JP2018118186A - 正浸透膜および水処理システム - Google Patents

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Kenji Sano
健二 佐野
昭子 鈴木
Akiko Suzuki
昭子 鈴木
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Tomohito Ide
智仁 井手
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Abstract

【課題】Js(Jsは溶質のリバースフラックス;水の透過流速)/Jwの小さい正浸透膜の提供。【解決手段】水処理システムに使用される、被処理水と有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む作業媒体とを隔てるアミノ基404を含む正浸透膜401であって、三酢酸セルロース膜403を備え、作業媒体側の三酢酸セルロース膜表面をシランカップリング剤で処理して導入された、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである正浸透膜401。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、正浸透膜(FO膜)および水処理システムに関する。
低い濃度の溶液と高い濃度の溶液とを浸透膜で隔離すると、低い濃度の溶液の溶媒は、浸透膜を透過して高い濃度の溶液側に移動する。この溶媒が移動する現象を利用することにより、海水淡水化などの脱塩に使用したり、タービンを回して発電する浸透圧発電装置に使用したりするシステムが知られている。その他、この水の移動過程を用いて食品や汚泥の濃縮に使われている。このとき濃度の高い側に使用される溶液が作業媒体(ドロー液: Draw solution)である。作業媒体は、従来より種々のものが提案されている。
作業媒体は、水の吸収速度(透過流束:Jw)が大きいことが要求される。加えて、作業媒体中の溶質が正浸透膜の反対側に流出するリバースフラックス(Reverse flux[Js])の量が少ないことも要求される。リバースフラックスが大きいと、長時間の運転に伴って、作業媒体中の溶質濃度が減少する。水の透過流束は、作業媒体中の溶質濃度に依存するため、作業媒体中の溶質濃度が減少すると、水の透過流束が低下する。このため、作業媒体は溶質を一定の期間で補充することが必要になる。これは、運転コストを増大させる。また、食品や飲料水の濃縮に適用する水処理システムの場合、濃縮する食品や飲料水に溶質が混入しては品質を低下する虞がある。このため、リバースフラックスの小さい作業媒体が求められている。
作業媒体の性能は、透過流束に合わせてJs/Jwが指標として用いられる。Js/Jwは、小さいほど水処理システムの性能が高くなる。作業媒体の溶質は、小さなJs/Jwを示し、コストも低い無機物である塩化マグネシウムが注目されている。
一方、作業媒体中の溶質の漏れが少ない正浸透膜を使用することも重要である。
特表2010−509540号公報 国際公開第2005/017352号 米国特許出願公開第2010/0024423号明細書
M. Elimelech, W. A. Philip, The future of seawater desalination: Energy, technology, and the environment, Science, 333 (2011) 712-717. (脱塩、濃縮、発電) R.L.McGinnis et al. "A novel ammonia-carbon dioxide osmotic heat engine for power generation" Science 305 (2007) 13-19 (発電) Achilli, T. Y. Cath, A. E. Childress, Selection of inorganic-based draw solutions for forward osmosis applications, J.Membr.Sci.,364(2010)233-241.(無機Draw液)
実施形態は、Js/Jwの小さい正浸透膜および低コストで運転可能な浸透圧を利用した水処理システムを提供する。
実施形態によると、水処理システムに使用される、被処理水と作業媒体とを隔てる正浸透膜であって、前記作業媒体側の表面に導入されたアミノ基を含む正浸透膜が提供される。
第1の実施形態に係る正浸透膜を示す概略図。 第1の実施形態に係る別の正浸透膜を示す概略図。 第1の実施形態に係る脱塩システムを示す概略図。 第1の実施形態に係る濃縮システムを示す概略図。 第2の実施形態に係る循環型浸透圧発電システムを示す概略図。 実施例に使用する試験装置の断面図。 図6の試験装置の分解斜視図。
以下、実施形態に係る正浸透膜および当該正浸透膜を備えた水処理システムを説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る正浸透膜は、水処理システムに使用される、被処理水と作業媒体(ドロー液)とを区画する正浸透膜であって、前記作業媒体に接する表面に結合したアミノ基を含む。
具体的には、被処理水と作業媒体とを区画する正浸透膜において、図1に示すように正浸透膜401は三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404とを備える。三酢酸セルロース膜403は、アミノ基404が結合された表面と反対側の表面が被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。ここで、「活性面」とは実質的に溶質の通過を阻止する性質を有し、ある程度の厚みを持つ構造を意味する。
また、別の実施形態に係る被処理水と作業媒体とを区画する正浸透膜において、図2に示すように正浸透膜401は、三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403表面に密着された基材405とを備える。基材405は、三酢酸セルロース膜403との密着面と反対側の表面をシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404を含む。三酢酸セルロース膜403は、作業媒体と接する表面と反対側の表面が被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。
このような図1に示す構成の正浸透膜401によれば、作業媒体に接する表面にアミノ基404が結合されているため、作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)が正浸透膜401を通して被処理水に移動する際、当該溶質をアミノ基404でトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量を低減できる。従って、長時間の水処理運転において作業媒体中の溶質濃度の低下を抑えることができるため、作業媒体への溶質の補充量を下げて、運転コストを低減できる。特に、作業媒体中の溶質が高コストである場合、運転コストを顕著に低減できる。
また、被処理水として食品や飲料水を用い、その濃縮に適用する場合、濃縮する食品や飲料水への溶質の混入を最小限に抑えることができる。それ故、品質の良好な濃縮食品や濃縮飲料水を得ることができる。
また、図2に示す構成の正浸透膜401によれば、作業媒体に接する表面にアミノ基404を結合した基材405を密着しているため、作業媒体中の溶質(例えば有機酸)が正浸透膜401を通して被処理水に移動する際、当該溶質をアミノ基404を結合した基材405でトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量を低減できる。従って、図1の正浸透膜と同様な効果を達成できる。
三酢酸セルロース膜は、45〜250μmの厚さを有することが好ましい。
シランカップリング剤は、例えばN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン,N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらのシランカップリング剤の中で、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランで三酢酸セルロース膜または基材の表面を処理して結合したアミノ基はH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。このようなアミノシランは、作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)を優位にトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量をより一層低減できる。
図2に示す基材405は、例えば濾紙、濾布、その他の高分子膜などを用いることができる。
図1に示す正浸透膜401は、例えば次のような方法により作製できる。
