されていく。レーダ探知機300では、キャンセルポイントの他にも、交通監視が行われるポイント等を自動的に又は手動で登録することもできる。レーダ探知機300は、このようにして蓄積される位置情報に対して位置情報の修正や名称付与等の編集機能を有する。ただし、レーダ探知機300の有するインターフェースの制約から編集機能の操作性は必ずしも良好とは言えない。
タブレットコンピュータ320は、近距離無通信機能、及び無線LAN通信機能を備えた汎用のタブレット型の端末である。タブレットコンピュータ320には、レーダ探知機300のデータベースに登録されたデータを編集する機能を提供するアプリケーションがインストールされており、ユーザはこのアプリケーションを利用してレーダ探知機300におけるよりも高い自由度でデータを編集することができる。
タブレットコンピュータ320においてデータを編集する機能を提供するアプリケーションを“データ読み出しモード”に設定した状態で、レーダ探知機300がタブレットコンピュータ320と近距離無線通信可能な領域に入ると、レーダ探知機300のデータベースに格納されている情報がNFC通信部を介してタブレットコンピュータ320に送信される。
ユーザは、タブレットコンピュータ320のアプリケーションを利用して、レーダ探知機300から読み出したデータを高い自由度で編集する。編集が終わったデータをレーダ探知機300のデータベースに上書きするには、タブレットコンピュータ320のアプリケーションを“データ上書きモード”に設定した状態で、レーダ探知機300をタブレットコンピュータ320と近距離無線通信可能な領域に入れる。すると、レーダ探知機300のNFC通信部は、タブレットコンピュータ320から編集済みのデータを近距離無線通信により受信し、受信したデータを制御部がデータベースに格納する。このようにして、レーダ探知機300のデータベースに格納されたデータをタブレットコンピュータ320の自由度の高い編集機能を利用して編集し、簡単にレーダ探知機300に書き戻すことができる。
ところで、ユーザに対して適切に報知を行うために、レーダ探知機300のデータベースに格納されている各種の位置情報は、最新の情報に更新される必要がある。従来のレーダ探知機では、パソコンを用いて更新データをメモリカードに書き込んでおき、そのメモリカードをレーダ探知機に挿入して、更新データをレーダ探知機に読み込ませていた。
以下で説明するように、本実施形態のレーダ探知機300は、タブレットコンピュータ320との通信によって更新データを受け取り、データベースを更新する。タブレットコンピュータ320は、更新データを配信するサーバ380からインターネット、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution、ロング・ターム・エボリューション)等のネットワーク経由で更新データを取得する。
ユーザが、更新データを取得したタブレットコンピュータ320をレーダ探知機300に接触させると、NFC通信部は、タブレットコンピュータ320と近距離無線通信を行って、レーダ探知機300から設定情報を受信する。NFCを利用することにより、周囲に多数のレーダ探知機が存在する状況においても、接触させたレーダ探知機300のみに更新データを提供することができる。
設定情報は、例えば交通監視ポイントの位置情報の更新データを含み、レーダ探知機300は、近距離無線通信により更新データをタブレットコンピュータ320から受信してもよい。
他の手法として、設定情報は、タブレットコンピュータ320と無線LAN通信を行うために必要なIPアドレス等の情報、及び更新データを提供するための鍵情報(例えばIDやパスワード)であってもよい。レーダ探知機300は、タブレットコンピュータ320から受信した鍵情報を、無線LAN通信部を介してタブレットコンピュータ320へと送信し、更新データを受信することについての許可を受ける。そして、レーダ探知機300は、無線LAN通信部を介してタブレットコンピュータ320から更新データを受信する。この手法によれば、更新データのデータ量が近距離無線通信で許容されたデータ量よりも大きい場合であっても、データを転送できる。また、無線LAN通信に必要な情報と鍵情報さえ近距離無線通信で受信できればよいので、レーダ探知機300とタブレットコンピュータ320との接触は短時間でよい。
制御部は、タブレットコンピュータ320から受信した更新データに基づき、データベースを更新する。レーダ探知機300と通信可能な領域に更新データを格納したタブレットコンピュータ320を入れるだけで、煩雑な操作を要することなくデータベースを更新することができる。例えば、車両内部のような限られた空間においても、また、入出力インターフェースの操作性が良好とはいえないレーダ探知機300においても、簡単に交通監視ポイントの位置情報に関するデータベースを更新することができる。また、タブレットコンピュータ320は、接触して近距離無線通信を行った相手の機器に限って更新データを提供することができる。したがって、無線LAN通信が可能な範囲内に多数のレーダ探知機がある場合(例えば駐車場のような環境)であっても、意図したレーダ探知機にのみ更新データを送ることができる。また、意図せずレーダ探知機300のデータベース内のデータを更新されることを防ぐことができる。
今までのパソコンやメモリカードを用いた更新方式と違い全ての作業をその場で完結することができる。家のパソコンを起動したり、メモリカードを持ち運んでデータを移し替える手間が不要となりいつでもどこでもその場で容易に最新情報に更新可能となる。さらに専用アプリを用意すれば、パソコン操作より簡単に更新作業が行え、パソコンスキルの低いユーザや煩わしさで更新を考えなかったユーザ層など未開のユーザを開拓できる機会を増やすことができる。レーダ探知機300からメモリカード読書き機能が不要となりNFC機能に置換えると、カード装着部品や筐体に開口部を設ける必要が無くなりコストやデザイン面も有利となる。スマートフォンやタブレットの普及によりパソコンを持たないユーザが増加している。またLTEなど高速通信の普及によりモバイル端末で大容量データを扱えるインフラも整備されている。パソコンやメモリカードの使用を強いず、多様化な更新方法を提供できる。
データの更新にパソコンやメモリカードの使用を強いない。データ更新の敷居を低く簡単にすることができる。レーダは、取締りの場所がアップデートされるのでデータを書き換えないと効果がないが、今まではPCやメモリカードにいれてファームウェアを交換していた。これをスマートフォンやタブレットを利用して、簡単にデータを更新することができるようになる。PC持っていない人であっても、スマートフォンやタブレットでサーバからデータを取り込み、それを近距離無線通信で転送できる。
キャンセルポイントなどの登録情報や各種設定をスマートフォンやパソコンで編集できるアプリを用意し、整理したデータをレーダ探知機300に転送する。スマートフォンやパソコンの地図サービスを利用し、登録位置を詳細に確認したり、位置を調整したり新たな位置の登録も可能とする。さらに不要になった地点を削除したりと、今までレーダ探知機300の小さな画面、車内という小さな空間で強いられてきた編集作業をスマートフォンやパソコン、タブレットの大きな画面で快適に編集可能となる。
キャンセルポイント等の登録は従来通りレーダ探知機300で実行することができる。レーダ探知機300は、NFCを用いスマートフォンやパソコンなどに登録情報を転送する。タブレットコンピュータ320において専用のアプリケーションを使って登録情報を整理/編集する。整理した情報は再度NFCを用いレーダ探知機300に書き戻す。
同様の登録情報の吸出し、整理/編集、書き戻しのプロセスは、カーナビゲーションシステムにも適用できる。カーナビゲーションシステムの中の地点の情報をNFCを経由してタブレットに吸い出して、タブレットで編集し、NFCを介してナビに書き戻す。カーナビゲーションシステムは操作上の制約が大きく、タブレットの編集手段は操作上の制約が少ない。従来は、現地に行ってGPS等のセンサで取得した位置情報を、ユーザが指定したタイミングで登録し、ナビ内で名称付などの編集を行っていた。これによれば、車内という小さな空間で強いられた困難な編集作業を改善することができる。
