JP2018109731A - コヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法 - Google Patents

コヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法 Download PDF

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淳一 古本
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Abstract

【課題】レーザ光を任意の方向へ高速に変化させる。【解決手段】コヒーレント光反射方向制御装置1に、ガラス基板75cの表面から入光したレーザ光101が反射する反射光102の位相を部位72a別に任意に変化させる液晶層75aと、当該液晶層75aの前記ガラス基板75cと反対側に前記ガラス基板75cと平行に複数配置されて前記液晶層75aでの反射位相を前記部位別に制御する複数の素子電極74cと、前記複数の素子電極74cを制御して前記部位72a毎の反射位相を調整することにより前記反射光102の方向をコヒーレント光のまま変化させる制御部5を備え、前記複数の素子電極74cを、隣接する前記素子電極74cの中心間距離74kが前記光の波長以下となるように配置した。【選択図】図3

Description

この発明は、例えばコヒーレント光の反射方向を任意に変更するようなコヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法に関する。
従来、様々な用途でレーザ光が用いられている。このレーザ光の方向を任意に変更する方法としては、モータ等の機械的要素を用いて、レーザ光の照射口の方向を物理的に変更する方法が考えられる。また、レーザ光の照射方向はそのままで、レーザ光を照射する照射対象物を物理的に移動させて照射位置を変更する方法も考えられる。
しかしながら、このような物理的な方法によると、レーザ光の方向変更や照射位置変更に機械的な動作時間が必要になり、時間的な限界があるという問題点があった。
一方で、このようなレーザ光を利用するものとして、レーザ光を利用したドップラーライダー方式のマルチライダーシステムが提案されている(特許文献1参照)。このマルチライダーシステムは、「レーザ光の方位スキャン機構の使用により計測周期に機械的な限界(段落[0040]参照)」があるという課題に対して、各々の光軸を左右方向または上下方向に独立して指向させることにより、計測領域を広範囲とする(段落[0009]参照)ことができとされている。
しかしながら、このマルチライダーシステムは、単に指向方向の異なる複数のレーザ照射装置を設けたに過ぎないものであり、レーザ光の照射方向を自由かつ高速に変更できるというものではなかった。
特開2012−083267号公報
この発明は、上述の問題に鑑みて、レーザ光を任意の方向へ高速に変化させることのできるコヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法を提供することを目的とする。
この発明は、入光面から入光したコヒーレント光が反射する反射光の位相を部位別に任意に変化させる反射光位相変化層と、当該反射光位相変化層の前記入光面と反対側に前記入光面と平行に複数配置されて前記反射光位相変化層での反射位相を前記部位別に制御する複数の部位別制御素子と、前記複数の部位別制御素子を制御して前記部位毎の反射位相を調整することにより前記反射光の方向をコヒーレント光のまま変化させる反射方向制御部を有し、前記複数の部位別制御素子は、隣接する前記部位別制御素子の中心間距離が前記光の波長以下となるように配置されているコヒーレント光反射方向制御装置であることを特徴とする。
この発明により、レーザ光を任意の方向へ高速に変化させるコヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法を提供できる。
任意方向レーザ光照射装置の構成を示す構成図。 反射型光位相変調器の説明図。 部位および素子電極周辺の一部断面拡大斜視図。 部位毎に反射光の位相を変化させる仕組みを説明する一部拡大断面図。