まず、マグネティックスターラーを用意し、その基台にシャーレを設置する。シャーレ内に撹拌子(スタラ−バー)を入れ、さらに水とシランカップリング剤からなる水溶液を入れる。撹拌子を回転させて水溶液を撹拌しながら、室温でシャーレ内の水溶液に三酢酸セルロース膜を作業媒体と接する表面が水溶液側に位置するように載せる。このとき、三酢酸セルロース膜は水溶液の水面に浮かぶ。この状態で、撹拌子を回転させて水溶液の撹拌を続行しながら、三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤を所望の時間反応させて三酢酸セルロース膜表面(作業媒体と接する表面)にアミノ基を導入して結合する。その後、正浸透膜をシャーレから取り出し、流水で所望時間洗浄し、水中に保管する。
図2に示す正浸透膜401は、例えば次のような方法により作製できる。
まず、マグネティックスターラーを用意し、その基台にシャーレを設置する。シャーレ内に撹拌子(スタラ−バー)を入れ、さらに水とシランカップリング剤からなる水溶液を入れる。撹拌子を回転させて水溶液を撹拌しながら、室温でシャーレ内の水溶液に基材(例えば、濾紙)を載せる。このとき、濾紙は水溶液の水面から少し沈んだ状態になる。この状態で、撹拌子を回転させて水溶液の撹拌を続行しながら、濾紙表面(作業媒体と接する表面)にシランカップリング剤を所望の時間反応させ、アミノ基を導入して結合する。つづいて、アミノ基が表面に結合された濾紙をシャーレから取り出し、流水で所望時間洗浄し、水中に保管する。その後、当該濾紙は使用時にアミノ基の結合表面と反対側の表面を三酢酸セルロース膜の表面に密着して正浸透膜を作製する。当該正浸透膜は、使用時に当該濾紙のアミノ基の結合表面が作動媒体に接するように配置される。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る水処理システムは、被処理水を収容する第1のチャンバと、浸透圧を誘起する作業媒体(ドロー液)を収容する第2のチャンバと、第1のチャンバと第2のチャンバとを区画する正浸透膜とを備える。このような水処理システムによれば、第1のチャンバ内の被処理水と第2のチャンバ内の作業媒体との間で生じる浸透圧差により第1のチャンバ内の被処理水中の水が正浸透膜を透過して第2のチャンバ内の作業媒体に移動する。
第2の実施形態において、正浸透膜は第2のチャンバ側の作業媒体と接する表面に結合したアミノ基を含む。具体的には、第1の実施形態で図1を参照して説明したように正浸透膜401は、三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403の表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404とを備える。三酢酸セルロース膜403は、アミノ基404が結合された表面と反対側の表面が第1のチャンバ側の被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。
また、別の正浸透膜401は、第1の実施形態で図2を参照して説明したように三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403表面に密着された基材405とを備える。基材405は、三酢酸セルロース膜403との密着面と反対側の表面をシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404を含む。三酢酸セルロース膜403は、作業媒体と接する表面と反対側の表面が第1のチャンバ側の被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。
このような図1、図2に示す構成の正浸透膜401によれば、作業媒体に接する表面にアミノ基404が結合されているため、作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)が正浸透膜401を通して被処理水に移動する際、当該溶質をアミノ基404でトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量を低減できる。
特に、正浸透膜401において、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面または同表面に密着された基材の表面をN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのようなシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基は、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。このため、正浸透膜401のアミノシランにより作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)を優位にトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量をより一層低減できる。
従って、長時間の水処理運転において作業媒体中の溶質濃度の低下を抑えることができるため、作業媒体への溶質の補充量を激減でき、水処理システムの運転コストを低減できる。また、被処理水として食品や飲料水を用い、その濃縮に適用する場合、濃縮する食品や飲料水への溶質の混入を最小限に抑えることができる。
被処理水は、例えば塩水(海水等)、湖水、河川水、沼水、生活排水、産業廃水またはそれらの混合物、或いは食品、飲料水を挙げることができる。食品、飲料水の例は、お茶、コーヒなどの清涼飲料水、果汁、乳製品、豆乳、糖液を含む。被処理水が塩水の場合、塩水の塩濃度は例えば、0.05%〜4%であればよい。
作業媒体は、例えば有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む。有機酸塩の例は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA2Na)を含む。糖アルコールの例は、キシリトール、エリスリトール、グリセリン、マルチトール、マンリトール、ソルビトールを含む。無機塩も作業媒体の溶質として使用できる。無機塩の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウムを含む。ただし、無機塩の中でJs/Jwが小さく、低コストの塩化カリウム(MgCl2)は例えば三酢酸セルロース膜の表面にアミノ基を導入した正浸透膜を用いても、作業媒体中の溶質としてのMgCl2のリバースフラックス(Js)の量を低減することが難しい。すなわち、実施形態に用いる正浸透膜は作業媒体中の溶質である有機酸塩または糖アルコールに優位にリバースフラックス(Js)の量を低減する、つまり溶質に対する選択的なリバースフラックス(Js)の量の低減効果を奏する。
次に、第2の実施形態に係る水処理システムの1つの例である脱塩システムを図3に示す概略図を参照して説明する。
脱塩システム100は、浸透圧発生器1と、希釈作業媒体タンク2と、逆浸透膜分離部3と、濃縮作業媒体タンク4とを備える。浸透圧発生器1、希釈作業媒体タンク2、逆浸透膜分離部3および濃縮作業媒体タンク4は、この順序で接続されてループを形成している。浸透圧を誘起する作業媒体(ドロー溶液)はこのループを循環する。すなわち、作業媒体は浸透圧発生器1、希釈作業媒体タンク2、逆浸透膜分離部3および濃縮作業媒体タンク4をこの順番で循環する。作業媒体は、有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む。
浸透圧発生器1は、例えば気密な第1の処理容器11を備えている。第1の処理容器11は、正浸透膜(FO膜)12により例えば水平方向に区画され、左側に第1のチャンバ13が、右側に第2のチャンバ14がそれぞれ形成されている。正浸透膜12は、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。当該アミノ基は、例えばH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。正浸透膜12において、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面は作業媒体が流通する第2のチャンバ14側に配置され、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面と反対側の表面は被処理水が流通する第1のチャンバ13側に配置されている。
塩水タンク15は、第1のチャンバ13が位置する第1の処理容器11の上部にパイプライン101aを通して接続されている。第1のポンプ16は、パイプライン101aに設けられている。濃縮された塩水を排出するためのパイプライン101bは、第1のチャンバ13が位置する第1の処理容器11の下部に接続されている。
濃縮作業媒体タンク4は、第2のチャンバ14が位置する第1の処理容器11の上部にパイプライン101cを通して接続されている。第2のポンプ17は、パイプライン101cに設けられている。第2のチャンバ14が位置する第1の処理容器11の下部は、希釈作業媒体タンク2にパイプライン101dを通して接続されている。
逆浸透膜分離部3は、例えば気密な第2の処理容器21を備えている。第2の処理容器21は、例えば逆浸透膜(RO膜)22により例えば水平方向に区画され、左側に第3のチャンバ23が、右側に第4のチャンバ24がそれぞれ形成されている。