[ナビゲーション装置への適用例1]
図4を参照し、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をナビゲーション装置に適用した例である。本実施形態においては、ナビゲーション装置400が本発明に係る電子機器に相当し、NFCタグ410が他の電子機器に相当する。
ナビゲーション装置400は、車両のダッシュボード上に設置される薄型矩形状のケース本体を有する。ケース本体の前面には、表示部を備え、表示部上には表示部のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネルを備える。ナビゲーション装置400は記憶部を備え、その記憶部には、地図データなどが記録されている。本ナビゲーション装置400は、係るナビゲーションを行なう際の地図データを上記の記憶部に格納された地図データ等を利用して行なう。また、ナビゲーション装置400は、NFC通信部を備え、外部の電子機器が当該NFC通信部と通信可能な領域に入ると、その電子機器と近距離無線通信を行って、電子機器から設定情報を受信する。ナビゲーション装置400は、更に制御部を備え、制御部はNFC通信部が受信した設定情報に応じて、ナビゲーション装置400の設定を行う。ナビゲーション装置400は、現在地の位置情報を検出するGPS部と、現在地から設定された目的地までの経路を探索し、探索して得られた経路に従い案内するナビゲーション部をさらに備える。
NFCタグ410は、所定(例えば数百バイト程度)のメモリ容量を持ち、近距離無線通信(例えば、10cm程度の無線通信や機器同士を接触させる程度の距離を通信距離とする通信)が可能な薄型の電子機器であり、ステッカー、カード、キーホルダ、ストラップ等として形成される。NFCタグ410内のメモリには、ナビゲーション装置400に対する設定情報が格納される。NFCタグ410が格納する設定情報は、例えば、目的地、「高速優先」や「一般道優先」などの検索条件、画面の表示モードなど、ナビゲーション装置400に対する設定であればいかなるものであってもよい。1つのNFCタグ410に複数項目の設定情報を格納してもよい。
本実施形態のナビゲーション装置400では、目的地を登録したNFCタグ410をナビゲーション装置400にかざすだけで直ぐに目的地設定を可能とする。目的地ごとに複数のタグを用意すれば、ナビゲーション装置400のタッチパネルを操作して、長い登録地点リストをスクロールしながら目的地を探す煩わしさから開放され、簡単に素早く電子機器が苦手なユーザでも、タグをかざすだの簡単操作で目的地設定が可能となる。タグの表面に登録内容を書き込めるスペースを用意したり、タグそのものも色や形を複数用意したりして、簡単に識別できる工夫を施せば、設定がより簡単に行える。例えば、高速優先の設定をするNFCタグであれば、高速道路の道路標識に似せた色や形状に形成するとよく、自宅を目的地に設定するNFCタグは家の形に形成するとよい。ナビゲーション装置400のNFC通信部は、複数のNFCタグ410がまとめてかざされた場合に、それぞれのNFC410が格納する設定情報を受信するように構成するとよい。このような構成によれば、各設定項目についてのNFCタグ410をまとめてかざすことで、NFCタグ410の組み合わせにより所望の設定を容易に行うことができる。例えば、高速優先の設定をするNFCタグと自宅を目的地に設定するNFCタグをまとめてかざすことにより、高速優先で自宅を目的地とする設定を一括して行うことができる。設定項目に応じたNFCタグ410をまとめてかざすことにより他の設定項目についても自由な組み合わせで一括設定できるように構成可能なことは言うまでもない。
ナビゲーション装置400には現在地や地図上の任意の地点を簡単に登録できる機能を装備し、新しいNFCタグを容易に作成できる仕組みを設ける。たとえば、現在地にもう一度来たいと思った時に、ナビゲーション装置をNFC書き込みモードに設定してNFCタグ410をかざすことで、NFCタグ410に現在地を目的地として記憶させるようにする。また、ナビゲーション装置400に対する複数の設定項目を一括してNFCタグ410に書き込むことも可能とする。家族や会社など多人数で1台のクルマを共用している場合、個人別に好みの各種設定をそれぞれNFCタグ410に書き込んでおけば、利用する者が自分のNFCタグ410をナビゲーション装置400にかざすだけで、瞬時にその人用の設定にナビゲーション装置400の内容を切り替えることができる。また、NFC機能を備えるスマートフォン420やタブレットコンピュータを用いて、市販のNFCタグ410に設定情報を書き込むこともできる。例えば、スマートフォン420で目的地を検索し、検索結果の中から目的地の位置情報をNFCタグ410に登録するとよい。また、目的地の住所、電話番号をナビゲーション装置400に入力して検索し、見つかった地点をNFCタグ410に登録してもよい。
さらにスマートフォンやパソコンでNFCタグ410に目的地を書き込めるアプリも用意し、新しいタグを作成できる環境を用意するとよい。記憶する設定内容を変更できるNFCタグの書き込みスペースはペンで書いたり消したりできる素材で形成されることが好ましい。NFCタグ410に記録できるのは目的地だけでなく「高速優先」や「一般道優先」などの機能切替えも用意して目的地タグと組み合わせ、まとめてかざすだけで一度に希望の設定が実行できるようにするとよい。よく使う設定の組み合わせは、単語帳のように束ねて管理するとよい。
本実施形態のナビゲーション装置400によれば、NFCタグ410を近づけるだけでナビゲーション装置400の各種設定を行うことができるので、操作に慣れない人でも簡単に設定を行うことができる。また、識別が容易なNFCタグ410を用いるので、操作に慣れない人に操作を指示・依頼することが容易であり、操作ミスを防止することもできる。助手席に座っている人に運転者が設定を指示することも容易にできるし、遠隔地にいる人に対して設定方法を教示することも簡単である。
目的地や好みの設定などは、各個人で異なるのが普通である。個人別に設定を登録したNFCタグ410を用意するだけで全ての設定を一度に切替えられるので、逐一設定をしなおす必要や登録人数の制限などと言った規制もなく、全ての人が好みの環境でナビゲーション装置を使うことが可能となる。各個人の好みを登録したNFCタグ410を個別に用意する。NFCタグ410は追加購入して必要分を幾らでも増やすことができる。乗車の際にナビゲーション装置400にかざせば即時に中身が切替えられる。新たなNFCタグ410の追加は一通り設定を行った後にNFCタグ410への書出しを行う。レーダ探知機にも同様の機能を設ければレーダ探知機版個人別設定NFCタグ機能を設けることもできる。
[ナビゲーション装置への適用例2]
図5を参照し、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をナビゲーション装置に適用した例である。本実施形態においては、ナビゲーション装置500が本発明に係る電子機器に相当し、スマートフォン510が他の電子機器に相当する。
ナビゲーション装置500の構成は、前述の「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したナビゲーション装置400と同様なので、差異のない事項についてのここでの説明は省略する。
スマートフォン510は、NFC通信部と、ネットワーク通信部と、制御部と、タッチパネルディスプレイとを備える。NFC通信部は、近距離無線通信を可能とする通信手段である。ネットワーク通信部は、インターネット等のネットワークに接続してネットワークに接続された各種の情報にアクセス可能とする。制御部は、ナビゲーション装置への設定用アプリケーションを実行する。また、制御部は、スマートフォン510の各構成要素に対する命令の送信及び各構成要素からのステータスの受信等を行って、スマートフォン510全体の動作を統括する。