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、任意方向レーザ光照射装置1の構成を示す構成図である。
任意方向レーザ光照射装置1は、レーザ光を大気中に放射(送信)する送信部3(レーザ光照射装置)と、操作入力を受け付け情報を表示する入力表示部6と、送信部3の後段及び受信部4の前段に設けられた光学ヘッド部7と、送信部3と入力表示部6と光学ヘッド部7の動作制御を行う制御部5を備えている。
<送信部>
送信部3は、レーザ光源2と、レーザ光出力制御部21,22と、AOMドライバ34と、パルス生成器35と、AMP38とを備えている。
レーザ光源2は、例えば、波長が1.5μm帯の近赤外線域レーザ光を連続的に生成する半導体レーザにより構成するなど、適宜のレーザ光を生成する光源により構成されている。当該レーザ光の出力は、レーザ光源2に接続されたレーザ光出力制御部21によって制御される。
レーザ光源2が生成したレーザ光は、小径光ファイバ30を通じて送信部3に出力される。ここで、小径光ファイバ30は、コア径の小さな、例えば、コア径が10μmの光ファイバが用いられる。
レーザ光源2の後段には、光アイソレータ31、光分岐カプラ32a,32b、パルス生成器35、光分岐カプラ37a,37b、及びAMP38が、この順に直列にそれぞれ小径光ファイバ30により接続されている。
光アイソレータ31は、レーザ光源2から放射されるレーザ光を入光し、レーザ光の進行方向側から反射して戻ってくる光を除去する。
光分岐カプラ32aは、光アイソレータ31を通過したレーザ光を分岐し、一部(例えば1%)を光分岐出力端子からモニタ(図示せず)に出力し、残部(例えば99%)を小径光ファイバ30を通じて光合成カプラ32bに出力する。
光合成カプラ32bは、モニタ(図示省略)を通過して入力された分岐レーザ光と、小径光ファイバ30を通過してきた残りのレーザ光とを合流させ、合流したレーザ光をパルス生成器35に出力する。
これにより、モニタ(図示省略)は、当該モニタを通過する分岐レーザ光を監視でき、小径光ファイバ30を通過するレーザ光の状態を間接的に監視できる。このように、光分岐カプラ32aと光合成カプラ32bとは、モニタ用の分岐レーザ光の出力ポート及び入力ポートとして機能している。
パルス生成器35は、音響光学変調器(Acousto‐OpticModulator:AOM)を用いて、レーザ光の短パルスを生成し、光合成カプラ32bから入光するレーザ光をパルスレーザ光にして光アイソレータ36へ出力する。パルス生成器35には、AOMドライバ34が接続されている。このAOMドライバ34は、パルス生成器35により生成する短パルスのパルス幅や時間間隔を制御する。
なお、用途に応じて、パルスレーザ光ではなく連続レーザ光を用いる場合、パルス生成器35は、パルスを生成せずに、入光したレーザ光をそのまま出力する。
光アイソレータ36、光分岐カプラ37a、および光合成カプラ37bは、取り扱うレーザ光としてパルスレーザ光も取り扱う点以外は、上述した光アイソレータ31、光分岐カプラ32a、および光合成カプラ32bと同一の構成および動作であるため、その詳細な説明を省略する。
AMP38は、例えば、エルビウムドープトファイバー増幅器(EDFA)等の増幅器であり、光合成カプラ37bから入光したレーザ光を増幅する。AMP38は、増幅したレーザ光をビームエキスパンダ71へ出力する。AMP38には、レーザ光出力制御部22が接続されている。このレーザ光出力制御部22は、AMP38からのレーザ光の出力を制御する。
AMP38は、送信部3の外部へレーザ光を出力する大径光ファイバ40が接続されている。
大径光ファイバ40は、例えば、コア径が30μmの大径光ファイバなど、小径光ファイバ30よりもコア径の大きな光ファイバが用いられている。
大径光ファイバ40の後段には、光学ヘッド部7が接続されている。
<制御部>
制御部5は、送信部3から出力するレーザ光の制御、および、光学ヘッド部7の反射型光位相変調器72(コヒーレント光反射方向制御装置)の部位別の位相制御を行う。制御部5は、これらの制御を、入力表示部6で入力された情報に従って実行し、実行結果等を入力表示部6に表示する。
<入力表示部>
