本発明に係る低遅延通信のジッタ平準化システムおよび方法について図面に基づいて詳細に説明する。本発明では、ネットワークにおける基地局の上位階梯に中継装置を配置する。ここでの中継装置とは、本発明の低遅延通信のジッタ平準化システムであり、中継装置を配置した位置から見て上位階梯および下位階梯との間でIPパケットを送受信できる要素、IPパケットの情報を利用してIPパケットをクラス分けおよびバッファリングできる要素を包含したものである。なお、ここで末端の端末側が「下位」であり、ネットワークの中心側が「上位」である。また、末端の端末からネットワーク方向へのパケットが上りパケットであり、ネットワークから末端の端末方向へのパケットが下りパケットである。
中継装置は、ネットワーク装置としてのハードウェア、もしくは既存のネットワーク装置上で動作するソフトウェアのいずれかで動作しても構わない。ソフトウェアの場合は、IPパケットをクラス分けしてバッファリングする機能を基地局の上位階梯に論理構成上配置している状態を実現するように動作する。
本発明に係る低遅延通信のジッタ平準化システムでは、低遅延通信を利用したサービスの種類と基地局とUE間のSIRを考慮した上で、IPパケットのクラス分けおよびキューイングを実施する方式を提案する。IPパケットのクラス分けにはIPパケット内の情報を利用する。IPパケットのパケットフォーマットを図4に示す。本発明では、基地局とUEのSIRが動的に変化しない場合(例えばファクトリーオートメーションを本発明の適用先と想定し、UEが移動せず、基地局との間の電波の受信状況が動的に変化しない場合)を想定する。
そこで、中継装置に、(a)基地局と各UE間のSIRにより決定される変調方式、(b)低遅延通信のQoSタイプと要求される遅延時間の関係、(c)IPパケットのサイズと各変調方式が適用された場合に中継装置からUEまでIPパケットを伝送するために要する時間の関係を、データベースとして保持しておく。また、IPパケットのサイズと中継装置からサーバまでIPパケットを伝送するために要する時間の関系の情報も、中継装置内にデータベースとして保持しておく。これらの情報とIPパケットの情報を基に、上り方向と下り方向両方のIPパケットを中継装置内でキューイングすることで、低遅延通信の各QoSタイプで要求される遅延時間でIPパケットを伝送する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。下記の各実施形態では、低遅延通信のIPパケットをBE(Best Effort)通信のIPパケットよりも優先するよう優先制御することで低遅延通信を利用したサービスを実現する場合を想定する。より具体的な例として、下記実施の形態では、映像情報を取り扱うIoT端末の制御を行うものとする。そして、優先制御する低遅延通信では、映像系のIPパケット(以下、映像系IPパケットと言う。)と、同端末を制御するための制御系のIPパケット(制御系IPパケットと言う。)という2つのサービスクラスを提供する。また、同端末は必要に応じてBE通信も行うことを想定する。
[実施形態1]
既存のWi−Fi(Wireless Fidelity)の下り方向の通信に本発明を適用した場合の実施形態を示す。
本実施形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムは、図5に示すように、ネットワーク構成における基地局の上位階梯、ここではWi−Fiルータ10の上位階梯であって、且つ、コアネットワーク20の下位階梯に中継装置100を配置する。UE1の通信相手先は、コアネットワーク20側に位置するサーバ2である。
本実施形態では、IPパケットの送信元をサーバ2、IPパケットの送信先をUE1とした下り通信を例として説明する。
図6に示すように、中継装置100は、パケット受信部110と、低遅延通信判別部120と、パケット分類部130と、複数の映像系IPパケット用キュー140と、制御系IPパケット用キュー150と、BE通信パケット用キュー160と、パケットスケジューリング部170と、パケット送信部180と、記憶部190とを備えている。
記憶部190には、(a)送信先のUE1と適用する変調方式の組み合わせを示す変調方式情報と、(b)低遅延通信のQoSタイプと要求される遅延時間の関係を含む遅延要求情報と、(c)IPパケットのサイズと各変調方式が適用された場合に中継装置100からUE1までIPパケットを伝送するために要する時間の関係を含む伝送情報が、予めデータベースとして記憶されている。前記伝送情報は、中継装置100からWi−Fiルータ10までIPパケットを伝送するために要する時間と、各変調方式を用いてWi−Fiルータ10からUE1までIPパケットを伝送するために要する時間とを含む。また、記憶部190は、後述のパケット分類部130が映像系IPパケット用キュー140又は制御系IPパケット用キュー150に格納した低遅延通信に係るIPパケットについて、その各種情報(以下格納IPパケット情報と言う。)を記憶する。格納IPパケット情報は、例えば、IPパケットの5タプル、送信開始時刻、QoSタイプ、データサイズの情報を含む。格納IPパケット情報は、当該IPパケットのヘッダに格納されている情報に基づく。
パケット受信部110は、コアネットワーク20側からの下りパケットを受信し、低遅延通信判別部120に送信する。
低遅延通信判別部120は、低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別する。低遅延通信判別部120は、低遅延通信のIPパケットの場合は、当該IPパケットをパケット分類部130に送信する。一方、BE通信のIPパケットの場合は、低遅延通信判別部120は、当該IPパケットをBE通信パケット用キュー160に送信する。低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別は、IPパケットのヘッダに格納されている通信種別を示す情報を参照すればよい(図4参照)。また、低遅延通信判別部120は、パケット分類部130にパケットを送信すると同時に、格納IPパケット情報を記憶部190に格納する。
