JP2018111019A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤作動を抑制することができる遊技機を提供すること。【解決手段】制御手段によって、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う読出制御処理が実行される場合には、読み出した制御データが予め定められた特定データであると制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、読出制御処理が終了され、制御手順に従って実行される次の処理に移行される。これにより、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを何回繰り返すのかを制御プログラムに規定しておく必要が無いので、制御プログラムの設計者が繰り返し回数を誤って規定してしまうことを抑制できる。よって、遊技機が誤作動することを抑制することができるという効果がある。【選択図】図27

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際や、その当たり状態を終了する際等の遊技状態を変更する場合に、変更後の遊技状態に対応する複数の設定値に対して、初期値である所定値を設定している。また、初期値の設定方法としては、設定値の個数を制御プログラムに規定しておき、その設定値の個数分だけ初期値の設定を行う制御を繰り返す方法が挙げられる。
特開2001−276365号公報
しかしながら、かかる遊技機では、機種が異なると、当たり状態や、当たりが終了した後の状態の態様が異なる場合があるので、遊技状態を変更する際に設定すべき設定値の個数が機種によって変化してしまう虞がある。よって、設定値の個数が異なる他の機種に制御プログラムを適用する際は、設計者が、適用しようとする機種毎に設定値の個数を数え、制御プログラムに繰り返し回数を規定し直す必要があった。このため、設計者のミスによって制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうと、全ての初期値を設定することができず、遊技状態の変更後に遊技機が誤動作してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技機が誤動作することを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定の制御手順に従って、遊技の制御を実行する制御手段と、その制御手段によって、読み出される制御データが記憶された記憶手段と、前記制御手段によって読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かを判別する制御データ判別手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う処理である読出制御処理を実行する場合には、読み出した制御データが前記特定データであると前記制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、前記読出制御処理を終了して、前記制御手順に従って実行される次の処理に移行させるものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記制御データには、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが交互に規定されているものであり、前記読出制御処理は、前記制御データに規定されている順番にデータを読み出して、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データを設定するものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、遊技状態を変更するか否かを判別する状態変更判別手段を備え、前記制御データは、遊技状態に関する各種の設定値が前記設定用データとして規定されているものであり、前記状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、前記読み出し制御処理を実行するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、所定の制御手順に従って、制御手段により遊技の制御が実行され、制御手段により読み出される制御データが記憶手段に記憶され、その読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かが制御データ判別手段により判別される。制御手段によって、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う読出制御処理が実行される場合には、読み出した制御データが予め定められた特定データであると制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、読出制御処理が終了され、制御手順に従って実行される次の処理に移行される。
これにより、読出制御処理において、特定データが読み出されれば次の処理に移行するので、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを何回繰り返すのかを規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスによって、読出制御処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが、制御データに交互に規定されている。その制御データに規定されている順番に、読出制御処理によってデータが読み出され、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データが設定される。
これにより、データの読み出しの際に、制御データに規定されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無いので、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態を変更するか否かが状態変更判別手段によって判別される。遊技状態に関する各種の設定値が設定用データとして制御データに規定されている。状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、制御手段によって読出制御処理が実行される。
これにより、遊技状態が変更される場合に、設定されるべき設定値が設定されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 遊技結果設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 状態設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、大当たり終了時設定テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり終了時クリアテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 各種設定値格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 レジスタの構成を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり判定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される遊技結果設定値取得処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるはずれ時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるデータ設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるゼロ設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2実施形態における主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における大当たり終了時設定・クリアテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第3実施形態における主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における大当たり終了時初期値設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるゼロ設定処理2を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が複数回繰り返される。その結果、特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「時短大当たりA」〜「時短大当たりC」、および「確変大当たりA」〜「確変大当たりJ」の13種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。詳細については後述するが、例えば、大当たり種別が「確変大当たりA」であった場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態に移行するという遊技価値が付与される。また、大当たり種別が「時短大当たりB」であった場合は、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が30回行われるまで普通図柄の時短状態が継続するという遊技価値が付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」、および「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」の13種類が設けられている。
「通常大当たり」になると、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となるが、大当たり終了後には何らの付加価値も付与されることがない。即ち、大当たり終了後は特別図柄の低確率状態へ移行し、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)へ移行することもない。
「時短大当たりA」、および「時短大当たりB」になると、いずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)へ移行する。しかしながら、「時短大当たりA」、及び「時短大当たりB」では、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)が継続する期間がそれぞれ相違する。具体的には、「時短大当たりA」は、大当たりに当選した際の状態によらず、大当たりの終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。一方、「時短大当たりB」は、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、「普通図柄の時短状態」が継続する期間に差が付けられている。具体的には、特別図柄の高確率状態中に「時短大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまでの間普通図柄の当たり確率がアップし、特別図柄の低確率状態中に「時短大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまでの間普通図柄の当たり確率がアップする。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選回数で普通図柄の時短状態が継続する期間を規定しているが、例えば、特別図柄の変動が終了する回数で規定してもよい。
また、「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選すると、いずれもラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となり、その後は大当たりに当選する前の状態に応じて、「特別図柄の高確率状態」へ移行するか、または「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」へと移行する。具体的には、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短中に「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後に「特別図柄の高確率状態」へと移行する。一方、各種時短大当たりの終了後に付与される普通図柄の時短中以外の状態(即ち、特別図柄の高確率状態中、または、特別図柄の低確率状態中、且つ、普通図柄の通常状態中)で「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、「普通図柄の時短状態」へと移行する。なお、大当たりの終了後に「普通図柄の時短状態」が継続する期間は、「特別大当たりA」においては特別図柄の抽選が20回終了するまでの間であり、「特別大当たりB」においては特別図柄の抽選が30回終了するまでの間である。
更に、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」では、いずれも特別遊技状態となり、その後大当たり終了後の付加価値として、「特別図柄の高確率状態」へ移行する。しかしながら、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」では、大当たりのラウンド数や特定入賞口(大開放口)65aの動作パターンがそれぞれ異なっている。具体的には、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」では、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、「確変大当たりE」〜「確変大当たりH」では、ラウンド数が2ラウンドの特別遊技状態(2ラウンド大当たり)となる。
更に、「確変大当たりA」や、「確変大当たりF」〜「確変大当たりH」では、特別遊技状態中の各ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖される条件が他の大当たり種別とは異なっている。具体的には、「時短大当たりA」〜「時短大当たりC」、「確変大当たりA」、「確変大当たりB」、「確変大当たりD」〜「確変大当たりG」では、各ラウンドにおいて、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで特定入賞口(大開放口)65aが開放されるのに対して、「確変大当たりC」、および「確変大当たりH」〜「確変大当たりJ」では、各ラウンドにおいて、0.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで特定入賞口(大開放口)65aが開放される。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、遊技球を発射する発射回数に上限を設けているので(例えば、1分間に最大100回)、0.5秒以内に特定入賞口(大開放口)65aに球を10個入賞させることは極めて困難であり、ほとんどの場合、10個の球を入賞させる前に特定入賞口(大開放口)65aは閉鎖されてしまう。よって、「確変大当たりC」、および「確変大当たりH」〜「確変大当たりJ」では、遊技者が獲得できる1ラウンドあたりの賞球数が、他の大当たり種別よりも少なくなる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」のいずれかが終了してから、特別図柄の抽選が所定回数(20回、30回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が20回であれば、普通図柄の時短期間が20回であると記載する。このように、本実施形態のパチンコ機10には、大当たり状態や、普通図柄の時短状態、特別図柄の確変状態等の様々な遊技状態が設けられており、遊技者の興趣向上が図られている。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数と、各ラウンドにおける特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件と、大当たり終了後の状態(特別図柄の確変状態とするか普通図柄の時短状態とするか)とをそれぞれ異ならせている。これに対して、ラウンド数を大当たり種別によらず共通としても良いし、各ラウンドにおける特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件を大当たり種別によらず共通としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、ラウンド数や特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件は、本実施形態の態様に限られるものではなく、例えば、4ラウンドの大当たりや9ラウンドの大当たりを設けてもよいし、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件として、例えば、「3秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで」という条件や、「10秒経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで」という条件の大当たりを設けてもよい。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」、または「普通図柄の時短状態」のうちいずれかの状態へと移行するように構成しているが、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が所定回数(例えば、4回)終了するまでの間は必ず「特別図柄の高確率状態」となるように構成し、所定回数の特別図柄の抽選が終了した後で、「特別図柄の低確率状態」へ移行させると共に、「普通図柄の時短状態」、または「普通図柄の通常状態」となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たり種別が「時短大当たりA」になると、その「時短大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「時短大当たりB」になると、その「時短大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が20回、または30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「時短大当たりA」になると、その「時短大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「時短大当たりB」になると、その「時短大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が120回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
更に、本実施形態では大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、大当たり終了後に遊技者に与えられる付加価値を異ならせている大当たり種別(「時短大当たりA」、「特別大当たりA」、および「特別大当たりB」)を設けているが、大当たり終了後に遊技者に与えられる付加価値は、大当たりに当選した際の遊技状態によらず固定としてもよい。例えば、「時短大当たりA」に当選した場合は、大当たり当選時の状態によらず、大当たりの終了後に特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続するように構成し、「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、大当たり当選時の状態によらず、大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態へ移行するように構成してもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、本実施形態では、第1入球口64を1つのみ設ける構成としているが、第1入球口64を複数個設けておいてもよい。この場合において、球が入球した第1入球口64の種別毎に球の入球を保留するように構成してもよい。また、保留球に応じて変動を実行させる場合に、第1入球口64の種別を考慮せずに入球があった順番に変動を実行させても良いし、保留球が存在する場合に、優先的に変動を実行させる第1入球口64を設ける構成としてもよい。また、複数の第1入球口64を設けた場合は、第1入球口64の種別に応じて大当たりの当選確率や、各大当たり種別の選択比率を変更してもよい。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」のいずれかであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「確変大当たりA」、「確変大当たりE」〜「確変大当たりH」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われ、「確変大当たりB」〜「確変大当たりD」であれば(即ち、遊技者にとって最も有利な16ラウンドの確変大当たりであれば)、奇数番号「7」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。このように構成することにより、揃った主図柄を確認するだけで大当たり種別を認識することができる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(30秒経過するまで、若しくは、球が10個入賞するまで、又は、0.5秒経過するまで、若しくは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、大当たり種別に応じた回数だけ繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、ROM202やRAM203から各種データを読み出したり、RAM203に各種データを書き込んだりする場合に、読み出し、および書き込みに必要なデータを一時的に記憶させるためのレジスタ210と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図6〜図9を参照して説明する。図6(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、遊技結果設定テーブル202e、状態設定テーブル202f、大当たり終了時設定テーブル202g、大当たり終了時クリアテーブル202hが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aの詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述する。
第1当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細については、第1当たり種別カウンタC2の説明と共に後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図6(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。なお、この第2当たり乱数テーブル202cの詳細については、第2当たり乱数カウンタC4の説明と共に後述する。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の大当たりの判定結果や遊技状態等に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。例えば、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルや、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルである。また、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルにも、複数存在し、大当たり種別毎に選択されるテーブルを異ならせている。更に、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルも複数存在し、例えば、大当たり終了後にしか選択されないテーブル等が設けられている。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
遊技結果設定テーブル202eは、(図7参照)は、大当たりに当選した場合に、大当たりを示す停止図柄の設定や、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの動作パターン等の設定値が大当たり種別毎に規定されているデータテーブルである。この遊技結果設定テーブル202e(図7参照)は、ROM202のアドレス「19D8H」〜「1A2BH」の範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この遊技結果設定テーブル202e(図7参照)には、各大当たり種別となる判定値(乱数値)の個数(判定値個数)と、複数のLED37aの点灯パターン(表示図柄数)と、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄情報)と、特定入賞口(大開放口)65aの作動パターン(大開放口パターン)と、変動パターン選択テーブル202dに規定されている大当たり時の変動パターンを選択するための複数のテーブルの中からいずれを選択して変動パターンの決定に用いるのかを示す情報(テーブル選択情報)と、大当たりが終了した後の遊技状態を決定するための情報(オフセット1、オフセット2)とが規定されている。なお、図7には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
本パチンコ機10では、大当たりに当選することに基づいて、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)から、当選した大当たり種別に応じた上記各設定値を、RAM203の各種設定値格納エリア203e(図11参照)に格納する。この各種設定値格納エリア203eの詳細については後述する。そして、各種設定値格納エリア203eに格納された設定値に基づいて、MPU201により大当たりとなる変動パターン演出や大当たりに関する各種制御が行われる。また、各種設定値格納エリア203e(図11参照)には、遊技に関する設定値を格納する記憶領域に加えて、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)に規定されているオフセット1、オフセット2に基づいて算出されるオフセット値を格納するためのオフセット値格納エリアが設けられている。このオフセット値は、大当たり終了後の遊技状態を設定するために用いられる値であり、詳細については後述するが、遊技結果設定値取得処理(図17参照)においてオフセット1とオフセット2とを参照して算出される値である。
具体的には、大当たりの終了タイミングと判別された場合に実行される大当たり終了処理(図26参照)において、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を状態設定テーブル202f(図8参照)から選択して各種設定値格納エリア203eに設定するために用いられる。即ち、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)そのものを大当たりの終了時点まで保持し続け、その乱数値(カウンタ値)に基づいて大当たり終了後の遊技状態を決定しているわけではなく、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)に基づいて選択されるオフセット値のみを大当たり中に保持する構成としている。
ここで、大当たりとなる乱数値を大当たり当選の際の変動パターン演出中や、その後の大当たり状態中に保持しておく構成とした場合、不正遊技者によって大当たり乱数が読み出されることにより、大当たりとなる乱数値が特定される可能性がある。よって、その特定された乱数値が出現するタイミングが解析され、その解析されたタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てられやすくなる虞がある。これに対して、本実施形態では、取得した乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換して大当たり終了時点まで保持し、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を、大当たり当選の際の変動パターン演出中や、その後の大当たり状態中に保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としている。RAM203に各種設定値の全てを一時的に記憶しておく記憶エリアを設けておくのではなく、オフセット値を保持する領域を設けておくだけで足りるので、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
次いで、図8を参照して、ROM202の状態設定テーブル202fについて説明する。この状態設定テーブル202f(図8参照)は、大当たりの終了後に移行し得る遊技状態がオフセット値毎に規定されているテーブルであり、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(S1207:Yes)に実行される大当たり終了処理(S1208)の中で、大当たり終了後の遊技状態を設定するために参照されるデータテーブルである。
この状態設定テーブル202f(図8参照)は、ROM202のアドレス1AD4H〜1AF3Hの範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この状態設定テーブル202f(図8参照)には、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態に移行させるか否かを示す情報(特別図柄の抽選状態)と、大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)と、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短期間と(時短回数)、変動パターンの態様を選択するための変動パターン選択テーブル202dを大当たり終了後用のテーブルから、状態に応じたテーブルに切り替えるまでに要する特別図柄の抽選回数(変動パターン選択テーブル切替回数)とが規定されている。また、図8には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
なお、普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)には、通常状態、時短状態1、時短状態2、および時短状態3の4種類の状態が設けられている。普通図柄の状態として通常状態が設定されている場合は、大当たり終了後に普通図柄の通常状態へ移行する。一方で、時短状態1〜時短状態3のいずれかが設定されている場合は、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。これに加えて、上記4つの状態は、変動パターン選択テーブル切替回数を経過後に変動パターンを決定するために用いられるテーブルが互いに異なっている。即ち、外れ用の変動パターン演出を行う場合に、変動パターン選択テーブル202dに規定された複数のテーブルからいずれのテーブルを選択して変動パターン演出の決定に用いるかが、上記4つの状態でそれぞれ異なっている。
上述した通り、本パチンコ機10では、大当たりに当選することに基づいて、遊技結果設定テーブル202eに規定されるオフセット1、オフセット2から算出されるオフセット値をオフセット値格納エリアに保持しておき、大当たり終了時に、オフセット値に対応した設定値を状態設定テーブル202fから抽出して各種設定値格納エリア203eに格納するように構成されている。
第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換して大当たり終了時点まで保持し、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203には大当たりの終了までオフセット値を保持しておくための記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
次に、図9を参照して、ROM202に規定されている大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)、および大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)について説明する。これらのテーブルは、大当たり終了処理(図26参照)において、後述する各種設定値格納エリア203eに設定されている大当たり中用の設定値を初期化して、通常の遊技状態中用の設定に書き換えるための制御データが規定されているテーブルである。
大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)は、ROM202のアドレス1202H〜1204Hの範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。具体的には、ROM202のアドレス「1202H」〜「1204H」の各アドレスには、各種設定値格納エリア203e(図7参照)においてリセットを行うデータの格納位置を示すアドレスデータと、そのアドレスデータが示すデータの格納位置に設定するためのデータ(大当たり中を示す設定値をリセットするためのデータ)と、遊技状態設定エリアを初期化する処理を終了するためのデータとがアドレスの順に格納されている。詳細については後述するが、大当たり終了処理(図26参照)の中の1処理であるデータ設定処理(図27参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)からROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、格納データに応じた制御が実行される。具体的には、アドレスデータが読み出された場合は、そのアドレスをデータの設定先アドレスとして設定する。また、設定値データ(設定値をリセットするためのデータ)が読み出された場合は、設定先アドレスとして設定されているアドレスの内容をリセットする(即ち、設定先アドレスに「00H」を設定する)。更に、読み出されたデータが処理を終了するためのデータであると判別された場合は、データ設定処理(図27参照)を終了する。
次に、図9(b)を参照して、大当たり終了時クリアテーブル202hについて説明する。大当たり終了時クリアテーブル202hは、ROM202のアドレス「1205H」〜「1212H」の範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスには各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスがそれぞれ規定されている。詳細については後述するが、大当たり終了処理の中の1処理であるゼロ設定処理(図28参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時クリアテーブル202hからROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、読み出された格納データ(アドレスデータ)の示すアドレスに設定値として「00H」(初期値データ)を設定する。また、大当たり終了時クリアテーブル202hから読み出されたデータが「00H」であった場合は、ゼロ設定処理を終了する。
大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に、各種設定値格納エリア203eの設定先アドレスと、その設定先アドレスに設定するための設定データ(即ち、「00H」)とを規定するように構成した場合、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時クリアテーブル202hには設定先アドレスのみを規定し、その設定先アドレスに「00H」を設定するという処理を、MPU201の制御プログラムの中で規定している。よって、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量を減らすことができるので、ROM202に記憶されるデータ量を削減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)やゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
次に、図10、図11を参照して、主制御装置110のRAM203について説明する。RAM203には、主制御装置110の処理を制御するための各種カウンタやフラグ、および設定値を格納する記憶領域等が設けられている。ここで、主制御装置110の処理とは、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理である。
まず、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図6(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜149)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜149の値を取り得るカウンタの場合は149)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が出現するタイミングが解析され、その解析されたタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てられやすくなる虞がある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜149の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図6(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」であった場合の大当たり種別は、「通常大当たり」となる。また、値が「20〜29」であった場合の大当たり種別は、「時短大当たりA」となり、値が「30〜39」であった場合の大当たり種別は、「時短大当たりB」となる。また、値が「40〜69」であった場合の大当たり種別は、「特別大当たりA」となり、値が「70〜97」であった場合の大当たり種別は「特別大当たりB」となる。
更に、乱数値が「98,99」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりA」となり、値が「100〜102」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりB」となり、値が「103〜105」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりC」となり、値が「106〜113」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりD」となる。また、値が「114〜129」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりE」となり、値が「130〜145」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりF」となり、値が「146,147」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりG」となり、値が「148,149」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりH」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、13種類の当たり種別(通常大当たり、時短大当たりA、時短大当たりB、特別大当たりA、特別大当たりB、確変大当たりA〜確変大当たりH)が決定されるように構成されている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されている。このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図26参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図6(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
上述の通り、変動パターン選択テーブル202dは、パチンコ機10の状態に応じた複数のテーブルから構成されている。例えば、大当たりに当選した場合、大当たり種別に応じて選択されるテーブルが異なっており、変動パターンの選択にいずれのテーブルを用いるかは、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)に大当たり種別毎に規定されている、テーブル選択情報に応じて定められる。変動パターンを選択するテーブルが異なれば、例えば、「当たりスーパーリーチ」各種のうち、特定の大当たり種別で選択されやすい「当たりスーパーリーチ」の種別や、特定の大当たり種別でのみ選択される「当たりスーパーリーチ」の種別を設けることができる。よって、変動パターンの種別から、大当たり種別を予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選結果が外れであった場合も、普通図柄の状態が通常状態、および時短状態1〜3のいずれであるかに応じて、変動パターンを選択するために用いられるテーブルは異なるように構成されている。このように構成することで、変動パターンの種別から現在の遊技状態を予測させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図6(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図6(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示した各種カウンタのほか、MPU201のレジスタ210の内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、レジスタ210の各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図23参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図5に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、各種設定値格納エリア203eと、確変フラグ203fとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図19のS604参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図14のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図18のS206、図20のS605参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS705参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図21のS805)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS803:No)。
各種設定値格納エリア203eは、パチンコ機10の主要な処理を実行するための様々な設定値やフラグ、カウンタ等が格納されている記憶領域である。MPU201は、各種設定値格納エリア203eに格納されたデータに基づいて制御を行う。この各種設定値格納エリア203eについて、図11を参照して説明する。
図11は、RAM203の各種設定値格納エリア203eを模式的に示した模式図である。図11に示す通り、各種設定値格納エリア203e(図11参照)は、RAM203のアドレス「F000H」〜「F0FFH」の範囲に該当する。この各種設定値格納エリア203e(図11参照)において、RAM203のアドレス「F000H」に割り当てられている発射制御信号設定値格納エリアは、球の発射を制御するための設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて遊技領域への球の発射が制御される。
RAM203のアドレス「F009H」に割り当てられている表示LED設定エリアは、表示LEDを点灯させるための点灯パターンの設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて表示LEDを点灯させる。
アドレス「F01DH」,「F01EH」にそれぞれ割り当てられているテスト信号設定エリア1、および、テスト信号設定エリア2は、各種テスト信号を出力するための設定値を格納する記憶領域である。テスト信号としては、例えば、特定入賞口(大開放口)65aの動作テストを行うための信号や、大当たり時の動作テストを行うための信号などがある。テスト信号なので、遊技者がパチンコ機10で遊技を行っている間は信号が出力されない設定(即ち、テスト信号設定エリア1,2共に「00H」が設定値として設定された状態)とされる。
アドレス「F030H」に割り当てられている最大ラウンド数設定エリアは、大当たりのラウンド数を設定するエリアである。例えば、確変大当たりE等の、大当たりのラウンド数が2ラウンドの大当たり種別に当選した場合は、設定値として「02H」が設定され、特別大当たりAや特別大当たりBのように、大当たりのラウンド数が8ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「08H」が設定され、通常大当たりや時短大当たりA等の、大当たりのラウンド数が16ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「10H」が設定される。
RAM203のアドレス「F035H」に割り当てられている遊技状態設定エリアは、現在の遊技状態を示す設定値が格納されている記憶領域であり、例えば、格納されている設定値が「01H」であれば、特別図柄の変動中を示し、「02H」であれば、特別図柄の確定表示中を示し、「03H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖中の状態であることを示し、「04H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが開放中の状態であることを示す。また、「00H」であれば、上記以外の状態であること(即ち、大当たり終了後から特別図柄の変動が開始されるまでの間の状態や、保留球が無い状態で特別図柄が停止表示されてから一定時間経過した状態)を示している。
