JP2018117981A - 手指衛生管理装置、手指衛生管理システムおよび手指衛生管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また近年起きている食中毒の原因となるノロウィルス、カンピロバクタ―、サルモネラ、腸管出血性大腸菌等の病原体は、少ない量でも体内に取り込まれると食中毒を発生させるため、病原体が食品や調理器具類に付着しないために、食品業界や飲食業界においても手洗いの徹底は最も重要な食中毒対策である。
このように、医療従事者や調理従事者が適切なタイミングで正しい手指衛生を行うことは重要な課題であり、医療施設、調理施設や食品工場において手指衛生の遵守率を改善させることで、医療関連感染や食中毒等の発生を未然に防ぐことができる。
現在、手指衛生は、WHO(国際保健機関)のガイドライン等に基づき、ハンドソープでの手洗いを30秒間、続いて消毒アルコールの塗布を行うことが推奨されている。また、各種ガイドライン(例えば非特許文献2)には、手洗いの方法・手順とともに手の擦り合わせ回数が示されている。しかし、人によっては必ずしも遵守されておらず、手指衛生が不十分となる場合が多く、食中毒や院内感染を引き起こす原因となっている。そのため、食品工場や病院などでは、手洗い管理または励行に関するシステムが求められている。
その1つとして、手指衛生行動の動作回数を含む実行状態を評価し、その結果に関連してアドバイスを行う手指衛生励行システムが開示されている。
信頼性の高い手洗い評価のために作業者の手洗い動作をセンサ等で取得し、作業者にアドバイスを行うシステムがあるが、例えば特許文献1の手指衛生励行システムのように手洗い動作情報取得のため加速度センサを使用した場合、両腕に加速度センサを装着する必要があるため、作業者にとって業務中の腕の拘束感が不快であるうえ、対象者ごとのセンサが必要となり、コストが膨大となってしまう。
またCCDカメラにて手洗い動作の画像を取得する等の画像情報を用いた場合は、計算負荷が大きくリアルタイム性に乏しく、装置やシステムが大型化し、高価になってしまう。
さらに、赤外線センサを使用した場合は、指向性が数度であるため検知範囲がcmのオーダーと狭くなってしまい、手洗い動作が検出できない等の不具合が生じてしまう。
そこで、本願発明者は、電磁波ドップラーセンサを検知部として使用することで、(1)非接触により手洗い動作情報の取得が可能、(2)計算負荷が比較的小さいため、システムが安価でリアルタイムな信号処理が可能、(3)数十度の指向性を有しているため、数十cm程度の検知範囲を満たすことが可能、という3つの利点を備えた手指衛生管理装置、手指衛生管理システムおよび手指衛生管理方法を発明するに至った。
本発明の手指衛生管理装置によれば、ドップラーセンサを使用して作業者の手指衛生行動(手および/または腕の動きである動作情報)を取得して作業者の手指衛生の動作を定量的に評価し、作業者や手指衛生管理者に評価結果を報知するため、作業者に基準を満たした手指衛生行動を促すことが可能で、かつ手指衛生管理者は手指衛生改善の情報として使用することができ、施設全体で手指衛生を向上することができる。
また本発明によれば、加速度センサのように作業者に装着する必要がないことから、作業者への拘束感の問題がなく、施設等で作業者が多数の場合でも作業者ごとのセンサが必要ない利点がある。
さらに本発明の手指衛生管理装置によれば、ドップラーセンサを使用しているため計算負荷が画像情報を用いた場合と比較して小さく、安価に製造可能であり、医療施設、調理施設や食品工場等ひとつの施設内に手洗い箇所が多数存在する場合でもすべての手洗い箇所に手指衛生管理装置を設置することが可能となる。
加えて本発明の手指衛生管理装置によれば、ドップラーセンサを使用して作業者の手および/または腕の動きである動作情報を取得するため、赤外線センサと比較して広範囲の動作情報を検知可能であり、作業者の手や腕の洗浄位置によって動作情報が取得できない等の不具合を改善することが可能となる。
ここで、「作業者」とは、具体的には医療従事者、調理従事者および施設内の患者等を指す。
WHO(国際保健機関)のガイドラインによれば、手のひら同士で手を擦り合わせる方法、指を交互に組み合わせて擦り合わせる方法、一方の親指を他方の手のひらで回転させて擦る方法等の方法を組み合わせて洗う手の洗浄方法が推奨されており、手の擦り合わせ動作が手指衛生にとって重要な動作である。また、各種ガイドライン(例えば非特許文献2)では、手の擦り合わせ回数が示されており、手の擦り合わせ回数が定量的な評価指標のひとつとなり得る。
本発明によれば、重要な動作である手の擦り合わせ回数を算出し、算出した手の擦り合わせ回数を作業者に提示することや、または手の擦り合わせ回数を解析し作業者にアドバイスを提示することによって、作業者に基準を満たした手指衛生行動を促すことが可能となる。
本発明の手指衛生管理装置によれば、動作解析部がソフトウェアにより信号処理を行うため、解析における閾値を比較的容易に設定できるとともに、位相差検出回路等のハードウェアが不要となり装置を小型化することが可能で、洗面所付近等の手指衛生管理装置の設置箇所が狭い場合でも、簡単に設置することが可能となる。
本発明の手指衛生管理装置によれば、報知部が動作解析情報をリアルタイムに報知するため、作業者自らが手指衛生行動の動作状態をリアルタイムに認識および意識することができ、自発的な手洗いの励行を支援できる。
WHO(国際保健機関)のガイドラインによれば、推奨する手洗い時間(40−60秒)が規定されており、最適な手洗い時間の範囲で手指衛生行動を行うことが重要である。
本発明によれば、作業者の手および/または腕が近接、離反したことを検知する第1の近接/離反検知部を備え、第1の近接/離反検知部が検知した時刻を記録することで手洗い開始時刻および手洗い終了時刻を取得することが可能となり、手洗い時間を算出して作業者に報知し作業者に適切な手洗い時間で手を洗うことを促すことが可能で、かつ手指衛生管理者は手洗い開始時刻および手洗い終了時刻を手指衛生改善の情報として使用することができ、施設全体で手指衛生を向上することができる。
ドップラーセンサは、数十度の指向性を有しているため指向性が大きいことが利点であるが、指向性の大きさから手指衛生行動以外の行動も検出可能であるため、ドップラーセンサで取得した動作情報から手指衛生行動の情報だけを適切に抽出する必要がある。
よって本発明によれば、第1の近接/離反検知部が作業者の手および/または腕が洗面台に近接したことを検知した場合に動作解析部による解析を開始することで、あらかじめ手指衛生行動以外の動作を解析しないように処理を行う。このように第1の近接/離反検知部を使用することで、ドップラーセンサが取得した動作情報から手指衛生行動の情報だけを抽出する際の誤検出を防止することができる。
適切な手洗い方法は、手のひら同士で手を擦り合わせる方法、指を交互に組み合わせて擦り合わせる方法、一方の親指を他方の手のひらで回転させて擦る方法等を組み合わせたもので比較的複雑であるため、作業者が迷いやすく適切な手洗い方法を覚えるまでに時間がかかる。また、すべての手洗い方法を一括で評価した場合は、手洗い方法ごとの擦り合わせ回数のばらつきを考慮できないため、擦り合わせが足りない部位が残る可能性がある。
本発明によれば、作業者が近接した際に正確な手洗い方法・手順を示す作業模範情報を作業者に報知しかつ手洗い方法ごとに評価を行うため、作業者は迷うことなく作業模範情報をもとに正確な手洗い方法・手順によって自主的に手洗いを行うことが可能となる。
さらに本発明では、手の擦り合わせ回数評価と連動することで、模範作業情報表示の単なる機能追加だけでなく、手洗い方法ごとの擦り合わせ回数の評価が可能になる効果を併せもち、手洗い方法ごとの擦り合わせ回数のばらつきの低減につながる。
