以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技者にとって有利な第1の状態と該第1の状態よりも遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞手段について、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御されたときに、第2の状態から第1の状態に制御する遊技ラウンドを所定回数実行させる遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1実行条件(第1始動条件)または第2実行条件(第2始動条件)が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。本実施の形態では、特別図柄の変動表示に関し、第1特別図柄による第1実行条件と、第2特別図柄による第2実行条件との両方が成立しているときには、第2特別図柄の変動表示の開始条件が、第1特別図柄の変動表示の開始条件よりも優先的に成立し、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンド(遊技ラウンド)と呼ばれる(以下、単にRともいう)。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率(高確率状態かどうか)、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間(時短状態かどうか)、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、大当り遊技状態における単位ラウンドの開放時間、および、大当り遊技状態における実質入賞可能なラウンド数が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、16ラウンドの大当り遊技状態として、開放回数が同じで開放パターンが異なる大当り遊技状態を設けた例を示すが、16ラウンドの大当り遊技状態以外に、開放回数および開放パターンが異なる16ラウンド以外の大当り遊技状態が設けられてもよい。
第1確変大当りおよび第2確変大当りのような16ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間または0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる16ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1確変大当りまたは第2確変大当りの大当り遊技状態に制御された後は、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する。このような大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20が開状態(大入賞口が開放状態)となる複数回のラウンドのうち、各ラウンドは、1単位のラウンドであるので、単位ラウンドと呼ばれる。この実施の形態では、単位ラウンドとして、29秒間の開状態となる長開放ラウンドである第1単位ラウンドと、長開放ラウンドよりも短く0.5秒間の開状態となる短開放ラウンドである第2単位ラウンドとを含む。第1単位ラウンドは、開放時間が29秒間であり、大入賞口に遊技球が容易に入賞可能な状態となるので、大入賞口に実質的に遊技球が入賞可能なラウンドである。一方、第2単位ラウンドは、開放時間が0.5秒間であり、大入賞口に遊技球が入賞困難な状態となるので、大入賞口に実質的に遊技球が入賞不可能なラウンドである。
大当り遊技状態については、第1単位ラウンドと第2単位ラウンドとのうち、いずれか一方の組合せ、または、両方の組合せにより設定された開放パターンに基づいて、特別可変入賞球装置20が開閉制御される。
図2に示すように、第1確変大当りは、29秒間の開状態となる第1単位ラウンドのみで、開放パターンが設定されており、16回分のラウンドで実質的に入賞が可能である。一方、第2確変大当りは、29秒間の開状態となる第1単位ラウンドと、0.5秒間の開状態となる第2単位ラウンドの組合せにより開放パターンが設定されており、10回分のラウンドで実質的に入賞が可能である。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。なお、特別遊技状態とてしては、電チューサポート制御状態のような高ベース状態に制御しないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。本実施の形態において、電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。なお、電チューサポート制御としては、前述した制御のうちのすべてではなく一部(一部制御の組合せを含む)を実行するものであってもよい。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
第1確変大当りおよび第2確変大当りのそれぞれは、16ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。第1確変大当りと第2確変大当りとで異なるのは、特別可変入賞球装置20(入賞口)の開放パターン(開放態様)であり、第2確変大当りでは、第1確変大当りと比べて、実質的に入賞球が得られるラウンド数が少なく設定されている。そして、このような高確高ベース状態は、はずれ表示結果となる変動表示(以下、はずれ変動表示ともいう)が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
なお、大当りとしては、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない通常大当りを設けてもよい。通常大当りで大当り遊技状態に制御された後については、時短状態および高ベース状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に制御されず低ベース状態に制御されるようにしてもよい。通常大当りで大当り遊技状態の終了後に時短状態および高ベース状態に制御する場合には、このような時短状態および高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する制御を行なうようにしてもよい。
また、大当りとしては、「突然確変大当り」と呼ばれる確変大当りを設けてもよい。このような突然確変大当りは、たとえば、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものである。
突然確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。なお、このような実質的に大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない大当りとしては、たとえば、0.5秒間の開放が16回行なわれるような開放回数が比較的多い大当りを用いてもよい。当り突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確低ベース状態、および高確低ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態となり、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確高ベース状態、および高確高ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態となる。そして、このような高確低ベース状態、または高確高ベース状態は、たとえば、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する制御を行なうようにしてもよい。
また、大当りの他に、突然確変大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突然確変大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態としては、確変状態にのみ制御されるもの、確変状態および時短状態に制御されるもの、確変状態および高ベース状態に制御されるもの、確変状態、時短状態および高ベース状態に制御されるもの等、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態に制御されるものであれば、どのような遊技状態であってもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する指令情報としての演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート(図示せず)を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、2R通常大当り、2R確変大当り、および、16R確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、第1確変大当り、および、第2確変大当りという複数の種別が含まれている。大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶情報(第1保留記憶情報ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶情報(第2保留記憶情報ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「第1確変大当り」および「第2確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「第1確変大当り」および「第2確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「第1確変大当り」および「第2確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「第1確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「第2確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(16ラウンドの大当りである第1確変大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図6(A)に示すように、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る複数種類の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H),8C02(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する停電後に電力供給が復旧して遊技制御が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入時において、電源断状態の発生によりバックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンドA001(H),A002(H)は、第1確変大当り、第2確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)を長開放中(29秒間の開放中)であることを指定(特定)する演出制御コマンド(開放中1指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)を短開放中(0.5秒間の開放中)であることを指定(特定)する演出制御コマンド(開放中2指定コマンド)である。これら開放中1指定コマンドまたは開放中2指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる種類の大入賞口開放中指定コマンドが送信され得る。
コマンドA3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の長開放中(29秒間の開放中)について大入賞口閉鎖を指定(特定)する演出制御コマンド(開放後1指定コマンド)である。コマンドA4XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の短開放中(0.5秒間の開放中)について大入賞口閉鎖を指定(特定)する演出制御コマンド(開放後2指定コマンド)である。これら開放中1指定コマンドおよび開放中2指定コマンドのそれぞれは、ラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。開放中1指定コマンドおよび開放中2指定コマンドのそれぞれはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる開放後指定コマンドが送信され得る。