前記希釈作業媒体タンク2は、第3のチャンバ23が位置する第2の処理容器31の下部にパイプライン101eを通して接続されている。第3のポンプ25は、パイプライン101eに設けられている。第3のチャンバ23が位置する第2の処理容器21の上部は、濃縮作業媒体タンク4にパイプライン101fを通して接続されている。第4のチャンバ24が位置する第2の処理容器21の下部は、純水タンク26にパイプライン101gを通して接続されている。純水タンク26には、当該純水タンク26内の純水を外部に送出して回収するためのパイプライン101hが接続されている。開閉弁27は、パイプライン101hに設けられ、純水タンク26内の純水が一定量を超えると開かれる。
次に、図3に示す脱塩システムによる脱塩操作を説明する。
第1のポンプ16を駆動して塩水(例えば海水)を塩水タンク15から浸透圧発生器1の第1のチャンバ13内にパイプライン101aを通して供給する。海水の供給と前後して第2のポンプ17を駆動して濃縮作業媒体を濃縮作業媒体タンク4から浸透圧発生器1の第2のチャンバ14内にパイプライン101cを通して供給する。このとき、第2のチャンバ14に供給された濃縮作業媒体は、第1のチャンバ13に供給された海水の塩濃度に比べて高濃度である。このため、第1のチャンバ13内の海水と第2のチャンバ14内の濃縮作業媒体との間で浸透圧差が生じ、海水中の水が正浸透膜12を透過して第2のチャンバ14内に移動する。すなわち、第1のチャンバ13内の海水中の多くの水を第2のチャンバ14の濃縮作業媒体に移動でき、塩水から水(純水)を取り出す高効率の脱塩処理がなされる。また、正浸透膜12は作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。このため、三酢酸セルロース膜の当該アミノ基が結合された表面と接触する作業媒体中の溶質が正浸透膜12を透過して被処理水である海水に漏れ出すリバースフラックス(Js)の量を効果的に低減できる。
浸透圧発生器1において、海水中の水が第1のチャンバ13から第2のチャンバ14内の濃縮作業媒体に移動することにより、海水は濃縮海水として第1のチャンバ13からパイプライン101bを通して排出され、濃縮作業媒体は移動した水で希釈される。
第2のチャンバ14の希釈作業媒体は、希釈作業媒体タンク2にパイプライン101dを通して送出され、貯留される。希釈作業媒体が希釈作業媒体タンク2内に所定の水位まで貯まると、第3のポンプ25を駆動してタンク2内の希釈作業媒体を逆浸透膜分離部3の第2の処理容器21の第3のチャンバ23にパイプライン101eを通して所望の圧力で供給する。所望の圧力で第3のチャンバ23に供給された希釈作業媒体中の水は、逆浸透膜(RO膜)22を強制的に透過して第4のチャンバ24に移動する。第3のチャンバ23内の希釈作業媒体は、水が第4のチャンバ24に移動することにより濃縮される。濃縮作業媒体は、第3のチャンバ23から濃縮作業媒体タンク4に送出される。濃縮作業媒体タンク4内の濃縮作業媒体は、第2のポンプ17を駆動することにより浸透圧発生器1の第2のチャンバ14内に供給され、前述したように塩水から水(純水)を取り出す脱塩処理に利用される。
他方、第4のチャンバ24に移動した水(純水)は、パイプライン101gを通して純水タンク26に送出される。純水タンク26内の水が一定量を超えると、開閉弁27を開き、パイプライン101hを通して外部に送出して水を回収する。
従って、第2の実施形態によればリバースフラックス(Js)の量を低減して、長期間の運転に伴う作業媒体への溶質の補充を激減できるため、脱塩処理(純水の回収)を低コストで実行し得る脱塩システムを提供できる。
なお、図3に示す脱塩システムにおいて、浸透圧発生器は第1の処理容器を正浸透膜により水平方向に区画して第1、第2のチャンバを形成したが、第1の処理容器を正浸透膜により上下に区画して第1、第2のチャンバを形成してもよい。
図3に示す脱塩システムにおいて、希釈作業媒体の濃縮は逆浸透膜(RO膜)を備える逆浸透膜分離部で行なう場合に限らず、希釈作業媒体の水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
次に、第2の実施形態に係る水処理システムの別の例である濃縮システムを図4を参照して説明する。
濃縮システム200は、浸透圧発生器31と、希釈作業媒体タンク32と、膜蒸留分離部33と、濃縮作業媒体タンク34とを備える。浸透圧発生器31、希釈作業媒体タンク32、膜蒸留分離部33および濃縮作業媒体タンク34は、この順序で接続されてループを形成している。作業媒体(ドロー溶液)は、このループを循環する。すなわち、作業媒体は浸透圧発生器31、希釈作業媒体タンク32、膜蒸留分離部33および濃縮作業媒体タンク34をこの順番で循環する。作業媒体は、有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む。
浸透圧発生器31は、例えば気密な第1の処理容器41を備えている。第1の処理容器41は、正浸透膜42(例えば正浸透膜:FO膜)により例えば水平方向に区画され、左側に第1のチャンバ43が、右側に第2のチャンバ44がそれぞれ形成されている。正浸透膜42は、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。当該アミノ基は、例えばH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。正浸透膜42において、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面は作業媒体が流通する第2のチャンバ44側に配置され、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面と反対側の表面は被処理水が流通する第1のチャンバ43側に配置されている。
被処理水、例えば果汁等の原液を収容した原液タンク45は、第1のチャンバ43が位置する第1の処理容器41の上部にパイプライン201aを通して接続されている。第1のポンプ46は、パイプライン201aに設けられている。第1のチャンバ43が位置する第1の処理容器41の下部には、当該第1のチャンバ43内の濃縮した原液を外部に排出して回収するためのパイプライン201bが接続されている。
濃縮作業媒体タンク34は、第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器41の上部にパイプライン201cを通して接続されている。第2のポンプ47は、パイプライン201cに設けられている。第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器11の下部は、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して接続されている。
膜蒸留分離部33は、例えば気密な第2の処理容器51を備えている。第2の処理容器51は、例えばゴアテックス(登録商標)からなる脱水膜52により例えば水平方向に区画され、左側に第3のチャンバ53が、右側に第4のチャンバ54がそれぞれ形成されている。
前記希釈作業媒体タンク32は、第3のチャンバ53が位置する第2の処理容器51の下部にパイプライン201eを通して接続されている。第1の開閉弁61、熱交換器62および第3のポンプ63は、パイプライン201eに作業媒体の流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。熱交換器62には、例えば排熱ガスのパイプライン201fが交差され、パイプライン201eを流れる作業媒体が排熱ガスと熱交換して当該作業媒体を加熱する。第3のチャンバ53が位置する第2の処理容器51の上部は、循環タンク64の上部にパイプライン201gを通して接続されている。循環タンク64は、第1の開閉弁61と熱交換器62の間に位置するパイプライン201eの部位にパイプライン201hを通して接続されている。第2の開閉弁65は、パイプライン201hに設けられている。
このような構成により膜蒸留分離部33の第3のチャンバ53、循環タンク64およびこれらの部材を接続するパイプライン201e,201g,201hによるループが形成される。すなわち、後述する第3のチャンバ53で脱水処理され、循環タンク64に貯留された希釈作業媒体は第2の開閉弁65を開き、第3のポンプ63を駆動することにより、パイプライン201h、パイプライン201e、第3のチャンバ53およびパイプライン201gを循環する、希釈作業媒体循環系を形成している。なお、希釈作業媒体の循環において、第1の開閉弁61を閉じることにより希釈作業媒体循環系は希釈作業媒体タンク32と隔絶される。
循環タンク64は、濃縮作業媒体タンク34にパイプライン201iを通して接続されている。第4のポンプ66は、パイプライン201iに設けられている。
第1の純水タンク71は、第4のチャンバ54が位置する第2の処理容器51の上部にパイプライン201jを通して接続されている。第4のチャンバ54が位置する第2の処理容器51の下部は、第2の純水タンク72にパイプライン201kを通して接続されている。第3の開閉弁73は、パイプライン201kに設けられ、純水の非循環時に閉じて純水を第4のチャンバ54内に滞留する。第2の純水タンク72は、第1の純水タンク71にパイプライン201mを通して接続されている。第5のポンプ74は、パイプライン201mに設けられている。このような構成により第1の純水タンク71、膜蒸留分離部33の第4のチャンバ54、第2の純水タンク72およびこれらの部材を接続するパイプライン201j,201k,201mによるループが形成される。すなわち、第2の純水タンク72内の純水は第3の開閉弁73を開き、第5のポンプ74を駆動することにより、パイプライン201m、第1の純水タンク71、パイプライン201j、第4のチャンバ54およびパイプライン201kを循環する、純水循環冷却系を形成している。