本発明によれば、作業者の手および/または腕が近接、離反したことを検知する第1の近接/離反検知部と作業者が近接および離反したことを検知する第2の近接/離反検知部を同じ装置とすることで、手指衛生管理装置をより小型化かつ低コストにすることが可能となる。
本発明によれば、ドップラーセンサを2つ設けることで、左右の手および/または腕の動きを検出することが可能で、両手の動きを使用して動作解析および評価を行うことができる。よって、より精度が高い評価結果を提供することが可能となる。
ここで「個人情報」とは、手指衛生管理装置で取得可能な作業者の情報であり、手の擦り合わせ回数である動作解析情報、動作解析情報評価結果、洗浄液の使用有無、手洗い開始時刻、手洗い終了時刻、手洗い場所、手洗い回数等を含むことが可能である。
本発明によれば、手の擦り合わせ回数である動作解析情報を含む個人情報と作業者を識別する識別情報を関連づけてサーバに送信し格納することで、複数の手指衛生管理装置が各々別の洗面所に設置されている場合でも識別情報によって統合して個人情報をシステム管理することができ、手指衛生管理者は手指衛生改善の情報として使用することができる。
本発明によれば、作業者が近接した際に正確な手洗い方法・手順を示す作業模範情報を作業者に報知しながら、ドップラーセンサを使用して作業者の手指衛生の動作を定量的に評価し作業者や手指衛生管理者に評価結果を報知するため、作業者は作業模範情報をもとに正確な手洗い方法・手順によって手洗いを行い、かつ評価結果を受けて適正な手洗い方法に修正しながら手指衛生を行うことが可能となる。
また本発明によれば、加速度センサのように作業者に装着する必要がないことから、作業者への拘束感の問題がなく、施設等で作業者が多数の場合でも作業者ごとのセンサが必要ない利点がある。
さらに本発明の手指衛生管理装置によれば、ドップラーセンサを使用しているため計算負荷が画像情報を用いた場合と比較して小さく、リアルタイム性に優れ、安価に製造可能であり、医療施設、調理施設や食品工場等ひとつの施設内に手洗い箇所が多数存在する場合でもすべての手洗い箇所に手指衛生管理装置を設置することが可能となる。
加えて本発明によれば、ドップラーセンサを使用して作業者の手および/または腕の動きである動作情報を取得するため、赤外線センサと比較して広範囲の動作情報を検知可能であり、作業者の手や腕の洗浄位置によって動作情報が取得できない等の不具合を改善することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態である手指衛生管理装置100の構成を示す概略図であり、図2は上記実施形態の手指衛生管理装置100を示すブロック図である。
本発明の手指衛生管理装置100は、作業者が手を洗浄する場所である洗面所や手洗い場等に設置され、作業者の手指衛生行動を評価し、作業者に報知するための装置であり、作業者Pの手指衛生行動(動作情報)を取得するドップラーセンサ5と、前記手指衛生行動(動作情報)を受信して手指衛生行動を解析、評価を行う信号処理装置1と、評価結果を報知するモニタ(報知部)4と、作業者Pの手および/または腕が近接、離反したことを検知する赤外線センサ(第1の近接/離反検知部)6とから構成される。
ドップラーセンサ5は、作業者Pの人体表面(手、腕)に送信器51からマイクロ波を放射し、人体表面から反射された反射波を受信器52で受信して、直交検波を行うことで、反射波の振幅情報と位相情報を含んだ出力信号(第1のドップラー信号と第2のドップラー信号)を取得し、信号処理装置1へ出力する。
またドップラーセンサ5は、信号処理装置1から検知開始信号を受信すると動作情報の取得を開始し、信号処理装置1から検知終了信号を受信すると動作情報の取得を停止する。
ここで「動作情報」とは、作業者Pの手指衛生行動の情報であって手を擦り合わせる動きの情報となる。具体的にはドップラーセンサで取得した出力信号((第1のドップラー信号と第2のドップラー信号)の情報である。ドップラーセンサ5は、洗面台に設けられ、図1において手の甲の表面に斜めにマイクロ波を放射できる位置に設置される。
ドップラーセンサ5は2つ設けられていてもよい。2つ設けられている場合は、左右の手それぞれにマイクロ波を放射できるように、手の洗浄位置を中心に左右に設置する。
ドップラーセンサ5は、防水性をもたせるためにマイクロ波が透過可能な筐体に収納されていることが望ましい。
報知部は、動作解析情報や評価結果等の情報を作業者Pや手指衛生管理者に提示する手段であり、実施例のように情報を画面に表示するモニタ等の表示手段のほかに、可聴音で報知する可聴音出力手段、ランプの点灯状態や発光色で報知するもの、印字する印刷手段等、動作解析情報や評価結果を作業者Pや手指衛生管理者に提示できる手段であれば適宜選択可能であり、可聴音出力手段やランプでの報知手段を使用した場合は、手指衛生管理装置をより小型化することが可能となる。
作業者Pが手指衛生行動を開始、終了したかの検出は、作業者Pの手または腕が洗面台に近づいて、蛇口の下周辺に手が存在するか否かで検知するため、赤外線センサ6は洗面台の蛇口の下周辺に設置される。
第1の近接/離反検知部は、赤外線センサに限らず、作業者Pが手指衛生行動を開始、終了したかどうかを検知できる検出器であればよい。例えば、超音波センサ、静電容量型近接センサ、光電センサ等も使用可能である。
また第1の近接/離反検知部は、手を洗浄するための水道水が放出/停止されたことを検知することで、手指衛生行動を開始、終了したかどうかを検知するようにしてもよい。
さらに第1の近接/離反検知部は、蛇口からの流水に手を挿入したことを検知できるように検知距離を設定したものを用いてもよいし、自動水栓機能の一部である洗面台に近接した手の有無を検出できるセンサを併用してもよい。この場合は、作業者Pが手を水で濡らした後に手を洗面台の蛇口の下から移動させた時と、その後に洗浄液を用いた手洗いを開始、終了してすすぎ洗いのため手を再び洗面台の蛇口の下に移動させた時に、それぞれ、作業者Pの手の離反と近接を赤外線センサ6が検知するが、これらの検知信号は動作解析部の解析停止、開始に用いない。その後、蛇口の下に手が存在しなくなったことを検知することで、作業者Pが手指衛生行動を終了したことを検出する。
記憶部11は、各種データを格納するためのものであり、個人情報記憶部111、報知情報記憶部112から構成され、個人情報記憶部111は、手指衛生管理装置100で取得した作業者Pの個人情報が格納され、報知情報記憶部112は、報知部(モニタ)4に報知する情報が格納されており、手指衛生行動が適切または不適切であると評価された際に表示するためのテキストデータ、音声ファイル、画像ファイル等や、動作解析情報を報知するためのテキストデータ、音声ファイル、画像ファイル等が格納されている。
個人情報とは、手指衛生管理装置100で取得可能な作業者Pの情報であり、手の擦り合わせ回数Npである動作解析情報、動作解析情報評価結果、洗浄液の使用有無、手洗い開始時刻、手洗い終了時刻等を含むことが可能である。本実施例においては、作業者Pの識別情報を取得できないため、作業者Pと個人情報を関連づけることはできないが、作業者Pを限定せずに手指衛生管理装置100で検出した個人情報を蓄積する。
送受信部13は、ドップラーセンサ5や赤外線センサ6からの各種情報やデータの送受信を行う。
全体制御部14は、手指衛生管理装置100の全体の制御を行うものであり、送受信部13を介して赤外線センサ6からの近接検知信号を受信すると、ドップラーセンサ5に検知開始信号を送信し、内部に保持するタイマを利用して手洗い開始時刻を個人情報記憶部111に格納する。また、送受信部13を介して赤外線センサ6からの離反検知信号を受信すると、ドップラーセンサ5に検知終了信号を送信し、内部に保持するタイマを利用して手洗い終了時刻を個人情報記憶部111に格納する。さらに、個人情報記憶部111に格納された動作解析情報、評価結果をモニタ4に表示するための報知処理を行う。