アドレス「F090H」に割り当てられている大当たりフラグは、現在が大当たり状態(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば(即ち、格納されているデータが「01H」であれば)、特別図柄の大当たり中であることを示し、オフであれば(即ち、格納されているデータが「00H」であれば)、特別図柄の大当たり中以外の状態(即ち、特別図柄の変動状態や、デモ状態等の状態)を示すものである。また、続くアドレス「F091H」〜「F094H」に割り当てられている記憶領域は、ROM202の状態設定テーブル202fから読み出したデータを設定するための領域である。
まず、アドレス「F091H」に割り当てられている確変状態フラグは、現在が特別図柄の確変中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば(即ち、格納されているデータが「01H」であれば)、特別図柄の確変中であることを示し、オフであれば(即ち、格納されているデータが「00H」であれば)、特別図柄の低確率状態であることを示している。
また、アドレス「F092H」に割り当てられている時短状態フラグは、普通図柄の時短中であるか否かを示すと共に、外れ時の変動パターンの態様を選択するためのテーブルを指定するための設定値が格納されている。なお、フラグが「00H」であれば、普通図柄の通常状態であることを示し、フラグが「01H」であれば、普通図柄の時短状態1であることを示し、フラグが「02H」であれば、普通図柄の時短状態2であることを示し、フラグが「03H」であれば、普通図柄の時短状態3であることを示す。上述した通り、普通図柄の時短状態1〜3は、変動パターン選択テーブル切替回数が経過後に、外れ時の変動パターンを選択するために用いられるテーブルが、互いに異なっているという点が相違している。なお、上述の通り、テーブルは全て変動パターン選択テーブル202dに規定されている。
アドレス「F093H」に割り当てられている時短状態カウンタは、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へ移行し、且つ、普通図柄の時短状態へと移行した場合に、普通図柄の時短回数が何回分残っているのかを表すカウンタである。なお、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行した場合には、次に大当たりに当選するまで普通図柄の時短状態が継続するが、特別図柄の抽選回数によらず時短状態カウンタは0である。本実施形態のパチンコ機10では、確変状態フラグがオンであるか、時短状態カウンタの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態の制御が実行される。
アドレス「F094H」に割り当てられている変動選択状態カウンタは、変動パターン演出を選択するためのテーブルを、別のテーブルに切り替えるまでの、残りの特別図柄の抽選回数を示すカウンタである。このカウンタが1以上であれば、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルとして、大当たり終了後専用の変動パターン選択テーブルが選択される。一方、変動選択状態カウンタの値が0の場合は、時短状態フラグが示す遊技状態に応じたテーブルから変動パターンを決定する。
アドレス「F095H」に割り当てられているオフセット値格納エリアは、オフセット値を格納するための記憶領域であり、格納されたオフセット値に基づいて状態設定テーブル202fから大当たり終了後の設定値が読み出され、RAM203のアドレス「F091H」〜「F094H」にそれぞれ設定される。このオフセット値は、特別図柄の抽選において大当たりと判別された場合に、遊技結果テーブル202eから読み出されたオフセット1、およびオフセット2の各値から算出され、オフセット値格納エリアに記憶される。また、状態設定テーブル202fからの設定値の読み出し、および設定が完了した後で実行されるゼロ設定処理(図28参照)の中で、初期値である「00H」に上書きされる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される各種の乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換してオフセット値格納エリアに格納しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができる。よって、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。なお、各種の乱数値(カウンタ値)とは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴ってRAM203の各カウンタバッファに格納された、第1当たり乱数カウンタC1や、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3等の値を意味している。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態としてアドレス「F091H」〜「F094H」にそれぞれ設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
アドレス「F096H」に割り当てられている大開放口設定エリアは、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開放パターンを示す設定値が格納される記憶領域であり、大当たり中に(即ち、大当たりフラグがオンの場合に)参照される。本実施形態のパチンコ機10では、「00H」〜「04H」の5種類の設定値が設けられており、設定値が「00H」の場合は16ラウンド大当たり、「01H」の場合は8ラウンド大当たり、「02H」の場合は16ラウンド短開放大当たり(各ラウンドで特定入賞口(大開放口)65aが最長0.5秒間だけ開放される16ラウンド大当たり)、「03H」の場合は2ラウンド大当たり、「04H」は2ラウンド短開放大当たり(各ラウンドで特定入賞口(大開放口)65aが最長0.5秒間だけ開放される2ラウンド大当たり)にそれぞれ対応する。
アドレス「F097H」に割り当てられている停止図柄コード情報格納エリアは、特別図柄の抽選結果に基づいて特別図柄の停止図柄の情報を設定するための領域である。特別図柄の抽選結果が外れの場合は、外れに対応した停止図柄を示す停止図柄コードが設定され、抽選結果が当たりの場合は、大当たり種別に応じた停止図柄コードが遊技結果設定テーブル202eから読み出されて設定される。そして、特別図柄の変動終了時に、この停止図柄コード情報格納エリアに設定された設定値に応じた停止図柄が、第1図柄表示装置37に確定表示される。
アドレス「F09FH」〜「F0FFH」までは未使用の領域であり、これらの領域に格納されているデータは「00H」固定とされている。なお、各種設定値格納エリア203eには、上述した以外のアドレスにも様々な設定値が割り当てられている。説明は省略するが、例えば、特定入賞口(大開放口)65aへ入賞した球の個数をカウントする入賞カウンタ等の各種カウンタや、普通図柄の変動演出において、普通図柄の表示を切り替える時間を計測する普通図柄表示切替タイマ等の各種タイマなどが割り当てられている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、RAM203のアドレスの上位バイトがF0Hである各種設定値格納エリア203eに、集中的に各種設定値やカウンタ、タイマ等を格納するように構成し、音声ランプ制御装置113等へ出力するコマンド(例えば、変動パターンコマンドや停止種別コマンド等)を格納するためのリングバッファや、特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球数格納エリア203b、スタックエリア等についてはRAM203のアドレスの上位バイトが「F0H」以外のアドレス(例えば、上位バイトが「F1H」であるアドレス)に格納するように構成している。
次いで、図12を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているレジスタ210について説明する。レジスタ210は、ROM202やRAM203からデータを読み出したり、RAM203に設定値を書き込む場合に、アドレスデータや設定値データを一時的に格納したり、格納した設定値に演算処理を行ったりするためのものである。図12に示すように、レジスタ210は、格納したデータに対して演算処理を実行可能なアキュームレータ210aと、アドレスデータや設定値データを格納可能な汎用レジスタ210b1,210b2,210c1,210c2,210d1,210d2と、各種フラグを格納するフラグレジスタ210eと、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイト(F0H)を固定値として記憶させておくためのアドレス保持レジスタ210fとが設けられている。なお、アキュームレータ210aは、汎用レジスタ210b1〜210d2と同様に、データを一時的に格納するために用いることもできる。
レジスタ210に設けられている各レジスタは、それぞれ1バイトのデータを保持可能に構成されている。また、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2、汎用レジスタ210c1と汎用レジスタ210c2、および汎用レジスタ210d1と汎用レジスタ210d2は、それぞれペアで用いることもできる。即ち、それぞれのペアのレジスタに合計2バイト分のデータを格納することができるように構成されている。2バイト分のデータとしては、例えば、ROM202のアドレスデータや、RAM203のアドレスデータ等が該当する。
フラグレジスタ210eは、1バイトの各ビットに異なるフラグが設けられている。設けられているフラグは、例えば、命令を実行した後の演算結果がゼロ以外の値であればオフ、ゼロであればオンとなるゼロフラグや、各種汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納したデータが「00H」以外のデータであればオフ、「00H」であればオンとなるロードフラグ等が設けられている。
以下、データの読み書きを行う際の制御について説明する。ここで、本実施形態のパチンコ機10には、主制御装置110の種々の制御を実行させるための様々な命令が設けられており、データの読み書きも、種々の命令の中の一つの命令を用いて実行される。具体的には、例えば、読み出し元と設定先を指定し、転送元に格納されているデータを設定先に転送する転送命令が用意されている。
なお、この転送命令では、読み出し元と設定先とのうち、少なくとも一方はレジスタ210に設けられているアキュームレータ210a、または、いずれかの汎用レジスタ(汎用レジスタ210b1〜汎用レジスタ210d2)を指定する必要がある。よって、例えば、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されたデータを読み出して、読み出したデータをRAM203のアドレス「F093H」に格納する場合、例えば、汎用レジスタ210b1を介してデータ転送を行う必要がある。具体的には、まず、アドレス「1ADAH」を読み出し元、汎用レジスタ210b1を設定先とし、転送命令を用いてアドレス「1ADAH」に規定されたデータを汎用レジスタ210b1に格納しておく。そして、次に、汎用レジスタ210b1を読み出し元、アドレス「F093H」を設定先とし、再度転送命令を行って、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをアドレス「F093H」に設定する。このように制御することで、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されているデータを、汎用レジスタ210b1を介してRAM203のアドレス「F093H」に転送することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、MPU201が受け付け可能な転送命令として、2バイト読込命令(ロード命令)が設けられている。この2バイト読込命令(ロード命令)は、指定した読み出し元に規定されているデータを読み出して、指定した設定先に転送する命令である。2バイト読込命令では、読み出し元、または、設定先に、ROM202やRAM203のアドレスを指定することができる。この場合、ROM202やRAM203のアドレスの上位バイト、下位バイトの両方を指定する必要がある。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、2バイト読込命令(ロード命令)と同様に、指定した読み出し元に規定されているデータを読み出して、指定した設定先に転送する命令である1バイト読込命令が設けられている。この1バイト読込命令が2バイト読込命令(ロード命令)と異なっている点は、特定の記憶領域からデータを読み出したり、特定の記憶領域にデータを転送したりする場合に用いられる点である。なお、特定の記憶領域とは、アドレス保持レジスタ210fに記憶されている固定値データをアドレスの上位バイトとする記憶領域を指す。上述の通り、アドレス保持レジスタ210fには、「F0H」が格納されているので、1バイト読込命令は、アドレスが「F000H」〜「F0FFH」の範囲のエリア、即ち、RAM203の各種設定値格納エリア203eにデータを転送したり、逆に各種設定値格納エリア203eからデータを読み出す場合に用いられる。
1バイト読込命令は、アドレスの上位バイトが「F0H」のエリアからの読み書きを行うという意味を含んで規定されているため、読み出し元、または、設定先のアドレスを指定する場合に、アドレスの上位バイトを省略して、アドレスの下位バイトのみをプログラムに記述しておけばよく、プログラム容量を削減することができるというメリットがある。
ここで、変動開始時の設定や、大当たり中の設定、大当たり終了後の設定など、様々な設定を行う場合に、各種設定値格納エリア203eにデータを設定する。このため、制御プログラムにおいて、各種設定値格納エリア203eに何らかのデータを設定するという処理が記述される頻度が高くなる。これらの設定を全て2バイト読込命令で記述した場合、プログラム容量が増大するという問題点があった。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、MPU201が、上述の1バイト読込命令を読み込むことのできる構成とし、更に、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイトが全て「F0H」となるように、RAM203のデータ格納位置を調節している。これにより、パチンコ機10による遊技の中で頻繁に設定処理が行われる各種設定値格納エリア203eへのデータの設定命令を、制御プログラムにおいて1バイト読込命令で記述することができる。よって、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイトが複数存在する場合(例えば、一部のデータはアドレスの上位バイトが「F0H」のエリアに格納され、一部のデータはアドレスの上位バイトが「F1H」のエリアに格納されている場合)に比べて、制御プログラムの容量を削減することができる。
ここで、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをRAM203のアドレス「F093H」に格納する場合を例に挙げて、2バイト読込命令と1バイト読込命令の違いについてより具体的に説明する。
2バイト読込命令では、読み出し元として、汎用レジスタ210b1を示すデータを指定し、更に、設定先としてアドレス「F093H」を指定することにより、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをアドレス「F093H」へ設定することができる。つまり、1回の転送命令において、汎用レジスタ210b1を示す1バイトのデータと、2バイトのアドレスデータである「F093H」との合計3バイトのデータをプログラムに記述しておく必要がある。
一方で、1バイト読込命令を用いた場合、読み出し元として、汎用レジスタ210b1を示すデータを指定するのは2バイト読込命令と共通しているが、設定先として、アドレス「F093H」の下位バイトである「93H」のみを指定すればよいという点が異なっている。つまり、1回の転送命令において、汎用レジスタ210b1を示す1バイトのデータと、1バイトのアドレスデータである「93H」との合計2バイトのデータを記述しておけば良く、2バイト読込命令に比べてプログラムの記述量を1バイト減らすことができる。また、各種設定値格納エリア203eには、球の発射に関する設定値やLED37aに関する設定値、特定入賞口(大開放口)65aの設定値等、遊技に関する様々な設定値が格納されているため、データの読み書きが頻繁に行われる。よって、パチンコ機10の制御プログラムにおいて、各種設定値格納エリア203eの中のいずれかのアドレスを読み出し元、または、設定先として指定する転送命令の記述が頻繁に出現することとなる。従って、これらの転送命令の全てについて、2バイト読込命令に代えて1バイト読込命令を用いることによって、プログラム容量を削減することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データの設定が頻繁に行われる各種設定値格納エリア203eが、RAM203のうち、アドレスの上位バイトが「F0H」である範囲に収まるように構成している。よって、これに合わせる形で、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして、「F0H」を選択しているが、これに限られるものではない。
例えば、各種設定値格納エリア203eのアドレスを、「FF00H」〜「FFFFH」にし、これに合わせて、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして、「FFH」を選択してもよい。なお、読み出し元、または、設定先の上位アドレスを「FFH」に変更する場合は、アドレス保持レジスタ202fに「FFH」を固定値データとして格納すれば良い。
また、例えば、ROM202のうち、読み出しの頻度が高いアドレスの上位バイトを、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして設定(即ち、アドレス保持レジスタ202fに固定値データとして設定)しても良い。読み出す頻度の高いアドレスとしては、例えば、特別図柄の抽選の度に参照される第1当たり乱数テーブル202aのアドレスや、特別図柄の抽選で大当たりと判別される度に参照される遊技結果設定テーブル202eのアドレスが挙げられる。
なお、上記の例示のうち、遊技結果設定テーブル202eのアドレスの上位バイトを固定値データとして格納する場合、遊技結果設定テーブル202eはROM202のアドレス「19D1H」〜「1A2BH」に格納されているので、データを読み出す際に、アドレスの上位バイトが「19H」の場合と、「1AH」場合とがある。一方で、アドレス保持レジスタ202fには1バイトのデータしか格納することができないので、アドレス保持レジスタ202fには、「19H」か「1AH」のいずれか一方のみしか格納することができない。これに対して、遊技結果設定テーブル202eが規定されるROM202のアドレスをずらし、すべてのデータをアドレスの上位バイトが共通となる範囲に規定するように構成しても良い。
更に、変更する遊技状態に応じて、アドレスの上位バイトが異なる記憶領域に設定値を設定するように構成し、遊技状態に応じて1バイト転送命令を実行する際の対象のエリアを変更するように構成してもよい。例えば、各種設定値格納エリア203eのうち、大当たり中の遊技状態を設定するための設定値は、アドレスの上位バイトが「F0H」の範囲に格納し、大当たり終了後の遊技状態を設定するための設定値は、アドレスの上位バイトが「F1H」の範囲に格納しておく。そして、大当たり中の遊技状態を設定する場合には、アドレス保持レジスタ202fに固定値「F0H」を上書きし、1バイト読込命令においてアドレスの上位バイトが「F0H」のエリアからデータの読み書きをすることができるように設定すればよい。一方、大当たり終了時に、大当たり終了後の遊技状態を設定する場合はアドレス保持レジスタ202fに固定値「F1H」を上書きし、1バイト読込命令においてアドレスの上位バイトが「F1H」のエリアからデータの読み書きをすることができるように設定すればよい。これにより、各種設定値格納エリア203eに格納するデータが増大してしまい、アドレスの上位バイトが同一となる領域に全てのデータが収まりきらないような場合であっても、1バイト読込命令を用いることができるので、プログラム容量を削減することができる。
図5に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、第3図柄表示装置81に表示させる変動パターン演出の態様を複数規定した変動パターンテーブル222aが格納されている。主制御装置110から出力される変動パターンコマンドを受信した場合は、対応する変動パターンの態様が、この変動パターンテーブル222aから選択される。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1808参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1802参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図32のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1805参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図32のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別を設定し、その設定された停止種別が、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。
表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)等を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図13から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および、始動入賞処理の詳細は、図14〜図19を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、図20および図21を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図14は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアにシフトしたデータに基づいて特別図柄の大当たりか否かの抽選を行う大当たり判定処理を実行する(S208)。なお、大当たり判定処理については、図15を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図16を参照して後述する大当たり時設定処理(S308)、または、図18を参照して後述するはずれ時設定処理(S309)によって予め行われる。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当り種別に応じた大当たりの開始を設定する(S212)。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、各種設定値格納エリア203eに格納された時短状態カウンタの値が1以上であるかを判定し(S213)、時短状態カウンタの値が1以上であれば(S213:Yes)、時短中状態カウンタの値を1減算して(S214)、本処理を終了する。一方、時短状態カウンタの値が0であれば(S213:No)、S214の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり判定処理(S208)について説明する。図15は、大当たり判定処理(S208)を示したフローチャートである。この大当たり判定処理(S208)は、タイマ割込処理(図13参照)の特別図柄変動処理(図14参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
大当たり判定処理では、まず、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)を選択し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして設定する(S301)。その後、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを読み出し(S302)、確変状態フラグが特別図柄の高確率状態を示す状態であるか否かを判別する(S303)。
S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S303:Yes)、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)を読み出し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に代えて新たに設定し(S304)、S305の処理に移行する。一方、S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S303:No)、S304の処理をスキップしてS305の処理に移行する。
S305の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出し(S305)、読み出した第1当たり乱数カウンタC1の値と、S
301、または、S304の処理で設定した特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブル(比較元のテーブル)とを比較する(S306)。
上述したように、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「7,107,282」の3個が設定されている。S306の処理では、これらのテーブルのうち、比較元のテーブルとして設定されているテーブルに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とを1つ1つ比較する。
この比較を行うことに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が、比較元のテーブルに規定されているいずれかの乱数値と一致するか否かを判別し(S307)、一致する乱数値があった場合(即ち、特別図柄の大当たりの場合)は、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための大当たり時設定処理を実行し(S308)、S310の処理へと移行する。一方、S307の処理において一致する乱数値がなかった場合(即ち、特別図柄の外れの場合)は、外れ時の変動パターンの態様等を設定するためのはずれ時設定処理を実行し(S309)、S310の処理へと移行する。なお、大当たり時設定処理(S308)、および、はずれ時設定処理(S309)の詳細については、図16〜図18を参照して後述する。
次いで、S310の処理では、カウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアし(S310)、本処理を終了する。S310の処理で各種カウンタ値をクリアするので、大当たりとなる場合であっても、大当たり状態が開始される前に、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)をクリアしておくことができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。なお、本実施形態では、大当たり判定処理(図15参照)の中でカウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアするように構成しているが、これに限られるものではなく、遊技者に大当たり状態となることを認識される前にクリアしておけばよい。よって、例えば、変動演出中や、図柄の停止前等にカウンタバッファをクリアする処理を実行してもよい。
本実施形態において、特別図柄の高確率状態であるか否かによらずに、S301の処理で低確率時用の第1当たり乱数テーブルを一旦設定するように構成しているのは、早期に比較用のテーブルを設定しておくためである。即ち、いずれの第1当たり乱数テーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1、または、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2)も設定されていない状態とした場合、ノイズ等の影響によって途中の処理であるS303やS304の処理がスキップされてしまう不具合が生じたとしても、大当たり判定処理の最初に設定しておいた低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に基づいて大当たりの当否を判別することができる。
次いで、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり時設定処理(S308)について説明する。この大当たり時設定処理は、上述の通り、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための処理である。
本処理では、まず、各種設定値格納エリア203eの大当たりフラグをオンに設定し(S401)、その後、第1当たり種別カウンタC2の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出して、今回当選した大当たりの大当たり種別を特定する(S402)。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1大当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)に基づいて特定する。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、カウンタ値が「70」〜「97」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は特別大当たりBと特定される。また、例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「140」であれば、カウンタ値が「130」〜「145」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は確変大当たりFと特定される。
次に、特定した大当たり種別に対応する設定値を、ROM202の遊技結果設定テーブル202eから読み出して、RAM203の各種設定値格納エリア203eの対応する記憶領域に読み出した設定値を設定し(S403)、S404の処理へと移行する。ここで、遊技結果設定テーブル202eから読み出して各種設定値格納エリア203eへ設定する設定値としては、LED37aの点灯パターン(表示図柄数)や、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄コード)や、変動パターンの態様を選択するためのテーブルを変動パターン選択テーブル202dの中から特定するための情報(テーブル選択情報)や、特定入賞口(大開放口)65aの制御パターン(大開放口パターン)等が挙げられる。
なお、上述の通り、ROM202から設定値データを読み出して、RAM203に設定する場合には、まず、レジスタ210の各汎用レジスタのいずれかに、転送元アドレスのデータと、設定先アドレスのデータとを一時的に格納する。そして、格納した転送元アドレスのデータに基づいてROM202から読み出した設定値データを、各汎用レジスタのうちアドレスデータが格納されていないいずれかの汎用レジスタに一時的に格納した上で、設定先アドレスのデータにより示されるRAM203のアドレスに設定値を転送(設定)する。S403の処理では、このレジスタ210を介した転送制御を、転送する設定値データの個数分だけ繰り返す。
S402の処理において、乱数値(カウンタ値)から大当たり種別を特定し、S403の処理において、特定した大当たり種別に基づいて各種の設定値を決定する構成としているが、乱数値(カウンタ値)の範囲と、各種の設定値とを直接対応付けて規定しておいてもよい。つまり、乱数値(カウンタ値)の範囲と、対応する各種の設定値とを規定したテーブルをROM202に設けておき、このテーブルを参照して、乱数値から直接設定値を特定する構成としてもよい。
S404の処理では、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出して、テーブル選択情報に基づいて特定されるテーブルと比較することにより、変動パターンの態様を選択する(S404)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S405)。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
変動パターンの設定後は、大当たりの終了時に大当たり終了後の遊技状態を設定するための情報であるオフセット情報を取得して設定するための処理である遊技結果設定取得処理を実行し(S406)、本処理を終了する。
続けて、この遊技結果設定取得処理(S406)について、図17を参照して説明を行う。遊技結果設定取得処理(S406)は、主制御装置110内のMPU201により実行される処理であり、特別図柄の抽選結果に基づくオフセット値を、RAM203に保持させておくための処理である。
遊技結果設定取得処理(S406)では、まず、遊技結果設定テーブル202eから、今回の大当たり種別に基づくオフセット1の値を読み出して、オフセット値として設定する(S501)。ここで言う「オフセット値として設定する」とは、ROM202の遊技結果設定テーブル202eから読み出したオフセット1、またはオフセット2の値を一時的にアキュームレータ210aに格納しておくことを指す。また、S501の処理において、オフセット1の値を汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納せずに、アキュームレータ210aに格納しているのは、後述するS506の処理やS507の処理において、格納したオフセット値に対して演算処理を行うためである。
同様に、遊技結果設定テーブル202eから、今回の大当たり種別に基づくオフセット2の値を読み出して、汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納しておく(S502)。その後、時短状態カウンタの値が0であるか否か(即ち、今回の大当たりが、各種時短大当たりに当選後に付与される普通図柄の時短状態中に当選したものであるか否か)を判別する(S503)。
S503の処理において、時短状態カウンタの値が0でないと判別した場合は(S503:No)、汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納しておいたオフセット2の値を、アキュームレータ210aに格納されているデータに対して上書きし(S504)、S505の処理へと移行する。一方、S503の処理において、時短状態カウンタの値が0であると判別した場合は(S503:Yes)、S504の処理をスキップしてS505の処理へと移行する。
本実施形態のパチンコ機10では、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短状態中に当選するか否かによって、大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する大当たり種別(特別大当たりA、特別大当たりB)が設けられている。具体的には、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短状態中に特別大当たりA、または、特別大当たりBに当選すると、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する。一方、それ以外の状態で特別大当たりA、または、特別大当たりBに当選すると、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、普通図柄の時短状態へと移行する。このため、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に移行し得る2通りの遊技状態それぞれに対してオフセット1、または、オフセット2を対応付けて規定している。
S505の処理では、特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S505)、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S505:Yes)、アキュームレータ210aに格納されているオフセット値の上位4ビットと下位4ビットとを入れ替る演算処理を行い(S506)、S507の処理に移行する。一方、S505の処理において、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S505:No)、S506の処理をスキップしてS507の処理へと移行する。
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の高確率状態中に当選するか否かによって、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短回数が異なる大当たり種別(時短大当たりA)が設けられている。具体的には、特別図柄の高確率状態中に時短大当たりAに当選すると、大当たり終了後から特別図柄の抽選が30回行われるまでの間は普通図柄の時短状態に設定される。特別図柄の低確率状態中に時短大当たりAに当選すると、大当たり終了後から特別図柄の抽選が20回行われるまでの間のみ普通図柄の時短状態に設定される。このため、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に移行し得る2通りの遊技状態それぞれに対してオフセット値の上位4ビット、または、下位4ビットを対応付けて規定している。
S507の処理では、アキュームレータ210aに格納されているオフセット値の下位4ビットを抜き出して、RAM203に設けられた各種設定値格納エリア203eの中のオフセット値格納エリアに記憶し(S507)、本処理を終了する。ここで、「下位4ビットを抜き出す」とは、アキュームレータ210aに格納されているデータと「0FH」との論理積をとることを指す。アキュームレータ210aに格納されているデータの上位4ビットがいかなる値であっても、「0FH」(即ち、「00001111B」)との論理積をとることにより上位4ビットは「0H」(即ち、「0000B」)となるため、アキュームレータ210aに格納されていたデータのうち、下位4ビットのみが残るのである。
S507の処理で各種設定値格納エリア203eのオフセット値格納エリアに記憶されたオフセット値は、大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の状態を設定するための処理である大当たり終了処理(図26参照)において、状態設定テーブル202fから読み出すデータを決定するために用いられる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)を、オフセット値に変換してオフセット値格納エリアに格納しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態としてアドレスF091H〜F094Hにそれぞれ設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、S501の処理でアキュームレータ210aにオフセット1の値を格納し、S502の処理でいずれかの汎用レジスタ210b1〜210d2にオフセット2の値を格納するように構成しているが、オフセット1の値と、オフセット2の値とを、いずれかのペアレジスタ(汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2、汎用レジスタ210c1と汎用レジスタ210c2、または、汎用レジスタ210d1と汎用レジスタ210d2)に一括して記憶させておいても良い。そして、S503の処理において時短状態カウンタが0であると判別された場合には(S503:Yes)、ペアレジスタに格納したオフセット1の値をアキュームレータ210aに格納するように構成すればよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、時短状態カウンタの値が0であると判別される前にオフセット2の値をいずれかの汎用レジスタに一時的に格納するように構成しているが、時短状態カウンタの値が0でないと判別された場合に(S503:No)、オフセット2の値を格納するように構成してもよい。これにより、時短状態カウンタが0であった場合には(S503:Yes)、S504の処理だけでなく、S502の処理に相当する処理も省略することができるので、処理負荷を軽減することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、S502の処理によって、いずれかの汎用レジスタに格納されたオフセット2の値を消去していないが、例えば、S505の処理に移行する前に汎用レジスタに格納されたオフセット2の値を消去するように構成してもよい。これにより、他の処理において誤ってオフセット2の値が格納された汎用レジスタを参照してしまい、パチンコ機10が誤動作を起こしてしまうことを抑制することができる。
次に、図18を参照して、大当たり判定処理(S208)において、今回の抽選結果が特別図柄の外れと判断された場合に実行されるはずれ時設定処理(S309)について説明する。
はずれ時設定処理では、まず、変動パターンの決定に用いるためのテーブルを特定する(S501)。具体的には、各種設定値格納エリア203eの時短状態フラグの状態と、変動選択状態カウンタのカウンタ値とを参照して、変動パターン選択テーブル202dに規定されている複数のテーブルからいずれかを特定する。上述の通り、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0でなければ、大当たり終了後専用のテーブルが選択される。一方、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0であれば、時短状態フラグの状態に対応したテーブルが選択される。
S501の処理の終了後は、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出し(S502)、読み出した変動種別カウンタCS1の値と、S501の処理で選択したテーブルとに基づいて、変動パターンの態様を選択する(S503)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S504)、本処理を終了する。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得し(S602)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了してタイマ割込処理に戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S603:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S604)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S605)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S605の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S606)。なお、S606の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S606の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S607)。ここで、特別図柄の大当たりか否かは、S606の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に格納されている、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個であり、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に格納されている、「7,107,282」の3個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを参照することにより判断される。具体的には、確変状態フラグがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変状態フラグがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S607の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変状態フラグの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S606の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、13種類ある特別図柄の大当たり(通常大当たり、時短大当たりA、時短大当たりB、特別大当たりA、特別大当たりB、確変大当たりA〜確変大当たりH)のうち、いずれの大当たり種別であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して特定する(図6(b)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S606の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、確変状態フラグがオンであれば、S606の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。一方、確変フラグ203eがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターン選択テーブル(図示せず)の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S607の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S608)、タイマ割込処理(図13参照)へ戻る。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図20は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判別する(S708)。具体的には、RAM203の各種設定値格納エリア203eに格納されている時短状態カウンタの値が1以上であるか、または、確変状態フラグがオンであれば普通図柄の時短状態であると判断する。
S708の処理において、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