第2の純水タンク72には、当該第2の純水タンク72内の純水を外部に送出して回収するためのパイプライン201nが接続されている。第4の開閉弁75は、パイプライン201nに設けられている。第4の開閉弁75は、前述した純水の循環時に閉じられ、第2の純水タンク75内の純水が一定量を超えると開かれる。
次に、図2に示す濃縮システムによる濃縮操作を説明する。
第1のポンプ46を駆動して被処理水である原液(例えば果汁)を原液タンク45から浸透圧発生器31の第1のチャンバ43内にパイプライン201aを通して供給する。原液の供給と前後して第2のポンプ47を駆動して濃縮作業媒体を濃縮作業媒体タンク34から浸透圧発生器31の第2のチャンバ44内にパイプライン201cを通して供給する。第2のチャンバ44に供給された濃縮作業媒体は第1のチャンバ43に供給された原液の濃度に比べて高濃度である。このため、第1のチャンバ43内の原液と第2のチャンバ44内の濃縮作業媒体との間で浸透圧差が生じ、原液中の水が正浸透膜42を透過して第2のチャンバ44内に移動する。すなわち、第1のチャンバ43内の原液中の多くの水を第2のチャンバ44の作業媒体に移動でき、果汁のような原液の濃縮処理が高効率でなされる。また、正浸透膜42は作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。このため、三酢酸セルロース膜の当該アミノ基が結合された表面と接触する作業媒体中の溶質が正浸透膜42を透過して被処理水である果汁のような原液に漏れ出すリバースフラックス(Js)の量を効果的に低減できる。
浸透圧発生器31において、原液中の水が第1のチャンバ43から第2のチャンバ44内の濃縮作業媒体に移動することにより、原液は濃縮原液として第1のチャンバ43からパイプライン201bを通して排出され、回収される。濃縮作業媒体は、移動した水により希釈される。
第2のチャンバ44の希釈作業媒体は、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して送出され、貯留される。希釈作業媒体が希釈作業媒体タンク32内に所定量まで貯留されると、パイプライン201eに設けた第1の開閉弁61を開き、パイプライン201hに設けた第2の開閉弁65を閉じ、第3のポンプ63を駆動する。これにより希釈作業媒体タンク32内の希釈作業媒体を膜蒸留分離部33の第2の処理容器51の第3のチャンバ53にパイプライン201eを通して供給する。希釈作業媒体が第3のチャンバ53に供給される間、パイプライン201eを流通する希釈作業媒体はパイプライン201fが交差する熱交換機62で当該パイプライン201fを流通する排熱ガスと熱交換されて加熱される。また、第3の開閉弁73を開き、第5のポンプ74を駆動することにより、第2の純水タンク72内の純水をパイプライン201m、第1の純水タンク71、パイプライン201j、第4のチャンバ54およびパイプライン201kに循環させて、膜蒸留分離部33のゴアテックス(登録商標)からなる脱水膜52を第4のチャンバ54側から純水で冷却する。すなわち、純水循環冷却系により第4のチャンバ54側の脱水膜52を冷却する。
このように加熱した希釈作業媒体を通して膜蒸留分離部33の第3のチャンバ53にパイプライン201eを供給しながら、膜蒸留分離部33の脱水膜52を第4のチャンバ54内の循環する純水で冷却することによって、第3のチャンバ53内で希釈作業媒体中の水が蒸発し、その蒸気はゴアテックス(登録商標)からなる脱水膜52を透過して第4のチャンバ54に移動し、循環する純水により冷却、凝縮してその中に取込まれる。すなわち、希釈作業媒体は第3のチャンバ53内で脱水処理される。第3のチャンバ53内の脱水処理された希釈作業媒体は、パイプライン201gを通して循環タンク64に送出され、貯留される。循環タンク64に貯留された希釈作業媒体は、前記脱水処理により、ある濃度まで濃縮される。
しかしながら、この程度の濃縮では濃度が低く、前述した濃縮作業媒体として使用するには適切ではない。このため、脱水処理された希釈作業媒体が循環タンク64に一定量貯留された時点で、第2の開閉弁65を開き、当該タンク64内の脱水処理された希釈作業媒体をパイプライン201hに流出する。同時に、第1の開閉弁61を閉じ、循環タンク64、パイプライン201h、パイプライン201e、第3のチャンバ53およびパイプライン201gからなる希釈作業媒体循環系を希釈作業媒体タンク32と隔絶する。
このような希釈作業媒体循環系および純水循環冷却系において、前述した第3のチャンバ53内での希釈作業媒体の水の蒸発、蒸気の脱水膜52の透過、第4のチャンバ54への移動、および第4のチャンバ54側での循環する純水による冷却、凝縮、をなす脱水処理を複数回繰り返すことによって、希釈作業媒体を濃縮作業媒体として使用し得る濃度に高める。このような希釈作業媒体の循環、脱水処理後に第2の開閉弁65を閉じて、濃縮作業媒体を循環タンク64に貯留する。第4のチャンバ54に移動した水(純水)は、パイプライン201kを通して第2の純水タンク72に循環する純水と共に送出される。
濃縮作業媒体として使用し得る濃度の濃縮作業媒体を循環タンク64に貯留した後は、第5のポンプ74の駆動を停止し、第4のチャンバ54への純水の循環を停止した後、第3の開閉弁73を閉じる。なお、第2の純水タンク72内の純水が一定量を超えると、第4の開閉弁75を開き、パイプライン201nを通して外部に送出して回収される。
第4のポンプ64を駆動して循環タンク64内の濃縮作業媒体を濃縮作業媒体タンク34にパイプライン201iを通して送出する。濃縮作業媒体タンク34内の濃縮作業媒体は、前述したように原液の濃縮処理に利用するために第2のポンプ47を駆動して浸透圧発生器31の第2のチャンバ44内に供給される。
従って、浸透圧発生器31において、第1のチャンバ43に原液を供給し、第2のチャンバ44に濃縮作業媒体を供給し、原液中の水を第1のチャンバ43から第2のチャンバ44内の濃縮作業媒体に移動させて、原液を濃縮することにより、第1のチャンバ43からパイプライン201bを通して排出し、回収する。濃縮作業媒体は、移動した水により希釈され、その希釈作業媒体は希釈作業媒体タンク32に送出され、貯留される。
浸透圧発生器31による原液の濃縮操作の間、希釈作業媒体タンク32に貯留された希釈作業媒体は膜蒸留分離部33の第3のチャンバ53を含む希釈作業媒体循環系および膜蒸留分離部33の第4のチャンバ54を含む純水循環冷却系により濃縮操作がなされ、濃縮作業媒体タンク34に送出され、第4のチャンバ54に移動した水(純水)は第2の純水タンク72から送出、回収される。すなわち、浸透圧発生器31による原液の濃縮操作および膜蒸留分離部33による希釈作業媒体の濃縮を連続的に実行できる。
それ故、第2の実施形態によれば、リバースフラックス(Js)の量を低減して、長期間の運転に伴う作業媒体への溶質の補充を激減できるため、例えば果汁のような原液(被処理水)の濃縮処理および水の回収を低コストで実行し得る濃縮システムを提供できる。また、濃縮した果汁のような原液への溶質の混入を最小限に抑えることができる。その結果、品質の良好な果汁を得ることができる。
なお、図4に示す濃縮システムにおいて、浸透圧発生器は第1の処理容器を正浸透膜により水平方向に区画して第1、第2のチャンバを形成したが、第1の処理容器を正浸透膜により上下に区画して第1、第2のチャンバを形成してもよい。
図4に示す濃縮システムにおいて、浸透圧発生器31の第1のチャンバ43内の濃縮された被処理水(例えば原液)をパイプライン201bを通して外部に送出、回収したが、より高濃度に濃縮された原液を得る場合には、パイプライン201bを原液タンク45に接続して原液タンク45、パイプライン201a、浸透圧発生器31の第1のチャンバ43およびパイプライン201bのループを作ってもよい。この場合、浸透圧発生器31における濃縮された原液と濃縮作業媒体の間の浸透圧差を考慮して原液の濃縮度合を決定することが望ましい。
図4に示す濃縮システムにおいて、膜蒸留分離部の脱水膜はゴアテックス(登録商標)に限らず、蒸気を透過する機能を有するものであれば如何なるものでもよい。
図4に示す濃縮システムにおいて、希釈作業媒体の濃縮は脱水膜を備える膜蒸留分離部で行なう場合に限らず、希釈作業媒体の水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る水処理システムは、水を収容する第1のチャンバと、浸透圧を誘起する作業媒体(ドロー溶液)を収容する第2のチャンバと、第1のチャンバと第2のチャンバとを区画する正浸透膜と、第2のチャンバに接続された圧力交換器と、圧力交換器に接続された回転体とを備える。このような水処理システムによれば、第1のチャンバ内の水と第2のチャンバ内の作業媒体との間で生じる浸透圧差により第1のチャンバ内の水が正浸透膜を透過して第2のチャンバ内の作業媒体に移動する。すなわち、水が移動された作業媒体は高い圧力を持つ水流になるため、回転体をより高い速度で回して発電することができる。