ユーザは、スマートフォン510で目的地を検索し、目的地に関する各種の情報を取得するが、その際に目的地の位置情報(例えば、住所や緯度・経度)を合わせて取得し、設定用アプリケーションに目的地として登録する。位置情報と併せて、目的の名称も設定用アプリケーションに登録する。目的地の名称として、検索時に用いたキーワードを設定するとよい。その状態で、スマートフォン510をナビゲーション装置500にかざすと、設定用アプリケーションに登録した目的地が近距離無線通信によりナビゲーション装置500に送られ、ナビゲーション装置500の制御部により目的地として設定される。また、この目的地がナビゲーション装置において登録スポットとして登録されていない場合、制御部は、その目的地を新たな登録スポットとして登録する。
NFC機能を搭載したスマートフォン510やタブレットコンピュータ520で検索した地点を即座に目的地として転送する。新しいレジャースポットや住所や名称を正確に知らない場所でも、僅かな情報を足がかりにネット検索で探し目的地の特定が可能となる。今までのナビゲーション装置500は、ユーザが知らない場所やナビゲーション装置500購入後に出来た場所を探すことが困難であったが、スマートフォン510やタブレットコンピュータ520と連携し、常に最新情報を取得できるナビゲーション装置500に進化を続ける。スマートフォン510の音声検索で目的地を指定し転送することも可能とし、煩雑なボタン操作からの開放も可能とする。ナビゲーション装置500のガイド情報に登録されてない最新スポットやローカル情報マクロ情報も、スマートフォン510やタブレットコンピュータ520のネット検索機能で調べてナビゲーション装置500に目的地転送が可能である。名前しかわからない等のあいまいな情報をタブレットコンピュータ520やスマートフォン510で検索し、NFCを介してナビゲーション装置500に登録する。タブレットコンピュータ520やスマートフォン510での検索キーワードを登録名とし、位置情報とともにNFC転送する設定情報とする。地図とナビゲーション装置の表示とを照らし合わせて登録する従来の手法より簡単であり、操作に慣れないユーザであっても容易に新たな目的地を設定できる。
[ナビゲーション装置への適用例3]
図6を参照し、第6の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をナビゲーション装置に適用した例である。本実施形態においては、ナビゲーション装置600が本発明に係る電子機器に相当し、スマートフォン610が他の電子機器に相当する。
ナビゲーション装置600およびスマートフォン610の構成は、それぞれ前述の「ナビゲーション装置への適用例2」で説明したナビゲーション装置400およびスマートフォン410と同様なので、差異のない事項については、ここでの説明は省略する。
ユーザは、スマートフォン610でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用し、当該SNSで興味のあるカテゴリを設定する。SNSとしては、例えばFacebook、Twitter、Myspace、LinkedIn、mixi、GREE、Mobage、Ameba等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ユーザは、SNSにおいて、いわゆる「タイムライン」と呼ばれるユーザ自身及びユーザが選択した他のユーザの投稿や選択したキーワードに関する投稿を時系列に表示したSNS投稿情報を取得するよう登録する。また、ユーザは、ナビゲーション装置600に目的地を設定して、目的地までの案内を開始させる。ユーザは、例えば目的地に向けて出発するタイミングで、スマートフォン610にナビゲーション装置600をかざして、SNS投稿情報を近距離無線通信を利用してナビゲーション装置600に送信する。ナビゲーション装置600に送信するSNS投稿情報は、所定の期間(例えば過去1時間分)の投稿情報とするとよい。改めてスマートフォン610をかざさない限りナビゲーション装置600側の情報は更新されない。
ナビゲーション装置600のナビゲーション部は、スマートフォン610から取得したSNS投稿情報を解析して目的地までの案内ルートの沿線のスポットの情報を抽出し、ユーザに提示する。ナビゲーション部は、抽出したスポットまで所定の距離に近づいたときに、表示部に表示している地図上にアラートを表示するとよい。SNS投稿情報の解析において、ユーザがあらかじめ設定したカテゴリの情報を抽出してもよいが、SNS投稿情報に含まれる一連の情報をクラスタリングして、ユーザの興味関心が高いカテゴリを推測し、自動的に抽出するカテゴリを決定すると更によい。なお、SNS投稿情報の大まかな絞り込みはスマートフォンでおこない、詳細な情報処理はナビゲーション装置600でおこなうとよい。近距離無線通信で送信すべき情報量を抑制できるとともに、処理の分担によりトータルの処理時間を短縮できる。
ナビゲーション部は、OBD(On-board diagnostics)を利用して車両の状態に関する車両情報の受け取り、スポットの情報を車両情報に基づき選択的にユーザに提示する。例えば、ナビゲーション部は、OBDを利用してガソリン残量を受け取り、ガソリン残量が所定値以下である場合にSNS投稿情報から、案内ルート沿線の単価の安い給油所の情報を抽出し、当該給油所を目的地に追加することを促すボタンを表示部に表示させる。ユーザは、表示されたボタンを押して目的地の追加をしてもよいし、ボタンを押さずに目的地の追加を見送ってもよい。目的地の追加がなされることなく所定時間が経過すると、ナビゲーション部は、表示部へのボタン表示を終了させるとともに、表示部に表示されている地図における当該給油所に対応する位置に給油所を示すアイコンを表示させる。その後ユーザがアイコンを押した場合、ナビゲーション部は、当該急所を目的地に追加することを促すボタンを表示部に再表示させる。電気自動車に設置されたナビゲーション装置500であれば、OBDを利用してバッテリーの残量を受け取り、残量が所定値以下である場合にSNS投稿情報から充電スタンドの情報を抽出してユーザに提示するとよい。
また、ナビゲーション部は、スポットの情報を現在の時刻に基づき選択的にユーザに提示する。例えば、ナビゲーション部は、現在の時刻がランチタイムに近い場合に、SNS投稿情報から案内ルート沿線のレストランや評判の店の情報を抽出し、抽出された店を目的地に追加することを促すボタンを表示部に表示させる。ナビゲーション部は、SNS投稿情報における投稿者の推薦(例えば「いいね」や「リツイート」)が多い情報を優先してユーザに提示するとよい。食事時の時間(例えば正午)の前後30分間にレストランに関する情報を表示するようにしてもよいし、あらかじめ決められた時刻(例えば14時)までで情報の表示を打ち切るようにしてもよい。表示の打ち切り時間を決める場合には、店の平均的な営業終了時間を考慮して決定するとよい。ナビゲーション部は、SNS投稿情報の文字列に基づいてユーザに提示する店を選別する。例えば、ナビゲーション部は、SNS投稿情報の文字列に基づいて各店にスコアを付け、スコアに応じて提示の優先度を決定する。「おいしかった」、「安い」、「お得」等の文字列が含まれた投稿で言及されている店についてはスコアを増加させ、「休み」、「残念」等の文字列が含まれた投稿で言及されている店についてはスコアを減少させるとよい。
また、ナビゲーション部は、SNS投稿情報におけるユーザ自身の発信した情報を重視してSNS投稿情報を解析するとよい。例えばユーザが発信した情報に「お腹が空いた」という文字列が含まれていれば、レストランに関する情報を優先的に提示する。