S708の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S714)、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。S714の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S719)、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物開閉処理(S1105参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図21は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が第2入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。なお、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1114の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1107の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図13参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図13参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図14参照)や始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図19参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図25参照)で設定されたラウンド数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。ここで、特別図柄の大当たり状態とは、具体的には、大当たりとなる変動パターン演出の変動時間が経過したことを判別し、大当たりの開始が設定されてから、その設定された大当たりの終了を設定するまでの期間を指す。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1105)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1106)。第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図16参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS504の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図16参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS504の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、大当たり時設定処理(図16参照)のS404の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS503の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1108)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1108:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1109)、既に所定時間が経過していれば(S1109:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1109:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1110,S1111)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1110)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1111)。
ここで、S1101〜S1107の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1108の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1108:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1112以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1112)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1113)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1114)、RAM203のアクセスを禁止して(S1115)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1108の処理は、S1101〜S1107で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1110とS1111の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図25は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン割込処理(図24参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1201の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1201:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1202)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1202:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1203)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1204)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1201の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1201:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1205)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒、または、0.5秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1205:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1206)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1205:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判定する(S1207)。
S1207の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定された場合には(S1207:Yes)、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための大当たり終了処理を実行し(S1208)、大当たりの終了後の遊技状態を設定して、本処理を終了する。なお、詳細については後述するが、大当たり終了処理(図26参照)では、他の大当たり中の設定値とあわせて、大当たりフラグが初期化される(「00H」が設定される)。よって、停電等の発生により、遊技機の電源が突然落とされた場合でも、大当たりフラグのみオフとなり、その他の設定値は大当たり中の設定のままとなってしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した後に、大当たりの終了を遊技者に報知するためのエンディング演出が設定される。S1205の処理では、設定したエンディング演出の終了タイミング(エンディング演出を実行するために設定した演出時間を経過した)と判別された場合に、大当たりの終了タイミングであると判別する。
なお、大当たりの終了タイミングは、必ずしもエンディング演出の終了タイミングに限られるものではない。例えば、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合に、大当たりの終了タイミングであるとして大当たり終了処理(S1208)へと移行するように構成してもよい。
次に、図26から図28を参照して、主制御装置110のMPU201によって大当たり制御処理(図25参照)の中で実行される、大当たり終了処理(S1208)について説明する。上述の通り、この大当たり終了処理(S1208)は、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための処理である。
この大当たり終了処理(S1208)では、まず、ROM202から状態設定テーブル202fを読み出す(S1301)。ここで言う、「読み出し」とは、状態設定テーブル202fの先頭アドレス(1AD4H)の上位バイト(1AH)と下位バイト(D4H)とを、アドレスデータとしていずれかのペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に格納することを指す。
次いで、今回の大当たりが開始される前に実行された遊技結果設定値取得処理(図17参照)において、各種設定値格納エリア203e(図11参照)のオフセット値格納エリアに予め格納しておいたオフセット値をアキュームレータ210aに格納する。なお、各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスの上位バイト(F0H)は、アドレス保持レジスタ210fに固定値データとして格納されている値なので、1バイト読込命令を用いてオフセット値を読み出すことができる。即ち、オフセット値格納エリアのアドレスの下位バイト(95H)を読み出し元(転送元)、アキュームレータ210aを設定先として指定し、1バイト読込命令により、読み出し元(転送元)であるオフセット値格納エリアに格納されているオフセット値を読み出して、設定先であるアキュームレータ210aに転送する。
1バイト読込命令を用いることにより、制御プログラムにオフセット値格納エリアのアドレスの上位バイト(F0H)を記述せずに済むため、プログラム容量を削減できる。
次いで、アキュームレータ210aに格納したオフセット値に4を掛ける演算処理を行う(S1303)。この4という値は、大当たり終了後の設定値として状態設定テーブル202f(図8参照)に規定されているデータの種類の数である。即ち、特別図柄の抽選状態と、普通図柄の状態と、時短回数と、変動パターン選択モード切替回数の4種類の設定値が状態設定テーブル202f(図8参照)に規定されている。
図8の括弧書きに示した通り、状態設定テーブル202fには、アドレス値が小さい側から、オフセット値00Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、オフセット01Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、・・・、オフセット07Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、という順番にデータが格納されている。つまり、アドレス値が4つ増える毎に、1だけ大きいオフセット値に対応する設定値が格納されている構成となっている。よって、オフセット値に4を掛けた値が、状態設定テーブル202fの先頭アドレスと、今回のオフセット値に対応するデータの格納アドレスとの差分(オフセット)となる。S1303の処理では、この状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対するアドレスの差分(オフセット)を求めている。
S1303の処理が終了すると、S1301の処理でペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に設定したアドレス値に対して、S1302の処理で算出した状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対する差分(オフセット)を加算し、加算後のアドレスを、データの転送元(読み出し元)のアドレスとして設定する(S1304)。
次いで、各種設定値格納エリア203eの確変状態フラグが格納されているアドレスを設定先アドレスとして設定し(S1305)、その設定先アドレスに、S1304の処理で設定した転送元のアドレスに格納されたデータを転送する(S1306)。
その後、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別し(S1307)、転送し終わっていない(即ち、未転送のデータ種別が存在する)と判別した場合は(S1307:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1加算して、加算後のアドレスに規定されているデータを読み出し(S1308)、更に、設定先アドレスに1加算して、加算後のアドレスに、S1308の処理で読み出したデータを格納する(S1309)。そして、S1307の処理に戻り、再度状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別する(S1307)。つまり、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータが全て各種設定値格納エリア203eに転送されるまで、S1307〜S1309の処理が繰り返し行われるのである。
一方、S1307の処理において、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったと判別した場合は(S1307:Yes)、各種設定値格納エリア203eへ設定した状態を音声ランプ制御装置113へ通知する状態コマンドを設定し(S1310)、大当たりの設定値をクリアするための処理(S1311〜S1312)を実行し、本処理を終了する。
なお、大当たりの設定値をクリアする処理では、ROM202の大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の先頭アドレスをデータの転送元(読み出し元)アドレスとして設定し(S1311)、大当たり中の制御を行うために設定されていたデータをリセットするためのデータ設定処理を実行し(S1312)、各種設定値格納エリア203eにおける大当たり中の設定値が設定されているアドレスに0を設定して初期化するゼロ設定処理を実行する(S1313)。
次いで、図27を参照して、大当たり終了処理(図26参照)の中で行われるデータ設定処理(S1312)について説明する。このデータ設定処理(S1312)は、大当たり中の制御を行うために設定されていたデータをリセットするための処理である。
このデータ設定処理(S1312)では、まず、転送元(読み出し元)アドレスに規定されているアドレスデータを読み出して、そのアドレスデータで示されるアドレスを設定先アドレスとして設定する(S1401)。ここで、転送元(読み出し元)アドレスは、大当たり終了処理(図26参照)のS1311の処理で、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の先頭アドレスに設定されている。また、図9(a)に示す通り、大当たり終了時設定テーブル202gの先頭アドレスには、各種設定値格納エリア203eの中の遊技状態設定エリアを示すアドレスデータが格納されているので、その遊技状態設定エリアを示すアドレスが設定先アドレスとして設定される。
次いで、S1401の処理で大当たり終了時設定テーブル202gから読み出したデータが「00H」であるか否かを判別し(S1402)、判別の結果が「00H」であれば(S1402:Yes)、本処理を終了してゼロ設定処理(図28参照)へと移行する。一方、S1401の処理で大当たり終了時設定テーブル202gから読み出したデータが「00H」以外のデータであると判別した場合は(S1402:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して、加算後のアドレスを新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1403)。
次に、転送元アドレスに格納されている設定値のデータを読み出して、設定先アドレスに格納する(S1404)。この設定先アドレスは、S1401の処理で設定した各種設定値格納エリア202eのアドレスである。データの格納が完了したら、再び転送元アドレスに1を加算し、新たな転送元アドレスに設定し(S1405)、S1401の処理に戻る。そして、S1402の処理において、アドレスデータとして00Hが読み出されるまで、S1401〜S1405の処理が繰り返され、アドレスデータとして00Hが読み出された場合は(S1402:Yes)、大当たり終了時設定テーブル202gに基づくリセット処理が完了したことを示すので、処理を終了する。
続いて、図28を参照して、データ設定処理(S1312)の終了後に主制御装置110のMPU201によって実行されるゼロ設定処理(図28参照)について説明する。このゼロ設定処理(図28参照)は、各種設定値格納エリア203eに大当たり中の制御を行うために設定された各種設定値に対して0を上書きすることによって初期化する処理である。
ゼロ設定処理(図28参照)では、まず、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1501)。なお、ゼロ設定処理(図28参照)を実行する前に転送元(読み出し元)アドレスとして設定されているアドレスは、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾のアドレスであり、本処理で用いる大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)は、ROM202において、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾のアドレスの次のアドレス以降に規定されている。このため、ゼロ設定処理(図28参照)では、処理の最初に設定先アドレスに1を加算して、設定先アドレスを大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾から、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の先頭に移行させている。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)において参照される大当たり終了時設定テーブル202gの末尾のアドレスに続けて、本処理(ゼロ設定処理)で用いられる大当たり終了時クリアテーブル202hを規定している。このため、データ設定処理(図27参照)に続けて本処理(ゼロ設定処理)を実行する構成とすることで、本処理では、処理開始時に改めてROM202の中から転送元アドレスを判断して設定し直す必要がなく、単に直前の転送元アドレスに1を加えるだけで、転送元アドレスを特定できる。よって、処理負荷を軽減することができる。
なお、例えば、大当たり終了時に、各種設定値格納エリア203eの各アドレスに設定するデータが全て「00H」である場合には、データ設定処理(図27参照)を省略し、ゼロ設定処理(図28参照)のみを実行するように構成してもよい。この場合、ゼロ設定処理の開始時に、データの転送元アドレスを判別し、その転送元アドレスの1つ前のアドレスを転送元アドレスに設定した上で、S1501の処理に移行させる必要がある。本実施形態のパチンコ機10のゼロ設定処理(図28参照)では、S1501の処理において、転送元アドレスに1を加算して新たな転送元アドレスとして設定する処理が実行されるため、処理開始時に設定されているアドレスから1だけずれたアドレスが転送元アドレスとして設定されることになるためである。
次いで、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)のうち、転送元(読み出し元)アドレスに設定されているアドレスに格納されているアドレスデータを読み出して、読み出したアドレスデータにより示されるRAM203のアドレスを、設定先アドレスとして設定する(S1502)。
S1502の処理の後は、S1502の処理において、転送元(読み出し元)アドレスから読み出したデータが「00H」であるか否かを判別し(S1503)、読み出したデータが「00H」であると判別した場合は(S1503:Yes)、本処理を終了する。一方、読み出したデータが「00H」でないと判別した場合は(S1503:No)、設定先アドレスとして設定したRAM203のアドレスに「00H」を上書きし(S1504)、S1501の処理に戻る。
その後、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)から「00H」が読み出されるまで、S1501〜S1504の処理が繰り返される。なお、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)は、末尾のアドレスのみに「00H」が格納されており、末尾以外のアドレスには「00H」が格納されていないので、末尾以外に規定されているアドレスデータに対応する全てのアドレスに「00H」を格納するまではS1501〜S1504の処理が繰り返される。
本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、RAM203の各種設定値格納エリア203eへデータとして「00H」を設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)から「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
なお、ゼロ設定処理(図28参照)の終了条件を、「00H」がデータとして読み出された場合としたのは、各種設定値格納エリア203e(図11参照)の中で、アドレスの下位バイトが「00H」であるアドレス(即ち、アドレス「F000H」)は、球の発射に関する設定値を格納する領域であり、大当りの終了前後で設定値が変更されないアドレス(大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレス)だからである。大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレスなので、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の、初期化対象のアドレスとして規定しておく必要がなく、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の末尾以外に出現する虞がない。よって、全ての設定値の初期化が完了する前に、データとして「00H」が読み出されてしまい、処理が終了してしまうことを抑制することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図29から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1716の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1602)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1713参照)、S1716の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1716の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1602:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1603)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1606の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1603:Yes)、S1604の処理へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1603:No)、S1608の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1603:Yes)、S1604へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1603:No)、S1608へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1602:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1716の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1604の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1604)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1606)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1605:No)、RAM223の異常を報知して(S1607)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1608の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1608)。電源断フラグはS1716の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1715参照)。つまり、電源断フラグは、S1716の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1608:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1609)、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1608:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1609をスキップして、処理をS1610へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。
なお、S1609のクリア処理をスキップするのは、S1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至った場合、S1604の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1701の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1701)、1m秒以上経過していなければ(S1701:No)、S1702〜S1710の処理を行わずにS1711の処理へ移行する。S1701の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1702〜S1710が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1711のコマンド判定処理や、S1712の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1711の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1712の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1701の処理で1m秒以上経過していれば(S1701:Yes)、まず、S1703〜S1712の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1702)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1708の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1703)、その後電源投入報知処理を実行する(S1704)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1705の処理へ移行する。
S1705の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1706)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1707)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1707の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1708)、その後音編集・出力処理を実行する(S1709)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1709の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1710)、S1711の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1708のランプ編集処理が実行される。なお、S1709の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1711の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1711)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1711)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図32を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1712)が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1713)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1713の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1713:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1715)、電源断処理を実行する(S1716)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1717)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1713の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1713:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1714)、RAM223が破壊されていなければ(S1714:No)、S1701の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1714:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1711)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1711)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1711)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1801:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1802)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1803)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1804)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1804:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1805)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1806)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1804:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1807)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1807:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1808)。また、S1808の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1808の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1808の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1808の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1807の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1807:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1809)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1809:Yes)、受信した入賞情報コマンドから、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として抽出する(S1809)。S1809の処理が終了したら、次に、S1809の処理で抽出した入賞情報(当否、停止種別、変動パターン)を、入賞情報格納エリア223aの空きエリア(第1エリア〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1810)、
メイン処理に戻る。
S1809の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1809:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1812)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1812:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1813)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1814)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1812の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1812:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1819)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1712)について説明する。図32は、この変動表示設定処理(S1712)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1712)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1803の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1905)。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1906の処理へ移行する。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1806の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1909)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1910)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、主制御装置110において「特別図柄の大当たり」と判定されると、その「特別図柄の大当たり」に対応する変動演出、および、変動演出終了後の大当たり状態(特別遊技状態)の設定値をRAM203の各種設定値格納エリア203eにセットすると共に、大当たり終了後の状態を状態設定テーブル202fから選択するためのオフセット値をRAM203に記憶しておくように構成されている。また、大当たりの終了タイミングになると、予めRAM203に記憶しておいたオフセット値に基づいて、大当たり終了後の状態に対応した設定値を状態設定テーブル202fから読み出して、各種設定値格納エリア203eへセットするように構成されている。
大当たり後の遊技状態は、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値に基づいて決定されるものであるが、本実施形態のパチンコ機10では、取得された乱数値を大当たりの終了タイミングまで保持しておいて、大当たり後の遊技状態を特定するために用いるのではなく、取得した乱数値をオフセット値という形に変換して保持しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成している。
よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態として各種設定値格納エリア203eに設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了タイミングにおいて大当たり用の設定値を初期化する処理であるゼロ設定処理(図28参照)が実行される。このゼロ設定処理(図28参照)では、ROM202の大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されている複数のアドレスに、順番に「00H」がデータとして設定される。つまり、大当たり終了時クリアテーブル202hには、設定を初期化する設定先アドレスのみが規定されており、「00H」を書き込むという制御については制御プログラム側に記述されている。
大当たり終了時クリアテーブル202hに各種設定値格納エリア203eの設定先アドレスと、その設定先アドレスに設定するための設定データ(即ち、00H)とを規定するように構成した場合、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10のように、大当たり終了時クリアテーブル202hに設定先アドレスのみを規定しておけば、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量を減らすことができるので、ROM202の容量を削減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時クリアテーブル202hから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)やゼロ設定処理(図28参照)において、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)や、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にそれぞれの処理を終了するように構成しているが、各処理の終了条件はこれに限られるものではない。例えば、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)や、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合に各処理を終了してもよい。
また、データ設定処理(図27参照)とゼロ設定処理(図28参照)の終了条件を異ならせてもよい。例えば、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にデータ設定処理(図27参照)を終了し、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合にゼロ設定処理(図28参照)を終了するように構成してもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了処理(図26)の中にのみ、「00H」が読み出されるまで、ROM202に規定されている制御を継続する処理を設けているが、これに限られるものではない。例えば、変動開始時の設定を行う場合や、変動終了時の設定を行う場合にも、同様の処理を行ってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり時設定処理(図16参照)の中で、変動パターンの設定に加えて、大当たり中の設定や、オフセット値等を遊技結果設定テーブル202eから読み出して各種設定値格納エリア203eに転送する処理を行っているが、これに限られるものではない。例えば、大当たり時設定処理(図16参照)では、変動パターンの設定のみを行い、大当たりの開始時に大当たり中の設定を示す設定値やオフセット値を設定するように構成してもよい。
<第2実施形態>
次に、図27,図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たりの設定をリセットするための処理として、データ設定処理(図27参照)と、ゼロ設定処理(図28参照)の2つの処理を設け、それぞれの処理において、各種設定値格納エリア203eの所定のアドレスの設定値をリセットしている。
より具体的には、大当たり終了処理(図26参照)の中で行われるデータ設定処理(図27参照)により、ROM202に規定されている大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)に基づいて、遊技状態の設定をリセットし、更に、データ設定処理(図27参照)に続けて実行されるゼロ設定処理(図28参照)により、ROM202に規定されている大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に基づいて、RAM203のうち、大当たり中の設定がセットされているアドレスの設定値をクリアしている。
これに対して第2実施形態では、大当たり終了時設定テーブル202gに規定されていた情報と、大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されていた情報とを包含する大当たり終了時設定・クリアテーブル202iを設け、その大当たり終了時設定・クリアテーブル202iに規定された情報に基づいて、データ設定処理(図27参照)によって大当たり中の設定をリセットする。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1実施形態のパチンコ機10のROM202において設けられていた大当たり終了時設定テーブル202g、および、大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成について説明する。図33(a)は、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のROM202は、第1実施形態と同様に、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dと、遊技結果設定テーブル202eと、状態設定テーブル202fとが設けられている。また、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202には、これらに加え、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている。即ち、本実施形態のROM202は、第1実施形態において設けられていた大当たり終了時設定テーブル202g、および、大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
大当たり終了時設定・クリアテーブル202iは、大当たりの終了タイミングにおいて、各種設定値格納エリア203eの大当たり中の設定がセットされているアドレスの設定値をリセットするために参照されるテーブルであり、ROM202のアドレス「1202H」〜「121EH」の範囲に規定されている。この大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの詳細について、図33(b)を参照して説明する。
図33(b)は、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iに規定されているデータの内容を模式的に示した模式図である。図33(b)に示した通り、この大当たり終了時設定・クリアテーブル202iには、各種設定値格納エリア203eのうち、設定値をリセットする必要があるアドレス(設定先)を示すアドレスデータと、そのアドレス(設定先)にセットすべき設定内容とが交互に規定されている。リセットする必要があるアドレスとして、例えば、最大ラウンド数の設定が格納されているアドレス(F030H)や、入賞回数カウンタのアドレス(F031H)などが規定されている。
上述の通り、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iには、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり終了時設定テーブル202gに規定されていたデータと、大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されていたデータとの双方が規定されている。ここで、大当たり終了時クリアテーブル202hには、設定先のアドレスを示す情報のみが規定されており、設定先のアドレスに格納するデータである「00H」はテーブルに規定せず、制御プログラム側に「00H」を設定する制御処理を記述する構成としていた。これに対して、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iでは、全ての設定先アドレスに設定する設定値を、テーブルに規定する構成としている。即ち、全てのデータを、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり終了時設定テーブル202gと同一のデータ構成としている。
第1実施形態のパチンコ機10では、データ構成の異なる2種類のテーブル(設定先のアドレスデータと、その設定先にセットするデータの双方が規定されている大当たり終了時設定テーブル202g、および、設定先のアドレスデータのみが規定されている大当たり終了時クリアテーブル202h)を参照して各種設定値格納エリア203eの設定変更を行っていたために、それぞれ、データ設定処理(図27参照)と、ゼロ設定処理(図28参照)という2種類の制御処理を設け、別個に処理を行う必要があった。一方、第2実施形態では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの1種類のテーブルのみを設け、更に、データの配置を大当たり終了時設定テーブル202gと同一の構成としている。よって、制御処理として、データ設定処理(図27参照)の1種類のみを用意しておけば、大当たり終了時に大当たりに関する全ての設定をリセットすることができる。