パケット分類部130は、低遅延通信のIPパケットについてさらに映像系と制御系にクラス分けする。このクラス分けはIPパケットのQoSクラスを参照すればよい。そして、パケット分類部130は、映像系パケットに関しては記憶部190に格納されている前記変調方式情報を参照し、対応する変調方式毎に用意した映像系IPパケット用キュー140にパケットを送信する。一方、制御系IPパケットに関してはデータサイズが小さいため、適用される変調方式によって伝送に要する時間が変わらないと考えられるので、全ての制御系IPパケットを制御系IPパケット用キュー150に送信する。
映像系IPパケット用キュー140は、下りの映像系IPパケットを格納するキューであり、変調方式に応じて複数設けられている。図6の例では、映像系IPパケット(変調方式1)用キュー、映像系IPパケット(変調方式2)用キュー、映像系IPパケット(変調方式n)用キューはそれぞれの変調方式、例えば64QAMで符号化率が2/3の方式を変調方式1、16QAMで符号化率が1/2の方式を変調方式2とした場合などにおいて、それぞれの変調方式に対応したキューであり、n種類の変調方式がある場合はn種類のキュー部を用意する。
制御系IPパケット用キュー150は、下りの制御系IPパケットを格納するキューである。BE通信パケット用キュー160は、BE通信に係る下りのIPパケットを格納するキューである。
パケットスケジューリング部170は、記憶部190に記憶されている格納IPパケット情報及び伝送情報を参照し、低遅延通信のIPパケットが送信元のサーバ2から送信先のUE1に伝送するのに要する時間が低遅延通信のIPパケットのQoSクラスで定められた要求時間となるタイミングで、低遅延通信のIPパケットが収容されている各キュー140又は150から低遅延通信のIPパケットを取り出し、パケット送信部180に送信する。また、パケットスケジューリング部170は、低遅延通信のIPパケットをパケット送信部180に送信しない時間帯には、BE通信パケット用キュー160からIPパケットを取り出し、パケット送信部180に送信する。
パケット送信部180は、パケットスケジューリング部170から渡されたIPパケットをWi−Fiルータ10に伝送する。
Wi−Fiルータ10は中継装置100から伝送されてきたIPパケットを、使用可能な無線リソースを用いてUE1に伝送する。したがって、Wi−Fiルータ10としては、既存のIPパケット伝送に用いる機構をそのまま使用すれば良く、Wi−Fiルータ10の個別更改は実施する必要がない。
次に、本実施の形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムの動作例について図面を参照して説明する。まず、図7及び図8を参照してサーバ2からUE1に映像系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図7に示すように、映像系IPパケットは、サーバ2から中継装置100のパケット受信部110に伝送され、さらにパケット受信部110から低遅延通信判別部120に伝送される(ステップS101〜S104)。低遅延通信判別部120は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部130に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部190に記憶する(S105〜S109)。パケット分類部130は、記憶部190から変調方式情報を取得し、格納先のキュー140又は150を判定し、映像系IPパケット用キュー140に当該IPパケットを格納する(ステップS110〜S114)。
図8に示すように、映像系IPパケット用キュー140は、パケットスケジューリング部170にIPパケットの送信要求を行う(ステップS115)。パケットスケジューリング部170は、記憶部190から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でUEへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS116〜S118)。映像系IPパケット用キュー140は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部170に伝送する(ステップS119〜S120)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部170からパケット送信部180・Wi−Fiルータ10を介してUE1に伝送される(ステップS121〜S126)。
次に、図9及び図10を参照してサーバ2からUE1に制御系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図9に示すように、制御系IPパケットは、サーバ2から中継装置100のパケット受信部110に伝送され、さらにパケット受信部110から低遅延通信判別部120に伝送される(ステップS151〜S154)。低遅延通信判別部120は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部130に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部190に記憶する(S155〜S159)。当該IPパケットは制御系IPパケットなので、パケット分類部130は、制御系IPパケット用キュー150に当該IPパケットを格納する(ステップS160〜S161)。