ナビゲーション部は、最後にユーザがスマートフォン610をナビゲーション装置600にかざしてSNS投稿情報を受け取ってから経過した時間に応じて、スポットの情報をユーザに提示する頻度を変更する。例えば、ナビゲーション部は、SNS投稿情報を受け取った直後は頻繁に情報を提示し、時間が経過するとともに情報を提示する頻度を低下させる。ユーザがスマートフォン610をナビゲーション装置600にかざすことは、スポット情報を欲しているという意思表示と考えられるので、SNS投稿情報を更新した直後に案内ルート周辺のスポット情報を提示することが好ましい。また、長期間にわたりSNS投稿情報を更新しないときには、ユーザは現行の目的地に到着することに集中している可能性が高いので、情報提示の頻度を低くすることが好ましい。長期間にわたりSNS投稿情報を更新しないときに、ナビゲーション装置600は、SNS投稿情報を更新するようユーザに促すとよい。単に更新を忘れているユーザに、SNS投稿情報を更新することを思い出させることができる。
上述のナビゲーション装置600によれば、安いガソリンスタンドやグルメスポットなど興味のあるカテゴリをスマートフォン610に設定しておけばSNSなどから情報を自動的に入手してNFCを使ってナビゲーション装置600に転送し、その場所に近づいた時にナビゲーション装置600からアラートすることができる。目的地登録より若干弱めの扱いとし、通りがかった沿道の情報を適時教えてくれる仕組みにするとよい。OBDと連携させれば、ガソリン残量が少ない時にのみガソリンスタンド情報が上がってきたりグルメ情報は時計と連動し、食事時だけアラートされるなど人口知能で制御されたように整理された情報のみが上がってくるように仕込んでおくとよい。
予め求めるカテゴリの情報をクルマの状態や時刻に合せスマートフォン610やタブレットがSNS情報から調べてナビゲーション装置600に転送が可能となる。付近を通り掛かった時にタイミングよく通知する。ナビゲーション装置は、目的地にする程でないが有益で知りたい情報を時間と場所に応じ告知する。目的地ではなく、ルート検索した沿道(ルート沿い)におすすめのお店(食事時ならレストランや評判の店)があるときに表示する。必要なことをナビが感知して、情報を教えてくれる。SNS上に流れている情報をスマートフォン610やナビゲーション装置600で走行場所、時間帯等で絞り込み、通知する。「いいね」の数が多い場所、観光地のおすすめ、絶景ポイント、撮影ポイントなど、SNSで話題になっているスポットの近くまで折角きたのに素通りしないように、案内ルート沿いの情報がナビゲーション装置600により自動的に提示される。
[ナビゲーション装置への適用例4]
図7を参照し、第7の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をナビゲーション装置に適用した例である。本実施形態においては、ナビゲーション装置600が本発明に係る電子機器に相当し、スマートフォン610が他の電子機器に相当する。
ナビゲーション装置700およびスマートフォン710の構成は、それぞれ前述の「ナビゲーション装置への適用例2」で説明したナビゲーション装置400およびスマートフォン410と同様なので、差異のない事項については、ここでの説明は省略する。
本例のナビゲーション装置700は、ナビゲーション部により目的地までの案内ルートを検索することができるが、より高度な解析を行って得られる案内ルートを外部のサーバ装置720から取得することもできる。
サーバ装置720から案内ルートを取得する場合、ユーザは、ナビゲーション装置700を“クラウドナビゲーションモード”に設定した状態で、スマートフォン710をかざす。すると、現在地、目的地及びナビゲーション装置700に格納されていた過去の走行ログが近距離無線通信により、スマートフォン710に送信される。このとき、ユーザはスマートフォン710に送信する走行ログデータを選択することができる。例えば、プライバシー保護する観点で、自宅周辺の走行ログデータは送信しないように設定することができる。走行ログは、スマートフォン710をナビゲーション装置700に接触させない限り、送信されない。また、スマートフォン710をナビゲーション装置600に接触させると、ナビゲーション装置700の画面に「走行ログを送信してよいですか?」等の意思確認の表示をおこなうとよい。
スマートフォン710は、ナビゲーション装置700から受信した現在地、目的地、及び走行ログを、ネットワーク通信部を介してサーバ装置720に転送する。サーバ装置720は、ナビゲーション装置700の走行ログデータを格納し、以後の解析に用いる。他のユーザが利用するナビゲーション装置からも同様に走行ログデータが収集され、サーバ装置720での解析に利用される。
サーバ装置720は、現在地から目的地までの案内ルートを検索する。サーバ装置720で行われる検索では、収集した多数の走行ログデータ、交通情報や工事情報、季節、曜日、時間帯等の種々のデータを用いて、現時点で最も効率的なルートの選定を行う。例えばサーバ装置720は、収集した走行ログデータから、込みやすい道、常にすいている道、平均スピード等を計算し、ルート選定の判断材料とする。
サーバ装置720は、選定した案内ルートをスマートフォン710に返送する。その後ユーザがスマートフォン710をナビゲーション装置700にかざすことで、サーバ装置720から送られた案内ルートがナビゲーション装置700に転送される。ナビゲーション装置700のナビゲーション部は、サーバ装置720が選定した案内ルートに従って、ユーザを目的地まで案内する。このように、サーバ装置720に走行ログデータを提供することを条件に、サーバ装置720による高度な解析を利用できる。
ナビゲーション装置700の走行ログをNFC搭載スマートフォン710で吸上げ、ネット上の渋滞情報と照合し、次回のルート検索に役立てる。ナビゲーション装置700を単なるルート案内だけでなく過去の実績を解析し「いつ出発するのが効率的か」「どのルートが空いていたか」なども考慮した高度なルート作成を行える情報ツールに昇華させることができる。多数ユーザから走行ログを集める解析センターを立上げ、様々な走行ログを複合的に解析し、ルート選びの学習機能を進化させる。季節/曜日/時間帯なども総合的に判断し、最も効率的なルート選定を行えるクラウド型ナビゲーションシステムを構築する。電気自動車の場合は、充電スタンドを考慮したルートと充電タイミングの告知、充電スタンドの混雑状況や予約も可能とする。
解析センターにログが集まれば集まるほど進化が進み、ルート選定の完成度が高まる。将来的にナビゲーション装置700は地図表示に特化して、ルート検索までは解析センターが担当し、スマートフォンで受信して表示する装置としてもよい。
従来のナビゲーション装置は道路の区間距離や車線数、制限速度や右左折の数などを計算しルート検索しているが、本例のナビゲーション装置ではそれに加え、走行ログから平均速度や道路毎の混雑状況、時間や天候などの要素を複合的に演算し、本当に快適なルートを検索出来るナビゲーション装置とする。イベント等で多数のユーザが同じ目的地を検索した場合クラウド型なら意図的に分散したルートを提示し、同じルートに集中するのを避け渋滞を回避することができる。
ナビゲーション装置の走行ログをNFCで吸上げるスマートフォンの通信機能で解析センターに送り当日の渋滞情報などと照合し次回のルート選定の解析情報にする情報をNFCで吸上げ、本当に最適なルート選定を行う。実際の走行ログを多数解析して利用するので、走れば走るほどルートの精度が向上する。全国から集まった解析結果と道路工事や天気など副次的要素も交え、ルート選定の情報源とする。
[複数の車載電子機器を含む乗用車への適用例]
図8を参照し、第8の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を複数の車載電子機器を含むシステムである乗用車に適用した例である。本実施形態においては、複数の車載電子機器を含む乗用車800が本発明におけるシステムに、ナビゲーション装置810、レーダ探知機820が本発明に係る電子機器に相当し、NFCタグ830が他の電子機器に相当する。
ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820の構成は、それぞれ前述の「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したナビゲーション装置400および「レーダ探知機への適用例」で説明したレーダ探知機300と同様なので、差異のない事項については、ここでの説明を省略する。また、NFCタグ830の構成は、「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したNFCタグ410と同様であり重複する説明は省略するが、NFCタグ830のメモリには、ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820に対する設定情報が格納されている。
乗用車800は、ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820を含む複数の電子機器に対する設定情報を一括して受信するための一括設定部が設けられる。一括設定部は、運転者が操作しやすい位置に配置されるとよく、具体的にはイグニッションスイッチの近くに設けられるとよい。この場合、NFCタグ830はイグニッションキーに埋め込まれ、一括設定部は、イグニッションスイッチのキーシリンダーにイグニッションキーを差し込むと一括設定部とNFCタグ830とが通信可能となるように配置されるとよい。一括設定部は、ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820を含む複数の電子機器に対し設定情報を分配できるよう配線されている。
一括設定部にNFCタグ830をかざすと、NFCタグ830のメモリに格納されているナビゲーション装置810およびレーダ探知機820に対する設定情報が一括設定部に送信され、一括設定部によりナビゲーション装置810およびレーダ探知機820にそれぞれに対する設定情報が分配される。ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820は、それぞれ受け取った設定情報に基づいて設定が行われる。
一括設定部にNFCタグ830をかざすことによって複数の電子機器を設定した後で、個々の電子機器に対して個別に設定をやり直してもよい。例えば、「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したように、ナビゲーション装置810に別の設定が格納されたNFCタグをかざしてナビゲーション装置810に対する再設定を行ってもよい。NFCタグ830には、ナビゲーション装置810およびレーダ探知機820の設定の他、シートポジション、ミラーのポジションなどの設定を格納してもよい。シートポジションやミラーのポジションについては、個別にNFC通信による設定を行う機能が設けられなくてもよい。また、一括設定部は、乗用車800内の各種設定を一括してNFCタグに書き込む機能も備えるとよい。
[車両運行管理システムへの適用例]
図9を参照し、第9の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を車両運行管理システムに適用した例である。本実施形態においては、運行ログ記録装置900および管理端末910が本発明に係る電子機器に相当し、NFCタグ920が他の電子機器に相当する。
運行ログ記録装置900は、タクシー、トラック等の車両に搭載され、乗車時間、走行距離等の運行ログを記録し保存する。運行ログ記録装置900はNFC通信機能を備える。運行ログ記録装置900は、「複数の車載電子機器を含む乗用車への適用例」において説明した一括設定部と同様、車両内の各種電子機器に対し設定情報を分配できるよう配線される。
管理端末910はタクシー会社や運送会社に配備され、車両の運行ログを記録管理する端末である。管理端末910は、NFC通信機能を備え、運行ログを格納したNFCタグ920と通信可能な領域に入ると、NFCタグ920から運行ログを取得して記録する。
NFCタグ920の構成は、「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したNFCタグ410と同様であり重複する説明は省略するが、NFCタグ920のメモリは、「ナビゲーション装置への適用例1」で説明したような、運転者の好みの各種設定情報に加えて当該NFCタグ920を保有する運転者に固有のIDを格納するとともに、運行ログ記録装置900から読み出した運行ログの一時保管場所として機能する。
車両の運転者は、走行前にNFCタグ920を運行ログ記録装置900にかざす。すると、運行ログ記録装置900はNFCタグ920から設定情報を受信して各種電子機器に対して分配するとともに、運転者のIDを受信して運行ログの記録を開始する。運行ログには、運転者のID、乗車時間、及び走行距離が記録される。設定情報を各種電子機器に設定すると、NFCタグ920からは運転者の好みの設定情報が消去される。走行開始前にNFCタグをかざすことで運転者の好みの設定情報を各種電子機器にセットするとともに運行ログ記録装置900にIDが記録されるので、運転者が走行開始前に自己のIDを運行ログ記録装置900に設定し忘れることを防ぐことができる。
走行後、車両の運転者は、再びNFCタグ920を運行ログ記録装置900にかざす。すると、運行ログ記録装置900は運行ログの記録を終了して、NFCタグ920のメモリに運行ログを記録するとともに、運転者の好みの設定情報をNFCタグ920のメモリに書き戻す。走行後にもNFCタグ920をかざさなければ、お気に入りの設定情報を返してもらえないので、運転者がNFCタグ920を運行ログ記録装置900にかざし忘れることを防ぐことができる。走行後に運行ログをNFCタグ920に読み込む運転者はNFCタグを持って会社に戻り、会社の管理端末910にNFCタグ920をかざす。管理端末910はNFCタグから当該運転者の運行ログを近距離無線通信により取得して記録する。
車両に専用NFC機器を搭載し、乗車時間や走行距離などの運行ログを記録し保存する。NFCでデータを吸い上げ、帰社した時に専用端末にかざせば全ての記録を移行して運行管理が楽になる。それぞれの端末にNFCタグをかざすだけで、簡単にミスのないログを保存し、ドライバー/事務処理者双方の負担を軽減する。手書きや目視などアナログ部分が介在しないので人的ミスを撲滅できる。
[ゴルフナビゲーション装置及びゴルフ練習支援装置への適用例]
図10を参照し、第10の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をゴルフナビゲーション装置及びゴルフ練習支援装置に適用した例である。本実施形態においては、情報授受の方向に応じて、ゴルフナビゲーション装置1000及びゴルフ練習支援装置1010の一方が本発明に係る電子機器に相当し、ゴルフナビゲーション装置1000及びゴルフ練習支援装置1010の他方が他の電子機器に相当する。どちらの装置が設定情報の送信元になるかは、いずれかの装置の状態(例えば、起動しているアプリケーション、当該アプリケーションで設定された動作モード等)によって決定される。
ゴルフナビゲーション装置1000は、液晶ディスプレイ等の表示手段、コースレイアウト情報を含む地図情報を格納した地図データベース、GPS等の位置情報取得手段を備え、位置情報取得手段が取得した現在位置、残りの距離や攻略法等を、ゴルフ場のコースレイアウトとともに表示手段に表示して、ゴルフ場でコースを回るユーザのプレイを支援する。また、ゴルフナビゲーション装置1000は、1打毎に使用したクラブと打球の到達位置を記録して、詳細な履歴を残すことができる。
ゴルフ練習支援装置1010は、ゴルフスイングの練習を支援する装置であり、クラブの選択とゴルフ練習支援装置が測定するスイング速度に基づいて、飛距離を推定し表示する。ゴルフ練習支援装置1010は、ゴルフコースを回ることをシミュレーションしながら練習するゲームモードを備える。ゲームモードでは、ゴルフ練習支援装置1010は、画面にゴルフ場のコースレイアウトを表示し、スイング毎に打球の球筋や到達位置を表示する。ユーザはゴルフ練習支援装置1010の表示を確認しながらコースを回るシミュレーションを行うことができる。なお、ゲームモードにおいては、クラブに加えて打球の方向を選択するとよいが、打球の方向を選択させずに、最短ルートにボールが落ちたとして到達位置を決定することもできる。ゴルフ練習支援装置1010は、練習時にユーザのスイングの癖などの情報を記録する。