コマンドA301,A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。なお、大当り終了1,2指定コマンドは、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶する指定コマンド)である。
コマンドC400(H)は、特別可変入賞球装置20の大入賞口から進入した遊技球(入賞球)がカウントスイッチ23を通過して検出されたことを指定する演出制御コマンド(入賞カウント指定コマンド)である。入賞カウント指定コマンドは、たとえば、大当り遊技状態において、大入賞口から進入した入賞球がカウントスイッチ23により検出されるごとに出力される。
図7は、大当り遊技状態において、大当りの種別に応じて、開放回(ラウンド)ごとに送信する開放中指定コマンドを選択してコマンドを送信するために用いられる開放中指定コマンドテーブルを示す図である。
開放中指定コマンドテーブルは、第1確変大当りのときに用いる第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルと、第2確変大当りのときに用いる第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルとに分けて設けられ、ROM54に記憶されている。これら開放中指定コマンドテーブルでは、大当り遊技状態における開放回(ラウンド)ごとに、何回目の開放回数であるか、および、開放時間(長開放または短開放)を特定可能なコマンドが設定されている。
図7(A)に示す第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第1回目〜16回目までのすべての開放回(ラウンド)のそれぞれについて、長開放を指定する開放中1指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第1確変大当りの大当り遊技状態においては、第1回目〜第16回目のすべての開放回(ラウンド)について、対応する「開放回目および長開放」を特定可能な開放中1指定コマンドが選択されて送信されることとなる。
図7(B)に示す第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第1回目〜10回目までの開放回のそれぞれについては、長開放を指定する開放中1指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。そして、第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルでは、第11回目〜16回目までの開放回のそれぞれについては、短開放を指定する開放中2指定コマンドが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第2確変大当りの大当り遊技状態においては、第1回目〜第10回目のそれぞれの開放回(ラウンド)について、対応する「開放回目および長開放」を特定可能な開放中1指定コマンドが選択されて送信され、その後、11回目〜第16回目のそれぞれの開放回(ラウンド)について、該当する「開放回目および短開放」を特定可能な開放中2指定コマンドが選択されて送信されることとなる。
また、ROM54においては、図7の第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルおよび第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルと同様に、大当り遊技状態において、大当りの種別に応じて、開放回(ラウンド)ごとに送信する開放後指定コマンドを選択してコマンドを送信するために用いられる開放後指定コマンドテーブルが設けられている。開放後指定コマンドテーブルは、第1確変大当りのときに用いる第1確変大当り開放後指定コマンドテーブルと、第2確変大当りのときに用いる第2確変大当り開放後指定コマンドテーブルとに分けて設けられている。これら開放後指定コマンドテーブルでは、大当り遊技状態における開放回(ラウンド)ごとに、何回目の開放回数であるか、および、開放時間(長開放または短開放)を特定可能なコマンドが設定されている。このような開放後指定コマンドテーブルでは、図7の開放中コマンドのデータ内容がそのまま開放後コマンドのデータ内容に置き換えられたデータ構成で各開放回ごとのデータが設定されている。
図8は、第1確変大当りおよび第2確変大当りのそれぞれについて、大当り遊技状態において、実行される大入賞口の開閉パターン、送信される開放中コマンド、演出表示装置9でのラウンド数表示、および、演出表示装置9での出球表示の制御態様の関係を説明するタイミングチャートである。図8(A)では、第1確変大当りの制御態様が示されている。図8(B)では、第2確変大当りの制御態様が示されている。
図8(A)に示すように、第1確変大当りの大当り遊技状態においては、第1〜第16回目の各開放回において、29秒間の長開放態様で大入賞口が開状態に制御される。これにより、第1確変大当りでは、16回分の開放回において、実質的に大入賞口への入賞が可能であり賞球払出しが可能となる。一方、図8(B)に示すように、第2確変大当りの大当り遊技状態においては、第1〜第10回目の各開放回において、29秒間の長開放態様で大入賞口が開状態に制御された後、0.5秒間の短開放態様で大入賞口が開状態に制御される。これにより、第2確変大当りでは、10回分の開放回において、実質的に大入賞口への入賞が可能であり賞球払出しが可能となる。
また、図8(A),(B)に示すように、大当り遊技状態においては、各開放回(ラウンド)の開始時に、開放中1指定コマンドまたは開放中2指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される。開放中コマンドとしては、長開放の開放回の開始時には長開放を示す開放中1指定コマンドが選択されて送信され、短開放の開放回の開始時には短開放を示す開放中2指定コマンドが選択されて送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、図8(A),(B)に示すように、開放中1指定コマンドを受信したときには、そのコマンドにより特定される何回目の開放であるかの情報に対応して、演出表示装置9におけるラウンド数表示において、実行される大入賞口の開放回のラウンド数を数値情報により表示する。たとえば、コマンドにより第1回目の開放であることが特定されるときには、第1ラウンドであることを示すラウンド数表示を演出表示装置9においてする制御が行なわれる。このように、演出表示装置9においては、所定の報知演出として、ラウンド数表示が行なわれる。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図8(B)の11回目〜16回目の開放について示すように、開放中2指定コマンドを受信したときには、そのコマンドにより特定される何回目の開放であるかの情報に対応した新たなラウンド数表示の更新表示は行なわれず、元のラウンド数(この例では第10ラウンド)を示すラウンド数表示が継続される。これにより、実質的な大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない短開放状態においてラウンド数が更新表示されないことにより、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。たとえば、大入賞口への入賞による賞球が実質的に得られないにもかかわらずラウンド数が更新表示されると、ラウンドが進行したにもかかわらず大入賞口への入賞による出球が得られないので、遊技者の期待感が裏切られることにより遊技の興趣が低下するのであるが、そのような実質的に賞球が得られないときにラウンド数が更新表示されなければ、遊技者の期待感が裏切られないことにより遊技の興趣の低下を防ぐことができるのである。
なお、ラウンド数表示としては、現在実行中のラウンド数を示す数値情報を表示する代わりに、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示す数値情報を表示するようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示すときには、数値情報ではなく、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示し、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像を消去していく表示を行なうようにしてもよい。たとえば、第2確変大当りの大当り遊技状態中には、実質的に大入賞口に入賞可能なラウンド数「10」に対応した10個のアイコン画像を第1ラウンドで表示し、長開放ラウンドが実行されるごとにアイコン画像を消去していく表示制御を行なうようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数を示すときには、まず残りラウンド数の一部を表示した後、表示された残りラウンド数が長開放ラウンドの実行によりすべて消化されたときに、ラウンドが継続するか否かの演出を行なって、ラウンドが継続する旨を示した後に、まだ消化していない一部のラウンド数を表示する演出制御を行なうようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の画像色を当初の画像色から特定の画像色(ラウンドが消化されたことを示す色)に変化させる表示を行なうようにしてもよい。また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の形状を当初の画像形状から特定の画像形状(ラウンドが消化されたことを示す形状)に変化させる表示を行なうようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図8(A),(B)に示すように、開放中1指定コマンドを受信したときには、実行されるラウンドにおいて、受信した入賞カウント指定コマンドに基づいて計数される出球個数の情報に対応して、演出表示装置9における出球表示において、大当り遊技状態中に払出された出球の個数の合算値を更新表示する。たとえば、カウントスイッチ23により検出される入賞球1個に対する賞球個数が15個であるときには、入賞カウント指定コマンドが受信されるごとに、出球の個数の合算値を示す出球表示を演出表示装置9において「15」ずつ加算更新表示する制御が行なわれる。このように、演出表示装置9においては、大当り遊技状態中に遊技者に付与された利益に関する利益特定表示として、出球表示をさせる制御が行なわれる。この実施の形態では、このような出球表示として、大当り遊技状態中に特別可変入賞球装置20(大入賞口)に入賞した遊技球を計数し、その遊技球に対して払出される賞球数を表示する例を示すが、大当り遊技状態中に行なう出球表示としては、特別可変入賞球装置20(大入賞口)以外に設けられた入賞口(たとえば、1個の入賞球に対して10個の賞球が払出されるような一般入賞口)に入賞した遊技球を計数し、その計数値を大入賞口への入賞球に対して払出される賞球数に合算した賞球数を表示するようにしてもよい。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ100では、図8(B)の11回目〜16回目の開放について示すように、開放中2指定コマンドを受信したときには、実行されるラウンドにおいて、入賞カウント指定コマンドを受信しても、演出表示装置9における出球表示が演出表示装置9において更新表示されないように、出球表示を制限する制御が行なわれる。これにより、実質的な大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない短開放状態において出球数が更新表示されないことにより、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。