図10に示すように、制御系IPパケット用キュー150は、パケットスケジューリング部170にIPパケットの送信要求を行う(ステップS162)。パケットスケジューリング部170は、記憶部190から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でUEへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS163〜S165)。制御系IPパケット用キュー150は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部170に伝送する(ステップS166〜S167)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部170からパケット送信部180・Wi−Fiルータ10を介してUE1に伝送される(ステップS168〜S173)。
パケットスケジューリング部170の動作について図11のフローチャートを参照して説明する。パケットスケジューリング部170は、映像系IPパケット用キュー140又は制御系IPパケット用キュー150からのIPパケット送信要求を監視する(ステップS201)。当該IPパケット送信要求がない場合には(換言すれば、当該IPパケット送信要求がない時間帯には)、BE通信パケット用キュー160にIPパケットがあるかを判定し、ある場合には当該パケットをパケット送信部180に送信する(ステップS202〜S203)。
一方、前記IPパケット送信要求がない場合には、パケットスケジューリング部170は、記憶部190に格納IPパケット情報及び伝送情報を要求・取得する(ステップS204)。そして、パケットスケジューリング部170は、(現在時刻T−IPパケットの送信開始時刻t1)<(パケットスケジューリング部170からWi−Fiルータ10に当該IPパケットを伝送するために必要な時間r1+Wi−Fiルータ10からUE1に当該IPパケットを伝送するために必要な時間r2)を評価する(ステップS205)。
前記評価結果が真の場合、この場合は低遅延通信に係るIPパケットの送出がない時間帯であるので、パケットスケジューリング部170は、BE通信パケット用キュー160にIPパケットがあるかを判定し、ある場合には当該パケットをパケット送信部180に送信する(ステップS206〜S207)。前記評価結果が偽の場合、パケットスケジューリング部170は、映像系IPパケット用キュー140又は制御系IPパケット用キュー150からのIPパケット送信要求を受諾し、当該IPパケットをパケット送信部180に送信する(ステップS208)。
以上のパケットスケジューリングにより、結果として、SIRが良くない状態であるために低スループットとなる変調方式が適用されるセルエッジに在圏するUEが送信先となっている低遅延通信のIPパケットを優先的に伝送し、良好なSIRにより高スループットとなる変調方式が適用されるセル中心部に在圏するUEが送信先となっている低遅延通信のIPパケットを、低遅延通信を利用するサービスの要求時間に応じてキューイングすることになり、セルに在圏する全てのUEに対して、IPパケットに要求される遅延時間でIPパケットを伝送させることが可能となる。つまり、セルに在圏する全てのUEに対する遅延時間のジッタを平準化し、Wi−FiルータとUE間のスループットが異なるUE1に対して、要求される遅延時間が同じIPパケットであれば、同一の遅延時間を保証することが可能となる。つまり、同一サービスに加入するUEに対して同一の遅延時間を保証することが可能となる。
[実施形態2]
次に、既存のWi−Fiの上り方向の通信に本発明を適用した場合の実施形態を示す。
本実施形態では、IPパケットの送信元をUE、IPパケットの送信先をサーバとした上り通信を例として説明する。
本実施形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムは、実施形態1と同様に、ネットワーク構成における基地局の上位階梯、ここではWi−Fiルータ10の上位階梯であって、且つ、コアネットワーク20の下位階梯に中継装置101を配置する。UE1の通信相手先は、コアネットワーク20側に位置するサーバ2である。
図12に示すように、中継装置101は、パケット受信部111と、低遅延通信判別部121と、パケット分類部131と、1つの映像系IPパケット用キュー141と、制御系IPパケット用キュー151と、BE通信パケット用キュー161と、パケットスケジューリング部171と、パケット送信部181と、記憶部191とを備えている。
記憶部191には、(a)低遅延通信のQoSタイプと要求される遅延時間の関係を含む遅延要求情報と、(b)IPパケットのサイズと中継装置101からサーバ2までIPパケットを伝送するために要する時間の関係を含む伝送情報が、予めデータベースとして記憶されている。また、記憶部191は、後述のパケット分類部131が映像系IPパケット用キュー141又は制御系IPパケット用キュー151に格納した低遅延通信に係るIPパケットについて、その各種情報(以下格納IPパケット情報と言う。)を記憶する。格納IPパケット情報は、例えば、IPパケットの5タプル、送信開始時刻、QoSタイプ、データサイズの情報を含む。格納IPパケット情報は、当該IPパケットのヘッダに格納されている情報に基づく。
パケット受信部111は、UE1側からの上りパケットを受信し、低遅延通信判別部121に送信する。
