JP2018114059A - 身体測定用器具および身体サイズの測定方法、着衣選択システム、オーダーメイド着衣設計システム - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 伸縮性素材からなる衣服と、当該衣服の変形に追随するように取り付けられた伸縮変形に応じた変形情報を提示する素子を有する身体測定用器具であって、
前記伸縮変形に応じた変形情報を提示する素子が、可逆的に伸縮性を有するコンデンサであり、変形情報が静電容量の変化であることを特長とする身体測定用器具。
[2] 前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが、伸縮性導体層、伸縮性誘電体層、伸縮性導体層の順で積層された層構成を有するコンデンサであって、前記伸縮性導体層の比抵抗が1×10-3Ωcm以下であり、前記伸縮性誘電体層が、引張降伏伸度が70%以上の伸縮性絶縁高分子により構成されていることを特徴とする[1]に記載の身体測定用器具。
[3] 前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサの面方向への20%伸長時の応力が15N/cm以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の身体測定用器具。
[4] 少なくとも人体上半身から臀部までを被覆する一体型の衣服であり、少なくとも胸部周囲、腹部周囲、臀部周囲のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[5] 少なくとも人体上半身から下腹部までを被覆する一体型の衣服であり、少なくとも左右いずれかの肩から背中、およびまたは肩から腹部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[6] 少なくとも人体上半身から下腹部までを被覆する一体型の衣服であり、頸部から背中、およびまたは頸部から腹部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
「7」 少なくとも人体上半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも肩関節から肘関節までの間、肘関節から手首関節までの間のいずれかの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[8] 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも腹部周囲、臀部周囲、左右いずれか、または両方の太もも周囲、ふくらはぎ周囲のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[9] 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、左右いずれか、または両方の足の側面において、股関節から膝関節までの間、膝関節から足首関節の間のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[10] 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも左右いずれかの踵および、または足の裏の土踏まずから、両足の内側側部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の身体測定用器具。
[11] 人体の全身を被覆する一体型の衣服である[1]から「10」のいずれかに記載の身体測定器具。
[12] 被測定対象となる人体サイズに対して、前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサの変形が伸長方向となるように設定されたサイズの[1]から[11]のいずれかに記載の身体測定用器具を着用し、可逆的に伸縮性を有するコンデンサの静電容量の、非着用時の静電容量と着用時の静電容量の差から被測定対象となる人物の、可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられている個所に相当する身体寸法を求める事を特長とする身体サイズの測定方法。