本実施形態のゴルフナビゲーション装置1000及びゴルフ練習支援装置1010は、それぞれNFC通信部を備え、両装置を接触させることで近距離無線通信を行い、一方の装置が持つ情報を他方の装置へと受け渡す。例えば、ゴルフ練習支援装置1010は、コースレイアウト情報をゴルフナビゲーション装置1000から受信し、受信したコースレイアウト情報を用いてゲームモードを提供する。これにより、ユーザは自分がこれから回る予定のコース、回りたいと思っているコース、過去に回ったコース等、実際のコースをシミュレーションしながら練習を行う。また、過去に回ったコースのコースレイアウトで練習する場合には、ゴルフナビゲーション装置1000からそのコースを回ったときの、スコア、1打毎の打球位置及び到達位置等の履歴を受信する。そして、受信した履歴を分析して、ユーザにコースを攻略するための練習法をアドバイスする。
また、ゴルフナビゲーション装置1000は、ゴルフ練習支援装置1010からユーザのスイングの癖や特徴の情報を受信し、コース上でユーザを案内する時に、ユーザにスイングのアドバイスを行う。例えば、ユーザがアプローチショットでスイングスピードが遅くなり飛距離不足となる傾向がある場合に、コース上でのアプローチショットの場面で強めにスイングするようアドバイスすることができる。また、ゴルフナビゲーション装置1000は、受信したスイングの特徴に基づき、ユーザが得意とすると思われるゴルフコースやユーザの課題克服に適したコースを抽出して推薦する。
ゴルフ練習支援装置1010で練習した際の癖などがNFCを交わしゴルフナビゲーション装置1000に送られ、コース特性を加味したアドバイスを提供する。逆パターンもあり、ゴルフナビゲーション装置1000でコースを回った時の情報をNFCでゴルフ練習支援装置1010に送りコースを克服する為の練習法がアドバイスされる。コースを周る前、周った後、どちらでもそれに適した個人別アドバイスを提供し、上達のサポートを行うセットで所有することで付加価値を高める。ゴルフ練習機とゴルフナビ間でNFCを用いた情報共有を行い個人別/コース別の練習/攻略方法をアドバイスする。
[ナビゲーション装置及びゴルフナビゲーション装置への適用例]
図11を参照し、第11の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置1100及びゴルフナビゲーション装置1110に適用した例である。本実施形態においては、情報授受の方向に応じて、ナビゲーション装置1100及びゴルフナビゲーション装置1110の一方が本発明に係る電子機器に相当し、他方が他の電子機器に相当する。どちらの装置が設定情報の送信元になるかは、いずれかの装置の状態(例えば、起動しているアプリケーション、当該アプリケーションで設定された動作モード等)によって決定される。
ナビゲーション装置1100の構成は、前述の「ナビゲーション装置への適用例2」で説明したナビゲーション装置400と同様なので、差異のない事項については、ここでの説明は省略する。
本実施形態のゴルフナビゲーション装置1110は、NFC通信部を備える。ナビゲーション装置1100とゴルフナビゲーション装置1110とを接触させることで近距離無線通信を行い、一方の装置が持つ両装置で共通の設定情報を他方の装置へと受け渡す。これにより、一方の装置に対する設定を、他方の装置でも利用する。例えば、ナビゲーション装置1100でゴルフ場を目的地にし、ゴルフナビゲーション装置1110を近づければNFC機能により目的地としたゴルフ場の情報がゴルフナビゲーション装置1110に送られ、ゴルフナビゲーション装置1110のコース設定が自動に行われる。逆に、ゴルフナビゲーション装置1110でコースを選択しておけばナビゲーション装置1100にゴルフナビゲーション装置1110を近づければ、自動でゴルフ場がナビゲーション装置1100の目的地として登録される。このように、一度の設定を各機器間で共用し、似通った操作が何度も要求される煩わしさを解消することができる。
[偽造防止兼商品管理システムへの適用例]
図12を参照し、第12の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を偽造防止兼商品管理システムに適用した例である。本実施形態においては、スマートフォン1200が本発明に係る電子機器に相当し、バッグ1210に埋め込まれたNFCタグ1215や時計1220に埋め込まれたNFCタグ1225が他の電子機器に相当する。
スマートフォン1200は、NFC通信部と、ネットワーク通信部と、制御部と、タッチパネルディスプレイとを備える。NFC通信部は、本発明における第1の通信手段の一例である。ネットワーク通信部は、本発明における第2の通信手段の一例であり、インターネット等のネットワークに接続して当該ネットワークに接続されたサーバ1230と通信を行う。制御部は、本発明における制御手段の一例である。制御部は、偽造防止兼商品管理システム専用アプリケーションを実行する。制御部は、スマートフォン1200の各構成要素に対する命令の送信及び各構成要素からのステータスの受信等を行って、スマートフォン1200全体の動作を統括する。
バッグ1210、時計1220には、それぞれNFCタグ1215、NFCタグ1225が埋め込まれている。NFCタグ1215、1225には、それぞれ固有のIDが格納されている。バッグ1210及び時計1220のメーカはサーバ1230を管理する。サーバ1230は、バッグ1210、時計1220等の商品とIDとを格納したデータベースを備える。当該データベースには、IDに対応付けて、商品の流通履歴や修理の履歴等が格納される。
NFC通信部は、バッグ1210に埋め込まれたNFCタグ1215と通信可能な領域に入ると、自動的にNFCタグ1215と近距離無線通信を行って、NFCタグ1215に記録されたIDを受信する。制御部は、NFC通信部が受信したIDをネットワーク通信部を介してサーバ1230に照会する。サーバは照会結果をスマートフォン1200に返信し、スマートフォン1200は制御部の制御の下、照会結果をタッチパネルディスプレイに表示する。
このようにして、ブランド品メーカなど偽物被害の対策に悩む企業向けに、製品にNFCタグを埋め込み読取り装置にかざすだけで真偽を判定出来るシステムが提供される。偽物被害に悩むブランド品にNFCタグを埋め込む。NFCタグには、製品固有のIDが記録されている。読み取り装置はNFC通信機能を搭載したスマートフォンやタブレットなど市販の製品に専用アプリケーションを入れたものでよい。このような読み取り装置をNFCタグが埋め込まれた製品にかざしてIDを読み出す。そしてNFCタグ情報の管理サーバにアクセスして読み出したIDをデータベースと照合する。照合結果は即時スマートフォンに返送され本物か偽物かの情報が表示される。これにより、その場で判別することが可能となる。製品のNFCタグから読み取ったIDをネットワーク経由でデータベースと照会可能とする。市販のスマートフォン等を活用するため機器のコストも通信費も安価に出来る。本実施形態の偽造防止兼商品管理システムは、ユーザが自分の購入物を正規品かどうか確認するのに用いることができる。また、店舗が販売品の検品に用いることもできる。
また、製品の流通過程での流通経路(例えば販売店、下取り店等の情報)、修理情報(例えばファスナを修理した等)などをIDと対応付けてサーバ1230に記録する。流通業者等が各種の情報をサーバに登録し、サーバ830の管理は製品のメーカが行うとよい。これにより、製品の流通や修理の履歴を記録したカルテを作成できる。また、複製が困難であり、複製が行われたとしても真偽の判断が容易となる。
サーバ1230は、照会があったIDを照会元の位置情報と対応付けて格納してもよい。このような照会があったIDと照会元の位置情報を対応付けたデータを分析することで、IDが正規品のものである場合には正規品の移動履歴を把握することができる。またIDが正規品のものでない場合には、偽物の分布を把握することができる。照会が行われる毎にデータが蓄積される。