第3の実施形態において、正浸透膜は第2のチャンバ側の作業媒体と接する表面に結合したアミノ基を含む。具体的には、第1の実施形態で図1を参照して説明したように正浸透膜401は、三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404とを備える。三酢酸セルロース膜403は、アミノ基404が結合された表面と反対側の表面が第1のチャンバ側の被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。
また、別の正浸透膜401は、第1の実施形態で図2を参照して説明したように三酢酸セルロース膜(正浸透膜本体)403と、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜403表面に密着された基材405とを備える。基材405は、三酢酸セルロース膜403との密着面と反対側の表面をシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基404を含む。三酢酸セルロース膜403は、作業媒体と接する表面と反対側の表面が第1のチャンバ側の被処理水に接する。三酢酸セルロース膜403は、被処理水と接する表面に活性面402を有する。
このような図1、図2に示す構成の正浸透膜401によれば、作業媒体に接する表面にアミノ基404が結合されているため、作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)が正浸透膜401を通して被処理水に移動する際、当該溶質をアミノ基404でトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量を低減できる。
特に、正浸透膜401において、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面または同表面に密着された基材の表面をN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランのようなシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基は、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。このため、正浸透膜401のアミノシランにより作業媒体中の溶質(例えば有機酸塩)を優位にトラップする。その結果、作業媒体中の溶質が正浸透膜401を透過して被処理水に漏れるリバースフラックス(Js)の量をより一層低減できる。
従って、回転体を効率的に回転して発電できるとともに、長時間の発電運転において作業媒体中の溶質濃度の低下を抑えることができるため、作業媒体への溶質の補充量を激減でき、低コストにて運転可能な水処理システムを提供できる。
被処理水は、例えば水を用いることができる。
作業媒体は、第1の実施形態で説明したのと同様、有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む。
前記回転体は、例えばタービン、水車を用いることができる。
次に、第3の実施形態に係る水処理システムの1つの例である循環型浸透圧発電システムを図5に示す概略図を参照して説明する。なお、図5において図4と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
循環型浸透圧発電システム300は、浸透圧発生器31の第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器41の下部(作業媒体出口側)に接続したパイプライン201bにおいて、圧力交換機81およびタービン82が作業媒体の流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。また、第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器41の上部と濃縮作業媒体タンク34とを接続するパイプライン201cにおいて、第2のポンプ47より作業媒体の流れ方向の下流側のパイプライン201c部分が圧力交換機81を経由して第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器41の上部に接続されている。すなわち、浸透圧発生器31において水が第1のチャンバ43から正浸透膜42を透過して第2のチャンバ44に移動したときに発生した流束を有する希釈作業媒体は、第2のチャンバ44が位置する第1の処理容器41の下部から圧力交換機81が設けられたパイプライン201bを通して流出される。この間、濃縮作業媒体タンク34から流出した濃縮作業媒体が流通するパイプライン201cは圧力交換機81を経由する。このため、当該濃縮作業媒体は、圧力交換機81で第2のチャンバ44から流出する希釈作業媒体と圧力交換され、希釈作業媒体は圧力を下げ、濃縮作業媒体は圧力を上昇する。
ここで、作業媒体は有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む。
正浸透膜42は、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。当該アミノ基は、例えばH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである。正浸透膜42において、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面は作業媒体が流通する第2のチャンバ44側に配置され、三酢酸セルロース膜のアミノ基が結合された表面と反対側の表面は被処理水が流通する第1のチャンバ43側に配置されている。
循環型浸透圧発電システム300において、原液タンク45内には水が収容される。
次に、図5に示す循環型浸透圧発電システムによる発電操作を説明する。
第1のポンプ46を駆動して水を原液タンク45から浸透圧発生器31の第1のチャンバ43内にパイプライン201aを通して供給する。水の供給と前後して第2のポンプ47を駆動して濃縮作業媒体を濃縮作業媒体タンク34から浸透圧発生器31の第2のチャンバ44内にパイプライン201cを通して供給する。第2のチャンバ44に供給された濃縮作業媒体は、第1のチャンバ43に供給された溶媒のみの水に対して十分に高濃度である。このため、第1のチャンバ43内の水と第2のチャンバ44内の濃縮作業媒体との間で浸透圧差が生じ、水が正浸透膜42を透過して第2のチャンバ44内に移動する。すなわち、第1のチャンバ43内の多くの水を第2のチャンバ44の濃縮作業媒体に移動でき、水により希釈された高い圧力を持つ希釈作業媒体が生成される。また、正浸透膜42は作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にシランカップリング剤で処理して結合したアミノ基を含む。このため、三酢酸セルロース膜の当該アミノ基が結合された表面と接触する作業媒体中の溶質が正浸透膜42を透過して被処理水である水に漏れ出すリバースフラックス(Js)の量を効果的に低減できる。なお、第1のチャンバ43内の水はパイプライン201bを通して排出される。
第2のチャンバ44の高い圧力を持つ希釈作業媒体は、希釈作業媒体タンク32にパイプライン201dを通して送出され、貯留される。圧力交換機81およびタービン82はパイプライン201dに作業媒体の流れ方向に沿ってこの順序で設けられている。
このため、前述したように圧力交換機81では濃縮作業媒体タンク34からパイプライン201cを通して流れる濃縮作業媒体と第2のチャンバ44から(タービン82を通って)パイプライン201dを通して流れる高い圧力を持つ希釈作業媒体との間で圧力交換がなされ、希釈作業媒体の圧力を下げ、濃縮作業媒体の圧力を上昇させる。圧力交換により適正な圧力を持つ希釈作業媒体はタービン82に流れ、それを効率的に回転させて発電する。また、圧力交換により適正な圧力を持つ濃縮作業媒体は第2のチャンバ44に供給される。
希釈作業媒体タンク32に貯留された希釈作業媒体は、前述した図4に示す濃縮システムと同様に膜蒸留分離部33の第3のチャンバ53を含む希釈作業媒体循環系および膜蒸留分離部33の第4のチャンバ54を含む純水循環冷却系によって濃縮される。すなわち、第3のチャンバ53内で希釈作業媒体の水の蒸発、蒸気の脱水膜52の透過、第4のチャンバ54への移動、および第4のチャンバ54側での循環する純水による冷却、凝縮、をなす脱水処理を複数回繰り返すことによって、希釈作業媒体を濃縮作業媒体として使用し得る濃度の作業媒体(濃縮作業媒体)として循環タンク64に貯留し、当該濃縮作業媒体を濃縮作業媒体タンク34に戻す。濃縮作業媒体タンク34内の濃縮作業媒体は、前述したようにタービン82を回転して発電するために第2のポンプ47を駆動して浸透圧発生器31の第2のチャンバ44内に供給される。
従って、第3の実施形態によれば浸透圧発生器31によるタービン82の回転、発電操作および膜蒸留分離部33による希釈作業媒体の濃縮を連続的に実行できる。それ故、タービンを効率的に回転して発電できる。また、リバースフラックス(Js)の量を低減して、長期間の運転に伴う作業媒体への溶質の補充量を激減できるため、発電を低コストで運転可能な循環型浸透圧発電システムを提供できる。