たとえば、大入賞口への入賞による賞球が実質的に得られないにもかかわらず出球数が更新表示されると、ラウンドが進行したにもかかわらず大入賞口への入賞による賞球が得られないので、遊技者の期待感が裏切られることにより遊技の興趣が低下するのであるが、そのような実質的に大入賞口への入賞による賞球が得られないときに出球数が更新表示されなければ、遊技者の期待感が裏切られないことにより遊技の興趣の低下を防ぐことができるのである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS(以下、単に「S」と示す)1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。たとえば、停電による電源断状態ではなく、遊技場の営業終了等による通常の電源オフ後の電源投入時には遊技場の管理者によりクリアがオン状態に操作されず、停電による電源断状態が生じた後の停電復旧における電源投入時には遊技場の管理者によりクリアがオン状態にされることにより、電源投入時が停電後の復旧時であるか否かが区別される。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。なお、CPU56は、バックアップRAMにバックアップ保存されているデータに基づいて、保存された遊技状態を示すコマンド(たとえば、表示結果指定コマンド、第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、開放中1指定コマンド、開放中2指定コマンド、開放後1指定コマンド、開放後2指定コマンド等の各種コマンド)を停電復旧指定コマンドに伴って送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値が保存される。したがって、変動表示中に停電した後、停電復旧した場合には、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。したがって、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
この実施の形態では、バックアップRAM領域には、大当り遊技状態中におけるラウンド数を示すデータが保存される。したがって、大当り遊技状態中に停電した後、停電復旧した場合には、保存していたラウンド数を示すデータに基づいて、停電したときのラウンド数から大当り遊技状態が再開される。なお、大当り遊技状態中に停電したときには、停電復旧したときに、大当り遊技状態の第1ラウンドから大当り遊技状態が開始されるようにする制御を行なうようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用のランダムMR1の値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、たとえば、変動パターンの種別決定、および、変動パターン決定をするための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(たとえば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行なうことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
図10は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
賞球処理(S30)においては、特別可変入賞球装置20、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14等の入賞領域に遊技球が進入して入賞したことに基づいて、カウントスイッチ23、第1始動口スイッチ13a、および、第2始動口スイッチ14a等の入賞球検出手段から入賞球の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されたことに基づいて、所定の払出条件が成立すると、払出個数等の払出制御に関する情報を指令する払出制御コマンドを払出制御基板37に出力する。払出制御用マイクロコンピュータでは、このような払出制御コマンドを受信したことに応じて球払出装置97を駆動し、払出制御コマンドで指定された払出個数の遊技球を賞球として払出す制御が行なわれる。
また、賞球処理(S30)においては、特別可変入賞球装置20に遊技球が進入して入賞したことに基づいて、カウントスイッチ23から入賞球の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されたことに基づいて、所定の払出条件が成立すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口から進入した遊技球がカウントスイッチ23により検出されたことを指定する入賞カウント指定コマンド(図6参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このような入賞カウント指定コマンドを大当り遊技状態中に受信したことに応じて、演出表示装置9で大当り遊技状態中における出球個数の合算値を示す出球表示を演出表示装置9において数値画像により表示する制御が行なわれる。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図11は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始するための第2の開始条件は、第1特別図柄の変動表示を開始するための第1の開始条件よりも優先的に成立する。したがって、第1特別図柄および第2特別図柄の両方に対応する保留記憶データがあるときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先して変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理(図11のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件が成立したとき、または、大当り遊技状態の終了後に100回のはずれ変動表示が実行されたときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「第1確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「第2確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「第1確変大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「第2確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した変動パターン設定処理(S301)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて設けられた変動パターンを選択決定するための変動パターン種別決定用のデータテーブル、および、変動パターン決定用のデータテーブル(ROM54に記憶されているデータテーブル)を遊技状態に応じて選択的に用い、変動パターン種別決定用のランダムカウンタの値に基づいて変動パターン種別を選択決定し、変動パターン決定用のランダムカウンタの値に基づいて変動パターンを選択決定する。
変動パターン設定処理で選択決定される変動パターンには、ノーマルリーチでリーチはずれとなるときの変動パターン、スーパーリーチでリーチはずれとなるときの変動パターン、非リーチはずれとなるときの変動パターン、ノーマルリーチで第1確変大当りまたは第2確変大当りとなるときの変動パターン、および、スーパーリーチで第1確変大当りまたは第2確変大当りとなるときの変動パターン等の各種の変動パターンが含まれている。ここで、リーチはずれとは、リーチとなった後にはずれ表示結果となることをいう。また、非リーチはずれとは、リーチとならずにはずれ表示結果となることをいう。そして、変動パターン設定処理(S301)においては、選択決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが送信される。
なお、変動パターン設定処理においては、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで変動パターン種別の選択割合が異なるように設定された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択することにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数(たとえば、2)以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数未満であるときに用いる第1の変動パターンテーブルと、保留記憶数が所定数以上であるときに用いる第2の変動パターンテーブルとを設け、第2の変動パターンテーブルの方が第1の変動パターンテーブルよりも選択される変動パターンの変動時間の平均値が短いようにデータを設定する。そして、変動パターン設定処理において変動パターンを選択するときに、各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるか否かを確認し、保留記憶数が所定数未満であるときには、第1の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定し、保留記憶数が所定数以上であるときには、第2の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定すればよい。このような保留数短縮制御が行なわれれば、保留記憶情報を早期に消化することができ、無駄な始動入賞の発生を抑制するとともに、早期に大当り遊技状態を発生させることが可能となる。なお、このような保留数短縮制御は、第1特別図柄の保留記憶情報数と、第2特別図柄の保留記憶情報数とを合算した合算保留記憶数を算出し、当該合算保留記憶数が特定数(たとえば、3)以上であることを条件として実行するようにしてもよい。
このような保留数短縮制御を実行する場合には、先読み予告と実際の変動表示時の変動表示との整合性を確実化するために、たとえば、保留数短縮制御が実行されるか否かに関わらず、リーチ変動パターン等の特定の変動パターンについて、ランダム2(変動パターン種別判定用乱数)およびランダム3(変動パターン判定用乱数)に基づいて同じ変動パターンが決定されるように変動パターンテーブルのデータを設定しておき、当該特定の変動パターンを対象として、先読み予告を実行可能とする制御を行なうようにすればよい。なお、変動パターン先読みコマンドとして、詳細な変動パターンまでは先読みせずに、変動パターン種別を先読みし、先読みした変動パターン種別を指定する変動パターン種別先読み指定コマンドを送信する場合には、リーチ変動パターン等の特定の変動パターンについて、前述のようにランダム3を用いることなく、ランダム2(変動パターン種別判定用乱数)に基づいて同じ変動パターン種別が決定されるように変動パターンテーブルのデータを設定しておき、当該特定の変動パターンを対象として、先読み予告を実行可能とする制御を行なうようにすればよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図10のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S133)、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、確変フラグおよび時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンドと、大当り開始2指定コマンドとのいずれかを送信するための処理をする(S135)。
なお、大当りとすることが決定されたときは、遊技状態の区切りとしてS134により確変フラグおよび時短フラグがリセットされ、後述するように大当り終了処理(S307)で確変フラグおよび時短フラグがセットされるが、この実施の形態では、大当り種別として確変状態および時短状態となる大当りのみが選択され、大当り遊技終了後に必ず確変状態および時短状態となるので、大当り発生時に既に確変フラグおよび時短フラグがセットされているとき(確変状態での大当り発生時)には、S134による確変フラグおよび時短フラグのリセットはしなくてもよい。また、S134で確変フラグおよび時短フラグがリセットされるときには、大当り発生時には制御状態を一旦通常状態に戻すために、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なうようにしてもよい。
