JP2018123237A - ポリアミドフィルム用組成物およびそれからなるポリアミドフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムの原料となる組成物、および長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムを提供すること。【解決手段】ポリアミド(A)および芳香族第二級アミン(B)を含有し、ポリアミド(A)における、ジカルボン酸に由来する構成単位の60〜100モル%がテレフタル酸に由来する構成単位であり、ジアミンに由来する構成単位の60〜100モル%が炭素数9の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である、ポリアミドフィルム用組成物、および、当該ポリアミドフィルム用組成物からなるポリアミドフィルムによって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミドフィルム用組成物およびそれからなるポリアミドフィルムに関する。
半芳香族ポリアミドは脂肪族ポリアミドと比較して耐熱性等の種々の性能に優れており、様々な産業用途を見据えて開発が進められている。
例えば特許文献1には、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、炭素数が9の脂肪族ジアミンを主成分とするジアミンとから構成される半芳香族ポリアミドを含有する特定のフィルムについて、外観上の欠点であるフィッシュアイが低減され、高品質である旨が記載されている。
国際公開第2012/067172号
一方、フィルムを工業用途に用いる場合、比較的高い環境温度に長時間曝されることによる劣化が問題となる。しかしながら、従来のポリアミドフィルムは長期耐熱性が不十分であった。
すなわち本発明の課題は、長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムの原料となる組成物、および長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、特定のポリアミドおよび芳香族第二級アミンを含有する組成物を用いることで、上記目的が達成されることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、下記[1]〜[3]に関する。
[1]ポリアミド(A)および芳香族第二級アミン(B)を含有し、ポリアミド(A)における、ジカルボン酸に由来する構成単位の60〜100モル%がテレフタル酸に由来する構成単位であり、ジアミンに由来する構成単位の60〜100モル%が炭素数9の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である、ポリアミドフィルム用組成物。
[2]芳香族第二級アミン(B)が4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンである、[1]のポリアミドフィルム用組成物。
[3][1]または[2]のポリアミドフィルム用組成物からなるポリアミドフィルム。
本発明によれば、長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムの原料となる組成物、および長期耐熱性に優れるポリアミドフィルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアミドフィルム用組成物は、ポリアミド(A)および芳香族第二級アミン(B)を含有し、前記ポリアミドにおける、ジカルボン酸に由来する構成単位の60〜100モル%がテレフタル酸に由来する構成単位であり、かつジアミンに由来する構成単位の60〜100モル%が炭素数9の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である。
なお、以下、「〜に由来する構成単位」を単に「〜単位」と称することがある。
(ポリアミド(A))
ポリアミド(A)において、ジカルボン酸単位の60〜100モル%がテレフタル酸単位である。得られるフィルムの長期耐熱性および低吸水性などの観点から、ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の含有量は、70〜100モル%であることが好ましく、90〜100モル%であることがより好ましい。
ポリアミド(A)におけるジカルボン酸単位は、本発明の効果を損なわない範囲で、テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位を含むことができる。テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ジメチルマロン酸、3,3−ジエチルコハク酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸、シクロオクタンジカルボン酸、シクロデカンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などに由来する構成単位が挙げられる。これらの単位は1種又は2種以上であってもよい。
また、ポリアミド(A)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸に由来する構成単位を溶融成形が可能な範囲で含ませることもできる。
ポリアミド(A)において、ジアミン単位の60〜100モル%が炭素数9の脂肪族ジアミン単位である。得られるフィルムの長期耐熱性、低吸水性および耐薬品性などの観点から、ジアミン単位中の炭素数9の脂肪族ジアミン単位の含有量は、70〜100モル%であることが好ましく、90〜100モル%であることがより好ましい。
炭素数9の脂肪族ジアミン単位としては、例えば1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミンなどに由来する構成単位が挙げられる。中でも、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、成形性の観点から、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位であることがより好ましい。
炭素数9の脂肪族ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を共に含む場合には、長期耐熱性の観点から、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、1,9−ノナンジアミン単位/2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=95/5〜40/60の範囲にあることが好ましく、90/10〜50/50の範囲にあることがより好ましく、90/10〜60/40の範囲にあることがさらに好ましい。