低遅延通信判別部121は、低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別する。低遅延通信判別部121は、低遅延通信のIPパケットの場合は、当該IPパケットをパケット分類部131に送信する。一方、BE通信のIPパケットの場合は、低遅延通信判別部121は、当該IPパケットをBE通信パケット用キュー161に送信する。低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別は、IPパケットのヘッダに格納されている通信種別を示す情報を参照すればよい(図4参照)。また、低遅延通信判別部121は、パケット分類部131にパケットを送信すると同時に、格納IPパケット情報を記憶部191に格納する。
パケット分類部131は、低遅延通信のIPパケットについてさらに映像系と制御系にクラス分けする。このクラス分けはIPパケットのQoSクラスを参照すればよい。そして、パケット分類部131は、映像系パケットに関しては映像系IPパケット用キュー141にパケットを送信し、制御系IPパケットに関しては制御系IPパケット用キュー151に送信する。
映像系IPパケット用キュー141は、上りの映像系IPパケットを格納するキューである。制御系IPパケット用キュー151は、上りの制御系IPパケットを格納するキューである。BE通信パケット用キュー161は、BE通信に係る上りのIPパケットを格納するキューである。
パケットスケジューリング部171は、記憶部191に記憶されている格納IPパケット情報及び伝送情報を参照し、低遅延通信のIPパケットが送信元のUE1から送信先のサーバ2に伝送するのに要する時間が低遅延通信のIPパケットのQoSクラスで定められた要求時間となるタイミングで、低遅延通信のIPパケットが収容されている各キュー141又は151から低遅延通信のIPパケットを取り出し、パケット送信部181に送信する。また、パケットスケジューリング部171は、低遅延通信のIPパケットをパケット送信部181に送信しない時間帯には、BE通信パケット用キュー161からIPパケットを取り出し、パケット送信部181に送信する。
パケット送信部181は、パケットスケジューリング部171から渡されたIPパケットをコアネットワーク20に伝送する。
次に、本実施の形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムの動作例について図面を参照して説明する。まず、図13及び図14を参照してUE1からサーバ2に映像系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図13に示すように、映像系IPパケットは、UE1からWi−Fiルータ10を介して中継装置101のパケット受信部111に伝送され、さらにパケット受信部111から低遅延通信判別部121に伝送される(ステップS301〜S306)。低遅延通信判別部121は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部131に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部191に記憶する(S307〜S311)。当該IPパケットは映像系IPパケットなので、パケット分類部131は、当該IPパケットを映像系IPパケット用キュー141に格納する(ステップS312〜S313)。
図14に示すように、映像系IPパケット用キュー141は、パケットスケジューリング部171にIPパケットの送信要求を行う(ステップS314)。パケットスケジューリング部171は、記憶部191から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でサーバへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS315〜S317)。映像系IPパケット用キュー141は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部171に伝送する(ステップS318〜S319)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部171からパケット送信部181を介してサーバ2に伝送される(ステップS121〜S126)。
次に、図15及び図16を参照してUE1からサーバ2に制御系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図15に示すように、制御系IPパケットは、UE1からWi−Fiルータ10を介して中継装置101のパケット受信部111に伝送され、さらにパケット受信部111から低遅延通信判別部121に伝送される(ステップS351〜S356)。低遅延通信判別部121は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部131に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部191に記憶する(S357〜S361)。当該IPパケットは制御系IPパケットなので、パケット分類部131は、制御系IPパケット用キュー151に当該IPパケットを格納する(ステップS362〜S363)。
図16に示すように、制御系IPパケット用キュー151は、パケットスケジューリング部171にIPパケットの送信要求を行う(ステップS364)。パケットスケジューリング部171は、記憶部191から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でサーバへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS365〜S367)。制御系IPパケット用キュー151は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部171に伝送する(ステップS368〜S369)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部171からパケット送信部181を介してサーバ2に伝送される(ステップS370〜S371)。