次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理(S305)において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。また、大当り遊技状態での大入賞口を開放するために、実行する大当りの種別に応じてROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、第1確変大当りは16回、第2確変大当りは16回)、各開放回の開放時間(たとえば、29秒または0.5秒)、各開放回のラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒または0.5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。大当り遊技状態では、このような開放態様に基づいて大入賞口が開放される。そして、実行する大当りの種別に応じたラウンド数(本実施の形態では、第1確変大当りおよび第2確変大当りともに16ラウンド)を、ラウンド数計数用カウンタにセットし(S138)、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
前述のS133により大当りフラグがセットされていないと判断された場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグ(第1確変大当りおよび第2確変大当りのときに大当り終了処理でセットされるフラグ)がセットされているか否か確認する(S140)。S140で確変フラグがセットされていないときは、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S146)、処理を終了する。
一方、S140で確変フラグがセットされているときは、大当り遊技状態の終了後の特別図柄(第1,第2特別図柄)の変動表示回数を計数する変動回数カウンタの値を−1する減算更新処理を行なう(S141)。変動回数カウンタは、大当り終了処理において、変動表示結果がはずれとなるときに確変状態および時短状態が継続する変動表示回数である「100」にセットされ、その後に大当り(次回の大当り)が発生するまでに、変動表示結果がはずれ表示結果となるごとにS140で減算更新される。これにより、確変状態および時短状態において、はずれ表示結果となった特別図柄の変動表示回数が計数される。
次に、変動回数カウンタの値が0になっているか否かを確認する(S142)。変動回数カウンタの値が0になっていないとき、すなわち確変状態および時短状態が継続しているときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S146)、処理を終了する。一方、S142で、変動回数カウンタの値が0になっているとき、すなわち確変状態の終了条件が成立したときには、確変フラグおよび時短フラグをリセットする(S143,S144)。これにより、確変状態および時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)実行されたときには、高確高ベース状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S145)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S146)、処理を終了する。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。
図14は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なう(S403)。そして、ラウンド数計数用カウンタの値を−1(減算更新)する(S404)。次に、CPU56は、ラウンド数計数用カウンタの値に特定される今回のラウンド(今回開始するラウンド)が、長開放ラウンド(29秒開放のラウンド)であるか否かを確認する(S405)。
S405では、図7の第1確変大当り開放中指定コマンドテーブルと第2確変大当り開放中指定コマンドテーブルとのうち、実行する大当りの種別に対応するテーブルを選択し、選択したテーブルに基づいて、ラウンドごとに減算更新されるラウンド数計数用カウンタの値から開始するラウンド数を確認する(たとえば、第1確変大当りおよび第2確変大当りともに16ラウンドの大当りであるので、「16」から減算更新されるラウンド数計数用カウンタの値が、「15」のときには「第1ラウンド」、「14」のときには「第2ラウンド」、「13」のときには「第3ラウンド」)。そして、選択したテーブルにおいて、前述のように確認した今回のラウンドに対応する開放時間が「長開放」であるか「短開放」であるかを確認することにより、今回のラウンドが長開放ラウンドであるか否かを確認する。
S405で今回のラウンドが長開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値に基づいて確認した今回のラウンド数から、選択した大当り開放中指定コマンドテーブルに基づいて、今回のラウンドについて、開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(長開放)を特定可能な開放中1コマンドを選択して送信するための処理を行ない(S406)、S408に進む。一方、今回のラウンドが短開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値に基づいて確認した今回のラウンド数から、選択した大当り開放中指定コマンドテーブルに基づいて、今回のラウンドについて、開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(長開放)を特定可能な開放中2コマンドを選択して送信するための処理を行ない(S407)、S408に進む。S406,S407に示すように、大当り遊技状態の進行に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドと、短開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中2指定コマンドとのいずれかが送信される。
より具体的な一例として、実行する大当りの種別が第2確変大当りであり、今回のラウンドが、第10ラウンドであるときには、第10回目の開放であること、および、長開放であることを特定する開放中1指定コマンドを選択して送信するための処理がS405,S406により行なわれる。そして、実行する大当りの種別が第2確変大当りであり、今回のラウンドが、第11ラウンドであるときには、第11回目の開放であること、および、短開放であることを特定する開放中2指定コマンドを選択して送信するための処理がS405,S407により行なわれる。
次いで、CPU56は、大当りの種別に応じた開放パターンデータ(たとえば、S137によりRAM55に記憶されたデータ)に基づいて、大入賞口制御タイマに、大入賞口が開放可能な最大時間(大入賞口開放時間)に応じた大入賞口開放時間(0.5秒または29秒)を設定する(S408)。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新し(S409)、処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S431)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S432)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S433)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S434)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば9)になっているか否か確認する(S435)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S432とS433との判定順は逆でもよい。
入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S436)。そして、S437に進む。
一方、S432で大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には(S432)、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S447)。そして、S443に進む。
S437に進んだ場合、CPU56は、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)。次いで、CPU56は、ラウンド数計数用カウンタの値が0であるか否かを確認する(S438)。ラウンド数計数用カウンタの値が0でない場合には、ラウンド数計数用カウンタの値により示される今回のラウンド(今回終了するラウンド)が、長開放ラウンド(29秒開放のラウンド)であるか否かを確認する(S439)。S439では、たとえばS137で記憶された今回の開放パターンデータに基づいて、今回のラウンドが長開放ラウンドであるか否かを確認する。
S439で今回のラウンドが長開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値が示す開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(長開放)を特定可能な開放後1コマンドを送信するための処理を行ない(S440)、S442に進む。一方、今回のラウンドが短開放ラウンドであるときは、ラウンド数計数用カウンタの値が示す開放回数(今回のラウンド数)および開放時間(短開放)を特定可能な開放後2コマンドを送信するための処理を行ない(S441)、S442に進む。
具体的に、S439〜S441では、実行中の大当りの種別が第1確変大当りであるときには前述した第1確変大当り開放後指定コマンドテーブルを選択し、実行中の大当りの種別が第2確変大当りであるときには前述した第2確変大当り開放後指定コマンドテーブルを選択し、ラウンド数計数用カウンタの値に基づいて確認した今回のラウンド数に基づいて、選択した開放後指定コマンドテーブルにより、対応する開放後コマンドを選択し、選択した開放後コマンドを送信する処理を行なう。
一例として、実行中の大当りの種別が第2確変大当りであり、今回終了するラウンドが、第10ラウンドであるときには、第10回目の開放であること、および、長開放であることを特定する開放後1指定コマンドを送信するための処理がS440,S441により行なわれる。そして、実行中の大当りの種別が第2確変大当りであり、今回のラウンドが、第11ラウンドであるときには、第11回目の開放であること、および、短開放であることを特定する開放後2指定コマンドを送信するための処理がS440,S441により行なわれる。
そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S442)。具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。また、インターバル時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータを参照して設定する。具体的に、インターバル期間は、長開放ラウンドのラウンド間が5秒であり、短開放ラウンドのラウンド間が0.5秒である。このように設定されたインターバル時間により、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、インターバル時間となり、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S443)。
また、S438で開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S444)。具体的に、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、大当り種別が第1確変大当りであった場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。大当り種別が第2確変大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。S438で開放回数カウンタの値が0である場合は、大当り遊技状態の最終ラウンドの終了時であるが、その場合には、最終ラウンドの開放後に応じた開放後1指定コマンドまたは開放後2指定コマンドを送信するようにしてもよく、送信しないようにしてもよい。