<第2実施形態における制御処理について>
以下、第2実施形態において、データ設定処理(図27参照)のみを設けておけば、大当たりに関する全ての設定をリセットできることについて、図27を再度参照して説明する。上述の通り、図27は、大当たりに関する設定値をリセットするための処理であるデータ設定処理を示すフローチャートである。
データ設定処理(図27参照)では、まず、転送元アドレスに規定されているアドレスデータを読み出して、読み出したアドレスデータにより示されるアドレスを設定先アドレスとして設定する(S1401)。ここで、第1実施形態では、データ設定処理が開始される前に、転送元(読み出し元)アドレスを、大当たり終了時設定テーブル202gの先頭アドレスに設定していたが(図26のS1311)、第2実施形態では、これに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレス(1202H)を転送元(読み出し元)アドレスに設定しておく。よって、データ設定処理(図27参照)の開始後に行われるS1401の処理では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレスに規定されている遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)が設定先アドレスに設定される。
次いで、設定先アドレスとして読み出されたデータが「00H」であるか否かを判別し(S1402)、「00H」であると判別した場合は(S1402:Yes)、本処理を終了する。一方、読み出されたデータが「00H」でないと判別した場合は(S1402:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1403)。
データ設定処理(図27参照)の開始後最初に行われるS1402の処理では、遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)が設定先アドレスとして読み出されるので、読み出されたデータが「00H」ではないと判別され(S1402:No)、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレス(1202H)に1を加えたアドレス(1203H)が転送元アドレスとして設定される(S1403)。
その後、転送元アドレスに格納された設定値データを設定先アドレスに設定し(S1404)、転送元アドレスに1を加算して新たな転送元アドレスに設定し(S1405)、S1401の処理に戻る。なお、データ設定処理(図27参照)の開始後最初に行われるS1404の処理では、アドレス「1203H」が転送元アドレスとして設定されているので、その転送元アドレスに格納されているリセットデータを読み出して、遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)に設定し(S1404)、転送元アドレスである「1203H」に1を加えて転送元アドレスを「1204H」に設定してから(S1405)S1401の処理に戻る。
以降、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定先アドレスに、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定内容を書き込んでいく処理が繰り返される。なお、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定先アドレスは、テスト信号の設定アドレスである「F01DH」、「F01EH」や、最大ラウンド数を設定するためのアドレスである「F030H」など、「00H」以外のアドレスが規定されているため、全ての設定先をリセットする前にS1402の処理により「00H」が読み出されたと判別されてしまい、データ設定処理(図27参照)が打ち切られてしまうことを抑制することができる。そして、全てのデータを設定し終わると、転送先(読み出し元)アドレスが、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の末尾に規定されている「00H」に設定され、S1402の処理によってデータ設定処理(図27参照)が終了される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの1種類のテーブルのみを設け、その単一のテーブルを参照して大当たりの設定をリセットする構成としている。よって、制御処理として、データ設定処理(図27参照)の1種類のみを用意しておけば、大当たり終了時に大当たりに関する全ての設定をリセットすることができるので、に第1実施形態のパチンコ機10に比べてプログラム容量の削減を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)において、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にそれぞれの処理を終了するように構成しているが、データ設定処理(図27参照)の終了条件はこれに限られるものではない。例えば、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合に処理を終了してもよい。
<第3実施形態>
次に、図34〜図36を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たりの制御を行うための設定値を初期化するためのゼロ設定処理(図28参照)において、大当たり終了時クリアテーブル(図9(b)参照)に規定されている設定先アドレスの全てに「00H」を設定する構成としていた。このため、「00H」以外を初期値とする設定値が存在する場合は、大当たり終了時クリアテーブル(図9(b)参照)に規定しておくことができず、別の処理を設けて初期値を別個に設定する必要があった。
これに対して第3実施形態では、大当たり終了時に、初期値が異なる複数の設定値を1つの処理で初期化することができるように構成している。具体的には、第1実施形態のパチンコ機10で、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に基づいて初期化を行っていた設定値のうち、テスト信号に関する設定値の初期値が「FFH」となるように構成している。一方で、最大ラウンド数の設定値や、入賞回数カウンタ等の初期値については、第1実施形態のパチンコ機10と同様に「00H」となるように構成している。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1実施形態のパチンコ機10のROM202において設けられていた大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている点である。また、主制御装置110のMPU201によって実行される大当たり終了処理(図26参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図34を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成について説明する。図34(a)は、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のROM202は、第1実施形態と同様に、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dと、遊技結果設定テーブル202eと、状態設定テーブル202fと、大当たり終了時設定テーブル202gとが設けられている。また、第3実施形態におけるパチンコ機10のROM202には、これらに加え、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている。即ち、本実施形態のROM202は、第1実施形態において設けられていた大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図34(b)を参照して、大当たり終了時初期値設定テーブル202jについて説明する。大当たり終了時初期値設定テーブル202jは、ROM202のアドレス「1205H」〜「1212H」の範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスには各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスがそれぞれ規定されている。なお、大当たり終了時初期値設定テーブル202jのうち、ROM202のアドレス「1207H」、および「1213H」には、データとして「00H」が格納されている。この「00H」データは、アドレスを指定するためのデータではなく、初期値を設定するための繰り返し処理を終了するために用いられるデータである。
詳細については後述するが、大当たり終了処理の中の1処理であるゼロ設定処理2(図36参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時初期値設定テーブル202jからROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、読み出された格納データ(アドレスデータ)の示すアドレスに設定値として「00H」、または、「FFH」のいずれか(初期値データ)を設定する。
初期値として「00H」を設定するか、「FFH」を設定するかについては、データの並び順によって定められている。具体的には、「00H」がデータとして規定されているアドレス「1207H」よりも前のアドレスに格納されているデータが示す各種設定値格納エリア203eのアドレスには、初期値として「FFH」を設定する。一方、「00H」がデータとして規定されているアドレス「1207H」よりも後のアドレスに格納されているデータが示す各種設定値格納エリア203eのアドレスには、初期値として「00H」を設定する。
<第3実施形態における制御処理について>
次いで、図35、および、図36を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図35は、第3実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(図35参照)は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、大当たり終了後の状態を定めるための設定値を各種設定値格納エリア203eに設定すると共に、大当たりに関する制御を行うために設定されていた設定値をリセットするために実行される処理である。
この大当たり終了処理(図35参照)のうち、S1301〜S1312の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図26参照)のS1301〜S1312の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における大当たり終了処理(図35参照)では、S1312の処理が完了すると、第1実施形態における大当たり終了処理(図26参照)のゼロ設定処理(S1313)に代えて、ゼロ設定処理2(S1321)を実行する。このゼロ設定処理2(S1321)は、大当たりに関する制御を行うために各種設定値格納エリア203eに設定されていた設定値を初期値にリセットするための処理である。
ここで、図36を参照して、ゼロ設定処理2(S1321)の詳細について説明する。このゼロ設定処理2(S1321)のうち、S1501〜S1503の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)のS1501〜S1503の各処理と同一の処理が実行されるので、その説明を省略する。
そして、S1502の処理で転送元(読み出し元)アドレスから読み出したアドレスデータが「00H」でないと判別された場合は(S1503:No)、S1502の処理で設定先アドレスとして指定した各種設定値格納エリア203eのアドレスに、初期値として「FFH」を設定し(S1511)、S1501の処理に戻る。一方、S1502の処理で読み出したアドレスデータが「00H」であると判別された場合は(S1503:Yes)、S1512の処理へと移行する。つまり、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されるまで、S1501〜S1503、および、S1511の処理が繰り返される。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、テスト信号の設定値の初期値は「FFH」である。一方で、テスト信号の設定値以外の設定値(最大ラウンド数の設定値や入賞回数カウンタの値等)の初期値は「00H」である。これらの異なる初期値をまとめて設定するために、テスト信号の設定用のアドレスを大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)の先頭アドレスから順に規定している。そして、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されるまで、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)から読み出されたデータ設定位置(アドレス)に初期値として「FFH」を設定する処理をループさせ、「00H」が読み出されたらループを終了してS1512の処理へと移行するように構成している。
次いで、S1512の処理では、転送元(読み出し元)として設定されている大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)のアドレスに1を加算し(S1512)、その加算後のアドレスに格納されているRAM203のアドレスデータを読み出し、初期値を設定するための設定先アドレスとして設定する(S1513)。
そして、S1513の処理で読み出されたアドレスデータが「00H」であるか否かを判別し(S1514)、読み出したデータが「00H」であると判別されれば、本処理を終了する。一方、読み出したデータが「00H」でないと判別された場合は(S1514:No)、設定先として設定したアドレスに「00H」をセットして(S1515)、再度S1512の処理に戻る。つまり、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されない限り、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)に規定されているアドレスに順番に初期値として「00H」を設定していく。そして、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合は、全ての設定先に初期値を設定し終わったことを意味するので、処理を終了する。
以上、説明した通り、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時に初期化する設定項目として、初期値が「00H」である設定値の他に、初期値が「FFH」である設定値についても一つの処理で初期化を行うことができるように構成している。よって、各設定値の初期値の設定の自由度を高めることができる。
本実施形態では、初期値が「00H」の設定値と、初期値が「FFH」の設定値とを設けているが、各設定項目の初期値はこれらの値に限られるものではなく、例えば、「0FH」を初期値とする設定値や、「01H」を初期値とする設定値を設けてもよい。
本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理2(図36参照)において、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合に、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)に規定されている各設定先アドレスに順番に初期値として「FFH」を設定するループ処理を抜けるように構成しているが、ループ処理から抜け出す条件はこれに限られるものではない。ループ処理を抜け出す条件として使用可能なデータは、遊技状態が変更される場合に設定が変更される虞がないアドレスの下位バイトに対応するデータであればよい。例えば、各種設定値格納エリア203eのうち、アドレス「F09CH」〜「F0FFH」は、上述の通り未使用の作業領域である。よって、遊技状態の変更等によって設定値が書き換えられることがないので、これらのうちいずれかのアドレスの下位バイト(例えば、「AAH」や「BBH」)を終了条件として使用してもよい。
また、同様に、第1実施形態、および、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)や、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)を終了する条件も、データとして「00H」が読み出された場合に限られるものではなく、例えば「AAH」や、「BBH」が読み出された場合に処理を終了するように構成してもよい。
また、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)において設定する初期値は2種類に限られるものでもなく、任意数の初期値を設けておいてもよい。
また、第1実施形態、および、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)や、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)は、いずれも大当たりを終了する際に、大当たりの設定を初期化するために実行されているが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の時短回数が0となり、普通図柄の通常状態へと移行する場合に、普通図柄の時短状態の設定を消去するために、これらの処理のいずれかを用いる構成としてもよい。
また、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)や、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)、および、ゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)では、いずれも1のデータの読み出しと、1のデータの設定とを交互に行う構成としている。これに対して、複数のデータをまとめて読み出して、そのまとめて読み出したデータを一括して設定するように構成しても良い。
例えば、第1実施形態のゼロ設定処理(図28参照)において、転送元アドレスに格納されているアドレスデータを読み出して設定先アドレスに設定し(図28のS1502参照)、その読み出したアドレスデータが「00H」以外のデータだった場合は(S1503:No)、S1504の処理に移行させずに、S1501の処理に戻るように構成してもよい。
具体的には、S1501の処理によって転送元アドレスが新たに設定される度に、その転送元アドレスに格納されているアドレスデータを、互いに異なる汎用レジスタ(汎用レジスタ210b1〜汎用レジスタ210d2)に格納することで、設定先アドレスに設定する。例えば、最初にS1501の処理によって転送元アドレスに設定されたアドレスに格納されているデータを汎用レジスタ210b1に格納し、次に行われるS1501の処理によって新たに転送元アドレスに設定されたアドレスに格納されているデータを、例えば、汎用レジスタ210b2に格納すればよい。そして、以降は、転送元アドレスがS1501の処理によって更新される毎に、順次、汎用レジスタ210c1や汎用レジスタ210c2等に格納していけばよい。
また、S1503の処理において、読み出したアドレスデータが「00H」であると判別された場合は、設定先アドレスとして設定された全てのアドレスに、データとして「00H」を上書きしてから処理を終了するように構成すればよい。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、データを一時的に格納するための汎用レジスタとして、汎用レジスタ210b1,210b2,210c1,210c2,210d1,210d2の6種類が設けられているため、設定先アドレスを最大で6種類しか設定することができないが、汎用レジスタの数を増やして、設定先アドレスをより多く設定できるように構成してもよい。
第1〜第3実施形態のパチンコ機10において、大当たりに当選した際の、変動パターンの設定や大当たり中の設定、および、大当たりを終了する際の設定は、主制御装置110のMPU201によって行われていたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221によって行われるように構成しても良い。
また、第1〜第3実施形態のパチンコ機10では、遊技結果設定テーブル202eや状態設定テーブル202f等を主制御装置110のROM202に設けているが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のROM222に設けるように構成してもよい。
更に、第1〜第3実施形態のパチンコ機10では、各種設定値格納エリア203eを主制御装置110のRAM203に設けているが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けるように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(00Hを読み出した場合に処理を終了する)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を実行する制御手段と、その制御手段によって、読み出される制御データが記憶された記憶手段と、前記制御手段によって読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かを判別する制御データ判別手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う処理である読出制御処理を実行する場合には、読み出した制御データが前記特定データであると前記制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、前記読出制御処理を終了して、前記制御手順に従って実行される次の処理に移行させるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定の制御手順に従って、制御手段により遊技の制御が実行され、制御手順に基づいて制御手段により読み出される制御データが記憶手段に記憶され、その読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かが制御データ判別手段により判別される。制御手段によって、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う読出制御処理が実行される場合には、読み出した制御データが予め定められた特定データであると制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、読出制御処理が終了され、制御手順に従って実行される次の処理に移行される。
これにより、読出制御処理において、特定データが読み出されれば次の処理に移行するので、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを何回繰り返すのかを規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスにより、読出制御処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記制御データには、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが交互に規定されているものであり、前記読出制御処理は、前記制御データに規定されている順番にデータを読み出して、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データを設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが、制御データに交互に規定されている。その制御データに規定されている順番に、読出制御処理によってデータが読み出され、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データが設定される。
これにより、データの読み出しの際に、制御データに規定されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無いので、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A2において、遊技状態を変更するか否かを判別する状態変更判別手段を備え、前記制御データは、遊技状態に関する各種の設定値が前記設定用データとして規定されているものであり、前記状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、前記読出制御処理を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態を変更するか否かが状態変更判別手段によって判別される。遊技状態に関する各種の設定値が設定用データとして制御データに規定されている。状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、制御手段によって読出制御処理が実行される。
これにより、遊技状態が変更される場合に、設定されるべき設定値が設定されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A3において、前記特定データは、前記制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1〜A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータなので、制御データから特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
よって、特定データが読み出されるまで読出制御処理が繰り返されるので、読出制御処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出制御処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A4において、前記特定データは、前記制御データの末尾に規定されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1〜A4の奏する効果に加え、特定データが、制御データの末尾に規定されているので、制御データに規定されている他の全てのデータに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
<特徴B群>(00Hが読み出されるまでテーブルに格納されているアドレスに順番に0を設定)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データを複数記憶した記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段から前記設定先データを順に読み出す読み出し処理と、その読み出し処理により読み出された設定先データが示す設定先に、所定の設定値をそれぞれ設定する設定処理とを繰り返し行うものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定の制御手順に従って、遊技の制御が行われる制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データが、記憶手段によって記憶される。その記憶手段から制御手順に従って設定先データを順に読み出す読み出し処理と、その読み出し処理によって読み出された設定先データが示す設定先に、所定の設定値をそれぞれ設定する設定処理とが、制御手段によって繰り返し行われる。
これにより、読み出し処理によって読み出される設定先データに設定するための設定値を遊技機に記憶しておかなくても、設定処理によって所定の設定値を設定できる。よって、所定の設定値に記憶するデータ量を削減することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記制御手段は、前記読み出し処理によって1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された1の設定先データに基づいて前記設定処理を行うものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、読み出し処理によって1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された1の設定先データに基づいて制御手段により設定処理が行われるので、読み出し処理によって読み出され、設定処理によって設定されるデータ量が最小限で済むという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記設定先データは、前記制御手段によって読み出される順番に規定されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定先データが、制御手段によって読み出される順番に規定されているので、読み出し処理の度に、記憶手段に記憶されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無い。よって、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B1〜B3において、前記制御手段は、前記読み出し処理により読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かを判断する判断手段と、その判断手段によって、読み出された設定先データが予め定められた特定データであると判断された場合に、読み出された設定先データが示す設定先に所定の設定値を設定する処理を回避する回避手段とを備えることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1〜B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読み出し処理により読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かが判断手段により判断される。その判断手段によって、読み出された設定先データが予め定められた特定データであると判断された場合に、読み出された設定先データが示す設定先に所定の設定値を設定する処理が回避手段によって回避される。
これにより、読み出し処理と設定処理とを繰り返す回数を制御プログラムに規定しておかなくても、特定データが読み出されるまで読み出し処理と設定処理とを繰り替えし行わせることができる。よって、繰り返し回数の規定ミスによって、読出制御処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出制御処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されないことで遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B4において、前記特定データは、前記記憶手段に記憶されている他の前記設定先データのいずれとも異なるデータであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、記憶手段に記憶されている他の設定先データのいずれとも異なるデータなので、記憶手段から特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
これにより、特定データが読み出されるまで読み出し処理と設定処理とが繰り返されるので、制御手段によって行われるべき全ての制御が実行される前に処理が終了されてしまうことを抑制できる。これにより、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B4又はB5において、前記特定データは、前記設定先データの末尾に規定されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、特定データが設定先データの末尾に規定されているので、記憶手段に記憶されている他の全ての設定先データに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記所定の設定値には、第1設定値と、その第1設定値とは異なる第2設定値とが設けられており、前記制御手段は、前記判断手段により前記制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断されるまでは、前記設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に前記第1設定値を設定する処理とを繰り返すものであり、前記判断手段により前記制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断された後は、前記設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に前記第2設定値を設定する処理とを繰り返すものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定値と、その第1設定値とは異なる第2設定値とが所定の設定値として設けられている。判断手段により制御手段に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断されるまでは、設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に第1設定値を設定する処理とが制御手段によって繰り返される。制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断された後は、設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に第2設定値を設定する処理とが制御手段によって繰り返される。
これにより、第1設定値と第2設定値とを設定先に対応付けて記憶しておく必要が無いので、記憶手段に記憶しておくデータの容量を削減することができるという効果がある。
<特徴C群>(大当たり乱数からオフセット値を算出し、大当たり中はオフセット値を保持する)
遊技に関する情報を記憶した記憶手段と、遊技に関する制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、遊技状態を決定する遊技状態決定手段と、その遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に、所定条件の成立に基づいて設定する遊技状態設定手段とを備え、前記記憶手段は、前記遊技状態設定手段によって遊技状態を設定するための設定データと、その設定データを選択するために必要なデータである識別データとを記憶しているものであり、前記遊技状態決定手段により決定された遊技状態に対応する識別データを前記記憶手段から選択する選択手段と、その選択手段によって選択された識別データを少なくとも前記所定条件が成立するまで保持する保持手段とを備え、前記遊技状態設定手段は、前記保持手段によって保持されている識別データに対応する前記設定データを、所定条件の成立に基づいて前記記憶手段から読み出して設定するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技状態決定手段により遊技状態が決定され、その遊技状態設定手段によって遊技状態を設定するための設定データと、その設定データを選択するために必要な識別データとが記憶手段によって記憶されている。遊技状態決定手段により決定された遊技状態に対応する識別データが選択手段によって記憶手段から選択され、選択手段によって選択された識別データは保持手段によって所定条件が成立するまで保持される。保持手段によって保持されている識別データに対応する設定データが、所定条件の成立に基づいて遊技状態設定手段によって記憶手段から読み出されて設定される。
これにより、遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に対応する識別データが保持手段によって保持されるので、遊技状態決定手段による遊技状態の決定方法が外部から取得されることを抑制することができる。よって、遊技状態決定手段に対して、遊技者にとって有利となる遊技状態に決定するよう外部から制御する不正行為を抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記識別データは、前記設定データよりもサイズが小さいことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、識別データは設定データよりもサイズが小さいので、設定データを保持手段によって保持しておく場合に比べて保持手段の記憶するデータ量を削減することができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記記憶手段は、前記遊技状態決定手段によって遊技状態が決定されてから所定条件が成立するまでの間の遊技状態を設定するための複数の状態データを記憶しているものであり、前記識別データは、前記複数の状態データのそれぞれと対応付けて前記記憶手段に記憶されているものであり、前記複数の状態データから1の状態データを選択して設定する状態選択手段を備え、前記選択手段は、前記状態選択手段によって選択された前記1の状態データに対応する前記識別データを選択するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態決定手段によって遊技状態が決定されてから所定条件が成立するまでの間の遊技状態を設定するための複数の状態データが記憶手段によって記憶されている。その複数の状態データのそれぞれと対応付けて、識別データが記憶手段に記憶されている。複数の状態データから1の状態データが状態選択手段によって選択されて設定される。
これにより、選択手段によって識別データを選択する際は、状態選択手段によって選択されて設定された1の状態データに対応付けて記憶されている識別データを選択するだけで良いので、識別データと状態データとを別個独立に選択する場合に比べて処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記遊技状態決定手段によって遊技状態が決定された場合に、その決定された遊技状態とは異なる遊技状態に、前記所定条件が成立するまでの間設定する状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技状態決定手段によって遊技状態が決定された場合に、その決定された遊技状態とは異なる遊技状態が、状態設定手段によって、所定条件が成立するまでの間設定されるので、所定条件が成立するまでの間の遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1〜C3において、所定の始動条件の成立に基づいてランダムな情報を取得する取得手段と、そのランダムな情報に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かを抽選する抽選手段とを備え、前記遊技状態決定手段は、前記抽選手段によって前記特別遊技状態へと移行させると判断された場合に、前記取得手段によって取得されたランダムな情報に基づいて遊技状態を決定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技状態が終了することに基づいて前記遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に設定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1〜C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件の成立に基づいて取得手段によってランダムな情報が取得され、そのランダムな情報に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へと移行させるか否かが抽選手段によって判断される。抽選手段によって特別遊技状態へ移行させると判断された場合に、取得手段によって取得されたランダムな情報に基づいて遊技状態決定手段によって遊技状態が決定される。特別遊技状態が終了することに基づいて、遊技状態設定手段により、遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に設定される。
これにより、特別遊技状態が終了するまで、取得手段によって取得されたランダムな情報を保持しておく必要がないので、ランダムな情報のうち、特別遊技状態に対応した情報が不正行為により外部から取得されることを抑制することができる。従って、特別遊技状態に対応した情報を外部から入力し、特別遊技状態へと移行させる不正行為を抑制することができるという効果がある。
<特徴D群>(データの読み出しをまとめて行い、その後にまとめてデータを設定する)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データを複数記憶した記憶手段と、その記憶手段に記憶された設定先データを格納するデータ格納領域と、前記制御手段によって読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かを判断する判断手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段から前記設定先データを読み出して、その読み出した設定先データを前記データ格納領域に格納する処理を複数の設定先データに対して繰り返す読出記憶処理と、その読出記憶処理により前記データ格納領域に格納された複数の設定先データが示すそれぞれの設定先に、所定の設定値を一括して設定する一括設定処理とを実行するものであり、前記読出記憶処理において、読み出した設定先データが予め定められた特定データであると前記判別手段により判別されたことに基づいて、前記一括設定処理へと移行するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データが、記憶手段によって記憶され、その記憶手段に記憶された設定先データがデータ格納領域に格納される。制御手段によって読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かが判断手段によって判断される。制御手順に従って、記憶手段から設定先データを読み出して、その読み出した設定先データをデータ格納領域に格納する処理を複数の設定先データに対して繰り返す読出記憶処理と、その読出記憶処理によりデータ格納領域に格納された複数の設定先データが示すそれぞれの設定先に、所定の設定値を一括して設定する一括設定処理とが制御手段により実行される。読出記憶処理において、読み出した設定先データが予め定められた特定データであると判別手段により判別されたことに基づいて、一括設定処理へと移行する。
これにより、読出記憶処理において、特定データが読み出されれば一括設定処理に移行するので、読出記憶処理において、設定先データの読み出し、および、データ格納領域への格納を何回繰り返すのか規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスにより、読出記憶処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定データは、前記記憶手段に記憶された他の前記設定先データのいずれとも異なるデータであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータなので、制御データから特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
これにより、特定データが読み出されるまで読出記憶処理が繰り返されるので、読出記憶処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出記憶処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記特定データは、前記設定先データの末尾に記憶されているものであること特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、特定データが設定先データの末尾に規定されているので、記憶手段に記憶されている他の全ての設定先データに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置(制御手段)
202 ROM(記憶手段)
S1207 状態変更判別手段
S1312 読出制御処理
S1402 制御データ判別手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、複数の設定先に設定値を設定する処理を行うものがある
特開2001−276365号公報
しかしながら、かかる遊技機では、設定値を好適に設定することができなくなってしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、設定値を好適に設定できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段による制御に用いるための制御データとして、遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データで構成された設定先データ群を少なくとも記憶た記憶手段と、備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段に記憶された前記設定先データ群から前記設定先データを順に読み出す読出処理と、その読出処理により1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された設定先データが示す設定先に、予め定めた共通の設定値を設定する設定処理と、を繰り返し行うものであり、前記制御手段は、前記設定先データ群を構成する全ての前記設定先データが示す設定先に対して前記共通の設定値が設定されるまで、前記読出処理と前記設定処理とを繰り返すことが可能に構成されているものであり、前記制御手段は、前記読出処理と前記設定処理とを繰り返し行っている間に予め定めた特定条件が成立した場合に、前記読出処理および前記設定処理のいずれとも異なる他の処理に移行させることが可能に構成されているものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記制御手段を収納する収納手段を備える。
本発明の遊技機によれば、所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段による制御に用いるための制御データとして、遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データで構成された設定先データ群を少なくとも記憶した記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段に記憶された前記設定先データ群から前記設定先データを順に読み出す読出処理と、その読出処理により1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された設定先データが示す設定先に、予め定めた共通の設定値を設定する設定処理と、を繰り返し行うものであり、前記制御手段は、前記設定先データ群を構成する全ての前記設定先データが示す設定先に対して前記共通の設定値が設定されるまで、前記読出処理と前記設定処理とを繰り返すことが可能に構成されているものであり、前記制御手段は、前記読出処理と前記設定処理とを繰り返し行っている間に予め定めた特定条件が成立した場合に、前記読出処理および前記設定処理のいずれとも異なる他の処理に移行させることが可能に構成されているものである。