以上のパケットスケジューリングにより、結果として、SIRが良くない状態であるために低スループットとなる変調方式が適用されるセルエッジに在圏するUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットを優先的に伝送し、良好なSIRにより高スループットとなる変調方式が適用されるセル中心部に在圏するUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットを、低遅延通信を利用するサービスの要求時間に応じてキューイングすることになり、セルに在圏する全てのUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットに対して、IPパケットに要求される遅延時間でIPパケットを送信先のサーバに伝送させることが可能となる。つまり、セルに在圏する全てのUEに対する遅延時間のジッタを平準化し、Wi−FiルータとUE間のスループットが異なるUEに対して、要求される遅延時間が同じIPパケットであれば、同一の遅延時間を保証することが可能となる。つまり、同一サービスに加入するUEに対して同一の遅延時間を保証することが可能となる。
[実施形態3]
既存のLTEの下り方向の通信に本発明を適用した場合の実施形態を示す。
本実施形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムは、図17に示すように、ネットワーク構成における基地局の上位階梯、ここではeNB(evolved Node B)11の上位階梯であって、且つ、コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)21の下位階梯に中継装置102を配置する。UE1の通信相手先は、EPC21側に位置するサーバ2である。
本実施形態では、IPパケットの送信元をサーバ2、IPパケットの送信先をUE1とした下り通信を例として説明する。
図18に示すように、中継装置102は、パケット受信部112と、低遅延通信判別部122と、パケット分類部132と、複数の映像系IPパケット用キュー142と、制御系IPパケット用キュー152と、BE通信パケット用キュー162と、複数のパケットスケジューリング部172と、パケット送信部182と、記憶部192とを備えている。
記憶部192には、(a)送信先のUE1と適用する変調方式の組み合わせを示す変調方式情報と、(b)低遅延通信のQoSタイプと要求される遅延時間の関係を含む遅延要求情報と、(c)IPパケットのサイズと各変調方式が適用された場合に中継装置102からUE1までIPパケットを伝送するために要する時間の関係を含む伝送情報が、予めデータベースとして記憶されている。前記伝送情報は、中継装置102からeNB11までIPパケットを伝送するために要する時間と、各変調方式を用いてeNB11からUE1までIPパケットを伝送するために要する時間とを含む。また、記憶部192は、後述のパケット分類部132が映像系IPパケット用キュー142又は制御系IPパケット用キュー152に格納した低遅延通信に係るIPパケットについて、その各種情報(以下格納IPパケット情報と言う。)を記憶する。格納IPパケット情報は、例えば、IPパケットの5タプル、送信開始時刻、QoSタイプ、データサイズの情報を含む。格納IPパケット情報は、当該IPパケットのヘッダに格納されている情報に基づく。
パケット受信部112は、EPC21側からの下りパケットを受信し、低遅延通信判別部122に送信する。
低遅延通信判別部122は、低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別する。低遅延通信判別部122は、低遅延通信のIPパケットの場合は、当該IPパケットをパケット分類部132に送信する。一方、BE通信のIPパケットの場合は、低遅延通信判別部122は、当該IPパケットをBE通信パケット用キュー162に送信する。低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別は、IPパケットのヘッダに格納されている通信種別を示す情報を参照すればよい(図4参照)。また、低遅延通信判別部122は、パケット分類部132にパケットを送信すると同時に、格納IPパケット情報を記憶部192に格納する。
パケット分類部132は、低遅延通信のIPパケットについてさらに映像系と制御系にクラス分けする。このクラス分けはIPパケットのQoSクラスを参照すればよい。そして、パケット分類部132は、映像系パケットに関しては記憶部192に格納されている前記変調方式情報を参照し、対応する変調方式毎に用意した映像系IPパケット用キュー142にパケットを送信する。一方、制御系IPパケットに関してはデータサイズが小さいため、適用される変調方式によって伝送に要する時間が変わらないと考えられるので、全ての制御系IPパケットを制御系IPパケット用キュー152に送信する。
映像系IPパケット用キュー142は、下りの映像系IPパケットを格納するキューであり、変調方式に応じて複数設けられている。図18の例では、映像系IPパケット(変調方式1)用キュー、映像系IPパケット(変調方式2)用キュー、映像系IPパケット(変調方式n)用キューはそれぞれの変調方式、例えば64QAMで符号化率が2/3の方式を変調方式1、16QAMで符号化率が1/2の方式を変調方式2とした場合などにおいて、それぞれの変調方式に対応したキューであり、n種類の変調方式がある場合はn種類のキュー部を用意する。