動作解析部121は、ドップラーセンサ5からの動作情報から手指衛生行動を解析して動作解析情報を算出するものであって、ドップラーセンサ5から動作情報を取得すると解析を開始し、算出した動作解析情報は動作解析情報評価部122に送信し、個人情報記憶部111に格納する。
ここで、「動作解析情報」とは、動作情報を解析して算出する情報であり、本実施例おいては手を擦り合わせる動きの情報である動作情報から、動作解析情報である手の擦り合わせ回数Npを算出する。
動作解析情報評価部122は、動作解析部121が算出した動作解析情報から手指衛生行動が適切か否かを評価するものである。手の擦り合わせ回数Npが閾値HN以上かどうかを判定し、手の擦り合わせ回数Npが閾値HN以上である場合は、手指衛生行動が適切であると評価し、手指衛生行動が適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納する。全体制御部14は、個人情報記憶部111を参照し、作業者Pに手指衛生行動が適切である旨の情報をモニタ4に表示する。手の擦り合わせ回数NPが閾値HN未満である場合は、手指衛生行動が不適切であると評価し、手指衛生行動が不適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納する。全体制御部14は、作業者Pに手指衛生行動が不適切である旨のメッセージおよび/またはアドバイスをモニタ4に表示する。
閾値HNは、作業者Pが手を洗浄する際に適切な手指衛生行動として必要な擦り合わせ回数の閾値であり、具体的には60回程度であるが、閾値HNは適宜設定可能である。
図3は、上記実施形態の手指衛生管理装置100の手指衛生行動評価開始処理の全体概要を示すシーケンス図であり、図4は、上記実施形態の手指衛生管理装置100の手指衛生行動評価終了処理の全体概要を示すシーケンス図である。
まず、手指衛生行動評価開始処理の流れ(図3)であるが、作業者Pが手指衛生管理装置100が設置されている洗面所に近づいて、手を洗面台の蛇口の下周辺へと動かすと、赤外線センサ6が作業者Pの手を検出し、近接検知信号を信号処理装置1へ送信する(S01)。
全体制御部14は、赤外線センサ6からの近接検知信号を送受信部13を介して受信すると、検知開始信号を送受信部13を介してドップラーセンサ5に送信する(S02)とともに、内部に保持しているタイマから現在時刻を取得し、手洗い開始時刻として個人情報記憶部111に格納する(S03)。
ドップラーセンサ5は、全体制御部14から検知開始信号を受信すると、送信器51から作業者Pの手に向けてマイクロ波を放射し、手の表面から反射された反射波を受信器52で受信し、作業者Pの手の動き(手の擦り合わせの動作)を動作情報として取得する。取得した動作情報は送受信部13、全体制御部14を介して動作解析部121に送信する(S04)。
動作解析部121は、ドップラーセンサ5から送受信部13、全体制御部14を介して動作情報を受信すると、動作情報(手の擦り合わせ動作)から動作解析情報である手の擦り合わせ回数を算出し(S05)、動作解析情報評価部122に送信するとともに、個人情報記憶部111に算出した手の擦り合わせ回数を格納する(S07)。
動作解析情報評価部122は、動作解析部121から動作解析情報を受信すると、動作解析情報(手の擦り合わせ回数)から、手指衛生行動が適切か否かを評価(S06)し、評価結果(適切、不適切)を個人情報記憶部111に格納する(S08)。
全体制御部14は、動作解析情報(手の擦り合わせ回数)と評価結果(適切、不適切)を個人情報記憶部111から取得し、報知処理(S09)を行い、モニタ4はモニタに動作解析情報と評価結果を表示する(S10)。
全体制御部14は、動作解析情報(手の擦り合わせ回数)と適切である旨の評価結果を個人情報記憶部111から取得し、報知処理(S13)を行い、モニタ4はモニタに動作解析情報と評価結果を表示する(S14)。
作業者Pが手の洗浄が終了したため、手指衛生管理装置100が設置されている洗面所から離れて、手を洗面台の蛇口の下周辺から移動させると、赤外線センサ6が作業者Pの手が離れたことを検出し、離反検知信号を信号処理装置1へ送信する(S15)。
全体制御部14は、赤外線センサ6からの離反検知信号を送受信部13を介して受信すると、検知終了信号を送受信部13を介してドップラーセンサ5に送信する(S16)とともに、内部に保持しているタイマから現在時刻を取得し、手洗い終了時刻として個人情報記憶部111に格納する(S17)。
ドップラーセンサ5は、送受信部13を介して全体制御部14から検知終了信号を受信すると送信器51からのマイクロ波の放射を停止し、動作情報の検出を停止する(S18)。
ここで、全体制御部14は、赤外線センサ6からの離反検知信号を受信した場合に、ドップラーセンサ5に対して検出を終了する検知終了信号を送信したが、手洗い開始時刻から所定時間経過するまでは、赤外線センサ6からの離反検知信号を受信してもドップラーセンサ5に対して検出を終了する検知終了信号を送信しないようにしてもよい。
また、動作解析情報の評価と評価結果の報知処理は、離反検知信号が全体制御部14に送信された際に一括で行うようにしてもよい。
蛇口からの流水に手を挿入したことを検知する赤外線センサ6を用いた場合は、作業者Pが手を水で濡らした後、手を洗面台の蛇口の下から移動させると、赤外線センサ6が作業者Pの手が離れたことを検出する。その後、作業者Pが洗浄液を用いた手洗いを開始、終了してすすぎ洗いのため手を再び洗面台の蛇口の下に移動させると、赤外線センサ6が作業者Pの手を検出する。これらの離反および近接検知信号は、信号処理装置1へ送信し、送受信部13、全体制御部13を介して個人情報記憶部に検知時刻を記憶されてもよいが、動作解析部の解析開始、停止の制御は行わない。その後の処理は、図4の手指衛生行動評価終了処理の流れと同様である。
図5は、ドップラーセンサを用いた手の擦り合わせ回数算出方法を示す説明図である。
ドップラーセンサ5を用いた手の擦り合わせ回数算出方法であるが、手指衛生行動である手の擦り合わせ動作を行う位置に対して斜め方向にドップラーセンサ5を設置(複数でもよい)し、マイクロ波を放射する。動作位置に存在する作業者Pの手表面からの反射波を受信し、直交検波することで位相が異なる2つのドップラー信号(第1のドップラー信号、第2のドップラー信号)を取得し、増幅、フィルタ処理、A/D変換処理を行って、信号処理装置1に送信する。
動作解析部121は、ドップラーセンサ5から2つのドップラー信号(第1のドップラー信号、第2のドップラー信号)を取得すると、2つのドップラー信号の位相差に基づいて、作業者Pの手表面がドップラーセンサ5に近接もしくは離反したことを判定(近接/離反判定)し、作業者Pの手表面とドップラーセンサ5との近接状態と離反状態の変化を検知することで手の擦り合わせ回数を計数する。
手指衛生行動に適した信号処理を実現するため、アルゴリズムや閾値の設定・追加・変更を容易に行えるように、2つのドップラー信号をAD変換した後は、動作解析部121にて、ソフトウェアにより信号処理を行う。ソフトウェアによる処理は、一連の信号処理において、追加のハードウェア(位相比較器など)が必要ないため、アルゴリズムや閾値の設定が比較的容易かつシステムの小型化に優位である。
図6は、上記実施形態の動作解析部121における手の近接/離反判定方法を示す原理図であり、図7は、上記実施形態の動作解析部121における手の近接/離反判定の補正処理を示す模式図である。図8は、上記実施形態の動作解析部121における手の擦り合わせ回数を演算した一例を示す模式図である。