入力表示部6は、文字や図形などの画像を表示するディスプレイにタッチ入力を受け付けるタッチパネルが重ねられて構成されている。入力表示部6は、ディスプレイに操作用画面や動作結果等を表示し、操作用画面における各種入力を受け付けて制御部5に送信する。
<光学ヘッド部>
光学ヘッド部7は、ビームエキスパンダ71と、反射型光位相変調器72と、これらを支持する支持体73とを備えている。そして、ビームエキスパンダ71の中心線上に反射型光位相変調器72の中央が位置するように配置されている。
反射型光位相変調器72には、反射型光位相変調器72に印加する電圧を細かく制御する制御部5が接続されている。この制御部5により、送信部3から送信するレーザ光の照射タイミングと、反射型光位相変調器72による反射方向が制御され、所望の方向へレーザ光を照射してその反射光を受信部4で受信することを実現している。
支持体73は、温度変化に伴う寸法変化(熱変形)が非常に小さい材料で構成されている。この実施例では、熱膨張係数が0±0.19ppm/K(20〜25度)で、室温付近ではほとんど変形しない「LEX−ZERO」(登録商標)を使用する。
ビームエキスパンダ71は、大径光ファイバ40を介して、送信部3のAMP38に接続されている。
ビームエキスパンダ71は、入力されたレーザ光(送信光)をコリメート光(平行光線束)のままで一定の倍率に拡大するためのレンズ系である。この実施例のビームエキスパンダ71は、コア径が30μmの大径光ファイバ40を介して入力されたレーザ光を、ビーム径が約3cmのコリメート光に拡大する。ビームエキスパンダ71で拡径されたコリメート光は、反射型光位相変調器72に照射される。
反射型光位相変調器72は、ビームエキスパンダ71から入光したコリメート光を、制御部5の制御に従って部位別に位相を変化させ、この位相の変化によって反射光の方向を全体として任意の方向へ変化させる。
≪反射型光位相変調器≫
図2は、反射型光位相変調器72の説明図であり、図2(A)は、反射型光位相変調器72の断面構造を示す断面図、図2(B)は、反射型光位相変調器72の外観を示す正面図、図2(C)は、反射型光位相変調器72の電極配置を示す一部拡大正面図である。
反射型光位相変調器72は、全体の大きさが直径3cm程度に形成され、Silicon(シリコン)基板74a上に液晶層75aを配置した構造で、アドレス部74と光変調部75とを備えている。
アドレス部74は、シリコン基板74aの層の上にCMOSによるマトリクス回路74bの層が形成され、マトリクス回路74bの層の上に、複数の素子電極74c(電極)が平面状に等間隔で配置されている。
光変調部75は、アドレス部74の上方に配置され、下方から上方へ向かって、液晶配向膜75e、液晶層75a、液晶配向膜75d、透明電極75b、およびガラス基板(透明基板)75cがこの順に積層されている。
液晶層75aは、上下が液晶配向膜75d、75eで挟まれ周囲がスペーサ75fで囲まれている。
この液晶層75aは、それぞれの素子電極74cに対応する領域(素子電極74cの上部領域)がそれぞれ部位72aを構成している。すなわち、液晶層75aに存在する液晶は、素子電極74cごとに部位72a単位で駆動される。
液晶配向膜75d、75eは、液晶層75a内の液晶分子を基板(ガラス基板75c及びシリコン基板74a)に平行に配向させるためのものである。なお、ガラス基板75cの表面は、レーザ光が入光する入光面として機能する。
スペーサ75fは、液晶層75aの上下方向の幅を一定にするためのものであり、シール材料が含まれている。
シリコン基板74aの下層には、ペルチェ素子を用いたペルチェクーラ76が設けられている。このペルチェクーラ76は、反射型光位相変調器72全体の温度制御を行う。
このように構成された反射型光位相変調器72は、強誘電マイクロ液晶表示素子(Liquid Crystal On Silicon)となる。
素子電極74cに印加する電圧は、制御部5によって、当該素子電極74c毎に(当該素子電極74cに対応する部位72a毎に)独立して制御される。これにより、制御部5は、透明電極75bと素子電極74cの間の電圧を部位72a毎に制御する。