制御系IPパケット用キュー152は、下りの制御系IPパケットを格納するキューである。BE通信パケット用キュー162は、BE通信に係る下りのIPパケットを格納するキューである。
本実施形態では発明の適用先がLTEであるため、パケットスケジューリング部172はBE通信パケット用キュー162を除くすべてのキュー142又は152に対して1:1となるように用意する。BE通信パケット用キュー192は、映像系IPパケット用キュー162に接続されているパケットスケジューリング部172に接続する。
各パケットスケジューリング部170は、記憶部192に記憶されている格納IPパケット情報及び伝送情報を参照し、低遅延通信のIPパケットが送信元のサーバ2から送信先のUE1に伝送するのに要する時間が低遅延通信のIPパケットのQoSクラスで定められた要求時間となるタイミングで、自身に接続されている低遅延通信のIPパケットが収容されている各キュー142又は152から低遅延通信のIPパケットを取り出し、パケット送信部182に送信する。
また、映像系IPパケット用キュー142に接続されているパケットスケジューリング部172は、低遅延通信のIPパケットをパケット送信部182に送信しない時間帯には、BE通信パケット用キュー162からIPパケットを取り出し、パケット送信部182に送信する。
パケット送信部182は、パケットスケジューリング部172から渡されたIPパケットをeNB11に伝送する。
eNB11は中継装置102から伝送されてきたIPパケットを、使用可能な無線リソースを用いてUE1に伝送する。したがって、eNB11としては、既存のIPパケット伝送に用いる機構をそのまま使用すれば良く、eNB11の個別更改は実施する必要がない。
次に、本実施の形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムの動作例について図面を参照して説明する。まず、図19及び図20を参照してサーバ2からUE1に映像系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図19に示すように、映像系IPパケットは、サーバ2から中継装置102のパケット受信部112に伝送され、さらにパケット受信部112から低遅延通信判別部122に伝送される(ステップS401〜S404)。低遅延通信判別部122は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部132に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部192に記憶する(S405〜S409)。パケット分類部132は、記憶部192から変調方式情報を取得し、格納先のキュー142又は152を判定し、映像系IPパケット用キュー142に当該IPパケットを格納する(ステップS410〜S414)。
図20に示すように、映像系IPパケット用キュー142は、パケットスケジューリング部172にIPパケットの送信要求を行う(ステップS415)。パケットスケジューリング部172は、記憶部192から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でUEへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS416〜S418)。映像系IPパケット用キュー142は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部172に伝送する(ステップS419〜S420)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部172からパケット送信部182・eNB11を介してUE1に伝送される(ステップS421〜S426)。
次に、図21及び図22を参照してサーバ2からUE1に制御系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図21に示すように、制御系IPパケットは、サーバ2から中継装置102のパケット受信部112に伝送され、さらにパケット受信部112から低遅延通信判別部122に伝送される(ステップS451〜S454)。低遅延通信判別部122は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部132に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部192に記憶する(S455〜S459)。当該IPパケットは制御系IPパケットなので、パケット分類部132は、制御系IPパケット用キュー152に当該IPパケットを格納する(ステップS460〜S461)。
図22に示すように、制御系IPパケット用キュー152は、パケットスケジューリング部172にIPパケットの送信要求を行う(ステップS462)。パケットスケジューリング部172は、記憶部192から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でUEへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS463〜S465)。制御系IPパケット用キュー152は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部172に伝送する(ステップS466〜S467)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部172からパケット送信部182・eNB11を介してUE1に伝送される(ステップS468〜S473)。