NFCタグは製品内に埋め込まれるので、外観を損ねず偽造も困難である。偽物には当然正規のNFCタグが埋め込まれていないので容易に真偽が判定できる。また正規品については、流通ルートの確認や修理履歴などをタグに記録し、不正取引やアフターサービスを確認することが可能となる。NFCタグが埋め込まれる製品としては、ブランド品、オートバイ、その他の高価で偽物が出回りやすいものが好適である。製品の中でNFCタグが埋め込まれている場所はユーザにわからなくてもよい。
[医療施設・介護施設への適用例]
図13を参照し、第13の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を医療施設に適用した例である。本実施形態においては、タブレットコンピュータ1300及び施設の床面に配された読み取り装置1310が本発明に係る電子機器に相当し、医療機器、薬袋、患者の履くスリッパ等に埋め込まれたNFCタグ1320が他の電子機器に相当する。なお、本実施形態では医療施設を例に説明するが、同様の構成を介護施設に適用することもできる。
本実施形態で説明する医療施設では、体温計、血圧計等の医療測定器、薬袋、患者がはめるブレスレッド、及び患者の履き物(例えばスリッパ)等、様々な器具・用品にNFCタグ1320が埋め込まれる。NFCタグ1320には、医療測定器、薬、患者等のIDが格納される。
タブレットコンピュータ1300は、NFC通信部と、ネットワーク通信部と、制御部と、タッチパネルディスプレイとを備える。NFC通信部は、本発明における第1の通信手段の一例であり、NFCタグ1320と通信可能な領域に入ると、自動的にNFCタグ1320と通信を行って、NFCタグ1320に記録されたID等を受信する。ネットワーク通信部は、本発明における第2の通信手段の一例であり、インターネット等のネットワークに接続して当該ネットワークに接続されたサーバ1340と通信を行う。なお、ネットワーク通信部は、医療機器の誤動作を防止する観点で、有線での通信を行うことが望ましい。制御部は、本発明における制御手段の一例である。制御部は、医療施設・介護施設管理システム専用アプリケーションを実行する。
読み取り装置1310は、施設の出入口、施設内の各部屋の出入口、トイレや風呂の出入口、エレベータや階段の前等、施設内の要所の床面に配される。読み取り装置1310は、NFC通信部と、ネットワーク通信部と、制御部とを備える。NFC通信部は、本発明における第1の通信手段の一例であり、NFCタグ1320と通信可能な領域に入ると、自動的にNFCタグ1320と通信を行って、NFCタグに記録されたID等を受信する。ネットワーク通信部は、本発明における第2の通信手段の一例であり、インターネット等のネットワークに接続して当該ネットワークに接続されたサーバ1340と通信を行う。制御部は、NFC通信部が読み取ったデータをネットワーク通信部を介してサーバ1340に送信する。
サーバ1340は、医療機関における各種情報を管理するデータベースを備える。データベースには、患者を識別するIDに対応付けて、検温、投薬、レントゲン写真など、様々な履歴が記録されている。また、患者を識別するIDに対応付けて、患者に貸与された履き物のID、当該履き物のIDを読み取った読み取り装置1310のIDと当該読み取り装置で当該履き物のIDを読み取った時刻が記録されている。なお、患者を識別するIDと当該は患者に貸与された履き物のIDを同一としてもよい。
医療機関の患者は、各個人を識別するIDが記録されたNFCタグ1320が内蔵されたブレスレッドを装着して行動する。また、徘徊をするおそれのある患者は、IDが記録されたNFCタグが埋め込まれた履き物を貸与され、その履き物を履いて行動する。
医療機関の医師、看護婦等のスタッフは、患者に対して診察、診断、検査等を行うときに、患者が装着しているブレスレッドにタブレットコンピュータ1300をかざすことにより、NFCタグ1320から患者のIDを読み出してサーバ1340に照会させ、患者の取り違えがないかを確認する。また、患者のIDと併せて、その患者に投与すべき薬の情報、計測すべき項目のリスト、過去の計測結果等が読み出され、タブレットコンピュータ1300の画面に表示される。これにより、看護婦が投与すべき薬の現物と対比確認、計測内容の確認等が容易にできる。その後、医療測定器や薬袋等にタッチして患者のIDに対応付けて測定結果や投与した薬を記録する。そして診察、診断、検査の結果や投与した薬の情報等を患者のIDとともにサーバに送信してデータベースに登録する。サーバ1340とタブレットコンピュータ1300との通信は、医療機器の誤動作を防止する観点で、有線での通信とされる。このため、例えば看護婦が携帯するタブレットコンピュータ1300は、診察、診断、検査の結果や投与した薬の情報等をタブレットコンピュータ1300の内部に少なくとも一時的に格納しておき、ナースステーションに戻り、タブレットコンピュータ1300を所定の位置に戻したときに、病院内のサーバ1340に自動で情報が読込まれバックアップとデータの一元管理が行われるようにするとよい。
病院や老人ホームなどで該当者にNFCタグを携行させ、建物の要所要所に読取り装置を設置して徘徊癖のある人が行方不明になったり、薬の投与を他人に行うなどのミスを防ぐ。検温や投薬、レントゲン写真など様々な履歴をNFCに書き込み、タブレット端末などを用い、その場で登録や確認をすることを可能とする。患者にはブレスレット型NFCを装着させ、体温形や血圧計、薬袋などにNFCを内蔵する。計測や投薬時にタブレットに読込み、履歴を簡単管理できる。手書きによる人的ミスを防ぎ健康/安全管理に不備がないシステムを構築できる。
病院は高額な医療測定器を病室まで運んで利用することも多い、それらの機器が今どこで使われているか、何処に置かれているか、使用予約は、といった管理をNFCを利用して運用することもできる。身近にあるスマートフォンやタブレットで、それらの機器の状況を確認できる管理システムを病院内に構築するとよい。たとえば、台車に乗った大型の医療測定器については、台車の底面にNFCタグ1320を配置し、施設内の要所の床面に配置された読み取り装置1310で台車のNFCタグ1320に記録されたIDを読み出して、医療測定器の移動履歴を管理するとよい。
老人ホームの場合は、誰が自室に居て、誰がいつからトイレや浴室に居るかなどを確認でき、不自然な行動を感知したら警告が発せられ、安全性を高められる。NFCタグを各自の靴やスリッパに仕込み、読取り機はマットに仕込めば、自然とミスなく行動確認が行える。入居者の移動先の場所、ずっと同じ場所にいることなどがわかる。例えば、風呂やトイレでずっと動かない場合、事故の可能性があるとして警報を発するとよい。
[宿泊客管理システムへの適用例]
図14を参照し、第14の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を宿泊客管理システムに適用した例である。本実施形態においては、宿泊客管理システム1400が本発明に係る電子機器に相当し、カード1410や個人所有のスマートフォン1420が他の電子機器に相当する。
宿泊客管理システム1400は、ホテルや旅館の宿泊施設に設けられ、宿泊客の管理に利用される。宿泊客管理システム1400は、宿泊客に関する各種情報を記録したデータベースを備える。当該データベースには、宿泊客ごとに割り当てられたID、宿泊客に割り当てられた客室、宿泊客に対する課金情報等が格納される。
カード1010は、宿泊客に割り当てられたIDを記録したNFCタグを内蔵し、宿泊客管理システム1400におけるカード型のルームキーとして宿泊客に貸与される。宿泊客は、当該カードを用いて客室の開錠及び施錠を行う。例えば、開錠をする場合、客室の入口付近に配された読み取り部にカード1410をかざす。すると、読み取り部によってカード1410に記録されたIDが読み取られ、読み取ったIDがデータベースに照会される。読み取ったIDがその客室が割り当てられた宿泊客のIDと一致した場合、宿泊客管理システム1400は客室のドアを開錠する。