なお、図5に示す循環型浸透圧発電システムにおいて、浸透圧発生器は第1の処理容器を正浸透膜により水平方向に区画して第1、第2のチャンバを形成したが、第1の処理容器を正浸透膜により上下に区画して第1、第2のチャンバを形成してもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システムにおいて、浸透圧発生器31の第1のチャンバ43内の水をパイプライン201bを通して外部に送出したが、パイプライン201bを原液タンク45に接続して原液タンク45、パイプライン201a、浸透圧発生器31の第1のチャンバ43、パイプライン201bのループを作ってもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システムにおいて、膜蒸留分離部の脱水膜はゴアテックス(登録商標)に限らず、蒸気を透過する機能を有するものであれば如何なるものでもよい。
図5に示す循環型浸透圧発電システムにおいて、希釈作業媒体の濃縮は脱水膜を備える膜蒸留分離部で行なう場合に限らず、希釈作業媒体の水を除去するものであれば如何なる装置で行なってもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
<試験装置の構造>
リバースフラクッス(Js)を測定するための試験装置を図6および図7を参照して説明する。図6は、試験装置の断面図、図7は図6の試験装置の分解斜視図である。
試験装置500は、例えば石英ガラスまたはアクリル樹脂から作られる透明な矩形状の支持板501を備えている。支持板501は、その左側面に正浸透膜を嵌め込むための円形凹部502が設けられている。円形凹部502が位置する支持板501には、複数、例えば7つの小円形状の貫通穴503が開口されている。支持板501は、左右の側面近傍にボルトを挿通するための複数、例えば4つの貫通した穴504がそれぞれ設けられている。円形状の正浸透膜505は、支持板501に円形凹部502に嵌め込まれている。
例えば、透明な石英ガラスまたはアクリル樹脂から作られる第1の支持ブロック510aおよび第2の支持ブロック510bは、支持板501を挟んで左側および右側にそれぞれ配置され、互いに反転した同構造を有する。第1の支持ブロック510aは、支持板501と対向して当該支持板501と同形、同面積をもつ矩形状の第1のフランジ部511aを有する。第1のフランジ部511aには、支持板501の円形凹部502と対向し、Oリングを嵌め込むための第1の円形凹部512aが設けられている。円形凹部502、512aは、互いに同形状で、同面積である。第1のフランジ部511aは、左右の側面近傍にボルトを挿通するための複数、例えば4つの貫通した穴513がそれぞれ支持板501の穴504と対向するように設けられている。第1の円形凹部512aが位置する第1の支持ブロック510aには、一端を第1の円形凹部512aに開口し、他端をめくらとする第1の細長状穴514aが当該支持ブロック510aの長さ方向に設けられている。なお、第1の細長状穴514aは、第1のチャンバとして機能する。第1の支持ブロック510aには、その上面から第1の細長状穴514aに連通する第1の縦ねじ穴515aが設けられている。
第2の支持ブロック510bは、第1の支持ブロック510aと同様、支持板501と対向して当該支持板501と同形、同面積をもつ矩形状の第2のフランジ部511bと、Oリングを嵌め込むための第2の円形凹部512bと、ボルトを挿通するための複数の貫通した穴513bと、第2の細長状穴514bと、第2の縦ねじ穴515bとを備えている。第2の細長状穴514bは、第2のチャンバとして機能する。
前記第1,第2の支持ブロック510a、510bは、正浸透膜505が嵌め込まれた支持板501の左右の面に第1、第2のOリング521a,521bを介在して対向し、第1の支持ブロック510aの第1のフランジ部511aの貫通した穴514,支持板501の貫通した穴514a,第2の支持ブロック510bの第2のフランジ部511bに挿通したボルトおよびナット(いずれも図示せず)で締め付けることにより、支持板501、正浸透膜505および第1、第2のOリング521a,521bが第1、第2の支持ブロック510a、510b間に挟持され、固定されている。なお、第1、第2のOリング521a,521bは第1、第2のフランジ部511a、511bの第1、第2の円形凹部513a、513bに嵌め込まれ、第1、第2の支持ブロック510a、510bの第1、第2の細長状穴515a、515bおよびこれらと連通する正浸透膜505を液密に保持している。
第1の導管531aは、その下端部のねじ部532aを第1の支持ブロック510aの縦ねじ穴515aに螺着することにより、第1の細長状穴514aに連通して第1の支持ブロック510aに固定されている。第2の導管531bは、その下端部のねじ部532bを第2の支持ブロック510bの縦ねじ穴515bに螺着することにより、第2の細長状穴514bに連通して第2の支持ブロック510bに固定されている。
なお、支持板501の円形凹部502は、75mm径であるため、当該円形凹部502に嵌め込まれた正浸透膜505の膜面積は0.0044m2を有する。しかしながら、支持板501の円形凹部502にはそれぞれ20mm径の7つの貫通穴503が開口されているため、円形凹部502に嵌め込まれた正浸透膜505の膜面積は支持板501の回り込みを無視して、実質的には0.0022m2になる。
<正浸透膜Aの作製>
まず、マグネティックスターラーを用意し、その基台にシャーレを設置した。シャーレ内に撹拌子(スタラ−バー)を入れた。また、シランカップリング剤であるN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(東京化成社製)26mgを水50mLで溶解したシランカップリング剤水溶液を調製し、当該シランカップリング剤水溶液をシャーレに入れた。撹拌子を回転させて水溶液を撹拌しながら、正浸透膜である75mm径の三酢酸セルロース膜(HTI社製、CTA−ES)を室温でシャーレ内のシランカップリング剤水溶液に作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面が水溶液側に位置するように載せた。このとき、三酢酸セルロース膜は水溶液の水面に浮かんだ。この状態で、撹拌子による水溶液の撹拌を続行し、三酢酸セルロース膜表面(作業媒体と接する表面)にシランカップリング剤を3時間反応させてアミノ基を導入して結合した。なお、アミノ基はH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランであった。その後、アミノ基を結合した正浸透膜(以下、正浸透膜Aと称す)をシャーレから取り出し、流水で3時間洗浄し、水中に保管した。
<正浸透膜Bの作製>
まず、マグネティックスターラーを用意し、その基台にシャーレを設置した。シャーレ内に撹拌子(スタラ−バー)を入れた。また、シランカップリング剤であるN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(東京化成社製)26mgを水50mLで溶解したシランカップリング剤水溶液を調製し、当該シランカップリング剤水溶液をシャーレに入れた。撹拌子を回転させて水溶液を撹拌しながら、濾紙(75mm径、7μm厚さの桐山濾紙)を室温でシャーレ内のシランカップリング剤水溶液に載せた。このとき、濾紙は水溶液に少し沈んだ。この状態で、撹拌子による水溶液の撹拌を続行し、濾紙表面にシランカップリング剤を3時間反応させて濾紙表面にアミノ基を導入して結合した。なお、アミノ基はH2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランであった。その後、濾紙をシャーレから取出し、流水で3時間洗浄し、水中に保管した。当該濾紙は、試験時にアミノ基の結合表面と反対側の表面を三酢酸セルロース膜(HTI社製、CTA−ES)の表面に密着させ、正浸透膜Bとして用いた。当該正浸透膜は、試験時に当該濾紙のアミノ基の結合表面が作動媒体に接するように配置される。
(実施例1)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Aを用いた。正浸透膜Aは、アミノ基を結合した表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、アミノ基を結合した表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。51mLの真水を第1の導管531aを通して第1の細長状穴515a内に収容した。また、50mLのロッシェル塩(酒石酸ナトリウム・カリウムの4水塩)の飽和水溶液(濃度:38.6重量%)を第2の導管531bを通して第2の細長状穴515b内に収容した。ロッシェル塩水溶液は、作動媒体としての働きを有する。
第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)内に真水、第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)内にロッシェル塩水溶液を収容したとき、真水が正浸透膜Aを通過して第2のチャンバ内の作動媒体に移動する透過水量を測定した。
また、第1のチャンバ内に真水、第2のチャンバ内にロッシェル塩水溶液を収容し、20分間維持した後、第1の導管を通して第1のチャンバ内の真水を取出した。採取した真水を総有機炭素量(Total Organic Carbon: TOC)分析および高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography: HPLC)を行って、第2のチャンバ内のロッシェル塩水溶液のロッシェル塩が正浸透膜Aを透過して第1のチャンバ内の真水に移動するリバースフラックスの量(Js)を測定した。測定した透過水量およびJsからJs/Jwを求めた。