これにより、設定値を好適に設定することができるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 遊技結果設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 状態設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、大当たり終了時設定テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり終了時クリアテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 各種設定値格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 レジスタの構成を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり判定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される遊技結果設定値取得処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるはずれ時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるデータ設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるゼロ設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 (a)は、第2実施形態における主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における大当たり終了時設定・クリアテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第3実施形態における主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における大当たり終了時初期値設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるゼロ設定処理2を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が複数回繰り返される。その結果、特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「時短大当たりA」〜「時短大当たりC」、および「確変大当たりA」〜「確変大当たりJ」の13種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。詳細については後述するが、例えば、大当たり種別が「確変大当たりA」であった場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態に移行するという遊技価値が付与される。また、大当たり種別が「時短大当たりB」であった場合は、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が30回行われるまで普通図柄の時短状態が継続するという遊技価値が付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」、および「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」の13種類が設けられている。
「通常大当たり」になると、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となるが、大当たり終了後には何らの付加価値も付与されることがない。即ち、大当たり終了後は特別図柄の低確率状態へ移行し、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)へ移行することもない。
「時短大当たりA」、および「時短大当たりB」になると、いずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)へ移行する。しかしながら、「時短大当たりA」、及び「時短大当たりB」では、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)が継続する期間がそれぞれ相違する。具体的には、「時短大当たりA」は、大当たりに当選した際の状態によらず、大当たりの終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。一方、「時短大当たりB」は、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、「普通図柄の時短状態」が継続する期間に差が付けられている。具体的には、特別図柄の高確率状態中に「時短大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまでの間普通図柄の当たり確率がアップし、特別図柄の低確率状態中に「時短大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまでの間普通図柄の当たり確率がアップする。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選回数で普通図柄の時短状態が継続する期間を規定しているが、例えば、特別図柄の変動が終了する回数で規定してもよい。
また、「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選すると、いずれもラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となり、その後は大当たりに当選する前の状態に応じて、「特別図柄の高確率状態」へ移行するか、または「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」へと移行する。具体的には、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短中に「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、大当たり終了後に「特別図柄の高確率状態」へと移行する。一方、各種時短大当たりの終了後に付与される普通図柄の時短中以外の状態(即ち、特別図柄の高確率状態中、または、特別図柄の低確率状態中、且つ、普通図柄の通常状態中)で「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、「普通図柄の時短状態」へと移行する。なお、大当たりの終了後に「普通図柄の時短状態」が継続する期間は、「特別大当たりA」においては特別図柄の抽選が20回終了するまでの間であり、「特別大当たりB」においては特別図柄の抽選が30回終了するまでの間である。
更に、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」では、いずれも特別遊技状態となり、その後大当たり終了後の付加価値として、「特別図柄の高確率状態」へ移行する。しかしながら、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」では、大当たりのラウンド数や特定入賞口(大開放口)65aの動作パターンがそれぞれ異なっている。具体的には、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」では、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、「確変大当たりE」〜「確変大当たりH」では、ラウンド数が2ラウンドの特別遊技状態(2ラウンド大当たり)となる。
更に、「確変大当たりA」や、「確変大当たりF」〜「確変大当たりH」では、特別遊技状態中の各ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖される条件が他の大当たり種別とは異なっている。具体的には、「時短大当たりA」〜「時短大当たりC」、「確変大当たりA」、「確変大当たりB」、「確変大当たりD」〜「確変大当たりG」では、各ラウンドにおいて、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで特定入賞口(大開放口)65aが開放されるのに対して、「確変大当たりC」、および「確変大当たりH」〜「確変大当たりJ」では、各ラウンドにおいて、0.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで特定入賞口(大開放口)65aが開放される。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、遊技球を発射する発射回数に上限を設けているので(例えば、1分間に最大100回)、0.5秒以内に特定入賞口(大開放口)65aに球を10個入賞させることは極めて困難であり、ほとんどの場合、10個の球を入賞させる前に特定入賞口(大開放口)65aは閉鎖されてしまう。よって、「確変大当たりC」、および「確変大当たりH」〜「確変大当たりJ」では、遊技者が獲得できる1ラウンドあたりの賞球数が、他の大当たり種別よりも少なくなる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」のいずれかが終了してから、特別図柄の抽選が所定回数(20回、30回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が20回であれば、普通図柄の時短期間が20回であると記載する。このように、本実施形態のパチンコ機10には、大当たり状態や、普通図柄の時短状態、特別図柄の確変状態等の様々な遊技状態が設けられており、遊技者の興趣向上が図られている。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数と、各ラウンドにおける特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件と、大当たり終了後の状態(特別図柄の確変状態とするか普通図柄の時短状態とするか)とをそれぞれ異ならせている。これに対して、ラウンド数を大当たり種別によらず共通としても良いし、各ラウンドにおける特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件を大当たり種別によらず共通としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、ラウンド数や特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件は、本実施形態の態様に限られるものではなく、例えば、4ラウンドの大当たりや9ラウンドの大当たりを設けてもよいし、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件として、例えば、「3秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで」という条件や、「10秒経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで」という条件の大当たりを設けてもよい。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」、または「普通図柄の時短状態」のうちいずれかの状態へと移行するように構成しているが、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が所定回数(例えば、4回)終了するまでの間は必ず「特別図柄の高確率状態」となるように構成し、所定回数の特別図柄の抽選が終了した後で、「特別図柄の低確率状態」へ移行させると共に、「普通図柄の時短状態」、または「普通図柄の通常状態」となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たり種別が「時短大当たりA」になると、その「時短大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「時短大当たりB」になると、その「時短大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が20回、または30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「時短大当たりA」になると、その「時短大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「時短大当たりB」になると、その「時短大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が120回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
更に、本実施形態では大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、大当たり終了後に遊技者に与えられる付加価値を異ならせている大当たり種別(「時短大当たりA」、「特別大当たりA」、および「特別大当たりB」)を設けているが、大当たり終了後に遊技者に与えられる付加価値は、大当たりに当選した際の遊技状態によらず固定としてもよい。例えば、「時短大当たりA」に当選した場合は、大当たり当選時の状態によらず、大当たりの終了後に特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続するように構成し、「特別大当たりA」、または「特別大当たりB」に当選した場合は、大当たり当選時の状態によらず、大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態へ移行するように構成してもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、本実施形態では、第1入球口64を1つのみ設ける構成としているが、第1入球口64を複数個設けておいてもよい。この場合において、球が入球した第1入球口64の種別毎に球の入球を保留するように構成してもよい。また、保留球に応じて変動を実行させる場合に、第1入球口64の種別を考慮せずに入球があった順番に変動を実行させても良いし、保留球が存在する場合に、優先的に変動を実行させる第1入球口64を設ける構成としてもよい。また、複数の第1入球口64を設けた場合は、第1入球口64の種別に応じて大当たりの当選確率や、各大当たり種別の選択比率を変更してもよい。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」、「確変大当たりA」〜「確変大当たりH」)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「通常大当たり」、「時短大当たりA」、「時短大当たりB」、「特別大当たりA」、「特別大当たりB」のいずれかであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「確変大当たりA」、「確変大当たりE」〜「確変大当たりH」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われ、「確変大当たりB」〜「確変大当たりD」であれば(即ち、遊技者にとって最も有利な16ラウンドの確変大当たりであれば)、奇数番号「7」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。このように構成することにより、揃った主図柄を確認するだけで大当たり種別を認識することができる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(30秒経過するまで、若しくは、球が10個入賞するまで、又は、0.5秒経過するまで、若しくは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、大当たり種別に応じた回数だけ繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、ROM202やRAM203から各種データを読み出したり、RAM203に各種データを書き込んだりする場合に、読み出し、および書き込みに必要なデータを一時的に記憶させるためのレジスタ210と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図6〜図9を参照して説明する。図6(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、遊技結果設定テーブル202e、状態設定テーブル202f、大当たり終了時設定テーブル202g、大当たり終了時クリアテーブル202hが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aの詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述する。
第1当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細については、第1当たり種別カウンタC2の説明と共に後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図6(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。なお、この第2当たり乱数テーブル202cの詳細については、第2当たり乱数カウンタC4の説明と共に後述する。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の大当たりの判定結果や遊技状態等に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。例えば、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルや、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルである。また、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルにも、複数存在し、大当たり種別毎に選択されるテーブルを異ならせている。更に、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルも複数存在し、例えば、大当たり終了後にしか選択されないテーブル等が設けられている。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
遊技結果設定テーブル202eは、(図7参照)は、大当たりに当選した場合に、大当たりを示す停止図柄の設定や、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの動作パターン等の設定値が大当たり種別毎に規定されているデータテーブルである。この遊技結果設定テーブル202e(図7参照)は、ROM202のアドレス「19D8H」〜「1A2BH」の範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この遊技結果設定テーブル202e(図7参照)には、各大当たり種別となる判定値(乱数値)の個数(判定値個数)と、複数のLED37aの点灯パターン(表示図柄数)と、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄情報)と、特定入賞口(大開放口)65aの作動パターン(大開放口パターン)と、変動パターン選択テーブル202dに規定されている大当たり時の変動パターンを選択するための複数のテーブルの中からいずれを選択して変動パターンの決定に用いるのかを示す情報(テーブル選択情報)と、大当たりが終了した後の遊技状態を決定するための情報(オフセット1、オフセット2)とが規定されている。なお、図7には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
本パチンコ機10では、大当たりに当選することに基づいて、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)から、当選した大当たり種別に応じた上記各設定値を、RAM203の各種設定値格納エリア203e(図11参照)に格納する。この各種設定値格納エリア203eの詳細については後述する。そして、各種設定値格納エリア203eに格納された設定値に基づいて、MPU201により大当たりとなる変動パターン演出や大当たりに関する各種制御が行われる。また、各種設定値格納エリア203e(図11参照)には、遊技に関する設定値を格納する記憶領域に加えて、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)に規定されているオフセット1、オフセット2に基づいて算出されるオフセット値を格納するためのオフセット値格納エリアが設けられている。このオフセット値は、大当たり終了後の遊技状態を設定するために用いられる値であり、詳細については後述するが、遊技結果設定値取得処理(図17参照)においてオフセット1とオフセット2とを参照して算出される値である。
具体的には、大当たりの終了タイミングと判別された場合に実行される大当たり終了処理(図26参照)において、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を状態設定テーブル202f(図8参照)から選択して各種設定値格納エリア203eに設定するために用いられる。即ち、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)そのものを大当たりの終了時点まで保持し続け、その乱数値(カウンタ値)に基づいて大当たり終了後の遊技状態を決定しているわけではなく、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)に基づいて選択されるオフセット値のみを大当たり中に保持する構成としている。
ここで、大当たりとなる乱数値を大当たり当選の際の変動パターン演出中や、その後の大当たり状態中に保持しておく構成とした場合、不正遊技者によって大当たり乱数が読み出されることにより、大当たりとなる乱数値が特定される可能性がある。よって、その特定された乱数値が出現するタイミングが解析され、その解析されたタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てられやすくなる虞がある。これに対して、本実施形態では、取得した乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換して大当たり終了時点まで保持し、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を、大当たり当選の際の変動パターン演出中や、その後の大当たり状態中に保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としている。RAM203に各種設定値の全てを一時的に記憶しておく記憶エリアを設けておくのではなく、オフセット値を保持する領域を設けておくだけで足りるので、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
次いで、図8を参照して、ROM202の状態設定テーブル202fについて説明する。この状態設定テーブル202f(図8参照)は、大当たりの終了後に移行し得る遊技状態がオフセット値毎に規定されているテーブルであり、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(S1207:Yes)に実行される大当たり終了処理(S1208)の中で、大当たり終了後の遊技状態を設定するために参照されるデータテーブルである。
この状態設定テーブル202f(図8参照)は、ROM202のアドレス1AD4H〜1AF3Hの範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この状態設定テーブル202f(図8参照)には、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態に移行させるか否かを示す情報(特別図柄の抽選状態)と、大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)と、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短期間と(時短回数)、変動パターンの態様を選択するための変動パターン選択テーブル202dを大当たり終了後用のテーブルから、状態に応じたテーブルに切り替えるまでに要する特別図柄の抽選回数(変動パターン選択テーブル切替回数)とが規定されている。また、図8には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
なお、普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)には、通常状態、時短状態1、時短状態2、および時短状態3の4種類の状態が設けられている。普通図柄の状態として通常状態が設定されている場合は、大当たり終了後に普通図柄の通常状態へ移行する。一方で、時短状態1〜時短状態3のいずれかが設定されている場合は、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。これに加えて、上記4つの状態は、変動パターン選択テーブル切替回数を経過後に変動パターンを決定するために用いられるテーブルが互いに異なっている。即ち、外れ用の変動パターン演出を行う場合に、変動パターン選択テーブル202dに規定された複数のテーブルからいずれのテーブルを選択して変動パターン演出の決定に用いるかが、上記4つの状態でそれぞれ異なっている。
上述した通り、本パチンコ機10では、大当たりに当選することに基づいて、遊技結果設定テーブル202eに規定されるオフセット1、オフセット2から算出されるオフセット値をオフセット値格納エリアに保持しておき、大当たり終了時に、オフセット値に対応した設定値を状態設定テーブル202fから抽出して各種設定値格納エリア203eに格納するように構成されている。
第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換して大当たり終了時点まで保持し、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203には大当たりの終了までオフセット値を保持しておくための記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
次に、図9を参照して、ROM202に規定されている大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)、および大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)について説明する。これらのテーブルは、大当たり終了処理(図26参照)において、後述する各種設定値格納エリア203eに設定されている大当たり中用の設定値を初期化して、通常の遊技状態中用の設定に書き換えるための制御データが規定されているテーブルである。
大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)は、ROM202のアドレス1202H〜1204Hの範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。具体的には、ROM202のアドレス「1202H」〜「1204H」の各アドレスには、各種設定値格納エリア203e(図7参照)においてリセットを行うデータの格納位置を示すアドレスデータと、そのアドレスデータが示すデータの格納位置に設定するためのデータ(大当たり中を示す設定値をリセットするためのデータ)と、遊技状態設定エリアを初期化する処理を終了するためのデータとがアドレスの順に格納されている。詳細については後述するが、大当たり終了処理(図26参照)の中の1処理であるデータ設定処理(図27参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)からROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、格納データに応じた制御が実行される。具体的には、アドレスデータが読み出された場合は、そのアドレスをデータの設定先アドレスとして設定する。また、設定値データ(設定値をリセットするためのデータ)が読み出された場合は、設定先アドレスとして設定されているアドレスの内容をリセットする(即ち、設定先アドレスに「00H」を設定する)。更に、読み出されたデータが処理を終了するためのデータであると判別された場合は、データ設定処理(図27参照)を終了する。
次に、図9(b)を参照して、大当たり終了時クリアテーブル202hについて説明する。大当たり終了時クリアテーブル202hは、ROM202のアドレス「1205H」〜「1212H」の範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスには各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスがそれぞれ規定されている。詳細については後述するが、大当たり終了処理の中の1処理であるゼロ設定処理(図28参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時クリアテーブル202hからROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、読み出された格納データ(アドレスデータ)の示すアドレスに設定値として「00H」(初期値データ)を設定する。また、大当たり終了時クリアテーブル202hから読み出されたデータが「00H」であった場合は、ゼロ設定処理を終了する。
大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に、各種設定値格納エリア203eの設定先アドレスと、その設定先アドレスに設定するための設定データ(即ち、「00H」)とを規定するように構成した場合、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時クリアテーブル202hには設定先アドレスのみを規定し、その設定先アドレスに「00H」を設定するという処理を、MPU201の制御プログラムの中で規定している。よって、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量を減らすことができるので、ROM202に記憶されるデータ量を削減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)やゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
次に、図10、図11を参照して、主制御装置110のRAM203について説明する。RAM203には、主制御装置110の処理を制御するための各種カウンタやフラグ、および設定値を格納する記憶領域等が設けられている。ここで、主制御装置110の処理とは、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理である。
まず、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図6(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜149)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜149の値を取り得るカウンタの場合は149)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が出現するタイミングが解析され、その解析されたタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てられやすくなる虞がある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜149の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図6(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」であった場合の大当たり種別は、「通常大当たり」となる。また、値が「20〜29」であった場合の大当たり種別は、「時短大当たりA」となり、値が「30〜39」であった場合の大当たり種別は、「時短大当たりB」となる。また、値が「40〜69」であった場合の大当たり種別は、「特別大当たりA」となり、値が「70〜97」であった場合の大当たり種別は「特別大当たりB」となる。
更に、乱数値が「98,99」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりA」となり、値が「100〜102」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりB」となり、値が「103〜105」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりC」となり、値が「106〜113」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりD」となる。また、値が「114〜129」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりE」となり、値が「130〜145」であった場合の大当たり種別は、「確変大当たりF」となり、値が「146,147」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりG」となり、値が「148,149」であった場合の大当たり種別は「確変大当たりH」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、13種類の当たり種別(通常大当たり、時短大当たりA、時短大当たりB、特別大当たりA、特別大当たりB、確変大当たりA〜確変大当たりH)が決定されるように構成されている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されている。このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図26参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図6(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
上述の通り、変動パターン選択テーブル202dは、パチンコ機10の状態に応じた複数のテーブルから構成されている。例えば、大当たりに当選した場合、大当たり種別に応じて選択されるテーブルが異なっており、変動パターンの選択にいずれのテーブルを用いるかは、遊技結果設定テーブル202e(図7参照)に大当たり種別毎に規定されている、テーブル選択情報に応じて定められる。変動パターンを選択するテーブルが異なれば、例えば、「当たりスーパーリーチ」各種のうち、特定の大当たり種別で選択されやすい「当たりスーパーリーチ」の種別や、特定の大当たり種別でのみ選択される「当たりスーパーリーチ」の種別を設けることができる。よって、変動パターンの種別から、大当たり種別を予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選結果が外れであった場合も、普通図柄の状態が通常状態、および時短状態1〜3のいずれであるかに応じて、変動パターンを選択するために用いられるテーブルは異なるように構成されている。このように構成することで、変動パターンの種別から現在の遊技状態を予測させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図6(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図6(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示した各種カウンタのほか、MPU201のレジスタ210の内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、レジスタ210の各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図23参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図5に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、各種設定値格納エリア203eと、確変フラグ203fとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図19のS604参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図14のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図18のS206、図20のS605参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS705参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図21のS805)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS803:No)。
各種設定値格納エリア203eは、パチンコ機10の主要な処理を実行するための様々な設定値やフラグ、カウンタ等が格納されている記憶領域である。MPU201は、各種設定値格納エリア203eに格納されたデータに基づいて制御を行う。この各種設定値格納エリア203eについて、図11を参照して説明する。
図11は、RAM203の各種設定値格納エリア203eを模式的に示した模式図である。図11に示す通り、各種設定値格納エリア203e(図11参照)は、RAM203のアドレス「F000H」〜「F0FFH」の範囲に該当する。この各種設定値格納エリア203e(図11参照)において、RAM203のアドレス「F000H」に割り当てられている発射制御信号設定値格納エリアは、球の発射を制御するための設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて遊技領域への球の発射が制御される。
RAM203のアドレス「F009H」に割り当てられている表示LED設定エリアは、表示LEDを点灯させるための点灯パターンの設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて表示LEDを点灯させる。
アドレス「F01DH」,「F01EH」にそれぞれ割り当てられているテスト信号設定エリア1、および、テスト信号設定エリア2は、各種テスト信号を出力するための設定値を格納する記憶領域である。テスト信号としては、例えば、特定入賞口(大開放口)65aの動作テストを行うための信号や、大当たり時の動作テストを行うための信号などがある。テスト信号なので、遊技者がパチンコ機10で遊技を行っている間は信号が出力されない設定(即ち、テスト信号設定エリア1,2共に「00H」が設定値として設定された状態)とされる。
アドレス「F030H」に割り当てられている最大ラウンド数設定エリアは、大当たりのラウンド数を設定するエリアである。例えば、確変大当たりE等の、大当たりのラウンド数が2ラウンドの大当たり種別に当選した場合は、設定値として「02H」が設定され、特別大当たりAや特別大当たりBのように、大当たりのラウンド数が8ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「08H」が設定され、通常大当たりや時短大当たりA等の、大当たりのラウンド数が16ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「10H」が設定される。
RAM203のアドレス「F035H」に割り当てられている遊技状態設定エリアは、現在の遊技状態を示す設定値が格納されている記憶領域であり、例えば、格納されている設定値が「01H」であれば、特別図柄の変動中を示し、「02H」であれば、特別図柄の確定表示中を示し、「03H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖中の状態であることを示し、「04H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが開放中の状態であることを示す。また、「00H」であれば、上記以外の状態であること(即ち、大当たり終了後から特別図柄の変動が開始されるまでの間の状態や、保留球が無い状態で特別図柄が停止表示されてから一定時間経過した状態)を示している。
アドレス「F090H」に割り当てられている大当たりフラグは、現在が大当たり状態(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば(即ち、格納されているデータが「01H」であれば)、特別図柄の大当たり中であることを示し、オフであれば(即ち、格納されているデータが「00H」であれば)、特別図柄の大当たり中以外の状態(即ち、特別図柄の変動状態や、デモ状態等の状態)を示すものである。また、続くアドレス「F091H」〜「F094H」に割り当てられている記憶領域は、ROM202の状態設定テーブル202fから読み出したデータを設定するための領域である。
まず、アドレス「F091H」に割り当てられている確変状態フラグは、現在が特別図柄の確変中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば(即ち、格納されているデータが「01H」であれば)、特別図柄の確変中であることを示し、オフであれば(即ち、格納されているデータが「00H」であれば)、特別図柄の低確率状態であることを示している。
また、アドレス「F092H」に割り当てられている時短状態フラグは、普通図柄の時短中であるか否かを示すと共に、外れ時の変動パターンの態様を選択するためのテーブルを指定するための設定値が格納されている。なお、フラグが「00H」であれば、普通図柄の通常状態であることを示し、フラグが「01H」であれば、普通図柄の時短状態1であることを示し、フラグが「02H」であれば、普通図柄の時短状態2であることを示し、フラグが「03H」であれば、普通図柄の時短状態3であることを示す。上述した通り、普通図柄の時短状態1〜3は、変動パターン選択テーブル切替回数が経過後に、外れ時の変動パターンを選択するために用いられるテーブルが、互いに異なっているという点が相違している。なお、上述の通り、テーブルは全て変動パターン選択テーブル202dに規定されている。
アドレス「F093H」に割り当てられている時短状態カウンタは、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へ移行し、且つ、普通図柄の時短状態へと移行した場合に、普通図柄の時短回数が何回分残っているのかを表すカウンタである。なお、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行した場合には、次に大当たりに当選するまで普通図柄の時短状態が継続するが、特別図柄の抽選回数によらず時短状態カウンタは0である。本実施形態のパチンコ機10では、確変状態フラグがオンであるか、時短状態カウンタの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態の制御が実行される。
アドレス「F094H」に割り当てられている変動選択状態カウンタは、変動パターン演出を選択するためのテーブルを、別のテーブルに切り替えるまでの、残りの特別図柄の抽選回数を示すカウンタである。このカウンタが1以上であれば、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルとして、大当たり終了後専用の変動パターン選択テーブルが選択される。一方、変動選択状態カウンタの値が0の場合は、時短状態フラグが示す遊技状態に応じたテーブルから変動パターンを決定する。
アドレス「F095H」に割り当てられているオフセット値格納エリアは、オフセット値を格納するための記憶領域であり、格納されたオフセット値に基づいて状態設定テーブル202fから大当たり終了後の設定値が読み出され、RAM203のアドレス「F091H」〜「F094H」にそれぞれ設定される。このオフセット値は、特別図柄の抽選において大当たりと判別された場合に、遊技結果テーブル202eから読み出されたオフセット1、およびオフセット2の各値から算出され、オフセット値格納エリアに記憶される。また、状態設定テーブル202fからの設定値の読み出し、および設定が完了した後で実行されるゼロ設定処理(図28参照)の中で、初期値である「00H」に上書きされる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される各種の乱数値(カウンタ値)を、オフセット値という形に変換してオフセット値格納エリアに格納しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができる。よって、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。なお、各種の乱数値(カウンタ値)とは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴ってRAM203の各カウンタバッファに格納された、第1当たり乱数カウンタC1や、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3等の値を意味している。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態としてアドレス「F091H」〜「F094H」にそれぞれ設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
アドレス「F096H」に割り当てられている大開放口設定エリアは、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開放パターンを示す設定値が格納される記憶領域であり、大当たり中に(即ち、大当たりフラグがオンの場合に)参照される。本実施形態のパチンコ機10では、「00H」〜「04H」の5種類の設定値が設けられており、設定値が「00H」の場合は16ラウンド大当たり、「01H」の場合は8ラウンド大当たり、「02H」の場合は16ラウンド短開放大当たり(各ラウンドで特定入賞口(大開放口)65aが最長0.5秒間だけ開放される16ラウンド大当たり)、「03H」の場合は2ラウンド大当たり、「04H」は2ラウンド短開放大当たり(各ラウンドで特定入賞口(大開放口)65aが最長0.5秒間だけ開放される2ラウンド大当たり)にそれぞれ対応する。