ドップラーセンサ5からは第1のドップラー信号と第2のドップラー信号が信号処理装置1に出力され、両信号の周波数は同一で対象物の速度に比例している。ドップラーセンサ5に対して対象物が近接状態の場合、第1のドップラー信号に対して第2のドップラー信号の位相が90°遅れる。一方、ドップラーセンサ5に対して対象物が離反状態の場合は、第1のドップラー信号に対して第2のドップラー信号の位相が90°進む。このため、第1のドップラー信号と第2のドップラー信号の位相差から、対象物の近接状態または離反状態を判定できる。
近接/離反判定をソフトウェアにより比較的簡便に行う一方法の原理図を図6に示す。図6に示すように、第1のドップラー信号のピーク電圧Vpを検出し、そのピーク時刻における第2のドップラー信号の電圧変化量ΔVを求め、VpとΔVが同符号であれば近接状態、異符号であれば離反状態と判定できる。極大値のVpでは所定値以下、極小値のVpでは所定値以上のVpは雑音とみなして、雑音とみなさないVpにおける時刻でのみ判定を行う。電圧変化量ΔVを求める時間幅(サンプル数)は、想定されるドップラー信号の半周期を超えない範囲にするとともに、大きさが所定値以上であるΔVのみを採用することで微小な電圧変化量を除去することが望ましい。図6の例では、第1のドップラー信号のピークを検出したが、第2のドップラー信号のピークを検出して判定してもよく、また、両方のドップラー信号のピークを用いることで判定結果の数を増やしてもよい。
なお本発明では図6の方法に限定されず、要は2つのドップラー信号の位相差と関連する情報(図6の例ではVpとΔVの符号)を利用して、近接/離反状態をリアルタイムに判定できればよい。
また、図7中の丸印で示すように、連続した同一状態の判定中に、別の状態判定が少ない頻度で生じる場合がある。少ない頻度の判定を雑音とみなして除去するため、例えば、同一判定がn回連続で生じた場合はk(0<k≦n)回目の時刻においてその状態を判定結果とし、n回未満連続の状態判定は削除する補正を行う。判定時刻をひとつずつ移動させて、この補正を同様に行う(補正処理)。図7の例では、n=3、k=2として、3回未満連続の状態判定を図7の矢印で示すように除去できている。n回連続であっても、判定間の時間差が所定の範囲外の場合は状態判定を削除するように処理してもよい。また図2の方法に限らず、所定数連続する判定において、近接状態または離反状態の出現数の多数決によって、近接状態または離反状態に判定を補正してもよい。
図8(a)は、以上のアルゴリズムに基づいて近接/離反状態を判定した一例である。手の擦り合わせ回数を演算するための基本的なアルゴリズムの一例を説明すると、判定状態が変化する時刻を抽出し、状態継続時間が所定の範囲内であるかを判別する。図8(a)の例では、図8(a)に示すT1とT2の状態継続時間が所定の範囲内であり、T1の始点とT2の終点の時間差であるT3も所定の範囲内であるときに、手の擦り合わせを1回行ったとカウントする。同様の処理を繰り返してカウントを加算することで、図8(b)に示すように、手の擦り合わせ回数が計数される。なおT1の終点とT2の始点間の時間にも閾値を設定してもよい。また、判定状態が変化した時刻に関して、ある状態判定から所定の時間以上判定がない後に、同一の状態判定が存在した場合も、状態が変化した時刻とみなしてもよい。
図8は、所望の動作条件を状態の継続時間で定義した場合の例であるが、所望の動作条件を連続する状態判定数で定義して同様にカウントを行ってもよいし、さらには、状態の継続時間と状態判定数を組み合わせた処理を行ってもよい。
上記した一連の信号処理は時間領域で行われ、リアルタイムに結果を更新することが可能である。
リアルタイム性を重要視しない場合は、手の擦り合わせ以外の動作を誤検知しないように、カウント間の時間差が所定範囲内で所定回数以上連続したカウントを有効、それ以外は無効としてもよい。これは、手の擦り合わせ動作では所定範囲の時間間隔で概ね同一の動作が繰り返されることに着目した処理である。
ドップラーセンサが2つある場合は、左右の手の動きをそれぞれ判定し、左右の手の動きの判定結果を総合して、擦り合わせ回数を演算する。
図9は、上記実施形態の動作解析部121における近接/離反判定の補正処理を示すフロー図である。
近接/離反判定に関して、時系列に番号をふり判定番号mとする。
最初に判定番号m=初期値を入力する(S701)。
ここで、初期値であるが、近接/離反判定を行ったデータ内において、最初にn回連続で同一判定となった判定結果のうち、真ん中の判定結果1+(n−1)/2を初期値として用いてもよいし、一番目の判定結果や一番後ろの判定結果を初期値として用いてもよい。
m回目の時刻における判定結果に関して、m回目の判定結果を含む前後の判定結果がn回連続で同一判定か否かを判定し(S702)、同一判定である場合はm回目の判定結果を有効として擦り合わせ回数演算処理に使用する(S703)。
同一判定ではない場合はm回目の判定結果を無効として削除し、擦り合わせ回数演算処理には使用しない(S706)。
m+1回目の時刻における判定結果が存在するか否かを判定し(S704)、m+1回目の時刻における判定結果がある場合は、判定番号mをm+1として、ひとつ繰り上げて、S702の補正処理を続ける(S705)。
m+1回目の時刻における判定結果が存在しない場合は処理を終了する。
図10は、上記実施形態の動作解析部121における手の擦り合わせ回数演算処理を示すフロー図である。
近接状態から離反状態へ、または離反状態から近接状態へ状態が変化する時刻を検出し、その時刻に対して時系列にC=1から番号をふり、状態変化時刻番号Cとする。
最初に状態変化時刻番号C=0、擦り合わせ回数Np=0とする(S601)。
近接状態から離反状態へ、または離反状態から近接状態へ状態が変化する時刻を時系列に検出し、状態変化があったか否かを判定する(S602)。
状態変化があった場合は、C=C+1として(S603)、状態変化時刻番号Cの偶奇判定を行う(S604)。
Cの偶奇判定であるが、初期設定は、Cが奇数である場合(ただし、C≧3以上)にYESとなってS605に進む(YES判定)ように設定されている。しかし、偶奇判定は状態継続時間T1および時間T3が所定の範囲内でない場合は設定が変更され、前回、S604にてCが奇数である場合にYES判定を行っている場合は、Cが偶数の場合にYES判定を行うように変更される。また、前回、S604にてCが偶数である場合にYES判定を行っている場合は、Cが奇数の場合にYES判定を行うように変更される。
状態変化時刻番号Cが偶奇判定に当てはまらない場合はS602に戻る。
次に、S605では、状態継続時間T2が所定の範囲内か否か(T2L≦T2≦T2H)を判定する。ここで、状態継続時間T2とは、状態変化時刻番号C−1の状態が変化する時刻を基準として、状態変化時刻番号C−1の状態変化時刻直後の近接または離反状態の開始時刻から終了時刻までの期間を指す。またT2Lとは、状態継続時間T2の下限閾値であり、T2Hとは、状態継続時間T2の上限閾値である。
状態継続時間T2が所定の範囲外である場合、S602に戻り、状態継続時間T2が所定の範囲内である場合、S606に進む。
そして、S606では、状態継続時間T1が所定の範囲内か否か(T1L≦T1≦T1H)を判定する。ここで、状態継続時間T1とは、状態変化時刻番号C−1の状態が変化する時刻を基準として、状態変化時刻番号C−1の状態変化時刻直前の近接または離反状態の開始時刻から終了時刻までの期間を指す。またT1Lとは、状態継続時間T1の下限閾値であり、T1Hとは、状態継続時間T1の上限閾値である。
状態継続時間T1が所定の範囲外である場合、S610に進み、状態継続時間T1が所定の範囲内である場合、S607に進む。