[13] [12]に記載の身体サイズ測定方法により得られた被験者の身体サイズ測定結果を無線ないし有線通信にてコンピュータを含むシステムに転送する機構、得られた身体サイズ情報から被験者に適する衣服を既存品から選択する演算機構、得られた選択結果を被験者にフィードバックする機構を備えることを特長とする着衣選択システム。
[14] [12]に記載の身体サイズ測定方法により得られた被験者の身体サイズ測定結果を無線ないし有線通信にてコンピュータを含むシステムに転送する機構、得られた身体サイズ情報から被験者に適する衣服を設計する演算機構、得られた設計結果を被験者にフィードバックする機構を備えることを特長とするオーダーメイド着衣設計システム。
本発明において、可逆的に伸縮性を有するコンデンサの面方向への伸縮変形に応じて変化する可逆的に伸縮性を有するコンデンサの静電容量変化は、主として伸縮性誘電体層の面方向への伸縮に伴う、伸縮性誘電体層の厚さ方向への変化による静電容量の変化である。かかる特性を発現させるためには伸縮性誘電体層に用いる材料のポアソン比が高い方が好ましい。本発明の伸縮性誘電体層のポアソン比は0.28以上である事が好ましく、0.38以上である事がなお好ましく、0.48以上である事がさらに好ましい。ポアソン比を高めるには伸縮性誘電体層に配合される無機成分が少ない方が良い。
本発明の可逆的に伸縮性を有するコンデンサは、厚さを薄くすることが出来るため、結果として極軽量のセンサを構成することができる。さらに本発明の可逆的に伸縮性を有するコンデンサは伸張時の応力を低く抑えることが可能であるため、高感度で、なおかつ、測定対象に与える影響を小さくすることができる。
2.伸縮性誘電体層
3.伸縮性導体層(背面電極)
4.伸縮性導体
5.伸縮性誘電体
6.ホットメルト接着層
7.基材
11.伸縮性基材
12.伸縮性下地層
13.第1の伸縮性導体層
14.伸縮性誘電体層
15.第2の伸縮性導体層
16.伸縮性絶縁カバー層
17.裏面電極
18.スルーホール
19.仮基材
31.可逆的に伸縮性を有するコンデンサ
32.端子
33.配線
本発明に用いられる可逆的に伸縮性を有するコンデンサの伸縮性導体層は、金属粒子と柔軟性樹脂を混練混合し、フィルム状ないしシート状に成型することにより得ることができる。本発明の伸縮性導体層は、好ましくは金属粒子と柔軟性樹脂に溶剤などを加えて伸縮性導体形成用ペースト化、ないしスラリー化した状態を経て、塗布、乾燥によりシート状ないしフィルム状に加工することが出来る。また、ペースト化した後、印刷することにより所定の形状を与えることもできる。
本発明におけるウレタンゴムは、前述のポリオール成分及び上記イソシアネート成分以外に、更に必要に応じて、鎖延長剤、架橋剤、触媒、加硫促進剤等を含有する混合物を反応させて得られたものでも良い。本発明では硫黄不含型の架橋剤の使用が好ましい。また、本発明の柔軟性を有する高分子材料には可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤、誘電フィラー等を含有してもよい。
本発明に使用される有機溶剤は、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が130℃以上、280℃未満である。有機溶剤の沸点が低すぎると、ペースト製造工程やペースト使用に際に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化しやすい懸念がある。一方で、有機溶剤の沸点が高すぎると、乾燥硬化塗膜中の残溶剤量が多くなり、塗膜の信頼性低下を引き起こす懸念がある。
本発明に用いられる伸縮性誘電体層は引張降伏伸度が70%以上の伸縮性絶縁高分子により構成されていることが好ましい。引張降伏伸度は85%以上であることが好ましく、120%以上である事がなお好ましく、150%以上である事がなお好ましい。
図9は、引張試験にて得られる典型的なS−Sカーブを示す概略図で有り、図中において
SR:引張破断強度
SB:引張強度
SS:引張降伏強度
ER:引張破断伸度
EB:引張伸度
ES:引張降伏伸度
である。
本発明における伸縮性絶縁高分子層の引張降伏伸度は80%以上が好ましく95%以上が更に好ましく、120%以上がなおさらに好ましい。
引張降伏伸度の上限は450%、好ましくは360%である。引張降伏強度が必要以上に高いと、誘電体層としての機械的強度が損なわれる場合がある。
また、伸縮性誘電体層に含まれる無機フィラーが多いと、伸縮性誘電体層のポアソン比が低くなり、伸張時の静電容量変化が小さくなり、センサーとして応用した場合の感度が低下する。