次に、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S445)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S446)、処理を終了する。
次に、大当り終了処理では、第1確変大当りまたは第2確変大当りの大当り遊技状態の終了に基づいて、確変フラグおよび時短フラグがセットされることにより、確変状態および時短状態に制御されることとなる。そして、大当り終了処理では、確変状態および時短状態の継続期間を計数するための変動回数カウンタの値を、確変状態および時短状態が継続する最大限の変動表示回数である「100」にセットする。これにより、その後に大当りが発生するまでに、変動表示結果がはずれ表示結果となるごとに、前述の特別図柄停止処理のS141で変動回数カウンタが減算更新される。これにより、大当り遊技状態終了後の確変状態および時短状態において、はずれ表示結果となった特別図柄の変動表示回数が計数されることとなる。また、大当り終了処理では、以降の遊技制御に不要となるフラグ等の各種制御用データがリセットされる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出し、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、割込処理で受信され、RAM103に形成されているコマンド受信バッファ領域(2バイト構成の演出制御コマンドを所定数(たとえば6個)格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ領域)に順番に格納される。
コマンド解析処理(S704)では、コマンド受信バッファ領域に格納されている演出制御コマンドを順番に読出し、受信したコマンドがどのコマンドであるのか解析する。そして、解析によりコマンドが特定されたときには、受信した演出制御コマンドに応じたフラグ(以下のこのようなフラグの総称をコマンド受信フラグと呼ぶ)をセットする処理を行なう。さらに、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、図柄指定コマンド、開放中1指定コマンド、開放中1指定コマンド、開放中2指定コマンド、開放後1指定コマンド、および、開放後2指定コマンド等の所定のコマンドのデータは、それぞれについて予め定められた格納領域に格納される。また、表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンド等の始動入賞時に送信される特定のコマンドは、第1保留記憶および第2保留記憶のような保留記憶に対応したバッファ領域よりなる始動入賞時受信コマンドバッファに格納される。このような受信コマンドに関する各種保存領域においては、受信したコマンドに基づいて所定の演出制御が実行されて当該コマンドの記憶情報が不要になったとき等の所定の消去条件が成立したときに受信したコマンドに基づいて記憶されたデータが消去される。このようなコマンド解析処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、どのようなコマンドをどのようなタイミングで受信したかを認識することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の停止図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数(先読み予告判定用の乱数等)等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
演出制御基板80の側においては、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3、および、所定の演出パターン決定用の乱数値等の複数種類の乱数値を生成するための数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
たとえば、第1確変大当りまたは第2確変大当りとなるときには、左,中,右の図柄を乱数SR1−1を用いて同じ図柄に決定することにより、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。たとえば、第1確変大当りとなるときには、第1確変大当りを想起させるような大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、第2確変大当りとなるときには、第2確変大当りを想起させるような大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。
また、はずれとなるときには、乱数SR1−1〜SR1−3を用いて、ゾロ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、左,右の図柄を乱数SR1−1を用いて同じ図柄に決定することにより、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可能なはずれ表示結果(リーチはずれ表示結果)を決定する。変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、乱数SR1−1〜SR1−3を用いて、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果(非リーチはずれ表示結果)を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、ノーマルリーチに対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図17は、図16に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
図17に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、停電復旧指定コマンドを受信したか否かを停電復旧指定コマンドを受信したときにセットされるフラグを判定することにより、確認する(S601)。停電復旧指定コマンドを受信したときは、復旧画面を演出表示装置9において画像表示する処理を行ない(S602)、停電復旧フラグをセットする(S603)。ここで表示される復旧画面は、たとえば、黒色の背景画像上に白色等の所定色で「停電復旧中」というような停電後の復旧中であることを特定可能な文字情報が画像表示される画面である。このように復旧画面を表示する停電復旧時には、後述するS800〜S807のいずれかのプロセスを指定するプロセスデータはセットされず、処理が終了する。これにより、演出制御プロセスの実行が中断状態となる。
また、前述のS601で停電復旧指定コマンドを受信していないときは、停電復旧フラグがセットされているか否かを判断することにより(S604)、停電復旧時における復旧画面が表示されている状態であるか否かを確認する。
パチンコ遊技機1では、前述したように、停電による電源断状態となると、前述のように停電時における遊技制御状態を保存するためのバックアップデータが遊技制御用マイクロコンピュータ100側でバックアップ記憶され、その後、復旧操作が行なわれることに応じて、電源投入がされると、まず、停電復旧指定コマンドが送信され、その後、バックアップデータに基づいて遊技制御状態が復旧されることで、停電時にバックアップ記憶された遊技制御状態の進行状態に応じた演出制御コマンドの送信が再開される。そのような演出制御コマンドの送信が再開されるまでは、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、S601〜S603により、復旧画面が表示され、その後、演出制御コマンドの送信が再開されると、次に示すようなS605〜S610により、再開した遊技状態に応じた演出制御の実行を再開する処理が行なわれる。
S604で停電復旧フラグがセットされているときは、後述するように、停電復旧時の処理が行なわれる。一方、S604で停電復旧フラグがセットされていないときは、停電復旧時以外の通常時の処理として、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(演出図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
また、前述のS604により、停電復旧フラグがセットされているときは、次に示すような停電復旧時の処理が行なわれる。前述のような遊技制御用マイクロコンピュータ100側でのバックアップデータに基づく停電復旧による遊技制御の再開後に送信される演出制御プロセスを特定可能なコマンド(たとえば、大当り遊技状態中の停電後の停電復旧であれば開放中1指定コマンドというような各種演出制御プロセスを特定可能なコマンド)の受信時であるか否かをコマンド受信フラグ等の受信データに基づいて確認する(S605)。
S605により前述のようなコマンドの受信時でないときは、処理を終了する。一方、S605により前述のようなコマンドの受信時であるときには、停電復旧後の演出制御プロセスを、遊技制御の再開時に受信した演出制御コマンドに応じた演出制御プロセスに移行させる処理を行なう(S606)。たとえば、遊技制御の再開時に受信した演出制御コマンドが開放中1指定コマンドであるときには、演出制御プロセスを大当り中処理に移行させるための処理(たとえば、演出制御プロセスフラグのデータを移行先に対応するデータとする処理等)がS606により行なわれる。これにより、S606での処理に基づいて、S607〜S610の実行後に、演出制御コマンドで示された演出制御プロセスから演出制御が再開されることとなる。
S606の後、停電復旧フラグをリセットする(S607)。これにより、以降の処理においては、S604からS605へ処理が移行しなくなることで、停電復旧に関連する特別な処理が行なわれなくなり、通常の演出制御プロセス処理が実行されることとなる。
次に、S606の処理による移行先の演出制御プロセスが、大当り遊技状態中のプロセス(たとえば、ラウンド中処理およびラウンド後処理のプロセス)であるか否かを確認する(S608)。移行先の演出制御プロセスが大当り遊技中のプロセスであるときは、大当り中復旧フラグをセットし(S610)、移行先の演出制御プロセスが大当り遊技中のプロセスでないときは、大当り中復旧フラグをセットしない。ここで、大当り中復旧フラグは、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時であることをフラグである。その後、S600〜S607のうち、S606の処理による移行先の演出制御プロセスが実行される。
これにより、停電による電源断状態後の停電復旧時においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で停電時にバックアップ記憶されたデータに基づいて、遊技制御が再開され、その再開された遊技制御に応じて演出制御コマンドの送信が再開されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100により、再開された遊技制御状態に応じた演出制御が実行されることとなる。
次に、大当り遊技状態における大当り表示処理(S804)の処理内容を説明する。図18は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理を示すフローチャートである。
大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、新たに大入賞口開放中指定コマンド(大入賞口開放中1指定コマンドまたは大入賞口開放中2指定コマンド)を受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S903)。たとえば、演出表示装置9において大当り表示結果となる演出図柄の組合せを表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S906)。
S901で大入賞口開放中フラグがセットされているときは、演出制御用CPU101は、各ラウンドの開始時にセットされるラウンド開始時フラグをセットする(S907)。ラウンド中処理に移行したときには、このようなラウンド開始時フラグがセットされているか否かを確認することにより、各ラウンドの開始時であるかどうかを判断することができるようになる。次に、大入賞口開放中フラグをリセットし(S908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S911)。