以上のパケットスケジューリングにより、結果として、SIRが良くない状態であるために低スループットとなる変調方式が適用されるセルエッジに在圏するUEが送信先となっている低遅延通信のIPパケットを優先的に伝送し、良好なSIRにより高スループットとなる変調方式が適用されるセル中心部に在圏するUEが送信先となっている低遅延通信のIPパケットを、低遅延通信を利用するサービスの要求時間に応じてキューイングすることになり、セルに在圏する全てのUEに対して、IPパケットに要求される遅延時間でIPパケットを伝送させることが可能となる。つまり、セルに在圏する全てのUEに対する遅延時間のジッタを平準化し、eNBとUE間のスループットが異なるUEに対して、要求される遅延時間が同じIPパケットであれば、同一の遅延時間を保証することが可能となる。つまり、同一サービスに加入するUEに対して同一の遅延時間を保証することが可能となる。
[実施形態4]
次に、既存のLTEの上り方向の通信に本発明を適用した場合の実施形態を示す。
本実施形態では、IPパケットの送信元をUE、IPパケットの送信先をサーバとした上り通信を例として説明する。
本実施形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムは、実施形態3と同様に、ネットワーク構成における基地局の上位階梯、ここではeNB11の上位階梯であって、且つ、EPC21の下位階梯に中継装置103を配置する。UE1の通信相手先は、EPC21側に位置するサーバ2である。
図23に示すように、中継装置103は、パケット受信部111と、低遅延通信判別部123と、パケット分類部133と、1つの映像系IPパケット用キュー143と、制御系IPパケット用キュー153と、BE通信パケット用キュー163と、2つのパケットスケジューリング部173と、パケット送信部183と、記憶部193とを備えている。
記憶部193には、(a)低遅延通信のQoSタイプと要求される遅延時間の関係を含む遅延要求情報と、(b)IPパケットのサイズと中継装置103からサーバ2までIPパケットを伝送するために要する時間の関係を含む伝送情報が、予めデータベースとして記憶されている。また、記憶部193は、後述のパケット分類部133が映像系IPパケット用キュー143又は制御系IPパケット用キュー153に格納した低遅延通信に係るIPパケットについて、その各種情報(以下格納IPパケット情報と言う。)を記憶する。格納IPパケット情報は、例えば、IPパケットの5タプル、送信開始時刻、QoSタイプ、データサイズの情報を含む。格納IPパケット情報は、当該IPパケットのヘッダに格納されている情報に基づく。
パケット受信部113は、UE1側からの上りパケットを受信し、低遅延通信判別部123に送信する。
低遅延通信判別部123は、低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別する。低遅延通信判別部123は、低遅延通信のIPパケットの場合は、当該IPパケットをパケット分類部133に送信する。一方、BE通信のIPパケットの場合は、低遅延通信判別部123は、当該IPパケットをBE通信パケット用キュー163に送信する。低遅延通信のIPパケットとBE通信のIPパケットを区別は、IPパケットのヘッダに格納されている通信種別を示す情報を参照すればよい(図4参照)。また、低遅延通信判別部123は、パケット分類部133にパケットを送信すると同時に、格納IPパケット情報を記憶部193に格納する。
パケット分類部133は、低遅延通信のIPパケットについてさらに映像系と制御系にクラス分けする。このクラス分けはIPパケットのQoSクラスを参照すればよい。そして、パケット分類部133は、映像系パケットに関しては映像系IPパケット用キュー143にパケットを送信し、制御系IPパケットに関しては制御系IPパケット用キュー153に送信する。
映像系IPパケット用キュー143は、上りの映像系IPパケットを格納するキューである。制御系IPパケット用キュー153は、上りの制御系IPパケットを格納するキューである。BE通信パケット用キュー163は、BE通信に係る上りのIPパケットを格納するキューである。
本実施形態では発明の適用先がLTEであるため、パケットスケジューリング部173は映像系IPパケット用キュー143及びBE通信パケット用キュー163に接続されているものと、制御系IPパケット用キュー153に接続されているものを用意する。
各パケットスケジューリング部173は、記憶部193に記憶されている格納IPパケット情報及び伝送情報を参照し、低遅延通信のIPパケットが送信元のUE1から送信先のサーバ2に伝送するのに要する時間が低遅延通信のIPパケットのQoSクラスで定められた要求時間となるタイミングで、低遅延通信のIPパケットが収容されている各キュー143又は153から低遅延通信のIPパケットを取り出し、パケット送信部183に送信する。
また、BE通信パケット用キュー163が接続されているパケットスケジューリング部173は、低遅延通信のIPパケットをパケット送信部183に送信しない時間帯には、BE通信パケット用キュー163からIPパケットを取り出し、パケット送信部183に送信する。
パケット送信部183は、パケットスケジューリング部173から渡されたIPパケットをEPCに伝送する。