本発明の可逆的に伸縮性を有するコンデンサは、厚さ方向への圧縮、伸張、およおび面方向への圧縮、伸張、いずれの場合にも静電容量の変化を生じるため、あらゆる方向への変形可能センサとして利用可能であるが、本発明では特に面方向への伸張変形による静電容量変化を利用することが好ましい。
接着材層としては絶縁性のホットメルト型の高分子材料を用いることが好ましい。本発明では、離型シート上にまず伸縮性導電性を形成し、次いで伸縮性誘電体層を形成し、さらにホットメルト接着材シートを重ね、離型シートで挟んで、加熱加圧することにより、かかる積層シートを得ることができる。
[数1] 伸張回復率=((L1-L2)/(L1-L0))×100 [%]
[数2] 残留歪み率=((L2-L0)/L0)×100 [%]
L0 初期長さ
L3 伸び=L1−L0
L4 回復長さ=L1−L2
L5 残留歪み=L2−L0
と、定義する。類似の測定法がJIS L 1096 織物および編物の生地試験法に定めてられているが、一定荷重負荷による伸張後の回復率では無くでは、一定長さまで伸張させた場合の回復率である点が異なる。実使用において伸縮性導体層に加わる負荷は、荷重とは無関係に、所定の長さまで繰り返し伸張される場合が多いため、一定荷重負荷法による伸張回復率では実用性能を表現することができない。本発明の可逆的に伸縮性を有するコンデンサの伸張回復率は、コンデンサ素子として機能する部分の評価であって、電極部分は省かれる。断らない限り伸張回復率は25℃±3℃の環境下にて評価される。
伸縮性を有するコンデンサの伸縮性誘電体層の面方向を、伸縮性素材からなる衣服の変形に追随するように取り付ける方法としては、縫い付け、あるいは接着すれば良い。接着剤を用いる場合には伸縮性のある接着剤ないし粘着剤を使用すべきである事は自明である。本発明では柔軟性のあるホットメルト素材などを利用して伸縮性素材に取り付けることが好ましい。
布帛が織物(ニット)の場合、例えば平織、綾織、朱子織、等を例示できる。布帛が編み物の場合、例えば平編み、およびその変形、鹿の子編、アムンゼン編、レース編、アイレット編、添え糸網、パイル編、リブ網、リップル編、亀甲編、ブリスター編、ミラノ・リブ編、ダブルピケ編、シングル・ピケ編み、斜文編、ヘリボーン編、ポンチローマ編、バスケット編、トリコット編、ハーフ・トリコット編、サテントリコット編、ダブルトリコット編、クインズコード編、ストライプ・サッカー編、ラッセル編、チュールメッシュ編、およびこれらの変形・組み合わせを例示できる。布帛はエラストマー繊維などからなる不織布であっても良い。
またこれら織物、編み物を校正する繊維素材としては、綿、羊毛、麻などの天然繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリベンザゾール、ポリイミド、ポリ芳香族アミド、ポリベンゾオキサゾール、高分子量ポリエチレンなどの化学合成繊維、それらの混紡品などを用いる事ができる。
なお、ここにトレンカとは、レギンスの一種の、下半身から脚を覆う衣服であり、トレンカレギンスとも言、一般的に単なるレギンスは踝から先を覆う部分がないものを示すが、トレンカは土踏まずの部分に引っ掛ける部分を持つことを特長とする。
この応力は、衣服を校正する伸縮性素材と、可逆的に伸縮性を有するコンデンサと生じる応力の合計である。本発明における、身体測定用器具を伸張した際の応力の下限は0.5N、好ましくは0.8Nである。応力がこれより小さいと、身体測定用器具の身体へのフィッティングが甘くなり、姿勢によっては測定が不安定になったり、コンデンサの位置がズレるなどの問題が生じやすくなる。
得られた樹脂材料をNMR分析して得られた組成比から、モノマーの質量比による質量%に換算した。
島津製作所製 SMV−300RT「ムーニービスコメータ」を用いて測定した。
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。
ISO 527−1に規定された方法で引っ張り試験を行って、樹脂材料の応力−歪み線図を求め、常法により弾性率を算出した。
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。ついで、引っ張り試験器を用いてS−Sカーブを求め、図9のように降伏点を求め、その際の伸度を引張降伏伸度とした。
<ポアソン比>
ISO527−1:2012準拠の方法にて、伸縮性誘電体のポアソン比を求めた。