リバースフラックスの量(Js)の測定において、TOC分析で不純物などが含まれると推定される場合はHPLCにより単品のピークとして分析した。
なお、TOC分析、HPLCでは以下の装置を用いた。
TOC装置:島津製作所製のTOC−J。
HPLC装置:Agilent Technology社製のHPLC(型式:HP1100)、カラム;TOSOH製のTSKgel ODS−100V 3μm、注入量:20μL、移動相;65%アセトニトリル/35%H2O、流量;0.4mL、カラム温度:40℃、検出器:RI。
(比較例1)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜として75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を用い、当該正浸透膜の活性面を第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)側に配置し、当該正浸透膜の活性面と反対側の表面を第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)側に配置した以外、実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
その結果、75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を正浸透膜として用いた比較例1では、透過水量が0.0058m/hであり、Jsが0.0147モル/m2・hで、Js/Jwが0.0011モル/Lであった。
これに対し、作動媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にアミノ基を結合した正浸透膜Aを用いた実施例1では、透過水量が0.0108m/hであり、Jsが0.001モル/m2・h、Js/Jwが0.0001モル/Lであり、Jsが比較例1に比べて1桁小さくなった。このことから、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは絶大な効果があることが分かった。
(実施例2)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Aを用いた。正浸透膜Aは、アミノ基を結合した表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、アミノ基を結合した表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。51mLの真水を第1の導管531aを通して第1のチャンバに収容した。また、42mLのEDTA2Na(ジソジウムエチレンジアミンテトラアセテイトの2水塩)の飽和水溶液(濃度:9.9重量%)を第2の導管531bを通して第2のチャンバ内に収容した。EDTA2Na水溶液は、作動媒体としての働きを有する。
このような試験装置を用いて実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
(比較例2)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜として75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を用い、当該正浸透膜の活性面を第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)側に配置し、当該正浸透膜の活性面と反対側の表面を第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)側に配置した以外、実施例2と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
その結果、75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を正浸透膜として用いた比較例2では、透過水量が0.0015m/hであり、Jsが0.0013モル/m2・hで、Js/Jwが0.0003モル/Lであった。
これに対し、作動媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にアミノ基を結合した正浸透膜Aを用いた実施例2では、透過水量が0.0050m/hであり、Jsが0.0004モル/m2・h、Js/Jwが0.0001モル/Lであり、Jsが比較例2に比べて1/4小さくなった。このことから、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは絶大な効果があることが分かった。
(実施例3)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Aを用いた。正浸透膜Aは、アミノ基を結合した表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、アミノ基を結合した表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。50mLの真水を第1の導管531aを通して第1のチャンバに収容した。また、45mLのキシリトール水溶液(濃度:1.2モル/L)を第2の導管531bを通して第2のチャンバ内に収容した。キシリトール水溶液は、作動媒体としての働きを有する。
このような試験装置を用いて実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
(比較例3)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜として75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を用い、当該正浸透膜の活性面を第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)側に配置し、当該正浸透膜の活性面と反対側の表面を第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)側に配置した以外、実施例2と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
その結果、75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を正浸透膜として用いた比較例3では、透過水量が0.0067m/hであり、Jsが0.0148モル/m2・hで、Js/Jwが0.0022モル/Lであった。
これに対し、作動媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にアミノ基を結合した正浸透膜Aを用いた実施例3では、透過水量が0.0069m/hであり、比較例3と殆ど変らず、Jsが0.004モル/m2・h、Js/Jwが0.0006モル/Lであり、Jsが比較例3に比べて約1/4小さくなった。このことから、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは絶大な効果があることが分かった。
(実施例4)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Aを用いた。正浸透膜Aは、アミノ基を結合した表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、アミノ基を結合した表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。50mLの真水を第1の導管531aを通して第1のチャンバに収容した。また、45mLのコハク酸2Na(ジソジウムコハク酸の6水塩)の飽和水溶液(濃度:17重量%)を第2の導管531bを通して第2のチャンバ内に収容した。コハク酸2Na水溶液は、作動媒体としての働きを有する。
このような試験装置を用いて実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
(実施例5)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Bを用いた以外、実施例4と同様なコハク酸2Na飽和水溶液を用い、かつ実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定するとともにJs/Jwを求めた。なお、正浸透膜Bはアミノ基を結合した濾紙表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、濾紙表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。
(比較例4)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜として75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を用い、当該正浸透膜の活性面を第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)側に配置し、当該正浸透膜の活性面と反対側の表面を第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)側に配置した以外、実施例4と同様なコハク酸2Na飽和水溶液を用い、かつ実施例1と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