ポリアミド(A)におけるジアミン単位は、本発明の効果を損なわない範囲で、炭素数9の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位を含むことができる。炭素数9の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族ジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどに由来する構成単位が挙げられる。これらの単位は1種又は2種以上であってもよい。
また、ポリアミド(A)はアミノカルボン酸単位を含んでもよい。アミノカルボン酸単位としては、例えば、カプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム;11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができる。ポリアミド(A)におけるアミノカルボン酸単位の含有量は、ポリアミド(A)のジカルボン酸単位とジアミン単位の合計100モル%に対して、40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。
ポリアミド(A)は末端封止剤由来の単位を含んでもよい。末端封止剤由来の単位は、ジアミン単位に対して1.0〜10モル%であることが好ましく、2.0〜7.5モル%であることがより好ましく、2.5〜6.5モル%であることがさらに好ましい。末端封止剤由来の単位が上記範囲にあると、本発明の組成物は成形性に優れ、また得られるフィルムは長期耐熱性により優れる。
末端封止剤由来の単位を上記所望の範囲とするには、重合原料仕込み時にジアミンに対して末端封止剤を上記所望の範囲となるよう仕込むことで行うことができる。なお、重合時にモノマー成分が揮発することを考慮して、得られる樹脂に所望量の末端封止剤由来の単位が導入されるよう、重合原料仕込み時の末端封止剤の仕込み量を微調整することが望ましい。
ポリアミド(A)中の末端封止剤由来の単位の含有量を求める方法としては、例えば、特開平07−228690号公報に示されているように、溶液粘度を測定し、これと数平均分子量の関係式から全末端基量を算出し、ここから滴定によって求めたアミノ基量とカルボキシル基量を減じる方法や、1H−NMRを用い、ジアミン単位と末端封止剤由来の単位のそれぞれに対応するシグナルの積分値に基づいて求める方法などが挙げられる。
末端封止剤としては、末端アミノ基もしくは末端カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物を用いることができる。具体的には、モノカルボン酸、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類、モノアミンなどが挙げられる。反応性および封止末端の安定性などの観点から、末端アミノ基に対する末端封止剤としては、モノカルボン酸が好ましく、末端カルボキシル基に対する末端封止剤としては、モノアミンが好ましい。また、取り扱いの容易さなどの観点から末端封止剤としてはモノカルボン酸がより好ましい。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリアミド(A)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法又は界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出重合法などの方法により製造することができる。
ポリアミド(A)は、例えば、最初にジアミン、ジカルボン酸、および必要に応じて触媒や末端封止剤を一括して添加してナイロン塩を製造した後、200〜250℃の温度において加熱重合してプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合することにより製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下又は不活性ガス流動下に行うのが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に抑制することができる。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合の重合温度としては、370℃以下であるのが好ましく、かかる条件で重合すると、分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミド(A)が得られる。
ポリアミド(A)を製造するに際して使用することができる触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩又はエステルが挙げられる。上記の塩又はエステルとしては、リン酸、亜リン酸又は次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸又は次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸又は次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを挙げることができる。これらの中では、亜リン酸が好ましい。触媒として亜リン酸を用いることで、他の触媒を用いる場合と比較して、フィルム製膜において、フィルターを用いることによる濾過の際の濾圧の上昇を抑制することができる。また、ポリアミドのゲル化を抑制することができ、得られるフィルムのフィッシュアイの発生が軽減される。
長期耐熱性および製造容易性等の観点から、本発明のポリアミドフィルム用組成物は、ポリアミド(A)を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましい。
(芳香族第二級アミン(B))
本発明のポリアミドフィルム用組成物は、芳香族第二級アミン(B)を含有する。芳香族第二級アミン(B)としては、例えば4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラックCD」等)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラックWhite」等)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラックDP」等)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラックPA」等)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラック810−NA」等)、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」等)、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製「ノクラックG−1」等)などが挙げられる。これらは1種または2種以上であってもよい。
中でも、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが好ましい。
長期耐熱性および経済性等の観点から、本発明のポリアミドフィルム用組成物は、芳香族第二級アミン(B)を、ポリアミド(A)100質量部に対して0.01〜2質量部含むことが好ましく、0.05〜1質量部含むことがより好ましい。
(その他の成分)