アドレス「F097H」に割り当てられている停止図柄コード情報格納エリアは、特別図柄の抽選結果に基づいて特別図柄の停止図柄の情報を設定するための領域である。特別図柄の抽選結果が外れの場合は、外れに対応した停止図柄を示す停止図柄コードが設定され、抽選結果が当たりの場合は、大当たり種別に応じた停止図柄コードが遊技結果設定テーブル202eから読み出されて設定される。そして、特別図柄の変動終了時に、この停止図柄コード情報格納エリアに設定された設定値に応じた停止図柄が、第1図柄表示装置37に確定表示される。
アドレス「F09FH」〜「F0FFH」までは未使用の領域であり、これらの領域に格納されているデータは「00H」固定とされている。なお、各種設定値格納エリア203eには、上述した以外のアドレスにも様々な設定値が割り当てられている。説明は省略するが、例えば、特定入賞口(大開放口)65aへ入賞した球の個数をカウントする入賞カウンタ等の各種カウンタや、普通図柄の変動演出において、普通図柄の表示を切り替える時間を計測する普通図柄表示切替タイマ等の各種タイマなどが割り当てられている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、RAM203のアドレスの上位バイトがF0Hである各種設定値格納エリア203eに、集中的に各種設定値やカウンタ、タイマ等を格納するように構成し、音声ランプ制御装置113等へ出力するコマンド(例えば、変動パターンコマンドや停止種別コマンド等)を格納するためのリングバッファや、特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球数格納エリア203b、スタックエリア等についてはRAM203のアドレスの上位バイトが「F0H」以外のアドレス(例えば、上位バイトが「F1H」であるアドレス)に格納するように構成している。
次いで、図12を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているレジスタ210について説明する。レジスタ210は、ROM202やRAM203からデータを読み出したり、RAM203に設定値を書き込む場合に、アドレスデータや設定値データを一時的に格納したり、格納した設定値に演算処理を行ったりするためのものである。図12に示すように、レジスタ210は、格納したデータに対して演算処理を実行可能なアキュームレータ210aと、アドレスデータや設定値データを格納可能な汎用レジスタ210b1,210b2,210c1,210c2,210d1,210d2と、各種フラグを格納するフラグレジスタ210eと、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイト(F0H)を固定値として記憶させておくためのアドレス保持レジスタ210fとが設けられている。なお、アキュームレータ210aは、汎用レジスタ210b1〜210d2と同様に、データを一時的に格納するために用いることもできる。
レジスタ210に設けられている各レジスタは、それぞれ1バイトのデータを保持可能に構成されている。また、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2、汎用レジスタ210c1と汎用レジスタ210c2、および汎用レジスタ210d1と汎用レジスタ210d2は、それぞれペアで用いることもできる。即ち、それぞれのペアのレジスタに合計2バイト分のデータを格納することができるように構成されている。2バイト分のデータとしては、例えば、ROM202のアドレスデータや、RAM203のアドレスデータ等が該当する。
フラグレジスタ210eは、1バイトの各ビットに異なるフラグが設けられている。設けられているフラグは、例えば、命令を実行した後の演算結果がゼロ以外の値であればオフ、ゼロであればオンとなるゼロフラグや、各種汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納したデータが「00H」以外のデータであればオフ、「00H」であればオンとなるロードフラグ等が設けられている。
以下、データの読み書きを行う際の制御について説明する。ここで、本実施形態のパチンコ機10には、主制御装置110の種々の制御を実行させるための様々な命令が設けられており、データの読み書きも、種々の命令の中の一つの命令を用いて実行される。具体的には、例えば、読み出し元と設定先を指定し、転送元に格納されているデータを設定先に転送する転送命令が用意されている。
なお、この転送命令では、読み出し元と設定先とのうち、少なくとも一方はレジスタ210に設けられているアキュームレータ210a、または、いずれかの汎用レジスタ(汎用レジスタ210b1〜汎用レジスタ210d2)を指定する必要がある。よって、例えば、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されたデータを読み出して、読み出したデータをRAM203のアドレス「F093H」に格納する場合、例えば、汎用レジスタ210b1を介してデータ転送を行う必要がある。具体的には、まず、アドレス「1ADAH」を読み出し元、汎用レジスタ210b1を設定先とし、転送命令を用いてアドレス「1ADAH」に規定されたデータを汎用レジスタ210b1に格納しておく。そして、次に、汎用レジスタ210b1を読み出し元、アドレス「F093H」を設定先とし、再度転送命令を行って、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをアドレス「F093H」に設定する。このように制御することで、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されているデータを、汎用レジスタ210b1を介してRAM203のアドレス「F093H」に転送することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、MPU201が受け付け可能な転送命令として、2バイト読込命令(ロード命令)が設けられている。この2バイト読込命令(ロード命令)は、指定した読み出し元に規定されているデータを読み出して、指定した設定先に転送する命令である。2バイト読込命令では、読み出し元、または、設定先に、ROM202やRAM203のアドレスを指定することができる。この場合、ROM202やRAM203のアドレスの上位バイト、下位バイトの両方を指定する必要がある。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、2バイト読込命令(ロード命令)と同様に、指定した読み出し元に規定されているデータを読み出して、指定した設定先に転送する命令である1バイト読込命令が設けられている。この1バイト読込命令が2バイト読込命令(ロード命令)と異なっている点は、特定の記憶領域からデータを読み出したり、特定の記憶領域にデータを転送したりする場合に用いられる点である。なお、特定の記憶領域とは、アドレス保持レジスタ210fに記憶されている固定値データをアドレスの上位バイトとする記憶領域を指す。上述の通り、アドレス保持レジスタ210fには、「F0H」が格納されているので、1バイト読込命令は、アドレスが「F000H」〜「F0FFH」の範囲のエリア、即ち、RAM203の各種設定値格納エリア203eにデータを転送したり、逆に各種設定値格納エリア203eからデータを読み出す場合に用いられる。
1バイト読込命令は、アドレスの上位バイトが「F0H」のエリアからの読み書きを行うという意味を含んで規定されているため、読み出し元、または、設定先のアドレスを指定する場合に、アドレスの上位バイトを省略して、アドレスの下位バイトのみをプログラムに記述しておけばよく、プログラム容量を削減することができるというメリットがある。
ここで、変動開始時の設定や、大当たり中の設定、大当たり終了後の設定など、様々な設定を行う場合に、各種設定値格納エリア203eにデータを設定する。このため、制御プログラムにおいて、各種設定値格納エリア203eに何らかのデータを設定するという処理が記述される頻度が高くなる。これらの設定を全て2バイト読込命令で記述した場合、プログラム容量が増大するという問題点があった。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、MPU201が、上述の1バイト読込命令を読み込むことのできる構成とし、更に、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイトが全て「F0H」となるように、RAM203のデータ格納位置を調節している。これにより、パチンコ機10による遊技の中で頻繁に設定処理が行われる各種設定値格納エリア203eへのデータの設定命令を、制御プログラムにおいて1バイト読込命令で記述することができる。よって、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイトが複数存在する場合(例えば、一部のデータはアドレスの上位バイトが「F0H」のエリアに格納され、一部のデータはアドレスの上位バイトが「F1H」のエリアに格納されている場合)に比べて、制御プログラムの容量を削減することができる。
ここで、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをRAM203のアドレス「F093H」に格納する場合を例に挙げて、2バイト読込命令と1バイト読込命令の違いについてより具体的に説明する。
2バイト読込命令では、読み出し元として、汎用レジスタ210b1を示すデータを指定し、更に、設定先としてアドレス「F093H」を指定することにより、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをアドレス「F093H」へ設定することができる。つまり、1回の転送命令において、汎用レジスタ210b1を示す1バイトのデータと、2バイトのアドレスデータである「F093H」との合計3バイトのデータをプログラムに記述しておく必要がある。
一方で、1バイト読込命令を用いた場合、読み出し元として、汎用レジスタ210b1を示すデータを指定するのは2バイト読込命令と共通しているが、設定先として、アドレス「F093H」の下位バイトである「93H」のみを指定すればよいという点が異なっている。つまり、1回の転送命令において、汎用レジスタ210b1を示す1バイトのデータと、1バイトのアドレスデータである「93H」との合計2バイトのデータを記述しておけば良く、2バイト読込命令に比べてプログラムの記述量を1バイト減らすことができる。また、各種設定値格納エリア203eには、球の発射に関する設定値やLED37aに関する設定値、特定入賞口(大開放口)65aの設定値等、遊技に関する様々な設定値が格納されているため、データの読み書きが頻繁に行われる。よって、パチンコ機10の制御プログラムにおいて、各種設定値格納エリア203eの中のいずれかのアドレスを読み出し元、または、設定先として指定する転送命令の記述が頻繁に出現することとなる。従って、これらの転送命令の全てについて、2バイト読込命令に代えて1バイト読込命令を用いることによって、プログラム容量を削減することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データの設定が頻繁に行われる各種設定値格納エリア203eが、RAM203のうち、アドレスの上位バイトが「F0H」である範囲に収まるように構成している。よって、これに合わせる形で、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして、「F0H」を選択しているが、これに限られるものではない。
例えば、各種設定値格納エリア203eのアドレスを、「FF00H」〜「FFFFH」にし、これに合わせて、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして、「FFH」を選択してもよい。なお、読み出し元、または、設定先の上位アドレスを「FFH」に変更する場合は、アドレス保持レジスタ202fに「FFH」を固定値データとして格納すれば良い。
また、例えば、ROM202のうち、読み出しの頻度が高いアドレスの上位バイトを、1バイト読込命令を実行する場合の読み出し元、または、設定先の上位アドレスとして設定(即ち、アドレス保持レジスタ202fに固定値データとして設定)しても良い。読み出す頻度の高いアドレスとしては、例えば、特別図柄の抽選の度に参照される第1当たり乱数テーブル202aのアドレスや、特別図柄の抽選で大当たりと判別される度に参照される遊技結果設定テーブル202eのアドレスが挙げられる。
なお、上記の例示のうち、遊技結果設定テーブル202eのアドレスの上位バイトを固定値データとして格納する場合、遊技結果設定テーブル202eはROM202のアドレス「19D1H」〜「1A2BH」に格納されているので、データを読み出す際に、アドレスの上位バイトが「19H」の場合と、「1AH」場合とがある。一方で、アドレス保持レジスタ202fには1バイトのデータしか格納することができないので、アドレス保持レジスタ202fには、「19H」か「1AH」のいずれか一方のみしか格納することができない。これに対して、遊技結果設定テーブル202eが規定されるROM202のアドレスをずらし、すべてのデータをアドレスの上位バイトが共通となる範囲に規定するように構成しても良い。
更に、変更する遊技状態に応じて、アドレスの上位バイトが異なる記憶領域に設定値を設定するように構成し、遊技状態に応じて1バイト転送命令を実行する際の対象のエリアを変更するように構成してもよい。例えば、各種設定値格納エリア203eのうち、大当たり中の遊技状態を設定するための設定値は、アドレスの上位バイトが「F0H」の範囲に格納し、大当たり終了後の遊技状態を設定するための設定値は、アドレスの上位バイトが「F1H」の範囲に格納しておく。そして、大当たり中の遊技状態を設定する場合には、アドレス保持レジスタ202fに固定値「F0H」を上書きし、1バイト読込命令においてアドレスの上位バイトが「F0H」のエリアからデータの読み書きをすることができるように設定すればよい。一方、大当たり終了時に、大当たり終了後の遊技状態を設定する場合はアドレス保持レジスタ202fに固定値「F1H」を上書きし、1バイト読込命令においてアドレスの上位バイトが「F1H」のエリアからデータの読み書きをすることができるように設定すればよい。これにより、各種設定値格納エリア203eに格納するデータが増大してしまい、アドレスの上位バイトが同一となる領域に全てのデータが収まりきらないような場合であっても、1バイト読込命令を用いることができるので、プログラム容量を削減することができる。
図5に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、第3図柄表示装置81に表示させる変動パターン演出の態様を複数規定した変動パターンテーブル222aが格納されている。主制御装置110から出力される変動パターンコマンドを受信した場合は、対応する変動パターンの態様が、この変動パターンテーブル222aから選択される。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1808参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1802参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図32のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1805参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図32のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別を設定し、その設定された停止種別が、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。
表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)等を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図13から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および、始動入賞処理の詳細は、図14〜図19を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、図20および図21を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図14は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアにシフトしたデータに基づいて特別図柄の大当たりか否かの抽選を行う大当たり判定処理を実行する(S208)。なお、大当たり判定処理については、図15を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図16を参照して後述する大当たり時設定処理(S308)、または、図18を参照して後述するはずれ時設定処理(S309)によって予め行われる。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当り種別に応じた大当たりの開始を設定する(S212)。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、各種設定値格納エリア203eに格納された時短状態カウンタの値が1以上であるかを判定し(S213)、時短状態カウンタの値が1以上であれば(S213:Yes)、時短中状態カウンタの値を1減算して(S214)、本処理を終了する。一方、時短状態カウンタの値が0であれば(S213:No)、S214の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり判定処理(S208)について説明する。図15は、大当たり判定処理(S208)を示したフローチャートである。この大当たり判定処理(S208)は、タイマ割込処理(図13参照)の特別図柄変動処理(図14参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
大当たり判定処理では、まず、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)を選択し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして設定する(S301)。その後、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを読み出し(S302)、確変状態フラグが特別図柄の高確率状態を示す状態であるか否かを判別する(S303)。
S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S303:Yes)、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)を読み出し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に代えて新たに設定し(S304)、S305の処理に移行する。一方、S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S303:No)、S304の処理をスキップしてS305の処理に移行する。
S305の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出し(S305)、読み出した第1当たり乱数カウンタC1の値と、S
301、または、S304の処理で設定した特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブル(比較元のテーブル)とを比較する(S306)。
上述したように、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「7,107,282」の3個が設定されている。S306の処理では、これらのテーブルのうち、比較元のテーブルとして設定されているテーブルに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とを1つ1つ比較する。
この比較を行うことに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が、比較元のテーブルに規定されているいずれかの乱数値と一致するか否かを判別し(S307)、一致する乱数値があった場合(即ち、特別図柄の大当たりの場合)は、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための大当たり時設定処理を実行し(S308)、S310の処理へと移行する。一方、S307の処理において一致する乱数値がなかった場合(即ち、特別図柄の外れの場合)は、外れ時の変動パターンの態様等を設定するためのはずれ時設定処理を実行し(S309)、S310の処理へと移行する。なお、大当たり時設定処理(S308)、および、はずれ時設定処理(S309)の詳細については、図16〜図18を参照して後述する。
次いで、S310の処理では、カウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアし(S310)、本処理を終了する。S310の処理で各種カウンタ値をクリアするので、大当たりとなる場合であっても、大当たり状態が開始される前に、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)をクリアしておくことができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。なお、本実施形態では、大当たり判定処理(図15参照)の中でカウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアするように構成しているが、これに限られるものではなく、遊技者に大当たり状態となることを認識される前にクリアしておけばよい。よって、例えば、変動演出中や、図柄の停止前等にカウンタバッファをクリアする処理を実行してもよい。
本実施形態において、特別図柄の高確率状態であるか否かによらずに、S301の処理で低確率時用の第1当たり乱数テーブルを一旦設定するように構成しているのは、早期に比較用のテーブルを設定しておくためである。即ち、いずれの第1当たり乱数テーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1、または、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2)も設定されていない状態とした場合、ノイズ等の影響によって途中の処理であるS303やS304の処理がスキップされてしまう不具合が生じたとしても、大当たり判定処理の最初に設定しておいた低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に基づいて大当たりの当否を判別することができる。
次いで、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり時設定処理(S308)について説明する。この大当たり時設定処理は、上述の通り、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための処理である。
本処理では、まず、各種設定値格納エリア203eの大当たりフラグをオンに設定し(S401)、その後、第1当たり種別カウンタC2の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出して、今回当選した大当たりの大当たり種別を特定する(S402)。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1大当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)に基づいて特定する。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、カウンタ値が「70」〜「97」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は特別大当たりBと特定される。また、例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「140」であれば、カウンタ値が「130」〜「145」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は確変大当たりFと特定される。
次に、特定した大当たり種別に対応する設定値を、ROM202の遊技結果設定テーブル202eから読み出して、RAM203の各種設定値格納エリア203eの対応する記憶領域に読み出した設定値を設定し(S403)、S404の処理へと移行する。ここで、遊技結果設定テーブル202eから読み出して各種設定値格納エリア203eへ設定する設定値としては、LED37aの点灯パターン(表示図柄数)や、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄コード)や、変動パターンの態様を選択するためのテーブルを変動パターン選択テーブル202dの中から特定するための情報(テーブル選択情報)や、特定入賞口(大開放口)65aの制御パターン(大開放口パターン)等が挙げられる。
なお、上述の通り、ROM202から設定値データを読み出して、RAM203に設定する場合には、まず、レジスタ210の各汎用レジスタのいずれかに、転送元アドレスのデータと、設定先アドレスのデータとを一時的に格納する。そして、格納した転送元アドレスのデータに基づいてROM202から読み出した設定値データを、各汎用レジスタのうちアドレスデータが格納されていないいずれかの汎用レジスタに一時的に格納した上で、設定先アドレスのデータにより示されるRAM203のアドレスに設定値を転送(設定)する。S403の処理では、このレジスタ210を介した転送制御を、転送する設定値データの個数分だけ繰り返す。
S402の処理において、乱数値(カウンタ値)から大当たり種別を特定し、S403の処理において、特定した大当たり種別に基づいて各種の設定値を決定する構成としているが、乱数値(カウンタ値)の範囲と、各種の設定値とを直接対応付けて規定しておいてもよい。つまり、乱数値(カウンタ値)の範囲と、対応する各種の設定値とを規定したテーブルをROM202に設けておき、このテーブルを参照して、乱数値から直接設定値を特定する構成としてもよい。
S404の処理では、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出して、テーブル選択情報に基づいて特定されるテーブルと比較することにより、変動パターンの態様を選択する(S404)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S405)。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
変動パターンの設定後は、大当たりの終了時に大当たり終了後の遊技状態を設定するための情報であるオフセット情報を取得して設定するための処理である遊技結果設定取得処理を実行し(S406)、本処理を終了する。
続けて、この遊技結果設定取得処理(S406)について、図17を参照して説明を行う。遊技結果設定取得処理(S406)は、主制御装置110内のMPU201により実行される処理であり、特別図柄の抽選結果に基づくオフセット値を、RAM203に保持させておくための処理である。
遊技結果設定取得処理(S406)では、まず、遊技結果設定テーブル202eから、今回の大当たり種別に基づくオフセット1の値を読み出して、オフセット値として設定する(S501)。ここで言う「オフセット値として設定する」とは、ROM202の遊技結果設定テーブル202eから読み出したオフセット1、またはオフセット2の値を一時的にアキュームレータ210aに格納しておくことを指す。また、S501の処理において、オフセット1の値を汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納せずに、アキュームレータ210aに格納しているのは、後述するS506の処理やS507の処理において、格納したオフセット値に対して演算処理を行うためである。
同様に、遊技結果設定テーブル202eから、今回の大当たり種別に基づくオフセット2の値を読み出して、汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納しておく(S502)。その後、時短状態カウンタの値が0であるか否か(即ち、今回の大当たりが、各種時短大当たりに当選後に付与される普通図柄の時短状態中に当選したものであるか否か)を判別する(S503)。
S503の処理において、時短状態カウンタの値が0でないと判別した場合は(S503:No)、汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納しておいたオフセット2の値を、アキュームレータ210aに格納されているデータに対して上書きし(S504)、S505の処理へと移行する。一方、S503の処理において、時短状態カウンタの値が0であると判別した場合は(S503:Yes)、S504の処理をスキップしてS505の処理へと移行する。
本実施形態のパチンコ機10では、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短状態中に当選するか否かによって、大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する大当たり種別(特別大当たりA、特別大当たりB)が設けられている。具体的には、各種時短大当たり後に付与される普通図柄の時短状態中に特別大当たりA、または、特別大当たりBに当選すると、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する。一方、それ以外の状態で特別大当たりA、または、特別大当たりBに当選すると、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、普通図柄の時短状態へと移行する。このため、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に移行し得る2通りの遊技状態それぞれに対してオフセット1、または、オフセット2を対応付けて規定している。
S505の処理では、特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S505)、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S505:Yes)、アキュームレータ210aに格納されているオフセット値の上位4ビットと下位4ビットとを入れ替る演算処理を行い(S506)、S507の処理に移行する。一方、S505の処理において、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S505:No)、S506の処理をスキップしてS507の処理へと移行する。
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の高確率状態中に当選するか否かによって、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短回数が異なる大当たり種別(時短大当たりA)が設けられている。具体的には、特別図柄の高確率状態中に時短大当たりAに当選すると、大当たり終了後から特別図柄の抽選が30回行われるまでの間は普通図柄の時短状態に設定される。特別図柄の低確率状態中に時短大当たりAに当選すると、大当たり終了後から特別図柄の抽選が20回行われるまでの間のみ普通図柄の時短状態に設定される。このため、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に移行し得る2通りの遊技状態それぞれに対してオフセット値の上位4ビット、または、下位4ビットを対応付けて規定している。
S507の処理では、アキュームレータ210aに格納されているオフセット値の下位4ビットを抜き出して、RAM203に設けられた各種設定値格納エリア203eの中のオフセット値格納エリアに記憶し(S507)、本処理を終了する。ここで、「下位4ビットを抜き出す」とは、アキュームレータ210aに格納されているデータと「0FH」との論理積をとることを指す。アキュームレータ210aに格納されているデータの上位4ビットがいかなる値であっても、「0FH」(即ち、「00001111B」)との論理積をとることにより上位4ビットは「0H」(即ち、「0000B」)となるため、アキュームレータ210aに格納されていたデータのうち、下位4ビットのみが残るのである。
S507の処理で各種設定値格納エリア203eのオフセット値格納エリアに記憶されたオフセット値は、大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の状態を設定するための処理である大当たり終了処理(図26参照)において、状態設定テーブル202fから読み出すデータを決定するために用いられる。
本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)を、オフセット値に変換してオフセット値格納エリアに格納しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態としてアドレスF091H〜F094Hにそれぞれ設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、S501の処理でアキュームレータ210aにオフセット1の値を格納し、S502の処理でいずれかの汎用レジスタ210b1〜210d2にオフセット2の値を格納するように構成しているが、オフセット1の値と、オフセット2の値とを、いずれかのペアレジスタ(汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2、汎用レジスタ210c1と汎用レジスタ210c2、または、汎用レジスタ210d1と汎用レジスタ210d2)に一括して記憶させておいても良い。そして、S503の処理において時短状態カウンタが0であると判別された場合には(S503:Yes)、ペアレジスタに格納したオフセット1の値をアキュームレータ210aに格納するように構成すればよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、時短状態カウンタの値が0であると判別される前にオフセット2の値をいずれかの汎用レジスタに一時的に格納するように構成しているが、時短状態カウンタの値が0でないと判別された場合に(S503:No)、オフセット2の値を格納するように構成してもよい。これにより、時短状態カウンタが0であった場合には(S503:Yes)、S504の処理だけでなく、S502の処理に相当する処理も省略することができるので、処理負荷を軽減することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、S502の処理によって、いずれかの汎用レジスタに格納されたオフセット2の値を消去していないが、例えば、S505の処理に移行する前に汎用レジスタに格納されたオフセット2の値を消去するように構成してもよい。これにより、他の処理において誤ってオフセット2の値が格納された汎用レジスタを参照してしまい、パチンコ機10が誤動作を起こしてしまうことを抑制することができる。
次に、図18を参照して、大当たり判定処理(S208)において、今回の抽選結果が特別図柄の外れと判断された場合に実行されるはずれ時設定処理(S309)について説明する。
はずれ時設定処理では、まず、変動パターンの決定に用いるためのテーブルを特定する(S501)。具体的には、各種設定値格納エリア203eの時短状態フラグの状態と、変動選択状態カウンタのカウンタ値とを参照して、変動パターン選択テーブル202dに規定されている複数のテーブルからいずれかを特定する。上述の通り、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0でなければ、大当たり終了後専用のテーブルが選択される。一方、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0であれば、時短状態フラグの状態に対応したテーブルが選択される。
S501の処理の終了後は、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出し(S502)、読み出した変動種別カウンタCS1の値と、S501の処理で選択したテーブルとに基づいて、変動パターンの態様を選択する(S503)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S504)、本処理を終了する。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得し(S602)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了してタイマ割込処理に戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S603:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S604)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S605)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S605の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S606)。なお、S606の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S606の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S607)。ここで、特別図柄の大当たりか否かは、S606の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に格納されている、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個であり、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に格納されている、「7,107,282」の3個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを参照することにより判断される。具体的には、確変状態フラグがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変状態フラグがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S607の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変状態フラグの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S606の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、13種類ある特別図柄の大当たり(通常大当たり、時短大当たりA、時短大当たりB、特別大当たりA、特別大当たりB、確変大当たりA〜確変大当たりH)のうち、いずれの大当たり種別であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して特定する(図6(b)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S606の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、確変状態フラグがオンであれば、S606の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。一方、確変フラグ203eがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターン選択テーブル(図示せず)の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S607の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S608)、タイマ割込処理(図13参照)へ戻る。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図20は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判別する(S708)。具体的には、RAM203の各種設定値格納エリア203eに格納されている時短状態カウンタの値が1以上であるか、または、確変状態フラグがオンであれば普通図柄の時短状態であると判断する。
S708の処理において、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
S708の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S714)、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。S714の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S719)、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物開閉処理(S1105参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図21は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が第2入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。なお、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1114の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1107の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図13参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図13参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図14参照)や始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図19参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図25参照)で設定されたラウンド数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。ここで、特別図柄の大当たり状態とは、具体的には、大当たりとなる変動パターン演出の変動時間が経過したことを判別し、大当たりの開始が設定されてから、その設定された大当たりの終了を設定するまでの期間を指す。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1105)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1106)。第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図16参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS504の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図16参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS504の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、大当たり時設定処理(図16参照)のS404の処理、または、はずれ時設定処理(図17参照)のS503の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図20参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1108)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1108:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1109)、既に所定時間が経過していれば(S1109:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1109:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1110,S1111)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1110)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1111)。
ここで、S1101〜S1107の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1108の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1108:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1112以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1112)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1113)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1114)、RAM203のアクセスを禁止して(S1115)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1108の処理は、S1101〜S1107で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1110とS1111の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図25は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン割込処理(図24参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1201の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1201:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1202)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1202:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1203)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1204)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1201の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1201:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1205)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒、または、0.5秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1205:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1206)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1205:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判定する(S1207)。