ここで、素子電極74cに電圧を徐々に印加していくと、ある閾値電圧を境にして、液晶層75a内の素子電極74c直上の液晶分子(部位72a内の液晶分子)は、基板75c、74aに対して徐々に立ち上がり始め、素子電極74cに近い部位から液晶面が立って(液晶分子が揃って)固体状(光不透過状態)に変化する。すなわち、液晶層75aの下層の一部が固体状になり、上層の残部が液体状(光透過状態)になることで、上層から入光した光が固体状の表面(立っている液晶面の上面)で反射する状態となる。そして、さらに電圧を印加すると、遂には、当該液晶分子は素子電極74cから最も遠い位置まで液晶分子が立って固体状となる。
このようにして、液晶層75aは、液体状の部位と固体状の部位とで屈折率に差が生じ、この境界面でレーザ光を反射する。境界面から素子電極74cまでの距離が電圧によって変化するため、部位72a内でのレーザ光の反射位置を変化させることができ、隣接する部位72aでの反射光の位相に差を生じさせることができる。
尚、素子電極74cに印加する電圧の制御は、素子電極74cに接続されたマトリクス回路74bを介して、FPGA等による制御IC(図示せず)により行われる。また、マトリクス回路74bにはPad(図示省略)が設けられている。
図2(B)に示すように、反射型光位相変調器72は、複数の部位72aで構成され、素子電極74cに対応して部位72aが平面状に等間隔で配置されている。素子電極74c(図2(C)参照)間の間隔はレーザ光の波長より短いため、部位72a間の間隔も同様にレーザ光の波長より短くなっている。
図2(C)に示すように、素子電極74cは、隣接する素子電極74cの中心間距離が全て等しくなるように、素子電極74cの中心が正三角形の頂点となるように配置されている。素子電極74cの平面形状は正六角形や円形など適宜の形状に形成されている。この実施例では、正面視正六角形の素子電極74cが絶縁層74zの幅74pだけ離間してハニカム状に配置されている。
各素子電極74cの中心74y同士の中心間距離74kは、レーザ光の波長より短いことが必要であり、レーザ光の波長の0.7倍以下がより好ましく、0.5倍以下が好適である。この実施例では、中心間距離74kは、レーザ光の波長の0,5倍に形成されている。素子電極74cの材料は、レーザ光を高効率で反射するアルミ等が用いられる。
図3は、部位72aおよび素子電極74c周辺の一部断面拡大斜視図であり、図4は、素子電極74c毎に電圧制御して部位72a毎にレーザ光の反射光の位相を変化させる仕組みを説明する一部拡大断面図である。
図3に示すように、反射型光位相変調器72に入射したコリメート光(平行光線束)は、平面状に等間隔で配置された複数の部位72aにより位相変調され反射される。
詳述すると、図4に示すように、入射したレーザ光101(101A,101B,101C,101D)は、部位72a毎に境界面72b(表面)で反射される。この境界面72bは、電圧印加で立ったことにより固体状となった固体状部72cと、その上方にある液晶層75aの残部との境界面である。
境界面72bは、素子電極74c毎に電圧が異なっていることにより、部位72a毎に高低差103ずつ異なる高さとなっている。このため、コリメート光(平行光線束)の各平行光線であるレーザ光101が各境界面72bで反射した反射光102(102A,102B,102C,102D)は、隣接するレーザ光101が各境界面72bまで到達する位相の差である入光位相差105から、反射光において本来位相が揃う位置までの反射光位相差107を除算した距離分の位相差が生じる。
この反射のとき、各部位72aの中心74yが正三角形の頂点をなすように三角形配置とされているため、入射したコリメート光がそのままコリメート光として反射される。
従って、隣接する各部位72aでの反射光の位相がずれていることにより、このずれた位相を合わせるように反射光のコリメート光が全体として屈曲(若しくは湾曲)する。
すなわち、制御部5(図1参照)の制御により、隣接する部位72aの各素子電極74cに印加する電圧を素子電極74cの配置方向へ少しずつ系統的に変化させる(連続的に変化させる)と(例えば少しずつ電圧を上げる、あるいは少しずつ電圧を下げるなど)、隣接する各部位72aが反射後に出射する各平行光線の位相は少しずつ系統的に変化(連続的に変化)する。すなわち、平面状に配置された部位72aにより、各平行光線の位相は2次元的に変調される。そして、少しずつ系統的に位相の変化した反射後の各平行光線は、ホイヘンスの原理により、全体として平行光線束となり、各平行光線の通常の反射方向(鏡により反射する方向)とは異なる所定の方向に全体として放射される。すなわち、少しずつ位相の異なる平行光線が相互に干渉し、通常の直進方向よりも位相の進んでいる方(若しくは遅れている方)へ全体としての平行光線束が傾斜した方向へ放射される。また、この印加する電圧の系統的な変化量を変化させることで、通常の反射方向に対して平行光線束の方向を変化させることができる。この変化の範囲は、通常の反射方向を中心として平行光線束の角度を15°から−15°程度の範囲とし、通常の反射方向を軸心として全周方向とするなど、適宜の範囲とすることができる。