NFC通信機能を搭載したスマートフォン1420を持っている宿泊客は、チェックインの際に登録することで自分のスマートフォン1420をカード1410の代わりに使用することができる。
宿泊客管理システム1400は、宿泊施設内での商品やサービスに対する支払をカード1410やスマートフォン1420で行うことを可能とする。例えばレストランや売店の支払い、プールやジムの利用などの際に、支払い情報をIDとともにデータベースに登録して、チェックアウトの際にまとめて精算ができる。また、スマートフォン1420を利用する宿泊客がチェックアウトをする時には、オンラインバンキングやクレジットカード等のネット決済を利用してフロントでの手続きを経ることなくチェックアウトをすることを可能とする。
ルームキーをNFCにし、部屋の開錠/施錠は勿論、レストランや売店の支払い、プールやジムの利用なども管理する。自分でNFC搭載スマートフォンを持っている人はチェックインの際に登録することで、それを代用することや、セルフチェックアウトなども可能となる。
NFCに個別に割当てられたIDと照合し、セキュリティを確保するのでスマートフォンやタブレットの画面で利用内容や金額を確認し、そのままオンラインバンキングやカードのネット決済で支払を済ますことが可能となる。混雑したフロントでのチェックアウトを避ける顧客満足度を向上させる。さらにリピーターであればチェックインもスマートフォン画面で部屋番号などを確認しながら可能とし、ルームキーにNFCのIDを登録することで、フロントに寄らずに直行が可能、チェックインもチェックアウトも一切フロントを使う必要を無くすことができる。個人所有のスマートフォンやカードなどNFC搭載品でルームキーの代用をはじめホテル内のジムやレストランなどの利用/支払が可能になる。
[スポーツジムの管理システムへの適用例]
図15を参照し、第15の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明をスポーツジムの管理システムに適用した例である。本実施形態においては、管理システム1500が本発明に係る電子機器に相当し、NFCタグが埋め込まれた会員カード1510が他の電子機器に相当する。他の電子機器の他の例として、ロッカーの鍵に埋め込まれたNFCタグであってもよい。
管理システム1500は、スポーツジムに設けられ、利用者のトレーニング管理に利用される。管理システム1500は、利用者に関する各種情報を記録したデータベースを備える。当該データベースには、利用者ごとに割り当てられたID、利用者ごとの日々のトレーニング量等が格納される。管理システム1500は、スポーツジム内の各施設や機器にNFC読み取り部を備える。
会員カード1510は、利用者に割り当てられたIDを記録したNFCタグを内蔵し、利用者に貸与される。利用者はスポーツジムに入館する際に、フロントに設けられたNFC読み取り部に会員カード1510をかざし、自己のIDを管理システム伝え、これに応じて管理システムは当該利用者が入館したことを記録する。利用者は、スポーツジム内で各種のトレーニングを行うときに、各施設や機器のNFC読み取り部に会員カード1510をかざして、自分の行ったトレーニングの種類や運動量、消費カロリー等を登録する。
例えば、ランニングマシンを利用する場合には、利用者は、トレーニング開始時とトレーニング終了時に会員カード1510をランニングマシンのNFC読み取り部にかざす。これにより、管理システム1500は、トレーニング開始時に利用者のIDを受信するとともに、利用者がランニングマシンを利用したことをデータベースに登録する。そしてトレーニング終了後、管理システム1500は、利用開始から利用終了までのトレーニング内容をランニングマシンから取得し、当該利用者のトレーニング実績としてデータベースに登録する。
プールでのトレーニングの場合には、利用者はプールサイドに貼られたトレーニングメニュー表の所望のメニューに会員カード1510をかざす。トレーニングメニュー表は、泳法と距離がマトリックス状に表示されたものであり、各トレーニングメニューの表示位置に会員カードをかざすと会員カード1510のNFCタグが読み取られるよう、トレーニングメニューの数に合わせた複数のNFC読み取り部が設けられている。複数のNFC読み取り部による検出可能範囲は、互いに重複しないよう離間されている。このようなトレーニングメニュー表の所望のトレーニングメニューに会員カードをかざすことで、管理システム1500は、利用者のIDをNFCタグから読み取るとともに、読み取りが行われた読み取り部に対応するトレーニングメニューを、当該利用者のトレーニング実績としてデータベースに登録する。
管理システム1500は、登録されたトレーニング実績に応じて、各利用者におすすめのトレーニングプログラムを設計する。ユーザは、トレーニングの前後に、スポーツジム内に設けられた端末1520に会員カード1510をかざして、管理システム1500によって設計されたトレーニングプログラムを参照しつつトレーニングを計画し実施する。利用者は、スポーツジム内の端末や外部のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等からも管理システム1500のデータベースに格納された各利用者のデータやトレーニングプログラムを参照したり編集したりすることができる。
スポーツジムの会員証としては勿論、入退室管理や各スポーツをどの位の時間、どの位の距離行ったかをNFCを使って管理、消費カロリーの計算なども行う。1日や1週間など任意の期間で運動量を集計し、自身の目的に応じたプログラム作成もサポートする。スポーツジムのサーバを外部からアクセス出来るシステムにしておけば、利用予約や運動量の集計を自宅からでも確認でき、いつでもどこでも健康管理が行える。NFCタグは完全防水にしておき、会員カード、プールでの利用、ロッカーの鍵、施設内での物品購入など様々な場面で利用が可能としておく。
上述の例では、ユーザが持つNFCタグを管理システム1500が読み取ったが、これとは反対にユーザが持つ端末(例えばスマートフォン等)でスポーツジムの各種機器からトレーニングの種類や運動量、消費カロリー等を取得するようにしてもよい。例えば、ランニングマシンを利用する場合には、利用者は、終了時にスマートフォンをランニングマシンのNFC通信部にかざし、利用開始から利用終了までのトレーニング内容をランニングマシンからスマートフォンに受信して記録する。利用者は、スマートフォンに記録したトレーニング内容を参照して、トレーニングの履歴を振り返ったり、トレーニングプログラムを作成したりすることができる。
プールでのトレーニングの場合には、利用者はプールサイドに貼られたトレーニングメニュー表の所望のメニューにスマートフォンをかざす。トレーニングメニュー表は、泳法と距離がマトリックス状に表示されたものであり、各トレーニングメニューの表示位置にメニューに応じた情報が記録されたNFCタグ配置される。各NFCタグは、NFC通信による通信距離以上離間して配置され、誤検出を防止する。このようなトレーニングメニュー表の所望のトレーニングメニューにスマートフォンをかざすことで、トレーニングの内容をメニュー表からスマートフォンに受信して記録する。
上記のトレーニング表のような、複数のNFCタグが互いに検出範囲が重複しないように薄型平板状の板やシートに埋め込まれ、その表面上にNFCタグに対応したそれぞれが異なることが認識できる表記がなされた構造は、本発明の他の実施形態にも適用することができる。1つのNFCタグを例に説明をした実施形態について、これに代えて複数のNFCタグが埋め込まれたものを採用してもよい。
例えば、第4の実施形態(ナビゲーション装置への適用例1)において、大きな地図や旅行ガイド等に複数のNFCタグ410が埋め込まれた態様でNFCタグが提供されてもよい。携帯可能なナビゲーション装置400を地図や旅行ガイド上の所望のスポットにかざして、目的地を設定できるようにするとよい。