図19は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。
図19のラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時であるか否かを判断するために、前述の大当り中復旧フラグがセットされているか否かを確認する(S931)。S931で大当り中復旧フラグがセットされているときは、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時に該当するので、停電復旧時に対応する表示等の処理を行なう停電復旧時表示処理(S940)に進む。一方、S931で大当り中復旧フラグがセットされていないときは、大当り遊技状態中において停電した後の停電復旧時に該当しないので、S932に進み、次のような停電復旧時以外の定常状態での演出制御を行なう。S932では、今回のラウンドが、長開放を特定する開放中1指定コマンドを受信したラウンドであるか否かを、いずれかの開放中1指定コマンドを受信したときにセットされる開放中指定フラグがセットされているかを判断することに基づいて確認する(S932)。
S932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドではないとき(開放中2指定コマンドを受信したラウンドであるとき)は、後述するS941に進む。一方、S932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドであるときは、今回の処理が各ラウンドの開始時であるか否かを判断するために、前述のS907または後述するS967によりラウンド開始時を示すためにセットされるラウンド開始時フラグがセットされているか否かを確認する(S933)。
S933でラウンド開始時フラグがセットされていないときは、後述するS937に進む。一方、S933でラウンド開始時フラグがセットされているときは、演出表示装置9で大当り遊技状態中におけるラウンド数表示(現在のラウンド数の表示)をするためにラウンド数を計数する計数手段であるラウンド数表示カウンタの値を+1(加算)する(S934)。ラウンド数表示カウンタは、各大当り遊技状態の開始時に初期値として設定された「0」から、開放中1指定コマンドが受信されるごとに、「1」ずつ加算更新されることとなる。なお、ラウンド数表示カウンタは、このようなラウンド中処理で更新することに代えて、ラウンド後処理(S806)においてラウンドの終了時のタイミングで加算更新してもよく、ラウンド中処理(S805)の前に各ラウンドの開始時に実行するラウンド開始処理が設けられるときには、そのラウンド開始処理においてラウンドの開始時のタイミングで加算更新するようにしてもよい。
次に、ラウンド数表示カウンタの値に基づいて、演出表示装置9における所定の表示領域でラウンド数を表示(更新表示)する(S935)。このように表示されるラウンド数は、前述したように、ラウンド数表示と呼ばれ、次にラウンド数表示カウンタが加算更新されるまで継続表示されることにより、開放中1指定コマンドを受信するごとに更新表示される。そして、ラウンド開始時フラグをリセットし(S936)、S937に進む。ラウンド数表示カウンタは、電源投入後の起動時または各大当り遊技状態の終了時において初期値に設定される。
S937では、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したか否かを確認する(S937)。具体的に、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したときには、コマンド解析処理において当該コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグがセットされ、当該コマンドに基づいて出球個数が更新表示されたとき(S939)に当該コマンド受信フラグがリセットされる(図示省略)。S937では、新たに入賞カウント指定コマンドを受信したか否かを、入賞カウント指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグがセットされているか否かを判断することにより確認する。
S937で新たに入賞カウント指定コマンドを受信しているときは、1回の大当り遊技状態中における入賞球に応じて遊技者に払出された出球の合計数を表示するための計数を行なう計数手段である出球表示カウンタを、カウントスイッチ23による1個の遊技球の検出(1入賞)に対して設定された払出個数分(たとえば、15個)加算更新する(S938)。これにより、出球表示カウンタは、各大当り遊技状態の開始時に設定される初期値としての「0」から、入賞カウント指定コマンドが受信されるごとに、「15」ずつ加算更新されることとなる。出球表示カウンタは、電源投入後の起動時または各大当り遊技状態の終了時において初期値に設定される。
次に、S937で加算更新された出球表示カウンタの計数値に基づいて、演出表示装置9における特定の表示領域で当該大当り遊技状態中における出球数(更新表示)を表示する(S939)。その後、S941に進む。このように表示される出球数は、前述したように出球数表示と呼ばれ、次に出球表示カウンタが加算更新されるまで継続表示されることにより、入賞カウント指定コマンドを受信するごとに更新表示される。
一方、前述のS937で新たに入賞カウント指定コマンドを受信していないときは、ラウンド数表示を更新せずに、後述するS941に進む。
また、前述のS932により今回のラウンドが開放中1指定コマンドを受信したラウンドではないとき(開放中2指定コマンドを受信したラウンドであるとき)は、S937〜S939の処理を経ずにS941に進むので、入賞カウント指定コマンドを受信しても、出球表示カウンタが更新されず、出球数表示が更新されないこととなる。
S941では、いずれかの大当り終了指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグである大当り終了指定フラグがセットされているか否かを確認する(S941)。このような大当り終了指定フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、いずれかの大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示すコマンド受信フラグである大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(S942)。
S942でいずれの大入賞口開放後フラグもセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S943)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S1904)。たとえば、演出表示装置9においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S945)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(946)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S947)、処理を終了する。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、たとえば、各種演出制御が行なわれる。
S942において大入賞口開放後フラグがセットされているときは、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、セットされている大入賞口開放後フラグをリセットし(S948)、大入賞口開放後指定コマンドの内容(長開放と短開放とのどちらであるか、および、何回目の開放であるかというような内容)に基づいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S949)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S950)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定する(S951)。
SS941において大当り終了指定フラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560からいずれかの種類の大当り終了指定コマンドを受信したときである。この場合、演出制御用CPU101は、セットされている大当り終了指定フラグセットフラグをリセットする(S952)。次いで、受信した当り終了指定コマンドに応じてエンディング演出(大当り終了演出)に応じたプロセスデータを選択する(S953)。そして、演出制御用CPU101は、演出時間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(S954)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S955)、ラウンド中処理を終了する。
ここで、演出制御用マイクロコンピュータ100では、特別図柄の変動表示に対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示等の表示制御の他、ランプ等の発光制御およびスピーカ27からの音出力制御等の各種の演出制御をするための多数の処理を実行するものであるため、そのような処理の中で、ラウンド数表示の更新表示等のラウンド対応した表示を行なうために大当り遊技状態中に長開放ラウンドであるか否かを独自に判断する処理を実行することを考えると、そのような場合には、前述のように多数の処理を実行することに起因して、制御プログラムのバグが生じやすく、ラウンド数の更新表示をするか否かの判断を誤る可能性が高くなりやすいという問題があった。
このように問題に対して、ラウンド中処理においては、S932,S935に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドを受信したことに基づいて所定の報知として、ラウンド数表示の更新表示が行なわれるので、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、ラウンド数表示の更新表示を行なうときに、独自の判断のみに基づかず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した開放中指定コマンドに基づいて、単位ラウンドの継続期間(開放時間)の長さを確認してラウンド数表示の更新表示報知をすることが可能となる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100によるラウンド数表示における不具合の発生を低減することができる。
また、ラウンド中処理においては、大当り遊技状態において、S932で短開放ラウンドであるときには、S937〜S939による出球表示を更新表示するための処理を実行しないことにより、出球表示が更新表示されない。これにより、大当り遊技状態中において、短開放ラウンド中に出球表示が制限されるので、実質的に大入賞口に入賞不可能な短開放ラウンドで出球表示の更新表示をしたことにより却って遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
図20は、停電復旧時表示処理(S941)を示すフローチャートである。停電復旧時表示処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
まず、長開放のラウンドであることを特定する開放中1指定コマンドを受信したときであるか否かを、開放中1指定コマンドを受信したときにセットされるいずれかの開放中指定フラグがセットされているかを判断することに基づいて確認する(S921)。