さらに、S607では、時間T3が所定の範囲内か否か(T3L≦T3≦T3H)を判定する。ここで、時間T3とは、状態変化時刻番号C−1の状態が変化する時刻を基準として、状態変化時刻番号C−1の状態変化時刻直前の離反状態または近接状態の開始時刻から、状態変化時刻番号C−1の状態変化時刻直後の近接状態または離反状態の終了時刻までの期間を指す。またT3Lとは、時間T3の下限閾値であり、T3Hとは、時間T3の上限閾値である。
時間T3が所定の範囲外である場合、S610に進み、時間T3が所定の範囲内である場合、擦り合わせ回数NpをNp+1として、1繰り上げてカウントし(S608)、S602に戻る。
また、S610では、状態継続時間T1および時間T3が所定の範囲内でない場合(S606、S607がNO判定である場合)に偶奇判定の設定を変更する。具体的には、前回、S604にてCが奇数である場合にYES判定を行っている場合は、Cが偶数の場合にYES判定を行うように変更する。また、前回、S604にてCが偶数である場合にYES判定を行っている場合は、Cが奇数の場合にYES判定を行うように変更する。
そしてS602から、また次の近接状態から離反状態へ、または離反状態から近接状態へ状態が変化する時刻を検出し、次の状態変化がある場合は同様の判定を行い、次の状態変化がない場合はカウントしたNpを擦り合わせ回数として決定し(S609)、処理を終了する。
なお変形例として、S601では、状態変化時刻番号C=1としてもよい。また、S610でCの偶奇判定の変更を行わず、S604ではCは奇数であるかどうかのみを判定してもよい。
図11は、上記実施形態の動作解析情報評価部122の評価処理を示すフロー図である。
動作解析情報評価部122は、動作解析部121が算出した動作解析情報である手の擦り合わせ回数Npを取得する(S301)。
動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npが閾値HN以上かどうかを判定する(S302)。
動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npが閾値HN未満である場合(NO)、手指衛生行動が不適切であると評価し、手指衛生行動が不適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納し、S301を繰り返す(S303)。
全体制御部14は、個人情報記憶部111を参照し、作業者Pに手指衛生行動が不適切である旨のメッセージをモニタ4に表示(報知処理)する(S304)。
動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npが閾値HN以上である場合(YES)、手指衛生行動が適切であると評価し、手指衛生行動が適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納し、処理を終了する(S305)。
全体制御部14は、個人情報記憶部111を参照し、作業者Pに手指衛生行動が適切である旨のメッセージをモニタ4に表示(報知処理)する(S306)。
S301からの動作は、繰り返し行わず、離反検知信号が全体制御部14に送信された際に一括で行うようにしてもよい(S304の実行後は終了)。
報知処理においては、全体制御部14は、個人情報記憶部111に格納された動作解析情報、評価結果を取得し、報知情報記憶部112に格納された情報を使用して、報知部4に報知処理を行う。
具体的には、動作解析情報評価部122が、手の擦り合わせ動作である手指衛生行動が適切であると評価した場合、全体制御部14は、個人情報記憶部111に格納された適切であるという評価結果を取得し、報知情報記憶部112から適切であった場合のテキストデータを取得し、モニタ4に表示する。例えば、「手が綺麗に洗浄されています、この調子で頑張ってください。」等のメッセージをモニタ4に表示する。また、手指衛生行動が不適切であると評価した場合、全体制御部14は、個人情報記憶部111に格納された不適切であるという評価結果を取得し、報知情報記憶部112から不適切であった場合のテキストデータを取得し、モニタ4に表示する。例えば、「手の洗浄が不十分です、もう少し手を擦り合わせてください。」等のメッセージをモニタ4に表示する。
動作解析情報を表示する場合は、全体制御部14は、個人情報記憶部111に格納された擦り合わせ回数である動作解析情報を取得し、報知情報記憶部112からテキストデータを取得して、モニタ4にリアルタイムに動作解析情報を表示する。例えば、「現在の擦り合わせ回数は、〇〇回です。」や、「〇〇/擦り合わせ完了回数」等の表示を行う。
ここで、モニタ4に表示する態様は上述のテキストデータ以外にキャラクター等の画像とし、手指衛生行動が適切であった場合はキャラクターが喜んでいる画像、手指衛生行動が不適切であった場合にはキャラクターが悲しんでいる画像等、切り替えて表示してもよい。
本実施例では、報知部4がモニタであったが、報知部4が可聴音で報知する可聴音出力手段、ランプの点灯状態や発光色で報知するもの、印字する印刷手段等の場合は、その手段に必要な報知処理を行う。
図12は、本発明の第2の実施形態である手指衛生管理装置200の構成を示す概略図であり、図13は、上記実施形態の手指衛生管理装置200を示すブロック図である。
本発明の第2の実施形態の手指衛生管理装置200は、第1の実施形態の手指衛生管理装置100に模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7および作業模範情報表示機能を追加したものであり、作業者の手指衛生行動を評価、報知するとともに作業者に対して手指衛生の正しい洗浄方法を示した作業模範情報を表示することで、作業者Pが適切な手指衛生を実施することができる装置を提供するものである。
WHO(国際保健機関)のガイドラインによれば、手のひら同士で手を擦り合わせる方法、指を交互に組み合わせて擦り合わせる方法、一方の親指を他方の手のひらで回転させて擦る方法等の複数の方法を組み合わせて洗う手の洗浄方法が推奨されているが、複数の複雑な手洗い方法および手順を作業者がいちいち覚えるのは現実的に困難である。
よって本発明の第2の実施形態においては、複数の手洗い方法の画像データや動画データを手順通りに組み合わせた作業模範情報をモニタ(報知部)4に表示することで、作業者Pはモニタ4に表示されている手洗い方法を見ながら順次実行し、適切な手指衛生を実施することができる装置を提供するものである。
第1の実施形態同様の構成に関しては、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
作業者Pが洗面所付近に近接/離反したかを検出するために、模範情報表示用赤外線センサ7は洗面台に設置し、作業者Pの身体に向けて赤外線を照射するようにする。
第2の近接/離反検知部は、赤外線センサに限らず、作業者Pが洗面所付近に近接/離反したかを検知できる検出器であればよい。例えば、超音波センサ、静電容量型近接センサ、光電センサ等も使用可能である。
また模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7として、赤外線センサ(第1の近接/離反検知部)6を使用することも可能であり、その場合は手指衛生処理装置200に赤外線センサ(近接/離反検知部)を2つ設ける必要がなく低コスト化を図ることが可能である。
信号処理装置1は、手指衛生行動の動作の解析、評価結果の算出、全体制御およびモニタ(報知部)4に作業模範情報の報知処理を行う装置であって、記憶部11と、信号処理部12と、送受信部13と、全体制御部14とから構成される。
信号処理部12は、動作解析部121と、動作解析情報評価部122から構成され、動作解析部121は、ドップラーセンサ5から動作情報を取得すると解析を開始し、算出した動作解析情報は動作解析情報評価部122に送信し、個人情報記憶部111に格納する。