S1207の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定された場合には(S1207:Yes)、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための大当たり終了処理を実行し(S1208)、大当たりの終了後の遊技状態を設定して、本処理を終了する。なお、詳細については後述するが、大当たり終了処理(図26参照)では、他の大当たり中の設定値とあわせて、大当たりフラグが初期化される(「00H」が設定される)。よって、停電等の発生により、遊技機の電源が突然落とされた場合でも、大当たりフラグのみオフとなり、その他の設定値は大当たり中の設定のままとなってしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した後に、大当たりの終了を遊技者に報知するためのエンディング演出が設定される。S1205の処理では、設定したエンディング演出の終了タイミング(エンディング演出を実行するために設定した演出時間を経過した)と判別された場合に、大当たりの終了タイミングであると判別する。
なお、大当たりの終了タイミングは、必ずしもエンディング演出の終了タイミングに限られるものではない。例えば、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合に、大当たりの終了タイミングであるとして大当たり終了処理(S1208)へと移行するように構成してもよい。
次に、図26から図28を参照して、主制御装置110のMPU201によって大当たり制御処理(図25参照)の中で実行される、大当たり終了処理(S1208)について説明する。上述の通り、この大当たり終了処理(S1208)は、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための処理である。
この大当たり終了処理(S1208)では、まず、ROM202から状態設定テーブル202fを読み出す(S1301)。ここで言う、「読み出し」とは、状態設定テーブル202fの先頭アドレス(1AD4H)の上位バイト(1AH)と下位バイト(D4H)とを、アドレスデータとしていずれかのペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に格納することを指す。
次いで、今回の大当たりが開始される前に実行された遊技結果設定値取得処理(図17参照)において、各種設定値格納エリア203e(図11参照)のオフセット値格納エリアに予め格納しておいたオフセット値をアキュームレータ210aに格納する。なお、各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスの上位バイト(F0H)は、アドレス保持レジスタ210fに固定値データとして格納されている値なので、1バイト読込命令を用いてオフセット値を読み出すことができる。即ち、オフセット値格納エリアのアドレスの下位バイト(95H)を読み出し元(転送元)、アキュームレータ210aを設定先として指定し、1バイト読込命令により、読み出し元(転送元)であるオフセット値格納エリアに格納されているオフセット値を読み出して、設定先であるアキュームレータ210aに転送する。
1バイト読込命令を用いることにより、制御プログラムにオフセット値格納エリアのアドレスの上位バイト(F0H)を記述せずに済むため、プログラム容量を削減できる。
次いで、アキュームレータ210aに格納したオフセット値に4を掛ける演算処理を行う(S1303)。この4という値は、大当たり終了後の設定値として状態設定テーブル202f(図8参照)に規定されているデータの種類の数である。即ち、特別図柄の抽選状態と、普通図柄の状態と、時短回数と、変動パターン選択モード切替回数の4種類の設定値が状態設定テーブル202f(図8参照)に規定されている。
図8の括弧書きに示した通り、状態設定テーブル202fには、アドレス値が小さい側から、オフセット値00Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、オフセット01Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、・・・、オフセット07Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、という順番にデータが格納されている。つまり、アドレス値が4つ増える毎に、1だけ大きいオフセット値に対応する設定値が格納されている構成となっている。よって、オフセット値に4を掛けた値が、状態設定テーブル202fの先頭アドレスと、今回のオフセット値に対応するデータの格納アドレスとの差分(オフセット)となる。S1303の処理では、この状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対するアドレスの差分(オフセット)を求めている。
S1303の処理が終了すると、S1301の処理でペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に設定したアドレス値に対して、S1302の処理で算出した状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対する差分(オフセット)を加算し、加算後のアドレスを、データの転送元(読み出し元)のアドレスとして設定する(S1304)。
次いで、各種設定値格納エリア203eの確変状態フラグが格納されているアドレスを設定先アドレスとして設定し(S1305)、その設定先アドレスに、S1304の処理で設定した転送元のアドレスに格納されたデータを転送する(S1306)。
その後、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別し(S1307)、転送し終わっていない(即ち、未転送のデータ種別が存在する)と判別した場合は(S1307:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1加算して、加算後のアドレスに規定されているデータを読み出し(S1308)、更に、設定先アドレスに1加算して、加算後のアドレスに、S1308の処理で読み出したデータを格納する(S1309)。そして、S1307の処理に戻り、再度状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別する(S1307)。つまり、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータが全て各種設定値格納エリア203eに転送されるまで、S1307〜S1309の処理が繰り返し行われるのである。
一方、S1307の処理において、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったと判別した場合は(S1307:Yes)、各種設定値格納エリア203eへ設定した状態を音声ランプ制御装置113へ通知する状態コマンドを設定し(S1310)、大当たりの設定値をクリアするための処理(S1311〜S1312)を実行し、本処理を終了する。
なお、大当たりの設定値をクリアする処理では、ROM202の大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の先頭アドレスをデータの転送元(読み出し元)アドレスとして設定し(S1311)、大当たり中の制御を行うために設定されていたデータをリセットするためのデータ設定処理を実行し(S1312)、各種設定値格納エリア203eにおける大当たり中の設定値が設定されているアドレスに0を設定して初期化するゼロ設定処理を実行する(S1313)。
次いで、図27を参照して、大当たり終了処理(図26参照)の中で行われるデータ設定処理(S1312)について説明する。このデータ設定処理(S1312)は、大当たり中の制御を行うために設定されていたデータをリセットするための処理である。
このデータ設定処理(S1312)では、まず、転送元(読み出し元)アドレスに規定されているアドレスデータを読み出して、そのアドレスデータで示されるアドレスを設定先アドレスとして設定する(S1401)。ここで、転送元(読み出し元)アドレスは、大当たり終了処理(図26参照)のS1311の処理で、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の先頭アドレスに設定されている。また、図9(a)に示す通り、大当たり終了時設定テーブル202gの先頭アドレスには、各種設定値格納エリア203eの中の遊技状態設定エリアを示すアドレスデータが格納されているので、その遊技状態設定エリアを示すアドレスが設定先アドレスとして設定される。
次いで、S1401の処理で大当たり終了時設定テーブル202gから読み出したデータが「00H」であるか否かを判別し(S1402)、判別の結果が「00H」であれば(S1402:Yes)、本処理を終了してゼロ設定処理(図28参照)へと移行する。一方、S1401の処理で大当たり終了時設定テーブル202gから読み出したデータが「00H」以外のデータであると判別した場合は(S1402:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して、加算後のアドレスを新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1403)。
次に、転送元アドレスに格納されている設定値のデータを読み出して、設定先アドレスに格納する(S1404)。この設定先アドレスは、S1401の処理で設定した各種設定値格納エリア202eのアドレスである。データの格納が完了したら、再び転送元アドレスに1を加算し、新たな転送元アドレスに設定し(S1405)、S1401の処理に戻る。そして、S1402の処理において、アドレスデータとして00Hが読み出されるまで、S1401〜S1405の処理が繰り返され、アドレスデータとして00Hが読み出された場合は(S1402:Yes)、大当たり終了時設定テーブル202gに基づくリセット処理が完了したことを示すので、処理を終了する。
続いて、図28を参照して、データ設定処理(S1312)の終了後に主制御装置110のMPU201によって実行されるゼロ設定処理(図28参照)について説明する。このゼロ設定処理(図28参照)は、各種設定値格納エリア203eに大当たり中の制御を行うために設定された各種設定値に対して0を上書きすることによって初期化する処理である。
ゼロ設定処理(図28参照)では、まず、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1501)。なお、ゼロ設定処理(図28参照)を実行する前に転送元(読み出し元)アドレスとして設定されているアドレスは、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾のアドレスであり、本処理で用いる大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)は、ROM202において、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾のアドレスの次のアドレス以降に規定されている。このため、ゼロ設定処理(図28参照)では、処理の最初に設定先アドレスに1を加算して、設定先アドレスを大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)の末尾から、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の先頭に移行させている。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)において参照される大当たり終了時設定テーブル202gの末尾のアドレスに続けて、本処理(ゼロ設定処理)で用いられる大当たり終了時クリアテーブル202hを規定している。このため、データ設定処理(図27参照)に続けて本処理(ゼロ設定処理)を実行する構成とすることで、本処理では、処理開始時に改めてROM202の中から転送元アドレスを判断して設定し直す必要がなく、単に直前の転送元アドレスに1を加えるだけで、転送元アドレスを特定できる。よって、処理負荷を軽減することができる。
なお、例えば、大当たり終了時に、各種設定値格納エリア203eの各アドレスに設定するデータが全て「00H」である場合には、データ設定処理(図27参照)を省略し、ゼロ設定処理(図28参照)のみを実行するように構成してもよい。この場合、ゼロ設定処理の開始時に、データの転送元アドレスを判別し、その転送元アドレスの1つ前のアドレスを転送元アドレスに設定した上で、S1501の処理に移行させる必要がある。本実施形態のパチンコ機10のゼロ設定処理(図28参照)では、S1501の処理において、転送元アドレスに1を加算して新たな転送元アドレスとして設定する処理が実行されるため、処理開始時に設定されているアドレスから1だけずれたアドレスが転送元アドレスとして設定されることになるためである。
次いで、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)のうち、転送元(読み出し元)アドレスに設定されているアドレスに格納されているアドレスデータを読み出して、読み出したアドレスデータにより示されるRAM203のアドレスを、設定先アドレスとして設定する(S1502)。
S1502の処理の後は、S1502の処理において、転送元(読み出し元)アドレスから読み出したデータが「00H」であるか否かを判別し(S1503)、読み出したデータが「00H」であると判別した場合は(S1503:Yes)、本処理を終了する。一方、読み出したデータが「00H」でないと判別した場合は(S1503:No)、設定先アドレスとして設定したRAM203のアドレスに「00H」を上書きし(S1504)、S1501の処理に戻る。
その後、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)から「00H」が読み出されるまで、S1501〜S1504の処理が繰り返される。なお、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)は、末尾のアドレスのみに「00H」が格納されており、末尾以外のアドレスには「00H」が格納されていないので、末尾以外に規定されているアドレスデータに対応する全てのアドレスに「00H」を格納するまではS1501〜S1504の処理が繰り返される。
本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、RAM203の各種設定値格納エリア203eへデータとして「00H」を設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)から「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
なお、ゼロ設定処理(図28参照)の終了条件を、「00H」がデータとして読み出された場合としたのは、各種設定値格納エリア203e(図11参照)の中で、アドレスの下位バイトが「00H」であるアドレス(即ち、アドレス「F000H」)は、球の発射に関する設定値を格納する領域であり、大当りの終了前後で設定値が変更されないアドレス(大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレス)だからである。大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレスなので、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の、初期化対象のアドレスとして規定しておく必要がなく、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)の末尾以外に出現する虞がない。よって、全ての設定値の初期化が完了する前に、データとして「00H」が読み出されてしまい、処理が終了してしまうことを抑制することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図29から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1716の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1602)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1713参照)、S1716の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1716の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1602:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1603)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1606の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1603:Yes)、S1604の処理へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1603:No)、S1608の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1603:Yes)、S1604へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1603:No)、S1608へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1602:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1716の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1604の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1604)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1606)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1605:No)、RAM223の異常を報知して(S1607)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1608の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1608)。電源断フラグはS1716の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1715参照)。つまり、電源断フラグは、S1716の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1716の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1608:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1609)、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1608:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1609をスキップして、処理をS1610へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。
なお、S1609のクリア処理をスキップするのは、S1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至った場合、S1604の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1701の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1701)、1m秒以上経過していなければ(S1701:No)、S1702〜S1710の処理を行わずにS1711の処理へ移行する。S1701の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1702〜S1710が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1711のコマンド判定処理や、S1712の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1711の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1712の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1701の処理で1m秒以上経過していれば(S1701:Yes)、まず、S1703〜S1712の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1702)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1708の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1703)、その後電源投入報知処理を実行する(S1704)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1705の処理へ移行する。
S1705の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1706)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1707)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1707の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1708)、その後音編集・出力処理を実行する(S1709)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1709の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1710)、S1711の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1708のランプ編集処理が実行される。なお、S1709の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1711の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1711)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1711)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図32を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1712)が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1713)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1713の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1713:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1715)、電源断処理を実行する(S1716)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1717)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1713の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1713:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1714)、RAM223が破壊されていなければ(S1714:No)、S1701の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1714:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1711)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1711)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1711)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1801:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1802)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1803)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1804)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1804:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1805)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1806)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1804:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1807)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1807:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1808)。また、S1808の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1808の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1808の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1808の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1807の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1807:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1809)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1809:Yes)、受信した入賞情報コマンドから、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として抽出する(S1809)。S1809の処理が終了したら、次に、S1809の処理で抽出した入賞情報(当否、停止種別、変動パターン)を、入賞情報格納エリア223aの空きエリア(第1エリア〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1810)、
メイン処理に戻る。
S1809の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1809:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1812)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1812:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1813)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1814)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1812の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1812:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1819)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1712)について説明する。図32は、この変動表示設定処理(S1712)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1712)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1803の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1905)。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1906の処理へ移行する。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1806の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1909)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1910)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、主制御装置110において「特別図柄の大当たり」と判定されると、その「特別図柄の大当たり」に対応する変動演出、および、変動演出終了後の大当たり状態(特別遊技状態)の設定値をRAM203の各種設定値格納エリア203eにセットすると共に、大当たり終了後の状態を状態設定テーブル202fから選択するためのオフセット値をRAM203に記憶しておくように構成されている。また、大当たりの終了タイミングになると、予めRAM203に記憶しておいたオフセット値に基づいて、大当たり終了後の状態に対応した設定値を状態設定テーブル202fから読み出して、各種設定値格納エリア203eへセットするように構成されている。
大当たり後の遊技状態は、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値に基づいて決定されるものであるが、本実施形態のパチンコ機10では、取得された乱数値を大当たりの終了タイミングまで保持しておいて、大当たり後の遊技状態を特定するために用いるのではなく、取得した乱数値をオフセット値という形に変換して保持しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成している。
よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態として各種設定値格納エリア203eに設定すべき各種設定値(特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択テーブル切替回数)を、大当たり遊技の開始前に予め特定して保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としているので、RAM203にはオフセット値格納エリア1バイト分の記憶領域のみを設けておくだけで足りる。よって、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了タイミングにおいて大当たり用の設定値を初期化する処理であるゼロ設定処理(図28参照)が実行される。このゼロ設定処理(図28参照)では、ROM202の大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されている複数のアドレスに、順番に「00H」がデータとして設定される。つまり、大当たり終了時クリアテーブル202hには、設定を初期化する設定先アドレスのみが規定されており、「00H」を書き込むという制御については制御プログラム側に記述されている。
大当たり終了時クリアテーブル202hに各種設定値格納エリア203eの設定先アドレスと、その設定先アドレスに設定するための設定データ(即ち、00H)とを規定するように構成した場合、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本実施形態のパチンコ機10のように、大当たり終了時クリアテーブル202hに設定先アドレスのみを規定しておけば、大当たり終了時クリアテーブル202hのデータ量を減らすことができるので、ROM202の容量を削減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理(図28参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時クリアテーブル202hから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定テーブル202gや大当たり終了時クリアテーブル202hの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)やゼロ設定処理(図28参照)において、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)や、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にそれぞれの処理を終了するように構成しているが、各処理の終了条件はこれに限られるものではない。例えば、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)や、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合に各処理を終了してもよい。
また、データ設定処理(図27参照)とゼロ設定処理(図28参照)の終了条件を異ならせてもよい。例えば、大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にデータ設定処理(図27参照)を終了し、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合にゼロ設定処理(図28参照)を終了するように構成してもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了処理(図26)の中にのみ、「00H」が読み出されるまで、ROM202に規定されている制御を継続する処理を設けているが、これに限られるものではない。例えば、変動開始時の設定を行う場合や、変動終了時の設定を行う場合にも、同様の処理を行ってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり時設定処理(図16参照)の中で、変動パターンの設定に加えて、大当たり中の設定や、オフセット値等を遊技結果設定テーブル202eから読み出して各種設定値格納エリア203eに転送する処理を行っているが、これに限られるものではない。例えば、大当たり時設定処理(図16参照)では、変動パターンの設定のみを行い、大当たりの開始時に大当たり中の設定を示す設定値やオフセット値を設定するように構成してもよい。
<第2実施形態>
次に、図27,図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たりの設定をリセットするための処理として、データ設定処理(図27参照)と、ゼロ設定処理(図28参照)の2つの処理を設け、それぞれの処理において、各種設定値格納エリア203eの所定のアドレスの設定値をリセットしている。
より具体的には、大当たり終了処理(図26参照)の中で行われるデータ設定処理(図27参照)により、ROM202に規定されている大当たり終了時設定テーブル202g(図9(a)参照)に基づいて、遊技状態の設定をリセットし、更に、データ設定処理(図27参照)に続けて実行されるゼロ設定処理(図28参照)により、ROM202に規定されている大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に基づいて、RAM203のうち、大当たり中の設定がセットされているアドレスの設定値をクリアしている。
これに対して第2実施形態では、大当たり終了時設定テーブル202gに規定されていた情報と、大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されていた情報とを包含する大当たり終了時設定・クリアテーブル202iを設け、その大当たり終了時設定・クリアテーブル202iに規定された情報に基づいて、データ設定処理(図27参照)によって大当たり中の設定をリセットする。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1実施形態のパチンコ機10のROM202において設けられていた大当たり終了時設定テーブル202g、および、大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図33を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成について説明する。図33(a)は、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のROM202は、第1実施形態と同様に、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dと、遊技結果設定テーブル202eと、状態設定テーブル202fとが設けられている。また、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202には、これらに加え、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている。即ち、本実施形態のROM202は、第1実施形態において設けられていた大当たり終了時設定テーブル202g、および、大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
大当たり終了時設定・クリアテーブル202iは、大当たりの終了タイミングにおいて、各種設定値格納エリア203eの大当たり中の設定がセットされているアドレスの設定値をリセットするために参照されるテーブルであり、ROM202のアドレス「1202H」〜「121EH」の範囲に規定されている。この大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの詳細について、図33(b)を参照して説明する。
図33(b)は、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iに規定されているデータの内容を模式的に示した模式図である。図33(b)に示した通り、この大当たり終了時設定・クリアテーブル202iには、各種設定値格納エリア203eのうち、設定値をリセットする必要があるアドレス(設定先)を示すアドレスデータと、そのアドレス(設定先)にセットすべき設定内容とが交互に規定されている。リセットする必要があるアドレスとして、例えば、最大ラウンド数の設定が格納されているアドレス(F030H)や、入賞回数カウンタのアドレス(F031H)などが規定されている。
上述の通り、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iには、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり終了時設定テーブル202gに規定されていたデータと、大当たり終了時クリアテーブル202hに規定されていたデータとの双方が規定されている。ここで、大当たり終了時クリアテーブル202hには、設定先のアドレスを示す情報のみが規定されており、設定先のアドレスに格納するデータである「00H」はテーブルに規定せず、制御プログラム側に「00H」を設定する制御処理を記述する構成としていた。これに対して、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iでは、全ての設定先アドレスに設定する設定値を、テーブルに規定する構成としている。即ち、全てのデータを、第1実施形態のパチンコ機10における大当たり終了時設定テーブル202gと同一のデータ構成としている。
第1実施形態のパチンコ機10では、データ構成の異なる2種類のテーブル(設定先のアドレスデータと、その設定先にセットするデータの双方が規定されている大当たり終了時設定テーブル202g、および、設定先のアドレスデータのみが規定されている大当たり終了時クリアテーブル202h)を参照して各種設定値格納エリア203eの設定変更を行っていたために、それぞれ、データ設定処理(図27参照)と、ゼロ設定処理(図28参照)という2種類の制御処理を設け、別個に処理を行う必要があった。一方、第2実施形態では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの1種類のテーブルのみを設け、更に、データの配置を大当たり終了時設定テーブル202gと同一の構成としている。よって、制御処理として、データ設定処理(図27参照)の1種類のみを用意しておけば、大当たり終了時に大当たりに関する全ての設定をリセットすることができる。
<第2実施形態における制御処理について>
以下、第2実施形態において、データ設定処理(図27参照)のみを設けておけば、大当たりに関する全ての設定をリセットできることについて、図27を再度参照して説明する。上述の通り、図27は、大当たりに関する設定値をリセットするための処理であるデータ設定処理を示すフローチャートである。
データ設定処理(図27参照)では、まず、転送元アドレスに規定されているアドレスデータを読み出して、読み出したアドレスデータにより示されるアドレスを設定先アドレスとして設定する(S1401)。ここで、第1実施形態では、データ設定処理が開始される前に、転送元(読み出し元)アドレスを、大当たり終了時設定テーブル202gの先頭アドレスに設定していたが(図26のS1311)、第2実施形態では、これに代えて、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレス(1202H)を転送元(読み出し元)アドレスに設定しておく。よって、データ設定処理(図27参照)の開始後に行われるS1401の処理では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレスに規定されている遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)が設定先アドレスに設定される。
次いで、設定先アドレスとして読み出されたデータが「00H」であるか否かを判別し(S1402)、「00H」であると判別した場合は(S1402:Yes)、本処理を終了する。一方、読み出されたデータが「00H」でないと判別した場合は(S1402:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1403)。
データ設定処理(図27参照)の開始後最初に行われるS1402の処理では、遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)が設定先アドレスとして読み出されるので、読み出されたデータが「00H」ではないと判別され(S1402:No)、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の先頭アドレス(1202H)に1を加えたアドレス(1203H)が転送元アドレスとして設定される(S1403)。
その後、転送元アドレスに格納された設定値データを設定先アドレスに設定し(S1404)、転送元アドレスに1を加算して新たな転送元アドレスに設定し(S1405)、S1401の処理に戻る。なお、データ設定処理(図27参照)の開始後最初に行われるS1404の処理では、アドレス「1203H」が転送元アドレスとして設定されているので、その転送元アドレスに格納されているリセットデータを読み出して、遊技状態設定エリアのアドレス(F035H)に設定し(S1404)、転送元アドレスである「1203H」に1を加えて転送元アドレスを「1204H」に設定してから(S1405)S1401の処理に戻る。
以降、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定先アドレスに、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定内容を書き込んでいく処理が繰り返される。なお、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)に規定されている設定先アドレスは、テスト信号の設定アドレスである「F01DH」、「F01EH」や、最大ラウンド数を設定するためのアドレスである「F030H」など、「00H」以外のアドレスが規定されているため、全ての設定先をリセットする前にS1402の処理により「00H」が読み出されたと判別されてしまい、データ設定処理(図27参照)が打ち切られてしまうことを抑制することができる。そして、全てのデータを設定し終わると、転送先(読み出し元)アドレスが、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)の末尾に規定されている「00H」に設定され、S1402の処理によってデータ設定処理(図27参照)が終了される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)を終了させる条件として、各種設定値格納エリア203eへデータを設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iから「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時設定・クリアテーブル202iの1種類のテーブルのみを設け、その単一のテーブルを参照して大当たりの設定をリセットする構成としている。よって、制御処理として、データ設定処理(図27参照)の1種類のみを用意しておけば、大当たり終了時に大当たりに関する全ての設定をリセットすることができるので、に第1実施形態のパチンコ機10に比べてプログラム容量の削減を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、データ設定処理(図27参照)において、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合にそれぞれの処理を終了するように構成しているが、データ設定処理(図27参照)の終了条件はこれに限られるものではない。例えば、大当たり終了時設定・クリアテーブル202i(図33(b)参照)からデータとして「FFH」が読み出された場合に処理を終了してもよい。