S921により開放中1指定コマンドを受信していないときは、処理を終了する。一方、S921により開放中1指定コマンドを受信したときは、第1確変大当りおよび第2確変大当りに対応して設けられ、開放中1コマンドが示す開放回目とラウンド数表示との関係を記憶したラウンド数表示データに基づいて、停電復旧後に受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放であるかという情報に基づいて、ラウンド表示をするラウンド数を決定する(S922)。この実施の形態では、第1確変大当りおよび第2確変大当りともに、受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放かという情報が、ラウンド表示をするラウンド数の情報と一致しているので、たとえば、受信した開放中1指定コマンドが7回目の開放であることを示すときには、ラウンド数表示をするラウンド数として、7ラウンドを決定する。なお、大当りの種別により開放中1コマンドが示す開放回目とラウンド数表示との関係が異なる場合には、大当り種別ごとに設けられ、開放中1コマンドが示す開放回目とラウンド数表示との関係を記憶したラウンド数表示データを用いて、大当り種別の情報と、停電復旧後に受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放であるかという情報とに基づいて、ラウンド表示をするラウンド数を決定すればよい。
そして、S922により決定されたラウンド数を、ラウンド数表示カウンタの値として設定する(S923)。次に、S923により設定されたラウンド数表示カウンタの値に基づいてラウンド数表示を再開する(S924)。その後、大当り中復旧フラグをリセットし(S925)、処理を終了する。これにより、停電復旧時においては、短開放を示す開放中2指定コマンドを受信してもラウンド数表示が再開されず、長開放を示す開放中1指定コマンド受信したときからラウンド数表示が再開されるので、電源断状態から復旧したときに、ラウンド数表示を行なう対象とする長開放のラウンドの実行に合わせて当該ラウンド数表示が再開されるため、電源断状態からの復旧時に、好適に対応してラウンド数表示を行なうことができる。
なお、この実施の形態では、第1確変大当りおよび第2確変大当りともに、開放中1指定コマンドが示すすべての長開放のラウンドについて、何回目の開放かという情報が、ラウンド表示をするラウンド数の情報と一致しているので、前述のラウンド数表示データを用いずに、受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放であるかという情報に基づいて、ラウンド数表示をするラウンド数を決定するようにしてもよい。
また、たとえば、16ラウンドのうち第5〜第10ラウンドが短開放のラウンドである大当りのように、受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放かという情報が、ラウンド表示をするラウンド数の情報と一致しない場合があるときには、ラウンド数表示データに基づいてラウンド数表示をするラウンド数を決定することにより、停電後の復旧時においても、再開された大当り遊技状態について、正確なラウンド数表示をすることができる。
図21は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S961)。いずれの大入賞口開放中フラグもセットされていないとき、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S962)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED25,28等)の制御を実行する(S1973)。たとえば、演出表示装置9においてインターバル演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってキャラクタROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。この場合、たとえば、ラウンド間のインターバル期間においては、所定のインターバル画像を表示する演出制御が行なわれる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S964)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S965)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S966)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、第1確変大当り、および、第2確変大当りにおいては、ラウンド間で予め定められたインターバル演出が実行される。
S961で大入賞口開放中フラグがセットされているときは、次回のラウンドでの制御の準備のために、前述したラウンド開始時フラグをセットする(S967)。そして、大入賞口開放中フラグをリセットし(S968)、次回のラウンドでのラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S969)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(S970)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S971)。
以上に説明した第1実施形態では、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとして、開放中1指定コマンドまたは開放中2指定コマンドとして送信し、そのコマンドに基づいて、ラウンド数表示の更新表示、および、出球表示の更新表示等のような、長開放ラウンドの実行に基づく演出表示を行なう例を示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとして、開放後1指定コマンドまたは開放後2指定コマンドに基づいて、ラウンド数表示の更新表示、および、出球表示の更新表示等のような、長開放ラウンドの実行に基づく演出表示を行なうようにしてもよい。
また、開放中1指定コマンドおよび開放中2指定コマンドにより長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定する場合には、ラウンド数表示等のために開放中指定コマンドにより長開放ラウンドであるか否かを特定可能であるので、開放後指定コマンドとしては、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定しないようなコマンドを用いてもよい。一方、開放後1指定コマンドおよび開放後2指定コマンドにより長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定する場合には、ラウンド数表示等のために開放後指定コマンドにより長開放ラウンドであるか否かを特定可能であるので、開放中指定コマンドとしては、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定しないようなコマンドを用いてもよい。
また、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとしては、開放中指定コマンドおよび開放後指定コマンドとは別に、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドを送信するようにしてもよい。
また、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドとしては、各ラウンドの開始時のタイミングで送信するコマンド、各ラウンドの終了時のタイミングでに送信するコマンド、および、各ラウンドの開始時と終了時とのいずれでもない各ラウンドの実行中(開放中)のタイミングで送信するコマンドのいずれを用いてもよい。
また、この実施の形態では、長開放ラウンドであるか短開放ラウンドであるかを特定可能なコマンドに基づいて、長開放ラウンドであるときにする報知として、ラウンド数表示を更新する表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドであるときにする報知としては、ラウンド数表示を更新する表示に加えて、または、ラウンド数表示とは別に、長開放ラウンドであることを示す表示等の報知、および、大入賞口への入賞が可能なことを示す表示等の報知のように、その他の報知を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドとして、0.5秒間の開放時間のラウンドのように、実質的に大入賞口への入賞が不可能なラウンドを例示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドとしては、長開放ラウンドよりも開放時間が短いラウンドであれば、実質的に大入賞口への入賞が可能なラウンドであってもよい。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドにおいてラウンド数表示を制限する制御例として、ラウンド数表示を更新しない例を示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドにおいてラウンド数表示を制限する制御例としては、ラウンド数表示を消去する(ラウンド数表示をしない)制御を行なうようにしてもよい(消去されるので、更新表示はされない)。
また、この実施の形態では、短開放ラウンドにおいて出球表示を制限する制御例として、出球表示を更新しない例を示した。しかし、これに限らず、短開放ラウンドにおいて出球表示を制限する制御例としては、出球表示を消去する(出球表示をしない)制御を行なうようにしてもよい(消去されるので、更新表示はされない)。
また、この実施の形態では、出球表示をするときに、図9のS30により大入賞口への入賞に応じて出力される入賞カウント指定コマンドを受信したときに、1個の入賞球に応じて払出す予め定められた個数を図19のS938により加算することにより、入賞ごとに出球表示を更新する例を示した。しかし、これに限らず、出球表示をするときには、図9のS30により大入賞口への入賞に応じて出力されるコマンドが払出個数を特定可能なデータを含み、演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した当該コマンドに基づいて払出個数を認識して入賞ごとに出球個数を更新するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態中に電源断状態となった後の停電復旧時に、図9のS43で停電復旧コマンドが送信された後、バックアップ記憶に基づいて再開された遊技制御において、開放中指定コマンドが送信されたときに、図19のS940、および、図20のS921〜S924で、ラウンド数表示(ラウンド数表示の更新表示)が再開される例を示した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態中に電源断状態となった後の停電復旧時に、停電復旧コマンドと、バックアップ記憶された遊技状態を特定可能なコマンドと、バックアップ記憶された遊技状態が大当り遊技状態中であるときにはそのラウンド数を特定可能なコマンドとを送信し、演出演出制御用マイクロコンピュータ100側では、そのような停電復旧時のコマンドに基づいて、ラウンド数表示(ラウンド数表示の更新表示)を再開する制御を行なうようにしてもよい。
また、大当り遊技状態中に停電により電源断状態となった後の停電復旧時において演出を再開する制御としては、演出制御用マイクロコンピュータ100側で停電時にバックアップ記憶用の記憶手段(バックアップRAM)を設ける場合には、停電時に大当り遊技状態で中断されたラウンド数、中断された出球表示の数をバックアップ記憶し、停電復旧時に、停電復旧コマンドを受信したときに、大当り遊技状態から遊技制御を再開する場合には、バックアップ記憶されたラウンド数のデータに基づいてラウンド数表示を再開し、バックアップ記憶された出球表示の数のデータに基づいて出球表示を再開するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態中に遊技者に付与された利益に関する利益特定表示として、出球表示をさせる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当り遊技状態中に遊技者に付与された利益に関する利益特定表示としては、出球表示に加えて、または、出球表示に代えて、大入賞口への合計入賞個数を特定可能な表示、大入賞口の合計開放回数を特定可能な表示等のその他の表示を行なうようにしてもよい。そして、このようなその他の利益特定表示を行なう場合にも、前述したように、短開放ラウンドにおいては、利益特定表示を制限する制御を行なえばよい。