ここで、本実施例おいては、手指衛生の適切な洗浄方法を複数の手洗い方法を組み合わせて作業模範情報として表示し、手洗い方法ごとに手の擦り合わせ回数Npi(iは手洗い方法を識別する識別番号)を算出する。
よって、動作解析情報評価部122は、手洗い方法ごとに手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi以上かどうかを判定し、手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi以上である場合は、手指衛生行動が適切であると評価し、手指衛生行動が適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納する。全体制御部14は、個人情報記憶部111を参照し、作業者Pに手指衛生行動が適切である旨の情報をモニタ4に表示する。手の擦り合わせ回数NPiが閾値HNi未満である場合は、手指衛生行動が不適切であると評価し、手指衛生行動が不適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納する。全体制御部14は、作業者Pに手指衛生行動が不適切である旨のメッセージおよび/またはアドバイスをモニタ4に表示する。
閾値HNiは、手洗い方法ごとに決められた適切な擦り合わせ回数であり、閾値HNiは適宜設定可能である。
記憶部11は、各種データを格納するためのものであり、個人情報記憶部111、報知情報記憶部112の他、作業模範情報記憶部113から構成される。
作業模範情報記憶部113には、作業模範情報が格納されている。
ここで「作業模範情報」とは、模範となる複数の手洗い方法を適切な手順通りに組み合わせた画像データや動画データと表示時間が格納されており、例えば動画データMi(iは動画データ番号であり手洗い方法を識別する識別番号としても使用する、正の整数、i≦m、mは動画データ数)は、手洗いを始める前に手指衛生行動の説明が示されている開始動画データM9、手洗い終了後に手指衛生行動の説明(タオルで手をふくなど)が示されている終了動画データM10、水により手を濡らす(軽く洗う)動画データM1、手のひら同士で手を擦り合わせる方法の動画データM2、指を交互に組み合わせて一方の手のひらを他方の手の背に当てて擦り合わせる方法の動画データM3、指を交互に組み合わせて手のひら同士を擦り合わせる方法の動画データM4、連結させた指で指の後ろを反対の手のひらに当てて擦る方法の動画データM5、一方の親指を他方の手のひらで回転させて擦る方法の動画データM6、一方の固くした指で他方の手のひらの中で前後しながら回転させて擦る方法の動画データM7、水により手をすすぐ動画データM8、が表示時間Tiとセットで格納されている(図14)。
図15は、上記実施形態の手指衛生管理装置200の全体の流れを示すフロー図1であり、図16は、上記実施形態の手指衛生管理装置200の全体の流れを示すフロー図2である。
模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7は、作業者Pが洗面所付近に近接したことを検知すると、信号処理装置1に作業者近接検知信号を出力する(S401)。
信号処理装置1の全体制御部14は、作業者近接検知信号を受けて、作業模範情報記憶部113から作業模範情報のうち、開始動画データM9を取得して、開始動画データM9をモニタ4に表示する(S402)。
作業者Pが手を洗面台の蛇口の下周辺へと動かすと、赤外線センサ(第1の近接/離反検知部)6が作業者Pの手を検出し、近接検知信号を信号処理装置1へ送信する(S403)。
全体制御部14は、内部に保持しているタイマから現在時刻を取得し、手洗い開始時刻として個人情報記憶部111に格納する。
全体制御部14は、動画データ番号i=0としてリセットする(S404)。
全体制御部14は、動画データ番号iをi+1として1つ繰り上げるとともに、動画データMiの手洗い方法における手の擦り合わせ回数Npi、時間tをゼロにリセットし、時間の計測を開始する(S405)。
全体制御部14は、作業模範情報記憶部113から作業模範情報のうち、動画データMiと対応する表示時間Tiを取得して、動画データMiをモニタ4に表示する(S406)。
全体制御部14は、検知開始信号を送受信部13を介してドップラーセンサ5に送信する。
ドップラーセンサ5は、全体制御部14から検知開始信号を受信すると、作業者Pの手の動き(手の擦り合わせの動作)を動作情報として取得する。取得した動作情報は送受信部13、全体制御部14を介して動作解析部121に送信する(S407)。
動作解析部121は、ドップラーセンサ5から送受信部13、全体制御部14を介して動作情報を受信すると、動作情報(手の擦り合わせ動作)から動作解析情報である手の擦り合わせ回数を算出し、動作解析情報評価部122に送信するとともに、個人情報記憶部111に算出した手の擦り合わせ回数を格納する。さらに全体制御部14は、手の擦り合わせ回数をモニタ4に表示する(S408)。
動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi以上かどうかを判定する(S409)。
動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi未満である場合(NO)、識別番号iの手洗い工程において手指衛生行動が不適切であると評価し、手指衛生行動が不適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納し、全体制御部14は、作業者Pに手指衛生行動が不適切である旨のメッセージをモニタ4に表示(報知処理)する(S411)。
また動作解析情報評価部122は、手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi以上である場合(YES)、識別番号iの手洗い工程において手指衛生行動が適切であると評価し、手指衛生行動が適切であることを示す評価結果を個人情報記憶部111に格納するとともに、全体制御部14は、作業者Pに手指衛生行動が適切である旨のメッセージをモニタ4に表示(報知処理)する(S410)。
そして、全体制御部14は、時間tが表示時間Ti以上かどうかを判定する(S412)。時間tが表示時間Ti以上であった場合には、現在の手洗い工程が最後の工程であるか否かを判定し、最後の工程である場合(i=m−2)には作業模範情報記憶部113から終了動画データM10を取得して、終了動画データM10をモニタ4に表示する(S414)。最後の工程ではない場合には、手の擦り合わせ回数Npiおよび手指衛生行動の評価結果を個人情報記憶部111に格納した後、S405に戻り、次の手洗い工程に移行する。時間tが表示時間Ti未満であった場合には、S407に戻り、ドップラーセンサ5での検出を続行する。
手の擦り合わせ回数Npiが閾値HNi以上かどうかの判定(S409)および判定結果の報知処理/格納処理(S410およびS411)は繰り返し行わず、時間tが所定時間Ti以上となった際に一括で行うようにしてもよい。
また、すべての動画データMiの手洗い方法における手の擦り合わせ回数の総和および手指衛生行動の総合評価結果(例えば、ひとつでも不適切があれば不適切)を算出し、個人情報として個人情報記憶部111に格納してもよい。さらに、手洗い工程ごとに動作解析のアルゴリズムと閾値を変更してもよい。
作業者Pはモニタ4に表示されている適切な手洗い方法を見ながら順次実行できるとともに手洗い方法ごとの擦り合わせ回数の評価が可能で、かつ作業者自らが手指衛生行動の動作状態をリアルタイムに認識および意識することができ、適切な手指衛生を実施することができる装置を提供するものである。