<第3実施形態>
次に、図34〜図36を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たりの制御を行うための設定値を初期化するためのゼロ設定処理(図28参照)において、大当たり終了時クリアテーブル(図9(b)参照)に規定されている設定先アドレスの全てに「00H」を設定する構成としていた。このため、「00H」以外を初期値とする設定値が存在する場合は、大当たり終了時クリアテーブル(図9(b)参照)に規定しておくことができず、別の処理を設けて初期値を別個に設定する必要があった。
これに対して第3実施形態では、大当たり終了時に、初期値が異なる複数の設定値を1つの処理で初期化することができるように構成している。具体的には、第1実施形態のパチンコ機10で、大当たり終了時クリアテーブル202h(図9(b)参照)に基づいて初期化を行っていた設定値のうち、テスト信号に関する設定値の初期値が「FFH」となるように構成している。一方で、最大ラウンド数の設定値や、入賞回数カウンタ等の初期値については、第1実施形態のパチンコ機10と同様に「00H」となるように構成している。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1実施形態のパチンコ機10のROM202において設けられていた大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている点である。また、主制御装置110のMPU201によって実行される大当たり終了処理(図26参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図34を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成について説明する。図34(a)は、第2実施形態におけるパチンコ機10のROM202の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のROM202は、第1実施形態と同様に、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dと、遊技結果設定テーブル202eと、状態設定テーブル202fと、大当たり終了時設定テーブル202gとが設けられている。また、第3実施形態におけるパチンコ機10のROM202には、これらに加え、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている。即ち、本実施形態のROM202は、第1実施形態において設けられていた大当たり終了時クリアテーブル202hに代えて、大当たり終了時初期値設定テーブル202jが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図34(b)を参照して、大当たり終了時初期値設定テーブル202jについて説明する。大当たり終了時初期値設定テーブル202jは、ROM202のアドレス「1205H」〜「1212H」の範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスには各種設定値格納エリア203e(図11参照)のアドレスがそれぞれ規定されている。なお、大当たり終了時初期値設定テーブル202jのうち、ROM202のアドレス「1207H」、および「1213H」には、データとして「00H」が格納されている。この「00H」データは、アドレスを指定するためのデータではなく、初期値を設定するための繰り返し処理を終了するために用いられるデータである。
詳細については後述するが、大当たり終了処理の中の1処理であるゼロ設定処理2(図36参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時初期値設定テーブル202jからROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、読み出された格納データ(アドレスデータ)の示すアドレスに設定値として「00H」、または、「FFH」のいずれか(初期値データ)を設定する。
初期値として「00H」を設定するか、「FFH」を設定するかについては、データの並び順によって定められている。具体的には、「00H」がデータとして規定されているアドレス「1207H」よりも前のアドレスに格納されているデータが示す各種設定値格納エリア203eのアドレスには、初期値として「FFH」を設定する。一方、「00H」がデータとして規定されているアドレス「1207H」よりも後のアドレスに格納されているデータが示す各種設定値格納エリア203eのアドレスには、初期値として「00H」を設定する。
<第3実施形態における制御処理について>
次いで、図35、および、図36を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図35は、第3実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(図35参照)は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、大当たり終了後の状態を定めるための設定値を各種設定値格納エリア203eに設定すると共に、大当たりに関する制御を行うために設定されていた設定値をリセットするために実行される処理である。
この大当たり終了処理(図35参照)のうち、S1301〜S1312の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図26参照)のS1301〜S1312の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における大当たり終了処理(図35参照)では、S1312の処理が完了すると、第1実施形態における大当たり終了処理(図26参照)のゼロ設定処理(S1313)に代えて、ゼロ設定処理2(S1321)を実行する。このゼロ設定処理2(S1321)は、大当たりに関する制御を行うために各種設定値格納エリア203eに設定されていた設定値を初期値にリセットするための処理である。
ここで、図36を参照して、ゼロ設定処理2(S1321)の詳細について説明する。このゼロ設定処理2(S1321)のうち、S1501〜S1503の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)のS1501〜S1503の各処理と同一の処理が実行されるので、その説明を省略する。
そして、S1502の処理で転送元(読み出し元)アドレスから読み出したアドレスデータが「00H」でないと判別された場合は(S1503:No)、S1502の処理で設定先アドレスとして指定した各種設定値格納エリア203eのアドレスに、初期値として「FFH」を設定し(S1511)、S1501の処理に戻る。一方、S1502の処理で読み出したアドレスデータが「00H」であると判別された場合は(S1503:Yes)、S1512の処理へと移行する。つまり、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されるまで、S1501〜S1503、および、S1511の処理が繰り返される。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、テスト信号の設定値の初期値は「FFH」である。一方で、テスト信号の設定値以外の設定値(最大ラウンド数の設定値や入賞回数カウンタの値等)の初期値は「00H」である。これらの異なる初期値をまとめて設定するために、テスト信号の設定用のアドレスを大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)の先頭アドレスから順に規定している。そして、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されるまで、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)から読み出されたデータ設定位置(アドレス)に初期値として「FFH」を設定する処理をループさせ、「00H」が読み出されたらループを終了してS1512の処理へと移行するように構成している。
次いで、S1512の処理では、転送元(読み出し元)として設定されている大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)のアドレスに1を加算し(S1512)、その加算後のアドレスに格納されているRAM203のアドレスデータを読み出し、初期値を設定するための設定先アドレスとして設定する(S1513)。
そして、S1513の処理で読み出されたアドレスデータが「00H」であるか否かを判別し(S1514)、読み出したデータが「00H」であると判別されれば、本処理を終了する。一方、読み出したデータが「00H」でないと判別された場合は(S1514:No)、設定先として設定したアドレスに「00H」をセットして(S1515)、再度S1512の処理に戻る。つまり、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出されない限り、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)に規定されているアドレスに順番に初期値として「00H」を設定していく。そして、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合は、全ての設定先に初期値を設定し終わったことを意味するので、処理を終了する。
以上、説明した通り、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時に初期化する設定項目として、初期値が「00H」である設定値の他に、初期値が「FFH」である設定値についても一つの処理で初期化を行うことができるように構成している。よって、各設定値の初期値の設定の自由度を高めることができる。
本実施形態では、初期値が「00H」の設定値と、初期値が「FFH」の設定値とを設けているが、各設定項目の初期値はこれらの値に限られるものではなく、例えば、「0FH」を初期値とする設定値や、「01H」を初期値とする設定値を設けてもよい。
本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理2(図36参照)において、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)からデータとして「00H」が読み出された場合に、大当たり終了時初期値設定テーブル202j(図34(b)参照)に規定されている各設定先アドレスに順番に初期値として「FFH」を設定するループ処理を抜けるように構成しているが、ループ処理から抜け出す条件はこれに限られるものではない。ループ処理を抜け出す条件として使用可能なデータは、遊技状態が変更される場合に設定が変更される虞がないアドレスの下位バイトに対応するデータであればよい。例えば、各種設定値格納エリア203eのうち、アドレス「F09CH」〜「F0FFH」は、上述の通り未使用の作業領域である。よって、遊技状態の変更等によって設定値が書き換えられることがないので、これらのうちいずれかのアドレスの下位バイト(例えば、「AAH」や「BBH」)を終了条件として使用してもよい。
また、同様に、第1実施形態、および、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)や、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)を終了する条件も、データとして「00H」が読み出された場合に限られるものではなく、例えば「AAH」や、「BBH」が読み出された場合に処理を終了するように構成してもよい。
また、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)において設定する初期値は2種類に限られるものでもなく、任意数の初期値を設けておいてもよい。
また、第1実施形態、および、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)や、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)は、いずれも大当たりを終了する際に、大当たりの設定を初期化するために実行されているが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の時短回数が0となり、普通図柄の通常状態へと移行する場合に、普通図柄の時短状態の設定を消去するために、これらの処理のいずれかを用いる構成としてもよい。
また、第1実施形態におけるゼロ設定処理(図28参照)や、第2実施形態におけるデータ設定処理(図27参照)、および、ゼロ設定処理(図28参照)、第3実施形態におけるゼロ設定処理2(図36参照)では、いずれも1のデータの読み出しと、1のデータの設定とを交互に行う構成としている。これに対して、複数のデータをまとめて読み出して、そのまとめて読み出したデータを一括して設定するように構成しても良い。
例えば、第1実施形態のゼロ設定処理(図28参照)において、転送元アドレスに格納されているアドレスデータを読み出して設定先アドレスに設定し(図28のS1502参照)、その読み出したアドレスデータが「00H」以外のデータだった場合は(S1503:No)、S1504の処理に移行させずに、S1501の処理に戻るように構成してもよい。
具体的には、S1501の処理によって転送元アドレスが新たに設定される度に、その転送元アドレスに格納されているアドレスデータを、互いに異なる汎用レジスタ(汎用レジスタ210b1〜汎用レジスタ210d2)に格納することで、設定先アドレスに設定する。例えば、最初にS1501の処理によって転送元アドレスに設定されたアドレスに格納されているデータを汎用レジスタ210b1に格納し、次に行われるS1501の処理によって新たに転送元アドレスに設定されたアドレスに格納されているデータを、例えば、汎用レジスタ210b2に格納すればよい。そして、以降は、転送元アドレスがS1501の処理によって更新される毎に、順次、汎用レジスタ210c1や汎用レジスタ210c2等に格納していけばよい。
また、S1503の処理において、読み出したアドレスデータが「00H」であると判別された場合は、設定先アドレスとして設定された全てのアドレスに、データとして「00H」を上書きしてから処理を終了するように構成すればよい。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、データを一時的に格納するための汎用レジスタとして、汎用レジスタ210b1,210b2,210c1,210c2,210d1,210d2の6種類が設けられているため、設定先アドレスを最大で6種類しか設定することができないが、汎用レジスタの数を増やして、設定先アドレスをより多く設定できるように構成してもよい。
第1〜第3実施形態のパチンコ機10において、大当たりに当選した際の、変動パターンの設定や大当たり中の設定、および、大当たりを終了する際の設定は、主制御装置110のMPU201によって行われていたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221によって行われるように構成しても良い。
また、第1〜第3実施形態のパチンコ機10では、遊技結果設定テーブル202eや状態設定テーブル202f等を主制御装置110のROM202に設けているが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のROM222に設けるように構成してもよい。
更に、第1〜第3実施形態のパチンコ機10では、各種設定値格納エリア203eを主制御装置110のRAM203に設けているが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けるように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(00Hを読み出した場合に処理を終了する)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を実行する制御手段と、その制御手段によって、読み出される制御データが記憶された記憶手段と、前記制御手段によって読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かを判別する制御データ判別手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う処理である読出制御処理を実行する場合には、読み出した制御データが前記特定データであると前記制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、前記読出制御処理を終了して、前記制御手順に従って実行される次の処理に移行させるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定の制御手順に従って、制御手段により遊技の制御が実行され、制御手順に基づいて制御手段により読み出される制御データが記憶手段に記憶され、その読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かが制御データ判別手段により判別される。制御手段によって、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う読出制御処理が実行される場合には、読み出した制御データが予め定められた特定データであると制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、読出制御処理が終了され、制御手順に従って実行される次の処理に移行される。
これにより、読出制御処理において、特定データが読み出されれば次の処理に移行するので、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを何回繰り返すのかを規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスにより、読出制御処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記制御データには、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが交互に規定されているものであり、前記読出制御処理は、前記制御データに規定されている順番にデータを読み出して、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データを設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが、制御データに交互に規定されている。その制御データに規定されている順番に、読出制御処理によってデータが読み出され、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データが設定される。
これにより、データの読み出しの際に、制御データに規定されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無いので、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A2において、遊技状態を変更するか否かを判別する状態変更判別手段を備え、前記制御データは、遊技状態に関する各種の設定値が前記設定用データとして規定されているものであり、前記状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、前記読出制御処理を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態を変更するか否かが状態変更判別手段によって判別される。遊技状態に関する各種の設定値が設定用データとして制御データに規定されている。状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、制御手段によって読出制御処理が実行される。
これにより、遊技状態が変更される場合に、設定されるべき設定値が設定されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A3において、前記特定データは、前記制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1〜A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータなので、制御データから特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
よって、特定データが読み出されるまで読出制御処理が繰り返されるので、読出制御処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出制御処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A4において、前記特定データは、前記制御データの末尾に規定されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1〜A4の奏する効果に加え、特定データが、制御データの末尾に規定されているので、制御データに規定されている他の全てのデータに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
<特徴B群>(00Hが読み出されるまでテーブルに格納されているアドレスに順番に0を設定)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データを複数記憶した記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段から前記設定先データを順に読み出す読み出し処理と、その読み出し処理により読み出された設定先データが示す設定先に、所定の設定値をそれぞれ設定する設定処理とを繰り返し行うものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定の制御手順に従って、遊技の制御が行われる制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データが、記憶手段によって記憶される。その記憶手段から制御手順に従って設定先データを順に読み出す読み出し処理と、その読み出し処理によって読み出された設定先データが示す設定先に、所定の設定値をそれぞれ設定する設定処理とが、制御手段によって繰り返し行われる。
これにより、読み出し処理によって読み出される設定先データに設定するための設定値を遊技機に記憶しておかなくても、設定処理によって所定の設定値を設定できる。よって、所定の設定値に記憶するデータ量を削減することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記制御手段は、前記読み出し処理によって1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された1の設定先データに基づいて前記設定処理を行うものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、読み出し処理によって1の設定先データが読み出される毎に、その読み出された1の設定先データに基づいて制御手段により設定処理が行われるので、読み出し処理によって読み出され、設定処理によって設定されるデータ量が最小限で済むという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記設定先データは、前記制御手段によって読み出される順番に規定されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定先データが、制御手段によって読み出される順番に規定されているので、読み出し処理の度に、記憶手段に記憶されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無い。よって、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B1〜B3において、前記制御手段は、前記読み出し処理により読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かを判断する判断手段と、その判断手段によって、読み出された設定先データが予め定められた特定データであると判断された場合に、読み出された設定先データが示す設定先に所定の設定値を設定する処理を回避する回避手段とを備えることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1〜B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、読み出し処理により読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かが判断手段により判断される。その判断手段によって、読み出された設定先データが予め定められた特定データであると判断された場合に、読み出された設定先データが示す設定先に所定の設定値を設定する処理が回避手段によって回避される。
これにより、読み出し処理と設定処理とを繰り返す回数を制御プログラムに規定しておかなくても、特定データが読み出されるまで読み出し処理と設定処理とを繰り替えし行わせることができる。よって、繰り返し回数の規定ミスによって、読出制御処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出制御処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されないことで遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B4において、前記特定データは、前記記憶手段に記憶されている他の前記設定先データのいずれとも異なるデータであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、記憶手段に記憶されている他の設定先データのいずれとも異なるデータなので、記憶手段から特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
これにより、特定データが読み出されるまで読み出し処理と設定処理とが繰り返されるので、制御手段によって行われるべき全ての制御が実行される前に処理が終了されてしまうことを抑制できる。これにより、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B4又はB5において、前記特定データは、前記設定先データの末尾に規定されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、特定データが設定先データの末尾に規定されているので、記憶手段に記憶されている他の全ての設定先データに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記所定の設定値には、第1設定値と、その第1設定値とは異なる第2設定値とが設けられており、前記制御手段は、前記判断手段により前記制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断されるまでは、前記設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に前記第1設定値を設定する処理とを繰り返すものであり、前記判断手段により前記制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断された後は、前記設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に前記第2設定値を設定する処理とを繰り返すものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定値と、その第1設定値とは異なる第2設定値とが所定の設定値として設けられている。判断手段により制御手段に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断されるまでは、設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に第1設定値を設定する処理とが制御手段によって繰り返される。制御手順に従って読み出した設定先データが予め定められた特定データであると最初に判断された後は、設定先データの読み出しと、その読み出した設定先データが示す設定先に第2設定値を設定する処理とが制御手段によって繰り返される。
これにより、第1設定値と第2設定値とを設定先に対応付けて記憶しておく必要が無いので、記憶手段に記憶しておくデータの容量を削減することができるという効果がある。
<特徴C群>(大当たり乱数からオフセット値を算出し、大当たり中はオフセット値を保持する)
遊技に関する情報を記憶した記憶手段と、遊技に関する制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、遊技状態を決定する遊技状態決定手段と、その遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に、所定条件の成立に基づいて設定する遊技状態設定手段とを備え、前記記憶手段は、前記遊技状態設定手段によって遊技状態を設定するための設定データと、その設定データを選択するために必要なデータである識別データとを記憶しているものであり、前記遊技状態決定手段により決定された遊技状態に対応する識別データを前記記憶手段から選択する選択手段と、その選択手段によって選択された識別データを少なくとも前記所定条件が成立するまで保持する保持手段とを備え、前記遊技状態設定手段は、前記保持手段によって保持されている識別データに対応する前記設定データを、所定条件の成立に基づいて前記記憶手段から読み出して設定するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技状態決定手段により遊技状態が決定され、その遊技状態設定手段によって遊技状態を設定するための設定データと、その設定データを選択するために必要な識別データとが記憶手段によって記憶されている。遊技状態決定手段により決定された遊技状態に対応する識別データが選択手段によって記憶手段から選択され、選択手段によって選択された識別データは保持手段によって所定条件が成立するまで保持される。保持手段によって保持されている識別データに対応する設定データが、所定条件の成立に基づいて遊技状態設定手段によって記憶手段から読み出されて設定される。
これにより、遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に対応する識別データが保持手段によって保持されるので、遊技状態決定手段による遊技状態の決定方法が外部から取得されることを抑制することができる。よって、遊技状態決定手段に対して、遊技者にとって有利となる遊技状態に決定するよう外部から制御する不正行為を抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記識別データは、前記設定データよりもサイズが小さいことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、識別データは設定データよりもサイズが小さいので、設定データを保持手段によって保持しておく場合に比べて保持手段の記憶するデータ量を削減することができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記記憶手段は、前記遊技状態決定手段によって遊技状態が決定されてから所定条件が成立するまでの間の遊技状態を設定するための複数の状態データを記憶しているものであり、前記識別データは、前記複数の状態データのそれぞれと対応付けて前記記憶手段に記憶されているものであり、前記複数の状態データから1の状態データを選択して設定する状態選択手段を備え、前記選択手段は、前記状態選択手段によって選択された前記1の状態データに対応する前記識別データを選択するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態決定手段によって遊技状態が決定されてから所定条件が成立するまでの間の遊技状態を設定するための複数の状態データが記憶手段によって記憶されている。その複数の状態データのそれぞれと対応付けて、識別データが記憶手段に記憶されている。複数の状態データから1の状態データが状態選択手段によって選択されて設定される。
これにより、選択手段によって識別データを選択する際は、状態選択手段によって選択されて設定された1の状態データに対応付けて記憶されている識別データを選択するだけで良いので、識別データと状態データとを別個独立に選択する場合に比べて処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記遊技状態決定手段によって遊技状態が決定された場合に、その決定された遊技状態とは異なる遊技状態に、前記所定条件が成立するまでの間設定する状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技状態決定手段によって遊技状態が決定された場合に、その決定された遊技状態とは異なる遊技状態が、状態設定手段によって、所定条件が成立するまでの間設定されるので、所定条件が成立するまでの間の遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1〜C3において、所定の始動条件の成立に基づいてランダムな情報を取得する取得手段と、そのランダムな情報に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かを抽選する抽選手段とを備え、前記遊技状態決定手段は、前記抽選手段によって前記特別遊技状態へと移行させると判断された場合に、前記取得手段によって取得されたランダムな情報に基づいて遊技状態を決定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技状態が終了することに基づいて前記遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に設定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1〜C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の始動条件の成立に基づいて取得手段によってランダムな情報が取得され、そのランダムな情報に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へと移行させるか否かが抽選手段によって判断される。抽選手段によって特別遊技状態へ移行させると判断された場合に、取得手段によって取得されたランダムな情報に基づいて遊技状態決定手段によって遊技状態が決定される。特別遊技状態が終了することに基づいて、遊技状態設定手段により、遊技状態決定手段によって決定された遊技状態に設定される。
これにより、特別遊技状態が終了するまで、取得手段によって取得されたランダムな情報を保持しておく必要がないので、ランダムな情報のうち、特別遊技状態に対応した情報が不正行為により外部から取得されることを抑制することができる。従って、特別遊技状態に対応した情報を外部から入力し、特別遊技状態へと移行させる不正行為を抑制することができるという効果がある。
<特徴D群>(データの読み出しをまとめて行い、その後にまとめてデータを設定する)
所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データを複数記憶した記憶手段と、その記憶手段に記憶された設定先データを格納するデータ格納領域と、前記制御手段によって読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かを判断する判断手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記記憶手段から前記設定先データを読み出して、その読み出した設定先データを前記データ格納領域に格納する処理を複数の設定先データに対して繰り返す読出記憶処理と、その読出記憶処理により前記データ格納領域に格納された複数の設定先データが示すそれぞれの設定先に、所定の設定値を一括して設定する一括設定処理とを実行するものであり、前記読出記憶処理において、読み出した設定先データが予め定められた特定データであると前記判別手段により判別されたことに基づいて、前記一括設定処理へと移行するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、所定の制御手順に従って、遊技の制御を行う制御手段が遊技に関する設定を行う設定先を示す複数の設定先データが、記憶手段によって記憶され、その記憶手段に記憶された設定先データがデータ格納領域に格納される。制御手段によって読み出された設定先データが予め定められた特定データであるか否かが判断手段によって判断される。制御手順に従って、記憶手段から設定先データを読み出して、その読み出した設定先データをデータ格納領域に格納する処理を複数の設定先データに対して繰り返す読出記憶処理と、その読出記憶処理によりデータ格納領域に格納された複数の設定先データが示すそれぞれの設定先に、所定の設定値を一括して設定する一括設定処理とが制御手段により実行される。読出記憶処理において、読み出した設定先データが予め定められた特定データであると判別手段により判別されたことに基づいて、一括設定処理へと移行する。
これにより、読出記憶処理において、特定データが読み出されれば一括設定処理に移行するので、読出記憶処理において、設定先データの読み出し、および、データ格納領域への格納を何回繰り返すのか規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスにより、読出記憶処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定データは、前記記憶手段に記憶された他の前記設定先データのいずれとも異なるデータであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定データが、制御データに規定されている他のいずれのデータとも異なるデータなので、制御データから特定データが読み出される前に、特定データと同一のデータが読み出されることがない。
これにより、特定データが読み出されるまで読出記憶処理が繰り返されるので、読出記憶処理によって行われるべき全ての制御が実行される前に読出記憶処理が終了されてしまうことを抑制できる。従って、実行されるべき制御が実行されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記特定データは、前記設定先データの末尾に記憶されているものであること特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、特定データが設定先データの末尾に規定されているので、記憶手段に記憶されている他の全ての設定先データに基づく制御を確実に実行することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際や、その当たり状態を終了する際等の遊技状態を変更する場合に、変更後の遊技状態に対応する複数の設定値に対して、初期値である所定値を設定している。また、初期値の設定方法としては、設定値の個数を制御プログラムに規定しておき、その設定値の個数分だけ初期値の設定を行う制御を繰り返す方法が挙げられる(例えば、特許文献1:特開2001−276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、機種が異なると、当たり状態や、当たりが終了した後の状態の態様が異なる場合があるので、遊技状態を変更する際に設定すべき設定値の個数が機種によって変化してしまう虞がある。よって、設定値の個数が異なる他の機種に制御プログラムを適用する際は、設計者が、適用しようとする機種毎に設定値の個数を数え、制御プログラムに繰り返し回数を規定し直す必要があった。このため、設計者のミスによって制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうと、全ての初期値を設定することができず、遊技状態の変更後に遊技機が誤動作してしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技機が誤動作することを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、所定の制御手順に従って、遊技の制御を実行する制御手段と、その制御手段によって、読み出される制御データが記憶された記憶手段と、前記制御手段によって読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かを判別する制御データ判別手段とを備え、前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う処理である読出制御処理を実行する場合には、読み出した制御データが前記特定データであると前記制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、前記読出制御処理を終了して、前記制御手順に従って実行される次の処理に移行させるものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記制御データには、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが交互に規定されているものであり、前記読出制御処理は、前記制御データに規定されている順番にデータを読み出して、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データを設定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、遊技状態を変更するか否かを判別する状態変更判別手段を備え、前記制御データは、遊技状態に関する各種の設定値が前記設定用データとして規定されているものであり、前記状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、前記読み出し制御処理を実行するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、所定の制御手順に従って、制御手段により遊技の制御が実行され、制御手段により読み出される制御データが記憶手段に記憶され、その読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かが制御データ判別手段により判別される。制御手段によって、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う読出制御処理が実行される場合には、読み出した制御データが予め定められた特定データであると制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、読出制御処理が終了され、制御手順に従って実行される次の処理に移行される。
これにより、読出制御処理において、特定データが読み出されれば次の処理に移行するので、制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを何回繰り返すのかを規定しておく必要が無い。よって、繰り返し回数の規定ミスによって、読出制御処理によって行われるべき繰り返し回数と異なる回数の制御が実行されてしまうことを抑制することができる。従って、遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが、制御データに交互に規定されている。その制御データに規定されている順番に、読出制御処理によってデータが読み出され、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データが設定される。
これにより、データの読み出しの際に、制御データに規定されているデータのうち、いずれのデータを次に読み出すべきか判断するという処理を行う必要が無いので、制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態を変更するか否かが状態変更判別手段によって判別される。遊技状態に関する各種の設定値が設定用データとして制御データに規定されている。状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、制御手段によって読出制御処理が実行される。
これにより、遊技状態が変更される場合に、設定されるべき設定値が設定されずに遊技機が誤作動してしまうことを抑制できるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置(制御手段)
202 ROM(記憶手段)
202h 大当たり終了時クリアテーブル(記憶手段)
202i 大当たり終了時初期値設定テーブル(記憶手段)
S1207 状態変更判別手段
S1312 読出制御処理
S1402 制御データ判別手段
S1502,S1503 読出処理
S1504,S1511,S1515 設定処理

Claims (3)

  1. 所定の制御手順に従って、遊技の制御を実行する制御手段と、
    その制御手段によって、読み出される制御データが記憶された記憶手段と、
    前記制御手段によって読み出された制御データが予め定められた特定データであるか否かを判別する制御データ判別手段とを備え、
    前記制御手段は、前記制御手順に従って、前記制御データの読み出しと、その読み出した制御データに基づく制御とを繰り返し行う処理である読出制御処理を実行する場合には、読み出した制御データが前記特定データであると前記制御データ判別手段により判別されたことに基づいて、前記読出制御処理を終了して、前記制御手順に従って実行される次の処理に移行させるものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記制御データには、
    遊技に関する設定を行う設定先を示す設定先データと、
    その設定先データが示す設定先に設定するための設定用データとが交互に規定されているものであり、
    前記読出制御処理は、前記制御データに規定されている順番にデータを読み出して、読み出された設定先データが示す設定先に、次に読み出される設定用データを設定するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 遊技状態を変更するか否かを判別する状態変更判別手段を備え、
    前記制御データは、遊技状態に関する各種の設定値が前記設定用データとして規定されているものであり、
    前記状態変更判別手段によって遊技状態を変更すると判別された場合に、前記読出制御処理を実行するものであることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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