また、この実施の形態では、図7(B)および図8(B)に示したように、長開放のラウンドと短開放のラウンドとよりなる開放パターンとして、短開放のラウンドを大当り遊技状態の後半部において実行する開放パターンを例示した。しかし、これに限らず、長開放のラウンドと短開放のラウンドとよりなる開放パターンとしては、短開放のラウンドを大当り遊技状態の前半部(たとえば、第1〜第6ラウンド)において実行する開放パターンを用いてもよく、また、短開放のラウンドを大当り遊技状態の中間部(たとえば、第7〜第11ラウンド)において実行する開放パターンを用いてもよい。
また、この実施の形態では、停電復旧時において復旧画面を表示した後の制御再開時にラウンド数表示、および、出球表示を再開する例を示した。しかし、これに限らず、復旧画面を表示するときに、合わせてラウンド数表示、および、出球表示を再開する演出制御を行なうようにしてもよい。また、大当り遊技状態中に遊技領域7の右側へ遊技球を打つことを案内する表示(所謂右打ち表示)等の遊技案内表示をするパチンコ遊技機では、遊技案内表示を、ラウンド数表示および出球表示と同様の制御態様で再開する演出制御を行なうようにしてもよい。また、大当り遊技中において、ラウンド数表示、出球表示、および、遊技案内表示をする演出制御を行なうときには、前述の復旧画面を表示するとき合わせて、これらのうちのいずれか1つの表示、または、これらのうちいずれかの表示の組合せを表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、長開放ラウンドとして、所定期間(たとえば、29秒間)開放し続ける開放態様のラウンドを示した。しかし、これに限らず、長開放ラウンドとしては、所定期間中において、一旦短開放して閉状態となった後に長開放する開放態様のラウンドであってもよく、また、所定期間中(たとえば、29秒間)において、複数回開放(入賞可能な態様で複数回開放)する開放態様のラウンドであってもよく、このような開放態様の長開放ラウンドにおいて、前述のようなラウンド数表示および出球表示を行なうようにしてもよい。
また、長開放ラウンドとして、所定期間(たとえば、29秒間)中において、一旦短開放して閉状態となった後に長開放する開放態様のラウンド(一旦短開放と見せかけて長開放とするようなラウンド)を用いる場合には、そのラウンド中における短開放期間中ではラウンド数の表示および出球の表示を行なわず、そのラウンド中における長開放期間中にラウンド数の表示および出球の表示を行なうようにしてもよい。
また、前述の長開放ラウンドに対応して第1の動画等の長開放ラウンド画像を設けるとともに、短開放ラウンドに対応して第2の動画等の短開放ラウンド画像を設け、長開放ラウンドおよび短開放ラウンドのそれぞれに対応するラウンド画像を表示する演出制御を行なうようにしてもよい。その場合には、所定の報知として、前述のようなラウンド数表示の更新表示を行なう代わりに、これらラウンド画像を表示する演出制御を行なうようにしてもよい。また、所定の報知としては、前述のようなラウンド数表示の更新表示に加えて、これらラウンド画像を表示する演出制御を行なうようにしてもよい。
また、前述の停電復旧後の出球表示としては、次のような表示制御を行なうようにしてもよい。停電復旧後の出球表示としては、出球表示をまったく行なわないようにしてもよい。停電復旧後の出球表示としては、復旧してからの出球数を計数して出球表示を行なうようにしてもよい。停電復旧後の出球表示としては、復旧前の大当り遊技状態の開始時からこれまでに獲得したであろう出球の期待値(たとえば、大当り開始後長開放ラウンドの3回目の開放回で停電したのであれば1〜2回目の長開放ラウンドで最大限得られると想定される出球数、または、大当り開始後長開放ラウンドの1〜2回目の開放回に加えて3回目の開放回の途中まで得られると想定される出球数のような停電したラウンド数に対応して予め定められた出球数)を出球表示として行なうようにしてもよい。停電復旧後の出球表示としては、出球表示の個数を「?」というような具体的に個数を示さない表示態様で表示するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置20を、第1の期間で長開放ラウンドで開閉した後、第2の期間で短開放ラウンドで開閉し、その後の第3期間でさらに長開放ラウンドで開閉する制御を行なうときのラウンド表示の表示制御例を説明する。
具体的に、大当り種別として、大当り遊技状態において、たとえば、第1〜第4ラウンドを長開放ラウンド、第5〜第12ラウンドを短開放ラウンド、第13〜第16ラウンドを長開放ラウンドとする開放パターンの大当りが選択可能に設けられた場合、当該種別の大当りの大当り遊技状態において大入賞口に実質的に遊技球が入賞可能なラウンドは、第1〜第4ラウンド、および、第13〜第16ラウンドとなる。
このような大当りでは、第1〜第4ラウンドにおいて、長開放であることを特定する開放中指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、第5〜第12ラウンドにおいて、短開放であることを特定する開放中指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、第13〜第16ラウンドにおいて、長開放であることを特定する開放中指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される。
このような開放中指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100では、図19のラウンド中処理において、第1〜第4ラウンドでS932〜S936が実行されて第1〜第4ラウンドというようにラウンド数を更新表示する処理が行なわれ、第5〜第12ラウンドでS932〜S936が実行されずにラウンド数を更新表示する処理が行なわれず、第13〜第16ラウンドでS932〜S936が実行されて第5〜第8ラウンドというようにラウンド数を更新表示する処理が行なわれる。これにより、このような大当りにおいては、第1の期間での長開放ラウンドに応じてラウンド数表示を更新する制御が行なわれ、第2の期間での短開放ラウンドに応じてラウンド数表示を更新する制御が行なわれず、その後、第3期間での長開放ラウンドに応じてラウンド数表示を更新する制御が行なわれる。
このような第2実施形態では、大当り遊技状態において、長開放ラウンドの期間である第1の期間中にラウンド数表示の更新表示がされ、短開放ラウンドの期間である第2の期間中にラウンド数表示の更新表示がされず、その後、長開放ラウンドの期間である第3の期間中にラウンド数表示の更新表示がされるので、たとえば開放時間が短い短開放ラウンドにおいてラウンド数表示の更新表示がされてしまうことにより、遊技者のラウンド数表示に対する期待感が損なわれてしまうのを防ぐことができる。
このような第2実施形態で、ラウンド数表示として、大当り遊技状態中に実行可能なラウンドの残数をアイコン画像により示すときには、たとえば、まず第1期間における残りラウンド数(4ラウンド)に対応する4つのアイコン画像を表示した後、表示された残りラウンド数が長開放ラウンドの実行によりすべて消化されたときに、ラウンドが継続するか否かの演出を行なって、ラウンドが継続する旨を示した後に、まだ消化していない第3期間における残りラウンド数(4ラウンド)に対応する4つのアイコン画像を表示し、長開放ラウンドの実行にしたがってアイコン画像を消去する演出制御を行なうようにしてもよい。
また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の画像色を当初の画像色から特定の画像色(ラウンドが消化されたことを示す色)に変化させる表示を行なうようにしてもよい。また、ラウンド数表示として、ラウンドの残数に対応した数のアイコン画像を表示するときには、ラウンドが実行されるごとに当該アイコン画像の形状を当初の画像形状から特定の画像形状(ラウンドが消化されたことを示す形状)に変化させる表示を行なうようにしてもよい。
また、このような第2実施形態では、大当りの種別により開放中1コマンドが示す開放回目とラウンド数表示との関係が異なる。これにより、第2実施の形態において、第1実施形態で示したような停電復旧後にラウンド数表示をするときには、大当り種別ごとに設けられ、開放中1コマンドが示す開放回目とラウンド数表示との関係を記憶したラウンド数表示データを用いて、大当り種別の情報と、停電復旧後に受信した開放中1指定コマンドが示す何回目の開放であるかという情報とに基づいて、ラウンド表示をするラウンド数を決定すればよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図7および図14のS406,S407に示すように、大当り遊技状態の進行に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドと、長開放ラウンドよりも継続期間(開放時間)が短い短開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中2指定コマンドとのいずれかが送信される。そして、図8および図19のS932,S935に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により、長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドを受信したことに基づいて所定の報知として、ラウンド数表示の更新表示が行なわれるので、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、ラウンド数表示の更新表示を行なうときに、独自の判断のみに基づかず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した開放中指定コマンドに基づいて、単位ラウンドの継続期間(開放時間)の長さを確認してラウンド数表示の更新表示報知をすることが可能となる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100によるラウンド数表示における不具合の発生を低減することができる。
(2) 大当り遊技状態中に電源断状態となった後の停電復旧時に、図9のS43で停電復旧コマンドが送信された後、バックアップ記憶に基づいて再開された遊技制御において、開放中指定コマンドが送信されたときに、図19のS940、および、図20のS921〜S924で、ラウンド数表示(ラウンド数表示の更新表示)が再開されることにより、大当り遊技状態において停電による電源断状態となった後に当該電源断状態から復旧したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から長開放ラウンドを実行することを特定可能な開放中1指定コマンドを受信したことに基づいて、ラウンド数表示の更新表示が再開される。これにより、電源断状態から復旧したときに、ラウンド数表示の更新表示を行なう対象とする長開放ラウンドの実行に合わせて当該ラウンド数表示が再開されるため、電源断状態からの復旧時に、好適に対応してラウンド数表示を行なうことができる。
(3) 図19に示すように、大当り遊技状態において、S932で短開放ラウンドであるときには、S937〜S939による出球表示を更新表示するための処理を実行しないことにより、出球表示が更新表示されない。これにより、大当り遊技状態中において、短開放ラウンド中に出球表示が制限されるので、実質的に大入賞口に入賞不可能な短開放ラウンドで出球表示の更新表示をしたことにより却って遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
(4) 第2実施形態に示すように、大当り遊技状態において、長開放ラウンドの期間である第1の期間中にラウンド数表示の更新表示がされ、短開放ラウンドの期間である第2の期間中にラウンド数表示の更新表示がされず、その後、長開放ラウンドの期間である第3の期間中にラウンド数表示の更新表示がされるので、たとえば開放時間が短い短開放ラウンドにおいてラウンド数表示の更新表示がされてしまうことにより、遊技者のラウンド数表示に対する期待感が損なわれてしまうのを防ぐことができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(2) 前述した実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(3) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(4) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(5) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。