なお、液晶層75aは、境界面75aの最高位置から最低位置までの境界高低差104(変動可能距離)が、レーザ光の1波長の距離と同一かそれ以上に変化させることができるように構成されている。すなわち、液晶層75aは、境界面75aによる反射光の位相を少なくとも2πの範囲で変更可能に構成されている。
これにより、隣接する部位72aの境界面75aを少しずつずらして最初の反射光からの位相差が1波長までくると、再度境界面75aを最高位置(若しくは最低位置)にして繰り返すことができ、広い面積において部位72a間の反射光位相差を均一(若しくは精度よく調整)にすることができる。
このように、境界面75aの高さが最高位置から最低位置まで少しずつ変化する一グループを構成する部位72aの数が多ければ(隣接する境界面75aの高低差が小さければ)、反射光の方向は通常の反射光と少し異なり、一グループを構成する部位72aの数が少なければ(隣接する境界面75aの高低差が大きければ)、反射光の方向は通常の反射光と大きく異なる。
したがって、1グループの数を同じ数でずっと繰り返すと、コヒーレント光をそのまま平行な光として任意の方向へ反射させることができる。
中央ほど一グループの数が多く外周ほど一グループの数が少ないようにすると凹状鏡(パラボナアンテナ状の鏡)で反射するような効果を発揮して反射光を任意の1点に集中させることができる。
逆に、中央ほど一グループの数が少なく外周ほど一グループの数が多いようにすると、凸状鏡で反射するような効果を発揮して反射光を放射状に拡散することができる。
以上の構成により、部位72aの素子電極74cに印加する電圧を制御部5で系統的に制御でき、反射型光位相変調器72に入射し反射後に放射される放射平行光線束の放射方向の制御が可能となる。この放射平行光線束の放射方向は、連続的、且つ任意に変更することができる。
また、電気的な制御により、放射平行光線束の放射方向の制御がなされるため、機械的に照射方向を変更するよりも高速で放射方向を変更することが可能である。例えば、1秒間に1000回程度の放射方向の変更が可能である。
さらに、機械的な機構がないため故障の起きる恐れが少なく、例えば航空機に搭載するなど振動の生じるような設置場所でも、振動により精度に狂いが生じることを防止できる。尚、放射平行光線束の放射方向の制御は、位相制御のされていない各平行光線の反射方向とのなす角が15度以内で可能である。
光学ヘッド部7(図1参照)の支持体73に、温度変化に伴う寸法変化(熱変形)が非常に小さい材料を使用し、且つ反射型光位相変調器72全体の温度制御に、ペルチェ素子を用いたペルチェクーラ76を使用しているため、温度変化の激しい環境下に光学ヘッド部7が設置されても、温度変化によって性能が害されることを防止できる。
また、反射光を一点に集中させれば、レーザ光によって物を切断するレーザカッターとして利用することができる。この場合、電圧制御によってレーザ光が集中する位置を任意かつ高速に移動することができるため、照射方向を高速制御して任意の形状に拘束でカットすることが可能となる。
また、レーザ光が大気中の塵等で反射した反射光のドップラーシフトから大気状況を観測するドップラーライダーのレーザ照射部に用いた場合、任意の方向へ高速にレーザ光を照射して様々な方向の大気状況(風速、風向、乱流等)を高速に取得することができる。
尚、この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
例えば、ビームエキスパンダ71と、反射型光位相変調器72は、正面対向させて平行配置としたが、これに限らず、ビームエキスパンダ71のレーザ光の照射面に対して反射型光位相変調器72を傾斜させて配置してもよい。この場合は、反射光の方向制御が可能な範囲の中心以外に照射不可領域を位置させることができる。