ガラス転移温度は常法に従い示差走査熱量分析(DSC)により求めた。
バインダー樹脂材料の試料をTHF(テトラヒドロフラン)中に、溶液中の樹脂の濃度が0.4質量%となるよう添加して室温で1時間撹拌後、24時間放置した。次いで得られた樹脂溶液をTHFで4倍に希釈した後、0.45μmのフィルターを通過させ、そのろ液につき、GPCを用いて数平均分子量、重量平均分子量、分散比(Mw/Mn)を求めた。
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。
ついで、ダンベル型試験片中の幅10mm、長さ80mmの部分の中央からそれぞれ33mmの個所(有効長66mm)に印を付け、印間の初期距離L0を正確に測長した。次いで印を付けた個所の外側をクランプで挟み、66mmである印間を伸張長さ79.2mm(+13.2mm、伸張度20%に相当)まで伸ばした後にクランプから離し、所定の温度(特に断りの無い場合は25℃)にて水平方向に保持したフッ素樹脂シートの上に置き、印間の伸張後距離L2を測定し、以下の式に従って伸張回復率を求めた。
初期長さ L0=66.0mm
伸張長さ L1=79.2mm
伸張後の長さ L2=実測
伸び L3=L1−L0=13.2mm
回復長さ L4=L1−L2
伸張回復率=((L1-L2)/(L1-L0))×100 [%]
布帛材料をISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。なお、布帛の伸長方向をダンベルの長さ方向とした。
次いで、樹脂の伸張回復率の測定と同様にダンベル型試験片中の幅10mm、長さ80mmの部分の中央からそれぞれ33mmの個所(有効長66mm)に印を付け、伸張長さを99mm(+33mm、伸張度50%に相当)まで伸ばした以外は、樹脂の伸張回復率と同様に操作して伸張回復率を求めた。
JIS L1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法 8.19.2 にて求められる熱収縮温度をもって、布帛の耐熱性とした。
フィラーの平均粒子径は、堀場製作所製の光散乱式粒径分布測定装置LB-500を用いて測定した。
導体シートの大きさが十分にある場合には、ISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、ダンベル型試験片の中央部にある幅10mm、長さ80mmの部分を試験片として用いた。導体シートの成型が可能な場合には厚さ200±20μmのシート状に加熱圧縮成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、同様に試験片とした。導体シートの大きさが小さく、規定されたダンベル形状を得られない場合には、採取可能な幅および長さの矩形を切り取り、試験片とし、測定を行った幅、厚さ、長さを用いて換算した。
試験片:幅10mm、長さ80mmの部分の抵抗値[Ω]を、アジレントテクノロージ社製ミリオームメーターを用いて測定し、試験片の縦横比(1/8)を乗じてシート抵抗値「Ω□」を求めた。
また、抵抗値[Ω]に断面積(幅1[cm]mm×厚さ[cm])を乗じ、長さ(8cm)にて除して、比抵抗[Ωcm]を求めた。
JIS L 0217繊維製品の取扱いに関する表示記号及び表示方法に規定されている105法により30サイクルの洗濯試験を行った。
洗液:中性洗剤0.5%溶液
水流:弱
浴比:1:60
洗濯ネット 有り
洗濯サイクル
洗い 30℃5分
すすぎ 30℃2分 を2回
本サイクルを1サイクルとして、30回くりかえし。
試験後のセンサにて再度動作確認を行った。
ニトリル量40質量%、ムーニー粘度46のニトリルブタジエンゴム12質量部、
イソホロン30質量部、
平均粒子径6μmの微細フレーク状銀粉[福田金属箔粉工業社製 商品名Ag−XF301]58.0質量部、
を均一に混合し、三本ロールミルにて分散することにより伸縮性導電層形成用ペーストAG1を得た。
得られた伸縮性導電層形成用ペーストAG1を離型PETフィルム状にスクリーン印刷法を用いて、塗布乾燥し、厚さ22μmの伸縮性導体シートを得た。
ついで、伸縮性導体シートの長さ方向の両端を引っ張り試験器のクリップに挟み、有効長を160mmとして320mmまで引っ張り、両端の抵抗値と、試験片の最狭部の幅、および、厚さを用いて100%伸張時の比抵抗を算出した。結果、100%伸張時の比抵抗は48×10-4Ωcmであった。その他の特性を含め、評価結果を表1.に示す