併用した赤外線センサ(第1、第2の近接/離反検知部併用)は、赤外線センサからの作業者Pの体と(蛇口付近に差し出した)手の距離が異なることを利用してもよい。この場合、遠距離を検知した場合は模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7として、近距離を検知した場合は赤外線センサ(第1の近接/離反検知部)6として機能する。
図18は、上記実施形態の手指衛生管理装置200の終了処理を示すフロー図である。
信号処理装置1は、手洗い開始時刻から所定時間経過後、もしくは模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7または赤外線センサ(第1の近接/離反検知部)6が、作業者Pが洗面台から離れたことを検知した場合には、手指衛生管理装置200の処理を終了する。
手洗い開始時刻から所定時間経過した場合(S801)、信号処理装置1の全体制御部14は、検知終了信号を送受信部13を介してドップラーセンサ5に送信するとともに、所定時間経過後の時刻を手洗い終了時刻として個人情報記憶部111に格納する。ドップラーセンサ5は、送信器51からのマイクロ波の放射を停止し、動作情報の検出を停止する終了処理を行う(S804)。また、信号処理装置1の全体制御部14は、作業模範情報の表示を終了する終了処理も行う(S804)。
作業者Pが手の洗浄が終了したため、手指衛生管理装置200が設置されている洗面所から離れた場合も、模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7は、信号処理装置1に作業者離反検知信号を出力する(S802)。
また、作業者Pが手を洗面台の蛇口の下周辺から移動させると、赤外線センサ6が作業者Pの手が離れたことを検出し、離反検知信号を信号処理装置1へ送信する(S803)。
全体制御部14は、赤外線センサ6からの離反検知信号や模範情報表示用赤外線センサ7からの作業者離反検知信号を送受信部13を介して受信すると、検知終了信号を送受信部13を介してドップラーセンサ5に送信するとともに、内部に保持しているタイマから現在時刻を取得し、手洗い終了時刻として個人情報記憶部111に格納する。
ドップラーセンサ5は、送受信部13を介して全体制御部14から検知終了信号を受信すると送信器51からのマイクロ波の放射を停止し、動作情報の検出を停止する終了処理を行う(S804)。また、信号処理装置1の全体制御部14は、作業模範情報の表示を終了する終了処理も行う(S804)。
所定時間経過する(例えば、水により手をすすぐ動画データM8を表示開始)までは、赤外線センサ6からの離反検知信号を受信(S803)しても離反検出無効としてS801に戻るようにしてもよい。
図17は、上記実施形態のモニタ(報知部)4の表示態様の一例を示す説明図である。
報知処理においては、全体制御部14は、動作解析情報、評価結果を表示し、かつ作業模範情報を表示する。
表示態様は、模範となる手洗い方法の動画データである作業模範情報C3(図17)に重ねてテキストデータである評価結果C2と擦り合わせ回数である動作解析情報C1を表示してもよいし、別々の位置に表示してもよい。
本実施例では、報知部4がモニタであったが、報知部4が可聴音で報知する可聴音出力手段、ランプの点灯状態や発光色で報知するもの、印字する印刷手段等の場合は、その手段に必要な報知処理を行う。
ドップラーセンサ305は2つ設けられていてもよい。2つ設けられている場合は、左右の手それぞれにマイクロ波を放射、受信できるように、手の洗浄位置を中心に送信器51a,51bと受信器52a,52bを左右に設置する。
例えば、両方のドップラーセンサの出力からそれぞれ擦り合わせ回数を演算し、それらの値が大きい方を採用(一方の固くした指で他方の手のひらの中で前後しながら回転させて擦る方法など、片方の手が主として動作する場合)または平均値(手のひら同士で手を擦り合わせる方法など左右の手が同様の動作をする場合)を利用する。
左右の手および/または腕の動き(動作情報)を使用して、動作解析および評価を行うことができるため、より精度が高い評価結果を提供することが可能となる。
図20は、本発明の第3の実施形態である手指衛生管理システム1000の構成を示す概略図である。図21は、上記実施形態の手指衛生管理装置400を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態の手指衛生管理システム1000は、複数台の手指衛生管理装置400、サーバ9をネットワーク2で接続することで、複数の手指衛生管理装置で取得した作業者Pの識別情報や個人情報を統合してサーバ9で一元管理するとともに、サーバ9はネットワーク22を介して閲覧端末44と接続され、閲覧端末44で個人情報を閲覧可能となっている。第1の実施形態および第2の実施形態の手指生成管理装置と重複する部材・構成は同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
手指衛生管理システム1000は、手指衛生管理装置400とサーバ9が施設内LAN(Local Area Network)であるネットワーク2を介して接続され、サーバ9はさらにインターネット等のネットワーク22を介して閲覧端末44と接続される。作業者Pは、識別情報を記憶するICタグ8を携帯している(図20)。
タグリーダ(識別情報取得部)3は、作業者Pが携帯しているICタグ8から識別情報を読み取るためのものであり、アンテナ、送信回路、変調回路、発振回路、復調回路、受信回路等を備えた既知のタグリーダである。
ICタグ8は、具体的にはRFIDで構成され、作業者Pを特定するための識別情報を格納するタグであり、アンテナ、送信部、受信部、記憶部、電流整流部等で構成される。ICタグ8には、作業者Pを識別するための識別情報が格納されており、作業者PはICタグ8を携帯した状態で作業を行っている。
タグリーダ3は、模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7が作業者Pを検知すると、ICタグ8のタグ情報(識別情報)を読み取り、信号処理装置1の個人情報記憶部111に識別情報を格納する。
また、動作情報の解析、評価終了後、信号処理装置1は、個人情報記憶部111に格納されている識別情報と個人情報をサーバ9に送信する。
閲覧端末44は、サーバ9に格納された情報を表示する表示端末であって、作業者Pや手指衛生管理者が閲覧端末44のWEBブラウザからサーバ9に格納された識別情報および個人情報を閲覧することが可能である。閲覧端末44は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット端末等のWEBブラウザが表示可能な端末であればよい。
手指衛生管理者は、閲覧端末44から医療従事者や調理従事者の過去数週間分の個人情報の履歴を閲覧することが可能であり、かつ複数の手指衛生管理装置400で取得した個人情報の履歴を総合して閲覧することが可能であるため、医療従事者や調理従事者に対して適切な指導や警告を行うことが可能であるし、患者の個人情報を格納している場合は、患者の手指衛生行動を閲覧端末44から確認して、個々の患者に適切なアドバイスを行うことが可能である。
また、医療従事者や調理従事者が閲覧端末44を使用して自分の個人情報を確認することも可能であり、手指衛生行動が適切であったか否かの振り返りとして使用可能で、改善意欲を向上することができる。
閲覧端末44の表示態様であるが、図23のように、作業者Pを識別する識別情報と関連づけた個人情報の履歴の一覧を表示させ、動作解析情報評価結果がNGとなった個人情報のみ目立つように表示することも可能であるし、グラフ化して見やすく加工することも可能である。