本発明のポリアミドフィルム用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等の滑剤粒子;カーボンブラック、酸化チタン等の顔料;染料;着色防止剤;酸化防止剤;耐候性改良剤;臭素系難燃剤、リン系難燃剤等の難燃剤;可塑剤;離型剤;タルク等の強化材;改質剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;防曇材;ポリアミド(A)以外のポリマーなどを含んでいてもよい。
(ポリアミドフィルム)
本発明のポリアミドフィルムは、上記した本発明のポリアミドフィルム用組成物からなり、当該本発明のポリアミドフィルム用組成物を用いて製造することができ、具体的には例えば、ポリアミド(A)、芳香族第二級アミン(B)および必要に応じてその他の成分を溶融して溶融ポリマーを得、該溶融ポリマーを必要に応じて金属焼結フィルター等に通した後、フィルム状に成形する方法などにより製造することができる。その際、国際公開第2012/067172号に記載の方法を準用することができる。
本発明のポリアミドフィルムの厚みは、0.5μm〜1.5mmが好ましく、1.0μm〜1.0mmがより好ましく、5〜500μmがさらに好ましい。
本発明のポリアミドフィルムは、長期耐熱性に優れると共に、機械特性、フレキシブル性、接着性、耐湿熱性、耐薬品性、低吸水性にも優れるため、例えば医薬品包装材料、レトルト食品等の食品包装材料、半導体パッケージ用等の電子部品包装材料、モーター、トランス、ケーブル等のための電気絶縁材料、コンデンサ等の誘電体材料、カセットテープ、デジタルデータストレージ向けデータ保存用磁気テープ、ビデオテープ等の磁気テープ用材料、太陽電池基板、液晶板、導電性フィルム、表示機器等の保護板、LED実装基板、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルフラットケーブル等の電子基板材料、フレキシブルプリント配線用カバーレイフィルム、耐熱マスキング用テープ、工業用工程テープ等の耐熱粘着テープ、耐熱バーコードラベル、耐熱リフレクター、各種離型フィルム、耐熱粘着ベースフィルム、写真フィルム、成形用材料、農業用材料、医療用材料、土木、建築用材料、濾過膜などの様々な用途に好適に使用することができる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されない。
(ポリアミド9Tの製造)
1264gの1,9−ノナンジアミン、316gの2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1639gのテレフタル酸(1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン:テレフタル酸=80:20:99(モル比))、30.5gの安息香酸、3.3gの亜リン酸、1100gの水を反応装置に入れ、窒素置換した。2時間かけて内部温度を200℃に昇温した。この時、オートクレーブは2MPaまで昇圧した。その後2時間、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次いで、30分かけて圧力を1.2MPaまで下げ、プレポリマーを得た。このプレポリマーを粉砕し、120℃、減圧下で12時間乾燥した。これを230℃、13.3Paの条件で10時間固相重合し、ポリアミド9T(PA9T)を得た。
(ポリアミドフィルム用組成物の製造)
上記ポリアミド9Tを減圧下、120℃で24時間乾燥した後、表1に示す種類および量の熱安定剤をドライブレンドし、得られた混合物を二軸押出機(スクリュー径:30mm、L/D=28、シリンダー温度320℃、回転数150rpm)のホッパーからフィードして溶融混練し、ストランド状に押出した後、ペレタイザにより切断してペレット状の組成物(ポリアミドフィルム用組成物)を得た。得られた組成物を使用し、以下に示す方法によって各物性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018123237
(引張強さ)
得られたポリアミドフィルム用組成物を用いて、シリンダー温度320℃で射出成形(金型温度140℃)を行い、ISO多目的試験片A型を作製した。得られた試験片をISO527に従って測定し、引張強さを求めた。
(引張強度保持率)
得られたポリアミドフィルム用組成物を用いて、シリンダー温度320℃で射出成形(金型温度140℃)を行い、ISO多目的試験片A型を作製した。得られた試験片を150℃の熱風乾燥機中で500時間置いた後の引張強さをISO527に従って測定し、熱処理前の試験片の引張強さに対する割合(%)を算出した。
(分子量保持率)
得られたポリアミドフィルム用組成物を用いて、シリンダー温度320℃で射出成形(金型温度140℃)を行い、ISO多目的試験片A型を作製した。得られた試験片を150℃の熱風乾燥機中で500時間置いた後に分子量測定を実施し、熱処理前のサンプルの重量平均分子量をMw1、熱処理後のサンプルの重量平均分子量をMw2とし、分子量保持率を下記式で求めた。
分子量保持率(%)=Mw2/Mw1×100
なお、各重量平均分子量は、東ソー社製HLC−8320GPC、カラムTSK−gel SuperHM−Nを用いてポリメチルメタクリレート換算で測定した。
実施例および比較例で用いた各熱安定剤の詳細は以下に示す通りである。
ノクラックCD:4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、大内新興化学工業株式会社製
SUMILIZER GA−80:3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、住友化学株式会社製
芳香族第二級アミンを用いた実施例1では、ヒンダードフェノール系熱安定剤を用いた比較例1と比較し、150℃で500時間熱処理した際の引張強度保持率および分子量保持率が共に高い結果となった。このことから、本発明のポリアミドフィルム用組成物を用いて製造されるポリアミドフィルムは、長期耐熱性に優れることがわかる。
本発明のポリアミドフィルムは長期耐熱性に優れ、産業資材、工業材料、家庭用品などの用途に好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. ポリアミド(A)および芳香族第二級アミン(B)を含有し、ポリアミド(A)における、ジカルボン酸に由来する構成単位の60〜100モル%がテレフタル酸に由来する構成単位であり、ジアミンに由来する構成単位の60〜100モル%が炭素数9の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である、ポリアミドフィルム用組成物。
  2. 芳香族第二級アミン(B)が4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンである、請求項1に記載のポリアミドフィルム用組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリアミドフィルム用組成物からなるポリアミドフィルム。
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