さらに可逆的に伸縮性を有するコンデンサの両極に導電性接着材にて銀被覆糸を接続し、配線を引き出して日置電機社製LCRハイテスターと結線し、各可逆的に伸縮性を有するコンデンサの伸張度と1MHzにおける静電容量との関係を測定した。結果両者は良い対応を示した。伸張度0%〜50%の間で、1サイクル/秒の繰り返し周期にて伸張度と静電容量の関係を測定した。結果、ヒステリシスは観察されず、良い対応を示した。
得られた身体測定用器具を300mm×300mmの洗濯ネットに収め、洗濯耐久性試験後に再び、呼吸センシングの可否を確認した結果、問題無く動作することが確認された。
伸縮性誘電体層としてウレタン樹脂を用いた以外は実施例1と同様に操作し、幅10mm、長さ600mmの可逆的に伸縮性を有するコンデンサを製作した。評価結果を表1に示す。
得られた可逆的に伸縮性を有するコンデンサを、実施例1と同様に、レオタードに接着し、図9に示される身体測定用器具を得た。得られた身体測定用器具を同様に評価した結果、被験者の胸部、腹部、臀部の寸法は、巻き尺で測定した値と、±2%の範囲にて一致した。
得られた身体測定用器具を300mm×300mmの洗濯ネットに収め、洗濯耐久性試験後に再び、呼吸センシングの可否を確認した結果、問題無く動作することが確認された。
伸縮性誘電体層として天然ゴムを用い、離型PETフィルムではなく、ホットメルト層付きウレタンシートを基材に用いて、基材上に印刷法により可逆的に伸縮性を有するコンデンサを形成した。本実施例では、伸縮性導体層を延長して配線として使用できるように配置した。得られた可逆的に伸縮性を有するコンデンサを用いて、実施例1と同様に、レオタードに接着し、図9に示される身体測定用器具を得た。得られた身体測定用器具を同様に評価した結果、被験者の胸部、腹部、臀部の寸法は、巻き尺で測定した値と、±2%の範囲にて一致した。
得られた身体測定用器具を300mm×300mmの洗濯ネットに収め、洗濯耐久性試験後に再び、呼吸センシングの可否を確認した結果、問題無く動作することが確認された。
バインダ樹脂にSBR(スチレン−ブタジエンゴム)を用いて、実施例と同様に操作して伸縮性導体形成用ペーストを得た。次いで得られたペーストを離型PETフィルムにコーティングして乾燥後に剥離し、厚さ56μmの伸縮性導電シートを得た。実施例1と同じ伸縮性誘電体層形成用ペーストを離型PETフィルムにコーティングして乾燥後に剥離し、厚さ78μmの伸縮性誘電体シートを得た。各々のシートの評価結果を表1.に示す。
得られた伸縮性導体シートに伸縮性誘電体シートを重ね、さらに伸縮性導体シートを重ねて3層構成とし、離型PETフィルムで挟み、ホットプレスにて三層をラミネートし、可逆的に伸縮性を有するコンデンサを得た。
得られた可逆的に伸縮性を有するコンデンサを用いて、実施例1と同様に、レオタードに接着し、図9に示される身体測定用器具を得た。得られた身体測定用器具を同様に評価した結果、被験者の胸部、腹部、臀部の寸法は、巻き尺で測定した値と、±2%の範囲にて一致した。
得られた身体測定用器具を300mm×300mmの洗濯ネットに収め、洗濯耐久性試験後に再び、呼吸センシングの可否を確認した結果、問題無く動作することが確認された。
[実施例5〜7]
実施例1にて得られた可逆的に伸縮性を有するコンデンサを用いて、図10、図11、図12に示す構成の身体測定用器具を試作し、同様に評価した。
結果、図10の構成の身体測定用器具により、被験者の胴長を±3%にて測定できた。図11の構成の身体測定用器具を用い、臀部の周長は±3%、大腿部と脛部の周長については±1%にて測定できた。また図12の構成の身体測定器具を用いて、足長は±3%、大腿部長、脛部長、ともに±2%にて測定が可能であった。またいずれも器具も、洗濯30回後も特段の問題無く使用可能であった。
[比較例]
実施例4において伸縮性誘電体層として架橋天然ゴムシートを用いた以外は同様に操作して可逆的に伸縮性を有するコンデンサを得た。
次いで得られた可逆的に伸縮性を有するコンデンサを実施例1と同様にM寸のレオタードに貼り付け、L寸の被験者に着用させることにより身体サイズの測定を行おうとしたが、被験者はかなりの窮屈さを訴えており、また測定値も実寸より−5〜7%小さくなった。これは束縛力が強すぎて、かなり身体を締め付けた状態で身体寸法を測定したためと解釈された。
Claims (14)