次に、本実施の形態に係る低遅延通信のジッタ平準化システムの動作例について図面を参照して説明する。まず、図24及び図25を参照してUE1からサーバ2に映像系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図24に示すように、映像系IPパケットは、UE1からeNB11を介して中継装置103のパケット受信部113に伝送され、さらにパケット受信部113から低遅延通信判別部123に伝送される(ステップ5301〜S506)。低遅延通信判別部123は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部133に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部193に記憶する(S507〜S511)。当該IPパケットは映像系IPパケットなので、パケット分類部133は、当該IPパケットを映像系IPパケット用キュー143に格納する(ステップS512〜S513)。
図25に示すように、映像系IPパケット用キュー143は、パケットスケジューリング部173にIPパケットの送信要求を行う(ステップS514)。パケットスケジューリング部173は、記憶部193から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でサーバへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS515〜S517)。映像系IPパケット用キュー143は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部173に伝送する(ステップS518〜S519)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部173からパケット送信部183を介してサーバ2に伝送される(ステップS521〜S526)。
次に、図26及び図27を参照してUE1からサーバ2に制御系IPパケットを伝送する処理例について説明する。
図26に示すように、制御系IPパケットは、UE1からeNB11を介して中継装置103のパケット受信部113に伝送され、さらにパケット受信部113から低遅延通信判別部123に伝送される(ステップS551〜S556)。低遅延通信判別部123は、当該IPパケットが低遅延通信に係るものであると判別して、当該IPパケットをパケット分類部133に送信するとともに、格納IPパケット情報を記憶部193に記憶する(S557〜S561)。当該IPパケットは制御系IPパケットなので、パケット分類部133は、制御系IPパケット用キュー153に当該IPパケットを格納する(ステップS562〜S563)。
図27に示すように、制御系IPパケット用キュー153は、パケットスケジューリング部173にIPパケットの送信要求を行う(ステップS564)。パケットスケジューリング部173は、記憶部193から当該IPパケットの格納IPパケット情報及び伝送情報を取得し、QoSクラスで定められた要求時間でサーバへの伝送完了可能なタイミングで送信要求を受諾する(ステップS565〜S567)。制御系IPパケット用キュー153は、当該IPパケットをパケットスケジューリング部173に伝送する(ステップS568〜S569)。そして、当該IPパケットは、パケットスケジューリング部173からパケット送信部183を介してサーバ2に伝送される(ステップS570〜S571)。
以上のパケットスケジューリングにより、結果として、SIRが良くない状態であるために低スループットとなる変調方式が適用されるセルエッジに在圏するUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットを優先的に伝送し、良好なSIRにより高スループットとなる変調方式が適用されるセル中心部に在圏するUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットを、低遅延通信を利用するサービスの要求時間に応じてキューイングすることになり、セルに在圏する全てのUEが送信元となっている低遅延通信のIPパケットに対して、IPパケットに要求される遅延時間でIPパケットを送信先のサーバに伝送させることが可能となる。つまり、セルに在圏する全てのUEに対する遅延時間のジッタを平準化し、eNBとUE間のスループットが異なるUEに対して、要求される遅延時間が同じIPパケットであれば、同一の遅延時間を保証することが可能となる。つまり、同一サービスに加入するUEに対して同一の遅延時間を保証することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態1及び2ではアクセス回線としてWi−Fi規格の無線LANを用いた場合について詳述し、上記実施形態3及び4ではアクセス回線として広域無線通信網であるLTEを用いたが、他の無線方式のアクセス回線であっても本発明を実施することができる。
また、上記実施の形態では、UE1として映像信号を送受信する端末を例示したが、他の端末であっても本発明を実施することができる。
また、上記実施の形態では、低遅延通信のサービスクラスとして、映像系IPパケットの伝送で用いる第1のサービスクラスと、制御系IPパケットの伝送で用いる第2のサービスクラスの2つを提供するものとし、前記第1のサービスクラスのパケットについて本願発明に係るパケットスケジューリング技術を適用していたが、第2のサービスクラスを省略して単一のサービスクラスとしてもよい。さらに、低遅延通信サービスクラスとして、第3、第4、第5…のサービスクラスを提供するものとしてもよい。この場合、必要に応じて任意のサービスクラスに本願発明に係るパケットスケジューリング技術を適用することができる。
また、上記実施の形態では、低遅延通信に係る下りの映像系IPパケットを格納するキューをその伝送時間に対応して複数設けるための形態として、伝送時間と密接な関係性を有する無線アクセス区間における変調方式による区分けしていたが、他のパラメータによる区分けを行ってもよいし、直接的に伝送時間による区分けとしてもよい。
また、上記実施の形態では、通信プロトコルとしてIPについて例示したが他のプロトコルであっても本発明を実施できる。