その結果、75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を正浸透膜として用いた比較例4では、透過水量が0.0104m/hであり、Jsが0.006モル/m2・hで、Js/Jwが0.0008モル/Lであった。
これに対し、作動媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にアミノ基を結合した正浸透膜Aを用いた実施例4では、透過水量が0.009m/hであり、Jsが0.0027モル/m2・h、Js/Jwが0.0003モル/Lであり、Jsが比較例4に比べて約1/3小さくなった。このことから、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは絶大な効果があることが分かった。
また、三酢酸セルロース膜表面にアミノ基が結合された濾紙を密着させ、当該濾紙表面を作動媒体と接触させた、正浸透膜Bを用いた実施例5では、透過水量が0.0048m/hであり、Jsが0.001モル/m2・h、Js/Jwが0.0002モル/Lであり、Jsが比較例4に比べて約1桁小さくなった。このことから、シランカップリング剤で処理した濾紙を密着した正浸透膜Bは絶大な効果があることが分かった。
(実施例6)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜505として既に作製した75mm径の正浸透膜Aを用いた。正浸透膜Aは、アミノ基を結合した表面が第2のチャンバとして機能する、作動媒体を収容する第2の細長状穴514b側に位置し、アミノ基を結合した表面と反対側の表面が第1のチャンバとして機能する第1の細長状穴514a側に位置するように支持板501の円形凹部502内に嵌め込んだ。50mLの真水を第1の導管531aを通して第1のチャンバに収容した。また、49mLの塩化マグネシウム6水塩の水溶液(濃度が0.4モル/L)を第2の導管531bを通して第2のチャンバ内に収容した。塩化マグネシウム6水塩の水溶液は、作動媒体としての働きを有する。
第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)内に真水、第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)内に塩化マグネシウム6水塩の水溶液を収容したとき、真水が正浸透膜Aを通過して第2のチャンバ内の作動媒体に移動する透過水量を測定した。
また、第1のチャンバ内に真水、第2のチャンバ内に塩化マグネシウム6水塩の水溶液を収容し、20分間維持した後、第1の導管を通して第1のチャンバ内の真水を取出した。採取した真水をイオンクロマトグラフィ(Ion Chromatography:IC)分析および電気伝導度分析を行って、第2のチャンバ内の塩化マグネシウム6水塩の水溶液の塩化マグネシウム6水塩が正浸透膜Aを透過して第1のチャンバ内の真水に移動するリバースフラックスの量(Js)を測定した。測定した透過水量およびJsからJs/Jwを求めた。
リバースフラックスの量(Js)の測定において、IC分析の結果から検量線を引き、電気伝導度分析の結果から補正した。
なお、IC分析、電気伝導度分析は以下の装置を用いた。
IC装置:Waters製Alliance Separations Module 2695、カラム;C YS−50,Shodex製、ガードカラム;IC YS−G, Shodex製,注入量;10μL、移動相;4mMメタンスルホン酸、流量;1.0mL、カラム温度;40℃、検出器;電気伝導度計(Waters432)。
コンパクト電気伝導率計:LAQUAtwin製B−771。
(比較例5)
前述した図6および図7に示す試験装置の円形状の正浸透膜として75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を用い、当該正浸透膜の活性面を第1の細長状穴515a(第1のチャンバ)側に配置し、当該正浸透膜の活性面と反対側の表面を第2の細長状穴515b(第2のチャンバ)側に配置した以外、実施例6と同様な方法により透過水量、リバースフラックスの量(Js)を測定し、かつJs/Jwを求めた。
その結果、75mm径の三酢酸セルロース(HTI社製、CTA−ES)を正浸透膜として用いた比較例5では、透過水量が0.0066m/hであり、Jsが0.0022モル/m2・hで、Js/Jwが0.0003モル/Lであった。
これに対し、作業媒体と接する三酢酸セルロース膜表面にアミノ基を結合した正浸透膜Aを用いた実施例6では、透過水量が0.017m/hであり、Jsが0.0041モル/m2・h、Js/Jwが0.0002モル/Lであり、Jsが比較例5と大差のない値であった。このことから、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは塩化マグネシウムには殆ど効果がないことを確認した。すなわち、シランカップリング剤で処理した正浸透膜Aは作動媒体中の溶質に対する選択的な効果を示し、有機酸塩または糖アルコールに優位にリバースフラックス(Js)の量を低減する効果を奏することが分かった。
本発明のいつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の種々の形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,31…浸透圧発生器、2,32…希釈作業媒体タンク、3…逆浸透膜分離部、4,34…濃縮作業媒体タンク、11,41…第1の処理容器、12,42,401…正浸透膜、13,43…第1のチャンバ、14,44…第2のチャンバ、21,51…第2の処理容器、22…逆浸透膜(RO膜)、23,53…第3のチャンバ、24,54…第4のチャンバ、26…純水タンク、52…脱水膜、64…循環タンク、71…第1の純水タンク、72…第2の純水タンク、81…圧力交換機、82…タービン、100…脱塩システム、200…濃縮システム、300…循環型浸透圧発電システム、403…三酢酸セルロース膜、404…アミノ基、405…基材。

Claims (9)

  1. 水処理システムに使用される、被処理水と作業媒体とを隔てる正浸透膜であって、前記作業媒体側の表面に導入されたアミノ基を含む正浸透膜。
  2. 前記正浸透膜は、三酢酸セルロース膜を備え、前記アミノ基は前記作業媒体側の前記三酢酸セルロース膜表面をシランカップリング剤で処理して導入された、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである請求項1記載の正浸透膜。
  3. 前記正浸透膜は、三酢酸セルロース膜と当該三酢酸セルロース膜の表面に密着された基材とを備え、前記アミノ基は三酢酸セルロース膜との密着面と反対側で前記作業媒体側の前記基材表面をシランカップリング剤で処理して導入された、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである請求項1記載の正浸透膜。
  4. 被処理水を収容する第1のチャンバと、
    正浸透圧を誘起する作業媒体を収容する第2のチャンバと、
    前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを隔てる正浸透膜と
    を備え、
    前記正浸透膜は、前記作業媒体側の表面に導入されたアミノ基を含む水処理システム。
  5. 水を収容する第1のチャンバと、
    正浸透圧を誘起する作業媒体を収容する第2のチャンバと、
    前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを隔てる正浸透膜と、
    前記第2のチャンバに接続された圧力交換器と、
    前記圧力交換器に接続された回転体と
    を備え、
    前記正浸透膜は、前記作業媒体側の表面に導入されたアミノ基を含む水処理システム。
  6. 前記正浸透膜は、三酢酸セルロース膜を備え、前記アミノ基は前記作業媒体側の前記三酢酸セルロース膜表面をシランカップリング剤で処理して導入された、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである請求項4または5記載の水処理システム。
  7. 前記正浸透膜は、三酢酸セルロース膜と当該三酢酸セルロース膜の表面に密着された基材とを備え、前記アミノ基は三酢酸セルロース膜との密着面と反対側で前記作業媒体側の前記基材表面をシランカップリング剤で処理して導入された、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Siをその構造の一部として有するアミノシランである請求項4または5記載の水処理システム。
  8. 前記基材は、濾紙である請求項7記載の水処理システム。
  9. 前記第2のチャンバに収容される前記作業媒体は、有機酸塩または糖アルコールを溶質として含む請求項4ないし8いずれか1項記載の水処理システム。
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