- 伸縮性素材からなる衣服と、当該衣服の変形に追随するように取り付けられた伸縮変形に応じた変形情報を提示する素子を有する身体測定用器具であって、
前記伸縮変形に応じた変形情報を提示する素子が、可逆的に伸縮性を有するコンデンサであり、変形情報が静電容量の変化であることを特長とする身体測定用器具。 - 前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが、伸縮性導体層、伸縮性誘電体層、伸縮性導体層の順で積層された層構成を有するコンデンサであって、前記伸縮性導体層の比抵抗が1×10-3Ωcm以下であり、前記伸縮性誘電体層が、引張降伏伸度が70%以上の伸縮性絶縁高分子により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の身体測定用器具。
- 前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサの面方向への20%伸長時の応力が15N/cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体上半身から臀部までを被覆する一体型の衣服であり、少なくとも胸部周囲、腹部周囲、臀部周囲のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体上半身から下腹部までを被覆する一体型の衣服であり、少なくとも左右いずれかの肩から背中、およびまたは肩から腹部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体上半身から下腹部までを被覆する一体型の衣服であり、頸部から背中、およびまたは頸部から腹部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体上半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも肩関節から肘関節までの間、肘関節から手首関節までの間のいずれかの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも腹部周囲、臀部周囲、左右いずれか、または両方の太もも周囲、ふくらはぎ周囲のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、左右いずれか、または両方の足の側面において、股関節から膝関節までの間、膝関節から足首関節の間のいずれかの個所に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 少なくとも人体下半身を被覆する一体型の衣服であり、少なくとも左右いずれかの踵および、または足の裏の土踏まずから、両足の内側側部を通過して股までの区間に前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられていることを特長とする請求項1から3のいずれかに記載の身体測定用器具。
- 人体の全身を被覆する一体型の衣服である請求項1から10のいずれかに記載の身体測定器具。
- 被測定対象となる人体サイズに対して、前記可逆的に伸縮性を有するコンデンサの変形が伸長方向となるように設定されたサイズの請求項1から11のいずれかに記載の身体測定用器具を着用し、可逆的に伸縮性を有するコンデンサの静電容量の、非着用時の静電容量と着用時の静電容量の差から被測定対象となる人物の、可逆的に伸縮性を有するコンデンサが取り付けられている個所に相当する身体寸法を求める事を特長とする身体サイズの測定方法。
- 請求項12に記載の身体サイズ測定方法により得られた被験者の身体サイズ測定結果を無線ないし有線通信にてコンピュータを含むシステムに転送する機構、得られた身体サイズ情報から被験者に適する衣服を既存品から選択する演算機構、得られた選択結果を被験者にフィードバックする機構を備えることを特長とする着衣選択システム。
- 請求項12に記載の身体サイズ測定方法により得られた被験者の身体サイズ測定結果を無線ないし有線通信にてコンピュータを含むシステムに転送する機構、得られた身体サイズ情報から被験者に適する衣服を設計する演算機構、得られた設計結果を被験者にフィードバックする機構を備えることを特長とするオーダーメイド着衣設計システム。
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