また、液晶層75aの代わりに、複数の結晶を積層させた結晶層を用いることもできる。この場合、結晶としては、KTP結晶、SLLT結晶、SLN結晶等、様々な結晶を用いることができる。
このように結晶層を用いた場合も、電極から結晶層にかける電圧等によって、レーザ光を様々な方向へ照射することができる。すなわち、結晶層を用いた場合は、複数の部位別制御素子の制御なく光の方向をコヒーレント光のまま変化させることもできる。
この発明は、レーザ光で物を加工する産業、レーザ光で風況を観測する産業など、レーザ光を利用する様々な産業に利用することができる。
1…任意方向レーザ光照射装置
3…送信部
5…制御部
72…反射型光位相変調器
72a…部位
72b…境界面
74c…素子電極
74k…中心間距離
75a…液晶層
75b…透明電極
75c…ガラス基板
101,101A,101B,101C,101D…レーザ光
102,102A,102B,102C,102D…反射光
104…境界高低差

Claims (7)

  1. 入光面から入光したコヒーレント光が反射する反射光の位相を部位別に任意に変化させる反射光位相変化層と、
    当該反射光位相変化層の前記入光面と反対側に前記入光面と平行に複数配置されて前記反射光位相変化層での反射位相を前記部位別に制御する複数の部位別制御素子と、
    前記複数の部位別制御素子を制御して前記部位毎の反射位相を調整することにより前記反射光の方向をコヒーレント光のまま変化させる反射方向制御部を有し、
    前記複数の部位別制御素子は、
    隣接する前記部位別制御素子の中心間距離が前記光の波長以下となるように配置されている
    コヒーレント光反射方向制御装置。
  2. 前記複数の部位別制御素子は、各隣接する前記部位別制御素子の中心位置が三角形の頂点となるように整列配置された
    請求項1記載のコヒーレント光反射方向制御装置。
  3. 前記反射光位相変化層は、液晶素子が充填された液晶層または複数の結晶が積層された結晶層により構成され、
    前記部位別制御素子は、前記液晶層に電圧をかける電極により構成され、
    前記反射光位相変化層の前記入光面側に、光を透過する透明電極が設けられた
    請求項1または2記載のコヒーレント光反射方向制御装置。
  4. 前記液晶層は、
    前記電極からの電圧によって前記電極側の一部が固体化する構成であり、
    前記固体化した前記液晶層の部位の表面から前記入光面までの距離が変動することによって前記反射光の位相を変更する
    請求項3記載のコヒーレント光反射方向制御装置。
  5. 前記液晶層は、
    前記入光面から前記固体化した部位の表面までの距離の変動可能距離が前記光の波長と同一かそれ以上である
    請求項4記載のコヒーレント光反射方向制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のコヒーレント光反射方向制御装置と、
    前記コヒーレント光反射方向制御装置に前記入光面からコヒーレントのレーザ光を入光させるレーザ光照射装置とを備えた
    任意方向レーザ光照射装置。
  7. 入光面から入光したコヒーレント光が反射する反射光の位相を部位別に任意に変化させる反射光位相変化層と、
    当該反射光位相変化層の前記入光面と反対側に前記入光面と平行に複数配置されて前記反射光位相変化層での反射位相を前記部位別に制御する複数の部位別制御素子とを有し
    前記複数の部位別制御素子は、隣接する前記部位別制御素子の中心間距離が前記光の波長以下となるように配置されており、
    反射方向制御部が、前記複数の部位別制御素子を制御して前記部位毎の反射位相を調整することにより前記反射光の方向をコヒーレント光のまま変化させる
    レーザ光照射方法。
JP2017052331A 2017-01-05 2017-03-17 コヒーレント光反射方向制御装置、任意方向レーザ光照射装置、およびレーザ光照射方法 Pending JP2018109731A (ja)

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