記憶部11は、個人情報記憶部111、報知情報記憶部112、作業模範情報記憶部113から構成され、個人情報記憶部111には、個人情報である手の擦り合わせ回数Npiである動作解析情報、動作解析情報評価結果、洗浄液の使用有無、手洗い開始時刻、手洗い終了時刻等と、作業者Pの識別情報が格納される。個人情報として装置IDを格納してもよい。
全体制御部14は、手指衛生管理装置400の全体の制御を行うものであり、送受信部13を介して模範情報表示用赤外線センサ7からの作業者近接検知信号を受信すると、タグリーダ3を駆動し、ICタグ8のタグ情報(識別情報)を読み取る。ICタグ8から取得したタグ情報(識別情報)は、個人情報記憶部111に格納する。
また全体制御部14は、動作解析部121、動作解析情報評価部122の評価が終了しドップラーセンサ5の検知が終了したタイミングで、個人情報記憶部111に格納された識別情報と個人情報を関連づけて送受信部13を介してサーバ9に送信する。
なお、識別情報に応じた制御などを行ってもよい。例えば、施設において衛生管理された部屋の入り口付近にタグリーダを設置し、動作解析情報評価結果が不適切の作業者が衛生管理された部屋の入り口を通過しようとする場合に、識別情報を読み取り警報を鳴らすなど、施設内の衛生管理に活用できる。また、個人によってドップラー信号の特徴が異なることに起因して、統一したアルゴリズムと閾値では正確な手の擦り合わせ回数の演算が困難な場合に、識別情報ごとにアルゴリズムと閾値を変更するようにしてもよい。さらに、手の擦り合わせ回数の閾値HNまたはHNiを識別情報に応じて変更してもよい。
図22は、上記実施形態の手指衛生管理装置400の全体概要を示すフロー図である。
模範情報表示用赤外線センサ(第2の近接/離反検知部)7は、作業者Pが洗面所付近に近接したことを検知すると、信号処理装置1に作業者近接検知信号を出力する(S501)。
信号処理装置1の全体制御部14は、作業者近接検知信号を受信するとタグリーダ3を駆動し、作業者Pを特定するためのICタグ8のタグ情報(識別情報)を読み取って取得する。ICタグ8から取得したタグ情報(識別情報)は、個人情報記憶部111に格納する(S502)。
S401からS414の実行を順次行う(S503)。
信号処理装置1の全体制御部14は、動作解析部121、動作解析情報評価部122の評価が終了しドップラーセンサ5の検知が終了したタイミングで、個人情報記憶部111に格納された識別情報と個人情報を関連づけて送受信部13を介してサーバ9に送信する。
また、閲覧端末からWEBブラウザを使用して、簡単に個人情報を視認可能であるため、手指衛生管理者が、閲覧端末を使用して医療従事者や調理従事者、患者に対して適切な指導や警告を行うことが可能であるし、医療従事者や調理従事者本人が閲覧端末を使用して自分の手指衛生行動が適切であったか否かを振り返ることができ、手指衛生行動の向上を図ることが可能となる。
1000 手指衛生管理システム、
1 信号処理装置、
11 記憶部、
111 個人情報記憶部、
112 報知情報記憶部、
113 作業模範情報記憶部、
12 信号処理部、
121 動作解析部、
122 動作解析情報評価部、
13 送受信部、
14 全体制御部、
2,22 ネットワーク、
3 タグリーダ、
4 報知部(モニタ)、
44 閲覧端末、
5,305 ドップラーセンサ、
51,51a,51b 送信器、
52,52a,52b 受信器、
6 第1の近接/離反検知部(赤外線センサ)、
7 第2の近接/離反検知部(赤外線センサ)、
8 ICタグ、
9 サーバ、
P 作業者
Claims (11)
- 作業者の手および/または腕の動きである動作情報を取得するためのドップラーセンサと、前記動作情報に基づいて作業者の動きを解析して動作解析情報を算出する動作解析部と、前記動作解析情報に基づいて作業者の手指衛生行動を評価する動作解析情報評価部と、前記動作解析情報評価部の評価結果を報知する報知部とを備えたことを特徴とする手指衛生管理装置。
- 前記動作解析情報とは、手の擦り合わせ回数であることを特徴とする請求項1記載の手指衛生管理装置。
- 前記動作解析部は、位相が異なる2つのドップラー信号を使用して、手の近接/離反状態を解析し、手の擦り合わせ回数をソフトウェア処理により演算することを特徴とする請求項2記載の手指衛生管理装置。
- 前記動作解析部は、前記動作情報に基づいて作業者の動きをリアルタイムに算出し、前記報知部は、さらに前記動作解析情報をリアルタイムに報知することを特徴とする請求項2または3記載の手指衛生管理装置。
- 前記手指衛生管理装置は、さらに作業者の手および/または腕が近接、離反したことを検知する第1の近接/離反検知部を備え、前記第1の近接/離反検知部が検知した時刻を記録することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の手指衛生管理装置。
- 前記第1の近接/離反検知部が作業者の手および/または腕が近接したことを検知した場合に前記動作解析部による解析が開始されることを特徴とする請求項5記載の手指衛生管理装置。
- 前記手指衛生管理装置は、さらに作業者が近接および離反したことを検知する第2の近接/離反検知部および作業者に対して正確な作業の誘導を行うための作業模範情報を報知する作業情報報知部を備え、作業者が近づいたことを前記第2の近接/離反検知部が検知した場合は、前記作業模範情報を前記作業情報報知部で報知し、作業者が離れたことを前記第2の近接/離反検知部が検知した場合は、前記作業模範情報を報知しないことを特徴とする請求項5または6記載の手指衛生管理装置。
- 前記第1の近接/離反検知部と前記第2の近接/離反検知部は同じ装置であることを特徴とする請求項7記載の手指衛生管理装置。
- 前記ドップラーセンサは、少なくとも2つ設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の手指衛生管理装置。
- 請求項1から9のいずれか一項記載の手指衛生管理装置とサーバがネットワークを介して接続される手指衛生管理システムにおいて、前記手指衛生管理装置は、作業者を識別するための識別情報を取得するための識別情報取得部と、前記識別情報と前記動作解析情報を少なくとも含む個人情報を関連づけて前記サーバに送信する送信部を備え、前記サーバは送信された前記識別情報と前記個人情報を関連づけて格納することを特徴とする手指衛生管理システム。
- 作業者が近接したことを検知する第2の近接検知ステップと、
前記第2の近接検知ステップにより作業者が近づいたことを検知した場合に作業者に対して正確な作業の誘導を行うための作業模範情報を報知する作業模範情報報知ステップと、
前記第2の近接検知ステップにより作業者が近づいたことを検知した場合に、作業者を識別するための識別情報を取得するための識別情報取得ステップと、
作業者の手および/または腕が近接したことを検知する第1の近接検知ステップと、
前記第1の近接検知ステップにより作業者の手および/または腕が近づいたことを検知した場合に作業者の手および/または腕の動きである動作情報を取得する動作情報取得ステップと、
前記動作情報に基づいて作業者の動きを解析して動作解析情報を算出する動作解析ステップと、
前記動作解析情報に基づいて作業者の手指衛生行動を評価する動作解析情報評価ステップと、
前記動作解析情報評価ステップで算出された評価結果を報知する評価結果報知ステップと、
作業者が離れたことを検知する第2の離反検知ステップと、
前記第2の離反検知ステップにより作業者が離れたことを検知した場合に前記作業模範情報を報知しない作業模範情報報知停止ステップとを有することを特徴とする手指衛生管理方法。
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